説明

塗料スプレーしぶきの堆積方法および堆積液体

物品を塗装する場合に生成されるスプレーしぶきから固体を除去するための方法において、スプレーしぶきは空気流れによって吸収され、そしてそこを横切って堆積液体が流れ、そして大部分の少なくとも固体が堆積液体中に移送される堆積表面(42a、42b;142a、142b)に運ばれ、該堆積液体によって放出され、そして堆積工程によって液体から除去される。非粘着化媒体および任意選択的懸濁流体を含む堆積液体が使用され、そして開示され、塗料スプレーしぶきの粒子は、非粘着化媒体を使用して非粘着化される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品が塗料される場合に生じるスプレーしぶきからの固体の除去のための方法に関し、このスプレーしぶきが空気流によって取り込まれ、分離表面の上を分離液体が流れる分離表面に移送されて、少なくとも固体の大部分が分離液体に移送され、分離液体によって運び去られ、そして分離されることによって液体から除去される。
【背景技術】
【0002】
さらに、本発明は、物品が塗装される場合に生じるスプレーしぶきから固体を除去するための分離液体に関する。
【0003】
物品に塗料が手でまたは自動的に適用される場合、通常、固体および溶媒ならびに/またはバインダーの両者を含む塗料流のいくらかは、物品に適用されない。この流れのこの部分を、技術的に、スプレーしぶきという。スプレーしぶきは、スプレーブース中の空気流によって吸収され、そして分離工程に供給される。
【0004】
特に、比較的高い塗料消費の、例えば乗り物の車体を塗装するプラントの場合、冒頭に記載したタイプの方法を使用する湿式分離システムを使用することが好ましい。市場で公知のプラントでは、水または油は、分離液体として使用され、そしてブースおよびスプレーしぶきからの排気と激しくかつ乱流で混合される。
【0005】
分離液体によって取り込まれた塗料が、問題なく分離表面から誘導除去されるように、分離液体は、特別な基準を満たすことが好ましい。これは、例えば、塗料が分離液体を通って分離表面と接触した場合に塗料がその表面に接着しないように、塗料の粒子の接着作用が無効になるという事実を含む。
【0006】
さらに、できる限り最小化されるブースからの排気の通過により、分離液体のガス状成分を取り込むように、分離液体の蒸気圧は少なくとも充分低く保たれていることが好ましい。
【0007】
分離表面がタレまたは流れなしで均一に湿潤されることが確かになるように、分離液体の表面張力が充分に低いことが好ましい。
【0008】
特に、分離液体は、概して、層流、つまり、分離表面上で均一に移動する薄い膜が流れることができることが望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本発明の目的は、上記の考察を考慮した冒頭に記載したタイプの方法および分離液体を提供し、そして分離液体によってブースの空気からのスプレーしぶきの効果的な除去を確かにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
非粘着化媒体を含む分離液体、および適当な場合、キャリアー流体が使用され、塗料スプレーしぶきの粒子が非粘着化媒体によって、非粘着化される方法を参照して、この目的が達成される。
【0011】
非粘着化媒体によって生じる塗料スプレーしぶきの粒子の凝集によって、および/または非粘着化媒体によって生じまたは促進される塗料スプレーしぶきの硬化によって、および/または非粘着化媒体により生じる任意のエマルジョンの無効化によって、塗料スプレーしぶきの粒子は非粘着化されることができる。
【0012】
本発明によれば、分離表面へのスプレーしぶきの接着のリスクが減少するように、スプレーしぶきの接着剤特性はこのように無効にされる。
【0013】
この非粘着化媒体が、シリケート系、好ましくはフィロシリケート、ベントナイト、セピオライト、クレイ;アルミニウム塩系、好ましくは中性およびアルカリ性のpH値で水酸化物を生成するアルミニウム塩、好ましくは硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム;亜鉛塩系、好ましくは中性およびアルカリ性のpH値で水酸化物を生成する亜鉛塩、好ましくは塩化亜鉛、硫酸亜鉛;鉄塩系、好ましくは中性およびアルカリ性のpH値で水酸化物を生成する鉄塩、好ましくは塩化鉄、硫酸鉄;カルシウム塩系、好ましくは塩化カルシウム、硝酸カルシウム、酢酸カルシウム;ジルコニウム塩系、好ましくは塩化ジルコニウム、酢酸ジルコニウム;ポリマー系、好ましくはポリアクリルアミド、ポリメタクリルアミドまたはメラミン/ホルムアルデヒド縮合生成物;またはアミン系、好ましくはジアミン、好ましくは2−メチルペンタメチレンジアミン、エチレンジアミン、非粘着化媒体であることが好都合であることが見いだされた。
【0014】
分離されるスプレーしぶきが、水で薄められる塗料または溶媒を有する塗料であるかどうかによって、この非粘着化媒体は、凝集剤、硬化加速剤または抗乳化剤として機能する。
【0015】
分離液体の全重量に対して、0.1〜20重量%、好ましくは1〜5重量%の量で、非粘着化媒体を含む分離液体を用いると、良好な結果が得られた。
【0016】
水をキャリアー流体として使用する場合、好都合である。
【0017】
水系の分離液体の場合、この分離液体が、1種または2種以上の極性水溶性溶媒、好ましくはエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールまたはポリプロピレングリコールを含む場合、好都合であることが見いだされた。この種の溶媒は溶媒補助剤として働き、そして塗料のスプレーしぶきが分離液体によって取り込まれることを容易にする。
【0018】
本明細書において、分離液体が分離液体の全重量に対して、1〜60重量%、好ましくは20〜40重量%の量の極性水溶性媒体を含む場合、特に好都合であることが見いだされた。
【0019】
この分離液体がさらに1種または2種以上の湿潤剤、好ましくは非イオン性、アニオン性またはカチオン性界面活性剤、特に好ましくは非イオン性界面活性剤、好ましくは脂肪アルコールエトキシレートまたは脂肪アルコールプロポキシレートを含む場合、水系の分離液体を用いた塗料スプレーしぶきの粒子の取り込みが改善される。
【0020】
この場合、分離液体が、分離液体の全重量に対して、0.1〜5重量%の量の湿潤剤を含む場合、好都合である。湿潤剤は、分離液体の表面張力およびその接着および分離表面上での流動作用を調整するために使用できる。
【0021】
増粘剤、好ましくはセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、ポリサッカロイド、アラビアゴム、キサンタンガムまたは改質澱粉、特に好ましくはカルボキシメチルセルロースをさらに含む場合、比較的高粘度の水に基づく分離液体を得ることができる。この場合、分離液体の全重量に対して、0.1〜5重量%、好ましくは0.1〜1重量%の量の増粘剤を含む場合、好都合である。
【0022】
粘性のある分離液体は、さらにゆっくり流動し、ある体積のこの分離液体がスプレーしぶきを有するブースの空気とより長く接触し、そして同じ体積のより薄い分離液体より高い比率のスプレーしぶきを取り込むことができるという結果を有する。
【0023】
水系分離液体の貯蔵寿命を伸ばすために、この分離液体が、分離液体の全重量に対して、好ましくは0.5〜10重量%の量の防腐剤、好ましくはイソチアゾロン;第四級アンモニウム化合物、好ましくはジデシルジアンモニウムクロライド、ジオクチルジアンモニウムクロライド;チメチロールジメチルヒダントイン;ブロモクロロジメチルヒダントインまたはビスオキサゾリンを含む場合、好都合である。
【0024】
代替分離液体の場合、油がキャリアー流体として働く場合、好都合である。用語「油」は、その粘度が本来的に水の粘度より高い任意の油性液体を意味することを意図する。例えば、パラフィン系またはナフテン系抽残液が好適である。他の好適な油は、例えば、基油、菜種油またはパーム油である。油は、キャリアー流体として非常に好適である比較的高い粘度および比較的低い表面張力等の固有の好都合な特徴を有する。
【0025】
油系分離液体が、分離液体の全重量に対して、0.1〜15重量%の安定剤、好ましくは有機酸の形態、好ましくは脂肪酸の形態、特に好ましくはオレイン酸、パルミチン酸、ステアリン酸またはヒドロキシステアリン酸の形態の安定剤をさらに含む場合、実用的であることが見いだされた。
【0026】
比較的ペースト状の分離液体を生成させる目的の場合、分離液体の全重量に対して、この分離液体が、1〜30重量%、好ましくは3〜20重量%の量の脂肪酸、好ましくはオレイン酸またはステアリン酸を含む場合、好都合であることが見いだされた。
【0027】
この場合、分離液体の全重量に対して1〜5重量%の量で、この分離液体がさらに金属水酸化物、好ましくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウムまたは水酸化リチウムを含む場合、好都合である。
【0028】
1996年からのドイツバージョンがEN ISO 2431:1996であるDIN EN ISO 2431により、流出開口直径6mmの流量カップを使用して測定した分離液体の粘度が、2〜100秒、好ましくは5〜20秒の間、そして特に好ましくは10.5秒である場合、好都合である。
【0029】
分離液体が導電性であり、そして塗料スプレーしぶきが電極手段を使用してイオン化され、そして高圧電源の第1の極に接続された電極手段および高電圧電源の第2の極に接続された分離表面により分離表面において分離される場合、特に良好な結果が得られた。
【0030】
キャリアー流体および非粘着化媒体が相互に独立して貯蔵容器に提供される場合、分離液体における非粘着化媒体のキャリアー流体に対する比は、スプレーしぶきのタイプに個々に適合される。
【0031】
環境の観点から塗料スプレーしぶきを有する分離液体が再調製され、そして再使用される場合、特に好都合である。
【0032】
再調製を少なくとも1つのフィルターステージを含むろ過手段によって、有利に行うことができる。
【0033】
分離表面に供給される分離液体の粘度が測定される場合、好都合である。適当な場合、分離液体の粘度は、個々の成分の添加によって修正できる。
【0034】
請求項1〜17のいずれか一項の分離液体の特徴を有することで、分離液体を参照して、上記の目的が達成される。
【図面の簡単な説明】
【0035】
本発明の例示的な態様が、図を参照してさらに下記で説明される:
【図1】図1は、スプレーしぶき分離機器の第1の例示的な態様を有するコーティングプラントの塗装ブースの正面図を示し;
【図2】図2は、図1の塗装ブースの斜視図を示し;
【図3】図3は、図1の2つの分離ユニットおよび3つの電極手段の斜視図を示し;
【図4】図4は、図3の電極手段を有する2つの分離ユニットの垂直断面を示し;
【図5】図5は、第2の例示的な態様によるそれぞれの場合における2つの分離ユニットおよび3つの電極手段の斜視図を示し;
【図6】図6は、図5の複数の分離ユニットおよび電極手段を含むスプレーしぶき分離機器の第2の例示的な態様の斜視図を示し;そして、
【図7】図7は、分離ユニットに分離液体を供給するためのプラントのブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0036】
まず第一に、図1および図2を参照する。本明細書中において、2は、全体として、例えば塗装ブース2の上流にあり、そして図に示されていない前処理ステーション中でクリーニングされ、そして脱脂された後で、乗り物の車体4が塗装されるコーティングプラントの塗装ブースを示す。
【0037】
塗装ブース2は、その上に並べられ、そして垂直の側壁8a、8bおよび水平のブース天井10によって区切られているが、スプレーしぶきを有するブースからの排気が流れることができるように、終端側および下方が開放されている塗装トンネル6を含む。ブースの天井10は、従来の様式で、フィルターの天井を有し、(具体的に示されていない)空気供給チャンバーの下部区切りの形態をとる。
【0038】
側壁8a、8bの下端を側面とする塗装トンネル6の下側の開口の12のレベルに並べられているのは、それ自体公知であり、そして本明細書中においてさらに記載されていないコンベアシステム16を運ぶスチール構造物14である。これは、塗装トンネル6の入口側からそれらの出口側へ塗装される乗り物の車体4を輸送するために使用できる。塗装トンネル6の内側に、それ自身が示されていないが、そしてそれ自体公知の様式で乗り物の車体4に塗料を供給するために使用できる適用手段がある。
【0039】
塗装トンネル6の下部開口12の下に、塗装トンネル6に向かって上向きに開いており、そして塗装手順の間に生じる塗料スプレーしぶきが分離される分離チャンバー18がある。
【0040】
分離チャンバー18は、(図2中に見える)ベースプレート20、2つの垂直の側壁22a、22bおよび図1および2から省略されている2つの垂直の端壁によって区切られている。分離チャンバー18中に並べられているのは、分離チャンバー18の縦方向でもう一の後ろに並べられ、そして下記でさらに詳細を記載する複数の分離ユニット26を有する分離機器24である。
【0041】
分離機器24と塗装トンネル6との分離チャンバー18の領域内に、分離チャンバー18の側壁22a、22bから始まり、分離機器24に面するそれらの終端領域において最初に合流し、分離機器24の側面の区切りに向かって分岐する2つの空気バッフル28a、28bがある。この空気バッフル28a、28bおよび終端側面における対応する空気バッフル(図に示されていない)は、分離機器24まで下向きに伸びている。
【0042】
分離ユニット26は、分離機器24の外へ下に空気を流すことができる運搬フレーム30の上に乗っている。分離機器24の下には、分離チャンバー18中で分離機器24に沿って伸びる空気バッフル32がさらにある。この空気バッフル32は、図1および2の左側の分離チャンバー18の壁22aと向かい合う垂直区画32a、分離チャンバー18の反対側の側壁22bの方向に斜め下向きに走る区画32bを有する。図1および2中の左側の空気バッフル32の垂直区画32aと分離チャンバー18の側壁22aとの間に、空気バッフル32の垂直の区画32aに平行に伸び、そして水平平面に対して縦方向で傾斜している図1中に図式的に示されている並んだ収集チャネル34がある。
【0043】
図3および4は、分離機器24の2つの隣接した分離ユニット26を示す。そこで図に示すように、分離ユニット26は、その外側輪郭の内部形状の断面図が半円に相当し、そして分離ユニット26の上側部を形成するカーブした区画38によって、2つの平行な、それらの上側の相対する終端においてお互いに接続されている相互に間隔の空いた長方形のサイドパネル36a、36bを含む。
【0044】
その頂点で、分離ユニット26のカーブした区画38は、以下にさらに詳細を示すオーバーフローチャネル40の形態を有するように作製されている。
【0045】
サイドパネル36a、36bのそれぞれの外側表面は、以下にさらに詳細を記載する分離表面42aおよび42bを形成する。
【0046】
それらの下端では、サイドパネル36a、36bのそれぞれは、分離ユニット26のサイドパネル36a、36bに平行に走る排水チャネル44a、44bを有し、そして分離ユニット26の第1の終端側の方向で下向きに傾斜している。排水チャネル44a、44bは、分離ユニット26図3を参照のこと)のサイドパネル36a、36bとそれらの終端側で終了している。それらの端48aおよび48bでそれぞれ、排水チャネル44a、44bは、分離ユニット26の第1の終端側(図3を参照のこと)において開いている。
【0047】
図1および2中の図に示すように、それぞれの分離ユニット26は、それらの第1の終端側46上に並んだ第1の終端壁50aを含む。それ自身の参照番号を有さない分離ユニット26の対向する終端側は、第2の終端壁50bによって囲まれている。分離ユニット26の終端壁50a、50bは、関連するオーバーフローチャネル40の終端側を閉じている。2つの終端壁50a、50bは、合成材料でできている。分離ユニット26の第1の終端壁50aは、それぞれの排水チャネル44a、44bがその終端48a、48bにおいて開いている2つの開口52a、52bを含む。排水チャネル44a、44bに対するそれぞれのサイドウォール50aの側上で、ドリップトレイ54a、54bは、開口52a、52bに取り付けられている。これらは、排水チャネル44a、44bの断面に相当する断面図形状の区画の形態をとる。
【0048】
分離機器24が塗装ブース2の分離チャンバー18中に並べられている場合、それぞれの分離ユニット26のドリップトレイ54a、54bは、収集チャネル34を超えて突き出している。
【0049】
分離機器24において、それぞれの対の隣接した分離ユニット26は、それらの間に間隔を維持して並べられている。2つの隣接した分離ユニット26の間に、そして、2つの最も外側の分離ユニット26それぞれの空いているサイドパネル36aおよび36bの場合、分離ユニット24内に、それぞれの電極手段56が伸びており、それぞれが図4に示されていない高圧電源に接続されている。改良バージョンでは、電極手段56はまた、単一の高圧電源から供給されている。分離ユニット26は、地電位である。
【0050】
それぞれの電極手段56は、2つのまっすぐでかつ相互に平行な電極ストリップ58a、58bを含む。これらは電極手段56、それらに垂直である電極ストリップ58a、58bの間を伸びるグリッド電極62の端64a、64bのフィールド区画60中にグリッド電極62を有する。電極手段56のコロナ区画66内に、電極ストリップ58a、58bは、放電電極として機能する複数のコロナワイヤー68を有する。コロナワイヤー68は、グリッド電極62の端64a、64bに平行であり、そして相互に同じ間隔で並べられた電極ストリップ58a、58bによって所与の平面中を走る。
【0051】
図3および4中に示すように、電極手段56の全体的な範囲は、分離ユニット26のサイドパネル36a、36bの範囲に実質的に相当する。グリッド電極62の下部端64bが、サイドパネル36aおよび36bの下部終端のおおよそのレベルで並べられているように、電極手段56が、並べられている。
【0052】
分離機器24が運転されている場合、塗装手順の間に生じる塗料スプレーしぶきから固体粒子を取り込むのに好適である分離液体は、分離ユニット26のサイドパネル36a、36bのそれぞれの分離表面42a、42bを流れ落ち、排水チャネル44a、44bに流れる。
【0053】
この目的のために、この分離液体は、分離ユニット26のカーブした区画38中のオーバーフローチャネル40に供給される。そこから、分離液体は、オーバーフローチャネル40の隣を走る分離ユニット26のカーブした区画38のカーブした側面70a、70bを通り、それぞれの場合、凝集膜として、サイドパネル36a、36bに到達し、そして依然分離液体の凝集膜としてそれらの分離表面42a、42bを流れ落ちる。
【0054】
電極手段56のコロナワイヤー68の数、および相互からのそれらの間隔は、スプレーしぶきの粒子の分離挙動の関数として変化できる。本例示的態様において、4本のコロナワイヤー68が提供されており、一番上のワイヤーは、分離ユニット26のカーブした区画38の隣に並べられており、一方、その下のコロナワイヤー68は、依然分離ユニット26のそれぞれのサイドパネル36aまたは36bの領域中にある。
【0055】
図5は、第2の例示的な態様としてのそれぞれの場合において、改良された分離ユニット126および改良された電極手段156を示し、そして図6は、これらを含む改良された分離機器124を示す。図1〜4中の分離ユニット26,電極手段56および分離機器24の構成部分に対応する、分離ユニット126、分離ユニット26、電極手段156および分離機器124の構成部分は、同じ参照番号+100によって示されている。
【0056】
分離ユニット126は、特に排水チャネル144a、144bが分離ユニット126の終端壁146を超えて突き出している点で、分離ユニット26と異なる。突き出している区画172a、172bは、上記のドリップトレイ54a、54bに相当し、そしてこの理由で、これらは分離機器124に関して記載される必要はない。
【0057】
図6中に示すように、分離ユニット126の排水チャネル144a、144bの突出した区画172a、172bは、分離機器124のそれぞれの終端壁150a中に、それぞれの開口152a、152bを通って伸びている。
【0058】
図5は、それぞれの分離ユニット126のサイドパネル136a、136bの間に並んだ高圧電源174を示し、そして電極手段156に接続されている。高圧電源174はまた、対応して、第1の例示的な態様によるそれぞれの分離ユニット26のために提供されていることができる。それぞれの場合において、個々の分離ユニット126および個々の電極手段156は、このように分離モジュール176を形成する。従って、それぞれの場合における個々の分離ユニット26および個々の電極手段56は図1〜4中で分離モジュール76を形成する。
【0059】
図5において、筋交い178a、178b、178cがまた見えており、そしてこれらは、分離ユニット126の2つのサイドパネル136a、136bの内面に底部、中央部および上部で相互に接続している。
【0060】
第2の例示的な態様による電極手段156の場合、保護ロッド180は、一番上のコロナワイヤー168より上の電極ストリップ158a、158bの間で垂直に走り、そして塗装トンネル6から落ち、そして電極手段156に落ちてくる場合がある物体または粒子がコロナワイヤー168と接触するであろうリスクを低下させる。
【0061】
さもなければ、分離ユニット26、電極手段56および分離機器24に関連して上記に記載したものはまた、分離ユニット126、電極手段156および分離機器124に対応して適用される。
【0062】
上記の機器の基本原理が、図1〜図4による分離機器24の例によって、これから説明される。塗装ブース2の中で図5および図6による分離機器124が、類似の様式で使用される。
【0063】
乗り物の車体が塗装トンネル6中で塗装される場合、ブースの空気は、塗料スプレーしぶきの粒子を有している。依然液体および/またはタックがある場合があり、また程度の差はあるが既に固体がある場合がある。塗料スプレーしぶきを有するブースからの排気は、塗装トンネル6の下の開口12を通って流れ、そして分離チャンバー18に入る。そこで、この空気は、空気バッフル28a、28bによって分離機器24の方向に曲がり、そして隣接した分離ユニット26の間を通って、下部の空気バッフル32の方向に流れる。
【0064】
コロナワイヤー68では、コロナ放電は、それ自体公知の様式で起こり、そしてこれらは、通過して流れるブースからの排気中のスプレーしぶきの粒子を効果的にイオン化する。
【0065】
イオン化されたスプレーしぶきの粒子は、電極手段56の第1の区画60中の、2つの隣接した分離ユニット26のアースしたサイドパネル36a、36bおよびそれらの間のグリッド電極62を通過して移動する。グリッド電極62とサイドパネル32a、32bとの間の電場により、イオン化されたスプレーしぶきの粒子は、分離ユニット26のサイドパネル36a、36bの分離表面42a、42bにおいて分離され、そしてそれらに沿った分離液体流によってそこで取り込まれる。
【0066】
イオン化されたスプレーしぶきの粒子のいくらかは、コロナワイヤー68の領域中の、電極手段56の第2の区画66中の分離ユニット26で、分離される。分離ユニット26のコロナワイヤー68とそれぞれのサイドパネル36a、36bとの間の電場は、グリッド電極62の領域中の電場よりさらに不均質であるが、しかし、この理由により、対応する分離ユニット26におけるイオン化されたスプレーしぶきの粒子の分離は、そこでさらに管理され、かつさらに効果的となる。
【0067】
分離ユニット26の間を通過するクリーニングされる空気は、図1および図2の右側に示された下部の空気バッフル32によって、分離チャンバー18の側壁22bの方向に曲げられ、そしてそこから、ある処理を受けた後の適当な再び新鮮な空気として塗装トンネル6に供給される。この処理は、特に温度、空気湿度および適当な場合には空気中に依然存在する溶媒の除去であることができる。
【0068】
分離ユニット26の上を流れ落ち、そしてスプレーしぶきの粒子を有する分離液体は、分離ユニット26の排水チャネル44a、44bに降りていく。排水チャネル44a、44bの傾きの結果として、スプレーしぶきの粒子を有する分離液体は、それぞれの終端壁50a中の開口52a、52bの方向に流れ、これらを通り、そしてそこからドリップトレイ54a、54bを経て収集チャネル34に入る。スプレーしぶきの粒子を有する分離液体は、収集チャネル34を通り、そして塗装ブース2を出て流れ、そしてスプレーしぶきの粒子が分離液体から除去されるか、または処分ステップに行くクリーニングおよび再調製ステップに供給される。
【0069】
図7中で、1082は、分離液体が分離ユニット26に供給され、そして塗料スプレーしぶきの粒子を有する分離液体が、新品同様の仕様のために再調製されることを用いるプラント全体を示す。分離ユニット26の代わりに、分離ユニット126がまた提供されることができる。
【0070】
プラント1082は、非粘着化媒体と別の全ての成分を含む分離液体の基本的な混合物が共に混合される貯蔵容器1084(図7中の左側に並べられた)を含む。この目的のために、貯蔵容器1084は、分離液体の個々の成分が提供される複数の容器と流体連通することができる。図7は、一例として、閉鎖弁1088a、1088bを備えたライン1090a、1090bを経て、貯蔵容器1084に接続された2つのそうした容器1086a、1086bを示す。
【0071】
プラント1082は、非粘着化媒体のためのさらなる貯蔵容器1092をさらに含み、その一部は、閉鎖弁1094を備えたライン1096を経て、非粘着化媒体が供給される容器1098に接続されることができる。供給容器1086a、1086bおよび1098は、積み込み傾斜台1100上に配置されることができる。ライン1102は、貯蔵容器1084から、その一部がライン1106を経て、非粘着化媒体の貯蔵容器1092に説属されている収集ライン1104に至る。それぞれのポンプ1108および1110は、ライン1102および1106に並べられており、そしてこれらは、それぞれの貯蔵容器1084および1092の内容物が計測される様式で収集ライン1104に運ばれることを可能にする。
【0072】
収集ライン1104が開き、貯蔵容器1084からのベース材料および貯蔵容器1092からの非粘着化媒体が合せられ、そして充分に混合される貯蔵容器1112に入る。
【0073】
その一部として、貯蔵容器1112は、それ自体公知の種類の微細フィルター1118を有するポンプ1114を備えたライン1116を経て通じている。ポンプ1114によって、貯蔵容器1112から運び出された分離液体は、この微細フィルター1118を通って流れ、そしてポンプ1120を備えた放出ライン1122によって再び出る。
【0074】
ポンプ1120の下流には、第1の区画1126aを有し、それ自体公知である粘度計1128の入口に至るバイパスライン1124、および粘度計1128の出口から収集ライン1104に至る区画1126bが走っている。
【0075】
バイパスライン1124の第1の区画1126a中に並べられているのは、粘度計1128にまたエネルギーを供給するエネルギー源1134によって出力を供給される電磁石1130によって作動される弁1132である。エネルギー源1134は、それによって制御され、そしてそれぞれ使用されるキャリアー流体を供給するか、またはこれらの2つのライン1140、1104を相互に接続しているライン1140から収集ライン1104を切断する弁1138の電磁石1136へのエネルギー供給元としてさらに機能する。ライン1140は、キャリアー流体が貯蔵されている(図示されていない)貯蔵容器と連通する。バイパスライン1124への連結点の下流に、微細フィルター1118からくる放出ライン1122が、並べられたスプリング荷重弁1144がある供給ライン1142に接続されている。供給ライン1142は3つの枝ライン1146a、1146b、1146cに分岐しており、そのそれぞれに閉鎖弁1148a、1148b、1148cが並べられている。ラインの腕1146a、1146b、1146cは、分離ユニット26の上側に続く。
【0076】
全体的な、プラント1082は、分離手段24の分離ユニット26があるので、対応する枝ライン1146a、1146b、1146cを有するのと同じ数のライン1142を含む。
【0077】
それぞれの分離ユニット26のオーバーフローチャネル40から、除去ライン1150は、その一部として、戻りライン1154に続く閉鎖弁1152を有する。戻りライン1154は、不織布のフィルター1160によってそれらの下部チャンバー1158から分離されている貯蔵容器1112の上部チャンバー1156に開いている。不織布のフィルター1160は、貯蔵容器1112中で分離液体のレベルの上のレベルに沿って動きそしてこの目的のために、ロール1162からほどくことができるようにストリップの形態をとる。ほどかれた不織布フィルター1160は、収集容器1164中に受けられる。スプリング弁1144と枝ライン1146a、1146b、1146cとの間で、さらに閉鎖弁1168が並べられ、そして戻りライン1154に通じる除去ライン1166に供給ライン1142が接続されている。それぞれの分離ユニット26の排水チャネル44a、44b、144a、144bは、それら自身の除去ライン1170を経て戻りライン1154に接続されている。
【0078】
供給ライン1142が開いている点を超えて、放出ライン1122は、戻り区画1172を経て、戻り区画1172中に並べられたスプリング荷重の閉鎖弁1174を有する貯蔵容器1112の下部チャンバー1158へ通じる、
【0079】
上記のプラント1082は、以下のように作動する:
貯蔵容器1084および1092中の成分が、所望の混合比で、収集ライン1104を経て貯蔵容器1112の下部チャンバー1158に運ばれる。そこの分離液体は、あらたに混合された部分だけでなく、洗浄された分離液体、下に戻るであろうものを含む、
【0080】
貯蔵容器1112の下部チャンバー1158中の分離液体は、微細フィルター1118を通って流れ、そして枝ライン1146a、1146bおよび1146cを有する供給ライン1142を経て、それぞれの分離ユニット26に誘導される。
【0081】
分離液体は、供給ライン1142中でスプリング荷重弁1144が開いているところで、例えば20リッター/分の速度で運ぶ微細フィルター1118の下流のポンプ1120によって運ばれる。
【0082】
供給ライン1142を枝ライン1146a、1146b、1146cに分岐させることによって、それぞれの放出ユニット26に到達する分離液体の量の微細な調整を行うことが可能である。この目的のために、分離液体が3つのライン1146a、1146b、1146cに1つまたは2つまたは全てを通して、放出ユニット26に放出されるように、バルブ1148a、1148b、1148cは、適当に切り替えられる。適当な場合には、バルブ1148を有する3つより多い枝ライン1146を提供することがまた可能である。例えば、分離液体は、0.2〜0.3リッター/メートル/分のスループットで枝ライン1146a、1146b、1146cを離れる。それぞれの枝ライン1146a、1146b、1146cを通るスループットは、その通る断面を調整することによって、またはその通る断面を調節できるバルブ1148a、1148b、1148cを使用することによって調整できる。
【0083】
ポンプ1120の搬送速度が供給ライン1142中でスプリング弁1144の閉鎖動作に対して大きすぎる場合、戻りライン1172中でスプリング荷重閉鎖弁1174が開き、そして分離液体が回路中に運搬され、微細フィルター1118によって、貯蔵容器1112の下部チャンバー1158に戻る。例えば、閉鎖弁1174は、その上の圧力が1バールを超えると開く。
【0084】
粘度計1128は、微細フィルター1118からくる分離液体の粘度を測定するために使用できる。この目的のために、微細フィルター1118からくる分離液体のいくらかが、粘度計1128に到達するように、ソレノイド弁1132が開かれる。粘度計1128を離れる分離液体は、ライン区画1126bを経て、収集ライン1104に再び供給され、そしてそこから、貯蔵容器1112の下部チャンバー1158へ再び供給される。分離液体があまりに高すぎる粘度を有すると粘度測定が示す場合、それぞれのキャリアー流体がライン1140から収集ライン1104へと通過するように、ソレノイド弁1138が開かれることができ、その結果として貯蔵容器1112中の分離液体は薄められ、そしてその粘度は低下する。
【0085】
分離液体の粘度が低すぎる場合、供給容器からの成分の供給に対応した変化によって高められることができる。
【0086】
分離ユニット26の放出チャネル44a、44b、144a、144bからきて、そして塗料スプレーしぶきの粒子を有する分離液体は、除去ライン1170および戻りライン1154を経て貯蔵容器1112の上部チャンバー1156に導かれる。貯蔵容器1112の上部チャンバー1156内では、重力が不織布のフィルター1160を通して、貯蔵容器1112の下部チャンバー1158に分離液体を移動させ、フィルターさせ、そして概して塗料スプレーしぶきの粒子がなくなる。この間に、分離液体によって取り込まれた塗料スプレーしぶきの粒子は、不織布のフィルター1160に保持される。いったん貯蔵容器1112中の不織布のフィルター1160の区画が最大量の塗料スプレーしぶきの粒子で詰まり、そして不織布のフィルター1160を通して分離液体の適当なスループットでの満足なろ過結果がもはや保証されなくなると、不織布のフィルター1160の積載していない区画が貯蔵容器1112のチャンバー1156および1158を相互に分離するまで不織布のフィルター1160がロール1162からほどかれる。塗料スプレーしぶきの粒子を有する不織布のフィルター1160のそれぞれの区画は、上記のように収集容器1164中に受け入れられる。
【0087】
不織布のフィルター1160のフィルター動作が、もっとも小さい粒子ですら保持するのに充分でなくなるか、または原理上充分でない場合、もっとも小さい粒子は、概してクリーニングされかつ粒子を有していない分離液体のみが放出ライン1122に到達し、そしてそこから分離ユニット26に誘導されるように、微細フィルター1118によってろ過される。
【0088】
枝ライン1146a、1146b、1146cを有するライン1142およびそれぞれの分離ユニット26のオーバーフローチャネル40、140は、除去ライン1150および1170によって空になることができる。これは、例えば分離液体を変更する場合には必要である場合がある。
【0089】
プラント1082を使用して、分離液体は、分離ユニット26を有する並べられた分離手段24がある回路において使用できる。本明細書中において、分離ユニットからの塗料スプレーしぶきの粒子を有する分離液体を開放し、そして回路に戻して供給することは可能である。
【0090】
分離液体の組成の所与の例を下に示し、これは好適な実際に好適であることが見いだされ、そして重量%での数字がそれぞれの分離液体の全重量に関連している。
【実施例】
【0091】
例1
溶媒系塗料または2パックの塗料を分離するのに適した薄い水系分離液体は、以下の組成を有した:
62重量%の水
35重量%のモノエチレングリコール
1重量%の脂肪アルコールエトキシレート(7EO)
2重量%の2−メチルペンタメチレンジアミン。
【0092】
例2
水で希釈可能な塗料を分離するのに好適な薄い水系の分離液体は、以下の組成を有した:
62重量%の水
35重量%のモノエチレングリコール
2重量%の硫酸亜鉛ヘプタ水和物
0.7重量%の脂肪アルコールエトキシレート(7EO)
0.3重量%のジデシルジアンモニウムクロライド。
【0093】
例3
分離溶媒系塗料または2パックの塗料を分離するために使用される場合に良好な結果を与えた粘性のある水系の分離液体は、以下の組成を有した:
64.25重量%の水
0.75重量%のカルボキシメチルセルロース
32重量%のモノエチレングリコール
0.5重量%の脂肪アルコールエトキシレート(7EO)
2.5重量%の2−メチルペンタメチレンジアミン。
【0094】
例4
水で薄めることのできる塗料を分離するために使用される場合に、良好な結果を与えた粘性のある水系分離液体は、以下の組成を有した:
62重量%の水
35重量%のモノエチレングリコール
2重量%の硫酸亜鉛7水和物
0.3重量%の脂肪アルコールエトキシレート(7EO)
0.5重量%のセルロース(Natrosol 250 HHR)
0.2重量%のジデシルジアンモニウムクロライド。
【0095】
例5
溶媒系塗料と2パックの塗料を分離するために使用される場合に、良好な結果を与えた油系分離液体は以下の組成を有した:
83重量%の基油100/40℃
14.5重量%のオレイン酸
2.5重量%の2−メチルペンタメチレンジアミン。
【0096】
例6
溶媒系塗料と2パックの塗料を分離するために使用される場合に、良好な結果を与えたペースト状油系の分離液体は、以下の組成を有した:
90重量%の基油120/40℃
3.5重量%のヒマシ油
3.5重量%のヒドロキシステアリン酸
1.2重量%の水酸化リチウム
1.8重量%の2−メチルペンタメチレンジアミン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スプレーしぶきが空気によって取り込まれ、そして分離表面上を分離液体が流れている分離表面(42a、42b;142a、142b)に輸送され、ここで少なくとも大部分の固体が、該分離液体に移送し、該分離液体によって輸送され、そして分離されることによって該液体から除去される、物品が塗装される場合に生じるスプレーしぶきからの固体の除去のための方法であって、
非粘着化媒体を含む分離液体、および適当な場合にはキャリアー流体が使用され、塗料スプレーしぶきの粒子が、該非粘着化媒体によって非粘着化されることを特徴とする、方法。
【請求項2】
該非粘着化媒体が、シリケート系、好ましくはフィロシリケート、ベントナイト、セピオライト、クレイ;アルミニウム塩系、好ましくは中性およびアルカリ性のpH値で水酸化物を生成するアルミニウム塩、好ましくは硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム;亜鉛塩系、好ましくは中性およびアルカリ性のpH値で水酸化物を生成する亜鉛塩、好ましくは塩化亜鉛、硫酸亜鉛;鉄塩系、好ましくは中性およびアルカリ性のpH値で水酸化物を生成する鉄塩、好ましくは塩化鉄、硫酸鉄;カルシウム塩系、好ましくは塩化カルシウム、硝酸カルシウム、酢酸カルシウム;ジルコニウム塩系、好ましくは塩化ジルコニウム、酢酸ジルコニウム;ポリマー系、好ましくはポリアクリルアミド、ポリメタクリルアミドまたはメラミン/ホルムアルデヒド縮合生成物;またはアミン系、好ましくはジアミン、好ましくは2−メチルペンタメチレンジアミン、エチレンジアミン、非粘着化媒体であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
該分離液体が、該分離液体の全重量に対して、0.1重量%〜20重量%、好ましくは1重量%〜5重量%の量で該非粘着化媒体を含むことを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
該分離液体が、該キャリアー流体として水を含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
該分離液体が、1種または2種以上の極性水溶性溶媒、好ましくはエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールまたはポリプロピレングリコールをさらに含むことを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
該分離液体が、該分離液体の全重量に対して、1重量%〜60重量%、好ましくは20重量%〜40重量%の量の極性水溶性溶媒を含むことを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
該分離液体が、1種または2種以上の湿潤剤、好ましくは非イオン性、アニオン性またはカチオン性界面活性剤、特に好ましくは非イオン性界面活性剤、好ましくは脂肪アルコールエトキシレートまたは脂肪アルコールプロポキシレートをさらに含むことを特徴とする、請求項4〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
該分離液体が、該分離液体の全重量に対して、0.1重量%〜5重量%の量の湿潤剤を含むことを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
該分離液体が、増粘剤、好ましくはセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、ポリサッカロイド、アラビアゴム、キサンタンガムまたは改質された澱粉、特に好ましくはカルボキシメチルセルロースをさらに含むことを特徴とする、請求項4〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
該分離液体が、該分離液体の全重量に対して、0.1重量%〜5重量%、好ましくは0.1重量%〜1重量%の量で、増粘剤を含むことを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
該分離液体が、防腐剤、好ましくはイソチアゾリン;ジデシルジアンモニウムクロライド、ジオクチルジアンモニウムクロライド等の第四級アンモニウム化合物;チメチロールジメチルヒダントイン;ブロモクロロジメチルヒダントインまたはビスオキサゾリンを、好ましくは該分離液体の全重量に対して、0.5重量%から10重量%の量で、さらに含むことを特徴とする請求項4〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
該分離液体が、該キャリアー流体として油を含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
該分離液体が、該分離液体の全重量に対して、0.1〜15重量%の量で、好ましくは有機酸の形態で、好ましくは脂肪酸の形態で、特に好ましくはオレイン酸、パルミチン酸、ステアリン酸またはヒドロキシステアリン酸の形態で安定化剤をさらに含むことを特徴する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
該分離液体が、該分離液体の全重量に対して、1重量%〜30重量%、好ましくは3重量%〜20重量%の量で、脂肪酸、好ましくはオレイン酸、パルミチン酸、ステアリン酸またはヒドロキシステアリン酸をさらに含むことを特徴とする、請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
該分離液体が、該分離液体の全重量に対して、1重量%〜5重量%量で、金属水酸化物、好ましくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウムまたは水酸化リチウムをさらに含むことを特徴とする、請求項12〜14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
該分離液体の該粘度が、直径6mmの流出開口6を有するフローカップを使用して、ドイツ国バージョンが1996年からEN ISO2431:1996であるDIN EN ISO 2431により測定して、2秒〜100秒、好ましくは5秒〜20秒、そして特に好ましくは10.5秒であることを特徴とする、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
該分離液体が導電性であり、そして塗料スプレーしぶきが、電極手段(56、156)を使用してイオン化され、そして該分離表面(42a、42b;142a、142b)において高圧電源(74;174)の該第1の極に接続された該電極手段(56、156)および該高圧電源(74;174)の該第2の極に接続された該分離表面(42a、42b;142a、142b)によって分離されることを特徴とする、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
該キャリアー流体および該非粘着化媒体が、相互に独立した貯蔵容器(1112)に供給されることを特徴とする、請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
塗料スプレーしぶきを有する該分離液体が、再調製され、そして再使用されることを特徴とする、請求項1〜18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
該再調製が、少なくとも1つのフィルターステージ(1118;1160)を含むろ過によって行われることを特徴とする、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
該分離表面(42a、42b;142a、142b)に供給される該分離液体の該粘度が測定されることを特徴とする、請求項1〜20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
物品が塗装される場合に生じるスプレーしぶきから固体を除去するための分離液体であって、該分離液体が請求項1〜17のいずれか一項に記載の該分離液体の特徴を有することを特徴とする、液体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2012−501818(P2012−501818A)
【公表日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−525427(P2011−525427)
【出願日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際出願番号】PCT/EP2009/005863
【国際公開番号】WO2010/025810
【国際公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【出願人】(511056714)アイゼンマン アクチェンゲゼルシャフト (15)
【Fターム(参考)】