説明

塗料回収装置及び袋構成チューブ

【課題】洗浄の手間を軽減することが可能な塗料回収装置及び袋構成チューブの提供を目的とする。
【解決手段】ミスト状の塗料を含んだミストガスを塗料回収ケース11内の衝突壁14に吹き付け、衝突壁14から垂れた雫状の塗料を、チューブ支持スリーブ内に通された袋構成チューブTBのうち、チューブ支持スリーブの下方に引き出された袋構成部TB1に貯める。袋構成部TB1に基準重量の塗料が貯まる毎に、袋構成部TB1の内部に貯まった塗料より上側部分がヒートシーラー37によって密閉状態に溶着されて、塗料を封止した塗料パックが生成される。塗料パックは、カッタにより袋構成チューブTBから切り離される。即ち、液体の塗料を基準重量ずつ密閉状態の袋詰めにした塗料パックにして排出するので、塗料を洗浄する手間を軽減することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ミスト状の塗料を含んだミストガスを衝突壁に吹き付けて液状の塗料にして回収する塗料回収装置及びその塗料回収装置に使用される袋構成チューブに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の塗料回収装置としては、回収された液状の塗料を回収タンクに貯留すると共に、回収タンクから配管を通して排出する構成のものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−275640号公報(段落[0020]〜[0022]、第3図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上述した従来の塗料回収装置では、塗料が回収タンクや配管内に残って固着するため、回収タンクや配管の洗浄を行う必要があった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、洗浄の手間を軽減することが可能な塗料回収装置及び袋構成チューブの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明に係る塗料回収装置は、ミスト状の塗料を含んだミストガスを塗料回収ケース内に導入してその内部の衝突壁に吹き付け、衝突壁から垂れた雫状の塗料を集めて液状の塗料にして回収する塗料回収装置において、雫状の塗料の降下領域を内側に有する一方、外側に、樹脂シート製の袋構成チューブが蛇腹状に折り畳まれて挿入されたチューブ支持部を有する支持包囲壁と、支持包囲壁の一端部から袋構成チューブを所定長引き延ばした状態に保持するためのチューブ保持手段と、袋構成チューブのうち支持包囲壁から引き延ばされた袋構成部の下端部を閉塞状態に固着又は輪留め可能なチューブ下端閉塞手段と、袋構成部に貯まった塗料の重量を計測するための計量器と、計量器による計量結果が予め定められた基準重量に達した場合に、チューブ保持手段による袋構成チューブの保持を解除し、支持包囲壁の一端部から袋構成チューブを所定長引き延ばすチューブ送給手段と、計量器による計量結果が予め定められた基準重量に達した場合に、袋構成部のうち内部に貯まった塗料より上側部分を閉塞状態に固着又は輪留めして、袋構成部内に塗料を封止した塗料パックを生成するチューブ上端閉塞手段と、塗料パックを袋構成チューブから切り離すためのパック切離手段とを備えたところに特徴を有する。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載の塗料回収装置において、上下方向に延びた筒状体であって外側にチューブ支持部を有し、そのチューブ支持部から上方又は内側に引き延ばされた袋構成チューブを内側に取り込んで側方から支持する支持包囲壁としてのチューブ支持スリーブと、チューブ支持スリーブの下方で水平方向に対をなして設けられ、互いに離れて間を袋構成チューブが降下可能な離間状態と、互いに接近して袋構成チューブを側方から挟持した接近状態とに切り替え可能であると共に、接近状態で対称回転して袋構成チューブを下方に張ることが可能なチューブ送給手段としての1対の送りローラと、1対の送りローラの下方に配置され、袋構成チューブの一部を側方から固着又は輪留めして閉塞するためのチューブ上端閉塞手段及びチューブ下端閉塞手段としてチューブ閉塞手段とを備えたところに特徴を有する。
【0008】
請求項3の発明は、請求項2に記載の塗料回収装置において、1対の送りローラの下方に配置されて、水平方向で対向しかつ互いに離れて間を塗料パックが降下可能な離間状態と、互いに接近して袋構成チューブを側方から挟持した接近状態とに切り替え可能であると共に、接近状態で袋構成チューブに挟持圧を付与して袋構成チューブを閉塞状態に溶着する挟持加圧部を上下2箇所に分けて有した1対のヒートシーラーをチューブ閉塞手段として備え、上側の挟持加圧部にてチューブ下端閉塞手段が構成される一方、下側の挟持加圧部にてチューブ上端閉塞手段が構成されたところに特徴を有する。
【0009】
請求項4の発明は、請求項3に記載の塗料回収装置において、パック切離手段は、上下の挟持加圧部が袋構成チューブを挟持した状態で、それら上下の挟持加圧部の間で袋構成チューブを切断又は溶断するように構成したところに特徴を有する。
【0010】
請求項5の発明は、請求項3又は4に記載の塗料回収装置において、計量器は、1対のヒートシーラーの下方に配置され、1対のヒートシーラーが離間状態となった場合に、袋構成部を下方から支持する位置に配置されたところに特徴を有する。
【0011】
請求項6の発明は、請求項1乃至5の何れかに記載の塗料回収装置において、塗料パックが塗料回収ケースの内部で生成されるようにチューブ上端閉塞手段を塗料回収ケース内に配置し、塗料回収ケースの底部には、袋構成チューブから切り離された塗料パックを一時的に収容する暫定収容部屋が設けられ、塗料回収ケースに形成されて、暫定収容部屋をその上方の塗料回収ケースの内部空間と区画するための下端区画壁と、下端区画壁に形成されて塗料パックを暫定収容部屋に受け入れるためのパック通過口と、パック通過口を開閉する通過口開閉扉と、塗料回収ケースの底壁に形成されて塗料パックを暫定収容部屋から塗料回収ケースの下方外側に排出するためのパック排出口と、パック排出口を開閉する排出口開閉扉と、通過口開閉扉と排出口開閉扉とを駆動するための扉駆動手段と、パック排出口を閉じた状態でパック通過口を開きかつパック通過口を閉じた状態でパック排出口を開くと共に、塗料パックが袋構成チューブから切り離されるときにパック通過口を開き、塗料パックが暫定収容部屋に受け入れられたときにパック排出口を開くように扉駆動手段を制御する開閉制御部とを備えたところに特徴を有する。
【0012】
請求項7の発明に係る袋構成チューブは、請求項1乃至6の塗料回収装置に使用される袋構成チューブであって、径方向の中心から外側又は外側から中心に向かうに従って上下に交互に折り返された蛇腹構造をなし、径方向の外側に位置した端部から所定長ずつ引き延ばして使用可能としたところに特徴を有する。
【発明の効果】
【0013】
[請求項1及び7の発明]
請求項1の発明によれば、ミスト状の塗料を含んだミストガスを塗料回収ケース内の衝突壁に吹き付けると衝突壁に塗料が付着する。衝突壁から垂れた雫状の塗料は支持包囲壁の内側を降下して予め下端部が閉塞された袋構成部に貯まる。袋構成部に貯まった塗料の重量は計量器にて計量され、計量器による計量結果が予め定められた基準重量に達した場合に、袋構成チューブの保持が解除されて、支持包囲壁の一端部から袋構成チューブが所定長引き延ばされる。また、袋構成部のうち内部に貯まった塗料の上方部分が閉塞状態に固着又は輪留めされ、袋構成部内に塗料を密閉状態に封止した塗料パックが生成される。そして塗料パックは、パック切離手段により袋構成チューブから切り離される。
【0014】
このように本発明によれば、液状の塗料を基準重量ずつ密閉状態に封止した塗料パックにして排出するので、塗料回収装置への塗料の付着を抑えて洗浄の手間を軽減することができる。
【0015】
ここで、チューブ送給手段が支持包囲壁の一端部から袋構成チューブを引き延ばすタイミングは、塗料パック生成後でもよいし、計量器による計量結果が予め定められた基準重量に達した後でかつ塗料パックを生成する前でもよい。
【0016】
また、本発明の塗料回収装置に使用される袋構成チューブとしては、径方向の中心から外側又は外側から中心に向かうに従って上下に交互に折り返された蛇腹構造をなし、径方向の外側に位置した端部から所定長ずつ引き延ばして使用可能としたものが好適である(請求項7の発明)。
【0017】
[請求項2の発明]
請求項2の発明によれば、チューブ支持スリーブの内側に取り込んだ袋構成チューブを1対の送りローラによって挟持して、それら送りローラを対称回転させることで、袋構成チューブをチューブ支持スリーブから下方に引き延ばすことができる。
【0018】
[請求項3及び4の発明]
請求項3の発明によれば、1対のヒートシーラーが互いに接近して袋構成チューブを側方から挟持すると、1対のヒートシーラーに備えた上側の挟持加圧部によって、袋構成部の下端部が閉塞状態に溶着されると共に、下側の挟持加圧部によって、塗料パックの上端部が閉塞状態に溶着される。即ち、袋構成部の下端部と塗料パックの上端部とを同時に閉塞状態に固着することができる。
【0019】
ここで、パック切離手段は、上下の挟持加圧部の間を刃物(カッタ)等で切断する構成でもよいし、熱で溶かして切り離す溶断方式でもよい。
【0020】
[請求項5の発明]
請求項5の発明によれば、計量器は、1対のヒートシーラーが離間状態となった場合に、袋構成部を下方から受け止めることで、袋構成部に貯まった塗料の重量を計測する。
【0021】
[請求項6の発明]
請求項6の発明によれば、塗料回収ケースの底部には、下端区画壁によってその上方の内部空間と区画された暫定収容部屋が設けられており、塗料回収ケースの内部で袋構成チューブから切り離された塗料パックは、下端区画壁に形成されたパック通過口を通って暫定収容部屋に一時的に収容され、その後、塗料回収ケースの底壁に形成されたパック排出口から塗料回収ケースの下方外側に排出される。ここで、パック通過口及びパック排出口は共に開閉可能となっており、パック排出口が閉じた状態でパック通過口が開かれかつ、パック通過口が閉じた状態でパック排出口が開かれるようになっている。これにより、塗料回収ケースのうち、暫定収容部屋より上方の内部空間に外気が進入して袋構成チューブがばたつくという事態を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施形態に係る塗装ブース全体の概念図
【図2】塗料回収装置の(A)正断面図、(B)側断面図
【図3】袋構成チューブセット時の塗料回収装置の側断面図
【図4】ヒートシーラー及び押圧部材の斜視図
【図5】(A)離間状態におけるヒートシーラーの側断面図、(B)接近状態におけるのヒートシーラーの側断面図
【図6】塗料回収装置の動作を示すフローチャート
【図7】塗料貯留過程における塗料回収装置の(A)正断面図、(B)側断面図
【図8】塗料パック生成過程における塗料回収装置の(A)正断面図、(B)側断面図
【図9】塗料パックを暫定収容部屋に受け入れたときの塗料回収装置の(A)正断面図、(B)側断面図
【図10】塗料パックを暫定収容部屋から排出したときの塗料回収装置の(A)正断面図、(B)側断面図
【図11】変形例に係る塗料回収装置の側断面図
【図12】変形例に係る塗料回収装置の側断面図
【図13】変形例に係る塗料回収装置の袋構成チューブセット時における側断面図
【図14】(A)塗料パックが生成された状態の概念図、(B)塗料パックが自重落下したときの概念図
【図15】変形例に係る塗料パック生成及び切断方法を示す概念図
【図16】変形例に係る袋構成チューブの取付状態を示す断面図
【図17】変形例に係る支持包囲壁の概念図
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の一実施形態を、図1〜図10に基づいて説明する。図1には本発明の塗料回収装置10を備えた塗装ブース90の全体が示されている。
【0024】
図1に示すように塗装ブース90は、被塗装物B(例えば、自動車のボディ)に塗料(例えば、水性塗料)を吹き付けて塗装を行う塗装室91と、塗装室91にダウンフローの空気を供給するための給気室92と、塗装室91内でオーバースプレーされた塗料を回収するための塗料回収装置10とを備えている。塗装室91には複数の塗装ロボット93が備えられ、その塗装ロボット93のアームにはミスト状の塗料を噴霧するスプレーガン94が備えられている。
【0025】
塗料回収装置10は塗装室91の下方に配設され、塗装室91と連通した塗料回収ケース11と塗料回収ケース11の上端寄り位置から側方延びた排気ダクト12とを備えている。排気ダクト12には排気ファン12Fが備えられ、排気ファン12Fの吸引力によって塗装室91内のミスト状塗料を含んだミストガスが塗料回収ケース11内に吸引されるようになっている。
【0026】
塗料回収ケース11内では、塗装室91から吸引されたミストガスから塗料を分離して回収すると共に、塗料分離後のガスを排気ダクト12を通じて塗装ブース90外に排気する。
【0027】
塗料回収ケース11の天井壁11A(塗装室91の底壁)からは、鉛直下方に向かって排気管13が延びている。塗装室91内のミストガスはこの排気管13を通って塗料回収ケース11内に導入される。また、排気管13Aは、下方に向かって先細り形状になっており、ミストガスは排気管13を通過する過程で増速される。
【0028】
排気管13の下端開口には衝突壁14が間隔を空けて対向配置されており、それら衝突壁14と排気管13は一体に形成されている。そして、排気管13を通過したミストガスは、衝突壁14に吹き付けられ、このとき、ミストガス中の塗料が衝突壁14に付着する。また、衝突壁14に付着した塗料は、やがて雫となって衝突壁14から落下する。
【0029】
さて、塗料回収ケース11は、上方から見て例えば、長方形状のボックス構造をなしており、その内部には、インナーベース15(図2参照)が備えられている。インナーベース15は、例えば、塗料回収ケース11に内接した下端有底の円筒形をなし、塗料回収ケース11の上下方向の中間位置に設けられている。より詳細には、インナーベース15は排気ダクト12より下方に配置され、排気管13の下端部及び衝突壁14を側方から包囲している(図1参照)。
【0030】
インナーベース15の内側にはチューブ支持スリーブ18(本発明の「支持包囲壁」に相当する)が設けられている。チューブ支持スリーブ18は上下方向に延びて排気管13の下端部及び衝突壁14を側方から包囲している。チューブ支持スリーブ18は、例えば、インナーベース15の円筒壁15A(図2(A)参照)と同心の円筒形状をなしており、インナーベース15の底壁15Bから垂直に起立している。また、チューブ支持スリーブ18で囲まれた底壁15Bの中央部にはチューブ引出口15Cが貫通形成されている。チューブ支持スリーブ18の内側空間は、衝突壁14から垂れた塗料の降下領域となっている。
【0031】
インナーベース15の円筒壁15Aとチューブ支持スリーブ18との間に形成された環状空間のうち、上下方向の中間位置には、環状空間を上下に仕切る円環状の中間壁17が設けられており、中間壁17より上側にチューブ収納部16(本発明の「チューブ支持部」に相当する)が形成されている。チューブ収納部16には、袋構成チューブTBが収納可能となっている。
【0032】
袋構成チューブTBは樹脂シートを環状に形成してなる。袋構成チューブTBは、蛇腹状に折り畳まれた状態で前記チューブ収納部16に収納されている。詳細には、袋構成チューブTBは、径方向の中心から外側又は外側から中心に向かうに従って上下に交互に折り返された蛇腹構造になるように折り畳まれており、径方向の外側に位置した端部が、チューブ支持スリーブ18の上端開口からチューブ支持スリーブ18の内側に引き込まれて側方から支持され、インナーベース15のチューブ引出口15Cから下方に引き出されている。そして、チューブ引出口15Cから下方に引き出されて予め下端部が閉塞された袋構成部TB1に、衝突壁14から雫となって垂れた塗料が貯まるようになっている。なお、塗料回収ケース11のうちチューブ収納部16の上方には、袋構成チューブTBの飛び出しを防止するための蓋板19が設けられており、蓋板19とチューブ支持スリーブ18の上端部との間の隙間から袋構成チューブTBを引き出すことが可能となっている(図1参照)。
【0033】
ここで、本実施形態の塗料回収装置10では、消耗品である袋構成チューブTBが無くなった場合に補充できるように以下の構成を備えている。即ち、図3に示すように、塗料回収ケース11は、蓋板19及び排気ダクト12を有する上ケース構成体50と、蓋板19より下方の下ケース構成体51とに分離可能となっている。上ケース構成体50は、塗装室91の底壁に固定されている。これに対し、下ケース構成体51を下方から支持する複数の脚部52,52は伸縮可能な構成(例えば、昇降ジャッキ)となっており、下ケース構成体51は上ケース構成体50の下端部に対して接離可能となっている。そして、塗料の回収を行う通常使用時には、脚部52,52を伸ばして、上ケース構成体50と下ケース構成体51とを合体させる一方、袋構成チューブTBを補充する際には、図3に示すように、脚部52,52を縮めて下ケース構成体51を上ケース構成体50の下方に離間させる。すると、排気管13がチューブ支持スリーブ18の上面開口から抜けると共に、チューブ収納部16の上面が開放し、袋構成チューブTBを補充することが可能となる。
【0034】
塗料回収ケース11の底壁11Bの中央にはパック排出口21が貫通形成されている。パック排出口21の互いに平行な両側縁部には、例えば、下方に向かって回動することでパック排出口21を開放する観音開き式の排出口開閉扉22,22が備えられており、それら排出口開閉扉22,22が扉駆動手段23によって自動開閉される。なお、扉駆動手段23は、ロータリーアクチュエータ(具体的には、モータ)でもよいし、リニアアクチュエータ(具体的には、エアシリンダー)でもよい。
【0035】
塗料回収ケース11の底壁11Bの上方には下端区画壁24が設けられており、塗料回収ケース11の内部空間が、下端区画壁24より下方の暫定収容部屋26と、下端区画壁24より上方の回収部屋25とに仕切られている。下端区画壁24の中央には、回収部屋25と暫定収容部屋26とを連通するパック通過口27が貫通形成されている。パック通過口27の一側縁部には、例えば、下方に向かって回動することでパック通過口27を開放する通過口開閉扉28が備えられており、通過口開閉扉28が扉駆動手段29によって自動開閉される。なお、扉駆動手段29は、ロータリーアクチュエータ(具体的には、モータ)でもよいし、リニアアクチュエータ(具体的には、エアシリンダー)でもよい。
【0036】
図1に示すように、塗料回収ケース11の下方には、例えば、ベルトコンベア54が配置されている。このベルトコンベア54は、パック排出口21の真下位置から、例えば、塗装ブース90の外に設置された回収コンテナ95まで延びている。
【0037】
塗料回収ケース11の回収部屋25のうち、インナーベース15の下方には、上側から順番に、チューブ送給装置30、チューブ押圧装置33、チューブ閉塞装置36及び計量器40が備えられている(図1参照)。
【0038】
チューブ送給装置30は、チューブ引出口15Cの下方で水平方向に対をなして設けられた1対の送りローラ31,31(図4参照)と、それら送りローラ31,31を回転駆動するモータ32(図2(B)参照)とを有している。1対の送りローラ31,31は、袋構成チューブTBの側縁部を側方から挟持した接近状態と、互いに離れて間を袋構成チューブTBが降下可能な離間状態とに切り替え可能となっている。そして、接近状態で1対の送りローラ31,31が対称回転することで、袋構成チューブTBを下方に引っ張ってチューブ引出口15Cから下方に送り出すようになっている。
【0039】
チューブ押圧装置33は、水平方向で対向した1対の押圧部材34,34(図4参照)と、各押圧部材34,34が接離するように水平方向に直動させるエアシリンダ35,35(図2(B)参照)とを備えている。1対の押圧部材34,34は、袋構成チューブTBが、次述するヒートシーラー37,37の間で側方にはみ出さないように集束させるためのものであり、袋構成チューブTBを側方から押圧又は挟持した接近状態と、互いに離れて間を袋構成チューブTBが降下可能な離間状態とに切り替え可能となっている。なお、袋構成チューブTBに対する1対の押圧部材34,34の押圧方向は、1対の送りローラ31,31による挟持方向と同一方向となっている。
【0040】
チューブ閉塞装置36は、水平方向で対向した1対のヒートシーラー37,37(本発明の「チューブ閉塞手段」に相当する。図4参照)と、各ヒートシーラー37,37が接離するように水平方向に直動させるエアシリンダ38,38(図2(A)参照)とを備えている。図4に示すように、1対のヒートシーラー37,37は、押圧部材34,34の対向方向と直交した水平方向で対向しており、袋構成チューブTBを側方から挟持した接近状態と、互いに離れて間を袋構成チューブTBが降下可能な離間状態とに切り替え可能となっている。
【0041】
図5(A)に示すように、各ヒートシーラー37,37は断面コの字状となっており、上側の挟持加圧部37A,37A(本発明の「チューブ下端閉塞手段」に相当する)の先端部と下側の挟持加圧部37B,37B(本発明の「チューブ上端閉塞手段」に相当する)の先端部とに発熱部を備えている。同図(B)に示すように、ヒートシーラー37,37は、袋構成チューブTBのうち、上側の挟持加圧部37A,37A同士で挟まれた部分と、下側の挟持加圧部37B,37B同士で挟まれた部分との2箇所に挟持圧を付与して閉塞状態に溶着するようになっている。
【0042】
さらに、1対のヒートシーラー37,37のうち、上側の挟持加圧部37A,37Aと下側の挟持加圧部37B,37Bとの間にはカッタ39(本発明の「パック切離手段」に相当する)が内蔵されており、1対のヒートシーラー37,37によって上下2箇所で溶着された袋構成チューブTBを、その2箇所の溶着部分の中間でカッタ39により切断することが可能となっている。
【0043】
計量器40は、袋構成部TB1に貯まった塗料の重量を計測するためのものであり、チューブ引出口15Cの鉛直下方に位置する通過口開閉扉28の上面に固定配置されている。計量器40による計量は、送りローラ31,31、押圧部材34,34及びヒートシーラー37,37を全て離間状態にして行われ、このとき計量器40は袋構成部TB1を下方から支持する。これにより、塗料を袋構成部TB1に貯めている間、袋構成部TB1はチューブ収納部16から所定長引き出された状態に保持される。なお、計量器40は、本発明の「チューブ保持手段」に相当する。
【0044】
ここで、排出口開閉扉22,22、通過口開閉扉28、送りローラ31,31、押圧部材34,34及びヒートシーラー37,37の各駆動源である扉駆動手段23,29、モータ32及びエアシリンダ35,38は、コントロールユニット55によって制御される。また、計量器40の計量結果は、コントロールユニット55に出力される。なお、コントロールユニット55は、本発明の「開閉制御部」に相当する。
【0045】
以上が、本実施形態の塗料回収装置10の構成である。次に、図6〜図10を参照しつつ塗料回収装置10の動作を説明する。塗料の回収を開始する前に予め袋構成チューブTBをセットする。具体的には、新規な袋構成チューブTBを上述した方法によりチューブ収納部16に収納し、袋構成チューブTBの一端部を、チューブ支持スリーブ18の上面開口からチューブ支持スリーブ18の内側に引き込み、チューブ引出口15Cから下方に引き出す。さらに、チューブ引出口15Cから下方に引き出した袋構成部TB1を、離間状態になった1対の送りローラ31,31の間及び、1対の押圧部材34,34の間に通し、袋構成部TB1の下端部はヒートシーラー37,37によって予め閉塞状態にしておく。以上で、袋構成チューブTBのセットが完了する。この状態で図示しない始動スイッチをオンして排気ファン12Fを作動させると、塗装室91からミストガスが吸引されて衝突壁14に吹き付けられ、衝突壁14から雫となって垂れた塗料が袋構成部TB1に貯まる。なお、袋構成チューブTBをセットした時点で袋構成部TB1が計量器40から離れていた場合でも、貯まった塗料の重さで袋構成部TB1は降下し、やがて計量器40の上に載置される(図7の状態)。
【0046】
塗料回収装置10に備えた、チューブ送給装置30、チューブ押圧装置33、チューブ閉塞装置36、通過口開閉扉28及び排出口開閉扉22,22は、コントロールユニット55によって以下のように駆動制御される。まず、袋構成部TB1に貯まった塗料の重量が計量器40にて計測される(S1)。このときの計量結果が、予め定めた基準重量に達したか否かが判定され(S2)、基準重量に達していない場合(S2でNO)には、計量結果が基準重量に達するまで計量器40による計量が繰り返される。
【0047】
一方、計量結果が基準重量に達した場合(S2でYES)には、図8(B)に示すように、1対の送りローラ31,31が接近状態になって袋構成チューブTBを挟持し(S3)、次いで、扉駆動手段29によって通過口開閉扉28が駆動されて、図8(A)に示すようにパック通過口27が開放する(S4)。
【0048】
次いで、1対の送りローラ31,31が対称回転して、袋構成チューブTBが所定長分だけチューブ引出口15Cの下方に送給される(S5)。具体的には、袋構成部TB1内に貯まった塗料の液面が1対のヒートシーラー37,37より下方位置になるまで送給される。すると、図8(A)に示すように、袋構成部TB1がパック通過口27を通って暫定収容部屋26に進入する。
【0049】
次いで、図8(B)に示すようにチューブ押圧装置33における1対の押圧部材34,34が接近状態になって(S6)、袋構成部TB1のうち塗料より上側の部分を押圧又は挟持する。
【0050】
次いで、図8(A)に示すように1対のヒートシーラー37,37が接近状態になって(S7)、袋構成部TB1のうち塗料の液面より上側でかつ押圧部材34,34より下側部分を挟持する(図4参照)。すると、図5(B)に示すように、上側の挟持加圧部37A,37A同士で挟まれた部分と、下側の挟持加圧部37B,37B同士で挟まれた部分との2箇所がそれぞれ溶着され、下端部が閉塞された袋構成部TB1と塗料を密閉状態に封止した塗料パックPCとが上下に連なった状態で生成される。そして、袋構成部TB1と塗料パックPCとの中間、即ち、上下2箇所の溶着部分の中間がカッタ39によって切断されると、塗料パックPCが自重で落下する。
【0051】
図9に示すように、袋構成チューブTBから切り離された塗料パックPCは暫定収容部屋26に収容される。その後、通過口開閉扉28によりパック通過口27が閉鎖される(S8)。
【0052】
パック通過口27が閉鎖されると、排出口開閉扉22,22が開いて、図10に示すようにパック排出口21が開放する(S9)。すると、塗料パックPCが暫定収容部屋26から下方に排出されてベルトコンベア54上に落下する。塗料パックPCはベルトコンベア54によって塗装ブース90の外に備えた回収コンテナ95に搬送される。
【0053】
塗料パックPCが排出されると排出口開閉扉22,22によってパック排出口21が閉鎖される(S10)。また、送りローラ31,31及び押圧部材34,34が離間状態に戻る(S11)。以上が、塗料回収装置10の1サイクルの動作であり、以下、この動作を繰り返すことで、液状の塗料を基準重量ずつ袋詰めした塗料パックPCが次々と排出される。ここで、未使用状態の袋構成チューブTBの長さから生成可能な塗料パックPCの上限数を予め求めておき、送りローラ31,31、押圧部材34,34、ヒートシーラー37,37、通過口開閉扉28又は排出口開閉扉22,22の動作回数をカウントして、残りの塗料パックPCの生成可能数を図示しない表示装置に表示するようにしてもよい。このようにすることで、袋構成チューブTBを切らすという事態を予防し、適切に補給することができる。
【0054】
このように、本実施形態の塗料回収装置10によれば、液状の塗料を基準重量ずつ密閉状態の袋詰めにした塗料パックPCにして排出することができるので、塗料回収装置10への塗料の付着を抑えて洗浄の手間を軽減することができる。また、パック排出口21が閉じた状態でパック通過口27が開かれかつ、パック通過口27が閉じた状態でパック排出口21が開かれるようになっているので、塗料回収ケース11のうち排気ファン12Fによる排気により負圧状態になっている回収部屋25内に外気が進入して袋構成チューブTBがばたつくという事態を回避することができる。さらに、回収された塗料が袋詰めされているから、回収された塗料を取り扱う際に搬送経路や回収コンテナ、着衣を汚す可能性が低くなる。
【0055】
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0056】
(1)上記実施形態では、袋構成チューブTBを繰り返しセット可能とするために、下ケース構成体51を支持する脚部52,52を伸縮可能としていたが、以下のような構成としてもよい。即ち、図11に示すように、排気管13を天井壁11Aの上方に移動可能とすると共に、各脚部52,52にキャスター56を取り付けて下ケース構成体51を水平移動可能とする。袋構成チューブTBをセットする場合には、まず、排気管13を天井壁11Aの上方に移動させてチューブ支持スリーブ18内から引き抜いた状態とし、次に、下ケース構成体51を上ケース構成体50に対して水平移動させる。この状態で、袋構成チューブTBをチューブ収納部16に上方から挿入する。また、袋構成チューブTBは、チューブ支持スリーブ18の上面開口から内側に引き込んで、1対の送りローラ31,31の間に通しておく。その後、下ケース構成体51及び排気管13を元に戻せばよい。
【0057】
(2)また、別の構成として、図12及び図13に示すように、チューブ支持スリーブ18を軸方向で伸縮可能な構成にすると共に、チューブ支持スリーブ18を常には伸長状態に保持するためのリニアアクチュエータ(例えば、エアシリンダ57)を設けた構成にしてもよい。より具体的には、チューブ支持スリーブ18は、直径の異なる複数の筒体18A,18B、18Cが入れ子式に配置されており、外側に配置された筒体18A(18B)の下端部に内側に張り出した鍔部18T1が設けられると共に、その内側に配置された筒体18B(18C)の上端部に外側に張り出した鍔部18T2が設けられて、これら鍔部18T1,18T2同士が係止可能となっている。また、最も外側に配置された筒体18Aには前記中間壁17が一体に設けられ、その中間壁17の下面にエアシリンダ57から出没するロッド58が突き当たるようになっている。エアシリンダ57はインナーベース15の下方に固定されており、ロッド58はインナーベース15の底壁15Bを挿通可能となっている。また、ロッド58がエアシリンダ57に没入した状態で、ロッド58の先端がインナーベース15の下方に退避するようになっている。さらに、短縮状態においてチューブ支持スリーブ18は衝突壁14より下側に位置し、短縮状態のチューブ支持スリーブ18とインナーベース15の底壁15Bと送りローラ31,31とが一体になって塗料回収ケース11の側方に引き出せるようになっている。
【0058】
袋構成チューブTBをセットする場合には、まず、ロッド58をエアシリンダ58に没入させてチューブ支持スリーブ18を短縮状態にする。次いで、図13に示すようにチューブ支持スリーブ18を塗料回収ケース11の側方に引き出して、袋構成チューブTBをチューブ収納部16に上方から挿入する。また、袋構成チューブTBは、チューブ支持スリーブ18の上面開口から内側に引き込んで、1対の送りローラ31,31の間に通しておく。
【0059】
次いで、チューブ支持スリーブ18を塗料回収ケース11の中に戻すと共に、1対の送りローラ31,31を接近状態にして袋構成チューブTBを挟持させ、この状態で、エアシリンダ57からロッド58を突出させてチューブ支持スリーブ18を伸長状態にする。
【0060】
(3)上記実施形態において、ヒートシーラー37,37は袋構成部TB1を互いに離れた上下2箇所で溶着し、それら2箇所の溶着部分の中間をカッタ39で切断する構成であったが、図14(A)及び同図(B)に示すように、袋構成部TB1を上記実施形態より幅広な1箇所で溶着すると共にその溶着部分の中間で、塗料パックPCが自重で切り離されるようにしてもよい。
【0061】
(4)また、図15に示すように、袋構成部TB1の互いに離れた上下2箇所を結束バンド、テープ又はクリップ等の封止部材59,59で封止し、それら2箇所の封止部分の中間を切断又は溶断するようにしてもよい。
【0062】
(3)上記実施形態では、塗料パックPCをカッタ39によって切り離していたが、熱で溶かして切り離す(溶断する)ようにしてもよい。
【0063】
(4)上記実施形態では、袋構成チューブTBがチューブ支持スリーブ18の上端部外側に装着されて、チューブ支持スリーブ18の上端開口から内側に取り込まれていたが、図16に示すように、チューブ支持スリーブ18の下端部外側に袋構成チューブTBを蛇腹状にして装着して、チューブ支持スリーブ18の内側を通さずにチューブ支持スリーブ18の下端部から引き延ばしてもよい。
【0064】
(5)上記実施形態では、袋構成部TB1に貯まった塗料の重量が基準重量となった場合に、袋構成チューブTBを所定長分送り出した後で、塗料パックPCを生成するように構成していたが、塗料パックPCを生成した後で、袋構成チューブTBを所定長分送り出すようにしてもよい。
【0065】
(6)上記実施形態では、袋構成部TB1を下方から支持する位置に計量器40を配置して袋構成部TB1に貯まった塗料の重量を計測していたが、例えば、袋構成チューブTBを保持したインナーベース15を回収部屋25内で塗料回収ケース11と非接触状態にして配置して、インナーベース15全体の重量を下端区画壁24上に配置した計量器で計量するようにしてもよい。
【0066】
(7)上記実施形態では、本発明の「支持包囲壁」の一例として円筒形状をなしたチューブ支持スリーブ18を例示したが、筒形状に限定するものではない。本発明の「支持包囲壁」には、例えば、図17に示すように、上下方向に延びた複数の柱体60,60を上方から見て環状に配置しかつ、それら柱体60,60の上端部同士を環状部材61で連絡した構造も含まれる。
【符号の説明】
【0067】
10 塗料回収装置
11 塗料回収ケース
13 排気管
14 衝突壁
15 インナーベース
16 チューブ収納部(チューブ支持部)
18 チューブ支持スリーブ(支持包囲壁)
21 パック排出口
22 排出口開閉扉
23 扉駆動手段
24 下端区画壁
25 回収部屋
26 暫定収容部屋
27 パック通過口
28 通過口開閉扉
29 扉駆動手段
31 送りローラ(チューブ送給手段)
34 押圧部材
37 ヒートシーラー(チューブ閉塞手段)
37A 上側の挟持加圧部(チューブ下端閉塞手段)
37B 下側の挟持加圧部(チューブ上端閉塞手段)
39 カッタ(パック切離手段)
40 計量器
55 コントロールユニット(開閉制御部)
59,59 封止部材
PC 塗料パック
TB 袋構成チューブ
TB1 袋構成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミスト状の塗料を含んだミストガスを塗料回収ケース内に導入してその内部の衝突壁に吹き付け、前記衝突壁から垂れた雫状の塗料を集めて液状の塗料にして回収する塗料回収装置において、
前記雫状の塗料の降下領域を内側に有する一方、外側に、樹脂シート製の袋構成チューブが蛇腹状に折り畳まれて挿入されたチューブ支持部を有する支持包囲壁と、
前記支持包囲壁の一端部から前記袋構成チューブを所定長引き延ばした状態に保持するためのチューブ保持手段と、
前記袋構成チューブのうち前記支持包囲壁から引き延ばされた袋構成部の下端部を閉塞状態に固着又は輪留め可能なチューブ下端閉塞手段と、
前記袋構成部に貯まった塗料の重量を計測するための計量器と、
前記計量器による計量結果が予め定められた基準重量に達した場合に、前記チューブ保持手段による前記袋構成チューブの保持を解除し、前記支持包囲壁の一端部から前記袋構成チューブを所定長引き延ばすチューブ送給手段と、
前記計量器による計量結果が予め定められた基準重量に達した場合に、前記袋構成部のうち内部に貯まった塗料より上側部分を閉塞状態に固着又は輪留めして、前記袋構成部内に塗料を封止した塗料パックを生成するチューブ上端閉塞手段と、
前記塗料パックを前記袋構成チューブから切り離すためのパック切離手段とを備えたことを特徴とする塗料回収装置。
【請求項2】
上下方向に延びた筒状体であって外側に前記チューブ支持部を有し、そのチューブ支持部から上方又は内側に引き延ばされた袋構成チューブを内側に取り込んで側方から支持する前記支持包囲壁としてのチューブ支持スリーブと、
前記チューブ支持スリーブの下方で水平方向に対をなして設けられ、互いに離れて間を前記袋構成チューブが降下可能な離間状態と、互いに接近して前記袋構成チューブを側方から挟持した接近状態とに切り替え可能であると共に、前記接近状態で対称回転して前記袋構成チューブを下方に張ることが可能な前記チューブ送給手段としての1対の送りローラと、
前記1対の送りローラの下方に配置され、前記袋構成チューブの一部を側方から固着又は輪留めして閉塞するための前記チューブ上端閉塞手段及び前記チューブ下端閉塞手段としてチューブ閉塞手段とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の塗料回収装置。
【請求項3】
前記1対の送りローラの下方に配置されて、水平方向で対向しかつ互いに離れて間を前記塗料パックが降下可能な離間状態と、互いに接近して前記袋構成チューブを側方から挟持した接近状態とに切り替え可能であると共に、前記接近状態で前記袋構成チューブに挟持圧を付与して前記袋構成チューブを閉塞状態に溶着する挟持加圧部を上下2箇所に分けて有した1対のヒートシーラーを前記チューブ閉塞手段として備え、
上側の前記挟持加圧部にて前記チューブ下端閉塞手段が構成される一方、下側の前記挟持加圧部にて前記チューブ上端閉塞手段が構成されたことを特徴とする請求項2に記載の塗料回収装置。
【請求項4】
前記パック切離手段は、前記上下の挟持加圧部が前記袋構成チューブを挟持した状態で、それら上下の挟持加圧部の間で前記袋構成チューブを切断又は溶断するように構成したことを特徴とする請求項3に記載の塗料回収装置。
【請求項5】
前記計量器は、前記1対のヒートシーラーの下方に配置され、前記1対のヒートシーラーが離間状態となった場合に、前記袋構成部を下方から支持する位置に配置されたことを特徴とする請求項3又は4に記載の塗料回収装置。
【請求項6】
前記塗料パックが前記塗料回収ケースの内部で生成されるように前記チューブ上端閉塞手段を前記塗料回収ケース内に配置し、
前記塗料回収ケースの底部には、前記袋構成チューブから切り離された前記塗料パックを一時的に収容する暫定収容部屋が設けられ、
前記塗料回収ケースに形成されて、前記暫定収容部屋をその上方の前記塗料回収ケースの内部空間と区画するための下端区画壁と、
前記下端区画壁に形成されて前記塗料パックを前記暫定収容部屋に受け入れるためのパック通過口と、
前記パック通過口を開閉する通過口開閉扉と、
前記塗料回収ケースの底壁に形成されて前記塗料パックを前記暫定収容部屋から前記塗料回収ケースの下方外側に排出するためのパック排出口と、
前記パック排出口を開閉する排出口開閉扉と、前記通過口開閉扉と前記排出口開閉扉とを駆動するための扉駆動手段と、
前記パック排出口を閉じた状態で前記パック通過口を開きかつ前記パック通過口を閉じた状態で前記パック排出口を開くと共に、前記塗料パックが前記袋構成チューブから切り離されるときに前記パック通過口を開き、前記塗料パックが前記暫定収容部屋に受け入れられたときに前記パック排出口を開くように前記扉駆動手段を制御する開閉制御部とを備えたことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の塗料回収装置。
【請求項7】
請求項1乃至6の塗料回収装置に使用される袋構成チューブであって、径方向の中心から外側又は外側から中心に向かうに従って上下に交互に折り返された蛇腹構造をなし、径方向の外側に位置した端部から所定長ずつ引き延ばして使用可能としたことを特徴とする袋構成チューブ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2011−110460(P2011−110460A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−267141(P2009−267141)
【出願日】平成21年11月25日(2009.11.25)
【出願人】(000110343)トリニティ工業株式会社 (147)
【Fターム(参考)】