説明

塗料固化方法及びコイル製造方法

【課題】塗膜における凹凸欠陥の発生を防止することが可能な塗料固化方法及びコイル製造方法の提供を目的とする。
【解決手段】本発明の塗料固化方法は、電磁コイルWを、電磁コイルWの銅線よりも電気抵抗の大きいチャック治具31,31にて把持しておき、チャック治具31,31を誘導加熱してそのチャック治具31,31からの伝熱で電磁コイルWを発熱させる。これにより、電磁コイルWの表面の塗料を内側から加熱して固化させることができ、電磁コイルWに対して、凹凸欠陥のない高品質の絶縁被膜を形成することができる。また、前段加熱エリアAR1で塗料を内側から加熱した後で、後段加熱エリアAR2で塗料を外側から加熱するので、塗料の完全固化までに要する時間を短縮することが可能になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属製ワークの表面を覆った塗料を固化させるための塗料固化方法及びその塗料固化方法を利用したコイル製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の従来の塗料固化方法としては、塗料を外側から加熱するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−236437号公報([0035]〜[0036]、第3図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上述した従来の塗料固化方法では、塗料の内側の水分や溶剤が気化する前に塗料の外面が固化するため、固化後の塗膜に気泡による膨らみが残ったり、気泡がはじけることでクレーター状の凹みが残るという問題があった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、塗膜における凹凸欠陥の発生を防止することが可能な塗料固化方法及びコイル製造方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明に係る塗料固化方法は、金属製ワークの表面を塗料で覆った後、その金属製ワークを発熱させて表面の塗料を内側から加熱して乾燥又は硬化させる塗料固化方法において、金属製ワークの表面の一部を塗料から露出させておき、その露出部分に熱源を接触させることで熱源からの伝熱によって金属製ワークを発熱させるところに特徴を有する。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載の塗料固化方法において、熱源は、金属製ワークより電気抵抗が大きな電気抵抗体であって、金属製ワーク及び電気抵抗体を一部に含んだ電気回路を形成し、その電気回路に通電することで電気抵抗体を熱源として発熱させるところに特徴を有する。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1に記載の塗料固化方法において、熱源は、金属製ワークより電気抵抗が大きな電気抵抗体であって、IHコイルにて電気抵抗体を誘導加熱するところに特徴を有する。
【0009】
請求項4の発明は、請求項1乃至3の何れか1の請求項に記載の塗料固化方法において、金属製ワークは、電磁コイルであり、塗料は、乾燥又は硬化して電磁コイルを被覆する絶縁皮膜になるところに特徴を有する。
【0010】
請求項5の発明は、請求項4に記載の塗料固化方法において、電磁コイルの表面の塗料の皮膜を、電磁コイルの自己発熱によって内側から加熱した後、外側からヒーターにて加熱するところに特徴を有する。
【0011】
請求項6の発明は、請求項5に記載の塗料固化方法において、電磁コイルの両端末部を巻回部分から同一方向に突出する構造に形成しておき、電磁コイルの巻回部分を受容しかつ、巻回部分の巻回軸方向又は、巻回軸と両端末部分の突出方向とに共に直交した方向の何れかの方向から巻回部分を見たときの輪郭部分に対して隙間を空けて隣接する内側面を有した溝形発熱体をヒーターとして備えておき、溝形発熱体を発熱させかつ、電磁コイルの巻回部分を溝形発熱体内に遊嵌させて溝形発熱体の長手方向に移動し、塗料を加熱するところに特徴を有する。
【0012】
請求項7の発明は、請求項6に記載の塗料固化方法において、溝形発熱体の外側にIHコイルを配置しておき、IHコイルによって溝形発熱体を誘導加熱するところに特徴を有する。
【0013】
請求項8の発明に係るコイル製造方法は、電磁コイルの表面を塗料で覆った後、請求項4乃至7の何れか1の請求項に記載の塗料固化方法にて塗料を加熱し、塗料にて表面が被覆された電磁コイルを製造するところに特徴を有する。
【発明の効果】
【0014】
[請求項1の発明]
請求項1の発明によれば、熱源からの伝熱によって金属製ワークを発熱させて、塗料を内側から加熱して固化させるので、塗料の外面が固化する前に水分や溶剤を揮散させることができ、塗膜の外面における凹凸欠陥の発生を防止することができる。
【0015】
[請求項2の発明]
請求項2の発明によれば、金属製ワークと電気抵抗体とを含んだ電気回路に通電することで電気抵抗体が自己発熱し、その伝熱によって金属製ワークを発熱させることができる。
【0016】
[請求項3の発明]
請求項3の発明によれば、電気抵抗体が誘導加熱され、その伝熱によって金属製ワークを発熱させることができる。
【0017】
[請求項4及び8の発明]
請求項4及び8の発明によれば、電磁コイルに対して凹凸欠陥の無い高品質の絶縁被膜を形成することができる。
【0018】
[請求項5及び7の発明]
請求項5の発明によれば、塗料を内側から加熱した後で外側から加熱することで、塗料の完全固化までに要する時間を短縮することができる。ここで、ヒーターは、例えば、赤外線ヒーターでもよいし、熱風ヒーターでもよいし、請求項7の発明のように、IHコイルにより誘導加熱されるヒーターでもよい。
【0019】
[請求項6の発明]
請求項6の発明によれば、電磁コイルの巻回部分を覆った塗料を、その巻回部分の輪郭に沿った溝形発熱体からの放射熱で効果的に加熱することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1実施形態に係る塗料固化装置の側断面図
【図2】前段加熱エリアの正面図
【図3】後段加熱エリアの正面図
【図4】電磁コイルの斜視図
【図5】第2実施形態に係る塗料固化装置の前段加熱エリアの正面図
【図6】第3実施形態に係る塗料固化装置の後段加熱エリアの正面図
【図7】変形例に係る塗料固化装置の後段加熱エリアの正面図
【発明を実施するための形態】
【0021】
[第1実施形態]
以下、本発明を適用した塗料固化装置10の第1実施形態を、図1〜図4に基づいて説明する。本実施形態で例示する金属製ワークは、例えば、モータ用の電磁コイルWであって図4に示されている。同図に示すように、電磁コイルWは、偏平断面の銅線を巻回軸方向から見て四角形になるように巻回すると共に、1対の端末部Wb,Wbを巻回部Waの四角形の一辺から同じ方向に直線状に突出させた構造になっている。巻回部Waの表面は、例えば電着塗装によって塗料で被覆されている。これに対し、1対の端末部Wb,Wbは塗料で被覆されておらず銅線が露出している。塗料は、例えば、ポリイミド樹脂及びその他絶縁材料を溶剤に溶かした熱硬化性塗料であり、熱により硬化して絶縁被膜を形成する。
【0022】
巻回部Waが未固化状態の塗料で覆われた電磁コイルWは、コンベア30によって本発明の塗料固化装置10に向けて搬送される。コンベア30は、巻回部Waを上にした状態で電磁コイルWを保持するチャック治具31,31を一体に備えている。また、コンベア30は絶縁部材で構成されており、例えば、前進と停止とを繰り返すタクト搬送(間欠搬送)を行う。
【0023】
チャック治具31,31は、電磁コイルWを構成する銅線よりも電気抵抗の大きい金属(例えば、鉄、ステンレス)で構成され、電磁コイルWのうち、銅線が露出した1対の端末部Wb,Wbを把持している。また、チャック治具31,31は、巻回部Waの巻回軸が、コンベア30による搬送方向と平行になるように電磁コイルWを保持している。
【0024】
塗料固化装置10は、電磁コイルWの搬送方向に沿って直線状に延びている。詳細には、塗料固化装置10は、角筒状のトンネル構造をなした加熱炉11を備え、その加熱炉11のうち搬入口11Aに近い側に前段加熱エリアAR1が設けられ、搬出口11Bに近い側に後段加熱エリアAR2が設けられている。
【0025】
加熱炉11のうち、後段加熱エリアAR2の内面には、電磁コイルWの搬送方向に沿って複数の赤外線ヒーター20,20が並べて設けられている。図3に示すように、赤外線ヒーター20,20は、加熱炉11のうち、搬送方向と直交した幅方向の両側面と天井面とに設けられている。また、赤外線ヒーター20,20は、タクト搬送における1回の前進距離分の間隔を空けて設けられており(図1参照)、コンベア30は、電磁コイルWが赤外線ヒーター20,20と隣接した位置で、一時停止するようになっている。
【0026】
図1に示すように、後段加熱エリアAR2の所定位置には温度センサ22が設けられている。その計測結果に基づいて、加熱炉制御部12が、後段加熱エリアAR2内の温度を自動調節する。例えば、後段加熱エリアAR2を進むに従って温度が高くなるように各赤外線ヒーター20,20の温度を調節する。
【0027】
加熱炉11のうち、前段加熱エリアAR1の内面には、電磁コイルWの搬送方向に沿って複数のIH(誘導加熱)コイル13,13が設けられている。図2に示すように、IHコイル13,13は、加熱炉11の幅方向の両側面に設けられている。また、これらIHコイル13,13は、電磁コイルWの搬送方向において、タクト搬送における1回の前進距離分の間隔を空けて設けられており、コンベア30は、チャック治具31,31がIHコイル13,13と隣接した位置で一時停止するようになっている(図1参照)。
【0028】
チャック治具31,31がIHコイル13,13と隣接した状態で各IHコイル13,13に高周波電流が流されると、チャック治具31,31が誘導加熱される。なお、コンベア30は絶縁部材で構成されているので誘導加熱されることはない。ここで、チャック治具31,31は、本発明の「熱源」及び「電気抵抗体」に相当する。
【0029】
前段加熱エリアAR1のうち、IHコイル13,13が配置された位置には、放射温度計14,14が設けられている。放射温度計14,14は、電磁コイルWにおける1対の端末部Wb,Wbの温度を非接触で計測可能となっており、その計測結果に基づいて、加熱炉制御部12が電磁コイルW(チャック治具31,31)の温度を自動調節するようになっている。具体的には、IHコイル13,13に接続された高周波電源の電流値又は周波数を調節して、例えば、前段加熱エリアAR1を進むに従って徐々に電磁コイルW(チャック治具31,31)が昇温するように自動調節される。
【0030】
次に本実施形態の塗料固化装置10の動作について説明する。電着塗装工程にて巻回部Waの表面が塗料で覆われた電磁コイルWは、その端末部Wb,Wbをチャック治具31,31にて把持された状態で、搬入口11Aから加熱炉11内へと搬入され、前段加熱エリアAR1、後段加熱エリアAR2の順にタクト搬送されながら加熱される。
【0031】
前段加熱エリアAR1では、IHコイル13,13によってチャック治具31,31が誘導加熱され、その熱が、電磁コイルWを構成する銅線に伝熱される。これにより、電磁コイルWの表面を覆った塗料が、内側(電磁コイルW側)から加熱される。また、前段加熱エリアAR1を先に進むに従って、IHコイル13の電流値又は周波数が上がって、チャック治具31,31の温度が上昇し、これに伴い、電磁コイルWの温度も上昇する。そして、前段加熱エリアAR1における加熱により、塗料に含まれる水分や溶剤が気化して未固化状態の塗料の外面から揮散する。
【0032】
前段加熱エリアAR1に次ぐ後段加熱エリアAR2では、電磁コイルWの表面を覆った塗料が、その外面側から赤外線ヒーター20によって加熱される。なお、後段加熱エリアAR2での加熱中も、電磁コイルWの余熱により、塗料は内側から加熱される。そして、加熱炉11内を所定時間かけて移動することで、電磁コイルWの巻回部Waを覆った塗料が完全に固化して絶縁被膜が形成される。
【0033】
このように本実施形態によれば、電磁コイルWを、電磁コイルWの銅線よりも電気抵抗の大きいチャック治具31,31にて把持しておき、チャック治具31,31を誘導加熱してそのチャック治具31,31からの伝熱で電磁コイルWを発熱させる。これにより、電磁コイルWの表面の塗料を内側から加熱して固化させることができ、電磁コイルWに対して、凹凸欠陥のない高品質の絶縁被膜を形成することができる。また、前段加熱エリアAR1で塗料を内側から加熱した後で、後段加熱エリアAR2で塗料を外側から加熱するので、塗料の完全固化までに要する時間を短縮することが可能になる。
【0034】
[第2実施形態]
この第2実施形態は、図5に示されており、前段加熱エリアAR1における塗料の加熱方法が、上記第1実施形態とは異なる。具体的には、電磁コイルWの端末部Wb,Wbを把持した1対のチャック治具31,31は、電磁コイルW(銅線)よりも電気抵抗の大きい金属、例えば、ニッケルクロム電熱合金で構成されて直流電源33に接続されている。より詳細には、加熱炉11の幅方向の内側面には、可撓性の1対の摺接端子34,34が固定されている。摺接端子34,34は電磁コイルWの通過領域に向かって突出しており、それら摺接端子34,34が、チャック治具31,31の側面に摺接可能となっている。コンベア30は、摺接端子34,34がチャック治具31,31と接触した状態で一時停止し、このとき、電磁コイルWと1対のチャック治具31,31とを含む電気回路が形成される。その他の構成については上記第1実施形態と同じであるため、同じ構成については、同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0035】
上記電気回路に直流が通電されると、チャック治具31,31が電気抵抗によって自己発熱し、その熱が伝わって電磁コイルWが発熱する。また、放射温度計14による計測結果に基づいて、直流の電流値が自動調節され、電磁コイルW(チャック治具31,31)の温度が、例えば、前段加熱エリアAR1を進むに従って徐々に昇温するようになっている。本実施形態の構成であっても、上記第1実施形態と同等の効果を奏する。なお、直流電源33とチャック治具31,31との間の導通接続は、摺接端子34,34以外の構成で行ってもよい。
【0036】
[第3実施形態]
この第3実施形態は、後段加熱エリアAR2における加熱手段が誘導加熱装置であるところが上記第1及び第2実施形態とは異なる。図6に示すように、加熱炉11のうち、後段加熱エリアAR2には、本発明の「ヒーター」としての溝形発熱体35が配設されている。溝形発熱体35は、加熱炉11と平行に延びた角溝形のトンネル構造をなしており、電磁コイルWは、その巻回部Waが溝形発熱体35の内側に遊嵌した状態で、加熱炉11の長手方向に移動するようになっている。詳細には、溝形発熱体35は、電磁コイルWをその巻回軸方向から見たときに四角形をなした巻回部Waの輪郭部分に対して所定の隙間を空けて隣接する3つの内側面を有している。
【0037】
溝形発熱体35は、例えば、電磁コイルWよりも電気抵抗の大きい金属(例えば、鉄、ステンレス等)で構成されている。また、加熱炉11の内面には、溝形発熱体35の幅方向における両側壁の外面と天井壁の外面とに近接するように複数のIHコイル36,36が設けられている。さらに、加熱炉11のうち、少なくとも後段加熱エリアAR2に対応する部分は、断熱構造となっている。例えば、全体が断熱材で構成されるか或いは、内面に断熱材がライニングされている。その他の構成については上記第1実施形態と同じである。
【0038】
IHコイル36,36に高周波電流を流すと、溝形発熱体35が誘導加熱され、その溝形発熱体35からの放射熱により、電磁コイルWを覆った塗料が外側から加熱される。また、温度センサ22により計測された溝形発熱体35の温度に基づいて、高周波電源の電流値又は周波数が自動調節され、溝形発熱体35の発熱が自動調節される。
【0039】
本実施形態によっても、上記第1及び第2実施形態と同等の効果を奏する。また、加熱炉11を断熱構造としたので消費電力の低減を図ることができる。
【0040】
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0041】
(1)上記第1〜第3実施形態では、電磁コイルWを覆った塗料を外側から加熱するための後段加熱エリアAR2を設けていたが、後段加熱エリアAR2を設けずに、チャック治具31,31からの伝熱のみで塗料を内側から固化させてもよい。
【0042】
(2)上記第1〜第3実施形態では、後段加熱エリアAR2における加熱を、赤外線ヒーター20又はIHコイル36による溝形発熱体35の誘導加熱により行っていたが、熱風による加熱でもよい。
【0043】
(3)上記第1〜第3実施形態では、電磁コイルWを加熱炉11内でタクト搬送しながら塗料の加熱を行っていたが、加熱炉11内を一定速度で搬送しながら加熱を行ってもよい。
【0044】
(4)上記第1〜第3実施形態では、金属製ワークとして電磁コイルWを例示したが、これに限定するものではない。また、塗料は、絶縁被膜を形成するためのものに限定するものではなく、防錆用や装飾用の塗料であってもよい。
【0045】
(5)上記第1〜第3実施形態では、電磁コイルWの巻回軸方向とコンベア30による電磁コイルWの搬送方向とが平行となるようにしていたが、図7に示すように、電磁コイルWの巻回軸及び1対の端末部Wb,Wbの突出方向とに直交した方向で電磁コイルWを搬送するようにしてもよい。この場合、溝形発熱体35の内側面を、電磁コイルWの巻回軸及び1対の端末部Wb,Wbの突出方向とに直交した方向から巻回部を見たときの輪郭部分に隙間を空けて隣接させればよい。
【符号の説明】
【0046】
10 塗料固化装置
11 加熱炉
13 IHコイ ル
14 放射温度計
20 赤外線ヒーター
22 温度センサ
30 コンベア
31 チャック治具(電気抵抗体)
33 直流電源
35 溝形発熱体
36 IHコイル
W 電磁コイル(金属製ワーク)
Wa 巻回部
Wb 端末部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属製ワークの表面を塗料で覆った後、その金属製ワークを発熱させて表面の塗料を内側から加熱して乾燥又は硬化させる塗料固化方法において、
前記金属製ワークの表面の一部を前記塗料から露出させておき、その露出部分に熱源を接触させることで前記熱源からの伝熱によって前記金属製ワークを発熱させることを特徴とする塗料固化方法。
【請求項2】
前記熱源は、前記金属製ワークより電気抵抗が大きな電気抵抗体であって、前記金属製ワーク及び前記電気抵抗体を一部に含んだ電気回路を形成し、その電気回路に通電することで前記電気抵抗体を前記熱源として発熱させることを特徴とする請求項1に記載の塗料固化方法。
【請求項3】
前記熱源は、前記金属製ワークより電気抵抗が大きな電気抵抗体であって、IHコイルにて前記電気抵抗体を誘導加熱することを特徴とする請求項1に記載の塗料固化方法。
【請求項4】
前記金属製ワークは、電磁コイルであり、前記塗料は、乾燥又は硬化して前記電磁コイルを被覆する絶縁皮膜になることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1の請求項に記載の塗料固化方法。
【請求項5】
前記電磁コイルの表面の塗料の皮膜を、前記電磁コイルの自己発熱によって内側から加熱した後、外側からヒーターにて加熱することを特徴とする請求項4に記載の塗料固化方法。
【請求項6】
前記電磁コイルの両端末部を巻回部分から同一方向に突出する構造に形成しておき、
前記電磁コイルの巻回部分を受容しかつ、巻回部分の巻回軸方向又は、前記巻回軸と前記両端末部分の突出方向とに共に直交した方向の何れかの方向から前記巻回部分を見たときの輪郭部分に対して隙間を空けて隣接する内側面を有した溝形発熱体を前記ヒーターとして備えておき、
前記溝形発熱体を発熱させかつ、前記電磁コイルの巻回部分を前記溝形発熱体内に遊嵌させて前記溝形発熱体の長手方向に移動し、前記塗料を加熱することを特徴とする請求項5に記載の塗料固化方法。
【請求項7】
前記溝形発熱体の外側にIHコイルを配置しておき、前記IHコイルによって前記溝形発熱体を誘導加熱することを特徴とする請求項6に記載の塗料固化方法。
【請求項8】
ワークの表面を塗料で覆った後、請求項4乃至7の何れか1の請求項に記載の塗料固化方法にて塗料を加熱し、前記塗料にて表面が被覆された電磁コイルを製造することを特徴とするコイル製造方法。

【図4】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−115801(P2012−115801A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−270046(P2010−270046)
【出願日】平成22年12月3日(2010.12.3)
【出願人】(000110343)トリニティ工業株式会社 (147)
【Fターム(参考)】