説明

塗料用硬化性樹脂組成物及び該組成物を塗布してなる塗装物

【課題】実質的に芳香族成分を含まない溶剤に好適に溶解しうる加水分解性シリル基含有ビニル系共重合体を含有する組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】主鎖末端および/または側鎖に加水分解性シリル基を分子中に少なくとも1個含有するビニル系共重合体(A)と、溶剤として芳香族成分が1.0重量%以下の溶剤(B)のみとを含む塗料用硬化性樹脂組成物であって、該ビニル系共重合体(A)が、単量体として重合性二重結合および炭素原子に結合した反応性シリル基を含有する単量体(a)と、アルキル基の炭素数が4以上で分岐型の(メタ)アクリル酸アルキル単量体(b)および/またはアルキル基の炭素数が8以上である(メタ)アクリル酸アルキル単量体(c)とのみを含むか、またはさらにその他の特定のビニル系単量体(d)のみを含み、該単量体(b)および/または該単量体(c)が全単量体の50重量%以上である塗料用硬化性樹脂組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、実質的に芳香族成分を含まない溶剤に対しても好適に溶解しうる塗料用硬化性樹脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
高耐候性を有する塗料として、例えばフッ素樹脂塗料、アクリルウレタン樹脂塗料、アクリルシリコン樹脂塗料などが知られている。
【0003】
また、近年環境問題が重視されるようになってから、従来の強溶剤タイプの溶剤の臭気や安全性が問題視され、弱溶剤タイプの溶剤にアクリルウレタン樹脂やアクリルシリコン樹脂を溶解させた塗料が開発されている。
【0004】
たとえば、特許文献1や特許文献2には、溶剤に弱溶剤系を使用したアクリルシリコン樹脂が記載されている。
【0005】
しかしながら、弱溶剤タイプの溶剤でも、芳香族成分を含んでいるものが殆どであり、溶剤の臭気や安全性に対しては、充分ではないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−228903公報
【特許文献2】特開平11−279480公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、実質的に芳香族成分を含まない溶剤にも好適に溶解しうる塗料用硬化性樹脂組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、実質的に芳香族成分を含まない溶剤を主成分として用い、主鎖末端および/または側鎖に一般式(I)
【化1】

(式中、R1は炭素数1〜10のアルキル基、R2は炭素数1〜10のアルキル基、aは0〜2の整数を示す。)で表される炭素原子に結合した加水分解性シリル基を分子中に少なくとも1個含有するビニル系共重合体(A)と、溶剤として芳香族成分が1.0重量%以下の溶剤(B)のみとを含む塗料用硬化性樹脂組成物であって、
該ビニル系共重合体(A)が、単量体として重合性二重結合および炭素原子に結合した反応性シリル基を含有する単量体(a)と、アルキル基の炭素数が4以上で分岐型の(メタ)アクリル酸アルキル単量体(b)および/またはアルキル基の炭素数が8以上である(メタ)アクリル酸アルキル単量体(c)とのみを含むか、またはさらにその他のビニル系単量体(d)としてメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、スチレンおよびα−メチルスチレンからなる群より選択される少なくとも1種のみを含み、
該アルキル基の炭素数が4以上で分岐型の(メタ)アクリル酸アルキル単量体(b)および/またはアルキル基の炭素数が8以上である(メタ)アクリル酸アルキル単量体(c)が全単量体の50重量%以上である
塗料用硬化性樹脂組成物に関する。
また、前記アルキル基の炭素数が4以上で分岐型の(メタ)アクリル酸アルキル単量体(b)および/またはアルキル基の炭素数が8以上である(メタ)アクリル酸アルキル単量体(c)が、全単量体の87重量%以上であることが好ましい。
前記アルキル基の炭素数が4以上で分岐型の(メタ)アクリル酸アルキル単量体(b)が、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートおよび2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
また、前記溶剤(B)が、ナフテン系溶剤および/またはパラフィン系溶剤および/または芳香族を含む溶剤の水添物であることが好ましい。
また、前記ビニル系共重合体(A)100重量部に対して、一般式(II)
(R3O)4-a−Si−R4a (II)
(式中、R3は炭素数1〜10のアルキル基、アリール基およびアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基であり、複数存在する場合には、同一であっても異なっていてもよい。R4は炭素数1〜10のアルキル基、アリール基およびアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基、aは0または1を示す。)で表されるシリコン化合物および/またはその部分加水分解縮合物(C)を0.1〜100重量部を配合してなることが好ましい。
また、前記塗料用硬化性樹脂組成物に更に硬化触媒(D)0.01〜10重量部が配合されてなることが好ましい。
本発明は、上記塗料用硬化性樹脂組成物を塗布してなる塗装物に関する。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、主鎖が実質的にビニル系重合体からなり、主鎖末端および/または側鎖に一般式(I)
【化2】

(式中、R1は水素原子または炭素数1〜10のアルキル基、R2は水素原子または炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜25のアリール基および炭素数7〜12のアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基、aは0〜2の整数を示す。)で表される炭素原子に結合した加水分解性シリル基を分子中に少なくとも1個含有し、且つアルキル基の炭素数が4以上で分岐型の(メタ)アクリル酸アルキル単量体および/またはアルキル基の炭素数が8以上である(メタ)アクリル酸アルキル単量体が全単量体の50重量%以上であるビニル系共重合体(A)と実質的に芳香族成分を含まない溶剤(B)からなるビニル系共重合体組成物を用いることにより、充分な溶剤溶解性を有し、且つ臭気や有害性を抑えた塗料用硬化性樹脂組成物を得ることができ、また該塗料用硬化性樹脂組成物を用いて特性の良好な塗膜が得られる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明には、湿分の存在下、室温で硬化性を有するベース樹脂として加水分解性基と結合したシリル基を有するビニル系共重合体が含有される。
【0011】
ビニル系共重合体は、その主鎖が実質的にビニル系単量体及び必要に応じてその他単量体を共重合した主鎖からなる。
【0012】
ここで、「主鎖がビニル系共重合体鎖からなる」とは、ビニル基、ビニリデン基のように、重合性炭素炭素二重結合を化合物あるいは重合性二重結合を有する化合物と他の化合物との共重合体ブロックがビニル系共重合体の主鎖を構成していることを意味する。
【0013】
上記加水分解性シリル基は、1分子中に少なくとも1個存在すればよいが、充分な硬化性を与え、また、内部応力を緩和するという観点から2〜10個存在することが好ましい。
【0014】
前記ビニル系共重合体は、たとえば特開昭54−36395号公報、特開昭57−55954号公報などに記載のヒドロシリル化法または反応性シリル基を含有する単量体を用いた溶液重合法によって製造することができるが、合成の容易さなどの点から反応性シリル基を含有する単量体を用い、ラジカル重合開始剤を用いた溶液重合法によって製造することがとくに好ましい。
【0015】
前記加水分解性基と結合したケイ素基の加水分解性基は、ハロゲン基、アルコキシ基等がある。その中で、反応の制御の簡便さからアルコキシ基が有用である。
【0016】
前記ビニル系共重合体の数平均分子量は、2000〜30000が好ましい。より好ましくは、3000〜25000である。数平均分子量が2000未満であると、硬化性、耐候性が低下する傾向にあり、30000を超えると外観性、作業性が低下する傾向がある。
【0017】
前記ビニル系共重合体は、たとえば重合性二重結合および炭素原子に結合した反応性シリル基を含有する単量体(a)、アルキル基の炭素数が4以上で分岐型の(メタ)アクリル酸アルキル単量体(b)、アルキル基の炭素数が8以上である(メタ)アクリル酸アルキル単量体(c)、その他のビニル系単量体(d)を共重合することによって製造することができる。
【0018】
上記反応性シリル基を含有するビニル系単量体の具体例としては、例えば、
【化3】

などの一般式(III)
【化4】

(式中、R5は、水素原子またはメチル基を表し、R6は、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、または、炭素数7〜10のアラルキル基を表し、複数存在する場合には、同一であっても異なっていてもよい。R7は炭素数1〜10のアルキル基を表し、複数存在する場合には、同一であっても異なっていてもよい。aは、0〜2の整数を表す。)で表される化合物;
【化5】

などの一般式(IV)
【化6】

(式中、R5、R6、R7、aは前記と同じ、nは1〜12の整数を示す。)で表される化合物;
【化7】

などの一般式(V):
【化8】

(式中、R5、R6、R7、a、nは前記と同じ)で表される化合物;
【化9】

などの一般式(VI):
【化10】

(式中、R5、R6、R7およびaは前記と同じ、pは1〜14の整数を示す)で表される化合物
【化11】

などの一般式(VII)
【化12】

(式中、R5、R6、R7、aは前記と同じ、qは0〜22の整数を示す(化11も同じ))で表される化合物や、炭素原子に結合した反応性シリル基をウレタン結合またはシロキサン結合を介して末端に有する(メタ)アクリレートなどがあげられる。
【0019】
これらの中では、共重合性および重合安定性、ならびに得られる組成物の硬化性および保存安定性が優れるという点から、前記一般式(V)で表される化合物が好ましい。
【0020】
これらの単量体(a)は単独で用いてもよく、2種類以上併用してもよい。前記単量体(a)は、前記のように、得られるビニル系共重合体中に反応性シリル基を含有する単量体が1〜90重量%、さらには3〜70重量%、とくには3〜50重量%含有されるように使用するのが好ましい。
【0021】
また、前記アルキル基の炭素数が4以上で分岐型の(メタ)アクリル酸アルキル単量体(b)の具体例としては、たとえば分岐構造および/または環構造を有するビニル系単量体であれば特に限定はしないが、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、3,3,5,−トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、3,3,5,−トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレートが挙げられる。特に好ましくは、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートである。
【0022】
上記単量体(b)は、2種以上併用してもよい。
【0023】
アルキル基の炭素数が8以上である(メタ)アクリル酸アルキル単量体(c)の具体例としては、たとえば、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、パルミトイル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、オクタデカノイル(メタ)アクリレート、オレイル(メタ)アクリレート等が挙げられる。中でも耐候性、溶剤への溶解性が良好という点からデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、パルミトイル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートが好ましい。特に好ましくは、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートである。
【0024】
これらの単量体は単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
【0025】
(メタ)アクリル酸アルキル単量体(b)および/または(c)の合計使用量は50重量部、より好ましくは70重量部以上である。使用量が50重量部未満の場合には、ビニル系重合体の溶解性、希釈性が低下する。
【0026】
前記その他の単量体(d)の具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロヘキシル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、グリシジル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、α−エチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、4−ヒドロキシスチレン、東亜合成化学工業社製のアロニクス5700(商品名)、日本触媒化学工業社製のHE−10、HE−20、HP−10及びHP−20(いずれも商品名)(以上、いずれも末端に水酸基を有するアクリル酸エステルオリゴマー)、日本油脂社製のブレンマーPPシリーズ(ポリプロピレングリコールメタクリレート)、ブレンマーPEシリーズ(ポリエチレングリコールモノメタクリレート)、ブレンマーPEPシリーズ(ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールメタクリレート)、ブレンマーAP400(ポリプロピレングリコールモノアクリレート)、ブレンマーAE350(ポリエチレングリコールモノアクリレート)、及びブレンマーGLM(グリセロールモノメタクリレート)(いずれも商品名)、水酸基含有ビニル系化合物とε−カプロラクトンとの反応によるε−カプロラクトン変性ヒドロキシアルキルビニル系共重合性化合物、ダイセル化学工業社製HEAC−1(商品名)等のポリカーボネート含有ビニル系化合物、マクロモノマーであるAS−6、AN−6、AA−6、AB−6、AK−5などの化合物(以上、東亜合成化学工業(株)製)、Placcel FA−1、Placcel FA−4、Placcel FM−1、Placcel FM−4、HEAC−1(以上、ダイセル化学工業(株)製)、(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステル類とリン酸またはリン酸エステル類との縮合生成物などのリン酸エステル基含有(メタ)アクリル系化合物、ウレタン結合やシロキサン結合を含む(メタ)アクリレートやスチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、スチレンスルホン酸、4−ヒドロキシスチレン、ビニルトルエンなどの芳香族炭化水素系ビニル化合物;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、(メタ)アクリル酸などの不飽和カルボン酸、これらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩などの塩;無水マレイン酸などの不飽和カルボン酸の酸無水物、これら酸無水物と炭素数1〜20の直鎖状または分岐鎖を有するアルコールまたはアミンとのジエステルまたはハーフエステルなどの不飽和カルボン酸のエステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ジアリルフタレートなどのビニルエステルやアリル化合物;ビニルピリジン、アミノエチルビニルエーテルなどのアミノ基含有ビニル系化合物;イタコン酸ジアミド、クロトン酸アミド、マレイン酸ジアミド、フマル酸ジアミド、N−ビニルピロリドンなどのアミド基含有ビニル系化合物;2ーヒドロキシエチルビニルエーテル、メチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、クロロプレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン、フルオロオレフィンマレイミド、N−ビニルイミダゾール、ビニルスルホン酸などのその他ビニル系化合物などが挙げられる。
【0027】
これらは、単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
【0028】
また、本発明においては、得られる本発明の組成物から形成される塗膜の耐候性をさらに向上させる目的で、たとえば主鎖にウレタン結合やシロキサン結合により形成されたセグメント、単量体(a)、単量体(b)、単量体(c)、単量体(d)以外の単量体に由来するセグメントなどを、30重量%を超えない範囲でビニル系共重合体の製造時に導入してもよい。
【0029】
これらは単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。ビニル系共重合体にはカルボキシル基またはアミノ基などの基が含まれていてもよく、その場合には、硬化性、密着性が向上するが、重合体鎖に結合しているカルボキシル基やアミノ基の場合、活性が弱く、これらを硬化触媒のかわりに使用して硬化させようとしても良好な特性の硬化物が得られにくい。
【0030】
前記実質的に芳香族成分を含まない溶剤(B)とは、有害性を考慮した場合、芳香族成分が1.0重量%以下、さらには0.7重量%以下、特には0.5重量%の溶剤が好ましい。また、その使用量についても、有害性やPRTR法等の規制を考慮した場合、80重量%以上使用することが好ましい。特に好ましくは、90重量%以上である。
【0031】
その他使用できる溶剤としては、アルコール系、エステル系、ケトン系等が挙げられるが、これらの溶剤は下地を侵すことが考えられることから、その使用量は、可能な限り少ないことが好ましい。
【0032】
前記実質的に芳香族成分を含まない溶剤(B)の具体例としては、エクソールD40、エクソールD80、アイソバーG(以上、エクソンモービル(株)製)、IPソルベント(出光石油化学(株)製)などのナフテンやパラフィン系の溶剤やMCH(新日鐵化学(株)製)などのキシレンあるいはその他芳香族を含む溶剤の水添物、さらにはヘキサンやヘプタンなどいわゆる炭化水素系溶剤が挙げられる。
【0033】
上記実質的に芳香族成分を含まない溶剤(B)は、重合溶剤に使用しても、希釈溶剤に使用してもよいが、臭気や有害性を考慮して両者に用いることが最も好ましい。また、上記溶剤(B)以外の溶剤で重合した後、一度該溶剤を除去し、再び芳香族成分を含まない溶剤(B)で希釈溶解してもよい。
【0034】
前記シリコン化合物および/またはその部分加水分解縮合物(C)(以後、シリコン化合物類(C)という)は、一般式(II)
(R3O)4-b−Si−R4b (II)
(式中、R3は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基および炭素数7〜12のアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基、R4は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基および炭素数7〜12のアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基、bは0または1を示す)で表され、塗膜の耐汚染性を向上させることを主たる目的に配合される成分であり、上記ビニル系共重合体(A)100重量部に対して、0.1〜100重量部配合することが好ましく、より好ましくは、5〜80重量部、更に好ましくは10〜50重量部である。
【0035】
上記シリコン化合物類(C)の配合量が0.1重量%未満であると、塗膜の耐汚染性が低下し、100重量部を超えると、クラックが発生したり、塗膜が脆くなったり、硬化性が低下する傾向がある。
【0036】
前記一般式(II)において、R3は炭素数1〜10、好ましくはたとえばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基などの炭素数1〜4のアルキル基、好ましくはたとえばフェニル基などの炭素数6〜9のアリール基、好ましくはたとえばベンジル基などの炭素数7〜9のアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基である。
【0037】
前記アルキル基の炭素数が10を超える場合には、シリコン化合物類(C)の反応性が低下するようになる。また、R3が前記アルキル基、アリール基、アラルキル基以外の場合にも反応性が低下するようになる。
【0038】
また、前記一般式(II)において、R4は炭素数1〜10、好ましくはR3と同様の炭素数1〜4のアルキル基、好ましくはR3と同様の炭素数6〜9のアリール基、好ましくはR3と同様の炭素数7〜9のアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素である。
【0039】
前記一般式(II)において、(R3O)4-bは4−bが3以上になるように、すなわちbが0または1になるように選ばれるが、本発明の組成物から形成される塗膜の硬化性が向上するという点からは、bが0であるのが好ましい。
【0040】
一般式(II)中に存在する(R3O)4-bの数が2個以上の場合、2個以上含まれるR3は同じであってもよく、異なっていてもよい。
【0041】
前記シリコン化合物類(II)の具体例としては、たとえばテトラメチルシリケート、テトラエチルシリケート、テトラn−プロピルシリケート、テトラi−プロピルシリケート、テトラn−ブチルシリケート、テトラi−ブチルシリケートなどのテトラアルキルシリケート;メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、メチルトリsec−オクチルオキシシラン、メチルトリフェノキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン等のシランカップリング剤などが挙げられる。
【0042】
また、前記シリコン化合物類(C)の具体例としては、たとえば通常の方法で前記テトラアルキルシリケートやトリアルコキシシランに水を添加し、縮合させて得られるものがあげられ、たとえばMSi51、MSi53、ESi28、ESi40、HAS−1、HAS−10、EMS70/30やEMS60/40等のEMSシリーズ、EPSiシリーズ(以上、コルコート(株)製)、MS51、MS56、MS51B15、MS56S、MS56SB5(以上、三菱化学(株)製)、シリケート40、シリケート45、シリケート48、FR−3(以上、多摩化学(株)製)などのテトラアルキルシリケートの部分加水分解分解縮合物や、たとえばAFP−1(信越化学工業(株)製)などのトリアルコキシシランの部分加水分解分解縮合物などが挙げられる。
【0043】
前記シリコン化合物類(C)のうちでは、ビニル系樹脂(A)とを用いて形成される塗膜の汚染物質の付着を制御するという点から、MSi51、MS51、MS56、MS51B15、MS56S、MS56SB5(テトラメトキシシランの部分加水分解分解縮合物)やESi40、シリケート40、シリケート45、シリケート48、ESi48(テトラエトキシシランの部分加水分解縮合物)、FR−3、EMSシリーズ(テトラメトキシシランとテトラエトキシシランの共部分加水分解縮合物)などのテトラアルキルシリケートの部分加水分解分解縮合物を用いるのが好ましい。
【0044】
さらに、前記シリコン化合物類(C)のなかでは、縮合度の高いMS56やMS56S、シリケート45、シリケート48ESi48、FR−3、EMSシリーズなどが初期から塗膜の汚染物質の付着を制御するという点から好ましい。
【0045】
本発明の塗料用硬化性樹脂組成物には、必要に応じて硬化触媒(D)が配合される。
【0046】
硬化触媒(D)の具体例としては、例えば、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジマレエート、ジオクチルスズジラウレート、ジオクチルスズジマレエート、オクチル酸スズ、ジブチルスズビス(メルカプト酸エステル)等の有機スズ化合物;エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(アセチルアセテート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムモノアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、アルキルアセチルアセテートアルミニウムジイソプロピレートなどの有機アルミ化合物;有機チタネート化合物;有機亜鉛化合物等の有機金属化合物が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
【0047】
硬化触媒(D)の具体例としてさらに、酸触媒が挙げられる。酸触媒としては、リン酸エステル系、スルホン酸系触媒、リン酸に有機アミン配合した系、スルホン酸と有機アミンを配合した系、有機カルボン酸に有機アミンを配合した系がある。硬化性とポットライフのバランスが取れる点から、有機カルボン酸に有機アミンを配合した系が好ましい。
【0048】
これらは、加水分解性シリル基含有ビニル系共重合体(A)成分に対して0.1〜10重量部配合することができる。配合量としては0.2〜8重量部が好ましく、0.5〜5重量部が特に好ましい。
【0049】
また、上記硬化触媒は、単独および2種類以上併用することができる。
【0050】
有機リン酸エステル系の具体例としては、リン酸、モノメチルホスフェート、モノエチルホスフェート、モノブチルホスフェート、モノオクチルホスフェート、モノデシルホスフェート、ジメチルホスフェート、ジエチルホスフェート、ジドデシルホスフェートなどのリン酸またはリン酸エステルがある。スルホン酸系では、ドデシルベンゼンスルホン酸が代表的である。
【0051】
また、前記溶液重合の際には、必要に応じて、たとえばn−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ブチルメルカプタン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、(CH3O)3Si−S−S−Si(OCH33、(CH3O)3Si−S8−Si(OCH33などの連鎖移動剤を単独または2種以上併用することにより、得られるビニル系共重合体の分子量を調整してもよい。とくに、たとえばγ−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのアルコキシシリル基を分子中に有する連鎖移動剤を用いた場合には、ビニル系共重合体の末端に反応性シリル基を導入することができるので好ましい。かかる連鎖移動剤の使用量は、用いる重合成分全量の0.05〜10%、特には0.1〜8%であることが好ましい。
【0052】
また、ビニル系重合体が湿分硬化性であるため、安定性を保持する目的で、脱水剤を使用することが好ましい。脱水剤としては、加水分解性エステル化合物などが挙げられる。その具体例としては、たとえばオルトギ酸メチル、オルトギ酸エチル、オルト酢酸メチル、オルト酢酸エチル、オルトプロピオン酸トリメチル、オルトプロピオン酸トリエチル、オルト酪酸トリメチル、オルト酪酸トリエチルなどの加水分解性エステル化合物、ジメトキシメタン、1,1−ジメトキシエタン、1,1−ジメトキシエタン、1,1−ジメトキシプロパン、1,1−ジメトキシブタン;メチルシリケート、エチルシリケート、メチルトリメトキシシランなどである。この中では、脱水効果の点からオルト酢酸メチルが好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
【0053】
また、本発明の塗料用硬化性樹脂組成物には、通常塗料に用いられるたとえば希釈剤、紫外線吸収剤、光安定剤、タレ防止剤、レベリング剤などの添加剤;アミノシランなどのシランカップリング剤;ニトロセルロース、セルロースアセテートブチレートなどの繊維素;エポキシ樹脂、メラミン樹脂、塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂、塩素化ポリプロピレン、塩化ゴム、ポリビニルブチラール、ポリシロキサンなどの樹脂や顔料などを適宜加えてもよい。
【0054】
顔料は特に限定はなく、また、その使用量についても特に制限はない。通常塗料に用いられるたとえば酸化チタン、群青、紺青、亜鉛華、ベンガラ、黄鉛、鉛白、カーボンブラック、透明酸化鉄、アルミニウム粉などの無機顔料、アゾ系顔料、トリフェニルメタン系顔料、キノリン系顔料、アントラキノン系顔料、フタロシアニン系顔料などの有機顔料などの顔料が選ばれる。
【0055】
本発明の塗料用硬化性樹脂組成物は、たとえば浸漬、吹き付け、刷毛、スプレーなどを用いた塗布などの通常の方法によって被塗物に塗布され、通常、常温でそのまま、または30℃以上で焼き付けて硬化せしめる。
【0056】
次に、本発明の塗料用硬化性樹脂組成物を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
【0057】
製造例 ビニル系重合体の製造
撹拌機、温度計、還流冷却器、窒素ガス導入管および滴下ロートを備えた反応器に表1の(イ)成分を仕込み、窒素ガスを導入しつつ110℃に昇温した後、表1の(ア)成分の混合物を滴下ロートから5時間かけて等速滴下した。次に(ウ)成分の混合溶液を1時間かけて等速滴下した。その後、引き続き110℃で2時間攪拌した後、室温まで冷却した。最後に表1の(エ)成分を加えて攪拌した。
【0058】
得られた加水分解性シリル基含有ビニル系重合体(A−1〜A−8)の各ビニル系共重合体の固形分濃度、GPCで測定した数平均分子量を表1に示した。
【0059】
【表1】

【0060】
なお、表中の成分は以下のものを示す。
溶剤
エクソールD40;エクソン−モービル化学株式会社製
アイソバーG;エクソン−モービル化学株式会社製
IP1620;出光石油化学株式会社製
MCH(メチルシクロヘキサン);新日鐵化学株式会社製
ペガソールAN45(芳香族成分を約30%含有);エクソン−モービル化学株式会社製
【0061】
実施例
溶剤希釈性
えられたビニル系重合体(A)の樹脂固形分100部に対し、シリコン化合物類(C)としてESi48(コルコート(株)製のテトラエチルシリケートの部分加水分解縮合物)を20部加えた後、重合溶剤を用いて固形分濃度が50%になるように希釈した。ビニル系重合体(A)100重量部に対して、20℃と5℃の雰囲気下、実質的に芳香族成分を含まない溶剤(B)として、エクソールD40をある一定の割合加えていき白濁を生じるまでの希釈性を確認した。
【0062】
【表2】

【0063】
白エナメルの作製
製造例1でえられたビニル系共重合体(A)−1の樹脂固形分100部に対し、シリコン化合物類(C)としてMS56S(三菱化学(株)製のテトラメチルシリケートの部分加水分解縮合物)を15部加えた混合液に、顔料として酸化チタン(CR−95、石原産業(株)製)40部を添加し、ガラスビーズを用いてペイントコンディショナーで2時間分散させ、固形分濃度が60%の白エナメルをえた。
【0064】
えられた白エナメルの樹脂固形分100部に対して、硬化触媒(D)としてU−15(日東化成(株)製)を1部、シランカップリング剤(E)、硬化調整成分(F)さらに、シンナーとしてエクソールD40を添加して撹拌し、固形分濃度が45%の組成物をえた。
【0065】
表3に示す配合に従い、以下同様にして、固形分濃度45%の組成物を得た。
【0066】
えられた組成物をアルミニウム板(A5052P)上に乾燥膜厚が約30μmになるようにエアースプレーで塗装し、23℃で7日間養生(硬化)させ塗膜を得た。結果を表3に示す。
【0067】
【表3】

【0068】
得られた塗膜の表面状態、光沢、接触角、密着性、上塗りリコート時のちぢみ、耐汚染性、耐候性については以下の方法に従って評価した。
【0069】
(イ)表面状態
塗膜表面を目視にて観察し、以下の評価基準に基づいて評価した。
(評価基準)
A:表面状態が良好である。
B:部分的に曇りや斑点がみられる。
C:全体に曇りや斑点が認められる。
【0070】
(ロ)光沢
塗膜表面の光沢をJIS K 5400に準拠してGM268光沢計(ミノルタ製)を用いて測定した。(60°光沢)
【0071】
(ハ)接触角
形成後7日目の塗膜表面の水との静的接触角を接触角測定器(協和界面科学株式会社製CA−S150型)で測定した。
【0072】
(ニ)ちぢみ
得られた組成物を、スレート板に複層塗材RE(イサムタイルW;イサム塗料(株)製)、下地調整塗材E(水性ソフトサーフSG;エスケー化研(株)製)を1.4〜1.6Kg/m2になるように塗装し、23℃で1日養生したものに、実施例に示す白エナメル組成物を乾燥膜厚20〜30μmで塗装してサンプルとした。このサンプルにカッターで基材にまで達する傷を入れ、上塗り塗装後23℃、55%RH条件下で1日、2日、3日、5日、7日、14日目に刷毛で上塗り塗料を塗装し、各期間での塗膜の状態を観察、ちぢみ等がないかどうか確認した。上塗りリコート時のちぢみについては、以下の基準で評価した。
(評価基準)
○;塗膜に異常が見られない。
△;カッティングを入れた部分のみにちぢみが発生。
×;リコート部全面にちぢみが発生。
【0073】
(ホ)密着性
ちぢみを評価した複層塗材RE、下地調整塗材Eを23℃で1日養生後、実施例に示す白エナメルを塗装した。23℃、55%RH条件下で7日間養生後、JISK5400に準拠して1mm碁盤目密着性試験を実施した。
(評価結果)
10:100/100
8:80/100
6:60/100
4:40/100
2:20/100
0: 0/100
【0074】
(ヘ)臭気
該組成物をスプレーまたはローラ塗装した場合の臭気を以下の基準で評価した。
(評価基準)
○;鼻をつくような臭気が感じられず、長時間塗装にも耐えられる。
△;やや臭気が感じられる。
×;臭気が強く、長時間の塗装には耐えられない。
【0075】
(ト)耐汚染性(ΔL値)
養生7日後の塗膜表面および大阪摂津市の屋外で3ケ月間放置(屋外曝露)後の塗膜表面の色彩をCR−300色差計(ミノルタ製)を用いて各々測定し、得られたL値(明度)からその差(ΔL値)を求めた。
【0076】
(チ)耐候性(光沢保持率)
サンシャインウェザオメーターを用い、養生7日後の塗膜表面および2000時間経過後の塗膜表面の光沢をそれぞれ測定し、2000時間経過後の光沢保持率(%)を求めた。結果をまとめて表3に示す。なお、比較例2については、養生7日後の光沢値が著しく低いので、光沢保持率は記載していない。
【0077】
なお、表中の成分は以下のものを示す。
シリコン化合物類(C)
ESi48;コルコート株式会社製
Si48;多摩化学株式会社製
硬化触媒(D)
U−15;日東化成株式会社製 有機錫化合物
U−20;日東化成株式会社製 有機錫化合物
シランカップリング剤(E)
E−1;アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシランとγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの1:2.2(モル比)反応物
E−2;アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン
硬化調整成分(F)
F−1;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン
F−2;n−ドデシルメルカプタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主鎖末端および/または側鎖に一般式(I)
【化1】

(式中、R1は炭素数1〜10のアルキル基、R2は炭素数1〜10のアルキル基、aは0〜2の整数を示す。)で表される炭素原子に結合した加水分解性シリル基を分子中に少なくとも1個含有するビニル系共重合体(A)と、溶剤として芳香族成分が1.0重量%以下の溶剤(B)のみとを含む塗料用硬化性樹脂組成物であって、
該ビニル系共重合体(A)が、単量体として重合性二重結合および炭素原子に結合した反応性シリル基を含有する単量体(a)と、アルキル基の炭素数が4以上で分岐型の(メタ)アクリル酸アルキル単量体(b)および/またはアルキル基の炭素数が8以上である(メタ)アクリル酸アルキル単量体(c)とのみを含むか、またはさらにその他のビニル系単量体(d)としてメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、スチレンおよびα−メチルスチレンからなる群より選択される少なくとも1種のみを含み、
該アルキル基の炭素数が4以上で分岐型の(メタ)アクリル酸アルキル単量体(b)および/またはアルキル基の炭素数が8以上である(メタ)アクリル酸アルキル単量体(c)が全単量体の50重量%以上である
塗料用硬化性樹脂組成物。
【請求項2】
前記アルキル基の炭素数が4以上で分岐型の(メタ)アクリル酸アルキル単量体(b)および/またはアルキル基の炭素数が8以上である(メタ)アクリル酸アルキル単量体(c)が、全単量体の87重量%以上である請求項1記載の塗料用硬化性樹脂組成物。
【請求項3】
前記アルキル基の炭素数が4以上で分岐型の(メタ)アクリル酸アルキル単量体(b)が、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートおよび2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートからなる群より選択される少なくとも1種である請求項1または2記載の塗料用硬化性樹脂組成物。
【請求項4】
前記溶剤(B)がナフテン系溶剤および/またはパラフィン系溶剤および/または芳香族を含む溶剤の水添物である請求項1〜3のいずれかに記載の塗料用硬化性樹脂組成物。
【請求項5】
前記ビニル系共重合体(A)100重量部に対して、一般式(II)
(R3O)4-a−Si−R4a (II)
(式中、R3は炭素数1〜10のアルキル基、アリール基およびアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基であり、複数存在する場合には、同一であっても異なっていてもよい。R4は炭素数1〜10のアルキル基、アリール基およびアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基、aは0または1を示す。)で表されるシリコン化合物および/またはその部分加水分解縮合物(C)を0.1〜100重量部を配合してなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の塗料用硬化性樹脂組成物。
【請求項6】
塗料用硬化性樹脂組成物に更に硬化触媒(D)0.01〜10重量部が配合されてなる請求項1〜5のいずれかに記載の塗料用硬化性樹脂組成物。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の塗料用硬化性樹脂組成物を塗布してなる塗装物。

【公開番号】特開2012−144743(P2012−144743A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−106183(P2012−106183)
【出願日】平成24年5月7日(2012.5.7)
【分割の表示】特願2001−142700(P2001−142700)の分割
【原出願日】平成13年5月14日(2001.5.14)
【出願人】(000000941)株式会社カネカ (3,932)
【Fターム(参考)】