説明

塗料用艶消し樹脂粒子、および艶消し塗料組成物

【課題】塗膜に優れた艶消し感、伸び性、耐汚染性を付与でき、かつ耐ブロッキング性に優れる塗料用艶消し樹脂粒子、および優れた艶消し感、伸び性、耐汚染性を有する塗膜を形成できる艶消し塗料組成物の提供。
【解決手段】モノマー成分(c)を含むコア材が重合したコア部と、モノマー成分(s)を含むシェル材が重合したシェル部とからなるコアシェル型の塗料用艶消し樹脂粒子であって、前記モノマー成分(c)は、該モノマー成分(c)を重合して得られる重合体のガラス転移温度が20℃以下となる1種以上のモノマーで構成され、前記モノマー成分(s)は、該モノマー成分(s)を重合して得られる重合体のガラス転移温度が70℃以上となる1種以上のモノマーで構成され、かつ、前記コア材とシェル材の質量比が、コア材/シェル材=30/70〜80/20であることを特徴とする塗料用艶消し樹脂粒子。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗料用艶消し樹脂粒子、および艶消し塗料組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
建築物や自動車の内・外装成形品には、意匠性を目的として艶消し感を有する塗膜を形成できる艶消し塗料が塗装されることがある。
近年、意匠性の向上や運転者への防眩性の配慮などから、より優れた艶消し感を有する塗膜が求められている。
【0003】
塗膜に艶消し感を付与するためには、艶消し剤として、タルク、シリカ、炭酸カルシウム等の体質顔料を塗料に添加するのが一般的である。
塗膜の艶消し感を高めるには艶消し剤の添加量を増やせばよい。しかし、体質顔料を塗料に大量に添加すると、形成される塗膜の伸び性が低下するといった問題があった。塗膜の伸び性が低下すると、塗膜が設けられる壁面や成形品基材等が気温変化などによって膨張収縮を起こした際に、その膨張収縮に塗膜が追従できず、クラックが発生しやすくなる。特に壁面においては、隣り合う壁材の間隔が変化しやすいため、伸び性に劣る塗膜はクラックが発生しやすい。
【0004】
塗膜の伸び性を確保し、クラックの発生を抑制する方法としては、樹脂粒子やシリコーンゴム粒子を塗料に添加し、塗膜に弾性を付与する方法が知られている。
また、特許文献1には、水性塗料に適用できるコアシェル構造の樹脂粒子分散体が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−281339号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、艶消し剤として樹脂粒子を用いる場合、クラックの発生を抑制するためには樹脂粒子を柔らかくする必要があり、分子量やガラス転移温度を下げざるを得なかった。その結果、樹脂粒子自体のブロッキングによる分散不良や、形成される塗膜に汚れが付着しやすくなる(耐汚染性の低下)といった問題があった。
一方、シリコーン粒子は高価である上に、補修時に塗膜上に補修用塗料が塗装しにくいといった問題があった。
また、特許文献1に記載の樹脂粒子分散体は、樹脂粒子自体の弾性が考慮されておらず、艶消し剤として塗料に用いた場合、優れた艶消し感と伸び性の両方を塗膜に付与するのは困難であった。
従って、これら樹脂粒子やシリコーン粒子に代わる、新たな艶消し剤が求められている。
【0007】
本発明は上記事情を鑑みてなされたもので、塗膜に優れた艶消し感、伸び性、耐汚染性を付与でき、かつ耐ブロッキング性に優れる塗料用艶消し樹脂粒子、および優れた艶消し感、伸び性、耐汚染性を有する塗膜を形成できる艶消し塗料組成物の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の塗料用艶消し樹脂粒子は、モノマー成分(c)を含むコア材が重合したコア部と、モノマー成分(s)を含むシェル材が重合したシェル部とからなるコアシェル型の塗料用艶消し樹脂粒子であって、前記モノマー成分(c)は、該モノマー成分(c)を重合して得られる重合体のガラス転移温度が20℃以下となる1種以上のモノマーで構成され、前記モノマー成分(s)は、該モノマー成分(s)を重合して得られる重合体のガラス転移温度が70℃以上となる1種以上のモノマーで構成され、かつ、前記コア材とシェル材の質量比が、コア材/シェル材=30/70〜80/20であることを特徴とする。
また、本発明の艶消し塗料組成物は、前記塗料用艶消し樹脂粒子と、バインダー樹脂成分とを含有し、前記塗料用艶消し樹脂粒子の含有量が、バインダー樹脂成分100質量部に対して13〜87質量部であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の塗料用艶消し樹脂粒子は、塗膜に優れた艶消し感、伸び性、耐汚染性を付与でき、かつ耐ブロッキング性に優れる。
また、本発明の艶消し塗料組成物によれば、優れた艶消し感、伸び性、耐汚染性を有する塗膜を形成できる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明について詳細に説明する。
[塗料用艶消し樹脂粒子]
本発明の塗料用艶消し樹脂粒子(以下、単に「樹脂粒子」という場合がある。)は、コア部と、該コア部を被覆するシェル部とからなるコアシェル型である。
【0011】
コア部は、モノマー成分(c)(以下、「成分(c)」という場合がある。)を含むコア材が重合した重合体より構成される。
成分(c)に含まれるモノマー(単量体)については特に制限されないが、例えば(メタ)アクリル酸、アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体、芳香族環を有する単量体などが挙げられる。
なお、本発明において、「(メタ)アクリル酸」とは、メタクリル酸とアクリル酸の両方を示すものとする。「(メタ)アクリレート」とは、メタクリレートとアクリレートの両方を示すものとする。
【0012】
アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体としては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0013】
芳香族環を有する単量体としては、例えばスチレン、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ビニルトルエン、p−tert−ブチルスチレン、ビニル安息香酸、α−メチルスチレン、p−クロロスチレン、ビニルナフタレンなどが挙げられる。
これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0014】
成分(c)は、上述した(メタ)アクリル酸、アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体、芳香族環を有する単量体と共重合可能な、その他の単量体を含有してもよい。
その他の単量体としては、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、酢酸ビニル等が挙げられる。
【0015】
成分(c)は、該成分(c)を重合して得られる重合体(C)(以下、「重合体(C)」という場合がある。)のガラス転移温度(Tg)が20℃以下となる1種以上のモノマーで構成される。重合体(C)のTgが20℃以下であれば、弾性を有するコア部が形成され、樹脂粒子全体としても弾性が付与される。その結果、本発明の樹脂粒子を配合した塗料より形成される塗膜が伸びたときに、樹脂粒子が塗膜の伸びに追従できるので、塗膜の主成分となるバインダー樹脂成分と樹脂粒子との界面が剥離しにくくなり、クラックの発生を抑制できる。従って、塗膜の伸び性が向上する。
【0016】
重合体(C)のTgは、成分(c)に含まれる各モノマーの種類やその配合量によって調整できる。また、重合体(C)のTgは、下記式(1)に示されるFoxの式から求められる値である。
1/(Tg+273.15)=Σ[W/(Tg+273.15)] ・・・(1)
【0017】
式(1)中、Tgは重合体のガラス転移温度(℃)であり、Wは重合体を構成するモノマーnの質量分率であり、Tgはモノマーnの単独重合体(ホモポリマー)のガラス転移温度(℃)である。
なお、Tgはホモポリマーの特性値として広く知られており、例えば、「POLYMER HANDBOOK、THIRD EDITION」に記載されている値を用いればよい。
【0018】
コア材は、成分(c)のみから構成されていてもよいが、架橋剤を含有するのが好ましい。架橋剤を含有することで、弾性を有するコア部がより形成されやすくなり、樹脂粒子全体としても適度な弾性が付与されやすくなる。その結果、本発明の樹脂粒子を配合した塗料より形成される塗膜の伸び性がより向上する。
【0019】
架橋剤としては、2つ以上の重合性二重結合を有する多官能性単量体が挙げられる。
2官能の単量体としては、例えばアリル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールヒドロキシピバレートジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタンジアクリレート、ヘキサメチレンジアクリレートなどが挙げられる。
【0020】
3官能以上の単量体としては、例えばトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレートなどが挙げられる。
【0021】
架橋剤の含有量は、コア材100質量%中、0.1〜10.0質量%が好ましく、0.5〜5.0質量%がより好ましい。架橋剤の含有量が0.1質量%以上であれば、塗膜に優れた伸び性を付与できる樹脂粒子が得られる。一方、架橋剤の含有量が10.0質量%以下であれば、塗膜の伸び性を良好に維持できる。
【0022】
シェル部は、モノマー成分(s)(以下、「成分(s)」という場合がある。)を含むシェル材が重合した重合体より構成される。
成分(s)に含まれるモノマーについては特に制限されないが、例えば(メタ)アクリル酸、アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体、芳香族環を有する単量体などが挙げられる。
アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体、芳香族環を有する単量体としては、コア部の説明において先に例示したアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体、芳香族環を有する単量体などが挙げられる。
【0023】
成分(s)は、上述した(メタ)アクリル酸、アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体、芳香族環を有する単量体と共重合可能な、その他の単量体を含有してもよい。
その他の単量体としては、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、酢酸ビニル等が挙げられる。
【0024】
成分(s)は、該成分(s)を重合して得られる重合体(S)(以下、「重合体(S)」という場合がある。)のTgが70℃以上となる1種以上のモノマーで構成される。重合体(S)のTgが70℃以上であれば、適度な硬さを有するシェル部が形成される。その結果、樹脂粒子の耐ブロッキング性が向上し、塗料に配合する際の分散不良を抑制できる。また、形成される塗膜の耐汚染性が向上し、汚れが付着しにくくなる。
【0025】
重合体(S)のTgは、成分(s)に含まれる各モノマーの種類やその配合量によって調整できる。
重合体(S)のTgは、先に説明した重合体(C)のTgと同様に、上記式(1)に示されるFoxの式から求められる値である。
【0026】
シェル材は、成分(s)のみから構成されていてもよいが、架橋剤を含有してもよい。架橋剤を含有することで、得られる樹脂粒子の耐溶剤性が向上し、溶剤系塗料に使用するのに好適となる。
架橋剤としては、コア部の説明において先に例示した架橋剤などが挙げられる。
【0027】
架橋剤の含有量は、シェル材100質量%中、0.5〜5.0質量%が好ましい。架橋剤の含有量が0.5質量%以上であれば、塗膜への艶消し付与効果を維持しつつ、耐溶剤性に優れた樹脂粒子が得られる。一方、架橋剤の含有量が5.0質量%以下であれば、塗膜の伸び性を良好に維持できる。
【0028】
樹脂粒子は、公知の方法にて調製できる。具体的には、反応器に成分(c)および必要に応じて架橋剤を含むコア材と、分散安定剤と、必要に応じて乳化剤と、重合開始剤と、水等を投入し、攪拌しながら50〜100℃で1〜5時間保持して懸濁重合を行い(コア部の重合)、コア部を形成する。引き続き、別容器にて調製しておいた成分(s)および必要に応じて架橋剤を含むシェル材と、乳化剤と、重合開始剤と、水等の混合物(モノマー乳化液)を加え、攪拌しながら50〜100℃で1〜5時間保持して乳化重合を行い(シェル部の重合)、コア部の表面がシェル部で被覆されたコアシェル型の樹脂が水中に分散した分散液を得る。
【0029】
コア材とシェル材の質量比は、コア材/シェル材=30/70〜80/20であり、40/60〜70/30であることが好ましい。コア材の割合が上記範囲より少ないと、あるいはシェル材の割合が上記範囲より多いと、樹脂粒子に弾性が十分に付与されず、塗膜の伸び性が低下する。一方、コア材の割合が上記範囲より多いと、あるいはシェル材の割合が上記範囲より少ないと、樹脂粒子の耐ブロッキング性が低下したり、塗膜の耐汚染性が低下したりする。
【0030】
分散安定剤としては、例えば第三リン酸カルシウム、ポリビニルアルコール、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、シリケート、メチルセルロースなどが挙げられる。
乳化剤としては、例えば脂肪酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、ジオクチルサクシネートスルホン酸塩などが挙げられる。
重合開始剤としては、例えば過酸化ベンゾイル、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、ラウリルパーオキサイド、2,2’−アゾビス(2−イソブチロニトリル)、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)などが挙げられる。
【0031】
上述のようにして得られた樹脂粒子は、そのまま水中に分散した状態で用いてもよいが、通常は分級した後、遠心機等を用いて洗浄脱水し、粉末状にして用いる。
分級する際は、樹脂粒子の平均粒子径が2〜80μmとなるように分級するのが好ましく、より好ましくは8〜60μmである。樹脂粒子の平均粒子径が2μm以上であれば、樹脂粒子を配合した塗料より形成される塗膜に十分な艶消し感を付与できる。一方、樹脂粒子の平均粒子径が80μm以下であれば、塗膜のざらつきを抑制でき、塗膜外観を良好に維持できる。
なお、平均粒子径とは、体積基準のメジアン径のことであり、具体的にはレーザー回折式粒度分布測定装置を用いて測定した値である。
【0032】
以上説明した本発明の樹脂粒子は、重合体としたときのTgが20℃以下である成分(c)を含むコア材が重合したコア部と、重合体としたときのTgが70℃以上である成分(s)を含むシェル材が重合したシェル部とからなる。すなわち、柔らかいコア部と、硬いシェル部とからなるコアシェル型である。
本発明の樹脂粒子は、柔らかいコア部によって適度な弾性が付与されるため、樹脂粒子を配合した塗料より形成される塗膜が伸びたときに、樹脂粒子が塗膜の伸びに追従できる。よって、バインダー樹脂成分と樹脂粒子との界面が剥離しにくくなり、クラックの発生を抑制でき、塗膜の伸び性が向上する。加えて、硬いシェル部によって耐ブロッキング性に優れると共に、形成される塗膜の耐汚染性が向上し、汚れが付着しにくくなる。
【0033】
従って、本発明の樹脂粒子であれば塗膜に伸び性を付与できるので、塗料に大量に配合できる。よって、塗膜に優れた艶消し感を付与できる。
【0034】
本発明の樹脂粒子は、塗料用の艶消し剤として好適である。樹脂粒子は後述するバインダー樹脂成分に配合して艶消し塗料組成物としてもよいし、市販の塗料に添加して用いることもできる。
【0035】
[艶消し塗料組成物]
本発明の艶消し塗料組成物(以下、単に「塗料組成物」という場合がある。)は、バインダー樹脂成分と、上述した樹脂粒子とを含有する。
バインダー樹脂成分としては、アクリル樹脂、アクリル−シリコーン樹脂、フッ素系樹脂等のエマルション樹脂などが挙げられる。
【0036】
樹脂粒子の含有量は、バインダー樹脂成分(固形分換算)100質量部に対して、13〜87質量部が好ましく21〜65質量部がより好ましい。樹脂粒子の含有量が13質量部以上であれば、十分な艶消し感を有する塗膜を形成できる。一方、樹脂粒子の含有量が87質量部以下であれば、十分な伸び性を有する塗膜を形成できる。
なお、樹脂粒子を市販の塗料に添加して用いる場合、その添加量は、塗料に含まれるバインダー樹脂成分(固形分換算)100質量部に対する割合が、上記範囲内となるように適宜決定すればよい。
【0037】
塗料組成物は、体質顔料、着色顔料、光輝性顔料、シリカ等の無機充填剤;疎水性造膜助剤や、親水性造膜助剤等の造膜助剤;有機顔料や無機顔料等の着色のための着色剤;消泡剤;増粘剤;分散剤などの、その他の添加剤を必要に応じて含有してもよい。
また、塗料組成物は溶剤として水、有機溶剤、これらの混合物を含有してもよい。有機溶剤としては、例えば2−メトキシエタノール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート、プロピレングリコールなどが挙げられる。
【0038】
以上説明した本発明の塗料組成物は、上述した樹脂粒子を含有するので、伸び性および耐汚染性を有する塗膜を形成できる。従って、樹脂粒子を大量に(バインダー樹脂成分の固形分換算100質量部に対して13質量部以上)含有でき、優れた艶消し感をも有する塗膜を形成できる。
【実施例】
【0039】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
なお、例中「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を示す。
【0040】
[水系エマルション塗料の調製]
バインダー樹脂成分としてアクリル樹脂エマルション(旭化成ケミカルズ株式会社製、「ポリトロンE−800」、固形分50%)46.0部、造膜助剤(イーストマンケミカルジャパン株式会社製、「テキサノール」)1.0部、分散剤(サンノプコ株式会社製、「ノプコスパース44C」)0.5部、消泡剤(株式会社ADEKA製、「アデカネートB−190」)0.2部、増粘剤(フジケミカル株式会社製、「ヒドロキシエチルセルロース」)0.3部、酸化チタン24.0部、水28.0部を混合し、アクリル樹脂エマルションを主成分とする白色に調色した水系エマルション塗料を調製した。
【0041】
[測定・評価]
<平均粒子径の測定>
樹脂粒子の平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(株式会社島津製作所製、「SALD−3100」)を用いて測定した。なお、樹脂粒子の製造過程においてブロッキングが発生したため樹脂粒子が得られず、平均粒子径の測定ができなかった場合を「NG」として表す。
【0042】
<耐ブロッキング性の評価>
直径5cm、高さ10cmのガラス瓶中に、樹脂粒子を50g入れ、23℃で1週間放置した。放置後の樹脂粒子について目視にて観察し、以下の評価基準にて評価した。なお、樹脂粒子の製造過程においてブロッキングが発生したため樹脂粒子が得られず、耐ブロッキング性の評価ができなかった場合を「NG」として表す。
○:凝集していない、または凝集していても手で容易に凝集がほぐれる。
×:凝集しており、手では凝集がほぐれない。
【0043】
<光沢の評価>
アルミニウム板に、30ミルアプリケータを用いて乾燥膜厚が0.3mmになるように塗料組成物を塗布した。その後、温度50℃の条件下で6日間乾燥させて塗膜を形成した。
形成した塗膜の任意の3点について、60°の光沢度をJIS Z8741に準拠して、鏡面光沢計(ビックカードナー社製、「マイクロ−トリ−グロスμ」)を用いて測定し、その平均値を求めた。なお、光沢度は数値が小さいほど艶消し感に優れることを意味し、測定した3点の平均値が9.0以下の場合を合格とする。
【0044】
<伸び性の評価>
光沢の評価と同様にして塗膜を形成した。ついで、幅10mm、長さ40mmの大きさの測定片を切り出し、引張試験機(株式会社オリエンテック製、「テンシロンRTC−1210」)を用い、測定雰囲気23℃、定格荷重250N、引張速度20mm/分の条件で引張伸度(伸び率)を測定した。同様の操作を3回行い、その平均値を求めた。平均値が60%以上の場合を合格とする。
【0045】
<耐汚染性の評価>
スレート板(70×150×3mm)に、乾燥膜厚が0.5mmになるように塗料組成物を塗布し、23℃で1週間乾燥させて試験片を作製した。得られた試験片のLab値をJIS Z8741に準拠して、測色計(コニカミノルタセンシング株式会社製)を用いて測定した。
ついで、70℃で石油を燃焼させたススが舞う煤煙試験機内に試験片を1時間放置し、煤煙処理を施した。その後、エアブローでススを払い、スポンジで水洗した。煤煙処理後の試験片について、先と同様にしてLab値を測定し、下記式(2)よりΔEを求めた。なお、ΔEは数値が小さいほど耐汚染性に優れることを意味し、ΔEが10以下の場合を合格とする。
ΔE=煤煙処理前の試験片のLab値−煤煙処理後の試験片のLab値 ・・・(2)
【0046】
[実施例1]
<樹脂粒子の製造>
予め、成分(c)としてブチルアクリレート393部と、架橋剤としてトリメチロールプロパントリアクリレート3.97部とを混合したコア材に、重合開始剤として過酸化ベンゾイル5.98部を溶解し、モノマー分散液を調製した。
別途、成分(s)としてメチルメタクリレート234部からなるシェル材と、重合開始剤として過酸化ベンゾイル9.36部と、乳化剤としてジオクチルサクシネートスルホン酸ナトリウムメタノール溶液(日本乳化剤株式会社製、「ニューコール290−M」)2.93部と、水175部とを20分間攪拌し、モノマー乳化液を調製した。
【0047】
攪拌機、冷却コンデンサ、温度計を備えた内容量5Lの4つ口フラスコに、水1625部と、分散安定剤として10%第三リン酸カルシウム水溶液195部と、乳化剤としてアルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム水溶液(花王株式会社製、「ペレックスNB−L」)1.17部を投入し、3分間攪拌した後、先に調製したモノマー分散液を一括で加え、78℃に昇温した。フラスコ内の温度を78℃に維持しながら90分間攪拌した後、さらに90℃に昇温し、60分間加熱処理を行い、懸濁液を得た(コア部の形成)。
ついで、懸濁液を78℃に冷却した後、先に調製したモノマー乳化液を一括で加え、フラスコ内の温度を78℃に維持しながら60分間攪拌した。さらに90℃に昇温し、60分間加熱処理を行った(シェル部の形成)。
得られた反応液を23℃にまで冷却し、60メッシュの篩を通した後、遠心機を用いて洗浄脱水し、コアシェル型の樹脂粒子を得た。
得られた樹脂粒子の平均粒子径を測定し、耐ブロッキング性の評価を行った。結果を表1に示す。
また、樹脂粒子に用いた成分(c)および成分(s)をそれぞれ重合して得られる各重合体のTgを、上記式(1)に示すFoxの式から求めた。結果を表1に示す。
【0048】
<塗料組成物の調製>
水系エマルション塗料100部に、得られた樹脂粒子を3部(アクリル樹脂エマルションの固形分100質量部に対して13.0部に相当)を添加し、撹拌機で十分に分散させて塗料組成物を得た。
得られた塗料組成物について、光沢、伸び性、および耐汚染性の評価を行った。結果を表4に示す。
【0049】
[実施例2]
樹脂粒子の添加量を5部(アクリル樹脂エマルションの固形分100質量部に対して21.7部に相当)に変更した以外は、実施例1と同様にして塗料組成物を調製し、各評価を行った。結果を表4に示す。
【0050】
[実施例3]
樹脂粒子の添加量を10部(アクリル樹脂エマルションの固形分100質量部に対して43.5部に相当)に変更した以外は、実施例1と同様にして塗料組成物を調製し、各評価を行った。結果を表4に示す。
【0051】
[実施例4]
樹脂粒子の添加量を15部(アクリル樹脂エマルションの固形分100質量部に対して65.2部に相当)に変更した以外は、実施例1と同様にして塗料組成物を調製し、各評価を行った。結果を表1に示す。
【0052】
[実施例5]
樹脂粒子の添加量を20部(アクリル樹脂エマルションの固形分100質量部に対して87.0部に相当)に変更した以外は、実施例1と同様にして塗料組成物を調製し、各評価を行った。結果を表4に示す。
【0053】
[実施例6]
表1に示す配合組成のモノマー分散液を用い、コア部形成時の分散安定剤として10%リン酸第三カルシウム水溶液195部の代わりに5%ポリビニルアルコール(部分ケン化物)水溶液195部を用いた以外は、実施例1と同様にして樹脂粒子を製造し、各測定および評価を行った。結果を表1に示す。
得られた樹脂粒子を用い、その添加量を10部(アクリル樹脂エマルションの固形分100質量部に対して43.5部に相当)に変更した以外は、実施例1と同様にして塗料組成物を調製し、各評価を行った。結果を表4に示す。
【0054】
[実施例7〜11]
表1、2に示す配合組成のモノマー分散液、およびモノマー乳化液を用いた以外は実施例1と同様にして樹脂粒子を製造し、各測定および評価を行った。結果を表1、2に示す。
得られた樹脂粒子を用い、その添加量を10部(アクリル樹脂エマルションの固形分100質量部に対して43.5部に相当)に変更した以外は、実施例1と同様にして塗料組成物を調製し、各評価を行った。結果を表4、5に示す。
【0055】
[実施例12]
表2に示す配合組成のモノマー分散液、およびモノマー乳化液を用いた以外は実施例1と同様にして樹脂粒子を製造し、各測定および評価を行った。結果を表2に示す。
得られた樹脂粒子を用い、その添加量を5部(アクリル樹脂エマルションの固形分100質量部に対して21.7部に相当)に変更した以外は、実施例1と同様にして塗料組成物を調製し、各評価を行った。結果を表5に示す。
【0056】
[実施例13、14]
コア部およびシェル部形成時における、フラスコ内の攪拌速度を増速した以外は、実施例1と同様にして樹脂粒子を製造し、各測定および評価を行った。結果を表2に示す。
得られた樹脂粒子を用い、その添加量を10部(アクリル樹脂エマルションの固形分100質量部に対して43.5部に相当)に変更した以外は、実施例1と同様にして塗料組成物を調製し、各評価を行った。結果を表5に示す。
【0057】
[実施例15]
コア部およびシェル部形成時における、フラスコ内の攪拌速度を減速した以外は、実施例1と同様にして樹脂粒子を製造し、各測定および評価を行った。結果を表2に示す。
得られた樹脂粒子を用い、その添加量を10部(アクリル樹脂エマルションの固形分100質量部に対して43.5部に相当)に変更した以外は、実施例1と同様にして塗料組成物を調製し、各評価を行った。結果を表5に示す。
【0058】
[比較例1]
予め、メチルメタクリレート700部に、重合開始剤として過酸化ベンゾイル9.24部と、連鎖移動剤としてn−ドデシルメルカプタン0.35部を溶解し、モノマー分散液を調製した。
攪拌機、冷却コンデンサ、温度計を備えた内容量5Lの4つ口フラスコに、水2436部と、分散安定剤として10%リン酸第三カルシウム水溶液168部と、乳化剤としてアルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム水溶液1.05部を投入し、3分間攪拌した後、先に調製したモノマー分散液を一括で加え、78℃に昇温した。フラスコ内の温度を78℃に維持しながら90分間攪拌した後、さらに90℃に昇温し、60分間加熱処理を行った。
得られた反応液を23℃にまで冷却し、36メッシュの篩を通した後、遠心機を用いて洗浄脱水し、樹脂粒子を得た。得られた樹脂粒子について各測定および評価を行った。結果を表3に示す。
得られた樹脂粒子を用い、その添加量を5部(アクリル樹脂エマルションの固形分100質量部に対して21.7部に相当)に変更した以外は、実施例1と同様にして塗料組成物を調製し、各評価を行った。結果を表6に示す。
【0059】
[比較例2]
樹脂粒子の添加量を10部(アクリル樹脂エマルションの固形分100質量部に対して43.5部に相当)に変更した以外は、比較例1と同様にして塗料組成物を調製し、各評価を行った。結果を表6に示す。
【0060】
[比較例3]
樹脂粒子の添加量を15部(アクリル樹脂エマルションの固形分100質量部に対して65.2部に相当)に変更した以外は、比較例1と同様にして塗料組成物を調製し、各評価を行った。結果を表6に示す。
【0061】
[比較例4]
ブチルアクリレート630部に、架橋剤としてトリメチロールプロパントリアクリレート70部、重合開始剤として過酸化ベンゾイル9.24部を溶解し、モノマー分散液を調製した以外は、比較例1と同様にして樹脂粒子を製造しようとしたが、製造過程においてブロッキングが発生したため、樹脂粒子が得られなかった。よって、塗料組成物の評価は行わなかった。
【0062】
[比較例5]
ブチルアクリレート351部とメチルメタクリレート209部に、重合開始剤として過酸化ベンゾイル9.24部を溶解し、モノマー分散液を調製した以外は、比較例1と同様にして樹脂粒子を製造しようとしたが、製造過程においてブロッキングが発生したため、樹脂粒子が得られなかった。よって、塗料組成物の評価は行わなかった。
【0063】
[比較例6]
表3に示す配合組成のモノマー分散液、およびモノマー乳化液を用いた以外は実施例1と同様にして樹脂粒子を製造し、各測定および評価を行った。結果を表3に示す。
得られた樹脂粒子を用い、その添加量を10部(アクリル樹脂エマルションの固形分100質量部に対して43.5部に相当)に変更した以外は、実施例1と同様にして塗料組成物を調製し、各評価を行った。結果を表6に示す。
【0064】
[比較例7]
表3に示す配合組成のモノマー分散液、およびモノマー乳化液を用いた以外は実施例1と同様にして樹脂粒子を製造しようとしたが、製造過程においてブロッキングが発生したため、樹脂粒子が得られなかった。よって、塗料組成物の評価は行わなかった。
【0065】
[比較例8、9]
表3に示す配合組成のモノマー分散液、およびモノマー乳化液を用いた以外は実施例1と同様にして樹脂粒子を製造し、各測定および評価を行った。結果を表3に示す。
得られた樹脂粒子を用い、その添加量を10部(アクリル樹脂エマルションの固形分100質量部に対して43.5部に相当)に変更した以外は、実施例1と同様にして塗料組成物を調製し、各評価を行った。結果を表6に示す。
【0066】
[比較例10]
樹脂粒子を配合せず、水系エマルション塗料を塗料組成物として用い、各評価を行った。結果を表6に示す。
【0067】
【表1】

【0068】
【表2】

【0069】
【表3】

【0070】
表1〜3中の略号は、下記化合物を示す。なお、各モノマーのカッコ内のTgは、ホモポリマーのTgである。
「BA」:ブチルアクリレート(Tg:−54℃)、
「2−EHA」:2−エチルヘキシルアクリレート(Tg:−70℃)、
「EA」:エチルアクリレート(Tg:−25℃)、
「MA」:メチルアクリレート(Tg:8℃)、
「MMA」:メチルメタクリレート(Tg:105℃)、
「St」:スチレン(Tg:100℃)、
「i−PMA」:イソプロピルメタクリレート(Tg:81℃)、
「TMTPA」:トリメチロールプロパントリアクリレート、
「EGDMA」:エチレングリコールジメタクリレート、
「AMA」:アリルメタクリレート、
「A」:リン酸第三カルシウム、
「B」:ポリビニルアルコール部分ケン化物、
「E」:アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム(花王株式会社製、「ペレックスNB−L」)、
「G」:ジオクチルサクシネートスルホン酸ナトリウム(日本乳化剤株式会社製、「ニューコール290−M」)、
「H」:アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム(花王株式会社製、「ペレックスSS−L」)、
「K」:n−ドデシルメルカプタン、
「O」:過酸化ベンゾイル、
「P」:過硫酸カリウム、
「R」:2,2’−アゾビス(2−イソブチロニトリル)。
【0071】
【表4】

【0072】
【表5】

【0073】
【表6】

【0074】
表1、2から明らかなように、各実施例で得られた樹脂粒子は、耐ブロッキング性に優れていた。
また、表4、5から明らかなように、これらの樹脂粒子を用いて調製した各実施例の塗料組成物は、艶消し感、伸び性、耐汚染性に優れる塗膜を形成できた。
従って、本発明の樹脂粒子は、塗膜に優れた艶消し感、伸び性、耐汚染性を付与でき、かつ耐ブロッキング性に優れる。
【0075】
一方、表3から明らかなように、比較例4、5の場合は、樹脂粒子を構成するモノマー成分のTgが低かったため、樹脂粒子の製造過程においてブロッキングが発生した。
比較例7の場合は、コア材の割合が多く、シェル材の割合が少なかったため、樹脂粒子の製造過程においてブロッキングが発生した。
比較例9で得られた樹脂粒子は、製造過程ではブロッキングは発生しなかったが、シェル部を構成する成分(s)のTgが61℃と低かったため、樹脂粒子の保存中にブロッキングが発生した。
【0076】
また、表6から明らかなように、比較例1〜3の場合、樹脂粒子がコアシェル構造ではなく、かつ樹脂粒子を構成するモノマー成分のTgが105℃と高かったため、塗料組成物より形成された塗膜は伸び性が悪かった。
比較例6の場合、コア材の割合が少なく、シェル材の割合が多かったため、塗料組成物より形成された塗膜は伸び性が悪かった。
比較例8の場合、コア部を構成する成分(c)のTgが30℃と高かったため、塗料組成物より形成された塗膜は伸び性が悪かった。
比較例9の場合、シェル部を構成する成分(s)のTgが61℃と低かったため、塗料組成物より形成される塗膜は耐汚染性が悪かった。
比較例10の場合、樹脂粒子を配合しなかったので、塗料組成物より形成される塗膜は艶消し感に乏しかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モノマー成分(c)を含むコア材が重合したコア部と、モノマー成分(s)を含むシェル材が重合したシェル部とからなるコアシェル型の塗料用艶消し樹脂粒子であって、
前記モノマー成分(c)は、該モノマー成分(c)を重合して得られる重合体のガラス転移温度が20℃以下となる1種以上のモノマーで構成され、
前記モノマー成分(s)は、該モノマー成分(s)を重合して得られる重合体のガラス転移温度が70℃以上となる1種以上のモノマーで構成され、
かつ、前記コア材とシェル材の質量比が、コア材/シェル材=30/70〜80/20であることを特徴とする塗料用艶消し樹脂粒子。
【請求項2】
請求項1に記載の塗料用艶消し樹脂粒子と、バインダー樹脂成分とを含有し、
前記塗料用艶消し樹脂粒子の含有量が、バインダー樹脂成分100質量部に対して13〜87質量部であることを特徴とする艶消し塗料組成物。

【公開番号】特開2012−12552(P2012−12552A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−153025(P2010−153025)
【出願日】平成22年7月5日(2010.7.5)
【出願人】(000224123)藤倉化成株式会社 (124)
【Fターム(参考)】