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塗料組成物及び塗膜形成方法
説明

塗料組成物及び塗膜形成方法

【課題】 低温硬化性(100℃以下)に優れ、かつバンパー等のプラスチック基材に対して、導電性、付着性、耐水性及び導電性に優れた塗膜を形成できる塗料組成物及び塗膜形成方法を提供すること。
【解決手段】
特定のアクリル樹脂(A)、塩素化されていてもよいポリオレフィン樹脂(B)、並びに、ピラゾールブロックポリイソシアネート化合物及び/又は活性メチレンブロックポリイソシアネート化合物(C)を含有する塗料組成物であって、(A)成分と(B)成分と(C)成分の固形分100質量部あたり、(A)成分10〜50質量部、(B)成分20〜60質量部、(C)成分5〜30質量部である塗料組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低温硬化性(100℃以下)に優れ、かつバンパー等のプラスチック基材に対して、付着性、耐水性及び導電性に優れる塗膜を形成できる塗料組成物及び塗膜形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車車体の外板部のバンパー、フェンダー、ラジエータグリルなどには、金属に代わって軽量でかつ成形性が優れたポリオレフィンが使用されており、美粧性や耐久性などを向上させるためにプラスチック用の上塗り塗料が塗装されている。
しかしポリオレフィンの表面は非極性であり、塗膜との接着性が十分でないことから、プラスチック基材との付着性を良好にするために塗料組成物中に塩素化ポリオレフィン(以下、CPOと省略する場合がある。)を配合している。
また、該塗料組成物中には、硬化剤が塗膜の耐溶剤性の向上を目的として配合されている。このような塗料組成物においては、塩素化ポリオレフィンは極性が低く、硬化剤は極性が高いため、その極性の違いから相溶性が不十分となり、形成した塗膜の付着性や耐水性が低下するという問題点があった。
【0003】
上記問題点を改良するために、塩素化ポリオレフィンとの相溶性樹脂としてランダム共重合法により製造したアクリル樹脂やポリエステル樹脂などが塗料組成物に配合されることがあるが、問題点の解消には不十分であった。
例えば、メタクリル酸、メタクリル酸エステルから選ばれる共重合性不飽和モノマー(a)、及び共重合性不飽和モノマー(b)を共重合反応してマクロモノマーを製造し、次に該マクロモノマーと共重合性不飽和モノマー(c)とを共重合反応して得られるアクリル樹脂、及び塩素化ポリオレフィン樹脂の混合物、及び/又は反応物を含有することを特徴とする塗料組成物が開示されている(特許文献1)。しかし特許文献1に開示された塗料組成物では、塗料の安定性は向上するが、形成される塗膜の低温硬化性や付着性が不十分であった。
【0004】
また、塩素化ポリオレフィン(A)、ポリウレタンディスパージョン(B)活性メチレンブロックポリイソシアネート化合物(C)、必要に応じて、アクリル樹脂(D)を含有してなるプラスチック成形品用水性プライマー組成物が開示されている(特許文献2)。しかし、特許文献2に開示された組成物も低温硬化性が不十分であった。
【0005】
また、ラジカル重合性単量体(A)を、重合性不飽和基を有するマクロモノマー(B)の存在下で重合させて得られる重合体組成物(C)を含む塗料用プライマー組成物が開示されている(特許文献3)。しかし、特許文献3に開示された塗料用プライマー組成物では、低温硬化性、付着性や耐水性が不十分であった。
【0006】
他に、(A)ピラゾールブロックポリイソシアネート化合物と、(B)水酸基価が10〜250mgKOH/gで、かつ重量平均分子量が1,000〜200,000である水酸基含有樹脂を含有することを特徴とする塗料組成物が開示されている(特許文献4)。しかし、特許文献4に記載された、単にピラゾールブロックポリイソシアネート化合物を用いた塗料組成物だけでは、付着性や耐水性が不十分であった。
また、(メタ)アクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシル(a)単位と、前記(a)単位以外の単量体(b)単位とからなるブロック共重合体であって、前記(a)単位を90質量%以上含む重合体ブロック(A)と、前記(b)単位を90質量%以上含む重合体ブロック(B)とを含むアクリル樹脂が開示されている(特許文献5)。しかし、特許文献5に記載の(メタ)アクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシルは、室温以下で粘度が高くなることがあり、製造時に取り扱い難く作業性に問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−348526号公報
【特許文献2】特開2004−307684号公報
【特許文献3】特開2005−97435号公報
【特許文献4】特開2005−225907号公報
【特許文献5】特開2009−256457号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、バンパー等のプラスチック基材に、低温硬化性(100℃以下)を有し、しかも付着性、耐水性及び導電性が良好な塗膜を形成できる塗料組成物を提供することにある。本発明の他の目的は、上記塗料組成物を用いて、プラスチック基材上に塗膜を形成する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記問題点を解決すべく鋭意検討した結果、特定のアクリル樹脂(A)、塩素化されていてもよいポリオレフィン樹脂(B)、並びに、活性メチレンブロックポリイソシアネート化合物及び/又はピラゾールブロックポリイソシアネート化合物(C)を特定の配合割合で含有する塗料組成物を用いることによって本課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。本発明は、以下の塗料組成物及び該塗料組成物を用いた塗膜形成方法を提供するものである。
即ち、本発明は、
1.下記特徴のアクリル樹脂(A)、塩素化されていてもよいポリオレフィン樹脂(B)、並びに、ピラゾールブロックポリイソシアネート化合物及び/又は活性メチレンブロックポリイソシアネート化合物(C)を含有する塗料組成物であって、(A)成分と(B)成分と(C)成分との合計固形分100質量部あたり、(A)成分10〜50質量部、(B)成分20〜60質量部、(C)成分5〜30質量部である塗料組成物、
アクリル樹脂(A):シクロヘキシルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、ジシクロペンテニルメタクリレート、ジシクロペンタニルメタクリレート、及び2−エチルヘキシルメタクリレートから選ばれる少なくとも1種以上のメタクリレート(a11)を、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンの共存下で、単独重合又は共重合させるか、或いは、メタクリレート(a11)とその他のエチレン性不飽和モノマー(a12)とを共重合させて得られるマクロモノマー(a1)に、水酸基含有エチレン性不飽和モノマー(a2)とその他のエチレン性不飽和モノマー(a3)とを共重合させて得られる重量平均分子量が3,000〜100,000で且つ水酸基価10〜150mgKOH/gの樹脂であって、メタクリレート(a11)の質量部/(メタクリレート(a11)とその他のエチレン性不飽和モノマー(a12)の合計質量部)の値が0.5〜1.0である樹脂
2.さらに、アクリル樹脂(A)と塩素化されていてもよいポリオレフィン樹脂(B)及びポリイソシアネート化合物(C)の樹脂固形分合計量100質量部に基いて、導電性フィラー(D)を1〜200質量部含有する1項に記載の塗料組成物、
3.さらに、アクリル樹脂(A)と塩素化されていてもよいポリオレフィン樹脂(B)及びポリイソシアネート化合物(C)の樹脂固形分合計量100質量部に基いて、シランカップリング剤(E)を1〜20質量部含有する1項又は2項に記載の塗料組成物、
4.プラスチック基材の表面上に、1〜3項のいずれか1項に記載の塗料組成物を塗装し、必要に応じて焼付けた後、着色ベース塗料を塗装し、必要に応じて焼付けた後、クリヤ塗料を塗装して焼付けることを特徴とする塗膜形成方法、
5.4項に記載の塗膜形成方法による塗装物品、に関する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の塗料組成物は、低温硬化性を有し、かつプラスチック基材に付着性や耐水性が良好な塗膜を形成できる塗料組成物を見出した。さらに、導電性フィラー、例えばカーボンナノチューブを用いた塗料組成物によれば、少量の導電性フェラーの配合によりプラスチック基材においても良好な導電性を付与できる。そのため仕上り性や意匠性に悪影響を及ぼさずに塗膜に導電性を付与できる。
【0011】
本発明のアクリル樹脂(A)は、比較的炭素数の多いメタクリレート(a11)を多く使用したマクロモノマー(a1)を用いることで得られる低極性の構造部位と、水酸基含有エチレン性不飽和モノマー(a2)を用いることで得られる高極性の構造部位の両方を有する。このような特徴のアクリル樹脂(A)を配合することで、低極性の構造部位が塩素化されていてもよいポリオレフィン樹脂(B)に対する親和性が向上し、高極性の構造部位がピラゾールブロックポリイソシアネート化合物及び/又は活性メチレンブロックポリイソシアネート化合物(C)に対する親和性が向上するため、塗料組成物によって形成された塗膜において、素材への付着性や耐水性及び低温硬化性が向上するものと推定している。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明の塗料組成物及び塗膜形成方法について順に説明する。
【0013】
アクリル樹脂(A):
アクリル樹脂(A)は、シクロヘキシルメタクリレート、t−ブチルメタク
リレート、イソボルニルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、ジシクロペンテニルメタクリレート、ジシクロペンタニルメタクリレート、及び2−エチルヘキシルメタクリレートから選ばれる少なくとも1種以上のメタクリレート(a11)を、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンの共存下で、単独重合又は共重合させるか、或いは、メタクリレート(a11)とその他のエチレン性不飽和モノマー(a12)とを共重合させて得られるマクロモノマー(a1)に、水酸基含有エチレン性不飽和モノマー(a2)とその他のエチレン性不飽和モノマー(a3)とを共重合させて得られるものである。
マクロモノマー(a1)は、必須成分としてのシクロヘキシルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、ジシクロペンテニルメタクリレート、ジシクロペンタニルメタクリレート、及び2−エチルヘキシルメタクリレートから選ばれる少なくとも1種以上のメタクリレート(a11)を、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンの共存下で、単独重合又は共重合させるか、或いは、必要に応じて、メタクリレート(a11)とその他のエチレン性不飽和モノマー(a12)とを共重合させて得られるものであり、メタクリレート(a11)の質量部/(メタクリレート(a11)とその他のエチレン性不飽和モノマー(a12)の合計質量部)の値が、0.5〜1.0、好ましくは0.8〜1.0である。この範囲であることによって、付着性や耐水性に優れる塗膜を得ることができる。
【0014】
2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン(「α−メチルスチレンダイマー」と略称される場合もある)の配合量は、メタクリレート(a11)とその他のエチレン性不飽和モノマー(a12)の合計質量に基いて、1〜40質量%、好ましくは2〜20質量%の範囲内であることが、付着性や耐水性に優れる塗膜を得る為に好ましい。
【0015】
必要に応じて使用する、その他のエチレン性不飽和モノマー(a12)としては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、s−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、n−オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、デシルアクリレート、ウンデシルアクリレート、ドデシルアクリレート、トリデシルアクリレート、ステアリルアクリレート、イソステアリルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、イソボルニルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレートなどの炭素数1〜24の環構造を含んでいてもよいアクリル酸エステル類;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、s−ブチルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、デシルメタクリレート、ウンデシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、トリデシルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、イソステアリルメタクリレートなどの炭素数1〜24の環構造を含んでいてもよいメタクリル酸エステル類;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレンなどの芳香環含有ビニル化合物類;プロピオン酸ビニル、酢酸ビニルなどのビニルエステル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル;(メタ)アクリルアミド;グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、ビニルシクロヘキセンモノエポキシド、N−グリシジルアクリルアミド、アリルグリシジルエーテルなどのエポキシ基含有ビニル化合物類;アミノエチル(メタ)アクリレート、N−t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノブチル(メタ)アクリレートなどのアミノ基含有(メタ)アクリレート類;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドなどのアミノ基含有(メタ)アクリルアミド類;2−(2'−ヒドロキシ−5'−メタクリロイルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、4−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジンなどの紫外線吸収性官能基もしくは紫外線安定性官能基含有ビニル化合物類;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセリル(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の多価アルコールとアクリル酸又はメタクリル酸とのモノエステル化物、及びこれらとε-カプロラクトンの反応生成物などの水酸基含有ビニル化合物類;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、水酸基含有化合物と酸無水物の反応生成物などのカルボキシル基含有ビニル化合物類;無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水ハイミック酸などの酸無水物基含有ビニル化合物類などが挙げられる。これらは1種で、又は2種以上を組合せて使用することができる。本明細書において、「(メタ)アクリレート」、「(メタ)アクリルアミド」はそれぞれ、「アクリレート又はメタクリレート」、「アクリルアミド又はメタクリルアミド」を意味するものとする。水酸基含有ビニル化合物類やカルボキシル基含有ビニル化合物類は、相溶性などの調整のために必要に応じて使用してよいが、多すぎると基材への付着性が低下する場合があるので、メタクリレート(a11)とその他のエチレン性不飽和モノマー(a12)の合計質量に基いて、5質量%以下が好ましく、さらに3重量%以下がさらに好ましい。
【0016】
重合方法としては、例えば単に130〜250℃に加熱して熱重合させる方法や、或いは、ラジカル重合開始剤を加えて60℃〜250℃の温度に加熱する方法が挙げられる。重合する際には、必要に応じて、有機溶媒を用いることができる。
【0017】
有機溶媒としては、例えば、ヘプタン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、オクタン、ミネラルスピリット等の炭化水素系溶剤;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のエステル系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、s−ブタノール、イソブタノール等のアルコール系溶剤;ジオキサン、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル等のエーテル系溶剤;コスモ石油社製のスワゾール310、スワゾール1000、スワゾール1500等の芳香族石油系溶剤等を挙げることができる。 これらの有機溶剤は1種で又は2種以上を組合せて使用することができる。有機溶剤を用いる場合は、メタクリレート(a11)とその他のエチレン性不飽和モノマー(a12)の合計質量に基いて、通常、400質量%以下となる範囲で使用される。
【0018】
ラジカル重合開始剤としては、特には限定されないが、例えば、シクロヘキサノンパーオキサイド、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類;1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート等のパーオキシケタール類;クメンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類;ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジ−t−アミルパーオキサイド、ビス(1,1−ジメチルブチル)パーオキサイド、3−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジイソプロピルベンゼンパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド等のジアルキルパーオキサイド類;デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類;ビス(t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート等のパーオキシカーボネート類; t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン等のパーオキシエステル類等の有機過酸化物系重合開始剤、並びに2,2´−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(別名:アゾビスメチルブチロニトリル)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(別名アゾビスジメチルバレロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、アゾクメン2,2'−アゾビスメチルバレロニトリル、4,4'−アゾビス(4−シアノ吉草酸)等のアゾ系重合開始剤、並びにt−ブチルヒドロパーオキシドとエリソルビン酸ナトリウムの混合物などのレドックス系開始剤を挙げることができる。
【0019】
これらのラジカル重合開始剤の使用量は、特に限定されるものではないが、メタクリレート(a11)とその他のエチレン性不飽和モノマー(a12)の合計質量に基いて、通常0.1〜30質量%であり、好ましくは0.3〜15質量%である。
このようにして得られるマクロモノマー(a1)は、用いるメタクリレート(a11)とその他のエチレン性不飽和モノマー(a12)の種類と量により変動はあるものの、1分子平均で0.3〜2個の重合性不飽和結合、好ましくは0.5〜1個の重合性不飽和結合を有している。マクロモノマーは(a1)は、相溶性などの調整のために必要に応じて酸価や水酸基価を有していてよい。酸価や水酸基価は特には限定されないが、高すぎると基材への付着性が低下する場合があるので、樹脂酸価は50 mgKOH/g以下が好ましく、水酸基価は40 mgKOH/g以下が好ましい。マクロモノマーは(a1)の重量平均分子量は、500〜100,000、特に1,000 〜50,000の範囲内にあることが好ましい。
【0020】
次に、上記により製造したマクロモノマー(a1)に、さらに水酸基含有エチレン性不飽和モノマー(a2)とその他のエチレン性不飽和モノマー(a3)とを配合して重合反応を行うことによって、アクリル樹脂(A)を得ることができる。
水酸基含有エチレン性不飽和モノマー(a2)は、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセリル(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の多価アルコールとアクリル酸又はメタクリル酸とのモノエステル化物類、及びこれらとε-カプロラクトンの反応生成物等が挙げられる。これらは1種で、又は2種以上を組合せて使用することができる。
【0021】
その他のエチレン性不飽和モノマー(a3)は、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、s−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレートなどの炭素数1〜24の環構造を含んでいてもよいアクリル酸又はメタクリル酸エステル類;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレンなどの芳香環含有ビニル化合物類;プロピオン酸ビニル、酢酸ビニルなどのビニルエステル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル;(メタ)アクリルアミド;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、水酸基含有化合物と酸無水物の反応生成物などのカルボキシル基含有ビニル化合物類;無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水ハイミック酸などの酸無水物基含有ビニル化合物類;グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、ビニルシクロヘキセンモノエポキシド、N−グリシジルアクリルアミド、アリルグリシジルエーテルなどのエポキシ基含有ビニル化合物類;アミノエチル(メタ)アクリレート、N−t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノブチル(メタ)アクリレートなどのアミノ基含有(メタ)アクリレート類;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドなどのアミノ基含有(メタ)アクリルアミド類;2−(2'−ヒドロキシ−5'−メタクリロイルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、4−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジンなどの紫外線吸収性官能基もしくは紫外線安定性官能基含有ビニル化合物類などが挙げられる。これらは1種で、又は2種以上を組合せて使用することができる。
【0022】
なお前記、マクロモノマー(a1)、水酸基含有エチレン性不飽和モノマー(a2)及びその他のエチレン性不飽和モノマー(a3)の配合割合としては、(a1)成分と(a2)成分と(a3)成分の固形分合計100質量部に対して、(a1)成分が5〜80質量部、好ましくは20〜50質量部、(a2)成分が5〜40質量部、好ましくは10〜30質量部、(a3)成分が0〜85質量部、好ましくは20〜70質量部の範囲が、付着性と耐水性に優れた塗膜を得る為にも好ましい。
【0023】
重合方法としては、例えば、マクロモノマー(a1)、水酸基含有エチレン性不飽和モノマー(a2)及びその他のエチレン性不飽和モノマー(a3)の混合物を130〜250℃に加熱して熱重合させる方法や、或いはラジカル重合開始剤を加えて60℃〜250℃の温度に加熱する方法が挙げられる。重合する際には、必要に応じて、有機溶媒を用いることができる。有機溶媒としては、例えば、ヘプタン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、オクタン、ミネラルスピリット等の炭化水素系溶剤;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のエステル系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、 s−ブタノール、イソブタノール等のアルコール系溶剤;ジオキサン、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル等のエーテル系溶剤;コスモ石油社製のスワゾール310、スワゾール1000、スワゾール1500等の芳香族石油系溶剤等を挙げることができる。
【0024】
これらの有機溶剤は1種で又は2種以上を組合せて使用することができる。有機溶剤を用いる場合は、マクロモノマー(a1)と水酸基含有エチレン性不飽和モノマー(a2)とその他のエチレン性不飽和モノマー(a3)の合計質量に基いて、通常、400質量%以下となる範囲で使用される。
【0025】
ラジカル重合開始剤としては、特には限定されないが、例えば、シクロヘキサノンパーオキサイド、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類;1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート等のパーオキシケタール類;クメンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類;ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジ−t−アミルパーオキサイド、ビス(1,1−ジメチルブチル)パーオキサイド、3−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジイソプロピルベンゼンパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド等のジアルキルパーオキサイド類;デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類;ビス(t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート等のパーオキシカーボネート類; t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン等のパーオキシエステル類等の有機過酸化物系重合開始剤並びに2,2´−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(別名アゾビスメチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(別名アゾビスジメチルバレロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、アゾクメン2,2'−アゾビスメチルバレロニトリル、4,4'−アゾビス(4−シアノ吉草酸)等のアゾ系重合開始剤並びにt-ブチルヒドロパーオキシドとエリソルビン酸ナトリウムの混合物などのレドックス系開始剤を挙げることができる。
【0026】
これらのラジカル重合開始剤の使用量は、特に限定されるものではないが、マクロモノマー(a1)と水酸基含有エチレン性不飽和モノマー(a2)とその他のエチレン性不飽和モノマー(a3)の合計質量に基いて、通常0.1〜30質量%であり、好ましくは0.3〜15質量%である。
【0027】
このようにして得られたアクリル樹脂(A)は、重量平均分子量が3,000〜100,000、好ましくは5,000〜50,000、水酸基価10〜150mgKOH/g、水酸基価30〜120mgKOH/gである。
【0028】
塩素化されていてもよいポリオレフィン樹脂(B):
本発明における塩素化されていてもよいポリオレフィン樹脂(B)としては、ポリオレフィン樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂などが挙げられ、自動車外板や外装部品、例えば自動車バンパー等のポリオレフィン系材料への付着性向上のために使用する。塩素化ポリオレフィン樹脂を用いる場合、その塩素化率は50質量%以下、好ましくは10〜45質量%、より好ましくは15〜30質量%である。ポリオレフィン樹脂と塩素化ポリオレフィン樹脂は併用して用いてもよい。
【0029】
ポリオレフィン樹脂としては、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、メチルブテンから選ばれた1種もしくは2種以上の重合体、さらにこれらのオレフィン類と酢酸ビニル、ブタジエン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、無水マレイン酸、スチレンなどとのラジカル共重合体が挙げられる。また、ポリオレフィン樹脂を製造した後に、さらに後工程でビニル系モノマーを反応させた変性ポリオレフィン樹脂であってもよく、ビニル系モノマーとしては、アルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、スチレン、グリシジル(メタ)アクリレートとモノカルボン酸との付加物、無水マレイン酸とヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの付加物、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、マレイン酸及びフマル酸などが挙げられる。ビニル系モノマーを反応させる場合は、公知のラジカル発生剤を併用してもよい。
【0030】
塩素化ポリフィン樹脂は、例えば、上記ポリオレフィン樹脂を塩素化した樹脂や塩素化ポリオレフィン樹脂を製造した後に、無水マレイン酸を反応させて得られる無水マレイン酸変性型塩素化ポリオレフィン樹脂などが挙げられる。無水マレイン酸変性型のポリオレフィン樹脂又は/及び塩素化ポリオレフィン樹脂を用いることで、ポリオレフィン系樹脂成形体との付着性、塗料安定性を向上することもできる。
【0031】
ポリオレフィン樹脂や塩素化ポリオレフィン樹脂は、その分子中に水酸基やカルボキシル基などの官能基を有してもさしつかえなく、重量平均分子量は、1,000〜300,000、特に3,000〜150,000の範囲内が適している。
【0032】
本塗料組成物におけるアクリル樹脂(A)と塩素化されていてもよいポリオレフィン樹脂(B)の配合比率は、両成分の固形分合計にもとづいて、アクリル樹脂(A)は10〜90質量%、好ましくは30〜80質量%の範囲、塩素化されていてもよいポリオレフィン(B)は、90〜10質量%、好ましくは70〜20質量%の範囲が、素材のプラスチックとの付着性や塗料安定性の面から好ましい。
化合物(C)
本発明の塗料組成物は、ピラゾールブロックポリイソシアネート化合物及び/又は活性メチレンブロックポリイソシアネート化合物(C)を含有する。
化合物(C)は、具体的には、ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基に、ピラゾール系化合物又は活性メチレン系化合物を反応させることにより得られる。ポリイソシアネート化合物は、1分子中に2個以上の遊離のイソシアネート基を有する化合物であって、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、メタキシリレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、リジンジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、水素化トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネートなどの脂肪族系、脂環族系、芳香族系のポリイソシアネート化合物が挙げられる。
【0033】
さらに、これらのポリイソシアネート化合物を使用してなるイソシアヌレート型ポリイソシアネート、ビュレット型ポリイソシアネート、ウレトジオン型ポリイソシアネート、ウレタン型ポリイソシアネート、アロハネート型ポリイソシアネートなども包含される。ウレタン型ポリイソシアネートに使用される多価アルコール類としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、アクリルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオールなどが挙げられる。
【0034】
これらのポリイソシアネート化合物のイソシアネート基をブロックするための活性メチレン系化合物としては、例えば、マロン酸ジエステルやアセト酢酸エステルなどが挙げられる。マロン酸ジエステルとしては、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジイソプロピル、マロン酸ジn−プロピル、マロン酸ジn−ブチル、マロン酸エチルn−ブチル、マロン酸メチルn−ブチル、マロン酸エチルt−ブチル、マロン酸メチルt−ブチル、メチルマロン酸ジエチル、マロン酸ジベンジル、マロン酸ジフェニル、マロン酸ベンジルメチル、マロン酸エチルフェニル、マロン酸t−ブチルフェニル、イソプロピリデンマロネートなどが挙げられる。また、アセト酢酸エステルとしては、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸イソプロピル、アセト酢酸n−プロピル、アセト酢酸t−ブチル、アセト酢酸n−ブチル、アセト酢酸ベンジル、アセト酢酸フェニルなどが挙げられる。これらは、1種以上を用いることができる。
【0035】
ブロック剤として、これらの活性メチレン系化合物の一部を、アルコール類、フェノール類、酸アミド類、イミダゾ−ル類、ピリジン類、メルカプタン類、オキシム類、アミン類などのブロック剤と置換することができる。また、活性メチレンブロックポリイソシアネート化合物としては、ポリイソシアネート化合物に活性メチレン化合物を反応させてブロック化した後、アルコールを反応させてエステル交換反応変性したものであっても良い。一方、ピラゾール系化合物としては、3,5−ジメチルピラゾール、3−メチルピラゾール、4−ニトロ−3,5−ジメチルピラゾールおよび4−ブロモ−3,5−ジメチルピラゾールを例示できる。この中でも好ましいブロック剤は、3,5−ジメチルピラゾールである。
【0036】
またブロック剤として、上記ピラゾール系化合物の一部を、アルコール類、フェノール類、酸アミド類、イミダゾール類、ピリジン類、メルカプタン類、オキシム類、アミン類などのブロック剤と置換することもできる。
【0037】
ポリイソシアネート化合物と活性メチレン系化合物との反応は、通常、触媒の存在下で行われる。ここで使用される触媒としては塩基性化合物が好ましく、例えば、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート、ナトリウムフェノラート、カリウムメチラートなどの金属アルコラート、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウムなどのテトラアルキルアンモニウムのハイドロオキサイドや、その酢酸塩、オクチル酸塩、ミリスチン酸塩、安息香酸塩などの有機弱酸塩、酢酸、カプロン酸、オクチル酸、ミリスチン酸などのアルキルカルボン酸のアルカリ金属塩、及び上記アルキルカルボン酸の錫、亜鉛、鉛などの金属塩、ヘキサメチレンジシラザンなどのアミノシリル基含有化合物、リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物などがあげられる。触媒の使用量は、ポリイソシアネート化合物に対して、0.01〜5質量%、特に0.1〜2質量%が適している。ポリイソシアネート化合物と活性メチレン化合物の反応後に、必要に応じて、用いた触媒の一部又は全部を中和しても良い。ポリイソシアネート化合物と活性メチレン系化合物又はピラゾール系化合物との反応は、溶剤の有無に関わらず行うことができ、一般に、0〜150℃、特に30〜100℃の温度で行うことが好ましい。
【0038】
上記各成分の使用割合は、アクリル樹脂(A)と塩素化されていてもよいポリオレフィン樹脂(B)及び化合物(C)の合計固形分100質量部を基準にして、アクリル樹脂(A)が10〜50質量部、好ましくは20〜45質量部、塩素化されていてもよいポリオレフィン樹脂(B)が20〜60質量部、好ましくは25〜50質量部、化合物(C)が5〜30質量部、好ましくは10〜25質量部である。
【0039】
アクリル樹脂(A)の量が10質量部未満であると塗料安定性が劣り、一方50質量部を超えると塗膜が硬くなる為に、素材との付着性が低下することがある。また、塩素化されていてもよいポリオレフィン樹脂(B)の量が20質量部未満であると素材との付着性が低下することがあり、一方60質量部を越えると塗料安定性が劣ることがある。また、化合物(C)の量が5質量部未満であると低温硬化性が劣ることがあり、一方30質量部を超えると塗料安定性が劣ることがある。次いで、必要に応じて、導電性フィラー(D)やシランカップリング剤(E)を配合することができる。
【0040】
導電性フィラー(D)
本発明の塗料組成物の導電性フィラー(D)は、必要に応じて含有されるものであり、塗膜に導電性を持たせることで、その皮膜の上への静電塗装を可能にするものである。
導電性フィラー(D)としては、形成される塗膜に導電性を付与することができるものであれば特に制限はなく、粒子状、フレーク状、ファイバー(ウィスカー含む)状のいずれの形状でも使用することができる。具体的には、例えば、導電性カーボンブラック、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンマイクロコイルなどの導電性カーボン;銀、ニッケル、銅、グラファイト、アルミニウムなどの金属粉が挙げられ、さらに、アンチモンがドープされた酸化錫、リンがドープされた酸化錫、酸化錫/アンチモンで表面被覆された針状酸化チタン、酸化アンチモン、アンチモン酸亜鉛、インジウム錫オキシド、カーボンやグラファイトのウィスカー表面に酸化錫などを被覆した顔料;フレーク状のマイカ表面に酸化錫やアンチモンドープ酸化錫、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、フッ素ドープ酸化錫(FTO)、リンドープ酸化錫及び酸化ニッケルからなる群より選ばれる少なくとも1種の導電性金属酸化物を被覆した顔料;二酸化チタン粒子表面に酸化錫及びリンを含む導電性を有する顔料などが挙げられ、これらはそれぞれ単独で又は2種以上組合せて用いることができる。これらのうち特に導電性カーボン、特にカーボンナノチューブが好適に使用できる。
【0041】
カーボンナノチューブとしては、通常のカーボンナノチューブ、すなわち、単層カーボンナノチューブ、何層かが同心円状に重なった多層カーボンナノチューブ、これらがコイル状になったもの等が挙げられる。
【0042】
カーボンナノチューブについてさらに詳しく説明すると、厚さ数原子層のグラファイト状炭素原子面を丸めた円筒が、単層または複数個入れ子構造になったものであり、nmオーダーの外径の極めて微小な物質である。
【0043】
カーボンナノチューブとしては、カーボンナノチューブの片側が閉じた形をしたカーボンナノホーンやその頭部に穴があいたコップ型のナノカーボン物質等も用いることができる。また、カーボンナノチューブの類縁体であるフラーレン、金属内包フラーレン、玉葱状フラーレン、カーボンナノファイバー、気相成長カーボン(VGCF)、ピーポッド、カーボンナノ粒子等も用いることができる。
【0044】
カーボンナノチューブの製造方法としては、二酸化炭素の接触水素還元、アーク放電法、レーザー蒸発法、CVD法、気相成長法、気相流動法、一酸化炭素を高温高圧化で鉄触媒とともに反応させて気相で成長させるHiPco法等が挙げられる。該製造方法によって得られるカーボンナノチューブとしては、単層カーボンナノチューブまたは多層カーボンナノチューブが好ましい。
【0045】
カーボンナノチューブとしては、各種機能を十分に発現できる点から、種々の精製法(洗浄法、遠心分離法、ろ過法、酸化法、クロマトグラフ法等)によって、より高純度化されたカーボンナノチューブが好ましい。また、カーボンナノチューブとしては、ボール型混練装置(ボールミル、振動ミル、サンドミル、ロールミル等)等を用いて粉砕して分散ペーストとなったもの、さらには化学的、物理的処理によって短く切断されたものも用いることができる。カーボンナノチューブの市販品としては、CNTD−317(開発品;御国色素社製 カーボンナノチューブ濃度1.0wt%)が挙げられる。
このような導電性フィラー(D)を配合する場合、その含有量としては、アクリル樹脂(A)、ポリオレフィン樹脂(B)及び化合物(C)の固形分合計100質量部を基準にして1〜200質量部、好ましくは2〜100質量部、さらに好ましくは5〜80質量部が、塗料安定性と導電性の面からよい。
特に、前記のカーボンナノチューブを使用する場合には、アクリル樹脂(A)、ポリオレフィン樹脂(B)及び化合物(C)の固形分合計100質量部を基準にして1〜15質量部、好ましくは1〜10質量部、さらに好ましくは1〜7質量部が望ましい。
【0046】
シランカップリング剤(E)
シランカップリング剤(E)としては、例えば、β?(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−(ビニルベンジルアミン)−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどを挙げることができ、
これらの1種を単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。市販品として、信越シリコーン社製の、KBM−402、KBM−403、KBM−502、KBM−503、KBM−603、KBE−903、KBM−603、KBE−602、KBE−603(いずれも商品名)などを用いることができる。
【0047】
シランカップリング剤(E)の含有量としては、アクリル樹脂(A)、ポリオレフィン樹脂(B)及び化合物(C)の固形分合計100質量部を基準にして1〜20質量部、好ましくは2〜15質量部、さらに好ましくは3〜10質量部が、例えば、ポリプロピレン(バンパー)とその他の素材(ナイロン、ガラス繊維強化プラスチック等)が一体化した塗装物品において、両素材の密着性を同時に向上させる面からも望ましい。
【0048】
本発明の塗料組成物には必要に応じてポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂(A)以外のアクリル樹脂、フェノール樹脂、ポリエーテル化合物、エポキシ樹脂、化合物(C)以外のブロック化ポリイソシアネート化合物、硬化触媒、タレ止め剤、はじき防止剤、顔料等、通常の塗料で用いられている化合物を添加することも可能である。
【0049】
上記硬化触媒としては、ルイス酸やアミン化合物やオニウム塩を用いることができる。ルイス酸としては、ジアセチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジラウレート、ジアセチル錫ジオクトエート、オクチル酸錫、ジブチル錫ジアセテート及びジブチル錫ジオクトエートなどの有機錫化合物類;オクチル酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、シュウ酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛、2−エチルヘキサン酸亜鉛などの有機亜鉛化合物類;ジルコニウムテトラアセチルアセトネートなどの有機ジルコニウム化合物類などが挙げられる。アミン化合物としては、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン、N,N,N′,N′−テトラメチルプロピレンジアミン、N,N,N′,N′−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、N−メチルモルホリン、1,2−ジメチルイミダゾール、1,5−ジアザ−ビシクロ(4,3,0)ノネン−5、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−ウンデセン−7(以下DBUと省略する場合がある)などが挙げられる。オニウム塩としては、DBUフェノール塩、DBUオクチル酸塩、DBU炭酸塩、テトラブチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムブロミド等などが挙げられる。中でも、触媒活性などの理由から、ルイス酸類が好ましく、特に有機錫化合物類が好ましい。
【0050】
上記顔料としては、例えば酸化チタン、カーボンブラック、黄鉛、黄土、黄色酸化鉄、ハンザエロー、ピグメントエロー、クロムオレンジ、クロムバーミリオン、パーマネントオレンジ、アンバー、パーマネントレッド、ブリリアントカーミン、ファストバイオレット、メチルバイオレットレーキ、群青、紺青、コバルトブルー、フタロシアニンブルー、ピグメントグリーン、ナフトールグリーンなどの着色顔料;バリタ、タンカル、クレーなどの体質顔料;が挙げられ、これらは1種、もしくは2種以上が使用できる。
用途としては特に限定はされないが、例えば自動車バンパー等のプラスチック部品用の下塗り剤、及び塗料やチッピングプライマー、金属の腐食防止塗料等が挙げられる。
塗膜形成方法
プラスチック基材の上に、上記で得られた本発明の塗料組成物を塗装し、必要に応じて焼付けた後、着色ベース塗料を塗装し、必要に応じて焼付けた後、クリヤ塗料を塗装して焼付けることにより複層塗膜を形成できる。プラスチック基材としては、特に限定されないが、例えば、バンパー、スポイラー、グリル、フェンダーなどの自動車外板部や、家庭電化製品の外板部などに使用される各種プラスチック部材などが挙げられる。
【0051】
プラスチック基材の材質としては、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン、ヘキセンなどの炭素数2〜10のオレフィンから選ばれる少なくとも1種を重合せしめてなるポリオレフィンが特に好適であるが、これらに限られるものではなく、ポリカーボネート、ABS樹脂、ASA樹脂、カーボン繊維強化プラスチック(CFRP)、ガラス繊維強化プラスチック(GFRP)、ウレタン樹脂、ナイロンなどの材質であってもよい。また、これらのプラスチック基材は、予め、それ自体既知の方法で、脱脂処理、水洗処理などを適宜行っておくことができる。
なお本発明の塗料組成物の塗装方法としては、公知の塗装方法の中から適宜選択して使用することができるが、通常はエアスプレー、エアレススプレーなどで行う。
【0052】
本発明の塗料組成物の焼付け硬化は、各被覆層間の混層や塗膜のワキなどの異常を生じない範囲で省略することができ、3C1B、3C2B及び3C3Bなどの塗装方法から選択すればよい。塗装膜厚としては乾燥膜厚で本塗料組成物が5〜30μm、ベース塗膜が10〜25μm及びクリヤ塗膜が20〜50μmであり、各段階における焼付条件は、同じでも異なっていてもよく、従来から既知の乾燥手段を用いることができ、例えば、エアブロー、赤外線加熱、遠赤外線加熱、誘導加熱、誘電加熱等により、60〜110℃、好ましくは70〜100℃の温度で20〜40分間加熱して硬化させることにより、複層塗膜を形成することができる。
着色ベース塗料及びクリヤ塗料の塗装としてはスプレー塗装が一般的であり、本発明の塗料組成物が導電性フィラーを含有して導電性皮膜を形成できるものであれば、着色ベース塗料及びクリヤ塗料の塗装は静電塗装を用いることができる。
【0053】
また、ベース塗膜やクリヤ塗膜がそれぞれ2層以上の複層になってもかまわない。また、ここで用いられる着色ベース塗料やクリヤ塗料は、1液型であっても2液型であってもよく、溶剤系塗料であっても水系塗料であってもよい。また、本発明の塗料組成物に用いる樹脂系としても特に制限なく、例えばポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂等用いることができる。
【実施例】
【0054】
以下、製造例、実施例及び比較例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。各例中の「部」は質量部、「%」は質量%を示す。
【0055】
製造例1 アクリル樹脂No.1の製造例 (実施例)
スワゾール1000(コスモ石油製、芳香族系溶媒)16部、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン(MSD)2部、シクロヘキシルメタクリレート28部、ジ−t−アミルパーオキサイド1.5部を窒素ガス下で155℃において反応させ、重量平均分子量2,000のマクロモノマーNo.1を得た。
次いで、トルエン88部、ヒドロキシエチルメタクリレート20.5部、シクロヘキシルメタクリレート51.5部、アゾビスジメチルバレロニトリル1部を窒素ガス下で95℃において反応させ、水酸基価85mgKOH/g、重量平均分子量10,000のアクリル樹脂No.1を得た。
【0056】
製造例2 アクリル樹脂No.2の製造例(実施例)
スワゾール1000(コスモ石油製、芳香族系溶媒)16部、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン(MSD)2部、シクロヘキシルメタクリレート25部、n−ブチルメタクリレート3部、ジ−t−アミルパーオキサイド1.5部を窒素ガス下で155℃において反応させ、重量平均分子量2,000のマクロモノマーNo.2を得た。
次いで、トルエン88部、ヒドロキシエチルメタクリレート20.5部、シクロヘキシルメタクリレート51.5部、アゾビスジメチルバレロニトリル1部を窒素ガス下で95℃において反応させ、水酸基価85mgKOH/g、重量平均分子量10,000のアクリル樹脂No.2を得た。
【0057】
製造例3 アクリル樹脂No.3の製造例(実施例)
スワゾール1000(コスモ石油製、芳香族系溶媒)28部、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン(MSD)2.7部、イソボルニルメタクリレート45.5部、イソボルニルアクリレート2.5部、ジ−t−アミルパーオキサイド2部を窒素ガス下で155℃において反応させ、重量平均分子量2,000のマクロモノマーNo.3を得た。
次いで、トルエン77部、ヒドロキシエチルメタクリレート12部、シクロヘキシルメタクリレート40部、アゾビスジメチルバレロニトリル1部を窒素ガス下で95℃において反応させ、水酸基価49mgKOH/g、重量平均分子量10,000のアクリル樹脂No.3を得た。
【0058】
製造例4 アクリル樹脂No.4の製造例(実施例)
スワゾール1000(コスモ石油製、芳香族系溶媒)16部、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン(MSD)2.4部、イソブチルメタクリレート24部、スチレン3部、ジ−t−アミルパーオキサイド1.8部を窒素ガス下で150℃において反応させ、重量平均分子量2,000のマクロモノマーNo.4を得た。次いで、トルエン88部、ヒドロキシエチルメタクリレート21部、シクロヘキシルメタクリレート47部、2−エチルヘキシルメタクリレート5部、アゾビスジメチルバレロニトリル1部を窒素ガス下で95℃において反応させ、水酸基価87mgKOH/g、重量平均分子量10,000のアクリル樹脂No.4を得た。
【0059】
製造例5 アクリル樹脂No.5の製造例
スワゾール1000(コスモ石油製、芳香族系溶媒)16部、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン(MSD)2.4部、t−ブチルメタクリレート27部、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート2.2部を窒素ガス下で130℃において反応させ、重量平均分子量2,000のマクロモノマーNo.5を得た。
次いで、トルエン88部、ヒドロキシエチルメタクリレート21部、イソボルニルメタクリレート47部、シクロヘキシルアクリレート5部、アゾビスジメチルバレロニトリル1部を窒素ガス下で95℃において反応させ、水酸基価86mgKOH/g、重量平均分子量10,000のアクリル樹脂No.5を得た。
【0060】
製造例6 アクリル樹脂No.6の製造例
スワゾール1000(コスモ石油製、芳香族系溶媒)16部、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン(MSD)1.7部、ジシクロペンテニルメタクリレート28部、ジ−t−アミルパーオキサイド1.3部を窒素ガス下で155℃において反応させ、重量平均分子量2,000のマクロモノマーNo.6を得た。
次いで、トルエン87部、ヒドロキシエチルメタクリレート15部、シクロヘキシルメタクリレート57部、アゾビスジメチルバレロニトリル1部を窒素ガス下で95℃において反応させ、水酸基価62mgKOH/g、重量平均分子量10,000のアクリル樹脂No.6を得た。
【0061】
製造例7 アクリル樹脂No.7の製造例
スワゾール1000(コスモ石油製、芳香族系溶媒)16部、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン(MSD)1.7部、ジシクロペンタニルメタクリレート28部、ジ−t−アミルパーオキサイド1.3部を窒素ガス下で155℃において反応させ、重量平均分子量2,000のマクロモノマーNo.7を得た。
次いで、トルエン87部、ヒドロキシエチルメタクリレート17.5部、ヒドロキシプロピルアクリレート3部、シクロヘキシルメタクリレート46.5部、スチレン5部、アゾビスジメチルバレロニトリル1部を窒素ガス下で95℃において反応させ、水酸基価85mgKOH/g、重量平均分子量10,000のアクリル樹脂No.7を得た。
【0062】
製造例8 アクリル樹脂No.8の製造例
スワゾール1000(コスモ石油製、芳香族系溶媒)16部、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン(MSD)1.7部、2−エチルヘキシルメタクリレート27部、ジ−t−アミルパーオキサイド1.2部を窒素ガス下で155℃において反応させ、重量平均分子量2,000のマクロモノマーNo.8を得た。
次いで、トルエン87部、ヒドロキシエチルメタクリレート21部、シクロヘキシルメタクリレート52部、アゾビスジメチルバレロニトリル1部を窒素ガス下で95℃において反応させ、水酸基価87mgKOH/g、重量平均分子量10,000のアクリル樹脂No.8を得た。
【0063】
製造例9 アクリル樹脂No.9の製造例
スワゾール1000(コスモ石油製、芳香族系溶媒)16部、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン(MSD)0.28部、シクロヘキシルメタクリレート28部、ジ−t−アミルパーオキサイド1.5部を窒素ガス下で155℃において反応させ、重量平均分子量2,000のマクロモノマーNo.9を得た。
次いで、トルエン86部、ヒドロキシエチルメタクリレート20.5部、シクロヘキシルメタクリレート51.5部、アゾビスジメチルバレロニトリル1部を窒素ガス下で95℃において反応させ、水酸基価86mgKOH/g、重量平均分子量10,000のアクリル樹脂No.9を得た。
【0064】
製造例10 アクリル樹脂No.10の製造例
スワゾール1000(コスモ石油製、芳香族系溶媒)24部、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン(MSD)3.5部、イソブチルメタクリレート20部、t−ブチルメタクリレート20部、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート3.2部を窒素ガス下で130℃において反応させ、重量平均分子量2,000のマクロモノマーNo.9を得た。
次いで、トルエン82部、ヒドロキシエチルメタクリレート25部、シクロヘキシルメタクリレート35部、アゾビスジメチルバレロニトリル1部を窒素ガス下で95℃において反応させ、水酸基価100mgKOH/g、重量平均分子量10,000のアクリル樹脂No.10を得た。
これらの製造例1〜10の配合内容を表1に示す。
【0065】
【表1】

【0066】
比較製造例1 アクリル樹脂No.11の製造例(比較例)
スワゾール1000(コスモ石油製、芳香族系溶媒)16部、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン(MSD)2部、シクロヘキシルメタクリレート5.5部、メチルメタクリレート22部、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート1.9部を窒素ガス下で100℃において反応させ、重量平均分子量2,000のマクロモノマーNo.11を得た。
次いで、トルエン88部、ヒドロキシエチルメタクリレート20.5部、シクロヘキシルメタクリレート52部、アゾビスジメチルバレロニトリル1部を窒素ガス下で95℃において反応させ、水酸基価85mgKOH/g、重量平均分子量10,000のアクリル樹脂No.11を得た。
【0067】
比較製造例2 アクリル樹脂No.12の製造例(比較例)
スワゾール1000(コスモ石油製、芳香族系溶媒)16部、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン(MSD)2部、シクロヘキシルメタクリレート11部、メチルメタクリレート16.5部、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート1.9部を窒素ガス下で100℃において反応させ、重量平均分子量2,000のマクロモノマーNo.12を得た。
次いで、トルエン88部、ヒドロキシエチルメタクリレート20.5部、シクロヘキシルメタクリレート52部、アゾビスジメチルバレロニトリル1部を窒素ガス下で95℃において反応させ、水酸基価85mgKOH/g、重量平均分子量10,000のアクリル樹脂No.12を得た。
【0068】
比較製造例3 アクリル樹脂No.13の製造例(比較例)
スワゾール1000(コスモ石油製、芳香族系溶媒)28部、トルエン85部、シクロヘキシルメタクリレート80部、ヒドロキシエチルメタクリレート20部、アゾビスメチルブチロニトリル4部を窒素ガス下で110℃において反応させ、水酸基価84mgKOH/g、重量平均分子量10,000のアクリル樹脂No.13を得た。
【0069】
比較製造例4 アクリル樹脂No.14の製造例(比較例)
スワゾール1000(コスモ石油製、芳香族系溶媒)28部、トルエン85部、シクロヘキシルメタクリレート70部、ヒドロキシエチルメタクリレート30部、アゾビスメチルブチロニトリル4部を窒素ガス下で110℃において反応させ、水酸基価125mgKOH/g、重量平均分子量10,000のアクリル樹脂No.14を得た。
【0070】
比較製造例5 アクリル樹脂No.15の製造例(比較例)
スワゾール1000(コスモ石油製、芳香族系溶媒)16部、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン(MSD)2部、シクロヘキシルメタクリレート28部、ジ−t−アミルパーオキサイド1.5部を窒素ガス下で155℃において反応させ、重量平均分子量2,000のマクロモノマーNo.1を得た。
次いで、トルエン88部、シクロヘキシルメタクリレート72部、アゾビスジメチルバレロニトリル1部を窒素ガス下で95℃において反応させ、水酸基価0mgKOH/g、重量平均分子量10,000のアクリル樹脂No.15を得た。
上記の比較製造例1〜5の配合内容を表2に示す。
【0071】
【表2】

【0072】
製造例11 硬化剤No.1の製造例
フラスコに、デスモジュールN−3300(住化バイエルウレタン社製、商品名、ポリイソシアネート イソシアネート含量21.6%)151部を仕込み、攪拌しながら、3,5−ジメチルピラゾール76部を少しずつ加え100〜105℃で反応させた。その後、n−ブタノール47部とトルエン50部を加えて、イソシアネート基の反応率が99%以上であることを確認し、硬化剤No.1を得た。
【0073】
製造例12 硬化剤No.2の製造例
フラスコに、デスモジュールN−3300 151部、トルエン60部、マロン酸ジ−n−ブチル140部を仕込み、これに、ナトリウムメトキシドの28%メタノール溶液1.4部を加え、窒素気流下で、70℃で8時間反応させた。その後、n−ブタノール63部を加えて70℃で熟成し、イソシアネートの反応率が99%以上であることを確認し、硬化剤No.2を得た。
【0074】
製造例13 硬化剤No.3の製造例
製造例11において、3,5−ジメチルピラゾールに代えて、2−ブタノンオキシム69部使用した以外同様にして、硬化剤No.3を得た。
【0075】
実施例及び比較例
実施例1 塗料組成物No.1
スーパークロン892L(注1)を50部(固形分)、アクリル樹脂No.1を30部(固形分)、硬化剤No.1を20部(固形分)、バルカンXC72(注3)20部、JR−806(注5)80部をキシレン/トルエン=1/1(重量比)の混合溶剤に混合、分散し、粘度13秒/フォードカップ#4/20℃に調整された塗料組成物No.1を得た。
【0076】
実施例2〜15 塗料組成物No.2〜No.15
表3の配合内容とする以外は実施例1と同様にして、塗料組成物No.2〜No.15を得た。
【0077】
【表3】

【0078】
【表4】

【0079】
(注1)スーパークロン892L:商品名、日本製紙ケミカル社製、酸変性塩
素化ポリプロピレン、塩素化率22%、固形分20%。
【0080】
(注2)スーパークロン851L:商品名、日本製紙ケミカル社製、酸変性塩
素化ポリプロピレン、塩素化率22%、固形分20%。
【0081】
(注3)バルカンXC72:商品名、キャボットスペシャリティーケミカルズ社製、導電性カーボンブラック。
【0082】
(注4)CNTD−317:開発品名、御国色素社製、カーボンナノチューブの酢酸エチル分散品、濃度1.0wt。
【0083】
(注5)JR−806:商品名、テイカ社製、ルチル型酸化チタン。
【0084】
(注6)KBM−402:信越シリコーン社製、商品名、シランカップリング剤。
【0085】
(注7)塗料安定性:
各塗料組成物No.1〜No.23を30℃で30日間貯蔵後の塗料組成物の分離、沈降、増粘の有無を調べた。
◎は、分離、沈降、増粘のいずれもみられない
〇は、分離、沈降、増粘の少なくとも1種が見られるが、手攪拌でもとに戻り問題なし
△は、分離、沈降、増粘あり、再分散にモーターによる攪拌が1時間以上必要
×は、分離、沈降、増粘あり、再分散がモーターによる攪拌でも不可能。
【0086】
比較例1〜6 塗料組成物No.16〜No.21
表5の配合内容とする以外は、実施例1と同様にして塗料組成物No.16〜No.21を得た。
【0087】
【表5】

【0088】
被塗物A
脱脂処理を施したポリプロピレン板(70×150×3mm)を使用した。
【0089】
被塗物B
脱脂処理を施したナイロン板(70×150×3mm)を使用した。
試験板作成
実施例16
前記、被塗物A又は被塗物Bに、塗料組成物No.1を膜厚10μmになるようにスプレー塗装し、室温で10秒間セッティングしてから、着色ベース塗料として、ソフレックス420(関西ペイント社製、商品名、着色ベース塗料)を膜厚15μmになるように静電塗装した。
次に、クリヤ塗料として「ソフレックス#500クリヤ」(関西ペイント社製、商品名、アクリルウレタン系有機溶剤型クリヤ塗料)を膜厚30μmになるように静電塗装し、室温で5分間放置してから、95℃で30分間加熱して複層塗膜を得た。その複層塗膜にて、付着性、耐水性の試験に供した。
【0090】
実施例17〜30
塗料組成物No.1に変えて、表6及び表7に記載の塗料組成物とする以外は、実施例16と同様にして試験板を得た。各塗料組成物と複層塗膜の評価は、以下の試験方法に従って行った。
【0091】
【表6】

【0092】
【表7】

【0093】
比較例7〜12
塗料組成物No.1に変えて、表8に記載の塗料組成物を使用する以外は、実施例16と同様にして、試験板を得た。塗料組成物と塗膜の評価は、以下
の試験方法に従って行った。
【0094】
【表8】

【0095】
(注8)表面電気抵抗値:各塗料組成物を塗装し、室温でセッティングして5分後の塗膜の表面電気抵抗値を、電気抵抗測定機(商品名「MODEL150」、TREK社)で測定した。
◎は、表面抵抗値が1MΩ/□未満
〇は、表面抵抗値が1MΩ/□以上で、かつ100MΩ/□未満
△は、表面抵抗値が100MΩ/□以上で、かつ10000MΩ/□未満
×は、10000MΩ/□以上。
【0096】
(注9)付着性:試験板の作製にて得た各複層塗膜の素地に達するようにカッターで切り込み2mm幅のゴバン目100個作り、その表面に粘着テープを粘着し、20℃において急激に剥離した後のゴバン目塗膜の残存数を観察した。
【0097】
◎は、残存個数/全体個数=100個/100個で縁欠けなし
○は、残存個数/全体個数=100個/100個で縁欠けあり
△は、残存個数/全体個数=99個〜90個/100個
×は、残存個数/全体個数=89個以下/100個。
【0098】
(注10)耐水性:試験板の作製にて得た各複層塗膜において、40℃温水に240時間浸漬したあと、素地に達するようにカッターで切り込み2mm幅のゴバン目100個作り、その表面に粘着テープを粘着し、20℃において急激に剥離した後のゴバン目塗膜の残存数を観察した。
【0099】
◎は、残存個数/全体個数=100個/100個で縁欠けなし
○は、残存個数/全体個数=100個/100個で縁欠けあり
△は、残存個数/全体個数=99個〜90個/100個
×は、残存個数/全体個数=89個以下/100個。
【産業上の利用可能性】
【0100】
本発明は、バンパー等のプラスチック基材に対して、低温硬化性、導電性、付着性及び耐水性及び導電性に優れた塗装物品を提供できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記特徴のアクリル樹脂(A)、塩素化されていてもよいポリオレフィン樹脂(B)、並びに、ピラゾールブロックポリイソシアネート化合物及び/又は活性メチレンブロックポリイソシアネート化合物(C)を含有する塗料組成物であって、(A)成分と(B)成分と(C)成分との合計固形分100質量部あたり、(A)成分10〜50質量部、(B)成分20〜60質量部、(C)成分5〜30質量部である塗料組成物。
アクリル樹脂(A):シクロヘキシルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、ジシクロペンテニルメタクリレート、ジシクロペンタニルメタクリレート、及び2−エチルヘキシルメタクリレートから選ばれる少なくとも1種以上のメタクリレート(a11)を、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンの共存下で、単独重合又は共重合させるか、或いは、メタクリレート(a11)とその他のエチレン性不飽和モノマー(a12)とを共重合させて得られるマクロモノマー(a1)に、水酸基含有エチレン性不飽和モノマー(a2)とその他のエチレン性不飽和モノマー(a3)とを共重合させて得られる重量平均分子量が3,000〜100,000で且つ水酸基価10〜150mgKOH/gの樹脂であって、メタクリレート(a11)の質量部/(メタクリレート(a11)とその他のエチレン性不飽和モノマー(a12)の合計質量部)の値が0.5〜1.0である樹脂
【請求項2】
さらに、アクリル樹脂(A)と塩素化されていてもよいポリオレフィン樹脂(B)及びポリイソシアネート化合物(C)の樹脂固形分合計量100質量部に基いて、導電性フィラー(D)を1〜200質量部含有する請求項1に記載の塗料組成物。
【請求項3】
さらに、アクリル樹脂(A)と塩素化されていてもよいポリオレフィン樹脂(B)及びポリイソシアネート化合物(C)の樹脂固形分合計量100質量部に基いて、シランカップリング剤(E)を1〜20質量部含有する請求項1又は2項に記載の塗料組成物。
【請求項4】
プラスチック基材の表面上に、請求項1〜3のいずれか1項に記載の塗料組成物を塗装し、必要に応じて焼付けた後、着色ベース塗料を塗装し、必要に応じて焼付けた後、クリヤ塗料を塗装して焼付けることを特徴とする塗膜形成方法。
【請求項5】
請求項4に記載の塗膜形成方法による塗装物品。

【公開番号】特開2012−193320(P2012−193320A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−60089(P2011−60089)
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(000001409)関西ペイント株式会社 (815)
【Fターム(参考)】