説明

塗料組成物

【課題】塗膜の硬化性(特に低温硬化性)がすぐれ、しかも耐チッピング性、付着性などのすぐれた塗膜を形成する塗料組成物に関する。
【構成】(A)水酸基含有樹脂、(B)架橋剤及び(C)りん酸基含有ビニル樹脂を含有することを特徴とする塗料組成物。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塗膜の硬化性(特に低温硬化性)がすぐれ、しかも耐チッピング性、付着性などのすぐれた塗膜を形成する塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】水酸基を含有するアクリル樹脂やポリエステル樹脂に、架橋剤としてメラミン樹脂やポリイソシアネ−ト化合物を含有せしめた塗料組成物は公知であり、平滑性や耐候性などがすぐれているために、自動車車体や家庭電気製品などの外板部の上塗り塗料として広く使用されている。しかしながら、これらの塗料に対する塗膜性能の一層の向上が強く要求されており、特に塗膜の硬化性、特に低温硬化性、耐チッピング性、付着性などの改良が指摘されている。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の水酸基含有と架橋剤を含有する塗料組成物において、平滑性や耐候性などを低下させることなしに、塗膜の硬化性、耐チッピング性、付着性などを改良するために鋭意研究を行った結果、これらの塗料組成物にりん酸基含有ビニル樹脂を含有せしめることにより、目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0004】すなわち、本発明は、(A)水酸基含有樹脂、(B)架橋剤及び(C)りん酸基含有ビニル樹脂を含有することを特徴とする塗料組成物に関する。
【0005】以下、本発明の塗料組成物について詳細に説明する。
【0006】(A)成分:水酸基含有樹脂1分子中に2個以上の水酸基を有する樹脂であって、例えば、水酸基を有するアクリル樹脂やポリエステル樹脂などが好適に使用できる。
【0007】水酸基含有アクリル樹脂は、水酸基含有重合性単量体及びアクリル系単量体、さらに必要に応じてその他の重合性単量体を共重合せしめることにより得られる。
【0008】水酸基含有重合性単量体は、1分子中に水酸基及び重合性不飽和結合をそれぞれ1個以上有する化合物である、例えば、ヒドロキシエチルアクリレ−ト、ヒドロキシエチルメタクリレ−ト、ヒドロキシプロピルアクリレ−ト、ヒドロキシプロピルメタクリレ−トなどの炭素数が2個以上、好ましくは2〜10個のグリコ−ル類とアクリル酸又はメタクリル酸とのモノエステル化物。さらに、これらの単量体の水酸基にε−カプロラクトンのような環状エステルを開環付加反応させてその末端に水酸基を有せしめたものも水酸基含有含有重合性単量体として包含される。
【0009】アクリル系単量体として、例えば、メチル(メタ)アクリレ−ト、エチル(メタ)アクリレ−ト、プロピル(メタ)アクリレ−ト、ブチル(メタ)アクリレ−ト、ヘキシル(メタ)アクリレ−ト、オクチル(メタ)アクリレ−ト、ラウリル(メタ)アクリレ−ト、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレ−トなどのアクリル酸又はメタクリル酸と炭素数1〜22の1価アルコ−ルとのモノエステル化物;エチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、ブチレングリコ−ルなどの炭素数2〜10のグリコ−ルとアクリル酸又はメタクリル酸とのジエステル化物;(メタ)アクリル酸メトキシブチル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシブチルなどのアクリル酸又はメタクリル酸の炭素数2〜18のアルコキシアルキルエステルなどがあげられる。
【0010】その他の重合性単量体は、上記の水酸基含有重合性単量体及びアクリル系単量体を除く、1分子中に1個以上の重合性不飽和結合を有する化合物であり、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸などがあげられる。
【0011】これらの重合性単量体の共重合反応は既知の方法で行うことができ、かくして得られる水酸基含有アクリル樹脂は、通常、数平均分子量は2000〜50000、特に3000〜20000、水酸基価は10〜200mgKOH/g、特に20〜150mgKOH/g、酸価は80mgKOH/g以下、特に50mgKOH/g以下が適している。
【0012】水酸基含有ポリエステル樹脂は、多塩基酸と多価アルコ−ルとを水酸基過剰の比率でエステル化反応させることにより得られる。
【0013】多塩基酸は、1分子中に2個以上のカルボキシル基を有する化合物であり、例えば、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘット酸、トリメリット酸及びこれらの無水物などがあげられる。多価アルコ−ルは、1分子中に2個以上の水酸基を有する化合物であり、例えばエチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、ブチレングリコ−ル、ヘキサンジオ−ル、ジエチレングリコ−ル、ジプロピレングリコ−ル、ネオペンチルグリコ−ル、トリエチレングリコ−ル、グリセリン、トリメチロ−ルエタン、トリメチロ−ルプロパン、ペンタエリスリト−ルなどがあげられる。
【0014】これらのエステル化反応は通常の方法により行うことができ、かくして得られる水酸基含有ポリエステル樹脂は、数平均分子量が3000〜20000、特に5000〜13000、水酸基価が30〜150mgKOH/g、特に65〜120mgKOH/g、酸価は80mgKOH/g以下、特に50mgKOH/g以下が好ましい。
【0015】さらに、このポリエステル樹脂中の水酸基にε−カプロラクトンのような環状エステルを開環付加させてその末端に水酸基を有せしめたものも包含される。本発明の塗料組成物は有機溶剤系又は水系のいずれの形態でも使用できるが、水系では、これらの水酸基含有樹脂にカルボキシル基を併存せしめ、塩基性化合物で中和しておくことが好ましい。塩基性化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウムなどの水酸化物;アンモニア;エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ベンジルアミン、モノエタノールアミン、ネオペンタノールアミン、2−アミノプロパノール、3−アミノプロパノールなどの第1級モノアミン;ジエチルアミン、ジエタノールアミン、ジ−n−またはジ−iso −プロパノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミンなどの第2級モノアミン;ジメチルエタノールアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、メチルジエタノールアミン、ジメチルアミノエタノールなどの第3級モノアミン;ジエチレントリアミン、ヒドロキシエチルアミノエチルアミン、エチルアミノエチルアミン、メチルアミノプロピルアミンなどのポリアミンが使用できる。
【0016】(B)成分:架橋剤上記の(A)成分と反応して三次元に架橋硬化せしめるためのものであって、メラミン樹脂及びブロックポリイソシアネ−ト化合物などが適用できる。
【0017】メラミン樹脂として、メチロ−ル化メラミンのメチロ−ル基の一部又は全部を炭素数1〜8の1価アルコ−ルでエ−テル化したエ−テル化メラミン樹脂が使用できる。トリアジン核は1〜5核体で、数平均分子量が300〜2000のものが好ましい。エ−テル化を部分的に行い、メチロ−ル基及び/又はイミノ基が併存しているものも使用できる。
【0018】ブロックポリイソシアネ−ト化合物は、ポリイソシアネ−ト化合物のイソシアネ−ト基をブロック剤で封鎖したものである。ポリイソシアネ−ト化合物は、1分子中に2個以上のイソシアネ−ト基を有する化合物であり、例えば、トリレンジイソシアネ−ト、ジフェニルメタンジイソシアネ−ト、キシリレンジイソシアネ−ト、ナフタレンジイソシアネ−トなどの芳香族ジイソシアネ−ト;テトラメチレンジイソシアネ−ト、ヘキサメチレンジイソシアネ−ト、ダイマ−酸ジイソシアネ−ト、リジンジイソシアネ−トなどの脂肪族ジイソシアネ−ト;メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネ−ト)、イソホロンジイソシアネ−ト、メチルシクロヘキサンジイソシアネ−ト、シクロヘキサンジイソシアネ−ト及びシクロペンタンジイソシアネ−トなどの脂環族ジイソシアネ−トなどがあげられる。また、ブロック剤として、例えば、フェノ−ル類、オキシム類、ラクタム類、活性メチレン系、アルコ−ル類、酸アミド系、イミド系、アミン系、イミダゾ−ル系、尿素系、カルバミン酸系、イミン系、メルカプタン類などがあげられる。
【0019】本発明の塗料組成物において、これらの(A)成分と(B)成分との構成比率は、目的に応じて適宜に選択できるが、例えば、この両成分の固形分重量に基づいて、(A)成分は40〜90%、特に60〜80%、(B)成分は60〜10%、特に40〜20%の範囲内が適している。
【0020】(C)成分:りん酸基含有ビニル樹脂りん酸基含有ビニル樹脂として、例えば、りん酸基含有不飽和単量体を必須成分とし、さらに必要に応じてこれ以外のその他の重合性単量体を併用して重合せしめてなるビニル樹脂があげられる。
【0021】りん酸基含有不飽和単量体は、重合性不飽和結合及び下記式(1)で示されるりん酸基を1分子中にそれぞれ少なくとも1個有する化合物である。
【0022】
式(1) …… −OPO(OH)(R1
(式中、R1 は水酸基、フェニル基または炭素数1〜20のアルキル基である。)
かかるりん酸基含有不飽和単量体として、例えば(2−アクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェ−ト、(2−メタクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェ−ト、(2−アクリロイルオキシプロピル)アシッドホスフェ−ト、(2−メタクリロイルオキシプロピル)アシッドホスフェ−ト、10−アクリロイルオキシデシルアシッドホスフェ−ト、10−メタクリロイルオキシデシルアシッドホスフェ−トなどの(メタ)アクリロイルオキシアルキル(炭素数2〜20)アシッドホスフェ−トなどがあげられる。さらに、グリシジル(メタ)アクリレ−トとモノアルキル(炭素数1〜20)リン酸との等モル付加物も、りん酸基含有不飽和単量体として使用できる。
【0023】上記以外のその他の重合性単量体としては、上記の(A)成分における水酸基含有アクリル樹脂の説明で例示した、水酸基含有重合性単量体、アクリル系単量体、その他の重合性単量体などが好適に使用することができる。
【0024】りん酸基含有ビニル樹脂の調製にあたり、りん酸基含有単量体とその他の重合性単量体との比率は、両単量体の合計重量に基いて、前者は10〜100%、特に20〜80%、後者は90〜0%、特に80〜20%が好ましい。また、りん酸基含有ビニル樹脂のりん酸基に基づく酸価は10〜150、特に20〜130mmKOH/g、数平均分子量は1000〜100000、特に3000〜50000で、そして水酸基価は5〜150、特に10〜100mmKOH/gが適している。
【0025】(C)成分の配合比率は、固形分比で、(A)成分と(B)成分との合計100重量部あたり、0.1〜50重量部、特に1〜20重量部が適している。
【0026】本発明の塗料組成物は、上記の(A)水酸基含有樹脂、(B)架橋剤及び(C)りん酸基含有ビニル樹脂を有機溶剤又は水に溶解又は分散せしめることにより調製することができ、さらに必要に応じて、顔料、紫外線吸収剤、硬化触媒、などを含有せしめることができる。
【0027】顔料として、例えば、酸化チタン、亜鉛華、カ−ボンブラック、カドミウムレッド、モリブデンレッド、クロムエロ−、酸化クロム、プルシアンブル−、コバルトブル−、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリン顔料、スレン系顔料、ペリレン顔料などの着色顔料;タルク、クレ−、カオリン、バリタ、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、シリカ、アルミナホワイトなどの体質顔料;アルミニウム粉末、雲母粉末、酸化チタンで被覆した雲母粉末などのメタリック顔料などを使用することができる。顔料の比率は、(A)成分と(B)成分との合計固形分100重量部あたり、250重量部以下、特に1〜150重量部が適している。
【0028】本発明の塗料組成物は、自動車車体や家庭電気製品などの外板部の上塗り塗料として特に有用である。例えば、金属製又はプラスチック製のこれらの被塗物に直接、又は下塗り塗料、中塗り塗料(これは省略することもありうる)を塗装してから、上塗り塗料として本発明の塗料組成物を塗装することが好ましい。具体的には、本発明の塗料組成物の粘度を20〜40秒/フォ−ドカップ#4/20℃になるように有機溶剤及び/又は水を加えて調整し、静電塗装、エアレススプレ−、エアスプレ−などにより塗装することができる。その塗装膜厚は硬化塗膜で10〜60μm、特に15〜40μmの範囲内が好ましい。この塗膜は、約60〜約180℃の温度で、約10〜約40分加熱することにより硬化させることができる。本発明の塗料組成物は、メタリック塗料、ソリッドカラ−塗料、光干渉性塗料、クリヤ塗料として使用することができ、このうち、アルミニウム粉末を含有せしめたメタリック塗料として使用することが最も好ましい。
【0029】
【発明の効果】本発明の特徴は、水酸基含有樹脂及び架橋剤を含む塗料組成物に、(C)りん酸基含有ビニル樹脂を含有せしめたところにあり、その結果、塗膜の平滑性や耐候性を低下させることなく、塗膜の硬化性(特に低温硬化性)、耐チッピング性、付着性などを一層改良することができた。
【0030】
【実施例】以下に、本発明に関する実施例及び比較例について説明する。部及び%はいずれも重量を基準にしており、塗膜の膜厚は硬化塗膜についてである。
【0031】実施例 1スチレン15部、メチルメタクリレ−ト20部、エチルアクリレ−ト25部、ブチルアクリレ−ト20部、ヒドロキシエチルアクリレ−ト15部及びアクリル酸5部を重合開始剤α,α´−アゾビスイソブチロニトリルを用いてブチルセロソルブ中で重合させ、樹脂固形分70%のアクリル樹脂溶液を得た。この溶液100部に対して4.3部のジメチルアミノエタノ−ルを加えた後、水を加えて水酸基含有アクリル樹脂の水溶液(固形分含有率55%)を得た。
【0032】この水酸基含有アクリル樹脂の水溶液100部、80%「サイメル325」(三井化学社製、商品名、メラミン樹脂)25部、りん酸基含有ビニル樹脂(注1)10部、アルミペ−スト#4919(東洋アルミニウム社製、商品名)10部、アルミペ−スト#55−519(東洋アルミニウム社製、商品名)20部、イソプロピルアルコ−ル30部を混合し、水で粘度16秒/フォ−ドカップ#4/20℃に調整し、本発明の塗料組成物(水性)を得た。
【0033】(注1)りん酸基含有ビニル樹脂:アシッドホスホキシエチルメタクリレ−ト30部、2−ヒドロキシエチルアクリレ−ト15部、メチルメタクリレ−ト20部、n−ブチルメタクリレ−ト5部、2−エチルヘキシルメタクリレ−ト30部からなる単量体の共重合体。数平均分子量13000、水酸基価72mgKOH/g、酸価126mgKOH/g。
【0034】比較例 1上記の実施例1の組成から、「りん酸基含有ビニル樹脂(注1)10部」を除去した以外は、すべて実施例1と同様にして塗料組成物(水性)を得た。
【0035】性能試験結果りん酸亜鉛処理鋼板に「エレクロン#9400」(関西ペイント(株)製、商品名、ポリアミド変性エポキシ樹脂・ブロックポリイソシアネ−ト系カチオン電着塗料)を膜厚20μmになるように電着塗装し、170℃で20分加熱して硬化させてから、中塗塗料(「ルーガベーク中塗り」関西ペイント(株)製、商品名、ポリエステル樹脂・アミノ樹脂系、有機溶剤型)を膜厚40μmになるように塗装し140℃で30分加熱して硬化させてなる被塗物に、上記の実施例1及び比較例1で得た塗料組成物をエアスプレ−で膜厚15μmになるように塗装し、室温で3分間放置してから、「マジクロンクリヤ」(関西ペイント(株)製、商品名、アクリル樹脂・アミノ樹脂系、有機溶剤型クリヤ塗料)をエアスプレ−で膜厚35μmになるように塗装し、140℃で30分加熱して両塗膜を同時に硬化させた。得られた塗り板について塗膜性能試験を行った。その結果を表1に示した。
【0036】
【表1】


【0037】試験方法は下記のとおりである。
【0038】仕上り外観:塗膜の光沢感、肉持感、平滑性などについて目視評価した。○はこれらの性能がすべて良好、△はこれらの性能が少し劣る、×はこれらの性能が非常に劣ることを示す。
【0039】耐水性:塗り板を40℃の温水に10日間浸漬した後の塗面を観察した。○は異常が全く認められない、△は塗膜が白化する、×は塗膜の白化が著しいことを示す。
【0040】低温硬化性:ガラス板に、実施例1及び比較例1で得た塗料組成物をエアスプレ−で膜厚20μmになるように塗装し、室温で3分間放置してから、120℃で30分加熱した後、その塗膜をガラス板から削り取り、アセトンとメタノ−ルとの等重量混合溶剤の還流温度下で5時間抽出した後の塗膜の残存率を算出した。
【0041】耐チッピング性:試験機として「QGR−グラベロメ−タ」(Qパネル社製、商品名)を用い、JIS−A5001の7号砕石約700gを、4Kg/cm2 のエア圧、−20℃の温度雰囲気で、塗面に対して45゜の角度で吹き付けて塗膜に衝撃を与えた後の塗面状態を目視観察した。○は上塗り塗膜の一部に衝撃によるキズが僅かに認められる、△は上塗り塗膜に衝撃によるキズが少し認められる、×は上塗り塗膜に衝撃によるキズが多く認められることを示す。
【0042】リコ−ト付着性:りん酸亜鉛処理鋼板に「エレクロン#9400」を膜厚20μmになるように電着塗装し、170℃で20分加熱して硬化させてから、「ルーガベーク中塗り」を膜厚40μmになるように塗装し140℃で30分加熱して硬化させてなる被塗物に、実施例1及び比較例1で得た塗料組成物をエアスプレ−で膜厚15μmになるように塗装し、室温で3分間放置してから、「マジクロンクリヤ」をエアスプレ−で膜厚35μmになるように塗装し、160℃で30分加熱して両塗膜を同時に硬化させた。ついで、このクリヤ塗面に、実施例1及び比較例1で得た塗料組成物をエアスプレ−で膜厚15μmになるように塗装し、室温で3分間放置してから、「マジクロンクリヤ」をエアスプレ−で膜厚35μmになるように塗装し、120℃で30分加熱して両塗膜を同時に硬化させてなる複層塗膜に、素地に達するようにカッタで切り込み、1mm×1mmのゴバン目を100個作り、その塗面に粘着セロハンテ−プを貼着し、20℃でそれを急激に剥離した後の残存ガバン目塗膜数を調べた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】(A)水酸基含有樹脂、(B)架橋剤及び(C)りん酸基含有ビニル樹脂を含有することを特徴とする塗料組成物。

【公開番号】特開2001−89696(P2001−89696A)
【公開日】平成13年4月3日(2001.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平11−272628
【出願日】平成11年9月27日(1999.9.27)
【出願人】(000001409)関西ペイント株式会社 (815)
【Fターム(参考)】