説明

塗料組成物

【課題】0.1〜1.5mmの凹凸差を付与して塗膜を形成させる塗料組成物であって、該塗料組成物が結合材としての合成樹脂と中空樹脂粒子とを含有している場合には、外力により変形を受けた場合にでも中空樹脂粒子の保持力に優れる塗料組成物を提供する。
【解決手段】図1に示すように、基材1表面に0.1〜1.5mmの凹凸差を付与して塗膜2を形成させる塗料組成物であって、該塗料組成物が結合材としての合成樹脂と中空樹脂粒子とを含有しており、該中空樹脂粒子同士が融着して二次粒子4を形成している。前記塗料組成物は、施工器具としての多孔質ローラーによって建築物の壁面に凹凸形状を持たせて施工される。施工後数時間が経過すると壁面に施工された塗料組成物は乾燥し、塗膜2中の中空樹脂粒子は互いに融着しているため塗膜2内に保持されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築物の外壁、内壁、屋根等に美観または躯体の保護等の目的で凹凸形状に施工される厚膜の塗料組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建築物の外壁、内壁、屋根等に美観または躯体の保護等の目的で凹凸形状に施工される厚膜の塗料組成物としては、アニオン性界面活性剤(A)およびノニオン性界面活性剤(B)を使用して、エチレン性不飽和単量体(C)を水媒体中で、重合開始剤(D)により乳化重合してなる弾性塗料用水性樹脂分散体であって、アニオン性界面活性剤(A)が、下記一般式(1)で表される活性剤であり、かつ、ノニオン界面活性剤(B)のHLB値が、13.5〜18.5であり、かつ、樹脂のTgが、−50〜0℃である弾性塗料用水性樹脂分散体を用いたもの(例えば、特許文献1参照。)、炭素数1〜12のアルキル基含有(メタ)アクリル酸アルキルエステル 95〜30重量部、スチレン 5〜70重量部、不飽和カルボン酸 0.5〜10.0重量部、アミド基含有アクリル系単量体 0.5〜10.0重量部、からなる全単量体に対し0.5〜10.0重量%の重合性アニオン性界面活性剤及び重合性ノニオン性界面活性剤の両界面活性剤を用いて乳化重合して得たガラス転移点−20〜30℃の低汚染型単層弾性塗料用エマルジョン(例えば、特許文献2参照。)を用いた単層弾性塗料等がある。
【0003】
また、樹脂発泡体を用いた塗料組成物としては、(A)再乳化型粉末樹脂、(B)樹脂発泡体粒子、及び(C)セメントを、(A)/(B)の固形分体積比が100/50〜100/800で、且つ(A)/(C)の固形分体積比が100/2〜100/80となるよう含有してなる粉末状組成物に、水を使用時に配合し水分散したもの(例えば、特許文献3参照。)等がある。さらに、中空樹脂を用いた塗料組成物としては、水性断熱性塗料を塗付した後、水性上塗り塗料を塗付する断熱性塗膜の形成方法において、該水性断熱性塗料として、合成樹脂エマルション(I)、中空粒子(II)、及び平均粒子径が0.1〜100μmであり、ガラス転移温度−60〜60℃の重合体からなる有機質粉体(a)、及び/または平均粒子径が0.1〜100μmであり、ガラス転移温度30℃未満の重合体からなるコア部とガラス転移温度30℃以上の重合体からなるシェル部を有する有機質粉体(b)からなる有機質粉体(III)を必須成分とし、(I)成分の固形分100重量部に対し(II)成分を0.5〜200重量部、(III)成分を3〜400重量部含むものを使用したもの等がある(例えば、特許文献4参照。)。
【0004】
しかし、これらの塗料組成物によって形成される塗膜は、基材に塗付された状態で、該基材面に対して平行方向に伸縮されることに対する耐久性には優れているが、基材面に対して垂直な方向に圧力がかけられた場合には変形してしまう場合がある。
また、中空樹脂粒子を混入した塗料組成物によって凹凸差を付与して塗膜を形成させた場合には、特に凸部において、外力により変形を受けた場合に塗膜が中空樹脂粒子を保持できないおそれがあるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−201915号公報(第2〜3頁)
【特許文献2】特開平10−46099号公報(第2〜3頁)
【特許文献3】特開平11−228863号公報(第2〜3頁)
【特許文献4】特開2006−102670号公報(第2〜3頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
解決しようとする課題は、0.1〜1.5mmの凹凸差を付与して塗膜を形成させる塗料組成物であって、該塗料組成物が結合材としての合成樹脂と中空樹脂粒子とを含有している場合には、外力により変形を受けた場合に塗膜から中空樹脂粒子が取れやすいという点である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、0.1〜1.5mmの凹凸差を付与して塗膜を形成させる塗料組成物であって、該塗料組成物が結合材としての合成樹脂と中空樹脂粒子とを含有しており、該中空樹脂粒子同士が融着して二次粒子を形成していることを最も主要な特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記中空樹脂粒子の塗料組成物中に閉める体積が40〜90容量%であることを最も主要な特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1又請求項2のいずれか一項に記載の発明において、比重が水よりも軽く相対粘度が100である塗料組成物が収容容器に収容されており、前記塗料組成物の液面に相対粘度120〜300に調整した水溶液を塗料組成物の液面に拡散させてあることを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、中空樹脂粒子の表面積が相対的に大きくなるとともに、起伏のある表面形状を有するため、外力により変形を受けた場合に塗膜から取れにくくなるという利点がある。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、前記塗膜が適度な変形復帰率を有し、塗膜に人が触れてもすり傷等の外傷を受けにくいという利点がある。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は請求項2のいずれか一項に記載の発明の効果に加え、塗料組成物の収容中に塗料組成物の液面が乾燥してしまうことを抑制することができるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を具体化した実施形態を図1〜図4に基づいて説明する。なお、本発明における粘度は、液温23℃の塗料組成物をB型粘度計(回転数60rpm)で測定した際の数値をいう。
【0014】
本発明の塗料組成物は、図1に示すように、基材1表面に0.1〜1.5mmの凹凸差を付与して塗膜2を形成させる塗料組成物であって、該塗料組成物が結合材としての合成樹脂と中空樹脂粒子3とを含有しており、該中空樹脂粒子3同士が融着して二次粒子4を形成している。
また、塗膜2は厚膜の塗膜であって、その平均膜厚は0.2〜15mmであることが好ましく、より好ましくは0.5〜10mm、最も好ましくは1〜8mmである。塗膜2が薄すぎると、基材1に塗膜2が形成された場合に基材1そのものの凹凸が塗膜2表面から視認しやすくなり、基材1の凹凸が目立つおそれがある。逆に、塗膜2が厚すぎると、塗料組成物が乾燥して塗膜2を形成する過程において、塗膜2にシワ、割れ等の塗膜欠陥が生じやすくなる。塗膜2が厚すぎると、外力を受けた場合に大きく変形することによって変形後の復帰率が十分でない場合がある。なお、上記平均膜厚とは、塗膜2の任意の50点で膜厚を測定してそれらの測定値を平均した値である。
【0015】
本発明の塗料組成物の組成例は、例えば、以下のようなものである。
組成例:希釈剤としての水20質量部、結合剤としての合成樹脂エマルジョン(アクリル樹脂、濃度50%)100質量部、中空樹脂粒子3としてのメタクリル酸メチル−アクリロニトリル共重合樹脂の中空樹脂粒子10質量部、充填材としての二酸化チタン10質量部、充填材としての炭酸カルシウム100質量部、増粘剤1質量部。
【0016】
前記凹凸差は塗膜2表面の厚い部分の塗膜厚さから薄い部分の塗膜厚さを減じた数値をいい、本発明においては任意の5cm×5cmの塗り面積中にある、任意の山部の塗膜の厚み10点を計測した平均値と任意の谷部の塗膜の厚み10点を計測した平均値との差をいう。
前記凹凸差は0.1〜1.5mmであることが必要であり、より好ましくは0.2〜1.0mm、最も好ましくは0.3〜0.8mmである。凹凸差が0.1mm未満の場合には、塗膜2表面が平滑に近くなるため、基材1に塗膜2が形成された場合に基材1そのものの凹凸が塗膜2表面から視認しやすくなり、基材1の凹凸が目立つおそれがある。逆に、凹凸差が1.5mmを超える場合には、外力を受けたときに凸部の塗膜2の変形量が大きくなるため、凸部に亀裂が入るとともに中空樹脂粒子が取れてしまうおそれがある。
【0017】
前記凹凸形状は多孔質ローラー、くし目ゴテ、リシンガン、自在ガン等、通常の塗装器具によって形成することができる。また、凹凸差があれば滑らかであっても角張っていても良い。
【0018】
前記基材1は任意に設定することができる。例えば、鉄、アルミニウム、ステンレス、銅等の金属類、モルタル、コンクリート、押し出し成型板等のセメント材料、ガラス、木材、紙、布等が挙げられる。
【0019】
前記結合剤としての合成樹脂は通常の塗料に用いられるものであれば、任意に設定することができる。例えば、酢酸ビニル,エチレン酢酸ビニル,プロピオン酸ビニル,バーサティック酸ビニル等のビニル樹脂、(メタ)アクリル酸メチル樹脂、(メタ)アクリル酸エチル樹脂、(メタ)アクリル酸メチル樹脂、(メタ)アクリル酸エチル樹脂、(メタ)アクリル酸ブチル樹脂、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル樹脂、アクリロニトリル樹脂、メタクリロニトリル樹脂等のアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエーテル樹脂、酢酸ビニル樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2以上を混合して用いても良い。また、エマルジョンや水溶性樹脂の形態で用いても良い。さらに、これらの合成樹脂を形成する単量体の2以上を共重合させて用いても良い。
【0020】
前記中空樹脂粒子3は、合成樹脂製の殻を有する中空体であれば、任意に選択することができる。殻となる合成樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂等の熱可塑性合成樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性合成樹脂等が挙げられる。これらのうち、熱可塑性合成樹脂を用いたものを用いることが好ましい。熱可塑性合成樹脂を用いることにより、炭化水素等を封入した熱可塑性合成樹脂粒子を所定の温度で加熱して発泡させることによって容易に中空樹脂粒子を得ることができる。
【0021】
中空樹脂粒子を発泡させる前記炭化水素は任意に設定することができる。例えば、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2以上を混合して用いても良い。揮発性ガスのうち、ブタン、プロパン、ペンタンを用いることが好ましい。ブタン、プロパン、ペンタンを用いることにより80〜200℃で発泡させることができるため、加熱温度を低下させることができる。
【0022】
前記中空樹脂粒子に用いる熱可塑性合成樹脂の軟化温度は封入する炭化水素の気化温度に近いことが好ましい。熱可塑性合成樹脂の軟化温度は封入する炭化水素の気化温度に近いことにより効率的に発泡させることができる。
前記熱可塑性合成樹脂の軟化温度と封入する炭化水素の気化温度の差は好ましくは50℃以下、より好ましくは30℃以下、最も好ましくは20℃以下である。この範囲にあるとき、より効率的に発泡させることができる。
【0023】
前記熱可塑性合成樹脂としては例えば、メタクリル酸メチル樹脂、アクリル酸ブチル樹脂、アクリロニトリル樹脂等のアクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂等の塩素化樹脂、酢酸ビニル樹脂等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2以上を混合して用いても良い。また、これらの合成樹脂を形成するモノマーを共重合して用いても良い。これらのうち、メタクリル酸メチル樹脂、アクリロニトリル樹脂、メタクリロトリル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂又はこれらの共重合樹脂を用いることが好ましい。メタクリル酸メチル樹脂、アクリロニトリル樹脂、メタクリロトリル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂又はこれらの共重合樹脂を用いることにより、耐候性、耐溶剤性又は難燃性に優れた中空樹脂粒子3を得ることができるとともに、内包する炭化水素ガスのバリア性に優れる。
【0024】
前記中空樹脂粒子3の体積粒度分布の累積50%となる粒子径(以下、「累積50%粒子径」という。)は好ましくは10〜80μm、より好ましくは15〜60μm、最も好ましくは30〜50μmである。この範囲にあるとき、塗膜2の微細平滑性を確保することができるとともに、塗膜2に基材1面に対して垂直方向の圧力を受けた場合における適度な変形復帰率を付与することができる。中空樹脂粒子3の累積50%粒子径が10μm未満の場合には、比表面積が大きすぎて塗料組成物中に使用できる量が低下してしまい、基材1面に対して垂直方向の圧力を受けた場合における適度な変形復帰率を付与させることが十分でない。逆に80μmを超える場合には、塗膜2の微細平滑性を損なうため汚染が生じやすい。
なお、塗膜2の微細平滑性とは、前記凹凸差の測定のように数cm四方の面積中の凹凸意匠についての平滑性ではなく、塗膜2表面の数十〜数百μm四方の微細な面積中での平滑性をいう。
また、変形復帰率とは、前記塗膜2を無加重状態から、膜厚が無加重状態の膜厚の80%の状態になるまで圧縮して、すぐに圧力を解放したとき、無加重状態の膜厚に対する圧縮開放後の膜厚を百分率で表した数値(=膜厚80%の状態まで圧縮してすぐに圧力を解放したときの膜厚/無荷重状態の膜厚×100)をいう。
【0025】
前記累積50%粒子径は、一般にはレーザー回折式粒度分布測定器を用いて測定することができる。
【0026】
前記中空樹脂粒子3は各々が融着して二次粒子4を形成していることが必要である。図3(a)〜(d)に示すように、中空樹脂粒子3の各々が融着して二次粒子4を形成していることにより、二次粒子4として見かけ上の比表面積が増大し、塗料組成物の結合材としての合成樹脂との接触面積が増えるため、塗膜2を凹凸状に形成させた場合において、凸部が外力により変形を受けた場合であっても塗膜2が中空体を保持できる。
【0027】
前記中空樹脂粒子3の融着は未膨張の状態の樹脂粒子同士を圧着した状態で加熱することにより得ることができる。中空樹脂粒子3を融着させるために未膨張の状態の樹脂粒子にかける圧力は、好ましくは86〜200kPa、より好ましくは91〜150kPa、最も好ましくは95〜120kPaである。この範囲にあるとき、中空樹脂粒子3同士を適度に融着させることができる。未膨張の状態の樹脂粒子にかける圧力が、86kPa未満の場合には、中空樹脂粒子3同士の融着が十分でない。逆に200kPaを超える場合には、圧力が高すぎて中空樹脂粒子3が十分に発泡しないおそれがある。
【0028】
前記中空樹脂粒子3の融着は水蒸気又は80℃以上の温水中で行うことが好ましい。中空樹脂粒子3の融着は水蒸気又は温水中で行うことにより、中空樹脂粒子3を塊状に過剰に融着させることなく、数個〜数十個の単位で中空樹脂粒子3を適度に融着させることができる。
【0029】
前記中空樹脂粒子3全体に占める二次粒子4の割合は、好ましくは5〜40容量%、より好ましくは10〜30容量%、最も好ましくは15〜25容量%である。この範囲にあるとき、塗膜2の微細平滑性と凸部の塗膜2による中空樹脂粒子3の保持性に優れる。中空樹脂粒子3全体に占める二次粒子4の割合が5%未満の場合には、凹凸のある形状で塗膜2を形成させた場合において、特に凸部分において塗膜2による中空樹脂粒子3の保持が十分でないために、外力により変形を受けた場合などに、中空樹脂粒子3が塗膜2から脱落してしまう場合がある。その場合、塗膜2の中空樹脂粒子3が取れた部分に窪みが生ずるため、該窪みに汚染物質がたまりやすくなることで塗膜2の耐汚染性が低下する。逆に40容量%を超える場合には、塗膜2の微細平滑性が損なわれるため、汚染物質が付着しやすくなる。
【0030】
前記二次粒子4の累積50%粒子径は好ましくは50〜200μm、より好ましくは60〜150μm、最も好ましくは70〜120μmである。この範囲にあるとき、塗膜2の微細平滑性と凸部の塗膜2による中空樹脂粒子3の保持性に優れる。二次粒子4の累積50%粒子径が50μm未満の場合には、凹凸のある形状で塗膜2を形成させた場合において、特に凸部分において塗膜2による中空樹脂粒子3の保持が十分でないために、外力により変形を受けた場合などに、中空樹脂粒子3が塗膜2から脱落してしまう場合がある。その場合、塗膜2の中空樹脂粒子3が取れた部分に窪みが生ずるため、該窪みに汚染物質がたまりやすくなることで塗膜2の耐汚染性が低下する。逆に200μmを超える場合には、塗膜2の微細平滑性が損なわれるため、汚染物質が付着しやすくなる。
【0031】
前記中空樹脂粒子3の塗料組成物中に閉める体積は、好ましくは40〜90容量%、より好ましくは50〜80容量%、最も好ましくは55〜75容量%である。この範囲にあるとき、塗料組成物が形成する塗膜2に適度な変形復帰性を与えることができ、人が塗膜2に触れた場合であっても触れた人の皮膚を傷つけにくい。中空樹脂粒子3の塗料組成物中に閉める体積が40容量%未満の場合には、塗膜2の変形復帰性が十分でないため、皮膚を傷つけるおそれがあるとともに、凹凸形状が崩れて意匠が保持できないおそれがある。逆に90容量%を超える場合には,結合剤としての合成樹脂が相対的に少なくなるため、塗膜2による中空樹脂粒子3の保持性が低下する。
【0032】
前記塗膜2の変形復帰率は、好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上、最も好ましくは95%以上である。この範囲にあるとき、塗膜2に人が触れても肌を傷つけるおそれが少ない。塗膜2の変形復帰率が85%未満の場合には塗膜2に肌が触れた場合に傷つくおそれがある。
【0033】
前記充填材は通常の塗料に使用するものであれば任意に設定することができる。例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、クレー、マイカ、珪砂等が挙げられる。これらのうち、二酸化チタンと炭酸カルシウムを併用して用いることが好ましい。二酸化チタンと炭酸カルシウムを併用して用いることにより、二酸化チタン粒子の距離を適切に保つことができる。そのため、二酸化チタン粒子に可視光が照射された場合において、励起された電子が基底状態に戻るときに放つ2次光と隣接する二酸化チタン粒子の2次光との干渉が少なくなることで、効果的に光を散乱することができるため、少ない二酸化チタンの使用量で目的とする塗膜2の白度を得ることができる。
【0034】
前記二酸化チタン10質量部に対する炭酸カルシウム質量は好ましくは30〜250質量部、より好ましくは40〜180質量部、最も好ましくは50〜120質量部である。この範囲にあるとき、二酸化チタン粒子の距離を適切に保つことができる。そのため、二酸化チタン粒子に可視光が照射された場合において、励起された電子が基底状態に戻るときに放つ2次光と隣接する二酸化チタン粒子の2次光との干渉が少なくなることで、効果的に光を散乱することができるため、少ない二酸化チタンの使用量で目的とする塗膜2の白度を得ることができる。
【0035】
前記塗料組成物の粘度は、好ましくは50〜350dPa・s、より好ましくは100〜300dPa・s、最も好ましくは120〜250dPa・sである。この範囲にあるとき、塗料組成物によって形成される塗膜2に凹凸形状を付与することが容易となる。前記塗料組成物の粘度が50dPa・s未満の場合には、粘度が低すぎて凹凸形状を付与することが困難になる。逆に350dPa・sを超える場合には、粘度が高すぎて塗装作業が困難になる。
【0036】
前記塗料組成物には増粘剤に限らず、本発明の効果を損なわない限りにおいて、必要に応じて通常の塗料用添加剤を使用することができる。例えば、増粘剤、分散剤、消泡剤、造膜助剤、湿潤剤、凍結防止剤、着色顔料、体質顔料、架橋剤、金属膜、紫外線吸収剤、酸化防止剤、レベリング剤、シランカップリング剤、繊維、防腐剤、防カビ剤、防藻剤、pH調整剤等が挙げられる。
【0037】
以上の様に構成された塗料組成物は、以下の様に使用される。
図4に示すように、収容容器としての容積18リットルの金属製角缶5に比重0.98、粘度200dPa・sに調整された本発明の塗料組成物16リットルが収容されている。該塗料組成物の液面には、比重1.1、粘度350dPa・sに調整された水溶液 100質量部が塗料組成物の液面全体に薄く拡散され、水溶液層7を形成している。
【0038】
前記水溶液の組成は例えば、以下のようなものである。
水溶液の組成例:水100質量部、増粘剤としてのヒドロキシエチルセルロース3質量部、防腐剤0.1質量部。
【0039】
前記水溶液の粘度は塗料組成物の粘度を100とした場合、好ましくは120〜300であり、より好ましくは130〜250、最も好ましくは150〜220である。この範囲にあるとき、前記水溶液の比重が塗料組成物よりも大きい場合であっても、移動や運搬等による振動で水溶液が塗料組成物中に沈降してしまうことを抑制することができ、塗料組成物が収容中に乾燥して皮膜を形成してしまうことを抑制することができる。塗料組成物の粘度を100とした場合の水溶液の粘度が120未満の場合には、移動や運搬等による振動で水溶液が塗料組成物中に沈降してしまい、塗料組成物の液面が乾燥して皮膜を形成してしまうおそれがある。逆に、塗料組成物の粘度を100とした場合の水溶液の粘度が300を超える場合には、施工時に水溶液と塗料組成物とを混合して攪拌することで、塗料組成物の粘度が上昇してしまい、塗装作業が困難になるおそれがある。
【0040】
前記収容容器は通常の塗料を収容する容器であれば任意に設定することができる。例えば、金属製、プラスチック製等が挙げられる。また、収容容器の形状も角形に限らず任意に設定することができる。例えば、円筒型、楕円筒型、多面体等が挙げられる。
【0041】
前記水溶液層7は収容容器に収容された状態で、塗料組成物の液面全体に薄く広がっていることが好ましい。水溶液層7が収容容器に収容された状態で、塗料組成物の液面全体に薄く広がっていることにより、塗料組成物の液面からの水分蒸発を抑制し、収容容器に収容された状態での塗料組成物の皮膜形成を抑制することができる。
【0042】
前記水溶液の比重は好ましくは1.5以下、より好ましくは1.2以下、最も好ましくは1.1以下である。この範囲にあるとき、移動や運搬等による振動が加わっても、収容容器に収容させている塗料組成物の液面に拡散させることができる。
【0043】
前記増粘剤は通常の塗料に使用するものであれば任意に設定することができる。例えば、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース類、会合性ウレタン樹脂、ポリビニルアルコール等が挙げられる。これらのうち、塗料組成物に使用されているものと同じ増粘剤を用いることが好ましい。塗料組成物に使用されているものと同じ増粘剤を用いることにより、施工時に水溶液と塗料組成物とを混合して攪拌しても、塗料組成物の粘度特性を同一に保つことができる。
【0044】
また、前記水溶液には増粘剤に限らず、本発明の効果を損なわない限りにおいて、必要に応じて通常の塗料用添加剤を使用することができる。例えば、増粘剤、分散剤、消泡剤、造膜助剤、湿潤剤、凍結防止剤、着色顔料、体質顔料、架橋剤、金属膜、紫外線吸収剤、酸化防止剤、レベリング剤、シランカップリング剤、繊維、防腐剤、防カビ剤、防藻剤、pH調整剤等が挙げられる。
【0045】
前記収容容器から取り出された塗料組成物は、施工器具としての多孔質ローラーによって建築物の壁面に凹凸形状を持たせて施工される。施工後数時間が経過すると壁面に施工された塗料組成物は乾燥し、凹凸状の模様が付与された変形復帰率92%の塗膜2を形成する。
【0046】
前記凹凸状の模様が付与された塗膜2に人が触れた場合、該塗膜2は変形して圧力を吸収し、触れた人の皮膚を傷つけず、塗膜2中の中空樹脂粒子3は互いに融着しているため塗膜2内に保持されている。
【0047】
前記塗料組成物を塗付する対象は、建築物の壁面に限らず任意に設定することができる。例えば、内外壁、屋根、床、天井、扉等の建築材料、射出成型機、自動販売機等の製造設備、自動車、冷蔵庫、エアコン等が挙げられる。
【0048】
本実施形態は以下に示す効果を発揮することができる。
【0049】
・ 前記中空樹脂粒子3の累積50%粒子径が10〜80μmであることにより、塗膜2の微細平滑性を確保することができるとともに、基材1面に対して垂直方向の弾性を塗膜2に付与することができる。
【0050】
・ 前記中空樹脂粒子3の各々が融着して二次粒子4を形成していることにより、二次粒子4として見かけ上の比表面積が増大し、塗料組成物の結合材としての合成樹脂との接触面積が増えるため、塗膜2を凹凸状に形成させた場合において、凸部が外力により変形を受けた場合であっても塗膜2が中空体を保持できる。
【0051】
・ 前記中空樹脂粒子3全体に占める二次粒子4の割合が5〜40容量%であることにより、塗膜2の微細平滑性と凸部の塗膜2による中空樹脂粒子3の保持性に優れる。
【0052】
・ 前記塗膜2の変形復帰率が85%以上であることにより、塗膜2に人が触れても肌を傷つけるおそれが少ない。
【0053】
・ 前記塗料組成物の粘度を100とした場合の水溶液の粘度が120〜300であることにより、前記水溶液の比重が塗料組成物よりも大きい場合であっても、移動や運搬等による振動で水溶液が塗料組成物中に沈降してしまうことを抑制することができ、塗料組成物が収容中に乾燥して皮膜を形成してしまうことを抑制することができる。
【0054】
なお、本発明の前記実施形態を次のように変更して構成することもできる。
【0055】
・ 前記実施形態においては常温乾燥により塗膜2を形成させたが、加熱乾燥させても良い。
【0056】
・ 前記実施形態においては本発明の塗料組成物のみを塗付したが、下塗りを塗付後に塗料組成物を塗付しても良く、塗料組成物の塗付後に上塗りを塗付しても良い。
このように構成した場合、下塗りによる機能を付与させることができ、例えば、密着しづらい基材1に対しても密着性を向上させる、基材1の吸水が大きい場合にはその吸水を抑制する等の効果を得ることができる。また上塗を塗布した場合には、耐候性、耐水性、耐汚染性、着色性等を向上させることができる。
【0057】
次に、前記実施形態から把握される請求項に記載した発明以外の技術的思想について、それらの効果と共に記載する。
(1)前記塗料組成物により形成される塗膜2の変形復帰率が70%以上であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の塗料組成物。
このように構成した場合、塗膜2に人が触れても肌を傷つけるおそれが少ない。
(2)前記中空樹脂粒子全体に占める二次粒子4の割合が5〜40容量%であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の塗料組成物。
このように構成した場合、汚染物質が付着しにくくなる。
【実施例】
【0058】
以下、前記実施形態を具体化した実施例及び比較例について説明する。
試験は、幅75mm×長さ150mm×厚さ4mmのフレキシブル板に塗料組成物を200g/m2の塗付量で多孔質ローラーにより塗り付け、23℃65RH%の恒温室内で2週間乾燥させて試験体とした。はじめに試験体の塗膜2側表面を腕に載せ、軽く前後に動かして皮膚の傷つき具合を確認した。続いて、試験体を水平面に静置し、塗膜2表面に500gの分銅を載せた幅75mm×長さ150mm×厚さ4mmのフレキシブル板を載せ、試験体の水平長さ方向に3秒間かけて75mmずらして塗膜2表面の中空樹脂の保持状態を観察した。その後に試験体を屋外に南面に向けて角度30度で固定して3ヶ月間経過後の塗膜2の汚染状態を観察した。その後、試験体を長手方向に切断して塗膜表面の凹凸差を測定した。
【0059】
(実施例1)
実施例1の試験に用いた塗料組成物の組成は、希釈剤としての水20質量部、結合剤としての合成樹脂エマルジョン(アクリル樹脂、濃度50%)100質量部、中空樹脂粒子3としてのメタクリル酸メチル−アクリロニトリル共重合樹脂中空樹脂粒子10質量部、充填材としての二酸化チタン10質量部、充填材としての炭酸カルシウム100質量部、増粘剤1質量部である。この試験に用いた中空樹脂粒子3には二次粒子4が8容量%含まれていた。
試験の結果、皮膚は傷つかず、中空樹脂の保持状態は良好で、汚染状態も良好であった。塗膜の凹凸差は0.3mmであった。
【0060】
(実施例2)
実施例2の試験に用いた塗料組成物の組成は、希釈剤としての水20質量部、結合剤としての合成樹脂エマルジョン(アクリル樹脂、濃度50%)100質量部、中空樹脂粒子3としてのメタクリル酸メチル−アクリロニトリル共重合樹脂中空樹脂粒子10質量部、充填材としての二酸化チタン10質量部、充填材としての炭酸カルシウム100質量部、増粘剤1質量部である。この試験に用いた中空樹脂粒子3には二次粒子4が28容量%含まれていた。
試験の結果、皮膚は傷つかず、中空樹脂の保持状態は良好で、汚染状態も良好であった。塗膜の凹凸差は0.2mmであった。
【0061】
(実施例3)
実施例3の試験に用いた塗料組成物の組成は、希釈剤としての水20質量部、結合剤としての合成樹脂エマルジョン(アクリル−スチレン共重合樹脂、濃度55%)100質量部、中空樹脂粒子3としてのメタクリル酸メチル−アクリロニトリル共重合樹脂中空樹脂粒子10質量部、充填材としての二酸化チタン10質量部、充填材としての炭酸カルシウム100質量部、増粘剤1質量部である。この試験に用いた中空樹脂粒子3には二次粒子4が10容量%含まれていた。
試験の結果、皮膚は傷つかず、中空樹脂の保持状態は良好で、汚染状態も良好であった。塗膜の凹凸差は0.3mmであった。
【0062】
(実施例4)
実施例4の試験に用いた塗料組成物の組成は、希釈剤としての水20質量部、結合剤としての合成樹脂エマルジョン(アクリル−シリコーン共重合樹脂、濃度47%)100質量部、中空樹脂粒子3としての塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合樹脂中空樹脂粒子10質量部、充填材としての二酸化チタン10質量部、充填材としての炭酸カルシウム60質量部、増粘剤1質量部である。この試験に用いた中空樹脂粒子3には二次粒子4が19容量%含まれていた。
試験の結果、皮膚は傷つかず、中空樹脂の保持状態は良好で、汚染状態も良好であった。塗膜の凹凸差は0.4mmであった。
【0063】
(実施例5)
実施例5の試験に用いた塗料組成物の組成は、希釈剤としての水20質量部、結合剤としての合成樹脂エマルジョン(アクリル−シリコーン共重合樹脂、濃度47%)100質量部、中空樹脂粒子3としての塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合樹脂中空樹脂粒子10質量部、充填材としての二酸化チタン10質量部、充填材としての炭酸カルシウム60質量部、増粘剤1質量部である。この試験に用いた中空樹脂粒子3には二次粒子4が33容量%含まれていた。
試験の結果、皮膚は傷つかず、中空樹脂の保持状態は良好で、汚染状態も良好であった。塗膜の凹凸差は0.5mmであった。
【0064】
(実施例6)
実施例6の試験に用いた塗料組成物の組成は、希釈剤としての水20質量部、結合剤としての合成樹脂エマルジョン(アクリル樹脂、濃度50%)100質量部、中空樹脂粒子3としてのメタクリル酸メチル−アクリロニトリル共重合樹脂中空樹脂粒子10質量部、充填材としての二酸化チタン10質量部、充填材としての炭酸カルシウム100質量部、増粘剤1質量部である。この試験に用いた中空樹脂粒子3には二次粒子4が58容量%含まれていた。
試験の結果、皮膚は傷つかず、中空樹脂の保持状態は良好で、やや塗膜の汚染が見られた。塗膜の凹凸差は0.3mmであった。
【0065】
(実施例7)
実施例7の試験に用いた塗料組成物の組成は、希釈剤としての水20質量部、結合剤としての合成樹脂エマルジョン(アクリル樹脂、濃度50%)100質量部、中空樹脂粒子3としてのメタクリル酸メチル−アクリロニトリル共重合樹脂中空樹脂粒子10質量部、充填材としての二酸化チタン10質量部、充填材としての炭酸カルシウム100質量部、増粘剤1質量部である。この試験に用いた中空樹脂粒子3には二次粒子4が2容量%含まれていた。
試験の結果、皮膚は傷つかず、中空樹脂の保持状態は良好で、やや塗膜の汚染が見られた。塗膜の凹凸差は0.6mmであった。
【0066】
(実施例8)
実施例8の試験に用いた塗料組成物の組成は、希釈剤としての水20質量部、結合剤としての合成樹脂エマルジョン(アクリル樹脂、濃度50%)100質量部、中空樹脂粒子3としてのメタクリル酸メチル−アクリロニトリル共重合樹脂中空樹脂粒子30質量部、充填材としての二酸化チタン10質量部、充填材としての炭酸カルシウム100質量部、増粘剤1質量部である。この試験に用いた中空樹脂粒子3には二次粒子4が22容量%含まれていた。
試験の結果、皮膚は傷つかず、中空樹脂の保持状態は良好で、汚染状態も良好であった。塗膜の凹凸差は1.3mmであった。
【0067】
(比較例1)
比較例1の試験に用いた塗料組成物の組成は、希釈剤としての水20質量部、結合剤としての合成樹脂エマルジョン(アクリル樹脂、濃度50%)100質量部、中空樹脂粒子3としてのメタクリル酸メチル−アクリロニトリル共重合樹脂中空樹脂粒子10質量部、充填材としての二酸化チタン10質量部、充填材としての炭酸カルシウム100質量部、増粘剤1質量部である。この試験に用いた中空樹脂粒子3には二次粒子4が含まれていなかった。
試験の結果、皮膚は傷つかなかったが、中空樹脂の保持状態は一部が取れており、塗膜の汚染が見られた。塗膜の凹凸差は0.3mmであった。
【0068】
(比較例2)
比較例2の試験に用いた塗料組成物の組成は、希釈剤としての水20質量部、結合剤としての合成樹脂エマルジョン(アクリル樹脂、濃度50%)100質量部、充填材としての二酸化チタン10質量部、充填材としての炭酸カルシウム100質量部、増粘剤1質量部である。
試験の結果、皮膚が傷つき、汚染状態は良好であった。塗膜の凹凸差は0.5mmであった。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の塗料組成物により形成された塗膜を示す模式断面図である。
【図2】(a)、(b)本発明の塗料組成物により形成された塗膜の別例を示す模式断面図である。
【図3】(a)〜(d)中空樹脂粒子の二次粒子の状態を示した模式斜視図である。
【図4】本発明の塗料組成物の収容状態を示した模式断面図である。
【符号の説明】
【0070】
1 基材
2 塗膜
3 中空樹脂粒子
4 二次粒子
5 収容容器としての金属製角缶
6 塗料組成物
7 水溶液層



【特許請求の範囲】
【請求項1】
0.1〜1.5mmの凹凸差を付与して塗膜を形成させる塗料組成物であって、該塗料組成物が結合材としての合成樹脂と中空樹脂粒子とを含有しており、該中空樹脂粒子同士が融着して二次粒子を形成していることを特徴とする塗料組成物。
【請求項2】
前記中空樹脂粒子の塗料組成物中に閉める体積が40〜90容量%であることを特徴とする請求項1に記載の塗料組成物。
【請求項3】
比重が水よりも軽く相対粘度が100である塗料組成物が収容容器に収容されており、前記塗料組成物の液面に相対粘度120〜300に調整した水溶液を塗料組成物の液面に拡散させてあることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれか一項に記載の塗料組成物の収容方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−6591(P2011−6591A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−152126(P2009−152126)
【出願日】平成21年6月26日(2009.6.26)
【出願人】(000159032)菊水化学工業株式会社 (121)
【Fターム(参考)】