説明

塗装ハンガ及び塗装ハンガを用いた塗装装置

【課題】 ワークを吊り下げるハンガを吊り下げ手段に容易に取り付けることができる塗装用ハンガを提供することを目的とする。
【解決手段】 この発明の塗装用ハンガは、コンベア1に対して装着される搬送部材に設けられた係合フック13とワーク4を吊り下げるワークハンガ21との間に配され、係合フック13に装着される上部フック201とワークハンガ21と係合する下部フック202を備えるハンガ20であって、ハンガ20は、上部フック201と下部フック202との間にワークハンガ21を下部フック202側へ案内する円弧状案内突出部204が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、塗装ハンガ及び塗装ハンガを用いた塗装装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車部品、電子・電気機器や家具などの構成部品等を塗装する塗装ラインは、被塗装物となるワークをハンガに吊して搬送するオーバーヘッドコンベアを用いたコンベアラインなどが用いられる。
【0003】
塗装方法としてはいろいろな種類があるが、例えば、電着塗装は、複雑な形状を有する被塗装物であっても細部にまで塗装を施すことができ、自動的且つ連続的に塗装することができる。このことから自動車部品等の大型で複雑な形状を有する被塗装物のみならず、小さな部品の防錆性下塗り塗装などにも用いられている。
【0004】
電着塗装で部品を塗装する場合には、塗装される部品(被塗装物)がハンガと呼ばれる吊り掛け手段に吊り下げられて、コンベアなどの搬送手段により部品が移動し、電着浴の電着塗料に浸漬され、その間に部品と対極に電圧が印加された電着塗装が施される。
【0005】
塗装ライン上のコンベアは、コンベアなどに取り付けられる吊り下げ手段のフックにハンガを係合させてワークを吊り下げるように構成している(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−79464号公報(図1、図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、ワークが大型化するとワークの重量も増加する。ワークにハンガを取り付けた後、吊り下げ手段のフックにハンガを係合させる場合、フックに対するハンガの位置合わせが煩わしく、係合作業に手間がかかるという難点がある。特に、ワークの重量が増加すると、ワークを支えながらフックにハンガを係合させる作業は1人では困難になり、複数の作業員が必要になる。また、フックとハンガとの係合作業に失敗すると、ワークが落下し、ワークに傷がつくなどの問題があった。
【0008】
この発明は、上記した従来の問題点に鑑みなされたものにして、ワークを吊り下げるハンガを吊り下げ手段に容易に取り付けることができる塗装用ハンガ及びこの塗装ハンガを用いた塗装装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明の塗装用ハンガは、コンベアに対して装着される搬送部材に設けられた係合フックとワークを吊り下げるワークハンガとの間に配され、前記係合フックに装着される上部フックと前記ワークハンガと係合する下部フックを備えるハンガであって、前記ハンガは、上部フックと下部フックとの間に前記ワークハンガを下部フック側へ案内する案内突出部が設けられていることを特徴とする。
【0010】
また、前記ハンガは、上部フックと下部フックをつなぐ主軸部と、この主軸部に設けられた円弧状案内突出部と、を有するように構成することができる。
【0011】
また、前記円弧状案内突出部は、円弧状に折り曲げられた棒材を前記主軸部に固定されて形成することができる。
【0012】
また、前記円弧状突出部は、円弧状の板材を前記主軸部に固定されて形成することができる。
【0013】
この発明の塗装装置は、複数個のワークを所定の間隔を有してハンガを用いて上方より吊り下げられた状態で所定の搬送経路を移送する搬送機構部と、前記搬送経路の所定の位置に設置された塗装部と、前記搬送機構部に塗装前のワークを取り付けるワーク供給部と、前記搬送機構部に吊り下げられた塗装後のワークを取り外すワーク搬出部と、を備え、前記搬送機構部は、所定の搬送経路を形成するコンベアと、このコンベアに装着される搬送部材と、この搬送部材に装着された係合フックを有し、この係合フックとワークを吊り下げるワークハンガとの間に配され、前記係合フックに装着される上部フックと前記ワークハンガと係合する下部フックを備えるハンガを有し、このハンガは、上部フックと下部フックとの間に前記ワークハンガを下部フック側へ案内する案内突出部が設けられていることを特徴とする。
【0014】
また、前記ワーク供給部は、ワークを支持するリフタを備え、前記リフタ上に支持されたワークに係合されたワークハンガの上部フックが前記ハンガの案内突出部に達する高さになるように前記リフタの高さが調整されるように構成すればよい。
【0015】
前記リフタは、ワークを支持する箇所に緩衝材を設けるとよい。
【0016】
また、前記搬送機構部の搬送部材の移動に伴い、前記ワーク供出部に支持されたワークに係合されたワークハンガの上部フックが前記ハンガの案内突出部に沿って前記ハンガの下部フックに導かれ、前記ハンガの下部フックとワークハンガの上部フックが係合して前記リフタから離れて前記搬送機構部にワークが吊り下げられるように構成することができる。
【0017】
前記ワーク搬出部は、ワークを支持するリフタを備え、前記リフタ上に支持されたワークに係合されたワークハンガの上部フックが前記ハンガの案内突出部に達する高さになるように前記リフタの高さが調整されるように構成すればよい。
【0018】
前記リフタは、ワークを支持する箇所に緩衝材を設けるとよい。
【0019】
また、前記搬送機構部の搬送部材の移動に伴い、ワークに係合されたワークハンガの上部フックが前記ハンガの案内突出部に沿って前記ハンガの下部フックから離脱する方向導かれ、前記ハンガの下部フックとワークフックの上部フックが離脱し、前記ワークが前記リフタに支持されるように構成することができる。
【発明の効果】
【0020】
この発明は、搬送機構部の搬送部材に容易に塗装ハンガを構成するハンガを係合させることができ、ワークは係合するワークハンガはハンガの案内突出部に沿ってハンガの下部フックと係合するので、ワークを搬送機構部に容易且つ安全性よく吊り下げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】この発明の実施形態にかかる塗装ハンガを示し、コンベアに装着された搬送部材に塗装ハンガを介してワークを吊り下げた状態を示す斜視図である。
【図2】この発明の実施形態にかかる塗装ハンガを示し、コンベアに装着された搬送部材に塗装ハンガを介してワークを吊り下げた状態を示す正面図である。
【図3】この発明の実施形態にかかるハンガを示す斜視図である。
【図4】この発明の実施形態にかかるワークハンガを示す斜視図である。
【図5】この発明の実施形態にかかる塗装ハンガを示す斜視図である。
【図6】この発明にかかる塗装ハンガを用いてワークを電着塗装する塗装装置の電着浴部分の模式図である。
【図7】この発明の塗装装置におけるワーク供給部を示す模式図である。
【図8】この発明の塗装装置におけるワーク搬出部を示す模式図である。
【図9】この発明の他の実施形態にかかる塗装ハンガを示し、コンベアに装着された搬送部材に塗装ハンガを介してワークを吊り下げた状態を示す正面図である。
【図10】この発明のさらに他の実施形態にかかる塗装ハンガを示し、コンベアに装着された搬送部材に塗装ハンガを介してワークを吊り下げた状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
この発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付し、説明の重複を避けるためにその説明は繰返さない。
【0023】
図1は、この発明の実施形態にかかる塗装ハンガを示し、コンベアに装着された搬送部材に塗装ハンガを介してワークを吊り下げた状態を示す斜視図、図2は、この発明の実施形態にかかる塗装ハンガを示し、コンベアに装着された搬送部材に塗装ハンガを介してワークを吊り下げた状態を示す正面図、図3は、この発明の実施形態にかかるハンガを示す斜視図、図4はこの発明の実施形態にかかるワークハンガを示す斜視図である。
【0024】
図1、図2に示すように、搬送経路を構成するコンベア1に塗装用ハンガ2を介してワーク4が吊り下げられる。このコンベア1は、例えば、トロリーコンベアで構成されている。このコンベア1は、ローラ11、11で走行する複数のキャリア12がレール10内に設けられている。キャリア12には、塗装ハンガ2と係合する係合フック13が設けられ、この係合フック13に塗装ハンガ2を介してワーク4が吊り下げられる。複数のキャリア12に塗装ハンガ2を介してワーク2を吊り下げることにより、複数のワーク4がコンベア1により搬送される。
【0025】
尚、コンベア1は、トロリーコンベアに限らず、塗装ハンガ2を介してワーク4を吊り下げた状態で搬送できるものであればよい。
【0026】
この発明の塗装ハンガ2は、ハンガ20とワークハンガ21で構成される。図3に示すように、ハンガ20は、キャリア12に設けられた係合フック13に装着される上部フック201とワークハンガ21と係合する下部フック202を備える。
【0027】
図4に示すように、ワークハンガ21は、ハンガ20の下部フック202と係合する上部フック211と、ワーク4の孔41と係合する下部フック212と、両フック211、212を繋ぐ直線状の連結部213とを備えたS字型フックである。
【0028】
そして、図1ないし図3に示すように、この実施形態のハンガ20は、上部フック201と下部フック202をつなぐ主軸部203と、この主軸部203に設けられた円弧状案内突出部204と、を有する。円弧状案内突出部204は、円弧状に折り曲げられた棒材を主軸部203に固定されて形成されている。この円弧状案内突出部204は、ワークハンガ21の上部フック211を下部フック202側へ案内する。
【0029】
図5は、ハンガ20にワークハンガ21を係合させた状態を示す斜視図である。この図5に示すように、ワークハンガ21の上部フック211がハンガ20の下部フック202側へ案内されて、ワークハンガ21がハンガ20に係合される。
【0030】
図1、図2に示すように、ハンガ20は、キャリア12に設けられた係合フック13とワーク4を吊り下げるワークハンガ21との間に配設され、コンベア1にワーク4が吊り下げた状態で搬送される。
【0031】
次に、この発明にかかる塗装ハンガを用いてワークを塗装する塗装装置について説明する。図6は、この発明にかかる塗装ハンガを用いてワークを電着塗装する塗装装置の電着浴部分の模式図である。
【0032】
電着浴100には、電着塗料101が満たされており、塗装部としての電着浴100に塗装物であるワーク4が次々と搬入される。複数個のワーク4は所定の間隔を有してこの発明にかかる塗装ハンガ2を用いて上方より吊り下げられた状態で所定の搬送経路を構成するコンベア1により移送される。搬送経路の所定の位置に電着浴100が設置されている。
【0033】
ワーク4は、ワーク供給部5に設置されたリフタ50で支持される。このワーク供給部5でコンベア1のキャリアの係合フック13と係合したハンガ20の下部フック202にワーク4に係合させたワークハンガ21の上部フック211を係合させてワーク4がコンベア1に吊り下げられる。コンベア1は、図6に示すように、ワーク供給部5から電着浴100に向かって降下し、電着浴100からワーク搬出部6に向かって上昇するように構成されている。
【0034】
この実施形態のワーク4は、例えば、1600×1200mm、重量150Kg〜160Kg程度であり、リフタ50に支持されている。リフタ50には、ワークを支持する箇所にウレタン等で構成される緩衝材51が設けられており、ワーク4に傷等が付かないように構成している。
【0035】
上記したように、ハンガ20は、上部フック201と下部フック202との間にワークハンガ21を下部フック202側へ案内する円弧状案内突出部204が設けられている。ワークハンガ21をワーク4に係合させた状態で円弧状案内突出部204に沿わすようにワークハンガ21の上部フック211を配置する。ワーク4がコンベア1に沿って移動することにより、ワークハンガ21の上部フック211がハンガ20の円弧状案内突出部204に沿って移動し、ハンガ20の下部フック202とワークハンガ21の上部フック211とが係合し、ワーク4がコンベア1に吊り下げられるようになる。
【0036】
塗装ハンガ2はコンベア1により、矢印方向に所定の速度で移動する。各ワーク4が電着塗料101中に存在するときには、ワーク4が陰極となるように所定の電圧が印加されてカチオン電着塗装、即ちカチオン電着塗料の塗着成分が被塗物上に付着して、電着塗膜が形成される。
【0037】
電着塗膜が形成されたワーク4は、ワーク搬出部6にコンベア1により搬送される。ワーク搬出部6には、ウレタン等で構成される緩衝材61を備えたリフタ60が設定され、ワーク4は緩衝材61を介してリフタ60に支持され、ワークハンガ21の上部フック211とハンガ20の下部ハンガ202との係合が外れる。
【0038】
このようにして、この発明にかかる塗装ハンガ2を用いてワーク4を電着塗装し、塗装したワーク4をリフタ60上に載置して行くことができる。
【0039】
次に、ワーク供給部5について図7を参照してさらに説明する。図7は、この発明の塗装装置におけるワーク供給部を示す模式図である。
【0040】
ワーク供給部5は、ワーク4を支持するリフタ50を備える。リフタ50には緩衝材51が設けられている。この緩衝材51は、リフタ50上に載置されるワーク4に傷等が発生することを防止するために設けられている。用途によっては、緩衝材51を設けなくてもよい。そして、リフタ50は、緩衝材51上に支持されたワーク4に係合されたワークハンガ21の上部フック211がハンガ20の案内突出部204に達する高さになるように、その高さが調整されている。コンベア1のキャリア12に設けた係合フック13にハンガ20の上部フック201が係合され、キャリア12にハンガ20が装着される。ハンガ20自体は、重量も重くないので、キャリア12の係合フック13に容易にハンガ20の上部フック201を係合させることができる。そして、キャリア12の係合フック13に上部フック201を係合させたハンガ20の案内突出部204にワークハンガ21の上部フック211が達するようにリフト50の高さが調整されている。
【0041】
作業者は、ワーク4をリフタ50の緩衝材51上に支持した状態で、ワーク4の孔41にワークハンガ21の下部フック212を係合させる。この時、ワーク4は、リフタ50の緩衝材51上に支持されているので、作業者は、ワーク4を支える程度でよく、ワーク4が重くても安全且つ容易にワークホルダ21をワーク4に係合させることができる。そして、ワーク4に係合させたワークホルダ21をハンガ20の案内突出部204方向に軽く押す程度で保持する。図中波線で示すように、ワークホルダ21をハンガ20の案内突出部204に当接させる。
【0042】
図中矢印で示すように、コンベア1のキャリア12の移動に伴い、ワーク供出部5のリフタ50に支持されたワーク4に係合されたワークハンガ21の上部フック211がハンガ20の案内突出部204に沿ってハンガ20の下部フック202に導かれ、ハンガ20の下部フック202とワークハンガ21の上部フック211が係合する。そして、キャリア12がさらに移動すると、ワーク4が引っ張られ、リフタ50から離れる。そして、コンベア1にワーク4が吊り下げられることになる。この間、作業者は、ワーク4を持ち上げる必要もないので、力作業を必要としない。また、ワークハンガ21の上部フック211とハンガ20の下部フック202との間の係合が確実になってからキャリア12がワーク4を引っ張ることになるので、誤ってワーク4が脱落する虞が無くなり、ワーク4に落下等の傷をつけることなくまた安全性もよくワーク4をコンベア1に吊り下げることができる。
【0043】
次に、ワーク搬出部6について図8を参照してさらに説明する。図8は、この発明の塗装装置におけるワーク搬出部を示す模式図である。
【0044】
ワーク搬出部6は、ワーク4を支持するリフタ60を備える。リフタ60には緩衝材61が設けられている。この緩衝材61は、リフタ60上に載置されるワーク4に傷等が発生することを防止するために設けられている。用途によっては、緩衝材61を設けなくてもよい。このリフタ60は、緩衝材61上に支持されたワーク4に係合されたワークハンガ21の上部フック211がハンガ20の案内突出部204に達する高さになるように、その高さが調整されている。
【0045】
電着塗膜が形成されたワーク4は、ワーク搬出部6にコンベア1により搬送される。コンベア1は、ワーク搬出部6に向かって上昇するように設置されている。コンベア1にワーク4が吊り下げられた状態で、図中矢印で示すように、キャリア12の移動に伴い、ワーク4は上昇し、リフタ60まで案内される。リフタ60にワーク4が搬送されると、ワーク4をリフタ60の緩衝材61上に載せて支持する。
【0046】
リフタ60の高さはワーク4に係合されたワークハンガ21の上部フック211がハンガ20の案内突出部204に達するようにその高さを調整されている。このため、ワークハンガ21の上部フック212は、案内突出部204に沿ってハンガ20の下部フック202から離れる。そして、コンベア1のキャリア12の移動に伴い係合フック13に係合したハンガ20がワークハンガ20と離脱する。そして、キャリア13とハンガ20がコンベア1に沿って移動し、ワークハンガ21は、図中波線に示すように、ハンガ20から外れワーク4に下部フック212が係合した状態となる。作業者は、ワークハンガ21をワーク4から外すことで、塗装が終了したワーク4を簡単に搬出することができる。このように、キャリア12からワーク4を外す作業が、キャリア12の移動で簡単に行え、ワーク4がリフタ60で支持された状態で、ワークハンガ20の下部フック212をワーク4から外すという簡単な作業でワーク4を搬出できる。また、ワーク4に落下の虞もなくまた安全性もよくワーク4を搬出できる。
【0047】
図9は、この発明の他の実施形態にかかる塗装ハンガを示し、コンベアに装着された搬送部材に塗装ハンガを介してワークを吊り下げた状態を示す正面図である。この図9に示す実施形態は、ハンガの案内突出部の構成を変更したものであり、他の構成は上記した実施形態と同様であるので、同一箇所には同一符号を付し、ここでは説明を割愛する。
【0048】
図9に示す実施形態は、案内突出部204aを円弧状の板材を主軸部203に固定して形成している。この図9に示しように、案内突出部204aは、図2などに示すように棒材に限らず板材でも構成することができる。
【0049】
図10は、この発明のさらに他の実施形態にかかる塗装ハンガを示し、コンベアに装着された搬送部材に塗装ハンガを介してワークを吊り下げた状態を示す正面図である。この図10に示す実施形態は、ハンガの案内突出部の構成を変更したものであり、他の構成は上記した実施形態と同様であるので、同一箇所には同一符号を付し、ここでは説明を割愛する。
【0050】
図10に示すハンガ20は、1本の棒材を曲げて、上部フック201、下部フック202並びに案内突出部204bを設けたものである。この図10に示す実施形態は、他の実施形態のように、直線状の主軸部を有していない。このため構造が簡単になる。但し、強度的には、ワーク4の重量などを考慮する必要がある。
【0051】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0052】
自動車部品、電子・電気機器や家具などの構成部品等を塗装する塗装ラインに用いることができる。
【符号の説明】
【0053】
1 コンベア、12 キャリア、13 係合フック、2 塗装ハンガ、20 ハンガ、201 上部フック、202 下部フック、203 主軸部、204 円弧状案内突出部、21 ワークハンガ、211 上部フック、212 各部フック、4 ワーク、5 ワーク供給部、50 リフタ、6 ワーク搬出部、60 リフタ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンベアに対して装着される搬送部材に設けられた係合フックとワークを吊り下げるワークハンガとの間に配され、前記係合フックに装着される上部フックと前記ワークハンガと係合する下部フックを備えるハンガであって、前記ハンガは、上部フックと下部フックとの間に前記ワークハンガを下部フック側へ案内する案内突出部が設けられていることを特徴とする塗装用ハンガ。
【請求項2】
前記ハンガは、上部フックと下部フックをつなぐ主軸部と、この主軸部に設けられた円弧状案内突出部と、を有することを特徴とする請求項1記載の塗装用ハンガ。
【請求項3】
前記円弧状案内突出部は、円弧状に折り曲げられた棒材を前記主軸部に固定されて形成されていることを特徴とする請求項2に記載の塗装用ハンガ。
【請求項4】
前記円弧状突出部は、円弧状の板材を前記主軸部に固定されて形成されていることを特徴とする請求項2に記載の塗装用ハンガ。
【請求項5】
複数個のワークを所定の間隔を有してハンガを用いて上方より吊り下げられた状態で所定の搬送経路を移送する搬送機構部と、前記搬送経路の所定の位置に設置された塗装部と、前記搬送機構部に塗装前のワークを取り付けるワーク供給部と、前記搬送機構部に吊り下げられた塗装後のワークを取り外すワーク搬出部と、を備え、前記搬送機構部は、所定の搬送経路を形成するコンベアと、このコンベアに装着される搬送部材と、この搬送部材に装着された係合フックを有し、この係合フックとワークを吊り下げるワークハンガとの間に配され、前記係合フックに装着される上部フックと前記ワークハンガと係合する下部フックを備えるハンガを有し、このハンガは、上部フックと下部フックとの間に前記ワークハンガを下部フック側へ案内する案内突出部が設けられていることを特徴とする塗装装置。
【請求項6】
前記ワーク供給部は、ワークを支持するリフタを備え、前記リフタ上に支持されたワークに係合されたワークハンガの上部フックが前記ハンガの案内突出部に達する高さになるように前記リフタの高さが調整されることを特徴とする請求項5に記載の塗装装置。
【請求項7】
前記リフタは、ワークを支持する箇所に緩衝材が設けられていることを特徴とする請求項6に記載の塗装装置。
【請求項8】
前記搬送機構部の搬送部材の移動に伴い、前記ワーク供出部に支持されたワークに係合されたワークハンガの上部フックが前記ハンガの案内突出部に沿って前記ハンガの下部フックに導かれ、前記ハンガの下部フックとワークハンガの上部フックが係合して前記リフタから離れて前記搬送機構部にワークが吊り下げられることを特徴とする請求項5ないし請求項7のいずれか1項に記載の塗装装置。
【請求項9】
前記ワーク搬出部は、ワークを支持するリフタを備え、前記リフタ上に支持されたワークに係合されたワークハンガの上部フックが前記ハンガの案内突出部に達する高さになるように前記リフタの高さが調整されることを特徴とする請求項5に記載の塗装装置。
【請求項10】
前記リフタは、ワークを支持する箇所に緩衝材が設けられていることを特徴とする請求項9に記載の塗装装置。
【請求項11】
前記搬送機構部の搬送部材の移動に伴い、ワークに係合されたワークハンガの上部フックが前記ハンガの案内突出部に沿って前記ハンガの下部フックから離脱する方向導かれ、前記ハンガの下部フックとワークフックの上部フックが離脱し、前記ワークが前記リフタに支持されることを特徴とする請求項5ないし請求項10のいずれか1項に記載の塗装装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2011−131151(P2011−131151A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−292148(P2009−292148)
【出願日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【出願人】(505057288)株式会社ナカハラ (5)
【Fターム(参考)】