説明

塗装成形体用の樹脂組成物

【課題】成形時におけるバリの発生が少なく、成形品の外観が美しく、さらに成形品の塗装性も良い樹脂組成物を提供する。
【解決手段】A)ポリアミド6/66共重合体とポリアミド6及びポリアミド66の混合物、ポリアミド6/66共重合体とポリアミド6の混合物、ポリアミド6とポリアミド66の混合物、ポリアミド6/66共重合体とポリアミド66の混合物、から選ばれるいずれか1つ50〜90質量%、B)カルボン酸又はその無水物変性オレフィン樹脂、カルボン酸変性AS樹脂、カルボン酸変性アクリル樹脂、カルボン酸又はその無水物変性マレイミド樹脂、カルボン酸変性ABS樹脂、カルボン酸又はその無水物変性SEBS樹脂、カルボン酸又はその無水物変性EPDM、AS樹脂から選ばれる1種以上10〜50質量%、C)ガラス繊維及び/又は炭素繊維をAとB成分の合計100質量部に対し10〜150質量部含有する樹脂組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成形時におけるバリの発生が少なく、外観が美しい成形体が得られる樹脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ポリアミドとポリオレフィンからなるポリマーアロイ樹脂とテルペン系樹脂を配合したポリアミド系ポリマーアロイ樹脂組成物が記載されている。実施例1では、ナイロン6とポリプロピレンに対して、相溶化剤として無水マレイン酸変性ポリプロピレンを配合し、実施例7では、ナイロン66に対して無水マレイン酸変性EPDMを配合している。この組成物は、流動性が良く、機械的性質や耐熱性が良いことが記載されている(表1)。
【0003】
特許文献2には、ナイロン6、ナイロン66、ABS樹脂、無水マレイン酸をグラフトしたスチレン−マレイミド共重合体等を配合した組成物が記載されている(実施例の表I、II参照)。この組成物は、機械的性質や耐熱性が良いことが記載されている(表III)。
【0004】
特許文献3には、ABS樹脂、ナイロン6、マレイミド重合体等を配合した組成物が記載されている。この組成物は、耐熱性、機械的性質、成形品の外観、耐薬品性が良いことが記載されている(実施例の表3)。
【0005】
特許文献4には、ナイロン6、ナイロン12、マレイミド系共重合体、変性ポリオレフィン系共重合体対して、ガラス繊維、カーボン繊維等の繊維状フィラーを配合した組成物が記載されている。この組成物は、流動性(MFR)、機械的性質、耐熱性等が良いことが記載されている(実施例の表−3)。なお、繊維状フィラーは目的によって使い分けることが記載されており、表面状態が問題になるときはウィスカー系を使用することが記載されている(7欄4〜8行)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−143973号公報
【特許文献2】特表2004−521980号公報
【特許文献3】特許第3389652号公報
【特許文献4】特許第2735606号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記文献中、特許文献3では、成形品の表面外観が良いことが記載されているが、ガラス繊維等の繊維状充填剤を配合することは全く記載されていない。さらに特許文献4では、ガラス繊維等の繊維状フィラーを配合することが記載されているが、表面状態が問題になるときはウィスカーを使用することが記載されている。
【0008】
本願発明は、成形時におけるバリの発生が少なく、成形品の外観が美しく、さらに成形品の塗装性も良い樹脂組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、課題の解決手段として、
(A)ポリアミド系樹脂混合物であり、前記ポリアミド系樹脂混合物が下記の(A-1)〜(A-5)から選ばれるいずれか1つのもの50〜95質量%
(A-1)ポリアミド6とポリアミド66の共重合体、ポリアミド6及びポリアミド66の混合物
(A-2)ポリアミド6とポリアミド66の共重合体とポリアミド6の混合物、
(A-3)ポリアミド6とポリアミド66の混合物、
(A-4)ポリアミド6とポリアミド66の共重合体とポリアミド66の混合物、
(A-5)ポリアミド6とポリアミド66の共重合体
(B)カルボン酸無水物変性オレフィン樹脂、カルボン酸変性AS樹脂、カルボン酸変性アクリル樹脂、カルボン酸無水物変性マレイミド樹脂、カルボン酸変性ABS樹脂、カルボン酸無水物変性SEBS樹脂、カルボン酸無水物変性EPDM、AS樹脂から選ばれる1種以上を5〜50質量%
(C)ガラス繊維及び/又は炭素繊維を(A)及び(B)成分の合計100質量部に対して10〜150質量部含有する、樹脂組成物を提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の樹脂組成物は、成形時におけるバリの発生が少ない。さらに本発明の樹脂組成物は、ガラス繊維等を含有しているにも拘わらず外観が良いほか、塗装性の良い成形品を得ることができ、ガラス繊維を含有しているため、機械的性質も良い成形品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施例で使用したガラス繊維の長軸長さ/短軸長さの比率と断面形状を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<(A)成分>
(A)成分のポリアミド系樹脂混合物は、(A-1)〜(A-5)から選ばれるいずれか1つのものである。
(A-1)ポリアミド6とポリアミド66の共重合体、ポリアミド6及びポリアミド66の混合物
(A-2)ポリアミド6とポリアミド66の共重合体とポリアミド6の混合物
(A-3)ポリアミド6とポリアミド66の混合物
(A-4)ポリアミド6とポリアミド66の共重合体とポリアミド66の混合物
(A-5)ポリアミド6とポリアミド66の共重合体
【0013】
<(B)成分>
(B)カルボン酸無水物変性オレフィン樹脂、カルボン酸変性AS樹脂、カルボン酸変性アクリル樹脂、カルボン酸無水物変性マレイミド樹脂、カルボン酸変性ABS樹脂、カルボン酸無水物変性SEBS樹脂、カルボン酸無水物変性EPDM、AS樹脂から選ばれる1種以上である。(B)成分としては、さらに必要に応じてABS樹脂を含有することもできる。(B)成分は2種以上を組み合わせることが好ましい。
【0014】
(B)成分は、下記の(B-1)成分から選ばれるもの、下記の(B-1)成分と(B-2)成分の組み合わせからなるものが好ましい。
【0015】
(B-1)成分としては、カルボン酸変性AS樹脂、カルボン酸変性ABS樹脂、カルボン酸又はその無水物変性オレフィン樹脂、カルボン酸又はその無水物変性EPDM、マレイミド系モノマーを40質量%以上含むモノマー混合物から得られたカルボン酸又はその無水物変性マレイミド樹脂を挙げることができる。
(B-1)成分として更に好ましくは、カルボン酸変性AS樹脂、カルボン酸無水物変性EPDM、マレイミド系モノマーを40質量%以上含むモノマー混合物から得られたカルボン酸無水物変性マレイミド樹脂を挙げることができる。
【0016】
カルボン酸変性AS樹脂は公知のものであり、AS樹脂にアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸等から選ばれるカルボン酸が共重合したものを挙げることができる。
【0017】
カルボン酸変性ABS樹脂は公知のものであり、ABS樹脂にアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸等から選ばれるカルボン酸が共重合したものを挙げることができる。
【0018】
カルボン酸無水物変性オレフィン樹脂とカルボン酸又はその無水物変性EPDMは公知のものであり、いずれも末端に無水マレイン酸等が結合したものを挙げることができる。(B-1)成分としてカルボン酸又はその無水物変性EPDMを含有すると、成形時のバリの発生を抑制する効果が高められる。
【0019】
マレイミド系モノマーを40質量%以上(好ましくは45質量%以上、より好ましくは50質量%以上)含むモノマー混合物から得られたカルボン酸無水物変性マレイミド樹脂は、マレイミド系モノマー、不飽和ジカルボン酸無水物、その他芳香族ビニルモノマー等の共重合可能なモノマーから得られたものを挙げることができる。
【0020】
上記樹脂の製造方法は、個々のモノマー成分を重合することにより、目的組成の共重合体を製造する方法や、不飽和ジカルボン酸無水物と芳香族ビニルモノマー成分等を共重合した後、得られた共重合体とアンモニア又はメチルアミン、エチルアミン、アニリン等の第1級アミンを反応させて無水カルボン酸残基をイミド化することにより目的組成の共重合体を製造する方法があり、いずれを採用しても良い。
【0021】
前記モノマー混合物は、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−トルイルマレイミド、N−キシリールマレイミド、N−ナフチルマレイミド、N−t−ブチルマレイミド、N−オルトクロルフェニルマレイミド、N−オルトメトキシフェニルマレイミドから選ばれるマレイミド系単量体と、前記単量体と共重合できる他の単量体単位からなるものを挙げることができる。
【0022】
(B-2)成分はAS樹脂であるが、必要に応じて(B-2)成分としてABS樹脂も含有することができる。(B-2)成分としてAS樹脂を含有すると、特に塗装性の向上に効果があり、ABS樹脂を含有すると、成形時のバリの発生を抑制する効果が高められる。
【0023】
(B)成分として(B-1)成分と(B-2)成分を含有するときは、
(B)成分中の(B-1)成分の含有量は10〜100質量%が好ましく、15〜100質量%がより好ましく、15〜80質量%がさらに好ましく、20〜70質量%が特に好ましく、
(B)成分中の(B-2)成分の含有量は90〜0質量%が好ましく、85〜0質量%がより好ましく、85〜20質量%がさらに好ましく、80〜30質量%が特に好ましい。
【0024】
なお、(B-2)成分としてABS樹脂を含有するときには、組成物中のABS樹脂の含有量は5質量%以下である。
【0025】
<(C)成分>
(C)成分は、ガラス繊維及び炭素繊維のいずれか一方を使用するか、ガラス繊維と炭素繊維を併用する。
【0026】
ガラス繊維は、E−ガラス、D−ガラスからなるガラス繊維を挙げることができ、炭素繊維は、ポリアクリロニトリル系、ピッチ系、レーヨン系等からなるものを挙げることができる。
【0027】
(C)成分のガラス繊維又は炭素繊維は、長軸長さと短軸長さの比率(長軸長さ/短軸長さ)が1.0〜5.0の範囲のものが好ましく、1.2〜5.0の範囲のものがより好ましく、2.0〜5.0の範囲のものがさらに好ましく、3.0〜5.0の範囲のものが特に好ましい。なお、長軸長さと短軸長さの比率が1.0の場合は、断面が円形であることを意味する。
【0028】
(D)成分のガラス繊維又は炭素繊維は、幅方向の断面形状が円形(図1に示すガラス繊維1)のもの、楕円形、多角形(二等辺三角形、正三角形、長方形、正方形、六角形、台形、菱形等)又は前記の多角形で角のみに丸みが付けられているものでもよいが、略繭玉形(図1に示すガラス繊維2)、略長円形(図1に示すガラス繊維3)のものが特に好ましい。
【0029】
なお、略繭玉形は、長さ方向及び幅方向の2つの中心軸からみて、左右対称のものでもよいし、非対称(但し、近似した形状)のものでもよいことを意味し、略長円形は、長さ方向及び幅方向の2つの中心軸からみて、左右対称(但し、近似した形状)のものでもよいし、非対称のものでもよいことを意味する。
【0030】
本発明の組成物中、(A)、(B)、(C)成分の含有量は、以下のとおりである。
【0031】
(A)成分の含有量は50〜95質量%、好ましくは60〜90質量%、より好ましくは60〜85質量%、さらに好ましくは65〜80質量%である。
【0032】
(B)成分の含有量は5〜50質量%、好ましくは40〜10質量%、より好ましくは40〜15質量%、さらに好ましくは35〜20質量%である。
【0033】
(C)成分の含有量は、(A)及び(B)成分の合計100質量部に対して10〜150質量部であり、好ましくは20〜130質量部、より好ましくは30〜100質量部である。
【0034】
本発明の組成物は、上記課題を解決できる範囲内にて、必要に応じて、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、酸化防止剤、滑剤、可塑剤、難燃剤、離型剤等を含有することができる。
【実施例】
【0035】
実施例及び比較例
表1に示す各成分を用い、日本製鋼社製の二軸押出機TEX30α(スクリュー径32mm)にて、270℃で溶融混練し、ストランド状に押し出した後に冷却し、切断してペレットを得た(スクリュー回転数:250rpm、投入量:30kg/時間)。ガラス繊維は、サイドフィードを用いて、途中から投入した。各例の組成物について、下記の各試験をした。結果を表1に示す。
【0036】
(1)バリの評価
縦120mm×横120mm×厚み3mmの成形品を金型温度120℃で射出成形した時のバリの幅をキーエンス社製デジタルマイクロスコープYHX-200により測定し評価した。
○:バリの幅が30μm未満
△:バリの幅が30μm以上、50μm未満
×:バリの幅が50μm以上
【0037】
(2)成形品外観の評価
縦120mm×横120mm×厚み3mmの成形品を金型温度120℃で射出成形した時の外観を目視評価した。
○:フィラー浮きが無く、平滑で外観が良い。
△:一部にフィラー浮きが見られる。
×:全体にフィラー浮きが見られ、平滑性にも劣る。
【0038】
(3)塗装性の評価
射出成形で作製した平板(100×100×2mm)の表面をイソプロパノールで脱脂し、2液型アクリルウレタン塗料(カシュー(株)製,ストロン100)で塗装し、乾燥(80℃×2時間)後、JIS K5400-1990の碁盤目テスト法で100マスの残目を数えて、塗装性を評価した。○表示は、100/100を示している。
【0039】
(4)そりの評価
縦120mm×横120mm×厚み2mmのサイズに成形した平板を、平らな水平面の上に、開いたの中央部が水平面と接触するように(そりが生じている場合には各コーナー部が浮き上がるように)載置した。次に、各コーナー部を水平面に固定した後、固定したコーナー部に対して対角線上にあるコーナー部の水平面に対する高さ(持ち上がり高さ)を測定した。これを各コーナー部についても測定し、もっとも大きい持ち上がり高さについて、以下の基準で評価した。
◎:5mm未満
○:5mm以上8mm未満
△:8mm以上10mm未満
×:10mm以上
【0040】
(5)荷重たわみ温度
ISO75に準拠して測定した。
【0041】
(6)曲げ弾性率
ISO178に準拠して測定した。
【0042】
<(A)成分>
PA-1:ポリアミド6/66共重合体,宇部興産(株)のUBEナイロン5013B(温度25℃、96重量%硫酸中に樹脂濃度を 1g/100mlとして測定したときの相対粘度が2.5のポリアミド6/66共重合体)
PA-2:ポリアミド6/66共重合体,宇部興産(株)のUBEナイロン5023B(温度25℃、96重量%硫酸中に樹脂濃度を 1g/100mlとして測定したときの相対粘度が3.0のポリアミド6/66共重合体
PA-3:ポリアミド66,宇部興産(株)のUBEナイロン2015B(温度25℃、96重量%硫酸中に樹脂濃度を 1g/100mlとして測定したときの相対粘度が2.5のポリアミド66)
PA-4:ポリアミド6,宇部興産(株)のUBEナイロン1013B(温度25℃、96重量%硫酸中に樹脂濃度を 1g/100mlとして測定したときの相対粘度が2.5のポリアミド6)
<(B)成分>
酸変性マレイミド樹脂:スチレン47質量%−Nフェニルマレイミド51質量%−無水マレイン酸2質量%の共重合体,ガラス転移温度196℃,重量平均分子量12万,265℃10kgでのメルトフローレート:4
酸変性AS:スチレン71質量%,アクリロニトリル24質量%メタクリル酸5質量%
酸変性EPDM:Shanghai SUNNY New Technology Development CMG9802
AS樹脂:ダイセルポリマー(株)のセビアンN 050SF
ABS樹脂:日本エイアンドエル(株)のサンタック AT-08
<(C)成分>
ガラス繊維:日本電気硝子(株)製のECS-03-T-120,長軸長さ/短軸長さ=1.0(断面が円形)(図1参照)
ガラス繊維2:日東紡績(株),CSH 3PA-870S,長軸長さ/短軸長さ=2.0(断面が略繭玉形)(図1参照)
ガラス繊維3:日東紡績(株),CSG 3PA-820S,長軸長さ/短軸長さ=4.0(断面が略長円形)(図1参照)
【0043】
【表1】

【0044】
(C)成分のガラス繊維としてガラス繊維2、3を配合した実施例17〜19は、そりが小さく、特に実施例18、19はそりが小さかった。
表1の結果から、本発明の組成物は、各種成形品の成形材料として適していることが確認され、特にそりの小さい実施例17〜19の組成物は、薄肉成形品(例えば、厚さ0.4〜2.0mm)の成形材料として適していることが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明の樹脂組成物は、携帯電話の外装部材、自動車の内装部品及び外装部品等の成形用材料として利用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)ポリアミド系樹脂混合物であり、前記ポリアミド系樹脂混合物が下記の(A-1)〜(A-5)から選ばれるいずれか1つのもの50〜95質量%
(A-1)ポリアミド6とポリアミド66の共重合体、ポリアミド6及びポリアミド66の混合物
(A-2)ポリアミド6とポリアミド66の共重合体とポリアミド6の混合物、
(A-3)ポリアミド6とポリアミド66の混合物、
(A-4)ポリアミド6とポリアミド66の共重合体とポリアミド66の混合物、
(A-5)ポリアミド6とポリアミド66の共重合体
(B)カルボン酸変性オレフィン樹脂、カルボン酸変性AS樹脂、カルボン酸変性アクリル樹脂、カルボン酸変性マレイミド樹脂、カルボン酸変性ABS樹脂、カルボン酸変性SEBS樹脂、カルボン酸変性EPDM、AS樹脂から選ばれる1種以上を5〜50質量%
(C)ガラス繊維及び/又は炭素繊維を(A)及び(B)成分の合計100質量部に対して10〜150質量部含有する、樹脂組成物。
【請求項2】
前記(B)成分が、(B-1)成分と(B-2)成分の組み合わせからなるものであり、
前記(B-1)成分が、カルボン酸変性AS樹脂、カルボン酸変性ABS樹脂、カルボン酸又はその無水物変性オレフィン樹脂、マレイミド系モノマーを40質量%以上含むモノマー混合物から得られたカルボン酸又はその無水物変性マレイミド樹脂、カルボン酸又はその無水物変性EPDMから選ばれるものを10〜100質量%であり、
前記(B-2)成分が、AS樹脂0〜90質量%である、請求項1記載の樹脂組成物。
【請求項3】
前記(B)成分中、(B-1)成分の含有量が15〜80質量%、(B-2)成分の含有量が85〜20質量%である、請求項1又は2記載の樹脂組成物。
【請求項4】
さらに(B)成分としてABS樹脂を含んでおり、組成物中のABS樹脂の含有量は5質量%以下である、請求項1〜3のいずれか1項記載の樹脂組成物。
【請求項5】
(C)成分のガラス繊維又は炭素繊維が、幅方向の断面の長軸長さと短軸長さの比率(長軸長さ/短軸長さ)が1.2〜5.0の範囲のものである、請求項1〜4のいずれか1項記載の樹脂組成物。
【請求項6】
(C)成分のガラス繊維又は炭素繊維が、幅方向の断面の長軸長さと短軸長さの比率(長軸長さ/短軸長さ)が2.0〜5.0の範囲のものである、請求項1〜4のいずれか1項記載の樹脂組成物。
【請求項7】
(C)成分のガラス繊維又は炭素繊維が、幅方向の断面形状が略繭玉形又は略長円形のものである、請求項1〜6のいずれか1項記載の樹脂組成物。

【図1】
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【公開番号】特開2011−80029(P2011−80029A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−286182(P2009−286182)
【出願日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【出願人】(501041528)ダイセルポリマー株式会社 (144)
【Fターム(参考)】