説明

塗装機械

【課題】 冒頭に指摘した先行技術を前提に、本発明の課題は、環境に優しい改良された塗装機械を明示することである。
【解決手段】 送り管路(6)と還流管路(7)が残塗料および残溶剤を廃棄するための廃棄容器(15)に接続可能であり、送り管路(6)と還流管路(7)が、各容器の接続部分にて、送り管路(6)および還流管路(7)を塗料容器(5)、溶剤容器(9)または廃棄容器(15)に切り換えるための制御可能な第1、第2多路弁(10、20)に接続されており、塗料の廃棄、溶剤の充填、塗料の洗浄除去、溶剤の廃棄、塗料の再充填および塗料の継続移送が順次自動的に実行可能であるように多路弁(10、20)を制御するための制御機構(16)を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、単数または複数の対象物を塗装するための少なくとも1つのスプレーヘッドと、少なくとも塗料を塗料容器から送り管路を介してスプレーヘッドへと移送しかつ還流管路を介して塗料容器へと移送して戻すための1つのポンプとを有する塗装機械に関する。送り管路と還流管路は塗装機械を清浄にするために溶剤を有する溶剤容器に接続可能である。
【背景技術】
【0002】
このような塗装機械は、例えば部材、建物部品、自動車またはプリント基板を塗装するのに役立つ。
【0003】
特許文献1により塗装設備を清浄するための方法およびシステムが公知である。清浄システムは、塗料回路を溶剤で洗浄するために入口側を塗料回路の還流管路に接続し、出口側を送り管路に接続することができる。選択的に、清浄システムは入口側を送り管路に接続し、出口側を還流管路に接続することができる。
【0004】
特許文献2により自動的に作動するスプレー被覆装置の流路を清浄するための方法が公知であり、この装置はさまざまな被覆を順次塗布することができる。この方法では溶剤用圧力源と圧縮ガス貯蔵部が設けられる。溶剤と圧縮ガスは制御弁を介して混合弁に同時に供給される。溶剤とガスとの混合物はスプレー被覆装置の流路を通して送られる。
【0005】
塗料の固化もしくは凝固を防止するために、回路中で塗料をポンプによって循環させることが知られている。塗料は塗料容器から吸い込まれ、単数または複数のスプレーヘッドへと移送される。噴霧されなかった塗料の少なくとも一部は次に再び塗料容器へと移送して戻される。
【0006】
塗装プロセスの所要の品質を維持するために、このような塗装機械は定期的に清浄して固化した残塗料および摩損物質を廃棄しなければならない。例えば別の色の塗料等の別の塗料タイプを塗装に使用しなければならないときにも清浄は必要である。このため例えば冒頭に述べた塗装機械の清浄システムを使用することができる。しかしながら、このような塗装機械を清浄するために不利なことに溶剤が大量に必要とされる。これは、環境保護に対する要求の高まりを考慮するなら憂慮すべきことである。
【特許文献1】米国特許第7156112号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第4136000号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
冒頭に指摘した先行技術を前提に、本発明の課題は、溶剤による清浄において環境に優しい改良された塗装機械を明示することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の課題は、請求項1の特徴を有する塗装機械で解決される。塗装機械の有利な実施形態は従属請求項2〜10に明示されている。
【0009】
本発明によれば、送り管路と還流管路が残塗料および残溶剤を廃棄するための廃棄容器に接続可能である。送り管路と還流管路は、各塗装容器、溶剤容器、廃棄容器との接続部分にて、送り管路および還流管路を塗料容器、溶剤容器または廃棄容器に切り換えるための制御可能な第1、第2多路弁に接続されている。塗料の廃棄、溶剤の充填、塗料の洗浄除去、溶剤の廃棄、塗料の再充填および塗料の継続移送が順次自動的に実行可能であるように塗装機械は多路弁を制御するための制御機構を有する。
【0010】
大きな利点として、清浄段階の開始時に残塗料と塗料および溶剤から成る第1混合生成物を塗装機械から廃棄容器内に移送することによって、先行技術と比較して溶剤量は著しく減少する。
【0011】
他の利点として、先行技術と比較して溶剤用の特別な循環ポンプを駆動するための圧縮空気源は必要でない。
【0012】
1実施形態によれば、第1多路弁が3つの弁入口を有し、各1つの弁入口が塗料容器、溶剤容器または気体媒体に接続されている。気体媒体は特に周囲空気である。第2多路弁が3つの弁出口を有し、各1つの弁出口が塗料容器、溶剤容器または廃棄容器に接続されている。重要なことは、3つの弁入口から共通の送り管路への3つの可能な経路と共通の還流管路から弁出口への3つの可能な経路が調整可能であることである。このような多路弁は1つの構造ユニットとすることができる。選択的に、多路弁は単一の入口および出口を有する従来の弁の直列接続および/または並列接続によって実現しておくことができる。
【0013】
他の実施形態によれば、前記少なくとも1つのスプレーヘッドの上流側に遮断弁が設けられており、操作時にこの遮断弁がスプレーヘッドへの塗料の通過を許容する。換言するなら、遮断弁が制御機構によって制御されるときにのみ対象物は塗装される。塗装機械の極力すべての配管またはホース管路を清浄できるようにするために、遮断弁はスプレーヘッドの極力近傍に取付けられているのが有利となる。遮断弁からスプレーヘッドに至る残りの短い配管片またはホース管路片を清浄するために、遮断弁を短時間制御することができる。さらに、各々のスプレーヘッドの上流側に遮断弁が設けられることが好ましい。選択的に、すべてのスプレーヘッドまたはその一部の上流側にそれぞれ単に1つの遮断弁を設けておくこともできる。
【0014】
他の実施形態によれば、それぞれに制御可能な多路弁が、それぞれ他の塗料容器に接続された少なくとも1つの他の弁入口もしくは弁出口を有する。制御機構は、塗料の再充填と塗料の継続移送が接続された塗料容器の1つから選択的に実行可能であるように形成されている。これにより、異なる塗料タイプ、特に異なる塗料色を利用することができる。
【0015】
送り管路および/または還流管路中に濾過ユニットが設けられていることも有利になる。この濾過ユニットは塗装機械内で循環する塗料を濾過するのに役立つ。そこに集まる例えば固体残塗料または摩損物質等の濾過残渣は吐出し弁19を介して排出することができる。他の実施形態により吐出し弁が制御機構によって制御可能な吐出し弁である場合、吐出し弁が廃棄容器に接続されているとき濾過残渣は塗料および/または溶剤の廃棄中に廃棄容器内に廃棄することができる。
【0016】
好ましい1実施形態によれば、弁が圧縮空気操作可能である。各弁の上流側に圧縮空気弁が設けられており、この圧縮空気弁はそれぞれ制御機構によって電気制御可能であり、かつ圧縮空気管路を介して各弁と結合されている。圧縮空気制御の場合は、通常の可燃性溶剤の可能な突燃または爆発を防止する。
【0017】
1実施形態によれば、接続された容器の少なくとも1つの中に液位通知器が設けられている。各液位通知器は信号技術的またはデータ技術的に制御機構と結合されている。これにより、塗料及び特に溶剤が尽きると、制御機構によって警告通報を出力することができる。廃棄容器が上側液位に達すると、すなわち廃棄容器が満たされると、他の警告通報を出力することができる。場合によっては次に、制御機構によって塗装機械の更なる排出を停止させることができる。
【0018】
他の1実施形態によれば、スプレー液体の粘度を検出するための粘度測定ユニットが送り管路または還流管路中に設けられている。粘度測定ユニットは信号技術的またはデータ技術的に制御機構と結合されている。これにより、有利には、許容範囲の内部で所要の塗料粘度に関して循環する塗料の持続的検査が可能である。粘度測定ユニットは例えばいわゆるスタビンガー粘度計とすることができる。
【0019】
最後に、有利な1実施形態によれば、塗料および/または溶剤の光学特性を検出するための光学センサが送り管路または還流管路中に設けられている。光学センサは信号技術的またはデータ技術的に制御機構と結合されている。光学特性は例えば光透過率または色とすることができる。これにより、清浄の枠内で光透過率、すなわち溶剤の純度または清澄性を確定することができる。清浄段階中に塗料が廃棄された後、引き続き供給されて残塗料と混合された溶剤の清澄性増加を検出することができる。次に溶剤が所定の清澄値に達したなら、廃棄容器内への溶剤廃棄を停止して循環清浄段階に移行することができる。
【0020】
本発明と本発明の有利な実施が図に基づいてさらに詳しく説明される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
図1は本発明に係る塗装機械1の構造を例示的に示す。図1の右側部分にスプレーブース17が一部示してある。スプレーブース17内には対象物3を塗装するためのスプレーヘッド2が例示的に単に1つ配置されている。スプレーヘッドは対象物3を塗装するために詳しくは示さない移動メカニズムによって移動することができる。対象物3は例えば扁平構造群とすることができ、こうして扁平構造群に保護塗料が塗装される。スプレーヘッド2は入口側が送り管路6に接続されている。少なくとも塗料を移送するためのポンプ5が送り管路6中に設けられている。ポンプ4は入口側が塗料容器5に接続されており、この塗料容器5から塗料が吸い込まれる。スプレーヘッド2は噴霧されなかった塗料を戻すために出口側が還流管路7に接続されている。この還流管路7を介して塗料は塗料容器5へと移送して戻される。
【0022】
図1の下側部分に示してあるのは塗料容器5、溶剤容器9、そして本発明により残塗料および残溶剤を廃棄するための廃棄容器15である。本発明によれば送り管路6と還流管路7は廃棄容器15に接続可能もしくは接続されている。送り管路6と還流管路7は各容器(5、9、15)との接続部分にて、送り管路6および還流管路7を塗料容器5、溶剤容器9または廃棄容器15に切り換えるための制御可能な第1、第2多路弁10、20に接続されている。符号16は制御機構であり、多路弁10、20を制御するための制御機構16は塗料の廃棄、溶剤の充填、塗料の洗浄除去、溶剤の廃棄、塗料の再充填および塗料の継続移送を順次自動的に実行可能であるように形成されている。図示した制御機構16は特にプログラマブルコントローラシステム(PCS)である。選択的に、制御機構はPCまたは産業用コンピュータとすることができる。制御機構16自体は塗装機械1に配置しておくことができる。選択的に、制御機構は例えばイントラネット等のデータ網を介して塗装機械から離して配置しておくことができる。多路弁10、20を前記時間的順序で制御するためのソフトウェアプログラムは制御機構16で実行可能である。
【0023】
図1の中央部分に示した第1多路弁10は3つの弁入口11〜13を有する。第1弁入口11は塗料容器5に接続されている。第2弁入口12は溶剤容器9に接続されている。第3弁入口13は接続されず、すなわち開放されている。符号61〜63は管またはホースの態様の結合管路である。符号25は容器5、9、15の管路接続口である。多路弁10に書き込まれた矢印は、多路弁10が制御線路32を介して制御機構16によって制御されないときの多路弁の静止位置を示す。この切換位置S1のとき塗料は塗料容器5から第1多路弁10を通して送り管路6への共通の弁接続口14へと流れる。有利には第2切換位置S2のとき溶剤が送り管路6に流れ、第3切換位置S3のとき外気を送り管路6に吸い込むことができる。
【0024】
図1の左側部分に示した第2多路弁20は3つの弁出口21〜23を有する。第1弁出口21は塗料容器5と接続されている。第2弁出口22は溶剤容器9に接続されている。第3弁出口23は廃棄容器15に接続されている。符号71〜73はやはり管またはホースの態様の結合管路である。第2多路弁20に書き込まれた矢印は、この多路弁が他の制御線路33を介して制御機構16によって制御されないときの静止位置を示す。代表的にはこの切換位置S1のとき塗料は還流管路7から共通の弁接続口24を介して塗料容器5に還流する。有利には第2切換位置S2のとき溶剤が溶剤容器9へと還流する。有利には第3切換位置S3のとき残塗料および/または残溶剤が廃棄容器15内に流れる。
【0025】
図1の例において制御機構16は本発明に係る塗装機械1の清浄を開始するための切換手段30、特に押ボタンを有する。さらに、破線で示した選択的濾過ユニット18が送り管路6中に設けられている。濾過ユニット18内に集められる濾過残渣は吐出し弁19を介して排出することができる。図示されてはいないが吐出し弁19は廃棄容器15に接続しておくことができる。吐出し弁19が制御可能な吐出し弁19であると、濾過残渣は同様に塗料および/または溶剤の廃棄中に制御機構16を介して廃棄容器15内に廃棄することができる。
【0026】
図1の例ではさらにスプレーヘッド2の上流側に遮断弁8が設けられている。この遮断弁は弁位置E(オン)、A(オフ)に応じてスプレーヘッド2への塗料の通過を許容する。
【0027】
さらに、それぞれに制御可能な多路弁10、20は、それぞれ他の1つの塗料容器に接続される少なくとも1つの他の弁入口もしくは弁出口を有することができる。その場合制御機構16は、接続された塗料容器の1つから塗料の再充填と塗料の継続移送が選択的に実行可能であるように形成されている。これにより、対象物3を塗装するためのさまざまな塗料タイプまたは塗料色は制御機構16の相応するプログラミングまたは制御によって選択することができる。見易くする理由から図1には1つの塗料容器5のみが示してある。
【0028】
図1の例では弁8、10、19、20が制御機構16の電気信号を介して制御される。その代わりに、弁8、10、19、20は圧縮空気操作式弁とすることができ、これらの弁の上流側にそれぞれ1つの電気制御可能な圧縮空気弁が設けられている。圧縮空気弁は制御機構16によって電気制御することができ、圧縮空気弁では弁8、10、19、20が圧縮空気を介して制御される。図1の例において圧縮空気弁はやはり見易くする理由から図示されておらず、場合によっては容器5、9、15の内部または表面に配置されていることのある液位通報器、または送り管路6または還流管路7または塗料容器5内に設けられて塗料粘度を検出するための粘度測定ユニットも同様に図示されていない。同様に、塗料および/または溶剤の光学特性を検出するための光学センサの図示は省かれた。相応するセンサ信号は場合によっては制御機構16によって検出し、プロセス技術的に考慮することができる。
【0029】
図2は清浄サイクルの経過図式を例示的に示す。図2の左側部分の段は第1、第2多路弁10、20の切換位置S1〜S3と、塗装機械1のスプレーヘッド2の遮断弁8のオンオフ位置E、Aとを示す。左から右へと、実際的塗装ステップ「塗装」の後に始まる、清浄サイクルの時間的ステップが示してある。清浄サイクルの終了後、再び実際的塗装ステップ「塗装」がスタートする。作動切換位置S1〜S3、E、Aはそのオン状態をハッチングブロックとして示してある。
【0030】
「塗装」ステップのとき両方の多路弁10、20は切換位置S1にある。その場合塗料は塗料容器5からスプレーヘッド2へと移送される。塗料は、遮断弁8のオン時間の間噴霧され、オフ時間の間は第2多路弁20を介して塗料容器5に戻される。
【0031】
後続の「廃棄」ステップのとき両方の多路弁10、20は切換位置S3にある。塗装機械1内に存在する塗料は第2多路弁20を介してポンプ4によって廃棄容器15内に廃棄され、同時に、排出された塗料容積を補充するために外気が第1多路弁10を介して取り入れられる。
【0032】
次の「吸込み+溶剤清澄」ステップにおいて第1多路弁10が切換位置S3から切換位置S2に切り換わる。その場合、ポンプ4によって第1多路弁10を介して溶剤が吸い込まれ、この溶剤はまず送り管路6、次に還流管路7を洗浄し、徐々に「汚れ」る。汚れた溶剤は還流管路7の最後で廃棄容器15内に廃棄される。このステップは時間な制御をすることができる。制御機構16の光学センサは、代表的には透明な溶剤の所定の純度または清澄度が達成されたことを通知するのが好ましい。
【0033】
これが該当する場合、第2多路弁20は「清浄」ステップにおいて同様に切換位置S2に切り換わる。いまや塗装機械1内にある溶剤は循環し、塗装作業の過程で管、ホースおよび計器類に付着した残塗料を時間とともに溶かす。「清浄」ステップでは、遮断弁8からスプレーヘッド2に至る管路部分内の残塗料を清浄するために、遮断弁8は短時間制御することができる。有利には、所定の清浄時間の経過後、両方の多路弁10、20は「廃棄」ステップにおいて切換位置S3に切り換わる。塗装機械1内に存在する溶剤は第2多路弁20を介してポンプ4によって廃棄容器15内に廃棄され、同時に第1多路弁10を介して外気が取り入れられる。
【0034】
次の「吸込み+塗料清澄」ステップにおいて第1多路弁10は切換位置S3から切換位置S1に切り換わる。その場合ポンプ4によって第1多路弁10を介して新たな塗料が吸い込まれ、この塗料はまず送り管路6、次に還流管路7を貫流する。新たな塗料のうちこれによって最初に移送される部分は残溶剤によってなお希釈され、噴霧、すなわち塗装には適していない。この塗料部分は還流管路7の最後に廃棄容器15に廃棄される。このステップは時間制御しておくことができる。制御機構16の光学センサは、有利には、所定の色飽和値が光学特性として達成されていることを知らせる。
【0035】
複数の塗料容器が設けられ、多路弁10、20が他の塗料を吸い込みかつ還流するための他の入口および出口と他の切換位置とを有する場合、相応する色センサが必要である。使用される塗料の光学特性データを相応に検出された色値および色飽和値と比較することによって、所要の塗料品質の達成を示す信号を発生することができる。この比較は、例えば制御機構16の好適なソフトウェアルーチンによって実施することができる。
【0036】
多路弁10、20を切換位置S1に切換えると清浄サイクルは終了する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明に係る塗装機械の構造を例示的に示す。
【図2】清浄サイクルの経過図式を例示的に示す。
【符号の説明】
【0038】
2 スプレーヘッド
3 対象物
4 ポンプ
5 塗料容器
6 送り管路
7 還流管路
8 遮断弁
9 溶剤容器
10 多路弁
11〜13 弁入口
15 廃棄容器
16 制御機構
18 濾過ユニット
19 吐出し弁
20 多路弁
21〜23 弁出口
A、E 弁位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
単数または複数の対象物(3)を塗装するための少なくとも1つのスプレーヘッド(2)と、少なくとも塗料を塗料容器(5)から送り管路(6)を介してスプレーヘッド(2)へと移送しかつ還流管路(7)を介して塗料容器(5)へと移送して戻すための1つのポンプ(4)とを有する塗装機械であって、この塗装機械を清浄にするために送り管路(6)と還流管路(7)が溶剤を溜める溶剤容器(9)に接続可能であるものにおいて、
送り管路(6)と還流管路(7)が残塗料および残溶剤を廃棄するための廃棄容器(15)に接続可能であり、送り管路(6)と還流管路(7)が、上記各容器(5、9、15)との接続部分にて、送り管路(6)および還流管路(7)を塗料容器(5)、溶剤容器(9)または廃棄容器(15)に切り換えるための制御可能な第1、第2多路弁(10、20)に接続されており、塗料の廃棄、溶剤の充填、塗料の洗浄除去、溶剤の廃棄、塗料の再充填および塗料の継続移送が順次自動的に実行可能であるように上記多路弁(10、20)を制御するための制御機構(16)を有する塗装機械。
【請求項2】
第1多路弁(10)が3つの弁入口(11〜13)を有し、各1つの弁入口(11〜13)がそれぞれ塗料容器(5)、溶剤容器(9)または気体媒体に接続されており、第2多路弁(20)が3つの弁出口(21〜23)を有し、各1つの弁出口(21〜23)がそれぞれ塗料容器(5)、溶剤容器(9)または廃棄容器(15)に接続されている請求項1記載の塗装機械。
【請求項3】
前記少なくとも1つのスプレーヘッド(2)の上流側に遮断弁(8)が設けられており、弁位置(E、A)に応じてこの遮断弁がスプレーヘッド(2)への塗料の通過を許容しまたは許容しない請求項1または2記載の塗装機械。
【請求項4】
それぞれに制御可能な多路弁(10、20)が、それぞれ他の塗料容器にも接続された少なくとも1つの他の弁入口もしくは弁出口を有し、制御機構(16)は塗料の再充填と塗料の継続移送が塗料容器のうちの1つから選択的に実行可能であるように形成されている請求項1ないし3のいずれか1つに記載の塗装機械。
【請求項5】
送り管路(6)および/または還流管路(7)中に濾過ユニット(18)が設けられており、濾過ユニット(6)内に集められた濾過残渣が吐出し弁(19)を介して排出可能である請求項1ないし4のいずれか1つに記載の塗装機械。
【請求項6】
制御可能な吐出し弁(19)が設けられており、この制御可能な吐出し弁(19)が廃棄容器(15)に接続され、この吐出し弁が制御機構(16)によって、塗料および/または溶剤の廃棄中に、濾過残渣を廃棄するために制御可能である請求項5記載の塗装機械。
【請求項7】
弁(8、10、19、20)が圧縮空気操作可能であり、各弁(8、10、19、20)の上流側に圧縮空気弁が設けられており、この圧縮空気弁はそれぞれ制御機構(16)によって電気制御可能であり、かつ圧縮空気管路を介して各弁(8、10、19、20)と結合されている請求項1ないし6のいずれか1つに記載の塗装機械。
【請求項8】
接続された容器(5、9、15)の少なくとも1つのなかに液位通知器が設けられており、各液位通知器が信号技術的またはデータ技術的に制御機構(16)と結合されている請求項1ないし7のいずれか1つに記載の塗装機械。
【請求項9】
スプレー液体の粘度を検出するための粘度測定ユニットが送り管路(6)または還流管路(7)中に設けられており、粘度測定ユニットが信号技術的またはデータ技術的に制御機構(16)と結合されている請求項1ないし8のいずれか1つに記載の塗装機械。
【請求項10】
塗料および/または溶剤の光学特性を検出するための光学センサが送り管路(6)または還流管路(7)中に設けられており、光学センサが信号技術的またはデータ技術的に制御機構(16)と結合されている請求項1ないし9のいずれか1つに記載の塗装機械。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−131842(P2009−131842A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−302715(P2008−302715)
【出願日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【出願人】(390039413)シーメンス アクチエンゲゼルシヤフト (2,104)
【氏名又は名称原語表記】Siemens Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】Wittelsbacherplatz 2, D−80333 Muenchen, Germany
【Fターム(参考)】