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塗装物
説明

塗装物

【課題】 トップクリヤー塗膜に白色や黒色を有する無彩着色樹脂微粒子を含有させ、艶消し効果ともに見る角度により色相変化を有する意匠性塗装物が記載されている。しかし、無彩着色樹脂微粒子を含有させ艶消し効果を付与すると深み感や奥行き感を得ることができない問題があった。
【解決手段】 少なくとも被塗物の表面を直接的または間接的に被覆した光輝性顔料を含有するクリヤー塗膜層上に、鱗片状の無彩色顔料を含有するクリヤー塗膜を形成したことを特徴とする塗装物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、意匠性を有する塗装物に関するものである。
特に、万年筆やボールペン、シャープペンシルなどの筆記具や、口紅やアイライナーなどの容器、釣り竿、ドアノブ、手摺りなどの非平面(筒状部材など)に形成された塗装物が挙げられる。
【背景技術】
【0002】
日本の伝統工芸である漆塗りに代表される色調として漆黒がある。漆黒塗りの物品は、深み感や奥行き感があるとされ古くから珍重されている。一方、近年は、自動車への塗装や、携帯電話などへの塗装として、輝度感のある所謂メタリック塗装やパール塗装が多く用いられている。しかし、メタリック塗装やパール塗装などは、輝度感を向上させるために色調を暗くすることは避けられ、一見、黒みをおびた無彩色の色調を呈し、見る角度によりメタリック感やパール感を付与することは困難であるとされてきた。
【0003】
文献1には、カラーベース塗膜上に干渉性顔料を含有するクリヤー塗膜を形成し、さらに無彩着色樹脂微粒子を含有するクリヤー塗膜を形成する塗膜構造が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−273334号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されている塗膜構造は、トップクリヤー塗膜に白色や黒色を有する無彩着色樹脂微粒子を含有させ、艶消し効果とともに見る角度により色相変化を有する意匠性塗装物が記載されている。しかし、無彩着色樹脂微粒子を含有させ、艶消し効果をトップクリヤー塗膜に付与すると、入射した光(入射光)及び/又は下層から反射した光(反射光)がトップクリヤー塗膜で乱反射を起こし、塗膜上に磨りガラスを配置させたような状態となり、その結果、塗膜全体が曇った感じとなり深み感や奥行き感を得ることができない問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
少なくとも被塗物の表面を直接的または間接的に被覆した光輝性顔料を含有するクリヤー塗膜層上に、鱗片状の無彩色顔料を含有するクリヤー塗膜を形成したことを第1の要旨とし、前記光輝性顔料を含有するクリヤー塗膜は、干渉色を有する光輝性顔料と、その干渉色と略補色の関係にある干渉色を有する光輝性顔料とを含有することを第2の要旨とし、前記鱗片状の無彩色顔料が、黒色系の顔料であることを第3の要旨とし、前記塗装物を筒状部材に用いたことを第4の要旨とするものである。
尚、本発明の色調である「無彩色」、「干渉色」、「その干渉色と略補色の関係にある干渉色」及び「黒色系」などは、各顔料を含んだ塗膜が乾燥した状態(液媒体を含まない状態)におけるものを示す。
【0007】
被塗物の材質は、塗装できる材料であればよく、特に限定されない。具体的には、アルミニウムまたはその合金、銅またはその合金、鉄またはその合金、亜鉛またはその合金、マグネシウムまたはその合金、チタンまたはその合金、金またはその合金、銀またはその合金、白金またはその合金、スズまたはその合金、ニッケルまたはその合金などの金属材料、塩化ビニル、ポリスチレン、アクリル、ポリカーボネート、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体、アクリロニトリルスチレン共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリアミド、ナイロン、ポリアセタールなどの熱可塑性樹脂材料、ポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系などの熱可塑性エラストマー、シリコーン、スチレンブタジエン、ウレタン、ブタジエン、イソプレン、フッ素などの合成ゴムや天然ゴム、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シアネート樹脂、尿素樹脂、グアナミン樹脂などの熱硬化樹脂材料、アルミナ、ジルコニア、陶磁器、ガラスなどのセラミック材料、木材、紙、石などの天然材料などを用いることができる。
また、これらの材料は1種または2種以上の混合物であってもよい。さらに、これらの材質には、予め湿式めっき法や乾式めっき法、塗装、印刷、化成処理やクロメート処理などの公知の方法により、ニッケルやクロムや黒クロムなどの金属めっき層、あるいは金や銀やパラジウムなどの貴金属めっき層、塗膜層、印刷層、接着層、酸化物層などの下地処理層を形成してもよい。特に無彩色を有する下地処理層を形成すると、上層に形成される光輝性顔料を含有するクリヤー塗膜層の干渉現象が効果的に発現される。
【0008】
光輝性顔料を含有するクリヤー塗膜層を形成する塗料は、少なくとも光輝性顔料と、液媒体を含んでいればよい。液媒体として有機溶剤を使用した有機溶剤系塗料や、水または水と有機溶剤を混合した溶液を使用した水系塗料であれば特に限定しない。
前記光輝性顔料は、アルミニウムまたはその合金、銅またはその合金、鉄またはその合金、亜鉛またはその合金、マグネシウムまたはその合金、チタンまたはその合金、金またはその合金、銀またはその合金、白金またはその合金、スズまたはその合金、ニッケルまたはその合金、クロムまたはその合金、コバルトまたはその合金などの金属や、前記金属の酸化物や窒化物などを公知の方法により粉砕したメタリック顔料や、雲母やマイカなどのケイ酸塩鉱物またはケイ酸塩化合物、ガラスなどの二酸化ケイ素を原料とする化合物または反応物、シリカなどのケイ素を原料とする化合物または反応物、アルミニウムまたはその合金、銅またはその合金、鉄またはその合金、亜鉛またはその合金、マグネシウムまたはその合金、チタンまたはその合金、金またはその合金、銀またはその合金、白金またはその合金、スズまたはその合金、ニッケルまたはその合金、クロムまたはその合金、コバルトまたはその合金などの金属の表面をチタンや亜鉛や鉄などの酸化物や窒化物で被覆したパール顔料(エフェクト顔料)や、ガラスフレークやガラスフレークの表面をニッケルや銀などの金属もしくは金属酸化物で被覆した特殊顔料などが使用できる。特に干渉色を有するパール顔料が見る角度により色調の変化を付与でき好適に使用でき、シリカや酸化アルミニウムの表面に二酸化チタンや酸化鉄を被覆したものが色調の変化が大きくて良い。
また、そのパール顔料が呈する干渉色と略補色の関係にある他のパール顔料とを混合させ、少なくとも2種以上のパール顔料を使用することにより、見る角度により七色的な色調への変化が可能となる。具体的には、マンセルの色相環における対角線上の色調(干渉色)を呈するパール顔料を使用することで略補色関係となる。例えば赤系を呈するパール顔料と緑系を呈するパール顔料を使用することにより、見る角度により赤系や緑系の干渉色だけでなく、青系や黄系の干渉色を呈することが可能となる。
【0009】
前記鱗片状の無彩色顔料を含有するクリヤー塗膜層を形成する塗料は、少なくとも無彩色顔料と、液媒体を含んでいればよい。液媒体として有機溶剤を使用した有機溶剤系塗料や、水または水と有機溶剤を混合した溶液を使用した水系塗料であれば特に限定しない。
本発明で最も重要な無彩色顔料は、鱗片状であることが必要であり、塗膜中で鱗片状の無彩色顔料が並列に並び、且つ無彩色顔料の色調が黒色から濃いグレーの黒色系で非光透過性を呈することが最も好適に効果が発現できる。
【0010】
前記光輝性顔料を含有するクリヤー塗膜層を形成する塗料と、鱗片状の無彩色顔料を含有するクリヤー塗膜層を形成する塗料にバインダー樹脂を添加することで、塗膜物性や被塗物などとの密着性を向上させることができる。使用できるバインダー樹脂は、一般に塗膜形成用として用いられる樹脂であえばよく、特に限定されない。例えば、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、シリコーンアクリル樹脂、塩化ビニル樹脂などの合成樹脂であればよい。また添加剤として、ポリイソシアネートなどの硬化剤、ポリエチレンやポリプロピレンなどのワックス類、可塑剤、ポリエステルやポリカーボネートやポリウレタンなどの塗膜改質剤、分散剤などを適宜添加してもよい。
【0011】
本発明におけるクリヤー塗膜層とは、光透過性を有していればよい。また、上層及び/又は下層にクリヤー塗膜、カラークリヤー塗膜、パールクリヤー塗膜、メタリック塗膜、薄膜蒸着膜などの光透過性層を全面及び/又は部分的に形成してもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、光輝性顔料を含有するクリヤー塗膜層上に、鱗片状の無彩色顔料を含有するクリヤー塗膜を形成することにより、正面から見た場合に無彩色を有し、傾めから見た場合には光輝性を有する無彩色の色調を呈することで、深み感や奥行き感を発現させた塗装物を得ることができる。
さらに、前記光輝性顔料をパール顔料とその干渉色と略補色の関係にある干渉色を呈するパール顔料とを混合することで、見る角度により七色的な色調への変化が可能となり、深み感や奥行き感を向上させることができる。
さらに、前記鱗片状の無彩色顔料が並列に並び、且つ無彩色顔料の色調が黒色系で非光透過性を呈することで、正面から見た場合に下層にある光輝性顔料の影響がなくなるので、黒色系を有し最も効果のある塗装物が得られ、塗装物が非平面の筒状部材を用いることで、見る角度を変えなくとも黒色系の無彩色と干渉色が混在した神秘的な深み感と奥行き感のあるモノトーンパール塗装物を得ることができる。
【0013】
さらに、本発明の効果を図を用いて具体的に説明する。図1は、本発明の塗装物の部分塗膜断面模式図である。
塗膜構成は、被塗物1上に光輝性顔料3を含有するクリヤー塗膜2と、鱗片状の無彩色顔料5を含有するクリヤー塗膜4からなっている。本発明においては、無彩色顔料5が鱗片状であることが効果を付与する重要な要因である。鱗片状の無彩色顔料5があることにより、図中の見る位置A(正面)から見た場合は、鱗片状の無彩色顔料5の発色が高くなり、その結果塗装物は無彩色となる。一方、見る位置B(傾め)から見た場合は、鱗片状の無彩色顔料5間の隙間より、下層にある光輝性顔料3の発色が高くなる。このように見る角度により、無彩色から光輝性を有する色彩となる。
ここで、人がものを見た場合、深み感や奥行き感を感じるメカニズムを説明する。人は目でものを見る場合、右目と左目で見たものの形状や色彩などの差(距離や、大きさや、色調など)所謂両眼差視の作用により深み感や奥行き感などを感じるとされている。本発明の塗装物は、見る角度により、色調が変化することを利用し、無彩色と全く発色形態の異なる光輝性の色調を無彩色の下層より見せることにより、距離感の差と色調の差を発現させ、両眼差視の作用とともに発現する目の錯覚により深み感と奥行き感を付与するものである。
図3は、筒状部材を用いた部分塗膜断面模式図である。
筒状部材を用いた場合は、図1で説明した作用に追加し、無彩色に見える部分と光輝性の色調が見える部分の位置関係が極端に狭くなり、前記距離感の差に対して、色調の差が大きくなり、目の錯覚による神秘的な色調となり、より深み感と奥行き感を付与されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の塗装物の部分塗膜断面模式図(平面部材)
【図2】本発明の塗装物の部分塗膜断面模式図(平面部材)
【図3】本発明の塗装物の部分塗膜断面模式図(非平面部材(筒状部材))
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、光輝性顔料を含有するクリヤー塗膜層上に、鱗片状の無彩色顔料を含有するクリヤー塗膜を形成したことを最も主要な特徴とし、正面から見た場合に無彩色を有し、斜めから見た場合には干渉色を有する無彩色の色調を呈することで、無彩色と干渉色が混在した神秘的な深み感と奥行き感のあるモノトーンパール塗装物を得る目的を実現した。
【0016】
(実施例1)
真鍮製の、外径10mm、長さ100mmである横断面外形状が円形の材料の、塗料を塗布する面(塗布面)に、バフ研磨を施して表面を平滑にし、ジクロロメタンで脱脂処理し被塗物とした。
次に、黒いアクリル樹脂塗料(マジクロン1000ディープブラック:関西ペイント(株)製)をスプレー塗装した後、160℃、10分の条件で乾燥した。
次に透明のアクリル樹脂塗料(マジクロン1000クリヤー:関西ペイント(株)製)に、光輝性顔料(colorstream T10−01 ViolaFantasy:メルク(株)製)を乾燥塗膜内で10wt%になるように調整した光輝性アクリル樹脂塗料をスプレー塗装した後、160℃、5分の条件で乾燥した(乾燥塗膜の膜厚:5μm)。
次に、透明のアクリル樹脂塗料(マジクロン1000クリヤー:関西ペイント(株)製)に、鱗片状の無彩色顔料(鱗片状黒鉛CNP15:伊藤黒鉛工業(株)製)を乾燥塗膜中で20wt%になるように調整した無彩色アクリル樹脂塗料をスプレー塗装した後、180℃、30分の条件で乾燥し(乾燥塗膜の膜厚:1μm)、塗装物を得た。
塗装物の外観は、鱗片状の無彩色顔料の色調である濃いグレー(黒色系)を基調とし、見る位置により、光輝性顔料の色調であるバイオレッドへ変化するものであった。
【0017】
(実施例2)
実施例1と同様な被塗物を用いて、公知のめっき法により黒クロムめっきを膜厚1μm処理した。
次に透明のアクリル樹脂塗料(マジクロン1000クリヤー:関西ペイント(株)製)に、光輝性顔料(colorstream T10−02 ArticFire:メルク(株)製)を乾燥塗膜内で10wt%になるように調整した光輝性アクリル樹脂塗料をスプレー塗装した後、160℃、5分の条件で乾燥した(乾燥塗膜の膜厚:5μm)。
次に透明のアクリル樹脂塗料(マジクロン1000クリヤー:関西ペイント(株)製)に、鱗片状の無彩色顔料(鱗片状黒鉛CNP15:伊藤黒鉛工業(株)製)を乾燥塗膜中で20wt%になるように調整した無彩色アクリル樹脂塗料をスプレー塗装した後、180℃、30分の条件で乾燥し(乾燥塗膜の膜厚:1μm)、塗装物を得た。
塗装物の外観は、鱗片状の無彩色顔料の色調である濃いグレー(黒色系)を基調とし、見る位置により、光輝性顔料の色調である濃いブルーからバイオレッドへ変化するものであった。
【0018】
(実施例3)
黒く着色したABS樹脂(アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体)製の、外径10mm、長さ100mmである横断面外形状が円形の材料の、塗料を塗布する面(塗布面)をIPA(イソプロピルアルコール)で脱脂処理し被塗物とした。
次に透明のアクリル−ウレタン樹脂塗料(マイティアラックG−IIクリヤー:日本ペイント(株)製)に、光輝性顔料(colorstream T10−03 TropicSunrise:メルク(株)製)を乾燥塗膜内で10wt%になるように調整した光輝性アクリル−ウレタン樹脂塗料をスプレー塗装した後、60℃、5分の条件で乾燥した(乾燥塗膜の膜厚:5μm)。
次に透明のアクリル−ウレタン樹脂塗料(マイティアラックG−IIクリヤー:日本ペイント(株)製)に、鱗片状の無彩色顔料(鱗片状黒鉛CNP15:伊藤黒鉛工業(株)製)を乾燥塗膜中で20wt%になるように調整した無彩色アクリル樹脂塗料をスプレー塗装した後、80℃、60分の条件で乾燥し(乾燥塗膜の膜厚:1μm)、塗装物を得た。
塗装物の外観は、鱗片状の無彩色顔料の色調である濃いグレー(黒色系)を基調とし、見る位置により、光輝性顔料の色調であるグリーンから濃いレッドへ変化するものであった。
【0019】
(実施例4)
実施例1と同様な被塗物を用いて、公知のめっき法により黒クロムめっきを膜厚1μm処理した。
次に透明のアクリル樹脂塗料(マジクロン1000クリヤー:関西ペイント(株)製)に、光輝性顔料(colorstream T10−01 ViolaFantasy:メルク(株)製)を乾燥塗膜内で10wt%になるように調整した光輝性アクリル樹脂塗料をスプレー塗装した後、160℃、5分の条件で乾燥した(乾燥塗膜の膜厚:5μm)。
次に透明のアクリル樹脂塗料(マジクロン1000クリヤー:関西ペイント(株)製)に、鱗片状の無彩色顔料(ナノフレックスNTS30K3TA:日本板硝子(株)製)を乾燥塗膜中で20wt%になるように調整した無彩色アクリル樹脂塗料をスプレー塗装した後、180℃、30分の条件で乾燥し(乾燥塗膜の膜厚:1μm)、塗装物を得た。
塗装物の外観は、鱗片状の無彩色顔料の色調である淡いライトグレー(白色系)を基調とし、見る位置により、光輝性顔料の色調であるバイオレッドへ変化するものであった。
【0020】
(実施例5)
実施例3と同様の被塗物を用いた。
次に透明のアクリル−ウレタン樹脂塗料(マイティアラックG−IIクリヤー:日本ペイント(株)製)に、光輝性顔料(colorstream F10−00 AutumnMystery:メルク(株)製)を乾燥塗膜内で10wt%になるように調整した光輝性アクリル−ウレタン樹脂塗料をスプレー塗装した後、60℃、5分の条件で乾燥した(乾燥塗膜の膜厚:5μm)。
次に、透明のアクリル−ウレタン樹脂塗料(マイティアラックG−IIクリヤー:日本ペイント(株)製)に、鱗片状の無彩色顔料(ナノフレックスNTS30K3TA:日本板硝子(株)製)を乾燥塗膜中で20wt%になるように調整した無彩色アクリル樹脂塗料をスプレー塗装した後、80℃、60分の条件で乾燥し(乾燥塗膜の膜厚:1μm)、塗装物を得た。
塗装物の外観は、鱗片状の無彩色顔料の色調である淡いライトグレー(白色系)を基調とし、見る位置により、光輝性顔料の色調で濃い銅色から淡い銅色へ変化するものであった。
【0021】
(実施例6)
実施例1と同様の被塗物を用いた。
次に黒いアクリル樹脂塗料(マジクロン1000ディープブラック:関西ペイント(株)製)をスプレー塗装した後、160℃、10分の条件で乾燥した。
次に透明のアクリル樹脂塗料(マジクロン1000クリヤー:関西ペイント(株)製)に、パール顔料(Iriodin7215 UltraRed:メルク(株)製)と略補色関係になるパール顔料(Iriodin7235 UltraGreen:メルク(株)製)を1:1の割合で混合したパール顔料を、乾燥塗膜内で10wt%になるように調整した光輝性アクリル樹脂塗料をスプレー塗装した後、160℃、5分の条件で乾燥した(乾燥塗膜の膜厚:5μm)。
次に透明のアクリル樹脂塗料(マジクロン1000クリヤー:関西ペイント(株)製)に、鱗片状の無彩色顔料(鱗片状黒鉛CNP15:伊藤黒鉛工業(株)製)を乾燥塗膜中で20wt%になるように調整した無彩色アクリル樹脂塗料をスプレー塗装した後、180℃、30分の条件で乾燥し(乾燥塗膜の膜厚:1μm)、塗装物を得た。
塗装物の外観は、鱗片状の無彩色顔料の色調である濃いグレー(黒色系)を基調とし、見る位置により、パール顔料の色調である濃いレッドピンクと濃いグリーンのみならず、淡いイエローや濃いブルーグリーンなど様々な七色的色調へ変化するものであった。
【0022】
(実施例7)
実施例3と同様の被塗物を用いた。
次に透明のアクリル−ウレタン樹脂塗料(マイティアラックG−IIクリヤー:日本ペイント(株)製)に、パール顔料(Iriodin7215 UltraRed:メルク(株)製)と略補色関係になるパール顔料(Iriodin7235 UltraGreen:メルク(株)製)を1:1の割合で混合したパール顔料を、乾燥塗膜内で10wt%になるように調整した光輝性アクリル−ウレタン樹脂塗料をスプレー塗装した後、60℃、5分の条件で乾燥した(乾燥塗膜の膜厚:5μm)。
次に透明のアクリル−ウレタン樹脂塗料(マイティアラックG−IIクリヤー:日本ペイント(株)製)に、鱗片状の無彩色顔料(鱗片状黒鉛CNP15:伊藤黒鉛工業(株)製)を乾燥塗膜中で20wt%になるように調整した無彩色アクリル樹脂塗料をスプレー塗装した後、80℃、60分の条件で乾燥し(乾燥塗膜の膜厚:1μm)、塗装物を得た。
塗装物の外観は、鱗片状の無彩色顔料の色調である濃いグレー(黒色系)を基調とし、見る位置により、パール顔料の色調である濃いレッドピンクと濃いグリーンのみならず、淡いイエローや濃いブルーグリーンなど様々な七色的色調へ変化するものであった。
【0023】
(実施例8)
実施例1と同様な被塗物を用いて、公知のめっき法により黒クロムめっきを膜厚1μm処理した。
次に黒いアクリル樹脂塗料(マジクロン1000ディープブラック:関西ペイント(株)製)をスプレー塗装した後、160℃、10分の条件で乾燥した。
次に、透明のアクリル樹脂塗料(マジクロン1000クリヤー:関西ペイント(株)製)に、パール顔料(XirallicT60−20WNT SunbeamGold:メルク(株)製)と略補色関係になるパール顔料(XirallicT60−22WNT AmethystDream:メルク(株)製)を1:1の割合で混合したパール顔料を、乾燥塗膜内で10wt%になるように調整した光輝性アクリル樹脂塗料をスプレー塗装した後、160℃、5分の条件で乾燥した(乾燥塗膜の膜厚:5μm)。
次に透明のアクリル樹脂塗料(マジクロン1000クリヤー:関西ペイント(株)製)に、鱗片状の無彩色顔料(鱗片状黒鉛CNP15:伊藤黒鉛工業(株)製)を乾燥塗膜中で20wt%になるように調整した無彩色アクリル樹脂塗料をスプレー塗装した後、160℃、5分の条件で乾燥した(乾燥塗膜の膜厚:1μm)。
次に透明のアクリル樹脂塗料(マジクロン1000クリヤー:関西ペイント(株)製)をスプレー塗装した後、180℃、30分の条件で乾燥し(乾燥塗膜の膜厚:20μm)、塗装物を得た。
塗装物の外観は、鱗片状の無彩色顔料の色調である濃いグレー(黒色系)を基調とし、見る位置により、パール顔料の色調であるメタリックゴールドと濃いメタリックパープルのみならず、濃いメタリックラベンダーや淡いブルーグリーンなど様々な七色的なメタリック色調へ変化するものであった。
【0024】
(比較例1)
実施例3と同様の被塗物を用いた。
次に透明のアクリル−ウレタン樹脂塗料(マイティアラックG−IIクリヤー:日本ペイント(株)製)に、パール顔料(Iriodin7215 UltraRed:メルク(株)製)と略補色関係になるパール顔料(Iriodin7235 UltraGreen:メルク(株)製)を1:1の割合で混合したパール顔料を、乾燥塗膜内で10wt%になるように調整した光輝性アクリル−ウレタン樹脂塗料をスプレー塗装した後、80℃、60分の条件で乾燥し乾燥塗膜の膜厚:5μm)、塗装物を得た。
塗装物の外観は、見る位置により、パール顔料の色調である濃いレッドピンクと濃いグリーンのみならず、淡いイエローや濃いブルーグリーンなど様々なギラギラした七色的色調へ変化するものであったが、無彩色を基調とする外観は得られなかった。
【0025】
(比較例2)
実施例3と同様の被塗物を用いた。
次に透明のアクリル−ウレタン樹脂塗料(マイティアラックG−IIクリヤー:日本ペイント(株)製)に、鱗片状の無彩色顔料(鱗片状黒鉛CNP15:伊藤黒鉛工業(株)製)を乾燥塗膜中で20wt%になるように調整した無彩色アクリル樹脂塗料をスプレー塗装した後、80℃、60分の条件で乾燥し(乾燥塗膜の膜厚:1μm)、塗装物を得た。
塗装物の外観は、鱗片状の無彩色顔料の色調である濃いグレー(黒色系)で、見る位置により色調の変化は得られなかった。
【0026】
(比較例3)
実施例3と同様の被塗物を用いた。
次に透明のアクリル−ウレタン樹脂塗料(マイティアラックG−IIクリヤー:日本ペイント(株)製)に、鱗片状の無彩色顔料(ナノフレックスNTS30K3TA:日本板硝子(株)製)を乾燥塗膜中で20wt%になるように調整した無彩色アクリル樹脂塗料をスプレー塗装した後、80℃、60分の条件で乾燥し(乾燥塗膜の膜厚:1μm)、塗装物を得た。
塗装物の外観は、鱗片状の無彩色顔料の色調である淡いライトグレー(白色系)で、見る位置により色調の変化は得られなかった。
【0027】
<意匠性の評価>
JIS K 5600−4−3:1999「塗料一般試験方法−第4部:塗膜の視覚特性−第3節:色の目視比較」に準じた色観察用照明(自然昼光照明)下で目視にて塗装物の意匠性の塗装質感を5段階で評価した。
5:非常に良い(深み感と奥行き感が得られている)
4:良い(深み感または奥行き感が得られている)
3:普通(深み感及び/又は奥行き感は得られていないものの光輝性は得られている)
2:悪い(深み感、奥行き感や光輝性が得られていない)
1:非常に悪い(意匠性の塗装質感が得られていない)
【0028】
各実施例、比較例をまとめたものを表1に示す。
【0029】
【表1】

【符号の説明】
【0030】
1 被塗物
2 光輝性顔料を含有するクリヤー塗膜層
3 光輝性顔料(パール顔料)
4 鱗片状の無彩色顔料を含有するクリヤー塗膜層
5 鱗片状の無彩色顔料
6 黒塗膜層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも被塗物の表面を直接的または間接的に被覆した光輝性顔料を含有するクリヤー塗膜層上に、鱗片状の無彩色顔料を含有するクリヤー塗膜を形成したことを特徴とする塗装物。
【請求項2】
前記光輝性顔料を含有するクリヤー塗膜は、干渉色を有する光輝性顔料と、その干渉色と略補色の関係にある干渉色を有する光輝性顔料とを含有することを特徴とする請求項1記載の塗装物。
【請求項3】
前記鱗片状の無彩色顔料が、黒色系の顔料であることを特徴とする請求項1記載の塗装物。
【請求項4】
前記塗装物を筒状部材に用いたことを特徴とする請求項1乃至3記載の塗装物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−207195(P2011−207195A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−79959(P2010−79959)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000005511)ぺんてる株式会社 (899)
【Fターム(参考)】