説明

塗装用、特に自動車塗装用のベース色を貯蔵、選択及び計量する装置

本発明の装置10は、種々の各色を貯蔵する複数の容器と、外周構成で配置されたこれらの容器を支持する水平軸カルーセルと、回収容器16用のスタンド18とを備える。カルーセルは選択された容器の注出口が回収容器と対向して配置される採取位置に割出しされ、その際、計量手段が回収容器への所定の量の色の注出を制御する。カルーセルはさらに、容器の内容物に対して、色中に懸濁している粒子の沈降を防止することが可能な回転重力場を生じさせるように連続回転させられる。カルーセルは、ベース色の1つを含有する変形可能な可撓性パウチを密閉式に収容可能な閉鎖内部スペースをそれぞれが画定する複数のレセプタフル14を備える。装置はまた、圧力源と、ベース色を注出する前にレセプタフルの内部スペースを加圧する手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗料用、特に(ただし非限定的に)自動車修理工による要求に応じて調製される塗料用のベース色を貯蔵、選択及び計量する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この分野では、車体修理者は或る特定の数のベース色を調合することによって、車体構造を修理するのに必要とされる塗料量を調製する。各調合は、得るべき所定量の調合物のために取り込まれる各ベース色の重量を示す、塗装業者によって規定される配合式から決定される。かかる調製は一般的に、塗装業者によって指定される特定の色調を得るために5乃至10色のベース色の調合を伴う。
【0003】
車体修理者がこれまで用いてきた計量の技術的解決策の大半は、例えば特許文献1(Fillon Investissement)に記載されているような、剛性缶の形態の容器に適合した計量蓋の原理に基づいている。
【0004】
他のシステムは、使い捨ての可撓性パウチの形態の容器(receptacle)中にパッケージされたベース色を利用している。かかるパウチには、迅速連結式コネクタによって計量弁又は計量管に該パウチが接続されることを可能にする底面が備わっている。
【0005】
自動車修理分野以外では、ベース色を選択及び調合する装置、例えば、要求に応じて特定の色を得るために顔料が白色塗料に添加される、建築物での使用に適した塗料を調製する、特許文献2(Felts)に記載の種類の装置も知られている。この文献に記載されている装置は、ベース色を貯蔵する複数のタンクが放射状構成で取り付けられている水平軸回転要素を備えている。この回転要素は、タンク内に組み入れられたピストンの作動下で所望量の顔料をコレクター容器(collector receptacle)に注出する採取位置に、かかるタンクをもたらすように作動する。
【0006】
化粧品分野では、特許文献3(IMX Labs, Inc.)は、消費者に近い店頭でマニキュア等の化粧製品を要求に応じて調合する、上述したのと同じ一般的な構成を示す装置を記載している。
【0007】
自動車修理分野では、用いる塗料、特に最新世代の塗料は、それにもかかわらず、それらの特定の性質に起因して、或る特定の数の付加的な措置及び制約をもたらす。
【0008】
第一に、車体構造の一部のみを修理する専門家にとって、車体構造の修理済部分と残りの部分との間に色のほぼ完全な一致を達成する必要があり、このことは調合物の様々なベース色の非常に正確な相対的な計量を示唆する。
【0009】
さらに、現在の塗料はますます濃縮し被覆性のあるものとなっており、その一方、修理する必要のある表面はますます縮小している。このため、調製すべき調合物の量は30グラム(g)乃至50g程度の非常に少量となり、かかる非常に少量の調合物に関して所要の測色精度を得るには、各ベース色の計量精度は一滴程度の重量、すなわち約0.03g乃至0.1gである必要がある。
【0010】
それらの組成に関して、自動車修理に用いられるベース色は、中に固体粒子が取り込まれている液体マトリックスによって構成されている。液体マトリックスは比重が概して0.8〜1の範囲にある液体を生じるようにバインダー、溶剤、可溶性有機インク及び様々な添加剤を含有する。しかしながら、固体粒子は主として顔料、充填材及び金属粒子によって構成されており、概して、2〜4の範囲の比重を呈する。
【0011】
特別な措置をとらない限り、固体粒子と液体マトリックスとの密度差により、重力の影響下で、固体粒子が塗料容器の底面に沈殿することになる。
【0012】
その危険性を軽減するために、上記の特許文献1に記載されている種類のシステム(このシステムではベース色が剛性缶に貯蔵される)では、ベース色の優れた均質を維持するために定期的な攪拌が行われる。このため、各缶には回転させられるスクリューが設けられた特別な蓋が備わっている。
【0013】
このことは、固体粒子を液体マトリックス中に懸濁した状態に維持することを可能にするが、以下の2つの不都合点を呈する:
スクリューは缶の蓋に通っているシャフトによって回転させられるため、そのシャフトの周りに動的なシールを行う必要がある。不都合なことに、ベース色は腐食及び磨耗する場合が多く、そのため、かかるシールを行うことが困難であり、空気が缶に侵入してしまうか、又は、逆にベース色が缶から洩れてしまう;及び
特に、このシステムは、取り出されたベース色の容積を相殺するために、缶が空になったときに段階的に空気が缶の内側に導入される必要がある。空気はベース色の或る特定の成分を酸化、溶剤の一部を蒸発、及び缶の表面を乾燥させる傾向がある。さらに、この現象はスクリューが駆動されている攪拌段階時に悪化するが、その理由は、ベース色が蓋の壁に撥ね、そこで量が希薄であるゆえにたちまち乾燥するからである。
【0014】
様々なベース色を可撓性パウチ中に貯蔵することにある他の技法では、ベース色が常に空気から保護されるが、機械的な攪拌がないことは、可溶性粒子を懸濁状態に保つ解決策を見つける必要があることを意味する。
【0015】
この課題に対する既知の解決策は、分散剤(小さな粒子に関して特に効果的である)及びゲル化剤(大きな粒子に関して同じく効果的である)等の或る特定の添加剤を液体マトリックス中に取り込むことにある。
【0016】
それにもかかわらず、かかる添加剤は、ベース色の粘性を増大させ、したがってベース色を正確に計量することをより困難にさせるという点で、不都合点を呈する。さらに、或る特定の添加剤、特にゲル化剤が、温度及びエージング等の或る特定のパラメータに感度が高いことから、ベース色の物理化学的特性は経時にわたって維持することが困難であることが分るであろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】国際公開第2006/027450号
【特許文献2】米国特許第3,074,597号
【特許文献3】国際公開第03/026458号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明の目的は、以下の利点を組み合わせることを可能にする、ベース色を貯蔵、選択及び計量する新規の装置を提案することである:
塗料を空気から完全に隔離する変形可能な容器又はパウチに保存されるベース色の利点、及び
分散剤及びゲル化剤等の添加剤を有しないベース色の利点。
【0019】
換言すれば、本発明の目的は、以下のことを可能にするかかる装置を提案することである:
分散剤又はゲル化剤等の添加剤を含まず、したがって、ベース色の粘性、又は、温度若しくはエージング等の外部パラメータに応じて決まる粘性の増加に関連する問題を被らない、ベース色を使用すること、
同時にベース色の優れた均質性を維持すること、及び
溶剤の損失及び様々な成分の変質の現象を回避するために上記のベース色を空気とのいなかる接触からも保護すること。
【0020】
このために、本発明は、上記特許文献2において開示される一般的なタイプの装置、すなわち、
色注出孔をそれぞれが有する、種々の各色を貯蔵する複数の容器と、
外周構成で配置される前記容器を保持する水平軸カルーセルと、
コレクター容器用の支持体と、
選択された容器の前記注出孔が前記コレクター容器と整合して配置される採取位置に前記カルーセルを回転させる割出し手段と、
前記採取位置で前記注出孔の開きを制御して所定量の色を前記コレクター容器に注出するように作用するのに適した計量手段と、
前記ベース色中に懸濁して存在する粒子が沈殿するのを回避するために、前記容器の内容物に対して回転する重力場を生じさせるように、カルーセルを永久回転、連続回転又は断続回転させる駆動手段とを既知の方法で備える装置を提案する。
【0021】
本発明の特徴的な方法において、上記目的を達成するために、
前記カルーセルは、ベース色を含有する変形可能な可撓性パウチを気密に収容するのに適した閉鎖内部容積部をそれぞれが画定する複数のセルを有し、前記セル及び関連するパウチが前記容器を形成し、及び
該装置が、圧力源と、前記採取位置にある少なくとも選択された容器に関して、前記所定量の色を注出する前に前記圧力源と前記セルの前記閉鎖内部容積部との間に連通を確立する手段とをさらに備える。
【0022】
セルは特に、各容器の前記注出孔が前記カルーセルの軸に対して径方向に向いた放射状セルであり得る。
【0023】
かかる装置は以下の様々な方法での充填に適している:
ベース色を含有する取り外し可能な可撓性パウチによる:その場合、セルがカルーセルに本取り付けされ、可撓性パウチが装置の各セルに導入される;
ベース色を含有する可撓性パウチを収容する剛性又は半剛性のカートリッジによる:その場合、セルがカルーセルに本取り付けされ、カートリッジが装置の各セルに導入される;
自身がベース色を含有する可撓性パウチを収容するセルによる:その場合、セルがカルーセルに取り外し可能に取り付けられる。
【0024】
有利な付随する特徴によると:
前記コレクター容器用の前記支持体は前記カルーセルの中央部分に配置され、
前記コレクター容器用の前記支持体は秤量手段をさらに含み、
前記変形可能なパウチはそれぞれ該パウチに取り付けられた弁を有し、該弁は前記セルから前記コレクター容器の方へ突出し、前記計量手段は、その作動を制御するために前記パウチに取り付けられている前記弁と協働するのに適した、前記装置の手段であり、
前記割出し手段は、前記カルーセルを回転させる手段を含み、前記装置は、前記駆動の間、前記カルーセルを永久回転させる前記手段のクラッチを解除するように使用される手段を含む。
【0025】
本発明はまた、上記装置による、ベース色の調合物を調製する方法であって、
a)前記カルーセルを、選択された色に対応するパウチを収容するセルが前記コレクター容器と整合して配置される採取位置に回転させるステップと、
b)前記セルの内部容積を加圧するステップと、
c)所定量の色を前記コレクター容器に注出するように前記注出孔を制御式に開くステップであって、前記ステップb)で確立された圧力が少なくとも該ステップc)の期間全体を通して維持される、開くステップと、
d)前記調合物中に取り込むべき他の色について前記ステップa)〜前記ステップc)を繰り返すステップと、
を含む方法を提供する。
【0026】
有利には、前記ステップc)時、前記コレクター容器を連続的に秤量する措置がなされると同時に色が注出され、前記注出孔を開くことは前記秤量から得られたデータによって制御される。
【0027】
以下に、添付図面を参照しながら本発明の装置の一実施形態の説明を行い、図面中、同一であるか又は機能的に同様である要素を指すのに同じ参照符号が図ごとに用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】水平な軸を有する回転カルーセルの形態の要素を含む、本発明の装置の概略図である。
【図2】カルーセルに取り付けられるように設計されたセルと関連する変形可能なパウチによって構成される、ベース色用の容器を示す分解斜視図である。
【図3】パウチがセルに挿入されてセルが閉じられた後の、図2に対応する図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1において、参照符号10はベース色を貯蔵、選択及び計量する本発明の装置を示す。
【0030】
装置は、水平軸を有する円形金属構造を含み、この構造はホイールリム12と同様であり、各ベース色を入れて貯蔵する複数の放射状セル14がその上に取り付けられている。
【0031】
このアセンブリは、手動又は自動であってもよい適切な割出し手段(図示せず)によって回転され得るカルーセルを形成し、これにより、特定の色調を有する塗料を要求に応じて調整する際に用いるベース色の調合物をつくり出すために、セル14の任意の1つを、複数のベース色を連続して受け入れるように設計されたコレクター容器16に面して配置することが可能となる。
【0032】
コレクター容器16は、コレクター容器16に導入されるベース色の重量をリアルタイムで計測する電子秤(図示せず)を含む支持体18に配置される。
【0033】
ベース色を選択するために割出しすることのほかに、カルーセルはベース色中に懸濁して存在する粒子が沈殿するのを防止するのに適した回転重力場を生じさせる機能を有する。この目的から、カルーセルは、ホイールリム12を低速(例えば一時間あたり一回転)である永久回転運動で水平軸20回りに回転させることを可能にするモーターと連係する。永久回転は必ずしも連続せず、断続的に行われてもよく、ただしその場合、その回転は、装置が調合物を調製する際に即座にいつでも使用段階にあることができるように、装置が特に(ベース色を採取するための)使用時にないときはベース色の均質性を保持するように働く。
【0034】
永久回転が低速である限りにおいて、ベース色の全てが充填されたカルーセルは比較的高重量となるにもかかわらず、適度に減速された、低出力(約1ワット)マイクロモーターで十分である。その低エネルギー消費に加え、かかるマイクロモーターの使用は高度な安全性を提供する:カルーセルに手を入れてもマイクロモーターが止まるだけであり、人に損傷を与える危険性がない。
【0035】
使用期間中、選択した容器からベース色を採取する位置へホイールリムを割出しするには、ホイールリムをモーター駆動下で自動的に又は作業者によって手で回転させることができる。手による回転では、作業者が選択位置にホイールリムを自由に回転させることができるように、永久回転ドライブを提供するマイクロモーターのクラッチを解除する手段が設けられる。
【0036】
様々な他の構成がカルーセルの一般的な構造に考えられ得る。
【0037】
したがって、図1では、ホイールリム12はカルーセル(セルがリムから外方に放射状に広がっている)の内側位置にあるものとして示されているが、変形形態では又は付加的に、リムはセルの環の外側に同様に設けることができる。同様に、図1のカルーセルの中央に位置するコレクター容器16は、カルーセルよりも下に位置することができる。その場合、ベース色の測定量が径方向の外方に送出されるため、セルの向きは図1に示す向きに比して逆である。
【0038】
さらに別の実施形態では、コレクター容器は一側面に位置していてもよく、色を注出するシステムが、注出された色を適切な方向に導く角度付き部材を有する。
【0039】
最後に、セルがカルーセルの回転軸に対して放射状に延びている記載例の放射状構成は限定的ではなく、カルーセルの回転軸が水平軸である限り、セルは任意の他の方向に延びていてもよいことが観察されるはずである。
【0040】
図2及び図3は、ベース色が装置内に貯蔵される方法を示す。
【0041】
各ベース色は、使い捨ての変形可能な可撓性パウチ22に貯蔵される。
【0042】
パウチはその上に弁24が取り付けられている。例として、弁は、フィロン・テクノロジー(Fillon Technologies)の名義で、2007年3月28日に出願されていると共に発明名称が「Dispensing valve」である欧州特許出願第07/29036.3号に記載の形式のものであってもよい。この弁は、フィロン・テクノロジーの名義で、2008年3月12日に出願されていると共に発明名称が「Quick coupling type assembly for liquids, in particular for a flexible-pouch receptacle」である欧州特許出願第08/290235.4号に記載の種類の迅速連結によって、可撓性パウチ22に取り付けられてもよい。
【0043】
弁24が備わっているパウチ22が各セル14に挿入される。各セルは、その両端の1つに、弁24がセルの底壁を通ることを可能にする孔26を有し、そのため、図3に示すように、弁は、セル14から突出するため、外側からアクセス可能である。セルによって画定される閉鎖容積が孔26の周りのガスケット28及び対向端の閉鎖蓋30によってシールされる。可撓性パウチがセルに挿入されると、パウチ22及びセル14から成るアセンブリが所定のベース色を貯蔵する個々の容器を形成する。
【0044】
各セル14は、セルの閉鎖内部容積を、圧力源P(図示せず)、例えば装置10の圧縮空気源形成部と連通させる通路32も有する。セルはまた、セルをホイールリム12に取り付けることを可能にする手段34も有する。
【0045】
パウチ22及びセル14から成るアセンブリが(図3に示すように)組み立てられると、セルの内部容積は圧力Pを印加することによって圧力下に置かれ得る。これは、セルの内側に収容されている変形可能な可撓性パウチ22を加圧する効果を有し、そのため、パウチの内容物、すなわちベース色が大気圧よりも大きな圧力に置かれる。
【0046】
この加圧は恒久的であってもよい。また、加圧は、ベース色が選択された後、使用時間にのみかけられることが可能であると共に好ましい。そのような状況下では、圧力Pは、対応セルがコレクター容器16と整合して採取位置に置かれた場合にしか印加されない。
【0047】
装置はその後、コレクター容器にベース色を注出する段階となる。
【0048】
この注出は弁24を制御することによって行われ、弁は、コレクター容器16を受ける支持トレイ18と連係する秤によって連続して行われる坪量から得られるデータに基づいて(自動又は手動で)制御される持続時間中、正確な所要の重量が得られるまで開いている。
【0049】
圧力は少なくともこの採取段階全体を通してセル内で維持されるため、ベース色は完全に再現性のある条件下で、(この場合パウチの内容物は大気圧を上回っているか又は大気圧と等しい圧力に置かれたままであるため)弁がちょうど閉じるときにパウチに空気が侵入する危険性は何もなく、採取され得る。
【0050】
上記装置は、採取期間以外では、カルーセルの連続回転によってベース色の均質性を保持する役割も果たし、また、採取時、選択されたベース色を貯蔵するパウチを収容するセルの制御された加圧によって、特に正確であり、再現性のある測定を確実にする。
【0051】
さらに、かかる装置に関して、汚れの危険性は実質的に存在しない
【0052】
上記のパウチ22及びセル14の構成に関して、主な汚れを被る可能性のある唯一の要素である弁24は、使い捨てパウチ22、したがって消耗部分に接続される。対照的に、ホイールリム12に本取り付けされたままであるセル14は、パウチ22及び弁24から成るアセンブリから分離することができる要素を形成する。
【0053】
そのため、圧力源(圧縮空気源)とパウチを加圧する手段(閉鎖容積を形成するセル)とが厳密な意味での(消耗品を考慮しない)装置の一体部分を形成し、それらは通常、ピストン式移動底面を有する容器内に塗料が貯蔵される装置、まして、攪拌スクリュー付きの計量蓋を有する剛性缶に基づいた装置とは異なり、ベース色(パウチ22及び弁24内に閉じ込められている)と決して接触しない。
【0054】
したがって、ベース色が撥ねることによる汚れ及び腐食の危険性が回避され、そのため、装置を恒久的に設置することができ、清潔な環境で特別な措置をとらずに使用することができ、このことは専門家にとって重要な追加的な利点となる。
【0055】
最後に、消耗部分、すなわち交換される部分は以下のような様々な形態をとってもよいことが観察されるはずである:
取り外し可能な可撓性パウチ22:セル14がカルーセルに本取り付けされ、可撓性パウチが装置の(例えば図2に示すような)各セル内に挿入される;
剛性又は半剛性のカートリッジ(図示せず)であって、この取り外し可能なカートリッジの一体部分を形成する可撓性パウチ22を収容するパッケージを構成する、剛性又は半剛性のカートリッジ:セルがカルーセルに本取り付けされ、カートリッジが装置の各セル内に挿入される(ここで、「半剛性」という語は、変形することができるが後でその最初の形状に戻るタイプのカートリッジを意味するのに用いている);及び
例えば図3に示す容器に全く対応する可撓性パウチ22を収容するセル14:この場合、セルはカルーセルに取り外し可能なようにして取り付けられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
塗料用、特に自動車塗料用のベース色を貯蔵、選択及び計量する装置(10)であって、
色注出孔をそれぞれが有する、種々の各色を貯蔵する複数の容器と、
外周構成で配置される前記容器を保持する水平軸カルーセルと、
コレクター容器(16)用の支持体(18)と、
選択された容器の前記注出孔が前記コレクター容器と整合して配置される採取位置に前記カルーセルを回転させる割出し手段と、
前記採取位置で前記注出孔の開きを制御して所定量の色を前記コレクター容器に注出するように作用するのに適した計量手段と、
前記ベース色中に懸濁して存在する粒子が沈殿するのを回避するために、前記容器の内容物に対して回転する重力場を生じさせるように、カルーセルを永久回転、連続回転又は断続回転させる駆動手段と、
を備え、
前記カルーセルは、ベース色を含有する変形可能な可撓性パウチ(22)を気密に収容するのに適した閉鎖内部容積部をそれぞれが画定する複数のセル(14)を有し、前記セル及び関連するパウチが前記容器を形成すること、及び
該装置が、圧力源(P)と、前記採取位置にある少なくとも選択された容器に関して、前記所定量の色を注出する前に前記圧力源と前記セルの前記閉鎖内部容積部との間に連通を確立する手段(32)とをさらに備えること、
を特徴とする、装置。
【請求項2】
前記セル(14)は、各容器の前記注出孔が前記カルーセルの軸に対して径方向に向いた放射状セルである、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記セルは前記カルーセルに本取り付けされ、前記装置は前記ベース色を含有する前記取り外し可能な可撓性パウチが装填されるのに適しており、該可撓性パウチはこのため前記装置の各セルに挿入される、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記セルは前記カルーセルに本取り付けされ、前記装置は前記ベース色を含有する前記可撓性パウチを収容する剛性又は半剛性のカートリッジが装填されるのに適しており、前記カートリッジはこのため前記装置の各セルに挿入される、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記セルは前記カルーセルに取り外し可能に取り付けられ、前記装置は、自身が前記ベース色を含有する前記可撓性パウチを収容する取り外し可能なセルが装填されるのに適している、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記コレクター容器(16)用の前記支持体(18)は前記カルーセルの中央部分に配置される、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記コレクター容器用の前記支持体(18)は秤量手段をさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記変形可能なパウチ(22)はそれぞれ該パウチに取り付けられた弁(24)を有し、該弁は前記セルから前記コレクター容器の方へ突出し、
前記計量手段は、その作動を制御するために前記パウチに取り付けられている前記弁と協働するのに適した、前記装置の手段である、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記割出し手段は、前記カルーセルを回転させる手段を含み、
前記装置は、前記カルーセルが駆動されている間、前記カルーセルを永久回転させる前記手段のクラッチを解除するように動作可能なクラッチ解除手段を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一項に記載の装置による、ベース色の調合物を調製する方法であって、
a)前記カルーセルを、選択された色に対応するパウチを収容するセルが前記コレクター容器と整合して配置される採取位置に回転させるステップと、
b)前記セルの内部容積を加圧するステップと、
c)所定量の色を前記コレクター容器に注出するように前記注出孔を制御式に開くステップであって、前記ステップb)で確立された圧力が少なくとも該ステップc)の期間全体を通して維持される、開くステップと、
d)前記調合物中に取り込むべき他の色について前記ステップa)〜前記ステップc)を繰り返すステップと、
を含むことを特徴とする、方法。
【請求項11】
前記ステップc)時、前記コレクター容器を連続的に秤量する措置がなされると同時に色が注出され、前記注出孔を開くことは前記秤量から得られたデータによって制御される、請求項10に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2011−526564(P2011−526564A)
【公表日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−514092(P2011−514092)
【出願日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際出願番号】PCT/FR2009/051102
【国際公開番号】WO2009/153504
【国際公開日】平成21年12月23日(2009.12.23)
【出願人】(509268794)フィロン テクノロジース (2)
【Fターム(参考)】