説明

塗装装置及び塗装装置における空気保温方法

【課題】 塗装用加熱空気を移動式塗装手段に供給する可撓性の空気供給ホースに施す保温手段の破損を抑制して保温効果の低下を抑制するとともに、保温手段が移動式塗装手段の移動の抵抗となることに原因する移動式塗装手段の運転効率の低下を抑制することのできる塗装装置及び塗装装置における空気保温方法を提供する。
【解決手段】 可撓性の空気供給ホース5を移動式塗装手段4に接続して、その空気供給ホース5の可撓性により移動式塗装手段4の移動を許す状態で空気供給ホース5を通じて移動式塗装手段4に塗装用加熱空気A2を供給する構成にするとともに、空気供給ホース5からの放熱を抑止して塗装用加熱空気A2を保温する保温手段を空気供給ホース5に施してある塗装装置において、前記保温手段を、空気供給ホース5の外周に形成した保温用空気層SAにより塗装用加熱空気A2を保温する構成にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗装装置及び塗装装置における空気保温方法に関し、より詳しくは、可撓性の空気供給ホースを移動式塗装手段に接続して、その空気供給ホースの可撓性により移動式塗装手段の移動を許す状態で空気供給ホースを通じて移動式塗装手段に塗装用加熱空気を供給するとともに、空気供給ホースからの放熱を抑止して塗装用加熱空気を保温する保温手段を空気供給ホースに施しておく塗装装置及び塗装装置における空気保温方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の塗装装置及び塗装装置における空気保温方法は、塗装設備での被塗物の塗装において塗料溶剤の蒸発の促進などに用いる塗装用加熱空気を所定の温度に精度良く保つことが良好な塗装品質を得る上で要求される等の理由で、塗装用加熱空気を移動式塗装手段に供給する空気供給ホースに保温手段を施すことにより、空気供給ホースからの放熱を抑止して塗装用加熱空気を保温するものであり、従来、例えば、塗装ブース内に配置される塗装ロボットの作業アーム先端に装備した移動式塗装手段としての塗装機により塗装ブース内をタクト搬送される被塗物(例えば、自動車ボディ)の任意部位を塗装する塗装設備に用いられているものでは、樹脂で成型した可撓性の空気供給ホースを塗装ブース外部から塗装ブース内部の移動式塗装手段に接続して、その空気供給ホースの可撓性により作業アームの動きによる移動式塗装手段の被塗物任意部位への移動を許す状態で空気供給ホースを通じて移動式塗装手段に塗料溶剤蒸発促進用などの塗装用加熱空気を供給する構成において、空気供給ホースの全長に亘りその外周面を被覆する状態でグラスウールやロックウールなどの断熱材を配設し、その断熱材の外周を囲うアルミ製蛇腹ダクトを配置して保温手段を形成する、或いは、アルミ製蛇腹ダクトに代え、断熱材の外周面を被覆する樹脂製テープを断熱材の全長に亘って周方向に巻き付けて保温手段を形成することにより、空気供給ホースからの放熱を抑止して塗装用加熱空気を保温していた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記の如き従来の塗装装置及び塗装装置における保温方法では、保温手段を構成するグラスウールやロックウールなどの有形物である断熱材が移動式塗装手段の激しい動き(例えば、線速1,000mm/sec)での連続運転に対して比較的短時間(例えば、300時間)で破損してしまい、このことにより、保温手段による空気供給ホース内部の塗装用加熱空気への保温効果が低下してしまう問題があった。
【0004】
また、保温手段を構成する断熱材により空気供給ホースの可撓性が少なからず低下することになって移動式塗装手段の移動に対する抵抗が増大し、このことにより、移動式塗装手段の運転効率が低下して塗装効率が低下する問題もあった。
【0005】
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、移動式塗装手段に塗装用加熱空気を供給する可撓性の空気供給ホースに施す保温手段の合理的な改良により、上記の如き問題を効果的に解消する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1特徴構成は塗装装置に係り、その特徴は、
可撓性の空気供給ホースを移動式塗装手段に接続して、その空気供給ホースの可撓性により移動式塗装手段の移動を許す状態で空気供給ホースを通じて移動式塗装手段に塗装用加熱空気を供給する構成にするとともに、空気供給ホースからの放熱を抑止して塗装用加熱空気を保温する保温手段を空気供給ホースに施してある塗装装置であって、
前記保温手段を、前記空気供給ホースの外周に形成した保温用空気層により前記塗装用加熱空気を保温する構成にしてある点にある。
【0007】
つまり、この構成であれば、塗装用加熱空気を保温する保温手段を変形抵抗のほとんどない無形物である空気を用いた保温用空気層で構成することにより、有形物であるロックウールやグラスウールなどを断熱材として用いて保温手段を構成する従来技術に比して、移動式塗装手段の動きによる空気供給ホースの変形によって保温手段が破損することを抑制することができるとともに、保温手段を施すことによる空気供給ホースの可撓性の低下を抑制することができる。
【0008】
したがって、保温手段による塗装用加熱空気に対する保温効果を長期にわたり高く保つことができて、保温効果の低下に原因する塗装用加熱空気の温度低下による塗装品質の低下等を抑制することができるとともに、空気供給ホースが移動の抵抗となることによる移動式塗装手段の運転効率の低下を抑制して塗装効率も高く確保することができる。
【0009】
本発明の第2特徴構成は、第1特徴構成の実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
前記空気供給ホースとそれを囲う被覆ホースとからなる二重ホース構造にするとともに、
前記空気供給ホースと前記被覆ホースとの間の保温用空間に保温用加熱空気を通過させることで前記保温用空気層を形成してある点にある。
【0010】
つまり、この構成であれば、横断面視において、空気供給ホースがそのほぼ全周に亘り保温用空間に囲まれる形態になり、空気供給ホース内部の塗装用加熱空気からの放熱を保温用空間に形成の保温用空気層がそのほぼ全周に亘り抑止し得る状態にすることができ、また、常温空気よりも高温の保温用加熱空気で保温用空気層を形成してあるから、例えば、常温空気で保温用空気層を形成する場合に比して、保温用空気層と塗装用加熱空気との間で塗装用加熱空気から保温用空気層に放熱する側の熱交換量を少なくすることができ、また、保温用加熱空気を保温用空間に通過させるから、保温用加熱空気が保温用空気層内で滞留して放熱することによる温度低下を抑制して保温用空気層の高温を極力維持することができ、これらのことにより空気供給ホース内部の塗装用加熱空気の保温を効果的に行うことができる。
【0011】
尚、保温用空気層に通過させる保温用加熱空気の温度は常温空気に比して高温であればよいが、保温用加熱空気を塗装用加熱空気と同一又はほぼ同一温度にしたり、塗装用加熱空気の放熱による温度低下を考慮して保温用加熱空気を塗装用加熱空気よりも若干高い温度にしておけば、塗装用加熱空気の保温を極めて効果的なものにすることができる。
また、塗装用加熱空気の移動式塗装手段への供給時の温度(すなわち、空気供給ホース出口部での温度)が所定温度になるように保温用空気の温度を設定すれば、塗装用加熱空気による塗料溶剤の蒸発促進について、所要の促進効果を過不足なく的確に得ることができる。
【0012】
本発明の第3特徴構成は、第2特徴構成の実施において好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
前記塗装用加熱空気の一部を前記保温用加熱空気として前記保温用空間に通過させる構成にしてある点にある。
【0013】
つまり、この構成であれば、塗装用加熱空気の一部を利用して保温用加熱空気による保温用空気層を形成することができるから、保温用加熱空気を生成する専用加熱器を不要にすることができ、また、塗装用加熱空気を保温用加熱空気の一部として用いる場合では、保温用加熱空気の他部を生成する専用加熱器の容量を小さくすることが可能となり、このことにより、塗装設備の複雑化を抑制することができる。
【0014】
本発明の第4特徴構成は、第3特徴構成の実施において好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
前記空気供給ホースの内部を通過して空気供給ホースの塗装手段側端部又はその近傍に至った塗装用加熱空気の一部を、空気供給ホースに形成の導入口を通じて前記保温用空間に導入して、この導入空気を前記保温用加熱空気として空気供給ホース内部の通気向きとは反対向きで前記保温用空間に通過させる構成にしてある点にある。
【0015】
つまり、この構成であれば、保温用空気を空気供給ホース内部の通気向きとは反対向きで保温用空間に通過させることにより、保温用空間を通過した保温用空気を移動式塗装手段から離れた側に移動させることができるから、移動式塗装手段側に保温用空気を放出することで移動式塗装手段周辺の温熱環境(塗装環境)が変化することを抑制することができ、このことにより、塗装環境の変化による塗装品質の低下を抑制することができる。
【0016】
本発明の第5特徴構成は、第2〜第4特徴構成の実施において好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、前記空気供給ホースの外周面と前記被覆ホースの内周面との接触を防止する間隔保持具を、前記保温用空間における保温用加熱空気の通過を許す状態で保温用空間に配設してある点にある。
【0017】
つまり、この構成であれば、保温用空間における保温用加熱空気の通過を許す状態で保温用空間に配設した間隔保持具が、空気供給ホースの外周面と被覆ホースの内周面との接触を防止するが故に、撓み時等において空気供給ホースの外周面と被覆ホースの内周面とが接触して保温用空気層の周方向の一部の厚みが薄くなる、ないし、保温用空気層が周方向の一部で不存となることを防止することができて、これらの部分からの放熱やこれらの部分が保温用加熱空気の通過の支障となることで保温効率が低下してしまうことを抑制することができる。
【0018】
また、間隔保持具を空気供給ホースの外周面と被覆ホースの内周面との間隔よりも小なる高さで形成すれば、撓み変形時のホースどうしの相対移動を容易にすることができて、ホースどうしの接触を間隔保持具により防止する構成を採りながらも空気供給ホースの可撓性を極力維持することができ、さらに、前述のように形成した間隔保持具を被覆ホースの内周面に設ければ、間隔保持具を空気供給ホースの外周面に設ける場合に比して、保温用空気層に面する空気供給ホースの外周面の表面積を小さくすることができて、空気供給ホース内部の塗装用加熱空気をより効果的に保温することができる。
【0019】
本発明の第6特徴構成は、塗装装置における保温方法に係り、その特徴は、
可撓性の空気供給ホースを移動式塗装手段に接続して、その空気供給ホースの可撓性により移動式塗装手段の移動を許す状態で空気供給ホースを通じて移動式塗装手段に塗装用加熱空気を供給するとともに、空気供給ホースからの放熱を抑止して塗装用加熱空気を保温する保温手段を空気供給ホースに施しておく塗装装置における空気保温方法であって、
前記保温手段として、前記空気供給ホースの外周に形成した保温用空気層により前記塗装用加熱空気を保温する点にある。
【0020】
つまり、この構成であれば、塗装用加熱空気を保温する保温手段を変形抵抗のほとんどない無形物である空気を用いた保温用空気層で構成することにより、有形物であるロックウールやグラスウールなどを断熱材として用いて保温手段を構成する従来技術に比して、移動式塗装手段の動きによる空気供給ホースの変形によって保温手段が破損することを抑制することができるとともに、保温手段を施すことによる空気供給ホースの可撓性の低下を抑制することができる。
【0021】
したがって、保温手段による塗装用加熱空気に対する保温効果を長期にわたり高く保つことができて、保温効果の低下に原因する塗装用加熱空気の温度低下による塗装品質の低下等を抑制することができるとともに、空気供給ホースが移動の抵抗となることによる移動式塗装手段の運転効率の低下を抑制して塗装効率も高く確保することができる。
【0022】
本発明の第7特徴構成は、第6特徴構成の実施において好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
前記空気供給ホースとそれを囲う被覆ホースとからなる二重ホース構造にしておき、
前記空気供給ホースと前記被覆ホースとの間の保温用空間に保温用加熱空気を通過させることで前記保温用空気層を形成する点にある。
【0023】
つまり、この構成であれば、横断面視において、空気供給ホースがそのほぼ全周に亘り保温用空間に囲まれる形態になり、空気供給ホース内部の塗装用加熱空気からの放熱を保温用空間に形成の保温用空気層がそのほぼ全周に亘り抑止し得る状態にすることができ、また、常温空気よりも高温の保温用加熱空気で保温用空気層を形成してあるから、例えば、常温空気で保温用空気層を形成する場合に比して、保温用空気層と塗装用加熱空気との間で塗装用加熱空気から保温用空気層に放熱する側の熱交換量を少なくすることができ、また、保温用加熱空気を保温用空間に通過させるから、保温用加熱空気が保温用空気層内で滞留することによりその温度が時間とともに低下することを抑制して保温用空気層の高温を極力維持することができ、これらのことにより空気供給ホース内部の塗装用加熱空気の保温を効果的に行うことができる。
【0024】
尚、保温用空気層に通過させる保温用加熱空気の温度は常温空気に比して高温であればよいが、保温用加熱空気を塗装用加熱空気と同一又はほぼ同一温度にしたり、塗装用加熱空気の放熱による温度低下を考慮して保温用加熱空気を塗装用加熱空気よりも若干高い温度にしておけば、塗装用加熱空気の保温を極めて効果的なものにすることができる。
また、塗装用加熱空気の移動式塗装手段への供給時の温度(すなわち、空気供給ホース出口部での温度)が所定温度になるように保温用空気の温度を設定すれば、塗装用加熱空気による塗料溶剤の蒸発促進について、所要の促進効果を過不足なく的確に得ることができる。
【0025】
本発明の第8特徴構成は、第7特徴構成の実施において好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
前記塗装用加熱空気の一部を前記保温用加熱空気として前記保温用空間に通過させる点にある。
【0026】
つまり、この構成であれば、塗装用加熱空気の一部を利用して保温用加熱空気による保温用空気層を形成することができるから、保温用加熱空気を生成する専用加熱器を不要にすることができ、また、塗装用加熱空気を保温用加熱空気の一部として用いる場合では、保温用加熱空気の他部を形成する専用加熱器の容量を小さくすることが可能となり、このことにより、塗装設備の複雑化を抑制することができる。
【0027】
本発明の第9特徴構成は、第8特徴構成の実施において好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
前記空気供給ホースの内部を通過して空気供給ホースの塗装手段側端部又はその近傍に至った塗装用加熱空気の一部を、空気供給ホースに形成の導入口を通じて前記保温用空間に導入して、この導入空気を前記保温用加熱空気として空気供給ホース内部の通気向きとは反対向きで前記保温用空間に通過させる点にある。
【0028】
つまり、この構成であれば、保温用空気を空気供給ホース内部の通気向きとは反対向きで保温用空間に通過させることにより、保温用空間を通過した保温用空気を移動式塗装手段から離れた側に移動させることができるから、移動式塗装手段側に保温用空気を放出することで移動式塗装手段周辺の温熱環境(塗装環境)が変化することを抑制することができ、このことにより、塗装環境の変化による塗装品質の低下を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
図1は本発明の塗装装置及び塗装装置における保温方法を用いた塗装設備を示し、1はトンネル状の塗装ブース(平面視)、2は被塗物(本実施形態では自動車ボディ)であり、塗装ブース1内には、搬送手段により所定間隔でタクト搬送される被塗物2を順次に自動塗装する複数の塗装ロボット3を設置してある。
【0030】
塗装ロボット3の下面には、塗装ブース1の床面に被塗物2の搬送ラインと平行に敷設した所定長さのレール3a上を転動可能な複数の転輪3bを設けて被塗物2の搬送方向に所定範囲で移動できる構造にしてあり、また、塗装ロボット3の作業アーム3cには、被塗物2に対し塗料を霧状にして噴出するとともに、その塗料噴出に併行して後述する塗料溶剤蒸発促進用及び塗料粒子保護用のシールドエアを被塗物に向けて噴出するエアシールドノズル一体型の塗装機4を装備してあり、この塗装機4が、作業アーム3cの動作により、又は転輪3bのレール上の転動により移動することで、被塗物2の任意の塗装部位を塗装する。
【0031】
9は、空気供給源から供給される常温空気A1を加熱して塗装用加熱空気A2を生成する塗装機4ごとの加熱器であり、8Aは、その塗装用加熱空気A2を塗装ブース1の近傍に配置した塗装機4ごとの給気ヘッダ7に供給する長尺の高温側空気供給管であり、図示しないが、その全長に亘って外周を断熱材で被覆してある。また、8Bは、空気供給源から供給される常温空気A3(A1と同じ空気)を塗装ブース1の近傍まで導く低温側空気供給管であり、その塗装ブース1側の端部には他部材との接続用の継手を設けてある。
【0032】
5は高温側空気供給管8Aを通じて給気ヘッダ7に供給された塗装用加熱空気A2を各塗装機4に供給する複数本(本実施形態では2本)の高温側空気供給ホースであり、また、6は低温側空気供給管8Bにより塗装ブース1の近傍に導かれた常温空気A3を低温側空気供給管8Bとの継手接続によって塗装用常温空気A3として各塗装機4に供給する低温側空気供給ホースである。これら、高温側及び低温側の空気供給ホース5、6は夫々、塗装機4の移動を許す可撓性を備える樹脂で構成してある。
【0033】
空気供給源からヒータ9に至る接続管14には、高温側の空気供給弁10を介装してあり、この高温側空気供給弁10の操作により、塗装機4への塗装用加熱空気A2の供給流量を調節できるようにしてある。また、空気供給源から低温側空気供給ホース6に至る低温側空気供給管8Bには、低温側の空気供給弁11を介装してあり、この低温側空気供給弁11の操作により、塗装機4への塗装用常温空気A3の供給流量を調節できるようにしてある。
【0034】
12は、予め設定された生産スケジュールに基づき塗装機4に対する供給塗料の切り替え、及び、塗装機4の塗料噴霧動作の発停に連携して、高温側及び低温側の空気供給弁10、11を自動操作する塗装機4ごとの弁制御器であり、この弁制御器12による弁操作により流量調節された塗装用加熱空気A2と塗装用常温空気A3を塗装機4に供給する構成にしてある。
【0035】
図2、図3は、作業アーム3cに装備した塗装機4を示し、4Aは作業アーム3cに取り付けた砲弾形状の塗装機本体、4aは塗装機本体4が先端に備える塗料噴霧部としての回転ベルであり、この回転ベル4aの正面視中央には塗料吐出口4bを形成してある。
【0036】
塗装機本体4Aの先端部には、被塗物2の側(すなわち、回転ベル4aが望む前方側)に向けてシェーピングエアAsを噴出する小孔のシェーピングエア噴出口4cを、回転ベル4aの正面視で回転ベル4cの周囲に環状に配置して多数形成してあり、塗料吐出口4bから吐出されて回転ベル4aの高速回転により回転ベル4aの外縁から霧化状態で放出された塗料の粒子は、図4に模式的に示す如く、シェーピングエアAsの噴出流により外郭が形成される噴霧パターンP内を被塗物2に向かい飛行して被塗物2に塗着する。
【0037】
4Bは塗装機本体4Aとともに作業アーム3cの先端部に装備したエアシールドノズルであり、このエアシールドノズル4Bは、回転ベル4aよりも若干後方(すなわち、反被塗物の側)において塗装機本体4Aから離した状態で、且つ、塗装機本体4Aを囲う状態で配置した円環状のノズル部4eを備え、このノズル部4eはノズル支持部材4dを介して作業アーム3cの先端近傍部に対し連結固定してある。
【0038】
前記ノズル支持部材4dにおけるノズル部4eとの連結部近傍箇所には、塗装用加熱空気A2を供給する複数本の高温側空気供給ホース5、及び、塗装用常温空気A3を供給する低温側空気供給ホース6を後面側から接続して、これら空気供給ホース5、6から供給される塗装用加熱空気A2と塗装用常温空気A3とを混合し、その混合空気A2・A3を前面側から突出させた送出管13aを通してノズル部4eに供給する混合器13を装備してあり、この混合器13を装備することで、弁制御器12による弁操作をもって塗装用加熱空気A2及び塗装用常温空気A3を夫々の供給流量に調節することにより混合空気A2・A3の温度を調節するようにしてある。
尚、13bは混合器13における送出管13aのノズル部4eに対する接続部に装備したサイレンサ(消音器)である。
【0039】
前記ノズル部4eは、ノズル支持部材4dにボルト連結するとともに後面側から混合器13の送出管13aを接続するノズル部本体4fと、そのノズル部本体4fの前面部分に取付ける蓋状体4gとからなり、ノズル部本体4fに形成した前向き開口の環状凹部に蓋する状態でノズル部本体4fの前面部に蓋状体4gを取り付けることにより、内部に環状の空気室4hを備える円環状のノズル部4eを形成し、この環状の空気室4hに対し混合器13を介して混合空気A2・A3を供給する構成にしてある。
【0040】
ノズル部4eの蓋状体4gには、環状の空気室4fに供給される混合空気A2・A3をシールドエアAhとして被塗物2の側に向けて噴出するシールドエア噴出口4gを、回転ベル4aに対する正面視でシェーピングエア噴出口4cの環状配置部の周囲に環状に位置させる配置で形成してある。
【0041】
そして、このシールドエア噴出口4gからシールドエアAh(すなわち、温度調節された混合空気A2・A3)を噴出することで、図4に模式的に示す如く、回転ベル4aからのシェーピングエアAsにより形成される噴霧パターンPをシールドエアAhの噴出流をもって囲う状態(換言すれば、シールドエアAhにより噴霧パターンPを塗装ブース1の室内空気からシールドする状態)にし、これにより、噴霧パターンP内への不純物の侵入を抑制して、塗膜に不純物が混入するなどの塗装不良の発生を抑制するとともに、シールドエアAhをその流れ過程で噴霧パターンPに混入させる状態にして噴霧パターンPの内部温度をシールドエアAhにより調節し、そのことで、噴霧パターンP内において噴霧塗料中の塗料溶剤の蒸発を促進して塗装直後における塗膜の固形分率を高くすることによりタレやムラなどの塗装不良の発生を抑制する。
【0042】
シールドエアAhの温度は、弁制御器12による高温側空気供給弁10及び低温側空気供給弁11の自動操作により、図5に示す如く、水を塗料溶媒として用いる水性塗装パターン、色替え時など塗装を行っていない状態の待機パターン、シンナー等の有機溶剤を塗料溶媒として用いる溶剤塗装パターンの3パターンで切り替えるようにしてあり、水性塗装パターンでは、塗装用加熱空気A2の流量Ra2を待機パターン及び溶剤塗装パターンでの流量Rb2、Rc2よりも大きな流量にするとともに、塗装用常温空気A3の流量Ra3を待機パターン及び溶剤塗装パターンでの流量Rb3、Rc3よりも小さな流量にする(本実施形態では、流量をゼロにする)ことで、シールドエアAhの温度Taを待機パターン及び溶剤塗装パターンでの温度Tb、Tcよりも高い温度(例えば、60℃)にして、これにより、噴霧パターンPの内部温度TAを待機パターン及び溶剤塗装パターンでの内部温度TB、TCよりも高い温度(例えば、36℃)にして、有機溶剤よりも蒸発の遅い塗料溶媒である水の蒸発を促す。
【0043】
また、溶剤塗装パターンでは、塗装用加熱空気A2の流量Rb2を水性塗装パターンでの流量Ra2の半分強の流量にするとともに、塗装用常温空気A3の流量Tb2を水性塗装パターンでの流量Ta2よりも大きな流量にして、シールドエアAhの温度Tbを水性塗装パターンでの温度Taよりも低い温度(例えば、42℃)にし、また、塗装用加熱空気A2と塗装用常温空気A3との合計流量を水性塗装パターンでの流量よりも若干小さな流量にし、これにより、噴霧パターンPの内部温度TBを水性塗装パターンでの内部温度TAよりも低い温度(例えば、27℃)にするとともにシールドエアAhの噴出量も低下させて、溶剤塗装パターンにおいても有機溶剤の蒸発をある程度は促進する。
【0044】
そして、水性塗装パターン及び溶剤塗装パターンの夫々においてシールドエアAhを噴出することにより、水性塗装、溶剤塗装など塗装種に係わらず塗装中における噴霧パターンP内への不純物の侵入をシールドエアAhが抑止して、塗膜に不純物が混入するなどの塗装不良の発生を回避するとともに、水性塗料、溶剤塗料など塗料種によって被塗物2に向かう塗料粒子の飛行速度がシールドエアAh噴出の有無により大きく異なることを回避して、シールドエアAh噴出の有無で塗装後の塗膜の状態が大きく異なることも合せて防止する。
【0045】
また、待機パターンにおいては、塗装用加熱空気A2の流量Rc2、塗装用常温空気A3の流量Tc2を溶剤塗装パターンと同一の流量設定にして、シールドエアAhの温度Tc及び噴霧パターンPの内部温度TCを溶剤塗装パターンと同一の温度設定にしてある。
【0046】
そして、水性塗装パターン、待機パターン、溶剤塗装パターンの全てにおいて、シールドエアAhとして混合された形で塗装用加熱空気A2を噴出することにより、加熱器9から混合器13に至る高温側空気供給路内に新鮮な塗装用加熱空気A2を常に通過させておくようにして、待機時や溶剤塗装時に塗装用加熱空気A2の高温側空気供給路内での通過を停止させている場合のように塗装用加熱空気A2が供給路内に滞留することで生じる放熱により塗装用加熱空気A2の温度が低下することを抑制し、このように温度低下を抑制した新鮮な塗装用加熱空気A2を塗装機4に設けた混合器13で混合してシールドエアAhを生成することで、待機後の水性塗装パターン、ないし、溶剤塗装パターンの実施、或いは、溶剤塗装後の水性塗装パターンの実施において夫々に対応した所要温度のシールドエアAhの生成を迅速に行うことができ、これらのことにより、例えば、タクト搬送される被塗物によって塗料種を切り替える混流塗装の生産性を高めることも可能になる。
【0047】
塗装機4に設けた混合器13に塗装用加熱空気A2を供給する複数本の高温側空気供給ホース5には、図6〜図8に示す如く、それら空気供給ホース5の外周を囲う被覆ホース5dを設けて、被覆ホース5dの内周面と空気供給ホース5の外周面との間に空気供給ホース5の全長に亘って断面視円環状の保温用空間Sを形成する二重ホース構造にしてあり、この保温用空間Sの内部に保温用空気層SAを形成するようにしてある。
尚、被覆ホース5dは空気供給ホース5と同様に塗装機4の移動を許す可撓性を備える樹脂で成形されている。
【0048】
そして、高温側空気供給ホース5の塗装機4側端部の近傍(詳しくは、混合器13との接続部近傍)には、それら空気供給ホース5の内部を通過して塗装機4側端部の近傍に至った塗装用加熱空気A2の一部(本実施形態では全体流量の約10%)を保温用空間Sに導入する小孔の導入口5aを周方向に複数配設してあり、また、塗装ブース1の外部に位置する被覆ホース5dの給気ヘッダ7近傍には、保温用空間S内の保温用空気A4を被覆ホース5dの外部に放出する小孔の放出口5cを周方向に複数配設してあり、これにより、導入口5aを通じて保温用空間S内に導入した塗装用加熱空気A2の一部を保温用加熱空気A4として空気供給ホース5の内部における塗装用加熱空気A2の通過向きとは反対向きである給気ヘッダ7側に向けて通過させたのち、この保温用空気A4を放出口5cを通じて保温用空間Sから塗装ブース1の外部に放出することで、空気供給ホース5内部の塗装用加熱空気A2からの外部放熱を抑止する保温用空気層SAを保温用空間S内に形成する。
【0049】
つまり、変形抵抗のほとんどない無形物である保温用空気A4を通過させた保温用空気層SAで空気供給ホース5内部の塗装用加熱空気A2を保温することにより、塗装機4の動きによる空気供給ホース5の変形によって保温効果が低下することを抑制し、これにより、塗装用加熱空気A2に対する保温効果を長期にわたり高く保って、保温効果の低下に原因する塗装用加熱空気A2の温度低下による塗装品質の低下等を抑制するとともに、保温による空気供給ホース5の可撓性の低下を最小限のものとして、塗装機4の移動の抵抗となることによる塗装ロボット3及び塗装機4の運転効率の低下を抑制して塗装効率も高く確保する。
【0050】
また、横断面視において、空気供給ホース5がそのほぼ全周に亘り保温用空間Sに囲まれる形態にすることにより空気供給ホース5内部の塗装用加熱空気A2からの放熱を保温用空気層SAがそのほぼ全周に亘り抑止するとともに、常温空気よりも高温の保温用加熱空気A4で保温用空気層SAを形成することにより塗装用加熱空気A2から保温用空気層SAに放熱する側の熱交換量を極力少ない状態にし、さらに、保温用加熱空気A4を保温用空間SAに通過させることにより保温用加熱空気A4が保温用空気層SA内で滞留して放熱することで温度が低下することを抑制して保温用空気層SAの高温を極力維持し、これらのことにより空気供給ホース5内部の塗装用加熱空気A2の保温を効果的に行う。
【0051】
また、高温側空気供給ホース5の外周面には、被覆ホース5dの内周面の半径R1と空気供給ホース5の外周面の半径R2との差Rよりも高さHの小さな側面視角錐台状の樹脂製のスペーサー5b(間隔保持具の一例)の複数個を周方向に均等間隔(本実施例では90度ごとに4つ)に配設するとともに、この複数個の周方向配置スペーサー5bからなるスペーサー群をホース長さ方向に所定間隔で複数群設けてあり、周方向に隣合うスペーサー5bどうしの間、及び、被覆ホース5dの内周面とこれに相対向するスペーサーの天井面との間に保温用空気A4を通過させるようにしながら、空気供給ホース5の外周面よりも外方でスペーサー5bが被覆ホース5dの内周面に接触することにより、塗装機4の移動に伴う空気供給ホース5の撓み時等の弾性変形において空気供給ホース5と被覆ホース5dとが接触することを防止し、これにより、保温用空気層SAの周方向の一部の厚みが薄くなる、ないし、保温用空気層SAが周方向の一部で不存となることを防止して、これらの部分からの放熱やこれらの部分が保温用加熱空気A4の通過の支障となることで保温効率が低下することを抑制する。
【0052】
尚、本実施形態では、高温側空気供給ホース5の外周を囲う被覆ホース5dを設けるととともに、被覆ホース5dと空気供給ホース5との間に保温用空気層SAを形成することにより、第1特徴構成及び第6特徴構成における保温手段を構成してある。
【0053】
また、本実施形態において、塗装用加熱空気A2、保温用加熱空気A4は、外気中の空気と同一組成からなるものに限られるものではなく、無形物である気体であればどのような組成であってもよい。
【0054】
〔別実施形態〕
次に本発明の別実施形態を列記する。
前述の実施形態では、移動式塗装手段として、転輪3bにより移動可能な塗装ロボット3の作業アーム3c先端に装備され、作業アーム3cの動作又は転輪3bによる転動による移動可能な塗装機4を例に示したが、これに限られるものではなく、例えば、据え置き式の塗装ロボットの作業アームに移動可能に備えられた塗装機や、駆動輪により移動可能な塗装機であってもよく、また、移動可能な塗装ロボット自体であってもよい。要するに、塗料を噴出する塗装部がなんらかの形で移動可能であれば、どのような構成であってもよい。
【0055】
前述の実施形態では、塗装用加熱空気A2として、シールドエアAh構成用の加熱空気を例に示したが、これに限られるものではなく、例えば、シェービングエアAs構成用の加熱空気であってもよい。つまり、直接であるか間接であるかを問わず、塗装に際して用いる加熱空気であれば、どのようなものであってもよい。
【0056】
前述の実施形態では、保温手段として、高温側空気供給ホース5の外周を囲う樹脂製の被覆ホース5dを設け、被覆ホース5dと空気供給ホース5との間に保温用空気層SAを形成して構成する例を示したが、これに限られるものではなく、例えば、被覆ホース5dの代わりにアルミ製等の蛇腹ダクトを用いてもよい。つまり、空気供給ホース5の外周に保温用空気層SAを形成することができれば、移動式塗装手段の移動速度や塗装用加熱空気の温度など種々の状況に合せて適宜設計すればよい。
【0057】
前述の実施形態では、保温用空気層SAとして、保温用空間Sに保温用加熱空気A4を通過させて構成する例を示したが、保温用空間Sに空気を密封させて構成してもよい。
【0058】
前述の実施形態では、高温側空気供給ホース5の内部を通過する塗装用加熱空気A2の一部を保温用加熱空気A4としていたが、これに限られるものではなく、例えば、専用の加熱器で加熱して生成してもよい。
【0059】
前述の実施形態では、保温用加熱空気A4を被覆ホース5dの放出口5cを通じて外部に放出する例を示したが、保温用加熱空気A4を外部に放出せず、供給ヘッダ7に再供給する構成にしてもよい。
【0060】
前述の実施形態では、間隔保持具として、側面視角錐台状の樹脂製スペーサー5bを例に示したが、間隔保持具は、例えば、長方形状や丸状や棒状であってもよく、また、金属製やプラスチック製であってもよい。要するに、保温用空間S内で空気供給ホース5の外周面と被覆ホース5dの内周面との接触を防止することができればどのような構成であってもよい。
【0061】
前述の実施形態では、間隔保持具を高温側空気供給ホース5の外周面に設けている例を示したが、間隔保持具を被覆ホース5dの内周面に設けてもよく、空気供給ホース5の外周面と被覆ホース5dの内周面の両方に設けてもよく、また、空気供給ホース5の外周面と被覆ホース5dの内周面とに亘って設けてもよい。
【0062】
前述の実施形態では、高温側空気供給ホース5の内部を通過した塗装用加熱空気A2の一部を保温用空間Sに導入する導入口5aを空気供給ホース5の塗装機4側端部の近傍に設けている例を示したが、空気供給ホース5の塗装機4側端部に設けてもよい。また、保温用空気A4を被覆ホースの外部に放出する放出口5cを被覆ホース5dの給気ヘッダ7近傍に設けている例を示したが、例えば、被覆ホース5dにおける給気ヘッダ7との接続端部に設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】塗装設備の構成図
【図2】エアシールドノズル一体型の塗装機の一部破断断面図
【図3】エアシールドノズル一体型の塗装機の正面図
【図4】塗料噴霧状態を模式的に示す側面図
【図5】塗装用加熱空気の供給流量、塗装用常温空気の供給流量、シールドエアの温度、噴霧パターン内の温度の関係を説明するための表
【図6】保温手段を施した高温側空気供給ホースの縦断図
【図7】図6におけるI−I線断面図
【図8】図6におけるII−II線断面図
【符号の説明】
【0064】
4 塗装機(移動式塗装手段)
5 高温側空気供給ホース(空気供給ホース)
5a 導入口
5b スペーサー(間隔保持具)
5d 被覆ホース(保温手段)
A2 塗装用加熱空気
A4 保温用加熱空気
S 保温用空間
SA 保温用空気層(保温手段)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性の空気供給ホースを移動式塗装手段に接続して、その空気供給ホースの可撓性により移動式塗装手段の移動を許す状態で空気供給ホースを通じて移動式塗装手段に塗装用加熱空気を供給する構成にするとともに、空気供給ホースからの放熱を抑止して塗装用加熱空気を保温する保温手段を空気供給ホースに施してある塗装装置であって、
前記保温手段を、前記空気供給ホースの外周に形成した保温用空気層により前記塗装用加熱空気を保温する構成にしてある塗装装置。
【請求項2】
前記空気供給ホースとそれを囲う被覆ホースとからなる二重ホース構造にするとともに、
前記空気供給ホースと前記被覆ホースとの間の保温用空間に保温用加熱空気を通過させることで前記保温用空気層を形成してある請求項1記載の塗装装置。
【請求項3】
前記塗装用加熱空気の一部を前記保温用加熱空気として前記保温用空間に通過させる構成にしてある請求項2記載の塗装装置。
【請求項4】
前記空気供給ホースの内部を通過して空気供給ホースの塗装手段側端部又はその近傍に至った塗装用加熱空気の一部を、空気供給ホースに形成の導入口を通じて前記保温用空間に導入して、この導入空気を前記保温用加熱空気として空気供給ホース内部の通気向きとは反対向きで前記保温用空間に通過させる構成にしてある請求項3記載の塗装装置。
【請求項5】
前記空気供給ホースの外周面と前記被覆ホースの内周面との接触を防止する間隔保持具を、前記保温用空間における保温用加熱空気の通過を許す状態で保温用空間に配設してある請求項2〜4のいずれか1項に記載の塗装装置。
【請求項6】
可撓性の空気供給ホースを移動式塗装手段に接続して、その空気供給ホースの可撓性により移動式塗装手段の移動を許す状態で空気供給ホースを通じて移動式塗装手段に塗装用加熱空気を供給するとともに、空気供給ホースからの放熱を抑制して塗装用加熱空気を保温する保温手段を空気供給ホースに施しておく塗装装置における空気保温方法であって、
前記保温手段として、前記空気供給ホースの外周に形成した保温用空気層により前記塗装用加熱空気を保温する塗装装置における空気保温方法。
【請求項7】
前記空気供給ホースとそれを囲う被覆ホースとからなる二重ホース構造にしておき、
前記空気供給ホースと前記被覆ホースとの間の保温用空間に保温用加熱空気を通過させることで前記保温用空気層を形成する請求項6記載の塗装装置における空気保温方法。
【請求項8】
前記塗装用加熱空気の一部を前記保温用加熱空気として前記保温用空間に通過させる請求項7記載の塗装装置における空気保温方法。
【請求項9】
前記空気供給ホースの内部を通過して空気供給ホースの塗装手段側端部又はその近傍に至った塗装用加熱空気の一部を、空気供給ホースに形成の導入口を通じて前記保温用空間に導入して、この導入空気を前記保温用加熱空気として空気供給ホース内部の通気向きとは反対向きで前記保温用空間に通過させる請求項8記載の塗装装置における空気保温方法。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate