説明

塞栓材

【課題】膨潤速度が速く、機械的強度が高い塞栓材及びその製造法の提供。
【解決手段】(メタ)アクリルアミド系単量体に由来する構成単位及び不飽和カルボン酸に由来する構成単位を含む共重合体を架橋剤により架橋したpH応答性水膨潤性高分子材料の薄膜2から形成され、膜厚が5〜70μmであり、pHが7以上の条件下で水膨潤する、ロール状に巻回されている形状である塞栓材1。製造方法は水膨潤性高分子材料を有機溶媒中に分散させた後、有機溶媒を揮発させることによって水膨潤性高分子材料の薄膜を形成する工程を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は塞栓材に関し、さらに詳細には、膨潤速度が速く、機械的強度が高い塞栓材に関する。
【背景技術】
【0002】
経皮的な血管内治療技術として血管塞栓術がある。血管塞栓術に用いられる塞栓材は、血管径、血管構造などによって、適した形態や適した大きさのものが種々用いられる。外傷性出血に対する緊急止血のために動脈を塞栓する手技や、腹部大動脈瘤にステントグラフトを留置した後に生じるエンドリークの止血、腎動脈瘤、肺動脈瘤、比較的太い血管の血管奇形の塞栓手技においては、プラグ形状の塞栓材が用いられることが多い。
【0003】
従来の血管塞栓プラグとしては、例えば、形状記憶合金であるニッケルチタン線をかご形状に編んだもの(非特許文献1参照)や、多孔質ポリウレタンから形成されるもの(非特許文献2参照)などがある。
【0004】
また、特許文献1では吸水膨潤性を有する高分子材料から形成される塞栓プラグが報告されており、さらに特許文献2では、吸水膨潤速度を上げ、機能発現までの時間を短縮する試みとして、ハイドロジェルプラグを多孔構造(スポンジ構造)とすることによって、キャピラリー効果により、水の浸入を促進し含水膨潤を加速させる方法も報告されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許3356447号公報
【特許文献2】特表2004−528880号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Barbaros Cil et al., Peripheral vascular applications of the Amplatzer Vascular plug, Diagn Interv Radiol., 2008;14:35−39
【非特許文献2】Jason Y. Rhee et al., Treatment of type II endoleaks with a novel polyurethane thrombogenic foam:Induction of endoleak thrmobosis and elimination of intra−aneurysmal pressure in the carine model, J. of Vasc. Surg., 2005;42:321−8
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
非特許文献1に記載のニッケルチタン線のかご形状プラグは、血管内に留置後、かご内に流入した血液が滞留することによって血液が血栓化し、塞栓機能を発揮する。そのため、かご内外で形成した血栓が留置部位より末梢に流れ、目的外血管を閉塞してしまう危険性がある。また、弾性がある金属線を編んだ構造であるため、血管構造に対する追随性に限界があった。
【0008】
また、非特許文献2に記載の塞栓プラグでは、カテーテルなどを用いて血管内に送達する際、プラグを可能な限り圧縮して運ぶ必要があることから、操作性に課題があった。
【0009】
さらに、特許文献1に記載の塞栓プラグは、ハイドロジェル粒子をそのままプラグ形状に加工している。吸水は、水との接触面であるプラグ表面から始まり、ゆっくりとプラグの内部へ浸透していくため、塞栓材としての機能を発現する大きさに到達するまでに時間を要していた。また、特許文献2に記載のプラグは、膨潤後のプラグの機械的強度が低いという問題があった。
【0010】
そこで、本発明は、膨潤速度が速く、機械的強度が高い塞栓材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、上記の課題に鑑み、鋭意研究を積み重ねた。その結果、水膨潤性高分子材料を、有機溶媒中に分散させ、さらに有機溶媒を揮発させることによって、所望の厚さで自己支持性を有する薄膜が容易に形成されることがわかった。この薄膜を、例えば巻回してロール状に形成した塞栓材が、速い膨潤速度および高い機械的強度を有し、加えて操作性にも優れることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0012】
すなわち、本発明は、膜厚が5〜70μmである水膨潤性高分子材料の薄膜から形成される、塞栓材である。
【発明の効果】
【0013】
本発明の塞栓材は、水膨潤性高分子材料の薄膜から形成されるため、血液などの体液との接触面積が大きく、膨潤速度が速い。また、該塞栓材は、機械的強度が高い。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】塞栓材の一実施形態を示す模式図である。
【図2】塞栓材が血管の動脈瘤内に装入されている様子を示す模式図である。
【図3】塞栓材を用いた塞栓方法の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
まず、塞栓材の好ましい実施形態について説明するが、以下の実施形態のみには制限されない。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0016】
図1は、本発明の塞栓材の一実施形態を示す模式図である。図1に示す塞栓材1は、水膨潤性高分子材料の薄膜2をロール状に巻回して形成されている。図2は、図1に示す塞栓材1が血管7の動脈瘤6内に装入されている様子を示す模式図である。塞栓材1は血液により膨潤し、動脈瘤6を塞栓する。
【0017】
本発明の塞栓材は、膜厚が5〜70μmである水膨潤性高分子材料の薄膜から形成される。前記水膨潤性高分子材料を有機溶媒中に分散させ、さらに前記有機溶媒を揮発させることによって、所望の厚さで自己支持性を有する薄膜が極めて容易に形成される。かような薄膜を、例えばロール状に巻回することによって形成される本発明の塞栓材は、水膨潤性高分子材料の微粒子からそのまま形成されるプラグよりも水との接触面積が大きいため、膨潤速度が速い。また、該薄膜は膜厚の制御が容易であり、膜厚を制御することによって膨潤速度を制御することができ、さらに該薄膜から形成される本発明の塞栓材は、機械的強度にも優れる。
【0018】
そして、該水膨潤性高分子材料としては、pH7未満の条件では水膨潤せず、好ましくはpHが7以上、特に好ましくは血液のようなpH7.3〜7.6の弱アルカリ性条件下において、即時に血液等の体液を吸収して膨潤するpH応答性水膨潤性高分子が好ましい。なお、ここで「即時」とは、90秒以内、好ましくは60秒以内を示す。本発明の塞栓材が該pH応答性水膨潤性高分子から形成される場合、塞栓材をカテーテルを用いて血管内に挿入する際に予めpH5〜7の範囲にある生理食塩水につけた時には塞栓材は膨潤しないため、カテーテルの内腔内において塞栓材を円滑に移動させることが可能であり、血管内に挿入する際の作業性が向上する。さらに、前記pH応答性水膨潤性高分子は、酸性水溶液を添加することによって、生体内で固形状の状態から流動性がある液状に形態が変化しうるため、これを用いた塞栓材は、塞栓を任意に解除することも可能となる。
【0019】
なお、本明細書で使用されている「塞栓材」という用語は、部分的にまたは全体的に空間または空隙を埋め、部分的にまたは全体的に腔を塞ぐ、生体内の血管または他の同様な経路の空間、空隙または腔中に装入されるものを表す。例えば、血管自体や血管内の動脈瘤の塞栓、血管穿刺部の塞栓、気管内の塞栓などのために使用することができる。
【0020】
以下、本発明の塞栓材の構成および製造方法を、さらに詳細に説明する。
【0021】
本発明の塞栓材の形成材料である水膨潤性高分子材料は、特に限定されない。しかしながら、(メタ)アクリルアミド系単量体(a1)に由来する構成単位および不飽和カルボン酸(a2)に由来する構成単位を含む共重合体を、架橋剤(a3)により架橋したpH応答性水膨潤性高分子(A)であることが好ましい。
【0022】
前記pH応答性水膨潤性高分子(A)は、pH7未満の条件では水膨潤せず、好ましくはpHが7以上、特に好ましくは血液のようなpH7.3〜7.6の弱アルカリ性条件下において、即時に血液等の体液を吸収して膨潤する。なお、ここで「即時」とは、90秒以内、好ましくは60秒以内を示す。よって、本発明の塞栓材が該pH応答性水膨潤性高分子(A)から形成される場合、カテーテルを用いて塞栓材を血管内に挿入する際に予めpH5〜7の生理食塩水につけた時には塞栓材は膨潤しないため、カテーテルの内腔内において塞栓材を円滑に移動させることが可能であり、血管内に挿入する際の作業性が向上する。さらに、前記pH応答性水膨潤性高分子(A)は、酸性水溶液を添加することによって、生体内で固形状の状態から流動性がある液状に形態が変化しうるため、これを用いた塞栓材は、塞栓を任意に解除することも可能となる。
【0023】
このpH応答性水膨潤性高分子(A)に用いられる単量体成分について、下記で詳細に説明するが、本発明の技術的範囲は下記の形態のみに制限されない。
【0024】
<(メタ)アクリルアミド系単量体(a1)>
pH応答性水膨潤性高分子(A)の単量体成分である(メタ)アクリルアミド系単量体(a1)は、特に制限されない。具体的な例としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−イソブチル(メタ)アクリルアミド、N−s−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル−N−メチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−エチル−N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−エチル−N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。これら(メタ)アクリルアミド系単量体(a1)は、単独でもまたは2種以上を組み合わせても用いることができる。なお、本明細書において、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミド等の記載は、アクリル酸およびメタクリル酸またはこれらの各誘導体を意味する。
【0025】
なかでも、整形外科領域等で使用実績があり、生体内において安全性が高い(メタ)アクリルアミドが好ましい。
【0026】
<不飽和カルボン酸(a2)>
前記pH応答性水膨潤性高分子(A)の単量体成分である不飽和カルボン酸(a2)は、特に制限されず、具体的な例としては、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、グルタコン酸、イタコン酸、クロトン酸、ソルビン酸などが挙げられる。また、前記不飽和カルボン酸のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩などの塩も、pH応答性水膨潤性高分子(A)の製造の際に用いることができる。不飽和カルボン酸の塩を共重合に用いた場合は、後述する酸処理を行うことにより、不飽和カルボン酸(a2)の構成単位がpH応答性水膨潤性高分子(A)に導入されうる。これら不飽和カルボン酸(a2)(またはその塩)は、単独でもまたは2種以上を組み合わせても用いることができる。
【0027】
なかでも、pH7以上の中性からアルカリ性領域において膨張性を示すという観点から、(メタ)アクリル酸または(メタ)アクリル酸ナトリウムが好ましい。
【0028】
<架橋剤(a3)>
前記pH応答性水膨潤性高分子(A)に用いられる架橋剤(a3)としては、特に制限されず、例えば、重合性不飽和基を2個以上有する架橋剤(イ)、重合性不飽和基と重合性不飽和基以外の反応性官能基とをそれぞれ1つずつ有する架橋剤(ロ)、重合性不飽和基以外の反応性官能基を2個以上有する架橋剤(ハ)などが挙げられる。これら架橋剤は、単独でもまたは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0029】
前記架橋剤(イ)のみを用いる場合は、(メタ)アクリルアミド系単量体(a1)と不飽和カルボン酸(a2)(またはその塩)との共重合を行う際に、重合系内に架橋剤(イ)を添加して共重合させればよい。前記架橋剤(ハ)のみを用いる場合は、(a1)と(a2)との共重合を行ったあとに架橋剤(ハ)を添加して、例えば加熱による後架橋を行えばよい。前記架橋剤(ロ)のみを用いる場合ならびに前記架橋剤(イ)、(ロ)、および(ハ)の2種以上を用いる場合は、(メタ)アクリルアミド系単量体(a1)と不飽和カルボン酸(a2)との共重合を行う際に重合系内に架橋剤を添加して共重合させ、さらに、例えば加熱による後架橋を行えばよい。
【0030】
重合性不飽和基を2個以上有する架橋剤(イ)の具体例としては、例えば、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、N,N’−メチレンビスメタクリルアミド、N,N’−エチレンビスアクリルアミド、N,N’−エチレンビスメタクリルアミド、N,N’−ヘキサメチレンビスアクリルアミド、N,N’−ヘキサメチレンビスメタクリルアミド、N,N’−ベンジリデンビスアクリルアミド、N,N’−ビス(アクリルアミドメチレン)尿素、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリン(ジ又はトリ)アクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリアリルアミン、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、テトラアリロキシエタン、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチルロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、グリセリンアクリレートメタクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルホスフェート、トリアリルアミン、ポリ(メタ)アリロキシアルカン、(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、エチレンジアミン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、グリシジル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
【0031】
重合性不飽和基と重合性不飽和基以外の反応性官能基とをそれぞれ1つずつ有する架橋剤(ロ)の具体例としては、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、グリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0032】
重合性不飽和基以外の反応性官能基を2個以上有する架橋剤(ハ)の具体例としては、例えば、多価アルコール(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン等)、アルカノールアミン(例えば、ジエタノールアミン等)、およびポリアミン(例えば、ポリエチレンイミン等)等が挙げられる。
【0033】
これらのうち、重合性不飽和基を2個以上有する架橋剤(イ)が好ましく、N,N’−メチレンビスアクリルアミドがより好ましい。
【0034】
前記pH応答性水膨潤性高分子(A)の製造方法は、特に制限されないが、(メタ)アクリルアミド系単量体(a1)、不飽和カルボン酸(a2)(またはその塩)、および必要に応じて架橋剤(a3)を共重合させ、さらに必要に応じて後架橋を行うことにより製造することが好ましい。
【0035】
共重合の方法は、特に制限されず、例えば、重合開始剤を使用する溶液重合法、乳化重合法、懸濁重合法、逆相懸濁重合法、薄膜重合法、噴霧重合法など従来公知の方法を用いることができる。重合制御の方法としては、断熱重合法、温度制御重合法、等温重合法などが挙げられる。また、重合開始剤により重合を開始させる方法の他に、放射線、電子線、紫外線等を照射して重合を開始させる方法を採用することもできる。好ましくは、重合開始剤を使用した逆相懸濁重合法である。
【0036】
前記逆相懸濁重合を行なう場合の連続相の溶媒としては、n−ヘキサン、n−へプタン、n−オクタン、n−デカン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、流動パラフィン等の脂肪族系有機溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族系有機溶媒、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン系有機溶媒等の有機溶媒が使用できるが、ヘキサン、シクロヘキサン、流動パラフィン等の脂肪族系有機溶媒がより好ましい。なお、前記溶媒は、単独でもまたは2種以上を混合して用いることもできる。
【0037】
前記連続相には、分散安定剤を添加することができる。この分散安定剤の種類や使用量を適宜選択することにより、得られるpH応答性水膨潤性高分子微粒子の粒径を制御することができる。
【0038】
前記分散安定剤の例としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ソルビタンセスキオレエート(セスキオレイン酸ソルビタン)、ソルビタントリオレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリステアレート、グリセロールモノステアレート、グリセロールモノオレエート、ステアリン酸グリセリル、カプリル酸グリセリル、ステアリン酸ソルビタン、オレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、ヤシ脂肪酸ソルビタンなどの非イオン系界面活性剤が好適に用いられる。
【0039】
前記分散安定剤は、連続相の溶媒に対して、好ましくは0.04〜20質量%の範囲、より好ましくは1〜12質量%の範囲で用いられる。かような範囲であれば、重合時に得られる重合体が凝集せず、得られる微粒子の粒径のばらつきがより小さくなる。
【0040】
前記逆相懸濁重合法における単量体成分の濃度は、従来公知の範囲であれば特に限定されず、例えば、2〜7質量%が好ましく、3〜5質量%がより好ましい。
【0041】
前記逆相懸濁重合法で用いられる重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩、メチルエチルケトンパーオキシド、メチルイソブチルケトンパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、t−ブチルクミルパーオキシド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシピバレート、過酸化水素等の過酸化物、2,2’−アゾビス〔2−(N−フェニルアミジノ)プロパン〕2塩酸塩、2,2’−アゾビス〔2−(N−アリルアミジノ)プロパン〕2塩酸塩、2,2’−アゾビス{2−〔1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル〕プロパン}2塩酸塩、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−〔1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル〕プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス〔2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド〕、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)等のアゾ化合物等が挙げられ、これらは、単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらのなかでは、入手が容易で取り扱いが容易であるという観点から、過硫酸塩が好ましく、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム及び過硫酸ナトリウムがより好ましい。
【0042】
なお、上記重合開始剤は、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、硫酸第一鉄、L−アスコルビン酸、N、N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン等の還元剤と併用して、レドックス重合開始剤として用いることもできる。
【0043】
重合開始剤の使用量は、単量体の総量100質量部に対して、2〜6質量部が好ましく、3〜5質量部がより好ましい。かような範囲であれば、重合反応が十分に進行し、得られる重合体の分子量の範囲を適当に調節でき、さらに粘性の上昇を抑えて、重合体が凝集しない。
【0044】
必要に応じて、共重合の際に連鎖移動剤を使用してもよい。前記連鎖移動剤の例としては、例えば、チオール類(n−ラウリルメルカプタン、メルカプトエタノール、トリエチレングリコールジメルカプタン等)、チオール酸類(チオグリコール酸、チオリンゴ酸等)、2級アルコール類(イソプロパノ−ル等)、アミン類(ジブチルアミン等)、次亜燐酸塩類(次亜燐酸ナトリウム等)等を挙げることができる。
【0045】
前記逆相懸濁重合法における重合条件は特に制限されず、例えば、重合温度は使用する触媒の種類によって適宜設定することができるが、好ましくは35〜75℃、より好ましくは40〜50℃である。また、重合時間は、好ましくは1時間以上である。
【0046】
重合系内の圧力は、特に限定されるものではなく、常圧(大気圧)下、減圧下、加圧下のいずれであってもよい。また、反応系内の雰囲気も、空気雰囲気であってもよいし、窒素、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気下であってもよい。
【0047】
架橋剤(a3)として、上記の重合性不飽和基以外の反応性官能基を2個以上有する架橋剤(ハ)を用いる場合、架橋剤(ハ)を添加する時期は単量体の重合反応終了後であればよく、特に限定されない。
【0048】
後架橋反応を行う際の反応温度は、使用する架橋剤(a3)の種類等によっても異なるため、一概には決定できないが、通常50〜150℃である。また、反応時間は、通常1〜48時間である。
【0049】
また、共重合を行う際、単量体溶液中に造孔剤を過飽和懸濁させることによって多孔質とすることもできる。この際、単量体溶液には不溶であるが洗浄溶液には可溶である造孔剤を用いることが好ましい。造孔剤の例としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、氷、スクロース、または炭酸水素ナトリウムなどが好ましく挙げられ、より好ましくは塩化ナトリウムである。造孔剤の好ましい濃度は、単量体溶液中、好ましくは5〜50質量%、より好ましくは10〜30質量%の範囲である。
【0050】
共重合の際に不飽和カルボン酸(a2)の塩を用いた場合、共重合後に酸処理を行い、pH応答性水膨潤性高分子(A)のカルボン酸塩の部分をカルボキシル基に変換しておくことが好ましい。酸処理の条件は特に限定されず、例えば、塩酸水溶液などの低pH水溶液中で、好ましくは15〜60℃の温度範囲で、好ましくは1〜24時間処理すればよい。
【0051】
このようにして得られる水膨潤性高分子材料は、必要に応じて、加熱乾燥、解砕等を行うことにより所望の形状とすることができる。形状としては球状、略球状、楕円球状、破砕状、不定形状、柱状、板状、円錐状、角錐状、繊維状等、特に限定されるものではないが、球状、略球状、楕円球状であることが好ましく、微粒子の形態であることがより好ましい。
【0052】
前記水膨潤性高分子材料が微粒子の形態である場合、その水膨潤前(乾燥時)の平均粒子径は、特に制限されないが、好ましくは1〜20μmである。かような範囲であれば、本発明の範囲の膜厚を有する薄膜を容易に形成することができる。
【0053】
上記の水膨潤性高分子材料の形状および平均粒子径は、水膨潤性高分子材料の製造条件(単量体の種類、共重合時の温度・時間、分散安定剤の量・種類等)によっても制御されうる。なお、水膨潤前(乾燥時)の水膨潤性高分子材料の微粒子の平均粒子径は、コールターカウンターにより測定した値を採用するものとする。
【0054】
本発明の塞栓材は、上記の水膨潤性高分子材料の薄膜を形成し、その後、該薄膜を所望の形状とする方法により得ることが好ましい。
【0055】
水膨潤性高分子材料の薄膜を形成する方法は、特に制限されないが、水膨潤性高分子材料(好ましくは水膨潤性高分子材料の微粒子)を有機溶媒(好ましくは親水性または極性有機溶媒)中に分散(懸濁)させ、その後前記有機溶媒を揮発させる方法が好ましい。
【0056】
前記有機溶媒は、水膨潤性高分子材料および水と混ざり合う親水性または極性有機溶媒が好ましく、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、エチルプロピルケトン、ジ−n−プロピルケトン、ジイソプロピルケトンテトラヒドロフラン、N−メチル−2−ピロリジノン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、酢酸エチルなどが挙げられる。これら有機溶媒は、単独でもまたは2種以上組み合わせても用いることができる。
【0057】
水膨潤性高分子材料の微粒子を分散(懸濁)させる方法は、特に制限されず、例えば、水膨潤性高分子材料の微粒子の濃度が好ましくは0.1〜2質量%、より好ましくは0.2〜0.5質量%となるように有機溶媒に混合し、その後、超音波処理を好ましくは10〜20分間行う方法が挙げられる。
【0058】
有機溶媒を揮発させる方法は、特に制限されず、例えば、水膨潤性高分子材料の微粒子の懸濁液を平底容器に流し込んだ後、好ましくは15〜40℃の温度で、好ましくは12〜48時間乾燥する方法が採用される。乾燥方法も、自然乾燥、真空乾燥、ドライヤーまたはオーブンによる乾燥など、特に制限されるものではない。
【0059】
かような方法により得られる水膨潤性高分子材料の薄膜の膜厚は、5〜70μmであり、好ましくは10〜60μm、より好ましくは15〜50μmである。膜厚が5μm未満であると、塞栓材の機械的強度が低下する。一方、70μmを超えると、塞栓材としたときの膨潤速度が低下する。なお、該膜厚は、相対湿度50%、25℃の環境下で24時間薄膜を放置した後測定した値を採用するものとする。
【0060】
上記の水膨潤性高分子材料の薄膜の膜厚は、有機溶媒に懸濁させる水膨潤性高分子材料の微粒子の濃度や、有機溶媒を揮発させる際の乾燥条件等によって制御可能である。
【0061】
本発明の塞栓材の形状は、水膨潤性高分子材料の薄膜から形成される形状であれば特に制限されず、例えば、薄膜を巻回したロール状、薄膜を折り畳んだ折り畳み状等が挙げられる。また、外観形状も特に制限されず、例えば、立方体状、直方体状、多角筒状、略球状、ロール状(円筒状、楕円筒状など)などが挙げられる。好ましくは、図1に示すような薄膜を巻回したロール状である。
【0062】
上記のような形状とする方法としては、例えば、薄膜を手で巻回する方法や、薄膜を巻回装置やシート折り装置などの装置を用いて所望の形状とする方法などが挙げられるが、特に制限されない。なお、該薄膜は、低湿度条件下で扱うとクラックが入る虞や割れる虞があるため、相対湿度20%以上の条件下で取扱うことが好ましい。
【0063】
なお、塞栓材の大きさは、塞栓する部位の大きさによって適宜設定すればよく、何ら制限されるものではない。
【0064】
本発明の塞栓材を用いた塞栓方法は、特に制限されないが、例えば、図3で説明される方法が挙げられる。図3は、血管17のY字形分岐部に形成された動脈瘤16を塞栓する方法を示す模式図である。
【0065】
はじめに、血管17内にカテーテル15を挿入し、カテーテル先端を動脈瘤16内に誘導する。本発明の塞栓材10をカテーテルチューブ13に挿入し、ガイドワイヤ14を操作して、塞栓材10を押しながらチューブの先端方向に移動させ、塞栓材10を動脈瘤16内に留置する。動脈瘤16の大きさ、形状によって、用いる塞栓材10の形状や個数、大きさを適切に選択する。その後、カテーテルチューブ13とガイドワイヤ14とからなるカテーテル15を血管から抜き去る。
【0066】
なお、カテーテル内で塞栓材を移動させる方法は、ガイドワイヤを用いる以外の方法として、プライミングに用いた溶媒をカテーテルからシリンジなどによって送り出して、この圧力により塞栓材を移動留置する方法が挙げられる。プライミングに用いる溶媒としては、生理食塩水、エタノールと水との混合溶媒、水溶性ヨード剤などのX線造影剤等が挙げられる。
【0067】
特に塞栓材10がpH応答性を有する場合、血液と接触すると即座に膨潤し始め、血液中で容易に拡がって動脈瘤16の内腔を塞ぐ。膨潤した塞栓材は、血液によって溶解することもなく、動脈瘤16に無理な圧力を加えることもないので、本発明の塞栓材10を用いると動脈瘤16内を充分に安全に閉塞することができる。
【実施例】
【0068】
本発明の効果を、下記の実施例および比較例を用いてさらに詳細に説明する。ただし、本発明の技術的範囲が、下記の実施例のみに制限されるわけではない。なお、水膨潤前(乾燥時)の水膨潤性高分子微粒子の平均粒子径は、コールターカウンターにより測定した。
【0069】
(製造例:平均粒子径が5μmである水膨潤性高分子微粒子の製造)
300mLのビーカーに流動パラフィン150g、およびセスキオレイン酸ソルビタン19.0gを添加し、マグネティックスターラーで攪拌し、逆相懸濁重合の連続相を調製した。窒素気流を30分間通じて、溶存酸素の除去を行った。別途、50mL容量の褐色ガラス瓶にアクリルアミド 3.8g、アクリル酸ナトリウム 2.2g、N,N’−メチレンビスアクリルアミド 0.013g、塩化ナトリウム 5.4gを秤量し、蒸留水 19.9gを添加、マグネティックスターラーで攪拌、溶解しモノマー水溶液を調製した。過硫酸アンモニウム 0.27gを2.0gの蒸留水に溶解したものを前記モノマー水溶液に添加した後、前記連続相に全量加えた。500rpmの回転数で攪拌し、モノマー溶液を連続相中に分散させた。30分間攪拌した後40℃まで昇温し、N,N,N',N'−テトラメチルエチレンジアミン 500μLを添加した。さらに攪拌を1時間継続した後、ビーカー内容物を3Lのビーカーに移した。ジメチルスルホキシド 1Lを加え、5分間攪拌した後、吸引ろ過を行い、粉状物をろ紙上に回収した。ろ紙上の粉状物をヘキサン1000mLおよびエタノール1000mLで洗浄後、減圧乾燥した。粉状物の回収量は5.8gであった。粉状物をエタノールに分散させ、コールターカウンター(ベックマン・コールター株式会社製、品番:LS−230)にて粒子径を測定して得られた平均粒子径は5μmであった。
【0070】
(実施例1:水膨潤性高分子微粒子から形成される薄膜、膜厚:5μm)
50mLの遠沈管に、上記製造例で得られた平均粒子径5μmの水膨潤性高分子微粒子 0.05g、およびアセトン 20gを秤量し、超音波を15分間照射し懸濁させた。この懸濁液をシリコーンゴム製の平底容器(直径9.8cm)に流し込み、一晩自然乾燥させ、水膨潤性高分子からなる薄膜を作製した。薄膜を相対湿度50%、25℃の条件下で24時間放置した後に測定した薄膜の膜厚は5μmであった。
【0071】
得られた薄膜を、相対湿度30〜70%に調節された室内で、直径がおよそ3.5〜4mm、長さが約2cmになるよう手でロール状に巻き、余分な薄膜を切り取り、塞栓プラグを作製した。
【0072】
(実施例2)
水膨潤性高分子微粒子の使用量を0.1gに、アセトンの使用量を40gにそれぞれ変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で、水膨潤性高分子からなる薄膜を作製した。薄膜を相対湿度50%、25℃の条件下で24時間放置した後に測定した薄膜の膜厚は20μmであった。
【0073】
得られた薄膜を、相対湿度30〜70%に調節された室内で、直径がおよそ3.5〜4mm、長さが約2cmになるよう手でロール状に巻き、余分な薄膜を切り取り、塞栓プラグを作製した。
【0074】
(実施例3)
水膨潤性高分子微粒子の使用量を0.4gに変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で、水膨潤性高分子からなる薄膜を作製した。薄膜を相対湿度50%、25℃の条件下で24時間放置した後に測定した薄膜の膜厚は50μmであった。
【0075】
得られた薄膜を、相対湿度30〜70%に調節された室内で、直径がおよそ3.5〜4mm、長さが約2cmになるよう手でロール状に巻き、余分な薄膜を切り取り、塞栓プラグを作製した。
【0076】
(比較例1)
水膨潤性高分子微粒子の使用量を0.8gに、アセトンの使用量を40gにそれぞれ変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で、水膨潤性高分子からなる薄膜を作製した。薄膜を相対湿度50%、25℃の条件下で24時間放置した後に測定した薄膜の膜厚は100μmであった。
【0077】
得られた薄膜を、相対湿度30〜70%に調節された室内で、直径がおよそ3.5〜4mm、長さが約2cmになるよう手でロール状に巻き、余分な薄膜を切り取り、塞栓プラグを作製した。
【0078】
(比較例2)
水膨潤性高分子微粒子の使用量を1.5gに、アセトンの使用量を40gにそれぞれ変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で、水膨潤性高分子からなる薄膜を作製した。薄膜を相対湿度50%、25℃の条件下で24時間放置した後に測定した薄膜の膜厚は400μmであった。
【0079】
得られた薄膜を、相対湿度30〜70%に調節された室内で、直径がおよそ3.5〜4mm、長さが約2cmになるよう手でロール状に巻き、余分な薄膜を切り取り、塞栓プラグを作製した。
【0080】
(比較例3)
50ccのスクリュー管瓶にアクリルアミド3.8g、アクリル酸ナトリウム2.2g、およびN,N’−メチレンビスアクリルアミド 0.013gを秤量し、RO水(逆浸透膜水) 20.0gを加え、マグネティックスターラーで攪拌して試薬が溶解したことを確認した。攪拌中のモノマー水溶液に、テトラメチルエチレンジアミン127μLを加え、さらに1分後に2%過硫酸アンモニウム水溶液を70μL加えた。過硫酸アンモニウム水溶液添加から5秒後、1mLのシリンジにモノマー溶液を吸引し、室温(25℃)で2時間以上静置した。モノマー溶液が硬化していることを確認後、モノマー溶液を吸引したシリンジを55℃で12時間、加熱・減圧乾燥することにより、直接プラグ形状に形成された水膨潤性高分子からなる塞栓プラグを作製した。
【0081】
(評価)
リン酸緩衝生理食塩水(pH7.4)が2ml/min.の流速で流れているガラス管内(管の直径:4.1mm)に、上記実施例1〜3および比較例1〜3で作製した塞栓プラグを入れ、塞栓プラグの含水膨張によって、水流が止まるまでに要する時間を計測した。評価結果を下記表1に示す。
【0082】
【表1】

【0083】
表1から明らかなように、膜厚が本発明の範囲内であるフィルムから形成した実施例1〜3のプラグは、短時間で水流をとめることができた。一方、膜厚が本発明の範囲外である薄膜から形成した比較例1〜2の塞栓プラグは、水流を止めるまでに長い時間がかかった。直接プラグ形状に形成した比較例3の塞栓プラグは、水流を止めるまでさらに長い時間が必要であることがわかった。
【符号の説明】
【0084】
1、10 塞栓材、
2 水膨潤性高分子材料の薄膜、
13 カテーテルチューブ、
14 ガイドワイヤ、
15 カテーテル、
6、16 動脈瘤
7、17 血管。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
膜厚が5〜70μmである水膨潤性高分子材料の薄膜から形成される、塞栓材。
【請求項2】
前記水膨潤性高分子材料が、pHが7以上の条件下で水膨潤するpH応答性水膨潤性高分子である、請求項1に記載の塞栓材。
【請求項3】
前記pH応答性水膨潤性高分子が、(メタ)アクリルアミド系単量体(a1)に由来する構成単位および不飽和カルボン酸(a2)に由来する構成単位を含む共重合体を、架橋剤(a3)により架橋した高分子である、請求項2に記載の塞栓材。
【請求項4】
前記薄膜がロール状に巻回されている形状である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の塞栓材。
【請求項5】
水膨潤性高分子材料を有機溶媒中に分散させた後、前記有機溶媒を揮発させることによって水膨潤性高分子材料の薄膜を形成する工程を含む、塞栓材の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−125437(P2011−125437A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−285366(P2009−285366)
【出願日】平成21年12月16日(2009.12.16)
【出願人】(000109543)テルモ株式会社 (2,232)
【Fターム(参考)】