説明

塩分ミスト除去装置およびこれを用いた分析装置

【課題】圧力損失が少なく交換が容易で、コンパクトかつ迅速に機能する選択性の塩分ミスト除去装置を提供することにある。また、こうした塩分ミスト除去装置を用い、測定時の妨害成分の除去の確実を図り、測定精度が高く信頼性の高い分析装置を提供することにある。
【解決手段】プロセス排気ガス中の塩分ミスト除去装置1であって、1つの収納部材4に、多孔質無機材または耐熱繊維を主材とする塩分ミスト除去用スクラバ6および精密濾過材からなる微細ダスト除去用精密フィルタ7を直列に配して一体化するとともに、該収納部材4を150℃以下かつ排気ガス中の水分が凝縮しない温度に制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塩分ミスト除去装置およびこれを用いた分析装置に関し、具体的には、排水の湿式酸化燃焼処理などの塩分ミストを発生するプロセスからの排気ガス中の塩分ミストを除去する装置およびこれを用いた分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から各種プラントの排水処理方法としては、生物処理法、燃焼処理法、湿式酸化燃焼法などが知られている。生物処理法では、発生する余剰の汚泥や排水などの処理に課題があった。また、燃焼法では、多量の燃料浪費の問題や二酸化炭素などの温暖化ガスあるいは汚染ガスの発生対策に課題があった。そこで、高温、高圧化、酸素存在下で排水を処理することから、処理効率の高い湿式酸化燃焼法が注目され、種々のプラント排水中の窒素成分や有機汚濁物質の処理装置として近年多く設置されるようになった。
【0003】
具体的には、図9に示すように、排水供給ライン96を通して排水供給ポンプ95によって送られた排水は、酸素含有ガス供給ライン98から導入されコンプレッサー97で昇圧された酸素含有ガスとともに、加熱器93に供給されて予備加熱された後、反応塔91に供給される。反応塔91内には固体触媒が充填され、排水を酸化および/または分解処理し、その処理液は処理液ライン90を介して排出される。このとき、触媒の活性を高め、排水処理能力の向上を図るべく、ガス空間速度が所定範囲の値となるように湿式酸化処理条件を制御し、排水を酸化および/または分解する処理方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0004】
また、こうした湿式酸化燃焼式の排水処理装置には、排水処理に伴う燃焼排ガスの連続測定が必要となり、具体的には、図10に示すような発生源用燃焼排ガス測定装置が用いられる。試料採取点から分析計までの間に試料流体中の除湿や除塵あるいは定流量化などを目的として、フィルタ、切換弁、導管、除湿器、吸引ポンプ、絞り弁、流量計などが設けられたサンプリング系を構成するとともに、測定装置は、試料採取点の近くに固定されて稼動している(例えば非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−103274号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】日本工業規格「JIS B7982−2002」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記の排水処理に伴う燃焼排ガスには、二酸化炭素、一酸化炭素、窒素酸化物などの成分に加え、塩分ミストや塩分結晶化ダスト類微小粒子などが含まれることから、上記のようなサンプリング系や一般的によく用いられるサンプリングガス水洗方式や電子冷却除湿器およびドレンセパレータを用いた凝縮水分離法は採用できない。
つまり、燃焼排ガスの共存成分であるダスト、ミストなどは乾式フィルタで除去するのが一搬的であるが、塩分ミストは、塩類成分の微小液滴でメンブランフィルタ濾材そのものを通過し易い性質を持っている。これらの塩分の結晶化ダストやミストがサンプルガスに含まれ飛散すると、分析計内部の試料セルなどの試料流路の腐食、汚れ、サンプル部品劣化を促進する。
【0008】
また、湿式酸化燃焼式の排水処理装置では、加熱蒸気を添加した排水を、酸化触媒を用いて例えば350℃で酸化した際にアンモニアが発生することから、湿式酸化燃焼装置の監視として水溶性アンモニアガス成分の連続測定が要求されている。アンモニアは極めて水に溶け易く、湿式酸化燃焼排ガス中水溶性成分の連続測定において、前処理装置として加熱ガスサンプリングが必要であり、測定セルを用いた分析計においては加熱式の測定セル部を用いることが必要となり、サンプリング前処理部(ガス採取点から分析計セル入口まで)および測定セル部まで水分露点プラス20℃以上の加熱・保温が必要である。こうした場合、排ガス中に含まれる塩分ミスト、塩分結晶化ダスト類微小粒子の除去は、技術的に困難であった。つまり、加熱サンプリング方式を採用する場合には、ダスト(燃焼灰分)、塩分ミスト等の挟雑物が含まれており、特に、塩分ミストは、排水を噴霧状あるいは気化させた加熱蒸気の状態によって、酸化触媒層を通過させた場合、0.1〜0.01μm前後の粒子となる。この粒子成分は、硫酸ナトリウムや塩化ナトリウムなどで、通常の排ガス測定用の採取点フィルタや2次フィルタでは補足できない。
【0009】
そこで、この発明の目的は、こうした長時間安定な計測データの供給が可能な、排水処理に伴う燃焼排ガスの連続測定の要請に対応し、特に圧力損失が少なく交換が容易で、コンパクトかつ迅速に機能する選択性の塩分ミスト除去装置を提供することにある。特に、排水の湿式酸化燃焼処理プロセスからの排気ガス測定用の加熱サンプリング形ガス分析装置において、加熱セル型分析計における測定セルの汚れや腐食を防止する前処理として使用可能な、塩分ミスト除去装置を提供することにある。
さらに、こうした塩分ミスト除去装置を用い、測定時の妨害成分の除去の確実を図り、測定精度が高く信頼性の高い分析装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、以下に示す塩分ミスト除去装置およびこれを用いた分析装置によって、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに到った。
【0011】
本発明は、プロセス排気ガス中の塩分ミスト除去装置であって、1つの収納部材に、多孔質無機材または耐熱繊維を主材とする塩分ミスト除去用スクラバおよび精密濾過材からなる微細ダスト除去用精密フィルタを直列に配して一体化するとともに、該収納部材を150℃以下かつ排気ガス中の水分が凝縮しない温度に制御されることを特徴とする。
【0012】
湿式酸化燃焼処理プロセスなどの塩分ミストを発生するプロセスからの排気ガスは、多量の水分を含むとともに、上記のような捕捉および除去の困難な塩分ミストおよび微細ダストを多く含む点において、一般的な排気ガスと異なる特性を有する。さらに検討過程において、こうした塩分ミストは、通常の結晶粒子と異なり、試料ガス中の多量の水分によって結晶水の保持、液滴として存在しているとの知見を得た。本発明はこうした知見を基に想到したもので、塩分ミストの捕捉および除去には、多孔質無機材または耐熱繊維を主材とするスクラバによって、気流中に飛散する塩分ミストの粒子を、多数回の衝突によって減速させた状態において捕捉し付着させることが非常に有効であることを見出した。
一方、微細ダストは、水分やミスト(塩分ミストを含む)の共存において凝集・凝結し、特に低温においてその傾向が強い。従って、ミストを除去する前に精密フィルタによって微細ダストを捕集すると、精密フィルタ表面に付着した微細ダストにミストが付着し、次第に大きな凝集物を形成し、精密フィルタの目詰りが生じやすくなる。従って、ミストを除去すると同時あるいは直後に、微細ダストを捕集することが好ましい。なお、ここで「微細ダスト」とは、通常の濾過フィルタでは捕集が困難な、平均粒径数μm以下の粒状物や粉状物などをいう。
また、こうした塩分ミストおよび微細ダストの捕捉および除去においては、試料ガスの温度が大きく影響し、特に、多量に含まれる水分共存下における凝縮水の発生は、これらの捕捉および除去効率を大きく低下させ、精密フィルタの目詰りや後段の試料流路の汚染や腐食を招来することとなる。本発明は、塩分ミスト除去用スクラバおよび微細ダスト除去用精密フィルタを直列に配して一体化するとともに、該収納部材を150℃以下かつ排気ガス中の水分が凝縮しない温度に制御することによって、これらの捕捉および除去を迅速かつ効率的に行うことができる。
従って、圧力損失が少なく交換が容易で、迅速に機能する選択性の高い塩分ミスト除去装置を提供することが可能となった。
【0013】
本発明は、上記塩分ミスト除去装置であって、前記収納部材内において、一端に開部を有する筒状体または円錐状体であって厚肉の前記精密フィルタの該開部に、前記スクラバを収納した筒状体を個別に取り付け・取り外し可能な状態で接合あるいは嵌合させることを特徴とする。
【0014】
上記のように、本発明に係る除去装置の特徴の1つとして、スクラバと精密フィルタを一体化し、塩分ミストと微細ダストを同時に処理する点を挙げることができる。具体的にこうした除去装置を実現するには、1つには、機能として、気流中に飛散する塩分ミストの粒子が多数回の衝突を可能にすることが必要となり、本発明においては、多孔質無機材または耐熱繊維を筒状体に収納することによって、スクラバ層を通過する距離または時間を確保した。また1つには、スクラバを通過した微細ダストをもれなく付着除去する必要があり、本発明においては、濾過性能数μm以下の厚肉の精密フィルタを用い、一端に開部を有する筒状体あるいは円錐状体のスクラバ収納部(スクラバ容器)と接合あるいは嵌合可能な構造とすることによって、微細ダストの飛散を防止し濾過性能を確保した。なお、ここで、「厚肉」とは、通常の濾材を用いた0.1〜1mm程度の厚みを有する一般的なフィルタとは異なり、3〜10mm程度の厚みをいう。
また、スクラバと精密フィルタは必ずしも交換時期が一致するとは限らず、個別に取り付け・取り外し可能な状態で収納することによって、上記機能と相俟って、圧力損失が少なく交換が容易で、コンパクトかつ迅速に機能する選択性の高い塩分ミスト除去装置を提供することが可能となった。
【0015】
本発明は、上記塩分ミスト除去装置であって、所定量の硫酸ナトリウムあるいは塩化ナトリウム水溶液を超音波気化器により噴霧した空気流を、前記塩分ミスト除去装置に導入後、吸収液を通過させ、該吸収液の電気導電率の変化をモニタすることによって、塩分ミスト除去率を確認したことを特徴とする。
【0016】
従来、塩分ミストの存在は、排気ガス中の腐蝕成分の一部との認識でしかなく、その成分あるいは濃度が十分確認できていなかった。従って、種々のスクラバが試行されたが、その正当な評価ができず、実施時の除去効率の確保、あるいは交換時期の決定などは、現場での個別監視および経験に頼らざるをえなかった。本発明者は、排水処理装置からの排気ガスを検証した結果、(a)排気ガス中の塩分ミストが硫酸ナトリウムあるいは塩化ナトリウムによって代表することが可能であること、(b)塩分ミストの発生方法として、該塩類の水溶液を超音波気化器により噴霧した空気が定量性に優れていること、(c)塩分ミストのモニタとして、塩分が溶解した吸収液の電気導電率の変化量を指標とすることが適切であること、と見出した。
つまり、こうした塩分ミストの発生方法や濃度測定方法に関する基準を明確にし、除去効率に対する評価方法を確定することによって、提供する塩分ミスト除去装置の品質・特性を明確にし、測定時の妨害成分の除去の確実を図り、測定精度が高く信頼性の高い分析装置に供することが可能となった。
【0017】
本発明は、上記塩分ミスト除去装置であって、前記収納部材の出口流路に直結してあるいは該出口流路の直後に、導電率センサおよび/あるいは圧力センサを配設して、未処理の塩分ミストをモニタすることを特徴とする。
【0018】
通常、各種プラントから排出される排水等については、その性状が所定の範囲内にあるとして把握できることが多い。こうした場合には、塩分ミストの発生量も予想可能でありスクラバの交換あるいは準備の時期を設定することが可能である。しかしながら、有機塩素化合物や硫黄系化合物などの各種排水の混合物を処理した場合には、塩分ミストの発生量、特に短時間での多量発生などが予想不可能であり、スクラバの処理能力を超える場合もありうる。本発明は、塩分ミスト除去装置の後段あるいはその一部として導電率センサを配設することによって、こうした突発性のみならず、通常運転時においても未処理の塩分ミストをモニタすることが可能となる。従って、選択性かつ信頼性の高い塩分ミスト除去方法あるいは塩分ミスト除去装置を提供することが可能となる。
また、後述するように、スクラバの劣化に伴う未処理の塩分ミストの存在は、精密フィルタの流通抵抗の増大を招来するとの知見を得ることができた。このことは、スクラバの下流にある精密フィルタの圧力を検出することによって、スクラバの通過する未処理の塩分ミストをモニタすることが可能であることを意味し、導電率センサに代えて、あるいは導電率センサと併設することによって、未処理の塩分ミストのモニタに利用することが可能となる。
【0019】
本発明は、上記のいずれかに記載の塩分ミスト除去装置を用いた分析装置であって、試料採取流路の一部に該塩分ミスト除去装置を有し、その処理後の試料の少なくとも一部を分析計に導入可能に配することを特徴とする。
【0020】
上記のように、本発明に係る上記塩分ミスト除去装置は、圧力損失が少なく選択性や保守性などに非常に優れた機能を有している。従って、従来連続測定が困難であった排水の湿式酸化燃焼処理プロセスからの排気ガス測定用の分析装置などに、試料採取流路の一部に塩分ミスト除去装置を配設し、こうした機能を適用すれば、塩分ミストの影響の少ない測定精度が高く信頼性の高い分析装置を構成することが可能となる。
【0021】
本発明は、上記分析装置であって、前記塩分ミスト除去装置を加熱・保温された試料採取流路に配設し、該塩分ミスト除去装置からの試料を、内部に加熱・保温された試料流路を有する分析計に導入することを特徴とする。
【0022】
上記のように、本発明に係る上記塩分ミスト除去装置は、さらに、塩分ミストおよび微細ダストを加熱状態で同時に処理する機能を有している。従って、特に、加熱セル型分析計を用いた加熱サンプリング形分析装置において有用であり、該分析計の測定セルの汚れや腐食を防止し、長時間安定な計測データの供給が可能となり、測定精度が高く信頼性の高い分析装置を提供することができる。
【発明の効果】
【0023】
以上のように、本発明によれば、従来困難であった、圧力損失の少ない交換が容易でコンパクトかつ迅速に機能する選択性の高い塩分ミスト除去装置を提供することができる。また、こうした塩分ミスト除去装置を用い、測定時の妨害成分の除去の確実を図り、測定精度が高く信頼性の高い分析装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明に係る塩分ミスト除去装置の基本的な構成を示す説明図。
【図2】本発明に係る塩分ミスト除去装置の評価方法を概略的に示す説明図。
【図3】本発明に係る塩分ミスト除去装置を評価するフローを例示する説明図。
【図4】本発明に係る塩分ミスト除去装置のガス流通抵抗の確認方法を示す説明図。
【図5】本発明に係る塩分ミスト除去装置の評価結果を例示する説明図。
【図6】本発明に係る塩分ミスト除去装置を用いた分析装置の1の構成例を示す説明図。
【図7】本発明に係る塩分ミスト除去装置を用いた分析装置の他の構成例を示す説明図。
【図8】本発明に係る塩分ミスト除去装置の第2構成例を概略的に示す説明図。
【図9】従来技術に係る湿式酸化処理条件を制御し、排水を酸化および/または分解する処理方法を概略的に示す説明図
【図10】従来技術に係る発生源用燃焼排ガス測定装置の構成を概略的に示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
本発明は、排水の湿式酸化燃焼処理プロセスなどの塩分ミストを発生するプロセスからの排気ガスに対し、150℃以下かつ該排気ガス中の水分が凝縮しない温度で、多孔質無機材または耐熱繊維を主材とするスクラバによって塩分ミストを除去した直後に、精密濾過材からなる精密フィルタによって微細ダストを除去することを特徴とする。
【0026】
また、本発明に係る塩分ミスト除去装置の実施の1つの態様においては、上記特徴に加え、一端に開部を有する筒状体あるいは円錐状体であって厚肉の前記精密フィルタの該開部に、前記スクラバを収納した筒状体を、個別に取り付け・取り外し可能な状態で接合あるいは嵌合させることを特徴とする。
【0027】
<本発明に係る塩分ミスト除去装置の基本的な構成>
本発明に係る塩分ミスト除去装置の基本的な構成を、図1に例示する(第1構成例)。塩分ミスト除去装置1は、図1(A)〜(C)に示すように、試料導入口2および試料供出口3を有する筒状の収納部材4、およびそれを保持し所定温度に加熱する加熱ケース5からなる。収納部材4の内部には、試料導入口2に近接してスクラバ6を収納した筒状のスクラバ容器6aと、これと直列に、一端に開部を有する精密フィルタ7が、これに接合あるいは嵌合する状態で配設される。
【0028】
スクラバ6としては、多孔質無機材または耐熱繊維を主材とするものを使用する。つまり、こうした主材によって、該素材表面と試料気流とを多数回衝突させ、塩分ミストを減速させた状態において捕捉し付着させるとともに、ポーラス状の表面において塩分ミストの吸着あるいは吸蔵作用を利用するものである。具体的には、シリカ・アルミナ系の発泡パーライトやゼオライトなどの粒状物あるいは粉状物、珪藻土、有機・無機フェルト材等を挙げることができる。こうした素材を、例えば図1(A)〜(C)のように、スクラバ容器6aに収容し、試料を流通させることによって、スクラバ層を通過する距離または時間を確保することができる。また、スクラバ容器6aを単体として取り付け・取り外し可能な状態で収納部材4に収納することによって、交換や保守の簡便性を確保することができる。
【0029】
精密フィルタ7は、図1(A)では円錐形状を、図1(B)および(C)では円筒形状を例示しているが、断面蛇腹形の筒形状や平板の重畳形状など、濾過表面が大きく、圧力損失が少ない形状であれば、これに限定されるものではない。
精密フィルタ7の素材は、グラスウールなどの濾紙や樹脂製の濾材など除塵機能を有するものであれば、特に限定されるものではないが、機械的強度や化学的強度にも優れたフッ素系樹脂やシリコウールなどの濾材が好ましい。
精密フィルタ7の濾過精度は、0.01μm以下のものが好ましい。排気ガス中に含まれる数μmあるいは0.1μm以上のダストは、通常のダストフィルタによって十分除去可能であり、本発明の課題となる微細ダストは、それ以下の粒径のダストである。特に塩分ミストなどと同径の0.01μm以下のものについては、腐蝕性の強い塩分ミストとの混成物を形成するおそれがあり、試料の前処理段階で除去することが好ましい。ここでは、こうした素材および濾過精度を有する濾材を「精密濾過材」という。
また、精密フィルタ7として、従来のフィルタよりも厚肉のフィルタ、例えば厚さ3〜10mm、より好ましくは厚さ3〜5mmのフィルタとすることが好ましい。肉厚にすることによって、微細ダストの捕集モレを低減し、単位表面積当たりの捕集量を大きくすることが可能となる。
さらに、図1(C)のように、精密フィルタ7を、スクラバ容器6aと接合あるいは嵌合可能な構造とすることによって、微細ダストの飛散を防止し濾過性能を確保することが可能となる。また、精密フィルタ7を単体として取り付け・取り外し可能な状態で収納部材4に収納することによって、交換や保守の簡便性を確保することができる。
【0030】
収納部材4は、耐熱性の筒状体を形成できる素材であれば、特に限定されるものではないが、例えばポリエチレンやポリプロピレンあるいはポリエチレンテレフタレート(PET)などのように、機械的強度や化学的強度にも優れたプラスチックなどが好ましい。
【0031】
加熱ケース5は、収納部材4、つまり、内部に収納されたスクラバ6および精密フィルタ7を所定温度に加熱する役割を担う。つまり、塩分ミストは、通常の結晶粒子と異なり、試料ガス中の多量の水分によって結晶水の保持、液滴として存在していることから、水分の凝縮があれば、凝縮水への溶解によって非常に腐蝕性の強い液滴あるいは液状体の発生を招来することになり、通常、水分露点プラス20℃以上の加熱・保温が必要である。
特に、排水処理装置などの排気ガス中には、多量の水分を含むことから、こうした試料ガスの温度の管理が非常に重要となる。その一方、スクラバ6による塩分ミストの除去に際しては、吸着温度は低い程好適である。従って、以上の条件を加味した結果、スクラバ6を150℃以下かつ排気ガス中の水分が凝縮しない温度に制御することが好ましく、具体的には、120〜150℃程度が好適である。
加熱手段は、発熱抵抗体式やスチームなど熱媒体による熱交換式などを適用することが可能である。また、加熱状態の切り換えが必要な場合は、印加電圧の切り換えや熱媒体の温度あるいは供給量の切り換えなどによって行われる。
【0032】
<本発明に係る塩分ミスト除去装置の評価方法と実証試験>
次に、本発明に係る塩分ミスト除去装置の評価方法と実証試験について述べる。
上述のように、従来、塩分ミストに対する十分な解析がなされず、種々のスクラバが試行されたが、その正当な評価ができなかったのが実情であった。本発明は、(a)排気ガス中の塩分ミストが硫酸ナトリウムあるいは塩化ナトリウムによって代表することが可能であること、(b)塩分ミストの発生方法として、該塩類の水溶液を超音波気化器により噴霧した空気が定量性に優れていること、(c)塩分ミストのモニタとして、塩分が溶解した吸収液の電気導電率の変化量を指標とすることが適切であること、の知見から、図2に示すような方法によって塩分ミストの発生方法や濃度測定方法に関する基準を明確にし、除去効率に対する評価方法を確定することが可能であると提案するものである。
【0033】
具体的には、図3に示すように、所定量の硫酸ナトリウムあるいは塩化ナトリウム水溶液(以下「原水」という。)11を超音波気化器(MG)12により噴霧した空気流を、塩分ミスト除去装置(MSU)1に導入後、吸収液13を通過させ、吸収液13の電気導電率の変化をモニタし、塩分ミスト除去率を確認することによって、塩分ミスト除去装置1の品質・特性を明確にすることが可能となった。併せて、後述する分析装置に用いることによって、測定時の妨害成分の除去の確実を図り、測定精度が高く信頼性の高い分析装置を供することが可能となった。なお、吸収液13としては、上記塩分ミストが溶解可能な溶液であれば限定するものではないが、例えば、純水のみならず市水などの水溶液も使用可能である。
【0034】
(1)塩分ミストの発生方法の確立
上記のように、所定量の原水11を超音波気化器12により噴霧した空気流を形成することによって、安定した濃度の塩分ミスト発生が可能となった。具体的には、図3に例示するフローによって、発生濃度あるいは安定性を確認した。
(1−1)原水11として、硫酸ナトリウム15〜25g/L溶液を準備する。このとき、硫酸ナトリウムに代えて塩化ナトリウムを用いることも可能である。
(1−2)超音波気化器12に原水11を導入すると同時に大気14を吸引し噴霧すると、微粒子状の塩分ミストが生成する。一般に、水滴として数μm径の大きさの塩分ミストを生成する。
(1−3)上記噴霧ガスを、加熱手段(HU)15によって温度約400℃に加熱すると、塩分を含むミスト中の水分が蒸発する。水分が蒸発したミストは、乾燥状態となるかまたは結晶水を保持しながら微粒子となって空気流中に飛散する。
【0035】
(2)塩分ミスト濃度の測定方法の確立
上記の塩分ミストを含む空気流を、吸収液13を通過させ、吸収液13の電気導電率の変化をモニタすることによって、発生した塩分ミストあるいは塩分ミスト除去装置を通過した塩分ミストの濃度を測定することができる。具体的には、図3に例示するフローのように、発生した塩分ミストを含む空気流を分岐し、その一方の流路についてモニタした。
(2−1)塩分ミストを含む空気流の一部を、例えば1:2に分岐した内の1/3に相当する一定流量(例えば、0.2mL/min)の空気流を、絞り弁16aを介して吸引ポンプ17aによって吸収液13に導入する。このとき、残りの空気流はバイパス流路において、気液分離器18、絞り弁16bを介して吸引ポンプ17bによって吸引され放出され、その流量を流量計19bによって測定する。
(2−2)吸収液13の収容部には、これと接液するように導電率センサ20を配設し、吸収液13中に空気流をバブリングさせ、これによって生じる吸収液13の電気導電率の変化または上昇値を、導電率センサによって測定する。吸収液13を通過した空気流は、吸引ポンプ17aによって放出され、その流量を流量計19aによって測定する。
(2−3)空気流中の塩分ミストの濃度は、原水11の消費量、空気流の流量および電気導電率の変化または上昇値を測定することで算出することができる。
【0036】
(3)塩分ミスト除去装置の実証試験
上記の塩分ミスト発生手段からの空気流を、塩分ミスト除去装置1に導入後、吸収液13を通過させ、吸収液13の電気導電率の変化をモニタすることによって、塩分ミスト除去率の確認を行い、併せて、塩分ミスト除去装置1の実装使用時における問題点の抽出として、ガス流通抵抗の確認を行なった。
【0037】
(3−1)塩分ミスト除去率の確認
a)試験条件
具体的には、図3に例示するフローにおいて、原水として下表1に示す試料を用い、塩分ミスト除去装置1として、スクラバおよびフィルタ無し、スクラバ(MC)6のみ、精密フィルタ(HPF)7のみ、スクラバ6と精密フィルタ7の組み合わせ、を配設した場合について、実証試験を行った。
【表1】

b)試験結果
上記の条件に基づき、下表2のような試験結果を得た。
【表2】

塩分ミストの除去率は、「スクラバおよびフィルタ無し」の場合を除き、いずれも99.0%以上でほぼ完全に除去できていることが判った。
しかしながら、試験後、精密フィルタ7の内面を観察すると微細な粒子結晶が一面コーティングされていた。表面付着層の厚みの増加に伴い、ガス流通抵抗(圧力損失)が増大することから、いずれ使用できなくなると判断した。
【0038】
(3−2)ガス流通抵抗の確認
a)試験条件
具体的には、図4(A)に例示するフローによって、空気流(試料)の流量とガス流通抵抗の関係について、実証試験を行った。また、図4(B)に例示するフローによって、塩分ミストの除去に伴うガス流通抵抗の変化について、実証試験を行った。吸引ポンプ17の吸引側の圧力を指標とし圧力計21の測定値によって評価した。
b)試験結果
上記の条件に基づき、空気流(試料)の流量とガス流通抵抗の関係について、図5(A)のような試験結果を得た。スクラバ6は、充填カラム層を長くしてもガス流通抵抗が増大せず実装条件においても長期の使用が可能である。一方、精密フィルタ7は、流量の増大に伴い、ガス流通抵抗が増大することから、試料流量を小さくし負荷を軽減することが好ましい。特に長期使用の場合はダストの付着による負荷の増大が相乗的に影響する可能性がある。
塩分ミストの除去に伴うガス流通抵抗の変化について、図5(B)のような試験結果を得た。精密フィルタ7単独の場合には、顕著なガス流通抵抗の増大傾向が見られた。一方、スクラバ6のみあるいは精密フィルタ7との組合せの場合についても、ガス流通抵抗の僅かな増大傾向は見られたが、上記の除去効率面と合せ良好な結果が得られた。
なお、図5(B)の試験結果からは、スクラバ6の劣化に伴う現象として、初期的には、精密フィルタ7による除去効果が期待できるとともに、未処理の塩分ミストの存在による精密フィルタ7のガス流通抵抗の増大を加速することになる。後述する圧力センサによる未処理の塩分ミストのモニタとして機能は、こうした実証試験の結果から得られた、未処理の塩分ミストの存在によるガス流通抵抗の変化という知見によるものである。
【0039】
<本発明に係る塩分ミスト除去装置を用いた分析装置の1の構成例>
次に、上記塩分ミスト除去装置を排気ガス分析装置に適用した場合の分析装置の構成例(装置第1構成例)について説明する。試料採取流路の一部に該塩分ミスト除去装置を有し、その処理後の試料の少なくとも一部を分析計に導入することを特徴とする。
【0040】
図6は、上記アンモニア検知手段1を用いた分析装置の1つの構成を例示する。
試料ポンプ60によってサンプル入ロ61、一次フィルタ62、加熱配管63、一次ドレン分離器64を介して導入された試料は、二次ドレン分離器65によって一部をバイパス流路66に分岐されるとともに、塩分ミスト除去装置1において塩分ミストを除去され、除湿器67、二次フィルタ68を介して分析計69に導入される。
【0041】
上記のように、塩分ミスト除去装置1は、圧力損失が少なく選択性や保守性などに非常に優れた機能を有している。従って、従来連続測定が困難であった排水の湿式酸化燃焼処理プロセスからの排気ガス測定用の分析装置などに、試料採取流路の一部に塩分ミスト除去装置を配設し、こうした機能を適用すれば、塩分ミストの影響の少ない測定精度が高く信頼性の高い分析装置を構成することが可能となる。
【0042】
図6の構成例においては、塩分ミスト除去装置1を通過した試料は、除湿器67を介して分析計69に導入される。もし塩分ミスト除去装置1が劣化した場合であっても、微少塩分ミストは、除湿器67内部の流路において生成する凝縮水に溶解することによって、分析計69に対する影響は大きく低減することが可能である。また、微細ダスト用二次フィルタ68を介して分析計69に導入することによって、ダストに対しても二重の保護を図ることができる。
【0043】
また、塩分ミスト除去装置1は、図6のように1つ設けるだけでなく並列的に複数配置し、順次新品に切換えることも、長期の連続運転を必要とする場合や試料中の塩分ミスト濃度が高い場合には、有効な方法となる。さらに後述する塩分ミスト検知手段(図示せず)が併設さられた場合には、それによって検知された時点で新品に切換えることも有用である。
【0044】
<本発明に係る塩分ミスト除去装置を用いた分析装置の他の構成例>
図7に、装置第2構成例として、塩分ミスト除去装置1を加熱・保温された試料採取流路に配設し、塩分ミスト除去装置1からの試料を、内部に加熱・保温された試料流路を有する分析計69aに導入する分析装置を示す。
【0045】
上記のように、本発明に係る塩分ミスト除去装置1は、塩分ミストおよび微細ダストを加熱状態で同時に処理する機能を有している。従って、特に、加熱セル型分析計を用いた加熱サンプリング形分析装置において有用であり、該分析計の測定セルの汚れや腐食を防止し、長時間安定な計測データの供給が可能となる。
【0046】
つまり、装置第1構成例では、塩分ミスト除去装置1の前段に一次ドレン分離器64および二次ドレン分離器65を設けた構成例を示したが、装置第2構成例では、これらのドレン分離器を設けずに、試料ポンプ60によってサンプル入ロ61、一次フィルタ62、加熱配管63を介して加温状態で試料を塩分ミスト除去装置1に導入し、塩分ミスト除去装置1の直後に分析計69aを設けることによって、水分の凝縮および塩分ミストの溶解に伴う接ガス部の腐蝕を防止し、さらに迅速な測定を行うことができる。
【0047】
また、実証試験として、現場プラントの分析装置の前処理の加熱サンプリング装置に、塩分ミスト除去装置1を採用した結果、採用前は1〜2ケ月で分析計セル汚れや腐食が発生したが、塩分ミスト除去装置1の採用によって、6ケ月以上このような不具合現象は発生しないという結果が得られた。従って、分析計の指示安定性はもとより、測定精度の確保、メンテナンス作業も大きく軽減されることとなった。
【0048】
また、図7においては、分析計69aを通過した試料は、さらに一次ドレン分離器64、二次ドレン分離器65、除湿器67を介して分析計69bに導入される構成を例示している。このように、本構成によれば、アンモニアや二酸化窒素のような水溶性物質の測定に対しては試料を加熱状態で測定すると同時に、一酸化窒素あるいは一酸化炭素のなどの非水溶性物質の測定に対しては従前の除湿された状態での測定を行うことができるという、高い汎用性を有する構成が可能となる。
【0049】
<その他の構成例>
(1)上記においては、塩分ミスト除去装置1単体あるいは塩分ミスト除去装置1を分析装置の試料処理手段の1つとして用いた場合について述べたが、塩分ミスト除去装置1の収納部材4の出口流路に直結あるいは該出口流路の直後に導電率センサ20を配設して、未処理の塩分ミストをモニタすることも可能である(第2構成例)。
【0050】
つまり、図8に例示するように、塩分ミスト除去装置1の後段あるいはその一部として導電率センサ20を配設することによって、突発的な異常のみならず、通常運転時においても未処理の塩分ミストをモニタすることが可能となる。従って、塩分ミスト除去装置1の選択的かつ信頼性の高い塩分ミスト除去機能を確保するとともに、塩分ミスト除去装置1、特にスクラバ6の交換時期や交換品の準備時期を、客観的に判断することが可能となる。
【0051】
また、導電率センサ20と同じ位置に耐蝕性の圧力センサ(図示せず)を設けることによって、精密フィルタ7の交換時期や交換品の準備時期を客観的に判断することが可能となる。つまり、図5(B)の試験結果から分るように、スクラバ6の劣化に伴う現象として、未処理の塩分ミストの存在による精密フィルタ7のガス流通抵抗の増大が加速することになることから、スクラバ6の下流にある精密フィルタ7のガス流通抵抗(圧力損失)を検出することによって、スクラバの通過する未処理の塩分ミストをモニタすることが可能である。従って、導電率センサ20に代えて、あるいは導電率センサと併設することによって、未処理の塩分ミストのモニタに利用することが可能となる。
【0052】
(2)上記においては、スクラバ6と精密フィルタ7を組み合わせた塩分ミスト除去装置1としての使用について述べたが、上記表2のように、精密フィルタ7は、短期的にはスクラバ6と遜色のない塩分ミスト除去能力を有している。つまり、耐久寿命が余り要求されない用途(塩分ミストの濃度が低い場合または試料吸引流量が少ない場合など)には、スクラバ6または精密フィルタ7を個別に使用することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0053】
以上においては、本発明を、主として排水の湿式酸化燃焼処理施設における煙道排気ガス中の窒素酸化物分析装置あるいはアンモニア分析装置などのように、塩分ミストを含む排気ガスを測定する場合の、塩分ミスト除去装置およびこれを用いた分析装置に適用する場合について述べたが、これら以外にも、種々のプロセスに係る試料を測定することが可能である。
例えば、海岸に隣接した工場での燃焼装置において、外気を助燃用の空気として使用する場合などにおいては、排気ガス中に塩分ミストの混入は避けられず、分析計内部の試料流路の汚染・腐蝕の防止に有用である。
また、食塩電解工場においては、電解プロセスで発生する排気ガス中に塩分ミストの混入は避けられず、爆発監視用の水素分析装置あるいは塩素分析装置などに対する試料流路の汚染・腐蝕の防止にも適用可能である。
【符号の説明】
【0054】
1 塩分ミスト除去装置
2 試料導入口
3 試料供出口
4 収納部材
5 加熱ケース
6 スクラバ(MC)
6a スクラバ容器
7 精密フィルタ(HPF)
11 原水(硫酸ナトリウムあるいは塩化ナトリウム水溶液)
12 超音波気化器(MG)
13 吸収液
14 大気
15 加熱手段(HU)
20 導電率センサ
60 試料ポンプ
61 サンプル入ロ
62 一次フィルタ
63 加熱配管
64 一次ドレン分離器
65 二次ドレン分離器
67 除湿器
68 二次フィルタ
69、69a、69b 分析計

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセス排気ガス中の塩分ミスト除去装置であって、1つの収納部材に、多孔質無機材または耐熱繊維を主材とする塩分ミスト除去用スクラバおよび精密濾過材からなる微細ダスト除去用精密フィルタを直列に配して一体化するとともに、該収納部材を150℃以下かつ排気ガス中の水分が凝縮しない温度に制御されることを特徴とする塩分ミスト除去装置。
【請求項2】
前記収納部材内において、一端に開部を有する筒状体または円錐状体であって厚肉の前記精密フィルタの該開部に、前記スクラバを収納した筒状体を、個別に取り付け・取り外し可能な状態で接合あるいは嵌合させることを特徴とする請求項1記載の塩分ミスト除去装置。
【請求項3】
所定量の硫酸ナトリウムあるいは塩化ナトリウム水溶液を超音波気化器により噴霧した空気流を、前記塩分ミスト除去装置に導入後、吸収液を通過させ、該吸収液の電気導電率の変化をモニタすることによって、塩分ミスト除去率を確認したことを特徴とする請求項1または2記載の塩分ミスト除去装置。
【請求項4】
前記収納部材の出口流路に直結してあるいは該出口流路の直後に、導電率センサおよび/あるいは圧力センサを配設して、未処理の塩分ミストをモニタすることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の塩分ミスト除去装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の塩分ミスト除去装置を用いた分析装置であって、試料採取流路の一部に該塩分ミスト除去装置を有し、その処理後の試料の少なくとも一部を分析計に導入可能に配することを特徴とする分析装置。
【請求項6】
前記塩分ミスト除去装置を加熱・保温された試料採取流路に配設し、該塩分ミスト除去装置からの試料を、内部に加熱・保温された試料流路を有する分析計に導入することを特徴とする請求項5記載の分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−245519(P2012−245519A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−158782(P2012−158782)
【出願日】平成24年7月17日(2012.7.17)
【分割の表示】特願2005−246223(P2005−246223)の分割
【原出願日】平成17年8月26日(2005.8.26)
【出願人】(000155023)株式会社堀場製作所 (638)
【Fターム(参考)】