説明

塩化マグネシウム水付加体とそれから得られる触媒成分

MgCl2と水と、必要なら少なくとも一個のヒドロキシ基をもつ炭化水素構造から選ばれる有機ヒドロキシ化合物(A)とからなる固体付加体であって、該化合物が、式MgCl2・(H2O)n(A)p(式中、nは0.6〜6であり、pは0〜3の範囲である)で表わされるモル比で存在し、pが0で、(Pf)が0.3cm3/g以上の場合、該付加体の水銀法で測定した、1μm以下の半径を持つ気孔による気孔率(Pf)が、少なくとも0.15cm3/gである固体付加体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定量の有機ヒドロキシ化合物を含みうる多孔性の塩化マグネシウム水付加体に関する。本発明の付加体は、広い分子量分布(MWD)をもつエチレンのホモポリマーやコポリマーの製造に好適な触媒成分の触媒成分前駆体として、またそれから得られる触媒の触媒成分前駆体として特に有用である。
【背景技術】
【0002】
特に、特定量の有機ヒドロキシ化合物を含みうる多孔性の塩化マグネシウム水付加体は、チタンとマグネシウムとハロゲンを含み特定の化学組成に特徴がある、特にブロー成型用途に好適である一連の性質を持つエチレンポリマーの製造に適当な固体触媒成分の製造を可能とする。この特定の利用分野には、求められる要件が非常に大きい。これは、この用途に適当であるためには、エチレンポリマーが広い分子量分布(MWD)や適当な溶融強度/膨張バランス、ESCRなどの性質を示す必要があるためである。
【0003】
エチレンポリマーの分子量分布(MWD)の広さは、高いメルトフローレ−ト(F/E)値で表すことができる。なお、この値は、ASTM−D−1238により190℃で21.6Kgの荷重下で測定されたメルトインデックス(メルトインデックスF)と2.16Kgの荷重下で測定されたメルトインデックス(メルトインデックスE)の間の比率である。このMWDは流動挙動に影響を与え、また溶融物の加工性や最終のESCRの性質に影響を与える。広いMWDをもつポリオレフィン、特にさらに比較的高い平均分子量をもつポリオレフィンは、MWDが適当でないポリマーなら溶融破壊を引き起こしたり最終製品に大きな収縮/反りを引き起こす高速押出加工に好適である。しかしながら、広いMWDと適当な溶融強度/膨張バランスをあわせもつポリマーを得るのは極めて難しいことであることが知られている。これは、MWDが溶融強度と膨張に、異なる方向で影響を与えるためである。
【0004】
また触媒が気相重合条件下でうまく作動することが好ましいだろう。これは、この種の方法が、現在最も効果的で有利で信頼性の高い技術であるためである。つまり、これらの触媒は、優れた形状安定性をもっており、不適当な分解や、その結果としての、ホットスポットや反応器の被覆、閉塞などのプラント運転上の問題を引き起す微粉粒子の形成を抑えることのできることが必要がある。
【0005】
MgCl2・アルコール付加体とそのオレフィン重合用触媒成分の製造での利用は公知である。
【0006】
MgCl2・nEtOH付加体をハロゲン化遷移金属化合物と反応させて得られるオレフィン重合用の触媒成分が、例えばUSP4,399,054に記載されている。これらの付加体は、溶融した付加体を非混和性分散媒体中で乳化させ、この乳化物を冷却流体中で急冷し、この付加体を球状粒子の形で捕集して製造される。触媒成分を製造するために、遷移金属化合物をこの支持体上に固定する必要がある。これは、支持体を多量のチタン化合物、特にTiCl4と接触させた後、アルコールを除いてTi原子を固定化させることにより行われる。このようにして得られた触媒は非常に高い活性を示すが、その形状安定性は常に満足できるものではない。これは、重合条件下では、無視できない量の破損ポリマー粒子が生成し、これが重合プラントの運転に悪影響を与える微細なポリマー粒子の生成に寄与するためである。
【0007】
US3,953,414には、(i)溶融状態または水に溶解した状態の水和塩化マグネシウム、特に通常1〜300ミクロン、好ましくは30〜180ミクロンの大きさの溶融MgCl2・6H2Oを噴霧し;(ii)次いでその粒子を、塩化マグネシウムの加水分解を避けながらコントロールされた部分的脱水にかけて結晶水含量を、塩化マグネシウムのモルあたり4モル未満の値にまでもっていき;その後、(iii)この部分脱水後の塩化マグネシウム粒子を、ハロゲン化Ti化合物、特にTiCl4を含む液状媒体と反応させて、通常温度が100℃を越えるまで加熱し、(iv)最後に、さらに熱TiCl4との反応により塩化マグネシウム粒子から未反応のTi化合物を除いて製造した形状安定性に優れた触媒成分が記載されている。この文書は、この触媒が広いMWDのポリマーの製造に適当であるかどうか、あるいはこのようなポリマーがブロー成型に適当であるかどうかについては述べていない。しかしながら、その重合活性は十分ではないようである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本出願人は、特定の多孔性の塩化マグネシウム水付加体で、さらに有機ヒドロキシ化合物を含んでいることがあるものが、高重合活性をもち、形状安定性に優れ、またブロー成型用途に特に適当な一連の性質を持つエチレンポリマーの製造に適当な触媒成分を生成できることを見出した。
【0009】
したがって本発明は、MgCl2と水と、必要に応じて少なくとも一個のヒドロキシ基をもつ炭化水素構造物から選ばれる有機ヒドロキシ化合物(A)とからなる固体付加体であって、これらの化合物が下記式MgCl2・(H2O)n(A)p(式中、nは0.6〜6であり、pは0〜3の範囲である)で表わされるモル比で存在し、pが0で、(Pf)が0.3cm3/g以上の場合、該付加体の水銀法で測定した、1μm以下の半径を持つ気孔による気孔率(Pf)が、少なくとも0.15cm3/gである固体付加体に関する。
【0010】
pが0の時、nは好ましくは0.7〜5.5の範囲であり、より好ましくは0.7〜4、特に1〜3.5であり、1〜3の範囲が最も好ましい。この気孔率は、好ましくは0.35〜1.5cm3/gの範囲であり、より好ましくは0.4〜1cm3/gの範囲である。
【0011】
pが0より大きい場合、この気孔率は、好ましくは0.1〜2.5の範囲であり、好ましくは0.3〜2cm3/gの範囲であり、nが0.6〜2の範囲、好ましくは0.8〜1.5の範囲のとき、気孔率は0.15〜0.6cm3/gの範囲であることが好ましい。
【0012】
化合物(A)は、また2個以上のヒドロキシ基を持っていてもよい。不飽和炭化水素構造物または飽和炭化水素構造物のいずれから選ばれてもよい。ポリヒドロキシ化合物の例としては、グリコールやポリヒドロキシベンゼン、ポリヒドロキシナフタレンがあげられる。好ましくは、化合物(A)は式RIIOH(式中、RIIは、好ましくは1〜12個の炭素原子をもつアルキル、シクロアルキルまたはアリールラジカルから選ばれる)のアルコールから選ばれる。中でも、メチルとエチル、イソプロピル、シクロヘキシルが好ましい。エチルが特に好ましい。特に化合物(A)がアルコールから選ばれる場合、n/p比は、好ましくは0.4以上である。この比率の上に、n+pの合計が少なくとも1であることが好ましく、1.5より大きいことがより好ましい。
【0013】
本発明の付加体は、MgCl2・nEtOH付加体(式中、nは1〜6)を熱的に脱アルコール化して得られる多孔性MgCl2を水和することにより製造できる。
【0014】
この種の付加体は、一般的には付加体の溶融温度(100〜130℃)で攪拌条件下で、付加体に非混和の不活性炭化水素の存在下でアルコールと塩化マグネシウムを混合して製造される。次いでこの乳化物を急冷し、付加体を球状粒子の形で凝固させる。これらの球状付加体の代表的な製造方法が、例えばUSP4,469,648や、USP4,399,054、WO98/44009に報告されている。もう一つの有用な球状化方法は、例えばUSP5,100,849やUSP4,829,034に記載されている噴霧冷却である。このようにして得られた付加体を、次いで熱的及び/又は化学的な脱アルコール化プロセスにかける。この熱的脱アルコール化プロセスは、アルコールが完全に除かれるまで、あるいは十分低い値にまで減少するまで、窒素流中で50〜150℃の温度で行われる。この種のプロセスはEP395083に記載されており、必要なら残存量のアルコールを含む多孔性MgCl2を与える。本発明の好ましい方法によれば、多孔性MgCl2を水和プロセスにかけ、この中で所望量の水が徐々にこの付加体に加えられる。
【0015】
この水和はいくつかの方法で実施可能である。例えば多孔性MgCl2を、水を含んでいる不活性液状炭化水素に懸濁させ、所望の水/Mg比が得られるまで攪拌を続ける。その後その液相を除き、固体付加体を穏やかな真空下で乾燥させる。
【0016】
もう一つの方法では、機械的攪拌または不活性ガスでの流動により連続運動をしている多孔性MgCl2が入った試験槽またはループ反応器に、水を噴霧することができる。水付加が終了した後、水付加体を通常の方法で回収する。
【0017】
これらの方法により、球状または楕円状の最終の水付加体粒子を得ることができる。このような球状粒子の最大径と最小径の比は1.5より小さく、好ましくは1.3より小さい。
【0018】
本発明の付加体は、広い範囲の粒度で得ることができ、例えば5〜150ミクロンの範囲で、好ましくは10〜100ミクロン、より好ましくは15〜80ミクロンの範囲で得ることができる。驚くべきことに、このような付加体の気孔率が、水が相当する量の他の供与体で置き換わった付加体、特にアルコールで置き換わった付加体より大きいことが分った。
【0019】
本発明の付加体は、元素周期律表のIV〜VI族の一つの遷移金属化合物と反応させることでオレフィン重合用の触媒成分に変換される。
【0020】
遷移金属化合物の中でも、式Ti(OR)ny-n(式中、nは0〜yであり;yはチタン原子価であり;Xはハロゲンであり、Rは1〜8個の炭素原子をもつアルキル基またはCOR基である)のチタン化合物が特に好ましい。中でも、少なくとも一個のTi−ハロゲン結合をもつチタン化合物、例えばチタンテトラハライドまたはハロゲンアルコラートが特に好ましい。好ましい具体的なチタン化合物は、TiCl3やTiCl4、Ti(OBu)4、Ti(OBu)Cl3、Ti(OBu)2Cl2、Ti(OBu)3Clである。この反応を、付加体を冷TiCl4(通常0℃)中で懸濁させて行うことが好ましい。次いで、このようにして得られる混合物を80〜130℃に加熱し、この温度で0.5〜2時間維持する。その後、過剰のTiCl4を除き、固体成分を回収する。TiCl4処理は、一回以上実施できる。反応の結果、Ti原子の一部がTiOCl2として触媒上で残留して固定される。
【0021】
特にオレフィン重合用の立体選択的触媒を製造する場合、遷移金属化合物と付加体との間の反応を、電子供与体化合物(内部供与体)の存在下で行うこともできる。このような電子供与体化合物を、エステルやエーテル、アミン、シラン、ケトンから選んでもよい。特に、モノカルボン酸またはポリカルボン酸のアルキルエステルとアリールエステル、例えば安息香酸やフタル酸、マロン酸、コハク酸のエステルが好ましい。
【0022】
この電子供与体化合物は、通常マグネシウムに対するモル比が1:4〜1:20で存在する。
【0023】
固体触媒成分の粒子が実質的に同じ大きさと形状をもち、本発明の付加体が通常5〜150μmであることが好ましい。本発明の固体触媒成分の表面積(B.E.T.法による)は、一般的には10〜500m2/gであり、好ましくは20〜350m2/gであり、合計気孔率(B.E.T.法による)は、0.15cm3/gより大きく、好ましくは0.2〜0.6cm3/gである。
【0024】
チタン原子の量は、好ましくは4.5%より多く、より好ましくは5.5%、特に7重量%より多い。ある好ましい実施様態においては、80%を越えるチタン原子が+4の原子価状態にあり、より好ましくは、実質的にすべてのチタン原子がこのような原子価状態となっている。本出願を通じて、「実質的にすべてのチタン原子の原子価状態が4である」とは、少なくとも95%のTi原子の原子価状態が4であることを意味する。
【0025】
本発明の触媒は、さらに他の興味ある特徴を示すことがある。下記の方法で検出できる固体触媒成分上のアニオンの総量は、OR基の存在を考慮に入れるとしても、通常、カチオン(特に限定されないがMgやTiなど)に由来する正原子価の合計を満足させるのに充分ではない。言い換えれば、本発明の触媒中では、カチオン原子価のすべてを満足させるには一定量のアニオンが不足していることが多いことが分っている。本発明では、この不足量を不足係数(LA係数)とよぶ。この不足係数は、固体触媒成分中に存在するカチオンの全モル当量を、固体触媒成分中に存在するアニオンの全モル当量と比較した場合に、不足しているアニオン種のモル当量である。なお、アニオンとカチオンのモル当量はいずれも、Tiモル量当りの値である。
【0026】
この不足係数を決定するには、まず検出可能な全アニオンと全カチオンのモル含量を測定する。次いで、アニオン(特に限定されないがCl-や−ORなど)とカチオン(特に限定されないがMgやTiなど)のすべてのモル含量を、分割して、Tiモル量(これは、したがってモル単位と考えられる)に変換する。その後、満足させるべきカチオンのモル当量の合計を、例えば、Mg++(Ti当りの)のモル量を2倍し、Ti+4(モル単位)のモル量を4倍して計算する。このようにして得られた合計値を、次いで、アニオン由来の、例えばClとOR基由来のモル当量(チタン当りの)の合計と比較する。この比較の結果の差異が、特にアニオンモル当量の不足値が、この不足係数を示すこととなる。
【0027】
この不足係数は、通常0.5より大きく、好ましくは1より大きく、より好ましくは1.5〜6の範囲である。
【0028】
本発明の触媒成分は、有機Al化合物との反応により、α−オレフィンCH2=CHR(式中、Rは水素または1〜12個の炭素原子を持つ炭化水素基)重合用の触媒を形成する。中でも好ましいのは、上の式AlR3-zzのハイドロカルビル化合物である(式中、RはC1−C15−炭化水素アルキルまたはアルケニル基であり、Xはハロゲン、好ましくは塩素であり、zは0≦z<3の数字である)。この有機Al化合物は、好ましくは、トリメチルアルミニウムやトリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウム、トリイソプレニルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム化合物やトリアルケニル化合物から選ばれる。AlEt2ClやAl2Et3Cl3などのアルキルアルミニウムハライド、アルキルアルミニウムハイドライドまたはアルキルアルミニウムセスキクロライドを、必要なら上記トリアルキルアルミニウム化合物と共に用いることもできる。
【0029】
Al/Ti比は、1より大きく、一般的には20〜2000であり、好ましくは20〜800である。
【0030】
この重合系で、上述の内部供与体として使用可能な化合物と同一の、あるいは異なる電子供与体化合物(外部供与体)を使用することができる。この外部供与体は、好ましくは下記式の化合物から選ばれる。
【0031】
【化1】

【0032】
(式中、R2は、同一であっても相互に異なっていてもよく、水素原子またはC1−C20−炭化水素基で、必要なら元素周期律表の13〜17族のヘテロ原子を含むもの、または式−OR1のアルコキシ基であり、2個以上のR2基は相互に連結して環を形成していてもよく;R1は、C1−C20−炭化水素基で、必要なら元素周期律表の13〜17族のヘテロ原子を含むものである)。
【0033】
好ましくは、R2のうち少なくとも一つが−OR1である。
【0034】
一般に、二個の−OR1基が相互にオルト位置にあることが好ましい。従って、1,2−ジアルコキシベンゼンや2,3−アルキルジアルコキシベンゼンまたは3,4−アルキルジアルコキシベンゼンが好ましい。他のR2基は、水素とC1−C5−アルキル基とOR1基から選ばれることが好ましい。二個のR2がアルコキシ基OR1である場合、トリアルコキシベンゼン誘導体が得られる。この場合に第三のアルコキシは、他の二つのアルコキシの隣であっても、最も近いアルコキシ基に対してメタ位置であってもよい。好ましくは、R1は、C1−C10−アルキル基から選ばれ、より好ましくはC1−C5−の直鎖又は分岐鎖アルキル基から選ばれる。鎖状アルキル基が好ましい。好ましいアルキルは、メチルとエチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチルである。
【0035】
一個以上のR2がC1−C5−の直鎖又は分岐鎖アルキル基である場合、アルキルアルコキシベンゼンが得られる。R2はメチルまたはエチルから選ばれることが好ましい。好ましい実施様態に置いては、R2の一つがメチルである。
【0036】
好ましいサブクラスの一つが、ジアルコキシトルエンであり、この中では、2,3−ジメトキシトルエンや3,4−ジメトキシトルエン、3,4−ジエトキシトルエン、3,4,5−トリメトキシトルエンが好ましい。
【0037】
既存の水付加体と較べると、本発明の付加体は、同一レベルの形態安定性であってより大きな重合活性を示す触媒成分を提供できる点に注意が必要である。
【0038】
上述のように、本発明の成分とそれから得られる触媒は、式CH2=CHR(式中、Rは水素または1〜12個の炭素原子をもつ炭化水素基である)のオレフィンの(共)重合プロセスで使用される。本発明の球状成分とそれから得られる触媒は、数種のオレフィンポリマーの製造用のプロセスで使用される。
【0039】
例えば以下のポリマーが製造可能である:高密度エチレンポリマー(HDPE、密度:>0.940g/cm3)、(エチレンホモポリマーとエチレンと3〜12炭素原子のα−オレフィンとのコポリマーを含む);低密度線状ポリエチレン(LLDPE、密度:<0.940g/cm3)と非常に低密度および超低密度のポリエチレン(VLDPEとULDPE、密度:<0.920g/cm3〜0.880g/cm3)で、エチレンと一種以上の3〜12炭素原子をもつα−オレフィンのコポリマーで、エチレン由来単位のモル含量が80%を越えるものからなるもの;エチレンとプロピレンの弾性コポリマー、エチレンとプロピレンと少量のジエンとからなる弾性三元重合体で、エチレン由来単位の含量(重量)が約30〜70%であるの、アイソタクチックポリプロピレン、プロピレンとエチレン及び/又は他のα−オレフィンからなる結晶性コポリマーで、プロピレン由来単位の含量が>85重量%であるもの;プロピレンと、プロピレンとエチレンの混合物の逐次の重合で得られる耐衝撃性のプロピレンポリマーで、エチレンの含量が最大で30重量%あるもの;プロピレンと1−ブテンのコポリマーで、1−ブテン由来単位の量が10〜40重量%であるもの。
【0040】
しかしながら上述のように、これらは特に広いMWDのポリマーの製造に適しており、特に広いMWDのエチレンホモポリマーと、最大で20モル%の高級α−オレフィン(例えば、プロピレンや1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン)を含むコポリマーの製造に好適である。
【0041】
特に、本発明の触媒は、単一重合工程で、上に定義した高いF/E比で示されるように、広い分子量分布をもつエチレンポリマーを与えることができ、またブロー成型用途に好適な一連の性質を与える。
【0042】
本発明の触媒は、液相プロセスであろうが気相プロセスであろうがいかなる種類の重合プロセスでも使用可能である。小さな平均粒度の、例えば30μm未満、好ましくは5〜20μmの範囲の平均粒度の固体触媒成分を含む触媒は、特に不活性媒体中でのスラリー重合に適しており、この重合は、攪拌槽反応器またはループ反応器中で連続的に実施可能である。ある好ましい実施様態においては、上述の平均粒度が小さい固体触媒成分は、それぞれの反応器で異なる分子量及び/又は異なる組成のポリマーを製造している2器以上の直列に繋がったループまたは攪拌槽反応器での使用に特に適している。小さな平均粒度の、例えば30μm未満、好ましくは5〜20μmの範囲の平均粒度の固体触媒成分を含む触媒は、特に気相重合プロセスに適しており、これは攪拌または流動床気相反応器中で実施可能である。
【0043】
以下に実施例を示すが、これは本発明の説明のためのものであって、本発明をなんら制限するものではない。
【0044】
特性評価
下に示す特性は以下の方法で測定した:
窒素での気孔率と表面積:B.E.T.法で測定(使用装置:カルロエルバ社製ソープトマチック1900)
水銀での気孔率と表面積:
カルロエルバ社製「ポロシメーター2000シリーズ」を用いて測定する。気孔率は、加圧下での水銀の吸収で測定する。この測定のために、水銀貯槽と高真空ポンプ(1×10-2mbar)につながった校正済の膨張計(直径:3mm)CD3(カルロエルバ社製)を用いる。重量を測定した試料をこの膨張計に入れる。次いで、この装置を高真空(<0.1mmHg)とし、その条件下で20分間維持する。次いで膨張計を水銀貯槽に連結し、膨張計の高さが10cmのところにマークしたレベルに達するまで、ゆっくりと水銀を流入させる。膨張計と真空ポンプにつなぐ弁を閉じ、次いで、窒素を用いて水銀圧力を徐々に140kg/cm2にまで上げる。圧力の影響で水銀が気孔中に浸入し、材料の気孔率に応じてこのレベルが低下する。
【0045】
気孔率(cm3/g)(総気孔率と1μumまでの気孔による気孔率の両方)と気孔分布曲線と平均孔径は、水銀の体積減少と印加圧力の関数である気孔分布の積分曲線から直接計算する(これらのデータはすべて、ポロシメーターに付属のカルロエルバ社製「マイルストーン200/2.04」プログラムを備えたコンピューターで得られたものである)。
−MBフローインデックス:ASTM−D1238
−MIFフローインデックス:ASTM−D1238
−嵩密度:D1N−53194
−有効密度:ASTM−D792
【実施例】
【0046】
実施例1.MgCl2二水和物錯体
球状の塩化マグネシウム二水和物錯体の試料を以下の方法で製造した。この試験のために、WO98/44009の実施例2の方法で、平均径が69.5μmとなるように攪拌条件下でより大きなスケールで操作して調整した出発材料である微球状MgCl2・2.8C25OHを用いた。次いで、この付加体を、窒素流中で加熱温度が30〜130℃で熱的に脱アルコール化させて、45.1重量%エタノールと1.7重量%水と53.2%塩化マグネシウムの化学組成とした。その後、5949gのこの材料を、流動用窒素と反応器本体の両方を加熱するための専用システムを備えた150mm径のガラスジャケット付き流動床反応器に入れ、1200l/hに維持した窒素流量で流動させながら処理し、次いで、60℃から110℃へ3時間かけて加熱し、110℃でさらに1時間維持した。その後(約40重量%エタノールの組成で)、この反応器に、校正量の水(1198g)を、供給量が約100ml/hの速度の容積ペリスタポンプで添加した。この水を直接、流動用(ジャケット付き)窒素ライン中に入れ、104〜106℃に加熱し、次いで流動化された反応器中に導いた。この湿窒素流の温度を、85℃〜94℃で運転している流動化グリッドのすぐ下で測定し記録した。反応器に約11.5時間水を連続的に供給した後、流動用窒素で反応器からエタノールを除きながら、所望量の水の全量を供給した。反応器下流の窒素ラインのサイクロン部で、凝縮エタノールの一部(520ml)を捕集し回収した(選んだ流動化条件ではサイクロン中に微粉または固体が見られなかった)。水付加の完了後、この支持体を室温にまで冷却し排出した(4212グラム、理論的期待重量と較べてマグネシウム収率が96.9%に相当する)。化学分析の結果は、残存タノール含量が0.3重量%であり、水が27.3重量%、元素状マグネシウムが18%であった。最終の付加体の気孔率は0.83cm3/gであった。
【0047】
実施例2. 0.48EtOH・15H2O・MgCl2錯体の製造
球状の混合MgCl2・0.48EtOH・1.15H2O錯体の試料を、以下の方法で調整した。この試験のために、平均径が45.6μmである固体付加体が得られるように攪拌条件を調整した以外は実施例1の方法で調整した出発材料である微球状MgCl2・2.8C25OHを用いた。次いで、この付加体を、窒素流中で加熱温度が30〜130℃で、熱的に脱アルコール化させて、24.2重量%エタノールと3.2重量%水、72.6%塩化マグネシウムの化学組成とした。その後、この支持体(500g)を、流動用窒素と反応器本体の両方を加熱するための専用システムを備えた65mm径のガラスジャケット付き流動床反応器に入れ、1300l/hに維持した窒素流量で流動させながら処理し、次いで、室温から40℃へ数分かけて加熱し、40℃でさらに9時間維持した。加熱時間の後、この反応器に校正量の水(75g)を、供給量が約0.14ml/分の速度の精密容積ペリスタポンプで添加した。この水を直接、流動用(ジャケット付き)窒素ライン中に入れ、46〜48℃に加熱し、次いで流動化された反応器中に導いた。この湿窒素流の温度を、40〜41℃で運転している流動化グリッドのすぐ下で測定し記録した。反応器に約9時間水を連続的に供給した後、この所望量の水の全量を供給した。質量損失を避けるために窒素流を徐々に1300から700l/hに低下させた。水付加の完了後、この支持体を室温まで冷却し排出した(490g)。化学分析の結果は、17.4%のMg、14.8%の水、15.7の%EtOHであり、以下の組成の錯体に相当する:0.48EtOH・1.15H2O・MgCl2。最終の付加体の気孔率は0.52cm3/gであった。
【0048】
実施例3. 1.17EtOH・1.02H2O・MgCl2錯体の製造
球状の混合1.17EtOH・1.02H2O・MgCl2錯体の試料を、以下の方法で調整した。この試験のために、平均径が45.6μmである固体付加体が得られるように攪拌条件を調整した以外は実施例1の方法で調整した出発材料である微球状MgCl2・2.8C25OHを用いた。次いで、このようにして得られた付加体を、窒素流中で加熱温度が30〜130℃で、熱的に脱アルコール化させて、45.6重量%エタノールと1.3重量%水、53%塩化マグネシウムの化学組成とした。その後、この支持体(500g)を、流動用窒素と反応器本体の両方を加熱するための専用システムを備えた65mm径のガラスジャケット付き流動床反応器に入れ、1080l/hに維持した窒素流量で流動させながら処理し、次いで、室温から45℃へ数分かけて加熱した。加熱時間の後、この反応器に、校正量の(58g)を、供給量が約0.14ml/分(8.5ml/h)の速度の精密容積ペリスタポンプで添加し、45℃で合計反応時間の約7時間維持した。この水を直接、流動用(ジャケット付き)窒素ライン中に入れ、52〜53℃に加熱し、次いで流動化された反応器中に水蒸気として導いた。この湿窒素流の温度を、45℃で運転している流動化グリッドのすぐ下で測定し記録した。反応器に約9時間水を連続的に供給した後、この所望量の水の全量を供給した。この試験の期間中はずっと、窒素流を1080l/hで維持した。水付加の完了後、この支持体を室温まで冷却し排出した(440g)。化学分析の結果は、14.3%のMg、10.8%の水、31.7の%EtOHであり、以下の組成の錯体に相当する:1.17EtOH・1.02H2O・MgCl2。最終の付加体の気孔率は0.32cm3/gであった。
【0049】
実施例4. 1.07H2O・MgCl2錯体の製造
球状の混合1.07H2O・MgCl2錯体の試料を、以下の方法で調整した。この試験のために、平均径が44μmである固体付加体が得られるように攪拌条件を調整した以外は実施例1の方法で調整した出発材料である微球状MgCl2・2.8C25OHを用いた。次いで、このようにして得られた付加体を、窒素流中で加熱温度が30〜130℃で、熱的に脱アルコール化させて、24.2重量%エタノール、1.6重量%水、74.2%塩化マグネシウムの化学組成とした。その後、この支持体(500g)を、実施例2に記載の65mmのガラスジャケット付きの流動床反応器に入れ、まず供給量が6001/hの窒素を用いて流動化させ、次いで製造の第二のステップで、常に適当な流動をさせながら徐々に流速を360l/hまで下げた。この球状の支持体を、室温から120℃で30分かけて加熱し、120℃で2時間、次いで130℃で2時間、最後に135℃で4時間維持した。一方、窒素を、同温度で作動する加熱システムで暖めて、反応器グリッド下でこのガスを72〜78℃とした。加熱時間の後、この反応器に、校正量の(68g)を、供給量が約0.19ml/分の速度の精密容積ペリスタポンプで6時間添加した。この水を直接、流動用(ジャケット付き)窒素ライン中に入れ、72〜78℃に加熱し、次いで流動化された反応器中に水蒸気として導いた。反応器に約6時間水を連続的に供給し、さらに2時間の平衡化時間(水の供給なし)をとった後、この所望量の水の全量を供給した。水付加の完了後、この支持体を室温まで冷却し排出した(406g)。化学分析の結果は、21.7%のMgと17.2%の水であり、1.07H2O・MgCl2の組成の錯体に相当する。その錯体の気孔率は0.746cm3/gであった。
【0050】
実施例5. 5.91H2O・MgCl2錯体の製造
球状の5.91H2O・MgCl2錯体の試料を、流動/回転床反応器として用いたロータリーエバポレーター中で作製した。
【0051】
実施例1の方法で調整した100gの2水和物MgCl2錯体をこのフラスコに入れた。
【0052】
次いでこのフラスコをロータリーエバポレーターに連結し、この支持体をフラスコ内で回転させた。回転中の支持体を含むフラスコ中には、外部の湿った空気を連続的に循環させて少量の水蒸気を投入た。
【0053】
このように水を連続的に供給した結果、フラスコと支持体の総重量が徐々に増加した。
【0054】
120時間回転後、組成が5.91H2O・MgCl2で気孔率が0.369cm3/gである球状材料を、156gの量で回収した。
【0055】
実施例6. 3.57H2O・MgCl2錯体の製造
球状の3.57H2O・MgCl2錯体の試料を、流動/回転床反応器として用いたロータリーエバポレーター中で作製した。上述のように重量増を測りながら水和を行った。12時間の回転後、100gの実施例1で製造した二水和物MgCl2錯体を、113.2gの組成が3.6H2O・MgCl2で気孔率が0.533cm3/gの球状支持体に変換した。
【0056】
比較例7
USP3,953,414の実施例1の方法で製造した付加体MgCl2.6H2Oを炉中で脱水させて、球状の2H2O・MgCl2錯体の試料を製造した。気孔率を測定したところ、0.21cm3/gであった。
【0057】
比較例8
USP4,399,054の実施例2に記載の方法(ただし、10000rpmに代えて2000rpmとして)により、塩化マグネシウムとアルコール付加体を調整した。この付加体は、約3モルのアルコールと3.1重量%のH2Oを含み、その平均径は約70μmであった。この付加体を、窒素流下で50〜150℃の温度範囲で熱処理にかけて、式0.8EtOH・0.2H2O・MgCl2の組成とした。
【0058】
実施例8
固体成分の調整
以下の一般的な手法で、実施例1〜6と比較例8で得られたいろいろなMgCl2系錯体から触媒を調整した。
【0059】
攪拌器を備えた2lのガラス製反応器に、0℃で1.0LのTiCl4を入れ、総ルイス塩基濃度を0.8mol/Lとするのに必要な量の球状の支持体をゆっくりと投入した。全体を150分かけた135℃にまで加熱し、さらにその条件で4.5時間維持した。攪拌を中断し、30分後に液相を固体から分離した。その後、無水ヘキサン(1.0l)で6回洗浄した。そのうちの二回は60℃で、四回は室温で行った。真空下約50℃で乾燥した後、自由に流動する固体を回収して分析した。触媒特性を表1に示す。
【0060】
実施例9
固体成分の調整
以下の一般的な手法で、実施例1〜6と比較例8で得られたいろいろなMgCl2系錯体から触媒を調整した。
【0061】
攪拌器を備えた2lのガラス製反応器に、0℃で1.0LのTiCl4を入れ、総ルイス塩基濃度を0.8mol/Lとするのに必要な量の球状の支持体をゆっくりと投入した。全体を150分かけた135℃まで加熱し、さらにその条件で4.5時間維持した。攪拌を中断し、30分後に液相を固体から分離した。フレッシュなTiCl4(1.0L)をこの反応器に加え、得られたスラリーを1時間かけて130℃にまで加熱した。次いで攪拌を中断し、30分後に液相を抜き取った。その後、無水ヘキサン(1.0l)で6回洗浄した。そのうちの二回は60℃で、四回は室温で行った。真空下約50℃で乾燥後、自由に流動する固体を回収して分析した。触媒特性を表1に示す。
【0062】
【表1】

【0063】
実施例11
低メルトインデックス・スラリー相でのエチレンの重合(HDPE):一般的な方法
上記の実施例のようにして得られた触媒のすべてを、以下の方法によりエチレン重合実験で試験した。N2流下70℃で脱気した4リットルのステンレス製オートクレーブに、1600ccの無水ヘキサンと、0.08gの球状触媒と0.3gのトリイソブチルアルミニウム(TIBA)を投入した。全体を攪拌し、75℃にまで加熱し、次いで7barのH2と7barのC24を供給した。エチレンを供給して圧力を一定に維持しながらこの重合を2時間行った。終了後反応器を放圧し、温度を30℃まで低下させた。捕集したポリマーを、70℃で窒素流下で乾燥させた。得られた結果を表2に示す。
【0064】
実施例12
低メルトインデックス・スラリー相でのエチレンの重合(HDPE):一般的な方法
上記の実施例のようにして得られた触媒のすべてを、以下の方法によりエチレン重合実験で試験した。N2流下70℃で脱気した4リットルのステンレス製オートクレーブに、1600ccの無水ヘキサンと、0.1gの球状触媒と0.5gのトリエチルアルミニウム(TEA)を投入した。全体を攪拌し、85℃にまで加熱し、次いで9barのH2と3barのC24を供給した。エチレンを供給して圧力を一定に維持しながらこの重合を2時間行った。終了後反応器を放圧し、温度を30℃まで低下させた。捕集したポリマーを70℃で窒素流下で乾燥させた。得られた結果を表2に示す。
【0065】
【表2−1】

【0066】
【表2−2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
MgCl2と水と、必要なら少なくとも一個のヒドロキシ基をもつ炭化水素構造から選ばれる有機ヒドロキシ化合物(A)とからなる固体付加体であって、これらの化合物が、式MgCl2・(H2O)n(A)p(式中、nは0.6〜6であり、pは0〜3の範囲である)で表わされるモル比で存在し、pが0の時、水銀法で測定した、1μm以下の半径を持つ気孔による気孔率(Pf)が0.3cm3/g以上である場合に、該付加体の気孔率(Pf)が、少なくとも0.15cm3/gである固体付加体。
【請求項2】
pが0で、nが0.7〜5の範囲である請求項1に記載の固体付加体。
【請求項3】
気孔率が0.35〜1.5cm3/gである請求項1に記載の固体付加体。
【請求項4】
pが0.1〜2.5の範囲であり、nが0.6〜2の範囲である前記請求項のいずれか一項に記載の固体付加体。
【請求項5】
気孔率が0.15〜0.6cm3/gの範囲である前記請求項のいずれか一項に記載の固体付加体。
【請求項6】
(A)が、式RIIOH(式中、RIIは、1〜12個の炭素原子をもつアルキル、シクロアルキルまたはアリール基である)のアルコールから選ばれる前記請求項のいずれか一項に記載の固体付加体。
【請求項7】
IIがエチルである請求項6に記載の固体付加体。
【請求項8】
n/p比が0.4以上である前記請求項のいずれか一項に記載の固体付加体。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の固体付加体を元素周期律表のIV〜VI族の一種の遷移金属化合物と反応させて得られるオレフィン重合用の触媒成分。
【請求項10】
上記遷移金属化合物が、式Ti(OR)ny-n(式中、nは0〜yであり;yはチタンの原子価であり;Xはハロゲンであり、Rは1〜8個の炭素原子をもつアルキル基である)のチタン化合物から選ばれる請求項9に記載の触媒成分。
【請求項11】
チタン原子の量が4.5%より多い前記請求項のいずれか一項に記載の触媒成分。
【請求項12】
不足(LA)係数が0.5である前記請求項のいずれか一項に記載の触媒成分(ただし、この不足(LA)係数は、固体触媒成分中に存在するカチオンの全モル当量を、固体触媒成分中に存在するアニオンの全モル当量と比較した場合に、不足しているアニオン種のモル当量である。アニオンとカチオンのモル当量はいずれも、Tiモル量当りの値である)。
【請求項13】
請求項9〜12のいずれか一項に記載の触媒成分を有機Al化合物と反応させて得られる生成物を含む触媒システム。
【請求項14】
上記有機Al化合物が、上記の式AlR3-zz(式中、Rは、C1−C15−炭化水素アルキルまたはアルケニル基であり、Xはハロゲン、好ましくは塩素であり、zは0≦z<3の数字である)のハイドロカルビル化合物から選ばれる請求項13に記載の触媒システム。
【請求項15】
請求項13または14記載の触媒システムの存在化で行われるオレフィンの重合方法。

【公表番号】特表2013−515797(P2013−515797A)
【公表日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−545249(P2012−545249)
【出願日】平成22年12月17日(2010.12.17)
【国際出願番号】PCT/EP2010/070010
【国際公開番号】WO2011/076669
【国際公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(506126071)バーゼル・ポリオレフィン・イタリア・ソチエタ・ア・レスポンサビリタ・リミタータ (138)
【Fターム(参考)】