説明

塩基の形態のチエノピリジン族の抗血小板剤を含有する経口組成物

本発明は、クロピドグレルやチクロピジンなどの抗血小板剤を含有する非溶血性組成物であって、前記組成物は、抗血小板剤が塩基の形態である点および該組成物が少なくとも1種の親水性非イオン性界面活性剤を含有する点で特徴付けられる非溶血性組成物に関する。本発明はまた、ガレノス形態、そのような組成物の調製方法、その治療的使用、特に、溶血および/または胃腸酸性と関係する所望でない作用を患う患者のための治療的使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塩基の形態のチエノピリジン族の抗血小板剤を含有する経口製剤、前記製剤を調製する方法、およびアテローム血栓症に関連する病状の治療または予防に対する前記製剤の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
アテローム性動脈硬化症は、血栓性の心血管疾患や脳血管疾患の最も多い原因であり、過去40年間の若年層の疾患と死亡の最も確率の高い原因を示す。研究対象集団および用いられた方法によると、動脈性疾患の有病率は25〜60%、心筋梗塞の有病率は2%と推定される(非特許文献1)。
【0003】
アテローム血栓症(心筋梗塞、脳血管障害、血管死)の予防のために処方される治療薬のうち、チクリッド(登録商標)の名称の下に市販されているチクロピジン、プラビックス(登録商標)の名称の下に市販されているクロピドグレルなどのチエノピリジン族に属する抗血小板剤が見出され得る。これら2つの分子はそれぞれ、特許文献1および2に記載されている。最近のチエノピリジンであるプラスグレルは特許文献3に記載され、まだ市販されていないが、複数の研究において抗血小板作用を有するものとして示されている(非特許文献2)。
【0004】
活性分子は、チクリッド(登録商標)では塩酸塩の形態にあり、プラビックス(登録商標)では硫酸水素塩の形態にある。これまでに、塩基の形態のクロピドグレルやチクロピジンが経口製剤として市販されたことはない。
【0005】
特許文献4、2、および5には、非経口ルートによって投与され、注射可能な水溶液の形態で提示されるクロピドグレルまたはその製薬学的に許容される塩の一つを含有する組成物が記載されている。等張溶媒中に溶解したクロピドグレル塩を含有するこの種の製剤は、経口経路による投与に不適切であると推定され得る。クロピドグレルは、水の存在下では酸化反応によって分解するからである。さらに、得られた組成物は、1ヵ月を超えると、安定した形態で保存され得ない。pHが2未満であるこの種の溶液は、経口ルートによる投与の場合、その強い酸性のpHに起因しておそらく胃の炎症を引き起こすだろうことを加えることができる。
【0006】
特許文献6には、マンニトールおよびアラニンをクロピドグレルまたはその塩の一つに加えて含有する非経口投与またはカテーテルによる投与のための凍結乾燥された形態が記載されている。
【0007】
特許文献7には、クロピドグレルまたはチクロピジンを含有する注射可能な水性医薬組成物が記載されている。この組成物は、さらに、リン酸水素二ナトリウムなどの塩基性剤および2種の界面活性剤であるプルロニック(登録商標)F680(ポロキサマー188)およびソルトール(登録商標)HS15を含有している。前者の界面活性剤は凝集阻害剤として使用されている。有効成分は、好ましくは、塩の形態で用いられ、この形態の下でのみ例示されている。凍結乾燥物から出発して、水性溶媒を有する溶液を再構成し、3より高いpHを有するクロピドグレルのミセル溶液を与えることが可能である。本出願人によると、これは、2種の界面活性剤に起因してクロピドグレルの自然凝集の問題を無効にする利点を有しているだろう。しかしながら、記載されている組成物は、その投与の前に、水の存在下でのクロピドグレルの分解を制限するために凍結乾燥物の溶解による即時の再構成を必要とする。この従来技術によると、クロピドグレルまたはチクロピジンの製薬学的に許容される塩を含有する液体の形態の製剤は、これらの有効成分の物理化学的特性、特に、水の存在下でのそれらの化学的不安定性の特性のために扱いにくいように見えることに注意することができる。
【0008】
特許文献8および9には、クロピドグレルを塩基の形態で含有する組成物が記載されている。特許文献8には、クロピドグレルの非晶質の形態並びにクリピドグレルの塩基(この形態で直接的にまたはクロピドグレル重硫酸塩の溶液への酸の添加からin situで出発するかのいずれか)とN−ビニル−2−ピロリドンポリマーの共溶解と、この後の、溶媒を留去して乾燥固体残渣を得る工程とによる複合体の調製方法が記載されている。特許文献10には、塩基の形態のクロピドグレルを含有する固体プレミックスが記載されている:このクロピドグレルは、糖、二糖類およびセルロース誘導体の中から選ばれる担体上に吸着される。この発明に従って得られる方鉛鉱形態は、錠剤、粉剤、小袋等である。目的は、出願人によると、塩基の形態のクロピドグレルの流動性を高めること、さらには、より良好な均質性を可能にしてプレミックスの調製を容易にすることにある。出願人によると、この種の製剤は、安定性、溶解度(solubility)およびその調製の実施を向上させることおよびその吸湿性を低減させることを可能にする。しかしながら、これらの2件のPCT出願は、これらの抗血小板剤の使用に関連する溶血現象および胃過敏(gastric irritation)等の所望でない作用の低減に一切言及していない。
【0009】
チクリッド(登録商標)やプラビックス(登録商標)の投与は、頻繁に、胃過敏、さらには胃出血等の所望でない作用を引き起こす。それらは、2未満のpHを有する水溶液を与え、このことは、経口投与による良好な胃の安全性に不適合である。この点から、チクリッド(登録商標)の注意書には次のような推奨事項が記載されている:「消化性障害を低減させるため、食事中に服用してください」。プラビックス(登録商標)の場合、42,000例超の患者を対象に安全性が研究された;それらの9000例超が1年以上の間治療を受けた。目立った所望でない作用(研究CAPRIEの間に記録された)は、特に、クロピドグレルを受けた患者の中で、2.0%の胃腸出血の頻度を含み、その事例の0.7%において入院を必要とした。さらに、チクロピジンの投与は、胃十二指腸潰瘍にかかる患者において禁忌とさえされた。
【0010】
チクロピジンまたはクロピドグレルの投与に関連する他の所望でない作用の中で、出血性の現象および血液病を見出すことができる;それらのいくつかは、溶血現象に結び付けられる。
【0011】
チクリッド(登録商標)の場合、大半の症例において、これらのアクシデントは、治療の最初の3月の間に発生し、この期間の間に生物学的モニタリング(血液試験)が必要である(一般的に15日毎)。血液学的毒性は、白血球、血小板または赤血球の率の減少(貧血)またはこれら3種の減少である;後者の場合は、極めて重篤である。血液細胞の計数が変化した場合、治療は中止しなければならない。同様に、消化性出血並びに眼科性、耳鼻咽喉性(ORL)、脳性および髄膜性の出血は、治療を中止することを必要とする。
【0012】
クロピドグレルの投与後に観察される血液病の内、血栓性微小血管症(thrombotic microangiopathy:TMA)が見出され、これは、小動脈および毛細血管のなんらかの内皮障害を示す:これらの障害は、血小板減少および溶血性貧血に関連する2つの臨床症候群に共通である。溶血性貧血は重篤な貧血とみなされており、溶血が血管内であり、この貧血の微小血管症の側面が多くの赤血球の変形の存在によって観察される。TMAの症例は、チクロピジンまたはクロピドグレルの投与後に報告された。これは、溶血性尿毒症性症候群(uremic hemolytic syndrome:UHS)を引き起こす(非特許文献3および4)。
【0013】
TMAに加えて、溶血性病理学として、ソラマメ症を見出すことができ、これは、赤血球細胞酵素であるG6PD(glucose-6-phosphate dehydrogenase:グルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ)の欠乏に対応する。この酵素の欠乏により、赤血球の溶血または破壊が引き起こされ、貧血に至ることが示された。このG6PDの欠乏は、一部の集団において頻繁であり、例えば、それは、アフリカ系アメリカ人の10%超で発症し、特に、地中海の人の間に蔓延し、急性溶血の危機によって現れる。G6PDの欠乏は、男性の酵素欠乏の中で最も一般的であり、G6PDの欠乏症に冒される人の数は4億人超に推定される。
【0014】
これまでに明らかにされた事によると、クロピドグレルまたはチクロピジン等の抗血小板剤を含有して、溶血、胃過敏および/または失血等の所望でない作用を著しく低減させることを可能にし得る製剤を開発する必要性がある。
【0015】
本発明者らは、これまでに示された所望でない作用の一部、特に、溶血を低減させる大きな可能性を有する製剤を提供する。この新しい組成物によって、それを水で希釈した後に中性pHを得ることが可能になる。最後に、この新しい組成物は、摂食とは無関係に吸収するという利点を有しており、食物の影響が出る硫酸水素塩の形態のクロピドグレルとは対照的である。実際、絶食後または絶食中の状態による吸収の変動が、硫酸水素炎の形態のクロピドグレルが投与された健康なボランティアについて行われた研究から示された(非特許文献5)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】仏国特許発明第7303503号明細書
【特許文献2】欧州特許第281459号明細書
【特許文献3】特開平2006−041139号公報
【特許文献4】欧州特許第099802号明細書
【特許文献5】米国特許第4847265号明細書
【特許文献6】国際公開第97/17064号パンフレット
【特許文献7】国際公開第00/10534号パンフレット
【特許文献8】国際公開第04/026879号パンフレット
【特許文献9】国際公開第06/044548号パンフレット
【特許文献10】国際公開第06/044548号パンフレット
【非特許文献】
【0017】
【非特許文献1】トウゼ・イー(Touze E)ら著、アーチ・バッドリー・バイス・ハート(Arch Badly Vaiss Heart)、2005年、第98巻、第4号、p.15−30
【非特許文献2】ウィヴォット・エス・ディー(Wiviott SD)ら著、サーキュレーション(Circulation)、2005年、第111巻、第25号、p.3366−73
【非特許文献3】アンダーソン・エフ(Anderson F.)ら著、ハート(Heart)、2004年、第90巻、第9号、p.57
【非特許文献4】メディナ・ピー・ジェイ(Medina PJ)ら著、Curr. Opin. Hematol、2001年、第8巻、第5号、p.286−93
【非特許文献5】ニゴリ・アール・ブイ・エス(Nigori,RVS)ら著、Arzneimittel-Forschung、2006年、第56巻、第11号、p.735−739
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明の目的は、チエノピリジン族の中から選択された抗血小板剤を含有する非溶血性の経口医薬組成物であって、その水中希釈の後に中性に近いpHを示す、医薬組成物を提供することにある;この製剤は、抗血小板剤が塩基の形態である点および製剤は少なくとも1種の親水性の非イオン性界面活性剤をさらに含有する点で特徴付けられる。「中性に近い」という表現は、水中希釈の後にpHが5〜8の範囲であることを指している。本発明者らは、この新しい製剤は、プラビックス(登録商標)の溶解度の問題を緩和することに注目した。プラビックスは、溶解させられるのに非常に低いpHを必要とする塩の形態のクロピドグレルを含有するからである;この要求は、本発明の製剤のためにもはや不必要である。さらに、新しい製剤は、絶食中擬似腸液および摂食された擬似腸液で非常によく似た溶解プロファイルを提示し、したがって、食物の作用を示さないという利点を有する。
【0019】
抗血小板剤の中で、クロピドグレル、チクロピジンおよびプラスグレルが見出される;クロピドグレルが本発明の枠組みの内で好ましい。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明者らは、実際に、クロピドグレルの場合、硫酸水素塩(プラビックス(登録商標)等)ではなく塩基の使用は、所定のタイプの界面活性剤の存在下に、塩基を溶解させることを可能にするだけでなく、クロピドグレルの硫酸水素塩の使用に関連する所望でない作用、例えば、溶血または胃過敏を低減させることを可能にすることを示した。
【0021】
この研究の間、本発明者らは、入手可能な数多くの市販界面活性剤の中で、特定のカテゴリーの親水性の非イオン性界面活性剤が、適切な条件中で親水性に乏しい塩基の溶解を可能にすることに注目した。この活性に加えて、本発明者らは、in vitro試験の間に、驚くべきことに、この組成物は、プラビックス(登録商標)と比較して溶血を顕著に低減させる能力を有することを示した。
【0022】
本発明によると、親水性非イオン性界面活性剤は、親水性/親油性のバランスが10超であるもの(または混合物)の中から選択される。この点に関して、M. R. Porterによるハンドブック“Handbook of Surfactants”, Blackie&Sons Editions, 2nd Edition, 1994を参照することができる。
【0023】
この組成物の有利な提供によると、親水性非イオン性界面活性剤は、クレモフォール(登録商標)EL、クレモフォール(登録商標)RH−40、ソルトール(登録商標)HS−15、またはクレモフォール(登録商標)RH−40とビタミンE/TPGS(登録商標)の混合物であり、一層より有利な提供によると、クレモフォール(登録商標)RH−40またはクレモフォール(登録商標)RH−40とビタミンE/TPGS(登録商標)の混合物である。クレモフォール(登録商標)ELおよびクレモフォール(登録商標)RH−40は、BASFによって販売されている乳化剤である;それらは、ポリオキシエチレンヒマシ油に対応する;BASFによって販売されているソルトール(登録商標)HS−15は、12−ヒドロキシステアリン酸のポリオキシエチレンエステルに対応する;ビタミンE/TPGS(登録商標)は、d−α−トコフェリルポリエチレングリコール1000コハク酸塩に対応する。
【0024】
場合によって、組成物は、保存剤および/または抗酸化剤、例えば、ブチル−ヒドロキシアニソール(butyl-hydroxyanisole:BHA)、ブチル−ヒドロキシトルエン(butyl-hydroxytoluene:BHT)、エチレンジアミン四酢酸(ethylenediaminetetraacetic acid:EDTA)またはその塩、メチルまたはプロピルパラベン、10−パラヒドロキシ安息香酸の誘導体の塩を包含し得る。
【0025】
さらに、本発明者らは、in vitro研究の間に、驚くべきことに、新しい製剤は食物の作用とは無関係に驚くべき有効成分の溶解プロファイルを示すことを示した。実際に、絶食腸ボウル(fasted intestinal bowl:FaSSIF)および摂食腸ボウル(fed intestinal bowl:FeSSIF)を再現する擬似腸液で行われた試験は、これらの2種の媒体の間で有効成分の溶解のレベルに何等の相違も示さない。これらの結果は、硫酸水素塩下のクロピドグレルが、FaSSIFおよびFeSSIF媒体中に異なって溶解した基準のプラビックス(登録商標)により得られた結果と対照的である;この食物作用は、上記のNigoriらの出版物に既に記載されている。
【0026】
特定の規定によると、本発明の医薬組成物は、USP薬局方XXIによるpH=7.5および温度37℃における腸液において70mg/mLより高い抗血小板剤の溶解度によって特徴付けられる。
【0027】
別の特定の規定によると、本発明の医薬組成物は、30分以内の温度37℃でのおよび50rpmの振とう下のFeSSIFまたはFaSSIF擬似腸液における95%より高い抗血小板剤の溶解によって特徴付けられる。
【0028】
本発明の目的はまた、医薬組成物、例えば、カプセルの形態下の前述のものである:このカプセルは、5〜600mgの用量のクロピドグレルまたはチクロピジンを含有する;好ましい用量は、300mgであり、これは、急性冠動脈症候群を患う患者の負荷投与量に対応する;最も好ましい用量はクロピドグレル75mgであり、これは、アテローム血栓症を患う患者の大部分ために市販されかつ処方されるプラビックス(登録商標)の用量に対応する。
【0029】
本発明によるカプセルは、好ましくは、抗血小板剤に加えて、少なくとも1種の親水性非イオン性界面活性剤を含有する。有利な規定によると、カプセルは、塩基の形態下のクロピドグレル75mgと、クレモフォール(登録商標)RH−40、ソルトール(登録商標)HS−15、クレモフォール(登録商標)EL、およびクレモフォール(登録商標)RH−40およびビタミンE/TPGSの混合物の中から選ばれる親水性非イオン性界面活性剤250〜600mgとを含有する。一層より有利な規定によると、本発明によるカプセルは、塩基の形態下のクロピドグレル75mgを、クレモフォール(登録商標)RH−40 290mgと関連してまたはクレモフォール(登録商標)RH−40 287mgおよびビタミンE/TPGS 3mgの混合物と関連して含有する。
【0030】
本発明のカプセルは、優先的に、ソフトゼラチンまたはハードゼラチンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース(hydroprppylmethylcellulose:HPMC)から作られ、封止されてもされなくてもよい。
【0031】
有利には、サイズ1またはサイズ0のカプセルを用いることができる。より小さいサイズ1のカプセルが特に好ましい。より大きいサイズのカプセルを飲み込むのが困難な患者に特に適切しているからである。
【0032】
さらに、本発明者らの一つの目的は、可溶化法であって、実施するのが簡単であり、製薬研究所において古典的に用いられる他の設備を必要としない方法を提供することにある。
【0033】
したがって、本発明は、本発明による医薬組成物の可溶化方法であって、
(a)少なくとも1種の親水性非イオン性界面活性剤を30〜60℃の範囲の温度で加熱する工程と、
(b)攪拌下に30〜60℃の範囲の温度で前記の親水性非イオン性界面活性剤中に有効成分を溶解させる工程と
を包含する方法を記載する。
【0034】
本発明者らは、有効成分の添加の前に、界面活性剤(単数または複数)を加熱して、それらの粘度を低減させかつ有効成分の溶解を促進させることが好ましかったことに注目した。
【0035】
本発明の別の目的は、前述のカプセルの調製方法であって、
(a)少なくとも1種の親水性非イオン性界面活性剤を30〜60℃の範囲の温度で加熱する工程と、
(b)攪拌下に30〜60℃の範囲の温度で前記の親水性非イオン性界面活性剤中に有効成分を溶解させる工程と、
(c)場合によっては、工程(b)から得られた混合物を室温に冷却する工程と、
(d)場合によっては、工程(c)から得られた混合物を30〜45℃の範囲の温度で加熱する工程と、
(e)工程(d)から得られた混合物をカプセルに移す工程と
を包含する方法である。
【0036】
本発明の特定の性質によると、このタイプの非溶血性製剤は、アテローム血栓症と関係する症状に対して治療され、通常の抗血小板剤の医薬によりそれらの治療の間に所望でない作用に直面した患者において用いられ得る。
【0037】
有利には、本発明の製剤は、クロピドグレルまたはチクロピジン等の抗血小板剤が塩の形態で用いられた時に溶血または胃腸酸性と関係する所望でない作用に直面する可能性がある患者に提供される。
【0038】
別の有利な規定によると、本発明の製剤によって治療される患者は、グルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ(G6PD)において欠陥のある患者または血栓性微小血管症等の血液病を患う患者または溶血尿毒性症候群を患う患者である
別の有利な規定によると、本発明の組成物によって治療される患者は、十二指腸潰瘍または胃腸失血を患う患者である。
【0039】
本発明は、クロピドグレルの塩基の非溶血性製剤および種々の試験(溶血、溶解度、溶解およびpH)であって、新しい製剤がプラビックス(登録商標と比較される試験に言及する以下の実施例によってよりよく理解されることになる;これらは、以下の図面と関連付けられる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】図1は、患者番号1の血液を対象とした酸性化グリセロール溶解(lysis)試験(「AGL試験」とも言う)を用いることによる溶血の結果を示す。この試験の間、本発明の製剤1〜4がプラビックス(登録商標)と比較される;全ての製剤は、10μg/mLの濃度のクロピドグレルを有する。
【図2】図2は、図1において行われたのと同様に患者番号2の血液を対象とした溶血の結果を示す。
【図3】図3は、図1の試験と同一の試験に対応するが、プラビックス(登録商標)を含む全ての製剤についてクロピドグレルの濃度を16.7μg/mLとした。
【図4】図4は、図1の試験と同一の試験に対応するが、プラビックス(登録商標)の場合にはクロピドグレルの濃度を16.7μg/mLとした一方で、本発明の製剤1〜4の場合には、200μg/mLに上げた。
【図5】図5は、本発明の製剤5〜8をプラビックス(登録商標)と比較したFaSSIF液中の溶解試験を示す。
【図6】図6は、本発明の製剤5〜8をプラビックス(登録商標)と比較したFeSSIF液中の溶解試験を示す
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下の実施例は、本発明を例証するために与えられ、いかなる方法によっても、本発明の限定を構成しない。
【0042】
(実施例1:溶血試験。本発明の製剤とプラビックス(登録商標)との比較)
クロピドグレルによる溶血の可能性を判定するため、硫酸水素塩の形態のクロピドグレルを含有するプラビックス(登録商標)、および塩基の形態のクロピドグレルを含有する本発明による製剤を対象に溶血試験を行った。
【0043】
本発明による製剤1〜4は、以下の表1に記載されている:各製剤は塩基の形態のクロピドグレル75mg、および同一量の親水性非イオン性界面活性剤を含有する;このものは、それらの間で異なっている。
【0044】
プラビックス(登録商標)錠剤は、クロピドグレル硫酸水素塩97.87mg(クロピドグレルの塩基75mg)、および以下の担体を含有している:無水乳糖、変性コーンスターチ、マクロゴール、結晶セルロース、硬化ヒマシ油、二酸化チタン、赤色酸化第二鉄(red ferric oxide)、およびカルナウバろう。
【0045】
【表1】

【0046】
(溶血試験(AGL))
ここで用いられたこの試験は、A. Zanella et al.(British Journal of Haematology, (1980) 45. 481-6)に記載されている酸性化グリセロール溶解試験(lysis test)である。これは、光学密度(optical density:OD)を測定することにより、酸性媒体中、in vitro浸透圧強度を測定することからなる。細胞溶解(cellular lysis)は、原形質膜(plasmic membrane)の完全性が変化したときに生じる濁度の進展をモニタリングすることによって決定される。30分後に観察されたODが初期値から半分(OD50%)以下まで低減した時に溶血が評価された。
【0047】
AGL試験はまた、遺伝性および自己免疫溶血性の貧血を検出することを可能にする[P. H. B. Bolton-Maggs et al.(2004)“Guidelines for the diagnosis and management of hereditary spherocytosis” British Newspaper of Haematology, 126, 455-474]。
【0048】
(実験手順)
用いられた試薬:
グリセロール試薬:PBS15mLおよび蒸留水50mL中に1.1mLのグリセロールを希釈する;
リン酸緩衝液:リン酸塩緩衝液チトリゾールを水500mL中に希釈し、pHを6.85に調節する;
PBS緩衝液:NaCl8.1gを、水900mLおよびリン酸緩衝液(pH6.85)100mLに希釈する。
【0049】
ブランクキューベ(blank cuve)は、PBS1mLおよびグリセロール試薬2mLを含有する。サンプルキューベは、製剤1、2、3または4またはプラビックス(登録商標)を5mL含有し、これに、血液20μLを加える。30分間にわたってインキュベートする。サンプルキューベに前記溶液1mLおよびグリセロール試薬2mLを添加する。クロピドグレルの最高濃度は15μg/mLである;これは、血液5リットル中75mgの投与量に相当する。したがって、この濃度は、PBS緩衝液が添加される時に低下することになる。モニタリングされるパラメータは、無傷の細胞と溶解細胞(lysed cell)との間で最も高い矛盾が得られた時の最適波長である625nmにおける光学密度(OD)である。
【0050】
(実施された試験)
・10μg/mLの濃度のクロピドグレルの塩基
2例の選択された患者からの血液を対象に試験を実施した。20μL分量の血液を、製剤1、2、3、4またはプラビックス(登録溶液)の溶液に加えて、クロピドグレルのフリー塩基濃度:10μg/mLを得る。各試験は反復される。結果は、図1(患者血液番号1)、および図2(患者血液番号2)に提示される。これらの図では、反復試験の平均値が記録されている。
【0051】
患者血液番号1の場合、50%超のODの損失がプラビックス(登録商標)について得られることが観察され、重要な溶血を示しているのに対して、製剤1〜4についてのODの損失は、19〜29%の範囲にわたっており、これは、はるかに低減した溶血を示している。患者血液番号2を対象に試験が繰り返された時に同様の結果が得られた:プラビックス(登録商標)についての50%超のOD損失対本発明の製剤1〜4についての25〜32%の範囲。
【0052】
・16.7μg/mLの濃度のクロピドグレルのフリー塩基
20μLの分量の患者血液を、プラビックス(登録商標)の溶液または製剤1〜4の溶液のいずれかに加えて、16.7μg/mLの濃度のクロピドグレルのフリー塩基を得る。各試験は反復される。結果は、図3に提示される。結果は、より低い濃度である10μg/mLのクロピドグレルのフリー塩基において得られた結果に非常に類似していることが注目される:OD損失は、プラビックス(登録商標)の場合50%より高く、重要な溶血を示す一方で、OD損失は、製剤1〜4の場合はるかに低減させられており(29〜32%)、溶血の低減が示されている。
【0053】
・製剤1〜4中の200μg/mLの濃度のクロピドグレルの塩基
本発明の製剤に関して重要な溶血が観察されるクロピドグレル中の量を決定するために、クロピドグレルの塩基の濃度:100μg/mL(結果は示されない)および200μg/mLについて試験が行われ、プラビックス(登録商標)を含有する溶液については、はるかに低い量のクロピドグレルが維持された(16.7μg/mL)。
【0054】
前述のように、20μLの分量の血液を、PBS緩衝液に、およびクロピドグレル濃度:16.7μg/mLのプラビックス(登録商標)の溶液または200μg/mLのクロピドグレル濃度の製剤1〜4の溶液にいずれかに混合する。各試験は反復された。結果は図4に提示される。プラビックス(登録商標)の場合において非常に重要な溶血がある(50%超のODの損失)一方で、本発明による製剤1〜4ではそれは大きく低減させられ(29〜47%の範囲)、これは高いクロピドグレル濃度(200μg/mL)の場合でもこの結果であることが注目された。
【0055】
(実施例2:溶解試験。本発明の製剤とプラビックス(登録商標)との比較)
擬似腸液FeSSIFおよびFaSSIFにおける本発明の製剤5〜8(表2)の溶解と溶解度(表2)を、プラビックス(登録商標)のそれらと比較して評価した。
【0056】
【表2】

【0057】
液FaSSIF(Fasted State Simulated Intestinal Fluid:絶食状態擬似腸液)およびFeSSIF(Fed State Simulated Intestinal Fluid:摂食状態擬似腸液)は、J.B.Dressmanの[Oral examination Drug Absorption, Drugs and the Pharmaceutical Sciences (2000)-vol 106]に記載されている。
【0058】
(方法)
0.5gの量の各製剤を、1mLの擬似腸液に添加する:この混合物をホモジナイズした後、37℃でインキュベートする。移動相中に100倍希釈した後、HPLC(Perkin Elmer)カラム115番に注入する。プラビックス(登録商標)の場合、3錠を1mLの媒体に導入する。
【0059】
− 37℃でのFaSSIFへの溶解
FaSSIF液は、リン酸モノカリウム3.9g、タウロコール酸ナトリウム1.6g、レシチン0.6g、塩化カリウム7.7gを含有し、希釈水により1リットルにされる;pHは、NaOHにより6.5に調節される。
【0060】
結果は図5に提示される。プラビックス(登録商標)中に含有されるクロピドグレルの37%のみが溶解した一方で、製剤5〜8の場合30分後にほとんど全量(97%)が溶解したことを観察することができる。さらに、本発明の4製剤の全ての挙動は同様であり、したがって、親水性非イオン性界面活性剤の選択は、FaSSIF液においては重要でないようである。
【0061】
− 37℃でのFeSSIF液中の溶解
FeSSIF液は、酢酸8.7g、タウロコール酸ナトリウム8.1g、レシチン2.8g、塩化カリウム15.2gを含有し、蒸留水により1リットルにされた;pHは、NaOHにより5に調節された。
【0062】
結果は図6に提示される。1時間後に、プラビックス(登録商標)中に含有されるクロピドグレルの56%未満が溶解した一方で、製剤5〜8ではほとんど全量(94%)が溶解したことを観察することができる。
【0063】
これらの実験から、溶解は、絶食状態の擬似腸液および摂食状態の擬似腸液の両方において向上すると結論付けることができる。
【0064】
(実施例3:溶解度試験。本発明の製剤とプラビックス(登録商標)との比較)
目的は、クロピドグレルの塩基の溶解度(水中にほぼゼロ)が、本発明の製剤ではプラビックス(登録商標)(塩の形態である)と比較して顕著に向上するかどうかを決定することにあった。このパラメータは、生物学的利用性が向上すべき場合に考慮する一つの要素を構成する。
【0065】
これらの試験は、(米国薬局方SP XXIにおいて規定されるような)擬似腸液中のクロピドグレルの飽和中、pH7.5および37℃で、前述の手順に従って行われた。結果を以下の表3に示す。擬似媒体は、蒸留水1リットル中に6.8gのKHPOを含有していた;pHは、KOHにより7.5に調節された。
【0066】
【表3】

【0067】
これらの結果によると、pH7.5の腸液において、プラビックス(登録商標)ではクロピドグレルの溶解度は低い(33mg/mL)一方で、製剤5〜8の溶解度は高くなる(2倍超)ことを観察する。この高くなった溶解度は、製剤5〜8の全てについて基本的に同様である。
【0068】
(実施例4:pHの測定。本発明の製剤とプラビックス(登録商標)との比較)
製剤5〜8のpHを測定し、水性媒体に酸性を誘導するそれらの可能性を、市販形態のクロピドグレルプラビックス(登録商標)と比較して評価した。これらの試験の間、各製剤5〜8またはプラビックス(登録商標)の錠剤を、20℃で水100mLに溶解させた。結果を以下の表4に提示する。
【0069】
【表4】

【0070】
これらの結果によると、本発明の製剤は、酸性pH(3未満)を誘導するプラビックス(登録商標)とは対照的に生理学的に中性に近いpH(5〜6.1)を誘導することが注目される。これは、経口製剤にとって重大な利点を構成する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
チエノピリジン族の抗血小板剤を含有する経口医薬組成物であって、該組成物は非溶血性であり、該組成物は、水中の希釈後に中性に近いpHを有し、該組成物は、抗血小板剤の溶解が食事の影響をわずかにすることを可能にし、該組成物は、前記抗血小板剤が塩基の形態にある点および該組成物は、少なくとも1種の親水性非イオン性界面活性剤をさらに含有する点で特徴付けられる経口医薬組成物。
【請求項2】
抗血小板剤は、クロピドグレル、チクロピジンおよびプラスグレルの中から選択されることを特徴とする請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
抗血小板剤はクロピドグレルであることを特徴とする請求項1または2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
該少なくとも1種の親水性非イオン性界面活性剤は、クレモフォール(登録商標)EL、クレモフォール(登録商標)RH−40、ソルトール(登録商標)HS−15、クレモフォール(登録商標)RH−40とビタミンE/TPGS(登録商標)との混合物、またはこれらの混合物の中から選択されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【請求項5】
少なくとも1種の親水性非イオン性界面活性剤は、クレモフォール(登録商標)RH−40、およびクレモフォール(登録商標)RH−40とビタミンE/TPGS(登録商標)との混合物の中から選択されることを特徴とする請求項4に記載の医薬組成物。
【請求項6】
抗酸化剤および/または保存剤をさらに含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【請求項7】
該抗血小板剤の溶解度は、米国薬局方(USP) XXIに準拠したpH=7.5での37℃の温度における擬似腸液中で70mg/mLよりも高いことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【請求項8】
抗血小板剤の溶解は、30分以内で37℃での50rpmの攪拌下に擬似消化液FeSSIFまたはFaSSIF中95%より高いことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1つに記載の医薬組成物を含有するカプセルであって、5〜600mgの用量の塩基の形態のクロピドグレルまたはチクロピジンを含有するカプセル。
【請求項10】
クロピドグレルの塩基の用量は、300mgに等しいことを特徴とする請求項9に記載のカプセル。
【請求項11】
クロピドグレルの塩基の用量は75mgに等しいことを特徴とする請求項9または10に記載のカプセル。
【請求項12】
少なくとも1種の親水性非イオン性界面活性剤をさらに含有し、該親水性非イオン性界面活性剤は、10より高いHLB値を有することを特徴とする請求項9〜11のいずれか1つに記載のカプセル。
【請求項13】
製剤は、塩基の形態のチエノピリジン抗血小板剤に加えて、クレモフォール(登録商標)RH−40、ソルトール(登録商標)HS−15、クレモフォール(登録商標)EL、およびクレモフォール(登録商標)RH−40とビタミンE/TPGSとの混合物の中から選択される少なくとも1種の親水性非イオン性界面活性剤を250〜600mgの範囲の量で含有することを特徴とする請求項9〜12にいずれか1つに記載のカプセル。
【請求項14】
製剤は、塩基の形態のクロピドグレル75mgと、クレモフォール(登録商標)RH−40 290mgとを含有するか、または塩基の形態のクロピドグレル75mgと、クレモフォール(登録商標)RH−40 287mgおよびビタミンE/TPGS3mgとを含有することを特徴とする請求項9〜13のいずれか1つに記載のカプセル。
【請求項15】
カプセルはソフトゼラチン製、ハードゼラチン製、またはHMPC製であることを特徴とする請求項9〜14のいずれか1つに記載のカプセル。
【請求項16】
カプセルはサイズ1のものであることを特徴とする請求項9〜15のいずれか1つに記載のカプセル。
【請求項17】
請求項1〜8のいずれか1つに記載の医薬組成物の調製方法であって、
(a)少なくとも1種の親水性非イオン性界面活性剤を、30〜60℃の範囲の温度で加熱する工程と、
(b)有効成分を、攪拌下に30〜60℃の温度で、加熱された少なくとも1種の親水性非イオン性界面活性剤中に溶解させる工程と
を含む方法。
【請求項18】
請求項9〜16のいずれか1つに記載のカプセルの調製方法であって、
(a)少なくとも1種の親水性非イオン性界面活性剤を、30〜60℃の範囲の温度で加熱する工程と、
(b)有効成分を、攪拌下に30〜60℃の温度で、加熱された少なくとも1種の親水性非イオン性界面活性剤中に溶解させる工程と、
(c)このようにして得られた混合物を、場合により、室温まで冷却する工程と、
(d)該混合物を、場合により、30〜45℃の範囲の温度で加熱する工程と、
(e)該混合物をカプセルに移す工程と
を含む方法。
【請求項19】
アテローム血栓性症状の治療または予防の薬物の調製における、請求項1〜8のいずれか1つによる医薬組成物または請求項9〜16のいずれか1つによるカプセルの使用。
【請求項20】
現行の抗血小板薬を使用した時に所望でない作用を患う患者のアテローム血栓性に病状の治療または予防のための薬物の調製における、請求項1〜8のいずれか1つによる医薬組成物または請求項9〜16のいずれか1つによるカプセルの使用。
【請求項21】
溶血と関係する所望でない作用を患う患者のアテローム性血栓症状の治療または予防の薬物の調製における、請求項1〜8のいずれか1つによる医薬組成物または請求項9〜16のいずれか1つによるカプセルの使用。
【請求項22】
抗血小板剤が塩の形態で用いられた時の胃酸性と関係する所望でない作用を患う患者のアテローム性血栓症状の治療または予防の薬物の調製における、請求項1〜8のいずれか1つによる医薬組成物または請求項9〜16のいずれか1つによるカプセルの使用。
【請求項23】
グルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ(G6PD)を欠乏している患者または血栓性微小血管症等の血液病を患う患者、または溶血性尿毒症性症候群を患う患者のアテローム血栓症状の治療または予防の薬物の調製における、請求項1〜8のいずれか1つによる医薬組成物または請求項9〜16のいずれか1つによるカプセルの使用。
【請求項24】
胃十二指腸潰瘍または十二指腸失血を患う患者のアテローム血栓症状の治療または予防の薬物の調製における、請求項1〜8のいずれか1つによる医薬組成物または請求項9〜16のいずれか1つによるカプセルの使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2011−524408(P2011−524408A)
【公表日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−514084(P2011−514084)
【出願日】平成21年6月15日(2009.6.15)
【国際出願番号】PCT/FR2009/000707
【国際公開番号】WO2009/153448
【国際公開日】平成21年12月23日(2009.12.23)
【出願人】(510280213)
【Fターム(参考)】