説明

塩基反応性成分を含む組成物およびフォトリソグラフィーのための方法

【課題】液浸リソグラフィに有用な新規フォトレジスト組成物を提供する。
【解決手段】1種以上の塩基反応性基、および(i)前記塩基反応性基とは異なる1種以上の極性基を含み、および/または(ii)前記塩基反応性基の少なくとも1種は過フッ素化されていない塩基反応性基である。本発明の特に好ましいフォトレジストは液浸リソグラフィーの際にレジスト層に接触する液浸流体へのレジスト材料の漏出の低減を示すことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2010年11月15日に出願された米国仮特許出願第61/413,835号に対する35U.S.C.119(e)の下での優先権の利益を主張し、その出願の全内容は参照によって本明細書に組み込まれる。
本発明は液浸リソグラフィプロセスにおいて特に有用な新規のフォトレジスト組成物に関する。本発明の好ましいフォトレジスト組成物は塩基反応性基、すなわちレジスト現像工程中にアルカリ水性フォトレジスト現像剤の存在下で開裂反応を受けうる官能基を有する1種以上の材料を含む。
【背景技術】
【0002】
フォトレジストは像を基体に転写するための感光膜である。フォトレジストの塗膜層が基体上に形成され、次いでこのフォトレジスト層がフォトマスクを通して活性化放射線源に露光される。このフォトマスクは活性化放射線に対して不透明な領域および活性化放射線に対して透明な他の領域を有する。活性化放射線への露光はそのフォトレジスト塗膜の光誘起化学変換をもたらし、それによりそのフォトレジストでコーティングされた基体にフォトマスクのパターンを転写する。露光の後で、フォトレジストは現像されて基体の選択的な処理を可能にするレリーフ像を提供する。米国特許出願公開第2006/0246373号および第2009/0197204号を参照。
【0003】
半導体産業の成長は、平均して2年ごとにIC素子の複雑さが二倍になると主張するムーアの法則によって進展している。このことは、フィーチャサイズを絶えず小さくしつつ、パターンおよび構造をリソグラフィで転写する必要性を余儀なくしている。
【0004】
現在利用可能なフォトレジストは多くの用途に適しているが、現在のレジストは、特に高性能用途において有意な欠点を示す場合がある。
【0005】
例えば、多くのフォトレジストは、現像の際に清浄化されることが望まれる基体領域(すなわち、ポジ型レジストの場合には、露光されたレジスト領域)にフォトレジスト材料のフラグメントが残る「ブロブ欠陥(Blob Defects)」として知られている現像後の欠陥を生じさせる。このようなフォトレジストフラグメントは、後のリソグラフィ処理、例えば、エッチング、イオン注入などを妨げる場合がある。例えば、米国特許第6,420,101号を参照。また、米国特許出願公開第2006/0246373号;第20090197204号;第20090311627号並びに米国仮出願第61/285754号を参照。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許出願公開第2006/0246373号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2009/0197204号明細書
【特許文献3】米国特許第6,420,101号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第20090311627号明細書
【特許文献5】米国仮出願第61/285754号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
よって、ブロブ欠陥のような欠陥が低減されていることを示すフォトレジストを含む新たなフォトレジストを有することが望まれるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、新規なフォトレジスト組成物および方法を提供する。フォトレジスト組成物は1以上の塩基反応性基を含む材料を含む。
より具体的には、本発明の好ましいフォトレジストは
(i)1種以上の樹脂、
(ii)1種以上の光酸発生剤化合物を好適に含むことができる光活性成分、並びに
(iii)1以上の塩基反応性基を含む1種以上の材料
を含むことができ、塩基反応性基は露光および露光後リソグラフィ処理工程の後で反応性である。好ましくは、塩基反応性基は0.26Nのテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水性現像剤組成物のような水性アルカリ現像剤組成物での処理の際に反応性である。好ましくは、塩基反応性基を含むこのような材料は1種以上の樹脂と実質的に非混和性である。
【0009】
ある形態においては、好ましい塩基反応性材料は複数の極性基を含むことができ、この複数の極性基の少なくとも1つは塩基反応性基であり、かつこの複数の極性基の少なくとも1つは塩基反応性でなくてよい(すなわち、塩基の存在下で結合開裂反応を受けず、例えば、酸(例えば、カルボキシ(−COOH);スルホン酸(−SO3H)、ヒドロキシ(−OH)、特にフルオロ以外のハロゲン、例えば、Br、ClもしくはI;シアノ;ニトロ;スルホノ;スルホキシド;光酸不安定(photoacid−labile)エステルおよびアセタール基をはじめとするエステルおよびアセタール基;など)。
【0010】
より具体的には、本発明のこの形態のある実施形態においては、好ましい塩基反応性材料は(i)1以上の塩基反応性基および(ii)1以上の酸基、例えば、1以上のカルボン酸(−COOH)基、1以上のスルホン酸(−SOH)基、もしくは他の酸基、または他の極性基、例えば、ヒドロキシ(−OH)、特にフルオロ以外のハロゲン、例えば、Br、ClもしくはI;シアノ;ニトロ;スルホノ;スルホキシド;などを含むことができる。塩基反応性材料がポリマーである場合には、好適には、塩基反応性部分および塩基反応性でないさらなる極性基が同じポリマー繰り返し単位に存在していてよく(例えば、両方の基は、重合されて塩基反応性樹脂を形成する単一のモノマーに存在しうる)、または塩基反応性部分および塩基反応性でないさらなる極性基が別々のポリマー繰り返し単位に存在していてもよい(例えば、別々の基は、重合されて樹脂を形成する別々のモノマーに存在しうる)。
【0011】
本発明のこの形態のさらなる実施形態においては、好ましい塩基反応性材料は(i)1以上の塩基反応性基および(ii)1以上の酸不安定基、例えば、1以上の光酸不安定エステル部分(例えば、t−ブチルエステル)もしくは光酸不安定アセタール基を含むことができる。塩基反応性材料がポリマーである場合には、好適には、塩基反応性部分および光酸不安定基が同じポリマー繰り返し単位に存在していてよく(例えば、両方の基は、重合されて塩基反応性樹脂を形成する単一のモノマーに存在しうる)、または塩基反応性部分および光酸不安定基が別々のポリマー繰り返し単位に存在していてもよい(例えば、別々の基は、重合されて樹脂を形成する別々のモノマーに存在しうる)。
【0012】
本発明の別の形態においては、好ましい塩基反応性材料は少なくとも1つのフッ素化塩基反応性基を含むが、この基は過フッ素化されていない。より具体的には、この塩基反応性基は(i)フルオロ置換を伴う1以上の炭素原子と、(ii)フルオロ置換を含まず、かつ好適に他の電子吸引原子、例えば、他のハロ(Cl、Br)、ニトロ、シアノなどを含んでいない1以上の炭素原子との双方を含む。好ましくは、塩基反応性基のフッ素化部分は、塩基、特に水性アルカリ現像剤との反応の際の塩基反応性基の開裂生成物である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書において言及される場合、塩基反応性基を含むフォトレジストの現像工程の前に、塩基反応性基は有意に反応しない(例えば、結合破壊反応を受けない)。よって、例えば、塩基反応性基は露光前ソフトベーク、露光および露光後ベーク工程の際に実質的に不活性である。本明細書において言及される塩基反応性基は、典型的なフォトレジスト現像条件、例えば、0.26Nのテトラブチルアンモニウムヒドロキシド現像剤組成物でのシングルパドル現像下で典型的に反応性である。
【0014】
本発明の特に好ましいフォトレジストは、フォトレジスト組成物から形成されるレジストレリーフ像に関連する欠陥の低減を示すことができる。
【0015】
理論に拘束されるものではないが、塩基反応性基の反応および現像工程中のより極性(親水性)の基の産生の結果として、フォトレジストレリーフ像のさらに親水性の表面を提供することにより、本発明のフォトレジストは欠陥の低減を示すことができると考えられる。より親水性の表面を提供することにより、現像およびその後の脱イオン化すすぎ工程の際のレジストレリーフ像上およびその周辺での水滴形成が低減されうる。水滴形成の低減はひいては、レジストフラグメントが水滴内に集められそして望まれない位置、例えば、現像の際に露出した基体領域に堆積されうるブロブ欠陥をはじめとする欠陥の発生の低減をもたらしうる。
【0016】
この点については、本発明の特に好ましいフォトレジストは、現像後に、約40°未満、より好ましくは30°未満、さらにより好ましくは25°未満もしくは20°未満の水後退接触角(water contact receding angle)を示す。本明細書において言及される場合、後退角をはじめとする水接触角はBurnettら、J.Vac.Sci.Techn.B,23(6)、2721〜2727ページ(2005年11月/12月)に定義され、これに開示される様な手順によって決定されうる。
【0017】
本明細書において言及される場合、1種以上のフォトレジスト樹脂と実質的に非混和性の1種以上の材料は、水性アルカリ現像の際に欠陥の低減をもたらす、フォトレジストに添加されるあらゆる材料であり得る。
【0018】
本発明のフォトレジストに使用するのに好適な実質的に非混和性の材料には、1以上の塩基反応性基を含むことに加えて、ケイ素および/またはフッ素置換を含む組成物が挙げられる。
【0019】
化学増幅型フォトレジストの樹脂成分に使用される本明細書に記載される基をはじめとする、光酸不安定エステルもしくはアセタール基のような光酸不安定基を含む実質的に非混和性の材料も好ましい。
【0020】
本発明のフォトレジストにおける使用に好ましい実質的に非混和性の材料は、フォトレジスト組成物を配合するために使用されるのと同じ有機溶媒中に可溶性であることも可能である。
【0021】
本発明のフォトレジストに使用するのに特に好ましい実質的に非混和性の材料は、フォトレジストの樹脂成分の1種以上の樹脂よりも低い表面エネルギーおよび/またはより小さい流体力学的容積も有する。より低い表面エネルギーは、適用されたフォトレジスト塗膜層の頂部もしくは上部へ、実質的に非混和性の材料が分離および移動するのを容易にすることができる。さらに、相対的により小さな、より高い流体力学的容積は、適用されたフォトレジスト塗膜層の上部領域へ1種以上の実質的に非混和性の材料が有効に移動するの(より高い拡散係数)を容易にすることができるので、相対的により小さな、より高い流体力学的容積も好ましい場合がある。
【0022】
本発明のフォトレジストに使用するのに好ましい実質的に非混和性の材料はフォトレジスト現像剤組成物(例えば、0.26Nのアルカリ水溶液)に可溶性でもあり得る。よって、実質的に非混和性の材料中に、上述の光酸不安定基に加えて、他の水性可溶性基、例えば、ヒドロキシル、フルオロアルコール(例えば、−C(OH)(CF)、カルボキシなどが含まれうる。
【0023】
本発明のフォトレジストに使用するのに好適な実質的に非混和性の材料は粒子の形態であってもよい。このような粒子は別個の粒子の形態、すなわち、分離しかつ別個のポリマーとして重合されるポリマーを含むことができる。このようなポリマー粒子は典型的には、線状もしくはラダーシリコンポリマーのような線状もしくはラダーポリマーからの1以上の異なる特徴を有する。例えば、このようなポリマー粒子は特定のサイズおよび低い分子量分布を有しうる。より具体的には、好ましい形態においては、本発明のフォトレジストにおいて、約5〜3000オングストローム、より好ましくは約5〜2000オングストローム、さらにより好ましくは約5〜約1000オングストローム、さらにより好ましくは約10〜約500オングストローム、さらにより好ましくは10〜50もしくは200オングストロームの平均粒子サイズ(寸法)を有する複数のポリマー粒子が使用されうる。多くの用途のために、特に好ましい粒子は約200もしくは100オングストローム未満の平均粒子サイズを有する。
【0024】
本発明のフォトレジストに使用するのに好適な追加の実質的に非混和性の材料はSi内容物、例えば、シルセスキオキサン材料、SiO基を有する材料などを有することができる。好ましい実質的に非混和性のケイ素含有材料には、多面体オリゴマーシルセスキオキサンも挙げられる。
【0025】
本発明のリソグラフィシステムの好ましい像形成波長には、サブ−300nm波長、例えば、248nm、およびサブ−200nm波長、例えば、193nmが挙げられる。本発明の特に好ましいフォトレジストは、1種以上の実質的に非混和性の材料に加えて、光活性成分(例えば、1種以上の光酸発生剤化合物)および以下の中から選択される1種以上の樹脂を含むことができる:
1)248nmでの像形成に特に好適な化学増幅ポジ型レジストを提供できる、酸不安定基を含むフェノール系樹脂。この種の特に好ましい樹脂には、以下のものが挙げられる:i)ビニルフェノールおよびアクリル酸アルキルの重合単位を含むポリマー、ここにおいて、重合されたアクリル酸アルキル単位は光酸の存在下でデブロッキング(deblocking)反応を受けうる。光酸誘起デブロッキング反応を受けうる代表的なアクリル酸アルキルには、例えば、アクリル酸t−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、アクリル酸メチルアダマンチル、メタクリル酸メチルアダマンチル、および光酸誘起反応を受けうる他の非環式アルキルおよび脂環式アクリラートが挙げられ、例えば、米国特許第6,042,997号および第5,492,793号におけるポリマーが挙げられ、これら文献は参照によって本明細書に組み込まれる:ii)ビニルフェノール、場合によって置換されている(ヒドロキシもしくはカルボキシ環置換基を含まない)ビニルフェニル(例えばスチレン)、および上記ポリマーi)で記載されたデブロッキング基を有するもののようなアクリル酸アルキルの重合単位を含むポリマー、例えば、米国特許第6,042,997号に記載されたポリマー、この文献は参照によって本明細書に組み込まれる:およびiii)光酸と反応しうるアセタールもしくはケタール部分を含む繰り返し単位、および場合によってフェニルもしくはフェノール性基のような芳香族繰り返し単位を含むポリマー;このようなポリマーは、米国特許第5,929,176号および第6,090,526号に記載されており、これら文献は参照によって本明細書に組み込まれる:並びにi)および/またはii)および/またはiii)のブレンド。
【0026】
2)ジアゾナフトキノン光活性化合物と一緒にI線およびG線フォトレジストにおいて使用されうるポリ(ビニルフェノール)およびノボラック樹脂のような、酸不安定基を含まないフェノール系樹脂、これは米国特許第4983492号、第5130410号、第5216111号、および第5529880号に記載されている。
【0027】
3)サブ−200nmの波長、例えば、193nmで像形成するのに特に好適な化学増幅ポジ型レジストを提供できる、フェニルもしくは他の芳香族基を実質的にもしくは完全に含まない樹脂。この種の特に好ましい樹脂には以下のものが挙げられる:i)芳香族でない環式オレフィン(環内二重結合)、例えば、場合によって置換されたノルボルネンの重合単位を含むポリマー、例えば、米国特許第5,843,624号および第6,048,664号に記載されたポリマー:ii)アクリル酸アルキル単位、例えば、アクリル酸t−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、アクリル酸メチルアダマンチル、メタクリル酸メチルアダマンチル、並びに他の非環式アルキルおよび脂環式アクリラートを含むポリマー;このようなポリマーは米国特許第6,057,083号;欧州特許出願公開第EP01008913A1号およびEP00930542A1号;および米国特許第A6,136,501号に記載されており、これら文献は全て参照によって本明細書に組み込まれる:およびiii)重合された酸無水物単位、特に重合された無水マレイン酸および/または無水イタコン酸単位を含むポリマー、例えば、欧州特許出願公開第EP01008913A1号および米国特許第6,048,662号(これら両文献は参照によって本明細書に組み込まれる)に開示されるポリマー:並びにi)および/またはii)および/またはiii)のブレンド。
【0028】
4)ヘテロ原子、特に酸素および/または硫黄を含む繰り返し単位(ただし、酸無水物以外、すなわち、この単位はケト環原子を含まない)を含み、好ましくは、芳香族単位を実質的にもしくは完全に含まない樹脂。好ましくは、ヘテロ脂環式単位が樹脂骨格に縮合され、さらに好ましいのは、樹脂が、ノルボルネン基の重合により提供されるような縮合炭素脂環式単位、および/または無水マレイン酸もしくは無水イタコン酸の重合により提供されるような酸無水物単位を含むものである。このような樹脂は国際出願PCT/US01/14914号および米国特許第6,306,554号に開示されている。
【0029】
5)ポリ(シルセスキオキサン)などをはじめとする、Si置換を含み、かつ下塗り層と共に使用されうる樹脂。このような樹脂は米国特許第6803171号に開示されている。
【0030】
6)フッ素置換を含む樹脂(フルオロポリマー)、例えば、テトラフルオロエチレン、フッ素化芳香族基、例えば、フルオロ−スチレン化合物、ヘキサフルオロアルコール部分を含む化合物などの重合により提供されうるようなフッ素置換を含む樹脂。このような樹脂の例は、例えば、国際出願PCT/US99/21912号に開示されている。
【0031】
本発明の好ましいフォトレジストには、化学増幅ポジ型およびネガ型フォトレジストの両方が挙げられる。典型的に好ましい化学増幅ポジ型レジストは、光酸不安定エステルもしくはアセタール基のような光酸不安定基を含む1種以上の樹脂を含む。
【0032】
本発明は、本発明のフォトレジストを使用してフォトレジストレリーフ像を形成する方法、および本発明のフォトレジストを使用して電子デバイスを製造する方法をさらに提供する。本発明は、本発明のフォトレジスト組成物でコーティングされた基体を含む新規の製造物品も提供する。
本発明の他の形態が以下に開示される。
【0033】
上述のように、本発明の特に好ましいフォトレジストは水性アルカリ現像の後での欠点の低減を示すことができる。
【0034】
記載されたように、本発明の特に好ましいフォトレジストは、現像の後で、約40°未満、より好ましくは30°未満、さらにより好ましくは25°もしくは20°未満の水後退接触角を示すレジストの塗膜層を有する。本発明のある形態においては、現像前(露光後を含む)に、本発明のフォトレジスト組成物塗膜層は30°を超える、例えば、40°以上、もしくは50°以上、もしくはさらには60°以上の水後退接触角を示すことができる。
【0035】
本発明の好ましいフォトレジストにおいては、水性アルカリ現像剤組成物(例えば、0.26Nのテトラメチルアンモニウムヒドロキシドのシングルパドルモード)での処理の際に、フォトレジスト組成物塗膜層の水後退接触角は少なくとも10,15、20、30、50、60、70もしくは80パーセント減少する。
【0036】
本発明のフォトレジスト組成物については、塩基反応性基を含む好ましい材料は、塩基反応性基を含む1以上の繰り返し単位を含む樹脂である。このような樹脂は広範囲に塩基反応性基を含むことができ、例えば、樹脂の繰り返し単位の総数の約1〜90パーセントが塩基反応性基を含むことができ、より典型的には、樹脂の繰り返し単位の総数の約1〜約20、30、40、50もしくは60パーセントまでが塩基反応性基を含むことができる。
【0037】
本発明のレジストの成分の好ましい塩基反応性基は、塩基(例えば、水性アルカリ現像剤)での処理の際に、1以上のヒドロキシ基、1以上のカルボン酸基、1以上のスルホン酸基および/またはレジスト塗膜層をより親水性にすることができる1以上の他の極性基を提供することができる。
【0038】
より具体的には、好ましい塩基反応性基およびこのような基を含むモノマーには以下のものが挙げられる。当然のことながら、このようなモノマーは重合されて、塩基可溶性基を含む樹脂を提供することができる。上述のように、以下の構造において、塩基反応性基を有するモノマーは左側に描かれ、塩基との(例えば、ヒドロキシル基を提供する)反応後のモノマーは右側に描かれる。
【0039】
単一のヒドロキシ基
好ましい塩基反応性基には、塩基(例えば、水性アルカリ現像剤組成物)での処理の際に単一のヒドロキシル基を提供できる部分が挙げられる。より具体的には、このような塩基反応性基を含む好適なモノマーには、以下の式(I)のものが挙げられる:
【化1】

式中、Mはビニルおよびアクリルをはじめとする重合性官能基であり、Rはカルボキシル連結を有するかもしくは有しないアルキルスペーサー基(例えば、C1−20線状、分岐もしくは環式)、Rfは少なくともアルファ炭素(カルボニル炭素の隣の炭素)がフッ素化されているフルオロもしくはペルフルオロアルキル基(例えば、1〜8個のフッ素原子を有するC1−20アルキル)。
【0040】
上記式(I)の典型的なモノマーには、以下のモノマー1〜6が挙げられる。上述のように、以下の構造においては、塩基反応性基を有するモノマーが左側に描かれ、塩基との反応後のヒドロキシル基を提供するモノマーは右側に描かれる。
【0041】
【化2】

【化3】

【化4】

【化5】

【化6】

【化7】

【0042】
複数のヒドロキシ基
さらなる好ましい塩基反応性基には、塩基(例えば、水性アルカリ現像剤組成物)での処理の際に複数のヒドロキシル基を提供できる部分が挙げられる。より具体的には、このような塩基反応性基を含む好適なモノマーには、以下の式(II)のものが挙げられる:
【化8】

式中、Mはビニルおよびアクリルをはじめとする重合性官能基であり、Rはカルボキシル連結を有するかもしくは有しないアルキルスペーサー基(例えば、C1−20線状、分岐もしくは環式)、Rfは少なくともアルファ炭素(カルボニル炭素の隣の炭素)がフッ素化されているフルオロもしくはペルフルオロアルキル基(例えば、1〜8個のフッ素原子を有するC1−20アルキル)、およびnは2以上の整数である。
【0043】
上記式(II)の典型的なモノマーには、以下のモノマー7〜9が挙げられる。以下の構造においては、塩基反応性基を有するモノマーが左側に描かれ、塩基との反応後のヒドロキシル基を提供するモノマーは右側に描かれる。
【0044】
【化9】

【化10】

【化11】

【0045】
カルボン酸基への変換
さらなる好ましい塩基反応性基には、塩基(例えば、水性アルカリ現像剤組成物)での処理の際に1以上のカルボン酸基を提供できる部分が挙げられる。より具体的には、このような塩基反応性基を含む好適なモノマーには、以下の式(III)のものが挙げられる:
【化12】

式中、Mはビニルおよびアクリルをはじめとする重合性官能基であり、Rはカルボキシル連結を有するかもしくは有しないアルキルスペーサー基(例えば、C1−20線状、分岐もしくは環式)、Rfは少なくともアルファ炭素(カルボニル炭素の隣の炭素)がフッ素化されているフルオロもしくはペルフルオロアルキル基(例えば、1〜8個のフッ素原子を有するC1−20アルキル)、およびR2はアルキル基(例えば、C1−20線状、分岐もしくは環式)。
【0046】
上記式(III)の典型的なモノマーには、以下のモノマー10および11が挙げられる。以下の構造においては、塩基反応性基を有するモノマーが左側に描かれ、塩基との反応後のヒドロキシル基を提供するモノマーは右側に描かれる。
【0047】
【化13】

【化14】

【0048】
上述のように、レジスト樹脂成分と実質的に非混和性である本発明のフォトレジストの好適な材料は単純な試験によって容易に特定されうる。特に、本明細書において言及される場合、好ましい実質的に非混和性の材料は、同じ方法で処理される同じフォトレジストシステムに関連するが、候補となる実質的に非混和性の材料が存在しない比較のフォトレジストと比べて、水性アルカリ現像による欠陥の発生および量の低減をもたらすことができる。欠陥の評価(またはその不存在)は走査型電子顕微鏡検査によりなされうる。液浸流体中のフォトレジスト材料の検出は米国特許出願公開第2006/0246373号の実施例2に記載されるように行われることができ、フォトレジストを露光する前および後での液浸流体の質量分析を含む。この分析において、液浸流体は試験されるフォトレジスト組成物層に露光中約60秒間直接接触する。好ましくは1種以上の実質的に非混和性の材料の添加は、このような実質的に非混和性の材料を使用しない同じフォトレジストと比較して、液浸流体中に存在するフォトレジスト材料(質量分析で検出される様な酸または有機物質)の少なくとも10パーセントの低減をもたらし、より好ましくは、1種以上の実質的に非混和性の材料は、実質的に非混和性の材料を含まない同じフォトレジストと比較して、液浸流体中に存在するフォトレジスト材料(酸および/または有機物質)の少なくとも20、50、または100、200、500、または1000パーセントの低減をもたらす。
【0049】
特に好ましい実質的に非混和性の材料には、高次のポリマー、例えば、コポリマー、ターポリマー、テトラポリマーおよびペンタポリマーが挙げられる。カルボキシ置換に加えてフッ素置換を含むこのようなポリマーが特に好ましい。好ましいフッ素置換には、ペルフルオロ基、例えば、FC−、FCCF−、およびフッ素化アルコール、例えば、(FC)C(OH)−が挙げられる。
【0050】
上述のように、好適な実質的に非混和性の材料には、Si含有材料が挙げられる。特に好ましい実質的に非混和性の材料には、ナノ構造化された組成物が挙げられ、これはハイブリッドプラスチックス(Hybrid Plastics;カリフォルニア州、ファウンテンバレイ)、シグマ/アルドリッチなどのグループから市販されている。このような材料には、有機基に包まれたSi−Oコアを有するモレキュラーシリカ;シラノール;並びにシルセスキオキサンケージ構造化合物を含むポリマーおよび樹脂を挙げることができ、このポリマーおよび樹脂は、シリコーン、スチレン系物質、アクリル系物質、脂環式物質、例えば、ノルボルネンなどであることができる。
【0051】
実質的に非混和性の材料として有用な粒子(有機粒子など)には、カルボキシ置換を有する、Si含有材料およびフッ素化材料が挙げられる。このような粒子は市販されており、または所望の場合には、1種以上のモノマーを架橋剤および開始剤化合物と一緒に反応させることにより容易に合成されることができる。反応したモノマーは、望まれる場合には、例えば、フッ素、Si基、光酸不安定基、例えば、光酸不安定エステルもしくはアセタール、他の塩基可溶性基、例えば、アルコールなどの置換を有することができる。得られるポリマー粒子にモノマーの1種が光酸不安定基を提供する複数種の異なるモノマーを用いて製造されるこのような粒子の典型的な合成については、米国特許出願公開第2006/0246373号の実施例1を参照。
【0052】
実質的に非混和性の材料はフォトレジスト組成物中に比較的少量で存在することができ、かつ依然として効果的な結果を提供することができる。例えば、1種以上の実質的に非混和性の材料は、流体フォトレジスト組成物の全重量を基準にして、約0.1〜20重量パーセントで好適に存在することができる。好適な量は後述の実施例においても提供される。
【0053】
上述のように、本発明に従った使用に好ましいフォトレジストには、ポジ型もしくはネガ型化学増幅型フォトレジスト、すなわち、光酸促進架橋反応を受けて、このレジストの塗膜層の露光領域を、未露光領域よりも低い現像剤可溶性にするネガ型レジスト組成物、並びに1以上の組成物成分の酸不安定基の光酸促進脱保護反応を受けて、このレジストの塗膜層の露光領域を、未露光領域よりも水性現像剤中でより可溶性にするポジ型レジスト組成物が挙げられる。エステルのカルボキシル酸素に共有結合された第三級非環式アルキル炭素(例えば、t−ブチル)もしくは第三級脂環式炭素(例えば、メチルアダマンチル)を含むエステル基は多くの場合、本発明のフォトレジストにおいて使用される樹脂の好ましい光酸不安定基である。アセタール光酸不安定基も好ましい場合がある。
【0054】
本発明の好ましいフォトレジストは、典型的には、樹脂成分および光活性成分を含む。好ましくは、樹脂は、レジスト組成物に水性アルカリ現像可能性を付与する官能基を有する。例えば、ヒドロキシルまたはカルボキシラートのような極性官能基を含む樹脂バインダーが好ましい。好ましくは、樹脂成分は、アルカリ水溶液でレジストを現像可能にするのに充分な量でレジスト組成物中で使用される。
【0055】
200nmを超える波長、例えば、248nmでの像形成には、フェノール系樹脂が典型的に好ましい。好ましいフェノール系樹脂はポリ(ビニルフェノール)であり、これは触媒の存在下で対応するモノマーのブロック重合、乳化重合または溶液重合によって形成されうる。ポリビニルフェノール樹脂の製造に有用なビニルフェノール類は、例えば、商業的に入手可能なクマリンまたは置換クマリンの加水分解、その後の、得られたヒドロキシケイヒ酸の脱カルボキシル化によって製造されうる。有用なビニルフェノール類は対応するヒドロキシアルキルフェノールの脱水により、または置換もしくは非置換のヒドロキシベンズアルデヒドとマロン酸との反応から得られるヒドロキシケイヒ酸の脱カルボキシル化によっても製造されうる。このようなビニルフェノール類から製造される好ましいポリビニルフェノール樹脂は約2,000〜約60,000ダルトンの分子量範囲を有する。
【0056】
また、200nmを超える波長、例えば、248nmでの像形成に好ましいものは、フェノール系単位および非フェノール系単位の双方を含むコポリマーを含む樹脂成分と光活性成分とを混合で含む化学増幅型フォトレジストである。例えば、このようなコポリマーのある好ましいグループは、実質的に、本質的に、または完全に、コポリマーの非フェノール系単位上にだけ酸不安定基を有し、特にアルキルアクリラート光酸不安定基を有し、すなわち、フェノール系−アルキルアクリラートコポリマーである。ある種の特に好ましいコポリマーバインダーは下記式の繰り返し単位xおよびyを有する:
【化15】

式中、ヒドロキシル基はコポリマー中でオルト、メタもしくはパラ位置に存在し、R’は置換もしくは非置換の1〜約18の炭素原子、より典型的には1〜約6〜8の炭素原子を有するアルキルである。ターシャリーブチルが概して好ましいR’基である。R’基は、例えば、ハロゲン(特に、F、ClまたはBr)、C1−8アルコキシ、C2−8アルケニルなどの1種以上によって場合によって置換されていてもよい。単位xおよびyはコポリマー中で規則的に交互であってよく、またはポリマー中でランダムに散在していてもよい。このようなコポリマーは容易に形成されうる。例えば、上記式の樹脂については、ビニルフェノールおよび置換もしくは非置換のアルキルアクリラート、例えば、アクリル酸t−ブチルなどが当該技術分野で知られているようにフリーラジカル条件下で縮合されうる。置換エステル部分、すなわち、アクリラート単位のR’−O−C(=O)−部分は、樹脂の酸不安定基として機能し、この樹脂を含むフォトレジストの塗膜層の露光の際に光酸誘起開裂をうけうる。好ましくは、コポリマーは約8,000〜約50,000、より好ましくは、約15,000〜約30,000のM、約3以下の分子量分布、より好ましくは、約2以下の分子量分布を有しうる。非フェノール系樹脂、例えば、アクリル酸t−ブチルまたはメタクリル酸t−ブチルのようなアクリル酸アルキルと、ビニルノルボルナニルもしくはビニルシクロへキサノール化合物のような脂環式ビニルとのコポリマーも、本発明の組成物において樹脂バインダーとして使用されうる。このようなコポリマーは、このようなフリーラジカル重合もしくは他の公知の手順によっても製造されることができ、好適には、約8,000〜約50,000のMおよび約3以下の分子量分布を有しうる。
【0057】
本発明のポジ型化学増幅型フォトレジストにおいて使用するための酸不安定デブロッキング基を有する他の好ましい樹脂は、シプレイカンパニーの欧州特許出願公開第0829766A2号(アセタールを有する樹脂およびケタール樹脂)およびシプレイカンパニーの欧州特許出願公開第EP0783136A2(1)スチレン;2)ヒドロキシスチレン;および3)酸不安定基、特にアルキルアクリラート酸不安定基、例えば、アクリル酸t−ブチル、もしくはメタクリル酸t−ブチルの単位を含むターポリマーおよび他のコポリマー)に開示されている。一般に、様々な酸不安定基、例えば、酸感受性エステル、カルボナート、エーテル、イミドなどを有する樹脂が好適であることができる。光酸不安定基はより典型的には、ポリマー骨格からペンダントであることができるが、ポリマー骨格に組み込まれた酸不安定基を有する樹脂も使用されうる。
【0058】
上述のように、サブ−200nmの波長、例えば、193nmでの像形成のために、好ましくは、実質的に、本質的にまたは完全にフェニルまたは他の芳香族基を含まない1種以上のポリマーを含むフォトレジストが使用される。例えば、サブ−200nmの像形成について、好ましいフォトレジストポリマーは約5モルパーセント未満の芳香族基を、より好ましくは、約1モル%未満または2モル%未満の芳香族基を、より好ましくは、約0.1モル%未満、0.02モル%未満、0.04モル%未満、および0.08モル%未満の芳香族基を、さらにより好ましくは約0.01モル%未満の芳香族基を含む。特に好ましいポリマーは芳香族基を完全に含まない。芳香族基はサブ−200nm放射線を非常に吸収することができ、よってこのような短い波長の放射線で像形成されるフォトレジストにおいて使用されるポリマーには望ましくない。
【0059】
実質的にまたは完全に芳香族基を含まず、本発明のPAGと配合されてサブ−200nmの像形成のためのフォトレジストを提供することが可能な好適なポリマーは欧州特許出願公開第EP930542A1号、米国特許第6,692,888号および6,680,159号(これら全てシプレイカンパニー)に開示されている。
【0060】
芳香族基を実質的にもしくは完全に含まない好適なポリマーは、好適に、メチルアダマンチルアクリラート、メチルアダマンチルメタクリラート、エチルフェンキルアクリラート、エチルフェンキルメタクリラートなどの重合により提供されうるような光酸不安定アクリラート単位のようなアクリラート単位;ノルボルネン化合物または環内炭素−炭素二重結合を有する他の脂環式化合物の重合により提供されうるような縮合非芳香族脂環式基;無水マレイン酸および/または無水イタコン酸の重合により提供されうるような酸無水物;などを含む。
【0061】
本発明の好ましいネガ型組成物は、酸への曝露により硬化し、架橋しまたは固化しうる1種以上の材料(架橋剤成分、例えば、メラミン樹脂のようなアミンベースの材料など)と、本発明の光活性成分とを含む。特に好ましいネガ型組成物はフェノール系樹脂のような樹脂バインダー、架橋剤成分および本発明の光活性成分を含む。このような組成物およびその使用は欧州特許出願公開第0164248号および第0232972号、並びに米国特許第5,128,232号(サッカレー(Thackeray)ら)に開示されている。樹脂バインダー成分として使用するのに好ましいフェノール系樹脂には、上述のようなノボラックおよびポリ(ビニルフェノール)が挙げられる。好ましい架橋剤には、アミンベースの材料、例えば、メラミン、グリコールウリル、ベンゾグアナミン−ベースの材料および尿素ベースの材料が挙げられる。メラミン−ホルムアルデヒド樹脂は、一般的に最も好ましい。このような架橋剤は商業的に入手可能であり、例えば、サイメル(Cymel)300、301および303の商品名で、アメリカンシアナミド(American Cyanamid)により販売されているメラミン樹脂がある。グリコールウリル樹脂はアメリカンシアナミドによって、サイメル1170、1171、1172の商品名で販売されており、尿素ベースの樹脂はビートル(Beetle)60、65および80の商品名で販売されており、ベンゾグアナミン樹脂はサイメル1123および1125の商品名で販売されている。
【0062】
サブ−200nmの波長、例えば、193nmで像形成するために、好ましいネガ型フォトレジストはシプレイカンパニーへの国際公開第WO03077029号に開示されている。
【0063】
本発明のフォトレジストは他の材料も含みうる。例えば、他の任意成分の添加剤には、化学線(actinic)およびコントラスト染料、ストリエーション防止剤(anti−striation agents)、可塑剤、速度向上剤、増感剤(例えば、より長波長、例えば、I線(365nm)またはG線波長での本発明のPAGの使用のため)などが挙げられる。典型的には、比較的高濃度、例えば、レジストの乾燥成分の合計重量の5〜30重量パーセントの量などで存在することができる充填剤および染料を除いて、このような任意の添加剤は、フォトレジスト組成物中に低濃度で存在しうる。
【0064】
本発明のレジストの好ましい任意成分の添加剤は追加塩基、例えば、カプロラクタムであり、この追加塩基は現像されたレジストレリーフ像の解像度を向上させることができる。追加塩基は、比較的少量、例えばPAGに対して約1〜10重量パーセント、より典型的には1〜約5重量パーセントで好適に使用される。他の好適な塩基性添加剤には、スルホン酸アンモニウム塩、例えば、p−トルエンスルホン酸ピペリジニウム、およびp−トルエンスルホン酸ジシクロヘキシルアンモニウム;アルキルアミン、例えば、トリプロピルアミンおよびドデシルアミン;アリールアミン、例えば、ジフェニルアミン、トリフェニルアミン、アミノフェノール、2−(4−アミノフェニル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロパンなどが挙げられる。
【0065】
本発明のレジストの樹脂成分は、典型的には、レジストの露光された塗膜層を、アルカリ水溶液などを用いて現像可能にするのに充分な量で使用される。より詳細には、樹脂バインダーは好適に、レジストの全固形分の50〜約90重量%を構成しうる。光活性成分は、レジストの塗膜層中の潜像の形成を可能にするのに充分な量で存在すべきである。より詳細には、光活性成分は、好適には、レジストの全固形分の約1〜40重量%の量で存在しうる。典型的には、より少ない量の光活性成分が化学増幅型レジストに好適であり得る。
【0066】
本発明における使用のためのフォトレジストは、活性化放射線への露光によりレジストの塗膜層中に潜像を生じさせるのに充分な量で好適に使用される光酸発生剤(すなわち、PAG)も含む。193nmおよび248nmでの像形成に好ましいPAGには、イミドスルホナート、例えば、次式の化合物が挙げられる:
【化16】

式中、Rはカンフル、アダマンタン、アルキル(例えば、C1−12アルキル)およびフルオロアルキル、例えば、フルオロ(C1−18アルキル)、例えば、RCF−、(Rは場合によって置換されたアダマンチルである)である。
【0067】
上記スルホナートアニオンのようなアニオンと複合体を形成したトリフェニルスルホニウムPAG、特に、ペルフルオロブタンスルホナートのようなペルフルオロアルキルスルホナートも好ましい。
【0068】
本発明のレジストにおいて、他の公知のPAGも使用されうる。特に、193nmの像形成のためには、高められた透明性を提供するために、上記イミドスルホナートのような芳香族基を含まないPAGが一般的に好ましい。
【0069】
本発明のフォトレジストにおいて使用するのに好適な他の光酸発生剤には、例えば、オニウム塩、例えば、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、(p−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、トリス(p−tert−ブトキシフェニル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、トリフェニルスルホニウムp−トルエンスルホナート;ニトロベンジル誘導体、例えば、2−ニトロベンジルp−トルエンスルホナート、2,6−ジニトロベンジルp−トルエンスルホナート、および2,4−ジニトロベンジルp−トルエンスルホナート;スルホン酸エステル、例えば、1,2,3−トリス(メタンスルホニルオキシ)ベンゼン、1,2,3−トリス(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ベンゼン、および1,2,3−トリス(p−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼン;ジアゾメタン誘導体、例えば、ビス(ベンゼンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン;グリオキシム誘導体、例えば、ビス−O−(p−トルエンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、およびビス−O−(n−ブタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム;N−ヒドロキシイミド化合物のスルホン酸エステル誘導体、例えば、N−ヒドロキシスクシンイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドトリフルオロメタンスルホン酸エステル;並びに、ハロゲン含有トリアジン化合物、例えば、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、および2−(4−メトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジンが挙げられる。このようなPAGの1種以上が使用されうる。
【0070】
本発明に従って使用されるフォトレジストの好ましい任意成分の添加剤は追加塩基、特にテトラブチルアンモニウムヒドロキシド(TBAH)またはテトラブチルアンモニウムラクタートであり、これは現像されたレジストレリーフ像の解像度を向上させることができる。193nmで像形成されるレジストについては、好ましい追加塩基はテトラブチルアンモニウムヒドロキシドの乳酸塩、並びに様々な他のアミン、例えば、トリイソプロパノール、ジアザビシクロウンデセンまたはジアザビシクロノネンである。追加塩基は比較的少量で、例えば、全固形分に対して約0.03〜5重量パーセントで好適に使用される。
【0071】
本発明に従って使用されるフォトレジストは他の任意物質を含むこともできる。例えば、他の任意の添加剤には、ストリエーション防止(anti−striation)剤、可塑剤、速度向上剤などが挙げられる。このような任意の添加剤は、充填剤および染料(これらは比較的高濃度、例えば、レジストの乾燥成分の全重量の約5〜30重量パーセントの量で存在できる)を除いて、典型的には、フォトレジスト組成物中で低濃度で存在する。
【0072】
本発明に従って使用されるフォトレジストは一般的には、公知の手順に従って製造される。例えば、本発明のレジストは、フォトレジストの成分を好適な溶媒に溶解することによりコーティング組成物として製造されることができ、この好適な溶媒には、例えば、グリコールエーテル、例えば、2−メトキシエチルエーテル(ジグリム)、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート;乳酸エステル、例えば、乳酸エチルまたは乳酸メチル、乳酸エチルが好ましい;プロピオン酸エステル、特にプロピオン酸メチル、プロピオン酸エチルおよびエチルエトキシプロピオナート;セロソルブエステル、例えば、メチルセロソルブアセタート;芳香族炭化水素、例えば、トルエンもしくはキシレン;またはケトン、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンおよび2−ヘプタノンが挙げられる。フォトレジストの固形分量は、典型的には、フォトレジスト組成物の全重量の5〜35重量パーセントで変化する。このような溶媒のブレンドも好適である。
【0073】
液体フォトレジスト組成物は、例えば、スピニング、ディッピング、ローラーコーティングまたは他の従来のコーティング技術によって基体に適用されうる。スピンコーティングの場合、コーティング溶液の固形分は、所望の膜厚を提供するように、使用される具体的なスピニング装置、溶液の粘度、スピナーの速度およびスピニングが行われる時間量に基づいて調節されうる。
【0074】
本発明に従って使用されるフォトレジスト組成物は、フォトレジストでのコーティングを伴うプロセスにおいて従来使用されている基体に好適に適用される。例えば、この組成物はマイクロプロセッサおよび他の集積回路部品の製造のための、シリコンウェハ、または二酸化ケイ素で覆われたシリコンウェハ上に適用されうる。アルミニウム−酸化アルミニウム、ガリウムヒ素、セラミック、石英、銅、ガラス基体なども好適に使用される。フォトレジストは反射防止層、特に有機反射防止層上にも好適に適用されうる。
【0075】
表面上へのフォトレジストのコーティングの後で、それは加熱により乾燥させられて、好ましくはフォトレジスト塗膜が粘着性でなくなるまで溶媒を除去する。
【0076】
次いで、フォトレジスト層(存在する場合には、上塗りバリア組成物層を伴う)は、液浸リソグラフィーシステム[すなわち、露光ツール(特に、投影レンズ)とフォトレジストでコーティングされた基体との間の空間が液浸流体、例えば、水もしくは、向上した屈折率の流体を提供しうる硫酸セシウムのような1種以上の添加剤と混合された水で占有されている]において露光される。好ましくは、液浸流体(例えば、水)は気泡を回避するために処理されており、例えば、水はナノバブルを回避するために脱ガスされうる。
【0077】
本明細書において「液浸露光」または他の類似の用語についての言及は、露光が、露光ツールと、塗布されたフォトレジスト組成物層との間に配置されるこのような流体層(例えば、水もしくは添加剤含有水)を用いて行われることを示す。
【0078】
次いで、フォトレジスト組成物層は、露光ツールおよびフォトレジスト組成物の成分に応じて、典型的には約1〜100mJ/cmの範囲の露光エネルギーの活性化放射線で露光され、好適にパターン形成される。本明細書において、フォトレジスト組成物を、そのフォトレジストを活性化する放射線で露光することについての言及は、その放射線が光活性成分の反応を引き起こす(例えば、光酸発生剤化合物から光酸を生じさせる)ことなどにより、フォトレジスト中に潜像を形成することができることである。
【0079】
上述のように、フォトレジスト組成物は好ましくは、短い露光波長によって、特に、サブ(sub)400nm、サブ300nmおよびサブ200nmの露光波長によって光活性化され、EUVおよび157nmだけでなく、I線(365nm)、248nmおよび193nmも特に好ましい露光波長である。
【0080】
露光の後で、組成物の膜層は、好ましくは約70℃〜約160℃の範囲の温度でベークされる。その後、この膜は、好ましくは、水性現像剤、例えば、第四級アンモニウムヒドロキシド溶液、例えば、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシド溶液;様々なアミン溶液、好ましくは0.26Nのテトラメチルアンモニウムヒドロキシド、例えば、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミンまたはメチルジエチルアミン;アルコールアミン、例えば、ジエタノールアミンまたはトリエタノールアミン;環式アミン、例えば、ピロール、ピリジンなどでの処理によって現像される。一般に、現像は当該技術分野で認識された手順に従う。
【0081】
基体上のフォトレジスト塗膜の現像の後で、現像された基体はレジストが除かれた領域上について、例えば、当該技術分野で知られた手順に従って、レジストが除かれた基体領域を化学的にエッチングするかまたはめっきすることにより、選択的に処理されうる。マイクロエレクトロニクス基体の製造、例えば、二酸化ケイ素ウェハの製造のためには、好適なエッチング剤には、ガスエッチング剤が挙げられ、例えば、ハロゲンプラズマエッチング剤、例えば、プラズマ流れとして適用される塩素またはフッ素ベースのエッチング剤、例えばClまたはCF/CHFエッチング剤が挙げられる。このような処理の後、レジストは、公知の剥ぎ取り手順を用いて、処理された基体から除去されることができる。
【0082】
本明細書において言及される全ての文献は参照により本明細書に組み込まれる。次の非限定的な実施例は本発明の例示である。本明細書において言及される全ての文献は参照することによりその全体が組み込まれる。
【実施例】
【0083】
実施例についての一般的なコメント:
以下の実施例においては、モノマー1〜11のいずれかについての言及は保護された形態での先に示されたモノマー構造を含む(すなわち、アルカリ現像剤での後処理の前の構造が示される)。
【0084】
以下の実施例においては、2233tMBA、3,5−HFAおよびECPMAのモノマーについての言及は以下の構造を指定する:
【化17】

【0085】
以下の実施例3における表においては、θsの水接触角は静的接触角、θrの水接触角は後退角、およびθaの水接触角は前進角である。これら水接触角はバーネット(Burnett)ら、J.Vac.Sci.Techn.B,23(6)、2721−2727ページ(2005年11/12月)において定義され、かつこの文献に開示された手順によって決定されうる。
【0086】
実施例1:モノマー合成
【化18】

【0087】
【表1】

【0088】
1)25mlの3N−RBフラスコに、10gの2,2,3,3−テトラフルオロプロピオン酸を5gの五酸化ニリンと共に入れた。この混合物を還流で2時間(油浴133℃)加熱した。
2)F−NMRで検討して、酸の酸無水物(酸無水物は吸湿性であり、NMR溶媒中で水と反応して低い変換率をもたらす)への90%以上の変換を確認した後で、反応フラスコを冷却した。
3)この混合物にさらに2gの五酸化ニリンを添加し、次いで、真空蒸留を使用して、54〜56℃/28Torrのフラクションを集め、NMRは6.55gの純粋な生成物が63%の収率で得られたことを示した。
【0089】
【表2】

【0090】
1)25mlの3N−RBフラスコに、6.55gの2,2,3,3−テトラフルオロプロピオン酸無水物、2.78gのグリシジルメタクリラートを30mgのCyanox(シアノックス)1790禁止剤と共に入れた。
2)この反応フラスコを80℃で2時間攪拌した。H−NMRを使用してGMAのピークが残存していないことを確かめた後で、この反応混合物を冷却した。
3)この混合物にさらに30mgのCyanox1790禁止剤を添加し、精製のための真空蒸留を直接行って、96〜97℃/0.7Torrのフラクション7.9gを集めた。
【0091】
実施例2:ポリマー合成:94/6GMA−2233TFP/ECPMA
以下は、標記ポリマーの60gのバッチを製造するための実施例である。
1)反応器の準備
磁気攪拌棒および加熱制御熱電対を備えた250mlの3つ口丸底フラスコに30gのプロピレングリコールモノメチルエーテルを入れる。攪拌しつつこの溶液温度を97℃にする。
2)モノマー/開始剤溶液の調製
好適な容器に56.4gのGMA−2233TFPモノマー、3.6gのECPMAモノマーおよび30gのSURFを添加する。この容器を振とうして全ての成分を混合し、次いでそれを氷浴中に配置する。
1.8gの開始剤(Vazo67)を秤量し、それをこの容器に添加する。この容器を振とうして開始剤を溶解させ、次いでそれを氷浴中に配置する。
3)モノマー/開始剤溶液の供給
モノマー/開始剤溶液を、250μl/13秒(すなわち、19.2μl/秒)の供給速度で反応器に供給する。
供給後、反応器温度をさらに2〜3時間の間97℃に維持し続け、次いで反応器を自然に室温まで冷却させる。
【0092】
実施例3:フォトレジスト製造および処理
示された量で下記材料を混合することによりフォトレジスト組成物が製造される:
1.樹脂成分:フォトレジスト組成物の全重量を基準にして6.79重量%の量の(メタクリル酸2−メチル−2−アダマンチル/ベータ−ヒドロキシ−ガンマ−ブチロラクトンメタクリラート/メタクリル酸シアノ−ノルボルニル)のターポリマー;
2.光酸発生剤化合物:フォトレジスト組成物の全重量を基準にして0.284重量%の量のt−ブチルフェニルテトラメチレンスルホニウムペルフルオロブタンスルホナート;
3.塩基添加剤:フォトレジスト組成物の全重量を基準にして0.017重量%の量のN−アルキルカプロラクタム;
4.実質的に非混和性の添加剤:フォトレジスト組成物の全重量を基準にして0.213重量%の量の、上記実施例1で記載されるように製造された実施例2のポリマー;
5.溶媒成分:約90パーセントの流体組成物を提供するプロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート。
【0093】
このフォトレジスト組成物がシリコンウェハ上にスピンコートされ、真空ホットプレート上で乾燥させられ、ソフトプレートを除き、次いで乾燥フォトレジスト層を水性液浸流体に直接接触させた液浸リソグラフィープロセスで露光される。その液浸システムにおいて、フォトレジスト層はパターン化された193nmの放射線で24.1mJ/cmの線量で露光される。
このフォトレジスト層は次いで(例えば、約120℃で)露光後ベークされ、そして0.26Nのアルカリ現像剤水溶液で現像される。
露光後ベークの後でかつ現像の前のレジスト成分の漏出を評価するために、液浸流体はレジスト中の光酸およびその光分解副生成物について、LC/質量分析(60秒の漏出時間が試験される)によって評価される。
【0094】
実施例4:塩基開裂性基を含むさらなる樹脂の合成
A.モノマーおよび開始剤混合物:供給バイアルに7.00gのCH(CH=CH)C(=O)O((CH)O(C=O)CF(第1のモノマー)、4.80gの(CH=CH)C(=O)OC(CH(CH))C(CH(第2のモノマー)、0.42gのトリグノクス(Trignox)−23(開始剤)および17.0gのPGMEA(溶媒)を秤量する。
B.反応器:反応器中に30gのPGMEA、85℃に維持する。
C.AをBに供給:Aが一定の供給速度、120分間でBに供給される。
D.温度保持:AをBに供給後、反応器の温度がさらに2時間、85℃で維持され、次いで、反応器の温度を自然に室温まで下げた。
反応器からの塩基反応性基を有するこの樹脂は、さらなる精製なしにフォトレジスト組成物に使用されうる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)(i)1種以上の樹脂
(ii)光活性成分、および
(iii)前記1種以上の樹脂とは異なり、かつ(A)1以上の塩基反応性基および(B)前記塩基反応性基とは異なる1以上の極性基を含む1種以上の材料
を含むフォトレジスト組成物を基体上に適用し、並びに
b)適用されたフォトレジスト層を前記フォトレジスト組成物を活性化する放射線に液浸露光する
ことを含む、フォトレジスト組成物を処理する方法。
【請求項2】
a)(i)1種以上の樹脂
(ii)光活性成分、および
(iii)前記1種以上の樹脂とは異なり、かつ1以上の塩基反応性基を含む1種以上の材料
を含むフォトレジスト組成物を基体上に適用し、ここで、前記塩基反応性基の少なくとも1つは過フッ素化されていない塩基反応性基であり、並びに
b)適用されたフォトレジスト層を前記フォトレジスト組成物を活性化する放射線に液浸露光する
ことを含む、フォトレジスト組成物を処理する方法。
【請求項3】
前記(iii)1種以上の材料が、1以上の塩基反応性基に加えて、これとは異なる1以上の酸基を含む、請求項1もしくは2に記載の方法。
【請求項4】
前記(iii)1種以上の材料が、1以上の塩基反応性基に加えて、これとは異なるヒドロキシル、シアノ、ニトロ、スルホノもしくはスルホニド基の1以上を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記(iii)1種以上の材料が、1以上の塩基反応性基に加えて、これとは異なる1以上の光酸不安定基を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記(iii)1種以上の材料が樹脂を含み、(A)1以上の塩基反応性基および(B)前記塩基反応性基とは異なる1以上の極性基が同じ樹脂繰り返し単位上に存在する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
適用中に前記(iii)1種以上の材料がフォトレジスト組成物層の上部に向かって移動する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記(iii)1種以上の材料が水性アルカリ現像剤と反応してヒドロキシ、カルボキシもしくはスルホン酸基を提供する基を含み、および/または前記(iii)1種以上の材料が1以上のフッ素基もしくはフッ素置換基を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記(iii)1種以上の材料が樹脂である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記(iii)1種以上の材料が光酸不安定基を含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
露光されたフォトレジスト層を水性アルカリ現像剤で現像し、それにより前記1以上の塩基反応性基が結合破壊反応を受けて1以上の極性基を生じさせることをさらに含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
現像前のフォトレジスト層が40°を超える水後退接触角を有し、かつ現像後のフォトレジスト層が30°未満の水後退接触角を有する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
基体上にフォトレジスト組成物の塗膜層を有する基体を含むコーティングされた基体システムであって、
前記フォトレジスト組成物が
(i)1種以上の樹脂、
(ii)光活性成分、および
(iii)前記1種以上の樹脂とは異なり、かつ(A)1以上の塩基反応性基を含み、かつ(B)(a)前記塩基反応性基とは異なる1以上の極性基を含むか、または(b)前記塩基反応性基の少なくとも1つが過フッ素化されていない塩基反応性基である、1種以上の材料
を含む、コーティングされた基体システム。
【請求項14】
1)液浸リソグラフィ流体がフォトレジスト塗膜層の上面に接触しおよび/または2)当該システムが液浸フォトリソグラフィ露光ツールをさらに含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
(i)1種以上の樹脂、
(ii)光活性成分、および
(iii)前記1種以上の樹脂とは異なり、かつ(A)1以上の塩基反応性基を含み、かつ(B)(a)前記塩基反応性基とは異なる1以上の極性基を含むか、または(b)前記塩基反応性基の少なくとも1つが過フッ素化されていない塩基反応性基である、1種以上の材料
を含む、フォトレジスト。

【公開番号】特開2012−113302(P2012−113302A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−249143(P2011−249143)
【出願日】平成23年11月14日(2011.11.14)
【出願人】(591016862)ローム・アンド・ハース・エレクトロニック・マテリアルズ,エル.エル.シー. (270)
【出願人】(502141050)ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー (1,383)
【Fターム(参考)】