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塩溶融装置
説明

塩溶融装置

【課題】塩の成型物を連続的に製造できる生産効率を向上させることができる塩溶融装置を提供する。
【解決手段】粒状又は粉状の塩を溶融させるための塩溶融装置であって、上方側から下方側に向けて塩を流通させるべく、離間して配設される一対の板状部材21,21間に塩を流通させる塩流通部2aと、各板状部材21を介して塩を加熱する加熱部ヒータ31とを備え、複数併設される塩流通部のそれぞれの下方側から排出される塩を合流させる合流部を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粒状又は粉状の塩を溶融させるための塩溶融装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、部屋の内面(床面、壁面、天井面)に塩製のパネル又はタイル(以下、これらを総称して「塩タイル」という)を敷き詰めた塩サウナと称されるサウナ風呂が知られている。斯かる塩サウナは、部屋の内面に塩タイルを敷き詰めることで、新陳代謝を活性化させると言われている(例えば、特許文献1参照)が、部屋内が高温多湿に設定されるため、一般的に知られているサウナ風呂と同様に、利用者の体への負担が大きく、長時間に亘って利用できない(部屋内に滞在できない)といった問題がある。
【0003】
そこで、本発明者は、部屋を画定する床面、壁面、天井面の全てに塩タイルを敷き詰め、その部屋内の温度を体温よりも僅かに高い温度(例えば、41℃)で且つ湿度を低湿度(例えば、45%)に設定したソルトルームを提案している。斯かるソルトルームは、部屋内の温度及び湿度が非常に低く設定されているため、利用者の体への負担が小さく、長時間に亘って部屋内に滞在することができる。
【0004】
また、斯かるソルトルームは、利用者が部屋内に長時間に亘って滞在できるため、利用者が部屋内でリラックスした姿勢で滞在できるように、枕や、足置き、座等が設置されることがあるが、塩の効能をできるだけ多く得られるように、枕や、足置き、座等についても、塩タイルと同様に塩から形成するようにしている。なお、本発明者は、塩タイルの背面側に配置した光源(光三原色のLED等)からの光を部屋内に透過させることで幻想的な環境を作り出し、癒し効果等も高めたソルトルームも提案している。
【0005】
ところで、塩タイルや、枕、足置き、座等を製造するのに、塊状の岩塩等から削り出して製造する方法もあるが、製造作業が繁雑である上に、岩塩の無駄が発生したり、完成品の形態にバラツキが発生したりして、大量生産には不向きである。特に、天然岩塩には不純物が含まれているため、天然岩塩から削り出して塩タイルを製造すると、上記のように塩タイルの背面側に配置した光源からの光を部屋内に照射させた際に、光源からの光が良好に透過せず、癒し効果を高めるための演出の効果が半減するといった問題がある。
【0006】
このような問題に鑑み、本発明者は、塩を溶融させ、その溶融した塩を成形型(金型)に流し込んで冷却固化させて成型品(塩タイルや枕等)を製造する方法を提案している(例えば、特許文献2参照)。斯かる製造方法によれば、成形型に溶融した塩を流し込んで冷却固化させるため、成型品の形態やサイズにバラツキが少なく、また、塩の融点が非常に高温(約800℃)であることから、塩を溶融させることで、天然岩塩に含まれる不純物を消失できるため、光透過性も良好となる。
【0007】
そして、塩の成型品を製造するに当たって塩を溶融させる必要があるため、本発明者は、塩を溶融するための塩溶融装置の開発に取り組んだ。その結果、塩を貯留可能に構成され、下部に開閉可能な排出部を備えたタンク状の炉と、炉内の塩を加熱するためのヒータとを備えた塩溶融装置を開発した。斯かる塩溶融装置は、ヒータによって炉内の塩を溶融させた上で、排出部を開き、排出部の下方に設置された成形型(金型)に溶融した塩を供給するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005−194861号公報
【特許文献2】特開2007−092514号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、斯かる塩溶融装置は、バッチ式であるため、炉に充填した塩の全てが成形型に流し込まれると、再度、炉に塩を充填して溶融させる必要があった。したがって、斯かる塩溶融装置は、成形型への塩の供給が間欠的になるため、塩の成型物を連続的に製造するのに限界があり、その結果、生産効率を低下させるという問題があった。
【0010】
よって、本発明は、かかる事情に鑑み、生産効率を向上させることができる塩溶融装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る塩溶融装置は、粒状又は粉状の塩を溶融させるための塩溶融装置であって、上方側から下方側に向けて塩を流通させるべく、離間して配設される一対の板状部材間に塩を流通させる塩流通部と、各板状部材を介して塩を加熱する加熱部とを備えることを特徴とする。
【0012】
本発明に係る塩溶融装置によれば、離間して配置される一対の板状部材を有する塩流通部を備えるため、塩が板状部材間を上方側から下方側に向けて流通する。そして、加熱部が各板状部材を介して流通する塩を加熱するため、粒状又は粉状の塩を連続して溶融することができる。
【0013】
なお、本願において「塩」とは、天然のものや人工的に精製されたもの、即ち、天然塩や精製塩等を含む概念である。
【0014】
また、本発明に係る塩溶融装置においては、複数並設される塩流通部のそれぞれの下方側から排出される塩を合流させる合流部を備えてもよい。
【0015】
斯かる構成の塩溶融装置によれば、塩流通部が複数並設され、しかも、合流部が各塩流通部の下方側から排出される塩を合流させる。したがって、塩を溶融させる品質を維持しつつも、溶融する塩の生産量を増大させることができる。
【0016】
また、本発明に係る塩溶融装置においては、塩流通部を下方側から支持する装置本体を備え、塩流通部は、各板状部材の縁部同士を挟持する挟持部材をさらに備え、挟持部材は、各板状部材に着脱自在に構成されると共に、各板状部材は、装置本体に着脱自在に構成されてもよい。
【0017】
斯かる構成の塩溶融装置によれば、挟持部材が各板状部材の縁部同士を挟持するため、各板状部材が支持される。そして、挟持部材が各板状部材に着脱自在に構成されると共に、塩流通部を下方側から支持する装置本体に各板状部材が着脱自在に構成されているため、各板状部材を装置本体から取り外したり、取り付けたりするのを容易にできる。
【0018】
また、本発明に係る塩溶融装置においては、塩流通部は、一対の板状部材間に間隙を有すべく、板状部材間に配置されるスペーサをさらに備え、スペーサは、一対の板状部材の側縁側を封止すべく、各板状部材の両側縁部に沿って配置されてもよい。
【0019】
斯かる構成の塩溶融装置によれば、スペーサが板状部材間に配置されるため、一対の板状部材間に間隙が設けられる。これにより、一対の板状部材が所定距離で離間するのを維持できるため、板状部材間に塩を流通させることができる。また、スペーサが各板状部材の両側縁部に沿って配置されるため、一対の板状部材の側縁側が封止され、その結果、塩が各板状部材の側縁部から漏出するのを防止できる。
【0020】
また、本発明に係る塩溶融装置においては、各板状部材は、平板状に形成される板状本体を備えると共に、少なくとも一方の板状部材は、板状本体間に間隙を有すべく、板状本体から突出して他方の板状部材に当接する突出部を備え、突出部は、一対の板状部材の側縁側を封止すべく、板状本体の両側縁部に沿って配置されてもよい。
【0021】
斯かる構成の塩溶融装置によれば、少なくとも一方の板状部材には、板状に形成される板状本体から突出する突出部が設けられ、しかも、突出部が他方の板状部材に当接するため、一対の板状部材間に間隙が設けられる。これにより、一対の板状部材が所定距離で離間するのを維持できるため、板状部材(板状本体)間に塩を流通させることができる。また、突出部が板状本体の両側縁部に沿って配置されるため、一対の板状部材の側縁側が封止され、その結果、塩が各板状部材の側縁部から漏出するのを防止できる。
【発明の効果】
【0022】
以上の如く、本発明に係る塩溶融装置によれば、粒状又は粉状の塩を連続して溶融することができるため、生産効率を向上させることができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施形態に係る塩溶融装置の全体図であって、正面図を示す。
【図2】同実施形態に係る塩溶融装置の全体図であって、側面図を示す。
【図3】同実施形態に係る塩溶融装置の全体図であって、図1のA−A線における断面図を示す。
【図4】同実施形態に係る塩溶融装置の要部概要図であって、(a)は図3のC領域における拡大断面図、(b)は図3のD領域における拡大断面図を示す。
【図5】同実施形態に係る塩溶融装置の全体図であって、図1のB−B線における断面図を示す。
【図6】同実施形態に係る塩溶融装置の要部概要図であって、(a)は図5のE領域における拡大断面図、(b)は図5のF領域における拡大断面図を示す。
【図7】同実施形態に係る塩溶融装置の全体図であって、図6のG−G線における断面図を示す。
【図8】同実施形態に係る塩溶融装置の図7のH−H線における断面図であって、(a)は全体図、(b)はI領域における拡大図を示す。
【図9】本発明の他の実施形態に係る塩溶融装置の板状部材の要部概要図であって、(a)〜(d)はそれぞれ縦断面図を示す。
【図10】本発明のさらに他の実施形態に係る塩溶融装置の板状部材の要部概要図であって、(a)〜(d)はそれぞれ横断面図を示す。
【図11】本発明のさらに他の実施形態に係る塩溶融装置の要部概要図であって、(a)及び(b)はそれぞれ縦断面図を示す。
【図12】本発明のさらに他の実施形態に係る塩溶融装置の要部概要図であって、(a)及び(b)はそれぞれ縦断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明に係る塩溶融装置における一実施形態について、図1〜図8を参酌して説明する。
【0025】
図1〜図8に示すように、本実施形態に係る塩溶融装置1は、粒状又は粉状の塩を溶融させるべく、上方側から下方側に向けて塩を流通させる塩流通部2,2が複数(本実施形態においては二つ)並設されている。そして、塩溶融装置1は、各塩流通部2の内部の塩を加熱する加熱部3と、各塩流通部2の下方側から排出される塩を合流させる合流部4とを備える。また、塩溶融装置1は、各塩流通部2及び加熱部3を固定する装置本体5を備える。
【0026】
各塩流通部2は、離間して配置される一対の板状部材21,21を備え、上端側の給入口2aから供給された塩を、板状部材21,21間の流通路2bに流通させ、下端側の排出口2cから排出するように構成されている。そして、各塩流通部2は、前工程の設備(例えば、粒状又は粉状の塩を定量供給するための供給装置)から供給された塩を、板状部材21,21間に案内する案内部材22を備える。
【0027】
また、各塩流通部2は、各板状部材21の縁部同士を挟持する複数の挟持部材23,…をさらに備える。加えて、各塩流通部2は、一対の板状部材21,21間に間隙(流通路2b)を有すべく、板状部材21,21間に配置される複数のスペーサ24,…を備える。
【0028】
各板状部材21は、平板状に形成され、上下方向に沿って、即ち、鉛直方向に沿って配置される。そして、一対の板状部材21,21は、互いに平行となるように配置される。また、一対の板状部材21,21は、幅寸法(水平(横)方向の寸法)が略同じである一方、高さ寸法(鉛直(上下)方向の寸法)が異なって形成される。
【0029】
そして、高さ寸法の大きい一方の板状部材21は、上端部が装置本体5から臨出して装置本体5の外部に位置するように配置され、高さ寸法の小さい他方の板状部材21は、全体が装置本体5の内部に位置するように配置される。なお、一方の板状部材21と他方の板状部材21とを区別する際には、一方の板状部材を第1板状部材21aといい、他方の板状部材を第2板状部材21bという。
【0030】
また、二つの塩流通部2,2における四つの板状部材21,21,21,21は、互いに平行となるように配置されている。そして、二つの塩流通部2,2は、第1板状部材21a,21aが対面(対向)するようにして配置されている。即ち、各塩流通部2,2の第2板状部材21b,21b間に、各塩流通部2,2の第1板状部材21a,21aが配置されている。なお、各第1板状部材21a,21aは、介在部材6を挟むことにより、互いに支持し合っている。
【0031】
ところで、各板状部材21は、塩を溶融させる温度に耐えるべく、融点が塩の設定温度よりも高い素材で構成される。即ち、各板状部材21は、塩が溶融した状態で保形し得る素材によって形成される。ここで、塩の融点は、約800℃であるため、塩流通部2内の塩の設定温度は、800℃以上に設定される。
【0032】
なお、本実施形態においては、塩をより短時間で溶融させると共、天然塩等に含まれる不純物を消失させるべく(気化させて除去すべく)、塩の設定温度が約1200℃〜約1500℃の範囲内で設定されている。そのため、各板状部材21は、塩の加熱に伴って自身が溶融することのないように、例えば、耐熱ガラス(耐熱性を有する石英ガラス)や耐熱セラミック等の素材で構成することができ、また、モリブデンやタングステン等の高融点金属等の素材で構成することもできる。
【0033】
案内部材22は、板状に形成される。そして、案内部材22は、第2板状部材21bの上方に配置され、第1板状部材21aの上端部とにより塩流通部2の給入口2aを構成する。そして、案内部材22は、塩流通部2の給入口2aが上方に向けて拡がるように、鉛直方向や水平方向に対して傾斜して配置される。
【0034】
挟持部材23,…は、一対の板状部材21,21の両側縁部及び下縁部同士を挟むべく、各板状部材21の両側縁部及び下縁部に沿って複数配置される。これにより、挟持部材23,…は、一対の板状部材21,21が所定距離以上離間するのを防止する、即ち、一対の板状部材21,21が所定距離で離間するのを維持する。
【0035】
スペーサ24,…は、本実施形態においては、五つ設けられている。そして、二つのスペーサ(側縁スペーサ)24,24は、一対の板状部材21,21の側縁側を封止すべく、各板状部材21の両側縁部に沿って配置される。また、一つのスペーサ(中央スペーサ)24は、各板状部材21が撓むのを防止すべく、各板状部材21の幅方向の中央部に上下方向に沿って配置される。
【0036】
残りの二つのスペーサ(下縁スペーサ)24,24は、一対の板状部材21,21の下縁部を封止すべく、各板状部材21の下縁部に沿って配置される。そして、当該スペーサ(下縁スペーサ)24,24は、幅方向において離間して(間隙を有して)配置することにより、塩流通部2の排出口2cを構成し、さらに、溶融した塩を排出口2cに向けて案内すべく、上縁部が排出口2cに向けて傾斜するように構成される。
【0037】
なお、各スペーサ24は、塩を溶融させる温度に耐えるべく、融点が塩の設定温度よりも高い素材で構成される。即ち、各スペーサ24は、塩が溶融した状態で保形し得る素材によって形成される。したがって、各スペーサ24は、各板状部材21と同様に、塩の加熱に伴って自身が溶融することのないように、例えば、耐熱ガラス(耐熱性を有する石英ガラス)や耐熱セラミック等の素材で構成することができ、また、モリブデンやタングステン等の高融点金属等の素材で構成することもできる。
【0038】
加熱部3は、各板状部材21の外方に配置される。具体的には、加熱部3は、横方向(水平方向)に沿って配置される円筒状の流通部ヒータ31を複数備え、そして、流通部ヒータ31,…は、上下方向(鉛直方向)に沿って、即ち、各板状部材21に沿って並設される。これにより、加熱部3は、各板状部材21を介して塩流通部2内の塩を加熱する。
【0039】
また、二つの塩流通部2,2間に配置される流通部ヒータ31,…は、各第1板状部材21aを介して、両方の塩流通部2,2内の塩を加熱する。そして、各流通部ヒータ31は、モリブデンやタングステン等の素材からなる帯状のヒータ材が螺旋状(つるまき状)に巻かれることで円筒状に形成される。
【0040】
なお、加熱部3は、各板状部材21と、板状部材21,21間の塩を融点以上の設定温度まで加熱して溶融すべく、塩流通部2の流通路2b内における塩の温度が融点以上の設定温度となるように、ヒータ容量(熱容量)等が設定されている。また、下方側に配置されるヒータ31,…は、上方側に配置されるヒータ31,…よりもヒータ容量(熱容量)が大きくなるように設定されている。
【0041】
合流部4は、管状に形成され且つ各塩流通部2よりも下方側に配置される合流管41と、合流管41内の塩を加熱すべく、横方向(水平方向)に沿って配置される円筒状の合流部ヒータ42,42とを備える。そして、合流部4は、各塩流通部2で溶融された塩を合流することで混合し、混合した塩を次工程の設備(例えば成形型)に供給する。なお、合流部ヒータ42は、流通部ヒータ31と略同様の構成である。
【0042】
装置本体5は、塩流通部2,2の下方側に配置され、塩流通部2,2を下方側から支持する下壁体51を備える。また、装置本体5は、塩流通部2,2の側方側で且つ各板状部材21の側縁側に配置される第1側壁体52,52,52,52と、塩流通部2,2の側方側で且つ板状部材21に対向(対面)するように配置される第2側壁体53,53とを備える。
【0043】
さらに、装置本体5は、各側壁体52,53の上方側に配置される上壁体54を備え、下壁体51、各側壁体52,53及び上壁体54により、塩流通部2,2を覆うように構成される。なお、下壁体51、各側壁体52,53及び上壁体54は、締結手段(図示していない)により、互いに固定されている。
【0044】
下壁体51は、上面に、一対の板状部材21,21の下縁部同士を挟む挟持部材23,…を保持するための凹状の保持部511,…が複数設けられる。また、下壁体51は、合流部ヒータ42を収容すべく、横方向(水平方向)に沿って貫通する第1貫通部512,512が設けられると共に、中央に、合流管41を保持すべく、上下方向(鉛直方向)に沿って貫通する第2貫通部513が設けられる。
【0045】
各第1側壁体52は、内面に、一対の板状部材21,21の側縁部同士を挟む挟持部材23,…を保持するための凹状の保持部521,…が複数設けられる。また、各第1側壁体52は、各流通部ヒータ31の一端部を保持すべく、横方向(水平方向)に沿って貫通する貫通部522,…が複数設けられる。
【0046】
ところで、塩溶融装置1は、各板状部材21が装置本体5(下壁体51、各側壁体52,53及び上壁体54)に着脱自在に構成されると共に、各挟持部材23が各板状部材21及び装置本体5(下壁体51、各側壁体52,53及び上壁体54)に着脱自在に構成される。
【0047】
したがって、例えば、上壁体54及び一つの第1側壁体52を取り外し、そして、一対の板状部材21,21の側縁部同士を挟む挟持部材23,…を取り外すことで、一対の板状部材21,21を装置本体5(下壁体51及び他の側壁体52,53)から取り外すことができる。また、この反対の手順により、一対の板状部材21,21を装置本体5に取り付けることができる。
【0048】
以上より、本実施形態に係る塩溶融装置1は、離間して配置される一対の板状部材21,21を備えるため、上方側から下方側に向けて板状部材21,21間に塩を流通させる。そして、塩溶融装置1は、加熱部3で、各板状部材21を介して流通する塩を加熱するため、粒状又は粉状の塩を連続して溶融することができ、その結果、生産効率を向上させることができる。
【0049】
具体的には、加熱部3により、塩流通部2内(一対の板状部材21,21間の内部空間、即ち、流通路2b)が塩の融点以上の設定温度にまで加熱されるため、給入口2aに供給された塩が重力の作用で排出口2cまで移動する間(各板状部材21の内面を伝う間、又は、流通路2bを自由落下する間)に、溶融して液状化することになる。
【0050】
したがって、給入口2aに塩を供給することにより、排出口2cから液状化した塩(溶融した塩)が連続的に排出されることになる(図6及び図7の二点鎖線矢印参照)。このように、本実施形態に係る塩溶融装置1は、従来のバッチ式の塩溶融装置のように塩を長時間に亘って滞留させる必要がなく、連続的に溶融した塩を供給することができる。
【0051】
また、本実施形態に係る塩溶融装置1は、一対の塩流通部2,2を並設し、しかも、合流部4で、各塩流通部2の下方側から排出される塩を合流させる(図6及び図7の二点鎖線矢印参照)。したがって、塩溶融装置1は、塩が各塩流通部2を流通する際に塩を溶融させるため、塩を溶融させる品質を維持しつつ、しかも、複数の塩流通部2,2を有するため、溶融する塩の生産量を増大させることができる。
【0052】
また、本実施形態に係る塩溶融装置1は、複数の挟持部材23,…で各板状部材21の縁部同士を挟持するため、各板状部材21を支持することができる。そして、各挟持部材23が各板状部材21に着脱自在に構成されると共に、塩流通部2を下方側から支持する装置本体5に各板状部材21が着脱自在に構成されているため、塩溶融装置1は、各板状部材21を装置本体5から取り外したり、取り付けたりするのを容易にさせている。
【0053】
また、本実施形態に係る塩溶融装置1は、板状部材21,21間にスペーサ24,…を複数配置するため、一対の板状部材21,21間に間隙を設けることができる。これにより、一対の板状部材21,21が所定距離で離間するのを維持できるため、塩溶融装置1は、板状部材21,21間に塩を流通させることができる。
【0054】
しかも、一対のスペーサ24,24が各板状部材21の両側縁部に沿ってそれぞれ配置されるため、塩溶融装置1は、一対の板状部材21,21の側縁側を封止している。したがって、塩溶融装置1は、塩を各板状部材21の側縁部から漏出するのを防止できる。
【0055】
また、本実施形態に係る塩溶融装置1は、一対の板状部材21,21を上下方向(鉛直方向)に沿って立設するように配置するため、給入口2aに供給された塩が排出口2c側に自由落下し、その間に(流通路2bを流通する間に)溶融して液状化することになる。したがって、塩溶融装置1は、塩の流動性に頼ることなく塩を排出口2cから排出させることができ、効率的に溶融処理を行うことができる。
【0056】
なお、本発明に係る塩溶融装置は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。また、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0057】
例えば、上記実施形態に係る塩溶融装置1においては、塩流通部2を二つ備える場合を説明したが、斯かる場合に限られない。例えば、塩流通部2は、一つ備える場合でもよく、三つ以上備える場合でもよい。
【0058】
また、上記実施形態に係る塩溶融装置1においては、各板状部材21が鉛直方向に沿って配置される場合を説明したが、斯かる場合に限られず、各板状部材21が鉛直方向や水平方向に対して傾斜して配置される場合でもよい。斯かる構成の場合においても、給入口2aから供給された塩が重力の作用で一対の板状部材21,21間(流通路2b)内を板状部材21の内面に沿って移動することになり、溶融した状態の塩を排出口2cから連続的に排出させることができる。
【0059】
また、上記実施形態に係る塩溶融装置1においては、各板状部材21が平板状に形成され、一対の板状部材21,21間の離間距離が上下方向に亘って一定となるように構成される場合を説明したが、斯かる場合に限られない。
【0060】
例えば、少なくとも一方の板状部材21が傾斜して配置されることで、一対の板状部材21,21間の離間距離が下方に向けて小さくなるように構成される場合でもよく、図9(a)に示すように、塩流通部200は、少なくとも一方の板状部材210が下方に向けて厚さ寸法が大きくなるように形成されることで、一対の板状部材210,210間の離間距離が下方、即ち、排出口200cに向けて小さくなるように構成される場合でもよい。
【0061】
そして、例えば、図9(b)に示すように、塩流通部201は、少なくとも一方の板状部材211が下端部に内方に突出して排出口201cを画定するように構成される場合でもよい。斯かる構成によれば、各板状部材211の下端部が内方に突出することで、排出口201cを画定しているため、塩を供給し始めた初期の段階で、塩が溶融しないまま排出口201cから直接排出されてしまうのを防止できる。
【0062】
即ち、各板状部材211の下端部を内方に突出させて排出口201cを画定させると、溶融していない状態の塩がある場合に、その塩が排出口201c回りに引っ掛かって一時的に滞留した状態となる。これにより、滞留した塩が融点以上になったときに液状化(溶融)して排出口201cから排出され、その後に供給される塩は、上述の如く、排出口201cに到達したときに溶融状態になり、その状態を維持しつつ排出口201cから連続的に排出される。
【0063】
さらに、例えば、一対の板状部材21,21間の下方側に、粒状又は粉状の塩の通過を阻害する一方で、溶融した塩の通過を許容する邪魔手段を備える場合でもよい。斯かる構成によれば、粒状又は粉状の塩の通過を阻害する一方で、溶融した塩の通過を許容できるため、塩が固体の状態(完全に溶融していない状態)で排出口2cから排出するのを防止できる。
【0064】
ここで、邪魔手段の一例として、図9(c)に、上方側と下方側とを仕切る板状の仕切部材25と、複数の球状部材26,…とを備える場合を示し、図9(d)に、各板状部材21から内方へ突出するように配置される板状の邪魔部材27,…を複数備える場合を示す。
【0065】
仕切部材25は、一対の板状部材21,21と直交するように配置される一方、溶融した塩の通過を許容するための貫通穴251,…が複数設けられている。したがって、仕切部材25により、粒状又は粉状の塩の通過を阻害する一方、複数の貫通穴251,…により、溶融した塩の通過を許容する。
【0066】
また、複数の球状部材26,…は、一対の板状部材21,21間に整列状態又は無造作な状態で配置される。具体的には、各球状部材26は、仕切部材25の各貫通穴251を通過するのを防止すべく各貫通穴251よりも大きく形成され、仕切部材25の上に載置されている。したがって、複数の球状部材26,…により、未溶融の塩の通過を阻害する一方、複数の球状部材26,…間に形成される隙間により、溶融した塩の通過を許容する。
【0067】
さらに、邪魔部材27,…は、各板状部材21から交互に突出するように配置されると共に、各邪魔部材27は、隣接する邪魔部材27と上下方向(塩の流通方向)で重なるように配置される。したがって、邪魔部材27,…により、未溶融の塩の通過を阻害する一方、邪魔部材27と板状部材21との間に形成される隙間により、溶融した塩の通過を許容する。なお、邪魔部材は、板状部材と一体形成される場合でもよい。
【0068】
また、邪魔手段は、仕切部材25、球状部材26及び邪魔部材27のうち、一つ又は二つを選択して備える場合でもよく、全てを備える場合でもよい。さらに、邪魔手段は、仕切部材25、球状部材26及び邪魔部材27に限られず、要するに、未溶融の塩の通過を阻害する一方、溶融した塩の通過を許容する構成であればよい。
【0069】
また、上記実施形態に係る塩溶融装置1においては、各板状部材21とスペーサ24とが別部材である場合を説明したが、斯かる場合に限られず、板状部材とスペーサとが一体形成される場合でもよい。具体的には、各板状部材は、平板状に形成される板状本体を備えると共に、少なくとも一方の板状部材は、板状本体間に間隙を有すべく、板状本体から突出して他方の板状部材に当接する突出部を備え、突出部は、一対の板状部材の側縁部を封止すべく、板状本体の両側縁部に沿って配置される場合でもよい。
【0070】
斯かる構成によれば、少なくとも一方の板状部材には、平板状に形成される板状本体から突出する突出部が設けられ、しかも、突出部が他方の板状部材に当接するため、一対の板状部材間に間隙が設けられる。これにより、一対の板状部材が所定距離で離間するのを維持できるため、板状部材(板状本体)間に塩を流通させることができる。
【0071】
また、突出部が板状本体の両側縁部に沿って配置されるため、一対の板状部材の側縁部が封止され、その結果、塩が各板状部材の側縁部から漏出するのを防止できる。斯かる構成の一例を、図10(a)〜(d)に示す。
【0072】
図10(a)に示す塩流通部202は、一対の板状部材21,212を備え、一方の板状部材21は、平板状に形成される一方、他方の板状部材212は、平板状に形成される板状本体212aと、板状本体212aから突出して一方の板状部材21に当接する突出部212bとを備える。
【0073】
また、図10(b)に示す塩流通部203は、一対の板状部材213,213を備え、一方の板状部材213は、平板状に形成される板状本体213aと、板状本体213aから突出して他方の板状部材213に当接する突出部213bとを備え、他方の板状部材213は、平板状に形成される板状本体213aと、板状本体213aの内方側に突出部213bと嵌合する凹状部213cとを備える。
【0074】
さらに、図10(c)に示す塩流通部204は、一対の板状部材214,214を備え、各板状部材214は、平板状に形成される板状本体214aと、板状本体214aから突出する突出部214bとを備え、各突出部214b,214b同士が当接するように配置される。
【0075】
加えて、図10(d)に示す塩流通部205は、一対の板状部材215,215を備え、各板状部材215は、平板状に形成される板状本体215aと、板状本体215aから突出する突出部215bとを備え、各突出部215b,215bは、嵌合するように構成される。
【0076】
また、上記実施形態に係る塩溶融装置1においては、スペーサ24,…を備える場合を説明したが、斯かる場合に限られない。例えば、挟持部材に、スペーサ24の機能を備える場合でもよい。具体的には、挟持部材は、一対の板状部材21,21の間に配置される介在部を備える場合でもよい。しかも、挟持部材は、長尺に形成されると共に、一対の板状部材21,21の側縁側や下縁側を封止すべく、板状部材21の側縁部や下縁部に沿って配置される場合でもよい。
【0077】
また、上記実施形態に係る塩溶融装置1においては、各板状部材21及び装置本体5(下壁体51、各側壁体52,53及び上壁体54)に着脱自在な挟持部材23,…で、各板状部材21を保持する場合を説明したが、斯かる場合に限られず、例えば、溶接や締結手段等により、板状部材の縁部を装置本体に固定する場合でもよい。
【0078】
また、上記実施形態に係る塩溶融装置1においては、合流部4が合流管41で塩を合流させる場合を説明したが、斯かる場合に限られない。例えば、図11に示すように、塩溶融装置10の合流部40は、各塩流通部2よりも下方側に配置され、溶融された塩を混合すべく、塩流通部2の下端側から排出された塩を受ける塩受け部401と、下壁体510に収容され、塩受け部401内の塩を加熱する合流部ヒータ402,…を備える場合でもよい。なお、図11において、二点鎖線矢印は、塩の流通方向を示している。
【0079】
斯かる塩受け部401は、凹状、具体的には、坩堝状(樋状)に形成され、上方から自然落下(自然流下)してきた塩を受ける一方、下方側に設けられる開口部401aから塩を流し出すように構成される。そして、塩受け部401は、溶融された塩を貯留可能に構成されるため、開口部401aから流し出すまでに、塩を所定時間滞留させることになる。なお、塩受け部401は、板状部材21と同様に、例えば、耐熱ガラスや耐熱セラミック等の素材で構成されている。
【0080】
なお、塩受け部401は、滑らかな内面で形成される場合でもよく、また、内面に、螺旋状や放射状に延設される突条の案内手段(案内板)が設けられ、各塩流通部2から排出された塩が開口部401aへ移動するまでに効率的に撹拌(混合)するように構成される場合でもよい。また、塩受け部401の開口部401aが開閉自在に構成される場合でもよい。
【0081】
また、上記実施形態に係る塩溶融装置1においては、塩流通部2内の塩の設定温度を約1200℃〜約1500℃の範囲に設定する場合を説明したが、斯かる場合に限られない。要するに、塩流通部2内の塩の設定温度は、塩の融点以上であればよい。
【0082】
また、本発明に係る塩溶融装置は、加熱部3が発生した熱を蓄熱可能な蓄熱体を備えてもよく、また、加熱部3が発生した熱を外部に放出するのを防止する断熱体を備えてもよい。斯かる構成の一例として、図12に、蓄熱体7及び断熱体8を備える塩溶融装置11を示す。なお、蓄熱体7又は断熱体8のうち何れか一方のみを備える場合でもよい。
【0083】
図12に示す塩溶融装置11は、加熱部3が発生した熱を蓄熱可能な蓄熱体7,7,7と、加熱部3が発生した熱を外部に放出するのを防止すべく、第1側壁体530に嵌合され、各板状部材21、加熱部3及び各蓄熱体7を外側から覆う断熱体8,8を備える。
【0084】
各蓄熱体7は、各流通部ヒータ31を内部に収容すると共に、蓄熱した熱を放熱することにより塩流通部2内の塩を加熱すべく、板状部材21に沿って配置される。これにより、各板状部材21は、蓄熱体7により覆われることになる。なお、各蓄熱体7は、鉄等の金属の素材から構成されてもよく、耐火煉瓦等の非金属の素材から構成されてもよいが、耐熱性を有し且つ熱伝導率の高い(熱伝導性の優れる)素材から構成されるのが好ましい。
【0085】
断熱体8は、蓄熱体7の外側に配置される。なお、断熱体8は、酸化アルミニウムや酸化カルシウム等の熱伝導率の低い素材、具体的には、少なくとも板状部材21及び蓄熱体7よりも、熱伝導率の低い素材で構成される。
【0086】
斯かる構成によれば、加熱部3が発生した熱を各蓄熱体7が蓄熱できるため、余剰となる熱を蓄熱体7で蓄熱できる。そして、蓄熱体7が板状部材21に沿って配置されるため、必要に応じて、蓄熱体7が蓄熱した熱を放出(放熱)することにより塩流通部2内の塩を加熱できる。これにより、加熱部3の熱を効率的に使用することができる。
【0087】
しかも、蓄熱体7が板状部材21に沿って配置されており、各流通部ヒータ31の熱が蓄熱体7を介して塩を加熱するため、各流通部ヒータ31が上下方向で離間して配置(並設)されているにも関わらず、板状部材21が局所加熱されたり、板状部材21に与える熱が板状部材21の各部でばらついたりするのを防止できる。したがって、塩流通部2内の塩をバランスよく加熱することで、塩の溶融状態を良好にできると共に、板状部材21の局所加熱を防止できることで、板状部材21の損傷(劣化)を防止できる。
【0088】
さらに、断熱体8が板状部材21、加熱部3及び蓄熱体7を外側から覆うように配置されているため、加熱部3が発生した熱を外部に放出するのを防止できる。したがって、加熱部3が発生した熱を有効に使用できる。
【符号の説明】
【0089】
1…塩溶融装置、2…塩流通部、3…加熱部、4…合流部、5…装置本体、21…板状部材、22…案内部材、23…挟持部材、24…スペーサ、212a,213a,214a,215a…板状本体、212b,213b,214b,215b…突出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒状又は粉状の塩を溶融させるための塩溶融装置であって、
上方側から下方側に向けて塩を流通させるべく、離間して配設される一対の板状部材間に塩を流通させる塩流通部と、各板状部材を介して塩を加熱する加熱部とを備えることを特徴とする塩溶融装置。
【請求項2】
複数並設される塩流通部のそれぞれの下方側から排出される塩を合流させる合流部を備える請求項1に記載の塩溶融装置。
【請求項3】
塩流通部を下方側から支持する装置本体を備え、
塩流通部は、各板状部材の縁部同士を挟持する挟持部材をさらに備え、挟持部材は、各板状部材に着脱自在に構成されると共に、各板状部材は、装置本体に着脱自在に構成される請求項1又は2に記載の塩溶融装置。
【請求項4】
塩流通部は、一対の板状部材間に間隙を有すべく、板状部材間に配置されるスペーサをさらに備え、スペーサは、一対の板状部材の側縁側を封止すべく、各板状部材の両側縁部に沿って配置される請求項3に記載の塩溶融装置
【請求項5】
各板状部材は、平板状に形成される板状本体を備えると共に、少なくとも一方の板状部材は、板状本体間に間隙を有すべく、板状本体から突出して他方の板状部材に当接する突出部を備え、
突出部は、一対の板状部材の側縁側を封止すべく、板状本体の両側縁部に沿って配置される請求項3に記載の塩溶融装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−33260(P2011−33260A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−179239(P2009−179239)
【出願日】平成21年7月31日(2009.7.31)
【出願人】(503314716)
【Fターム(参考)】