説明

塩素化熱可塑性材料のための無機充填剤相溶化剤としての少なくとも1つのポリアルキレンオキシド官能基でグラフト化された櫛形ポリマーの使用

本発明は、第一に、少なくとも1つのポリアルキレンオキシド官能基がグラフト化された少なくとも1種類のエチレン性不飽和アニオン性モノマーを有する櫛形ポリマーの、相溶剤としての、無機物質が充填された塩素化熱可塑性樹脂を製造するための方法における使用に関する。本発明は、このようにして得られる塩素化熱可塑性材料であって、相溶剤、例えば従来技術の充填された塩素化熱可塑性材料において用いられるものの量を低減しながら、充填剤と塩素化熱可塑性樹脂との間で改善された相溶性を有し、従来技術の相溶剤は本質的には脂肪酸、特にステアリン酸もしくはこの塩からなる塩素化熱可塑性材料にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無機充填剤が充填された塩素化熱可塑性材料の領域に関し、前記充填剤と塩素化熱可塑性樹脂との相溶性が改善される。
【0002】
本発明は、第一に、無機充填剤が充填された塩素化熱可塑性樹脂を製造する方法における、エチレン性不飽和を備える少なくとも1種類のアニオン性モノマーを有し、少なくとも1つのポリアルキレンオキシド基がグラフト化された櫛形ポリマーの相溶剤としての使用に関する。
【0003】
本発明は、このようにして得られる塩素化熱可塑性材料であって、従来技術による塩素化され、充填された熱可塑性材料において用いられる相溶剤の量を低減しながら、充填剤と塩素化熱可塑性樹脂との間に改善された相溶性を有し、従来技術において用いられる前記相溶剤は本質的には脂肪酸、特にステアリン酸もしくはこの塩である塩素化熱可塑性材料にも関する。
【背景技術】
【0004】
塩素化熱可塑性材料、特にPVC系であるものには、多くの用途、例えばチューブ(水運搬、排水、灌水、ケーブル通路用の覆い)、外部および/もしくは内部構築材料(窓枠、シャッター、ドア、外装材、吊り天井)または産業用部品の製造がある。これらは無機充填剤、例えばタルク、アルミナ、二酸化チタン、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、アルミニウム、二酸化ケイ素、カオリンもしくはまた天然もしくは合成炭酸カルシウムを含有し、これらの充填剤は、これらの充填剤1以上とPVCとの配合物から得られる硬質材料を記載する、文書、特許第50−028105号明細書に示される。
【0005】
塩素化熱可塑性材料、特にPVCに関しては、文書「The use of calsium carbonate to enhance the physical properties of rigid vinyl products」(Society of Plastic Engineering,Conf.,12−14 October 1999)に記載されるように、このように充填されるこれらのPVC材料の物理特性の特定のものを改善することができるため、炭酸カルシウムが好ましい無機充填剤を構成する。剛度の改善、押出しの最中の冷却時間の短縮、もしくはまたダイからの産出の際の被着の低減(通常、「die build−up」という英語表現によって表される。)。
【0006】
プラスチック、特にPVC系の充填された塩素化熱可塑性材料の製造者である、当業者の基本的な知識によると、前記材料を含む樹脂は炭酸カルシウムが不完全にしか分散しない疎水性媒体である。これは、炭酸カルシウムの粒子が、これらが前記樹脂中に組み込まれるとき、塩素化熱可塑性樹脂、特にPVC系のものに自然で均一な様式で分布しないことを意味する。従って、当業者には、炭酸カルシウムが、相溶剤で処理されず、もしくは相溶剤と共に用いられないとき、塩素化熱可塑性樹脂と満足のいく相溶性を持たないことが公知である。この不十分な分布もしくはこの不十分な分布状態、もしくはまたこの不十分な相溶性は、塩素化され、充填された熱可塑性材料において、より劣る機械特性(例えば特にこの耐衝撃性)および光学特性(例えば特にこの明度)の低下につながる。
【0007】
従って、多年にわたり、当業者は、一般に熱可塑性樹脂との、および塩素化熱可塑性樹脂、特にPVCとの、この相溶性を改善する目的で炭酸カルシウムの処理方法を開発している。
【0008】
歴史的には、脂肪酸が炭酸カルシウムの相溶剤として果たすことができる役割が最初に明るみに出された。従って、文書、仏国特許発明第1 047 087号明細書は炭酸カルシウムの被覆への物質の使用を記載し、これらの物質は脂肪酸、脂肪アルコール、ワックスおよび天然もしくは合成樹脂、もしくはまた表面活性剤のうちから選択される。これらの物質は、(乾燥媒体もしくは水性媒体中での)粉砕段階、乾燥段階もしくは選択段階の最中に用いることができる。この文書は、特に乾燥粉末もしくはエマルジョンの形態で用いられるステアリン酸を強調し、これは炭酸カルシウムを前述の段階で処理し、従って、これが導入される疎水性媒体、例えばプラスチック、もしくはまた溶媒相中の塗料とのこの相溶性を改善することを可能にする。
【0009】
炭酸カルシウムの処理への脂肪酸の使用はより最近の文書においても見出される。文書、国際公開第00/20336号パンフレットの場合がこれであり、10から24個の炭素原子を有する少なくとも1種類の脂肪酸による、より具体的には、ステアリン酸およびこのカルシウム塩による、炭酸カルシウムの処理を記載する。文書、米国特許第4 151 136号明細書の場合もこれであり、8から22個の炭素原子を有する酸による、好ましくはステアリン酸による、炭酸カルシウムの表面処理を記載し、このようにして処理された無機材料は、次に、ポリマーマトリックス中に封入される。
【0010】
従って、この手段により、他の相溶剤、例えばチタネート、アルミネート、もしくはまたシリル化(sililated)化合物が開発されている。
【0011】
このようなものとして、文書、中国特許第1 542 040号明細書を引用することができ、これは、炭酸カルシウムを処理し、前記炭酸塩をポリエチレンマトリックス中に導入することを可能にする薬剤としてのチタネート、アルミネートもしくはシランの使用を記載する。この手段により、この剛性が改善された、充填されたポリエチレンベースのパイプを製造することが可能である。
【0012】
文書、仏国特許発明第2 326 425号明細書を引用することもでき、これは微細無機材料、例えば特に炭酸カルシウムを処理するための薬剤としての有機チタネート化合物の使用を記載する。これらの化合物は、無機物質と、前記有機チタネート化合物によって処理された後にこれらが組み込まれるポリマー材料との相溶性を改善する。従って、これらの有機チタネート系化合物によって処理されていない同じ無機材料の場合におけるよりも多くの無機材料の量をこれらのポリマー材料に分散させることが可能である。
【0013】
炭酸カルシウムの幾つかの処理を、これを異なる熱可塑性材料(例えば特に塩素化熱可塑性材料)と相溶性にする目的で、用いることを記載する文書も存在する。
【0014】
このように、文書、国際公開第02/55596号パンフレットはポリジアルキルシロキサンおよび少なくとも10個の炭素原子を有する脂肪酸を用いる処理であって、この酸が、好ましくはステアリン酸である処理を明らかにする。このように処理された炭酸塩は疎水性となり、熱可塑性材料、例えば特に通気性フィルムの製造を目的とするポリオレフィンにおけるこの組み込みを容易にする。
【0015】
文書、国際公開第04/09711号パンフレットは、3種類の炭酸カルシウム処理剤、二酸化ケイ素、脂肪酸、例えば特にステアリンおよびシラン化合物の使用を記載する。このようにして修飾された炭酸カルシウムはプラスチック用途が意図される。
【0016】
最後に、文書、国際公開第01/32787号パンフレットは、ステアリン酸およびジステアリン酸カルシウムによる炭酸カルシウムの、前記炭酸塩をプラスチック中に導入することを目的とする、処理を教示する。
【0017】
この技術の現状は、当業者によって認められるように、脂肪酸型の化合物、特にステアリンおよびこの塩の、この中で炭酸カルシウムを用いようとする熱可塑性材料、特に塩素化熱可塑性樹脂、例えばPVCとより相溶性にするために炭酸カルシウムを処理するための薬剤としての有力な役割を示す。
【0018】
しかしながら、これらの生成物の使用は深刻な問題を当業者に間違いなく提示する。
【0019】
第一に、ステアリン酸を用いて炭酸カルシウムを処理することを決定する場合、炭酸カルシウムの表面上で前記酸がステアリン酸塩に変換する速度はこの処理プロセスの特定のパラメータに大きく依存し、正確に制御することが非常に困難である。特に処理を行う温度およびステアリン酸の流速。
【0020】
当業者が、ステアリン酸もしくはこの塩で処理された炭酸カルシウムをPVC配合物に組み込むとき、前記配合物にさらなるステアリンの量を添加することを知る必要もある;後者は配合物中で潤滑剤の役割を果たす。炭酸カルシウムの処理に用いたステアリン酸に加えて配合時に添加されたステアリンが存在する場合、超潤滑の現象を観察することが可能である。当業者に周知のこの結果は、得られる熱可塑性材料およびダイから引き出すときに浸出するステアリンの被着(「ダイ・ビルドアップ(die build−up)」)の黄色化である。
【0021】
最後に、長年にわたり、当業者が、ますます大きな比面積を生じる、ますます細かい炭酸カルシウムを(特に様々な粉砕プロセスにより)製造しようと努めていることを言わなければならない。結果として、用いられるステアリン酸もしくはこの塩の量は、これらの精製炭酸カルシウムの全表面を回復もしくは処理する目的で、ますます増大する。従って、この要素は、炭酸カルシウムの処理へのステアリン酸およびこの塩の使用に関連して遭遇する、前に列挙される不利な点を必然的に増幅させる。
【0022】
従って、炭酸カルシウムを意図される塩素化熱可塑性材料と相溶性にし、およびステアリン酸もしくはこの塩を減少させ、または前記炭酸カルシウムの処理のプロセスから完全に排除さえすることを可能にする目的で、炭酸カルシウムの有効な処理剤を見出す真の要求が存在する。
【0023】
この研究をこの領域において継続することで、出願人は、少なくとも1種類の無機充填剤を含有する塩素化熱可塑性材料の製造方法における少なくとも1種類のポリマーの無機充填剤の相溶剤としての使用であって、これがエチレン性不飽和を有する少なくとも1種類のアニオン性モノマー上にグラフト化された少なくとも1つのポリアルキレンオキシド基を含有する櫛形ポリマーであることを特徴とする使用を開発している。
【0024】
この使用は、従来技術において用いられるステアリンもしくはステアリン酸塩を低減させ、もしくは、時には、排除さえもしながら、組み込まれる塩素化熱可塑性材料との相溶性が改善されている無機充填剤を得ることを可能にする。これらの結果の格別な応用は、従来技術におけるものと同じステアリン酸もしくはこの塩の量を用いて、塩素化熱可塑性材料中の炭酸カルシウムの割合を高めることからなる。
【0025】
本発明によるポリマーの存在下におけるこの改善された相溶性は、最終材料の改善された耐衝撃性および明度特性に直接つながる。上記特性を改善することにより、本発明によるポリマーの使用は用いられるステアリンもしくはこの塩の量を減少させ、時には、ステアリンもしくはこの塩による処理を完全に排除することを可能にする。
【0026】
出願人は、改善された機械特性、例えば耐衝撃性および改善された光学特性、例えば明度が、無機充填剤とこれが用いられる熱可塑性材料(一般)との改善された相溶性の直接的な証明を実際に構成することを強調したいと願う。これに関しては、文書「Study on ground−calcium carbonate and wollastonite composite fillers filling properties and reinforcement mechanisms」(Zhongguo Fenti Jishu,2002,8(1),pp.1−5)が、炭酸カルシウムを充填したPVC材料の改善された耐衝撃性とこのPVC樹脂における前記炭酸塩の改善された分散状態との直接的な関係を強調する。同様に、文書「Recycling of incompatible plastics with reactive compatibilizers」(Special Publication − Royal Society of Chemistry,1997,199 Chemical Aspects of Plastics Recycling,pp.170−179)は、充填されたプラスチックの機械および光学特性が相溶剤の選択に、従って、前記プラスチックにおける充填剤の満足のいく分散状態に依存することを示す。最後に、文書「Labor−saving method of testing the dispersibility of titanium dioxide Pigments」(FATIPEC Congress(1988),Vol.111(19th),307−19)は、ポリマーフィルム中の二酸化チタン系顔料の分散状態を前記フィルムの明度に直接関連付けている。
【0027】
従って、エチレン性不飽和を有する少なくとも1種類のアニオン性モノマー上にグラフト化された少なくとも1つのポリアルキレンオキシドを含有する櫛形ポリマーであることを特徴とする少なくとも1種類のポリマーの、少なくとも1種類の無機充填剤を含有する塩素化熱可塑性材料の製造方法における使用は、用いられるステアリン酸もしくはこの塩の量を最小限とし、もしくはこれを排除しながら、前記充填剤と塩素化熱可塑性樹脂との相溶性を改善することを可能にする。これらの結果の格別の応用は、従来技術におけるものと同じステアリン酸もしくはこの塩の量を用いて、塩素化熱可塑性材料中の炭酸カルシウムの割合を高めることからなる。
【0028】
いかなる特定の理論にも結びつけられることを望むものではないが、出願人は、第一にグラフト化ポリアルキレンオキシド基が塩素化熱可塑性樹脂に対して高い親和度を有し、これに対して第二に、エチレン性不飽和を有する少なくとも1種類のアニオン性モノマーという基礎を有する前記ポリマーの主鎖は炭酸カルシウムに対して高い親和度を有するため、本発明に従って用いられるポリマーが炭酸カルシウムと塩素化熱可塑性樹脂との相溶性に好都合であるという観点を保持する。
【0029】
出願人は、このようなポリマーは既に公知であるが、本発明が取り組むものと同じ技術的問題を解決してはおらず、本発明の主題を形成するものとは非常に異なる機能のための文書において記載されることを切に強調したい。
【0030】
従って、製紙分野においては、文書、国際公開第2004/044022号パンフレットが、被覆紙の光学的増白の活性化を改善する薬剤として、少なくとも1種類のエチレン性不飽和モノマー上にグラフト化された少なくとも1つのアルコキシもしくはヒドロキシポリアルキレングリコール基を有する水溶性コポリマーの使用を記載する。
【0031】
フランス特許出願第05 12797号明細書にも馴染みがあり、これは本出願の出願日には未だ公開されていないが、紙コーティングの製造方法であって、少なくとも1つのポリアルキレンオキシド基をポリマー鎖上にグラフト化することによって得られる少なくとも1種類の櫛形ポリマーを前記コーティングに導入することによる方法であり、前記鎖が少なくとも1種類のエチレン性不飽和モノマーの重合から生じるものである方法を記載する;この手段により、従来技術による保水性濃厚剤を用いるものより改善された(高い)Brookfield(商標)粘度および保水性を有する紙コーティングが得られる。上述の2つの文書は、いかなる場合であっても、プラスチックの分野に関わることはなく;本発明の場合において提示される技術的問題に関わることもない。
【0032】
無機物質の粉砕の分野においては、文書、国際公開第2004/041882号パンフレットにも馴染みがあり、これは、粉砕助剤としての、少なくとも1種類のエチレン性不飽和アニオン性モノマー、少なくとも1種類の非イオン性エチレン性不飽和モノマーおよび少なくとも1種類の有機フルオリネートもしくは有機シリレートモノマーを有する、水溶性である弱イオン性コポリマーの使用を記載する。このコポリマーの機能は、本出願の主題を形成するものとは非常に異なるものであるが、精製無機材料の水性懸濁液を得る目的で、機械的粉砕作用を容易にするものであり、この水性懸濁液の乾燥物質濃度は高いものであり得、このBrookfield(商標)粘度は時間経過に伴って安定であり、イオン滴定によって決定されるイオン電荷が低い顔料表面を有する;この手段により、文書、国際公開第2004/041882号パンフレットの基本的な技術的問題を構成する、紙の製造中のカチオン性ポリマー剤に対する要求を最少化することができるが、これは本出願において解決される問題からは遠く隔たっている。従って、当業者が、本出願が取り組む技術的問題を解決する目的で、この文書から教訓を引き出すことはない。
【0033】
最後に、当業者は本出願におけるものとは異なる技術的問題を解決する2つの文書に馴染みがあり、これらはこの機能が本出願においてポリマーが果たすものとは異なるポリマーの使用によるものではあるが、プラスチックにおける炭酸カルシウムの使用が見出される。従って、当業者が、本出願の主題を形成する技術的問題を解決する目的で、これらの文書から教訓を引き出すことはない。
【0034】
当業者は文書、国際公開第2004/041883号パンフレットにこのように馴染みがあり、これは、少なくとも1種類のエチレン性不飽和モノマー上にグラフト化された少なくとも1つのアルコキシもしくはヒドロキシポリアルキレングリコール基を有する水溶性コポリマー、好ましくは弱イオン性のものの、最終製品の明度、特に紙のシートにおける明度を、どのような視角であっても、即ち、20°から85°、より具体的には、45°から75°であっても、改善する薬剤としての使用を記載する。従って、これは本質的には紙に関する文書である。従って、当業者が、このようなコポリマーの使用が炭酸カルシウムを塩素化熱可塑性材料に導入するときに通常用いられるステアリン酸もしくはこの塩の量を減少させ得ることを当業者に明かし、もしくは当業者に示唆する客観的な要素をこの文書において見出すことはない。
【0035】
最後に、当業者は特許出願第05 11274号にも馴染みがあるが、これは本出願の出願日には未だ公開されていない。この文書は熱可塑性樹脂を製造する方法を記載し、この熱可塑性樹脂は無機物質が投入され、おそらくは、少なくとも1つのポリアルキレンオキシド基がグラフト化された少なくとも1種類のエチレン性不飽和モノマーを含む櫛形ポリマーを前記樹脂に導入することにより、有機耐衝撃性改質剤(organic impact modifier)を含有する。この発明はこのようにして得られる熱可塑性材料にも関し、この材料は、前記櫛形ポリマーを含有しない同じ組成物と比較して、改善された耐衝撃性および維持された剛性を有する。この文書と本発明との間には2つの基本的な相異が存在する。第一に、この文書は無機充填剤と次にこれが導入される熱可塑性樹脂との相溶性の問題に関するものではない。第二に、用いられるすべての炭酸カルシウムには脂肪酸を用いる処理が施されている旨が、特許出願第05 11274号を説明する例の序文に明記されている。従って、この文書は、充填剤とこれが用いられる塩素化熱可塑性樹脂との相溶性を維持しながら、用いられるこの酸の量を減少させ、もしくは排除することさえも可能であることを明らかにしていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0036】
【特許文献1】特許第50−028105号明細書
【特許文献2】仏国特許発明第1 047 087号明細書
【特許文献3】国際公開第00/20336号
【特許文献4】米国特許第4 151 136号明細書
【特許文献5】中国特許第1 542 040号明細書
【特許文献6】仏国特許発明第2 326 425号明細書
【特許文献7】国際公開第02/55596号
【特許文献8】国際公開第04/09711号
【特許文献9】国際公開第01/32787号
【特許文献10】国際公開第2004/044022号
【特許文献11】フランス特許出願第05 12797号明細書
【特許文献12】国際公開第2004/041882号
【特許文献13】国際公開第2004/041883号
【特許文献14】特許出願第05 11274号
【非特許文献】
【0037】
【非特許文献1】「The use of calsium carbonate to enhance the physical properties of rigid vinyl products」(Society of Plastic Engineering,Conf.,12−14 October 1999)
【非特許文献2】「Study on ground−calcium carbonate and wollastonite composite fillers filling properties and reinforcement mechanisms」(Zhongguo Fenti Jishu,2002,8(1),pp.1−5)
【非特許文献3】「Recycling of incompatible plastics with reactive compatibilizers」(Special Publication−Royal Society of Chemistry,1997,199 Chemical Aspects of Plastics Recycling,pp.170−179)
【非特許文献4】「Labor−saving method of testing the dispersibility of titanium dioxide Pigments」(FATIPEC Congress(1988),Vol.111(19th),307−19)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0038】
従って、本発明の第一の目的は、無機充填剤の相溶剤としての、少なくとも1種類の無機充填剤を含有する塩素化熱可塑性材料の製造方法における、少なくとも1種類のポリマーの使用であって、これがエチレン性不飽和を有する少なくとも1種類のアニオン性モノマー上にグラフト化された少なくとも1つのポリアルキレンオキシド基を含有する櫛形ポリマーであることを特徴とする使用に関する。
【課題を解決するための手段】
【0039】
この使用は、前記櫛形ポリマーが、塩素化熱可塑性材料の製造方法の最中に、以下の方法に依存して用いられることも特徴とする。
【0040】
1.以下の段階、
前記ポリマーの存在下、並びにおそらくは、水性媒体中の少なくとも1種類の他の研磨剤(grinding agent)および/もしくは少なくとも1種類の他の分散剤の存在下における、水性媒体中での無機充填剤の粉砕および/もしくは分散、
前記ポリマーの導入の可能性および得られる粉末の処理とこれに続く分類の可能性を伴う、得られる無機材料の分散液および/もしくは水性懸濁液の乾燥、
から生じる乾燥粉末の形態、
2.並びに/または、以下の段階、
前記ポリマーの存在下、およびおそらくは、少なくとも1種類の他の乾燥研磨剤の存在下における、無機充填剤の乾式粉砕、
得られる粉末の可能な処理および分類、
から生じる乾燥粉末の形態、
3.並びに/または、以下の段階、
無機充填剤を含有する分散液および/もしくは水性懸濁液への前記ポリマーの導入、
前記ポリマーの導入の可能性および得られる粉末の処理とこれに続く分類の可能性を伴う、得られる無機材料の分散液および/もしくは水性懸濁液の乾燥、
から生じる乾燥粉末の形態、
4.並びに/または、以下の段階、
前記ポリマーの存在下における、無機充填剤を含有する分散液および/もしくは水性懸濁液の乾燥、
得られる粉末の可能な処理および分類、
から生じる乾燥粉末の形態、
5.並びに/または、前記ポリマー並びに熱安定化剤および/もしくはUV安定化剤および/もしくは潤滑剤および/もしくはレオロジー改質剤および/もしくは耐衝撃性改質剤および/もしくは加工剤(processability agent)のうちから選択される少なくとも1種類の他の化合物を含有する溶液および/もしくはエマルジョンの乾燥の段階から生じる乾燥粉末の形態、
6.並びに/または、塩素化熱可塑性樹脂および無機充填剤と混合された乾燥粉末の形態、
および優先的には方法1および/もしくは方法2および/もしくは方法3および/もしくは方法5によるもの。
【0041】
出願人は、前述の6つの方法の各々の説明において用いられる「処理」という用語が化学処理剤の使用を参照することを述べる。
【0042】
前記櫛形ポリマーを、6として参照される方法を除いて、上述の6つの方法のうちの1つに従って用いられるとき、乾燥粉末の状態で、および/もしくは液体状態で、即ち、エマルジョンもしくは水性懸濁液の形態で用い得ることを示すことも切望される。具体的に言うと、前記ポリマーは乾燥粉末の形態および/もしくは液体形態で、湿潤媒体中での粉砕の最中(モード1)もしくは乾燥するとき(モード2)に、並びに/または無機充填剤を含有する分散液もしくは水性懸濁液中に(モード3)、並びに/または無機充填剤を含有する分散液もしくは水性懸濁液の乾燥の最中に(モード4)、並びに/または前記ポリマーと熱安定化剤および/もしくはUV安定化剤および/もしくは潤滑剤および/もしくはレオロジー改質剤および/もしくは耐衝撃性改質剤および/もしくは加工剤のうちから選択される少なくとも1種類の他の化合物との混合の最中に(モード5)添加される。
【0043】
他の相溶剤、例えば特にステアリン酸もしくはこの塩を乾燥段階の最中に添加することができるが、これは従来技術において記載される方法におけるものよりも少ない量でのことであり、なぜならばこれが本発明が求める目的だからである。用いられるステアリン酸もしくはこの塩の量を減少させ、時には、このタイプの生成物を排除さえすることにより、無機充填剤とこれを分散させる塩素化熱可塑性樹脂との相溶性を維持もしくは改善しながら、前記生成物の使用に関連する(前述のような)不都合が減少する。
【0044】
少なくとも1種類の櫛形ポリマーの、無機充填剤の相溶剤としての、少なくとも1種類の無機充填剤を含有する塩素化熱可塑性樹脂を製造する方法における本発明による使用は、塩素化熱可塑性樹脂がPVC、後塩素化(post−chlorinated)塩化ポリビニル(PVCC)、塩素化ポリエチレン、PVC−ビニルポリアセテート型(PVC−PVAC)のコポリマーおよびこれらの配合物から選択されることも特徴とする。
【0045】
少なくとも1種類の櫛形ポリマーの、無機充填剤の相溶剤としての、少なくとも1種類の無機充填剤を含有する塩素化熱可塑性材料を製造する方法における本発明による使用は、チューブ、例えば特に水の運搬、排水、灌水、ケーブル通路用の覆いのためのものの製造を目的とし、もしくはまた外部および/もしくは内部構築材料、例えば特に窓枠、シャッター、ドア、外装材、吊り天井の製造を目的とし、もしくはまた産業用部品の製造を目的とすることも特徴とする。
【0046】
少なくとも1種類の櫛形ポリマーの、無機充填剤の相溶剤としての、少なくとも1種類の無機充填剤を含有する塩素化熱可塑性材料を製造する方法における本発明による使用は、無機充填剤が天然もしくは合成炭酸カルシウム、ドロマイト、石灰岩、カオリン、タルク、石膏、酸化チタン、サテンホワイト、もしくはまた三水酸化アルミニウム、雲母、カーボンブラック、並びにこれらの充填剤の互いの配合物、例えばタルクおよび炭酸カルシウム、炭酸カルシウムおよびカオリンの配合物、もしくはまた炭酸カルシウムと三水酸化アルミニウムとの配合物、もしくはまた合成天然繊維との配合物、もしくはまた無機物の共同構造体(co−structure)、例えばタルク−炭酸カルシウムもしくはタルク−二酸化チタン共同構造体のうちから選択され、優先的には天然もしくは合成炭酸カルシウムまたはこれらの配合物のうちから選択される無機充填剤であり、極めて優先的には大理石、方解石、白亜もしくはこれらの配合物のうちから選択される天然炭酸カルシウムであることも特徴とする。
【0047】
少なくとも1種類の櫛形ポリマーの、無機充填剤の相溶剤としての、少なくとも1種類の無機充填剤を含有する塩素化熱可塑性材料を製造する方法における本発明による使用は、前記方法が以下を用いることも特徴とする、
(a)塩素化熱可塑性配合物の総重量と比較して、少なくとも1種類の塩素化熱可塑性樹脂0.1から99乾燥重量%、
(b)塩素化熱可塑性配合物の総重量と比較して、少なくとも1種類の無機充填剤0.1から90乾燥重量%、
(c)無機充填剤の乾燥重量と比較して、少なくとも1つのポリアルキレンオキシド基がグラフト化された、エチレン性不飽和を有する少なくとも1種類のアニオン性モノマーからなる櫛形ポリマー0.01から5乾燥重量%、優先的には0.1から3乾燥重量%、
(d)塩素化熱可塑性配合物の総重量と比較して、熱安定化剤および/もしくはUV安定化剤および/もしくは潤滑剤および/もしくはレオロジー改質剤および/もしくは耐衝撃性改質剤および/もしくは加工剤0から20乾燥重量%、優先的には5から20乾燥重量%、
(e)無機充填剤の乾燥重量に対して、前記櫛形ポリマーとは別の相溶剤0から3乾燥重量%、優先的には0から1乾燥重量%、非常に優先的には0から0.5乾燥重量%、極めて優先的には0から0.2乾燥重量%(ここで、この相溶剤は、優先的には8から20個の炭素原子を有する少なくとも1種類の脂肪酸によって構成され、非常に優先的にはステアリン酸もしくはこの塩のうちから選択され、ステアリン酸塩は、優先的にはカルシウム塩である。)。
【0048】
少なくとも1種類の櫛形ポリマーの、無機充填剤の相溶剤としての、少なくとも1種類の無機充填剤を含有する塩素化熱可塑性材料を製造する方法における本発明による使用は、前記櫛形ポリマーが少なくとも1種類の式(I)のモノマーを含有することも特徴とする、
【0049】
【化1】

(式中、
mおよびpは、150以下のアルキレンオキシド基の数を表し、
nは、150以下のエチレンオキシド基の数を表し、
qは、少なくとも1に等しく、5≦(m+n+p)q≦150であるような整数を表し、
は、水素またはメチルもしくはエチル基を表し、
は、水素またはメチルもしくはエチル基を表し、
Rは、優先的にはビニルの群、またはアクリル、メタクリル、マレイン酸エステルの群、または不飽和ウレタンの群、例えばアクリルウレタン、メタクリルウレタン、α−α’ジメチル−イソプロペニル−ベンジルウレタン、アリルウレタン、または置換されていようとなかろうと、アリルもしくはビニルエステルの群、もしくはまたエチレン性不飽和アミドもしくはイミドの群に属する、不飽和重合性基を含有する基を表し、
R’は、水素もしくは1から40個の炭素原子を有する炭化水素化基(hydrocarbonated radical)、またはイオン性もしくはイオン化可能な基、例えばホスフェート、ホスホネート、スルフェート、スルホネート、カルボン酸、または実際のところ一級、二級もしくは三級アミン、または四級アンモニウム、または実際のところこれらの配合物を表し、優先的には1から12個の炭素原子を有する炭化水素化基、非常に優先的には1から4個の炭素原子を有する炭化水素化基を表す。)
少なくとも1種類の櫛形ポリマーの、無機充填剤の相溶剤としての、少なくとも1種類の無機充填剤を含有する塩素化熱可塑性材料を製造する方法における本発明による使用は、前記櫛形ポリマーが以下からなることも特徴とする、
a)エチレン性不飽和およびモノカルボン酸もしくはジカルボン酸もしくはリン酸もしくはホスホン酸もしくはスルホン酸基を有する、少なくとも1種類のアニオン性モノマー、またはこれらの配合物、
b)少なくとも1種類の下記式(I)のモノマーからなる非イオン性モノマー、
【0050】
【化2】

(式中、
mおよびpは、150以下のアルキレンオキシド基の数を表し、
nは、150以下のエチレンオキシド基の数を表し、
qは、少なくとも1に等しく、5≦(m+n+p)q≦150であるような整数を表し、
は、水素またはメチルもしくはエチル基を表し、
は、水素またはメチルもしくはエチル基を表し、
Rは、優先的にはビニルの群、またはアクリル、メタクリル、マレイン酸エステルの群、または不飽和ウレタンの群、例えば優先的にはアクリルウレタン、メタクリルウレタン、α−α’ジメチル−イソプロペニル−ベンジルウレタン、アリルウレタン、または置換されていようとなかろうと、アリルもしくはビニルエステルの群、もしくはまたエチレン性不飽和アミドもしくはイミドの群に属する、不飽和重合性基を含有する基を表し、
R’は、水素もしくは1から40個の炭素原子を有する炭化水素化基、またはイオン性もしくはイオン化可能な基、例えばホスフェート、ホスホネート、スルフェート、スルホネート、カルボン酸、または実際のところ一級、二級もしくは三級アミン、または四級アンモニウム、または実際のところこれらの配合物を表し、優先的には1から12個の炭素原子を有する炭化水素化基、非常に優先的には1から4個の炭素原子を有する炭化水素化基を表す。)
もしくは式(I)の幾つかのモノマーの配合物、
c)おそらくは、アクリルアミドもしくはメタクリルアミド型の少なくとも1種類のモノマーまたはこれらの誘導体、例えばN−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミドもしくはN−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミドおよびこれらの配合物、もしくはまた少なくとも1種類の非水溶性モノマー、例えばアルキルアクリレートもしくはメタクリレート、不飽和エステル、例えばN−[2−(ジメチルアミノ)エチル]メタクリレートもしくはN−[2−(ジメチルアミノ)エチル]アクリレート、ビニル、例えば酢酸ビニル、ビニルピロリドン、スチレン、アルファメチルスチレンおよびこれらの誘導体、または少なくとも1種類のカチオン性モノマーもしくは四級アンモニウム、例えば塩化もしくは硫酸[2−(メタクリロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウム、塩化もしくは硫酸[2−(アクリロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウム、塩化もしくは硫酸[3−(アクリルアミド)プロピル]トリメチルアンモニウム、塩化もしくは硫酸ジメチルジアリルアンモニウム、塩化もしくは硫酸[3−(メタクリルアミド)プロピル]トリメチルアンモニウム、もしくはまた少なくとも1種類の有機フルオレートもしくは有機シリレート、またはこれらのモノマーの幾つかの配合物、
d)おそらくは、本出願の残りにおいてグラフト化モノマーと呼ばれる、少なくとも2つのエチレン性不飽和を有する少なくとも1種類のモノマー。
【0051】
少なくとも1種類の櫛形ポリマーの、無機充填剤の相溶剤としての、少なくとも1種類の無機充填剤を含有する塩素化熱可塑性材料を製造する方法における本発明による使用は、前記櫛形ポリマーが以下からなることも特徴とする、
a)エチレン性不飽和並びに、アクリルもしくはメタクリル酸もしくはまた二酸ヘミエステル、例えばマレイン酸もしくはイタコン酸のCからCモノエステルのうちから優先的に選択され、またはエチレン性不飽和およびジカルボン酸官能性を有するモノマーのうちから、および優先的にはイタコン酸もしくはマレイン酸のうちから選択され、もしくはまたカルボン酸の無水物、例えば優先的には無水マレイン酸のうちから選択され、またはエチレン性不飽和およびスルホン酸官能性を有するモノマー、例えば優先的にはアクリルアミド−メチル−プロパン−スルホン酸、ナトリウムメタリルスルホネート、ビニルスルホン酸およびスチレンスルホン酸のうちから選択され、もしくはまたエチレン性不飽和およびリン酸官能性を有するモノマー、例えば優先的にはビニルリン酸、エチレングリコールメタクリレートホスフェート、プロピレングリコールメタクリレートホスフェート、エチレングリコールアクリレートホスフェート、プロピレングリコールアクリレートホスフェートおよびこれらのエトキシレートのうちから選択され、もしくはまたエチレン性不飽和およびホスホン酸官能性を有するモノマー、例えばビニルホスホン酸のうちから選択されるモノカルボン酸官能性を有する、少なくとも1種類のアニオン性モノマー、またはこれらのモノマーの配合物、
b)少なくとも1種類の、下記式(I)の非イオン性エチレン性不飽和を有するモノマー、
【0052】
【化3】

(式中、
mおよびpは、150以下のアルキレンオキシド基の数を表し、
nは、150以下のエチレンオキシド基の数を表し、
qは、少なくとも1に等しく、5≦(m+n+p)q≦150であるような、優先的には15≦(m+n+p)q≦120であるような整数を表し、
は、水素またはメチルもしくはエチル基を表し、
は、水素またはメチルもしくはエチル基を表し、
Rは、優先的にはビニルの群、またはアクリル、メタクリル、マレイン酸エステルの群、または不飽和ウレタンの群、例えばアクリルウレタン、メタクリルウレタン、α−α’ジメチル−イソプロペニル−ベンジルウレタン、アリルウレタン、または置換されていようとなかろうと、アリルもしくはビニルエステルの群、もしくはまたエチレン性不飽和アミドもしくはイミドの群に属する、不飽和重合性基を含有する基を表し、
R’は、水素もしくは1から40個の炭素原子を有する炭化水素化基、またはイオン性もしくはイオン化可能な基、例えばホスフェート、ホスホネート、スルフェート、スルホネート、カルボン酸、または実際のところ一級、二級もしくは三級アミン、または四級アンモニウム、または実際のところこれらの配合物を表し、優先的には1から12個の炭素原子を有する炭化水素化基、非常に優先的には1から4個の炭素原子を有する炭化水素化基を表す。)
もしくは式(I)の幾つかのモノマーの配合物、
c)おそらくは、アクリルアミドもしくはメタクリルアミド型の少なくとも1種類のモノマーまたはこれらの誘導体、例えばN−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミドもしくはN−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミドおよびこれらの配合物、もしくはまた少なくとも1種類の非水溶性モノマー、例えばアルキルアクリレートもしくはメタクリレート、不飽和エステル、例えばN−[2−(ジメチルアミノ)エチル]メタクリレートもしくはN−[2−(ジメチルアミノ)エチル]アクリレート、ビニル、例えば酢酸ビニル、ビニルピロリドン、スチレン、アルファメチルスチレンおよびこれらの誘導体、または少なくとも1種類のカチオン性モノマーもしくは四級アンモニウム、例えば塩化もしくは硫酸[2−(メタクリロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウム、塩化もしくは硫酸[2−(アクリロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウム、塩化もしくは硫酸[3−(アクリルアミド)プロピル]トリメチルアンモニウム、塩化もしくは硫酸ジメチルジアリルアンモニウム、塩化もしくは硫酸[3−(メタクリルアミド)プロピル]トリメチルアンモニウム、もしくはまた少なくとも1種類の有機フルオレートモノマー、もしくはまた少なくとも1種類の有機シリレートモノマー、またはこれらの配合物、
d)並びに、おそらくは、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、アリルアクリレート、アリルマレエート、メチレン−ビス−アクリルアミド、メチレン−ビス−メタクリルアミド、テトラアリルオキシエタン、トリアリルシアヌレート、ポリオール、例えばペンタエリスリトール、ソルビトール、スクロースから得られるアリルエーテルもしくはこれらの配合物によって構成される群から優先的に選択される、少なくとも1種類の架橋性モノマー。
【0053】
少なくとも1種類の櫛形ポリマーの、無機充填剤の相溶剤としての、少なくとも1種類の無機充填剤を含有する塩素化熱可塑性材料を製造する方法における本発明による使用は、前記櫛形ポリマーが、重量表示で、以下からなることも特徴とし、
a)エチレン性不飽和並びに、アクリルもしくはメタクリル酸もしくはまた二酸ヘミエステル、例えばマレイン酸もしくはイタコン酸のCからCモノエステルのうちから優先的に選択され、またはエチレン性不飽和およびジカルボン酸官能性を有するモノマーのうちから、および優先的にはイタコン酸もしくはマレイン酸のうちから選択され、もしくはまたカルボン酸の無水物、例えば優先的には無水マレイン酸のうちから選択され、またはエチレン性不飽和およびスルホン酸官能性を有するモノマー、例えば優先的にはアクリルアミド−メチル−プロパン−スルホン酸、ナトリウムメタリルスルホネート、ビニルスルホン酸およびスチレンスルホン酸のうちから選択され、もしくはまたエチレン性不飽和およびリン酸官能性を有するモノマー、例えば優先的にはビニルリン酸、エチレングリコールメタクリレートホスフェート、プロピレングリコールメタクリレートホスフェート、エチレングリコールアクリレートホスフェート、プロピレングリコールアクリレートホスフェートおよびこれらのエトキシレートのうちから選択され、もしくはまたエチレン性不飽和およびホスホン酸官能性を有するモノマー、例えばビニルホスホン酸のうちから選択されるモノカルボン酸官能性を有する、少なくとも1種類のアニオン性モノマーまたはこれらのモノマーの配合物2%から95%、優先的には5%から50%、非常に優先的には5%から25%、
b)少なくとも1種類の、下記式(I)のエチレン性不飽和を有する非イオン性モノマー、
【0054】
【化4】

(式中、
mおよびpは、150以下のアルキレンオキシド基の数を表し、
nは、150以下のエチレンオキシド基の数を表し、
qは、少なくとも1に等しく、5≦(m+n+p)q≦150であるような、優先的には15≦(m+n+p)q≦120であるような整数を表し、
は、水素またはメチルもしくはエチル基を表し、
は、水素またはメチルもしくはエチル基を表し、
Rは、優先的にはビニルの群、またはアクリル、メタクリル、マレイン酸エステルの群、または不飽和ウレタンの群、例えばアクリルウレタン、メタクリルウレタン、α−α’ジメチル−イソプロペニル−ベンジルウレタン、アリルウレタン、または置換されていようとなかろうと、アリルもしくはビニルエステルの群、もしくはまたエチレン性不飽和アミドもしくはイミドの基に群する、不飽和重合性基を含有する基を表し、
R’は、水素もしくは1から40個の炭素原子を有する炭化水素化基、またはイオン性もしくはイオン化可能な基、例えばホスフェート、ホスホネート、スルフェート、スルホネート、カルボン酸、または実際のところ一級、二級もしくは三級アミン、または四級アンモニウム、または実際のところこれらの配合物を表し、優先的には1から12個の炭素原子を有する炭化水素化基、非常に優先的には1から4個の炭素原子を有する炭化水素化基を表す。)
もしくは式(I)の幾つかのモノマーの配合物、優先的には70%から95%、
c)アクリルアミドもしくはメタクリルアミド型の少なくとも1種類のモノマーまたはこれらの誘導体、例えばN−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミドもしくはN−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミドおよびこれらの配合物、もしくはまた少なくとも1種類の非水溶性モノマー、例えばアルキルアクリレートもしくはメタクリレート、不飽和エステル、例えばN−[2−(ジメチルアミノ)エチル]メタクリレートもしくはN−[2−(ジメチルアミノ)エチル]アクリレート、ビニル、例えば酢酸ビニル、ビニルピロリドン、スチレン、アルファメチルスチレンおよびこれらの誘導体、または少なくとも1種類のカチオン性モノマーもしくは四級アンモニウム、例えば塩化もしくは硫酸[2−(メタクリロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウム、塩化もしくは硫酸[2−(アクリロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウム、塩化もしくは硫酸[3−(アクリルアミド)プロピル]トリメチルアンモニウム、塩化もしくは硫酸ジメチルジアリルアンモニウム、塩化もしくは硫酸[3−(メタクリルアミド)プロピル]トリメチルアンモニウム、もしくはまた少なくとも1種類の有機フルオレートモノマー、もしくはまた少なくとも1種類の有機シリレートモノマー、またはこれらの配合物0%から50%、
d)エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、アリルアクリレート、アリルマレエート、メチレン−ビス−アクリルアミド、メチレン−ビス−メタクリルアミド、テトラアリルオキシエタン、トリアリルシアヌレート、ポリオール、例えばペンタエリスリトール、ソルビトール、スクロースから得られるアリルエーテルもしくはこれらの配合物によって構成される群から優先的に選択される、少なくとも1種類の架橋性モノマー0%から3%、
ここで、成分a)、b)、c)およびd)の合計割合は100%に等しい。
【0055】
本発明に従って用いられるポリマーは、触媒系および移動剤の存在下、溶液中、直接もしくは逆エマルジョン中、懸濁液中での基重合または溶媒中での沈殿の方法により、もしくはまた制御された基重合の方法により、優先的には窒素酸化物介在重合(NMP)もしくはコバロキシムにより、原子移動基重合(ATRP)により、カルバメート、ジチオエステルもしくはトリチオカーボネート(RAFT)のうちから選択される硫化誘導体またはキサンテートによる制御された基重合により得られる。
【0056】
酸形態で得られ、おそらくは、蒸留されているこのポリマーは、一価中和機能もしくは多価中和機能を有する1種類以上の中和剤、例えば一価機能については、アルカリ性カチオン、非常に優先的にはナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウムまたは一級、二級もしくは三級脂肪族および/もしくは環状アミン、例えばステアリルアミン、エタノールアミン(モノ−、ジ−、トリエタノールアミン)、モノ−およびジエチルアミン、シクロヘキシルアミン、メチルシクロヘキシルアミン、アミノメチルプロパノール、モルホリンによって構成される群から選択されるもの、もしくはまた、多価機能については、アルカリ土類二価カチオン、非常に優先的にはマグネシウムおよびカルシウム、もしくはまた亜鉛、並びにその上、非常に優先的にはアルミニウムである三価カチオン、もしくはまたより高い原子価の特定のカチオンによって構成される群から選択されるものにより、部分的に、もしくは全体的に、中和されていてもよい。
【0057】
各々の中和剤は各原子価機能に固有の中和速度で作用する。
【0058】
別の変種によると、重合反応から派生するポリマーは、全体的もしくは部分的な中和反応の前もしくは後に、当業者に公知の静的もしくは動的プロセスに従い、特に水、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、テトラヒドロフランもしくはこれらの配合物によって構成される群に属する、1種類以上の極性溶媒によって処理し、幾つかの相に分離することもできる。
【0059】
これらの相のうちの1つが、本発明に従い、無機充填剤が分散される塩素化熱可塑性樹脂との無機充填剤の相溶性の改善を可能にする薬剤として用いられるコポリマーに相当する。
【0060】
別の変種によると、前記ポリマーは乾燥させることができる。
【0061】
本発明の別の目的は、以下を含有する塩素化熱可塑性材料にある、
(a)少なくとも1種類の塩素化熱可塑性樹脂、
(b)少なくとも1種類の無機充填剤、
(c)エチレン性不飽和を有する少なくとも1種類のアニオン性モノマー上にグラフト化された少なくとも1つのポリアルキレンオキシド基を含有する少なくとも1種類の櫛形ポリマーからなる少なくとも1種類の相溶剤、
(d)おそらくは、熱安定化剤および/もしくはUV安定化剤および/もしくは潤滑剤および/もしくはレオロジー改質剤および/もしくは耐衝撃性改質剤および/もしくは加工剤のうちから選択される、少なくとも1種類の他の化合物、
(e)おそらくは、優先的には8から20個の炭素原子を有する少なくとも1種類の脂肪酸からなり、非常に優先的にはステアリン酸もしくはこの塩またはこれらの配合物のうちから選択され、ステアリン酸の塩が優先的にはカルシウム塩である、少なくとも1種類の、前記櫛形ポリマー以外の他の相溶剤。
【0062】
本発明による塩素化熱可塑性材料は、塩素化熱可塑性樹脂がPVC、後塩素化ポリ塩化ビニル(PVCC)、塩素化ポリエチレン、PVC−ビニルポリアセテート型のコポリマー(PVC−PVAC)およびこれらの配合物のうちから選択されることも特徴とする。
【0063】
本発明による塩素化熱可塑性材料は、チューブ、例えば特に水の運搬、排水、灌水、ケーブル通路用の覆いのためのものの製造を目的とし、もしくはまた外部および/もしくは内部構築材料、例えば特に窓枠、シャッター、ドア、外装材、吊り天井の製造を目的とし、もしくはまた産業用部品の製造を目的とすることも特徴とする。
【0064】
本発明による塩素化熱可塑性材料は、無機充填剤が天然もしくは合成炭酸カルシウム、ドロマイト、カオリン、タルク、石膏、二酸化チタン、サテンホワイト、もしくはまた三水酸化アルミニウム、雲母、カーボンブラック、並びにこれらの充填剤の2つ以上の互いの配合物、例えばタルク−炭酸カルシウム、炭酸カルシウム−カオリン配合物、もしくはまた炭酸カルシウムと三水酸化アルミニウムとの配合物、もしくはまた合成もしくは天然繊維との配合物、もしくはまた無機共同構造体、例えばタルク−炭酸カルシウムもしくはタルク−二酸化チタン共同構造体のうちから選択されることも特徴とし、優先的には天然もしくは合成炭酸カルシウムまたはこれらの配合物のうちから選択される無機充填剤であり、極めて優先的には大理石、方解石、白亜もしくはこれらの配合物のうちから選択される天然炭酸カルシウムであることも特徴とする。
【0065】
本発明による塩素化熱可塑性材料は、以下を含有することも特徴とする、
(a)熱可塑性配合物の総重量と比較して、少なくとも1種類の塩素化熱可塑性樹脂0.1から99乾燥重量%、
(b)塩素化熱可塑性配合物の総重量と比較して、少なくとも1種類の無機充填剤0.1から90乾燥重量%、
(c)無機充填剤の乾燥重量と比較して、少なくとも1つのポリアルキレンオキシド基がグラフト化されているエチレン性不飽和を有する少なくとも1種類のアニオン性モノマーからなる櫛形ポリマー0.01から5乾燥重量%、優先的には0.1から3乾燥重量%、
(d)塩素化熱可塑性配合物の総重量と比較して、熱安定化剤および/もしくはUV安定化剤および/もしくは潤滑剤および/もしくはレオロジー改質剤および/もしくは耐衝撃性改質剤および/もしくは加工剤0から20乾燥重量%、優先的には5から20乾燥重量%、
(e)無機充填剤の乾燥重量に対して、優先的には8から20個の炭素原子を有する少なくとも1種類の脂肪酸によって構成され、非常に優先的にはステアリン酸もしくはこの塩またはこれらの配合物のうちから選択され、ステアリン酸塩が優先的にはカルシウム塩である、前記櫛形ポリマーとは別の相溶剤0から3乾燥重量%、優先的には0から1乾燥重量%、非常に優先的には0から0.5乾燥重量%、極めて優先的には0から0.2乾燥重量%。
【0066】
本発明による塩素化熱可塑性材料は、相溶剤として用いられる櫛形ポリマーが少なくとも1種類の下記式(I)のモノマーを含有することも特徴とする、
【0067】
【化5】

(式中、
mおよびpは、150以下のアルキレンオキシド基の数を表し、
nは、150以下のエチレンオキシド基の数を表し、
qは、少なくとも1に等しく、5≦(m+n+p)q≦150であるような整数を表し、
は、水素またはメチルもしくはエチル基を表し、
は、水素またはメチルもしくはエチル基を表し、
Rは、優先的にはビニルの群、またはアクリル、メタクリル、マレイン酸エステルの群、または不飽和ウレタンの群、例えばアクリルウレタン、メタクリルウレタン、α−α’ジメチル−イソプロペニル−ベンジルウレタン、アリルウレタン、または置換されていようとなかろうと、アリルもしくはビニルエステルの群、もしくはまたエチレン性不飽和アミドもしくはイミドの基に群する、不飽和重合性基を含有する基を表し、
R’は、水素もしくは1から40個の炭素原子を有する炭化水素化基、またはイオン性もしくはイオン化可能な基、例えばホスフェート、ホスホネート、スルフェート、スルホネート、カルボン酸、または実際のところ一級、二級もしくは三級アミン、または四級アンモニウム、または実際のところこれらの配合物を表し、優先的には1から12個の炭素原子を有する炭化水素化基、非常に優先的には1から4個の炭素原子を有する炭化水素化基を表す。)
本発明による塩素化熱可塑性材料は、相溶剤として用いられる櫛形ポリマーが以下からなることも特徴とする、
a)エチレン性不飽和およびモノカルボン酸もしくはジカルボン酸もしくはリン酸もしくはホスホン酸もしくはスルホン酸基を有する、少なくとも1種類のアニオン性モノマー、またはこれらの配合物、
b)少なくとも1種類の下記式(I)のモノマーからなる非イオン性モノマー、
【0068】
【化6】

(式中、
mおよびpは、150以下のアルキレンオキシド基の数を表し、
nは、150以下のエチレンオキシド基の数を表し、
qは、少なくとも1に等しく、5≦(m+n+p)q≦150であるような、優先的には15≦(m+n+p)q≦120であるような整数を表し、
は、水素またはメチルもしくはエチル基を表し、
は、水素またはメチルもしくはエチル基を表し、
Rは、優先的にはビニルの群、またはアクリル、メタクリル、マレイン酸エステルの群、または不飽和ウレタンの群、例えばアクリルウレタン、メタクリルウレタン、α−α’ジメチル−イソプロペニル−ベンジルウレタン、アリルウレタン、または置換されていようとなかろうと、アリルもしくはビニルエステルの群、もしくはまたエチレン性不飽和アミドもしくはイミドの群に属する、不飽和重合性基を含有する基を表し、
R’は、水素もしくは1から40個の炭素原子を有する炭化水素化基、またはイオン性もしくはイオン化可能な基、例えばホスフェート、ホスホネート、スルフェート、スルホネート、カルボン酸、または実際のところ一級、二級もしくは三級アミン、または四級アンモニウム、または実際のところこれらの配合物を表し、優先的には1から12個の炭素原子を有する炭化水素化基、非常に優先的には1から4個の炭素原子を有する炭化水素化基を表す。)
もしくは式(I)の幾つかののモノマーの配合物、
c)おそらくは、アクリルアミドもしくはメタクリルアミド型の少なくとも1種類のモノマーまたはこれらの誘導体、例えばN−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミドもしくはN−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミドおよびこれらの配合物、もしくはまた少なくとも1種類の非水溶性モノマー、例えばアルキルアクリレートもしくはメタクリレート、不飽和エステル、例えばN−[2−(ジメチルアミノ)エチル]メタクリレートもしくはN−[2−(ジメチルアミノ)エチル]アクリレート、ビニル、例えば酢酸ビニル、ビニルピロリドン、スチレン、アルファメチルスチレンおよびこれらの誘導体、または少なくとも1種類のカチオン性モノマーもしくは四級アンモニウム、例えば塩化もしくは硫酸[2−(メタクリロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウム、塩化もしくは硫酸[2−(アクリロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウム、塩化もしくは硫酸[3−(アクリルアミド)プロピル]トリメチルアンモニウム、塩化もしくは硫酸ジメチルジアリルアンモニウム、塩化もしくは硫酸[3−(メタクリルアミド)プロピル]トリメチルアンモニウム、もしくはまた少なくとも1種類の有機フルオレートもしくは有機シリレートモノマー、またはこれらの配合物、
d)おそらくは、少なくとも1種類の架橋性モノマー。
【0069】
本発明による塩素化熱可塑性材料は、相溶剤として用いられる櫛形ポリマーが以下からなることも特徴とする、
a)エチレン性不飽和並びに、アクリルもしくはメタクリル酸もしくはまた二酸ヘミエステル、例えばマレイン酸もしくはイタコン酸のCからCモノエステルのうちから優先的に選択され、またはエチレン性不飽和およびジカルボン酸官能性を有するモノマーのうちから、および優先的にはイタコン酸もしくはマレイン酸のうちから選択され、もしくはまたカルボン酸の無水物、例えば優先的には無水マレイン酸のうちから選択され、またはエチレン性不飽和およびスルホン酸官能性を有するモノマー、例えば優先的にはアクリルアミド−メチル−プロパン−スルホン酸、ナトリウムメタリルスルホネート、ビニルスルホン酸およびスチレンスルホン酸のうちから選択され、もしくはまたエチレン性不飽和およびリン酸官能性を有するモノマー、例えば優先的にはビニルリン酸、エチレングリコールメタクリレートホスフェート、プロピレングリコールメタクリレートホスフェート、エチレングリコールアクリレートホスフェート、プロピレングリコールアクリレートホスフェートおよびこれらのエトキシレートのうちから選択され、もしくはまたエチレン性不飽和およびホスホン酸官能性を有するモノマー、例えばビニルホスホン酸のうちから選択されるモノカルボン酸官能性を有する、少なくとも1種類のアニオン性モノマー、またはこれらのモノマーの配合物、
b)少なくとも1種類の、下記式(I)の非イオン性エチレン性不飽和を有するモノマー、
【0070】
【化7】

(式中、
mおよびpは、150以下のアルキレンオキシド基の数を表し、
nは、150以下のエチレンオキシド基の数を表し、
qは、少なくとも1に等しく、5≦(m+n+p)q≦150であるような、優先的には15≦(m+n+p)q≦120であるような整数を表し、
は、水素またはメチルもしくはエチル基を表し、
は、水素またはメチルもしくはエチル基を表し、
Rは、優先的にはビニルの群、またはアクリル、メタクリル、マレイン酸エステルの群、または不飽和ウレタンの群、例えばアクリルウレタン、メタクリルウレタン、α−α’ジメチル−イソプロペニル−ベンジルウレタン、アリルウレタン、または置換されていようとなかろうと、アリルもしくはビニルエステルの群、もしくはまたエチレン性不飽和アミドもしくはイミドの群に属する、不飽和重合性基を含有する基を表し、
R’は、水素もしくは1から40個の炭素原子を有する炭化水素化基、またはイオン性もしくはイオン化可能な基、例えばホスフェート、ホスホネート、スルフェート、スルホネート、カルボン酸、または実際のところ一級、二級もしくは三級アミン、または四級アンモニウム、または実際のところこれらの配合物を表し、優先的には1から12個の炭素原子を有する炭化水素化基、非常に優先的には1から4個の炭素原子を有する炭化水素化基を表す。)
もしくは式(I)の幾つかのモノマーの配合物、
c)おそらくは、アクリルアミドもしくはメタクリルアミド型の少なくとも1種類のモノマーまたはこれらの誘導体、例えばN−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミドもしくはN−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミドおよびこれらの配合物、もしくはまた少なくとも1種類の非水溶性モノマー、例えばアルキルアクリレートもしくはメタクリレート、不飽和エステル、例えばN−[2−(ジメチルアミノ)エチル]メタクリレートもしくはN−[2−(ジメチルアミノ)エチル]アクリレート、ビニル、例えば酢酸ビニル、ビニルピロリドン、スチレン、アルファメチルスチレンおよびこれらの誘導体、または少なくとも1種類のカチオン性モノマーもしくは四級アンモニウム、例えば塩化もしくは硫酸[2−(メタクリロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウム、塩化もしくは硫酸[2−(アクリロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウム、塩化もしくは硫酸[3−(アクリルアミド)プロピル]トリメチルアンモニウム、塩化もしくは硫酸ジメチルジアリルアンモニウム、塩化もしくは硫酸[3−(メタクリルアミド)プロピル]トリメチルアンモニウム、もしくはまた少なくとも1種類の有機フルオレートモノマー、もしくはまた少なくとも1種類の有機シリレートモノマー、またはこれらの配合物、
d)並びに、おそらくは、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、アリルアクリレート、アリルマレエート、メチレン−ビス−アクリルアミド、メチレン−ビス−メタクリルアミド、テトラアリルオキシエタン、トリアリルシアヌレート、ポリオール、例えばペンタエリスリトール、ソルビトール、スクロースから得られるアリルエーテルもしくはこれらの配合物によって構成される群から優先的に選択される、少なくとも1種類の架橋性モノマー。
【0071】
本発明による塩素化熱可塑性材料は、相溶剤として用いられる櫛形ポリマーが、重量表示で、以下からなることも特徴とし、
a)エチレン性不飽和並びに、アクリルもしくはメタクリル酸もしくはまた二酸ヘミエステル、例えばマレイン酸もしくはイタコン酸のCからCモノエステルのうちから優先的に選択され、またはエチレン性不飽和およびジカルボン酸官能性を有するモノマーのうちから、および優先的にはイタコン酸もしくはマレイン酸のうちから選択され、もしくはまたカルボン酸の無水物、例えば優先的には無水マレイン酸のうちから選択され、またはエチレン性不飽和およびスルホン酸官能性、例えば優先的にはアクリルアミド−メチル−プロパン−スルホン酸、ナトリウムメタリルスルホネート、ビニルスルホン酸およびスチレンスルホン酸を有するモノマーのうちから選択され、もしくはまたエチレン性不飽和およびリン酸官能性、例えば優先的にはビニルリン酸、エチレングリコールメタクリレートホスフェート、プロピレングリコールメタクリレートホスフェート、エチレングリコールアクリレートホスフェート、プロピレングリコールアクリレートホスフェートおよびこれらのエトキシレートを有するモノマーのうちから選択され、もしくはまたエチレン性不飽和およびホスホン酸官能性、例えばビニルホスホン酸を有するモノマーのうちから選択されるモノカルボン酸官能性を有する、少なくとも1種類のアニオン性モノマーまたはこれらのモノマーの配合物2%から95%、優先的には5%から50%、非常に優先的には5%から25%、
b)少なくとも1種類の、下記式(I)のエチレン性不飽和を有する非イオン性モノマー、
【0072】
【化8】

(式中、
mおよびpは、150以下のアルキレンオキシド基の数を表し、
nは、150以下のエチレンオキシド基の数を表し、
qは、少なくとも1に等しく、5≦(m+n+p)q≦150であるような、優先的には15≦(m+n+p)q≦120であるような整数を表し、
は、水素またはメチルもしくはエチル基を表し、
は、水素またはメチルもしくはエチル基を表し、
Rは、優先的にはビニルの群、またはアクリル、メタクリル、マレイン酸エステルの群、または不飽和ウレタンの群、例えばアクリルウレタン、メタクリルウレタン、α−α’ジメチル−イソプロペニル−ベンジルウレタン、アリルウレタン、または置換されていようとなかろうと、アリルもしくはビニルエステルの群、もしくはまたエチレン性不飽和アミドもしくはイミドの基に群する、不飽和重合性基を含有する基を表し、
R’は、水素もしくは1から40個の炭素原子を有する炭化水素化基、またはイオン性もしくはイオン化可能な基、例えばホスフェート、ホスホネート、スルフェート、スルホネート、カルボン酸、または実際のところ一級、二級もしくは三級アミン、または四級アンモニウム、または実際のところこれらの配合物を表し、優先的には1から12個の炭素原子を有する炭化水素化基、非常に優先的には1から4個の炭素原子を有する炭化水素化基を表す。)
もしくは式(I)の幾つかのモノマーの配合物2%から95%、優先的には50%から95%、非常に優先的には70%から95%、
c)アクリルアミドもしくはメタクリルアミド型の少なくとも1種類のモノマーまたはこれらの誘導体、例えばN−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミドもしくはN−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミドおよびこれらの配合物、もしくはまた少なくとも1種類の非水溶性モノマー、例えばアルキルアクリレートもしくはメタクリレート、不飽和エステル、例えばN−[2−(ジメチルアミノ)エチル]メタクリレートもしくはN−[2−(ジメチルアミノ)エチル]アクリレート、ビニル、例えば酢酸ビニル、ビニルピロリドン、スチレン、アルファメチルスチレンおよびこれらの誘導体、または少なくとも1種類のカチオン性モノマーもしくは四級アンモニウム、例えば塩化もしくは硫酸[2−(メタクリロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウム、塩化もしくは硫酸[2−(アクリロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウム、塩化もしくは硫酸[3−(アクリルアミド)プロピル]トリメチルアンモニウム、塩化もしくは硫酸ジメチルジアリルアンモニウム、塩化もしくは硫酸[3−(メタクリルアミド)プロピル]トリメチルアンモニウム、もしくはまた1種類の有機フルオレートモノマー、もしくはまた1種類の有機シリレートモノマー、またはこれらの配合物0%から50%、
d)エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、アリルアクリレート、アリルマレエート、メチレン−ビス−アクリルアミド、メチレン−ビス−メタクリルアミド、テトラアリルオキシエタン、トリアリルシアヌレート、ポリオール、例えばペンタエリスリトール、ソルビトール、スクロースから得られるアリルエーテルもしくはこれらの配合物によって構成される群から優先的に選択される、少なくとも1種類の架橋性モノマー0%から3%、
ここで、成分a)、b)、c)およびd)の合計割合は100%に等しい。
【0073】
本発明に従って用いられるポリマーは、触媒系および移動剤の存在下、溶液中、直接もしくは逆エマルジョン中、懸濁液中での基重合または溶媒中での沈殿の方法により、もしくはまた制御された基重合の方法により、優先的には窒素酸化物介在重合(NMP)もしくはコバロキシムにより、原子移動基重合(ATRP)により、カルバメート、ジチオエステルもしくはトリチオカーボネート(RAFT)のうちから選択される硫化誘導体またはキサンテートによる制御された基重合により得られる。
【0074】
酸形態で得られ、おそらくは、蒸留されているこのポリマーは、一価中和機能もしくは多価中和機能を有する1種類以上の中和剤、例えば一価機能については、アルカリ性カチオン、非常に優先的にはナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウムまたは一級、二級もしくは三級脂肪族および/もしくは環状アミン、例えばステアリルアミン、エタノールアミン(モノ−、ジ−、トリエタノールアミン)、モノ−およびジエチルアミン、シクロヘキシルアミン、メチルシクロヘキシルアミン、アミノメチルプロパノール、モルホリンによって構成される群から選択されるもの、もしくはまた、多価機能については、アルカリ土類二価カチオン、非常に優先的にはマグネシウムおよびカルシウム、もしくはまた亜鉛、並びにその上、非常に優先的にはアルミニウムである三価カチオン、もしくはまたより高い原子価の特定のカチオンによって構成される群から選択されるものにより、部分的に、もしくは全体的に、中和されていてもよい。
【0075】
各々の中和剤は各原子価機能に固有の中和速度で作用する。
【0076】
別の変種によると、重合反応から派生するポリマーは、全体的もしくは部分的な中和反応の前もしくは後に、当業者に公知の静的もしくは動的プロセスに従い、特に水、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、テトラヒドロフランもしくはこれらの配合物によって構成される群に属する、1種類以上の極性溶媒によって処理し、幾つかの相に分離することもできる。
【0077】
これらの相のうちの1つが、本発明に従って用いられるポリマーに相当する。
【0078】
別の変種によると、前記ポリマーは乾燥させることができる。
【0079】
本発明の範囲および利点は、決して限定的ではない、以下の実施例によってより良好に理解される。
【発明を実施するための形態】
【0080】
実施例
すべての実施例において、用いられるポリマーの分子量は、以下で説明される方法に従い、立体排除クロマトグラフィー(CES)によって決定される。
【0081】
ポリマー溶液1mlをカプセルに入れた後、周囲温度、ベーンポンプ真空中で蒸発させる。溶質をCESの溶離液1mlによって回復させた後、全体をCES機器に注入する。CES溶離液はNaHCO溶液である。0.05mole/l、NaNO:0.1mole/L、トリエチルアミン0.02mole/L、NaN 0.03質量%。CESチェーンは、流速が0.5ml/分に制御されるアイソクラチックポンプ(Waters(商標)515)、「Guard Column Ultrahydrogel Waters(商標)」型のプレカラム、内径7.8mmおよび長さ30cmと測定される「Ultrahydrogel Waters(商標)」型の直線カラム並びにRI Waters(商標)410型の屈折計型検出器を収容するキルンを含む。キルンは60℃の温度まで、屈折計は50℃まで加熱する。クロマトグラムの検出および処理アプリケーションは「L.M.O.P.S.CNRS,Chemin du Canal,Vernaison,69277」によって供給されるSECentialアプリケーションである。CESはPolymer Standards Service(商標)によって供給される5つのナトリウムポリ(アクリレート)標準の系列によって較正する。
【実施例1】
【0082】
この実施例は、窓枠である建築材料の製造を目的とする塩素化熱可塑性材料の製造方法における本発明による櫛形ポリマーの使用を説明する。
【0083】
この実施例は、本発明に従って得られる塩素化熱可塑性材料も説明する。
【0084】
これらの塩素化熱可塑性材料はPVC樹脂、炭酸カルシウムおよび櫛形ポリマーを含有する。炭酸カルシウムおよび櫛形ポリマーは、前記ポリマーの存在下における炭酸カルシウムの水性媒体中での粉砕段階およびステアリン酸の存在下における得られた懸濁液の乾燥(モード1)から得られる、乾燥粉末の形態で導入した。
【0085】
炭酸カルシウムが従来技術に従って粉砕助剤と共に粉砕された後、ステアリンの存在下で乾燥されており、用いられるステアリンの量が本発明におけるものよりも多い、同じ塩素化熱可塑性組成物によって参照が構成される。
【0086】
この実施例は、PVC樹脂100乾燥重量部に対して炭酸カルシウム16乾燥重量部を用いる。
【0087】
塩素化熱可塑性材料の組成
試験番号1および2の各々について、製造される塩素化熱可塑性組成物は以下を用いる。
【0088】
ARKEMA(商標)社によってLacovyl(商標)S110Pの名称で販売されるPVC樹脂
KRONOS(商標)社によってKronos(商標)2200の名称で販売される二酸化チタン
BARLOCHER(商標)社によってOne Pack Baeropan(商標)の名称で販売される熱安定化剤
LAPASSE ADDITIVES CHEMICALS(商標)社によってLacowax(商標)EPの名称で販売される潤滑剤
ARKEMA(商標)社によってDurastrength(商標)320の名称で販売される、コア−スキン型の有機耐衝撃性改質剤添加物
粉末形態の炭酸カルシウム(この製造は以下でより詳細に記載される。)
本発明による櫛形ポリマーもしくは従来技術の研磨剤(この性質は以下でより詳細に記載される。)
用いられる量は表1に示されている。
【0089】
炭酸カルシウムの乾燥粉末の入手
従来技術の研磨剤もしくは本発明による櫛形ポリマーと共に粉砕することによって得られる炭酸カルシウムの水性懸濁液を、NIRO(商標)社によって販売されるNiro Minor Mobile 2000型の乾燥機能を用いて、粉末形態に乾燥した。
【0090】
この乾燥の特徴は以下のものである。
【0091】
気体導入口温度:350℃
気体排出口温度:102から105℃
換気99%開口
気圧:4バール
【0092】
乾燥PVC配合物の製造
試験番号1および2の両者に対して、塩素化熱可塑性材料の組成物において用いられる異なる構成成分を混合することによって開始する。このような配合は当業者に周知の方法に従って行う。
【0093】
乾燥PVC配合物の押出し
すべての乾燥配合物を、2軸スクリュー並びにシートおよびプレートダイ(25mm×3mm)が取り付けられたThermoelectron Polylab(商標)システムで押し出した。
次に、このPVCプロフィールを15℃、水浴中で較正し、Yvroudシステムで積層する。押出しパラメータは、
4つのゾーンの温度:170から180から185から190℃
スクリュー速度:30rpm
である。
【0094】
耐衝撃性の測定
耐衝撃性測定は標準British Standard BS7413:2003に従って行う。測定値は、MUTRONIC(商標)社によって販売されるDiadisc(商標)4200機で製造された10の試験サンプルのバッチ全体を平均した。
【0095】
明度測定
明度測定は、60°で、BYK−GARDNER(商標)社によって販売されるTri−Gloss分光光度計を用いて行った。
【0096】
試験番号1
この試験は従来技術を説明する。
【0097】
これは炭酸カルシウムの水性懸濁液を用い、この粒子の78重量%は、MICROMERITICS(商標)社によって販売されるSedigraph(商標)5100型の装置による測定で、1μm未満の直径を有し、湿潤媒体中で炭酸カルシウムを、炭酸塩の乾燥重量に対して、従来技術のアクリルホモポリマー0.7乾燥重量%と共に粉砕することによって得られる。
【0098】
前記懸濁液を、従来記述される方法に従い、炭酸カルシウムの乾燥重量に対するステアリン酸1.5乾燥重量%の存在下で乾燥させた。
【0099】
試験番号2
この試験は本発明を説明する。
【0100】
これは炭酸カルシウムの水性懸濁液を用い、この粒子の72重量%は、MICROMERITICS(商標)社によって販売されるSedigraph(商標)5100型の装置による測定で、1μm未満の直径を有し、炭酸カルシウムを、炭酸カルシウムの乾燥重量に対して、
分子量5,000g/moleのメトキシポリエチレングリコールメタクリレート92重量%、
アクリル酸8%、
の水中での制御された基重合法によって得られ、およびソーダによって全体的に中和された、分子量35,000g/moleの櫛形ポリマー0.7乾燥重量%と共に粉砕することによって得られる。
【0101】
前記懸濁液を、従来記述される方法に従い、炭酸カルシウムの乾燥重量に対するステアリン酸0.45乾燥重量%の存在下で乾燥させた。
【0102】
試験1および2の配合物の組成を、得られた耐衝撃性および明度値と共に、表1に示す。
【0103】
【表1】

【0104】
耐衝撃性の試験の観点で試験番号1で観察される特性は脆弱なタイプの特性であり、これに対して試験番号2では延性タイプの特性が観察される。
【0105】
表1の結果は、本発明の場合に、即ち、用いられるステアリン酸の量を減少させることを可能にする本発明によるポリマーの使用により(ステアリン酸の量は2で割られる。)、改善された耐衝撃性を示す。
【0106】
表1の結果は、本発明の場合に、即ち、用いられるステアリン酸の量を減少させることを可能にする本発明によるポリマーの使用により、明度が改善されることも示す。
【0107】
これらの結果は格別に驚くべきものであり、試験1において用いられる炭酸カルシウムの粒度分布(granulometry)が試験2におけるものよりも細かいため、当業者は試験2よりも試験1においてより高い耐衝撃性および明度が得られるものと期待している。従って、これらの結果は、本発明のよるポリマーの使用が、特に用いられるステアリン酸の量を減少させながら、炭酸カルシウムとPVC樹脂との相溶性の改善を可能にすることを示す。
【実施例2】
【0108】
この実施例は、窓枠である建築材料の製造を目的とする塩素化熱可塑性材料の製造方法における、本発明による櫛形ポリマーの使用を説明する。
【0109】
この実施例は本発明に従って得られる塩素化熱可塑性材料も説明する。
【0110】
これらの塩素化熱可塑性材料はPVC樹脂および炭酸カルシウムを含有する。炭酸カルシウムおよび櫛形ポリマーは、
前記ポリマーの存在下における水性媒体中での炭酸カルシウム粉砕およびステアリン酸の存在下における得られた懸濁液の乾燥の段階(モード1)、
もしくは前記ポリマーと従来技術に従って予め粉砕された炭酸カルシウムの懸濁液との配合およびステアリン酸なしでの得られた懸濁液の乾燥の段階(モード3)、
から得られる乾燥粉末の形態で導入した。
【0111】
炭酸カルシウムがアクリルポリマーと共に従来技術に従って粉砕された後、ステアリンの存在下で乾燥され、用いられるステアリンの量が本発明を説明するすべての試験におけるものよりも多い、同じ塩素化熱可塑性組成物によって参照が構成される。
【0112】
この実施例はPVC樹脂100重量部に対して炭酸カルシウム8重量部を用いる。
【0113】
試験番号3から11の各々について、製造された塩素化熱可塑性組成物は実施例1と同じ構成成分を用いる;用いられる量は表2に示される。
【0114】
炭酸カルシウムの乾燥粉末は実施例1に記載されるものと同じプロトコルを用いて乾燥させた。
【0115】
乾燥PCV配合物を実施例1におけるように製造した後、実施例1に従って押し出す。
【0116】
同様に、耐衝撃性を実施例1におけるように決定する。
【0117】
試験番号3
この試験は従来技術を説明する。
【0118】
これは炭酸カルシウムの水性懸濁液を用い、この粒子の67重量%は、MICROMERITICS(商標)社によって販売されるSedigraph(商標)5100型の装置による測定で、1μm未満の直径を有し、湿潤媒体中で炭酸カルシウムを、炭酸塩の乾燥重量に対して、従来技術によるアクリルホモポリマー0.7乾燥重量%と共に粉砕することによって得られる。
【0119】
前記懸濁液を、従来記述される方法に従い、炭酸カルシウムの乾燥重量に対するステアリン酸1.1乾燥重量%の存在下で乾燥させた。
【0120】
試験番号4
この試験は本発明を説明する。
【0121】
これは炭酸カルシウムの水性懸濁液を用い、この粒子の67重量%は、MICROMERITICS(商標)社によって販売されるSedigraph(商標)5100型の装置による測定で、1μm未満の直径を有し、炭酸カルシウムを、炭酸カルシウムの乾燥重量に対して、
分子量5,000g/moleのメトキシポリエチレングリコールメタクリレート78重量%、
アクリル酸4%、
メタクリル酸18%
の水中での制御された基重合法によって得られ、およびソーダによって全体的に中和された、分子量35,000g/moleの櫛形ポリマー0.7乾燥重量%と共に粉砕することによって得られる。
【0122】
前記懸濁液を、ステアリン酸なしに、従来記述される方法に従って乾燥させた。
【0123】
試験番号5
この試験は本発明を説明する。
【0124】
これは炭酸カルシウムの水性懸濁液を用い、この粒子の67重量%は、MICROMERITICS(商標)社によって販売されるSedigraph(商標)5100型の装置による測定で、1μm未満の直径を有し、炭酸カルシウムを、炭酸カルシウムの乾燥重量に対して、
分子量5,000g/moleのメトキシポリエチレングリコールメタクリレート92重量%、
アクリル酸8%、
の水中での制御された基重合法によって得られ、およびソーダによって全体的に中和された、分子量35,000g/moleの櫛形ポリマー0.7乾燥重量%と共に粉砕することによって得られる。
【0125】
前記懸濁液を、ステアリン酸なしに、従来記述される方法に従って乾燥させた。
【0126】
試験番号6
この試験は本発明を説明する。
【0127】
これは炭酸カルシウムの水性懸濁液を用い、この粒子の67重量%は、MICROMERITICS(商標)社によって販売されるSedigraph(商標)5100型の装置による測定で、1μm未満の直径を有し、炭酸カルシウムを、炭酸カルシウムの乾燥重量に対して、
分子量5,000g/moleのメトキシポリエチレングリコールメタクリレート92重量%、
アクリル酸8%、
の水中での制御された基重合法によって得られ、およびソーダによって全体的に中和された、分子量35,000g/moleの櫛形ポリマー0.7乾燥重量%と共に粉砕することによって得られる。
【0128】
前記懸濁液を、従来記述される方法に従い、炭酸カルシウムの乾燥重量に対するステアリン酸0.45乾燥重量%の存在下で乾燥させた。
【0129】
試験番号7
この試験は本発明を説明する。
【0130】
これは炭酸カルシウムの水性懸濁液を用い、この粒子の67重量%は、MICROMERITICS(商標)社によって販売されるSedigraph(商標)5100型の装置による測定で、1μm未満の直径を有し、炭酸カルシウムを、炭酸カルシウムの乾燥重量に対して、
分子量5,000g/moleのメトキシポリエチレングリコールメタクリレート92重量%、
アクリル酸8%、
の水中での制御された基重合法によって得られ、およびソーダによって全体的に中和された、分子量35,000g/moleの櫛形ポリマー0.7乾燥重量%と共に粉砕することによって得られる。
【0131】
前記懸濁液を、従来記述される方法に従い、炭酸カルシウムの乾燥重量に対するステアリン酸0.90乾燥重量%の存在下で乾燥させた。
【0132】
試験番号8
この試験は本発明を説明する。
【0133】
これは炭酸カルシウムの水性懸濁液を用い、この粒子の67重量%は、MICROMERITICS(商標)社によって販売されるSedigraph(商標)5100型の装置による測定で、1μm未満の直径を有し、炭酸カルシウムを、炭酸カルシウムの乾燥重量に対して、
分子量5,000g/moleのメトキシポリエチレングリコールメタクリレート92重量%、
アクリル酸8%、
の水中での制御された基重合法によって得られ、およびソーダによって全体的に中和された、分子量35,000g/moleの櫛形ポリマー0.5乾燥重量%と共に粉砕することによって得られる。
【0134】
前記懸濁液を、ステアリン酸なしに、従来記述される方法に従って乾燥させた。
【0135】
試験番号9
この試験は本発明を説明する。
【0136】
これは炭酸カルシウムの水性懸濁液を用い、この粒子の67重量%は、MICROMERITICS(商標)社によって販売されるSedigraph(商標)5100型の装置による測定で、1μm未満の直径を有し、炭酸カルシウムを、炭酸カルシウムの乾燥重量に対して、
分子量5,000g/moleのメトキシポリエチレングリコールメタクリレート92重量%、
アクリル酸8%、
の水中での制御された基重合法によって得られ、およびソーダによって全体的に中和された、分子量35,000g/moleの櫛形ポリマー0.5乾燥重量%と共に粉砕することによって得られる。
【0137】
前記懸濁液を、従来記述される方法に従い、炭酸カルシウムの乾燥重量に対するステアリン酸0.45乾燥重量%の存在下で乾燥させた。
【0138】
試験番号10
この試験は本発明を説明する。
【0139】
これは炭酸カルシウムの水性懸濁液を用い、この粒子の67重量%は、MICROMERITICS(商標)社によって販売されるSedigraph(商標)5100型の装置による測定で、1μm未満の直径を有し、炭酸カルシウムを、炭酸カルシウムの乾燥重量に対するアクリル酸のホモポリマー0.7乾燥重量%と共に粉砕した後、得られた懸濁液中で、
分子量5,000g/moleのメトキシポリエチレングリコールメタクリレート71.5重量%、
19のオキシプロピレンの基を含有するブトキシポリオキシプロピレンヘミマレエート2.9%、
エチレングリコールメタクリレート4.9%、
6のエチレンオキシドの基を有するエチレングリコールホスフェート20.7%、
の水中での制御された基重合法によって得られ、およびソーダによって全体的に中和された、分子量42,400g/moleの櫛形ポリマーを配合することによって得られる。
【0140】
前記懸濁液を、ステアリン酸なしに、従来記述される方法に従って乾燥させた。
【0141】
試験番号11
この試験は本発明を説明する。
【0142】
これは炭酸カルシウムの水性懸濁液を用い、この粒子の67重量%は、MICROMERITICS(商標)社によって販売されるSedigraph(商標)5100型の装置による測定で、1μm未満の直径を有し、炭酸カルシウムを、炭酸カルシウムの乾燥重量に対するアクリル酸のホモポリマー0.7乾燥重量%と共に粉砕した後、得られた懸濁液中で、
分子量5,000g/moleのメトキシポリエチレングリコールメタクリレート78重量%、
アクリル酸8%、
メタクリル酸18%、
の水中での制御された基重合法によって得られ、およびソーダによって全体的に中和された、分子量35,000g/moleの櫛形ポリマーを配合することによって得られる。
【0143】
前記懸濁液を、ステアリン酸なしに、従来記述される方法に従って乾燥させた。
【0144】
試験3から11の配合物の組成を、得られた耐衝撃性および明度値と共に、表2に示す。
【0145】
【表2】

【0146】
すべての破損は脆弱型の破損である。
【0147】
表2の結果は、粉砕の段階の最中での、従来技術に等しい量での、本発明のよるポリマーの使用が、従来技術におけるものよりも少ないステアリン酸の量で、従来技術に対するものよりも良好な耐衝撃性および明度につながる(試験3と比較した試験4、5、6および7)ことを示す。試験4および5は、粉砕段階の最中での本発明におるポリマーの使用が、ステアリン酸での処理を完全に排除することを可能にすることさえ示す。
【0148】
表2は、粉砕の段階の最中での、従来技術において用いられるものよりも少ない量での、本発明によるポリマーの使用が、従来技術におけるものよりも少ないステアリン酸の量で、従来技術に対するものよりも高い耐衝撃性および明度(試験3と比較した試験8および9)につながることも示す。
【0149】
最後に、表2は、予め粉砕された炭酸カルシウムと従来技術によるポリマーとの配合の段階の最中での本発明によるポリマーの使用が、ステアリン酸での処理を完全に排除しながら、従来技術に対するものよりも高い耐衝撃性および明度(試験3と比較した試験10および11)につながることを示す。
【0150】
従って、これらの結果は、本発明によるポリマーの使用が、特に用いられるステアリン酸の量を減少させ、もしくはステアリン酸を完全に排除しながら、炭酸カルシウムとPVC樹脂との相溶性の改善を可能にすることを示す。
【実施例3】
【0151】
この実施例は、窓枠である建築材料の製造を目的とする塩素化熱可塑性材料の製造方法における、本発明による櫛形ポリマーの使用を説明する。
【0152】
この実施例は、本発明に従って得られる塩素化熱可塑性材料も説明する。
【0153】
これらの塩素化熱可塑性材料はPVC樹脂、炭酸カルシウムおよび櫛形ポリマーを含有する。炭酸カルシウムおよび櫛形ポリマーは、前記ポリマーを従来技術に従って粉砕助剤と共に予め粉砕された炭酸カルシウムの懸濁液と配合し、得られた懸濁液を、おそらくはステアリン酸の存在下で、乾燥させる段階(モード3)から得られる乾燥粉末の形態で導入した。
【0154】
炭酸カルシウムが従来技術に従って同じ粉砕助剤と共に粉砕された後、ステアリン酸の存在下で乾燥され、用いられるステアリンの量が本発明を説明するすべての試験におけるものよりも多い、同じ塩素化熱可塑性組成物によって参照が構成される。
【0155】
この実施例は、PVC樹脂100乾燥重量部に対して炭酸カルシウム8乾燥重量部を用いる。
【0156】
この実施例と実施例2との相異は用いられる炭酸カルシウムの粒度分布にある。
【0157】
試験番号12から15の各々について、製造される塩素化熱可塑性組成物は実施例1と同じ構成成分を用いる;用いられる量は表2に示される。
【0158】
炭酸カルシウムの乾燥粉末は実施例1に記載されるものと同じプロトコルを用いて乾燥させた。
【0159】
乾燥PVC配合物を実施例1におけるように製造した後、実施例1に従って押し出す。
【0160】
同様に、耐衝撃性を実施例1におけるように決定する。
【0161】
試験番号12
この試験は従来技術を説明する。
【0162】
これは炭酸カルシウムの水性懸濁液を用い、この粒子の78重量%は、MICROMERITICS(商標)社によって販売されるSedigraph(商標)5100型の装置による測定で、1μm未満の直径を有し、湿潤媒体中で炭酸カルシウムを、炭酸塩の乾燥重量に対して、従来技術によるアクリルホモポリマー0.7乾燥重量%と共に粉砕することによって得られる。
【0163】
前記懸濁液を、従来記述される方法に従い、炭酸カルシウムの乾燥重量に対するステアリン酸1.1乾燥重量%の存在下で乾燥させた。
【0164】
試験番号13
この試験は本発明を説明する。
【0165】
これは炭酸カルシウムの水性懸濁液を用い、この粒子の78重量%は、MICROMERITICS(商標)社によって販売されるSedigraph(商標)5100型の装置による測定で、1μm未満の直径を有し、炭酸カルシウムを、炭酸カルシウムの乾燥重量に対して、従来技術によるアクリルホモポリマー0.7乾燥重量%と共に粉砕した後、
分子量5,000g/moleのメトキシポリエチレングリコールメタクリレート92重量%、
アクリル酸8%、
の水中での制御された基重合法によって得られ、およびソーダによって全体的に中和された、分子量35,000g/moleの櫛形ポリマーを配合することによって得られる。
【0166】
前記懸濁液を、ステアリン酸なしに、従来記述される方法に従って乾燥させた。
【0167】
試験番号14
この試験は本発明を説明する。
【0168】
これは炭酸カルシウムの水性懸濁液を用い、この粒子の78重量%は、MICROMERITICS(商標)社によって販売されるSedigraph(商標)5100型の装置による測定で、1μm未満の直径を有し、炭酸カルシウムを、炭酸カルシウムの乾燥重量に対して、従来技術によるアクリルホモポリマー0.7乾燥重量%と共に粉砕した後、
分子量5,000g/moleのメトキシポリエチレングリコールメタクリレート92重量%、
アクリル酸8%、
の水中での制御された基重合法によって得られ、およびソーダによって全体的に中和された、分子量35,000g/moleの櫛形ポリマーを配合することによって得られる。
【0169】
前記懸濁液を、炭酸カルシウムの乾燥重量に対するステアリン酸0.45乾燥重量%の存在下なしに、従来記述される方法に従って乾燥させた。
【0170】
試験番号15
この試験は本発明を説明する。
【0171】
これは炭酸カルシウムの水性懸濁液を用い、この粒子の78重量%は、MICROMERITICS(商標)社によって販売されるSedigraph(商標)5100型の装置による測定で、1μm未満の直径を有し、炭酸カルシウムを、炭酸カルシウムの乾燥重量に対して、従来技術によるアクリルホモポリマー0.7乾燥重量%と共に粉砕した後、
分子量5,000g/moleのメトキシポリエチレングリコールメタクリレート92重量%、
アクリル酸8%、
の水中での制御された基重合法によって得られ、およびソーダによって全体的に中和された、分子量35,000g/moleの櫛形ポリマーを配合することによって得られる。
【0172】
前記懸濁液を、炭酸カルシウムの乾燥重量に対するステアリン酸0.90乾燥重量%の存在下で、従来記述される方法に従って乾燥させた。
【0173】
試験12から15の配合物の組成を、得られた耐衝撃性および明度値と共に、表3に示す。
【0174】
【表3】

【0175】
すべての破損は脆弱型の破損である。
【0176】
表3の結果は、粉砕の段階の最中での、従来技術に等しい量での本発明によるポリマーの使用が、従来技術におけるものより少ないステアリン酸の量で、従来技術に対して改善された耐衝撃性および明度(試験12と比較した試験13、14および15)につながることを示す。
【0177】
試験13は、粉砕段階の最中での本発明によるポリマーの使用が、ステアリン酸での処理を完全に排除することを可能にすることさえも示す。
【0178】
従って、これらの結果は、本発明によるポリマーの使用が、特に用いられるステアリン酸の量を減少させながら、もしくはステアリン酸を完全に排除することにより、炭酸カルシウムとPVC樹脂との相溶性の改善を可能にすることを示す。
【実施例4】
【0179】
この実施例は、窓の外装材である建築材料の製造を目的とする塩素化熱可塑性材料の製造方法における、本発明による櫛形ポリマーの使用を説明する。
【0180】
この実施例は本発明による塩素化熱可塑性材料も説明する。
【0181】
これらの塩素化熱可塑性材料は、PVC樹脂、炭酸カルシウムおよび櫛形ポリマーを含有する。炭酸カルシウムおよび櫛形ポリマーは、水性媒体中での炭酸カルシウムの粉砕の後の配合および、ステアリン酸の存在下における、得られた懸濁液の乾燥の段階(モード3)から得られる、乾燥粉末の形態で導入した。
【0182】
従来技術に従って粉砕助剤と共に粉砕した後、ステアリンの存在下で乾燥させた炭酸カルシウムを含有し、用いられるステアリンの量が本発明を説明するすべての試験におけるものよりも多い、同じ塩素化熱可塑性組成物によって参照が構成される。
【0183】
この実施例はPVC樹脂100乾燥重量部に対して炭酸カルシウム20乾燥重量部を用いる。
【0184】
炭酸カルシウムの乾燥粉末は実施例1に記載されるものと同じプロトコルを用いて乾燥させた。
【0185】
乾燥PVC配合物を実施例1におけるように製造した後、Haake(商標)押出機によって押し出す。押出しパラメータは、
4つのゾーンの温度:170から180から185から190℃
スクリュー速度:毎分30回転
である。
【0186】
耐衝撃性は、標準ASTM D4226に従って行われる、「Gardner試験」として知られる試験に従って決定する。
【0187】
試験番号16から18の各々について、製造される塩素化熱可塑性組成物は以下を用いる。
【0188】
Georgia Gulf(商標)1091 PVC樹脂、
ARKEMA社によって販売される、Thermolite(商標)176熱安定化剤、
CLARIANT社によって販売される、Licolube(商標)ポリエチレンワックス、
HONEYWELL”によって販売される、酸化AC 629 A ポリエチレンワックス、
ステアリン酸カルシウム、
ROHM&HAAS(商標)によって販売される、K120N加工剤、
ROHM&HAAS(商標)によって販売される、Paraloid(商標)耐衝撃性改質剤、
DUPONT(商標)によって販売される、R−960二酸化チタン、
この製造が以下により詳細に記載される、粉末形態の炭酸カルシウム、
この性質が以下により詳細に記載される、本発明による櫛形ポリマーもしくは従来技術によるアクリルポリマー。
【0189】
用いられる量は表4に示されている。
【0190】
試験番号16
この試験は従来技術を説明する。
【0191】
これは炭酸カルシウムの水性懸濁液を用い、この粒子の65重量%は、MICROMERITICS(商標)社によって販売されるSedigraph(商標)5100型の装置による測定で、1μm未満の直径を有し、湿潤媒体中で炭酸カルシウムを、炭酸塩の乾燥重量に対して、従来技術によるアクリルホモポリマー0.4乾燥重量%と共に粉砕することによって得られる。
【0192】
前記懸濁液を、従来記述される方法に従い、炭酸カルシウムの乾燥重量に対するステアリン酸1.25乾燥重量%の存在下で乾燥させた。
【0193】
試験番号17
この試験は本発明を説明する。
【0194】
これは炭酸カルシウムの水性懸濁液を用い、この粒子の65重量%は、MICROMERITICS(商標)社によって販売されるSedigraph(商標)5100型の装置による測定で、1μm未満の直径を有し、炭酸カルシウムを、炭酸カルシウムの乾燥重量に対して、従来技術によるアクリルポリマー0.4乾燥重量%と共に粉砕した後、炭酸カルシウムの乾燥重量に対して、
分子量5,000g/moleのメトキシポリエチレングリコールメタクリレート92重量%、
アクリル酸8%、
の水中での制御された基重合法によって得られ、およびソーダによって全体的に中和された、分子量35,000g/moleの櫛形ポリマー0.75乾燥重量%と配合することによって得られる。
【0195】
前記懸濁液を、炭酸カルシウムの乾燥重量に対するステアリン酸0.45乾燥重量%の存在下で、従来記述される方法に従って乾燥させた。
【0196】
試験番号18
この試験は本発明を説明する。
【0197】
これは炭酸カルシウムの水性懸濁液を用い、この粒子の65重量%は、MICROMERITICS(商標)社によって販売されるSedigraph(商標)5100型の装置による測定で、1μm未満の直径を有し、炭酸カルシウムを、炭酸カルシウムの乾燥重量に対して、従来技術によるアクリルポリマー0.7乾燥重量%と共に粉砕した後、炭酸カルシウムの乾燥重量に対して、
分子量5,000g/moleのメトキシポリエチレングリコールメタクリレート92重量%、
アクリル酸8%、
の水中での制御された基重合法によって得られ、およびソーダによって全体的に中和された、分子量35,000g/moleの櫛形ポリマー0.85乾燥重量%と配合することによって得られる。
【0198】
前記懸濁液を、炭酸カルシウムの乾燥重量に対するステアリン酸0.45乾燥重量%の存在下で、従来記述される方法に従って乾燥させた。
【0199】
試験16から18の配合物の組成を、−10℃、0℃および23℃で測定して得られた耐衝撃性値と共に、表4に示す。
【0200】
【表4】

【0201】
これらの結果は、本発明によるポリマーの使用が、本発明の場合において用いられるものよりも多いステアリン酸の量での従来技術によるポリマーの使用と比較して、3つの異なる温度で、改善された耐衝撃性につながることを明瞭に示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無機充填剤の相溶剤としての、少なくとも1種類の無機充填剤を含有する塩素化熱可塑性材料の製造方法における、少なくとも1種類のポリマーの使用であって、これがエチレン性不飽和を有する少なくとも1種類のアニオン性モノマー上にグラフト化された少なくとも1つのポリアルキレンオキシド基を含有する櫛形ポリマーであることを特徴とする使用。
【請求項2】
前記櫛形ポリマーが、塩素化熱可塑性材料の製造方法の最中に、以下の方法に依存して用いられることを特徴とする、請求項1に記載の使用、
1.以下の段階、
前記ポリマーの存在下、並びにおそらくは、水性媒体中の少なくとも1種類の他の研磨剤および/もしくは少なくとも1種類の他の分散剤の存在下における、水性媒体中での無機充填剤の粉砕および/もしくは分散、
前記ポリマーの導入の可能性および得られる粉末の処理とこれに続く分類の可能性を伴う、得られる無機材料の分散液および/もしくは水性懸濁液の乾燥、
から生じる乾燥粉末の形態、
2.並びに/または、以下の段階、
前記ポリマーの存在下、およびおそらくは、少なくとも1種類の他の乾燥研磨剤の存在下における、無機充填剤の乾式粉砕、
得られる粉末の可能な処理および分類、
から生じる乾燥粉末の形態、
3.並びに/または、以下の段階、
無機充填剤を含有する分散液および/もしくは水性懸濁液への前記ポリマーの導入、
前記ポリマーの導入の可能性および得られる粉末の処理とこれに続く分類の可能性を伴う、得られる無機材料の分散液および/もしくは水性懸濁液の乾燥、
から生じる乾燥粉末の形態、
4.並びに/または、以下の段階、
前記ポリマーの存在下における、無機充填剤を含有する分散液および/もしくは水性懸濁液の乾燥、
得られる粉末の可能な処理および分類、
から生じる乾燥粉末の形態、
5.並びに/または、前記ポリマー並びに熱安定化剤および/もしくはUV安定化剤および/もしくは潤滑剤および/もしくはレオロジー改質剤および/もしくは耐衝撃性改質剤および/もしくは加工剤のうちから選択される少なくとも1種類の他の化合物を含む溶液および/もしくはエマルジョンの乾燥の段階から生じる乾燥粉末の形態、
6.並びに/または、塩素化熱可塑性樹脂および無機充填剤と混合された乾燥粉末の形態、
および優先的には方法1および/もしくは方法2および/もしくは方法3および/もしくは方法5によるもの。
【請求項3】
塩素化熱可塑性樹脂がPVC、後塩素化塩化ポリビニル(PVCC)、塩素化ポリエチレン、PVC−ビニルポリアセテート型(PVC−PVAC)のコポリマーおよびこれらの配合物から選択されることを特徴とする、請求項1もしくは2の一項に記載の使用。
【請求項4】
前記塩素化熱可塑性材料が、チューブ、例えば水の運搬、排水、灌水、ケーブル通路用の覆いのためのものの製造を目的とし、もしくはまた外部および/もしくは内部構築材料、例えば窓枠、シャッター、ドア、外装材、吊り天井の製造を目的とし、もしくはまた産業用部品の製造を目的とすることを特徴とする、請求項1から3の一項に記載の使用。
【請求項5】
無機充填剤が天然もしくは合成炭酸カルシウム、ドロマイト、カオリン、タルク、石膏、二酸化チタン、サテンホワイト、もしくはまた三水酸化アルミニウム、雲母、カーボンブラック、並びにこれらの充填剤の2種類以上の互いの配合物、例えばタルク−炭酸カルシウム、炭酸カルシウム−カオリン配合物、もしくはまた炭酸カルシウムと三水酸化アルミニウムとの配合物、もしくはまた合成もしくは天然繊維との配合物、もしくはまた無機物共同構造体(co−structure)、例えばタルク−炭酸カルシウムもしくはタルク−二酸化チタン共同構造体のうちから選択されることを特徴とし、優先的には天然もしくは合成炭酸カルシウム、タルクおよびこれらの充填剤の配合物のうちから選択される無機充填剤であることを特徴とし、非常に優先的には天然もしくは合成炭酸カルシウムまたはこれらの配合物のうちから選択される無機充填剤であることを特徴とし、極めて優先的には大理石、方解石、白亜もしくはこれらの配合物のうちから選択される天然炭酸カルシウムであることを特徴とする、請求項1から4の一項に記載の使用。
【請求項6】
(a)塩素化熱可塑性配合物の総重量と比較して、少なくとも1種類の塩素化熱可塑性樹脂0.1から99乾燥重量%、
(b)塩素化熱可塑性配合物の総重量と比較して、少なくとも1種類の無機充填剤0.1から90乾燥重量%、
(c)無機充填剤の乾燥重量と比較して、少なくとも1つのポリアルキレンオキシド基がグラフト化された、エチレン性不飽和を有する少なくとも1種類のアニオン性モノマーからなる櫛形ポリマー0.01から5乾燥重量%、優先的には0.1から3乾燥重量%、
(d)塩素化熱可塑性配合物の総重量と比較して、熱安定化剤および/もしくはUV安定化剤および/もしくは潤滑剤および/もしくはレオロジー改質剤および/もしくは耐衝撃性改質剤および/もしくは加工剤0から20乾燥重量%、優先的には5から20乾燥重量%、
(e)無機充填剤の乾燥重量に対して、前記櫛形ポリマーとは別の相溶剤0から3乾燥重量%、優先的には0から1乾燥重量%、非常に優先的には0から0.5乾燥重量%、極めて優先的には0から0.2乾燥重量%(ここで、この相溶剤は、優先的には8から20個の炭素原子を有する少なくとも1種類の脂肪酸によって構成され、非常に優先的にはステアリン酸もしくはこの塩またはこれらの配合物のうちから選択され、ステアリン酸塩は、優先的にはカルシウム塩である。)、
を用いることを特徴とする、請求項1から5の一項に記載の使用。
【請求項7】
櫛形ポリマーが少なくとも1種類の式(I)のモノマーを含有することを特徴とする、請求項1から6の一項に記載の使用、
【化9】

(式中、
mおよびpは、150以下のアルキレンオキシド基の数を表し、
nは、150以下のエチレンオキシド基の数を表し、
qは、少なくとも1に等しく、5≦(m+n+p)q≦150であるような整数を表し、
は、水素またはメチルもしくはエチル基を表し、
は、水素またはメチルもしくはエチル基を表し、
Rは、優先的にはビニルの群、またはアクリル、メタクリル、マレイン酸エステルの群、または不飽和ウレタンの群、例えばアクリルウレタン、メタクリルウレタン、α−α’ジメチル−イソプロペニル−ベンジルウレタン、アリルウレタン、または置換されていようとなかろうと、アリルもしくはビニルエステルの群、もしくはまたエチレン性不飽和アミドもしくはイミドの群に属する、不飽和重合性基を含有する基を表し、
R’は、水素もしくは1から40個の炭素原子を有する炭化水素化基、またはイオン性もしくはイオン化可能な基、例えばホスフェート、ホスホネート、スルフェート、スルホネート、カルボン酸、または実際のところ一級、二級もしくは三級アミン、または四級アンモニウム、または実際のところこれらの配合物を表し、優先的には1から12個の炭素原子を有する炭化水素化基、非常に優先的には1から4個の炭素原子を有する炭化水素化基を表す。)
【請求項8】
櫛形ポリマーが以下からなることを特徴とする、請求項1から7の一項に記載の使用、
a)エチレン性不飽和およびモノカルボン酸もしくはジカルボン酸もしくはリン酸もしくはホスホン酸もしくはスルホン酸基を有する、少なくとも1種類のアニオン性モノマー、またはこれらの配合物、
b)少なくとも1種類の下記式(I)のモノマーからなる非イオン性モノマー、
【化10】

(式中、
mおよびpは、150以下のアルキレンオキシド基の数を表し、
nは、150以下のエチレンオキシド基の数を表し、
qは、少なくとも1に等しく、5≦(m+n+p)q≦150であるような、優先的には15≦(m+n+p)q≦120であるような整数を表し、
は、水素またはメチルもしくはエチル基を表し、
は、水素またはメチルもしくはエチル基を表し、
Rは、優先的にはビニルの群、またはアクリル、メタクリル、マレイン酸エステルの群、または不飽和ウレタンの群、例えばアクリルウレタン、メタクリルウレタン、α−α’ジメチル−イソプロペニル−ベンジルウレタン、アリルウレタン、または置換されていようとなかろうと、アリルもしくはビニルエステルの群、もしくはまたエチレン性不飽和アミドもしくはイミドの群に属する、不飽和重合性基を含有する基を表し、
R’は、水素もしくは1から40個の炭素原子を有する炭化水素化基、またはイオン性もしくはイオン化可能な基、例えばホスフェート、ホスホネート、スルフェート、スルホネート、カルボン酸、または実際のところ一級、二級もしくは三級アミン、または四級アンモニウム、または実際のところこれらの配合物を表し、優先的には1から12個の炭素原子を有する炭化水素化基、非常に優先的には1から4個の炭素原子を有する炭化水素化基を表す。)
もしくは式(I)の幾つかのモノマーの配合物、
c)おそらくは、アクリルアミドもしくはメタクリルアミド型の少なくとも1種類のモノマーまたはこれらの誘導体、例えばN−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミドもしくはN−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミドおよびこれらの配合物、もしくはまた少なくとも1種類の非水溶性モノマー、例えばアルキルアクリレートもしくはメタクリレート、不飽和エステル、例えばN−[2−(ジメチルアミノ)エチル]メタクリレートもしくはN−[2−(ジメチルアミノ)エチル]アクリレート、ビニル、例えば酢酸ビニル、ビニルピロリドン、スチレン、アルファメチルスチレンおよびこれらの誘導体、または少なくとも1種類のカチオン性モノマーもしくは四級アンモニウム、例えば塩化もしくは硫酸[2−(メタクリロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウム、塩化もしくは硫酸[2−(アクリロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウム、塩化もしくは硫酸[3−(アクリルアミド)プロピル]トリメチルアンモニウム、塩化もしくは硫酸、ジメチルジアリルアンモニウム、塩化もしくは硫酸[3−(メタクリルアミド)プロピル]トリメチルアンモニウム、もしくはまた少なくとも1種類の有機フルオレートもしくは有機シリレートモノマー、またはこれらのモノマーの幾つかの配合物、
d)おそらくは、少なくとも2つのエチレン性不飽和を有する少なくとも1種類のモノマー。
【請求項9】
櫛形ポリマーが以下からなることを特徴とする、請求項1から8の一項に記載の使用、
a)エチレン性不飽和並びに、アクリルもしくはメタクリル酸もしくはまた二酸ヘミエステル、例えばマレイン酸もしくはイタコン酸のCからCモノエステルのうちから優先的に選択され、またはエチレン性不飽和およびジカルボン酸官能性を有するモノマーのうちから、および優先的にはイタコン酸もしくはマレイン酸のうちから選択され、もしくはまたカルボン酸の無水物、例えば優先的には無水マレイン酸のうちから選択され、またはエチレン性不飽和およびスルホン酸官能性を有するモノマー、例えば優先的にはアクリルアミド−メチル−プロパン−スルホン酸、ナトリウムメタリルスルホネート、ビニルスルホン酸およびスチレンスルホン酸のうちから選択され、もしくはまたエチレン性不飽和およびリン酸官能性を有するモノマー、例えば優先的にはビニルリン酸、エチレングリコールメタクリレートホスフェート、プロピレングリコールメタクリレートホスフェート、エチレングリコールアクリレートホスフェート、プロピレングリコールアクリレートホスフェートおよびこれらのエトキシレートのうちから選択され、もしくはまたエチレン性不飽和およびホスホン酸官能性を有するモノマー、例えばビニルホスホン酸のうちから選択されるモノカルボン酸官能性を有する、少なくとも1種類のアニオン性モノマー、またはこれらのモノマーの配合物、
b)少なくとも1種類の、下記式(I)の非イオン性エチレン性不飽和を有するモノマー、
【化11】

(式中、
mおよびpは、150以下のアルキレンオキシド基の数を表し、
nは、150以下のエチレンオキシド基の数を表し、
qは、少なくとも1に等しく、5≦(m+n+p)q≦150であるような、優先的には15≦(m+n+p)q≦120であるような整数を表し、
は、水素またはメチルもしくはエチル基を表し、
は、水素またはメチルもしくはエチル基を表し、
Rは、優先的にはビニルの群、またはアクリル、メタクリル、マレイン酸エステルの群、または不飽和ウレタンの群、例えばアクリルウレタン、メタクリルウレタン、α−α’ジメチル−イソプロペニル−ベンジルウレタン、アリルウレタン、または置換されていようとなかろうと、アリルもしくはビニルエステルの群、もしくはまたエチレン性不飽和アミドもしくはイミドの群に属する、不飽和重合性基を含有する基を表し、
R’は、水素もしくは1から40個の炭素原子を有する炭化水素化基、またはイオン性もしくはイオン化可能な基、例えばホスフェート、ホスホネート、スルフェート、スルホネート、カルボン酸、または実際のところ一級、二級もしくは三級アミン、または四級アンモニウム、または実際のところこれらの配合物を表し、優先的には1から12個の炭素原子を有する炭化水素化基、非常に優先的には1から4個の炭素原子を有する炭化水素化基を表す。)
もしくは式(I)の幾つかのモノマーの配合物、
c)おそらくは、アクリルアミドもしくはメタクリルアミド型の少なくとも1種類のモノマーまたはこれらの誘導体、例えばN−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミドもしくはN−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミドおよびこれらの配合物、もしくはまた少なくとも1種類の非水溶性モノマー、例えばアルキルアクリレートもしくはメタクリレート、不飽和エステル、例えばN−[2−(ジメチルアミノ)エチル]メタクリレートもしくはN−[2−(ジメチルアミノ)エチル]アクリレート、ビニル、例えば酢酸ビニル、ビニルピロリドン、スチレン、アルファメチルスチレンおよびこれらの誘導体、または少なくとも1種類のカチオン性モノマーもしくは四級アンモニウム、例えば塩化もしくは硫酸[2−(メタクリロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウム、塩化もしくは硫酸[2−(アクリロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウム、塩化もしくは硫酸[3−(アクリルアミド)プロピル]トリメチルアンモニウム、塩化もしくは硫酸ジメチルジアリルアンモニウム、塩化もしくは硫酸[3−(メタクリルアミド)プロピル]トリメチルアンモニウム、もしくはまた少なくとも1種類の有機フルオレートモノマー、もしくはまた少なくとも1種類の有機シリレートモノマー、またはこれらの配合物、
d)並びに、おそらくは、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、アリルアクリレート、アリルマレエート、メチレン−ビス−アクリルアミド、メチレン−ビス−メタクリルアミド、テトラアリルオキシエタン、トリアリルシアヌレート、ポリオール、例えばペンタエリスリトール、ソルビトール、スクロースから得られるアリルエーテルもしくはこれらの配合物によって構成される群から優先的に選択される、少なくとも1種類の架橋性モノマー。
【請求項10】
櫛形ポリマーが、重量表示で、以下からなることを特徴とする、請求項1から9の一項に記載の使用、
a)エチレン性不飽和並びに、アクリルもしくはメタクリル酸もしくはまた二酸ヘミエステル、例えばマレイン酸もしくはイタコン酸のCからCモノエステルのうちから優先的に選択され、またはエチレン性不飽和およびジカルボン酸官能性を有するモノマーのうちから、および優先的にはイタコン酸もしくはマレイン酸のうちから選択され、もしくはまたカルボン酸の無水物、例えば優先的には無水マレイン酸のうちから選択され、またはエチレン性不飽和およびスルホン酸官能性を有するモノマー、例えば優先的にはアクリルアミド−メチル−プロパン−スルホン酸、ナトリウムメタリルスルホネート、ビニルスルホン酸およびスチレンスルホン酸のうちから選択され、もしくはまたエチレン性不飽和およびリン酸官能性を有するモノマー、例えば優先的にはビニルリン酸、エチレングリコールメタクリレートホスフェート、プロピレングリコールメタクリレートホスフェート、エチレングリコールアクリレートホスフェート、プロピレングリコールアクリレートホスフェートおよびこれらのエトキシレートのうちから選択され、もしくはまたエチレン性不飽和およびホスホン酸官能性を有するモノマー、例えばビニルホスホン酸のうちから選択されるモノカルボン酸官能性を有する、少なくとも1種類のアニオン性モノマーまたはこれらのモノマーの配合物2%から95%、優先的には5%から50%、非常に優先的には5%から25%、
b)少なくとも1種類の、下記式(I)のエチレン性不飽和を有する非イオン性モノマー、
【化12】

(式中、
mおよびpは、150以下のアルキレンオキシド基の数を表し、
nは、150以下のエチレンオキシド基の数を表し、
qは、少なくとも1に等しく、5≦(m+n+p)q≦150であるような、優先的には15≦(m+n+p)q≦120であるような整数を表し、
は、水素またはメチルもしくはエチル基を表し、
は、水素またはメチルもしくはエチル基を表し、
Rは、優先的にはビニルの群、またはアクリル、メタクリル、マレイン酸エステルの群、または不飽和ウレタンの群、例えばアクリルウレタン、メタクリルウレタン、α−α’ジメチル−イソプロペニル−ベンジルウレタン、アリルウレタン、または置換されていようとなかろうと、アリルもしくはビニルエステルの群、もしくはまたエチレン性不飽和アミドもしくはイミドの基に群する、不飽和重合性基を含有する基を表し、
R’は、水素もしくは1から40個の炭素原子を有する炭化水素化基、またはイオン性もしくはイオン化可能な基、例えばホスフェート、ホスホネート、スルフェート、スルホネート、カルボン酸、または実際のところ一級、二級もしくは三級アミン、または四級アンモニウム、または実際のところこれらの配合物を表し、優先的には1から12個の炭素原子を有する炭化水素化基、非常に優先的には1から4個の炭素原子を有する炭化水素化基を表す。)
もしくは式(I)の幾つかのモノマーの配合物2%から95%、優先的には50%から95%、非常に優先的には70%から95%、
c)アクリルアミドもしくはメタクリルアミド型の少なくとも1種類のモノマーまたはこれらの誘導体、例えばN−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミドもしくはN−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミドおよびこれらの配合物、もしくはまた少なくとも1種類の非水溶性モノマー、例えばアルキルアクリレートもしくはメタクリレート、不飽和エステル、例えばN−[2−(ジメチルアミノ)エチル]メタクリレートもしくはN−[2−(ジメチルアミノ)エチル]アクリレート、ビニル、例えば酢酸ビニル、ビニルピロリドン、スチレン、アルファメチルスチレンおよびこれらの誘導体、または少なくとも1種類のカチオン性モノマーもしくは四級アンモニウム、例えば塩化もしくは硫酸[2−(メタクリロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウム、塩化もしくは硫酸[2−(アクリロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウム、塩化もしくは硫酸[3−(アクリルアミド)プロピル]トリメチルアンモニウム、塩化もしくは硫酸ジメチルジアリルアンモニウム、塩化もしくは硫酸[3−(メタクリルアミド)プロピル]トリメチルアンモニウム、もしくはまた少なくとも1種類の有機フルオレートモノマー、もしくはまた少なくとも1種類の有機シリレートモノマー、またはこれらの配合物0%から50%、
d)エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、アリルアクリレート、アリルマレエート、メチレン−ビス−アクリルアミド、メチレン−ビス−メタクリルアミド、テトラアリルオキシエタン、トリアリルシアヌレート、ポリオール、例えばペンタエリスリトール、ソルビトール、スクロースから得られるアリルエーテルもしくはこれらの配合物によって構成される群から優先的に選択される、少なくとも1種類の架橋性モノマー0%から3%、
ここで、成分a)、b)、c)およびd)の合計割合は100%に等しい。
【請求項11】
ポリマーが、触媒系および移動剤の存在下、溶液中、直接もしくは逆エマルジョン中、溶液中での基重合、懸濁液中または溶媒中での沈殿の方法により、もしくはまた制御された基重合の方法により、優先的には窒素酸化物介在重合(NMP)により、またはコバロキシム、原子移動基重合(ATRP)、カルバメート、ジチオエステルもしくはトリチオカーボネート(RAFT)のうちから選択される硫化誘導体またはキサンテートによる制御された基重合により得られることを特徴とする、請求項1から10の一項に記載の使用。
【請求項12】
酸形態で得られ、おそらくは、蒸留されている前記ポリマーが、一価中和機能もしくは多価中和機能を有する1種類以上の中和剤、例えば優先的には一価機能については、アルカリ性カチオン、非常に優先的にはナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウムまたは一級、二級もしくは三級脂肪族および/もしくは環状アミン、例えば優先的にはステアリルアミン、エタノールアミン(モノ−、ジ−、トリエタノールアミン)、モノ−およびジエチルアミン、シクロヘキシルアミン、メチルシクロヘキシルアミン、アミノメチルプロパノール、モルホリンによって構成される群から選択されるもの、もしくはまた、多価機能については、アルカリ土類二価カチオン、非常に優先的にはマグネシウムおよびカルシウム、もしくはまた亜鉛、並びにその上、非常に優先的にはアルミニウムである三価カチオン、もしくはまたより高い原子価の特定のカチオンによって構成される群から選択されるものにより、部分的に、もしくは全体的に中和されることを特徴とする、請求項1から11の一項に記載の使用。
【請求項13】
重合反応から派生する前記ポリマーが、全体的もしくは部分的な中和反応の前もしくは後に、当業者に公知の静的もしくは動的プロセスに従い、特に水、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、テトラヒドロフランもしくはこれらの配合物によって構成される群に属する、1種類以上の極性溶媒によって処理され、幾つかの相に分離されていてもよいことを特徴とする、請求項1から12の一項に記載の使用。
【請求項14】
以下を含有する塩素化熱可塑性材料、
(a)少なくとも1種類の塩素化熱可塑性樹脂、
(b)少なくとも1種類の無機充填剤、
(c)エチレン性不飽和を有する少なくとも1種類のアニオン性モノマー上にグラフト化された少なくとも1つのポリアルキレンオキシド基を含有する少なくとも1種類の櫛形ポリマーからなる少なくとも1種類の相溶剤、
(d)おそらくは、熱安定化剤および/もしくはUV安定化剤および/もしくは潤滑剤および/もしくはレオロジー改質剤および/もしくは耐衝撃性改質剤および/もしくは加工剤のうちから選択される、少なくとも1種類の他の化合物、
(e)おそらくは、優先的には8から20個の炭素原子を有する少なくとも1種類の脂肪酸からなり、非常に優先的にはステアリン酸もしくはこの塩またはこれらの配合物のうちから選択され、ステアリン酸の塩が優先的にはカルシウム塩である、少なくとも1種類の、前記櫛形ポリマー以外の他の相溶剤。
【請求項15】
塩素化熱可塑性樹脂がPVC、後塩素化ポリ塩化ビニル(PVCC)、塩素化ポリエチレン、PVC−ビニルポリアセテート型のコポリマー(PVC−PVAC)およびこれらの配合物のうちから選択されることを特徴とする、請求項14に記載の塩素化熱可塑性材料。
【請求項16】
チューブ、例えば水の運搬、排水、灌水、ケーブル通路用の覆いのためのものの製造を目的とし、もしくはまた外部および/もしくは内部構築材料、例えば窓枠、シャッター、ドア、外装材、吊り天井の製造を目的とし、もしくはまた産業用部品の製造を目的とすることを特徴とする、請求項14もしくは15の一項に記載の塩素化熱可塑性材料。
【請求項17】
無機充填剤が天然もしくは合成炭酸カルシウム、ドロマイト、石灰石、カオリン、タルク、石膏、二酸化チタン、サテンホワイト、もしくはまた三水酸化アルミニウム、雲母、カーボンブラック、並びにこれらの充填剤の2つ以上の互いの配合物、例えばタルク−炭酸カルシウム、炭酸カルシウム−カオリン配合物、もしくはまた炭酸カルシウムと三水酸化アルミニウムとの配合物、もしくはまた合成もしくは天然繊維との配合物、もしくはまた無機共同構造体、例えばタルク−炭酸カルシウムもしくはタルク−二酸化チタン共同構造体のうちから選択されることも特徴とし、優先的には天然もしくは合成炭酸カルシウム、タルクおよびこれらの充填剤の配合物のうちから選択される無機充填剤であることを特徴とし、非常に優先的には天然もしくは合成炭酸カルシウムまたはこれらの配合物のうちから選択される無機充填剤であることを特徴とし、極めて優先的には大理石、方解石、白亜もしくはこれらの配合物のうちから選択される天然炭酸カルシウムであることを特徴とする、請求項14から16の一項に記載の塩素化熱可塑性材料。
【請求項18】
以下を含有することを特徴とする、請求項14から17の一項に記載の塩素化熱可塑性材料、
(a)熱可塑性配合物の総重量と比較して、少なくとも1種類の塩素化熱可塑性樹脂0.1から99乾燥重量%、
(b)塩素化熱可塑性配合物の総重量と比較して、少なくとも1種類の無機充填剤0.1から90乾燥重量%、
(c)無機充填剤の乾燥重量と比較して、少なくとも1つのポリアルキレンオキシド基がグラフト化されているエチレン性不飽和を有する少なくとも1種類のモノマーからなる櫛形ポリマー0.01から5乾燥重量%、優先的には0.1から3乾燥重量%、
(d)塩素化熱可塑性配合物の総重量と比較して、熱安定化剤および/もしくはUV安定化剤および/もしくは潤滑剤および/もしくはレオロジー改質剤および/もしくは耐衝撃性改質剤および/もしくは加工剤0から20乾燥重量%、優先的には5から20乾燥重量%、
(e)無機充填剤の乾燥重量に対して、優先的には8から20個の炭素原子を有する少なくとも1種類の脂肪酸によって構成され、非常に優先的にはステアリン酸もしくはこの塩またはこれらの配合物のうちから選択され、ステアリン酸塩が優先的にはカルシウム塩である、前記櫛形ポリマーとは別の相溶剤0から3乾燥重量%、優先的には0から1乾燥重量%、非常に優先的には0から0.5乾燥重量%、極めて優先的には0から0.2乾燥重量%。
【請求項19】
相溶剤として用いられる櫛形ポリマーが少なくとも1種類の下記式(I)のモノマーを含有することを特徴とする、請求項14から18の一項に記載の塩素化熱可塑性材料、
【化13】

(式中、
mおよびpは、150以下のアルキレンオキシド基の数を表し、
nは、150以下のエチレンオキシド基の数を表し、
qは、少なくとも1に等しく、5≦(m+n+p)q≦150であるような整数を表し、
は、水素またはメチルもしくはエチル基を表し、
は、水素またはメチルもしくはエチル基を表し、
Rは、優先的にはビニルの群、またはアクリル、メタクリル、マレイン酸エステルの群、または不飽和ウレタンの群、例えばアクリルウレタン、メタクリルウレタン、α−α’ジメチル−イソプロペニル−ベンジルウレタン、アリルウレタン、または置換されていようとなかろうと、アリルもしくはビニルエステルの群、もしくはまたエチレン性不飽和アミドもしくはイミドの基に群する、不飽和重合性基を含有する基を表し、
R’は、水素もしくは1から40個の炭素原子を有する炭化水素化基、またはイオン性もしくはイオン化可能な基、例えばホスフェート、ホスホネート、スルフェート、スルホネート、カルボン酸、または実際のところ一級、二級もしくは三級アミン、または四級アンモニウム、または実際のところこれらの配合物を表し、優先的には1から12個の炭素原子を有する炭化水素化基、非常に優先的には1から4個の炭素原子を有する炭化水素化基を表す。)
【請求項20】
相溶剤として用いられる櫛形ポリマーが以下からなることを特徴とする、請求項14から19の一項に記載の塩素化熱可塑性材料、
a)エチレン性不飽和およびモノカルボン酸もしくはジカルボン酸もしくはリン酸もしくはホスホン酸もしくはスルホン酸基を有する、少なくとも1種類のアニオン性モノマー、またはこれらの配合物、
b)少なくとも1種類の下記式(I)のモノマーからなる非イオン性モノマー、
【化14】

(式中、
mおよびpは、150以下のアルキレンオキシド基の数を表し、
nは、150以下のエチレンオキシド基の数を表し、
qは、少なくとも1に等しく、5≦(m+n+p)q≦150であるような、優先的には15≦(m+n+p)q≦120であるような整数を表し、
は、水素またはメチルもしくはエチル基を表し、
は、水素またはメチルもしくはエチル基を表し、
Rは、優先的にはビニルの群、またはアクリル、メタクリル、マレイン酸エステルの群、または不飽和ウレタンの群、例えばアクリルウレタン、メタクリルウレタン、α−α’ジメチル−イソプロペニル−ベンジルウレタン、アリルウレタン、または置換されていようとなかろうと、アリルもしくはビニルエステルの群、もしくはまたエチレン性不飽和アミドもしくはイミドの群に属する、不飽和重合性基を含有する基を表し、
R’は、水素もしくは1から40個の炭素原子を有する炭化水素化基、またはイオン性もしくはイオン化可能な基、例えばホスフェート、ホスホネート、スルフェート、スルホネート、カルボン酸、または実際のところ一級、二級もしくは三級アミン、または四級アンモニウム、または実際のところこれらの配合物を表し、優先的には1から12個の炭素原子を有する炭化水素化基、非常に優先的には1から4個の炭素原子を有する炭化水素化基を表す。)
もしくは式(I)の幾つかののモノマーの配合物、
c)おそらくは、アクリルアミドもしくはメタクリルアミド型の少なくとも1種類のモノマーまたはこれらの誘導体、例えばN−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミドもしくはN−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミドおよびこれらの配合物、もしくはまた少なくとも1種類の非水溶性モノマー、例えばアルキルアクリレートもしくはメタクリレート、不飽和エステル、例えばN−[2−(ジメチルアミノ)エチル]メタクリレートもしくはN−[2−(ジメチルアミノ)エチル]アクリレート、ビニル、例えば酢酸ビニル、ビニルピロリドン、スチレン、アルファメチルスチレンおよびこれらの誘導体、または少なくとも1種類のカチオン性モノマーもしくは四級アンモニウム、例えば塩化もしくは硫酸[2−(メタクリロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウム、塩化もしくは硫酸[2−(アクリロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウム、塩化もしくは硫酸[3−(アクリルアミド)プロピル]トリメチルアンモニウム、塩化もしくは硫酸ジメチルジアリルアンモニウム、塩化もしくは硫酸[3−(メタクリルアミド)プロピル]トリメチルアンモニウム、もしくはまた少なくとも1種類の有機フルオレートもしくは有機シリレートモノマー、またはこれらの配合物、
d)おそらくは、少なくとも1種類の架橋性モノマー。
【請求項21】
相溶剤として用いられる櫛形ポリマーが以下からなることを特徴とする、請求項14から20の一項に記載の塩素化熱可塑性材料、
a)エチレン性不飽和並びに、アクリルもしくはメタクリル酸もしくはまた二酸ヘミエステル、例えばマレイン酸もしくはイタコン酸のCからCモノエステルのうちから優先的に選択され、またはエチレン性不飽和およびジカルボン酸官能性を有するモノマーのうちから、および優先的にはイタコン酸もしくはマレイン酸のうちから選択され、もしくはまたカルボン酸の無水物、例えば優先的には無水マレイン酸のうちから選択され、またはエチレン性不飽和およびスルホン酸官能性を有するモノマー、例えば優先的にはアクリルアミド−メチル−プロパン−スルホン酸、ナトリウムメタリルスルホネート、ビニルスルホン酸およびスチレンスルホン酸のうちから選択され、もしくはまたエチレン性不飽和およびリン酸官能性を有するモノマー、例えば優先的にはビニルリン酸、エチレングリコールメタクリレートホスフェート、プロピレングリコールメタクリレートホスフェート、エチレングリコールアクリレートホスフェート、プロピレングリコールアクリレートホスフェートおよびこれらのエトキシレートのうちから選択され、もしくはまたエチレン性不飽和およびホスホン酸官能性を有するモノマー、例えばビニルホスホン酸のうちから選択されるモノカルボン酸官能性を有する、少なくとも1種類のアニオン性モノマー、またはこれらのモノマーの配合物、
b)少なくとも1種類の、下記式(I)の非イオン性エチレン性不飽和を有するモノマー、
【化15】

(式中、
mおよびpは、150以下のアルキレンオキシド基の数を表し、
nは、150以下のエチレンオキシド基の数を表し、
qは、少なくとも1に等しく、5≦(m+n+p)q≦150であるような、優先的には15≦(m+n+p)q≦120であるような整数を表し、
は、水素またはメチルもしくはエチル基を表し、
は、水素またはメチルもしくはエチル基を表し、
Rは、優先的にはビニルの群、またはアクリル、メタクリル、マレイン酸エステルの群、または不飽和ウレタンの群、例えばアクリルウレタン、メタクリルウレタン、α−α’ジメチル−イソプロペニル−ベンジルウレタン、アリルウレタン、または置換されていようとなかろうと、アリルもしくはビニルエステルの群、もしくはまたエチレン性不飽和アミドもしくはイミドの群に属する、不飽和重合性基を含有する基を表し、
R’は、水素もしくは1から40個の炭素原子を有する炭化水素化基、またはイオン性もしくはイオン化可能な基、例えばホスフェート、ホスホネート、スルフェート、スルホネート、カルボン酸、または実際のところ一級、二級もしくは三級アミン、または四級アンモニウム、または実際のところこれらの配合物を表し、優先的には1から12個の炭素原子を有する炭化水素化基、非常に優先的には1から4個の炭素原子を有する炭化水素化基を表す。)
もしくは式(I)の幾つかのモノマーの配合物、
c)おそらくは、アクリルアミドもしくはメタクリルアミド型の少なくとも1種類のモノマーまたはこれらの誘導体、例えばN−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミドもしくはN−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミドおよびこれらの配合物、もしくはまた少なくとも1種類の非水溶性モノマー、例えばアルキルアクリレートもしくはメタクリレート、不飽和エステル、例えばN−[2−(ジメチルアミノ)エチル]メタクリレートもしくはN−[2−(ジメチルアミノ)エチル]アクリレート、ビニル、例えば酢酸ビニル、ビニルピロリドン、スチレン、アルファメチルスチレンおよびこれらの誘導体、または少なくとも1種類のカチオン性モノマーもしくは四級アンモニウム、例えば塩化もしくは硫酸[2−(メタクリロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウム、塩化もしくは硫酸[2−(アクリロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウム、塩化もしくは硫酸[3−(アクリルアミド)プロピル]トリメチルアンモニウム、塩化もしくは硫酸ジメチルジアリルアンモニウム、塩化もしくは硫酸[3−(メタクリルアミド)プロピル]トリメチルアンモニウム、もしくはまた少なくとも1種類の有機フルオレートモノマー、もしくはまた少なくとも1種類の有機シリレートモノマー、またはこれらの配合物、
d)並びに、おそらくは、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、アリルアクリレート、アリルマレエート、メチレン−ビス−アクリルアミド、メチレン−ビス−メタクリルアミド、テトラアリルオキシエタン、トリアリルシアヌレート、ポリオール、例えばペンタエリスリトール、ソルビトール、スクロースから得られるアリルエーテルもしくはこれらの配合物によって構成される群から優先的に選択される、少なくとも1種類の架橋性モノマー。
【請求項22】
相溶剤として用いられる櫛形ポリマーが、重量表示で、以下からなることを特徴とする、請求項14から21の一項に記載の塩素化熱可塑性材料、
a)エチレン性不飽和並びに、アクリルもしくはメタクリル酸もしくはまた二酸ヘミエステル、例えばマレイン酸もしくはイタコン酸のCからCモノエステルのうちから優先的に選択され、またはエチレン性不飽和およびジカルボン酸官能性を有するモノマーのうちから、および優先的にはイタコン酸もしくはマレイン酸のうちから選択され、もしくはまたカルボン酸の無水物、例えば優先的には無水マレイン酸のうちから選択され、またはエチレン性不飽和およびスルホン酸官能性、例えば優先的にはアクリルアミド−メチル−プロパン−スルホン酸、ナトリウムメタリルスルホネート、ビニルスルホン酸およびスチレンスルホン酸を有するモノマーのうちから選択され、もしくはまたエチレン性不飽和およびリン酸官能性、例えば優先的にはビニルリン酸、エチレングリコールメタクリレートホスフェート、プロピレングリコールメタクリレートホスフェート、エチレングリコールアクリレートホスフェート、プロピレングリコールアクリレートホスフェートおよびこれらのエトキシレートを有するモノマーのうちから選択され、もしくはまたエチレン性不飽和およびホスホン酸官能性、例えばビニルホスホン酸を有するモノマーのうちから選択されるモノカルボン酸官能性を有する、少なくとも1種類のアニオン性モノマーまたはこれらのモノマーの配合物2%から95%、優先的には5%から50%、非常に優先的には5%から25%、
b)少なくとも1種類の、下記式(I)のエチレン性不飽和を有する非イオン性モノマー、
【化16】

(式中、
mおよびpは、150以下のアルキレンオキシド基の数を表し、
nは、150以下のエチレンオキシド基の数を表し、
qは、少なくとも1に等しく、5≦(m+n+p)q≦150であるような、優先的には15≦(m+n+p)q≦120であるような整数を表し、
は、水素またはメチルもしくはエチル基を表し、
は、水素またはメチルもしくはエチル基を表し、
Rは、優先的にはビニルの群、またはアクリル、メタクリル、マレイン酸エステルの群、または不飽和ウレタンの群、例えばアクリルウレタン、メタクリルウレタン、α−α’ジメチル−イソプロペニル−ベンジルウレタン、アリルウレタン、または置換されていようとなかろうと、アリルもしくはビニルエステルの群、もしくはまたエチレン性不飽和アミドもしくはイミドの基に群する、不飽和重合性基を含有する基を表し、
R’は、水素もしくは1から40個の炭素原子を有する炭化水素化基、またはイオン性もしくはイオン化可能な基、例えばホスフェート、ホスホネート、スルフェート、スルホネート、カルボン酸、または実際のところ一級、二級もしくは三級アミン、または四級アンモニウム、または実際のところこれらの配合物を表し、優先的には1から12個の炭素原子を有する炭化水素化基、非常に優先的には1から4個の炭素原子を有する炭化水素化基を表す。)
もしくは式(I)の幾つかのモノマーの配合物2%から95%、優先的には50%から95%、非常に優先的には70%から95%、
c)アクリルアミドもしくはメタクリルアミド型の少なくとも1種類のモノマーまたはこれらの誘導体、例えばN−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミドもしくはN−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミドおよびこれらの配合物、もしくはまた少なくとも1種類の非水溶性モノマー、例えばアルキルアクリレートもしくはメタクリレート、不飽和エステル、例えばN−[2−(ジメチルアミノ)エチル]メタクリレートもしくはN−[2−(ジメチルアミノ)エチル]アクリレート、ビニル、例えば酢酸ビニル、ビニルピロリドン、スチレン、アルファメチルスチレンおよびこれらの誘導体、または少なくとも1種類のカチオン性モノマーもしくは四級アンモニウム、例えば塩化もしくは硫酸[2−(メタクリロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウム、塩化もしくは硫酸[2−(アクリロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウム、塩化もしくは硫酸[3−(アクリルアミド)プロピル]トリメチルアンモニウム、塩化もしくは硫酸ジメチルジアリルアンモニウム、塩化もしくは硫酸[3−(メタクリルアミド)プロピル]トリメチルアンモニウム、もしくはまた1種類の有機フルオレートモノマー、もしくはまた1種類の有機シリレートモノマー、またはこれらの配合物0%から50%、
d)エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、アリルアクリレート、アリルマレエート、メチレン−ビス−アクリルアミド、メチレン−ビス−メタクリルアミド、テトラアリルオキシエタン、トリアリルシアヌレート、ポリオール、例えばペンタエリスリトール、ソルビトール、スクロースから得られるアリルエーテルもしくはこれらの配合物によって構成される群から優先的に選択される、少なくとも1種類の架橋性モノマー0%から3%、
ここで、成分a)、b)、c)およびd)の合計割合は100%に等しい。
【請求項23】
前記ポリマーが、触媒系および移動剤の存在下、溶液中、直接もしくは逆エマルジョン中、懸濁液中での基重合または溶媒中での沈殿の方法により、もしくはまた制御された基重合の方法により、優先的には窒素酸化物介在重合(NMP)により、またはコバロキシム、原子移動基重合(ATRP)、カルバメート、ジチオエステルもしくはトリチオカーボネート(RAFT)のうちから選択される硫化誘導体またはキサンテートによる制御された基重合により得られることを特徴とする、請求項14から22の一項に記載の塩素化熱可塑性材料。
【請求項24】
酸形態で得られ、おそらくは、蒸留されている前記ポリマーが、一価中和機能もしくは多価中和機能を有する1種類以上の中和剤、例えば優先的には一価機能については、アルカリ性カチオン、非常に優先的にはナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウムまたは一級、二級もしくは三級脂肪族および/もしくは環状アミン、例えば優先的にはステアリルアミン、エタノールアミン(モノ−、ジ−、トリエタノールアミン)、モノ−およびジエチルアミン、シクロヘキシルアミン、メチルシクロヘキシルアミン、アミノメチルプロパノール、モルホリンによって構成される群から選択されるもの、もしくはまた、多価機能については、アルカリ土類二価カチオン、非常に優先的にはマグネシウムおよびカルシウム、もしくはまた亜鉛、並びにその上、非常に優先的にはアルミニウムである三価カチオン、もしくはまたより高い原子価の特定のカチオンによって構成される群から選択されるものにより、部分的に、もしくは全体的に中和されることを特徴とする、請求項14から22の一項に記載の塩素化熱可塑性材料。

【公表番号】特表2010−508382(P2010−508382A)
【公表日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−533974(P2009−533974)
【出願日】平成19年10月17日(2007.10.17)
【国際出願番号】PCT/IB2007/003148
【国際公開番号】WO2008/053296
【国際公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【出願人】(398051154)コアテツクス・エス・アー・エス (35)
【Fターム(参考)】