説明

塩素含有樹脂組成物

【課題】
従来の有機錫化合物を添加した塩素含有樹脂組成物では、成形加工時の苛酷な熱履歴によって成形が困難になるなど、熱安定性の不足や樹脂の着色性の抑制の不足が問題になっているため、熱安定性が高度に改良され、且つ着色性が高度に抑制された塩素含有樹脂組成物を提供する。
【解決手段】
塩素含有樹脂に、有機錫化合物及び微量のトリフルオロメチルスルホニル化合物を添加して成る塩素含有樹脂組成物、並びに有機錫化合物、微量のトリフルオロメチルスルホニル化合物及びチオエーテル化合物を併用添加して成る塩素含有樹脂組成物。
なし

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塩素含有樹脂の成形加工時の熱安定性が改良され、且つ着色性が抑制された塩素含有樹脂組成物に関する。更に詳しくは、本発明は、有機錫化合物を添加した塩素含有樹脂の成形加工時の熱安定性が高度に改良され、且つ着色性が高度に抑制された塩素含有樹脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
塩素含有樹脂は、安価で透明性や成形加工性に優れているため広範囲に使用されているが、成形加工時の熱履歴や成形後に成形品が太陽光や酸素に暴露されることによって、該樹脂が劣化分解したり、黄色更には褐色を呈する等の欠点を有している。このため、有機錫マレエート系化合物を添加して熱安定性及び耐候性を付与させたり、有機錫メルカプト系化合物を添加して熱安定性及び透明性を付与させたり、有機錫マレエート系化合物と有機錫メルカプト系化合物を併用添加して熱安定性、耐候性及び透明性を付与させる等、該樹脂に有機錫化合物を添加する方法が一般的に行われている。近年、成形機及び成形品の大型化に伴う加工時間の延長、形状の複雑化した成形品の加工を容易にするための加工温度の上昇等により、塩素含有樹脂の成形加工時の熱履歴は益々増加する傾向にある。このため、従来の有機錫化合物を添加した塩素含有樹脂組成物では、成形加工時の過酷な熱履歴によって、塩素含有樹脂が劣化分解して成形が困難になる熱安定性の不足や、該樹脂が黄色更には褐色を呈する等着色性の抑制の不足が度々問題になっている。こうした塩素含有樹脂の熱安定性の改良及び着色性の抑制を目的として、(1)ハロゲン含有樹脂にモノ又はジ有機錫化合物とハロゲン酸素酸塩を添加する方法(特開昭53−59744号)により、該樹脂の熱安定性と初期着色性を改良する技術、(2)塩素含有樹脂に有機錫化合物と微量の過塩素酸を添加する方法(特開昭63−268756号)により、該樹脂の熱安定性を改良する技術、(3)塩化ビニール樹脂に、有機錫マレイン酸塩類と、チオアセタール及びケトンチオアセタール又はそれらの半エステルを併用する方法により、該樹脂の熱安定性と積層性を改良する技術(特開昭49−59854号)、(4)含ハロゲン樹脂とスチレン系樹脂からなるブレンドポリマーに、有機錫マレエート系化合物と置換メルカプトプロピオン酸を併用する方法により該樹脂の熱安定性とプレートアウト性を改良する技術(特開昭61−209248号)が開示されている。また、塩素含有樹脂の熱安定性の改良及び着色性の抑制を目的とするものではないが、該樹脂にビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドの金属塩を添加する技術として、(5)塩化ビニル樹脂に可塑剤及びリチウム塩を添加する方法(特開平9−227743号)により、該樹脂の透明性と導電性を改良する技術も開示されている。
【0003】
【特許文献1】特開昭53−59744号公報
【特許文献2】特開昭63−268756号公報
【特許文献3】特開昭49−59854号公報
【特許文献4】特開昭61−209248号公報
【特許文献5】特開平9−227743号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
塩素含有樹脂に特開昭53−59744号に記載されているモノ又はジ有機錫化合物とハロゲン酸素酸の金属塩を添加する方法では、ハロゲン酸素酸塩をある程度以上の量で添加する必要があり、その場合でも有機錫化合物単独で添加した場合と比べて熱安定性及び着色性は殆ど変わらない上に、当該方法では金属石鹸や無機化合物等の第三の添加剤の併用が必要であり、このような金属塩や無機化合物を添加することによる成形品の透明性の低下が避けられない。塩素含有樹脂に特開昭63−268756号に記載されている有機錫化合物と微量の過塩素酸を添加する方法では、有機錫化合物を単独で使用した場合よりも熱安定性の改良は認められるものの、成形品の大型化や形状の複雑化に伴う熱履歴の増加による熱安定性の不足及び着色性の抑制の不足を解決するものではない。塩素含有樹脂に特開昭49−59854号に記載された有機錫マレイン酸塩とチオアセタール類を添加する方法や、塩素含有樹脂に特開昭61−209248号に記載された有機錫マレエート系化合物と置換メルカプトプロピオン酸を添加する方法によっても、近年の成形品の大型化や形状の複雑化に伴う熱履歴の増加による塩素含有樹脂組成物の熱安定性の不足及び着色性の抑制の不足の解消には充分ではない。また、塩素含有樹脂に特開平9−227743号に記載されているリチウム塩を単独で添加する方法では、該樹脂の熱安定性を改良し着色性を抑制することはできない。しかも、当該技術で用いられている多量のリチウム塩を有機錫化合物に併用添加する方法では、該樹脂の熱安定性の改良及び着色性の抑制は行われず、反対に該樹脂の劣化分解が促進される。このため、有機錫化合物を添加した塩素含有樹脂の成形加工時の熱安定性が高度に改良され、且つ着色性が高度に抑制された塩素含有樹脂組成物の提供が待たれていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者等は、かかる観点から有機錫化合物を添加した塩素含有樹脂に微量添加することにより熱安定性を改良でき、且つ着色性を抑制できる添加剤について鋭意研究を重ねた結果、塩素含有樹脂100質量部に、(A成分)有機錫化合物の少なくとも1種を0.1〜10質量部、及び(B成分)トリフルオロメチルスルホニル化合物の少なくとも1種を0.0001〜0.1質量部を併用添加してなる塩素含有樹脂組成物は、本発明の目的を達成でき、また、塩素含有樹脂100質量部に、(A成分)有機錫化合物の少なくとも1種を0.1〜10質量部、(B成分)トリフルオロメチルスルホニル化合物の少なくとも1種を0.0001〜0.1質量部、及び(C成分)チオエーテル化合物の少なくとも1種を0.001〜2質量部を併用添加してなる塩素含有樹脂組成物は、更に熱安定性が改良され、且つ着色性が抑制されることを見出し、本発明を完成した。
【発明の効果】
【0006】
本発明の塩素含有樹脂組成物は、従来の技術と比較し熱安定性が高度に改良され、且つ着色性が高度に抑制されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明で用いられる塩素含有樹脂としては、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリ塩化ビニル、塩素化ポリエチレン等のホモポリマー、塩化ビニルに共重合可能な不飽和結合を有するモノマーと塩化ビニルとのコポリマー、ポリ塩化ビニルにグラフト重合可能な不飽和結合を有するモノマーとポリ塩化ビニルとのグラフトポリマー、塩化ビニルにグラフト重合可能な不飽和結合を有するポリマーと塩化ビニルとのグラフトポリマー及びこれらの混合物を挙げることができる。
【0008】
塩化ビニル又はポリ塩化ビニルに共重合又はグラフト重合可能なモノマーとしては、エチレン、プロピレン等のオレフィン類、塩化ビニリデン、フッ化ビニル等の塩化ビニルを除くハロゲン化オレフィン類、酢酸ビニル、ラウリン酸ビニル等のビニルエステル類、2−エチルヘキシルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル類、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル等のアクリル酸又はそのエステル類、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル等のメタクリル酸又はそのエステル類、マレイン酸又はそのエステル類、アクリロニトリル等のアクリル誘導体、N−t−ブチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のN−置換マレイミド類、無水マレイン酸及びスチレン等を挙げることができ、これらは単独又は2種以上の組み合わせで用いることができる。
【0009】
塩化ビニルにグラフト重合可能なポリマーとしては、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、エチレン−アクリル酸エチルコポリマー、塩素化ポリエチレン、ポリウレタン、ポリブタジエン−スチレン−メチルメタクリレート、ポリブタジエン−アクリロニトリル−(α−メチル)スチレン、ポリブチルアクリレート、ブチルゴム、ポリスチレン、スチレン−ブタジエンコポリマー、エチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素三元コポリマー及びアクリルゴム等を挙げることができる。
【0010】
これらの塩素含有樹脂の具体例としては、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリ塩化ビニル、塩素化ポリエチレン、塩化ビニル−エチレンコポリマー、塩化ビニル−プロピレンコポリマー、塩化ビニル−イソプレンコポリマー、塩化ビニル−イソブチレンコポリマー、塩化ビニル−塩化ビニリデンコポリマー、塩化ビニル−塩素化プロピレンコポリマー、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、塩化ビニル−アクリル酸エステルコポリマー、塩化ビニル−メタクリル酸エステルコポリマー、塩化ビニル−マレイン酸エステルコポリマー、塩化ビニル−アクリロニトリルコポリマー、塩化ビニル−N−置換マレイミドコポリマー、塩化ビニル−スチレンコポリマー、塩化ビニル−ポリウレタンコポリマー、塩化ビニル−エチレン−酢酸ビニル三元コポリマー、塩化ビニル−塩化ビニリデン−酢酸ビニル三元コポリマー、塩化ビニル−スチレン−無水マレイン酸三元コポリマー、塩化ビニル−スチレン−アクリロニトリル三元コポリマー、塩化ビニル−エチレン−酢酸ビニル三元コポリマー、塩化ビニル−アクリルゴムグラフトポリマー及び塩化ビニル−ポリウレタングラフトポリマー等、並びに、これらの塩素含有樹脂とポリエチレンとの混合物、ポリプロピレンとの混合物、ポリブテンとの混合物、ポリ−3−メチルブテン等のα−オレフィンポリマーとの混合物、エチレン−酢酸ビニルコポリマーとの混合物、エチレン−プロピレンコポリマーとの混合物、ポリスチレンとの混合物、アクリル樹脂との混合物、スチレンと他のモノマー(例えば、ブタジエン、アクリロニトリル、無水マレイン酸等)とのコポリマーとの混合物、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマーとの混合物、アクリル酸エステル−ブタジエン−スチレンコポリマーとの混合物及びメタクリル酸エステル−ブタジエン−スチレンコポリマーとの混合物等を挙げることができる。
【0011】
これらの塩素含有樹脂は、懸濁重合、乳化重合及び溶液重合等のいずれの方法によって製造されたものも使用することができる。
【0012】
本発明で用いられる(A成分)有機錫化合物は、
式(1)
【0013】
【化1】

〔式(1)中、Rはブチル又はオクチル、Xは酸素(−O−)又は−OCOCH=CHCOO−、Yは−OCOCH=CHCOOR、ZはR又はYであり、Rは炭素数1〜18のアルキル基、オレイル、ベンジル、シクロヘキシル又はメトキシブチルを示し、aは0又は1を示す。〕
で示される有機錫マレイン酸エステル塩類、式(2)
【0014】
【化2】

〔式(2)中、Rはメチル、ブチル又はオクチル、Xは酸素(−O−)、硫黄(−S−)又は−S(CHCOO−、Yは−S(CHCOOR、ZはR又はYであり、Rは炭素数1〜13のアルキル基又はメトキシブチルを示し、bは0又は1、dは1又は2、eは1又は2を示し、dとeは等しい。〕
で示される有機錫チオ脂肪酸エステル類、式(3)
【0015】
【化3】

〔式(3)中、Rはブチル又はオクチル、Xは−OCOCH=CHCOO−であり、fは1又は2、pは1〜10の整数を示す。〕
で示される有機錫マレエート類、又は式(4)
【0016】
【化4】

〔式(4)中、Rはメチル、ブチル又はオクチル、Xは硫黄(−S−)又は−S(CHCOO−であり、gは1又は2、hは1又は2、qは1〜10の整数を示す。〕
で示される有機錫サルファイド類若しくは有機錫チオ脂肪酸塩類である。
【0017】
式(1)中のRの炭素数1〜18のアルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル及びオクタデシル等を挙げることができ、好ましくは炭素数1〜13のアルキル基であり、その例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル及びトリデシル等を挙げることができる。
【0018】
式(2)中のRの炭素数1〜13のアルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル及びトリデシル等を挙げることができ、好ましくは炭素数1〜8のアルキル基であり、その例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル及び2−エチルヘキシル等を挙げることができる。
【0019】
式(1)で示される有機錫マレイン酸エステル塩類としては、アルキル錫トリス(マレイン酸エステル塩)、ビス[アルキル錫ビス(マレイン酸エステル塩)]マレエート、ビス[アルキル錫ビス(マレイン酸エステル塩)]オキサイド、ジアルキル錫ビス(マレイン酸エステル塩)、ビス(ジアルキル錫マレイン酸エステル塩)マレエート及びビス(ジアルキル錫マレイン酸エステル塩)オキサイド等を挙げることができる。
【0020】
式(2)で示される有機錫チオ脂肪酸エステル類としては、アルキル錫トリス(チオ脂肪酸エステル)、ビス[アルキル錫ビス(チオ脂肪酸エステル)]チオ脂肪酸塩、ビス[アルキル錫ビス(チオ脂肪酸エステル)]オキサイド、ビス[アルキル錫ビス(チオ脂肪酸エステル)]サルファイド、ジアルキル錫ビス(チオ脂肪酸エステル)、ビス(ジアルキル錫チオ脂肪酸エステル)チオ脂肪酸塩、ビス(ジアルキル錫チオ脂肪酸エステル)オキサイド及びビス(ジアルキル錫チオ脂肪酸エステル)サルファイド等を挙げることができる。
【0021】
式(3)で示される有機錫マレエート類としては、アルキル錫マレエート、アルキル錫マレエートポリマー、ジアルキル錫マレエート及びジアルキル錫マレエートポリマーを挙げることができる。
【0022】
式(4)で示される有機錫サルファイド類及び有機錫チオ脂肪酸塩類としては、アルキル錫サルファイド、アルキル錫サルファイドポリマー、ジアルキル錫サルファイド、ジアルキル錫サルファイドポリマー、アルキル錫チオ脂肪酸塩、アルキル錫チオ脂肪酸塩ポリマー、ジアルキル錫チオ脂肪酸塩及びジアルキル錫チオ脂肪酸塩ポリマーを挙げることができる。
【0023】
本発明で用いられる有機錫化合物の中で好ましいものとしては、式(1)で示されるジアルキル錫ビス(マレイン酸エステル塩)及びビス(ジアルキル錫マレイン酸エステル塩)マレエート、並びに式(3)で示されるジアルキル錫マレエート及びジアルキル錫マレエートポリマーを挙げることができる。
【0024】
式(1)で示される有機錫マレイン酸エステル塩類の具体例としては、ブチル錫トリス(メチルマレエート)、ブチル錫トリス(ブチルマレエート)、ブチル錫トリス(オクチルマレエート)、ブチル錫トリス(イソオクチルマレエート)、ブチル錫トリス(2−エチルヘキシルマレエート)、ブチル錫トリス(ドデシルマレエート)、ブチル錫トリス(オクタデシルマレエート)、ブチル錫トリス(メトキシブチルマレエート)、オクチル錫トリス(メチルマレエート)、オクチル錫トリス(ブチルマレエート)、オクチル錫トリス(オクチルマレエート)、オクチル錫トリス(イソオクチルマレエート)、オクチル錫トリス(2−エチルヘキシルマレエート)、オクチル錫トリス(ドデシルマレエート)、オクチル錫トリス(オクタデシルマレエート)及びオクチル錫トリス(メトキシブチルマレエート)等のアルキル錫トリス(マレイン酸エステル塩)、ビス[ブチル錫ビス(メチルマレエート)]マレエート、ビス[ブチル錫ビス(ブチルマレエート)]マレエート、ビス[ブチル錫ビス(オクチルマレエート)]マレエート、ビス[ブチル錫ビス(イソオクチルマレエート)]マレエート、ビス[ブチル錫ビス(2−エチルヘキシルマレエート)]マレエート、ビス[ブチル錫ビス(ドデシルマレエート)]マレエート、ビス[ブチル錫ビス(オクタデシルマレエート)]マレエート、ビス[ブチル錫ビス(メトキシブチルマレエート)]マレエート、ビス[オクチル錫ビス(メチルマレエート)]マレエート、ビス[オクチル錫ビス(ブチルマレエート)]マレエート、ビス[オクチル錫ビス(オクチルマレエート)]マレエート、ビス[オクチル錫ビス(イソオクチルマレエート)]マレエート、ビス[オクチル錫ビス(2−エチルヘキシルマレエート)]マレエート、ビス[オクチル錫ビス(ドデシルマレエート)]マレエート、ビス[オクチル錫ビス(オクタデシルマレエート)]マレエート及びビス[オクチル錫ビス(メトキシブチルマレエート)]マレエート等のビス[アルキル錫ビス(マレイン酸エステル塩)]マレエート、ビス[ブチル錫ビス(メチルマレエート)]オキサイド、ビス[ブチル錫ビス(ブチルマレエート)]オキサイド、ビス[ブチル錫ビス(オクチルマレエート)]オキサイド、ビス[ブチル錫ビス(イソオクチルマレエート)]オキサイド、ビス[ブチル錫ビス(2−エチルヘキシルマレエート)]オキサイド、ビス[ブチル錫ビス(ドデシルマレエート)]オキサイド、ビス[ブチル錫ビス(オクタデシルマレエート)]オキサイド、ビス[ブチル錫ビス(メトキシブチルマレエート)]オキサイド、ビス[オクチル錫ビス(メチルマレエート)]オキサイド、ビス[オクチル錫ビス(ブチルマレエート)]オキサイド、ビス[オクチル錫ビス(オクチルマレエート)]オキサイド、ビス[オクチル錫ビス(イソオクチルマレエート)]オキサイド、ビス[オクチル錫ビス(2−エチルヘキシルマレエート)]オキサイド、ビス[オクチル錫ビス(ドデシルマレエート)]オキサイド、ビス[オクチル錫ビス(オクタデシルマレエート)]オキサイド及びビス[オクチル錫ビス(メトキシブチルマレエート)]オキサイド等のビス[アルキル錫ビス(マレイン酸エステル塩)]オキサイド、ジブチル錫ビス(メチルマレエート)、ジブチル錫ビス(エチルマレエート)、ジブチル錫ビス(プロピルマレエート)、ジブチル錫ビス(イソプロピルマレエート)、ジブチル錫ビス(ブチルマレエート)、ジブチル錫ビス(ペンチルマレエート)、ジブチル錫ビス(ヘキシルマレエート)、ジブチル錫ビス(ヘプチルマレエート)、ジブチル錫ビス(オクチルマレエート)、ジブチル錫ビス(イソオクチルマレエート)、ジブチル錫ビス(2−エチルヘキシルマレエート)、ジブチル錫ビス(ノニルマレエート)、ジブチル錫ビス(デシルマレエート)、ジブチル錫ビス(ウンデシルマレエート)、ジブチル錫ビス(ドデシルマレエート)、ジブチル錫ビス(トリデシルマレエート)、ジブチル錫ビス(オクタデシルマレエート)、ジブチル錫ビス(オレイルマレエート)、ジブチル錫ビス(ベンジルマレエート)、ジブチル錫ビス(シクロヘキシルマレエート)、ジブチル錫ビス(メトキシブチルマレエート)、ジオクチル錫ビス(メチルマレエート)、ジオクチル錫ビス(エチルマレエート)、ジオクチル錫ビス(プロピルマレエート)、ジオクチル錫ビス(イソプロピルマレエート)、ジオクチル錫ビス(ブチルマレエート)、ジオクチル錫ビス(ペンチルマレエート)、ジオクチル錫ビス(ヘキシルマレエート)、ジオクチル錫ビス(ヘプチルマレエート)、ジオクチル錫ビス(オクチルマレエート)、ジオクチル錫ビス(イソオクチルマレエート)、ジオクチル錫ビス(2−エチルヘキシルマレエート)、ジオクチル錫ビス(ノニルマレエート)、ジオクチル錫ビス(デシルマレエート)、ジオクチル錫ビス(ウンデシルマレエート)、ジオクチル錫ビス(ドデシルマレエート)、ジオクチル錫ビス(トリデシルマレエート)、ジオクチル錫ビス(オクタデシルマレエート)、ジオクチル錫ビス(オレイルマレエート)、ジオクチル錫ビス(ベンジルマレエート)、ジオクチル錫ビス(シクロヘキシルマレエート)及びジオクチル錫ビス(メトキシブチルマレエート)等のジアルキル錫ビス(マレイン酸エステル塩)、ビス(ジブチル錫メチルマレエート)マレエート、ビス(ジブチル錫エチルマレエート)マレエート、ビス(ジブチル錫プロピルマレエート)マレエート、ビス(ジブチル錫イソプロピルマレエート)マレエート、ビス(ジブチル錫ブチルマレエート)マレエート、ビス(ジブチル錫ペンチルマレエート)マレエート、ビス(ジブチル錫ヘキシルマレエート)マレエート、ビス(ジブチル錫ヘプチルマレエート)マレエート、ビス(ジブチル錫オクチルマレエート)マレエート、ビス(ジブチル錫イソオクチルマレエート)マレエート、ビス(ジブチル錫2−エチルヘキシルマレエート)マレエート、ビス(ジブチル錫ノニルマレエート)マレエート、ビス(ジブチル錫デシルマレエート)マレエート、ビス(ジブチル錫ウンデシルマレエート)マレエート、ビス(ジブチル錫ドデシルマレエート)マレエート、ビス(ジブチル錫トリデシルマレエート)マレエート、ビス(ジブチル錫オクタデシルマレエート)マレエート、ビス(ジブチル錫オレイルマレエート)マレエート、ビス(ジブチル錫ベンジルマレエート)マレエート、ビス(ジブチル錫シクロヘキシルマレエート)マレエート、ビス(ジブチル錫メトキシブチルマレエート)マレエート、ビス(ジオクチル錫メチルマレエート)マレエート、ビス(ジオクチル錫エチルマレエート)マレエート、ビス(ジオクチル錫プロピルマレエート)マレエート、ビス(ジオクチル錫イソプロピルマレエート)マレエート、ビス(ジオクチル錫ブチルマレエート)マレエート、ビス(ジオクチル錫ペンチルマレエート)マレエート、ビス(ジオクチル錫ヘキシルマレエート)マレエート、ビス(ジオクチル錫ヘプチルマレエート)マレエート、ビス(ジオクチル錫オクチルマレエート)マレエート、ビス(ジオクチル錫イソオクチルマレエート)マレエート、ビス(ジオクチル錫2−エチルヘキシルマレエート)マレエート、ビス(ジオクチル錫ノニルマレエート)マレエート、ビス(ジオクチル錫デシルマレエート)マレエート、ビス(ジオクチル錫ウンデシルマレエート)マレエート、ビス(ジオクチル錫ドデシルマレエート)マレエート、ビス(ジオクチル錫トリデシルマレエート)マレエート、ビス(ジオクチル錫オクタデシルマレエート)マレエート、ビス(ジオクチル錫オレイルマレエート)マレエート、ビス(ジオクチル錫ベンジルマレエート)マレエート、ビス(ジオクチル錫シクロヘキシルマレエート)マレエート及びビス(ジオクチル錫メトキシブチルマレエート)マレエート等のビス(ジアルキル錫マレイン酸エステル塩)マレエート、並びにビス(ジブチル錫メチルマレエート)オキサイド、ビス(ジブチル錫エチルマレエート)オキサイド、ビス(ジブチル錫プロピルマレエート)オキサイド、ビス(ジブチル錫イソプロピルマレエート)オキサイド、ビス(ジブチル錫ブチルマレエート)オキサイド、ビス(ジブチル錫ペンチルマレエート)オキサイド、ビス(ジブチル錫ヘキシルマレエート)オキサイド、ビス(ジブチル錫ヘプチルマレエート)オキサイド、ビス(ジブチル錫オクチルマレエート)オキサイド、ビス(ジブチル錫イソオクチルマレエート)オキサイド、ビス(ジブチル錫2−エチルヘキシルマレエート)オキサイド、ビス(ジブチル錫ノニルマレエート)オキサイド、ビス(ジブチル錫デシルマレエート)オキサイド、ビス(ジブチル錫ウンデシルマレエート)オキサイド、ビス(ジブチル錫ドデシルマレエート)オキサイド、ビス(ジブチル錫トリデシルマレエート)オキサイド、ビス(ジブチル錫オクタデシルマレエート)オキサイド、ビス(ジブチル錫オレイルマレエート)オキサイド、ビス(ジブチル錫ベンジルマレエート)オキサイド、ビス(ジブチル錫シクロヘキシルマレエート)オキサイド、ビス(ジブチル錫メトキシブチルマレエート)オキサイド、ビス(ジオクチル錫メチルマレエート)オキサイド、ビス(ジオクチル錫エチルマレエート)オキサイド、ビス(ジオクチル錫プロピルマレエート)オキサイド、ビス(ジオクチル錫イソプロピルマレエート)オキサイド、ビス(ジオクチル錫ブチルマレエート)オキサイド、ビス(ジオクチル錫ペンチルマレエート)オキサイド、ビス(ジオクチル錫ヘキシルマレエート)オキサイド、ビス(ジオクチル錫ヘプチルマレエート)オキサイド、ビス(ジオクチル錫オクチルマレエート)オキサイド、ビス(ジオクチル錫イソオクチルマレエート)オキサイド、ビス(ジオクチル錫2−エチルヘキシルマレエート)オキサイド、ビス(ジオクチル錫ノニルマレエート)オキサイド、ビス(ジオクチル錫デシルマレエート)オキサイド、ビス(ジオクチル錫ウンデシルマレエート)オキサイド、ビス(ジオクチル錫ドデシルマレエート)オキサイド、ビス(ジオクチル錫トリデシルマレエート)オキサイド、ビス(ジオクチル錫オクタデシルマレエート)オキサイド、ビス(ジオクチル錫オレイルマレエート)オキサイド、ビス(ジオクチル錫ベンジルマレエート)オキサイド、ビス(ジオクチル錫シクロヘキシルマレエート)オキサイド及びビス(ジオクチル錫メトキシブチルマレエート)オキサイド等のビス(ジアルキル錫マレイン酸エステル塩)オキサイドを挙げることができ、好ましいものとしては、ジブチル錫ビス(メチルマレエート)、ジブチル錫ビス(エチルマレエート)、ジブチル錫ビス(プロピルマレエート)、ジブチル錫ビス(イソプロピルマレエート)、ジブチル錫ビス(ブチルマレエート)、ジブチル錫ビス(ペンチルマレエート)、ジブチル錫ビス(ヘキシルマレエート)、ジブチル錫ビス(ヘプチルマレエート)、ジブチル錫ビス(オクチルマレエート)、ジブチル錫ビス(イソオクチルマレエート)、ジブチル錫ビス(2−エチルヘキシルマレエート)、ジブチル錫ビス(ノニルマレエート)、ジブチル錫ビス(デシルマレエート)、ジブチル錫ビス(ウンデシルマレエート)、ジブチル錫ビス(ドデシルマレエート)、ジブチル錫ビス(トリデシルマレエート)、ジブチル錫ビス(オレイルマレエート)、ジブチル錫ビス(ベンジルマレエート)、ジブチル錫ビス(シクロヘキシルマレエート)、ジブチル錫ビス(メトキシブチルマレエート)、ジオクチル錫ビス(メチルマレエート)、ジオクチル錫ビス(エチルマレエート)、ジオクチル錫ビス(プロピルマレエート)、ジオクチル錫ビス(イソプロピルマレエート)、ジオクチル錫ビス(ブチルマレエート)、ジオクチル錫ビス(ペンチルマレエート)、ジオクチル錫ビス(ヘキシルマレエート)、ジオクチル錫ビス(ヘプチルマレエート)、ジオクチル錫ビス(オクチルマレエート)、ジオクチル錫ビス(イソオクチルマレエート)、ジオクチル錫ビス(2−エチルヘキシルマレエート)、ジオクチル錫ビス(ノニルマレエート)、ジオクチル錫ビス(デシルマレエート)、ジオクチル錫ビス(ウンデシルマレエート)、ジオクチル錫ビス(ドデ
シルマレエート)、ジオクチル錫ビス(トリデシルマレエート)、ジオクチル錫ビス(オレイルマレエート)、ジオクチル錫ビス(ベンジルマレエート)、ジオクチル錫ビス(シクロヘキシルマレエート)及びジオクチル錫ビス(メトキシブチルマレエート)等のジアルキル錫ビス(マレイン酸エステル塩)、並びにビス(ジブチル錫メチルマレエート)マレエート、ビス(ジブチル錫エチルマレエート)マレエート、ビス(ジブチル錫プロピルマレエート)マレエート、ビス(ジブチル錫イソプロピルマレエート)マレエート、ビス(ジブチル錫ブチルマレエート)マレエート、ビス(ジブチル錫ペンチルマレエート)マレエート、ビス(ジブチル錫ヘキシルマレエート)マレエート、ビス(ジブチル錫ヘプチルマレエート)マレエート、ビス(ジブチル錫オクチルマレエート)マレエート、ビス(ジブチル錫イソオクチルマレエート)マレエート、ビス(ジブチル錫2−エチルヘキシルマレエート)マレエート、ビス(ジブチル錫ノニルマレエート)マレエート、ビス(ジブチル錫デシルマレエート)マレエート、ビス(ジブチル錫ウンデシルマレエート)マレエート、ビス(ジブチル錫ドデシルマレエート)マレエート、ビス(ジブチル錫トリデシルマレエート)マレエート、ビス(ジブチル錫オレイルマレエート)マレエート、ビス(ジブチル錫ベンジルマレエート)マレエート、ビス(ジブチル錫シクロヘキシルマレエート)マレエート、ビス(ジブチル錫メトキシブチルマレエート)マレエート、ビス(ジオクチル錫メチルマレエート)マレエート、ビス(ジオクチル錫エチルマレエート)マレエート、ビス(ジオクチル錫プロピルマレエート)マレエート、ビス(ジオクチル錫イソプロピルマレエート)マレエート、ビス(ジオクチル錫ブチルマレエート)マレエート、ビス(ジオクチル錫ペンチルマレエート)マレエート、ビス(ジオクチル錫ヘキシルマレエート)マレエート、ビス(ジオクチル錫ヘプチルマレエート)マレエート、ビス(ジオクチル錫オクチルマレエート)マレエート、ビス(ジオクチル錫イソオクチルマレエート)マレエート、ビス(ジオクチル錫2−エチルヘキシルマレエート)マレエート、ビス(ジオクチル錫ノニルマレエート)マレエート、ビス(ジオクチル錫デシルマレエート)マレエート、ビス(ジオクチル錫ウンデシルマレエート)マレエート、ビス(ジオクチル錫ドデシルマレエート)マレエート、ビス(ジオクチル錫トリデシルマレエート)マレエート、ビス(ジオクチル錫オレイルマレエート)マレエート、ビス(ジオクチル錫ベンジルマレエート)マレエート、ビス(ジオクチル錫シクロヘキシルマレエート)マレエート及びビス(ジオクチル錫メトキシブチルマレエート)マレエート等のビス(ジアルキル錫マレイン酸エステル塩)マレエートを挙げることができる。
【0025】
式(2)で示される有機錫チオ脂肪酸エステル類の具体例としては、メチル錫トリス(チオ酢酸オクチル)、メチル錫トリス(チオ酢酸イソオクチル)、メチル錫トリス(チオ酢酸2−エチルヘキシル)、ブチル錫トリス(チオ酢酸メチル)、ブチル錫トリス(チオ酢酸ブチル)、ブチル錫トリス(チオ酢酸オクチル)、ブチル錫トリス(チオ酢酸イソオクチル)、ブチル錫トリス(チオ酢酸2−エチルヘキシル)、ブチル錫トリス(チオ酢酸トリデシル)、ブチル錫トリス(チオ酢酸メトキシブチル)、オクチル錫トリス(チオ酢酸メチル)、オクチル錫トリス(チオ酢酸ブチル)、オクチル錫トリス(チオ酢酸オクチル)、オクチル錫トリス(チオ酢酸イソオクチル)、オクチル錫トリス(チオ酢酸2−エチルヘキシル)、オクチル錫トリス(チオ酢酸トリデシル)、オクチル錫トリス(チオ酢酸メトキシブチル)、メチル錫トリス(チオプロピオン酸イソオクチル)、メチル錫トリス(チオプロピオン酸2−エチルヘキシル)、ブチル錫トリス(チオプロピオン酸メチル)、ブチル錫トリス(チオプロピオン酸ブチル)、ブチル錫トリス(チオプロピオン酸イソオクチル)、ブチル錫トリス(チオプロピオン酸2−エチルヘキシル)、ブチル錫トリス(チオプロピオン酸トリデシル)、ブチル錫トリス(チオプロピオン酸メトキシブチル)、オクチル錫トリス(チオプロピオン酸メチル)、オクチル錫トリス(チオプロピオン酸ブチル)、オクチル錫トリス(チオプロピオン酸イソオクチル)、オクチル錫トリス(チオプロピオン酸2−エチルヘキシル)、オクチル錫トリス(チオプロピオン酸トリデシル)及びオクチル錫トリス(チオプロピオン酸メトキシブチル)等のアルキル錫トリス(チオ脂肪酸エステル)、ビス[メチル錫ビス(チオ酢酸オクチル)]チオ酢酸塩、ビス[メチル錫ビス(チオ酢酸イソオクチル)]チオ酢酸塩、ビス[メチル錫ビス(チオ酢酸2−エチルヘキシル)]チオ酢酸塩、ビス[ブチル錫ビス(チオ酢酸メチル)]チオ酢酸塩、ビス[ブチル錫ビス(チオ酢酸ブチル)]チオ酢酸塩、ビス[ブチル錫ビス(チオ酢酸オクチル)]チオ酢酸塩、ビス[ブチル錫ビス(チオ酢酸イソオクチル)]チオ酢酸塩、ビス[ブチル錫ビス(チオ酢酸2−エチルヘキシル)]チオ酢酸塩、ビス[ブチル錫ビス(チオ酢酸トリデシル)]チオ酢酸塩、ビス[ブチル錫ビス(チオ酢酸メトキシブチル)]チオ酢酸塩、ビス[オクチル錫ビス(チオ酢酸メチル)]チオ酢酸塩、ビス[オクチル錫ビス(チオ酢酸ブチル)]チオ酢酸塩、ビス[オクチル錫ビス(チオ酢酸オクチル)]チオ酢酸塩、ビス[オクチル錫ビス(チオ酢酸イソオクチル)]チオ酢酸塩、ビス[オクチル錫ビス(チオ酢酸2−エチルヘキシル)]チオ酢酸塩、ビス[オクチル錫ビス(チオ酢酸トリデシル)]チオ酢酸塩、ビス[オクチル錫ビス(チオ酢酸メトキシブチル)]チオ酢酸塩、ビス[メチル錫ビス(チオプロピオン酸イソオクチル)]チオプロピオン酸塩、ビス[メチル錫ビス(チオプロピオン酸2−エチルヘキシル)]チオプロピオン酸塩、ビス[ブチル錫ビス(チオプロピオン酸メチル)]チオプロピオン酸塩、ビス[ブチル錫ビス(チオプロピオン酸ブチル)]チオプロピオン酸塩、ビス[ブチル錫ビス(チオプロピオン酸イソオクチル)]チオプロピオン酸塩、ビス[ブチル錫ビス(チオプロピオン酸2−エチルヘキシル)]チオプロピオン酸塩、ビス[ブチル錫ビス(チオプロピオン酸トリデシル)]チオプロピオン酸塩、ビス[ブチル錫ビス(チオプロピオン酸メトキシブチル)]チオプロピオン酸塩、ビス[オクチル錫ビス(チオプロピオン酸メチル)]チオプロピオン酸塩、ビス[オクチル錫ビス(チオプロピオン酸ブチル)]チオプロピオン酸塩、ビス[オクチル錫ビス(チオプロピオン酸イソオクチル)]チオプロピオン酸塩、ビス[オクチル錫ビス(チオプロピオン酸2−エチルヘキシル)]チオプロピオン酸塩、ビス[オクチル錫ビス(チオプロピオン酸トリデシル)]チオプロピオン酸塩及びビス[オクチル錫ビス(チオプロピオン酸メトキシブチル)]チオプロピオン酸塩等のビス[アルキル錫ビス(チオ脂肪酸エステル)]チオ脂肪酸塩、ビス[ブチル錫ビス(チオプロピオン酸イソオクチル)]オキサイド、ビス[ブチル錫ビス(チオプロピオン酸2−エチルヘキシル)]オキサイド、ビス[オクチル錫ビス(チオプロピオン酸イソオクチル)]オキサイド及びビス[オクチル錫ビス(チオプロピオン酸2−エチルヘキシル)]オキサイド等のビス[アルキル錫ビス(チオ脂肪酸エステル)]オキサイド、ビス[メチル錫ビス(チオ酢酸オクチル)]サルファイド、ビス[メチル錫ビス(チオ酢酸イソオクチル)]サルファイド、ビス[メチル錫ビス(チオ酢酸2−エチルヘキシル)]サルファイド、ビス[ブチル錫ビス(チオ酢酸メチル)]サルファイド、ビス[ブチル錫ビス(チオ酢酸ブチル)]サルファイド、ビス[ブチル錫ビス(チオ酢酸オクチル)]サルファイド、ビス[ブチル錫ビス(チオ酢酸イソオクチル)]サルファイド、ビス[ブチル錫ビス(チオ酢酸2−エチルヘキシル)]サルファイド、ビス[ブチル錫ビス(チオ酢酸トリデシル)]サルファイド、ビス[ブチル錫ビス(チオ酢酸メトキシブチル)]サルファイド、ビス[オクチル錫ビス(チオ酢酸メチル)]サルファイド、ビス[オクチル錫ビス(チオ酢酸ブチル)]サルファイド、ビス[オクチル錫ビス(チオ酢酸オクチル)]サルファイド、ビス[オクチル錫ビス(チオ酢酸イソオクチル)]サルファイド、ビス[オクチル錫ビス(チオ酢酸2−エチルヘキシル)]サルファイド、ビス[オクチル錫ビス(チオ酢酸トリデシル)]サルファイド、ビス[オクチル錫ビス(チオ酢酸メトキシブチル)]サルファイド、ビス[メチル錫ビス(チオプロピオン酸イソオクチル)]サルファイド、ビス[メチル錫ビス(チオプロピオン酸2−エチルヘキシル)]サルファイド、ビス[ブチル錫ビス(チオプロピオン酸メチル)]サルファイド、ビス[ブチル錫ビス(チオプロピオン酸ブチル)]サルファイド、ビス[ブチル錫ビス(チオプロピオン酸イソオクチル)]サルファイド、ビス[ブチル錫ビス(チオプロピオン酸2−エチルヘキシル)]サルファイド、ビス[ブチル錫ビス(チオプロピオン酸トリデシル)]サルファイド、ビス[ブチル錫ビス(チオプロピオン酸メトキシブチル)]サルファイド、ビス[オクチル錫ビス(チオプロピオン酸メチル)]サルファイド、ビス[オクチル錫ビス(チオプロピオン酸ブチル)]サルファイド、ビス[オクチル錫ビス(チオプロピオン酸イソオクチル)]サルファイド、ビス[オクチル錫ビス(チオプロピオン酸2−エチルヘキシル)]サルファイド、ビス[オクチル錫ビス(チオプロピオン酸トリデシル)]サルファイド及びビス[オクチル錫ビス(チオプロピオン酸メトキシブチル)]サルファイド等のビス[アルキル錫ビス(チオ脂肪酸エステル)]サルファイド、ジメチル錫ビス(チオ酢酸オクチル)、ジメチル錫ビス(チオ酢酸イソオクチル)、ジメチル錫ビス(チオ酢酸2−エチルヘキシル)、ジブチル錫ビス(チオ酢酸メチル)、ジブチル錫ビス(チオ酢酸ブチル)、ジブチル錫ビス(チオ酢酸オクチル)、ジブチル錫ビス(チオ酢酸イソオクチル)、ジブチル錫ビス(チオ酢酸2−エチルヘキシル)、ジブチル錫ビス(チオ酢酸トリデシル)、ジブチル錫ビス(チオ酢酸メトキシブチル)、ジオクチル錫ビス(チオ酢酸メチル)、ジオクチル錫ビス(チオ酢酸ブチル)、ジオクチル錫ビス(チオ酢酸オクチル)、ジオクチル錫ビス(チオ酢酸イソオクチル)、ジオクチル錫ビス(チオ酢酸2−エチルヘキシル)、ジオクチル錫ビス(チオ酢酸トリデシル)、ジオクチル錫ビス(チオ酢酸メトキシブチル)、ジメチル錫ビス(チオプロピオン酸イソオクチル)、ジメチル錫ビス(チオプロピオン酸2−エチルヘキシル)、ジブチル錫ビス(チオプロピオン酸メチル)、ジブチル錫ビス(チオプロピオン酸ブチル)、ジブチル錫ビス(チオプロピオン酸イソオクチル)、ジブチル錫ビス(チオプロピオン酸2−エチルヘキシル)、ジブチル錫ビス(チオプロピオン酸トリデシル)、ジブチル錫ビス(チオプロピオン酸メトキシブチル)、ジオクチル錫ビス(チオプロピオン酸メチル)、ジオクチル錫ビス(チオプロピオン酸ブチル)、ジオクチル錫ビス(チオプロピオン酸イソオクチル)、ジオクチル錫ビス(チオプロピオン酸2−エチルヘキシル)、ジオクチル錫ビス(チオプロピオン酸トリデシル)及びジオクチル錫ビス(チオプロピオン酸メトキシブチル)等のジアルキル錫ビス(チオ脂肪酸エステル)、ビス(ジメチル錫チオ酢酸オクチル)チオ酢酸塩、ビス(ジメチル錫チオ酢酸イソオクチル)チオ酢酸塩、ビス(ジメチル錫チオ酢酸2−エチルヘキシル)チオ酢酸塩、ビス(ジブチル錫チオ酢酸メチル)チオ酢酸塩、ビス(ジブチル錫チオ酢酸ブチル)チオ酢酸塩、ビス(ジブチル錫チオ酢酸オクチル)チオ酢酸塩、ビス(ジブチル錫チオ酢酸イソオクチル)チオ酢酸塩、ビス(ジブチル錫チオ酢酸2−エチルヘキシル)チオ酢酸塩、ビス(ジブチル錫チオ酢酸トリデシル)チオ酢酸塩、ビス(ジブチル錫チオ酢酸メトキシブチル)チオ酢酸塩、ビス(ジオクチル錫チオ酢酸メチル)チオ酢酸塩、ビス(ジオクチル錫チオ酢酸ブチル)チオ酢酸塩、ビス(ジオクチル錫チオ酢酸オクチル)チオ酢酸塩、ビス(ジオクチル錫チオ酢酸イソオクチル)チオ酢酸塩、ビス(ジオクチル錫チオ酢酸2−エチルヘキシル)チオ酢酸塩、ビス(ジオクチル錫チオ酢酸トリデシル)チオ酢酸塩、ビス(ジオクチル錫チオ酢酸メトキシブチル)チオ酢酸塩、ビス(ジメチル錫チオプロピオン酸イソオクチル)チオプロピオン酸塩、ビス(ジメチル錫チオプロピオン酸2−エチルヘキシル)チオプロピオン酸塩、ビス(ジブチル錫チオプロピオン酸メチル)チオプロピオン酸塩、ビス(ジブチル錫チオプロピオン酸ブチル)チオプロピオン酸塩、ビス(ジブチル錫チオプロピオン酸イソオクチル)チオプロピオン酸塩、ビス(ジブチル錫チオプロピオン酸2−エチルヘキシル)チオプロピオン酸塩、ビス(ジブチル錫チオプロピオン酸トリデシル)チオプロピオン酸塩、ビス(ジブチル錫チオプロピオン酸メトキシブチル)チオプロピオン酸塩、ビス(ジオクチル錫チオプロピオン酸メチル)チオプロピオン酸塩、ビス(ジオクチル錫チオプロピオン酸ブチル)チオプロピオン酸塩、ビス(ジオクチル錫チオプロピオン酸イソオクチル)チオプロピオン酸塩、ビス(ジオクチル錫チオプロピオン酸2−エチルヘキシル)チオプロピオン酸塩、ビス(ジオクチル錫チオプロピオン酸トリデシル)チオプロピオン酸塩及びビス(ジオクチル錫チオプロピオン酸メトキシブチル)チオプロピオン酸塩等のビス(ジアルキル錫チオ脂肪酸エステル)チオ脂肪酸塩、ビス(ジブチル錫チオプロピオン酸イソオクチル)オキサイド、ビス(ジブチル錫チオプロピオン酸2−エチルヘキシル)オキサイド、ビス(ジオクチル錫チオプロピオン酸イソオクチル)オキサイド及びビス(ジオクチル錫チオプロピオン酸2−エチルヘキシル)オキサイド等のビス(ジアルキル錫チオ脂肪酸エステル)オキサイド、並びにビス(ジメチル錫チオ酢酸オクチル)サルファイド、ビス(ジメチル錫チオ酢酸イソオクチル)サルファイド、ビス(ジメチル錫チオ酢酸2−エチルヘキシル)サルファイド、ビス(ジブチル錫チオ酢酸メチル)サルファイド、ビス(ジブチル錫チオ酢酸ブチル)サルファイド、ビス(ジブチル錫チオ酢酸オクチル)サルファイド、ビス(ジブチル錫チオ酢酸イソオクチル)サルファイド、ビス(ジブチル錫チオ酢酸2−エチルヘキシル)サルファイド、ビス(ジブチル錫チオ酢酸トリデシル)サルファイド、ビス(ジブチル錫チオ酢酸メトキシブチル)サルファイド、ビス(ジオクチル錫チオ酢酸メチル)サルファイド、ビス(ジオクチル錫チオ酢酸ブチル)サルファイド、ビス(ジオクチル錫チオ酢酸オクチル)サルファイド、ビス(ジオクチル錫チオ酢酸イソオクチル)サルファイド、ビス(ジオクチル錫チオ酢酸2−エチルヘキシル)サルファイド、ビス(ジオクチル錫チオ酢酸トリデシル)サルファイド、ビス(ジオクチル錫チオ酢酸メトキシブチル)サルファイド、ビス(ジメチル錫チオプロピオン酸
イソオクチル)サルファイド、ビス(ジメチル錫チオプロピオン酸2−エチルヘキシル)サルファイド、ビス(ジブチル錫チオプロピオン酸メチル)サルファイド、ビス(ジブチル錫チオプロピオン酸ブチル)サルファイド、ビス(ジブチル錫チオプロピオン酸イソオクチル)サルファイド、ビス(ジブチル錫チオプロピオン酸2−エチルヘキシル)サルファイド、ビス(ジブチル錫チオプロピオン酸トリデシル)サルファイド、ビス(ジブチル錫チオプロピオン酸メトキシブチル)サルファイド、ビス(ジオクチル錫チオプロピオン酸メチル)サルファイド、ビス(ジオクチル錫チオプロピオン酸ブチル)サルファイド、ビス(ジオクチル錫チオプロピオン酸イソオクチル)サルファイド、ビス(ジオクチル錫チオプロピオン酸2−エチルヘキシル)サルファイド、ビス(ジオクチル錫チオプロピオン酸トリデシル)サルファイド及びビス(ジオクチル錫チオプロピオン酸メトキシブチル)サルファイド等のビス(ジアルキル錫チオ脂肪酸エステル)サルファイドを挙げることができる。
【0026】
式(3)で示される有機錫マレエート類の具体例としては、ブチル錫マレエート及びオクチル錫マレエートのアルキル錫マレエート、ブチル錫マレエートポリマー及びオクチル錫マレエートポリマーのアルキル錫マレエートポリマー、ジブチル錫マレエート及びジオクチル錫マレエートのジアルキル錫マレエート、並びにジブチル錫マレエートポリマー及びジオクチル錫マレエートポリマーのジアルキル錫マレエートポリマーを挙げることができ、好ましいものとしては、ジブチル錫マレエート及びジオクチル錫マレエートのジアルキル錫マレエートポリマー、並びにジブチル錫マレエートポリマー及びジオクチル錫マレエートポリマーのジアルキル錫マレエートポリマーを挙げることができる。
【0027】
式(4)で示される有機錫サルファイド類及び有機錫チオ脂肪酸塩類の具体例としては、メチル錫サルファイド、ブチル錫サルファイド及びオクチル錫サルファイドのアルキル錫サルファイド、メチル錫サルファイドポリマー、ブチル錫サルファイドポリマー及びオクチル錫サルファイドポリマーのアルキル錫サルファイドポリマー、ジメチル錫サルファイド、ジブチル錫サルファイド及びジオクチル錫サルファイドのジアルキル錫サルファイド、ジメチル錫サルファイドポリマー、ジブチル錫サルファイドポリマー及びジオクチル錫サルファイドポリマーのジアルキル錫サルファイドポリマー、メチル錫チオ酢酸塩、ブチル錫チオ酢酸塩、オクチル錫チオ酢酸塩、メチル錫チオプロピオン酸塩、ブチル錫チオプロピオン酸塩及びオクチル錫チオプロピオン酸塩のアルキル錫チオ脂肪酸塩、メチル錫チオ酢酸塩ポリマー、ブチル錫チオ酢酸塩ポリマー、オクチル錫チオ酢酸塩ポリマー、メチル錫チオプロピオン酸塩ポリマー、ブチル錫チオプロピオン酸塩ポリマー及びオクチル錫チオプロピオン酸塩ポリマーのアルキル錫チオ脂肪酸塩ポリマー、ジメチル錫チオ酢酸塩、ジブチル錫チオ酢酸塩、ジオクチル錫チオ酢酸塩、ジメチル錫チオプロピオン酸塩、ジブチル錫チオプロピオン酸塩及びジオクチル錫チオプロピオン酸塩のジアルキル錫チオ脂肪酸塩、並びにジメチル錫チオ酢酸塩ポリマー、ジブチル錫チオ酢酸塩ポリマー、ジオクチル錫チオ酢酸塩ポリマー、ジメチル錫チオプロピオン酸塩ポリマー、ジブチル錫チオプロピオン酸塩ポリマー及びジオクチル錫チオプロピオン酸塩ポリマーのジアルキル錫チオ脂肪酸塩ポリマーを挙げることができる。
【0028】
本発明では、有機錫化合物は単独で用いることができるし、2種以上を併用することもできる。
【0029】
本発明において、塩素含有樹脂に対する(A成分)有機錫化合物の少なくとも1種の添加量の合計は、該樹脂100質量部に対して0.1〜10質量部である。(A成分)有機錫化合物の少なくとも1種の添加量の合計が0.1質量部未満の場合には熱安定性の改良や着色性の抑制は見られず、10質量部を超える場合には熱安定性は向上するが着色性の抑制は見られない。
【0030】
本発明で用いられる(B成分)トリフルオロメチルスルホニル化合物は、トリフルオロメタンスルホン酸〔CFSOH〕、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド〔(CFSONH〕、又は式(5)
[(CFSON]M (5)
〔式(5)中、Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属又は亜鉛を示し、jはMの原子価に等しく、1又は2を示す。〕
で示されるビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩若しくは亜鉛塩であり、好ましいものとしては、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、及び式(5)で示されるビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩若しくは亜鉛塩を挙げることができる。
【0031】
式(5)中のMのアルカリ金属及びアルカリ土類金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム及びバリウム等を挙げることができ、好ましくはリチウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム及びバリウムを挙げることができる。
【0032】
式(5)で示されるビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩及び亜鉛塩の具体例としては、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドリチウム塩、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドナトリウム塩、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドカリウム塩、ビス[ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド]マグネシウム塩、ビス[ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド]カルシウム塩、ビス[ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド]ストロンチウム塩、ビス[ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド]バリウム塩及びビス[ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド]亜鉛塩等を挙げることができ、好ましいものとしては、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドリチウム塩、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドナトリウム塩、ビス[ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド]マグネシウム塩、ビス[ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド]カルシウム塩、ビス[ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド]バリウム塩及びビス[ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド]亜鉛塩を挙げることができる。
【0033】
本発明では、トリフルオロメチルスルホニル化合物は単独で用いることができるし、2種以上を併用することもできる。
【0034】
本発明で用いられるトリフルオロメチルスルホニル化合物の製造は、公知の方法で行えばよく、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド〔(CFSONH〕の製法については、例えば、特開平2−56805号公報、特開平8−81436号公報、特開平10−17541号公報、特開平11−209338号公報及び特開2000−86617号公報等に記載されている製法を挙げることができ、又式(5)で示されるビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩若しくは亜鉛塩の製法については、例えば、特開平9−173856号公報及び特開2001−139540号公報等に記載されている製法を挙げることができる。
【0035】
本発明では、塩素含有樹脂に(A成分)有機錫化合物と共に(B成分)トリフルオロメチルスルホニル化合物を微量添加することにより、熱安定性が高度に改良され、且つ着色性が高度に抑制される。本発明において、塩素含有樹脂に対する(B成分)トリフルオロメチルスルホニル化合物の少なくとも1種の添加量の合計は、該樹脂100質量部に対して0.0001〜0.1質量部である。(B成分)トリフルオロメチルスルホニル化合物の少なくとも1種の添加量の合計が0.0001質量部未満の場合には熱安定性は改良及び着色性の抑制は見られず、0.1質量部を越える場合には予期した熱安定性の改良及び着色性の抑制が見られないばかりでなく、反対に熱安定性が低下し或いは熱劣化が促進される。
【0036】
本発明で用いられる(C成分)チオエーテル化合物は、式(6)
HC[S(CHCOOR (6)
〔式(6)中、Rは水素(−H)又はフェニル、Rは水素(−H)、炭素数1〜18のアルキル基又はメトキシブチルを示す。〕
で示される置換メチレンビス(チオプロピオン酸エステル)類、式(7)
HS(CHCOOR (7)
〔式(7)中、Rは水素(−H)、炭素数1〜13のアルキル基は又はメトキシブチルを示し、kは1又は2を示す。〕
で示されるメルカプト低級脂肪酸エステル類、式(8)
10S(CHCOOH (8)
〔式(8)中、R10は炭素数1〜18のアルキル基を示す。〕
で示されるアルキルチオプロピオン酸類、又は式(9)
[(CHCOOR11 (9)
〔式(9)中、R11は水素(−H)、炭素数1〜18のアルキル基又はメトキシブチルを示し、wは1又は2を示す。〕
で示されるポリチオジプロピオン酸エステル類である。
【0037】
本発明で用いられるチオエーテル化合物の中で好ましいものとしては、式(6)で示される置換メチレンビス(チオプロピオン酸エステル)類、式(8)で示されるアルキルチオプロピオン酸類、並びに式(9)で示されるポリチオジプロピオン酸エステル類を挙げることができる。
【0038】
式(6)中のRの炭素数1〜18のアルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル及びオクタデシル等を挙げることができ、好ましくは炭素数4〜18のアルキル基であり、その例としては、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル及びオクタデシル等を挙げることができる。
【0039】
式(7)中のRの炭素数1〜13のアルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル及びトリデシル等を挙げることができ、好ましくは炭素数1〜8のアルキル基であり、その例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル及び2−エチルヘキシル等を挙げることができる。
【0040】
式(8)中のR10の炭素数1〜18のアルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル及びオクタデシル等を挙げることができ、好ましくは炭素数4〜18のアルキル基であり、その例としては、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル及びオクタデシル等を挙げることができる。
【0041】
式(9)中のR11の炭素数1〜18のアルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル及びオクタデシル等を挙げることができ、好ましくは炭素数4〜18のアルキル基であり、その例としては、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル及びオクタデシル等を挙げることができる。
【0042】
式(6)で示される置換メチレンビス(チオプロピオン酸エステル)類の具体例としては、メチレンビス(チオプロピオン酸)、メチレンビス(チオプロピオン酸ブチル)、メチレンビス(チオプロピオン酸オクチル)、メチレンビス(チオプロピオン酸イソオクチル)、メチレンビス(チオプロピオン酸2−エチルヘキシル)、メチレンビス(チオプロピオン酸トリデシル)、メチレンビス(チオプロピオン酸オクタデシル)及びメチレンビス(チオプロピオン酸メトキシブチル)等のメチレンビス(チオプロピオン酸エステル)類、並びにフェニルメチレンビス(チオプロピオン酸)、フェニルメチレンビス(チオプロピオン酸ブチル)、フェニルメチレンビス(チオプロピオン酸オクチル)、フェニルメチレンビス(チオプロピオン酸イソオクチル)、フェニルメチレンビス(チオプロピオン酸2−エチルヘキシル)、フェニルメチレンビス(チオプロピオン酸トリデシル)、フェニルメチレンビス(チオプロピオン酸オクタデシル)及びフェニルメチレンビス(チオプロピオン酸メトキシブチル)等のフェニルメチレンビス(チオプロピオン酸エステル)類を挙げることができ、好ましいものとしては、フェニルメチレンビス(チオプロピオン酸)を挙げることができる。
【0043】
式(7)で示されるメルカプト低級脂肪酸エステル類の具体例としては、メルカプト酢酸、メルカプト酢酸メチル、メルカプト酢酸ブチル、メルカプト酢酸オクチル、メルカプト酢酸イソオクチル、メルカプト酢酸2−エチルヘキシル、メルカプト酢酸トリデシル及びメルカプト酢酸メトキシブチル等のメルカプト酢酸エステル類、並びに3−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸メチル、3−メルカプトプロピオン酸ブチル、3−メルカプトプロピオン酸オクチル、3−メルカプトプロピオン酸イソオクチル、3−メルカプトプロピオン酸2−エチルヘキシル、3−メルカプトプロピオン酸トリデシル及び3−メルカプトプロピオン酸メトキシブチル等の3−メルカプトプロピオン酸エステル類を挙げることができる。
【0044】
式(8)で示されるアルキルチオプロピオン酸類の具体例としては、ブチルチオプロピオン酸、オクチルチオプロピオン酸、イソオクチルチオプロピオン酸、2−エチルヘキシルチオプロピオン酸、ドデシルチオプロピオン酸及びオクタデシルチオプロピオン酸等を挙げることができ、好ましいものとしては、ドデシルチオプロピオン酸を挙げることができる。
【0045】
式(9)で示されるポリチオジプロピオン酸エステル類の具体例としては、チオジプロピオン酸、チオジプロピオン酸ブチル、チオジプロピオン酸オクチル、チオジプロピオン酸イソオクチル、チオジプロピオン酸2−エチルヘキシル、チオジプロピオン酸トリデシル、チオジプロピオン酸オクタデシル及びチオジプロピオン酸メトキシブチル等のチオジプロピオン酸エステル類、並びにジチオジプロピオン酸、ジチオジプロピオン酸ブチル、ジチオジプロピオン酸オクチル、ジチオジプロピオン酸イソオクチル、ジチオジプロピオン酸2−エチルヘキシル、ジチオジプロピオン酸トリデシル、ジチオジプロピオン酸オクタデシル及びジチオジプロピオン酸メトキシブチル等のジチオジプロピオン酸エステル類を挙げることができる。
【0046】
本発明では、チオエーテル化合物は単独で用いることができるし、2種以上を併用することもできる。
【0047】
本発明では、塩素含有樹脂に、(A成分)有機錫化合物の少なくとも1種、及び(B成分)トリフルオロメチルスルホニル化合物の少なくとも1種を併用添加してなる塩素含有樹脂組成物でも熱安定性が改良され、且つ着色性が抑制されるが、更に(C成分)チオエーテル化合物の少なくとも1種を併用添加すると、更に熱安定性が改良され、且つ着色性が抑制される。本発明において、塩素含有樹脂に対する(C成分)チオエーテル化合物の少なくとも1種の添加量の合計は、該樹脂100質量部に対して0.001〜2質量部である。しかし、(C成分)チオエーテル化合物の少なくとも1種を2質量部を超えて添加しても、0.001〜2質量部の範囲で添加した場合以上に熱安定性や着色性の抑制が向上することはない。
【0048】
本発明で使用される(A成分)有機錫化合物、(B成分)トリフルオロメチルスルホニル化合物及び(C成分)チオエーテル化合物を塩素含有樹脂に添加する方法は、公知の方法で行えばよく、例えば、該樹脂、(A成分)、(B成分)及び(C成分)を、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー及びバンバリーミキサー等で混合してもよいし、或いは(A成分)、(B成分)及び(C成分)をあらかじめワンパックしたものを該樹脂と前述の混合機で混合してもよい。
【0049】
本発明の塩素含有樹脂組成物には更に他の添加剤、例えば、フェノール系抗酸化剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、エポキシ化合物、有機リン化合物、加工助剤、滑剤、可塑剤及び顔料等を併用添加することもできる。
【0050】
本発明の実施に当たっては、以下のような実施態様を挙げることができる。
(1)塩素含有樹脂100質量部に、
(A成分)有機錫化合物の少なくとも1種を0.1〜10質量部、及び
(B成分)トリフルオロメチルスルホニル化合物の少なくとも1種を0.0001〜0.1質量部
を併用添加してなる塩素含有樹脂組成物。
(2)塩素含有樹脂100質量部に、
(A成分)式(1)
【0051】
【化5】

〔式(1)中、Rはブチル又はオクチル、Xは酸素(−O−)又は−OCOCH=CHCOO−、Yは−OCOCH=CHCOOR、ZはR又はYであり、Rは炭素数1〜18のアルキル基、オレイル、ベンジル、シクロヘキシル又はメトキシブチルを示し、aは0又は1を示す。〕
で示される有機錫マレイン酸エステル塩類、式(2)
【0052】
【化6】

〔式(2)中、Rはメチル、ブチル又はオクチル、Xは酸素(−O−)、硫黄(−S−)又は−S(CHCOO−、Yは−S(CHCOOR、ZはR又はYであり、Rは炭素数1〜13のアルキル基又はメトキシブチルを示し、bは0又は1、dは1又は2、eは1又は2を示し、dとeは等しい。〕
で示される有機錫チオ脂肪酸エステル類、式(3)
【0053】
【化7】

〔式(3)中、Rはブチル又はオクチル、Xは−OCOCH=CHCOO−であり、fは1又は2、pは1〜10の整数を示す。〕
で示される有機錫マレエート類、又は式(4)
【0054】
【化8】

〔式(4)中、Rはメチル、ブチル又はオクチル、Xは硫黄(−S−)又は−S(CHCOO−であり、gは1又は2、hは1又は2、qは1〜10の整数を示す。〕
で示される有機錫サルファイド類若しくは有機錫チオ脂肪酸塩類からなる有機錫化合物の少なくとも1種を0.1〜10質量部、及び
(B成分)トリフルオロメタンスルホン酸〔CFSOH〕、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド〔(CFSONH〕、又は式(5)
[(CFSON]M (5)
〔式(5)中、Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属又は亜鉛を示し、jはMの原子価に等しく、1又は2を示す。〕
で示されるビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩若しくは亜鉛塩からなるトリフルオロメチルスルホニル化合物の少なくとも1種を0.0001〜0.1質量部
を併用添加してなる塩素含有樹脂組成物。
(3)塩素含有樹脂100質量部に、
(A成分)式(1)
【0055】
【化9】

〔式(1)中、Rはブチル又はオクチル、Xは酸素(−O−)又は−OCOCH=CHCOO−、Yは−OCOCH=CHCOOR、ZはR又はYであり、Rは炭素数1〜18のアルキル基、オレイル、ベンジル、シクロヘキシル又はメトキシブチルを示し、aは0又は1を示す。〕
で示される有機錫マレイン酸エステル塩類、式(2)
【0056】
【化10】

〔式(2)中、Rはメチル、ブチル又はオクチル、Xは酸素(−O−)、硫黄(−S−)又は−S(CHCOO−、Yは−S(CHCOOR、ZはR又はYであり、Rは炭素数1〜13のアルキル基又はメトキシブチルを示し、bは0又は1、dは1又は2、eは1又は2を示し、dとeは等しい。〕
で示される有機錫チオ脂肪酸エステル類、式(3)
【0057】
【化11】

〔式(3)中、Rはブチル又はオクチル、Xは−OCOCH=CHCOO−であり、fは1又は2、pは1〜10の整数を示す。〕
で示される有機錫マレエート類、又は式(4)
【0058】
【化12】

〔式(4)中、Rはメチル、ブチル又はオクチル、Xは硫黄(−S−)又は−S(CHCOO−であり、gは1又は2、hは1又は2、qは1〜10の整数を示す。〕
で示される有機錫サルファイド類若しくは有機錫チオ脂肪酸塩類からなる有機錫化合物の少なくとも1種を0.1〜10質量部、及び
(B成分)ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド〔(CFSONH〕、又は式(5)
[(CFSON]M (5)
〔式(5)中、Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属又は亜鉛を示し、jはMの原子価に等しく、1又は2を示す。〕
で示されるビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩若しくは亜鉛塩からなるトリフルオロメチルスルホニル化合物の少なくとも1種を0.0001〜0.1質量部
を併用添加してなる塩素含有樹脂組成物。
(4)塩素含有樹脂100質量部に、
(A成分)式(1)
【0059】
【化13】

〔式(1)中、Rはブチル又はオクチル、Xは酸素(−O−)又は−OCOCH=CHCOO−、Yは−OCOCH=CHCOOR、ZはR又はYであり、Rは炭素数1〜18のアルキル基、オレイル、ベンジル、シクロヘキシル又はメトキシブチルを示し、aは0又は1を示す。〕
で示される有機錫マレイン酸エステル塩類、式(2)
【0060】
【化14】

〔式(2)中、Rはメチル、ブチル又はオクチル、Xは酸素(−O−)、硫黄(−S−)又は−S(CHCOO−、Yは−S(CHCOOR、ZはR又はYであり、Rは炭素数1〜13のアルキル基又はメトキシブチルを示し、bは0又は1、dは1又は2、eは1又は2を示し、dとeは等しい。〕
で示される有機錫チオ脂肪酸エステル類、式(3)
【0061】
【化15】

〔式(3)中、Rはブチル又はオクチル、Xは−OCOCH=CHCOO−であり、fは1又は2、pは1〜10の整数を示す。〕
で示される有機錫マレエート類、又は式(4)
【0062】
【化16】

〔式(4)中、Rはメチル、ブチル又はオクチル、Xは硫黄(−S−)又は−S(CHCOO−であり、gは1又は2、hは1又は2、qは1〜10の整数を示す。〕
で示される有機錫サルファイド類若しくは有機錫チオ脂肪酸塩類からなる有機錫化合物の少なくとも1種を0.1〜10質量部、及び
(B成分)トリフルオロメタンスルホン酸〔CFSOH〕を0.0001〜0.1質量部
を併用添加してなる塩素含有樹脂組成物。
(5)塩素含有樹脂100質量部に、
(A成分)式(1)
【0063】
【化17】

〔式(1)中、Rはブチル又はオクチル、Xは酸素(−O−)又は−OCOCH=CHCOO−、Yは−OCOCH=CHCOOR、ZはR又はYであり、Rは炭素数1〜18のアルキル基、オレイル、ベンジル、シクロヘキシル又はメトキシブチルを示し、aは0又は1を示す。〕
で示される有機錫マレイン酸エステル塩類、式(2)
【0064】
【化18】

〔式(2)中、Rはメチル、ブチル又はオクチル、Xは酸素(−O−)、硫黄(−S−)又は−S(CHCOO−、Yは−S(CHCOOR、ZはR又はYであり、Rは炭素数1〜13のアルキル基又はメトキシブチルを示し、bは0又は1、dは1又は2、eは1又は2を示し、dとeは等しい。〕
で示される有機錫チオ脂肪酸エステル類、式(3)
【0065】
【化19】

〔式(3)中、Rはブチル又はオクチル、Xは−OCOCH=CHCOO−であり、fは1又は2、pは1〜10の整数を示す。〕
で示される有機錫マレエート類、又は式(4)
【0066】
【化20】

〔式(4)中、Rはメチル、ブチル又はオクチル、Xは硫黄(−S−)又は−S(CHCOO−であり、gは1又は2、hは1又は2、qは1〜10の整数を示す。〕
で示される有機錫サルファイド類若しくは有機錫チオ脂肪酸塩類からなる有機錫化合物の少なくとも1種を0.1〜10質量部、及び
(B成分)ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド〔(CFSONH〕を0.0001〜0.1質量部
を併用添加してなる塩素含有樹脂組成物。
(6)塩素含有樹脂100質量部に、
(A成分)式(1)
【0067】
【化21】

〔式(1)中、Rはブチル又はオクチル、Xは酸素(−O−)又は−OCOCH=CHCOO−、Yは−OCOCH=CHCOOR、ZはR又はYであり、Rは炭素数1〜18のアルキル基、オレイル、ベンジル、シクロヘキシル又はメトキシブチルを示し、aは0又は1を示す。〕
で示される有機錫マレイン酸エステル塩類、式(2)
【0068】
【化22】

〔式(2)中、Rはメチル、ブチル又はオクチル、Xは酸素(−O−)、硫黄(−S−)又は−S(CHCOO−、Yは−S(CHCOOR、ZはR又はYであり、Rは炭素数1〜13のアルキル基又はメトキシブチルを示し、bは0又は1、dは1又は2、eは1又は2を示し、dとeは等しい。〕
で示される有機錫チオ脂肪酸エステル類、式(3)
【0069】
【化23】

〔式(3)中、Rはブチル又はオクチル、Xは−OCOCH=CHCOO−であり、fは1又は2、pは1〜10の整数を示す。〕
で示される有機錫マレエート類、又は式(4)
【0070】
【化24】

〔式(4)中、Rはメチル、ブチル又はオクチル、Xは硫黄(−S−)又は−S(CHCOO−であり、gは1又は2、hは1又は2、qは1〜10の整数を示す。〕
で示される有機錫サルファイド類若しくは有機錫チオ脂肪酸塩類からなる有機錫化合物の少なくとも1種を0.1〜10質量部、及び
(B成分)式(5)
[(CFSON]M (5)
〔式(5)中、Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属又は亜鉛を示し、jはMの原子価に等しく、1又は2を示す。〕
で示されるビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩若しくは亜鉛塩からなるトリフルオロメチルスルホニル化合物の少なくとも1種を0.0001〜0.1質量部
を併用添加してなる塩素含有樹脂組成物。
(7)塩素含有樹脂100質量部に、
(A成分)式(1)
【0071】
【化25】

〔式(1)中、Rはブチル又はオクチル、Xは−OCOCH=CHCOO−、Yは−OCOCH=CHCOOR、ZはRであり、Rは炭素数1〜18のアルキル基、オレイル、ベンジル、シクロヘキシル又はメトキシブチルを示し、aは0又は1を示す。〕
で示されるジアルキル錫ビス(マレイン酸エステル塩)若しくはビス(ジアルキル錫マレイン酸エステル)マレエート、又は式(3)
【0072】
【化26】

〔式(3)中、Rはブチル又はオクチル、Xは−OCOCH=CHCOO−であり、fは2、pは1〜10の整数を示す。〕
で示されるジアルキル錫マレエート若しくはジアルキル錫マレエートポリマーからなる有機錫化合物の少なくとも1種を0.1〜10質量部、及び
(B成分)ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド〔(CFSONH〕、又は式(5)
[(CFSON]M (5)
〔式(5)中、Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属又は亜鉛を示し、jはMの原子価に等しく、1又は2を示す。〕
で示されるビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩若しくは亜鉛塩からなるトリフルオロメチルスルホニル化合物の少なくとも1種を0.0001〜0.1質量部
を併用添加してなる塩素含有樹脂組成物。
(8)塩素含有樹脂100質量部に、
(A成分)式(1)
【0073】
【化27】

〔式(1)中、Rはブチル又はオクチル、Xは−OCOCH=CHCOO−、Yは−OCOCH=CHCOOR、ZはRであり、Rは炭素数1〜18のアルキル基、オレイル、ベンジル、シクロヘキシル又はメトキシブチルを示し、aは0又は1を示す。〕
で示されるジアルキル錫ビス(マレイン酸エステル塩)若しくはビス(ジアルキル錫マレイン酸エステル)マレエート、又は式(3)
【0074】
【化28】

〔式(3)中、Rはブチル又はオクチル、Xは−OCOCH=CHCOO−であり、fは2、pは1〜10の整数を示す。〕
で示されるジアルキル錫マレエート若しくはジアルキル錫マレエートポリマーからなる有機錫化合物の少なくとも1種を0.1〜10質量部、及び
(B成分)ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド〔(CFSONH〕、又はビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドリチウム塩、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドナトリウム塩、ビス[ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド]マグネシウム塩、ビス[ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド]カルシウム塩、ビス[ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド]バリウム塩若しくはビス[ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド]亜鉛塩からなるトリフルオロメチルスルホニル化合物の少なくとも1種を0.0001〜0.1質量部
を併用添加してなる塩素含有樹脂組成物。
(9)塩素含有樹脂100質量部に、
(A成分)有機錫化合物の少なくとも1種を0.1〜10質量部、
(B成分)トリフルオロメチルスルホニル化合物の少なくとも1種を0.0001〜0.1質量部、及び
(C成分)チオエーテル化合物の少なくとも1種を0.001〜2質量部
を併用添加してなる安定化された塩素含有樹脂組成物。
(10)塩素含有樹脂100質量部に、
(A成分)式(1)
【0075】
【化29】

〔式(1)中、Rはブチル又はオクチル、Xは酸素(−O−)又は−OCOCH=CHCOO−、Yは−OCOCH=CHCOOR、ZはR又はYであり、Rは炭素数1〜18のアルキル基、オレイル、ベンジル、シクロヘキシル又はメトキシブチルを示し、aは0又は1を示す。〕
で示される有機錫マレイン酸エステル塩類、式(2)
【0076】
【化30】

〔式(2)中、Rはメチル、ブチル又はオクチル、Xは酸素(−O−)、硫黄(−S−)又は−S(CHCOO−、Yは−S(CHCOOR、ZはR又はYであり、Rは炭素数1〜13のアルキル基又はメトキシブチルを示し、bは0又は1、dは1又は2、eは1又は2を示し、dとeは等しい。〕
で示される有機錫チオ脂肪酸エステル類、式(3)
【0077】
【化31】

〔式(3)中、Rはブチル又はオクチル、Xは−OCOCH=CHCOO−であり、fは1又は2、pは1〜10の整数を示す。〕
で示される有機錫マレエート類、又は式(4)
【0078】
【化32】

〔式(4)中、Rはメチル、ブチル又はオクチル、Xは硫黄(−S−)又は−S(CHCOO−であり、gは1又は2、hは1又は2、qは1〜10の整数を示す。〕
で示される有機錫サルファイド類若しくは有機錫チオ脂肪酸塩類からなる有機錫化合物の少なくとも1種を0.1〜10質量部、
(B成分)トリフルオロメタンスルホン酸〔CFSOH〕、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド〔(CFSONH〕、又は式(5)
[(CFSON]M (5)
〔式(5)中、Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属又は亜鉛を示し、jはMの原子価に等しく、1又は2を示す。〕
で示されるビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩若しくは亜鉛塩からなるトリフルオロメチルスルホニル化合物の少なくとも1種を0.0001〜0.1質量部、及び
(C成分)式(6)
HC[S(CHCOOR (6)
〔式(6)中、Rは水素(−H)又はフェニル、Rは水素(−H)、炭素数1〜18のアルキル基又はメトキシブチルを示す。〕
で示される置換メチレンビス(チオプロピオン酸エステル)類、式(7)
HS(CHCOOR (7)
〔式(7)中、Rは水素(−H)、炭素数1〜13のアルキル基は又はメトキシブチルを示し、kは1又は2を示す。〕
で示されるメルカプト低級脂肪酸エステル類、式(8)
10S(CHCOOH (8)
〔式(8)中、R10は炭素数1〜18のアルキル基を示す。〕
で示されるアルキルチオプロピオン酸類、又は式(9)
[(CHCOOR11 (9)
〔式(9)中、R11は水素(−H)、炭素数1〜18のアルキル基又はメトキシブチルを示し、wは1又は2を示す。〕
で示されるポリチオジプロピオン酸エステル類からなるチオエーテル化合物の少なくとも1種を0.001〜2質量部
を併用添加してなる塩素含有樹脂組成物。
(11)塩素含有樹脂100質量部に、
(A成分)式(1)
【0079】
【化33】

〔式(1)中、Rはブチル又はオクチル、Xは酸素(−O−)又は−OCOCH=CHCOO−、Yは−OCOCH=CHCOOR、ZはR又はYであり、Rは炭素数1〜18のアルキル基、オレイル、ベンジル、シクロヘキシル又はメトキシブチルを示し、aは0又は1を示す。〕
で示される有機錫マレイン酸エステル塩類、式(2)
【0080】
【化34】

〔式(2)中、Rはメチル、ブチル又はオクチル、Xは酸素(−O−)、硫黄(−S−)又は−S(CHCOO−、Yは−S(CHCOOR、ZはR又はYであり、Rは炭素数1〜13のアルキル基又はメトキシブチルを示し、bは0又は1、dは1又は2、eは1又は2を示し、dとeは等しい。〕
で示される有機錫チオ脂肪酸エステル類、式(3)
【0081】
【化35】

〔式(3)中、Rはブチル又はオクチル、Xは−OCOCH=CHCOO−であり、fは1又は2、pは1〜10の整数を示す。〕
で示される有機錫マレエート類、又は式(4)
【0082】
【化36】

〔式(4)中、Rはメチル、ブチル又はオクチル、Xは硫黄(−S−)又は−S(CHCOO−であり、gは1又は2、hは1又は2、qは1〜10の整数を示す。〕
で示される有機錫サルファイド類若しくは有機錫チオ脂肪酸塩類からなる有機錫化合物の少なくとも1種を0.1〜10質量部、
(B成分)ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド〔(CFSONH〕、又は式(5)
[(CFSON]M (5)
〔式(5)中、Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属又は亜鉛を示し、jはMの原子価に等しく、1又は2を示す。〕
で示されるビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩若しくは亜鉛塩からなるトリフルオロメチルスルホニル化合物の少なくとも1種を0.0001〜0.1質量部、及び
(C成分)式(6)
HC[S(CHCOOR (6)
〔式(6)中、Rは水素(−H)又はフェニル、Rは水素(−H)、炭素数1〜18のアルキル基又はメトキシブチルを示す。〕
で示される置換メチレンビス(チオプロピオン酸エステル)類、式(7)
HS(CHCOOR (7)
〔式(7)中、Rは水素(−H)、炭素数1〜13のアルキル基は又はメトキシブチルを示し、kは1又は2を示す。〕
で示されるメルカプト低級脂肪酸エステル類、式(8)
10S(CHCOOH (8)
〔式(8)中、R10は炭素数1〜18のアルキル基を示す。〕
で示されるアルキルチオプロピオン酸類、又は式(9)
[(CHCOOR11 (9)
〔式(9)中、R11は水素(−H)、炭素数1〜18のアルキル基又はメトキシブチルを示し、wは1又は2を示す。〕
で示されるポリチオジプロピオン酸エステル類からなるチオエーテル化合物の少なくとも1種を0.001〜2質量部
を併用添加してなる塩素含有樹脂組成物。
(12)塩素含有樹脂100質量部に、
(A成分)式(1)
【0083】
【化37】

〔式(1)中、Rはブチル又はオクチル、Xは酸素(−O−)又は−OCOCH=CHCOO−、Yは−OCOCH=CHCOOR、ZはR又はYであり、Rは炭素数1〜18のアルキル基、オレイル、ベンジル、シクロヘキシル又はメトキシブチルを示し、aは0又は1を示す。〕
で示される有機錫マレイン酸エステル塩類、式(2)
【0084】
【化38】

〔式(2)中、Rはメチル、ブチル又はオクチル、Xは酸素(−O−)、硫黄(−S−)又は−S(CHCOO−、Yは−S(CHCOOR、ZはR又はYであり、Rは炭素数1〜13のアルキル基又はメトキシブチルを示し、bは0又は1、dは1又は2、eは1又は2を示し、dとeは等しい。〕
で示される有機錫チオ脂肪酸エステル類、式(3)
【0085】
【化39】

〔式(3)中、Rはブチル又はオクチル、Xは−OCOCH=CHCOO−であり、fは1又は2、pは1〜10の整数を示す。〕
で示される有機錫マレエート類、又は式(4)
【0086】
【化40】

〔式(4)中、Rはメチル、ブチル又はオクチル、Xは硫黄(−S−)又は−S(CHCOO−であり、gは1又は2、hは1又は2、qは1〜10の整数を示す。〕
で示される有機錫サルファイド類若しくは有機錫チオ脂肪酸塩類からなる有機錫化合物の少なくとも1種を0.1〜10質量部、
(B成分)トリフルオロメタンスルホン酸〔CFSOH〕を0.0001〜0.1質量部、及び
(C成分)式(6)
HC[S(CHCOOR (6)
〔式(6)中、Rは水素(−H)又はフェニル、Rは水素(−H)、炭素数1〜18のアルキル基又はメトキシブチルを示す。〕
で示される置換メチレンビス(チオプロピオン酸エステル)類、式(7)
HS(CHCOOR (7)
〔式(7)中、Rは水素(−H)、炭素数1〜13のアルキル基は又はメトキシブチルを示し、kは1又は2を示す。〕
で示されるメルカプト低級脂肪酸エステル類、式(8)
10S(CHCOOH (8)
〔式(8)中、R10は炭素数1〜18のアルキル基を示す。〕
で示されるアルキルチオプロピオン酸類、又は式(9)
[(CHCOOR11 (9)
〔式(9)中、R11は水素(−H)、炭素数1〜18のアルキル基又はメトキシブチルを示し、wは1又は2を示す。〕
で示されるポリチオジプロピオン酸エステル類からなるチオエーテル化合物の少なくとも1種を0.001〜2質量部
を併用添加してなる塩素含有樹脂組成物。
(13)塩素含有樹脂100質量部に、
(A成分)式(1)
【0087】
【化41】

〔式(1)中、Rはブチル又はオクチル、Xは酸素(−O−)又は−OCOCH=CHCOO−、Yは−OCOCH=CHCOOR、ZはR又はYであり、Rは炭素数1〜18のアルキル基、オレイル、ベンジル、シクロヘキシル又はメトキシブチルを示し、aは0又は1を示す。〕
で示される有機錫マレイン酸エステル塩類、式(2)
【0088】
【化42】

〔式(2)中、Rはメチル、ブチル又はオクチル、Xは酸素(−O−)、硫黄(−S−)又は−S(CHCOO−、Yは−S(CHCOOR、ZはR又はYであり、Rは炭素数1〜13のアルキル基又はメトキシブチルを示し、bは0又は1、dは1又は2、eは1又は2を示し、dとeは等しい。〕
で示される有機錫チオ脂肪酸エステル類、式(3)
【0089】
【化43】

〔式(3)中、Rはブチル又はオクチル、Xは−OCOCH=CHCOO−であり、fは1又は2、pは1〜10の整数を示す。〕
で示される有機錫マレエート類、又は式(4)
【0090】
【化44】

〔式(4)中、Rはメチル、ブチル又はオクチル、Xは硫黄(−S−)又は−S(CHCOO−であり、gは1又は2、hは1又は2、qは1〜10の整数を示す。〕
で示される有機錫サルファイド類若しくは有機錫チオ脂肪酸塩類からなる有機錫化合物の少なくとも1種を0.1〜10質量部、
(B成分)ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド〔(CFSONH〕を0.0001〜0.1質量部、及び
(C成分)式(6)
HC[S(CHCOOR (6)
〔式(6)中、Rは水素(−H)又はフェニル、Rは水素(−H)、炭素数1〜18のアルキル基又はメトキシブチルを示す。〕
で示される置換メチレンビス(チオプロピオン酸エステル)類、式(7)
HS(CHCOOR (7)
〔式(7)中、Rは水素(−H)、炭素数1〜13のアルキル基は又はメトキシブチルを示し、kは1又は2を示す。〕
で示されるメルカプト低級脂肪酸エステル類、式(8)
10S(CHCOOH (8)
〔式(8)中、R10は炭素数1〜18のアルキル基を示す。〕
で示されるアルキルチオプロピオン酸類、又は式(9)
[(CHCOOR11 (9)
〔式(9)中、R11は水素(−H)、炭素数1〜18のアルキル基又はメトキシブチルを示し、wは1又は2を示す。〕
で示されるポリチオジプロピオン酸エステル類からなるチオエーテル化合物の少なくとも1種を0.001〜2質量部
を併用添加してなる塩素含有樹脂組成物。
(14)塩素含有樹脂100質量部に、
(A成分)式(1)
【0091】
【化45】

〔式(1)中、Rはブチル又はオクチル、Xは酸素(−O−)又は−OCOCH=CHCOO−、Yは−OCOCH=CHCOOR、ZはR又はYであり、Rは炭素数1〜18のアルキル基、オレイル、ベンジル、シクロヘキシル又はメトキシブチルを示し、aは0又は1を示す。〕
で示される有機錫マレイン酸エステル塩類、式(2)
【0092】
【化46】

〔式(2)中、Rはメチル、ブチル又はオクチル、Xは酸素(−O−)、硫黄(−S−)又は−S(CHCOO−、Yは−S(CHCOOR、ZはR又はYであり、Rは炭素数1〜13のアルキル基又はメトキシブチルを示し、bは0又は1、dは1又は2、eは1又は2を示し、dとeは等しい。〕
で示される有機錫チオ脂肪酸エステル類、式(3)
【0093】
【化47】

〔式(3)中、Rはブチル又はオクチル、Xは−OCOCH=CHCOO−であり、fは1又は2、pは1〜10の整数を示す。〕
で示される有機錫マレエート類、又は式(4)
【0094】
【化48】

〔式(4)中、Rはメチル、ブチル又はオクチル、Xは硫黄(−S−)又は−S(CHCOO−であり、gは1又は2、hは1又は2、qは1〜10の整数を示す。〕
で示される有機錫サルファイド類若しくは有機錫チオ脂肪酸塩類からなる有機錫化合物の少なくとも1種を0.1〜10質量部、
(B成分)式(5)
[(CFSON]M (5)
〔式(5)中、Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属又は亜鉛を示し、jはMの原子価に等しく、1又は2を示す。〕
で示されるビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩若しくは亜鉛塩からなるトリフルオロメチルスルホニル化合物の少なくとも1種を0.0001〜0.1質量部、及び
(C成分)式(6)
HC[S(CHCOOR (6)
〔式(6)中、Rは水素(−H)又はフェニル、Rは水素(−H)、炭素数1〜18のアルキル基又はメトキシブチルを示す。〕
で示される置換メチレンビス(チオプロピオン酸エステル)類、式(7)
HS(CHCOOR (7)
〔式(7)中、Rは水素(−H)、炭素数1〜13のアルキル基は又はメトキシブチルを示し、kは1又は2を示す。〕
で示されるメルカプト低級脂肪酸エステル類、式(8)
10S(CHCOOH (8)
〔式(8)中、R10は炭素数1〜18のアルキル基を示す。〕
で示されるアルキルチオプロピオン酸類、又は式(9)
[(CHCOOR11 (9)
〔式(9)中、R11は水素(−H)、炭素数1〜18のアルキル基又はメトキシブチルを示し、wは1又は2を示す。〕
で示されるポリチオジプロピオン酸エステル類からなるチオエーテル化合物の少なくとも1種を0.001〜2質量部
を併用添加してなる塩素含有樹脂組成物。
(15)塩素含有樹脂100質量部に、
(A成分)式(1)
【0095】
【化49】

〔式(1)中、Rはブチル又はオクチル、Xは−OCOCH=CHCOO−、Yは−OCOCH=CHCOOR、ZはRであり、Rは炭素数1〜18のアルキル基、オレイル、ベンジル、シクロヘキシル又はメトキシブチルを示し、aは0又は1を示す。〕
で示されるジアルキル錫ビス(マレイン酸エステル塩)若しくはビス(ジアルキル錫マレイン酸エステル)マレエート、又は式(3)
【0096】
【化50】

〔式(3)中、Rはブチル又はオクチル、Xは−OCOCH=CHCOO−であり、fは2、pは1〜10の整数を示す。〕
で示されるジアルキル錫マレエート若しくはジアルキル錫マレエートポリマーからなる有機錫化合物の少なくとも1種を0.1〜10質量部、
(B成分)ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド〔(CFSONH〕、又は式(5)
[(CFSON]M (5)
〔式(5)中、Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属又は亜鉛を示し、jはMの原子価に等しく、1又は2を示す。〕
で示されるビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩若しくは亜鉛塩からなるトリフルオロメチルスルホニル化合物の少なくとも1種を0.0001〜0.1質量部、及び
(C成分)(C成分)式(6)
HC[S(CHCOOR (6)
〔式(6)中、Rは水素(−H)又はフェニル、Rは水素(−H)、炭素数1〜18のアルキル基又はメトキシブチルを示す。〕
で示される置換メチレンビス(チオプロピオン酸エステル)類、式(8)
10S(CHCOOH (8)
〔式(8)中、R10は炭素数1〜18のアルキル基を示す。〕
で示されるアルキルチオプロピオン酸類、又は式(9)
[(CHCOOR11 (9)
〔式(9)中、R11は水素(−H)、炭素数1〜18のアルキル基又はメトキシブチルを示し、wは1又は2を示す。〕
で示されるポリチオジプロピオン酸エステル類からなるチオエーテル化合物の少なくとも1種を0.001〜2質量部
を併用添加してなる塩素含有樹脂組成物。
(16)塩素含有樹脂100質量部に、
(A成分)式(1)
【0097】
【化51】

〔式(1)中、Rはブチル又はオクチル、Xは−OCOCH=CHCOO−、Yは−OCOCH=CHCOOR、ZはRであり、Rは炭素数1〜18のアルキル基、オレイル、ベンジル、シクロヘキシル又はメトキシブチルを示し、aは0又は1を示す。〕
で示されるジアルキル錫ビス(マレイン酸エステル塩)若しくはビス(ジアルキル錫マレイン酸エステル)マレエート、又は式(3)
【0098】
【化52】

〔式(3)中、Rはブチル又はオクチル、Xは−OCOCH=CHCOO−であり、fは2、pは1〜10の整数を示す。〕
で示されるジアルキル錫マレエート若しくはジアルキル錫マレエートポリマーからなる有機錫化合物の少なくとも1種を0.1〜10質量部、
(B成分)ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド〔(CFSONH〕、又はビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドリチウム塩、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドナトリウム塩、ビス[ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド]マグネシウム塩、ビス[ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド]カルシウム塩、ビス[ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド]バリウム塩若しくはビス[ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド]亜鉛塩からなるトリフルオロメチルスルホニル化合物の少なくとも1種を0.0001〜0.1質量部、及び
(C成分)フェニルメチレンビス(チオプロピオン酸)又はドデシルチオプロピオン酸からなるチオエーテル化合物の少なくとも1種を0.001〜2質量部
を併用添加してなる塩素含有樹脂組成物。
【0099】
本発明の好ましい実施の形態としては、前記の実施態様(2)、(3)、(5)〜(8)、(10)、(11)及び(13)〜(16)が挙げられ、更に好ましい実施の形態としては、実施態様(3)、(5)〜(8)、(11)及び(13)〜(16)が挙げられ、最も好ましい実施の形態としては、実施態様(8)及び(16)が挙げられる。
【0100】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。これらの実施例において、部とは質量部を意味する。
〔本発明で用いられる有機錫化合物(A成分)〕
A−1 :ブチル錫トリス(メチルマレエート)
A−2 :ビス[オクチル錫ビス(オクタデシルマレエート)]マレエート
A−3 :ビス[オクチル錫ビス(メトキシブチルマレエート)]オキサイド
A−4 :ジブチル錫ビス(ブチルマレエート)
A−5 :ジブチル錫ビス(エチルマレエート)
A−6 :ジブチル錫ビス(ベンジルマレエート)
A−7 :ジオクチル錫ビス(トリデシルマレエート)
A−8 :ビス(ジブチル錫シクロヘキシルマレエート)マレエート
A−9 :ビス(ジオクチル錫オレイルマレエート)マレエート
A−10:ビス(ジオクチル錫2−エチルヘキシルマレエート)マレエート
A−11:ビス(ジブチル錫ドデシルマレエート)オキサイド
A−12:オクチル錫トリス(チオプロピオン酸イソオクチル)
A−13:ビス[ブチル錫ビス(チオプロピオン酸2−エチルヘキシル)]チオプロピオン酸塩
A−14:ビス[メチル錫ビス(チオプロピオン酸メトキシブチル)]オキサイド
A−15:ビス[ブチル錫ビス(チオ酢酸トリデシル)]サルファイド
A−16:ジオクチル錫ビス(チオ酢酸2−エチルヘキシル)
A−17:ビス(ジブチル錫チオ酢酸イソオクチル)チオ酢酸塩
A−18:ビス(ジオクチル錫チオプロピオン酸トリデシル)オキサイド
A−19:ビス(ジメチル錫チオ酢酸2−エチルヘキシル)サルファイド
A−20:オクチル錫マレエート
A−21:ジブチル錫マレエートポリマー
A−22:ブチル錫サルファイドポリマー
A−23:ジオクチル錫サルファイド
A−24:オクチル錫チオ酢酸塩
A−25:ジブチル錫チオプロピオン酸塩ポリマー
〔本発明で用いられるトリフルオロメチルスルホニル化合物(B成分)〕
B−1 :トリフルオロメタンスルホン酸
B−2 :ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド
B−3 :ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドリチウム塩
B−4 :ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドナトリウム塩
B−5 :ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドカリウム塩
B−6 :ビス[ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド]マグネシウム塩
B−7 :ビス[ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド]カルシウム塩
B−8 :ビス[ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド]ストロンチウム塩
B−9 :ビス[ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド]バリウム塩
B−10:ビス[ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド]亜鉛塩
〔本発明で用いられるチオエーテル化合物(C成分)〕
C−1 :メチレンビス(チオプロピオン酸イソオクチル)
C−2 :フェニルメチレンビス(チオプロピオン酸メトキシブチル)
C−3 :フェニルメチレンビス(チオプロピオン酸)
C−4 :メルカプト酢酸
C−5 :メルカプト酢酸イソオクチル
C−6 :3−メルカプトプロピオン酸2−エチルヘキシル
C−7 :ドデシルチオプロピオン酸
C−8 :チオジプロピオン酸
C−9 :ジチオジプロピオン酸2−エチルヘキシル
C−10:ジチオジプロピオン酸
〔本発明以外の添加剤(D成分)〕
D−1 :過塩素酸
D−2 :過塩素酸リチウム
D−3 :過塩素酸ナトリウム
D−4 :過塩素酸マグネシウム
D−5 :過塩素酸亜鉛
D−6 :2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール
D−7 :テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン〔チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商品名 イルガノックス1010〕
【実施例1】
【0101】
塩化ビニル樹脂〔(株)カネカ製 カネビニール S1008〕100部、ステアリン酸カルシウム0.5部と表1に示す添加剤をよく混合した配合物を、160℃に調整した8インチ試験ロールで5分間混練した後、厚さ0.5mmのシートを作製した。
(熱安定性試験)
得られた厚さ0.5mmのシートを裁断し、該シートを180℃に調整したギヤー式老化試験機に入れ、褐色又は黒褐色になるまでの時間(分)を測定した。褐色又は黒褐色になるまでの時間が長い程、熱安定性に優れていることを示す。
(着色抑制評価試験)
得られた厚さ0.5mmのシートを裁断し、該シートを8枚重ね、プレス金型に入れ、加熱プレス機で180℃、10分間、30kg/cmで板を成型し、該板の着色性の抑制を以下の基準で目視により評価した。数値が小さい程、着色性の抑制に優れていることを示す。
1:微黄色
2:淡黄色
3:黄色
4:濃黄色
5:黄褐色
6:褐色又は黒褐色。
【0102】
(表1)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
試料 A成分 添加量(部) :B成分 添加量(部) :熱安定性 着色抑制
番号 C成分 添加量(部) : :試験(分) 評価試験
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
1 A−5 0.1 :B−1 0.0001 : 30 4
2 A−5 0.1 :B−1 0.001 : 35 3
3 A−5 0.1 :B−1 0.01 : 35 3
4 A−5 0.1 :B−1 0.1 : 30 4
5 A−3 0.1 :B−3 0.001 : 25 4
6 A−5 0.1 :B−5 0.001 : 35 3
7 A−10 0.1 :B−6 0.001 : 35 3
8 A−16 0.1 :B−10 0.001 : 25 4
9 A−21 0.1 :B−5 0.0001 : 40 3
C−3 0.01 : :
10 A−21 0.1 :B−5 0.001 : 45 2
C−3 0.01 : :
11 A−21 0.1 :B−5 0.01 : 45 2
C−3 0.01 : :
12 A−21 0.1 :B−5 0.1 : 40 3
C−3 0.01 : :
13 A−8 0.1 :B−2 0.001 : 45 2
C−7 0.001: :
14 A−8 0.1 :B−2 0.001 : 50 2
C−7 0.01 : :
15 A−8 0.1 :B−2 0.001 : 55 2
C−7 0.1 : :
16 A−8 0.1 :B−2 0.001 : 55 2
C−7 1 : :
17 A−8 0.1 :B−2 0.001 : 50 2
C−7 2 : :
18 A−7 0.1 :B−4 0.001 : 55 2
C−7 0.01 : :
19 A−4 0.1 :B−8 0.0001 : 40 3
C−7 0.001: :
20 A−12 0.1 :B−7 0.001 : 45 3
C−7 0.01 : :
21 A−22 0.1 :B−9 0.001 : 45 3
C−7 0.01 : :
22 A−5 0.1 : : 10 5
23 A−21 0.1 : : 15 5
24 A−5 0.1 :B−1 0.00005: 10 5
25 A−8 0.1 :B−2 0.00005: 15 5
26 A−21 0.1 :B−5 0.00005: 20 4
C−3 0.01 : :
27 A−5 0.05 :B−1 0.001 : 10 4
28 A−21 0.05 :B−5 0.001 : 15 4
29 A−8 0.05 :B−2 0.001 : 15 4
C−3 0.01 : :
30 A−21 0.05 :B−5 0.001 : 20 4
C−3 0.01 : :
31 A−5 0.1 :B−1 0.2 : 5 6
32 A−8 0.1 :B−5 0.2 : 5 6
33 A−5 0.1 :B−1 0.2 : 5 6
C−3 0.01 : :
34 A−21 0.1 :B−5 0.2 : 5 6
C−7 0.01 : :
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
試料番号1〜21は実施例であり、同番号22〜34は比較例である。表1の結果を比較すれば、本発明の塩素含有樹脂組成物は熱安定性に優れ、且つ着色性が抑制されていることが分かる。又、同番号9〜21の如くA成分とB成分にC成分を併用添加すると、A成分とB成分を併用添加した場合に比べ、顕著に熱安定性が改良され、且つ着色性が抑制されていることが分かる。尚、同番号22及び23の如くB成分を添加しない場合、同番号24〜26の如くB成分が本発明の添加量未満の場合及び同番号27〜30の如くA成分が本発明の添加量未満の場合は、何れも熱安定性の改良や着色性の抑制は見られない。又、同番号31〜34の如くB成分が本発明の添加量を超える場合は、予期した熱安定性の改良及び着色性の抑制が見られないばかりでなく、反対に熱安定性が低下し或いは樹脂の劣化分解が促進される。
【実施例2】
【0103】
塩化ビニル樹脂〔新第一塩ビ(株)製 ZEST 800Z〕100部と表2に示す添加剤をよく混合した配合物を、160℃に調整した8インチ試験ロールで5分間混練した後、厚さ0.5mmのシートを作製した。
(熱安定性試験)
得られた厚さ0.5mmのシートを裁断し、該シートを180℃に調整したギヤー式老化試験機に入れ、褐色又は黒褐色になるまでの時間(分)を測定した。褐色又は黒褐色になるまでの時間が長い程、熱安定性に優れていることを示す。
(着色抑制評価試験)
得られた厚さ0.5mmのシートを裁断し、該シートを8枚重ね、プレス金型に入れ、加熱プレス機で180℃、20分間、30kg/cmで板を成型し、該板の着色性の抑制を〔実施例1〕と同様の基準で目視により評価した。数値が小さい程、着色性の抑制に優れていることを示す。
【0104】
(表2)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
試料 A成分 添加量(部) :B成分 添加量(部) :熱安定性 着色抑制
番号 C成分 添加量(部) : :試験(分) 評価試験
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
1 A−1 1 :B−7 0.001 : 25 4
2 A−2 1 :B−7 0.001 : 35 3
3 A−3 1 :B−7 0.001 : 30 4
4 A−6 1 :B−7 0.001 : 45 3
5 A−10 1 :B−7 0.001 : 40 3
6 A−11 1 :B−7 0.001 : 35 4
7 A−12 1 :B−7 0.001 : 25 4
8 A−13 1 :B−7 0.001 : 30 4
9 A−14 1 :B−7 0.001 : 30 4
10 A−15 1 :B−7 0.001 : 30 4
11 A−16 1 :B−7 0.001 : 30 4
12 A−17 1 :B−7 0.001 : 30 4
13 A−18 1 :B−7 0.001 : 30 4
14 A−19 1 :B−7 0.001 : 30 4
15 A−20 1 :B−7 0.001 : 25 4
16 A−21 1 :B−7 0.001 : 55 2
17 A−22 1 :B−7 0.001 : 25 4
18 A−23 1 :B−7 0.001 : 30 4
19 A−24 1 :B−7 0.001 : 25 4
20 A−25 1 :B−7 0.001 : 30 4
21 A−1 1 :B−9 0.001 : 35 3
C−3 0.1 : :
22 A−2 1 :B−9 0.001 : 45 2
C−3 0.1 : :
23 A−3 1 :B−9 0.001 : 40 2
C−3 0.1 : :
24 A−4 1 :B−9 0.001 : 55 1
C−3 0.1 : :
25 A−8 1 :B−9 0.001 : 55 1
C−3 0.1 : :
26 A−11 1 :B−9 0.001 : 45 2
C−3 0.1 : :
27 A−12 1 :B−9 0.001 : 35 2
C−3 0.1 : :
28 A−13 1 :B−9 0.001 : 40 2
C−3 0.1 : :
29 A−14 1 :B−9 0.001 : 40 2
C−3 0.1 : :
30 A−15 1 :B−9 0.001 : 40 2
C−3 0.1 : :
31 A−16 1 :B−9 0.001 : 40 2
C−3 0.1 : :
32 A−17 1 :B−9 0.001 : 40 2
C−3 0.1 : :
33 A−18 1 :B−9 0.001 : 40 2
C−3 0.1 : :
34 A−19 1 :B−9 0.001 : 40 2
C−3 0.1 : :
35 A−20 1 :B−9 0.001 : 35 2
C−3 0.1 : :
36 A−21 1 :B−9 0.001 : 75 1
C−3 0.1 : :
37 A−22 1 :B−9 0.001 : 35 3
C−3 0.1 : :
38 A−23 1 :B−9 0.001 : 40 3
C−3 0.1 : :
39 A−24 1 :B−9 0.001 : 35 3
C−3 0.1 : :
40 A−25 1 :B−9 0.001 : 40 2
C−3 0.1 : :
41 A−6 1 : : 10 6
42 A−16 1 : : 10 6
43 A−21 1 : : 15 6
44 A−25 1 : : 15 6
45 A−6 1 : : 15 5
C−3 0.1 : :
46 A−16 1 : : 15 5
C−3 0.1 : :
47 A−21 1 : : 20 5
C−3 0.1 : :
48 A−25 1 : : 20 5
C−3 0.1 : :
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
試料番号1〜40は実施例であり、同番号41〜48は比較例である。表2の結果を比較すれば、本発明の塩素含有樹脂組成物は熱安定性に優れ、且つ着色性が抑制されていることが分かる。又、同番号21〜40の如くA成分とB成分にC成分を併用添加すると、A成分とB成分を併用添加した場合に比べ、顕著に熱安定性が改良され、且つ着色性が抑制されていることが分かる。尚、同番号41〜48の如くB成分を添加しない場合は、何れも熱安定性の改良や着色性の抑制は見られない。
【実施例3】
【0105】
塩化ビニル樹脂〔(株)カネカ製 カネビニール S1008〕100部、ステアリン酸0.5部と表3に示す添加剤をよく混合した配合物を、165℃に調整した8インチ試験ロールで5分間混練した後、厚さ0.5mmのシートを作製した。
(熱安定性試験)
得られた厚さ0.5mmのシートを裁断し、該シートを190℃に調整したギヤー式老化試験機に入れ、褐色又は黒褐色になるまでの時間(分)を測定した。褐色又は黒褐色になるまでの時間が長い程、熱安定性に優れていることを示す。
(着色抑制評価試験)
得られた厚さ0.5mmのシートを裁断し、該シートを8枚重ね、プレス金型に入れ、加熱プレス機で190℃、20分間、30kg/cmで板を成型し、該板の着色性の抑制を〔実施例1〕と同様の基準で目視により評価した。数値が小さい程、着色性の抑制に優れていることを示す。
【0106】
(表3)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
試料 A成分 添加量(部) :B成分 添加量(部) :熱安定性 着色防止
番号 C成分 添加量(部) :D成分 添加量(部) :試験(分) 性試験
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
1 A−4 3 :B−1 0.001 : 35 4
2 A−4 3 :B−2 0.001 : 45 2
3 A−4 3 :B−5 0.001 : 40 3
4 A−4 3 :B−8 0.001 : 40 3
5 A−2 3 :B−7 0.001 : 35 4
6 A−11 3 :B−4 0.001 : 45 2
7 A−13 3 :B−3 0.001 : 40 3
8 A−17 1.5 :B−6 0.001 : 55 2
A−21 1.5 : :
C−5 0.05 : :
C−10 0.05 : :
9 A−6 1.5 :B−7 0.0005 : 50 2
A−23 1.5 :B−10 0.0005 :
C−3 0.05 : :
C−8 0.05 : :
10 A−9 3 :B−9 0.001 : 60 2
C−1 0.1 : :
11 A−9 3 :B−9 0.001 : 60 2
C−2 0.1 : :
12 A−9 3 :B−9 0.001 : 70 1
C−3 0.1 : :
13 A−9 3 :B−9 0.001 : 65 2
C−4 0.1 : :
14 A−9 3 :B−9 0.001 : 65 2
C−5 0.1 : :
15 A−9 3 :B−9 0.001 : 65 2
C−6 0.1 : :
16 A−9 3 :B−9 0.001 : 70 1
C−7 0.1 : :
17 A−9 3 :B−9 0.001 : 60 2
C−8 0.1 : :
18 A−9 3 :B−9 0.001 : 60 2
C−9 0.1 : :
19 A−9 3 :B−9 0.001 : 60 2
C−10 0.1 : :
20 A−21 3 :B−2 0.001 : 60 2
C−3 0.001: :
21 A−21 3 :B−2 0.001 : 65 1
C−3 0.01 : :
22 A−21 3 :B−2 0.001 : 70 1
C−3 0.1 : :
23 A−21 3 :B−2 0.001 : 65 1
C−3 1 : :
24 A−21 3 :B−2 0.001 : 65 2
C−3 2 : :
25 A−9 3 :B−9 0.001 : 65 2
C−6 0.1 :D−6 0.1 :
26 A−21 3 :B−2 0.001 : 70 1
C−3 0.1 :D−7 0.1 :
27 A−21 3 : : 25 6
28 A−9 3 : : 20 6
C−3 0.1 : :
29 A−21 3 : : 25 5
C−4 0.1 : :
30 A−9 3 :D−1 0.01 : 25 4
31 A−21 3 :D−3 0.01 : 15 5
32 A−21 3 :D−2 0.01 : 25 6
C−3 0.1 : :
33 A−21 3 :D−4 0.01 : 25 5
C−4 0.1 : :
34 A−9 3 :B−6 0.00005: 15 5
35 A−9 3 :B−6 0.00005: 25 5
C−3 0.1 : :
36 A−4 3 :B−2 0.2 : 10 6
37 A−21 3 :B−2 0.2 : 10 6
C−3 0.1 : :
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
試料番号1〜26は実施例であり、同番号27〜37は比較例である。表3の結果を比較すれば、本発明の塩素含有樹脂組成物は熱安定性に優れ、且つ着色性が抑制されていることが分かる。又、同番号8〜26の如くA成分とB成分にC成分を併用添加すると、A成分とB成分を併用添加した場合に比べ、顕著に熱安定性が改良され、且つ着色性が抑制されていることが分かる。尚、同番号27〜33の如くB成分を添加しない場合及び同番号34及び35の如くB成分が本発明の添加量未満の場合は、何れも熱安定性の改良や着色性の抑制は見られない。又、同番号36及び37の如くB成分が本発明の添加量を超える場合は、予期した熱安定性の改良や着色性の抑制が見られないばかりでなく、反対に熱安定性が低下し或いは樹脂の劣化分解が促進される。
【実施例4】
【0107】
塩化ビニル樹脂〔新第一塩ビ(株)製 ZEST 800Z〕100部、ステアリン酸カルシウム0.5部と表4に示す添加剤をよく混合した配合物を、165℃に調整した8インチ試験ロールで5分間混練した後、厚さ0.5mmのシートを作製した。
(熱安定性試験)
得られた厚さ0.5mmのシートを裁断し、該シートを200℃に調整したギヤー式老化試験機に入れ、褐色又は黒褐色になるまでの時間(分)を測定した。褐色又は黒褐色になるまでの時間が長い程、熱安定性に優れていることを示す。
(着色抑制評価試験)
得られた厚さ0.5mmのシートを裁断し、該シートを8枚重ね、プレス金型に入れ、加熱プレス機で200℃、40分間、30kg/cmで板を成型し、該板の着色性の抑制を〔実施例1〕と同様の基準で目視により評価した。数値が小さい程、着色性の抑制に優れていることを示す。
【0108】
(表4)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
試料 A成分 添加量(部) :B成分 添加量(部) :熱安定性 着色抑制
番号 C成分 添加量(部) :D成分 添加量(部) :試験(分) 評価試験
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
1 A−8 6 :B−1 0.01 : 65 2
2 A−8 6 :B−2 0.01 : 75 1
3 A−8 6 :B−3 0.01 : 75 1
4 A−8 6 :B−4 0.01 : 75 1
5 A−8 6 :B−5 0.01 : 70 1
6 A−8 6 :B−6 0.01 : 75 1
7 A−8 6 :B−7 0.01 : 75 1
8 A−8 6 :B−8 0.01 : 70 1
9 A−8 6 :B−9 0.01 : 75 1
10 A−8 6 :B−10 0.01 : 75 1
11 A−25 6 :B−5 0.01 : 55 3
12 A−14 6 :B−8 0.005 : 55 3
:B−9 0.005 :
13 A−25 6 :B−1 0.004 : 65 2
:B−2 0.003 :
:B−5 0.003 :
14 A−5 3 :B−2 0.005 : 60 3
A−20 3 :B−6 0.005 :
15 A−1 3 :B−2 0.005 : 60 2
A−18 3 :B−8 0.005 :
16 A−8 6 :B−4 0.01 : 75 1
:D−6 0.3 :
17 A−21 6 :B−1 0.01 : 75 1
:D−6 0.3 :
18 A−21 6 :B−1 0.01 : 80 1
C−3 0.5 : :
19 A−21 6 :B−2 0.01 : 90 1
C−3 0.5 : :
20 A−21 6 :B−3 0.01 : 90 1
C−3 0.5 : :
21 A−21 6 :B−4 0.01 : 90 1
C−3 0.5 : :
22 A−21 6 :B−5 0.01 : 85 1
C−3 0.5 : :
23 A−21 6 :B−6 0.01 : 90 1
C−3 0.5 : :
24 A−21 6 :B−7 0.01 : 90 1
C−3 0.5 : :
25 A−21 6 :B−8 0.01 : 85 1
C−3 0.5 : :
26 A−21 6 :B−9 0.01 : 90 1
C−3 0.5 : :
27 A−21 6 :B−10 0.01 : 90 1
C−3 0.5 : :
28 A−10 6 :B−5 0.01 : 75 1
C−1 0.001: :
29 A−10 6 :B−5 0.01 : 80 1
C−1 0.01 : :
30 A−10 6 :B−5 0.01 : 80 1
C−1 0.1 : :
31 A−10 6 :B−5 0.01 : 80 1
C−1 1 : :
32 A−10 6 :B−5 0.01 : 75 1
C−1 2 : :
33 A−7 6 :B−1 0.004 : 75 1
C−6 0.5 :B−2 0.003 :
:B−5 0.003 :
34 A−21 3 :B−8 0.005 : 65 2
A−25 3 :B−1 0.005 :
C−4 0.5 : :
35 A−10 6 :B−8 0.005 : 80 1
C−1 0.25 :B−9 0.005 :
C−3 0.25 : :
36 A−10 3 :B−3 0.005 : 85 1
A−21 3 :B−9 0.005 :
C−3 0.25 : :
C−7 0.25 : :
37 A−21 6 : : 40 4
38 A−25 6 : : 40 4
39 A−21 6 : : 45 4
C−1 0.5 : :
40 A−25 6 : : 40 4
C−6 0.5 : :
41 A−21 6 :D−5 0.01 : 40 4
42 A−25 6 :D−7 0.01 : 40 4
43 A−21 6 :D−6 0.01 : 45 4
C−1 0.5 : :
44 A−25 6 :D−7 0.01 : 40 4
C−6 0.5 : :
45 A−21 6 :B−5 0.00005: 40 4
46 A−25 6 :B−1 0.00005: 40 4
47 A−21 6 :B−5 0.00005: 45 4
C−1 0.5 : :
48 A−21 6 :B−5 0.2 : 20 5
49 A−25 6 :B−1 0.2 : 10 6
50 A−21 6 :B−5 0.2 : 25 5
C−1 0.5 : :
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
試料番号1〜36は実施例であり、同番号37〜50は比較例である。表4の結果を比較すれば、本発明の塩素含有樹脂組成物は熱安定性に優れ、且つ着色性が抑制されていることが分かる。又、同番号18〜36の如くA成分とB成分にC成分を併用添加すると、A成分とB成分を併用添加した場合に比べ、顕著に熱安定性が改良され、且つ着色性が抑制されていることが分かる。尚、同番号37〜44の如くB成分を添加しない場合及び同番号45〜47の如くB成分が本発明の添加量未満の場合は、何れも熱安定性の改良や着色性の抑制は見られない。又、同番号48〜50の如くB成分が本発明の添加量を超える場合は、予期した熱安定性の改良及び着色性の抑制が見られないばかりでなく、反対に熱安定性が低下し或いは樹脂の劣化分解が促進される。
【実施例5】
【0109】
塩化ビニル樹脂〔(株)カネカ製 カネビニール S1008〕100部、アクリル系加工助剤〔三菱レイヨン(株) メタブレン P−551A〕1部、ステアリン酸0.5部と表5に示す添加剤をよく混合した配合物を、165℃に調整した8インチ試験ロールで5分間混練した後、厚さ0.5mmのシートを作製した。
(熱安定性試験)
得られた厚さ0.5mmのシートを裁断し、該シートを210℃に調整したギヤー式老化試験機に入れ、褐色又は黒褐色になるまでの時間(分)を測定した。褐色又は黒褐色になるまでの時間が長い程、熱安定性に優れていることを示す。
(着色抑制評価試験)
得られた厚さ0.5mmのシートを裁断し、該シートを8枚重ね、プレス金型に入れ、加熱プレス機で210℃、40分間、30kg/cmで板を成型し、該板の着色性の抑制を〔実施例1〕と同様の基準で目視により評価した。数値が小さい程、着色性の抑制に優れていることを示す。
【0110】
(表5)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
試料 A成分 添加量(部) :B成分 添加量(部) :熱安定性 着色抑制
番号 C成分 添加量(部) : :試験(分) 評価試験
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
1 A−6 10 :B−4 0.0001 : 80 4
2 A−6 10 :B−4 0.001 : 85 3
3 A−6 10 :B−4 0.01 : 85 3
4 A−6 10 :B−4 0.1 : 75 4
5 A−21 10 :B−2 0.0001 : 85 4
6 A−21 10 :B−2 0.001 : 90 3
7 A−21 10 :B−2 0.01 : 90 3
8 A−21 10 :B−2 0.1 : 80 4
9 A−9 10 :B−9 0.01 : 85 3
10 A−19 10 :B−7 0.01 : 75 4
11 A−24 10 :B−5 0.01 : 75 4
12 A−11 10 :B−6 0.0001 : 90 2
C−7 1 : :
13 A−11 10 :B−6 0.001 :100 1
C−7 1 : :
14 A−11 10 :B−6 0.01 :100 1
C−7 1 : :
15 A−11 10 :B−6 0.1 : 85 2
C−7 1 : :
16 A−4 10 :B−1 0.01 :100 1
C−3 1 : :
17 A−15 10 :B−2 0.01 : 90 2
C−5 1 : :
18 A−20 10 :B−10 0.01 : 90 2
C−6 1 : :
19 A−21 10 :B−3 0.1 : 85 2
C−3 2 : :
20 A−19 10 :B−4 0.00005: 45 6
21 A−11 10 :B−8 0.00005: 55 6
22 A−15 10 :B−4 0.2 : 20 6
23 A−24 10 :B−8 0.2 : 10 6
24 A−6 13 :B−4 0.05 : 90 5
25 A−11 13 :B−8 0.05 : 85 5
26 A−15 13 :B−4 0.05 : 90 5
C−7 1 : :
27 A−20 13 :B−8 0.05 : 85 5
C−6 1 : :
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試料番号1〜19は実施例であり、同番号20〜27は比較例である。表5の結果を比較すれば、本発明の塩素含有樹脂組成物は熱安定性に優れ、且つ着色性が抑制されていることが分かる。又、同番号12〜19の如くA成分とB成分にC成分を併用添加すると、A成分とB成分を併用添加した場合に比べ、顕著に熱安定性が改良され、且つ着色性が抑制されていることが分かる。尚、同番号20及び21の如くB成分が本発明の添加量未満の場合は、熱安定性の改良や着色性の抑制は見られない。又、同番号22及び23の如くB成分が本発明の添加量を超える場合は、予期した熱安定性の改良及び着色性の抑制が見られないばかりでなく、反対に熱安定性が低下し或いは樹脂の劣化分解が促進される。又、同番号24〜27の如くA成分が本発明の添加量を超える場合は、熱安定性は向上するが着色性の抑制は見られない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
塩素含有樹脂100質量部に、
(A成分)有機錫化合物の少なくとも1種を0.1〜10質量部、及び
(B成分)トリフルオロメチルスルホニル化合物の少なくとも1種を0.0001〜0.1質量部
を併用添加してなる塩素含有樹脂組成物。
【請求項2】
塩素含有樹脂100質量部に、
(A成分)有機錫化合物の少なくとも1種を0.1〜10質量部、
(B成分)トリフルオロメチルスルホニル化合物の少なくとも1種を0.0001〜0.1質量部、及び
(C成分)チオエーテル化合物の少なくとも1種を0.001〜2質量部
を併用添加してなる塩素含有樹脂組成物。

【公開番号】特開2006−152283(P2006−152283A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−320239(P2005−320239)
【出願日】平成17年11月4日(2005.11.4)
【出願人】(000175548)三共有機合成株式会社 (5)
【Fターム(参考)】