塵埃評価試験装置
【課題】供試品に対する繊維状粒子の影響を適切に評価することができる塵埃試験装置を提供することを課題とする。
【解決手段】塵埃評価試験装置1は、筐体3を有し、この筐体3の上部に塵埃発生器2が配置されている。塵埃発生器2は、筐体3の上方に設けられた塵埃室2a内に配置されている。筐体3の内部に、すなわち、塵埃発生器2の下方に金網からなる網状部6が設けられている。この網状部6は、供試品5が載置される供試品載置部である。網状部6の下方には、塵埃貯留部9が設けられている。塵埃発生器2は、繊維状物質を纏めて形成された母材に擦り合わせて当該母材を擦切って繊維状粒子7を生成しすることができる。
【解決手段】塵埃評価試験装置1は、筐体3を有し、この筐体3の上部に塵埃発生器2が配置されている。塵埃発生器2は、筐体3の上方に設けられた塵埃室2a内に配置されている。筐体3の内部に、すなわち、塵埃発生器2の下方に金網からなる網状部6が設けられている。この網状部6は、供試品5が載置される供試品載置部である。網状部6の下方には、塵埃貯留部9が設けられている。塵埃発生器2は、繊維状物質を纏めて形成された母材に擦り合わせて当該母材を擦切って繊維状粒子7を生成しすることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塵埃評価試験装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子機器、その他の機器の性能評価試験として、種々の試験が行われている。例えば、磁気ディスク媒体に対する粉塵試験が行われることがあり、この粉塵試験を行うための粉塵試験機が知られている(特許文献1参照)。また、光ディスク試験装置が知られている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平3−255930号公報
【特許文献2】特開平8−63797号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、内部に電子部品等の発熱体を有する機器は、ファン等を用い、機器外の空気と機器内の空気との入れ替えを行い、機器内の温度上昇を押さえ、機器の安定稼動をはかっている。
このような機器が使用される実際の環境には、人間の生活活動により様々な埃が発生し、その埃が空気中に漂っている。ここで、特に家庭内の生活活動で発生する埃の主流は、繊維状粒子である。この繊維状粒子を含んだ空気が、ファン等によって機器内に取り込まれ、機器内部に綿埃として付着、堆積し、機器内の温度上昇等を引き起し、これが機器の故障原因の一つになっている。
【0005】
このような状況であるにもかかわらず、前記粉塵試験機等をはじめ、従来の試験機は砂塵を評価粉塵として使用するものが主流であり、家庭内で発生するような繊維状粒子は評価粉塵の対象となっていなかった。そして、繊維状粒子に対する評価方法も確立されていなかった。このため、現在、家庭内で発生している繊維状粒子に起因した機器の塵埃耐力評価ができず、ライフサイクルにおける機器の信頼性の低下を招き、問題であった。
【0006】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものである。その目的は、供試品に対する繊維状粒子の影響を適切に評価することができる塵埃試験装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための本明細書開示の塵埃評価試験装置は、繊維状物質を纏めて形成された母材を擦切って繊維状粒子を生成し得る塵埃発生器と、当該塵埃発生器の下方に設けられた供試品載置部と、を、備えたことを特徴とする。
【0008】
このような塵埃評価試験装置は、実際に製品(供試品)が使用される環境に近い環境を再現することができる。繊維状粒子は、お互いに絡み合って玉綿状になり易く、一旦、玉綿状になった繊維状粒子からなる埃を解すことは困難である。このため、床等に積もり、玉綿状となった繊維状粒子を再び舞上げて試験に利用することは困難である。
そこで、本明細書開示の塵埃評価試験装置は、繊維状粒子を生成する塵埃発生器の下方に供試品載置部を配置することにより、塵埃発生器によって生成された埃としての繊維状粒子を自由落下させ、空気中に散布する。これにより、製品が使用される環境に近い環境を再現することができる。
【発明の効果】
【0009】
本明細書開示の塵埃評価試験装置によれば、繊維状粒子の影響を適切に評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、実施例1の塵埃評価試験装置の概略構成を模式的に示した説明図である。
【図2】図2は、供試品の概略構成を模式的に示した説明図である。
【図3】図3は、供試品載置部の他の例を示した説明図である。
【図4】図4は、塵埃発生器の斜視図である。
【図5】図5は、塵埃発生部のX方向への移動機構の説明図である。
【図6】図6は、実施例2の塵埃評価試験装置の概略構成を模式的に示した説明図である。
【図7】図7は、整流器の斜視図である。
【図8】図8は、ルーバー装置の斜視図である。
【図9】図9は、回転台座の概略構成を示した説明図である。
【図10】図10は、回転台座の内部構成を模式的に示した説明図である。
【図11】図11(A)は、空気汚染度調節器の概略構成を模式的に示した説明図であり、図11(B)は、空気汚染度調節器の煙草挿入部の構成を示す説明図である。
【図12】図12は、湿度調節器の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の最良の実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。ただし、図面中、各部の寸法、比率等は、実際のものと完全に一致するようには図示されていない場合がある。また、図面によっては細部が省略されている場合もある。
【実施例1】
【0012】
図1は、実施例1の塵埃評価試験装置1の概略構成を模式的に示した説明図である。塵埃評価試験装置1は、筐体3を有し、この筐体3の上部に塵埃発生器2が配置されている。塵埃発生器2は、筐体3の上方に設けられた塵埃室2a内に配置されている。また、塵埃発生器2には、制御部2bが接続されている。筐体3の内部に、すなわち、塵埃発生器2の下方に金網からなる網状部6が設けられている。この網状部6は、供試品5が載置される供試品載置部である。網状部6の下方には、塵埃貯留部9が設けられている。塵埃発生器2は、繊維状物質を纏めて形成された母材に擦り合わせて当該母材を擦切って繊維状粒子7を生成することができる。
【0013】
床等に積もった埃は玉綿状の塊となっていることが多い。このため、仮に、一旦床等に積もった埃を送風器によって吹き上げる等して供試品5の周囲に供給しようとしても、繊維状粒子が浮遊する実際の使用環境を再現することは困難である。この点、実施例の塵埃評価試験装置1は、塵埃発生器2によって生成された繊維状粒子7を自由落下させ、供試品5の周囲の環境を実際の製品の使用環境に近づけ、塵埃試験を実施することができる。
【0014】
図2は、塵埃評価試験装置1による塵埃評価試験に供される供試品5の概略構成を模式的に示した説明図である。供試品5は、パーソナルコンピュータであり、空気取り入れ口5aが形成された外部ケースを備えている。空気取り入れ口5aの内側には、冷却ファン5bが配置されている。供試品5は、さらに、空気排出口5cを備えている。供試品5は、冷却ファン5bが稼動することにより内部に空気を取り込み、空気排出口5cから空気を排出することによって内部の強制冷却を行う。供試品5は、このように内部に空気を取り込み、強制冷却が行われる機器であれば、パーソナルコンピュータ等の情報処理機器に限られない。他の電子機器、精密機器等、あらゆる機器を供試品5として塵埃評価試験装置1による塵埃評価試験を実施することができる。
【0015】
網状部6は、上方から自由落下する繊維状粒子7の塵埃を通過させる。網状部6を通過した繊維状粒子7は、塵埃貯留部9に堆積し、玉綿状の塊となった埃8を形成する。埃8は、繊維状粒子7が絡まりあって玉綿状に形成されている。このように、一旦、玉綿状となった埃8は、解れにくく、製品の使用環境の再現には適さない。また、玉綿状の埃8は、供試品5の空気取り入れ口5aや、空気排出口5cを塞いでしまうおそれがある。空気取り入れ口5aや空気排出口5cが塞がれると、供試品5の内部に、繊維状粒子7が入り込みづらくなり、適正な試験を行うことが困難となる。
【0016】
供試品載置部を網状部6aとして形成しておくことにより、自由落下した繊維状粒子7は、網状部6aをすり抜け、塵埃貯留部9内に積もる。繊維状粒子7が塵埃貯留部9内に積もり、形成された埃8は、再び網状部6を通過することができない。すなわち、埃8は、供試品5側へ移動することが抑制される。塵埃貯留部9内に溜まった埃8は、廃棄すればよい。
【0017】
なお、供試品載置部は、網状部6aに代えて、図3に示すような台座6bとすることもできる。台座6bを備え、台座6bの周囲に塵埃貯留部9を形成しておけば、自由落下した繊維状粒子7は、塵埃貯留部9において埃8となる。塵埃貯留部9内の埃8は、ほぼ塵埃試験へ影響を及ぼすことはない。台座部6bは、昇降機構を備えることもできる。昇降機構を備えることにより、サイズの異なる供試品5への対応等が可能となる。
【0018】
図4は、塵埃発生器2の斜視図である。塵埃発生器2は、繊維状物質を纏めて形成された母材を擦切って繊維状粒子を生成する。塵埃発生器2は、母材を保持するホルダー15を有している。塵埃発生器2は、このホルダー15の位置をX方向と、Y方向とに移動させることがきる。塵埃発生器2は、ホルダー15をY方向に移動させるための移動ステージ11を有している。移動ステージ11には、金網部12が設けられている。ホルダー15に保持された母材が金網部12に擦り合わされることにより、繊維状粒子7が生成される。金網部12は、X方向に延設されており、その両側にレール部材13a、13bが配置されている。ホルダー15は、このレール部材13a、13b上をX方向に移動可能に移動ステージ11上に搭載されている。ホルダー15には、貫通孔14aが設けられた移動駒14が連設されている。移動ステージ11上には、レール部材13a、13bと並行させて配置された移動機構16を有している。移動機構16は、ホルダー15をX方向に移動させる。図5は、移動機構6の説明図である。移動機構6は、螺旋溝23aを有する駆動シャフト23を有している。この駆動シャフト23は、モータ22によって駆動される。駆動シャフト23は、移動駒14に設けられた貫通孔14aに挿通されている。このとき、貫通孔14aの内周面に設けられた突起14a1が螺旋溝23aに噛み合わされている。これにより、駆動シャフト23が回転すると移動駒14がX方向に移動することができる。
【0019】
ホルダー15は、母材を金網部12へ押し付けるように保持されている。このため、母材は、移動駒14の移動に伴って金網部12へ擦り合わされることになり、繊維状粒子7を生成させる。
【0020】
移動ステージ11自体は、Y方向に延設され、並行に配置されたラックレール17a、17b上に載置されている。移動ステージ11は、モータ21によって駆動シャフト19aを駆動する駆動部20を有している。駆動シャフト19aの両端にはそれぞれピニオンホイール19を有している。ピニオンホイール19は、ラックレール17a、17b上に配置されている。モータ21が回転するとピニオンホイール19が回転し、移動ステージ11は、ラックレール17a、17bに沿って、すなわち、Y方向に移動することができる。
【0021】
このように、塵埃発生器2は、X方向、Y方向に移動しつつ繊維状粒子7を生成することができる。この塵埃発生器2により、広範囲に繊維状粒子7を自由落下させることができる。また、供試品5の周囲に均質に繊維状粒子7を自由落下させる等、所望の試験環境を創出することができる。
【0022】
なお、ホルダー15は、ホルダー内部において母材を回転させ、金網部12へ母材を擦り合わせることができるようにしてもよい。これにより、ホルダー15のX方向への移動を伴うことなく繊維状粒子7を生成することができる。
【0023】
以上のような塵埃発生器2は、制御10によって、その動きを制御することができる。例えば、モータ21、22の回転速度を制御することにより、ホルダー15のX方向、Y方向の移動速度を変化させることができる。また、塵埃試験において各種評価を行うためのセンサ類を制御10に接続して試験を行うこともできる。
【0024】
このような塵埃評価試験装置1によれば、繊維状粒子の影響を適切に評価することができる。
【実施例2】
【0025】
次に、実施例2の塵埃評価試験装置50について図面を参照しつつ説明する。塵埃評価試験装置50は、住居等の一室に窓等から風が吹き込む環境を再現することができる。
図6は、実施例2の塵埃評価試験装置50の概略構成を模式的に示した説明図である。塵埃評価試験装置50は、内部に供試品5が配置される筐体51を有している。筐体51には、入口側通路52と出口側通路53が接続されている。入口側通路52には、塵埃投入筒52aが設けられており、この上方に塵埃発生器57が載置されている。塵埃発生器57は、実施例1における塵埃発生器2と同様のものを採用することができるが、X方向、Y方向への移動機能は備えていなくてもよい。
一方、出口側通路53には、フィルター54が設けられている。フィルター54は、繊維状粒子7を捕捉し、繊維状粒子7が外部へ放出されることを抑制する。
筐体51は、その天井部にもフィルター51aを備えており、繊維状粒子7を捕捉し、繊維状粒子7が外部へ放出されることを抑制する。
【0026】
入口側通路52の上流には、供試品52向かって送風する送風機61が設置されている。送風機61は、回転ファンである。このため送風機61が発生させる風は、回転成分を含んでいる。そこで、送風機61の下流側に図7に示す整流器58が配置されている。整流器58は、整流格子が設けられて形成された複数のダクト58aを有している。この整流器58は、送風機61によって送られる風を整流するもので、整流器58を通過した風は層流の風となって供試品5側へ送られる。
【0027】
なお、送風機61により発生させた風を整流する機器として、整流器58に代えて、図8に示すようなルーバー装置63を設置してもよい。ルーバー装置63は、枠状のフレーム63aに複数枚のフラップ部材63bが揺動可能に装着されている。フラップ部材63bは、駆動ロッド63cで連結されている。駆動ロッド63cの端部には、押圧板63c1が設けられている。押圧板63c1は、第1歯車63e、第2歯車63fを介して駆動モータ63gによって駆動される楕円形状のカム板63dによって押圧される。カム板63dと押圧板63c1との間には戻しスプリング63hが介在している。これにより、駆動ロッド63cは往復動が可能となり、フラップ部材63bは揺動することができる。フラップ部材63bが揺動すると、送風機61によって発生した風は、整流される。また、フラップ部材63cの向きを制御することにより、風向を調節することもできる。
【0028】
実施例2の塵埃評価試験装置50における供試品載置部は、網状部6bに加え、網状部6b上に配置された回転台座55として設けられている。図9は、回転台座55の概略構成を示した説明図である。また、図10は、回転台座の内部構成を模式的に示した説明図である。回転台座55上に供試品5を載置することにより、供試品5の送風機61に対する向き、すなわち、風向に対する向きを種々変更することができる。これにより、供試品5に対する繊維状粒子7の偏りを制御する等、種々の試験環境を創出することができる。
【0029】
回転台座55は、回転テーブル55aとこの回転テーブル55aを回転させる駆動部55b、コントロールボックス55cを有している。駆動部55b内には、モータ55b1が内蔵されている。モータ55b1には、ピニオンギア55b2が設けられている。また、駆動部55b内には、回転テーブル55aと一体となった駆動ギア55b3が配置されている。回転テーブル55aは、ベアリング56によって駆動部55b上に回転可能に載置されている。駆動ギア55b3は、ピニオンギア55b2と噛み合っており、モータ55b1の回転力により、回転テーブル55aを回転させる。回転テーブル55aは、中央部に駆動部55b内に連通する連通部55a1を有している。この連通部55a1には、供試品5の電源ケーブルや、試験を行うためのセンサ類のリード線等を外部に取り出すために用いることができる。この連通部55a1を用いることにより、ケーブル類、リード線類が絡まることを極力抑制することができる。
コントロールボックス55cは、ドライバ55c1、制御部55c2、プログラム格納部55c3、電源部55c4を内蔵している。
【0030】
回転台座55は、プログラム格納部55c3内に格納されたプログラムにより回転方向が定期的に変更される、これにより、ケーブル類、リード線類の絡まりを抑制するようになっている。
【0031】
また、回転台座55は、駆動部内55b内に供試品5に電力を供給する電源タップ、センサの信号を受けることができるリード線の接続コネクタを備えることによりケーブル類、リード線類の絡まりを抑制することができる。
【0032】
塵埃評価試験装置50は、供試品5の実際の使用環境を再現するための種々の機器を装備することができる。塵埃評価試験装置50は、例えば、空気汚染度調節器59を装備することができる。図11(A)は、空気汚染度調節器59の概略構成を模式的に示した説明図であり、図11(B)は、空気汚染度調節器の煙草挿入部59a1の構成を示す説明図である。空気汚染度調節器59は、下部に煙発生部59aを備え、上部にオイルミミスト発生部59dを備えている。空気汚染度調節器59は、入口側通路52の送風機61の下流側に配置される。
【0033】
煙発生部59aは、筐体内に煙草59bを差し込むことができる煙草挿入部59a1を備えている。煙草挿入部59a1は、金網を筒状に成形してなる。煙草挿入部59a1に火のついた煙草59bを挿入すれば、煙草の煙を筐体51内に供給することができる。なお、煙草59bに代えて、線香等、煙を発生させるものを用いてもよい。
【0034】
オイルミスト発生部59dは、筐体内部にヒータ59eを備えている。また、筐体の上部にオイルを貯留するオイル貯留部59fを備えている。ヒータ59eには、温度制御部59gが接続されている。温度制御部59gには、電源59hが接続されている。オイルミスト発生部59dは、オイル貯留部59fからオイルを滴下させ、滴下させたオイルをヒータ59eによってミスト化する。ミスト化されたオイルは、筐体51内に供給される。
【0035】
なお、筐体51内に供給された、煙草59bの煙やオイルミストは、フィルター51a、フィルター54において繊維状粒子7と共に捕捉されるため、塵埃評価試験装置50の外部へ放出されることは抑制される。
【0036】
塵埃評価試験装置50は、また、湿度調節器60を装備することができる。湿度調節器60は、入口側通路52の送風機61の下流側に配置される。
図12は、湿度調節器60の斜視図である。湿度調節器60は、蒸発室60a内に貯水パン60bが配置されている。この貯水パン60bには、貯水タンク60cが接続されている。貯水パン60b上には、加湿エレメント60dが載置されている。加湿エレメント60dは、貯水パン60bに貯留された水を毛細管現象によって吸い上げ、空気中に水分を蒸発させる。これにより、湿度が上昇する。湿度が上した空気は、筐体51内へ送られる。このように湿度調節器60を用いることにより、繊維状粒子7や供試品5に直接水滴が触れることを回避しつつ、湿度の調整を行うことができる。
【0037】
塵埃評価試験装置50は、以上のように種々の機器を装備することができ、複合的な試験環境を再現することができる。塵埃試験をする際は、必要な機器を選択して入口側通路52に配置することができる。
【0038】
このような塵埃評価試験装置50によれば、繊維状粒子の影響を適切に評価することができる。
【0039】
以上本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
【符号の説明】
【0040】
1、50…塵埃評価試験装置
2…塵埃発生器
3…筐体
5…供試品
6a…網状部
6b…台座
7…繊維状粒子
8…埃
9…塵埃貯留部
15…ホルダー
55…回転台座
58…整流器
59…汚染度調節器
60…湿度調節器
61…送風機
【技術分野】
【0001】
本発明は、塵埃評価試験装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子機器、その他の機器の性能評価試験として、種々の試験が行われている。例えば、磁気ディスク媒体に対する粉塵試験が行われることがあり、この粉塵試験を行うための粉塵試験機が知られている(特許文献1参照)。また、光ディスク試験装置が知られている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平3−255930号公報
【特許文献2】特開平8−63797号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、内部に電子部品等の発熱体を有する機器は、ファン等を用い、機器外の空気と機器内の空気との入れ替えを行い、機器内の温度上昇を押さえ、機器の安定稼動をはかっている。
このような機器が使用される実際の環境には、人間の生活活動により様々な埃が発生し、その埃が空気中に漂っている。ここで、特に家庭内の生活活動で発生する埃の主流は、繊維状粒子である。この繊維状粒子を含んだ空気が、ファン等によって機器内に取り込まれ、機器内部に綿埃として付着、堆積し、機器内の温度上昇等を引き起し、これが機器の故障原因の一つになっている。
【0005】
このような状況であるにもかかわらず、前記粉塵試験機等をはじめ、従来の試験機は砂塵を評価粉塵として使用するものが主流であり、家庭内で発生するような繊維状粒子は評価粉塵の対象となっていなかった。そして、繊維状粒子に対する評価方法も確立されていなかった。このため、現在、家庭内で発生している繊維状粒子に起因した機器の塵埃耐力評価ができず、ライフサイクルにおける機器の信頼性の低下を招き、問題であった。
【0006】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものである。その目的は、供試品に対する繊維状粒子の影響を適切に評価することができる塵埃試験装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための本明細書開示の塵埃評価試験装置は、繊維状物質を纏めて形成された母材を擦切って繊維状粒子を生成し得る塵埃発生器と、当該塵埃発生器の下方に設けられた供試品載置部と、を、備えたことを特徴とする。
【0008】
このような塵埃評価試験装置は、実際に製品(供試品)が使用される環境に近い環境を再現することができる。繊維状粒子は、お互いに絡み合って玉綿状になり易く、一旦、玉綿状になった繊維状粒子からなる埃を解すことは困難である。このため、床等に積もり、玉綿状となった繊維状粒子を再び舞上げて試験に利用することは困難である。
そこで、本明細書開示の塵埃評価試験装置は、繊維状粒子を生成する塵埃発生器の下方に供試品載置部を配置することにより、塵埃発生器によって生成された埃としての繊維状粒子を自由落下させ、空気中に散布する。これにより、製品が使用される環境に近い環境を再現することができる。
【発明の効果】
【0009】
本明細書開示の塵埃評価試験装置によれば、繊維状粒子の影響を適切に評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、実施例1の塵埃評価試験装置の概略構成を模式的に示した説明図である。
【図2】図2は、供試品の概略構成を模式的に示した説明図である。
【図3】図3は、供試品載置部の他の例を示した説明図である。
【図4】図4は、塵埃発生器の斜視図である。
【図5】図5は、塵埃発生部のX方向への移動機構の説明図である。
【図6】図6は、実施例2の塵埃評価試験装置の概略構成を模式的に示した説明図である。
【図7】図7は、整流器の斜視図である。
【図8】図8は、ルーバー装置の斜視図である。
【図9】図9は、回転台座の概略構成を示した説明図である。
【図10】図10は、回転台座の内部構成を模式的に示した説明図である。
【図11】図11(A)は、空気汚染度調節器の概略構成を模式的に示した説明図であり、図11(B)は、空気汚染度調節器の煙草挿入部の構成を示す説明図である。
【図12】図12は、湿度調節器の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の最良の実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。ただし、図面中、各部の寸法、比率等は、実際のものと完全に一致するようには図示されていない場合がある。また、図面によっては細部が省略されている場合もある。
【実施例1】
【0012】
図1は、実施例1の塵埃評価試験装置1の概略構成を模式的に示した説明図である。塵埃評価試験装置1は、筐体3を有し、この筐体3の上部に塵埃発生器2が配置されている。塵埃発生器2は、筐体3の上方に設けられた塵埃室2a内に配置されている。また、塵埃発生器2には、制御部2bが接続されている。筐体3の内部に、すなわち、塵埃発生器2の下方に金網からなる網状部6が設けられている。この網状部6は、供試品5が載置される供試品載置部である。網状部6の下方には、塵埃貯留部9が設けられている。塵埃発生器2は、繊維状物質を纏めて形成された母材に擦り合わせて当該母材を擦切って繊維状粒子7を生成することができる。
【0013】
床等に積もった埃は玉綿状の塊となっていることが多い。このため、仮に、一旦床等に積もった埃を送風器によって吹き上げる等して供試品5の周囲に供給しようとしても、繊維状粒子が浮遊する実際の使用環境を再現することは困難である。この点、実施例の塵埃評価試験装置1は、塵埃発生器2によって生成された繊維状粒子7を自由落下させ、供試品5の周囲の環境を実際の製品の使用環境に近づけ、塵埃試験を実施することができる。
【0014】
図2は、塵埃評価試験装置1による塵埃評価試験に供される供試品5の概略構成を模式的に示した説明図である。供試品5は、パーソナルコンピュータであり、空気取り入れ口5aが形成された外部ケースを備えている。空気取り入れ口5aの内側には、冷却ファン5bが配置されている。供試品5は、さらに、空気排出口5cを備えている。供試品5は、冷却ファン5bが稼動することにより内部に空気を取り込み、空気排出口5cから空気を排出することによって内部の強制冷却を行う。供試品5は、このように内部に空気を取り込み、強制冷却が行われる機器であれば、パーソナルコンピュータ等の情報処理機器に限られない。他の電子機器、精密機器等、あらゆる機器を供試品5として塵埃評価試験装置1による塵埃評価試験を実施することができる。
【0015】
網状部6は、上方から自由落下する繊維状粒子7の塵埃を通過させる。網状部6を通過した繊維状粒子7は、塵埃貯留部9に堆積し、玉綿状の塊となった埃8を形成する。埃8は、繊維状粒子7が絡まりあって玉綿状に形成されている。このように、一旦、玉綿状となった埃8は、解れにくく、製品の使用環境の再現には適さない。また、玉綿状の埃8は、供試品5の空気取り入れ口5aや、空気排出口5cを塞いでしまうおそれがある。空気取り入れ口5aや空気排出口5cが塞がれると、供試品5の内部に、繊維状粒子7が入り込みづらくなり、適正な試験を行うことが困難となる。
【0016】
供試品載置部を網状部6aとして形成しておくことにより、自由落下した繊維状粒子7は、網状部6aをすり抜け、塵埃貯留部9内に積もる。繊維状粒子7が塵埃貯留部9内に積もり、形成された埃8は、再び網状部6を通過することができない。すなわち、埃8は、供試品5側へ移動することが抑制される。塵埃貯留部9内に溜まった埃8は、廃棄すればよい。
【0017】
なお、供試品載置部は、網状部6aに代えて、図3に示すような台座6bとすることもできる。台座6bを備え、台座6bの周囲に塵埃貯留部9を形成しておけば、自由落下した繊維状粒子7は、塵埃貯留部9において埃8となる。塵埃貯留部9内の埃8は、ほぼ塵埃試験へ影響を及ぼすことはない。台座部6bは、昇降機構を備えることもできる。昇降機構を備えることにより、サイズの異なる供試品5への対応等が可能となる。
【0018】
図4は、塵埃発生器2の斜視図である。塵埃発生器2は、繊維状物質を纏めて形成された母材を擦切って繊維状粒子を生成する。塵埃発生器2は、母材を保持するホルダー15を有している。塵埃発生器2は、このホルダー15の位置をX方向と、Y方向とに移動させることがきる。塵埃発生器2は、ホルダー15をY方向に移動させるための移動ステージ11を有している。移動ステージ11には、金網部12が設けられている。ホルダー15に保持された母材が金網部12に擦り合わされることにより、繊維状粒子7が生成される。金網部12は、X方向に延設されており、その両側にレール部材13a、13bが配置されている。ホルダー15は、このレール部材13a、13b上をX方向に移動可能に移動ステージ11上に搭載されている。ホルダー15には、貫通孔14aが設けられた移動駒14が連設されている。移動ステージ11上には、レール部材13a、13bと並行させて配置された移動機構16を有している。移動機構16は、ホルダー15をX方向に移動させる。図5は、移動機構6の説明図である。移動機構6は、螺旋溝23aを有する駆動シャフト23を有している。この駆動シャフト23は、モータ22によって駆動される。駆動シャフト23は、移動駒14に設けられた貫通孔14aに挿通されている。このとき、貫通孔14aの内周面に設けられた突起14a1が螺旋溝23aに噛み合わされている。これにより、駆動シャフト23が回転すると移動駒14がX方向に移動することができる。
【0019】
ホルダー15は、母材を金網部12へ押し付けるように保持されている。このため、母材は、移動駒14の移動に伴って金網部12へ擦り合わされることになり、繊維状粒子7を生成させる。
【0020】
移動ステージ11自体は、Y方向に延設され、並行に配置されたラックレール17a、17b上に載置されている。移動ステージ11は、モータ21によって駆動シャフト19aを駆動する駆動部20を有している。駆動シャフト19aの両端にはそれぞれピニオンホイール19を有している。ピニオンホイール19は、ラックレール17a、17b上に配置されている。モータ21が回転するとピニオンホイール19が回転し、移動ステージ11は、ラックレール17a、17bに沿って、すなわち、Y方向に移動することができる。
【0021】
このように、塵埃発生器2は、X方向、Y方向に移動しつつ繊維状粒子7を生成することができる。この塵埃発生器2により、広範囲に繊維状粒子7を自由落下させることができる。また、供試品5の周囲に均質に繊維状粒子7を自由落下させる等、所望の試験環境を創出することができる。
【0022】
なお、ホルダー15は、ホルダー内部において母材を回転させ、金網部12へ母材を擦り合わせることができるようにしてもよい。これにより、ホルダー15のX方向への移動を伴うことなく繊維状粒子7を生成することができる。
【0023】
以上のような塵埃発生器2は、制御10によって、その動きを制御することができる。例えば、モータ21、22の回転速度を制御することにより、ホルダー15のX方向、Y方向の移動速度を変化させることができる。また、塵埃試験において各種評価を行うためのセンサ類を制御10に接続して試験を行うこともできる。
【0024】
このような塵埃評価試験装置1によれば、繊維状粒子の影響を適切に評価することができる。
【実施例2】
【0025】
次に、実施例2の塵埃評価試験装置50について図面を参照しつつ説明する。塵埃評価試験装置50は、住居等の一室に窓等から風が吹き込む環境を再現することができる。
図6は、実施例2の塵埃評価試験装置50の概略構成を模式的に示した説明図である。塵埃評価試験装置50は、内部に供試品5が配置される筐体51を有している。筐体51には、入口側通路52と出口側通路53が接続されている。入口側通路52には、塵埃投入筒52aが設けられており、この上方に塵埃発生器57が載置されている。塵埃発生器57は、実施例1における塵埃発生器2と同様のものを採用することができるが、X方向、Y方向への移動機能は備えていなくてもよい。
一方、出口側通路53には、フィルター54が設けられている。フィルター54は、繊維状粒子7を捕捉し、繊維状粒子7が外部へ放出されることを抑制する。
筐体51は、その天井部にもフィルター51aを備えており、繊維状粒子7を捕捉し、繊維状粒子7が外部へ放出されることを抑制する。
【0026】
入口側通路52の上流には、供試品52向かって送風する送風機61が設置されている。送風機61は、回転ファンである。このため送風機61が発生させる風は、回転成分を含んでいる。そこで、送風機61の下流側に図7に示す整流器58が配置されている。整流器58は、整流格子が設けられて形成された複数のダクト58aを有している。この整流器58は、送風機61によって送られる風を整流するもので、整流器58を通過した風は層流の風となって供試品5側へ送られる。
【0027】
なお、送風機61により発生させた風を整流する機器として、整流器58に代えて、図8に示すようなルーバー装置63を設置してもよい。ルーバー装置63は、枠状のフレーム63aに複数枚のフラップ部材63bが揺動可能に装着されている。フラップ部材63bは、駆動ロッド63cで連結されている。駆動ロッド63cの端部には、押圧板63c1が設けられている。押圧板63c1は、第1歯車63e、第2歯車63fを介して駆動モータ63gによって駆動される楕円形状のカム板63dによって押圧される。カム板63dと押圧板63c1との間には戻しスプリング63hが介在している。これにより、駆動ロッド63cは往復動が可能となり、フラップ部材63bは揺動することができる。フラップ部材63bが揺動すると、送風機61によって発生した風は、整流される。また、フラップ部材63cの向きを制御することにより、風向を調節することもできる。
【0028】
実施例2の塵埃評価試験装置50における供試品載置部は、網状部6bに加え、網状部6b上に配置された回転台座55として設けられている。図9は、回転台座55の概略構成を示した説明図である。また、図10は、回転台座の内部構成を模式的に示した説明図である。回転台座55上に供試品5を載置することにより、供試品5の送風機61に対する向き、すなわち、風向に対する向きを種々変更することができる。これにより、供試品5に対する繊維状粒子7の偏りを制御する等、種々の試験環境を創出することができる。
【0029】
回転台座55は、回転テーブル55aとこの回転テーブル55aを回転させる駆動部55b、コントロールボックス55cを有している。駆動部55b内には、モータ55b1が内蔵されている。モータ55b1には、ピニオンギア55b2が設けられている。また、駆動部55b内には、回転テーブル55aと一体となった駆動ギア55b3が配置されている。回転テーブル55aは、ベアリング56によって駆動部55b上に回転可能に載置されている。駆動ギア55b3は、ピニオンギア55b2と噛み合っており、モータ55b1の回転力により、回転テーブル55aを回転させる。回転テーブル55aは、中央部に駆動部55b内に連通する連通部55a1を有している。この連通部55a1には、供試品5の電源ケーブルや、試験を行うためのセンサ類のリード線等を外部に取り出すために用いることができる。この連通部55a1を用いることにより、ケーブル類、リード線類が絡まることを極力抑制することができる。
コントロールボックス55cは、ドライバ55c1、制御部55c2、プログラム格納部55c3、電源部55c4を内蔵している。
【0030】
回転台座55は、プログラム格納部55c3内に格納されたプログラムにより回転方向が定期的に変更される、これにより、ケーブル類、リード線類の絡まりを抑制するようになっている。
【0031】
また、回転台座55は、駆動部内55b内に供試品5に電力を供給する電源タップ、センサの信号を受けることができるリード線の接続コネクタを備えることによりケーブル類、リード線類の絡まりを抑制することができる。
【0032】
塵埃評価試験装置50は、供試品5の実際の使用環境を再現するための種々の機器を装備することができる。塵埃評価試験装置50は、例えば、空気汚染度調節器59を装備することができる。図11(A)は、空気汚染度調節器59の概略構成を模式的に示した説明図であり、図11(B)は、空気汚染度調節器の煙草挿入部59a1の構成を示す説明図である。空気汚染度調節器59は、下部に煙発生部59aを備え、上部にオイルミミスト発生部59dを備えている。空気汚染度調節器59は、入口側通路52の送風機61の下流側に配置される。
【0033】
煙発生部59aは、筐体内に煙草59bを差し込むことができる煙草挿入部59a1を備えている。煙草挿入部59a1は、金網を筒状に成形してなる。煙草挿入部59a1に火のついた煙草59bを挿入すれば、煙草の煙を筐体51内に供給することができる。なお、煙草59bに代えて、線香等、煙を発生させるものを用いてもよい。
【0034】
オイルミスト発生部59dは、筐体内部にヒータ59eを備えている。また、筐体の上部にオイルを貯留するオイル貯留部59fを備えている。ヒータ59eには、温度制御部59gが接続されている。温度制御部59gには、電源59hが接続されている。オイルミスト発生部59dは、オイル貯留部59fからオイルを滴下させ、滴下させたオイルをヒータ59eによってミスト化する。ミスト化されたオイルは、筐体51内に供給される。
【0035】
なお、筐体51内に供給された、煙草59bの煙やオイルミストは、フィルター51a、フィルター54において繊維状粒子7と共に捕捉されるため、塵埃評価試験装置50の外部へ放出されることは抑制される。
【0036】
塵埃評価試験装置50は、また、湿度調節器60を装備することができる。湿度調節器60は、入口側通路52の送風機61の下流側に配置される。
図12は、湿度調節器60の斜視図である。湿度調節器60は、蒸発室60a内に貯水パン60bが配置されている。この貯水パン60bには、貯水タンク60cが接続されている。貯水パン60b上には、加湿エレメント60dが載置されている。加湿エレメント60dは、貯水パン60bに貯留された水を毛細管現象によって吸い上げ、空気中に水分を蒸発させる。これにより、湿度が上昇する。湿度が上した空気は、筐体51内へ送られる。このように湿度調節器60を用いることにより、繊維状粒子7や供試品5に直接水滴が触れることを回避しつつ、湿度の調整を行うことができる。
【0037】
塵埃評価試験装置50は、以上のように種々の機器を装備することができ、複合的な試験環境を再現することができる。塵埃試験をする際は、必要な機器を選択して入口側通路52に配置することができる。
【0038】
このような塵埃評価試験装置50によれば、繊維状粒子の影響を適切に評価することができる。
【0039】
以上本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
【符号の説明】
【0040】
1、50…塵埃評価試験装置
2…塵埃発生器
3…筐体
5…供試品
6a…網状部
6b…台座
7…繊維状粒子
8…埃
9…塵埃貯留部
15…ホルダー
55…回転台座
58…整流器
59…汚染度調節器
60…湿度調節器
61…送風機
【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維状物質を纏めて形成された母材を擦切って繊維状粒子を生成し得る塵埃発生器と、
当該塵埃発生器の下方に設けられた供試品載置部と、
を、備えたことを特徴とする塵埃評価試験装置。
【請求項2】
前記供試品載置部は、台座又は網状部であり、載置される供試品の下方に塵埃貯留部が設けられたことを特徴とした請求項1記載の塵埃評価試験装置。
【請求項3】
前記供試品載置部は、回転台座であることを特徴とする請求項1記載の塵埃評価試験装置。
【請求項4】
塵埃発生器は、前記母材を保持するとともに、少なくともX方向及びY方向に移動可能なホルダーを有することを特徴とした請求項1記載の塵埃評価試験装置。
【請求項5】
供試品に向かって送風する送風機を備えたことを特徴とした請求項1乃至4のいずれか一項記載の塵埃評価試験装置。
【請求項6】
前記送風機によって送られる風を整流する整流器を備えたことを特徴とした請求項5記載の塵埃評価試験装置。
【請求項7】
供試品周囲の空気を汚染させる空気汚染度調節器を備えたことを特徴とした請求項1乃至6のいずれか一項記載の塵埃評価試験装置。
【請求項8】
供試品周囲の湿度を調節する湿度調節器を備えたことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項記載の塵埃評価試験装置。
【請求項1】
繊維状物質を纏めて形成された母材を擦切って繊維状粒子を生成し得る塵埃発生器と、
当該塵埃発生器の下方に設けられた供試品載置部と、
を、備えたことを特徴とする塵埃評価試験装置。
【請求項2】
前記供試品載置部は、台座又は網状部であり、載置される供試品の下方に塵埃貯留部が設けられたことを特徴とした請求項1記載の塵埃評価試験装置。
【請求項3】
前記供試品載置部は、回転台座であることを特徴とする請求項1記載の塵埃評価試験装置。
【請求項4】
塵埃発生器は、前記母材を保持するとともに、少なくともX方向及びY方向に移動可能なホルダーを有することを特徴とした請求項1記載の塵埃評価試験装置。
【請求項5】
供試品に向かって送風する送風機を備えたことを特徴とした請求項1乃至4のいずれか一項記載の塵埃評価試験装置。
【請求項6】
前記送風機によって送られる風を整流する整流器を備えたことを特徴とした請求項5記載の塵埃評価試験装置。
【請求項7】
供試品周囲の空気を汚染させる空気汚染度調節器を備えたことを特徴とした請求項1乃至6のいずれか一項記載の塵埃評価試験装置。
【請求項8】
供試品周囲の湿度を調節する湿度調節器を備えたことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項記載の塵埃評価試験装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−160076(P2010−160076A)
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−2931(P2009−2931)
【出願日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
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