説明

塵埃除去装置

【課題】簡単かつ安価な構成で、ノズルを揺動できて、ワーク全体に対して、圧力流体を均一に噴出させることができるようにする。
【解決手段】ワークが搬送される搬送コンベア2と、該搬送コンベア2によって搬送されるワークに付着した塵埃を除去するための作業処理空間Sが内部に設けられた本体3と、本体3内に配置される、ワークに対して加圧された圧力流体を噴出する噴出口60を有するノズル6と、該ノズル6に圧力流体を供給する圧力流体供給手段9と、本体3に接続されて、ノズル6から噴出される圧力流体によって除去される塵埃を吸引する集塵機11とを備えた塵埃除去装置において、前記ノズル6を、弾性素材により湾曲して作製し、一端部を固定端6aとするとともに、他端部を自由端6bとし、該他端部6bに前記噴出口60を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子デバイスや樹脂成形品などに付着した塵埃を、加圧された圧力流体によって除去する塵埃除去装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種塵埃除去装置として、例えば、精密機器を組み立てる際に使用されるパレットに付着している塵埃を除去する塵埃除去装置であって、本体と、コンベアと、ノズルと、吸引装置とを備えているものが公知になっている(特許文献1参照)。
【0003】
本体は、その内部に、パレットに付着した塵埃を除去するための作業処理空間を備えている。また、本体は、パレットの搬送方向に配置される一対の壁面に、パレットの搬入口および搬出口を備えている。また、本体の下部に、除去されたパレットの塵埃を回収するための吸引ダクトが配置されている。
【0004】
コンベアは、本体に内設され、パレットを搬入口から搬出口へ搬送する。コンベアは、所定の間隔をおいて配置された複数のローラと、各ローラに張設された無端状の搬送ベルトと、ローラを駆動させるモータとを備えている。
【0005】
ノズルは、本体の上部に配置された角度調整機構によって、自在に角度調整することができる。そして、ノズルは、手動で所望の位置(パレットに付着した塵埃を除去できる位置)に固定され、コンベアで搬送されてきたパレットに対してエアーを上方から噴出して、パレットに付着した塵埃を除去する。
【0006】
吸引装置は、本体の下部に配置された吸引ダクトに接続されている。そして、吸引装置によって、吸引ダクトに溜まった塵埃が吸引される。
【0007】
また、他の従来の除塵装置として、例えば、スクリーンと、該スクリーンを循環移動させる駆動機構と、圧力流体噴射手段とを備えているものが公知になっている(特許文献2参照)。
【0008】
スクリーンは、水処理施設の取水口に設置され、格子状、網状、パンチングメタルなどの板材が無端状に連結されて構成されている。無端状のスクリーンを側面視した場合、該スクリーンは、両側に一対の円弧状部と、各円弧状部の両端部を結ぶ直線状部とで長楕円状に形成されている。そして、スクリーンは、水面に対して所定角度傾斜するように、スクリーンの下端部が水中に浸漬される。このスクリーンは、水面から上向きに回動することで、上流側から流れてくる木材やごみなどの塵芥類が捕捉される。
【0009】
圧力流体噴射手段は、圧力流体が噴射されるノズルと、該ノズルが揺動するように構成される揺動手段とを備えている。
【0010】
ノズルは、ノズル本体の軸方向に対して直交するように、基端部に回動軸が貫設されている。そして、ノズルは、スクリーンの直線状部に対して、ノズル本体の軸線が直交するように、スクリーンの上方に配置される。
【0011】
揺動手段は、大径の第1回転体と、小径の第2回転体と、リンク機構とを備えている。第1回転体の周縁部のある一点と、第2回転体の周縁部のある一点とが、直状のリンクによって連結され、第2回転体の回転によって、第1回転体が揺動し、これに連動して、ノズルの回動軸が所定角度の範囲に揺動するようになっている。
【0012】
この揺動手段によって、ノズルは、スクリーンの直状部に対して直交する位置を基準にして、所定角度の範囲で揺動することになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2009−233614号公報
【特許文献2】特開2005−188072号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
特許文献1の塵埃除去装置の場合は、ノズルの角度調整機構は備えているものの、その角度は手動によって調整されるもので、角度を自動で可変して調整するような構成にはなっていない。このため、ノズルからパレットに対して噴出される圧力流体の角度は常に一定であり、パレット全体に対して圧力流体を均一に噴出するのが困難であるという問題がある。
【0015】
特許文献2の除塵除去装置の場合は、機構的にノズルを揺動させているので、スクリーン全体に対して圧力流体を均一に噴出できるものの、揺動機構を構成する部品が必要になるため、その分、部品点数が多くなるとともに、組立工程が多くなり、その分、コスト高になるという問題がある。
【0016】
そこで、本発明は上記問題点に鑑み、簡単かつ安価な構成で、ノズルを揺動できて、ワーク全体に対して、圧力流体を均一に噴出させることができる塵埃除去装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記課題を解決するために、本発明に係る塵埃除去装置は、ワークを搬送する搬送コンベアと、該搬送コンベアによって搬送されるワークに付着した塵埃を除去するための作業処理空間が内部に設けられた本体と、本体内に配置され、ワークに対して加圧された圧力流体を噴出する噴出口を有するノズルと、該ノズルに前記圧力流体を供給する圧力流体供給手段と、本体に接続されて、ノズルの噴出口から噴出される圧力流体によって除去される塵埃を吸引する集塵機とを備えた塵埃除去装置において、前記ノズルは、弾性素材により湾曲して作製され、一端部が固定端とされるとともに、他端部が自由端とされ、該他端部に前記噴出口が形成されることを特徴とする。
【0018】
かかる構成によれば、ノズルは弾性素材により湾曲して作製されているので、ノズルに流体が供給されると、流体の圧力は、湾曲したノズルに対して、伸長するように作用する。これに対して、ノズルは、自己の弾性によって元の湾曲した状態に戻ろうとする。すなわち、ノズルの他端部(噴出口)が、一端部を支点にして、湾曲した位置と、やや伸張された位置とを、円弧状の軌跡を描いて往復移動(揺動)するようになる。したがって、ノズルの他端部が揺動する分、ワークの表面に対する、ノズルから噴出される流体の面積が大きくなる。その結果、ワークの表面に付着している塵埃が広範囲に除去される。
【0019】
また、本発明によれば、前記ノズルの噴出口は、ノズルの他端部が扁平または先細りされて形成されるような構成を採用することもできる。
【0020】
かかる構成によれば、ノズルの噴出口が扁平または先細りされることで、噴出口の面積が縮小される分、噴出口における流体の圧力が大きくなり、湾曲したノズルに対して、伸長するように作用する流体の圧力がより大きくなり、その分、ノズルの他端部(噴出口)が往復移動(揺動)する範囲も大きくなり、ワークの表面に付着している塵埃をより広範囲に除去できるようになる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、弾性素材により湾曲して作製したノズルの一端部を固定するとともに、他端部を自由端とし、該他端部に、流体を噴出する噴出口を形成するようにしたので、簡単かつ安価な構成で、ノズルを揺動できて、ワークの表面全体に対して、加圧された流体を均一に噴出させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施形態に係る塵埃除去装置を示す正面図。
【図2】図1の右側面図。
【図3】塵埃除去装置の本体部分を除去した正面図。
【図4】図3の平面図。
【図5】図1の平面図。
【図6】(a)は、ノズルが揺動する状態を示す図、(b)は、ノズルの拡大図。
【図7】図3の左側面図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の一実施形態に係る塵埃除去装置につき、図1〜図7を参照しつつ説明する。なお、図1、図4および図5の左側を搬送コンベアの前側とし、図1、図4および図5の右側を搬送コンベアの後側とし、図4および図5の上側を搬送コンベアの左側とし、図4および図5の下側を搬送コンベアの右側とする。また、本実施形態において、塵埃除去されるワークとしては、電子デバイスや樹脂成形品などを対象としている。
【0024】
本実施形態に係る塵埃除去装置1は、図1に示すように、搬送コンベア2と、本体3と、ノズル6と、ワークに対して所要の処理作業するための周辺機器とを備えている。
【0025】
搬送コンベア2は、図1および図2に示すように、移動部20Aと、搬送機構部20Bとを備えている。移動部20Aは、台車200によって構成されている。該台車200は、支持枠201と、4つの脚部202,…と、載置板203とを備えている。支持枠201は、前後左右の支持板201a〜201dによって、平面視矩形状の開口部が形成されるように組み立てられている。前後の支持板201a,201bは、ベルトの幅寸法よりもやや大きい長さを有している。左右の支持板201c,201dは、ワークを搬入〜搬出するまでの十分な長さを有している。脚部202,…は、それぞれその上端部にて、支持枠201の四つの角部に固着されている。また、脚部202,…の下端部に、キャスタ202a,…が回転自在に取り付けられている。載置板203は、平面視矩形状で、支持枠201の開口部に平行するように、脚部202,…の下部に取り付けられている。
【0026】
該搬送機構部20Bは、図3および図4に示すように、一対の巻装ローラ204a,204aと、ドライブユニット205と、無端帯状の搬送ベルト206とを備えている。巻装ローラ204a,204aは、支持枠201の左右の支持板201c,201dの両端部に回転自在に支持されている。ドライブユニット205は、支持枠201の搬入側の下側に配置され、搬送用モータ205aと、搬送用モータ205aの減速機構205bと、一対のテンションローラ204b,204bと、駆動用ローラ204cとを備えている。搬送用モータ205aは、回転軸(図示せず)にスプロケット205cが固着されている。テンションローラ204b,204bは、ドライブユニット205内において、所定の間隔をおいて平行するように配置されている。駆動用ローラ204cは、各テンションローラ204b,204bの間の下方に配置されている。そして、スプロケット205cと、駆動用ローラ204cとに駆動用チェーン205dが巻着されて、搬送ベルト206が回転駆動する。そして、搬送ベルト206は、巻装ローラ204a,204a、テンションローラ204b,204b、駆動用ローラ204cに巻装されている。
【0027】
また、搬送コンベア2は、図5に示すように、上流側(本体3の手前)に、本体3内に搬入されるワークを検知する搬入側センサ21a,21bが配置されている。また、下流側(本体3の後方)に、本体3外に搬出されるワークを検知する搬出側センサ22a,22bが配置されている。
【0028】
本体3は、図5に示すように、搬送コンベア2の搬送ベルト206のやや後寄りに設置されている。そして、本体3は、図1、図2および図5に示すように、前側板3aおよび後側板3bと、左側板3cおよび右側板3dと、天板3eとを備えている。前側板3aおよび後側板3bは、搬送コンベア2の搬送ベルト206を跨ぐように、かつ、搬送方向に直交するように配置されている。前側板3aは、搬送方向の上流側に配置され、後側板3bは、搬送方向の下流側に配置されている。左側板3cおよび右側板3dは、搬送コンベア2の搬送ベルト206の両側に配置されている。天板3eは、各側板3a〜3dによって形成される開口上面を密閉するように、各側板3a〜3dの上端部に固着されている。そして、図2に示すように、前側板3aの中央下部に矩形状のワークの搬入口30aが形成されるとともに、後側板3bの中央下部に矩形状のワークの搬出口30bが形成されている。そして、前側板3aおよび後側板3bと、左側板3cおよび右側板3dと、天板3eとによって、本体3内部に作業処理空間Sが内部に形成される。また、各側板3a〜3dはアルミ製で、各側板3a〜3dを覆うように、静電気と帯電とを抑制できるアクリル樹脂製のカバー31が装着されている。
【0029】
また、図1に示すように、本体3の前側板3aの略中央部に、静電除去装置4として、既製のイオナイザ(商品名)が取り付けられている。この静電除去装置4は、ワークの静電気を除去して、ワークの表面に付着した塵埃を除去しやすくする。また、静電除去装置4の電源4aが、統括制御盤8の裏側に配置されている。
【0030】
また、図1、図2および図5に示すように、本体3の内部に、屈曲自在、かつ、伸縮自在に形成されたエアーを供給するための供給ホース5が配設されている。この供給ホース5としては、既製のクーラントホース(商品名)が使用されている。そして、供給ホース5は、本体3の左側板3cおよび右側板3dの高さ方向に沿うように、供給ホース5の両側部が折り曲げられて配置され、天板3eの幅方向に沿うように、供給ホース5の中央部が直線状に配置されている。また、供給ホース5には、所定の間隔をおいてノズル6を接続するための継ぎ手50,…が配置されている。そして、各継ぎ手50にノズル6の一端部が固定され、供給ホース5の流路と、ノズル6の流路とが連通するようになっている。継ぎ手50に固定されたノズル6の一端部は固定端6aとされ、他端部は自由端6bとされている。
【0031】
ノズル6は、図6(a),(b)に示すように、弾性素材により湾曲して作製されている。例えば、弾性素材としては、ポリウレタンが使用され、直線状態の全長Lが125mm±5、外径が4〜6mm、内径(噴出口60の口径)が2〜4mmで、半径118〜162mmの円弧状部を有している。そして、ノズル6は、一端部から他端部まで、同一内径となっている。また、ノズル6の断面は、円形状になっている。
【0032】
そして、ノズル6は、上述した供給ホース5の継ぎ手50,…に接続され、本体3の左右の両側部と、本体3の上部とにそれぞれ配置されている。本体3の左右の両側部に配置された一対のノズル6,6は、互いが他端部側に向かうにしたがって間隔が小さくなるように配置されている。また、本体3の上部に配置された複数(本実施形態では3つ)のノズル6,…は、本体3の幅方向に沿うように、所定の間隔をおいて配置されている。いずれのノズル6,…も、噴出口60がワークの表面の近傍に位置するように配置されている。
【0033】
そして、本体3の左右の両側部に配置されているノズル6,6は、噴出口60,60がワークの高さ方向に対して揺動する。また、本体3の上部に配置された各ノズル6は、噴出口60がワークの上面に対して幅方向に揺動する。各ノズル6の揺動は、各ノズル6の他端部が自由端6bで、弾性素材により湾曲して作製されていることから生じる。すなわち、ノズル6にエアーが供給されると、エアーの圧力は、湾曲したノズル6に対して、伸長するように作用する。これに対して、ノズル6は、自己の弾性によって元の湾曲した状態に戻ろうとする。つまり、ノズル6の他端部(噴出口60)6bが、一端部6aを支点にして、図6(a)の実線に示す湾曲した位置と、図6(a)の鎖線に示すやや伸張された位置とを、円弧状の軌跡を描いて往復移動(揺動)するようになる。
【0034】
また、図6(a)に示すように、ノズル6の揺動範囲を角度で示すと、例えば、基準線(ノズル6が直線状態と仮想した場合の軸線)Lと、ノズルの他端部6bとのなす角度θは、18〜27度の範囲となり、距離Hで示すと、75〜110mmの範囲となる。このように、ノズル6の他端部6bが揺動することで、ワークの表面に対する、ノズル6から噴出される流体の接触面積が大きくなる。その結果、ワークの表面に付着している塵埃が広範囲に除去される。
【0035】
そして、コンプレッサ(図示せず)、供給ホース5、ノズル6、後述する圧力流体制御盤9、空気清浄機90は、図1〜図3に示すように、接続ホース7によって接続されている。
【0036】
周辺機器は、図7に示すように、統括制御盤8と、圧力流体供給手段としての圧力流体制御盤9と、搬送コンベア速度制御盤10と、集塵機11とを備えている。統括制御盤8は、搬送コンベア2の前側の脚部202,202の下部の右側寄りに取り付けられている。この統括制御盤8は、搬入側センサ21a,21b、搬出側センサ22a,22b、圧力流体制御盤9、ドライブユニット205、搬送コンベア速度制御盤10、および、集塵機11に対して電源を供給したり、搬入側センサ21a,21bおよび搬出側センサ22a,22bの検知信号に基づいて、加圧された圧力流体の供給・停止と、搬送コンベア2の搬送・停止とを制御したりする。
【0037】
圧力流体制御盤(圧力流体供給手段)9は、搬送コンベア2の前側の脚部202,202の上部において、各脚部202,202間に取り付けられている。そして、圧力流体制御盤9は、50msまたは70msでオン、オフする電磁弁91を有している(図1および図3参照)。また、圧力流体供給手段を構成する他の機器として、ノズル6に加圧された圧力流体を供給するコンプレッサ(図示せず)と、空気清浄機90とを備えている。コンプレッサは、台車200の側方に配置され、ノズル6,…に対して加圧されたエアーを供給する。空気清浄機90は、搬送コンベア2の後側下部に架設された取付板900に取り付けられている(図2参照)。空気清浄機90としては、既製のマイクロミストセパレータ(商品名)が使用される。この空気清浄機90は、コンプレッサから供給されるエアーを清浄化する。そして、圧力流体制御部は、パルス制御信号を間欠制御(電磁弁910を短い周期でオン、オフ)することによって、ノズル6に対して、コンプレッサからのエアーが間欠して供給される。
【0038】
また、統括制御盤8と圧力流体制御盤9との間に、搬送コンベア速度制御盤10が配置されている。該搬送コンベア速度制御盤10は、ドライブユニット205の搬送用モータ205aの回転速度を制御する制御部(図示せず)を有している。そして、該制御部によって、ワークに対する搬送速度が制御される。
【0039】
集塵機11は、本体3の下方に位置するように、搬送コンベア2の載置板203に載置されている。そして、本体3の底部(搬送ベルト206の左右の両外側部)に開口部110aが位置するように、集塵機11にダクト110が接続されている。ノズル6から噴出される流体によって除去される塵埃を捕集する。集塵機11の排気は、搬送方向に対して直交する方向に排出される。
【0040】
つぎに使用態様について説明する。搬送ベルト206の上流側からワークが搬送されると、搬入側センサ21a,21bが、搬送されるワークを検知する。この搬入側センサ21a,21bの検知信号に基づいて、静電除去装置4としてのイオナイザが作動する。一方、各ノズル6,…に対して、50msまたは70msのパルス制御信号を間欠制御することによって、エアーが間欠的に供給されるようになる。このエアーの供給によって、本体3の両側部に配置されているノズル6,6は、噴出口60,60が上下方向に揺動する一方、本体3の上部に配置されたノズル6,…の噴出口60,…は、左右方向に揺動する。そして、ノズル6,…から供給される流体は、静電除去装置4のイオンと、ノズル6からのエアーとが合成され、イオンエアーとなっている。このイオンエアーによって、ワークの表面の静電気が除去されつつ、ワークの表面に付着している塵埃が除去されるようになる。
【0041】
そして、各ノズル6が揺動した状態で、ワークが本体3の搬入口30aから搬入されると、本体3の両側部に配置されている各ノズル6の噴出口60がワークの両側面に対して高さ方向に揺動することにより、ワークの両側面に対して高さ方向にエアーが噴出されて、ワークの両側面に付着している塵埃が除去される。一方、本体3の上部に配置された各ノズル6の噴出口60がワークの上面に対して幅方向に揺動することにより、ワークの上面に対して幅方向にエアーが噴出されて、ワークの上面に付着している塵埃が除去される。すなわち、ワークの表面に付着している塵埃が広範囲に除去される。
【0042】
そして、各ノズル6から噴出されるエアーによって除去された塵埃は、集塵機11によって捕集される。
【0043】
そして、塵埃が除去されたワークが本体3の搬出口3aから搬出されて、搬出側センサ22a,22bによって検知されると、該検知信号に基づいて、圧力流体制御盤9からのエアーが停止されるとともに、搬送コンベア2のモータも停止される。
【0044】
このように、本実施形態によれば、弾性素材により湾曲して作製したノズル6の一端部を固定端6aとするとともに、他端部を自由端6bとし、該他端部6bに、流体を噴出する噴出口60を形成するようにしたので、簡単かつ安価な構成で、ノズル6を揺動できて、ワークの表面全体に対して、加圧された流体を均一に噴出させることができる。
【0045】
なお、前記実施形態の場合、ノズル6の他端部に形成された噴出口60は、円形であるとしたが、扁平された楕円形状(例えば、1mm程度の噴出口)であってもよく、先細りされた円錐形状であってもよい。この場合、ノズル6の他端部6bにかかる圧力が、より一層大きくなり、一端部が支点となって、ノズル6の他端部6bが揺動し、広範囲に塵埃を除去できるようになる。
【0046】
また、前記実施形態の場合、本体3の両側部に、互いの他端部6bが内側に向くように、一対のノズル6,6を配置するとともに、本体3の上部に、本体3の幅方向に複数のノズル6,…を配置するようにしたが、本体3の左側板3cおよび右側板3dに、搬送方向に沿うように複数のノズル6,…を直線状に配置してもよく、本体3の左側板3c、右側板3d、天板3eに沿うように複数のノズル6,…を円形状に配置してもよい。要は、種々の形状のワークの表面に対応して、圧力流体が略均一に供給できるように、ノズル6が配置されてあればよい。
【符号の説明】
【0047】
1…塵埃除去装置、2…搬送コンベア、3…本体、6…ノズル、60…ノズルの噴出口、6a…固定端、6b…自由端、9…圧力流体制御盤(圧力流体供給手段)、11…集塵機、S…作業処理空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークを搬送する搬送コンベアと、該搬送コンベアによって搬送されるワークに付着した塵埃を除去するための作業処理空間が内部に設けられた本体と、本体内に配置され、ワークに対して加圧された圧力流体を噴出する噴出口を有するノズルと、該ノズルに前記圧力流体を供給する圧力流体供給手段と、本体に接続されて、ノズルの噴出口から噴出される圧力流体によって除去される塵埃を捕集する集塵機とを備えた塵埃除去装置において、
前記ノズルは、弾性素材により湾曲して作製され、一端部が固定端とされるとともに、他端部が自由端とされ、該他端部に噴出口が形成されることを特徴とする塵埃除去装置。
【請求項2】
前記ノズルの噴出口は、ノズルの他端部が、扁平または先細りされて形成されることを特徴とする請求項1に記載の塵埃除去装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−49004(P2013−49004A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−187551(P2011−187551)
【出願日】平成23年8月30日(2011.8.30)
【出願人】(505374657)薮内産業株式会社 (1)
【Fターム(参考)】