境界構造物の線形部材用連結機構
【課題】ガードレール、塀または欄干を構成する各種のパイプを所望の形態に便利に組み立てることができるようにする線形部材用連結機構を提供すること。
【解決手段】円盤状または環状の中心体と、一端は前記中心体に連結されて前記中心体の半径方向に延び、他端はパイプP、ワイヤまたは棒のような線形部材に連結されるソケット部材6と、前記ソケット部材6を、その一端が前記中心体に連結された状態で前記中心体の外周面に沿って可動させるために前記中心体と前記ソケット部材6との連結部位に設置されるレール手段とを含む。
【解決手段】円盤状または環状の中心体と、一端は前記中心体に連結されて前記中心体の半径方向に延び、他端はパイプP、ワイヤまたは棒のような線形部材に連結されるソケット部材6と、前記ソケット部材6を、その一端が前記中心体に連結された状態で前記中心体の外周面に沿って可動させるために前記中心体と前記ソケット部材6との連結部位に設置されるレール手段とを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は連結機構に関し、より詳しくはガードレール、塀、または欄干を構成する各種のパイプを所望の形態に便利に組み立てることができるようにする境界構造物の線形部材用連結機構に関する。
【背景技術】
【0002】
建物の階段に設置される欄干、車道と人道を区分するためのガードレール、土地の境界を区分するための塀などに用いられる境界構造物は、大抵の場合次のような構成を持つ。つまり、所定の間隔を置いて地面に立設される柱と、柱と柱との間を連結する遮断手段とを備えてなる。特に、屋外で多く使用される遮蔽手段としては棒やパイプなどの線形部材を用いた連子が挙げられる。
【0003】
近頃、地方自治体は街の美観向上のために、或いは自治区の特性を強調するために様々なデザインで上記のような構造物を飾っている。このように'境界'という硬いイメージを脱皮してより多様なデザインを加味すべく絶えず努力を重ねている。しかし、現代の産業デザインは純粋な美感だけではなく機能性または実用性が充分に考慮されなければならない。
【0004】
従来のガードレールは通常アンカーボルトを用いて床に固定される直立パイプ、この直立パイプの間に横に連結される横パイプ、及びこのような両パイプによって設けられる空間に設置される細いパイプで構成される。ガードレールを構成する各パイプは溶接などによって互いに連結されたが、この場合各設置場所の特性に合わせてパイプの長さ及び角度を測定して切断した後、いちいち溶接を行わなければならなかったので、設置作業に多くの手間がかかるだけでなく、多様な形状にガードレールを設置することにも限界があった。本発明者はこれらの問題に対する解決策として韓国公開特許公報第2004−79751号のガードレール用のパイプ用ねじ部を提案したことがある。
【0005】
前記公開特許の内容が適用されたガードレール100の正面図が図1に示されている。連結機構1を中心に放射状にパイプPが連結されている。パイプの一端は連結機構1に連結され、パイプの他端は柱などのフレームに連結されている。本発明はこの連結機構1に対する改善事項に関する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】韓国公開特許公報第2004−79751号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は前述のような問題に解消するために案出されたもので、その目的は欄干、塀またはガードレールのような境界構造物を構成する各線形部材の連結及び設置を容易かつ自在にする線形部材用連結機構を提供することにある。また、設置が便利であり、肉厚が薄いのみならず、構造が簡易な線形部材用連結機構を提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は、円盤状または環状の中心体と、一端は前記中心体に連結されて前記中心体の半径方向に延び、他端はパイプP、ワイヤまたは棒のような線形部材に連結されるソケット部材6と、前記ソケット部材6を、その一端が前記中心体に連結された状態で前記中心体の外周面に沿って可動させるために前記中心体と前記ソケット部材6との連結部位に設置されるレール手段とを含むことを特徴とする。
【0009】
本発明の一実施態様によれば、前記中心体を円筒部材であり、前記レール手段は前記円筒部材の外周面に円周方向に沿ってL字状に凹んでいるガイド溝と、前記ガイド溝に凹凸結合して前記ソケット部材が前記円筒部材の半径方向に抜けないように前記ソケットの一端に設けられる係合鉤とを含む。ここで、ガイド溝4を視覚的に遮蔽できるように周縁部の折り曲げられた板状の蓋部材が互いに重なるように前記円筒部材の両面に更にねじ結合方式もしくは溝と突部による凹凸結合方式で取り付けられる。
【発明の効果】
【0010】
前記のような構成を有する本発明によれば、パイプまたは棒のような線形部材を組み立てて設置される欄干、塀またはガードレールなどの境界構造物を実際に多様でかつ容易に設置し得るようになる。また、従来のものに比べて構成が簡素化することによってコストが節減されるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の線形部材用連結機構が適用されるガードレールの正面図である。
【図2】本発明の一実施例による線形部材用連結機構の斜視図である。
【図3】同分解斜視図である。
【図4】図2のA−A線による断面図である。
【図5】同正面図である。
【図6】本発明の他の実施例によるものであって、図4に対応する線形部材用連結機構の断面図である。
【図7】本発明の他の実施例による線形部材用連結機構の断面図である。
【図8】本発明の他の実施例による線形部材用連結機構の断面図である。
【図9】本発明の他の実施例による線形部材用連結機構の正面図である。
【図10】本発明のまた他の実施例による連結機構の断面図である。
【図11】本発明のまた別の実施例による連結機構の断面図である。
【図12】同部分分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、明細書に添付された図面を参照して本発明の具体的な内容をより詳細に説明する。
【0013】
図1は本発明の線形部材用連結機構が適用されるガードレールの正面図である。図2は本発明の一実施例による線形部材用連結機構の斜視図であり、図3は同分解斜視図である。図4は図2のA−A線による断面図であり、図5は同正面図である。図6は本発明の他の実施例によるものであり、図4に対応する線形部材用連結機構の断面図である。図7及び図8は、本発明のまた他の実施例による線形部材用連結機構の断面図である。図9は本発明の別の実施例による線形部材用連結機構の正面図である。本発明の連結機構は図1示された連結機構1のように使われる。
【0014】
円盤状または環状の中心体を中心として多数の線形部材が放射状に連結される。中心体と線形部材との間にはソケット部材が介挿される。ソケット部材の一端は中心体に連結されて前記中心体の半径方向に延び、他端はパイプ、ワイヤ或いは棒のような線形部材に連結される。レール手段は、ソケット部材をその一端が前記中心体に連結された状態で中心体の外周面に沿って円運動しながら可動させるために中心体とソケットとの連結部品に設置される。レール手段を設置する方式は実に多様である。本発明の実施例は中心体の構成及びレール手段の変形例を示すものである。
【0015】
まず、本発明による一実施例を図2〜図5を主に参照して説明する。
【0016】
本実施例では円筒部材2が中心体として使われる。レール手段としては断面L字状のガイド溝4と、それに凹凸結合する係合鉤10とが使われる。
【0017】
円筒部材2は所定の幅を有する円盤状または環状であり、外周面には円周方向に沿ってガイド溝4が設けられる。円筒部材2は単品であってもよく、2つ以上の部品を組み立てたものであってもよい。図2に示されたように、円筒部材2は1〜4cmの厚さを有する円筒状または環(ring)状であり、断面L字状のガイド溝4が厚さの中心線を基準として対称的に凹んでいる。
【0018】
ソケット部材6の一側にはフランジ8が取り付けられており、このフランジ8にはガイド溝4に沿って可動できるように係合鉤10が突設されている。係合鉤10はガイド溝4に対応する断面形状を有するものであって、L字状に対称形成される。係合鉤10がガイド溝4に嵌合されると、ソケット部材6は円筒部材2の円周面に沿って回転し得るだけで、円筒部材2の半径方向へは可動できなくなる。円筒部材2との接触面を形成するソケット部材6のフランジ8は円筒部材2の曲率に合わせて円弧状に湾曲されている。
【0019】
本実施例によれば、円筒部材2の円周方向に沿って特定地点には係合鉤10を挟みこむことができる嵌挿孔12が設けられている。この嵌挿孔12は係合鉤10を必要部品数だけ嵌め込んだ後、閉鎖することが望ましい。嵌挿孔12を閉鎖せずにそのまま放置しても構わないが、この場合ソケット部材6または線形部材は嵌挿孔12を退避して設置しなければならない。
【0020】
線形部材はソケット部材6の他側に連結される。このためにソケット部材6の他側にはねじ部13が設けられる。線形部材は前述したように棒、ワイヤまたはパイプなどである。同図において、線形部材はパイプPで示されており、以下では線形部材をパイプPと称することにする。
【0021】
ソケット部材6及びパイプPは、通常の配管継ぎ目と同様にねじ結合方式によって締結されている。このためにソケット部材6の他側にはねじ部13としての雄ねじが、パイプPの内周面には雌ねじがそれぞれ加工されている。ねじ結合方式のほかに、リベット、溶接などのエレメント締結手段が採用され得ることは勿論である。
【0022】
一つの円筒部材2には多数のソケット部材6が嵌め込まれることができ、複数個が嵌め込まれる場合、ソケット部材6の形態がいずれも同一である必要はない。図9に示されているように、何れか一つのソケット部材6'は境界構造物の支柱Cに直接連結されることもできるからである。この場合、当該ソケット部材の他側にはブラケット11が設置されても良い。
【0023】
円筒部材2の左右両側には蓋部材14、15が結合され得る。同図に示しているように、蓋部材14、15はフック方式により円筒部材2に係合されている。より詳細には、蓋部材14、15の周縁折曲部14a、15aがソケット部材6のフランジ8の上面を覆うように係合することで、ガイド溝4が外部から見えないようにしている。ソケット部材のフランジ8上には凹溝16が設けられ、蓋部材14、15の周縁部の底面には前記凹溝16に凹凸結合する突起20が形成されている。
【0024】
ソケット部材6を介して円筒部材2に結合する蓋部材14、15の離脱を防止するために、蓋部材14、15の同士をセンターボルト22とセンターナット24によって結合させる。センターボルト22とセンターナット24は蓋部材14、15と一体に射出できる。蓋部材14、15はボルト結合ではなく、フックによって凹凸結合しても良い。
【0025】
本発明の他の実施例によれば、図6に示されているように、蓋部材14、15はねじ方式によってソケット部材6に結合され得る。このために、ソケット部材のフランジ8の上面には雄ねじが加工されており、蓋部材14、15の折曲周縁部の内周面には雌ねじが加工されている。本実施例によれば、前述の一実施例でのセンターボルト22;図4参照などは不要になる。
【0026】
次に、本発明の他の実施例による線形部材用連結機構を説明する。図7及び図8は本発明の他の実施例による断面図である。本実施例において、中心体は、円筒部材2及び円筒部材2の両面に結合されるものであって、周縁部が折り曲げられた蓋部材14、15である。
【0027】
レール手段は、前記円筒部材2の外周面と前記蓋部材の折曲部14a、15aとの組み合わせによって形成される断面L字状のガイド溝4と、前記ガイド溝4に凹凸結合して前記円筒部材2の半径方向に抜けないように前記ソケット部材6の一端に設けられる係合鉤10とからなる。
【0028】
本実施例によれば、蓋部材14、15とソケット部材6との結合によって断面L字状のガイド溝4が設けられている。すなわち、前述の実施例とは異なり、蓋部材14、15は本実施例において必須構成要素となる。
【0029】
図7によれば、蓋部材14、15はセンターボルト22とセンターナット24によってねじ方式で互いに重ねられるように結合される。図7に示されているように、蓋部材14、15とソケット部材6とが互いにねじ結合されている。この場合、蓋部材14、15の間を連結するための手段は不要になる。
【0030】
図8によれば、蓋部材14、15とソケット部材6は、突起20と凹溝16による凹凸結合をなし、蓋部材14、15はセンターボルト22とセンターナット24によって結合される。
【0031】
図10は本発明のまた他の実施例による連結機構の断面図である。本実施例によれば、蓋部材14、15と円筒部材2がねじ結合されている。ガイド溝4は蓋部材14、15の結合によって完成されることにより、ソケット部材6が円筒部材2の半径方向に離脱できないようにしている。本実施例でも同様に中心体は円筒部材2および蓋部材14、15となり、レール手段は円筒部材2と蓋部材14、15との組み合わせによって設けられるガイド溝4などである。
【0032】
以上、すべての実施例で円筒部材2は円形に図示及び説明されたが、必ずこの形状に限定されることなく、楕円形や面取りした多角形の形状でも良い。
【0033】
図11は、本発明のまた別の実施例による連結機構の断面図であり、図12は同一部分解斜視図である。以下の実施例は円筒部材2;図2〜図10参照がない形態である。本実施例において、中心体は蓋部材14、15だけである。また、レール手段は蓋部材14、15の周縁折曲部14a、15aとソケット部材6の両側に設けられたガイド溝4である。蓋部材14、15はセンターボルト22とセンターナット24によって互いに結合された状態を保持する。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明の線形部材用連結機構は、円筒部材2に二つのソケット部材6を設置した後、円筒部材2には大梁の機能を果たすための太いパイプを挟持し、ソケット部材6には垂木の機能を果たすための細いパイプを挟持し、細いパイプが円筒部材2を頂点にして三角形になるようにすることによって、ビニルハウスまたは温室など仮建物の骨組を築造する用途にも用いられることができる。
【符号の説明】
【0035】
1 連結機構
2 円筒部材
4 ガイド溝
6、6' ソケット部材
8 フランジ
10 係合鉤
12 嵌挿孔
14 蓋部材
16 凹溝
20 突起
22 センターボルト
24 センターナット
P パイプ線形部材
C 支柱
【技術分野】
【0001】
本発明は連結機構に関し、より詳しくはガードレール、塀、または欄干を構成する各種のパイプを所望の形態に便利に組み立てることができるようにする境界構造物の線形部材用連結機構に関する。
【背景技術】
【0002】
建物の階段に設置される欄干、車道と人道を区分するためのガードレール、土地の境界を区分するための塀などに用いられる境界構造物は、大抵の場合次のような構成を持つ。つまり、所定の間隔を置いて地面に立設される柱と、柱と柱との間を連結する遮断手段とを備えてなる。特に、屋外で多く使用される遮蔽手段としては棒やパイプなどの線形部材を用いた連子が挙げられる。
【0003】
近頃、地方自治体は街の美観向上のために、或いは自治区の特性を強調するために様々なデザインで上記のような構造物を飾っている。このように'境界'という硬いイメージを脱皮してより多様なデザインを加味すべく絶えず努力を重ねている。しかし、現代の産業デザインは純粋な美感だけではなく機能性または実用性が充分に考慮されなければならない。
【0004】
従来のガードレールは通常アンカーボルトを用いて床に固定される直立パイプ、この直立パイプの間に横に連結される横パイプ、及びこのような両パイプによって設けられる空間に設置される細いパイプで構成される。ガードレールを構成する各パイプは溶接などによって互いに連結されたが、この場合各設置場所の特性に合わせてパイプの長さ及び角度を測定して切断した後、いちいち溶接を行わなければならなかったので、設置作業に多くの手間がかかるだけでなく、多様な形状にガードレールを設置することにも限界があった。本発明者はこれらの問題に対する解決策として韓国公開特許公報第2004−79751号のガードレール用のパイプ用ねじ部を提案したことがある。
【0005】
前記公開特許の内容が適用されたガードレール100の正面図が図1に示されている。連結機構1を中心に放射状にパイプPが連結されている。パイプの一端は連結機構1に連結され、パイプの他端は柱などのフレームに連結されている。本発明はこの連結機構1に対する改善事項に関する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】韓国公開特許公報第2004−79751号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は前述のような問題に解消するために案出されたもので、その目的は欄干、塀またはガードレールのような境界構造物を構成する各線形部材の連結及び設置を容易かつ自在にする線形部材用連結機構を提供することにある。また、設置が便利であり、肉厚が薄いのみならず、構造が簡易な線形部材用連結機構を提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は、円盤状または環状の中心体と、一端は前記中心体に連結されて前記中心体の半径方向に延び、他端はパイプP、ワイヤまたは棒のような線形部材に連結されるソケット部材6と、前記ソケット部材6を、その一端が前記中心体に連結された状態で前記中心体の外周面に沿って可動させるために前記中心体と前記ソケット部材6との連結部位に設置されるレール手段とを含むことを特徴とする。
【0009】
本発明の一実施態様によれば、前記中心体を円筒部材であり、前記レール手段は前記円筒部材の外周面に円周方向に沿ってL字状に凹んでいるガイド溝と、前記ガイド溝に凹凸結合して前記ソケット部材が前記円筒部材の半径方向に抜けないように前記ソケットの一端に設けられる係合鉤とを含む。ここで、ガイド溝4を視覚的に遮蔽できるように周縁部の折り曲げられた板状の蓋部材が互いに重なるように前記円筒部材の両面に更にねじ結合方式もしくは溝と突部による凹凸結合方式で取り付けられる。
【発明の効果】
【0010】
前記のような構成を有する本発明によれば、パイプまたは棒のような線形部材を組み立てて設置される欄干、塀またはガードレールなどの境界構造物を実際に多様でかつ容易に設置し得るようになる。また、従来のものに比べて構成が簡素化することによってコストが節減されるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の線形部材用連結機構が適用されるガードレールの正面図である。
【図2】本発明の一実施例による線形部材用連結機構の斜視図である。
【図3】同分解斜視図である。
【図4】図2のA−A線による断面図である。
【図5】同正面図である。
【図6】本発明の他の実施例によるものであって、図4に対応する線形部材用連結機構の断面図である。
【図7】本発明の他の実施例による線形部材用連結機構の断面図である。
【図8】本発明の他の実施例による線形部材用連結機構の断面図である。
【図9】本発明の他の実施例による線形部材用連結機構の正面図である。
【図10】本発明のまた他の実施例による連結機構の断面図である。
【図11】本発明のまた別の実施例による連結機構の断面図である。
【図12】同部分分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、明細書に添付された図面を参照して本発明の具体的な内容をより詳細に説明する。
【0013】
図1は本発明の線形部材用連結機構が適用されるガードレールの正面図である。図2は本発明の一実施例による線形部材用連結機構の斜視図であり、図3は同分解斜視図である。図4は図2のA−A線による断面図であり、図5は同正面図である。図6は本発明の他の実施例によるものであり、図4に対応する線形部材用連結機構の断面図である。図7及び図8は、本発明のまた他の実施例による線形部材用連結機構の断面図である。図9は本発明の別の実施例による線形部材用連結機構の正面図である。本発明の連結機構は図1示された連結機構1のように使われる。
【0014】
円盤状または環状の中心体を中心として多数の線形部材が放射状に連結される。中心体と線形部材との間にはソケット部材が介挿される。ソケット部材の一端は中心体に連結されて前記中心体の半径方向に延び、他端はパイプ、ワイヤ或いは棒のような線形部材に連結される。レール手段は、ソケット部材をその一端が前記中心体に連結された状態で中心体の外周面に沿って円運動しながら可動させるために中心体とソケットとの連結部品に設置される。レール手段を設置する方式は実に多様である。本発明の実施例は中心体の構成及びレール手段の変形例を示すものである。
【0015】
まず、本発明による一実施例を図2〜図5を主に参照して説明する。
【0016】
本実施例では円筒部材2が中心体として使われる。レール手段としては断面L字状のガイド溝4と、それに凹凸結合する係合鉤10とが使われる。
【0017】
円筒部材2は所定の幅を有する円盤状または環状であり、外周面には円周方向に沿ってガイド溝4が設けられる。円筒部材2は単品であってもよく、2つ以上の部品を組み立てたものであってもよい。図2に示されたように、円筒部材2は1〜4cmの厚さを有する円筒状または環(ring)状であり、断面L字状のガイド溝4が厚さの中心線を基準として対称的に凹んでいる。
【0018】
ソケット部材6の一側にはフランジ8が取り付けられており、このフランジ8にはガイド溝4に沿って可動できるように係合鉤10が突設されている。係合鉤10はガイド溝4に対応する断面形状を有するものであって、L字状に対称形成される。係合鉤10がガイド溝4に嵌合されると、ソケット部材6は円筒部材2の円周面に沿って回転し得るだけで、円筒部材2の半径方向へは可動できなくなる。円筒部材2との接触面を形成するソケット部材6のフランジ8は円筒部材2の曲率に合わせて円弧状に湾曲されている。
【0019】
本実施例によれば、円筒部材2の円周方向に沿って特定地点には係合鉤10を挟みこむことができる嵌挿孔12が設けられている。この嵌挿孔12は係合鉤10を必要部品数だけ嵌め込んだ後、閉鎖することが望ましい。嵌挿孔12を閉鎖せずにそのまま放置しても構わないが、この場合ソケット部材6または線形部材は嵌挿孔12を退避して設置しなければならない。
【0020】
線形部材はソケット部材6の他側に連結される。このためにソケット部材6の他側にはねじ部13が設けられる。線形部材は前述したように棒、ワイヤまたはパイプなどである。同図において、線形部材はパイプPで示されており、以下では線形部材をパイプPと称することにする。
【0021】
ソケット部材6及びパイプPは、通常の配管継ぎ目と同様にねじ結合方式によって締結されている。このためにソケット部材6の他側にはねじ部13としての雄ねじが、パイプPの内周面には雌ねじがそれぞれ加工されている。ねじ結合方式のほかに、リベット、溶接などのエレメント締結手段が採用され得ることは勿論である。
【0022】
一つの円筒部材2には多数のソケット部材6が嵌め込まれることができ、複数個が嵌め込まれる場合、ソケット部材6の形態がいずれも同一である必要はない。図9に示されているように、何れか一つのソケット部材6'は境界構造物の支柱Cに直接連結されることもできるからである。この場合、当該ソケット部材の他側にはブラケット11が設置されても良い。
【0023】
円筒部材2の左右両側には蓋部材14、15が結合され得る。同図に示しているように、蓋部材14、15はフック方式により円筒部材2に係合されている。より詳細には、蓋部材14、15の周縁折曲部14a、15aがソケット部材6のフランジ8の上面を覆うように係合することで、ガイド溝4が外部から見えないようにしている。ソケット部材のフランジ8上には凹溝16が設けられ、蓋部材14、15の周縁部の底面には前記凹溝16に凹凸結合する突起20が形成されている。
【0024】
ソケット部材6を介して円筒部材2に結合する蓋部材14、15の離脱を防止するために、蓋部材14、15の同士をセンターボルト22とセンターナット24によって結合させる。センターボルト22とセンターナット24は蓋部材14、15と一体に射出できる。蓋部材14、15はボルト結合ではなく、フックによって凹凸結合しても良い。
【0025】
本発明の他の実施例によれば、図6に示されているように、蓋部材14、15はねじ方式によってソケット部材6に結合され得る。このために、ソケット部材のフランジ8の上面には雄ねじが加工されており、蓋部材14、15の折曲周縁部の内周面には雌ねじが加工されている。本実施例によれば、前述の一実施例でのセンターボルト22;図4参照などは不要になる。
【0026】
次に、本発明の他の実施例による線形部材用連結機構を説明する。図7及び図8は本発明の他の実施例による断面図である。本実施例において、中心体は、円筒部材2及び円筒部材2の両面に結合されるものであって、周縁部が折り曲げられた蓋部材14、15である。
【0027】
レール手段は、前記円筒部材2の外周面と前記蓋部材の折曲部14a、15aとの組み合わせによって形成される断面L字状のガイド溝4と、前記ガイド溝4に凹凸結合して前記円筒部材2の半径方向に抜けないように前記ソケット部材6の一端に設けられる係合鉤10とからなる。
【0028】
本実施例によれば、蓋部材14、15とソケット部材6との結合によって断面L字状のガイド溝4が設けられている。すなわち、前述の実施例とは異なり、蓋部材14、15は本実施例において必須構成要素となる。
【0029】
図7によれば、蓋部材14、15はセンターボルト22とセンターナット24によってねじ方式で互いに重ねられるように結合される。図7に示されているように、蓋部材14、15とソケット部材6とが互いにねじ結合されている。この場合、蓋部材14、15の間を連結するための手段は不要になる。
【0030】
図8によれば、蓋部材14、15とソケット部材6は、突起20と凹溝16による凹凸結合をなし、蓋部材14、15はセンターボルト22とセンターナット24によって結合される。
【0031】
図10は本発明のまた他の実施例による連結機構の断面図である。本実施例によれば、蓋部材14、15と円筒部材2がねじ結合されている。ガイド溝4は蓋部材14、15の結合によって完成されることにより、ソケット部材6が円筒部材2の半径方向に離脱できないようにしている。本実施例でも同様に中心体は円筒部材2および蓋部材14、15となり、レール手段は円筒部材2と蓋部材14、15との組み合わせによって設けられるガイド溝4などである。
【0032】
以上、すべての実施例で円筒部材2は円形に図示及び説明されたが、必ずこの形状に限定されることなく、楕円形や面取りした多角形の形状でも良い。
【0033】
図11は、本発明のまた別の実施例による連結機構の断面図であり、図12は同一部分解斜視図である。以下の実施例は円筒部材2;図2〜図10参照がない形態である。本実施例において、中心体は蓋部材14、15だけである。また、レール手段は蓋部材14、15の周縁折曲部14a、15aとソケット部材6の両側に設けられたガイド溝4である。蓋部材14、15はセンターボルト22とセンターナット24によって互いに結合された状態を保持する。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明の線形部材用連結機構は、円筒部材2に二つのソケット部材6を設置した後、円筒部材2には大梁の機能を果たすための太いパイプを挟持し、ソケット部材6には垂木の機能を果たすための細いパイプを挟持し、細いパイプが円筒部材2を頂点にして三角形になるようにすることによって、ビニルハウスまたは温室など仮建物の骨組を築造する用途にも用いられることができる。
【符号の説明】
【0035】
1 連結機構
2 円筒部材
4 ガイド溝
6、6' ソケット部材
8 フランジ
10 係合鉤
12 嵌挿孔
14 蓋部材
16 凹溝
20 突起
22 センターボルト
24 センターナット
P パイプ線形部材
C 支柱
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の幅を有する環状体であって、外周面に嵌挿孔を有する断面L字状に凹んでいるガイド溝が周縁部に沿って形成された円筒部材と、
一端部に前記円筒部材の前記嵌挿孔を通じて前記ガイド溝と凹凸結合されて前記ガイド溝に沿って可動する係合鉤を有するフランジが一体に結合され、他端部には線形部材が連結されるソケット部材とを含む境界構造物の線形部材用連結機構において、
前記円筒部材の前記ガイド溝を視覚的に遮蔽する折曲部が周縁部に折曲形成された円板状の一対の蓋部材が前記円筒部材の両面に重なるように結合されながら前記蓋部材の前記折曲部によって前記円筒部材の前記ガイド溝の全体及び前記ソケット部材の前記フランジが部分的に遮蔽され、前記蓋部材の内側面には相互対応して結合または分離されるセンターボルトとセンターナットとが形成され、前記円筒部材及び前記ソケット部材に前記蓋部材が一体に結合または分離可能に構成されていることを特徴とする境界構造物の線形部材用連結機構。
【請求項1】
所定の幅を有する環状体であって、外周面に嵌挿孔を有する断面L字状に凹んでいるガイド溝が周縁部に沿って形成された円筒部材と、
一端部に前記円筒部材の前記嵌挿孔を通じて前記ガイド溝と凹凸結合されて前記ガイド溝に沿って可動する係合鉤を有するフランジが一体に結合され、他端部には線形部材が連結されるソケット部材とを含む境界構造物の線形部材用連結機構において、
前記円筒部材の前記ガイド溝を視覚的に遮蔽する折曲部が周縁部に折曲形成された円板状の一対の蓋部材が前記円筒部材の両面に重なるように結合されながら前記蓋部材の前記折曲部によって前記円筒部材の前記ガイド溝の全体及び前記ソケット部材の前記フランジが部分的に遮蔽され、前記蓋部材の内側面には相互対応して結合または分離されるセンターボルトとセンターナットとが形成され、前記円筒部材及び前記ソケット部材に前記蓋部材が一体に結合または分離可能に構成されていることを特徴とする境界構造物の線形部材用連結機構。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−65524(P2010−65524A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−200889(P2009−200889)
【出願日】平成21年8月31日(2009.8.31)
【出願人】(509244938)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月31日(2009.8.31)
【出願人】(509244938)
【Fターム(参考)】
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