説明

増強されたコントラストの青色カラーフィルター

本発明は、α銅フタロシアニン又はε銅フタロシアニンを含むカラーフィルターのコントラストを増強させる方法であって、可視スペクトルにおけるその最も深色性溶液の吸収ピークが(通常の1,4−ジアミノ−アントラキノン染料又はその1,9−縮環誘導体がおよそ630nmであるのと比較して)575〜615nm、好ましくは585〜605nmである1,4−ジアミノ−アントラキノン染料又はその1,9−縮環誘導体を、α銅フタロシアニン又はε銅フタロシアニンと組み合わせて使用する方法に関する。また、請求されているものは、そのような1,4−ジアミノ−アントラキノン染料又はその1,9−縮環誘導体、並びに式(II)〔式中、R16は、ハロゲン、フェニル、ベンジル又はC〜Cアルキルであり、そしてR17は、Hであるか、R16は、Hであり、そしてR17は、C〜Cアルキルであるか、或いはR16とR17は、両方ともHであり;R18は、H、ハロゲン、C〜Cアルキル又はSONR1314であり;R19、R20及びR21は、それぞれ他から独立して、ハロゲン又はC〜Cアルキルであり;R22は、R18から独立して、SONR1314であるが、但し、R18及びR22のうちの少なくとも1つは、SONR1314であり、式(II)の2つのラジカルは、場合により、直接結合を介して、又は式(II)の両方のラジカルのそれぞれの置換基R16、R17、R18、R19、R20、R21及びR11をそれぞれ一緒に連結している基−O−、−S−、−NR14−、−CO−、−CO−、−CONR14−若しくは−CO−を介して一緒に結合することができる〕で示される新規化合物を含むカラーフィルターである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はカラーフィルターの分野に関する。赤みを帯びた青色のフタロシアニンカラーフィルターのコントラストは、特定の可溶性アントラキノン染料の添加により驚くほど増強する。
【0002】
通常、三色使用(trichromatism)は1つの青色、1つの赤色及び1つの緑色フィルターを使用することにより達成される。これらのフィルターは透明性、均質性が高くなければならず、非常に均一の層厚で製造できなければならない。
【0003】
透過帯の正確な位置及び絶対値は、カラーフィルターにとって非常に重要なパラメータである。異なる着色光に対する可能な限り高い吸収性と合わせて、光の放射付近の波長範囲において高い透過性が望まれている。加えて、より高度なディスプレーコントラスト(オンオフ状態での輝度比)に対する強い需要が増えている。
【0004】
多くの青色フィルターが既知であり、場合によっては市販されている。光安定性の理由で、α銅フタロシアニン(ピグメントブルー15:1)及び/又は特にε銅フタロシアニン(C.I.ピグメントブルー15:6)を主要な着色剤として、時々、少量のカルバゾールバイオレット(C.I.ピグメントバイオレット23)と組み合わせて使用することが、最も好ましい。
【0005】
DE−OS3509198は、アントラキノン顔料と組み合わせた、金属無含有(C.I.ピグメントブルー16)、亜鉛又は鉛フタロシアニンを含む緑色カラーフィルターを開示している。
【0006】
EP1130065は、ε銅フタロシアニンと他の顔料、とりわけ、カルバゾールバイオレットの湿式粉砕混合物を含む顔料組成物を開示している。WO02/04563では、同様であるが、特定の混練条件に起因する差異を有する、ε銅フタロシアニン及びカルバゾールバイオレットの固溶体を得る。
【0007】
US2005/0131114は、比表面積が90〜140m/gのα又は好ましくはε銅フタロシアニンのような青色顔料と、比表面積が100〜150m/gのバイオレット顔料、例えば、C.I.ピグメントバイオレット1、19、23、27、29、30、32、37、40、42又は50、好ましくはC.I.ピグメントバイオレット23との混合物を、場合により追加のバイオレット色素染料又は天然染料と一緒に使用することを提案する。
【0008】
青色光の透過を増加するために、JP−A−2003/315529は、C.I.ピグメントバイオレット23を、より緑色を帯びているβ銅フタロシアニン(C.I.ピグメントブルー15:3)と組み合わせて使用する。
【0009】
JP−A−2001/066421は、光安定性が改善されたアントラキノン誘導体を含む赤色カラーフィルターを開示している。
【0010】
JP−A−H05/255599は、フェニル基がアルキルで更に置換されているスルホンアミド置換基を有する1,4−ジフェニルアミノ−アントラキノン着色剤を含む青色カラーフィルターを開示している。JP−A−H08/179120は、両方のフェニル基に2−ブロモ置換基を更に加える。
【0011】
JP−A−2001/108815は、フェニル基がアルキルで更に置換されている(しかし他のどのような置換基も欠いている)1,4−ジフェニルアミノ−アントラキノン着色剤が、優れたスペクトル特性及びコントラスト比を有するカラーフィルターをもたらすことを開示している。少なくとも2つの異なる層があり、多くの更なる着色剤、とりわけC.I.ピグメントブルー15:6を含むことができる。
【0012】
JP−2002/322380は、モノアントラキノン染料及び銅フタロシアニンのトリ−スルホンアミド誘導体と比較して、より良好な透明度及びコントラストを示す青色のビス型アントラキノン染料を含むカラーフィルターを開示している。
【0013】
EP0695955及びEP0833203は、例えば、アントラキノン又はフタロシアニン着色剤を含む、カラーフィルターのための多様な樹脂組成物を開示している。
【0014】
US−4,793,692は、オクタフェニルフタロシアニン及び例えばアントラキノン着色剤を含む蒸着緑色カラーフィルターを開示している。EP1102092は、ピリジノ−フタロシアニン及びアントラキノン着色剤を含むカラーフィルターを開示している。
【0015】
US−6,509,125は、アントラキノン又はトリフェニルメタン発色団を有するポリマー固定化着色剤を含む多層カラーフィルターを開示している。
【0016】
WO−03/080734は、例えば下記式:
【0017】
【化4】

【0018】
で示されるアントラキノン染料及び均一に着色された材料を製造するポリマー、特に繊維の内部着色のためのそれらの使用を開示している。カラーフィルターにおいて他の着色剤と組み合わせることについての示唆はない。
【0019】
しかし、これらの既知のフィルターは、現代の必要条件を完全に満たしていないことが見出された。銅フタロシアニンに基づくフィルターは、一般に優れた光安定性を有するが、色相、透明度及びコントラストは、完全に満足のいくものではない。一方、青色アントラキノン着色剤に基づくフィルターは、光安定性に乏しく、同時に最適な色相も欠いている。
【0020】
今や、予期しないことに、青色カラーフィルターにおける顔料の赤みを帯びた青色銅フタロシアニンの色相、透明度及びコントラストを、特定のアントラキノン化合物を添加することによって改善できることが見出された。光安定性及び他の顔料特性は、優れたままに維持された。
【0021】
したがって、本発明は、α銅フタロシアニン又はε銅フタロシアニンを含むカラーフィルターのコントラストを増強させる方法であって、
可視スペクトルにおけるその最もバソクロミックな(bathochromic)ジクロロメタン溶液の吸収ピークが575〜615nm、好ましくは585〜605nmである、1,4−ジアミノ−アントラキノン染料又はその1,9−縮環誘導体を、
・α銅フタロシアニン若しくはε銅フタロシアニンに加え、銅フタロシアニンと一緒に液体媒質中に分散するか;
・液体及びα銅フタロシアニン若しくはε銅フタロシアニンを含む予め作製した懸濁液に加え、次に懸濁液を分散するか;
・液体及びα銅フタロシアニン若しくはε銅フタロシアニンを含む予め作製した分散物に加えるか;又は
・液体に加え、続いてα銅フタロシアニン若しくはε銅フタロシアニン及び分散物を液体に添加する;
得られた分散物はα銅フタロシアニン若しくはε銅フタロシアニンと1,4−ジアミノ−アントラキノン染料又はその1,9−縮環誘導体の両方を含み、得られた分散物を基材に適用する;次いで、好ましくパターン化されたカラーフィルター層を乾燥及び/又は硬化することにより形成する、方法に関する。
【0022】
可視スペクトルは、400〜700nmの範囲である。1,4−ジアミノ−アントラキノン染料又はその1,9−縮環誘導体の吸収は、ジクロロメタン中低濃度(例えば、100mg/l)で適切に決定される。ジクロロメタンでの溶解性が不十分であるか又は凝集が起こる場合は、ジクロロメタンの代わりに、代替的にテトラヒドロフラン又はアセトニトリルを使用することもできる。
【0023】
1,4−ジアミノ−アントラキノン染料又はその1,9−縮環誘導体を、純粋な化合物として、又は場合により幾つかの異なる構造の1,4−ジアミノ−アントラキノン染料又はその1,9−縮環誘導体の混合物として、例えば異性体又は同族体の混合物として使用することができる。銅フタロシアニンを分散するのに使用される液体における溶解性に応じて、1,4−ジアミノ−アントラキノン染料又はその1,9−縮環誘導体は、分散されると部分的に又は完全に溶解する。
【0024】
分散物は、場合により更に慣用の成分を慣用の量で含んでもよい。幾つかの慣用の成分は、以下により詳細に記載されている。
【0025】
1,4−ジアミノ−アントラキノン染料又はその1,9−縮環誘導体は、適切には通常の溶媒において少なくとも部分的に可溶性である。したがって、例えばC.I.ピグメントバイオレット1、19、23、27、29、30、32、37、40、42又は50のような顔料着色剤が適している。好ましいものは、下記で定義されているCONR1314又はSONR1314基により置換されている1,4−ジアミノ−アントラキノン染料又はその1,9−縮環誘導体である。
【0026】
銅フタロシアニンは、好ましくは0.01μm〜0.3μm、特に好ましくは0.02μm〜0.2μm、とりわけ好ましくは0.04μm〜0.1μmの平均粒径を有する。銅フタロシアニンは、好ましくはε銅フタロシアニン(C.I.ピグメントブルー15:6)である。1,4−ジアミノ−アントラキノン染料又はその1,9−縮環誘導体は、好ましくは3−オキシ又は3−チオ基、特に3−フェノキシ又は3−フェニルチオ基で置換されている。
【0027】
銅フタロシアニンの量は、好ましくは分散物の総重量に基づいて0.1〜70重量%であり、乾燥及び/又は硬化した後に基材上に残っている分散物の成分の重量に基づいて1〜75重量%である。下記により詳細に記載されるように、分散物は、通常、結合剤又は重合性化合物を含む。1,4−ジアミノ−アントラキノン染料又はその1,9−縮環誘導体の量は、好ましくは銅フタロシアニンの重量に基づいて0.1〜100重量%である。
【0028】
1,4−ジアミノ−アントラキノン染料又はその1,9−縮環誘導体は、より好ましくは、式(I):
【0029】
【化5】

【0030】
〔式中、
は、O又はSであり;
は、Oであり、Xは、NH又はNHR11であるか;或いはX及びXは、一緒になって、=C(R12)−CON(R11)−又は=N−C(R12)=N−であり;
、R、R、R、R、R、R、R及びR10は、それぞれ他の全てから独立して、H、ハロゲン、CN、CONR1314若しくはCOOR14、又はベンジル、又は非置換であるか又はH、ハロゲン、CN、CONR1314若しくはCOOR14で1回以上置換されているC〜C20アルキルであるか;或いはR及び/又はRは、代替的にSONR1314であり;
は、H、CONR1314又はSONR1314であり;
11及びR12は、それぞれ他の全てから独立して、ベンジル、又は非置換であるか又はハロゲン、OH,O−C〜C20アルキル若しくはCNで1回以上置換されているC〜C20アルキルであるか;或いはR12は、代替的にHであり;
各R13は、他のいずれかのR13から独立して、H又はR15であり;
14及びR15は、互いに独立しており、各R14又はR15は、他のいずれかのR14又はR15から独立して、C〜C20アルキル、C〜C20シクロアルキル、C〜C20アルケニル、C〜C20アルキニル、C〜C20シクロアルケニル又はC〜C20アラルキルであり、それぞれ非置換であるか又はハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、オキソ、チオ、C〜Cアルキルアミノ、ジ(C〜Cアルキル)アミノ、C〜Cアルコキシ若しくはC〜Cアルキルチオで1回以上置換されており;R14及びR15が、脂肪族鎖を含む場合、脂肪族鎖は、非割込みであるか又はO、S、NH若しくはN(C〜Cアルキル)で1回から(n−2)/2回割り込まれており、nは、R14及びR15における脂肪族炭素原子の総数であり;R14及びR15は、場合によりそれら間の追加的な直接結合を介して一緒に結合することができ;
式(I)の2つのラジカルは、場合により、直接結合を介して、又は式(I)の両方のラジカルのそれぞれの置換基R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12及びR14をそれぞれ一緒に連結している基−O−、−S−、−NR14−、−CO−、−CO−、−CONR14−若しくは−CO−を介して一緒に結合することができる〕
で示されるものである。
【0031】
ハロゲンは、例えば、F、Cl、Br又はJ、好ましくはアルキルではF、アリールではCl又はBrである。
【0032】
〜C20アルキルは、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、2−メチル−ブチル、n−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、2,2−ジメチルプロピル、n−ヘキシル、ヘプチル、n−オクチル、1,1,3,3−テトラメチルブチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル又はエイコシルである。
【0033】
〜C20シクロアルキルは、例えば、シクロプロピル、シクロプロピル−メチル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキシル−メチル、トリメチルシクロヘキシル、ツジル、ノルボルニル、ボルニル、ノルカリル、カリル、メンチル、ノルピニル、ピニル、1−アダマンチル、2−アダマンチル、5α−ゴニル、5ξ−プレグニル、(+)1,3,3−トリメチルビシクロ〔2.2.1〕ヘプチル(フェンチル)又は、適切な場合は、これらの光学的対掌体である。
【0034】
〜C20アルキニルは、例えば、ビニル、アリル、2−プロペン−2−イル、2−ブテンー1−イル、3−ブテン−1−イル、1,3−ブタンジエン−2−イル、2−ペンテン−1−イル、3−ペンテン−2−イル、2−メチル−1−ブテン−3−イル、2−メチル−3−ブテン−2−イル、3−メチル−2−ブテン−1−イル、1,4−ペンタジエン−3−イル、又はヘキセニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ドデセニル、テトラデセニル、ヘキサデセニル、オクタデセニル、エイコセニル、ヘネイコセニル、ドコセニル、テトラコセニル、ヘキサジエニル、オクタジエニル、ノナジエニル、デカジエニル、ドデカジエニル、テトラデカジエニル、ヘキサデカジエニル、オクタデカジエニル若しくはエイコサジエニルのいずれかの望ましい異性体である。
【0035】
〜C20シクロアルケニルは、例えば、2−シクロブテン−2−イル、2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル、3−シクロヘキセン−1−イル、2,4−シクロヘキサジエン−1−イル、1−p−メンテン−8−イル、4(10)−ツジェン−10−イル、2−ノルボルネン−1−イル、2,5−ノルボルナジエン−1−イル、7,7−ジメチル−2,4−ノルカラジエン−3−イル又はカンフェニルである。
【0036】
〜C20アルコキシは、O−C〜C20アルキルであり、C〜C20アルキルチオは、S−C〜C20アルキルである。
【0037】
〜C20アルキニルは、例えば、1−プロピン−3−イル、1−ブチン−4−イル、1−ペンチン−5−イル、2−メチル−3−ブチン−2−イル、1,4−ペンタジイン−3−イル、1,3−ペンタジイン−5−イル、1−ヘキシン−6−イル、シス−3−メチル−2−ペンテン−4−イン−1−イル、トランス−3−メチル−2−ペンテン−4−イン−1−イル、1,3−ヘキサジイン−5−イル、1−オクチン−8−イル、1−ノニン−9−イル、1−デシン−10−イル又は1−コシン−20−イルである。
【0038】
〜C20アラルキルは、例えば、ベンジル、2−ベンジル−2−プロピル、β−フェニル−エチル、9−フルオレニル、α,α−ジメチルベンジル、ω−フェニル−ブチル、ω−フェニル−オクチル、ω−フェニル−ドデシル又は3−メチル−5−(1′,1′,3′,3′−テトラメチル−ブチル)−ベンジルである。C〜C20アラルキルは、例えば、2,4,6−トリ−tert−ブチル−ベンジルであることもできる。C〜C20アラルキルが置換されている場合、アラルキル基のアルキル部分又はアリール部分のいずれかが置換されていることができる。
【0039】
(n−2)/2は、常に整数とみなされることが容易に理解できようし、nが奇数の場合、(n−2)/2から小数を除外するべきである。
【0040】
好ましくは、X及びXは、Oであり、Xは、NHであり、そしてR、R及びR10は、全てHである。R、R、R、R及びRは、好ましくはそれぞれ他の全てから独立して、H、ベンジル又は非置換であるか若しくはハロゲンで1回以上置換されているC〜C12アルキルであり、それによって、好ましくはR、R、R、R及びRのうちの少なくとも4つは、ベンジル又はC〜C12アルキル、特にベンジル又は非置換のC〜C12アルキルである。
【0041】
上記の選択から独立して又はそれらと組み合わせて、好ましくは、Rは、H、SONR1314であるか、或いはベンジルか、又は非置換であるか若しくはハロゲンで1回以上置換されているC〜C12アルキルであり、そしてRは、SONR1314である。またSONR1314は、更に式(I)から独立して、1,4−ジアミノ−アントラキノン染料又はその1,9−縮環誘導体の任意の他の位置における置換基としてCONR1314よりも好ましい。
【0042】
好ましくは、R11は、C〜C12アルキルであり、そしてR12は、H、ベンジル又はC〜C12アルキル、特にHである。
【0043】
14及びR15は、好ましくは、互いに独立して、C〜C20アルキル、C〜C20シクロアルキル又はC〜C20アラルキルであり、それぞれ非置換であるか又はヒドロキシ、C〜Cアルコキシ、アミノ、C〜Cアルキルアミノ若しくはジ(C〜Cアルキル)アミノで1回以上置換されており、存在する場合、任意の脂肪族鎖は、非割込みであるか又はO、S、NH若しくはN(C〜Cアルキル)で1回から(n−2)/2回割り込まれており、例えば場合により末端でN−又はO−アルキル化されているポリ−C〜Cアルキレンアミノ又はポリ−C〜Cアルキレン−オキシ基である。
【0044】
式(I)の1,4−ジアミノ−アントラキノン染料又はその1,9−縮環誘導体を、銅フタロシアニン、特にα銅フタロシアニン又はε銅フタロシアニンと組み合わせて、並びに他の慣用の着色剤(染料又は顔料)と組み合わせて、又は単独の着色剤としても、カラーフィルターに使用することができる。
【0045】
したがって、本発明は、また、透明な基材と、その上の1つの層又は、少なくとも1つの層が式(I)の1,4−ジアミノ−アントラキノン染料又はその1,9−縮環誘導体を含む複数の層とを含むカラーフィルターに関する。
【0046】
1,4−ジアミノ−アントラキノン染料又はその1,9−縮環誘導体は、最も好ましくは、式(II):
【0047】
【化6】

【0048】
〔式中、
16は、ハロゲン、フェニル、ベンジル又はC〜Cアルキルであり、そしてR17は、Hであるか、R16は、Hであり、そしてR17は、C〜Cアルキルであるか、或いはR16とR17の両方ともHであり;R18は、H、ハロゲン、C〜Cアルキル又はSONR1314であり;R19、R20及びR21は、それぞれ他から独立して、ハロゲン又はC〜Cアルキルであり;R22は、Hであるか、又は適用可能である場合は、R18から独立して、SONR1314である〕
で示されるものである。
【0049】
式(II)において、好ましくは、R18は、H又はSONR1314であり;そしてR22は、Hであるか又はR18から独立して、SONR1314である。これらの新たな化合物も本発明の目的である。これらは、それ自体既知のあらゆる方法により、例えばUS−4,403,092に開示されている方法と同様にして、容易に製造することができる。
【0050】
スルホンアミドは、例えば、スルホ塩素化及びスルホクロリドとアミンNR1314との反応により適切に製造される。低温では、スルホ塩素化は、一般にR又はR22の位置において、穏やかに加熱すると、R又はR18の位置でもスルホクロリド置換基をもたらす。しかしより高い温度では、スルホ塩素化工程は、特定の炭素置換基R又はR16、例えばアルキル又はベンジル、特に分岐鎖アルキル、例えばtert−ブチルの部分的開裂をもたらす。次にこの位置もスルホ塩素化を受けて、更にスルホンアミドに変換されうる。したがって、式(I)においてRがHである場合、R置換基は、Xに対してパラであるこの位置を取ることもでき、式(II)においてR16がHである場合、R18置換基は、Oに対してパラであるこの位置を取ることもでき、それぞれ下記:
【0051】
【化7】

【0052】
である。
【0053】
したがって、主に、スルホ塩素化工程で適切な温度を選択することによって、所望の生成物又は生成物の混合物を得るために反応条件を最適化することが容易である。生成物の混合物は、多くの場合に、より良好な溶解性又はより低い凝固傾向のような利点を有する。
【0054】
したがって本発明は、また、式(II):
【0055】
【化8】

【0056】
〔式中、
16は、ハロゲン、フェニル、ベンジル又はC〜Cアルキルであり、そしてR17は、Hであるか、R16は、Hであり、そしてR17は、C〜Cアルキルであるか、或いはR16とR17は、両方ともHであり;R18は、H、ハロゲン、C〜Cアルキル又はSONR1314であり;R19、R20及びR21は、それぞれ他から独立して、ハロゲン又はC〜Cアルキルであり;R22は、R18から独立して、SONR1314であるが、但し、R18及びR22のうちの少なくとも1つは、SONR1314であり、式(II)の2つのラジカルは、場合により、直接結合を介して、又は式(II)の両方のラジカルのそれぞれの置換基R16、R17、R18、R19、R20、R21及びR11をそれぞれ一緒に連結している基−O−、−S−、−NR14−、−CO−、−CO−、−CONR14−若しくは−CO−を介して一緒に結合することができる〕で示される化合物に関する。R16は、好ましくはベンジル又はC〜Cアルキル、特にC〜Cアルキルである。
【0057】
式(II)の化合物の例は、下記:
【0058】
【化9】

【0059】
であるが、本発明はこれに完全に限定されることはない。
【0060】
式(I)、好ましくは(II)の化合物を、例えば織物、紙若しくは他の材料における溶媒若しくは分散染料として、又は印刷インク、プラスチック及び被覆における着色剤として、あらゆる既知の着色目的で使用することもできる。
【0061】
好ましい用途は、顔料を含む高分子量有機材料の色を増強又は変更するための、式(I)、好ましくは式(II)の化合物の使用である。
【0062】
高分子量有機材料は、天然又は合成由来(例えば、ポリマー)であり、通常、10〜10g/molの範囲の分子量を有する。これらは、繊維、表面被覆組成物(特殊効果仕上げを含み、自動車部門用のものを含む)及び印刷インクの形態、また好ましくはいわゆる樹脂(例えば、カラーフィルター用のもの)又はトナーの形態であることができる。そのような使用は、当業者には明白なので本明細書に提示するのを省くことが可能である。これらは、多数の特許明細書及び技術文献、例えば"Industrielle Organische Pigmente" (W. Herbst + K. Hunger, VCH Weinheim/ New York、新版がドイツ語及び英語で継続的に発行されている)に開示されている。
【0063】
式(I)及び(II)の化合物と顔料も含む着色剤の総量は、着色剤及び高分子量有機材料の総重量に基づいて、適切には0.01〜70重量%である。着色された高分子量有機材料における式(I)及び(II)の化合物と顔料の重量比は、適切には0.001〜99、好ましくは0.01〜10である。
【0064】
式(I)及び(II)の化合物と組み合わせるのに有用な顔料は、例えば、カラーインデックスピグメントイエロー3、12、13、14、17、24、34、42、53、62、74、83、93、95、108、109、110、111、119、123、128、129、139、147、150、164、168、173、174、184、188、191、191:1、191:2、193、199、ピグメントオレンジ5、13、16、34、40、43、48、49、51、61、64、71、73、ピグメントレッド2、4、5、23、48:1、48:2、48:3、48:4、52:2、53:1、57、57:1、88、89、101、104、112、122、144、146、149、166、168、177、178、179、181、184、190、192、194、202、204、206、207、209、214、216、220、221、222、224、226、254、255、262、264、270、272、282、283、ピグメントブラウン23、24、33、42、43、44、ピグメントバイオレット19、23、29、31、37、42、ピグメントブルー15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、28、29、60、64、66、ピグメントグリーン7、17、36、37、50、ピグメントホワイト6、ピグメントブラック7、12、27、30、31、32、バットレッド74、3,6−ジ(3′−シアノ−フェニル)−2,5−ジヒドロ−ピロロ〔3,4−c〕ピロール−1,4−ジオン又は3−フェニル−6−(4′−tert−ブチル−フェニル)−2,5−ジヒドロ−ピロロ〔3,4−c〕ピロール−1,4−ジオンである。
【0065】
本発明は、更に、0.1〜70重量%のα銅フタロシアニン又はε銅フタロシアニンと、銅フタロシアニンの重量に基づいて0.1〜100重量%の、可視スペクトルにおけるその最もバソクロミックなジクロロメタン溶液の吸収ピークが575〜615nm、好ましくは585〜605nmである、1,4−ジアミノ−アントラキノン染料又はその1,9−縮環誘導体と、結合剤又は重合性化合物を含む液体媒質とを含む組成物に関する。
【0066】
本発明は、なお更に、透明基材と、その上の1つの層又は、少なくとも1つの層(i)が、可視スペクトルにおけるその最もバソクロミックなジクロロメタン溶液の吸収ピークが575〜615nm、好ましくは585〜605nmである1,4−ジアミノ−アントラキノン染料又はその1,9−縮環誘導体を含み、層(i)又は異なる層(ii)が、α銅フタロシアニン又はε銅フタロシアニン顔料を含む、複数の層とを含む、カラーフィルターにも関する。
【0067】
1,4−ジアミノ−アントラキノン染料又はその1,9−縮環誘導体、及びα銅フタロシアニン又はε銅フタロシアニンは、好ましくは、同じ層(i)に含まれる。しかし、1,4−ジアミノ−アントラキノン染料又はその1,9−縮環誘導体、及びα銅フタロシアニン又はε銅フタロシアニンが、2つの異なる層、好ましくは隣接層にあることも可能である。カラーフィルターがパターン化構造を有する場合、層(i)及び層(ii)が同じパターンを示し、それによってそれらの着色領域が同じ画素と一致することが最も適している。
【0068】
多層構造における層の数は、本発明の目的とは無関係である。一般に、多層構造は、2〜25の層、特に3〜10の層を基材上に含む。層を、特に着色、黒色又は電気的に切換可能な層の場合はパターン化することができ、特に任意の中間及び/又は保護層の場合は均一にすることができる。異なる型のカラーフィルターの構造は、それら全てが本発明に適しており、当該技術において周知である。
【0069】
好ましくは、上記に記載されたように、銅フタロシアニンの量は、含まれている層の重量に基づいて1〜75重量%であり、同じ層における1,4−ジアミノ−アントラキノン染料又はその1,9−縮合誘導体の量は、銅フタロシアニンの重量に基づいて0.1〜100重量%である。
【0070】
本発明は、最後に、0.1〜70重量%のα銅フタロシアニン又はε銅フタロシアニンと、銅フタロシアニンの重量に基づいて0.1〜100重量%の、可視スペクトルにおけるその最もバソクロミックなジクロロメタン溶液の吸収ピークが575〜615nm、好ましくは585〜605nmである、1,4−ジアミノ−アントラキノン染料又はその1,9−縮環誘導体と、結合剤又は重合性化合物を含む液体媒質とを含む組成物を、場合によりパターン化された又はパターン化されていない層をその上に含む透明基材に適用し、組成物を乾燥及び/又は硬化して、パターン化された又はパターン化されていない層を得る、カラーフィルターの製造方法に関する。
【0071】
乾燥、パターン化及び硬化方法は、当該技術において周知であるが、そうであっても、説明の目的のために下記に詳細に記載する。
【0072】
本発明は、特に、カラーフィルターにおける本発明の顔料の使用にも関し、これらは、それ自体、例えばTVスクリーン、コンピュータースクリーン、携帯電話スクリーン、ナビゲーションシステム、CCDカメラ、液晶ディスプレー、フラットパネルディスプレー、電荷結合素子、プラズマディスプレー又はエレクトロルミネセンスディスプレーなどのような電気光学システムに使用することができる。これらは、例えば、能動(ねじれネマチック)又は受動(超ねじれネマチック)強誘電体ディスプレー又は発光ダイオードであることができる。
【0073】
本発明により製造されるカラーフィルターは、際立った色相、光安定性、透明度及びコントラストを示す。
【0074】
本発明の着色剤は、一般に、有機溶媒又は水中の溶液又は分散物として、カラーフィルターの製造に使用される。これらのカラーフィルターを製造する幾つかの方法があり、下記の2つの主流に従う:
・適用中に直接パターン加工する;
・着色剤を適用した後にパターン加工する。
【0075】
直接パターン加工は、インパクト(オフセット、フレキソ印刷、スタンピング、活版印刷など)、並びに非インパクト(インクジェット技術)のような幾つかの印刷技術により得ることができる。
【0076】
他の直接パターン加工技術は、積層方法、電着のような電子放出方法、及びいわゆるChromalin(商標)方法(DuPont)のような特殊カラー校正刷り法に基づいている。
【0077】
インパクト印刷技術のためには、着色剤を、標準的なデアグロメレーション法(Skandex, Dynomill, Dispermatなど)により、分散剤及びポリマー結合剤の存在下、水又は有機溶媒に溶解又は分散して、インクを製造することができる。溶媒、分散剤及び結合剤の選択を含む、この分野において既知のあらゆる分散技術を使用することができる。インクの種類及びその粘度は、適用技術によって決まり、当業者には周知である。最も使用されている結合剤は、(メタ)アクリレート、エポキシド、PVA、ポリイミド、ノボラック系など、並びにこれらのポリマーの混合物であるが、本発明は当然のことながらこれらに限定されない。
【0078】
次にインクの分散物を、全種類の標準的な印刷機により印刷することができる。結合剤系の硬化は、好ましくは加熱方法により達成される。三色を一度に又は中間に乾燥及び/若しくは硬化工程を入れた異なる印刷工程により、例えば3つの印刷工程において1回に一色を適用することができる。
【0079】
インクジェット、例えば、圧電式又は泡ジェットで使用されるインクを、同様に製造することができる。これらは、一般に、分散剤及び結合剤と組み合わせた、水及び/又は1つ若しくは多くの親水性有機溶媒の混合物に溶解又は分散した着色剤を含有する。
【0080】
インクジェット印刷では、標準的なインクジェットプリンターを使用することができるか、又は例えば印刷速度などを最適化するために専用のプリンターを作製することができる。
【0081】
熱転写などのような積層技術では、ウエブ系を作製しなければならず、着色剤を分散剤及び結合剤を有する溶媒又は水に分散し、ホイルに被覆し、乾燥する。着色剤/結合剤系を、エネルギー(UV、IR、熱、圧力など)の助けを借りて、カラーフィルター基材へパターン様又は均一に転写することができる。使用する技術に応じて、着色剤を、例えば、単独で転写することができる(染料拡散又は昇華転写)か、又は結合剤を含む着色剤分散物を、全体的に転写することができる(ロウ転写)。
【0082】
電着では、着色剤を、イオン化ポリマーと一緒に水に分散しなければならない。電流によって、イオン化ポリマーを陽極又は陰極で脱イオン化して、不溶性にし、顔料と一緒に付着させる。これは、フォトレジスト、ITOのような(透明)光伝導体などにより、パターン化又はパターン様に遮蔽して実施することができる。
【0083】
Chromalin(商標)方法は、カラーフィルター基材に付着された感光性材料を使用する。この材料はUV暴露されると粘着性になる。着色剤とポリマーの混合物又は混成物を含むいわゆる「トナー」を、基材に分散し、粘着性部分に粘着させる。この方法は、R、G、Bのために、最終的には黒色のために3から4回実施しなければならない。
【0084】
塗布後のパターン化は、主に、着色剤がフォトレジスト組成物に分散される、既知のフォトレジスト技術に基づいた方法である。他の方法は、別々のフォトレジスト又は積層技術の助けを借りた間接パターン化である。
【0085】
着色剤を、印刷方法について上記に記載したような任意の標準的方法により、フォトレジストに溶解又は分散することができる。結合剤系は同一であることもできる。更なる適切な組成物は、例えば、EP0654711、WO98/45756又はWO98/45757に記載されている。
【0086】
フォトレジストは、光開始剤及びポリ架橋性モノマー(ネガティブラジカル重合)、ポリマーそれ自体を架橋する材料(例えば、光酸発生剤など)、又は特定の現像媒質でポリマーの溶解性を化学的に変える材料を含む。しかし、この方法は、加熱により化学変化を起こし、記述された現像媒質における溶解性に変化をもたらす幾つかのポリマーの場合は、UVの代わりに例えば、熱アレイ又はNIRビームを使用する)加熱により実施することもできる。その結果、光開始剤は必要がない。
【0087】
感光性又は熱感受性材料を、カラーフィルター基材に被覆し、乾燥し、UV(又は熱)照射し、時には再度焼付けし(光酸発生剤)、現像媒質(主に塩基)で現像する。この最終工程において、非暴露部分のみ(ネガティブ系)、又は暴露部分のみ(ポジティブ系)を洗い流し、所望のパターンを得る。この操作を、使用する全ての色で繰り返さなければならない。
【0088】
感光積層技術は同じ原則を使用し、異なるのは被覆技術だけである。感光系を、上記に記載されたとおりであるが、カラーフィルター基材の代わりにウエブ上に適用する。ホイルをカラーフィルター基材上に配置し、感光層を、熱及び/又は圧力の助けを借りて移す。
【0089】
上記に記述されたポリマー結合剤を用い、感光性成分を用いない間接方法は、顔料着色レジストの上面に被覆された追加のフォトレジストを使用する。フォトレジストのパターン化の際に、着色レジストもパターン化される。その後、フォトレジストを取り外さなければならない。
【0090】
カラーフィルターの製造についての更なる詳細を、教科書、論評及び他の科学論文で見出すことができる。当業者は、本発明をそのような任意の既知の技術の使用とも関連づける。
【0091】
例えば、当然のことながら限定的ではないが、実質的に無色のメタクリル樹脂がカラーフィルターに慣用的に使用され、当業者に既知のその例は、Mが30,000〜60,000の芳香族メタクリレートとメタクリル酸とのコポリマーである。そのような樹脂は、スピンコーティングによるフィルムの作製に極めて適している。
【0092】
本発明のカラーフィルターは、賢明には、前記着色剤を含む層の総重量に基づいて1〜75重量%、好ましくは5〜50重量%、特に好ましくは25〜40重量%の濃度で本発明の着色剤組成物を含有する。
【0093】
したがって本発明は、同様に、透明な基材と、前記着色剤を含む層の総重量に基づいて1〜75重量%、好ましくは5〜50重量%、特に好ましくは25〜40重量%の、本発明の着色剤組成物又は高分子量有機材料に分散された前記組成物の個別の成分を含む層とを含むカラーフィルターを提供する。基材は、好ましくは実質的に無色(可視領域の400〜700nmの全体にわたってT≧95%)である。
【0094】
本発明の印刷インク又はカラーフィルターを作製するフォトレジストは、賢明には、印刷インク又はフォトレジストの総重量に基づいて0.01〜40重量%、好ましくは1〜25重量%、特に好ましくは5〜10重量%の濃度で本発明の着色剤又は着色剤組成物を含有する。
【0095】
したがって、本発明は、同様に、組成物の総重量に基づいて0.01〜40重量%、好ましくは1〜25重量%、特に好ましくは5〜10重量%の本発明の着色剤又は着色剤組成物を分散して含む、カラーフィルターを作製するための組成物を提供する。
【0096】
着色剤組成物は、追加的に、構造の異なる構造の他の着色剤を含有することもできる。追加の成分は、混合物のスペクトルを、それ自体の色相に応じて浅色又は深色シフトする。当業者は、望ましい色に応じて、どの着色剤をどれぐらいの量で追加的に使用できるかを理解する。
【0097】
特定の場合において、本発明の組成物を、湿潤剤、界面活性剤、消泡剤、酸化防止剤、UV吸収剤、光安定剤、可塑剤又は一般的なきめ向上剤(texture improving agent)などのような他の添加剤と混合又は組み合わせて使用することが有益である。一般に、そのような添加剤は、(a)、(b)及び(c)の総重量に基づいて約0.1〜25重量%、好ましくは約0.2〜15重量%、最も好ましくは約0.5〜8重量%の濃度で使用することができる。
【0098】
界面活性剤は、一般に、銅フタロシアニン顔料のような不溶性成分を分散するのに使用される。これらを、例えば、本発明の低溶解性の1,4−ジアミノ−アントラキノン染料又はその1,9−縮環誘導体と共に使用することもできるが、全着色剤が完全に溶解する場合、一般に、界面活性剤を使用しないことが賢明であり、それは、拡散をもたらし、コントラストを低下させる可能性があるからである。カチオン性、アニオン性、両性、双性イオン性又は中性の非イオン性界面活性剤は、当業者に非常に良く知られている。適切な界面活性剤には、例えば、アルキルベンゼン−、若しくはアルキルナフタレン−スルホネート、アルキルスルホスクシネート若しくはナフタレンホルムアルデヒドスルホネートのようなアニオン性界面活性剤;例えばベンジルトリブチルアンモニウムクロリドのような第四級塩を含むカチオン性界面活性剤;又はポリオキシエチレン界面活性剤及びアルキル−若しくはアミド−プロピルベタインのような非イオン性若しくは両性界面活性剤がそれぞれ含まれる。優れた着色剤分散物及び特に高度に透明なカラーフィルターをもたらす最も好ましい界面活性剤は、EFKA(登録商標)3440(CIBA Specialty Chemicals Inc.)である。
【0099】
適切なきめ向上剤は、例えば、ステアリン酸又はベヘン酸のような脂肪酸、並びにラウリルアミン及びステアリルアミンのような脂肪アミンである。加えて、脂肪族1,2−ジオール又はエポキシド化大豆油、ロウ、樹脂酸及び樹脂酸塩のような脂肪アルコール又はエトキシル化脂肪アルコール、ポリオールを、この目的に使用することができる。
【0100】
適切なUV安定剤は、例えば、アリールスルホン化ベンゾトリアゾールである、商標名TINUVIN(登録商標)又はCIBA(登録商標)Fast H Liquidで知られている既知のベンゾトリアゾール誘導体であり、両方ともCIBA Specialty Chemicals Inc.の製品である。
【0101】
当業者は、インク、被覆及びポリマーのような着色剤が使用される全ての分野において、その他の多くの可能性な適用が存在することを明確に認識する。本発明の着色剤又は着色剤組成物は、単独で又は微細若しくは透明顔料と組み合わせて特に有用であることを証明する。熱色安定性が問題となる場合、より良好な結果が得られるという合理的な予測を持って本発明の組成物を使用することにより、その解決を試みることは価値がある。典型的な例は、コイル被覆及び粉末被覆、押出又は射出成形エンジニアリングプラスチック、並びに溶融紡糸繊維であり、このリストが網羅的でないことは自明である。
【0102】
上記に記述された方法及び他の方法によりカラーフィルターを製造するのに使用される材料は、当該技術において周知である。
【0103】
例えば、アルカリ可溶性であり、好ましくは有機溶媒に可溶性であり、かつ弱アルカリ水溶液において現像性である直鎖有機ポリマーである結合剤を使用することができる。アルカリ性水溶液に可溶性であり、水に不溶性である、カラーフィルターレジスト組成物に使用されるそのような結合剤としては、例えば、1つ以上の酸基及び1つ以上の重合性不飽和結合を分子中に有する重合性化合物のホモポリマー、又はそれらの2種類以上のコポリマー、及びこれらの化合物と共重合しうる1つ以上の不飽和結合を有し、酸基を含有しない1つ以上の重合性化合物のコポリマーを使用することができる。そのような化合物は、1つ以上の酸基及び1つ以上の重合性不飽和結合を分子中に有する1種類以上の低分子量化合物を、これらの化合物と共重合しうる1つ以上の不飽和結合を有し、酸基を含有しない1つ以上の重合性化合物と共重合させることによって得ることができる。酸基の例は、−COOH基、−SONHCO−基、−SOH基、フェノールヒドロキシ基、−SONH−基及び−CO−NH−CO−基である。これらのうち、−COOH基を有する高分子量化合物が特に好ましい。
【0104】
好ましくは、カラーフィルターレジスト組成物中の有機ポリマー結合剤は、付加重合性モノマー単位として、アクリル酸、メタクリル酸などのような、少なくとも1つの不飽和有機酸化合物を含むアルカリ可溶性コポリマーを含む。メチルアクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、スチレンなどのような不飽和有機酸エステル化合物を、ポリマー結合剤のために更なるコモノマーとして使用して、アルカリ溶解性、接着剛性、化学耐性などのような特性を釣り合わせることが好ましい。
【0105】
有機ポリマー結合剤は、例えば、US−5,368,976に記載されているようなランダムコポリマー又はブロックコポリマーのいずれかであることができる。
【0106】
本発明のカラーフィルターの製造に適切な重合性化合物も当該技術において周知である。これらは、例えば、分子中に1つ以上の酸基及び1つ以上の重合性不飽和結合を有することができる。
【0107】
1つ以上の−COOH基及び1つ以上の重合性不飽和結合を分子中に有する重合性化合物の例は、(メタ)アクリル酸、2−カルボキシエチル(メタ)アクリル酸、2−カルボキシプロピル(メタ)アクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸、モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕スクシネート、モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕アジペート、モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕フタレート、モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕ヘキサヒドロフタレート、モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕マレエート、モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシプロピル〕スクシネート、モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシプロピル〕アジペート、モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシプロピル〕フタレート、モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシプロピル〕ヘキサヒドロフタレート、モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシプロピル〕マレエート、モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシブチル〕スクシネート、モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシブチル〕アジペート、モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシブチル〕フタレート、モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシブチル〕ヘキサヒドロフタレート、モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシブチル〕マレエート、3−(アルキルカルバモイル)アクリル酸、α−クロロアクリル酸、マレイン酸、モノエステル化マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、無水マレイン酸及びω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレートである。
【0108】
ビニルベンゼンスルホン酸及び2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸は、1つ以上の−SOH基及び1つ以上の重合性不飽和結合を有する重合性化合物の例である。
【0109】
N−メチルスルホニル(メタ)アクリルアミド、N−エチルスルホニル(メタ)アクリルアミド、N−フェニルスルホニル(メタ)アクリルアミド及びN−(p−メチルフェニルスルホニル)(メタ)アクリルアミドは、1つ以上の−SONHCO−基及び1つ以上の重合性不飽和結合を有する重合性化合物の例である。
【0110】
1つ以上のフェノールヒドロキシ基及び1つ以上の重合性不飽和結合を分子中に有する重合性化合物の例には、ヒドロキシフェニル(メタ)アクリルアミド、ジヒドロキシフェニル(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシフェニル−カルボニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシフェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシフェニルチオエチル(メタ)アクリレート、ジヒドロキシフェニルカルボニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジヒドロキシフェニルオキシエチル(メタ)アクリレート及びジヒドロキシ−フェニルチオエチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0111】
1つ以上の−SONH−基及び1つ以上の重合性不飽和結合を分子中に有する重合性化合物の例には、式(a)又は(b):
CH=CHA−Y−A−SO−NH−A (a) CH=CHA−Y−A−NH−SO−A (b)
〔式中、Y及びYは、それぞれ、−COO−、−CONA−又は単結合を表し;A及びAは、それぞれ、H又はCHを表し;A及びAは、それぞれ、場合により置換基のシクロアルキレン、アリーレン若しくはアラルキレンを有するC〜C12アルキレン、又はエーテル基及びチオエーテル基が挿入されているC〜C12アルキレン、シクロアルキレン、アリーレン、又はアラルキレンを表し;A及びAは、それぞれ、Hか、場合により置換基のシクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を有するC〜C12アルキルを表し;そしてAは、Hか、場合により置換基のシクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を有するC〜C12アルキルを表す〕
により表される化合物が挙げられる。
【0112】
1つ以上の−CO−NH−CO−基及び1つ以上の重合性不飽和結合を有する重合性化合物には、マレイミド及びN−アクリロイル−アクリルアミドが含まれる。これらの重合性化合物は、−CO−NH−CO−基を含む高分子化合物となり、重合により一次鎖と一緒になって環が形成される。更に、それぞれ−CO−NH−CO−基を有するメタクリル酸誘導体及びアクリル酸誘導体を使用することもできる。そのようなメタクリル酸誘導体及びアクリル酸誘導体には、例えば、N−アセチルメタクリルアミド、N−プロピオニルメタクリルアミド、N−ブタノイルメタクリルアミド、N−ペンタノイルメタクリルアミド、N−デカノイルメタクリルアミド、N−ドデカノイルメタクリルアミド、N−ベンゾイルメタクリルアミド、N−(p−メチルベンゾイル)メタクリル−アミド、N−(p−クロロベンゾイル)メタクリルアミド、N−(ナフチル−カルボニル)メタクリルアミド、N−(フェニルアセチル)−メタクリル−アミド及び4−メタクリロイルアミノフタルイミドのようなメタクリルアミド誘導体、並びにこれらと同じ置換基を有するアクリルアミド誘導体が含まれる。これらの重合性化合物は、重合して、側鎖に−CO−NH−CO−基を有する化合物となる。
【0113】
1つ以上の重合性不飽和結合を有し、酸基を含有しない重合性化合物の例には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、メトキシフェニル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、イソボルニルメタ(アクリレート)、ジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、トリシクロ〔5.2.1.02,6〕デカン−8−イル(メタ)アクリレート、アミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、アミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシブチル(メタ)アクリレート、6,7−エポキシヘプチル(メタ)アクリレートのような(メタ)アクリル酸のエステル;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−クロロスチレン、ポリクロロスチレン、フルオロスチレン、ブロモスチレン、エトキシメチルスチレン、メトキシスチレン、4−メトキシ−3−メチルスチレン、ジメトキシスチレン、ビニルベンジルメチルエーテル、ビニルベンジルグリシジルエーテル、インデン、1−メチリデンのようなビニル芳香族化合物;ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルビバレート、ビニルベンゾエート、ビニルトリメチルアセテート、ビニルジエチルアセテート、ビニルボレート、ビニルカプロエート、ビニルクロロアセテート、ビニルジクロロアセテート、ビニルメトキシアセテート、ビニルブトキシアセテート、ビニルフェニルアセテート、ビニルアセテート、ビニルアセトアセテート、ビニルラクテート、ビニルフェニルブチレート、ビニルシクロヘキシルカルボキシレート、ビニルサリチレート、ビニルクロロベンゾエート、ビニルテトラクロロベンゾエート、ビニルナフトエート、アリルアセテート、アリルプロピオネート、アリルブチレート、アリルピバレート、アリルベンゾエート、アリルカプロエート、アリルステアレート、アリルアセトアセテート、アリルラクテートのようなビニル又はアリルエステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルヘキシルエーテル、ビニルオクチルエーテル、ビニルエチルヘキシルエーテル、ビニルメトキシエチルエーテル、ビニルエトキシエチルエーテル、ビニルクロロエチルエーテル、ビニルヒドロキシエチルエーテル、ビニルエチルブチルエーテル、ビニルヒドロキシエトキシエチルエーテル、ビニルジメチルアミノエチルエーテル、ビニルジエチルアミノエチルエーテル、ビニルブチルアミノエチルエーテル、ビニルベンジルエーテル、ビニルテトラヒドロフルフリルエーテル、ビニルフェニルエーテル、ビニルトリルエーテル、ビニルクロロフェニルエーテル、ビニルクロロエチルエーテル、ビニルジクロロフェニルエーテル、ビニルナフチルエーテル、ビニルアントリルエーテル、アリルグリシジルエーテルのようなビニル又はアリルエーテル;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジブチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルヘキシル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジシクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジフェニル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−フェニル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル−N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−ヘプチル(メタ)アクリルアミド、N−オクチル(メタ)アクリルアミド、N−エチルヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミドシクロヘキシル、N−ベンジル(メタ)アクリルアミド、N−フェニル(メタ)アクリルアミド、N−トリル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシフェニル(メタ)アクリルアミド、N−ナフチル(メタ)アクリルアミド、N−フェニルスルホニル(メタ)アクリルアミド、N−メチルフェニルスルホニル(メタ)アクリルアミド及びN−(メタ)アクリロイルモルホリン、ジアセトンアクリルアミド、N−メチルロールアクリルアミド、N−ブトキシアクリルアミドのようなアミド型不飽和化合物;ブタジエン、イソプレン、クロロプレンなどのようなポリオレフィン型化合物;(メタ)アクリロニトリル、メチルイソプロペニルケトン、マレイミド、N−フェニルマレイミド、N−メチルフェニルマレイミド、N−メトキシフェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−アルキルマレイミド、無水マレイン酸、ポリスチレンマクロモノマー、ポリメチル(メタ)アクリレートマクロモノマー、ポリブチル(メタ)アクリレートマクロモノマー;ブチルクロトネート、ヘキシルクロトネート、グリセリンモノクロトネートのようなクロトネート;及びジメチルイタコネート、ジエチルイタコネート、ジブチルイタコネートのようなイタコネート;並びにジメチルマレエート、ジブチルフマレートのようなマレエート又はフマレートから選択される、重合性不飽和結合を有する化合物が挙げられる。
【0114】
コポリマーの好ましい例は、メチル(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリル酸のコポリマー、ベンジル(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリル酸のコポリマー、メチル(メタ)アクリレート/エチル(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリル酸のコポリマー、ベンジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸及びスチレンのコポリマー、ベンジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸及び2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのコポリマー、メチル(メタ)アクリレート/ブチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸及びスチレンのコポリマー、メチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸及びヒドロキシフェニル(メタ)アクリレートのコポリマー、メチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸及びポリメチル(メタ)アクリレートマクロモノマーのコポリマー、ベンジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸及びポリメチル(メタ)アクリレートマクロモノマーのコポリマー、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、スチレン及び(メタ)アクリル酸のコポリマー、メチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸及びポリスチレンマクロモノマーのコポリマー、ベンジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸及びポリスチレンマクロモノマーのコポリマー、ベンジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート及びポリスチレンマクロモノマーのコポリマー、 ベンジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート及びポリスチレンマクロモノマーのコポリマー、ベンジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート及びポリメチル(メタ)アクリレートマクロモノマーのコポリマー、メチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート及びポリスチレンマクロモノマーのコポリマー、ベンジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート及びポリメチル(メタ)アクリレートマクロモノマーのコポリマー、N−フェニルマレイミド、ベンジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸及びスチレンのコポリマー、ベンジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、N−フェニルマレイミド、モノ−〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕スクシネート及びスチレンのコポリマー、アリル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、N−フェニルマレイミド、モノ−〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕スクシネート及びスチレンのコポリマー、ベンジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、N−フェニルマレイミド、グリセロールモノ(メタ)アクリレート及びスチレンのコポリマー、ベンジル(メタ)アクリレート、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、N−フェニルマレイミド、グリセロールモノ(メタ)アクリレート及びスチレンのコポリマー、並びにベンジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、N−シクロヘキシルマレイミド及びスチレンのコポリマーである。
【0115】
また、ヒドロキシスチレンホモ−若しくはコポリマー、又はノボラック型フェノール樹脂、例えば、ポリ(ヒドロキシスチレン)及びポリ(ヒドロキシスチレン−コ−ビニルシクロヘキサノール)、ノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、並びにハロゲン化フェノールノボラック樹脂を使用することができる。より詳細には、例えばコモノマーとしてスチレンとの、例えば、メタクリル酸コポリマー、アクリル酸コポリマー、イタコン酸コポリマー、クロトン酸コポリマー、無水マレイン酸コポリマー、及びマレイン酸コポリマー、及び部分的にエステル化されているマレイン酸コポリマーが含まれ、それぞれ、例えばJP−B−S59/44615、JP−B−S54/34327、JP−B−S58/12577、JP−B−S54/25957、JP−A−S59/53836、JP−A−S59/71048、JP−A−S60/159743、JP−A−S60/258539、JP−A−H01/152449、JP−A−H02/199403及びJP−A−H02/199404に記載されており、これらのコポリマーを、例えばUS−5,650,263に記載されているように、アミンと更に反応させることができ;更に、カルボキシル基を側鎖に有するセルロース誘導体を使用することができ、特に好ましいものは、例えば、US−4,139,391、JP−B−S59/44615、JP−A−S60/159743及びJP−A−S60/258539に記載されている、ベンジル(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリル酸のコポリマー、並びにベンジルメタ(アクリレート)、(メタ)アクリル酸及び他のモノマーのコポリマーである。
【0116】
上記の有機結合剤ポリマーのうちでカルボン酸基を有するものに関して、感光性、被覆膜強度、被覆溶媒及び化学耐性、並びに基材に対する接着性を改善する目的で、カルボン酸基の幾つか又は全てを、グリシジル(メタ)アクリレート又はエポキシ(メタ)アクリレートと反応させて、光重合性有機結合剤ポリマーを得ることが可能である。例は、JP−B−S50/34443及びJP−B−S50/34444、US−5,153,095、US−5,650,233及びUS−5,677,385において、並びにT. KudoらによりJ. Appl. Phys., Vol. 37 (1998), p. 3594-3603において開示されている。上記に記述された特許及び特許出願の内容の全体が参照として本明細書に包含される。
【0117】
これらの多様な種類のアルカリ可溶性結合剤のうち、アクリル酸ホモ及びコポリマー、並びにメタクリル酸ホモ及びコポリマーが特に好ましい。
【0118】
結合剤の重量平均分子量は、好ましくは500〜1,000,000、例えば3,000〜1,000,000、より好ましくは5,000〜400,000である。
【0119】
染料含有硬化性樹脂組成物におけるアルカリ可溶性結合剤の含有量は、染料含有硬化性樹脂組成物の総固形分に基づいて、好ましくは10〜90重量%、より好ましくは20〜80重量%、特に好ましくは30〜70重量%である。
【0120】
光重合性ビニル化合物も当業者によく知られている。これらのモノマーは、少なくとも1つのエチレン性二重結合を含有し、通常、100℃以上の沸点を有する。
【0121】
適切な光重合性ビニル化合物の例は、ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノアクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ペンタエリトリトールトリアクリレート、ペンタエリトリトールトリメタクリレート、ペンタエリトリトールテトラアクリレート、ペンタエリトリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリトリトールペンタアクリレート、ジペンタエリトリトールペンタメタクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサメタクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレートである。好ましい光重合性ビニル化合物は、ジペンタエリトリトールペンタアクリレート及びジペンタエリトリトールペンタメタクリレートである。
【0122】
着色剤含有硬化性組成物におけるそのような光重合性ビニル化合物の総含有量は、材料に応じて変わるが、組成物の固形分に基づいて、一般に5〜70重量%、好ましくは5〜50重量%、特に好ましくは7〜30重量%である。
【0123】
適切な光開始剤も当業者に周知であり、好ましくは、ハロメチルオキサジアゾール、ハロメチル−s−トリアジン、3−アリール置換クマリン、ベンゾフェノン、アセトフェノン、シクロペンタジエン−ベンゼン−鉄錯体、オキシムエステル及びオキシムから選択される。
【0124】
適切な光開始剤は、例えば、GB−2,339,571、US−6,485,885、GB−2,358,017、GB−2,357,293、WO−02/100903、J. Photopolym. Sci. Technol. 15, 51-57 (2002), IP. com. Journal IPCOM 000012462D, 3(6), 101-109 (2003)、US−2004/0102548、US−2004/0102673、PCT/EP2006/068202及びPCT/EP2006/068254に記載されている。
【0125】
好ましい光開始剤は、下記式:
【0126】
【化10】

【0127】
〔式中、R23、R24及びR25は、互いに独立して、水素、C〜Cアルキル、C〜Cハロゲンアルキル、C〜Cアルコキシ、塩素又はN(C〜Cアルキル)であり;R26は、水素、C〜Cアルキル、C〜Cハロゲンアルキル、フェニル、N(C〜Cアルキル)、COOCH、下記:
【0128】
【化11】

【0129】
であり、そしてnは、2〜10である〕で示されるベンゾフェノンである。特定の例は、Lambertiから入手可能なESACURE TZT(登録商標)(2,4,6−トリメチルベンゾフェノンと4−メチルベンゾフェノンの混合物)及び、DAROCUR(登録商標)BP(ベンゾフェノン)である。
【0130】
更に好ましい光開始剤は、下記式:
【0131】
【化12】

【0132】
〔式中、R27は、水素又はC〜C18アルコキシであり;R28は、水素、C〜C18アルキル、C〜C12ヒドロキシアルキル、C〜C18アルコキシ、−OCHCH−OR32、モルホリン、C〜C18アルキル−S−、基HC=CH−、HC=C(CH)−、下記:
【0133】
【化13】

【0134】
であり;a、b及びcは、1〜3であり;nは、2〜10であり;G及びGは、互いに独立して、ポリマー構造の末端基、好ましくは水素又はメチルであり;R29は、ヒドロキシ、C〜C16アルコキシ、モルホリノ、ジメチルアミノ又は−O(CHCHO)−C〜C16アルキルであり;R30及びR31は、互いに独立して、水素、C〜Cアルキル、C〜C16アルコキシ若しくは−O(CHCHO)−C〜C16アルキルであるか;又は非置換のフェニル若しくはベンジルであるか;又はC〜C12アルキルで置換されている、フェニル若しくはベンジルであるか;或いはR30及びR31は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、シクロヘキシル環を形成し;mは、1〜20であるが;但し、R29、R30及びR31は、そろって、C〜C18アルコキシ又は−O(CHCHO)−C〜C16アルキルではなく;そしてR32は、水素、下記:
【0135】
【化14】

【0136】
である〕で示されるアルファ−ヒドロキシケトン、アルファ−アルコキシケトン又はアルファ−アミノケトンである。
【0137】
特定の例は、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトンとベンゾフェノンの混合物、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチル−ベンジル)−1−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オン、1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル〕−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−〔4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル〕−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、2−ベンジル−1−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−2−ジメチルアミノ−ブタン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−〔4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−フェノキシ〕−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、下記:
【0138】
【化15】

【0139】
Fratelli Lambertiにより提供されるESACURE(登録商標)KIP及び2−ヒドロキシ−1−{1−〔4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−フェニル〕−1,3,3−トリメチル−インダン−5−イル}−2−メチル−プロパン−1−オンである。
【0140】
更に好ましい光開始剤は、下記式:
【0141】
【化16】

【0142】
〔式中、R33及びR34は、互いに独立して、非置換のC〜C20アルキル、シクロヘキシル、シクロペンチル、フェニル、ナフチル若しくはビフェニリルであるか;又はハロゲン、C〜C12アルキル、C〜C12アルコキシ、C〜C12アルキルチオ若しくはNR3637で置換されている、C〜C20アルキル、シクロヘキシル、シクロペンチル、フェニル、ナフチル若しくはビフェニリルであるか、或いはR33及びR34は、互いに独立して、−(CO)R35であり;R36及びR37は、互いに独立して、水素、非置換C〜C12アルキル又はOH若しくはSHで置換されているC〜C12アルキルであり、ここでアルキル鎖は、1〜4個の酸素原子で割り込まれていてもよいか;或いはR36及びR37は、互いに独立して、C〜C12アルケニル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ベンジル又はフェニルであり;R35は、非置換のシクロヘキシル、シクロペンチル、フェニル、ナフチル若しくはビフェニリルであるか、又はハロゲン、C〜Cアルキル及び/若しくはC〜Cアルコキシで置換されているクロヘキシル、シクロペンチル、フェニル、ナフチル若しくはビフェニリルであるか;或いはR35は、S原子又はN原子を有する5員又は6員複素環である〕で示されるアシルホスフィンオキシドである。特定の例は、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニル−エトキシ−ホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキシド及びビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシドである。
【0143】
更に好ましい光開始剤は、下記式:
【0144】
【化17】

【0145】
〔式中、R38及びR39は、互いに独立して、場合によりC〜C18アルキル、C〜C18アルコキシ、シクロペンチル、シクロヘキシル又はハロゲンで一置換、二置換又は三置換されているシクロペンタジエニルであり;R40及びR41は、Ti−C結合に対してオルト位置に少なくとも1つのF又はCF置換基を有し、かつ非置換のピロリニル若しくはポリオキサアルキルであるか又は1〜2つのC〜C12アルキル、ジ(C〜C12アルキル)アミノメチル、モルホリノメチル、C〜Cアルケニル、メトキシメチル、エトキシメチル、トリメチルシリル、ホルミル、メトキシ若しくはフェニルで置換されているピロリニル若しくはポリオキサアルキルである、少なくとも1つの更なる置換基を有する、フェニルであるか;或いはR40及びR41は、下記:
【0146】
【化18】

【0147】
であり;Gは、O、S又はNR45であり;R42、R43及びR44は、互いに独立して、水素、ハロゲン、C〜C12アルケニル、C〜C12アルコキシ、1〜4個の酸素原子で割り込まれているC〜C12アルコキシ、シクロヘキシルオキシ、シクロペンチルオキシ、フェノキシ、ベンジルオキシ、非置換のフェニル若しくはビフェニル、又はC〜Cアルコキシ、ハロゲン、フェニルチオ若しくはC〜Cアルキルチオで置換されているフェニル若しくはビフェニルであるが、但し、R42及びR44は、両方とも水素ではなく、下記:
【0148】
【化19】

【0149】
の残基に関して、置換基R42又はR44の少なくとも1つは、C〜C12アルコキシ若しくは1〜4個の酸素原子で割り込まれているC〜C12アルコキシ、シクロヘキシルオキシ、シクロペンチルオキシ、フェノキシ又はベンジルオキシであり;そしてR45は、C〜Cアルキル、フェニル又はシクロフェニルである〕で示されるチタノセンである。特定の例は、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロロ−1−イル)−フェニル)−チタン及びビス(2,6−ジフルオロフェニル)ビス〔(1,2,3,4,5−η)−1−メチル−2,4−シクロペンタジエン−1−イル〕−チタンである。
【0150】
更に好ましい光開始剤は、下記式:
【0151】
【化20】

【0152】
〔式中、R46は、H、C〜C12アルキル又は下記:
【0153】
【化21】

【0154】
であり、R47、R48、R49、R50及びR51は、互いに独立して、水素、非置換のC〜C12アルキルか、又はOH、C〜Cアルコキシ、フェニル、ナフチル、ハロゲン若しくはCNで置換されているC〜C12アルキルであり;ここでアルキル鎖は、場合により1個以上の酸素原子で割り込まれているか;或いはR47、R48、R49、R50及びR51は、互いに独立して、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキルチオ又はNR3637であり;R36及びR37は、互いに独立して、水素、非置換のC〜C12アルキルか、又はOH若しくはSHで置換されているC〜C12アルキルであり、ここでアルキル鎖は、場合により1〜4個の酸素原子で割り込まれているか;或いはR36又はR37は、互いに独立して、C〜C12アルケニル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ベンジル又はフェニルであり;そしてYは、場合により1個以上の酸素原子で割り込まれているC〜C12アルキレンである〕で示されるフェニルグリオキサレートである。特定の例は、オキソ−フェニル酢酸2−〔2−(2−オキソ−2−フェニル−アセトキシ)−エトキシ〕−エチルエステルである。
【0155】
更に好ましい光開始剤は、下記式:
【0156】
【化22】

【0157】
〔式中、zは、0又は1であり;R52は、水素、C〜Cシクロアルキル;非置換又は1つ以上のハロゲン、フェニル及び/若しくはCNで置換されているC〜C12アルキルであるか;或いはR52は、C〜Cアルケニル;非置換又は1つ以上のC〜Cアルキル、ハロゲン、CN、OR55、SR56及び/若しくはNR5758で置換されているフェニルであるか;或いはR52は、C〜Cアルコキシ、ベンジルオキシ;又は非置換又は1つ以上のC〜Cアルキル及び/若しくはハロゲンで置換されているフェノキシであり;R53は、フェニル、ナフチル、ベンゾイル又はナフトイルであり、それぞれハロゲン、C〜C12アルキル、C〜Cシクロアルキル、ベンジル、フェノキシカルボニル、C〜C12アルコキシカルボニル、OR55、SR64、SOR56、SO56及び/又はNR5758で1〜7回置換されており、ここで置換基OR55、SR56及びNR5758は、場合より、ラジカルR55、R56、R57及び/若しくはR58を介して、フェニル若しくはナフチル環の更なる置換基と5員若しくは6員環を形成するか;又はそれぞれフェニルにより、又は1つ以上のOR55、SR56及び/若しくはNR5758で置換されているフェニルにより置換されているか;或いはR53は、チオキサンチル又は下記:
【0158】
【化23】

【0159】
であり、R54は、水素;非置換C〜C20アルキル、又は1つ以上のハロゲン、OR55、フェニルで置換されているC〜C20アルキルであるか;又はC〜Cシクロアルキル;非置換又は1つ以上のC〜Cアルキル、フェニル、ハロゲン、OR55、SR56及び/若しくはNR5758で置換されているフェニルであるか;又は非置換又は1つ以上のC〜Cアルキル、フェニル、OR55、SR56及び/若しくはNR5758で置換されている、C〜C20アルカノイル若しくはベンゾイルであるか;又はC〜C12アルコキシカルボニル、フェノキシカルボニル、CN、−CONR5758、NO、C〜Cハロアルキル、S(O)−C〜Cアルキル若しくはS(O)−フェニルであり;yは、1又は2であり;R55及びR56は、互いに独立して、水素、C〜C20アルキル、C〜C12アルケニル、C〜Cシクロアルキル、フェニル−C〜Cアルキルであるか;又は−OH、−SH、−CN、C〜Cアルカノイル、ベンゾイルでC〜Cアルキルであり、これは、非置換又は1つ以上のC〜Cアルキル、ハロゲン、−OH、C〜Cアルコキシ若しくはC〜Cアルキルスルファニルで置換されているか;又はフェニル若しくはナフチルであり、それぞれ非置換であるか又はハロゲン、C〜C12アルキル、C〜C12アルコキシ、フェニル−C〜Cアルキルオキシ、フェノキシ、C〜C12アルキルスルファニル、フェニルスルファニル、−N(C〜C12アルキル)、ジフェニルアミノで置換されており;R57及びR58は、互いに独立して、水素、C〜C20アルキル、C〜Cヒドロキシアルキル、C〜C10アルコキシアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cシクロアルキル、フェニル−C〜Cアルキル、C〜Cアルカノイル、C〜C12アルケノイル、ベンゾイルであるか;又はフェニル若しくはナフチルであり、それぞれ非置換であるか又はC〜C12アルキル、ベンゾイル若しくはC〜C12アルコキシで置換されているか;或いはR57及びR58は、共に、場合により−O−若しくは−NR55−で割り込まれている、及び/又は場合によりヒドロキシ、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルカノイルオキシ、若しくはベンゾイルオキシで置換されている、C〜Cアルキレンであり;R59は、C〜C12アルキル、フェニル、C〜C12アルキルフェニル又は2−(2′−テトラヒドロフリル)−フェニルである〕で示されるオキシムである。特定の例は、1,2−オクタンジオン1−〔4−(フェニルチオ)フェニル〕−2−(O−ベンゾイルオキシム)、エタノン1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)及び9H−チオキサンテン−2−カルボキシアルデヒド9−オキソ−2−(O−アセチルオキシム)である。
【0160】
光開始剤の更なる例は、Lambertから入手可能なEsacure(登録商標)1001であり、これは、1−〔4−(4−ベンゾイルフェニルスルファニル)フェニル〕−2−メチル−2−(4−メチルフェニルスルホニル)プロパン−1−オン
【0161】
【化24】

【0162】
である。
【0163】
最も好ましい光開始剤は、以下の化合物:
【0164】
【化25】

【0165】
である。
【0166】
光開始剤を増感剤及び/又は光安定剤と組み合わせて使用することができる。
【0167】
光開始剤の総含有量は、好ましくは、組成物の固形分に基づいて、0.01〜10重量%、好ましくは0.05〜8重量%、特に好ましくは1〜5重量%である。
【0168】
染料含有硬化性組成物を製造するにあたり、一般に溶媒が使用される。溶媒は、対応する化合物の溶解性及び染料含有硬化性組成物の被覆特性を満足させる限り特に限定されず、好ましくは、特に、アルカリ可溶性結合剤の溶解性、被覆特性及び安全性を考慮して選択される。
【0169】
適切な溶媒には、エステル、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、酪酸ブチル及びメトキシ酢酸メチル、1−メトキシ−2−プロピル−アセテート(PGMEA)、2−メトキシ−1−プロピル−アセテート、メチルセルセルソルブアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ブチルカルビトールアセテート及びポリエチレングリコールメチルエーテルアクリレート(PEGMEA)のようなエーテルエステル、エーテル、例えばテトラヒドロフラン、ケトン、例えば2−ブタノン、シクロペンタノン及びシクロヘキサノン、並びにトルエン及びキシレンのような芳香族炭化水素が含まれる。
【0170】
図1は、実施例2の生成物の吸収スペクトルを示す。
図2は、実施例2の生成物を使用して得られたカラーフィルターの透過スペクトルを示す。
【0171】
以下の実施例は、制限することなく本発明を説明する(「%」は、特に指定のない限り重量に基づく)。
【0172】
実施例1:クロロスルホン酸23gを、1−アミノ−2−(4−tert−ブチル−フェノキシ)−4−(2,4,6−トリメチル−フェニルアミノ)−アントラキノン50gに、0〜5℃に冷却しながら、温度が10℃を超えないような速度で滴加した。添加が完了した後(約30分間)、温度を19℃まで上昇させた。次に反応混合物を氷水2Lに注意深く注いだ。得られた3−〔4−アミノ−3−(4−tert−ブチル−フェノキシ)−9,10−ジオキソ−9,10−ジヒドロ−アントラセン−1−イルアミノ〕−2,4,6−トリメチル−ベンゼンスルホンクロリドの紫色の懸濁液を濾過し、湿潤プレスケーキとして更に次の工程に使用した。次に、予め調製した中間体をテトラヒドロフランに懸濁し、0℃に冷却した。過剰量の2−アミノ−エタノールを0℃で滴加して、紫色の溶液をもたらし、次にそれをロータリーエバポレーターで濃縮した。水2Lを残渣に添加し、紫色の微細懸濁液を得て、それをガラスフィルター(多孔度3)で濾過し、60℃/5・10Paで18時間乾燥した。以下の式の生成物を紫色の微細粉末として得た:
【0173】
【化26】

【0174】
分子量:627g/mol(ESI−LC−MS、陰イオン化);
純度:96.3%(HPLC、THF、λmax=256nm+586nm);
融点:222℃(示差走査熱量測定、10℃/分);
NMR(DMSO−d+DO);8.22(m,2H),7.78(m,2H),7.28(d,2H),6.96(s,1H),6.90(d,2H),5.41(s,1H),3.24(t,2H),2.64(m,2H),2.41(s,3H),2.27(s,3H),1.96(s,3H),1.18(s, 9H);
分析: C H N O S
[%] 66.99 6.52 6.40 15.23 5.03
計算値:66.97 5.94 6.69 15.29 5.11
【0175】
実施例2:実施例1と同じ手順を使用したが、第2工程において2−アミノ−エタノールの代わりに2−(2−ヒドロキシ−エチルアミノ)−エタノールを使用することが異なっていた。以下の式の生成物を得た:
【0176】
【化27】

【0177】
分子量:671g/mol(ESI−LC−MS、陰イオン化);
純度:96.6%(HPLC、THF、λmax=240nm+586nm);
融点:227℃(示差走査熱量測定、10℃/分);
NMR(DMSO−d+DO);8.25(m,2H),7.81(m,2H),7.32(d,2H),7.01(s,1H),6.91(d,2H),5.43(s,1H),3.35(m,4H),3.14(t,4H),2.43(s,3H),2.26(s,3H),1.98(s,3H),1.20(s,9H);
分析: C H N O S
[%] 66.22 6.59 6.08 16.32 4.76
計算値:66.15 6.15 6.25 16.67 4.77
【0178】
実施例3:実施例1と同じ手順を使用したが、第2工程において2−アミノ−エタノールの代わりに2−(2−アミノ−エトキシ)−エタノールを使用することが異なっていた。以下の式の生成物を得た:
【0179】
【化28】

【0180】
分子量:671g/mol(ESI−LC−MS、陰イオン化);
純度:92.9%(HPLC、THF、λmax=256nm+586nm);
融点:173℃(示差走査熱量測定、10℃/分);
NMR(DMSO−d+DO);8.28(m,2H),7.83(m,2H),7.34(d,2H),7.03(s,1H),6.97(d,2H),5.50(s,1H),3.42(m,4H),3.29(m,4H),2.50(s,3H),2.35(s,3H),2.03(s,3H),1.25(s,9H);
分析: C H N O S
[%] 65.96 6.15 5.77 16.58 4.63
計算値:66.15 6.15 6.25 16.67 4.77
【0181】
実施例4〜192:以下の式の化合物を、実施例1〜3と密接に類似して調製した:
【0182】
【化29】


【表1】























【0183】
実施例193〜204:一般手順。
アクリル酸/アクリレートポリマー樹脂結合剤、有機溶媒、光開始剤、重合性モノマー、染料及び任意の分散剤を含有する液体配合物を、撹拌により均質化し、0.45μmのTeflon(商標)フィルターで濾過した。この配合物のスピンコーティングを、多様な層厚を得るために、多様な回転速度によりガラスプレート上で実施した。100℃で2分間のソフトベークによって、必要な薄透明層を得た。マスクを介して30秒間のUV暴露、続く塩基水性現像及び200℃で5分間の最終ポストベークによって、構造化パターンを得た。
配合物A:
8.89部 Disperbyk(登録商標)161(カチオン性ポリウレタン、分散剤)
19.41部 アクリル酸/アクリレート樹脂結合剤
67.20部 シクロペンタノン
10.53部 Sartomer(登録商標)399(ジペンタエリトリトールペンタアクリレート)
0.84部 2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン
配合物B:
8.41部 Disperbyk(登録商標)161(カチオン性ポリウレタン、分散剤)
19.27部 アクリル酸/アクリレート樹脂結合剤
67.10部 シクロペンタノン
10.90部 Sartomer(登録商標)399(ジペンタエリトリトールペンタアクリレート)
0.84部 2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン
配合物C:
10.85部 C.I.ピグメントブルー15:6
1.09部 Solsperse(登録商標)5000
15.89部 Disperbyk(登録商標)161
56.63部 1−メトキシ−2−プロピル−アセテート(PGMEA)
15.54部 アクリル酸/アクリレート樹脂結合剤
【0184】
実施例193〜201:マスクも光による暴露もない。
【0185】
実施例193:実施例1の化合物0.20gを、配合物B 2.01gに溶解し、上記に記載した一般手順に従って24×40mmのガラスプレートに適用した。回転速度1000rpmで、次のカラーポイント値を得た:x=0.2575、y=0.1430、Y=15.13。
【0186】
実施例194:実施例1の化合物0.43gを、配合物B 4.53gに溶解し、上記に記載した一般手順に従って52×75mmのガラスプレートに適用した。コントラストの測定は、TSUBOSAKA ELECTRIC装置で実施した。以下の値を得た:
【0187】
【表2】

【0188】
実施例195:実施例2の化合物0.20gを、配合物B 2.01gに溶解し、上記に記載した一般手順に従って24×40mmのガラスプレートに適用した。回転速度1000rpmで、次のカラーポイント値を得た:x=0.2295、y=0.0942、Y=7.90。
【0189】
実施例196:実施例2の化合物0.42gを、配合物B 4.52gに溶解し、上記に記載した一般手順に従って52×75mmのガラスプレートに適用した。コントラストの測定は、TSUBOSAKA ELECTRIC装置で実施した。以下の値を得た:
【0190】
【表3】

【0191】
実施例197:実施例3の化合物0.20gを、配合物B 2.01gに溶解し、上記に記載した一般手順に従って24×40mmのガラスプレートに適用した。回転速度1000rpmで、次のカラーポイント値を得た:x=0.2295、y=0.0961、Y=8.19。
【0192】
実施例198:実施例3の化合物0.44gを、配合物B 4.55gに溶解し、上記に記載した一般手順に従って52×75mmのガラスプレートに適用した。コントラストの測定は、TSUBOSAKA ELECTRIC装置で実施した。以下の値を得た:
【0193】
【表4】

【0194】
実施例199(C.I.ピグメントブルー15:6と実施例2の化合物の混合物):配合物A 4.00gを配合物C 4.00gと混合した。この混合物3.20gに、シクロペンタノン4.06gに溶解した実施例2の化合物0.40gを含有する溶液0.80gを加えた。得られた樹脂配合物を、上記に記載した一般手順に従って52×75mmのガラスプレートに多様な回転速度で適用した。以下の値を得た:
【0195】
【表5】

【0196】
実施例200:(C.I.ピグメントブルー15:6と実施例3の化合物の混合物):配合物A 4.00gを配合物C 4.00gと混合した。この混合物3.20gに、シクロペンタノン4.06gに溶解した実施例3の化合物0.40gを含有する溶液0.80gを加えた。得られた樹脂配合物を、上記に記載した一般手順に従って52×75mmのガラスプレートに多様な回転速度で適用した。以下の値を得た:
【0197】
【表6】

【0198】
実施例201(比較):(純粋なC.I.ピグメントブルー15:6)配合物A 1.56gを配合物C 1.41gと混合した。得られた樹脂配合物を、上記に記載した一般手順に従って52×75mmのガラスプレートに多様な回転速度で適用した。以下の値を得た:
【0199】
【表7】

【0200】
実施例202〜204:マイクロリソグラフィーの一般手順。パターン化を、100μm〜1μmの解像範囲を可能にするマスクを介する照射により実現した。UVランプの照射帯域幅は、300nm〜410nmの範囲であり、エネルギー強度は1.4mW/cmであった。現像浴は、市販のJSR 4625を2%濃度で調製した水性塩基現像液であった。
【0201】
実施例202:シクロペンタノン1.32gに溶解した実施例1の化合物0.21gを含有する溶液を、Disperbyk(登録商標)161 0.19g、アクリル酸/アクリレート樹脂結合剤0.44g、Sartomer(登録商標)399 0.22g、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン0.05gを含有する配合物に加えた。Teflon(商標)フィルター(0.45μm)による濾過の後、得られた樹脂配合物を回転速度1000rpmでガラスにスピンコートし、100℃で2分間ソフトベークした。マスクを介して30秒間照射し、続いて水性塩基で5分間現像することによって、非常に良好に解像されたパターンを得て、それを更に200℃で5分間ホットベークした。
【0202】
実施例203:シクロペンタノン1.25gに溶解した実施例2の化合物0.18gを含有する溶液を、Disperbyk(登録商標)161 0.19g、アクリル酸/アクリレート樹脂結合剤0.41g、Sartomer(登録商標)399 0.24g、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン0.03gを含有する配合物に加えた。Teflon(商標)フィルター(0.45μm)による濾過の後、得られた樹脂配合物を回転速度1000rpmでガラスにスピンコートし、100℃で2分間ソフトベークした。マスクを介して30秒間照射し、続いて水性塩基で3分間現像することによって、非常に良好に解像されたパターンを得て、それを更に200℃で5分間ホットベークした。
【0203】
実施例204:シクロペンタノン1.31gに溶解した実施例3の化合物0.20gを含有する溶液を、Disperbyk(登録商標)161 0.20g、アクリル酸/アクリレート樹脂結合剤0.49g、Sartomer(登録商標)399 0.21g、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン0.02gを含有する配合物に加えた。Teflon(商標)フィルター(0.45μm)による濾過の後、得られた樹脂配合物を回転速度1000rpmでガラスにスピンコートし、100℃で2分間ソフトベークした。マスクを介して30秒間照射し、続いて水性塩基で4分間現像することによって、非常に良好に解像されたパターンを得て、それを更に200℃で5分間ホットベークした。
【0204】
実施例205:実施例193〜198について上記に記載された同じ一般手順に従ったが、有機溶媒としてシクロペンタノンの代わりに1−メトキシ−2−プロピル−アセテート(PGMEA)を使用したことが異なっていた。
配合物D:
4.36部 Disperbyk(登録商標)161(カチオン性ポリウレタン、分散剤)
12.08部 アクリル酸/アクリレート樹脂結合剤
33.32部 1−メトキシ−2−プロピル−アセテート(PGMEA)
6.5部 Sartomer(登録商標)399(ジペンタエリトリトールペンタアクリレート)
0.65部 2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン
実施例3の化合物0.10gを、配合物D 1.00gに溶解し、上記に記載した一般手順に従って52×75mmのガラスプレートに適用した。回転速度1000rpmで、次のカラーポイント値を得た:x=0.2540、y=0.1398、Y=14.29。
【0205】
実施例206〜207:実施例109〜114について上記に記載された同じ一般手順に従ったが、Disperbyk(登録商標)161は使用しなかった。
配合物E:
19.81部 アクリル酸/アクリレート樹脂結合剤
76.75部 シクロペンタノン
10.58部 Sartomer(登録商標)399(ジペンタエリトリトールペンタアクリレート)
0.85部 2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン
【0206】
実施例206:実施例2の化合物0.20gを、配合物E 2.00gに溶解し、上記に記載した一般手順に従って52×75mmのガラスプレートに適用した。回転速度1000rpmで、次のカラーポイント値を得た:x=0.2359、y=0.1116、Y=10.44。
【0207】
実施例207:実施例3の化合物0.20gを、配合物E 2.00gに溶解し、上記に記載した一般手順に従って52×75mmのガラスプレートに適用した。回転速度1000rpmで、次のカラーポイント値を得た:x=0.2318、y=0.1057、Y=9.65。
【0208】
実施例208:クロロスルホン酸250mlを、1−アミノ−2−(4−tert−ブチル−フェノキシ)−4−(2,4,6−トリメチル−フェニルアミノ)−アントラキノン50gに23℃で滴加した。添加が完了した後(約45分間)、反応混合物を65℃で加熱した。次に反応混合物を氷水2Lに注意深く注いだ。30分間撹拌した後、得られた3−〔4−アミノ−3−(4−tert−ブチル−フェノキシ)−9,10−ジオキソ−9,10−ジヒドロ−アントラセン−1−イルアミノ〕−2,4,6−トリメチル−ベンゼンスルホンクロリドの紫色の懸濁液をガラスフィルター(多孔度3)で濾過し、それによって得られたプレスケーキを水で洗浄し、湿潤プレスケーキとして更に次の工程に使用した。
【0209】
このプレスケーキのおよそ半分を、テトラヒドロフラン500mlに懸濁した。2−アミノ−エタノール15.12gを10℃で15分間かけて滴加した後、反応混合物を23℃に冷まし、3時間撹拌した。テトラヒドロフランをロータリーエバポレーターで蒸発させ、続いて水1Lを残渣に添加することによって、紫色の懸濁液を得て、それをガラスフィルター(多孔度3)で濾過した。このようにして得られた固体をアセトンに溶解し、紫色の溶液をシリカゲルで濾過した。溶離した濾液をロータリーエバポレーターで蒸発させることによって、(HPLCにより決定された)2つの主要な成分を含む紫色の粉末27.42gを得た:λmax300nm+591nmが42.4%、λmax300nm+589nmが54.5%(CHCN)。ESI−LC−MS(陰イオン化、0.1% CHCN−THF)により決定された分子量は、それぞれ695g/mol及び750g/molであった。
【0210】
【化30】

【0211】
実施例209:実施例208の前段のプレスケーキの後半分を、テトラヒドロフラン500mlに懸濁した。ジエタノールアミン26gを15℃で15分間かけて滴加した後、反応混合物を23℃に冷まして、3時間撹拌した。テトラヒドロフランをロータリーエバポレーターで蒸発させ、続いて水1Lを残渣に添加することによって、紫色の懸濁液を得て、それをガラスフィルター(多孔度3)で濾過した。このようにして得られた固体をアセトンに溶解し、紫色の溶液をシリカゲルで濾過した。溶離した濾液をロータリーエバポレーターで蒸発させることによって、(HPLCにより決定された)2つの主要な成分を含む紫色の粉末27.65gを得た:λmax300nm+592nmが41.8%、λmax300nm+589mが52.2%(CHCN)。ESI−LC−MS(陰イオン化、0.1% CHCN−THF)により決定された分子量は、それぞれ782g/mol及び838g/molであった。
【0212】
【化31】

【0213】
実施例210:実施例193〜204と同じ手順に従って、実施例208の化合物0.02gを、配合物B 0.20gに溶解し、24×40mmのガラスプレートに適用した。回転速度1000rpmで、次のカラーポイント値を得た:x=0.1958、y=0.0830、Y=6.20。
【0214】
実施例211:実施例193〜204と同じ手順に従って、実施例209の化合物0.02gを、配合物B 0.20gに溶解し、24×40mmのガラスプレートに適用した。回転速度1000rpmで、次のカラーポイント値を得た:x=0.1934、y=0.0767、Y=5.77。
【0215】
実施例212:クロロスルホン酸150mlをフラスコの中に入れ、0℃に冷却した。1−アミノ−2−(4−tert−ブチル−フェノキシ)−4−(2,4,6−トリメチル−フェニルアミノ)−アントラキノン20gの少量ずつの添加を、11分間かけてゆっくりと実施すると、添加の終了時には反応混合物の温度が5℃になった。30分間撹拌した後、反応混合物を氷水2Lにゆっくりと注いだ。再び30分間撹拌した後、得られた紫色の懸濁液をガラスフィルター(多孔度3)で濾過し、このようにして得たプレスケーキを湿潤プレスケーキとして更に次の工程に使用した。
【0216】
プレスケーキをテトラヒドロフランに懸濁し、5℃に冷却した。2−(2−アミノ−エトキシ)−エタノール12.49gの滴加を5℃で15分間かけて実施し、次に反応混合物を撹拌し、3時間かけて23℃に冷ました。テトラヒドロフランをロータリーエバポレーターで蒸発させることによって、油状残渣を得て、それを水で粉砕した。水をデカントした後、残渣を60℃/5・10Paで3時間乾燥した。
【0217】
乾燥生成物をジクロロメタンに溶解した後、ジクロロメタンを用いてシリカゲルで溶離して最初のスポットを排除し、アセトンを用いて更に溶離すると、第2の画分を得て、それをロータリーエバポレーターで蒸発させ、60℃/5・10Paで3時間乾燥した。このようにして得た粉末を、ジクロロメタン/アセトン(4:1)を用いて溶離するシリカゲルでの濾過により更に精製した。溶媒の蒸発によって紫色の粉末9.99gを得た。
【0218】
実施例213:クロロスルホン酸800mlをフラスコの中に入れ、0℃に冷却した。1−アミノ−2−(4−tert−ブチル−フェノキシ)−4−(2,4,6−トリメチル−フェニルアミノ)−アントラキノン105gの少量ずつの添加を、ゆっくりと実施し、反応混合物の温度を、添加の終了時に5℃に保持した。55分間撹拌した後、反応混合物を氷水−塩化ナトリウム2Lに撹拌下でゆっくりと注ぎ、反応混合物の温度を15℃にした。添加を50分後に終了し、得られた紫色の懸濁液をガラスフィルター(多孔度3)で濾過し、このようにして得たプレスケーキを冷水で洗浄し、湿潤プレスケーキとして更に次の工程に使用した。
【0219】
プレスケーキをテトラヒドロフラン1.5Lに懸濁し、10℃に冷却した。2−(2−アミノ−エトキシ)−エタノール66.20gの滴加を窒素下、10℃で15分間かけて実施し、次に反応混合物を撹拌し、4時間かけて23℃に冷ました。テトラヒドロフランをロータリーエバポレーターで蒸発させ、水2Lを添加した後、懸濁液をガラスフィルター(多孔度3)で濾過し、固体を60℃/5・10Paで3時間乾燥した。残渣をジクロロメタン/アセトン(4:1)3Lに溶解した後、シリカゲル1kgをゆっくりと加え、混合物を撹拌し、均質化した。ガラスフィルター(多孔度4)で濾過し、続いて濾液をロータリーエバポレーターで蒸発させることによって残渣を得て、それをジクロロメタン/アセトン(4:1)2Lに溶解し、再び蒸発乾固した。60℃/5・10Paで7時間乾燥すると、紫色の粉末60.75gを得た。
【0220】
実施例214:クロロスルホン酸40mlをフラスコの中に入れ、−5℃に冷却した。1−アミノ−2−(4−tert−ブチル−フェノキシ)−4−(2,4,6−トリメチル−フェニルアミノ)−アントラキノン5gの少量ずつの添加を、ゆっくりと実施した。反応混合物を0℃に保持し、40分間撹拌し、次に氷水−塩化ナトリウム100mlに撹拌下で10分間かけてゆっくりと注いだ。得られた紫色の懸濁液をガラスフィルター(多孔度3)で濾過し、このようにして得たプレスケーキを冷水で洗浄し、湿潤プレスケーキとして更に次の工程に使用した。
【0221】
氷/水50ml中の2−(2−アミノ−エトキシ)−エタノール2gを、反応フラスコの中に入れ、それに、およそ半分の上記で調製した湿潤プレスケーキを加えた。反応混合物を50℃で3時間加熱し、その後加熱を停止し、反応混合物を23℃に冷ました。ガラスフィルター(多孔度3)で濾過し、続いて水で洗浄し、その後に60℃/5・10Paで3時間乾燥すると、紫色の粉末3.2gを得た。
【0222】
実施例215:クロロスルホン酸800mlをフラスコの中に入れ、−5℃に冷却した。1−アミノ−2−(4−tert−ブチル−フェノキシ)−4−(2,4,6−トリメチル−フェニルアミノ)−アントラキノン105gの少量ずつの添加を、ゆっくりと実施し、反応混合物の温度を、1℃を超えて上昇させず、添加の終了時には−2℃であった。−2℃で30分間撹拌し、およそ30分間−18℃に更に冷却した後、反応混合物を0℃にし、薄層クロマトグラフィーは、試薬の1−アミノ−2−(4−tert−ブチル−フェノキシ)−4−(2,4,6−トリメチル−フェニルアミノ)−アントラキノンの完全な消費を示した。次に反応混合物を氷水−塩化ナトリウム800mlに撹拌下で注意深く注ぎ、反応混合物の温度を15℃にした。添加を30分後に終了し、得られた紫色の懸濁液を濾過した。このようにして得られたプレスケーキを水5Lで洗浄し、湿潤プレスケーキとして更に次の工程に使用した。
【0223】
氷/水400mlに溶解した2−(2−アミノ−エトキシ)−エタノール88.3gを含有する反応フラスコを5℃に冷却した。予め調製したプレスケーキを、反応フラスコに少量ずつ加え、2−(2−アミノ−エトキシ)−エタノールの別の部分200mlを更に加えた。次に反応混合物を撹拌下、55℃で30分間加熱し、次に23℃に冷ました。原材料を濾過により単離し、60℃/5・10Paで3時間乾燥した。アセトン/ヘキサン(7:3)に溶解し、続いてシリカゲル(同じ溶離剤6L)で濾過することによって、紫色の粉末89.14gを、溶媒をロータリーエバポレーターで蒸発させた後で得た。
【0224】
実施例216:クロロスルホン酸560mlをフラスコの中に入れ、−5℃に冷却した。1−アミノ−2−(4−tert−ブチル−フェノキシ)−4−(2,4,6−トリメチル−フェニルアミノ)−アントラキノン70gの少量ずつの添加を、ゆっくりと実施し、反応混合物の温度を、5℃を超えて上昇させず、添加の終了時には0℃であった。0℃で40分間撹拌した後、反応混合物を氷水−塩化ナトリウム2Lに撹拌下で注意深く注ぎ、反応混合物の温度を0℃に保持した。添加を60分後に終了し、得られた紫色の懸濁液を濾過した。このようにして得られたプレスケーキをそれぞれ水3Lで3回洗浄し、その後の濾液のpHは、依然として1.7であった。プレスケーキを、湿潤プレスケーキとして更に次の工程に使用した。
【0225】
氷/水400ml中の上記で調製されたプレスケーキの懸濁液に、2−(2−アミノ−エトキシ)−エタノール58.4gをゆっくりと加えた。反応混合物を47℃で6.5時間加熱し、次に熱いままで濾過した。プレスケーキを、水500ml中で撹拌することによって更に分散し、80℃に加熱した。濾過し、濾液が無色になるまで熱水で繰り返し洗浄し、最後に濾過することにより生成物を得て、それをアセトンに溶解し、濾過し、ロータリーエバポレーターで蒸発乾固した。残渣を60℃/5・10Paで8時間乾燥すると、紫色の粉末43gを得た。
【0226】
実施例217:クロロスルホン酸115mlをフラスコの中に入れ、−5℃に冷却した。1−アミノ−2−(4−tert−ブチル−フェノキシ)−4−(2,4,6−トリメチル−フェニルアミノ)−アントラキノン15gの少量ずつの添加を、8分間かけてゆっくりと実施し、反応混合物の温度は0℃を超えさせなかった。1℃で20分間撹拌した後、反応混合物を氷水−塩化ナトリウム1Lに撹拌下で注意深く注いだ。添加を25分後に終了し、得られた紫色の懸濁液を濾過した。このようにして得られたプレスケーキを冷水500mlで洗浄し、氷/水700ml中に2回懸濁し、その度に濾過した。氷/水200mlに10℃で懸濁した湿潤プレスケーキに、2−(2−アミノ−エトキシ)−エタノール12.48gを5分間かけてゆっくりと加えた。反応混合物を55℃まで18時間加熱し、次に熱いままでガラスフィルター(多孔度4)により濾過した。プレスケーキを更に温水で繰り返し洗浄し(合計1200ml)、次に60℃/5・10Paで12時間乾燥して、紫色の粉末16.23gを得た。
【0227】
下記の示差走査熱量測定(DSC)、HPLC、元素分析(CHNOS)及び質量分析(MS)データにより比較が可能となる。
【0228】
【表8】

【0229】
実施例3及び212〜217のDSCデータの比較は、溶融のパターンが一定ではないので驚くべきものである。実施例3及び213は、およそ174℃で単一の吸熱性ピークを示し、一方、実施例212、214及び217は、およそ85℃で単一のピークを示す。加えて、実施例215及び216は、およそ80℃及び130℃で2つの明確な吸熱性ピークを示し、液晶層の存在を示している(Liquid Crystals 27/8, 1075-1085 [2000]を参照すること)。
【0230】
全ての試料は、HPLCによると純度が少なくとも83%で分子量が671g/molの以下の主要成分を含む:
【0231】
【化32】

【0232】
質量分析により検出された、m/eが584、614/615、695、751及び782g/molの更なる成分を、それぞれ以下の構造M又はMH(R66=〔(CHO〕H):
【0233】
【化33】


に特定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0234】
【図1】図1は、実施例2の生成物の吸収スペクトルを示す。
【図2】図2は、実施例2の生成物を使用して得られたカラーフィルターの透過スペクトルを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
α銅フタロシアニン又はε銅フタロシアニンを含むカラーフィルターのコントラストを増強させる方法であって、
可視スペクトルにおけるその最もバソクロミックなジクロロメタン溶液の吸収ピークが575〜615nm、好ましくは585〜605nmである、1,4−ジアミノ−アントラキノン染料又はその1,9−縮環誘導体を、
・α銅フタロシアニン若しくはε銅フタロシアニンに加え、銅フタロシアニンと一緒に液体媒質中に分散するか;
・液体とα銅フタロシアニン若しくはε銅フタロシアニンとを含む予め作製した懸濁液に加え、次に懸濁液を分散するか;
・液体とα銅フタロシアニン若しくはε銅フタロシアニンとを含む予め作製した分散物に加えるか;又は
・液体に加え、続いてα銅フタロシアニン若しくはε銅フタロシアニン及び分散物を液体に添加する;
得られた分散物はα銅フタロシアニン若しくはε銅フタロシアニンと1,4−ジアミノ−アントラキノン染料又はその1,9−縮環誘導体の両方を含み、得られた分散物を基材に適用する;次いで、好ましくはパターン化されたカラーフィルター層を、乾燥及び/又は硬化することにより形成する、方法。
【請求項2】
1,4−ジアミノ−アントラキノン染料又はその1,9−縮環誘導体が、式(I):
【化1】


〔式中、
は、O又はSであり;
は、Oであり、Xは、NH又はNHR11であるか;或いはX及びXは、一緒になって、=C(R12)−CON(R11)−又は=N−C(R12)=N−であり;
、R、R、R、R、R、R、R及びR10は、それぞれ他の全てから独立して、H、ハロゲン、CN、CONR1314若しくはCOOR14、又はベンジル、又は非置換であるか又はH、ハロゲン、CN、CONR1314若しくはCOOR14で1回以上置換されているC〜C20アルキルであるか;或いはR及び/又はRは、代替的にSONR1314であり;
は、H、CONR1314又はSONR1314であり;
11及びR12は、それぞれ他の全てから独立して、ベンジル、又は非置換であるか又はハロゲン、OH,O−C〜C20アルキル若しくはCNで1回以上置換されているC〜C20アルキルであるか;或いはR12は、代替的にHであり;
各R13は、他のいずれかのR13から独立して、H又はR15であり;
14及びR15は、互いに独立しており、各R14又はR15は、他のいずれかのR14又はR15から独立して、C〜C20アルキル、C〜C20シクロアルキル、C〜C20アルケニル、C〜C20アルキニル、C〜C20シクロアルケニル又はC〜C20アラルキルであり、それぞれ非置換であるか又はハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、オキソ、チオ、C〜Cアルキルアミノ、ジ(C〜Cアルキル)アミノ、C〜Cアルコキシ若しくはC〜Cアルキルチオで1回以上置換されており;R14及びR15が、脂肪族鎖を含む場合、脂肪族鎖は、非割込みであるか又はO、S、NH若しくはN(C〜Cアルキル)で1回から(n−2)/2回割り込まれており、nは、R14及びR15における脂肪族炭素原子の総数であり;そしてR14及びR15は、場合によりそれら間の追加的な直接結合を介して一緒に結合することができ;
式(I)の2つのラジカルは、場合により、直接結合を介して、又は式(I)の両方のラジカルのそれぞれの置換基R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12及びR14をそれぞれ一緒に連結している基−O−、−S−、−NR14−、−CO−、−CO−、−CONR14−若しくは−CO−を介して一緒に結合することができる〕
で示される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
1,4−ジアミノ−アントラキノン染料又はその1,9−縮環誘導体が、式(II):
【化2】


〔式中、
16は、ハロゲン、フェニル、ベンジル又はC〜Cアルキルであり、そしてR17は、Hであるか、R16は、Hであり、そしてR17は、C〜Cアルキルであるか、或いはR16とR17の両方ともHであり;R18は、H、ハロゲン、C〜Cアルキル又はSONR1314であり;R19、R20及びR21は、それぞれ他から独立して、ハロゲン又はC〜Cアルキルであり;R22は、Hであるか、又は適用可能である場合はR18から独立して、SONR1314である〕
で示される、請求項2記載の方法。
【請求項4】
18が、H又はSONR1314であり;そしてR22が、Hであるか又はR18から独立して、SONR1314である、請求項3記載の方法。
【請求項5】
0.1〜70重量%のα銅フタロシアニン又はε銅フタロシアニンと、銅フタロシアニンの重量に基づいて0.1〜100重量%の、可視スペクトルにおけるその最もバソクロミックなジクロロメタン溶液の吸収ピークが575〜615nm、好ましくは585〜605nmである、1,4−ジアミノ−アントラキノン染料又はその1,9−縮環誘導体と、結合剤又は重合性化合物を含む液体媒質とを含む組成物。
【請求項6】
1,4−ジアミノ−アントラキノン染料又はその1,9−縮合誘導体が、請求項2で定義された式(I)又は請求項3で定義された式(II)で示されるものである、請求項5記載の組成物。
【請求項7】
透明基材と、その上の1つの層又は、少なくとも1つの層(i)が、可視スペクトルにおけるその最もバソクロミックなジクロロメタン溶液の吸収ピークが575〜615nm、好ましくは585〜605nmである1,4−ジアミノ−アントラキノン染料又はその1,9−縮環誘導体を含み、層(i)又は異なる層(ii)が、α銅フタロシアニン又はε銅フタロシアニン顔料を含む、複数の層とを含む、カラーフィルター。
【請求項8】
銅フタロシアニンの量が、含まれている層の重量に基づいて1〜75重量%であり、同じ層における1,4−ジアミノ−アントラキノン染料又はその1,9−縮合誘導体の量が、銅フタロシアニンの重量に基づいて0.1〜100重量%である、請求項7記載のカラーフィルター。
【請求項9】
透明基材と、その上の1つの層、又は少なくとも1つの層が、請求項2で定義された式(I)、好ましくは請求項3で定義された式(II)の1,4−ジアミノ−アントラキノン染料又はその1,9−縮合誘導体を含む、複数の層とを含む、カラーフィルター。
【請求項10】
カラーフィルターの製造のための、又はカラーフィルターの製造のための組成物における、請求項2で定義された式(I)の化合物、好ましくは請求項3で定義された式(II)の化合物の使用。
【請求項11】
0.1〜70重量%のα銅フタロシアニン又はε銅フタロシアニンと、銅フタロシアニンの重量に基づいて0.1〜100重量%の、可視スペクトルにおけるその最もバソクロミックなジクロロメタン溶液の吸収ピークが575〜615nm、好ましくは585〜605nmである、1,4−ジアミノ−アントラキノン染料又はその1,9−縮環誘導体と、結合剤又は重合性化合物を含む液体媒質とを含む組成物を、場合によりパターン化された又はパターン化されていない層をその上に含む透明基材に適用し、組成物を乾燥及び/又は硬化して、パターン化された又はパターン化されていない層を得る、カラーフィルターの製造方法。
【請求項12】
式(II):
【化3】


〔式中、
16は、ハロゲン、フェニル、ベンジル又はC〜Cアルキルであり、そしてR17は、Hであるか、R16は、Hであり、そしてR17は、C〜Cアルキルであるか、或いはR16とR17は、両方ともHであり;R18は、H、ハロゲン、C〜Cアルキル又はSONR1314であり;R19、R20及びR21は、それぞれ他から独立して、ハロゲン、C〜Cアルキルであり;R22は、R18から独立して、SONR1314であり、式(II)の2つのラジカルは、場合により、直接結合を介して、又は式(II)の両方のラジカルのそれぞれの置換基R16、R17、R18、R19、R20、R21及びR11を一緒に連結している基−O−、−S−、−NR14−、−CO−、−CO−、−CONR14−若しくは−CO−を介して一緒に結合することができ、
各R13は、他のいずれかのR13から独立して、H又はR15であり;
14及びR15は、互いに独立しており、各R14及びR15は、他のいずれかのR14又はR15から独立して、C〜C20アルキル、C〜C20シクロアルキル、C〜C20アルケニル、C〜C20アルキニル、C〜C20シクロアルケニル又はC〜C20アラルキルであり、それぞれ非置換であるか又はハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、オキソ、チオ、C〜Cアルキルアミノ、ジ(C〜Cアルキル)アミノ、C〜Cアルコキシ若しくはC〜Cアルキルチオで1回以上置換されており;R14及びR15が、脂肪族鎖を含む場合、脂肪族鎖は、非割込みであるか又はO、S、NH若しくはN(C〜Cアルキル)で1回から(n−2)/2回割り込まれており、nは、R14及びR15における脂肪族炭素原子の総数であり;R14及びR15は、場合によりそれら間の追加的な直接結合を介して一緒に結合することができ;
式(I)の2つのラジカルは、場合により、直接結合を介して、又は式(I)の両方のラジカルのそれぞれの置換基R14、R16、R17、R18、R19、R20、R21及びR22を一緒に連結している基−O−、−S−、−NR14−、−CO−、−CO−、−CONR14−若しくは−CO−を介して一緒に結合することができる〕
で示される化合物。
【請求項13】
顔料を含む高分子量有機材料の色を増強する又は変更するための、請求項2記載の式(I)の化合物、好ましくは請求項3記載の式(II)の化合物の使用。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2009−527014(P2009−527014A)
【公表日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−554735(P2008−554735)
【出願日】平成19年2月7日(2007.2.7)
【国際出願番号】PCT/EP2007/051154
【国際公開番号】WO2007/093536
【国際公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【出願人】(508120547)チバ ホールディング インコーポレーテッド (81)
【氏名又は名称原語表記】CIBA HOLDING INC.
【Fターム(参考)】