説明

増強された生物学的能力を有するインターフェロン−βのポリマー結合体

サイトカインおよびそのレセプター結合アンタゴニスト、特に非グリコシル化インターフェロン−β、のポリマー結合体の合成のために、方法が提供される。これらの結合体は、通常高い生物学的効力を保持する。本発明の方法に従うポリマー結合体の調製物は、レセプター−リガンド相互作用の立体的阻害を減少または回避する。この減少または回避は、通常、サイトカインならびにそのアゴニスト性アナログおよびアンタゴニスト性アナログのレセプター結合領域に対する、ポリマーの付加によって生じる。本発明はまた、このような方法によって生成された結合体および組成物を提供する。本発明の結合体は、サイトカインのレセプター結合ドメインを避けることを目的としない伝統的なポリマーカップリング法によって生成されたものと比較して、高レベルの生物学的効力を保持する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
非グリコシル化インターフェロン−βの生物学的効力を増加するための方法であって、一種以上の合成水溶性ポリマーを該インターフェロン−βのアミノ末端アミノ酸に選択的に結合する工程を包含し、ここで、該アミノ末端アミノ酸が、該インターフェロン−βのレセプター結合ドメインから離れて位置する、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記生物学的効力が、インターフェロン−βに対して応答する細胞−培養物アッセイにおいて測定される、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、前記一種以上のポリマーが、一種以上のポリアルキレングリコール、一種以上のポリアルキレンオキシド、一種以上のポリビニルアルコール、一種以上のポリカルボキシレート、一種以上のポリ(ビニルピロリドン)、一種以上のポリ(オキシエチレン−オキシメチレン)、一種以上のポリ(アミノ酸)、一種以上のポリアクリロイルモルホリン、一種以上のアミドと一種以上のアルキレンオキシドとの一種以上のコポリマー、一種以上のデキストラン、ならびに一種以上のヒアルロン酸からなる群より選択される、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、前記インターフェロン−βが、配列番号1に特定されるインターフェロン−β−1bのアミノ酸配列を有する、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、前記インターフェロン−βが、実質的に配列番号1のアミノ酸配列を有する、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、前記ポリマーが、前記アミノ末端アミノ酸のαアミノ酸基に共有結合される、方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法であって、前記ポリマーの前記αアミノ基への共有結合が、第2級アミン連結を介する、方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法であって、前記ポリマーが、前記アミノ末端アミノ酸の化学的に反応性の側鎖基に結合される、方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法であって、前記反応性の側鎖が、インターフェロン−βのアミノ末端セリン残基の選択的酸化的切断によって導入されるアルデヒド基である、方法。
【請求項10】
請求項3に記載の方法であって、前記ポリマーがポリアルキレングリコールである、方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法であって、前記ポリアルキレングリコールが、ポリ(エチレングリコール)、モノ−メトキシポリ(エチレングリコール)およびモノヒドロキシ−ポリ(エチレングリコール)からなる群より選択される、方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法であって、前記ポリアルキレングリコールが、モノメトキシポリ(エチレングリコール)である、方法。
【請求項13】
請求項11に記載の方法であって、前記ポリアルキレングリコールが、モノヒドロキシポリ(エチレングリコール)である、方法。
【請求項14】
請求項10に記載の方法であって、前記ポリアルキレングリコールが、約1kDaと約100kDaとの間(両端を含む)の分子量を有する、方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法であって、前記ポリアルキレングリコールが、約8kDaと約14kDaとの間(両端を含む)の分子量を有する、方法。
【請求項16】
請求項14に記載の方法であって、前記ポリアルキレングリコールが、約10kDaと約30kDaとの間(両端を含む)の分子量を有する、方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法であって、前記ポリアルキレングリコールが、約18kDaと約22kDaとの間(両端を含む)の分子量を有する、方法。
【請求項18】
請求項17に記載の方法であって、前記ポリアルキレングリコールが、約20kDaの分子量を有する、方法。
【請求項19】
請求項14に記載の方法であって、前記ポリアルキレングリコールが、約30kDaの分子量を有する、方法。
【請求項20】
請求項1に記載の方法であって、前記アミノ末端アミノ酸における前記ポリマーの前記インターフェロン−βへの結合が、該インターフェロン−βのグリコシル化または過剰グリコシル化の有利な効果を模倣する、方法。
【請求項21】
請求項1に記載の方法によって作製された、結合体。
【請求項22】
一種以上の請求項21に記載の結合体と一種以上の薬学的に受容可能な賦形剤またはキャリアとを含む、薬学的組成物。
【請求項23】
結合体であって、そのアミノ末端アミノ酸において一種以上の合成水溶性ポリマーに共有結合されたインターフェロン−βを含み、該インターフェロン−βの生物学的効力が、このように結合されなかった同じインターフェロン−βと比較して、増加している、結合体。
【請求項24】
結合体であって、そのアミノ末端アミノ酸において一種以上の合成水溶性ポリマーに共有結合されたインターフェロン−βを含み、該インターフェロン−βの生物学的効力が、一種以上の同じ合成水溶性ポリマーが溶媒にアクセス可能なリジン残基にランダムに結合されている同じインターフェロン−βと比較して、増加している、結合体。
【請求項25】
請求項23または請求項24に記載の結合体であって、該結合体の生物学的効力が、インターフェロン−βに応答する細胞−培養物アッセイにおいて測定される、結合体。
【請求項26】
請求項23または請求項24に記載の結合体であって、前記インターフェロン−βが、配列番号1に特定されるインターフェロン−β−1bのアミノ酸配列を有する、結合体。
【請求項27】
請求項26に記載の結合体であって、前記インターフェロン−β−1bの生物学的効力が、配列番号2に特定されるアミノ酸配列を有しかつアスパラギン残基80においてグリコシル化されているインターフェロン−β−1aの効力近くまで増加する、結合体。
【請求項28】
請求項25に記載の結合体であって、前記インターフェロン−β反応性細胞−培養物アッセイが、抗増殖アッセイ、抗ウイルスアッセイ、シグナル伝達アッセイおよび遺伝子活性化アッセイからなる群より選択される、結合体。
【請求項29】
請求項23または請求項24に記載の結合体であって、前記一種以上のポリマーが、一種以上のポリアルキレングリコール、一種以上のポリアルキレンオキシド、一種以上のポリビニルアルコール、一種以上のポリカルボキシレート、一種以上のポリ(ビニルピロリドン)、一種以上のポリ(オキシエチレン−オキシメチレン)、一種以上のポリ(アミノ酸)、一種以上のポリアクリロイルモルホリン、一種以上のアミドと一種以上のアルキレンオキシドとの一種以上のコポリマー、一種以上のデキストラン、ならびに一種以上のヒアルロン酸からなる群より選択される、結合体。
【請求項30】
請求項23または請求項24に記載の結合体であって、前記ポリマーが、前記インターフェロン−βのアミノ末端アミノ酸のαアミノ基に共有結合されている、結合体。
【請求項31】
請求項30に記載の結合体であって、前記ポリマーの前記αアミノ基への共有結合が、第2級アミン連結を介する、結合体。
【請求項32】
請求項23または請求項24に記載の結合体であって、前記ポリマーが、前記アミノ末端アミノ酸の化学的に反応性の側鎖基に結合されている、結合体。
【請求項33】
請求項32に記載の結合体であって、前記反応性の側鎖が、インターフェロン−βのアミノ末端セリン残基の選択的酸化的切断によって導入されるアルデヒド基である、結合体。
【請求項34】
請求項23または請求項24に記載の結合体であって、前記水溶性ポリマーが、ポリアルキレングリコールである、結合体。
【請求項35】
請求項34に記載の結合体であって、前記ポリアルキレングリコールが、ポリ(エチレングリコール)、モノ−メトキシポリ(エチレングリコール)およびモノヒドロキシポリ(エチレングリコール)からなる群より選択される、結合体。
【請求項36】
請求項35に記載の結合体であって、前記ポリアルキレングリコールが、モノメトキシポリ(エチレングリコール)である、結合体。
【請求項37】
請求項35に記載の結合体であって、前記ポリアルキレングリコールが、モノヒドロキシポリ(エチレングリコール)である、結合体。
【請求項38】
請求項34に記載の結合体であって、前記ポリアルキレングリコールが、約1kDaと約100kDaとの間(両端を含む)の分子量を有する、結合体。
【請求項39】
請求項38に記載の結合体であって、前記ポリアルキレングリコールが、約8kDaと約14kDaとの間(両端を含む)の分子量を有する、結合体。
【請求項40】
請求項38に記載の結合体であって、前記ポリアルキレングリコールが、約10kDaと約30kDaとの間(両端を含む)の分子量を有する、結合体。
【請求項41】
請求項40に記載の結合体であって、前記ポリアルキレングリコールが、約18kDaと約22kDaとの間(両端を含む)の分子量を有する、結合体。
【請求項42】
請求項41に記載の結合体であって、前記ポリアルキレングリコールが、約20kDaの分子量を有する、結合体。
【請求項43】
請求項38に記載の結合体であって、前記ポリアルキレングリコールが、約30kDaの分子量を有する、結合体。
【請求項44】
請求項23または請求項24に記載の結合体であって、前記アミノ末端アミノ酸における、前記インターフェロン−βへの前記ポリマーの結合が、該インターフェロン−βのグリコシル化または過剰グリコシル化の有利な効果を模倣する、結合体。
【請求項45】
請求項21、23および24のいずれか一項に記載の結合体と薬学的に受容可能なキャリアまたは賦形剤とを含む、薬学的組成物。
【請求項46】
請求項21に記載の結合体を含む、キット。
【請求項47】
請求項23または請求項24に記載の結合体を含む、キット。
【請求項48】
請求項22に記載の薬学的組成物を含む、キット。
【請求項49】
請求項45に記載の薬学的組成物を含む、キット。
【請求項50】
インターフェロン−β応答性の身体的障害に罹患しているかまたは該身体的障害の素因がある動物において、該身体的障害を予防するか、診断するか、または処置する方法であって、該動物に、有効量の請求項21、23および25のいずれか一項に記載の結合体を投与する工程を包含する、方法。
【請求項51】
インターフェロン−β応答性身体障害に罹患しているかまたは罹患する素因のある動物において、該身体障害を予防、診断、または処置するための方法であって、該動物に、有効量の、請求項22または請求項45に記載の薬学的組成物を投与する工程を包含する、方法。
【請求項52】
前記動物が、哺乳動物である、請求項50に記載の方法。
【請求項53】
前記動物が、哺乳動物である、請求項51に記載の方法。
【請求項54】
前記哺乳動物が、ヒトである、請求項52または53に記載の方法。
【請求項55】
前記インターフェロン−β応答性身体障害が、癌、感染性疾患、神経変性障害、自己免疫障害、および遺伝的障害からなる群より選択される、請求項50に記載の方法。
【請求項56】
前記癌が、乳癌、子宮癌、卵巣癌、前立腺癌、精巣癌、肺癌、白血病、リンパ腫、結腸癌、消化管の癌、膵臓癌、膀胱癌、腎臓癌、骨の癌、神経の癌、頭頸部の癌、皮膚癌、癌腫、肉腫、腺腫、および骨髄腫からなる群より選択される、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記インターフェロン−β応答性感染性疾患が、ウイルス性肝炎、心向性のウイルスによって引き起こされる疾患、およびHIV/AIDSからなる群より選択される、請求項55に記載の方法。
【請求項58】
前記インターフェロン−β応答性神経変性障害が、多発性硬化症である、請求項55に記載の方法。
【請求項59】
前記多発性硬化症が、再発−寛解型多発性硬化症、一次性進行型多発性硬化症、および二次性進行型多発性硬化症からなる群より選択される、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記インターフェロン−β応答性身体障害が、癌、感染性疾患、神経変性障害、自己免疫障害、および遺伝的障害からなる群より選択される、請求項51に記載の方法。
【請求項61】
前記癌が、乳癌、子宮癌、卵巣癌、前立腺癌、精巣癌、肺癌、白血病、リンパ腫、結腸癌、消化管の癌、膵臓癌、膀胱癌、腎臓癌、骨の癌、神経の癌、頭頸部の癌、皮膚癌、癌腫、肉腫、腺腫、および骨髄腫からなる群より選択される、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記インターフェロン−β応答性感染性疾患が、ウイルス性肝炎、心向性のウイルスによって引き起こされる疾患、およびHIV/AIDSからなる群より選択される、請求項60に記載の方法。
【請求項63】
前記インターフェロン−β応答性神経変性障害が、多発性硬化症である、請求項60に記載の方法。
【請求項64】
前記多発性硬化症が、再発−寛解型多発性硬化症、一次性進行型多発性硬化症、および二次性進行型多発性硬化症からなる群より選択される、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
還元的アルキル化によって合成されるポリマー−タンパク質結合体において、N−末端セリン残基またはN−末端スレオニン残基を有するタンパク質のアミノ末端に付加されるポリマーの量を決定するための方法であって、該方法は、以下:
a)該結合体と十分な量の酸化剤とを、該ポリマーを該セリン残基または該スレオニン残基から切断するのに十分な時間、反応させる工程;および
b)調製物における未結合タンパク質部分の増加を測定する工程、
を包含する、方法。
【請求項66】
前記タンパク質が、サイトカインである、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
前記サイトカインが、インターフェロン−βである、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
前記サイトカインが、巨核球成長因子および巨核球発達因子である、請求項66に記載の方法。
【請求項69】
前記酸化剤が、メタペルヨーデートナトリウム、メタペルヨーデートカリウム、メタペルヨーデートリチウム、ペルヨーデートカルシウム、ペルヨーデートバリウム、および過ヨウ素酸からなる群より選択されるペルヨーデートを含む、請求項65に記載の方法。
【請求項70】
前記測定する工程が、サイズ排除クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、ゲル電気泳動、キャピラリー電気泳動、超遠心分離法、限外濾過、光散乱および質量分析計からなる群より選択される一以上の方法によって行われる、請求項65に記載の方法。
【請求項71】
生物活性タンパク質の機能的に必須なアミノ酸残基を酸化することなく、該生物活性タンパク質のN−末端セリン残基またはN−末端スレオニン残基を選択的に酸化的切断するための方法であって、該方法は、以下:
a)該生物活性タンパク質の溶液の水素イオン濃度を、約7と約8との間のpHに調整する工程;
b)該生物活性タンパク質と、生物活性タンパク質1モル当たり約0.5モル〜約5モルのペルヨーデート溶液とを混合する工程;および
c)該混合物を、少なくとも1時間、約2℃と約40℃との間の温度でインキュベートする、工程、
を包含する、方法。
【請求項72】
前記生物活性タンパク質が、インターフェロン−βである、請求項71に記載の方法。
【請求項73】
前記インターフェロン−βが、配列番号1で特定されたアミノ酸配列を有するインターフェロン−β−1bである、請求項72に記載の方法。
【請求項74】
インターフェロン−β−1bの調製物の生物学的効力を上昇させるための方法であって、一以上の阻害性成分を、該インターフェロン−β−1b調製物から除去する工程を包含する、方法。
【請求項75】
前記一以上の阻害性成分が、サイズ排除クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィーおよびアフィニティークロマトグラフィーからなる群より選択される一以上のクロマトグラフィー法によって、前記インターフェロン−β−1bの調製物から除去される、請求項74に記載の方法。
【請求項76】
前記インターフェロン−β−1bの調製物の前記生物学的効力が、インターフェロン−βに反応する細胞培養アッセイにおいて測定される、請求項74に記載の方法。
【請求項77】
前記インターフェロン−β応答性細胞培養アッセイが、抗増殖性アッセイ、抗ウイルスアッセイ、シグナル伝達アッセイ、および遺伝子活性化アッセイからなる群より選択される、請求項76に記載の方法。

【図1a】
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【図1b】
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【図1c】
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【図1d】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公表番号】特表2006−520323(P2006−520323A)
【公表日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−508613(P2005−508613)
【出願日】平成15年12月23日(2003.12.23)
【国際出願番号】PCT/US2003/041160
【国際公開番号】WO2004/060299
【国際公開日】平成16年7月22日(2004.7.22)
【出願人】(501052823)マウンテン ビュー ファーマシューティカルズ,インコーポレイテッド (9)
【Fターム(参考)】