説明

増粘剤の存在下で鉱物材料を粉砕する方法、得られた水性懸濁液、およびこの使用

本発明は、増粘剤の存在下で鉱物材料を水中で粉砕する方法、本発明の方法によって得られた水中で粉砕された鉱物材料の安定な懸濁液、ならびに水性配合物、具体的には、水性塗料、ラフコーティング剤、インク、表面コーティング剤、シーラント、粘着剤、接着剤、および鉱物材料を組み込んだその他の水性配合物などのコーティング用配合物においての前記懸濁液の使用に関する。本発明はさらに、得られた本発明の水性配合物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉砕された鉱物質の水性懸濁液、および水性配合物においてのこの使用の分野に関する。
【0002】
本発明は、最初に、増粘剤の存在下で鉱物質を水中で粉砕する方法に関する。
【0003】
本発明はまた、水中で粉砕され、本発明による方法によって得られた鉱物質の安定な懸濁液に関する。
【0004】
本発明はまた、水性配合物、具体的には、特に水性塗料、下塗り剤、インク、コーティング剤、シーラント、粘着剤、接着剤、鉱物質を組み込んだその他の水性配合物などのライニングの配合物においての前記懸濁液の使用に関する。
【0005】
最後に、本発明は、本発明に従って得られた水性配合物に関する。
【背景技術】
【0006】
被覆すべき表面の性質、塗布の手段、塗布される製品の量といった様々な塗布条件にこの製品のレオロジーを適応させ、それぞれ別個にこの製品に十分な安定性を与えるために、当業者は、現在、一般に「増粘剤」と呼ばれる非常に幅広い範囲の添加剤を利用することができる。こうした増粘剤は、塗料配合物中に存在する他の要素と複雑な相互作用を生じ、この相互作用は、半世紀より長い間多くの研究の対象となってきた。この研究の目標は、こうしたレオロジー添加剤のメカニズムを依然としてより理解し続けて、所望のレオロジーおよび塗料配合物中に存在する他の要素に応じて正確な増粘剤を選択するのに適した道具および規定を当業者に提供することである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
これらの研究の過程で、増粘剤が起こすことができる、分散剤を用いて安定化させた鉱物充填剤の水性懸濁液との相互作用に非常に特別な関心が寄せられた。この関心は、乾燥粉末の形で予め付与された二酸化チタンや炭酸カルシウムなどの鉱物充填剤が、今回、水性懸濁液の形で提供されるということによって正当化され、後者は、実際に、使用を容易にし、粉状材料の使用に関する諸問題を排除しやすくし、前記懸濁液を単純にポンプ給送することで充填剤の取扱い作業性を容易にする。
【0008】
増粘剤と、鉱物質の水性懸濁液中に含まれる分散剤との間の相互作用は、文献「Rheology of associative thickener pigment and pigmented commercial latex dispersions」(Progress in Organic Coatings、17、(1989年)、155〜173頁)に記載されており、この文献は、ポリメタクリル酸によって分散され、様々な増粘剤の存在下で加えられる二酸化チタンの水性懸濁液のケースを想定している。次いで、分散剤の増加濃度に関しては、HEUR(疎水性改変されたエトキシ化ウレタン)タイプのある種の増粘剤が二酸化チタンの不安定化をまねくが、懸濁液の安定性はセルロース増粘剤の存在下で維持されると思われる。
【0009】
さらに、これらの研究はまた、分散剤と増粘剤の間の相互作用が、輝度など塗膜の最終性質に影響を及ぼす可能性があることを実証している。この点において、「Pigment stabilization through mixed associative thickener interactions」(Journal of Coatings Technology、64、807、(1992年)、53〜61頁)は、HEURタイプ(疎水性改変されたエトキシ化ウレタン)の増粘剤をマレイン酸とジイソブチレンのコポリマーである分散剤と組み合わせて使用すると、ラテックス塗料の場合に輝度が増大されることを教示している。これに対して、「Interactions between rheology−modifying and pigment−dispersing agents」(FarbeおよびLack、100、9、(1994年)、759〜764頁)は、HEURタイプ(疎水性改変されたエトキシ化ウレタン)の増粘剤およびイオン性が高い分散剤を含む塗料配合物が、最終製品の輝度を低下させる可能性があることを実証している。これらの研究書の著者は、様々な分散剤と、HEURタイプ(疎水性改変されたエトキシ化ウレタン)およびHASEタイプ(疎水性改変されたアルカリ膨潤性乳剤)の増粘剤との間の可能な組合せを論じている。
【0010】
要約すると、当業者に対するこれらの文献の一般的な教示は、分散剤と増粘剤の間の相互作用が、複雑であり、配合された塗料の安定性と最終塗膜の性質を共に決定するということである。この状況は、文献「Adsorption studies of associative interactions between thickener and pigment particles」(Progress in Organic Coatings、30、(1997年)、161〜171頁)に要約されており、当業者には、このようにして製造された塗料の安定性および塗膜の最終的性質の点で、分散剤と増粘剤の新規な組合せを注意深く選択してこれらの可能性(167頁の序論)を利用することが強く推奨されている。
【0011】
さらに、当業者は、水性懸濁液の形で鉱物充填剤を使用し続けて、塗料の様々な要素の単純なブレンド、次いで単純なブレンドによって様々な要素の集成体になる前記塗料の配合物からなる中間製品の開発に努めてきた。この点において、水、鉱物充填剤、および増粘剤を含む鉱物質の水性懸濁液の製造が知られている。こうした懸濁液を、続いてその他の常用される塗料の要素とブレンドして、所望の最終製品を得ることが意図される。
【0012】
したがって、当業者は、炭酸カルシウム、および二酸化チタンなどの顔料を含む水性懸濁液の調製について記載する文献米国特許出願公開第2002 050228号に精通している。こうした組成物はまた、増粘剤を含むことができ、インクおよび水性塗料の配合物において使用できる。
【0013】
当業者はまた、特定の粒度分布を有し、炭酸カルシウムでもよい鉱物粒子を含む水性懸濁液について記載する文献米国特許第6 074 474号に精通している。さらに、こうした懸濁液は、増粘剤を含むことができ、続いて水性塗料の配合物において使用できる。
【課題を解決するための手段】
【0014】
したがって、本出願人は、増粘剤の存在下で安定な鉱物質の懸濁液を生成することを目的として研究を進め、最終製品のレオロジーの点で不利益な影響(増粘剤との相互作用による。)をもたらす恐れがある分散剤の使用をなくして、前記鉱物充填剤が増粘剤の存在下で水中において粉砕されることを特徴とする、鉱物充填剤の水性懸濁液の新規な製造方法を驚くべき方法で見出した。このようにして得られた製品は、水性配合物においてのこの使用に完全に適合する安定性を有する。
【0015】
この段階で、本出願人は、前記従来技術が鉱物粒子のサイズの減少をまねく粉砕プロセスを明らかにせず、または教示していないということにより、本発明が先に引用した従来技術と区別されることを強調したい。
【0016】
さらに、このようにして製造された懸濁液は、使用する増粘剤の一部を塗料中にすでに含んでいる製品を当業者に提供するという意味で当業者の希望に対応している。第2に、前記増粘剤は、まったく驚くべき方法で、粉砕プロセスの過程で分解されることはなく、正確には製造のこの段階で、粉砕助剤の機能を果たし、これにより、粉砕助剤の消費が減少する。本出願人は、実際に、鉱物質の粒子サイズの顕著な低減を観察した。鉱物粒子のサイズを選択できることは、塗料の配合という状況において当業者にとって非常に重要であることは周知である。実際に、「Particle−size distribution of fillers and their importance in the preparation of paints」(Deutsche Farben−Zeitschrift、20(12)、1966年、565〜567頁)に教示されるように、粒子のサイズは、最終膜の機械的性質および光学的性質に非常に影響を及ぼす。さらに、本発明による方法によって、市販の塗料用増粘剤を非常に広範囲で使用することが可能になる。
【0017】
また、本発明による方法によって、鉱物質の水性懸濁液を得ることも可能になり、これを塗料配合物中において使用したとき、特にICIおよびStormer粘度が増加したことによって従来技術のものに対して改善されたレオロジー特性を有する塗料配合物を生成することが可能になる。
【0018】
これらの改善されたレオロジー特性も、塗料の適用の品質向上をもたらすという利点を有する。
【0019】
最後に、本発明に従って生成された塗膜の光学的性質は劣化せず、このようにして配合された塗料の顔料適合性もまた劣化しないので、増粘剤の性質は、こういうものとして維持される。
【0020】
したがって、本発明によって、分散剤を使用することなく、長時間にわたり安定な水性塗料配合物を得ることが可能になる。さらに、本発明によって、中間製品を鉱物質および増粘剤の水性懸濁液の形で得ることが可能になり、そこでは後者がまた粉砕助剤の役割も果たす。この点に関して、この方法の過程で、「従来の」粉砕助剤を使用し続けることは可能である。最後に、したがって、増粘剤の存在下で鉱物質を水中で粉砕することによって得られた水性懸濁液は、水性塗料の配合物におけるこの使用に完全に適合する安定性を有する。
【0021】
したがって、本発明の目的は、増粘剤の存在下で鉱物質を水中で粉砕する方法である。
【0022】
本発明の別の目的は、水中で粉砕され、前記方法に従って得られた鉱物質の安定な懸濁液にある。
【0023】
本発明の別の目的は、水性配合物、具体的には、特に水性塗料、下塗り剤、インク、コーティング剤、シーラント、粘着剤、接着剤、鉱物質を組み込んだその他の水性配合物などのライニングの配合物においての前記懸濁液の使用である。
【0024】
本発明の最後の目的は、本発明に従って得られた水性配合物にある。
【0025】
したがって本発明による方法によって、分散剤を使用することなく、水性配合物におけるこれらの使用に適合するレオロジーを有する鉱物質の水性懸濁液を得ることが可能になる。
【0026】
さらに、本発明による方法によって、鉱物質の水性懸濁液を得ることも可能になり、これを塗料配合物中において使用したとき、特にICIおよびStormer粘度が増加したことによって従来技術のものに対して改善されたレオロジー特性を有する塗料配合物を生成することが可能になる。
【0027】
また、この方法によって、製品を当業者の要件に従って製造することも可能になり、これらの製品は、水、1種または複数の鉱物充填剤、および少なくとも1種の増粘剤を含む。
【0028】
また、この方法によって、使用する鉱物質の微粉度を増粘剤の存在下で鉱物質を粉砕して調整することも可能であり、この点において、後者は、粉砕助剤の機能を果たす。
【0029】
さらに、こうした増粘剤は、粉砕プロセスの過程で分解されず、塗膜の光学的性質は損傷を受けず、このようにして配合された塗料の顔料適合性もまた損傷を受けることはない。
【0030】
最後に、この方法で粉砕され、長時間にわたって安定な鉱物質の水性懸濁液は、非常に十分な安定性を有し、レオロジー特性を向上させた水性塗料の配合物において使用される。
【0031】
こうした目的は、前記鉱物質が増粘剤の存在下で粉砕されることを特徴とする、水中において鉱物質の安定な懸濁液を製造する新規な方法によって達成される。
【0032】
本出願人は、改良すべき鉱物を粉砕する作業が、増粘剤を含む水性媒体中において粉砕体によって鉱物を粉砕して非常に微細な粒子にすることにあることを明記したい。
【0033】
したがって、有利には粒度分布(granulometry)が0.20から4mmの増粘剤および粉砕体が、粉砕用の鉱物の水性懸濁液に添加される。この粉砕体は、一般に、硬度が高い合成樹脂、鉄鋼、またはその他のものと一緒に、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、またはこれらのブレンドのような多様な材料の粒子の形をしている。こうした粉砕体の組成物の一例は、酸化ジルコニウムが30重量%から70重量%、酸化アルミニウムが0.1重量%から5重量%、二酸化ケイ素が5重量%から20重量%で形成される粉砕要素について記載するフランス特許FR2203681号によって提供される。
【0034】
この粉砕体は、好ましくは、この粉砕材料と粉砕用鉱物の間の重量比が、少なくとも2/1、この比が好ましくは3/1から5/1(すべてを含んで)の間の範囲にあるような量で懸濁液に添加される。
【0035】
次いで、懸濁液と粉砕体のブレンドは、ミクロな要素を用いる従来の粉砕機において行われるような機械的撹拌作用を受ける。
【0036】
粉砕後の鉱物が望ましく改善されるのに必要な時間は、粉砕すべき鉱物の性質および量、ならびに使用する撹拌方法および粉砕作業中の媒体の温度に応じて、鉱物質の懸濁液の製造者によって規定される。
【0037】
方法の別の変形形態は、前記方法が少なくとも1種の粉砕助剤を使用することを特徴とする。前記助剤は、当業者に周知の粉砕助剤のすべておよびこれらのブレンドの中から鉱物質の懸濁液の製造者によって選択される。
【0038】
本発明による方法はまた、鉱物質が、天然もしくは合成の炭酸カルシウム、ドロマイト、カオリン、タルク、石膏、石灰、マグネシア、二酸化チタン、サテンホワイト、三酸化アルミニウム、あるいはまた三水酸化アルミニウム、雲母、酸化亜鉛、酸化鉄、硫酸バリウム、およびこれらの充填剤同士のブレンド、例えばタルク−炭酸カルシウムブレンド、炭酸カルシウム−カオリンブレンド、あるいはまた炭酸カルシウムと三水酸化アルミニウムもしくは三酸化アルミニウムとのブレンド、あるいはまた合成もしくは天然の繊維とのブレンド、あるいはまた鉱物の共構造物、例えばタルク−炭酸カルシウム共構造物またはタルク−二酸化チタン共構造物あるいはこれらのブレンドの中から選択される顔料および/または鉱物充填剤であることを特徴とする。
【0039】
好ましくは、この鉱物質は、合成または天然の炭酸カルシウム、二酸化チタン、またはこれらのブレンドである。
【0040】
より好ましくは、この鉱物質は、合成の炭酸カルシウム、または大理石、方解石、チョークもしくはこれらのブレンドの中から選択される天然の炭酸カルシウムである。
【0041】
本発明による方法はまた、こうした増粘剤が、天然ゴム、CMC(カルボキシメチルセルロース)、HEC(ヒドロキシエチルセルロース)など天然の増粘剤、または合成ゴム、HASEタイプ(疎水性改変されたアルカリ膨潤性乳剤)もしくはASEタイプ(アルカリ可溶性乳剤)のアクリル系増粘剤、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリエステル、PVP(ポリビニルピロリドン)基剤を有するものなど合成の増粘剤の中から選択されることを特徴とする。
【0042】
好ましくは、こうした増粘剤は、HASEタイプ(疎水性改変されたアルカリ膨潤性乳剤)のアクリル系増粘剤、およびポリウレタン系増粘剤の中から選択される。
【0043】
本発明による方法はまた、鉱物質を水性懸濁液の総重量に対して少なくとも15乾重量%、増粘剤を水性懸濁液の総重量に対して0.01乾重量%から5乾重量%、粉砕助剤を水性懸濁液の総重量に対して0から5乾重量%使用することを特徴とする。
【0044】
好ましくは、前記方法は、鉱物質を水性懸濁液の総重量に対して少なくとも30乾重量%、増粘剤を水性懸濁液の総重量に対して0.5乾重量%から1.5乾重量%、粉砕助剤を水性懸濁液の総重量に対して0から2乾重量%使用することを特徴とする。
【0045】
さらに好ましくは、前記方法は、鉱物質を水性懸濁液の総重量に対して少なくとも50乾重量%、増粘剤を水性懸濁液の総重量に対して0.5乾重量%から1.5乾重量%使用し、粉砕助剤を使用しないことを特徴とする。
【0046】
本発明の別の目的は、本発明による方法によって得られ、鉱物質を水性懸濁液の総重量に対して少なくとも15乾重量%、増粘剤を水性懸濁液の総重量に対して0.01乾重量%から5乾重量%、粉砕助剤を水性懸濁液の総重量に対して0から5乾重量%含むことを特徴とする、増粘剤の存在下で粉砕される鉱物質の水性懸濁液にある。
【0047】
好ましくは、前記鉱物質の懸濁液は、これらが、鉱物質を水性懸濁液の総重量に対して少なくとも30乾重量%、増粘剤を水性懸濁液の総重量に対して0.5乾重量%から1.5乾重量%、粉砕助剤を水性懸濁液の総重量に対して0から2乾重量%含むことを特徴とする。
【0048】
さらに好ましくは、前記鉱物質の懸濁液は、これらが、鉱物質を水性懸濁液の総重量に対して少なくとも50乾重量%、増粘剤を水性懸濁液の総重量に対して0.5乾重量%から1.5乾重量%含み、粉砕助剤を含まないことを特徴とする。
【0049】
本発明による方法によって得られた鉱物質の水性懸濁液はまた、これらが、鉱物質の粒子の少なくとも50%が直径30μmまたはそれ未満、すなわち中位径d50が30μmまたはそれ未満であるような粒度分布を有することを特徴とする。
【0050】
本出願の全体にわたって、懸濁液の粒度分布は、MALVERN(商標)社から販売されるMastersizer(商標)2000粒度計を使用して決定される。
【0051】
好ましくは、本発明による方法によって得られた鉱物質の水性懸濁液はまた、これらが、鉱物質の粒子の少なくとも50%が直径15μmまたはそれ未満であるような粒度分布を有することを特徴とする。
【0052】
さらに好ましくは、本発明による方法によって得られた鉱物質の水性懸濁液はまた、これらが、鉱物質の粒子の少なくとも50%が直径10μmまたはそれ未満であるような粒度分布を有することを特徴とする。
【0053】
最後に、本発明による方法によって得られた鉱物質の水性懸濁液はまた、これらが、鉱物質の粒子の少なくとも50%が直径5μmまたはそれ未満であるような粒度分布を有することを特徴とする。
【0054】
前記水性懸濁液はまた、鉱物質が、天然もしくは合成の炭酸カルシウム、ドロマイト、カオリン、タルク、石膏、石灰、マグネシア、二酸化チタン、サテンホワイト、三酸化アルミニウム、あるいはまた三水酸化アルミニウム、雲母、酸化亜鉛、酸化鉄、硫酸バリウム、およびこれらの充填剤同士のブレンド、例えばタルク−炭酸カルシウムブレンド、炭酸カルシウム−カオリンブレンド、あるいはまた炭酸カルシウムと三水酸化アルミニウムもしくは三酸化アルミニウムとのブレンド、あるいはまた合成もしくは天然の繊維とのブレンド、あるいはまた鉱物の共構造物、例えばタルク−炭酸カルシウム共構造物またはタルク−二酸化チタン共構造物あるいはこれらのブレンドの中から選択される顔料および/または鉱物充填剤であることを特徴とする。
【0055】
好ましくは、この鉱物質は、合成または天然の炭酸カルシウム、二酸化チタン、またはこれらのブレンドである。
【0056】
より好ましくは、この鉱物質は、合成の炭酸カルシウム、または大理石、方解石、チョークもしくはこれらのブレンドの中から選択される天然の炭酸カルシウムである。
【0057】
本発明による鉱物質の水性懸濁液はまた、こうした増粘剤が、天然ゴム、CMC(カルボキシメチルセルロース)、HEC(ヒドロキシエチルセルロース)など天然の増粘剤、または合成ゴム、HASEタイプ(疎水性改変されたアルカリ膨潤性乳剤)もしくはASEタイプ(アルカリ可溶性乳剤)のアクリル系増粘剤、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリエステル、PVP(ポリビニルピロリドン)基剤を有するものなど天然の増粘剤の中から選択されることを特徴とする。
【0058】
好ましくは、本発明による鉱物質の水性懸濁液はまた、こうした増粘剤が、HASEタイプ(疎水性改変されたアルカリ膨潤性乳剤)のアクリル系増粘剤、およびポリウレタン系増粘剤の中から選択されることを特徴とする。
【0059】
本発明の別の目的は、水性配合物、具体的には、特に水性塗料、下塗り剤、インク、コーティング剤、シーラント、粘着剤、接着剤、鉱物質を組み込んだその他の水性配合物などのライニングの配合物においての前記懸濁液の使用である。
【0060】
本発明の最後の目的は、本発明に従って得られた水性配合物にある。
【0061】
したがって、本発明による水性塗料、下塗り剤、インク、コーティング剤、シーラント、粘着剤、鉱物質を組み込んだ水性配合物、および接着剤は、これらが、増粘剤の存在下で粉砕された本発明による鉱物水性懸濁液を含むことを特徴とする。
【0062】
以下の実施例は、本発明を例示するものであるが、本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例1】
【0063】
この実施例は、増粘剤の存在下(試験番号1から5)、ならびに増粘剤および従来の粉砕助剤の存在下(試験番号6)で、本発明による粉砕プロセスによって鉱物質の水性懸濁液を製造することに関する。これはまた、本発明による粉砕プロセスから、このようにして得られた鉱物質の懸濁液に関する。
【0064】
試験番号1から6では、Avenza(イタリア)産の大理石であり、d50と記される初期中位径が10μmに等しい(炭酸カルシウム粒子の50%が、直径が10μmまたはそれ未満である。)炭酸カルシウムを使用する。これは、OMYA(商標)社から名称Omyacarb(商標)10AVで販売されている。
【0065】
固定型シリンダーおよび回転パルサーを備えたDyno−Mill(商標)タイプの粉砕機を使用し、この粉砕機の粉砕体は、直径が範囲0.6mmから1mmのジルコニウムベースのボールによって構成されている。
【0066】
粉砕体によって占められた全体積は1000立方cmであり、この質量は2,700gである。
【0067】
粉砕チャンバは、体積が1400立方cmである。
【0068】
粉砕機の円周速度は、10m/秒である。
【0069】
顔料懸濁液は、40リットル/時の速度で再循環される。
【0070】
Dyno−Mill(商標)粉砕機の出口に200ミクロンメッシュのセパレーターが取り付けられ、これによって、粉砕から得られた懸濁液を粉砕体と分離することが可能になる。
【0071】
各粉砕試験中の温度は、約30℃で維持される。
【0072】
炭酸カルシウムの乾燥粉末を結着剤と水中でブレンドすることから始め、次いでこのブレンドを前述の装置を使用して粉砕する。粉砕時間は、所望の粒度分布に対して適切なものとする。
【0073】
続いて、懸濁液の粒度分布を以下のように決定する。
【0074】
粉砕後、顔料懸濁液のサンプルの粒度分布を、MALVERN(商標)社から販売されるMastersizer(商標)2000粒度計を使用して測定し、このサンプルをフラスコに回収する。次いで、以下の通りに、このようにして改良された炭酸カルシウム粒子の中位径d50を決定する。
【0075】
懸濁液のBrookfield(商標)粘度を以下のように決定する。
【0076】
懸濁液のBrookfield(商標)粘度は、撹拌されていないフラスコ中で、温度25度で、適切な可動部によって毎分10回転および毎分100回転の2種の回転速度で、タイプRVTのBrookfield(商標)粘度計を使用して測定される。読取りは、1分の回転後に行われる。2種のBrookfield(商標)粘度測定値が得られ、それぞれμ10およびμ100と記される。
【0077】
8日間静置させたフラスコを1分撹拌した後、懸濁液のBrookfield(商標)粘度を同じ方法を使用して測定する。
試験番号1
この試験は、本発明を例示するものであり、COATEX(商標)社から名称Rheo2000(商標)で販売されるアクリル系増粘剤を、懸濁液の総重量に対して0.64乾重量%使用する。この試験はまた、Avenza産の炭酸カルシウムを懸濁液の総重量に対して64.6乾重量%使用し、残りは水を使用する。
試験番号2
この試験は、本発明を例示するものであり、COATEX(商標)社から名称Rheo2000(商標)で販売されるアクリル系増粘剤を、懸濁液の総重量に対して0.60乾重量%使用する。この試験はまた、Avenza産の炭酸カルシウムを懸濁液の総重量に対して60.0乾重量%使用し、残りは水を使用する。
試験番号3
この試験は、本発明を例示するものであり、AQUALON(商標)社から名称Natrosol(商標)250HHRで販売されるセルロースエーテルである増粘剤を、懸濁液の総重量に対して0.37乾重量%使用する。この試験はまた、Avenza産の炭酸カルシウムを懸濁液の総重量に対して52.6乾重量%使用し、残りは水を使用する。
試験番号4
この試験は、本発明を例示するものであり、COATEX(商標)社から名称COAPUR(商標)3025で販売されるHEURタイプのポリウレタン系増粘剤を、懸濁液の総重量に対して0.61乾重量%使用する。この試験はまた、Avenza産の炭酸カルシウムを懸濁液の総重量に対して61.0乾重量%使用し、残りは水を使用する。
試験番号5
この試験は、本発明を例示するものであり、COATEX(商標)社から名称COAPUR(商標)3025で販売されるHEURタイプのポリウレタン系増粘剤を、懸濁液の総重量に対して0.51乾重量%使用する。この試験はまた、Avenza産の炭酸カルシウムを懸濁液の総重量に対して51.5乾重量%使用し、残りは水を使用する。
試験番号6
この試験は、本発明を例示するものであり、COATEX(商標)社から名称Rheo2000(商標)で販売されるアクリル系増粘剤を、懸濁液の総重量に対して0.50乾重量%使用する。この試験はまた、Avenza産の炭酸カルシウムを懸濁液の総重量に対して56.7乾重量%使用する。この試験はまた、ポリアクリル酸ナトリウムである粉砕助剤を懸濁液の総重量に対して0.3乾重量%使用し、残りは水を使用する。
【0078】
試験番号1から6から得られた懸濁液の特性を、表1に示す。
【0079】
【表1】

【0080】
表1:本発明に従って粉砕された炭酸カルシウムの水性懸濁液の特性。
【0081】
乾重量%は、懸濁液の総重量に対してとして理解されたい。
【0082】
50は、粉砕後の炭酸カルシウム粒子の中位径を示す(粒子の50%が、直径がこの値未満である。)。
【0083】
T=0は、それぞれμ10およびμ100と記される、毎分10回転および毎分100回転のBrookfield(商標)粘度を測定する最初の時間を示す。
【0084】
T=8日は、それぞれμ10およびμ100と記される、毎分10回転および毎分100回転のBrookfield(商標)粘度を撹拌後に測定する時間t=8日を示す。
【0085】
試験番号1から6に対応する中位径は、本発明による方法に関して、炭酸カルシウム粒子のサイズの顕著な減少が観察されるという意味で、使用した増粘剤が粉砕助剤として確かに働いていることを実証している。
【0086】
最後に、本発明に従って得られた各懸濁液が長時間にわたって安定であることが観察されている。
【実施例2】
【0087】
この実施例は、本発明による増粘剤の存在下で粉砕された炭酸カルシウムの水性懸濁液からの、または従来技術による炭酸カルシウムの乾燥粉末からの本発明による水性塗料の製造に関する。
【0088】
これらの塗料は、当業者に周知の方法を使用して、様々な要素をブレンドすることによって配合される。本出願人は、以下の試験において、これらが、使用した炭酸塩および増粘剤の性質のみを示していることを指摘する。これらの塗料は、もちろん多くの他の添加剤を含んでいる。各塗料の諸要素の完全なリストを、これらの割合と一緒に一覧表に示す。
【0089】
配合された各塗料について、塗料のICI(商標)、Stormer(商標)、およびBrookfield(商標)粘度を、以下の方法を使用して決定する。
【0090】
ICI(商標)粘度は、当業者に周知の方法を使用して、ERICHSEN(商標)社から販売されるICI(商標)粘度計として周知のコーンプレーン粘度計において決定される。測定は、25℃でなされ、μ(P)と記される。
【0091】
Stormer(商標)粘度は、Brookfield(商標)社から販売される、単一測定システムが取り付けられたタイプKU−1のStormer(商標)粘度計において決定される。測定は、25℃でなされ、μ(K.U)と記される。
【0092】
塗料のBrookfield(商標)粘度は、鉱物質の懸濁液の場合に実施例1に示したのと同じ方法で25℃で決定される。これは、毎分10回転または毎分100回転で測定されるかに応じて、μ10(mPa.s)およびμ100(mPa.s)と記される。
試験番号7
この試験は、炭酸塩が乾燥粉末の形でもっぱら組み込まれる、従来技術によるマット塗料の配合物に関する。
【0093】
これは、Avenza(イタリア)産の大理石である2種の炭酸カルシウムのブレンドであり、1種は、中位径が5μmであり(粒子の50%は、直径が5μm未満である。)、もう1種は、中位径が2μmである。これらは、OMYA(商標)社からそれぞれ名称Omyacarb(商標)5−AVおよびOmyacarb(商標)2−AVで販売されている。使用された増粘剤は、COATEX(商標)社から名称Rheo2000(商標)で販売されるアクリル系増粘剤である。
試験番号8
この試験は、本発明によるマット塗料の配合物に関する。
【0094】
炭酸カルシウムの部分は、乾燥粉末の形で組み込まれる。これは、Avenza(イタリア)産の大理石であり、中位径が5μmの炭酸カルシウムである。これは、OMYA(商標)社から名称Omyacarb(商標)5−AVで販売されている。
【0095】
他の部分は、本発明による、試験番号1に記載される水性懸濁液の形で組み込まれる。
試験番号9
この試験は、本発明によるマット塗料の配合物に関する。
【0096】
炭酸カルシウムの部分は、乾燥粉末の形で組み込まれる。これは、Avenza(イタリア)産の大理石であり、中位径が2μmの炭酸カルシウムである。これは、OMYA(商標)社から名称Omyacarb(商標)2−AVで販売されている。
【0097】
他の部分は、本発明による、試験番号2に記載される水性懸濁液の形で組み込まれる。
試験番号10
この試験は、本発明によるマット塗料の配合物に関する。
【0098】
炭酸カルシウムの部分は、乾燥粉末の形で組み込まれる。これは、Avenza(イタリア)産の大理石である2種の炭酸カルシウムのブレンドであり、1種は、中位径が5μmであり(粒子の50%は、直径が5μm未満である。)、もう1種は、中位径が2μmである。これらは、OMYA(商標)社からそれぞれ名称Omyacarb(商標)5−AVおよびOmyacarb(商標)2−AVで販売されている。
【0099】
他の部分は、本発明による、試験番号1および2に記載される2種の水性懸濁液の形で組み込まれる。
【0100】
試験番号7から10に対応する塗料に関する諸要素およびこれらの重量割合のリストを、表2に示す。
【0101】
これらの4種の試験に対応する塗料について、当業者は、各要素を一定の質量にするように行った。したがって、炭酸カルシウムの質量は、これらの試験では同一であり、500gに等しく、増粘剤の質量は、同一であり、20gに等しい。
【0102】
【表2】

【0103】
表2:試験7から10に従って配合された塗料の組成物。
【0104】
これらの数値は、重量によって量(mass)を示す。
【0105】
Tiona(商標)RL68は、MILLENNIUM(商標)社から販売される二酸化チタンを示す。
【0106】
Coatex(商標)P90は、COATEX(商標)社から販売されるポリアクリル系分散剤である。
【0107】
Mergal(商標)K6Nは、TROY(商標)社から販売される殺菌剤である。
【0108】
Nopco(商標)NDWは、COGNIS(商標)社から販売される消泡剤である。
【0109】
Acronal(商標)290Dは、BASF(商標)社から販売されるアクリル系結着剤である。
【0110】
試験7から10において配合された塗料に関する、様々な時間に測定されたICI(商標)、Stormer(商標)、およびBrookfield(商標)粘度の値を、表2bに要約する。
【0111】
【表3】

【0112】
表2b:試験番号7から10に従って配合された塗料に関して測定された粘度
μ(Po):ICI(商標)粘度
μ(K.U):Stormer(商標)粘度
μ10(mPa.s):毎分10回転で測定されたBrookfield(商標)粘度
μ100(mPa.s):毎分100回転で測定されたBrookfield(商標)粘度
表2bの結果は、本発明に従って配合された塗料が、従来技術に対して改善されたレオロジー特性を有することを実証しており、ICI(商標)およびStormer(商標)粘度の増加が観察される。この改善は、塗料の適用の品質向上をもたらす。
【0113】
さらに、本発明による塗料に観察されたBrookfield(商標)粘度は、これらの配合物が長時間にわたって安定であることを実証している。
【0114】
さらに、試験番号7から10に従って配合された塗料に対するいくつかの光学的性質を決定した。
【0115】
試験番号7から10に従って配合された塗料の湿潤被覆力CPを、標準マニュアル型フィルムストレッチャを使用して前記塗料を厚さ150μmで塗布した直後、コントラストカード上で視覚的に比較した。
【0116】
本発明による試験番号8から10は、参照として用いる試験番号7に関して得られた被覆力と同一の被覆力を示す。
【0117】
表3に示す色座標Lおよびbは、色空間(L、a、b、ハンター)に属しており、標準マニュアル型フィルムストレッチャを使用してガラス板上に150μmの厚さで予め塗布され、次いで50%の湿度割合の気候試験容器中で23℃で24時間乾燥させた試験用塗料の乾燥塗膜上で決定される。
【0118】
コントラスト比CR(%)=Y/Yの値を、DR LANGE(商標)社から販売されるSpectro−Pen(商標)分光比色計上で測定する。標準マニュアル型フィルムストレッチャを使用して、塗料をコントラストカード上に150μmの厚さで予め塗布した。次いで、基板の白色部上の反射率値Yおよび基板の黒色部の反射率値Yを測定する。色空間(X、Y、Z)において得られた値は、3回の測定に関して得られた平均である。
【0119】
輝度は、BRANDT(商標)社から販売されるMicro−Tri−Gloss(商標)リフレクトメーター上で、フランス標準NF T 30−064による60度および85度(BS60およびBS85)に等しい角度で測定した。標準マニュアル型フィルムストレッチャを使用して、塗料をガラス板上に150μmの厚さで予め塗布した。
【0120】
【表4】

【0121】
表3:試験番号7から10に従って配合された塗料に関して測定された光学的性質
CP:視覚的に評価された湿潤被覆力
M:DR LANGE(商標)社から販売されるSpectro−Pen(商標)分光比色計上で測定された白色度
b:DR LANGE(商標)社から販売されるSpectro−Pen(商標)分光比色計上で測定された底色
CR(%):DR LANGE(商標)社から販売されるSpectro−Pen(商標)分光比色計上で測定されたコントラスト比
BS60、BS85:BRANDT(商標)社から販売されるMicro−Tri−Gloss(商標)メーターリフレクトメーター上でなされた、フランス標準NF T 30−064による60度および85度の輝度測定値
表3の結果は、本発明に従って配合された塗料に関して測定された光学的性質が従来技術の光学的性質と同等であることを実証している。
【0122】
最後に、試験番号7から10については、このようにして配合された塗料の顔料適合性は、パラメータデルタE(ΔE)を測定することによって決定された。
【0123】
マット用有色水性配合物のデルタE(ΔE)の値は、白色基剤に黒色顔料を5重量%、すなわち白色塗料190gに黒色顔料50g(CLARIANT(商標)社から販売されるCOLANYL(商標))を添加することによって決定された。
【0124】
ΔEを測定するこの試験は、「ラブアウト」という用語で当業者に周知の試験である。
【0125】
この試験は、塗布機を使用して剪断変形させることなくコントラストカード上に試験用の有色マットまたはサテン塗料配合物をゆっくりとストレスを加えずに150μmに塗布し、45秒間放置し、次いで、粘着性を依然として有する塗膜を、任意の場所において30秒間指でこすることによって剪断力を加えることからなる。
【0126】
この塗膜が乾燥した後、Spectro−Pen(商標)分光光度計を使用して決定された剪断領域(摩擦された領域)と非剪断領域(塗膜が摩擦されていない領域)の間の比色差によって、試験した塗料組成物が十分な顔料適合性を有するかどうかを評価(ΔEの値)することができる。
【0127】
試験番号7から10に対応する塗料から製造された有色配合物に関して決定されたΔEの値を、表4に示す。
【0128】
【表5】

【0129】
表4:試験番号7から10に対応する白色基剤から製造された様々な有色配合物に関して測定されたΔEの値
表4の値は、本発明に従って配合された有色塗料の顔料適合性が従来技術による試験に対応する顔料適合性と依然として同一であることを実証している。
試験番号11
この試験は、炭酸塩が乾燥粉末の形でもっぱら組み込まれる、従来技術によるマット塗料の配合物に関する。
【0130】
これは、Avenza(イタリア)産の大理石であり、中位径が2μmの炭酸カルシウムである。これは、OMYA(商標)社から名称Omyacarb(商標)2−AVで販売されている。
【0131】
使用された増粘剤は、COATEX(商標)社から名称Coapur(商標)3025で販売されるHEURタイプのポリウレタン系増粘剤である。
試験番号12
この試験は、本発明によるマット塗料の配合物に関する。
【0132】
炭酸カルシウムは、本発明による、試験番号5に記載される水性懸濁液の形で組み込まれる。
【0133】
試験番号11および12に対応する塗料に関する諸要素およびこれらの重量割合のリストを、表5に示す。
【0134】
これらの2つの試験に対応する塗料について、配合者は、各要素を一定の質量にするように行った。したがって、炭酸カルシウムの質量は、これらの試験では同一であり、150gに等しく、増粘剤の質量は、同一であり、20gに等しい。
【0135】
【表6】

【0136】
表5:試験番号11および12に従って配合された塗料の組成物
数値は、重量の質量を示す。
【0137】
Tiona(商標)RL68は、MILLENNIUM(商標)社から販売される二酸化チタンを示す。
【0138】
Coatex(商標)P90は、COATEX(商標)社から販売されるポリアクリル系分散剤である。
【0139】
Mergal(商標)K6Nは、TROY(商標)社から販売される殺菌剤である。
【0140】
Nopco(商標)NDWは、COGNIS(商標)社から販売される消泡剤である。
【0141】
Tego Foamex(商標)1488はまた、TEGO CHEMIE(商標)社から販売される消泡剤である。
【0142】
Texanol(商標)は、EASTMAN KODAK(商標)社から販売される融合(coalescence)剤である。
【0143】
Acronal(商標)290Dは、BASF(商標)社から販売されるアクリル系結着剤である。
【0144】
試験番号11および12において配合された塗料に関する、様々な時間に測定されたICI(商標)、Stormer(商標)、およびBrookfield(商標)粘度の値を、表5bに要約する。
【0145】
【表7】

【0146】
表5b:試験番号11および12に従って配合された塗料に関して測定された粘度
μ(Po):ICI(商標)粘度
μ(K.U):Stormer(商標)粘度
μ10(mPa.s):毎分10回転で測定されたBrookfield(商標)粘度
μ100(mPa.s):毎分100回転で測定されたBrookfield(商標)粘度
表5bの結果は、本発明に従って配合された塗料が、従来技術に対して改善されたレオロジー特性を有することを実証しており、ICI(商標)およびStormer(商標)粘度の増加が観察される。この改善は、塗料の適用の品質向上をもたらす。
【0147】
さらに、本発明による塗料に観察されたBrookfield(商標)粘度は、これらの配合物が長時間にわたって安定であることを実証している。
試験番号13
この試験は、従来技術によるマット塗料の配合物に関する。
【0148】
炭酸カルシウムの部分は、乾燥粉末の形で組み込まれる。これは、Avenza産の大理石であり、中位径が2μmの炭酸カルシウムである。これは、OMYA(商標)社から名称Omyacarb(商標)2−AVで販売されている。
【0149】
別の部分は、初期中位径が10μmの、Avenza産の大理石である炭酸カルシウムの水性懸濁液の形で組み込まれる。この懸濁液は、ポリアクリル酸ナトリウムである従来の粉砕剤が0.3乾重量%存在する状態で、従来技術による粉砕プロセスから得られる。得られた懸濁液は、乾燥物濃度がこの総重量の75%に等しく、このようにして改良された炭酸カルシウムは、中位径が5μmである。
試験番号14
この試験は、本発明によるマット塗料の配合物に関する。
【0150】
炭酸カルシウムの部分は、乾燥粉末の形で組み込まれる。これは、Avenza産の大理石であり、中位径が2μmの炭酸カルシウムである。これは、OMYA(商標)社から名称Omyacarb(商標)2−AVで販売されている。
【0151】
別の部分は、試験番号6からの水性懸濁液の形で導入される。
【0152】
試験番号13および14に対応する塗料に関する諸要素およびこれらの重量割合のリストを、表6に示す。
【0153】
これらの2つの試験に対応する塗料について、配合者は、各要素を一定の質量にするように行った。したがって、炭酸カルシウムの質量は、これらの試験では同一であり、500gに等しく、増粘剤の質量は、同一であり、160gに等しい。
【0154】
【表8】

【0155】
表6:試験番号14および15に従って配合された塗料の組成物
数値は、単位がgの質量を示す。
【0156】
ESは、乾燥抽出物、すなわち乾燥物重量画分を%として示す。
【0157】
Tiona(商標)RL68は、MILLENNIUM(商標)社から販売される二酸化チタンを示す。
【0158】
Coatex(商標)P90は、COATEX(商標)社から販売されるポリアクリル系分散剤である。
【0159】
Mergal(商標)K6Nは、TROY(商標)社から販売される殺菌剤である。
【0160】
Nopco(商標)NDWは、COGNIS(商標)社から販売される消泡剤である。
【0161】
Acronal(商標)290Dは、BASF(商標)社から販売されるアクリル系結着剤である。
【0162】
試験番号13および14において配合された塗料に関する様々な時間に測定されたICI(商標)、Stormer(商標)、およびBrookfield(商標)粘度の値を、表6bに要約する。
【0163】
【表9】

【0164】
表6b:試験番号13および14に従って配合された塗料に関して測定された粘度
μ(P):ICI(商標)粘度
μ(K.U):Stormer(商標)粘度
μ10(mPa.s):毎分10回転で測定されたBrookfield(商標)粘度
μ100(mPa.s):毎分100回転で測定されたBrookfield(商標)粘度
表6bの結果は、本発明に従って配合された塗料が、従来技術に対して改善されたレオロジー特性を有することを実証しており、ICI(商標)およびStormer(商標)粘度の増加が観察される。この改善は、塗料の適用の品質向上をもたらす。
【0165】
さらに、本発明による塗料に観察されたBrookfield(商標)粘度は、この配合物が長時間にわたって安定であることを実証している。
【実施例3】
【0166】
この実施例は、増粘剤の存在下(試験番号15および17から19)、または2種の増粘剤のブレンドの存在下(試験番号16)で、本発明による粉砕プロセスによって鉱物質の水性懸濁液を製造することに関する。これはまた、本発明による粉砕プロセスから、このようにして得られた鉱物質の懸濁液に関する。
【0167】
試験番号15から18では、Avenza(イタリア)産の大理石であり、d50と記される初期中位径が10μmに等しい炭酸カルシウムを使用する(炭酸カルシウム粒子の50%が、直径が10μmまたはそれ未満である。)。これは、OMYA(商標)社から名称Omyacarb(商標)10AVで販売されている。
【0168】
試験番号19では、d50と記される初期中位径が4.8μmに等しい沈降炭酸カルシウムを使用する(炭酸カルシウム粒子の50%が、直径が4.8μmまたはそれ未満である。)。これは、SOLVAY(商標)社から名称Socal(商標)P3で販売されている。
【0169】
実施例1に記載した通りの本発明による方法に従って、鉱物質を粉砕する。
【0170】
実施例1に記載したのと同じ方法で粉砕した後、試験番号15から19に対する水性懸濁液の粒度分布を決定する。
【0171】
続いて、実施例1の過程で使用したのと同じ方法を使用して、それぞれμ10およびμ100と記される、毎分10回転および毎分100回転の2種のスピードのBrookfield(商標)粘度を、時間t=0およびt=8日に1分間撹拌した後に測定する。
試験番号15
この試験は、本発明を例示するものであり、COATEX(商標)社から名称Viscoatex(商標)V46で販売されるASEタイプのアクリル系増粘剤を、懸濁液の総重量に対して0.25乾重量%使用する。この試験はまた、Avenza産の炭酸カルシウムを懸濁液の総重量に対して50.0乾重量%使用し、残りは水を使用する。
試験番号16
この試験は、本発明を例示するものであり、COATEX(商標)社から名称Rheo2000(商標)で販売されるHASEタイプのアクリル系増粘剤を懸濁液の総重量に対して0.25乾重量%、COATEX(商標)社から名称Coapur(商標)2025で販売されるHEURタイプのポリウレタン系増粘剤を懸濁液の総重量に対して0.25乾重量%使用する。この試験はまた、Avenza産の炭酸カルシウムを懸濁液の総重量に対して50.0乾重量%使用し、残りは水を使用する。
試験番号17
この試験は、本発明を例示するものであり、COATEX(商標)社から名称Rheo2000(商標)で販売されるASEタイプのアクリル系増粘剤を、懸濁液の総重量に対して0.10乾重量%使用する。この試験はまた、Avenza産の炭酸カルシウムを懸濁液の総重量に対して20.0乾重量%使用し、残りは水を使用する。
試験番号18
この試験は、本発明を例示するものであり、AQUALON(商標)社から名称Aquaflow(商標)NHS300で販売されるポリエーテル増粘剤を、懸濁液の総重量に対して0.25乾重量%使用する。この試験はまた、Avenza産の炭酸カルシウムを懸濁液の総重量に対して50.0乾重量%使用し、残りは水を使用する。
試験番号19
この試験は、本発明を例示するものであり、COATEX(商標)社から名称Coapur(商標)2025で販売されるHEURタイプのポリウレタン系増粘剤を、懸濁液の総重量に対して0.25乾重量%使用する。この試験はまた、沈降炭酸カルシウムSocal(商標)P3を懸濁液の総重量に対して50.0乾重量%使用し、残りは水を使用する。
【0172】
粉砕後に決定された中位径d50の値、および粉砕後のt=0およびt=8日の1分間撹拌した後に測定されたBrookfield(商標)粘度のμ10およびμ100の値を、表7に示す。
【0173】
【表10】

【0174】
表7:粉砕後の中位径d50、および粉砕後のBrookfield(商標)粘度μ10およびμ100(時間t=0およびt=8日の1分間撹拌した後)。
【0175】
試験番号15から19に対応する中位径は、本発明による方法に関して、炭酸カルシウム粒子のサイズの顕著な減少が観察されるという意味で、使用した増粘剤が粉砕助剤として確かに働いていることを実証している。
【0176】
最後に、本発明に従って得られた各懸濁液が長時間にわたって安定であることが観察されている。
【実施例4】
【0177】
この実施例は、本発明を例示するものであり、本発明による下塗り剤、コーティング剤、および接着剤の製造に関する。
試験番号20
この試験は、本発明を例示するものであり、本発明による下塗り剤の製造に関する。
【0178】
したがって、これを実施するのに、下塗り剤を当業者に周知の方法を使用して製造し、この下塗り剤の諸組成物を表8に示す。
【0179】
この試験は、特に、本発明に従って粉砕され、試験番号15の過程で得られた鉱物質の水性懸濁液を使用する。
【0180】
【表11】

【0181】
表8:本発明による下塗り剤配合物の組成物
Coatex(商標)P90は、COATEX(商標)社から販売されるアクリル系分散剤である。
【0182】
Mergal(商標)K6Nは、TROY(商標)社から販売される殺生物剤である。
【0183】
TiO2 RL68は、MILLENIUM(商標)社から販売される二酸化チタンである。
【0184】
Hydrocarb(商標)およびDurcal(商標)130は、OMYA(商標)社から販売される炭酸カルシウムである。
【0185】
Rhodopas(商標)DS910は、RHODIA(商標)社から販売されるスチレンアクリル系結着剤である。
【0186】
Viscoatex(商標)46は、COATEX(商標)社から販売されるアクリル系増粘剤である。
【0187】
この手段によって、毎分1回転、毎分10回転、および毎分100回転で測定(前述の方法を使用)されたBrookfield(商標)粘度が時間t=0でそれぞれ600,000mPa.s、115,000mPa.s、15,000mPa.sである配合物が得られる。
【0188】
時間t=24時間に測定されたこれらの粘度は、それぞれ400,000mPa.s、82,000mPa.s、14,500mPa.sに等しい。
【0189】
これらの値は、得られたBrookfield(商標)粘度が下塗り剤の分野において本発明による配合物の使用と完全に適合することを実証している。
試験番号21
この試験は、本発明を例示するものであり、本発明によるコーティング剤の製造に関する。
【0190】
したがって、これを実施するのに、コーティング剤を当業者に周知の方法を使用して製造し、このコーティング剤の諸組成物を表9に示す。
【0191】
この試験は、特に、本発明に従って粉砕され、試験番号15の過程で得られた鉱物質の水性懸濁液を使用する。
【0192】
【表12】

【0193】
表9:本発明によるコーティング剤配合物の組成物
Nopco(商標)NDWは、COGNIS(商標)社から販売される消泡剤である。
【0194】
Mergal(商標)K6Nは、TROY(商標)社から販売される殺生物剤である。
【0195】
Myanit(商標)は、OMYA(商標)社から販売される炭酸カルシウムである。
【0196】
Acronal(商標)290Dは、BASF(商標)社から販売されるスチレンアクリル系結着剤である。
【0197】
この手段によって、毎分1回転、毎分10回転、および毎分100回転で測定(前述の方法を使用したが、この場合はHelipath(商標)タイプのモジュールを用いた。)されたBrookfield(商標)粘度が時間t=0でそれぞれ440,000mPa.s、59,000mPa.s、18,000mPa.sである配合物が得られる。
【0198】
時間t=24時間に測定されたこれらの粘度は、それぞれ570,000mPa.s、70,000mPa.s、25,500mPa.sに等しい。
【0199】
これらの値は、得られたBrookfield(商標)粘度がコーティング剤の分野において本発明による配合物の使用と完全に適合することを実証している。
試験番号22
この試験は、本発明を例示するものであり、本発明による接着剤の製造に関する。
【0200】
したがって、これを実施するのに、接着剤を当業者に周知の方法を使用して製造し、この接着剤の諸組成物を表10に示す。
【0201】
この試験は、特に、本発明に従って粉砕され、試験番号15の過程で得られた鉱物質の水性懸濁液を使用する。
【0202】
【表13】

【0203】
表10:本発明による接着剤配合物の組成物
Nopco(商標)NDWは、COGNIS(商標)社から販売される消泡剤である。
【0204】
Rhodopas(商標)DS910は、RHODIA(商標)社から販売されるスチレンアクリル系結着剤である。
【0205】
Durcal(商標)2およびDurcal(商標)130は、OMYA(商標)社から販売される炭酸カルシウムである。
【0206】
Viscoatex(商標)46は、COATEX(商標)社から販売されるアクリル系増粘剤である。
【0207】
この手段によって、毎分1回転、毎分10回転、および毎分100回転で測定(前述の方法を使用したが、この場合はHelipath(商標)タイプのモジュールを用いた。)されたBrookfield(商標)粘度が時間t=0でそれぞれ975,000mPa.s、210,000mPa.s、42,000mPa.sである配合物が得られる。
【0208】
時間t=24時間に測定されたこれらの粘度は、それぞれ1,070,000mPa.s、350,000mPa.s、94,000mPa.sに等しい。
【0209】
これらの値は、得られたBrookfield(商標)粘度が接着剤の分野において本発明による配合物の使用と完全に適合することを実証している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉱物質が増粘剤の存在下で粉砕されることを特徴とする、水中における鉱物質の安定な懸濁液の製造方法。
【請求項2】
鉱物質が、天然もしくは合成の炭酸カルシウム、ドロマイト、カオリン、タルク、石膏、石灰、マグネシア、二酸化チタン、サテンホワイト、三酸化アルミニウム、あるいはまた三水酸化アルミニウム、雲母、酸化亜鉛、酸化鉄、硫酸バリウム、およびこれらの充填剤同士のブレンド、例えばタルク−炭酸カルシウムブレンド、炭酸カルシウム−カオリンブレンド、あるいはまた炭酸カルシウムと三水酸化アルミニウムもしくは三酸化アルミニウムとのブレンド、あるいはまた合成もしくは天然の繊維とのブレンド、あるいはまた鉱物の共構造物、例えばタルク−炭酸カルシウム共構造物またはタルク−二酸化チタン共構造物あるいはこれらのブレンドの中から選択される顔料および/または鉱物充填剤であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
鉱物質が、合成または天然の炭酸カルシウム、二酸化チタン、またはこれらのブレンドであることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
鉱物質が、合成の炭酸カルシウム、または大理石、方解石、チョークもしくはこれらのブレンドから選択される天然の炭酸カルシウムであることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
増粘剤が、天然ゴム、CMC(カルボキシメチルセルロース)、HEC(ヒドロキシエチルセルロース)など天然の増粘剤の中から選択され、または合成の増粘剤の中から選択され、特に、合成ゴム、HASEタイプ(疎水性改変されたアルカリ膨潤性乳剤)もしくはASEタイプ(アルカリ可溶性乳剤)のアクリル系増粘剤、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリエステル、またはPVP(ポリビニルピロリドン)基剤を有するものの中から選択されることを特徴とする、請求項1から4の一項に記載の方法。
【請求項6】
増粘剤が、HASEタイプ(疎水性改変されたアルカリ膨潤性乳剤)のアクリル系増粘剤、およびポリウレタン系増粘剤の中から選択されることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
さらに、少なくとも1種の粉砕助剤が使用されることを特徴とする請求項1から6の一項に記載の方法。
【請求項8】
鉱物質が水性懸濁液の総重量に対して少なくとも15乾重量%、増粘剤が水性懸濁液の総重量に対して0.01乾重量%から5乾重量%、粉砕助剤が水性懸濁液の総重量に対して0から5乾重量%使用されることを特徴とする請求項1から7の一項に記載の方法。
【請求項9】
鉱物質が水性懸濁液の総重量に対して少なくとも30乾重量%、増粘剤が水性懸濁液の総重量に対して0.5乾重量%から1.5乾重量%、粉砕助剤が水性懸濁液の総重量に対して0から2乾重量%使用されることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
鉱物質が水性懸濁液の総重量に対して少なくとも50乾重量%、増粘剤が水性懸濁液の総重量に対して0.5乾重量%から1.5乾重量%使用され、粉砕助剤は使用されないことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
鉱物質の含量を15乾重量%またはそれ以上有し、増粘剤を水性懸濁液の総重量に対して0.01乾重量%から5乾重量%、粉砕助剤を水性懸濁液の総重量に対して0から5乾重量%含むことを特徴とする、増粘剤の存在下で粉砕された鉱物質の水性懸濁液。
【請求項12】
鉱物質の含量を30乾重量%またはそれ以上有し、増粘剤を水性懸濁液の総重量に対して0.5乾重量%から1.5乾重量%、粉砕助剤を水性懸濁液の総重量に対して0から2乾重量%含むことを特徴とする請求項11に記載の増粘剤の存在下で粉砕された鉱物質の水性懸濁液。
【請求項13】
鉱物質の含量を50乾重量%またはそれ以上有し、増粘剤を水性懸濁液の総重量に対して0.5乾重量%から1.5乾重量%含み、粉砕助剤を含まないことを特徴とする請求項12に記載の増粘剤の存在下で粉砕された鉱物質の水性懸濁液。
【請求項14】
鉱物質の粒子の少なくとも50%の直径が30μmまたはそれ未満、すなわち中位径d50が30μmまたはそれ未満であるような粒度分布を有することを特徴とする請求項11から13の一項に記載の増粘剤の存在下で粉砕された鉱物質の水性懸濁液。
【請求項15】
鉱物質の粒子の少なくとも50%の直径が15μmまたはそれ未満、すなわち中位径d50が15μmまたはそれ未満であるような粒度分布を有することを特徴とする請求項14に記載の増粘剤の存在下で粉砕された鉱物質の水性懸濁液。
【請求項16】
鉱物質の粒子の少なくとも50%の直径が10μmまたはそれ未満、すなわち中位径d50が10μmまたはそれ未満であるような粒度分布を有することを特徴とする請求項15に記載の増粘剤の存在下で粉砕された鉱物質の水性懸濁液。
【請求項17】
鉱物質の粒子の少なくとも50%の直径が5μmまたはそれ未満、すなわち中位径d50が5μmまたはそれ未満であるような粒度分布を有することを特徴とする請求項16に記載の増粘剤の存在下で粉砕された鉱物質の水性懸濁液。
【請求項18】
鉱物質が、天然もしくは合成の炭酸カルシウム、ドロマイト、カオリン、タルク、石膏、石灰、マグネシア、二酸化チタン、サテンホワイト、三酸化アルミニウム、あるいはまた三水酸化アルミニウム、雲母、酸化亜鉛、酸化鉄、硫酸バリウム、およびこれらの充填剤同士のブレンド、例えばタルク−炭酸カルシウムブレンド、炭酸カルシウム−カオリンブレンド、あるいはまた炭酸カルシウムと三水酸化アルミニウムもしくは三酸化アルミニウムとのブレンド、あるいはまた合成もしくは天然の繊維とのブレンド、あるいはまた鉱物の共構造物、例えばタルク−炭酸カルシウム共構造物またはタルク−二酸化チタン共構造物あるいはこれらのブレンドの中から選択される顔料および/または鉱物充填剤であることを特徴とする請求項11から17の一項に記載の増粘剤の存在下で粉砕された鉱物質の水性懸濁液。
【請求項19】
鉱物質が、合成または天然の炭酸カルシウム、二酸化チタン、またはこれらのブレンドであることを特徴とする請求項18に記載の増粘剤の存在下で粉砕された鉱物質の水性懸濁液。
【請求項20】
鉱物質が、合成の炭酸カルシウム、または大理石、方解石、チョークもしくはこれらのブレンドから選択される天然の炭酸カルシウムであることを特徴とする請求項19に記載の増粘剤の存在下で粉砕された鉱物質の水性懸濁液。
【請求項21】
増粘剤が、天然ゴム、CMC(カルボキシメチルセルロース)、HEC(ヒドロキシエチルセルロース)など天然の増粘剤の中から選択され、または合成の増粘剤の中から選択され、特に、合成ゴム、HASEタイプ(疎水性改変されたアルカリ膨潤性乳剤)もしくはASEタイプ(アルカリ可溶性乳剤)のアクリル系増粘剤、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリエステル、またはPVP(ポリビニルピロリドン)基剤を有するものの中から選択されることを特徴とする、請求項11から20の一項に記載の水性懸濁液。
【請求項22】
増粘剤が、HASEタイプ(疎水性改変されたアルカリ膨潤性乳剤)のアクリル系増粘剤、およびポリウレタン系増粘剤の中から選択されることを特徴とする、請求項21に記載の水性懸濁液。
【請求項23】
水性塗料、下塗り剤、インク、コーティング剤、シーラント、粘着剤、接着剤、鉱物質を組み込んだ水性配合物などのライニングの配合物などの水性配合物における、請求項11から22の一項に記載の増粘剤の存在下で粉砕された鉱物質の水性懸濁液の使用。
【請求項24】
請求項11から22の一項に記載の増粘剤の存在下で粉砕された鉱物質の水性懸濁液を含むことを特徴とする水性塗料。
【請求項25】
請求項11から22の一項に記載の増粘剤の存在下で粉砕された鉱物質の水性懸濁液を含むことを特徴とする下塗り剤。
【請求項26】
請求項11から22の一項に記載の増粘剤の存在下で粉砕された鉱物質の水性懸濁液を含むことを特徴とするインク。
【請求項27】
請求項11から22の一項に記載の増粘剤の存在下で粉砕された鉱物質の水性懸濁液を含むことを特徴とするコーティング剤。
【請求項28】
請求項11から22の一項に記載の増粘剤の存在下で粉砕された鉱物質の水性懸濁液を含むことを特徴とするシーラント。
【請求項29】
請求項11から22の一項に記載の増粘剤の存在下で粉砕された鉱物質の水性懸濁液を含むことを特徴とする粘着剤。
【請求項30】
請求項11から22の一項に記載の増粘剤の存在下で粉砕された鉱物質の水性懸濁液を含むことを特徴とする接着剤。
【請求項31】
請求項11から22の一項に記載の増粘剤の存在下で粉砕された鉱物質の水性懸濁液を含むことを特徴とする、鉱物質を組み込んだ水性配合物。

【公表番号】特表2008−506619(P2008−506619A)
【公表日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−520857(P2007−520857)
【出願日】平成17年7月5日(2005.7.5)
【国際出願番号】PCT/FR2005/001716
【国際公開番号】WO2006/016037
【国際公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【出願人】(398051154)コアテツクス・エス・アー・エス (35)
【Fターム(参考)】