説明

増設ファンユニット及び画像形成装置

【課題】 必要に応じて後付けの冷却装置が容易に増設可能であり、常に必要最小限の冷却装置により機内を適正温度に冷却可能な画像形成装置、及びその画像形成装置に容易に取り付け可能な増設ファンユニットを提供すること。
【解決手段】 給気又は排気用の開口を有するファンユニットカバー81と、このファンユニットカバー81に取り付けられた冷却ファン82,83と、この冷却ファン82,83と通電する接続端子DC2と、を備える増設ファンユニット80を搭載するための開口部10cを有し、この開口部10cを塞ぐ開口カバー10dは、ファンユニットカバー81と外形寸法が同寸法であり、開口部10cには、増設ファンユニット80側の接続端子DC2と接続する接続端子DC1が備えられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ、これらの複合機等の電子写真方式の画像形成装置に関し、詳しくは、電子写真方式の画像形成装置において冷却装置を追加拡張する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、複写機、ファクシミリ、プリンタ、これらの複合機等の電子写真方式の画像形成装置では、小型化、高スピード化、多機能化の進展に伴い、機内温度の上昇対策が問題となってきている。例えば、特許文献1には、オプション3(プリンタボードやLANボードなどのオプションボード)を組み込むことが可能なコピー機、プリンタ、ファクシミリなどの電子機器(画像形成装置)において、オプション3の取り付け時に、組み込んだオプション3を冷却するための冷却ファン4を別途追加可能な電子機器1が開示されている(特許文献1の図2、図3等参照)。
【0003】
しかし、特許文献1に記載の電子機器1は、オプション3を追加した際に冷却ファン4を追加する構成上、外装カバーを兼ねた受信トレイ15を外し、更にシールドカバー2を外した後にオプション3を追加し、その後冷却ファン4をマシン内部に追加する構成となっており、冷却ファン4の追加に手間が掛かるため、ユーザ自身が簡単に追加できるものではないという問題があった。
【0004】
また、特許文献2には、電源装置14と、この電源装置14の冷却装置16と、コントローラボード15(制御部)と、を備えた電子写真式の画像形成装置において、コントローラボード15で画像形成装置がオプション装置を装備している時のみ電源装置14の冷却装置16を稼動させることにより、不要な冷却による電力の消耗を防止し、冷却装置16の騒音を軽減する画像形成装置1が開示されている(特許文献2の段落0006、図2等参照)。
【0005】
しかし、特許文献2の画像形成装置1は、元々備えられていた冷却装置16を追加オプションに応じて制御するものであり、追加オプションを見越して、最初から搭載する冷却装置に予め余剰な冷却性能を持たせることが必要であり、追加オプションに応じて冷却ファン(冷却装置)を簡単に追加することができるという前記問題点を解決するものではなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、前記問題点を解決するべく、必要に応じて後付けの冷却装置(ファンユニット)が容易に増設可能であり、常に必要最小限の冷却装置により機内を適正温度に冷却可能な画像形成装置、及びその画像形成装置に容易に取り付け可能な増設ファンユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、請求項1に記載の増設ファンユニットの発明は、画像形成装置の使用環境又は使用状況に応じて追加増設されて装置内を空冷する画像形成装置冷却用の増設ファンユニットであって、給気又は排気用の開口を有するファンユニットカバーと、このファンユニットカバーに取り付けられた冷却ファンと、この冷却ファンと通電する接続端子と、を備えることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の増設ファンユニットの発明は、請求項1に記載の増設ファンユニットにおいて、前記ファンユニットカバーは、画像形成装置に装着されると、その表面が装置本体の側面と面一となることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の増設ファンユニットの発明は、請求項1又は2に記載の増設ファンユニットにおいて、前記ファンユニットカバーは、前記画像形成装置の開口部にコインネジで止め付けられるネジ受けと、前記画像形成装置の開口部に掛け止められる係止爪とを有していることを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の画像形成装置の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の増設ファンユニットを搭載するための開口部を有し、該開口部を塞ぐ開口カバーは、前記ファンユニットカバーと外形寸法が同寸法であり、前記開口部には、前記増設ファンユニット側の接続端子と接続する接続端子が備えられていることを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の画像形成装置の発明は、請求項4に記載の画像形成装置において、表示手段と、外気温を測定する温度測定手段を備え、この温度測定手段で測定した測定温度が、使用限界温度を超えた場合には、前記表示手段に前記増設ファンユニットを増設すべきことを表示することを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項4に記載の画像形成装置において、表示手段と、外気の湿度を測定する湿度測定手段を備え、この湿度測定手段で測定した測定湿度が、使用限界湿度を超えた場合には、前記表示手段に前記増設ファンユニットを増設すべきことを表示することを特徴とする。
【0013】
請求項7に記載の発明は、請求項4に記載の画像形成装置において、表示手段と、連続通紙枚数をカウントするカウンターを備え、このカウンターでカウントした連続通紙枚数が、限界枚数を超えた場合には、前記表示手段に前記増設ファンユニットを増設すべきことを表示することを特徴とする。
【0014】
請求項8に記載の発明は、請求項4ないし7のいずれかに記載の画像形成装置において、前記増設ファンユニットを搭載するスペースと他の部位とを区画する区画部材を前記開口部の縁から内側に向け突設したことを特徴とする。
【0015】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の画像形成装置において、前記区画部材は、前記装置本体の前記開口部が設けられた側面と直交する方向に前記開口部の縁から内側に向け折り返された折返し板であることを特徴とする。
【0016】
請求項10に記載の発明は、請求項8又は9に記載の画像形成装置において、前記装置本体側の接続端子は、そのハーネスを隠蔽するように上面プレートが内側に延在した形状となっていることを特徴とする。
【0017】
請求項11に記載の発明は、請求項8ないし10のいずれかに記載の画像形成装置において、前記区画部材、前記装置本体、及び前記増設ファンユニットの設置スペースに面する前記開口部周りのその他の部材、これらが隣接する相互の隙間は、全て所定間隔以下となっていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
この発明は、前記のようであって、請求項1の発明によれば、画像形成装置の使用環境又は使用状況に応じて追加増設されて装置内を空冷する画像形成装置冷却用の増設ファンユニットであって、給気又は排気用の開口を有するファンユニットカバーと、このファンユニットカバーに取り付けられた冷却ファンと、この冷却ファンと通電する接続端子と、を備えるので、画像形成装置の使用環境又は使用状況に応じて画像形成装置冷却用の増設ファンユニットを簡単に後付けして増設することができる。そのため、常に必要最小限の冷却ファンにより機内を適正温度に冷却することができ、省エネルギーでランニングコストも最小限とすることができる。
【0019】
請求項2の発明によれば、請求項1に記載の増設ファンユニットにおいて、前記ファンユニットカバーは、画像形成装置に装着されると、その表面が装置本体の側面と面一となるので、フィニッシャーなどの他のオプション機器の増設の邪魔にならない。
【0020】
請求項3の発明によれば、請求項1又は2に記載の増設ファンユニットにおいて、前記ファンユニットカバーは、前記画像形成装置の開口部にコインネジで止め付けられるネジ受けと、前記画像形成装置の開口部に掛け止められる係止爪とを有しているので、1箇所のコインネジで脱着が可能となり、より簡単に増設ファンユニットを取り付けることができる。
【0021】
請求項4の発明によれば、請求項1ないし3のいずれかに記載の増設ファンユニットを搭載するための開口部を有し、該開口部を塞ぐ開口カバーは、前記ファンユニットカバーと外形寸法が同寸法であり、前記開口部には、前記増設ファンユニット側の接続端子と接続する接続端子が備えられているので、開口カバーと増設ファンユニットを取り替えるだけで、画像形成装置の使用環境又は使用状況に応じて画像形成装置冷却用の増設ファンユニットを簡単に後付けして増設することができる。そのため、常に必要最小限の冷却ファンにより機内を適正温度に冷却することができ、省エネルギーでランニングコストも最小限とすることができる。
【0022】
請求項5の発明によれば、請求項4に記載の画像形成装置において、表示手段と、外気温を測定する温度測定手段を備え、この温度測定手段で測定した測定温度が、使用限界温度を超えた場合には、前記表示手段に前記増設ファンユニットを増設すべきことを表示するので、外気温が使用限度を超えている場合に、ユーザに冷却用のファンユニットを増設すべきことを知らせることができる。
【0023】
請求項6の発明によれば、請求項4に記載の画像形成装置において、表示手段と、外気の湿度を測定する湿度測定手段を備え、この湿度測定手段で測定した測定湿度が、使用限界湿度を超えた場合には、前記表示手段に前記増設ファンユニットを増設すべきことを表示するので、外気の湿度が使用限度を超えている場合に、ユーザに冷却用のファンユニットを増設すべきことを知らせることができる。
【0024】
請求項7の発明によれば、請求項4に記載の画像形成装置において、表示手段と、連続通紙枚数をカウントするカウンターを備え、このカウンターでカウントした連続通紙枚数が、限界枚数を超えた場合には、前記表示手段に前記増設ファンユニットを増設すべきことを表示するので、連続通紙枚数が使用限度を超えている場合に、ユーザに冷却用のファンユニットを増設すべきことを知らせることができる。
【0025】
請求項8の発明によれば、請求項4ないし7のいずれかに記載の画像形成装置において、前記増設ファンユニットを搭載するスペースと他の部位とを区画する区画部材を前記開口部の縁から内側に向け突設したので、電子基板やハーネスなどの高電圧の掛かった電気部品やファンモータなどの駆動部品などの触ると危険な部品に人が誤って触ることがないようにすることができると共に、金属材や樹脂成型材のバリや鋭利なエッジ部分に手が触れられないように防護することができる。
【0026】
請求項9の発明によれば、請求項8に記載の画像形成装置において、前記区画部材は、前記装置本体の前記開口部が設けられた側面と直交する方向に前記開口部の縁から内側に向け折り返された折返し板であるので、区画部材と装置本体の側面との間に隙間が生じないため、更に安全性が向上する。
【0027】
請求項10の発明によれば、請求項8又は9に記載の画像形成装置において、前記装置本体側の接続端子は、そのハーネスを隠蔽するように上面プレートが内側に延在した形状となっているので、増設ファンユニットに通電する増設ファンユニット用のハーネスを確実に隠蔽して人が誤ってこのハーネスに触ることがないようにすることができる。
【0028】
請求項11の発明によれば、請求項8ないし10のいずれかに記載の画像形成装置において、前記区画部材、前記装置本体、及び前記増設ファンユニットの設置スペースに面する前記開口部周りのその他の部材、これらが隣接する相互の隙間は、全て所定間隔以下となっているので、人が誤って隙間に指を突っ込むおそれがなくなり、より安全性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】実施の形態に係る画像形成装置の概略構成を正面視で示す構成説明図である。
【図2】同上の画像形成装置外観の左側面、正面、上面を表す外観斜視図である。
【図3】図2の外観斜視図の左カバー付近を拡大して装置本体を透視した状態で示す透視斜視図である。
【図4】図1の画像形成装置のプロセスカートリッジ付近を拡大して正面視で装置本体を透視した状態で示す正面透視図である。
【図5】図4の正面透視図の左カバー付近を更に拡大してプロセスカートリッジを省略した状態で主に仕切り板を示す部分拡大正面透視図である。
【図6】図2の斜視図のファンユニット増設用の開口部を拡大して示す部分拡大斜視図である。
【図7】実施の形態に係る増設ファンユニットの構成部品を示す分解側面図である。
【図8】同上の増設ファンユニットを内面から見た内部側面図である。
【図9】図1の画像形成装置の温湿度センサの取付位置を示す部分拡大斜視図である。
【図10】実施の形態に係る画像形成装置の冷却ファン増設表示の制御フローを示すフローチャートである。
【図11】実施の形態2に係る画像形成装置の増設ファンユニットを装着する開口部を拡大して示す部分拡大斜視図である。
【図12】同上の開口部の鉛直断面図である。
【図13】テストフィンガを示す平面図である。
【図14】同上の正面図である。
【図15】同上の右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態について説明する。
【0031】
[実施の形態1]
(画像形成装置の全体構成)
先ず、図1及び図2を用いて、本発明の実施の形態に係る画像形成装置の全体構成について説明する。図中の符号1は、本発明の一実施の形態として例示する電子写真方式を利用した胴内排紙タイプのカラー複写機であり、このカラー複写機1は、画像形成装置全体の筐体である天面が開口した概略箱状の装置本体10と、その装置本体10の上部に配置され、原稿の画像を読み取る画像読取部2と、この画像読取部2の下方に配置され、画像読取部2で読み取るか又は外部機器から送信される画像情報を基に画像を形成する画像形成部3と、装置本体10の最下部に配置され、用紙搬送路にシート材(コピー用紙やOHP用の樹脂シート、厚紙、葉書などを含むシート状の部材を指す、以下同じ)を供給する給紙部4と、画像形成部3の上方に設けられ、シート材を排紙する排紙部5と、給紙部4と排紙部5の間に設けられた用紙搬送路6などから主に構成されている。
【0032】
画像読取部2は、装置本体10の天面部分に取り付けられて原稿が載置される原稿台としてのコンタクトガラス20と、このコンタクトガラス20の直下に配置されて移動しながら原稿に光を当てる光源21と、原稿からの反射光を結像する結像レンズ22と、その結像位置に配置されて原稿画像を読み取る読取手段としてのCCD等のイメージセンサ23と、原稿からの反射光を反射しながら結像レンズ22に導く複数のミラーなどから構成されている。また、この画像読取部2の上部には、コンタクトガラス20に載置された原稿を押さえる圧板24(図示せず)が設けられている。なお、この圧板24に代えて、コンタクトガラス20に原稿を自動給紙する自動原稿給紙装置(ADF)を設置してもよい。
【0033】
画像形成部3は、色材三原色であるイエロー、シアン、マゼンダと、無彩色であるブラックの計4色のトナーに対応する4つのプロセスカートリッジ3Y,3C,3M,3Kと、これら4つのプロセスカートリッジ3Y,3C,3M,3Kの下方に設けられ、後述の各感光体ドラムに潜像を書き込む書込ユニット30と、各プロセスカートリッジに対応する色の新規トナーを収容する4つのトナーボトル31Y,31C,31M,31Kと、各プロセスカートリッジで形成された画像が一旦転写された後シート材に転写する転写ユニット32と、シート材に画像を定着する定着ユニット33などから構成されている。
【0034】
プロセスカートリッジ3Y,3C,3M,3Kは、後述の中間転写ベルト32aの外周表面の移動方向(図中の矢印A)に沿って上流側からイエロー、シアン、マゼンダ、ブラックの順に配列されている。各プロセスカートリッジ3Y,3C,3M,3Kは、正面視で時計回りに回転駆動する潜像担持体である感光体ドラムY,C,M,Kを中心として、各感光体ドラムY,C,M,Kの外周面に帯電処理を施して一様に帯電させる帯電手段、各感光体ドラムY,C,M,K上に後述の書込ユニット30で形成された静電潜像を対応する各色のトナーで単色のトナー像に可視像化する現像手段30Y,30C,30M,30K、感光体ドラムY,C,M,Kの外周面に転写後も残留する転写残トナーをクリーニングして回収するクリーニング手段などから一体成型されて装置本体10に対して脱着可能に構成された作像装置である。
【0035】
書込ユニット30は、ポリゴンミラーやfθレンズなどを備え、画像読取部2やパソコン、外部スキャナなどから入力された画像情報を基にレーザ発光装置からレーザ光を照射しながら走査し、一様に帯電された感光体ドラムY,C,M,Kの外周表面を選択的に露光させて、照射した部分の表面電位を低下させ、感光体ドラム上に静電潜像を形成する露光装置である。
【0036】
トナーボトル31Y,31C,31M,31Kは、それぞれ前記4色の新規トナーが個別に充填されており、図示しない搬送経路を通じて各プロセスカートリッジ3Y,3C,3M,3Kの現像装置30Y,30C,30M,30Kへ各色のトナーを補給する仕組みとなっている。
【0037】
転写ユニット32は、中間転写体として弾性樹脂の多層構造体からなる無端状ベルトである中間転写ベルト32aと、この中間転写ベルト32aを支持・張架する4つの支持ローラ32b,32c,32d,32eと、感光体ドラムY,C,M,Kとそれぞれ中間転写ベルト32aを挟んで対向する4つの1次転写ローラ32fなどから主に構成された中間転写方式の転写装置である。
【0038】
この支持ローラ32bは、図示しない駆動手段に接続された駆動ローラとなっており、図の矢印A方向に中間転写ベルト32aを回転駆動させる機能を有している。なお、この駆動ローラ32bと中間転写ベルト32aを挟んで対向する位置には2次転写ローラ32gが配設されており、支持ローラ32cの近傍には、中間転写ベルト32aの外周表面に付着する残留トナーを掻き取ってクリーニングするクリーニング装置32hが設けられている。
【0039】
各1次転写ローラ32fは、空隙放電による画像劣化を考慮し、各感光体ドラムY,C,M,Kと中間転写ベルト32aを挟んで中心間距離が最短距離で当接する正対位置から中間転写ベルト32aの搬送方向下流側(図中の矢印A方向)に少しずらした位置に配設された接触印加方式の転写バイアス(転写電圧)印加手段であり、図示しないバイアス電源に接続され、1次転写バイアスを中間転写ベルト32aの裏面(内周面)から印加可能に構成されている。
【0040】
2次転写ローラ32gは、図示しない付勢手段により付勢されて駆動ローラ32bの外周において中間転写ベルト32aに圧接され、駆動ローラ32bとの間に2次転写ニップを形成するよう構成されており、駆動ローラ32bが、図示しないバイアス電源に接続された接触方式の転写バイアス印加手段となっている。また、2次転写ローラ32gが転写バイアス印加手段となっていてもよく、その場合、転写するトナー像とは逆極性の転写バイアスを印加することになる。
【0041】
定着ユニット33は、定着ローラ33aと加熱ローラ33bに張架された無端状ベルトである定着ベルト33cと、この定着ベルト33cに圧接する加圧部材としての加圧ローラ33dとで定着ニップが形成され、この定着ニップにおいて後述の用紙搬送路6を通じて搬送されてきたシート材に熱と圧力が加えられ、前述の2次転写ニップで転写されたトナー像がシート材に溶融付着して定着されるようになっている。
【0042】
給紙部4は、シート材としてそれぞれ大きさの違う所定のコピー用紙を収容・ストックし、装置本体10から引き出し可能な給紙カセット40,41と、このストックされたコピー用紙に上方から所定圧で弾接する給紙ローラ42,43などが備えられ、制御手段(図示せず)の制御信号に基づいて、給紙カセット40,41にそれぞれ収容しているコピー用紙を給紙ローラ42,43で後述の用紙搬送路6に送り出すようになっている。
【0043】
また、給紙部4には、搬送可能な所定の大きさの範囲内の任意のシート材を載置する手差トレイ44と、この任意のシート材を送り出す給紙ローラ45と、が設けられており、手差トレイ44に載置されたシート材を、給紙ローラ45を回転駆動させることにより後述の用紙搬送路6に送り出せるようになっている。
【0044】
排紙部5は、前述のトナーボトル31Y,31C,31M,31Kと、画像読取部2の間に形成された斜面からなる排紙トレイ5aと、この排紙トレイ5aに定着ユニット33を通過したコピー用紙などのシート材を後述の用紙搬送路6から排紙(排出)する排紙ローラ対5bなどから構成され、この排紙ローラ対5bによって排紙したシート材を排紙トレイ5a上に集積する機能を有した胴内排紙タイプの排紙部である。
【0045】
用紙搬送路6は、装置本体10の下部に設けられた給紙部4から装置本体10の上部に設けられた排紙部5へ下から上に向けて搬送する縦搬送方式(縦パス方式)の通常搬送路6aと、両面印刷のためにシート材を反転させる反転搬送路6bとからなり、これらの搬送路は、切替爪6cで切り替え可能となっており、この切替爪6cで反転搬送路6bへ案内され、反転搬送ローラ対6dで反転搬送路6bの上部6eへ運ばれたシート材が反転搬送ローラ対6dが反転することによりスイッチバック式に反転されて後述のレジストローラ対6f手前の通常搬送路6aへ搬送される仕組みとなっている。
【0046】
これら通常搬送路6a、反転搬送路6bには、最小用紙サイズに応じた間隔で複数の搬送ローラ対が設けられ、これらの搬送ローラ対でシート材を挟持しながら回転することで搬送する仕組みとなっている。また、通常搬送路6aには、2次転写ニップの下方にレジストローラ対6fが設けられており、このレジストローラ対6fにより図示しない制御手段の指令に基づいて2次転写ニップへシート材を搬送するタイミングが調整される。
【0047】
なお、図2に示すように、画像読取部2の正面側には、操作部7が設けられており、この操作部7には、カラー複写機1の複数の機能を操作するための入力手段(スタートキー、テンキー、機能設定キー、リセットキー、クリア/ストップキーなどの各種キー)と、各種入力情報や装置の状態を表示する液晶表示パネルからなる表示手段が備えられている。また、この液晶表示パネルは、表示手段と入力手段を兼ねた液晶タッチパネルとすることもできる。
【0048】
(画像形成動作)
次に、図1を参照しつつカラー複写機1の画像形成動作について説明する。
コピーを取るときは、まず圧板24を開いて画像読取部2のコンタクトガラス20上に原稿がセットされる(圧板24に代えてADFを設けるときは、ADFの原稿台上に原稿がセットされる)。続いて、操作部7のスタートスイッチが押されて画像読取部2が駆動し、走行する光源21から発せられた光が原稿面に当って反射し、その反射光を複数のミラーで反射して結像レンズ22を通してイメージセンサ23に結像し、イメージセンサ23で電子信号に変換されて、原稿の画像(内容)が読み取られる。なお、ADFを取り付けた場合は、ADFの載置台から原稿をコンタクトガラス20上へ自動搬送した後、前記動作が開始される。そして、操作部7で選択されたモード設定等に応じて、フルカラーモード、又は白黒モードで画像形成動作が開始される。
【0049】
先ず、操作部7(図2参照)でフルカラーモードが選択されて、カラー画像を形成する場合を説明する。カラー複写機1において画像形成動作が開始されると、各感光体ドラムY,C,M,Kがカラー複写機1の正面(図1参照)から見て時計回りの方向に回転駆動し、このとき各帯電手段によって各感光体ドラムY,C,M,Kの外周面が所定の極性(例えば、マイナス)に一様に帯電される。次いで、それぞれの帯電面に、書込ユニット30からトナー色に対応するよう色分解された画像情報に基づいてレーザ光が照射され、各感光体ドラムY,C,M,Kの外周面上に静電潜像が形成される。そして、この静電潜像は、各現像手段30Y,30C,30M,30Kによって単色のトナー像として可視像化され、各色のトナー像はそれぞれ対応する1次転写ローラ32fによって1次転写バイアスが印加され中間転写ベルト32a上に順次重ねて転写されて行き、フルカラーのトナー像が形成される。なお、単色の画像を形成する場合は、ブラックのプロセスカートリッジ3Kで前記動作が行われる。
【0050】
一方、給紙部4の給紙カセット40,41にストックされているコピー用紙が、給紙ローラ42,43により1枚ずつ用紙搬送路6に送り出される。そして、コピー用紙が用紙搬送路6を上昇して行き、その先端がレジストローラ対6fに突き当たって停止する。突き当たることによってコピー用紙の先端が整えられ、中間転写ベルト32a上に形成された前記カラートナー像が2次転写ニップに到達するタイミングに合わせてレジストローラ対6fを回転させ、2次転写ニップに向けてコピー用紙が送り出される。
【0051】
次に、画像形成部3の2次転写ニップで、2次転写バイアスが印加され中間転写ベルト32a上の前記フルカラーのトナー像がコピー用紙に静電気力により転写された上、定着ユニット33の定着ニップに送られる。そこで、定着ベルト33cと加圧ローラ33dによって熱と圧力が加えられ、コピー用紙に担持された未定着のトナー像がコピー用紙に定着される。このように、コピー用紙にトナー像が定着された後、排紙ローラ対5bが回転することによって図2の矢印方向に沿って排紙トレイ5aに排紙される。
【0052】
また、操作部7(図2参照)で両面モードが選択されて両面コピーを行うと場合は、切替爪6cで搬送路が切換えられ、片面に画像が定着済みのシート材を反転搬送路6bの上部6eに一時的にスタックした後、反転搬送ローラ対6dでスイッチバック式に進行方向が反転され、搬送ローラにより反転用搬送路6b内を搬送され、画像形成動作のタイミングを合わせて、レジストローラ6fにより再給紙され、前記画像形成動作と同様に裏面側の画像形成(印刷)が行われる。
【0053】
なお、感光体ドラムY,C,M,K上の残留トナーは、各クリーニング手段でクリーニングされ、その後、帯電手段によって直流に交流成分が重畳されたバイアスが印加され除電と同時に一様に帯電される。また、中間転写ベルト32a上の残留トナーは、クリーニング装置32hによってクリーニングされて、次の画像形成動作に備えられる。
【0054】
(冷却機構)
次に、カラー複写機1の冷却機構(冷却装置)について図2〜図5を参照して説明する。
カラー複写機1の冷却機構(冷却装置)8は、60mm角の厚さ25mm程度の大きさの軸流ファンからなる2つの冷却ファン8a,8bから主に構成され、冷却ファン8a,8bを回転駆動することにより、装置本体10の左側面に設けられたガラリ(louver:ルーバー)付きの給気口10a,10bから外気を吸引して装置内を冷却する。この冷却ファン8a,8bは、装置本体10のフレームにファンブラケットを介して取り付けられている。
【0055】
また、図3〜5に示すように、冷却ファン8a,8bの上方から前述の書込ユニット30とプロセスカートリッジ3Y,3C,3M,3Kとの間を上下に仕切る仕切り板8cが、装置本体10のフレームの正面を構成する前側板10eと、フレームの背面を構成する後側板10fとに亘って取り付けられており、この仕切り板8cには、各感光体ドラムを露光するための前述のレーザ光が通過する開口となる光路口8Y,8C,8M,8Kが、プロセスカートリッジ3Y,3C,3M,3K毎に設けられている。このため、図5の矢印で示すように、冷却ファン8a,8bで吸引された外気の流れは、仕切り板8cによって書込ユニット30とプロセスカートリッジ3Y,3C,3M,3Kとの間に案内され、各光路口8Y,8C,8M,8Kを通過して各プロセスカートリッジ3Y,3C,3M,3Kを冷却する仕組みとなっている。
【0056】
なお、図2に示すように、給気口10aと給気口10bとの間には、後述の増設ファンユニット80を取り付けるための開口部10cが設けられ、この開口部10cを塞ぐため製品出荷時には、開口カバー10dが装置本体10の左側面に係止爪とコインネジでネジ止めされている(図6も参照)。
【0057】
(増設ファンユニット)
次に、本発明の特徴部分である増設ファンユニットについて図6〜図8を参照して説明する。
本発明の実施の形態に係るカラー複写機1は、前述の開口カバー10d(図2参照)を、増設ファンユニット80と取り替えることにより、オプションとして冷却ファンのファンユニットを簡単に後付けすることができるようになっている。そのため、図6に示すように、開口部10cには、図示しない電源に接続し、増設用の冷却ファンに電圧を印加するためのドロワコネクタの装置本体側の接続端子DC1が設けられている。
【0058】
図7、図8に示すように、増設ファンユニット80は、前述の開口カバー10d(図2参照)と外形が同寸法の水平(左右)方向を長手とする略矩形平板状の樹脂プレートからなるファンユニットカバー81と、このファンユニットカバー81の内面(装置本体10に取り付けた際に装置内となる面)の左右両端付近に取り付けられた2つの冷却ファン82,83と、これらを支持してファンユニットカバー81に取り付けられるスチールプレートからなる支持板84と、この支持板84に支持された前記本体側の端子DC1と接続するドロワコネクタの冷却ファン82,83側の接続端子DC2などから主に構成されている。
【0059】
ファンユニットカバー81は、冷却ファン82,83と対応する位置に、左右一対のガラリ(louver:ルーバー)付き給気開口81a,81aを有し、内面の四隅には、支持板84を取り付ける4つの雌ネジ突起81bが装置の内側に向けて突設され、カバー上端の中央には、装置本体10の開口部10cの上端に止め付けるコインネジのネジ受け81cが上方に向けて突設され、下端には、開口部10cの下端に掛け止める2つの係止爪81cが下方に向けて突設されている。
【0060】
この冷却ファン82,83は、冷却機構8の冷却ファン8a,8bと同様に、60mm角の厚さ25mm程度の大きさの軸流ファンからなるが、このような大きさのものに限定されるものではなく、冷却する画像形成装置全体の大きさ等に応じて適宜変更可能である。また、装着台数も2台に限られず、1台でも3台以上であってもよいことは云うまでもない。
【0061】
支持板84は、外形がファンユニットカバー81に沿った左右を長手とする略矩形状で、冷却ファン82,83の取り付け部分が断面コの字状に窪んだ形態であり、冷却ファン82,83の取り付け部分に円形の左右一対の開口84a,84aが開口され、冷却ファン82,83が回転することで、ファンユニットカバー81の給気開口81a及び開口84aから外気を吸引して装置内を冷却する仕組みとなっている。なお、ドロワコネクタの接続端子DC1とDC2が結合することで、図示しない電源に冷却ファン82,83が電気的に接続され、冷却ファン82,83に安全規格上問題なく駆動電圧を印加可能となる。
【0062】
また、図7に示すように、冷却ファン82,83は、支持板84に固着され、冷却ファン82,83が取り付けられた支持板84が、ファンユニットカバー81の雌ネジ突起81bにネジ止めされ、更に、増設ファンユニット80全体の上部がコインネジによりネジ受け81cがネジ止めされて、下部が係止爪81dにより装置本体10の開口部10c(図6参照)に掛け止められることにより装着される。そして、増設ファンユニット80が装置本体10の開口部10cに装着されると、ファンユニットカバー81の外面(表面)は、装置本体10の左側面と面一となって、冷却ファン82,83が、外側に出っ張ることなく装置本体10の内部に収納される。
【0063】
以上の説明した実施の形態に係る増設ファンユニットによれば、増設ファンユニット80のファンユニットカバー81は、装置本体10の開口カバー10dと外形が同寸法なのでカラー複写機1の通常の開口カバー10dを増設ファンユニット80と取り替え、ドロワコネクタを接続するだけで簡単に冷却ファン82,83を増設することができる。しかも、ファンユニットカバー81の表面(外面)が装置本体10の左側面と面一となって装置本体10内に冷却ファン82,83が収納されている構成のため、フィニッシャーなどの後付けオプションの装着の邪魔にならない。
【0064】
(温湿度センサ)
次に、カラー複写機1の温湿度センサについて図9を用いて説明する。
図9は、カラー複写機1の右側面と背面の下部を拡大して示す部分拡大斜視図である。図示したように、カラー複写機1の右側面の背面側の最下部には、温度測定手段と湿度測定手段を兼ねる温湿度センサSが配設されており、外気の温度、湿度を測定することができるようになっている。このように、カラー複写機1の右側面の背面側最下部に設けられたのは、この位置が最も機内温度に影響されずに外気の状態を測定することができるからである。なお、実験等により、外気の温度及び湿度がどの値より大きくなるとカラー複写機1が正常に作動しないかを調査することにより、使用限界温度X及び使用限界湿度Yを予め設定することが好ましい。
【0065】
(電子カウンター)
次に、カラー複写機1の電子カウンターについて説明する。
図示しないが、カラー複写機1には、電子カウンターが設けられており、JOB毎に出力するシート材(用紙)の枚数をカウントすることができるようになっている。また、連続出力の実験等を行って、連続出力することによりプロセスカートリッジ等の温度が上昇し、使用限界を超えることを確認し、連続出力可能な限界枚数Zを設定することが好ましい。
【0066】
(冷却ファン増設表示の制御フロー)
次に、温湿度センサや電子カウンターを用いて前述の操作部7の表示手段に増設ファンユニット80の追加を促す表示をするまでの制御フローについて説明する。
図10に示すように、ステップ1でカラー複写機1のメインスイッチがオンされると、ステップ2に進み、温湿度センサSで測定した測定温度が使用限界温度Xを超えたか否かが判断される。そして、測定温度が使用限界温度Xを超えた場合は、ステップ3に進み、前述の操作部7の表示手段に冷却ファンの増設(増設ファンユニット80の取り付け)が必要である旨の表示をする。
【0067】
また、ステップ2で測定温度が使用限界温度Xを超えていない場合は、ステップ4に進み、測定湿度が使用限界湿度Yを超えたか否かが判断される。そして、測定湿度が使用限界湿度Yを超えた場合は、ステップ3に進む。しかし、測定湿度が使用限界湿度Yを超えていない場合は、ステップ5に進み、前述の電子カウンターでカウントした枚数が連続出力可能な限界枚数Zを超えたか否かが判断される。
【0068】
カウントした枚数が限界枚数Zを超えた場合は、ステップ3に進むが、カウントした枚数が限界枚数Zを超えていない場合は、ステップ6に進み、操作部7の表示手段には、何も表示せずに、通常運転を続ける。そして、ステップ3及びステップ6に進んだ後は、ステップ7に進み、メインスイッチがオフになった場合は終了し、そうでない場合は、ステップ8に進んで、制御時間毎に前記フローを繰り返す。
【0069】
以上説明した冷却ファン増設表示の制御フローによれば、温湿度センサSで測定した測定温度が使用限界温度Xを超えた場合、温湿度センサSで測定した測定湿度が使用限界湿度Yを超えた場合、電子カウンターでカウントした枚数が連続出力可能な限界枚数Zを超えた場合のいずれかの場合には、ユーザに冷却用のファンユニットを増設すべきことを知らせることができる。このため、画像形成装置内の温度が上昇するなどの不具合を未然に防ぐことができる。よって、常に必要最小限の冷却ファンにより機内を適正温度に冷却することができ、省エネルギーでランニングコストも最小限とすることができる。
【0070】
以上のように、実施の形態に係るカラー複写機1によれば、通常の開口カバー10dを増設ファンユニット80と取り替え、ドロワコネクタを接続するだけで簡単に冷却ファン82,83を増設することができるので、必要に応じて容易に冷却ファン(冷却装置)を追加することができる。よって、常に必要最小限の冷却ファンにより機内を適正温度に冷却可能となり、省エネルギーでランニングコストも最小限とすることができる。しかも、ファンユニットカバー81の外面が装置本体10の左側面と面一となって装置本体10内に冷却ファン82,83が収納されている構成のため、フィニッシャーなどの後付けオプションの装着の邪魔にならない。
【0071】
[実施の形態2]
次に、図11及び図12を用いて、本発明の実施の形態2に係る画像形成装置であるカラー複写機1’について説明する。このカラー複写機1’が前述の実施の形態1に係る画像形成装置であるカラー複写機1と相違する点は、カラー複写機1の開口部10cの周りに区画部材として後述の折返し板10g,10hが設けられた開口部10c’となっている点だけなので、相違する部分についてのみ説明し、同一構成は同一符号を付して説明を省略する。
【0072】
これらの折返し板10g,10hは、装置本体10の開口部10c’の左右の縁、及び下の縁が内側に折り返されて、装置本体10の開口部10c’が設けられた側面に対して略直交する方向に沿って内方に突出した板であり、前述の増設ファンユニット80の設置スペースとカラー複写機1’内の他の部位とを区画する区画部材として、電子基板やハーネスなどの高電圧の掛かった電気部品やファンモータなどの駆動部品(モータ、ソレノイド、クラッチを含む)などの触ると危険な部品にユーザなど人が誤って触ることがないようにすると共に、金属材や樹脂成型材などのバリや鋭利なエッジ部分に手が触れられないようにする機能を有している。
【0073】
なお、図示するように、実施の形態1に係るカラー複写機1と同様に開口部10c’の上の縁の内部には、前記折返し板10g,10hと同様に区画部材として機能する前述の仕切り板8cが取り付けられており、折返し板10g,10h、仕切り板8c、書込みユニット30などの増設ファンユニット80の設置スペースに面する開口部10c’周りのその他の部材、装置本体10、これらが隣接する相互の隙間は、全て所定間隔以下となっている。ここで、本実施の形態に係るカラー複写機1’における所定間隔は、アメリカ保険業者安全試験所(UL)によって認証されたテストフィンガである図13〜図15に示す関節型アクセスプローブ(電話機器−UL1459)が挿入不可能か否かで規定されている。
【0074】
また、図11、12に示すように、増設ファンユニット80のドロワコネクタである本体側の端子DC1に通電する増設ファンユニット用のハーネスHdc、及び常設の冷却ファン8a,8bへ通電する常設ファン用のハーネスHfは、これらの折返し板10g,10hの裏面側、即ち、増設ファンユニット80の設置スペースでない方の装置の内側を通って、装置本体10の外装カバーと支持フレームとの間から図示しない電圧基板に接続されており、装置本体側の接続端子DC1の上面プレートは、ハーネスHdcを隠蔽するように内側に延在した形状となっている。このため、高電圧が掛かっているハーネスHdc,Hfには、開口部10c’の外部から人が触れることができない構成となっている。
なお、常設ファン用のハーネスHfは、中継コネクタRCで中継されて電圧基板に接続されている。
【0075】
また、開口部10c’の左右の折返し板10gは、図12に示すように、仕切り板8cに沿って常設の冷却ファン8a,8bよりも奥行きが深い位置まで内側に突出した形状となっているため、人が手を入れても駆動部品である冷却ファン8a,8bにも触れることができない構成となっている。
【0076】
それに加え、開口部10c’の左右の折返し板10gや下端の折返し板10hが、書込ユニット30や冷却ファン8a,8bなどの増設ファンユニット80の設置スペースに面する部材の鋭利なエッジ部分を覆っているため、開口部10c’に手などを入れた際に、これらの鋭利なエッジ部分で誤って手などを切ってしまうおそれがない構成となっている。
【0077】
以上のように、実施の形態2に係るカラー複写機1’によれば、開口部10c’の縁に沿って増設ファンユニット80の設置スペースと他の部位とを区画する区画部材として折返し板10g,10hが設けられているので、電子基板やハーネスなどの高電圧の掛かった電気部品やファンモータなどの駆動部品などの触ると危険な部品に人が誤って触ることがないようにすることができると共に、金属材や樹脂成型材のバリや鋭利なエッジ部分に手が触れられないように防護することができる。
【0078】
この発明の実施の形態に係る画像形成装置として、電子写真方式を利用した4連タンデム型の中間転写方式の胴内排紙タイプのカラー複写機を例に挙げて説明したが、必ずしもこのようなものに限られず、複写機、ファクシミリ、プリンタ、これらの複合機等の一般的な画像形成装置には全て本発明を適用することができる。
特に、本実施の形態では、冷却ファンとして、外気を吸引して装置内を空冷する給気ファンを例に挙げて説明したが、本発明の冷却ファンは、装置内の熱気を外気に放出して冷却する排気ファンであってもよい。
【0079】
そして、実施の形態に係る画像形成装置の説明における画像読取部2、画像形成部3、給紙部4、排紙部5、用紙搬送路6、操作部7などは、あくまでも一例を示したものであって、他の公知の装置・手段などの構成を採用することができる。その場合でも、前記課題に対して同様の作用効果を奏することは明らかである。また、図面で示した各構成部材の形状や構造等も、あくまでも好ましい一例を示すものであり、特許請求の範囲内で適宜設計変更可能であることは云うまでもない。
【符号の説明】
【0080】
1,1’ カラー複写機(画像形成装置)
10 装置本体
10c,10c’ 開口部
10d 開口カバー
10g,10h 折返し板(区画部材)
3Y,3C,3M,3K プロセスカートリッジ
8c 仕切り板(区画部材)
80 増設ファンユニット
81 ファンユニットカバー
81a 給気開口(開口)
81c ネジ受け
81d 係止爪
82,83 冷却ファン
S 温湿度センサ(温度測定手段、湿度測定手段)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0081】
【特許文献1】特開2002−036662号公報
【特許文献2】特開2002−304093号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置の使用環境又は使用状況に応じて追加増設されて装置内を空冷する画像形成装置冷却用の増設ファンユニットであって、
給気又は排気用の開口を有するファンユニットカバーと、このファンユニットカバーに取り付けられた冷却ファンと、この冷却ファンと通電する接続端子と、を備えることを特徴とする増設ファンユニット。
【請求項2】
前記ファンユニットカバーは、画像形成装置に装着されると、その表面が装置本体の側面と面一となることを特徴とする請求項1に記載の増設ファンユニット。
【請求項3】
前記ファンユニットカバーは、前記画像形成装置の開口部にコインネジで止め付けられるネジ受けと、前記画像形成装置の開口部に掛け止められる係止爪とを有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の増設ファンユニット。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の増設ファンユニットを搭載するための開口部を有し、該開口部を塞ぐ開口カバーは、前記ファンユニットカバーと外形寸法が同寸法であり、前記開口部には、前記増設ファンユニット側の接続端子と接続する接続端子が備えられていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
表示手段と、外気温を測定する温度測定手段を備え、この温度測定手段で測定した測定温度が、使用限界温度を超えた場合には、前記表示手段に前記増設ファンユニットを増設すべきことを表示することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
表示手段と、外気の湿度を測定する湿度測定手段を備え、この湿度測定手段で測定した測定湿度が、使用限界湿度を超えた場合には、前記表示手段に前記増設ファンユニットを増設すべきことを表示することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項7】
表示手段と、連続通紙枚数をカウントするカウンターを備え、このカウンターでカウントした連続通紙枚数が、限界枚数を超えた場合には、前記表示手段に前記増設ファンユニットを増設すべきことを表示することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記増設ファンユニットを搭載するスペースと他の部位とを区画する区画部材を前記開口部の縁から内側に向け突設したことを特徴とする請求項4ないし7のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記区画部材は、前記装置本体の前記開口部が設けられた側面と直交する方向に前記開口部の縁から内側に向け折り返された折返し板であることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記装置本体側の接続端子は、そのハーネスを隠蔽するように上面プレートが内側に延在した形状となっていることを特徴とする請求項8又は9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記区画部材、前記装置本体、及び前記増設ファンユニットの設置スペースに面する前記開口部周りのその他の部材、これらが隣接する相互の隙間は、全て所定間隔以下となっていることを特徴とする請求項8ないし10のいずれかに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−18373(P2012−18373A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−249251(P2010−249251)
【出願日】平成22年11月8日(2010.11.8)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】