説明

増量ガンマ−リノレン酸を含むベニバナ

本発明は、ベニバナ植物体内において、特にベニバナの種子から、ガンマ−リノール酸(GLA)を調製するための組成物および方法に関する。一つまたは複数の脂肪酸デサチュラーゼ配列を含み、かつ発現し、ベニバナ種子内に高レベルのGLAを生成する形質転換ベニバナを作り出すために、これらの配列をコードする核酸およびコンストラクトが用いられる。高レベルのGLAを生成する形質転換ベニバナ植物体および種子が提供される。さらに、本発明に係る種子から生成されるオイルが提供される。本発明は、また、神経系疾患、炎症状態、がん、心疾患を含む様々な疾患を、本発明のオイルを用いて治療する方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔関連出願〕
本出願は、2005年5月23日に出願された米国仮出願第60/684,134号および2005年11月10日に出願された米国仮出願第60/735,984号の利益を主張するものであり、これらは、参照により本明細書によって組み込まれる。
【0002】
〔背景技術〕
ガンマ−リノレン酸(GLA)は、主として植物由来のオイルに見つかるオメガ−6ファミリーに属する必須脂肪酸である。GLAは、酵素であるデルタ−6デサチュラーゼ(デルタ6デサチュラーゼ)の作用を介して、リノール酸(LA)から合成される。GLAの有益な効果は、例えばアラキドン酸などの他の多くの必須脂肪酸の前駆体としての役目を果たすという事実からきている。アラキドン酸は、プロスタグランジンおよび他の生理学的に重要な分子の前駆体である。
【0003】
脊椎動物の細胞は、脂肪酸のΔ9位置に二重結合を入れることができるが、Δ9二重結合と脂肪酸鎖のメチル末端との間にさらなる二重結合を入れることができない。そのため、リノール酸(C18Δ9、12)およびα−リノレン酸(C18Δ9、12、15)などの不飽和脂肪酸は、脊椎動物が合成することのできない必須食事成分である。これらは他の産物を合成するのに必要であるため、リノール酸およびαリノレン酸は、必須脂肪酸であり、通常は、植物源から獲得している。哺乳動物は、LAを、GLA(C18Δ6、9、12)に変換でき、次いでGLAをアラキドン酸(20:4)に変換できる。アラキドン酸は、ほとんどのプロスタグランジンの必須前駆体であるため、非常に重要な脂肪酸である。
【0004】
LAが酵素によりGLAに変換され、次いでアラキドン酸に変換されるおかげで、食事によるLAの供給は、GLAおよびアラキドン酸の食事による必要量を充足させることができる。しかしながら、LAなどの高度には不飽和化していない脂肪の消費は、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化、および冠状動脈性心臓病に罹りやすくなる他の臨床疾患などの、健康上のリスクと関連があるとされている。これに対して、より高度に不飽和化している脂肪の消費は、血中コレステロール濃度の低下およびアテローム性動脈硬化のリスクの低減と関連があるとされている。不飽和脂肪酸であるGLAの消費は、とりわけ有益であることが示されてきている。そのため、より不飽和化しているGLAの消費は、LAの消費よりも好ましいだろう。したがって、人が消費するための、GLAに富むさらなる供給源を作りだすことが望まれるだろう。
【0005】
GLAは、プロスタグランジンを含むエイコサノイドの形成のための前駆体としての役割を果たす。プロスタグランジンは、細胞膜を増強し、かつ、細胞シグナル分子として働く、生体に必要なホルモン様化合物である。GLAの有益な効果は、人および動物において認められてきている。GLAは、血圧の低下、炎症の低減、および免疫機能の向上を促進するだろう。GLAの補給は、狼そう、がん、アレルギー、関節炎および潰瘍性大腸炎を含む、広範囲の疾患ならびに病状に有益だろう。GLAは、がん治療に用いる薬の効き目を高めるだろう。GLAは、月経前症候群および更年期障害の症状の低減;皮膚の調子の向上、ならびに、湿疹、にきび、酒さ、乾癬およびふけの治療;アルツハイマー病、ハンチントン舞踏病、多発性硬化症、多動性障害、うつ病およびレイノー現象を含む精神疾患ならびに神経疾患の改善;糖尿病性神経障害の防止;肝硬変の治療;シェーグレン症候群などのドライアイ状態の改善;ならびに、心疾患、骨粗鬆症、高脂質血症および老化と関連した他の症状の改善、に役立つだろう。さらに、GLAは、身体が褐色脂肪を燃焼するための刺激物質と関係があるとされてきている。褐色脂肪は、生体に必要な器官を取り囲む脂肪燃焼工場として働く内部の体脂肪であり、白色脂肪のようにカロリーを蓄えるよりはむしろ熱のためのカロリーを用いる。褐色脂肪の燃焼は、理想的な体重を維持するために重要である。したがって、GLA消費の増加は、褐色脂肪の代謝工程を刺激するのに役立つだろう。
【0006】
既存のGLAサプリメントは、一般的に、マツヨイグサオイル、クロフサスグリオイル、ルリヂサオイルなどの、生来GLAをより多く含む植物源由来のものである。しかしながら、これらの天然供給源においては、GLAは、全脂肪酸のうちの相対的にわずかの画分しか示さない。これらの供給源からの脂肪酸のおよそ7〜10%(マツヨイグサ)、14〜19%(クロフサスグリオイル)、および20〜26%(ルリヂサオイル)のみが、GLAとして利用可能である。GLAの広範な健康における恩恵にもかかわらず、既存のGLAサプリメントが高コストかつ低濃度であることにより、これまでのところ、その使用が限定されている。最適なGLAの健康における効用を受けるためには、平均的成人は、10またはそれより多い既存のGLAサプリメントのカプセルを摂取する必要があるだろう。GLAサプリメントのために従来用いている天然に生じた専門オイルよりもGLAをより多く含む、より安価で、容易に利用可能なオイル供給源を得ることは有効であろう。このような供給源により、消費者は、最適なGLAの健康における恩恵を受けることが可能になり、一方で、サプリメントに費やすお金が減り、摂取する全オイル量およびカロリー量が極めて減少することになるだろう。
【0007】
ベニバナは、商業的に重要な農作物である。ベニバナは、染料源および植物由来の他の産物の供給源として、数千年前の中近東において最初に栽培された。今世紀におけるベニバナは、食用油の供給源として利用されてきている。ベニバナは、1930年代のアメリカにおいて、初めて農業に導入された。それから、様々な種類の、改良された油分が開発されてきた。ベニバナオイルは、主として、脂肪酸のパルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸およびLAを含んでいる。パルミチン酸(C16:0)およびステアリン酸(C18:0)は、飽和脂肪酸であり;オレイン酸(C18:1)およびリノール酸(C18:2)は、不飽和脂肪酸である。しかしながら、ベニバナ植物体は、天然には、ごくわずかの量のGLAしか生成していない。
【0008】
このように、天然に生じるよりも高レベルのGLAを含んでいる種子を持つ形質転換ベニバナ植物体は、多大な実用性があるだろう。
【0009】
〔本発明の実施形態の概要〕
本発明は、GLAを生成するベニバナ植物体に向けられたものである。一態様において、少なくとも1重量%のGLAを含む種子を形成するベニバナ植物体、このような植物体の種子、このような植物体のオイルが記載されている。好ましい実施形態として、オイルは、1〜5、5〜10、10〜15、15〜20、20〜25、25〜30、30〜35、35〜40、40〜45、45〜50、50〜55もしくは55〜60重量%の、またはそれより多いGLAを含むだろう。
【0010】
一態様において、一つまたはそれより多いデサチュラーゼ酵素を発現させる核酸配列を含む遺伝子コンストラクト、を有するベニバナ植物体が記載されている。一態様において、主としてLAを生成する植物体においてGLAを生み出すために、デルタ6デサチュラーゼだけが用いられる。別の態様において、LAではなくむしろオレイン酸(OA)を生成する植物体においてGLAを生成するために、デルタ6デサチュラーゼが、デルタ−12デサチュラーゼ(Δ12デサチュラーゼ)と組み合わせられて、用いられる。上記コンストラクトは、これらの酵素をコードする配列を含んでおり、かつ、一般的に、プロモータ配列および終止配列を含んでいる。一つの有利な実施形態において、プロモータは種子特異的プロモータである。
【0011】
一実施形態では、ベニバナ植物体において機能し、デルタ6デサチュラーゼをコードする組み換えDNA配列に機能し得る形でつながっている組み換えプロモータを含む形質転換ベニバナ植物体であって、このベニバナ植物体は種子を形成し、この種子は少なくとも1重量%のGLAを含んでいる形質転換ベニバナ植物体が記載されている。デルタ6デサチュラーゼをコードする配列は、任意の植物または真菌に由来するものであってよい。このような植物および真菌には、ムコール(Mucor)、サプロレグニア(Saprolegnia)、サプロレグニア・ディクリナ(Saprolegnia diclina)、モルティエレラ(Mortierella)、モルティエレラ・アルピナ(Mortierella alpina)、コニディオボルス(Conidiobolus)、フィシウム(Pythium)、フィトフトラ(Phytophthora)、ペニシリウム(Penicillium)、ポルフィリディウム(Porphyridium)、コイドスポリウム(Coidosporium)、ムコール・サーシネロイデス(Mucor circinelloides)、フサリウム(Fusarium)、アスペルギルス(Aspergillus)、カンヂダ(Candida)、ロードトルラ(Rhodotorula)、エントモフトラ(Entomophthora)、スラウストキトリウム(Thraustochytrium)、サプロレグニア(Saprolegnia)、ボラゴ(Borago)、プリムラ(Primula)、ベニバナ、ナタネ、イネおよび蘚類、が含まれるが、これらに限定されるものではない。プロモータには、オレオシンプロモータまたはリニンプロモータなどの種子特異的プロモータを用いることができる。また、本実施形態により、これらの形質転換植物体由来の種子であり、種子内のGLAレベルが種子の全脂肪酸含有量の少なくとも1重量%である種子が提供される。また、本実施形態により、これらの形質転換植物体の種子から生成されるオイルが提供される。このようなオイルは、1−60重量%またはそれより多いGLAを含み得る。
【0012】
別の実施形態において、本発明は、デルタ6デサチュラーゼをコードする第一の組み換えDNA配列と、デルタ12デサチュラーゼをコードする第二の組み換えDNA配列とを含む形質転換ベニバナ植物体であって、これらの配列は、少なくとも一つのプロモータに機能し得る形でつながっており、このベニバナ植物体は種子を形成し、この種子は少なくとも1重量%のGLAを含んでいる形質転換ベニバナ植物体、を提供する。いくつかの実施形態において、第一および第二のDNA配列は、異なるプロモータにつながっている。デルタ6−およびデルタ12デサチュラーゼをコードする配列は、任意の植物または真菌に由来するものであってよい。このような植物および真菌には、ムコール、サプロレグニア、サプロレグニア・ディクリナ、モルティエレラ、モルティエレラ・アルピナ、コニディオボルス、フィシウム、フィトフトラ、ペニシリウム、ポルフィリディウム、コイドスポリウム、ムコール・サーシネロイデス、フサリウム、アスペルギルス、カンヂダ、ユーフォルビア(Euphorbia)、ディモルフォテカ(Dimorphoteca)、ロードトルラ、エントモフトラ、スラウストキトリウム、サプロレグニア、ボラゴ、プリムラ、ベニバナ、ナタネ、イネおよび蘚類、が含まれるが、これらに限定されるものではない。プロモータには、オレオシンプロモータまたはリニンプロモータなどの種子特異的プロモータを用いることができる。また、本実施形態により、これらの形質転換植物体由来の種子であり、種子内のGLAレベルが種子の全脂肪酸含有量の少なくとも1重量%である種子が提供される。また、本実施形態により、これらの形質転換植物体の種子から生成されるオイルが提供される。このようなオイルは、1−60重量%またはそれより多いGLAを含み得る。
【0013】
さらに一つの実施形態において、ベニバナの種子内にGLAを生成するための方法が提供される。本方法は、ベニバナ植物体において機能しデルタ6デサチュラーゼをコードする組み換えDNA配列に機能し得る形でつながっている組み換えプロモータを含むベニバナ植物体を育てる工程と、デルタ6デサチュラーゼ配列が発現する条件下においてベニバナ植物体を育てる工程とを含んでいる。デルタ6デサチュラーゼをコードする配列は、任意の植物または真菌に由来するものであってよい。このような植物および真菌には、ムコール、サプロレグニア、サプロレグニア・ディクリナ、モルティエレラ、モルティエレラ・アルピナ、コニディオボルス、フィシウム、フィトフトラ、ペニシリウム、ポルフィリディウム、コイドスポリウム、ムコール・サーシネロイデス、フサリウム、アスペルギルス、カンヂダ、ロードトルラ、エントモフトラ、スラウストキトリウム、サプロレグニア、ボラゴ、プリムラ、ベニバナ、ナタネ、イネおよび蘚類、が含まれるが、これらに限定されるものではない。プロモータには、オレオシンプロモータまたはリニンプロモータなどの種子特異的プロモータを用いることができる。また、本実施形態により、これらの形質転換植物体由来の種子であり、種子内のGLAレベルが種子の全脂肪酸含有量の少なくとも1重量%である種子が提供される。また、本実施形態により、これらの形質転換植物体の種子から生成されるオイルが提供される。このようなオイルは、1−60重量%またはそれより多いGLAを含み得る。
【0014】
さらなる一実施形態において、ベニバナの種子内にGLAを生成するための方法が提供される。本方法は、少なくとも一つのプロモータに機能し得る形でつながっている、デルタ6デサチュラーゼをコードする第一の組み換えDNA配列およびデルタ12デサチュラーゼをコードする第二の組み換えDNA配列を含むベニバナ植物体を育てる工程と、デルタ6デサチュラーゼ配列およびデルタ12デサチュラーゼ配列が発現する条件下においてベニバナ植物体を育てる工程とを含んでいる。本実施形態においては、デルタ6デサチュラーゼおよびデルタ12デサチュラーゼをコードする配列は、任意の植物または真菌に由来するものであってよい。このような植物および真菌には、ムコール、サプロレグニア、サプロレグニア・ディクリナ、モルティエレラ、モルティエレラ・アルピナ、コニディオボルス、フィシウム、フィトフトラ、ペニシリウム、ポルフィリディウム、コイドスポリウム、ムコール・サーシネロイデス、フサリウム、アスペルギルス、カンヂダ、ユーフォルビア、ディモルフォテカ、ロードトルラ、エントモフトラ、スラウストキトリウム、サプロレグニア、ボラゴ、プリムラ、ベニバナ、ナタネ、イネおよび蘚類、が含まれるが、これらに限定されるものではない。プロモータには、オレオシンプロモータまたはリニンプロモータなどの種子特異的プロモータを用いることができる。また、本実施形態により、これらの形質転換植物体由来の種子であり、種子内のGLAレベルが種子の全脂肪酸含有量の少なくとも1重量%である種子が提供される。また、本実施形態により、これらの形質転換植物体の種子から生成されるオイルが提供される。このようなオイルは、1−60重量%またはそれより多いGLAを含み得る。
【0015】
さらに他の一実施形態において、1〜5、5〜10、10〜15、15〜20、20〜25、25〜30、30〜35、35〜40、40〜45、45〜50、50〜55もしくは55〜60重量%の、またはそれより多いGLAを含有している、形質転換ベニバナ植物体由来のベニバナオイルが提供される。
【0016】
さらに他の一実施形態において、1〜5、5〜10、10〜15、15〜20、20〜25、25〜30、30〜35、35〜40、40〜45、45〜50、50〜55もしくは55〜60重量%の、またはそれより多いGLAを含有しているベニバナオイルを含む、栄養療法生成物および個人医療生成物が提供される。
【0017】
他の一実施形態において、精神、神経、もしくは他の中枢神経系もしくは末梢神経系の病状または疾患になりやすい、またはこのような疾患で苦しんでいる患者に対して、効果的な量の、本明細書に記載されているオイルを投与することにより、このような病状または疾患を治療するまたは防止する方法が提供される。
【0018】
さらに他の一実施形態において、免疫の病状または疾患になりやすい、またはこのような疾患で苦しんでいる患者に対して、効果的な量の、本明細書に記載されているオイルを投与することにより、このような病状または疾患を治療するまたは防止する方法が提供される。
【0019】
さらに他の一実施形態において、炎症状態または炎症性の疾患になりやすい、またはこのような疾患で苦しんでいる患者に対して、効果的な量の、本明細書に記載されているオイルを投与することにより、このような病状または疾患を治療するまたは防止する方法が提供される。
【0020】
さらに他の一実施形態において、がんになりやすい、またはがんで苦しんでいる患者に対して、効果的な量の、本明細書に記載されているオイルを投与することにより、がんを治療するまたは防止する方法が提供される。
【0021】
他の実施形態において、皮膚の病状または皮膚の疾患になりやすい、またはこのような疾患で苦しんでいる患者に対して、効果的な量の、本明細書に記載されているオイルを投与することにより、このような病状または疾患を治療するまたは防止する方法が提供される。
【0022】
さらに他の実施形態において、心血管の病状または心疾患になりやすい、またはこのような疾患で苦しんでいる患者に対して、効果的な量の、本明細書に記載されているオイルを投与することにより、このような病状または疾患を治療するまたは防止する方法が提供される。
【0023】
さらに他の実施形態において、効果的な量の、本発明に係るオイルを幼児に投与することにより、幼児に栄養を与える方法が提供される。
【0024】
〔発明の詳細説明〕
本発明の全面的な理解を確証するために、以下の、非限定的な定義が提供される。
【0025】
デルタ6デサチュラーゼは、脂肪酸分子のカルボキシル末端から6位と7位の炭素の間に二重結合をもたらす酵素である。
【0026】
デルタ12デサチュラーゼは、脂肪酸分子のカルボキシル末端から12位と13位の炭素の間に二重結合をもたらす酵素である。
【0027】
本明細書中において用いられるように、略記“GLA”は、ガンマリノレン酸に関して使用される。
【0028】
重量パーセントは、重量を基にした種子から、種子および油脂における特定の脂肪酸含有量を示すために用いられる。このように、GLAの重量パーセントまたは“重量%GLA”は、総脂肪酸量で除したGLA質量に100%を掛けたものをもとに算出される。例えば、“5重量%GLAレベル”または“5重量%GLA”はGLAの5グラムおよび、総脂肪酸量の100グラムを含む種子由来の種子または油を言及する。
【0029】
(序論)
図1に示すように、GLAは、OAがLAに変換される生化学的経路において産生される。すなわち、脂肪酸炭素鎖における特定の位置に二重結合を取り込む酵素である脂肪酸デサチュラーゼ活性によって、LAはGLAに変換される。
【0030】
ベニバナは工業的に重要な作物であり、植物油の貴重な原料である。ベニバナ苗は天然に有意量のGLAを産生しないため、この脂肪酸産物の明白な候補はなかった。例えば、ベニバナ苗は、通常GLAを産生しない。したがって、体外から導入されたGLAは内因性脂肪酸の機能に干渉しうるという理由で、この非内因性脂肪酸の高レベル発現は、植物体に弊害をもたらす恐れがあることが予測された。また、GLAはベニバナ種子において発現し、またこの発現が当初予測されたものより高レベルで生じることが意外にも明らかとなっている。さらに、トランス遺伝子を発現する他の植物体と比較した場合、上述した懸念がない。
【0031】
(デサチュラーゼ酵素の特徴)
デサチュラーゼによる触媒反応は:
−CH−CH−R+O+2e+2H→R−CH=CH−R+2H
多くの脂肪酸デサチュラーゼは膜結合性金属酵素である。そのほとんどは活性部位に2つの鉄原子を含むと考えられている。図2、3、5、および6に示すように、デルタ6およびデルタ12デサチュラーゼはそれぞれの各酵素類のうち、一定の配列の同一および相似を共有している。図4および7に示すように、デサチュラーゼファミリーのうちの保存領域は、一般的なモチーフであるHXXXH,HXXHHおよび、HXXHHまたはQXXHHを有し、強固に保存される3つのヒスチジンに富む配列(ヒスチジンボックス)である。これらのボックスは酵素活性に必須であり、膜全域ドメインに隔てられ、活性部位における正確な位置づけに必要である。Δ5−およびデルタ6デサチュラーゼを含む多くの酵素は、シトクロムb5のようなN末端伸張を含む。これは、QXXHHへのヒスボックス3の配列における変換と同時に頻繁に起こる。NADHシトクロムb5還元酵素から得られた電子は、シトクロムb5またはデサチュラーゼのシトクロムb5ドメインへ輸送され、その後デサチュラーゼの活性部位へ輸送される。混合した酸化/還元反応は2つの鉄原子によって進行し、それは保存されたヒスチジンボックスとの相互作用によって一定に保たれる。以下に説明するように、これら構造的な特徴、具体的には金属結合部位を作る保存された残基は、種を超えて保存され、この種の酵素における酵素機能に関与する。
【0032】
(デサチュラーゼ酵素の原料)
GLA産生のため、1つ以上のデサチュラーゼ酵素がホスト細胞および基質の有効性に応じて要求される。例えば、天然に十分な量のLAを有している植物体において、デルタ6デサチュラーゼはGLAへのLAの変換を触媒する必要がある。天然に、LAではなく十分な量のOAを有している植物体において、デルタ12およびデルタ6デサチュラーゼ酵素の組み合わせは、GLAを産生するために必要とされる。
【0033】
使用のための特定のデサチュラーゼポリペプチドを選択の検討は、細胞のミクロソーム/小胞体区画におけるポリペプチド(これら酵素は膜結合性であり、細胞の既存のトリグリセリド生合成機構と共同に機能しなければならない)の正確な局在性および作用、ポリペプチドが律速酵素またはその構成要素であるかどうか、また、使用されたデサチュラーゼは、ポリペプチドにとって必要とされる所望の多価不飽和脂肪酸および/または補酵素の合成に必須かどうか、を含む。望ましくは、発現されたポリペプチドはホスト細胞における位置の生化学的環境と互換性があるパラメーターを有する。例えば、上記ポリペプチドはホスト細胞において、基質のために競合しなければならないこともある。したがって、問題になっている上記ポリペプチドのKmおよび特定活性の分析は、既知のホスト細胞におけるGLA産生を改善するために、既知のポリペプチドの適性の判断として検討される。その結果、特定の状況において用いられたポリペプチドは、目的とするホスト細胞の中に存在している条件の下で機能できるが、その他の場合、GLAの相対物産生を改善できる好ましい特徴を含む、デサチュラーゼ活性を有する任意のポリペプチドはない。
【0034】
いくつかのデルタ6およびデルタ12デサチュラーゼは、米国特許番号6,635,451、WO02/081668、米国特許番号6,635,451、米国特許出願番号2003/0167525、米国特許番号6,459,018、米国特許番号5,972,644、米国特許番号6,432,684、米国特許番号5,968,809、米国特許番号5,972,664,米国特許番号6,051,754、米国特許番号6,075,183、米国特許番号6,136,574、米国特許番号5,552,306、米国特許番号5,614,393、5,663,068、米国特許番号5,689,050、米国特許番号5,789,220、米国特許番号6,355,861および米国特許番号6,492,108において記載されたものなどが知られており、それは本明細書中において記載された特定配列とともに、参考として採用される。本発明に係る実施に有効であるデルタ6およびデルタ12デサチュラーゼの原料に共通するのは、植物および菌類由来のものである。例えば、Mucor、Saprolegnia diclina、Mortierella、Mortierella alpina、Conidiobolus、Pythium,Phytophthora, Penicillium,Porphyridium,Coidosporium,Mucor circinelloides,Fusarium,Aspergillus、Candida、Euphorbia,Dimorphoteca,Rhodotorula、Entomophthora,Thraustochytrium,Saprolegnia,BoragoおよびPrimulaから得られたデルタ6およびデルタ12デサチュラーゼは、本発明に係る実施において有用である。また、ヒマワリ、菜種、米、コケ、およびC.elegans由来のデサチュラーゼにおいても、本発明に係る実施に用いることができる。前記配列は、ヒスチジンに富むボックスを含んでもよい。これらの配列は、技術的に周知の様々な配置法に基づいて、少なくとも80%、85%、90%、および95%の同一性を有する配列と同様に用いることができる。また、有効なのは、緊張を和らげるために、配列より上で最高値より下へ組み入れる配列である。デサチュラーゼ配列に相当する追加の配列を同定できるハイブリッド形成および洗浄条件は、以下に記載されるいくつかに技術的に周知されている。
【0035】
従来技術である配置法のうち、プログラムおよび配置アルゴリズムは以下の文献に記載される:Smith and Waterman, J Mol Biol 147:195, 1981; Needleman and Wunsch, J Mol Biol 48:443, 1970; Pearson and Lipman, PNAS 85:2444, 1988; Higgins and Sharp, Gene 73:237, 1988; Higgins and Sharp, Comput Appl Biosci 5:151, 1989; Corpet, Nucl Acids Res 16:10881, 1988; Huang, Genomics 14:18, 1992; and Pearson, Methods Mol Biol 24:307, 1994.。Altschul et al., (Nature Genetics 6:119, 1994)は、配列配置法および相同計算の詳細な検討を公開している。
【0036】
NCBI塩基特定配列検索ツール(BLAST)(Altschulら、J Mol Biol 215:403, 1990)は、生物工学情報の国家センター(NCBI、べセズダ、MD)および、配列分析プログラムblastp、blastn、blastx、tblastn、およびtblastxと接続して用いるインターネット上を含むいくつかの情報源から得られる。それは、NCBIのウェブサイトにおいて入手できる。当該プログラムを用いて配列の同一性を決定する方法についての詳細は、NCBIウェブサイトにおいて入手できる。
【0037】
ベクターNTIからの配置Xプログラムは、図2、3、5、および6を作成するために用いられた。図2は、いくつかの異なる植物種からデルタ6デサチュラーゼ配列を示す。図3は、いくつかの菌種からデサチュラーゼ配列を示す。図5および図6は、いくつかの植物種および菌種からデルタ12デサチュラーゼ配列をそれぞれ示す。これらの図は、各酵素の種類のうち、異なるデルタ6およびデルタ12デサチュラーゼの構造および機能の関連性を示す。これらの図に示されるデルタ6またはデルタ12デサチュラーゼのいずれかは、従来の発明を実施するために用いられてもよく、またその他に、本発明に係る方法を利用すること、またはデルタ6またはデルタ12デサチュラーゼに相当するような技術において利用できるかを特定できる。また、本発明は、活性を維持し続け、ランダムまたは部位指定変異導入によって得られる促進された酵素活性を有しているデサチュラーゼの改良を含む。
【0038】
本明細書において記載されたいずれかの配列および、その他の周知技術においても今まで知られていなかったデサチュラーゼは、本発明において利用される核酸ハイブリッド形成またはPCRのような従来のクローニング技術を用いて単離できることは、当業者に周知である。
【0039】
デサチュラーゼ配列を単離するために用いられるハイブリッド形成条件の実施例には、以下のものを含んでもよい。緊張条件は、配列依存であり、使用された実験パラメータによって変化する。主に、緊張条件は、規定されたイオン強度およびpHにおいて、特定配列における融点(T)より約5℃から20℃低くなるように選択される。Tは、完全に一致したプローブに組み入れられる標的配列の50%での(規定されたイオン強度およびpH下における)温度である。核酸ハイブリッド形成および緊縮測定の条件は、サンブルック他(分子クローニング―実験マニュアル第2編、コールドスプリングハーバー研究室出版物、ニューヨーク、1989)およびティッセン(Tijssen)(核酸プローブを伴うハイブリッド形成、エルセビアサイエンスLtd.,アムステルダム、1993)において見られる。核酸ハイブリッド形成に影響を及ぼす要素の例は、:温度、塩組成、ハイブリッド形成混合体における有機溶媒の存在、組み入れるための配列の長さ、並びに塩基組成、および塩基不一致の範囲を含む。プローブをフィルター結合DNAに組み入れるための高い緊張条件の一実施例は、5X SSC、2%ソディウムドデシルスルフェート(SDS)、20分間55℃〜65℃で100μg/ml一本鎖DNAにして、0.1%SDSを含む0.1X SSCにおいて20分間に60℃〜65℃で洗浄する。
【0040】
また、例えばデサチュラーゼcDNAの配列が周知であるとすれば、PCRプライマーは関連のある特定のデサチュラーゼを増幅するために作られてもよい。さらに、PCRプライマーは、追加のタンパク群を単離するためにデサチュラーゼ領域を保存するように作られてもよい。PCR反応を実施するための手順は、公知技術であり、PCR手順:M.イニス他による、方法および装置のガイド、アカデミックプレス、1989のようなマニュアルに記載されている。
【0041】
いったん配列は、配列同一性、ハイブリッド形成、保存されたヒスチジンボックスの同定、またはその他の好ましい方法によって同定され、デサチュラーゼ活性は、いくつかの異なるアッセイを用いて分析することができる。一実施例として、本明細書中に参考として用いられる、米国特許出願番号5,968,809の実施例5〜7およびKnutzon他、J.Biol.Chem.273(45):29360−29366(1998)の両方に記載されているような酵母を用いる。酵母としては、Sacharomyces cerevisiaeまたは、oleaginous種でもよい。目的配列がベクターを発現する酵母に導入され、酵母に形質転換される。組換え酵母菌株は、様々な基質を含む培地において培養され、脂質画分における脂肪酸含量は、デサチュラーゼ活性を評価するために分析される。デルタ6デサチュラーゼ活性は、基質としてリノール酸を用いて、またガンマリノレン酸を検出することによって観察することができる。デルタ12デサチュラーゼ活性は、リノレン酸への内因性オレイン酸の転換を検出することによって観察できる。
【0042】
また、デサチュラーゼ活性は、Arabidopsisを用いて評価することも可能である。目的配列は、Arabidopsisに形質転換された適当なベクターに導入され、活性は遺伝子組換え植物の表現型を評価することによって検出される。また、想定されるデサチュラーゼ配列を含むベクターは葉に表現されるか、または遺伝子組換えクラウンゴールを発生させるために用いられてもよい。
【0043】
上述したような方法を用いて、同定および単離された結果として生じたデサチュラーゼ配列は、その後、サムブルック,フリッチェおよびマニアティス、分子クローニング:実験マニュアル第2編(1989)または、分子生物学における最新の手順、F.M.オースベルその他、eds.(1987)に開示されている、分子生物学の周知方法を用いて以下に記載するような植物表現および、形質転換ベクターに導入される。
【0044】
(デサチュラーゼ遺伝子の発現法)
デサチュラーゼポリペプチドの発現のため、構造上の転写および翻訳の開始および終止領域は、デサチュラーゼポリペプチドをコード化しているDNAと連結して操作できる。転写および翻訳の開始および終止領域は、望ましいシステム、発現ベクター、化学合成、またはホスト細胞における内因性遺伝子座において発現することができると知られるか考えられる遺伝子を発現するためのDNAを含む、様々な情報源から導かれる。植物組織および/または植物器官における発現、とりわけ、種子、葉、果実、花、および根等のような容易に収穫される組織または器官における発現はある効果をもたらす。米国特許番号5,463,174、米国特許番号4,943,674、米国特許番号5,106,739、米国特許番号5,175,095、米国特許番号5,420,034、米国特許番号5,188,958および、米国特許番号5,589,379に記載されているような発現は、特定調節配列を用いることによって、植物体内の位置付けるための標的とされ得る。これらの文献は、その全体が、その中において記載された特定配列とともに、参考として援用される。本発明によって産生されるGLAの特に有効な配置は、ホスト植物細胞の種子組織である。種子に発現させるため、種子特異的プロモーターは適切なデサチュラーゼ発現に導くために用いられてもよい。上記種子特異的プロモーターの一実施例として、本明細書中において記載された特定配列とともに、参考として採用される、米国特許番号5,623,067、米国特許番号6,342,657および、米国特許番号6,642,437に開示されるものを含む。
【0045】
ホスト細胞内における発現は、一過性または安定した方法で達成される。一過性の発現は、ホスト細胞において発現シグナル機能性を含む導入された構成物から生じるが、ホスト細胞においては構成物が複製せず、めったに融合しない場所であるか、またはホスト細胞は増殖型ではない場所である。また、一過性の発現は、関連する遺伝子に結合させて操作できる調節プロモーターの活性を含むことによって達成される。しかしながら、上記誘導システムは頻繁に発現の低い塩基レベルを示す。安定した発現は、ホストゲノムに取り入れることができ、ホスト細胞において自発的に複製する構成物の導入によって達成される。適切な選択マーカーは、周知技術のその他の遺伝子のうち、pat(ホスホチリシンアセチルトランスフェラーゼ)遺伝子によってもたらされたハーバサイドバスタへの抵抗性および、nptII(ネオマイシンホスホトランスフェラーゼ)遺伝子によってもたらされたカナマイシンへの抵抗性を有する。
【0046】
関連する遺伝子の安定発現は、マーカーを発現する細胞を選び出すことによって、発現構成物を特定する選択可能マーカーの利用、または発現構成物に核酸導入されることによって選ばれる。安定した発現が融合に起因する場合は、構成物の融合がホストゲノム内においてランダムに生じ、また、ホスト遺伝子座と標的組換えに十分であるホストゲノムを有するホモロジー領域を含む構成物の利用によって、標的とされうる。構成物が内因性遺伝子座へ標的にされた場合、すべてまたはいくつかの転写および翻訳調節領域は内因性遺伝子座によってもたらされる。
【0047】
種子におけるデサチュラーゼポリペプチドの発現のために、種子特異的プロモーターが用いられてもよい。上記プロモーターの一実施例としては、オレオシンまたはリニンプロモーターを含む。オレオシンプロモーターは、米国特許番号5,792,922において開示されており、リニンプロモーターは、米国特許番号6,777,591において開示されている。
【0048】
二つ以上の識別遺伝子を発現することが望ましい場合、前記遺伝子は単一構成物内に含まれるか、または個々のベクター上に存在していてもよい。どちらの場合にも、技術水準の一つには、所望の産生物の合成に必要とされるすべての酵素の最適発現レベルをもたらすために導入された構成物の増殖における選択手段および方法の調節領域を選択することにおいて賢明な選択をする。
【0049】
重要な遺伝子を含む構成物は、標準的な技術によってホスト細胞に導入されてもよい。これら技術は、転写、感染、生物学的影響、電気せん孔法、マイクロインジェクション、スクレーピング、またはその他、ホスト細胞へ重要な遺伝子を取り込む方法(米国特許番号4,743,548、米国特許番号4,795,855、米国特許番号5,068,193,米国特許番号5,188,958、米国特許番号5、463,174、米国特許番号5,565,346および、米国特許番号5,565,347を参照)を含む。便宜上、DNA配列または構成物を取り上げるための方法によって操作されるホスト細胞は、本明細書中において、“形質転換”または“遺伝子組換え”として参照されている。対象ホストは、発現構成物の少なくとも一つのコピーを有しており、また、遺伝子がゲノムの1つ以上の部位に取り組まれるか否か(一箇所に複数コピーある場合を含む)、遺伝子が増幅されているか否か、および/または、多数のコピー数を有する染色体外要素に存在するか否かによって二つ以上を含んでもよい。
【0050】
様々な植物の形質転換法が知られている。デルタ6およびデルタ12デサチュラーゼ遺伝子は、ホルシュ(Horsch)他、サイエンス227:1229、1985の記載通り、リーフディスク形質転換−新生手順によって、Agrobacterium共同育成を経て植物に導入可能である。プロトプラストの共同育成、形質転換された細胞の浮遊培養(バートン他、セル32:1033,1983)、または花の真空浸透(べックトールド他、CR Acad Scie III, Sci Vie 316:1194, 1993;ワン他、プラントセルRep 22:274,2003)のような、媒介されたAgrobacterium形質転換におけるその他の方法(ホルシュ他、サイエンス223:496、1984;デブロック他、EMBO J.2:2143,1984)は利用可能であり、本発明に係る適用範囲内である。好ましい形態として、植物はクレー他、Annu Rev Plant Physiol 38:467,1987に記載のような、Agrobacteriumを標的にするか、またはAgrobacteriumを固定化したベクターを伴って形質転換される。しかしながら、その他の方法は、植物細胞へ本発明に係るデルタ6およびデルタ12デサチュラーゼを取り入れることを可能にできる。
【0051】
上記代替方法は、これに限定されないが、ベクターとして、生物学的な手法(クレイン他、ネイチャー327:70,1987)、プロトプラスト法(シリートおよびパットリクス,組み替えDNA手順687,1989;デイビー他、Plant Mol Biol 13:273,1989)、化学的に誘発されたDNAの取り込み(トプファ他、プラントセル1:133,1989)および、ウイルスまたは花粉の利用(Ohta,PNAS83:715,1986)を含む。
【0052】
形質転換法に必要な場合、本発明に係るデルタ6およびデルタ12デサチュラーゼ遺伝子は、例えば、べヴァン(1984)核酸Res.12,8111に記載の二元性(binary)ベクターのような、植物形質転換ベクターに取り入れることが可能である。植物形質転換ベクターは、Agrobacterium tumefaciansの自然(無修飾)遺伝子を修飾することによって得られてもよい。自然分類は、形質転換植物へ転写されたT−DNAとして知られる長い断片を有しているTi(腫瘍誘発)−プラスミドを含む。その他vir領域のTi−プラスミドの断片は、T−DNA転写に関与する。T−DNA領域は、終止繰り返し体に隣接される。修飾された二元性ベクターにおいて、腫瘍誘発遺伝子は削除され、vir領域の機能はT−DNA隣接配列に隣接された外来DNAを転写するのに利用される。また、T−領域は抗生物質に対する抵抗性のための各種マーカーおよび、転写の配列を取り込むための多数のクローン化した部位を含む。上記人工的に作り出された菌株は、“不活性化された(disarmed)”A.tumefaciens菌株として知られ、植物の核ゲノムへT−領域に隣接された配列の有効な形質転換体を取り入れる。
【0053】
表面滅菌された円盤状の薄い葉は、2日間培養され、その後抗生物質を含む培地へ移し換えられた“不活性化された(disarmed)”A.tumefaciensを植菌される。形質転換された芽は、土壌に移し換えられ、再生された適切な抗生物質を含む培地の根が選ばれる。
【0054】
形質転換されたホスト細胞は、誘発された構成物に含まれるマーカーの選択によって識別され得る。また、分離マーカー構成物は、多くの形質転換技術はホスト細胞へ多数のDNA分子を取り込むように、所望の構成物に導入されてもよい。とりわけ、形質転換されたホストは、選り抜きの培地で育てるためにそれらの能力が選ばれる。選り抜きの培地は、栄養または成長因子のような、形質転換されていないホストの成長に必要な抗生物質また欠損因子を取り込んでもよい。したがって、導入されたマーカー遺伝子は、形質転換されたホスト細胞に発現される場合、抗生物質に対する抵抗性を与えるか、必須成長因子または酵素をコード化し、選り抜きの培地での成長を可能にされてもよい。望ましくは、カナマイシンおよびアミノグリコシドG418への抵抗性は、興味深い(米国特許出願番号5,034,322を参照)。また、形質転換されたホストの選択は、直接的あるいは間接的に発現されたマーカータンパク質が検出された場合に起こり得る。マーカータンパク質は、単独またはその他のタンパク質と融合して発現されてもよい。マーカータンパク質は、その酵素活性によって検出されてもよい。;例えば、β−ガラクトシダーゼは、基質X−ガルを有色生成物質へ、またルシフェラーゼはルシフェリンを蛍光物質へ転換できる。マーカータンパク質は、その発光または、例えば、青色光に照射された場合に、Aequorea victoriaの緑色蛍光タンパク質は発光するような、修飾された特質によって検出することができる。抗体は、マーカータンパク質または分子に例えば興味深いタンパク質を付加して検出に利用してもよい。マーカータンパク質を発現している細胞またはタグが、例えば視覚的に、またはFACSか抗体によって抽出するような技術によって、選択されてもよい。
【0055】
(ベニバナの形質転換)
ベニバナ植物の形質転換のために、少なくとも2つの基本的な識別方法がある。:(1)共同育成された子葉から誘発されるカルスからの芽の再生、および(2)共同育成された切除した分裂組織から直接的な多数の芽の再生。
【0056】
方法1には、後にAgrobacterium(イーン(Ying)他、プラントセルRep11:581,1992;オリコウスカ(Orlikowska)他PCTOC40:85,1995)と共に培養するために、子葉外植片からのカルスの誘発を含む。上記方法は、カルス誘導培地(B5ビタミンを含むMS塩)で3日間共同育成されている、切除した子葉から成る。外植片は芽を形成する培地(B5ビタミンおよび、カルベニシリンを含むMS塩)に写し変えられて2日間培養され、その後カナマイシンを含む同様の培地に移し変えられる。2〜3週間後、再生している葉の組織は、ゲネチシン(Geneticin)を有する芽の伸張培地(1/2MS塩およびMSビタミン)に構成する外植片組織と共に移し変えられる。さらに2〜3週間後、伸張している芽は、遺伝子導入芽が正常なままであっても、形質転換されていない切断面またはキメラ芽が急速に褐変する点において、元の外植片組織から分離され、同じ培地に移される。正常な芽は、長さで少なくとも10mmの場合、発根培地(1/2MS塩およびMSビタミン)へ移される。平均2〜3の芽が1つの外植片から再生する。
【0057】
方法2は、多数の芽が短時間にAgrobacterium(ラオおよびローイニ、Plant Biotechnol16:201,1999);ローイニおよびラオ、Annals Bot86:1043,2000).)との共培養の前に、切除した分裂組織から誘導される。方法2は、子葉(cotyledonary)のこぶを取り除かれた子葉の1つを有している発芽種子の胚芽軸に孔を開けるために針を用いることを含む。その後、胚芽は10分間、ワイナンズAB培地のAgrobacteriumの緩衝液において28〜30℃で浸漬され、静かにかき回される。24時間、半固形MS基礎培地において共同培養した後、胚軸は1時間、静かにかき混ぜながら(80rpm)、液体MS基礎培地において、500μg/mlのセフォタキシムで徹底的に洗浄される。また、配軸は、育成室において無菌状況の下で発芽に要する水で湿らされたオートクレーブされたソイルライト(Soilrite)(vermiculite相当物)(チョウグル産業、Ltd、バンガロール、インド)に設置される。5〜6日後、胚芽リングは容器の中のソイルライトに移され、それらが温室に移されるまで、少なくとも10日間、成長室の環境下で成長することができる。上記容器は、初期には湿度を維持するためにポリエチレン袋で覆われている。成長室は、蛍光灯で14時間明期の条件下において26〜28℃で維持される。方法1と比較して、本発明によって産生された主要な芽は、主に透過を示さない。未発達の胚は、その場合においてキメラであり、成功した形質転換は、T−DNAがさらなる再生器官を発生する分裂細胞層に組み入れられるかどうかによって決まる。本方法は、実質上、さらなる出発原料(成熟種子)および、方法1よりも育成室の空間を必要とする。
【0058】
本発明に係る最適な実施形態は、遺伝子組換えベニバナ植物または、GLAを過剰生産しているDNAコード化デサチュラーゼを発現するこれら植物の子孫を提供する。ベニバナは、植物油の原料として広く用いられるため、好都合なホスト植物である。ベニバナ植物細胞は、上述したいくつかの植物形質転換方法によって、単離されたDNAコード化デルタ6デサチュラーゼまたは、デルタ6デサチュラーゼおよびデルタ12デサチュラーゼと形質転換される。通常、カルス培養または薄い円盤状の葉において形質転換されたベニバナ植物細胞は、従来の技術水準の1つに知られている方法(例えば、ホルシュ他、サイエンス227:1129,1985)によって、完全な遺伝子組換え植物に再生される。形質転換されたベニバナ植物の子孫がDNAコード化デサチュラーゼ遺伝子を受け継ぐため、形質転換された植物から得られた種子および切り枝は遺伝子組換え植物系統を維持するために用いられる。
【0059】
本発明の一実施形態における方法には、DNAコード化デルタ6デサチュラーゼを、GLA欠損またはGLAが低レベルであるがLAを産生するベニバナ植物へ導入することを含む。もう1つの実施形態における方法は、GLAおよびLAの両方が不足する、DNAコード化デルタ12デサチュラーゼおよびデルタ6デサチュラーゼベニバナ植物を有する、1つ以上の発現ベクターを導入することを含む。したがって、LAおよびGLAの両方が不足したベニバナ植物はデルタ12デサチュラーゼの発現によってLAを産生することを誘発し、その結果、GLAはデルタ6デサチュラーゼの発現をするために生み出される。DNAコード化デルタ12デサチュラーゼまたは、デルタ12デサチュラーゼおよびデルタ6デサチュラーゼを有する発現ベクターは、
従来の技術水準の1つに知られている組換え技術の方法(サムブルック他、1989)およびデルタ12デサチュラーゼの公開された配列(ワダ他、ネイチャー(ロンドン)347:200,1990)によって構成され得る。上記ベクターの例は、本明細書中において公開される。
【0060】
(GLA含有油)
上述のような技術において知られる頬を用いることによって、ベニバナ植物中に生じたGLAは、様々なベニバナ植物部位、特に種子から抽出されることができる。具体的には、種子は収穫され、ベニバナ種子から、主に種子を圧搾することによって油が抽出できる。また、その後いくつかの従来技術を用いて精製される。ベニバナ種子から油を抽出する方法は周知技術であり、スミスJ.R、ベニバナ,AOCS Press,pp.185−212(1996)のような出典において提供されている。
【0061】
対象方法および構成物を用いて産生されたGLAは、ホスト植物組織および/または脂肪酸の存在しない植物部位において、またはアシルグリセロール、リン脂質、スルホン化脂質、または糖脂質のようなエステル化の形態において検出され、公知技術の様々な方法を介してホスト細胞から抽出されてもよい。上記方法には、有機溶媒、高周波分解、例えば二酸化炭素を用いた超臨界流体抽出、およびそれらの圧迫または結合のような物理的な手法による抽出を含んでもよい。特に好ましいのは、ヘキサン、プロパン、アセトン、またはエタノールによる抽出である。
【0062】
本明細書中に記載されるGLAは、栄養学上または日常生活手入れ組成物に関連がある。栄養学上の構成発明の例としては、これに限定されないが、特殊調整粉乳、栄養補助食品、栄養代用品、および経口組成物を含む。例えば、上記組成物は、これに限定されないが、マーガリン、調整バター、チーズ、ミルク、ヨーグルト、チョコレート、キャンディー、スナック、サラダ油、食用油、料理用油、肉、魚、および野菜に含まれているどんな種類の食物にも添加されてもよい。日常生活手入れ組成物の例として、スキンクリーム、バルム並びにローション、保湿剤、日焼け並びに日焼け後の製品、シャンプー、ヘアーコンディショナー、およびリップスティックを含む。本発明に係るGLAが適用され得る利用の例として、例えば、米国特許番号6,635,451および5,709,888において開示され、それらの全体および開示された特定の方法を参考として採用する。
【0063】
本明細書中に引用された特許文献は参考として援用される。下記の例は、説明する目的で提供されるものであり、本発明に係る範囲を限定することを目的としているのではない。
【実施例】
【0064】
(実施例1:プラスミドpSBS4766およびこのプラスミドを発現する遺伝子組換え植物)
図8はMortierella alpinaからデルタ6デサチュラーゼおよびデルタ12デサチュラーゼを相互発現するために用いられた構成物の地図を示す。この構成物に用いられた植物選択可能なマーカーは、Streptomyces viridochromogenesから得られたホスホフィノチリシン(phosphinothricin)アセチルトランスフェラーゼ遺伝子に相当するpatである。この構成物に用いられた細菌性マーカーはSpecRである。このベクターを構成するために用いられた2元塩基ベクターは、pPZP200誘導体である。ハイドキーウィクス(Hajdukiewicz)他、Plant Mol Biol25:989,1994を参照のこと。pPZP200プラスミドの周辺部内に含まれる挿入物の配列は下記に示す。
【0065】
pSBS4766(M.alpinaデルタ6およびデルタ12デサチュラーゼPAT抽出二重発現カセット)(配列番号1)
ctgcaggaattcgatctctattgattcaaattacgatctgatactgataacgtctagatttttagggttaaagcaatcaatcacctgacgattcaaggtggttggatcatgacgattccagaaaacatcaagcaagctctcaaagctacactctttgggatcatactgaactctaacaacctcgttatgtcccgtagtgccagtacagacatcctcgtaactcggattgtgcacgatgccatgactatacccaacctcggtcttggtcacaccaggaactctctggtaagctagctccactccccagaaacaaccggcgccaaattgcgcgaattgctgacctgaagacggaacatcatcgtcgggtccttgggcgattgcggcggaagatgggtcagcttgggcttgaggacgagacccgaatccgagtctgttgaaaaggttgttcattggggatttgtatacggagattggtcgtcgagaggtttgagggaaaggacaaatgggtttggctctggagaaagagagtgcggctttagagagagaattgagaggtttagagagagatgcggcggcgatgagcggaggagagacgacgaggacctgcattatcaaagcagtgacgtggtgaaatttggaacttttaagaggcagatagatttattatttgtatccattttcttcattgttctagaatgtcgcggaacaaattttaaaactaaatcctaaatttttctaattttgttgccaatagtggatatgtgggccgtatagaaggaatctattgaaggcccaaacccatactgacgagcccaaaggttcgttttgcgttttatgtttcggttcgatgccaacgccacattctgagctaggcaaaaaacaaacgtgtctttgaatagactcctctcgttaacacatgcagcggctgcatggtgacgccattaacacgtggcctacaattgcatgatgtctccattgacacgtgacttctcgtctcctttcttaatatatctaacaaacactcctacctcttccaaaatatatacacatctttttgatcaatctctcattcaaaatctcattctctctagtaaacaagaacaaaaaaccatggctgctgctcccagtgtgaggacgtttactcgggccgaggttttgaatgccgaggctctgaatgagggcaagaaggatgccgaggcacccttcttgatgatcatcgacaacaaggtgtacgatgtccgcgagttcgtccctgatcatcccggtggaagtgtgattctcacgcacgttggcaaggacggcactgacgtctttgacacttttcaccccgaggctgcttgggagactcttgccaacttttacgttggtgatattgacgagagcgaccgcgatatcaagaatgatgactttgcggccgaggtccgcaagctgcgtaccttgttccagtctcttggttactacgattcttccaaggcatactacgccttcaaggtctcgttcaacctctgcatctggggtttgtcgacggtcattgtggccaagtggggccagacctcgaccctcgccaacgtgctctcggctgcgcttttgggtctgttctggcagcagtgcggatggttggctcacgactttttgcatcaccaggtcttccaggaccgtttctggggtgatcttttcggcgccttcttgggaggtgtctgccagggcttctcgtcctcgtggtggaaggacaagcacaacactcaccacgccgcccccaacgtccacggcgaggatcccgacattgacacccaccctctgttgacctggagtgagcatgcgttggagatgttctcggatgtcccagatgaggagctgacccgcatgtggtcgcgtttcatggtcctgaaccagacctggttttacttccccattctctcgtttgcccgtctctcctggtgcctccagtccattctctttgtgctgcctaacggtcaggcccacaagccctcgggcgcgcgtgtgcccatctcgttggtcgagcagctgtcgcttgcgatgcactggacctggtacctcgccaccatgttcctgttcatcaaggatcccgtcaacatgctggtgtactttttggtgtcgcaggcggtgtgcggaaacttgttggcgatcgtgttctcgctcaaccacaacggtatgcctgtgatctcgaaggaggaggcggtcgatatggatttcttcacgaagcagatcatcacgggtcgtgatgtccacccgggtctatttgccaactggttcacgggtggattgaactatcagatcgagcaccacttgttcccttcgatgcctcgccacaacttttcaaagatccagcctgctgtcgagaccctgtgcaaaaagtacaatgtccgataccacaccaccggtatgatcgagggaactgcagaggtctttagccgtctgaacgaggtctccaaggctgcctccaagatgggtaaggcgcagtaagcttgttaccccactgatgtcatcgtcatagtccaataactccaatgtcggggagttagtttatgaggaataaagtgtttagaatttgatcagggggagataataaaagccgagtttgaatctttttgttataagtaatgtttatgtgtgtttctatatgttgtcaaatggtcccatgtttttcttcctctctttttgtaacttgcaagtgttgtgttgtactttatttggcttctttgtaagttggtaacggtggtctatatatggaaaaggtcttgttttgttaaacttatgttagttaactggattcgtctttaaccacaaaaagttttcaataagctacaaatttagacacgcaagccgatgcagtcattagtacatatatttattgcaagtgattacatggcaacccaaacttcaaaaacagtaggttgctccatttagtaacctgaattgcctcctgattctagttgatcccggtaccgaattccaggaattcgatctctattgattcaaattacgatctgatactgataacgtctagatttttagggttaaagcaatcaatcacctgacgattcaaggtggttggatcatgacgattccagaaaacatcaagcaagctctcaaagctacactctttgggatcatactgaactctaacaacctcgttatgtcccgtagtgccagtacagacatcctcgtaactcggattgtgcacgatgccatgactatacccaacctcggtcttggtcacaccaggaactctctggtaagctagctccactccccagaaacaaccggcgccaaattgcgcgaattgctgacctgaagacggaacatcatcgtcgggtccttgggcgattgcggcggaagatgggtcagcttgggcttgaggacgagacccgaatccgagtctgttgaaaaggttgttcattggggatttgtatacggagattggtcgtcgagaggtttgagggaaaggacaaatgggtttggctctggagaaagagagtgcggctttagagagagaattgagaggtttagagagagatgcggcggcgatgagcggaggagagacgacgaggacctgcattatcaaagcagtgacgtggtgaaatttggaacttttaagaggcagatagatttattatttgtatccattttcttcattgttctagaatgtcgcggaacaaattttaaaactaaatcctaaatttttctaattttgttgccaatagtggatatgtgggccgtatagaaggaatctattgaaggcccaaacccatactgacgagcccaaaggttcgttttgcgttttatgtttcggttcgatgccaacgccacattctgagctaggcaaaaaacaaacgtgtctttgaatagactcctctcgttaacacatgcagcggctgcatggtgacgccattaacacgtggcctacaattgcatgatgtctccattgacacgtgacttctcgtctcctttcttaatatatctaacaaacactcctacctcttccaaaatatatacacatctttttgatcaatctctcattcaaaatctcattctctctagtaaacaagaacaaaaaaccatggcacctcccaacactatcgatgccggtttgacccagcgtcatatcagcacctcggccccaaactcggccaagcctgccttcgagcgcaactaccagctccccgagttcaccatcaaggagatccgagagtgcatccctgcccactgctttgagcgctccggtctccgtggtctctgccacgttgccatcgatctgacttgggcgtcgctcttgttcctggctgcgacccagatcgacaagtttgagaatcccttgatccgctatttggcctggcctgtttactggatcatgcagggtattgtctgcaccggtgtctgggtgctggctcacgagtgtggtcatcagtccttctcgacctccaagaccctcaacaacacagttggttggatcttgcactcgatgctcttggtcccctaccactcctggagaatctcgcactcgaagcaccacaaggccactggccatatgaccaaggaccaggtctttgtgcccaagacccgctcccaggttggcttgcctcccaaggagaacgctgctgctgccgttcaggaggaggacatgtccgtgcacctggatgaggaggctcccattgtgactttgttctggatggtgatccagttcttgttcggatggcccgcgtacctgattatgaacgcctctggccaagactacggccgctggacctcgcacttccacacgtactcgcccatctttgagccccgcaactttttcgacattattatctcggacctcggtgtgttggctgccctcggtgccctgatctatgcctccatgcagttgtcgctcttgaccgtcaccaagtactatattgtcccctacctctttgtcaacttttggttggtcctgatcaccttcttgcagcacaccgatcccaagctgccccattaccgcgagg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【0066】
この構成物を有するベニバナの形質転換は、セムバイオシス,ジェネティクス株式会社(カルガリー、カナダ)により実証された。手法として、本明細書中において参考として援用されるWO2004/111244の記載を含む、セムバイオシス,ジェネティクス株式会社を利用した。遺伝子組換え植物が栽培され、種子が収穫された。
【0067】
脂肪酸値の測定は、遺伝子組換え植物から生じる種子において実施された。種子は遺伝子組換え植物から選択され、脂肪酸組成物は“公式方法および推奨されたAOCSの実践”第5編、方法Ce1〜62、米国油化学者協会:シャンペーン、イリノイ(1997)に記載のガスクロマトグラフィー法の改良法を利用して実証された。この方法において、油は、塩酸によって加水分解され、メチルエステルを形成するメタノールと反応される種子から抽出されたヘキサンである。その後、メチルエステルはガスクロマトグラフィーによって内部標準に対して定量化された。
【0068】
pSBS4766組成物を発現する遺伝子組換え植物のT1種子の10種子プールにおける脂肪酸組成物は、下記の表1に示す。デルタ6デサチュラーゼ遺伝子の活性ははっきりと遺伝子組換え系統におけるGLAの存在によって証明される。GLAは表1におけるS317コントロールのうち、0.03%から0.04%の範囲だけれども、T1プローブされた種子における0.5%から30.8%に及ぶ。これは、GLA濃度において50%増加する。18:4において少ないが十分な増加は、最も高いGLAを有する系統に見られる。デルタ6デサチュラーゼ遺伝子がGLA産生に18:2で作用し、18:3(ALA)から18:3を産生できるように予測される。デルタ12デサチュラーゼ活性は、18:1脂肪酸における減少によって証明される。表1のS317コントロールにおいて、OAは3.68%から73.51%の範囲における遺伝子組み換え系列のうちの、73.76%から75.8%の範囲にわたる。全体としては、データは、本発明によってベニバナ中に得られるGLA濃度の広い範囲を示す。
【0069】
表1:S317において発現されるpSBS4766組成物のT1種から成る10種のプールにおける脂肪酸組成物(パーセンテージとして表される)の例
【0070】
【表1】

【0071】
S317コントロール系統から得られた単一種子サンプルにおける脂肪酸組成は、以下の表2に示す。4つの複製(S0-1, S0-2, S0-3, S0-4)が起こった。単一種子データは、10種のプールデータと同等である。
【0072】
表2:コントロール系統(S0で示されたS317)から得られた4つの単一種子サンプルにおける脂肪酸組成。
【0073】
【表2】

【0074】
pSBS4766構成物を発現している遺伝子組換え植物の5系列(S1, S4, S5, S24, S27)から得られた単一種子における脂肪酸組成を以下の表3〜7に示す。8〜9回複製種子からのデータが提供された。可能な場合、各遺伝子組換え系列のNULLコントロール系統の単一種子の評価は、比較のために用意された。
【0075】
【表3】

【0076】
【表4】

【0077】
【表5】

【0078】
【表6】

【0079】
【表7】

【0080】
単一種子データは、上記貯留された種子データに見られる傾向に従う。T1系統がまだ分離しているため、多少のばらつきはゼロ、ヘテロ接合、およびホモ接合取り込みをするために単一種子サンプル中に含まれ得る。観察されたGLA濃度は、1.4%(表3:ライン1の種子1、S1−1)から50.8%(表7:ライン27の種子2、S27−2)の範囲であった。単一の種子データまたはプールされた種子データからの種子オイルのプロファイルを有するラインが、取得され得る。いくつかのラインは、種子を作らなかった。種子を作るラインが、調査のために選択された。
【0081】
pSBS4766構成物を発現する系統であるT1およびT2世代から得られた種子の脂肪酸組成は以下の表8に示す。
【0082】
表8:S317において発現されたpSBS4766構成物のT1およびT2それぞれの系統における単一種子脂肪酸組成(パーセンテージで表される)の例
【0083】
【表8】

【0084】
T2種の脂肪酸組成は、T1種において測定されたものを含む構成である。GLAが世代を超えて一貫して高発現しているならば、これらのデータは、トランス遺伝子が不変であり、遺伝性であることを示す。
【0085】
(実施例2:プラスミドpSBS4119および、このプラスミドを発現している遺伝子組換え植物)
図9はSaprolegnia diclina由来のデルタ6デサチュラーゼを発現するために利用される構成物のマップを示す。この構成物中において利用される植物性選択マーカーは、Streptomyces viridochromogenes由来のホスフィノチリシンアセチルトランスフェラーゼ遺伝子に相当するpatであった。この構成物中において利用される細菌性マーカーは、SpecRであった。このベクターを構成するために使用された塩基二元性ベクターは、pPZP200誘導体である。ハイドキエウィクス(Hajdukiewicz)他、Plant Mol Biol 25: 989,1994を参照。挿入配列は、pPZP200プラスミドの辺縁の中に含まれる。
【0086】
pSBS4119(PAT選択を伴うS. diclina デルタ6デサチュラーゼ 発現カセット)(配列番号2)
ctgcaggaattcgatctctattgattcaaattacgatctgatactgataacgtctagatttttagggttaaagcaatcaatcacctgacgattcaaggtggttggatcatgacgattccagaaaacatcaagcaagctctcaaagctacactctttgggatcatactgaactctaacaacctcgttatgtcccgtagtgccagtacagacatcctcgtaactcggattgtgcacgatgccatgactatacccaacctcggtcttggtcacaccaggaactctctggtaagctagctccactccccagaaacaaccggcgccaaattgcgcgaattgctgacctgaagacggaacatcatcgtcgggtccttgggcgattgcggcggaagatgggtcagcttgggcttgaggacgagacccgaatccgagtctgttgaaaaggttgttcattggggatttgtatacggagattggtcgtcgagaggtttgagggaaaggacaaatgggtttggctctggagaaagagagtgcggctttagagagagaattgagaggtttagagagagatgcggcggcgatgagcggaggagagacgacgaggacctgcattatcaaagcagtgacgtggtgaaatttggaacttttaagaggcagatagatttattatttgtatccattttcttcattgttctagaatgtcgcggaacaaattttaaaactaaatcctaaatttttctaattttgttgccaatagtggatatgtgggccgtatagaaggaatctattgaaggcccaaacccatactgacgagcccaaaggttcgttttgcgttttatgtttcggttcgatgccaacgccacattctgagctaggcaaaaaacaaacgtgtctttgaatagactcctctcgttaacacatgcagcggctgcatggtgacgccattaacacgtggcctacaattgcatgatgtctccattgacacgtgacttctcgtctcctttcttaatatatctaacaaacactcctacctcttccaaaatatatacacatctttttgatcaatctctcattcaaaatctcattctctctagtaaacaagaacaaaaaaccatggtccaggggcaaaaggccgagaagatctcgtgggcgaccatccgtgagcacaaccgccaagacaacgcgtggatcgtgatccaccacaaggtgtacgacatctcggcctttgaggaccacccgggcggcgtcgtcatgttcacgcaggccggcgaagacgcgaccgatgcgttcgctgtcttccacccgagctcggcgctcaagctcctcgagcagtactacgtcggcgacgtcgaccagtcgacggcggccgtcgacacgtcgatctcggacgaggtcaagaagagccagtcggacttcattgcgtcgtaccgcaagctgcgccttgaagtcaagcgcctcggcttgtacgactcgagcaagctctactacctctacaagtgcgcctcgacgctgagcattgcgcttgtgtcggcggccatttgcctccactttgactcgacggccatgtacatggtcgcggctgtcatccttggcctcttttaccagcagtgcggctggctcgcccatgactttctgcaccaccaagtgtttgagaaccacttgtttggcgacctcgtcggcgtcatggtcggcaacctctggcagggcttctcggtgcagtggtggaagaacaagcacaacacgcaccatgcgatccccaacctccacgcgacgcccgagatcgccttccacggcgacccggacattgacacgatgccgattctcgcgtggtcgctcaagatggcgcagcacgcggtcgactcgcccgtcgggctcttcttcatgcgctaccaagcgtacctgtactttcccatcttgctctttgcgcgtatctcgtgggtgatccagtcggccatgtacgccttctacaacgttgggcccggcggcacctttgacaaggtccagtacccgctgctcgagcgcgccggcctcctcctctactacggctggaacctcggccttgtgtacgcagccaacatgtcgctgctccaagcggctgcgttcctctttgtgagccaggcgtcgtgcggcctcttcctcgcgatggtctttagcgtcggccacaacggcatggaggtctttgacaaggacagcaagcccgatttttggaagctgcaagtgctctcgacgcgcaacgtgacgtcgtcgctctggatcgactggttcatgggcggcctcaactaccagatcgaccaccacttgttcccgatggtgccccggcacaacctcccggcgctcaacgtgctcgtcaagtcgctctgcaagcagtacgacatcccataccacgagacgggcttcatcgcgggcatggccgaggtcgtcgtgcacctcgagcgcatctcgatcgagttcttcaaggagtttcccgccatgtaagcttgttaccccactgatgtcatcgtcatagtccaataactccaatgtcggggagttagtttatgaggaataaagtgtttagaatttgatcagggggagataataaaagccgagtttgaatctttttgttataagtaatgtttatgtgtgtttctatatgttgtcaaatggtcccatgtttttcttcctctctttttgtaacttgcaagtgttgtgttgtactttatttggcttctttgtaagttggtaacggtggtctatatatggaaaaggtcttgttttgttaaacttatgttagttaactggattcgtctttaaccacaaaaagttttcaataagctacaaatttagacacgcaagccgatgcagtcattagtacatatatttattgcaagtgattacatggcaacccaaacttcaaaaacagtaggttgctccatttagtaacctgaattgcctcctgattctagttgatcccggtaccgaattcgaatccaaaaattacggatatgaatataggcatatccgtatccgaattatccgtttgacagctagcaacgattgtacaattgcttctttaaaaaaggaagaaagaaagaaagaaaagaatcaacatcagcgttaacaaacggccccgttacggcccaaacggtcatatagagtaacggcgttaagcgttgaaagactcctatcgaaatacgtaaccgcaaacgtgtcatagtcagatcccctcttccttcaccgcctcaaacacaaaaataatcttctacagcctatatatacaacccccccttctatctctcctttctcacaattcatcatctttctttctctacccccaattttaagaaatcctctcttctcctcttcattttcaaggtaaatctctctctctctctctctctctgttattccttgttttaattaggtatgtattattgctagtttgttaatctgcttatcttatgtatgccttatgtgaatatctttatcttgttcatctcatccgtttagaagctataaatttgttgatttgactgtgtatctacacgtggttatgtttatatctaatcagatatgaatttcttcatattgttgcgtttgtgtgtaccaatccgaaatcgttgatttttttcatttaatcgtgtagctaattgtacgtatacatatggatctacgtatcaattgttcatctgtttgtgtttgtatgtatacagatctgaaaacatcacttctctcatctgattgtgttgttacatacatagatatagatctgttatatcatttttttattaattgtgtatatatatatgtgcatagatctggattacatgattgtgattatttacatgattttgttatttacgtatgtatatatgtagatctggactttttggagttgttgacttgattgtatttgtgtgtgtatatgtgtgttctgatcttgatatgttatgtatgtgcagccaaggctacgggcgatccaccatgtctccggagaggagaccagttgagattaggccagctacagcagctgatatggccgcggtttgtgatatcgttaaccattacattgagacgtctacagtgaactttaggacagagccacaaacaccacaagagtggattgatgatctagagaggttgcaagatagatacccttggttggttgctgaggttgagggtgttgtggctggtattgcttacgctgggccctggaaggctaggaacgcttacgattggacagttgagagtactgtttacgtgtcacataggcatcaaaggttgggcctaggttccacattgtacacacatttgcttaagtctatggaggcgcaaggttttaagtctgtggttgctgttataggccttccaaacgatccatctgttaggttgcatgaggctttgggatacacagcccggggtacattgcgcgcagctggatacaagcatggtggatggcatgatgttggtttttggcaaagggattttgagttgccagctcctccaaggccagttaggccagttacccagatctgagtcgaccgaatgagttccaagatggtttgtgacgaagttagttggttgtttttatggaactttgtttaagctagcttgtaatgtggaaagaacgtgtggctttgtggtttttaaatgttggtgaataaagatgtttcctttggattaactagtatttttcctattggtttcatggttttagcacacaacattttaaatatgctgttagatgatatgctgcctgctttattatttacttacccctcaccttcagtttcaaagttgttgcaatgactctgtgtagtttaagatcgagtgaaagtagattttgtctatatttattaggggtatttgatatgctaatggtaaacatggtttatgacagcgtacttttttggttatggtgttgacgtttccttttaaacattatagtagcgtccttggtctgtgttcattggttgaacaaaggcacactcacttggagatgccgtctccactgatatttgaac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【0087】
この構成物を含むベニバナの形質転換は、セムバイオシス,ジェネティクス株式会社(カルガリー、カナダ)により実証された。手法として本明細書中において参考として採用されるWO2004/111244の記載を含む、セムバイオシス,ジェネティクス株式会社を利用した。また、遺伝子組換え植物が栽培され、種子が収穫された。
【0088】
遺伝子組換え植物および脂肪酸組成物から採取された種子は、“公式方法および推奨されたAOCSの実践”第5編、方法Ce1〜62、米国油化学者協会:シャンペーン、イリノイ(1997)に記載のガスクロマトグラフィー法の改良法を利用して実証された。
【0089】
下記の表9に示すように、GLAレベルは、pSBS4119構成物におけるS.diclina由来のデルタ6デサチュラーゼを発現している遺伝子組換え系統由来のT1種子における11.41%(4119−23−1系列)から72.89%(4119−21−3系列)に及ぶ。60%以上のGLAレベルは各遺伝子組換え系列において得られた。T1系列が分離しているままのため、単一種子サンプルの測定はゼロ、ヘテロ接合、およびホモ接合取り込みのために変化し得る。センテニアル種はLAにおいて必然的に高くなり、デルタ6デサチュラーゼ単独の遺伝子組換え発現はGLAレベルを上昇するの十分である。
【0090】
表9:センテニアルにおいて発現されたpSBS4119構成物のT1種子における単一種子脂肪酸組成(パーセンテージで表した)の例
【0091】
【表9】

【0092】
(実施例3:pSBS4763プラスミドおよびこのプラスミドを発現している遺伝子組換え植物)
図10は、Mortierella alpina由来デルタ6デサチュラーゼを発現するために利用された構成物のマップを示す。この構成物に用いられた植物性選択マーカーはStreptomyces viridochromogenes由来ホスフィノチリシンアセチルトランスフェラーゼ遺伝子に相当するpatである。この構成物中において利用される細菌性マーカーは、SpecRであった。このベクターを構成するために使用された塩基二元性ベクターは、pPZP200誘導体である。ハイドキエウィクス(Hajdukiewicz)他、Plant Mol Biol 25: 989,1994を参照。挿入配列は、pPZP200プラスミドの辺縁の中に含まれる。
【0093】
pSBS4763 (PAT選択を伴うM.alpinaデルタ6デサチュラーゼ発現カセット)(配列番号3)
ctgcaggaattcgatctctattgattcaaattacgatctgatactgataacgtctagatttttagggttaaagcaatcaatcacctgacgattcaaggtggttggatcatgacgattccagaaaacatcaagcaagctctcaaagctacactctttgggatcatactgaactctaacaacctcgttatgtcccgtagtgccagtacagacatcctcgtaactcggattgtgcacgatgccatgactatacccaacctcggtcttggtcacaccaggaactctctggtaagctagctccactccccagaaacaaccggcgccaaattgcgcgaattgctgacctgaagacggaacatcatcgtcgggtccttgggcgattgcggcggaagatgggtcagcttgggcttgaggacgagacccgaatccgagtctgttgaaaaggttgttcattggggatttgtatacggagattggtcgtcgagaggtttgagggaaaggacaaatgggtttggctctggagaaagagagtgcggctttagagagagaattgagaggtttagagagagatgcggcggcgatgagcggaggagagacgacgaggacctgcattatcaaagcagtgacgtggtgaaatttggaacttttaagaggcagatagatttattatttgtatccattttcttcattgttctagaatgtcgcggaacaaattttaaaactaaatcctaaatttttctaattttgttgccaatagtggatatgtgggccgtatagaaggaatctattgaaggcccaaacccatactgacgagcccaaaggttcgttttgcgttttatgtttcggttcgatgccaacgccacattctgagctaggcaaaaaacaaacgtgtctttgaatagactcctctcgttaacacatgcagcggctgcatggtgacgccattaacacgtggcctacaattgcatgatgtctccattgacacgtgacttctcgtctcctttcttaatatatctaacaaacactcctacctcttccaaaatatatacacatctttttgatcaatctctcattcaaaatctcattctctctagtaaacaagaacaaaaaaccatggctgctgctcccagtgtgaggacgtttactcgggccgaggttttgaatgccgaggctctgaatgagggcaagaaggatgccgaggcacccttcttgatgatcatcgacaacaaggtgtacgatgtccgcgagttcgtccctgatcatcccggtggaagtgtgattctcacgcacgttggcaaggacggcactgacgtctttgacacttttcaccccgaggctgcttgggagactcttgccaacttttacgttggtgatattgacgagagcgaccgcgatatcaagaatgatgactttgcggccgaggtccgcaagctgcgtaccttgttccagtctcttggttactacgattcttccaaggcatactacgccttcaaggtctcgttcaacctctgcatctggggtttgtcgacggtcattgtggccaagtggggccagacctcgaccctcgccaacgtgctctcggctgcgcttttgggtctgttctggcagcagtgcggatggttggctcacgactttttgcatcaccaggtcttccaggaccgtttctggggtgatcttttcggcgccttcttgggaggtgtctgccagggcttctcgtcctcgtggtggaaggacaagcacaacactcaccacgccgcccccaacgtccacggcgaggatcccgacattgacacccaccctctgttgacctggagtgagcatgcgttggagatgttctcggatgtcccagatgaggagctgacccgcatgtggtcgcgtttcatggtcctgaaccagacctggttttacttccccattctctcgtttgcccgtctctcctggtgcctccagtccattctctttgtgctgcctaacggtcaggcccacaagccctcgggcgcgcgtgtgcccatctcgttggtcgagcagctgtcgcttgcgatgcactggacctggtacctcgccaccatgttcctgttcatcaaggatcccgtcaacatgctggtgtactttttggtgtcgcaggcggtgtgcggaaacttgttggcgatcgtgttctcgctcaaccacaacggtatgcctgtgatctcgaaggaggaggcggtcgatatggatttcttcacgaagcagatcatcacgggtcgtgatgtccacccgggtctatttgccaactggttcacgggtggattgaactatcagatcgagcaccacttgttcccttcgatgcctcgccacaacttttcaaagatccagcctgctgtcgagaccctgtgcaaaaagtacaatgtccgataccacaccaccggtatgatcgagggaactgcagaggtctttagccgtctgaacgaggtctccaaggctgcctccaagatgggtaaggcgcagtaagcttgttaccccactgatgtcatcgtcatagtccaataactccaatgtcggggagttagtttatgaggaataaagtgtttagaatttgatcagggggagataataaaagccgagtttgaatctttttgttataagtaatgtttatgtgtgtttctatatgttgtcaaatggtcccatgtttttcttcctctctttttgtaacttgcaagtgttgtgttgtactttatttggcttctttgtaagttggtaacggtggtctatatatggaaaaggtcttgttttgttaaacttatgttagttaactggattcgtctttaaccacaaaaagttttcaataagctacaaatttagacacgcaagccgatgcagtcattagtacatatatttattgcaagtgattacatggcaacccaaacttcaaaaacagtaggttgctccatttagtaacctgaattgcctcctgattctagttgatcccggtaccgaattcgaatccaaaaattacggatatgaatataggcatatccgtatccgaattatccgtttgacagctagcaacgattgtacaattgcttctttaaaaaaggaagaaagaaagaaagaaaagaatcaacatcagcgttaacaaacggccccgttacggcccaaacggtcatatagagtaacggcgttaagcgttgaaagactcctatcgaaatacgtaaccgcaaacgtgtcatagtcagatcccctcttccttcaccgcctcaaacacaaaaataatcttctacagcctatatatacaacccccccttctatctctcctttctcacaattcatcatctttctttctctacccccaattttaagaaatcctctcttctcctcttcattttcaaggtaaatctctctctctctctctctctctgttattccttgttttaattaggtatgtattattgctagtttgttaatctgcttatcttatgtatgccttatgtgaatatctttatcttgttcatctcatccgtttagaagctataaatttgttgatttgactgtgtatctacacgtggttatgtttatatctaatcagatatgaatttcttcatattgttgcgtttgtgtgtaccaatccgaaatcgttgatttttttcatttaatcgtgtagctaattgtacgtatacatatggatctacgtatcaattgttcatctgtttgtgtttgtatgtatacagatctgaaaacatcacttctctcatctgattgtgttgttacatacatagatatagatctgttatatcatttttttattaattgtgtatatatatatgtgcatagatctggattacatgattgtgattatttacatgattttgttatttacgtatgtatatatgtagatctggactttttggagttgttgacttgattgtatttgtgtgtgtatatgtgtgttctgatcttgatatgttatgtatgtgcagccaaggctacgggcgatccaccatgtctccggagaggagaccagttgagattaggccagctacagcagctgatatggccgcggtttgtgatatcgttaaccattacattgagacgtctacagtgaactttaggacagagccacaaacaccacaagagtggattgatgatctagagaggttgcaagatagatacccttggttggttgctgaggttgagggtgttgtggctggtattgcttacgctgggccctggaaggctaggaacgcttacgattggacagttgagagtactgtttacgtgtcacataggcatcaaaggttgggcctaggttccacattgtacacacatttgcttaagtctatggaggcgcaaggttttaagtctgtggttgctgttataggccttccaaacgatccatctgttaggttgcatgaggctttgggatacacagcccggggtacattgcgcgcagctggatacaagcatggtggatggcatgatgttggtttttggcaaagggattttgagttgccagctcctccaaggccagttaggccagttacccagatctgagtcgaccgaatgagttccaagatggtttgtgacgaagttagttggttgtttttatggaactttgtttaagctagcttgtaatgtggaaagaacgtgtggctttgtggtttttaaatgttggtgaataaagatgtttcctttggattaactagtatttttcctattggtttcatggttttagcacacaacattttaaatatgctgttagatgatatgctgcctgctttattatttacttacccctcaccttcagtttcaaagttgttgcaatgactctgtgtagtttaagatcgagtgaaagtagattttgtctatatttattaggggtatttgatatgctaatggtaaacatggtttatgacagcgtacttttttggttatggtgttgacgtttccttttaaacattatagtagcgtccttggtctgtgttcattggttgaacaaaggcacactcacttggagatgccgtctccactgatatttgaaca
【0094】
この構成物に含まれるベニバナの形質転換は、セムバイオシス,ジェネティクス株式会社(カルガリー、カナダ)により実証された。手法として本明細書中において参考として採用されるWO2004/111244の記載を含む、セムバイオシス,ジェネティクス株式会社を利用した。また、遺伝子組換え植物が栽培され、種子が収穫された。
【0095】
遺伝子組換え植物および脂肪酸組成物から採取された種子は、“公式方法および推奨されたAOCSの実践”第5編、方法Ce1〜62、米国油化学者協会:シャンペーン、イリノイ(1997)に記載のガスクロマトグラフィー法の改良法を利用して実証された。
【0096】
下記の表10に示すように、GLAレベルは、pSBS4763構成物におけるM. alpina由来のデルタ6デサチュラーゼを発現している遺伝子組換え系統由来のT1種子における7.8% (4763-13-2系列) から50.19% (4763-28-1系列)に及ぶ。T1系列が分離しているままのため、単一種子サンプルの測定はゼロ、ヘテロ接合、およびホモ接合取り込みのために変化し得る。センテニアルコントロールおよびゼロコントロール系列におけるGLAレベルは0.05または下記の値である。センテニアルにおけるLAレベルは必然的に高くなり、センテニアルにおけるGLAレベルはデルタ6デサチュラーゼのみの発現を伴って、上昇可能である。
【0097】
表10:センテニアルにおいて発現されたpSBS4763構成物のT1種子の単一種子脂肪酸組成の例
【0098】
【表10】

【0099】
これらのデータは、様々な原料由来のデルタ6デサチュラーゼは、ベニバナにおいてGLA産物を増加させるために利用できることを示す。センテニアル種であるようなLAにおいて必然的に高い、植物種におけるデルタ6デサチュラーゼの遺伝子組換え発現は、GLA構成物を増加させるという点で有効である。
【0100】
本発明に係る特許請求の範囲は、本明細書における上述の記載によって、本発明に係る可能な要素を特徴づけるために示される。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】図1は、OAの変換からLAまでのGLA生合成経路を示す。この図に示すように、酵素デルタ6およびデルタ12デサチュラーゼの連続的な活性によって、GLAに順に変換される。GLAは、数々のプロスタグランジン、ロイコトリエン、その他の生理活性物質にとって前躯体であるアラキドン酸に変換されうる。
【図2】図2は、共通配列を含む、様々な植物性デルタ6デサチュラーゼ(配列ID番号:4−6)の連続配列を示す。
【図3】図3は、共通配列を含む、様々な真菌性デルタ6デサチュラーゼ(配列ID番号:7−11)の連続配列を示す。
【図4】図4は、デルタ6デサチュラーゼにおける保存領域の直線状の表示を示す。
【図5】図5は、共通配列を含む、様々な植物性デルタ12デサチュラーゼ(配列ID番号:12−15)の連続配列を示す。
【図6】図6は、共通配列を含む、様々な真菌性デルタ12デサチュラーゼ(配列ID番号:16−19)の連続配列を示す。
【図7】図7は、デルタ12デサチュラーゼにおける直線状の表示を示す。
【図8】図8は、有機体M.alpinaからデルタ6およびデルタ12デサチュラーゼ発現を目的としたプラスミドpSBS4766を示す。この図には、プロモーター、終止配列、および耐性または標識遺伝子を含む発現図の様々な特徴を示す。
【図9】図9は、有機体S.diclinaからデルタ6デサチュラーゼ発現を目的としたプラスミドpSBS4119を示す。この図には、プロモーター、終止配列、および耐性または標識遺伝子を含む発現図の様々な特徴を示す。当該プラスミド上において植物選択可能マーカーは、patであり、Streptomyces viridochromogenes由来のホスフィノチリシンアセチル転移酵素である。また、細菌標識は、SpecRである。
【図10】図10は、有機体M.alpinaからデルタ6およびデルタ12デサチュラーゼ発現を目的としたプラスミドpSBS4763を示す。この図には、プロモーター、終止配列、および耐性または標識遺伝子を含む発現図の様々な特徴を示す。当該プラスミド上において植物選択可能マーカーはpatであり、Streptomyces viridochromogenes由来のホスフィノチリシンアセチル転移酵素である。また、細菌標識は、SpecRである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1重量%のGLAを含む種子を形成する、ベニバナ植物体。
【請求項2】
請求項1に記載の植物の、種子。
【請求項3】
請求項2に記載の種子の、オイル。
【請求項4】
およそ1〜5、5〜10、10〜15、15〜20、20〜25、25〜30、30〜35、35〜40、40〜45、45〜50、50〜55もしくは55〜60重量%の、またはそれより多いGLAを含んでいる、請求項3に記載のオイル。
【請求項5】
デルタ6デサチュラーゼをコードする組み換えDNA配列に、機能し得る形でつながっている、自植物体において機能する組み換えプロモータを含む形質転換ベニバナ植物体であって、
種子を形成し、該種子は少なくとも1重量%のGLAを含んでいる、形質転換ベニバナ植物体。
【請求項6】
上記デサチュラーゼをコードする配列が、植物または真菌のデサチュラーゼである、請求項5に記載の形質転換ベニバナ植物体。
【請求項7】
上記デサチュラーゼをコードする配列が、Mucor、Saprolegnia、Saprolegnia diclina、Mortierella、Mortierella alpina、Conidiobolus、Pythium、Phytophthora、Penicillium、Porphyridium、Coidosporium、Mucor circinelloides、Fusarium、Aspergillus、Candida、Rhodotorula、Entomophthora、Thraustochytrium、Saprolegnia、Borago、Primula、ベニバナ、ナタネ、イネおよび蘚類のデルタ6デサチュラーゼからなる群より選択されるデサチュラーゼである、請求項6に記載の形質転換ベニバナ植物体。
【請求項8】
上記プロモータが、種子特異的なプロモータである、請求項5に記載の形質転換ベニバナ植物体。
【請求項9】
上記種子特異的プロモータが、オレオシンプロモータまたはリニンプロモータである、請求項8に記載の形質転換ベニバナ植物体。
【請求項10】
請求項5、6、7、8、または9に記載の植物体由来の、種子であって、
内部のGLAレベルが、全脂肪酸含有量の少なくとも1重量%である、種子。
【請求項11】
請求項10に記載の種子から作り出される、オイル。
【請求項12】
およそ1〜5、5〜10、10〜15、15〜20、20〜25、25〜30、30〜35、35〜40、40〜45、45〜50、50〜55もしくは55〜60重量%の、またはそれより多いGLAを含んでいる、請求項11に記載のオイル。
【請求項13】
デルタ6デサチュラーゼをコードする第一の組み換えDNA配列と、
デルタ12デサチュラーゼをコードする第二の組み換えDNA配列と、
を含む形質転換ベニバナ植物体であって、
該第一の組み換えDNA配列および該第二の組み換えDNA配列は、少なくとも一つのプロモータに、機能し得る形でつながっており、
少なくとも1重量%のGLAを含む種子を形成する、形質転換ベニバナ植物体。
【請求項14】
上記デルタ6デサチュラーゼおよびデルタ12デサチュラーゼをコードする配列は、植物または真菌のデサチュラーゼである、請求項13に記載の形質転換ベニバナ植物体。
【請求項15】
上記デサチュラーゼをコードする配列が、Mucor、Saprolegnia、Saprolegnia diclina、Mortierella、Mortierella alpina、Conidiobolus、Pythium、Phytophthora、Penicillium、Porphyridium、Coidosporium、Mucor circinelloides、Fusarium、Aspergillus、Candida、Euphorbia、Dimorphoteca、Rhodotorula、Entomophthora、Thraustochytrium、Saprolegnia、Borago、Primula、ベニバナ、ナタネ、イネおよび蘚類のデルタ6−およびデルタ12デサチュラーゼからなる群より選択されるデサチュラーゼである、請求項14に記載の形質転換ベニバナ植物体。
【請求項16】
上記プロモータが、種子特異的なプロモータである、請求項13に記載の形質転換ベニバナ植物体。
【請求項17】
上記種子特異的プロモータが、オレオシンプロモータまたはリニンプロモータである、請求項16に記載の形質転換ベニバナ植物体。
【請求項18】
請求項13、14、15、16、または17に記載の植物体由来であり、内部のGLAレベルが、全脂肪酸含有量の少なくとも1重量%である、種子。
【請求項19】
請求項18に記載の種子から作り出される、オイル。
【請求項20】
およそ1〜5、5〜10、10〜15、15〜20、20〜25、25〜30、30〜35、35〜40、40〜45、45〜50、50〜55もしくは55〜60重量%の、またはそれより多いGLAを含んでいる、請求項19に記載のオイル。
【請求項21】
ベニバナの種子内にGLAを生成するための方法であって、
該ベニバナ植物体において機能する組み換えプロモータを含むベニバナ植物体を育てる工程を含み、
該プロモータは、デルタ6デサチュラーゼをコードする組み換えDNA配列に、機能し得る形でつながっており、
該ベニバナ植物体は、該デルタ6デサチュラーゼ配列が発現する条件下において育てられる、方法。
【請求項22】
上記デルタ6デサチュラーゼおよびデルタ12デサチュラーゼをコードする配列が、植物または真菌のデサチュラーゼである、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
上記デサチュラーゼをコードする配列が、Mucor、Saprolegnia、Saprolegnia diclina、Mortierella、Mortierella alpina、Conidiobolus、Pythium、Phytophthora、Penicillium、Porphyridium、Coidosporium、Mucor circinelloides、Fusarium、Aspergillus、Candida、Euphorbia、Rhodotorula、Thraustochytrium、Saprolegnia、Borago、Primula、ベニバナ、ナタネ、イネおよび蘚類のデルタ6デサチュラーゼからなる群より選択されるデサチュラーゼである、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
上記プロモータが、種子特異的なプロモータである、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
上記種子特異的プロモータが、オレオシンプロモータまたはリニンプロモータである、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
上記ベニバナ植物体から種子を単離する工程を、さらに含んでいる、請求項21、22、23、24、または25に記載の方法。
【請求項27】
上記種子のGLAレベルが、全脂肪酸含有量の少なくとも1重量%である、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
上記ベニバナ植物体の種子からオイルを抽出する工程を、さらに含んでいる、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
およそ1〜5、5〜10、10〜15、15〜20、20〜25、25〜30、30〜35、35〜40、40〜45、45〜50、50〜55もしくは55〜60重量%の、またはそれより多いGLAを含んでいる、請求項28に記載のオイル。
【請求項30】
デルタ6デサチュラーゼをコードする第一の組み換えDNA配列と、
デルタ12デサチュラーゼをコードする第二の組み換えDNA配列と、
を含むベニバナ植物体を育てる工程を含む、ベニバナ種子内にGLAを生成するための方法であって、
該第一の組み換えDNA配列および該第二の組み換えDNA配列が、少なくとも一つのプロモータに、機能し得る形でつながっており、
該デルタ6デサチュラーゼおよび該デルタ12デサチュラーゼ配列が発現する条件下において、該ベニバナ植物体が育てられる、方法。
【請求項31】
上記デルタ6デサチュラーゼおよびデルタ12デサチュラーゼをコードする配列が、植物または真菌のデサチュラーゼである、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
上記デサチュラーゼをコードする配列が、Mucor、Saprolegnia、Saprolegnia diclina、Mortierella、Mortierella alpina、Conidiobolus、Pythium、Phytophathra、Penicillium、Porphyridium、Coidosporium、Mucor circinelloides、Fusarium、Aspergillus、Candida、Euphorbia、Dimorphoteca、Rhodotorula、Entomophthora、Thraustochytrium、Saprolegnia、Borago、Primula、ベニバナ、ナタネ、イネおよび蘚類のデルタ6−およびデルタ12デサチュラーゼからなる群より選択されるデサチュラーゼである、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
上記プロモータが、種子特異的なプロモータである、請求項30に記載の方法。
【請求項34】
上記種子特異的プロモータが、オレオシンプロモータまたはリニンプロモータである、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
上記ベニバナ植物体から種子を単離する工程を、さらに含んでいる、請求項30、31、32、33、または34に記載の方法。
【請求項36】
上記種子のGLAレベルが、全脂肪酸含有量の少なくとも1重量%である、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
上記ベニバナ植物体の種子からオイルを抽出する工程を、さらに含んでいる、請求項35に記載の方法。
【請求項38】
およそ1〜5、5〜10、10〜15、15〜20、20〜25、25〜30、30〜35、35〜40、40〜45、45〜50、50〜55もしくは55〜60重量%の、またはそれより多いGLAを含んでいる、請求項37に記載のオイル。
【請求項39】
形質転換ベニバナ植物体由来であり、ガンマ−リノレン酸の含有量が1重量%より多い、ベニバナオイル。
【請求項40】
形質転換ベニバナ植物体由来であり、ガンマ−リノレン酸の含有量が5重量%より多い、ベニバナオイル。
【請求項41】
形質転換ベニバナ植物体由来であり、ガンマ−リノレン酸の含有量が10重量%より多い、ベニバナオイル。
【請求項42】
形質転換ベニバナ植物体由来であり、ガンマ−リノレン酸の含有量が1〜5、5〜10、10〜15、15〜20、20〜25、25〜30、30〜35、35〜40、40〜45、45〜50、50〜55または55〜60重量パーセントより多い、ベニバナオイル。
【請求項43】
精神、神経、もしくは他の中枢神経系もしくは末梢神経系の病状または疾患を治療するまたは防止する方法であって、
上記の疾患になりやすい、または上記の疾患で苦しんでいる患者に対して、効果的な量の、請求項3、11、19、29、38、39、40、41、または42に記載のオイルを投与する工程を含む、方法。
【請求項44】
免疫の病状または疾患を治療するまたは防止する方法であって、
上記の疾患になりやすい、または上記の疾患で苦しんでいる患者に対して、効果的な量の、請求項3、11、19、29、38、39、40、41、または42に記載のオイルを投与する工程を含む、方法。
【請求項45】
炎症状態または炎症性の疾患を治療するまたは防止する方法であって、
上記の疾患になりやすい、または上記の疾患で苦しんでいる患者に対して、効果的な量の、請求項3、11、19、29、38、39、40、41、または42に記載のオイルを投与する工程を含む、方法。
【請求項46】
がんを治療するまたは防止する方法であって、
上記の疾患になりやすい、または上記の疾患で苦しんでいる患者に対して、効果的な量の、請求項3、11、19、29、38、39、40、41、または42に記載のオイルを投与する工程を含む、方法。
【請求項47】
皮膚の病状または皮膚の疾患を治療するまたは防止する方法であって、
上記の疾患になりやすい、または上記の疾患で苦しんでいる患者に対して、効果的な量の、請求項3、11、19、29、38、39、40、41、または42に記載のオイルを投与する工程を含む、方法。
【請求項48】
心血管の病状または心疾患を治療するまたは防止する方法であって、
上記の疾患になりやすい、または上記の疾患で苦しんでいる患者に対して、効果的な量の、請求項3、11、19、29、38、39、40、41、または42に記載のオイルを投与する工程を含む、方法。
【請求項49】
効果的な量の、請求項3、11、19、29、38、39、40、41、または42に記載のオイルを、幼児に投与する工程を含む、幼児に栄養を与える方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2008−545411(P2008−545411A)
【公表日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−513656(P2008−513656)
【出願日】平成18年5月22日(2006.5.22)
【国際出願番号】PCT/US2006/020047
【国際公開番号】WO2006/127789
【国際公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【出願人】(507387284)アルカディア バイオサイエンシズ,インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】