壁パネルおよびその製造施工方法
【課題】 寸法精度がよく、施工が容易でかつ制震性に優れた壁パネルおよびその製造施工方法を提供すること。
【解決手段】 左右に配置された柱16a,16bと、上下に配置された土台17と梁18とで形成される空間に、壁パネル10を設置する真壁造りの建物で使用される壁パネルを、線材11a,11bを組み付けて四角枠状に形成された枠材11と、枠材11の一方の面を塞ぐ面材14と、枠材11の一方の面と面材14との間に設けられて枠材11と面材14とを接合する制震性を有する粘弾性テープ13とで構成した。
【解決手段】 左右に配置された柱16a,16bと、上下に配置された土台17と梁18とで形成される空間に、壁パネル10を設置する真壁造りの建物で使用される壁パネルを、線材11a,11bを組み付けて四角枠状に形成された枠材11と、枠材11の一方の面を塞ぐ面材14と、枠材11の一方の面と面材14との間に設けられて枠材11と面材14とを接合する制震性を有する粘弾性テープ13とで構成した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物における複数の構造材で形成される空間に設置される壁パネルおよびその製造施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、建物を建築する際に、壁パネルを、左右に配置された一対の柱と、上下に配置された土台と梁とで形成される空間に設置することが行われている。また、このような建物で用いられる壁パネルとして、制震機能を備えたものがある。(例えば、特許文献1参照)。この壁パネルは、矩形の面材の周囲の4辺に、一方の面に剥離紙が貼り付けられた状態の両面粘弾性テープの他方の面を貼り付け、面材の中央部に間柱を上下方向に取り付けるとともに、面材の下部に下横材を取り付けた構成をしている。そして、壁パネルを施工する際には、建築現場で、面材に貼り付けられた両面粘弾性テープから剥離紙を剥がして、壁パネルを2本の柱の間に嵌装して貼着したのちに、釘で固定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−277854号公報
【発明の概要】
【0004】
しかしながら、前述した壁パネルでは、建築現場で両面粘弾性テープから剥離紙を剥がして、壁パネルを柱や梁等に合わせ、その両面粘弾性テープを柱や梁等に貼り付けるため作業がし難いという問題がある。この両面粘弾性テープを柱や梁等に貼り付けるときには、やり直しがきかないため、正確な作業を一度で行う必要があるが、建築現場では足場がよくない場合も多く、壁パネルの正確な取り付けを行うことが難しい。特に、建物の2階や3階部分でこのような作業を行う場合には、壁パネルの正確な取り付けを行うことが難しくなる。また、剥離紙を剥がした状態にしておくと、両面粘弾性テープに埃が付着したり水に濡れたりすることがあるため、剥離紙を剥がしたのちには、壁パネルを素早く柱や梁等に固定しなければならないという作業上の制約もある。
【0005】
本発明は、前述した問題に対処するためになされたもので、その目的は、寸法精度がよく、施工が容易でかつ制震性に優れた壁パネルおよびその製造施工方法を提供することである。なお、下記本発明の各構成要件の記載においては、本発明の理解を容易にするために、実施形態の対応箇所の符号を括弧内に記載しているが、本発明の構成要件は、実施形態の符号によって示された対応箇所の構成に限定解釈されるべきものではない。
【0006】
前述した目的を達成するため、本発明に係る壁パネルの構成上の特徴は、建物における複数の構造材(16a,16b,17,18,26a,26b,58,66,67,68)で形成される空間に設置するための壁パネル(10,10a,20,30,40,60)であって、線材(11a,11b,31a,31b,36a,36b,41a,41b,61a,61b,61c)を組み付けて枠状に形成された枠材(11,21,41,61)と、枠材の一方の面を塞ぐ面材(14,24,34,38,44a,44b,44c,44d,64)と、枠材の一方の面と面材との間に設けられて枠材と面材とを接合する制震性を有する粘弾性テープ(13,23)とを備えたことにある。
【0007】
本発明に係る壁パネルは、制震性を有し両面が粘着面に形成された粘弾性テープで枠材と面材とを接合することによって構成されている。このため、従来の壁パネルのように、建築現場において、一方の面だけが面材に貼り付けられた粘弾性テープの他方の面に付着している剥離紙を剥がして、粘弾性テープの剥離紙を剥がした面を柱や梁等からなる構造材の所定部分に貼り付けるといった作業を行う必要がなくなる。この結果、建築現場においては、釘やボルト等の固着具を用いて、壁パネルを、構造材に固定する作業だけで済むため施工が容易になる。また、壁パネルの製造は、工場など作業を行い易い場所で行えるため、寸法精度のよい壁パネルを得ることができる。これによって、精度よく製造された壁パネルを建築現場で容易に施工できるという効果が生じる。
【0008】
さらに、壁パネルに制震性を有する粘弾性テープを含ませることにより、制震性に優れた建物の建築が可能になる。この場合の粘弾性テープとしては、例えば、粘性および弾性を備えた制震テープ(商品名)を用いることができる。また、壁パネルは、建物の外部と内部とを仕切るものであっても、室内の部屋と部屋との間を仕切るものであってもよいが、壁パネルが建物の外部と内部とを仕切るものであって、従来のように、面材を、直接、構造材に固定する場合には、建物の外側から面材を取り付けることになる。このため、高所で壁パネルの施工を行う場合には建物の外部に堅牢な足場を組み立てるなど整備された作業場所を確保する必要があるが、本発明では、壁パネルを室内側から複数の構造材の間に入れて、枠材を構造材に固定できるため特に作業場所を整備する等の必要は生じない。
【0009】
なお、本発明における構造材は、壁パネルの周囲に位置して、壁パネルを支持するものであり、柱、土台、梁、床面材、束、垂木などで構成される。また、壁パネルの形状としては、正面視で長方形、正方形、三角形などにすることができる。壁パネルを三角形にする場合には、枠材を、水平方向に延びる線材と、その線材の一方の端部から上方に延びる線材と、水平方向に延びる線材の他方の端部と上方に延びる線材の上端部を結ぶ傾斜した線材とで構成し、面材の外周形状を枠材の外周形状に合わせる。
【0010】
本発明に係る壁パネルの他の構成上の特徴は、面材(24)の裏面における枠材(21)の内部側部分に断熱材(25)が取り付けられていることにある。
【0011】
本発明によると、建築される建物に、断熱性を有する壁面を形成することができる。この場合も、壁パネルに断熱材が含まれていることにより、建築現場で断熱材を枠材に取り付ける作業を行う必要がなくなる。また、断熱材を枠材に取り付ける作業を工場などで行えるため、断熱材を精度よく枠材に取り付けることができる。この場合の断熱材としては、板状に成形されたものであってもよいし、変形可能な層状に形成されたものであってもよい。
【0012】
本発明に係る壁パネルのさらに他の構成上の特徴は、面材の表面から粘弾性テープを貫通して枠材に到達した固着具(15)が取り付けられていることにある。本発明によると、面材と枠材とをより強固に固定することができる。この場合の固着具としては、釘、ビス、コーチボルト等を用いることができる。
【0013】
本発明に係る壁パネルのさらに他の構成上の特徴は、枠材の上下に配置される線材の左右の中間部分に上下に延びる間柱(12,22,32,37,42a,42b,62)が掛け渡されており、間柱と面材とが粘弾性テープによって接合されていることにある。
【0014】
本発明によると、壁パネルの幅が広い場合に、間柱を設けることによって、枠材の強度を補強することができる。この場合、枠材が矩形に形成されている場合には、間柱は、平行して上下に配置された線材間に設けられ、枠材が三角形に形成されている場合には、間柱は、水平方向に延びる線材と傾斜した線材との間に設けられる。
【0015】
本発明に係る壁パネルのさらに他の構成上の特徴は、複数の構造材が、左右に配置された一対の垂直構造材と、上下に配置された一対の水平構造材とで構成され、壁パネル(30)が、枠材と面材(34)と粘弾性テープとからなり下側の水平構造材に設置される矩形の下部パネル(30a)と、枠材と面材(38)と粘弾性テープとからなり上側の水平構造材に設置される矩形の上部パネル(30b)とで構成され、一対の垂直構造材と下部パネルと上部パネルとの間に開口部(35)を形成できるようにしたことにある。
【0016】
本発明によると、壁パネルを、一対の垂直構造材と、一対の水平構造材とで形成される空間に設置したときに、下部パネルと上部パネルとの間に窓部を形成することができる。この場合、垂直構造材は、柱で構成され、水平構造材は、土台、梁、床面材などで構成される。
【0017】
本発明に係る壁パネルのさらに他の構成上の特徴は、複数の構造材が、左右に配置された一対の垂直構造材と、上下に配置された一対の水平構造材とで構成されるとともに、壁パネル(40)が、矩形に形成されており、枠材(41)の左右の線材(41a)に上下に間隔をおいて窓台(46)と窓マグサ(47)とが掛け渡され、窓台と窓マグサとに一つの方立または左右に間隔をおいた一対の方立(48a,48b)が掛け渡され、窓台、窓マグサおよび一つの方立または一対の方立と、面材とが粘弾性テープによって接合され、さらに、面材(44a,44b,44c,44d)における左右の線材の一方、窓台、窓マグサおよび一つの方立の内周縁部の内部に対応する部分、または、窓台、窓マグサおよび一対の方立の内周縁部の内部に対応する部分に開口部(45)が形成されていることにある。
【0018】
本発明によると、壁パネルを、複数の構造材で形成される空間に設置したときに、壁パネルの所定部分に窓部を形成することができる。この場合、方立は一つ設けても二つ設けてもよく、二つ設ける場合には、壁パネルの内部側部分に窓部を形成することができ、各方立と、それに対向する枠材の左右の線材との間隔を同じにすると、壁パネルの中央側部分に窓部を形成することができる。また、方立を一つ設ける場合には、壁パネルの上下方向の中央側部分の左右どちらか一方に窓部を形成することができ、方立の位置を変更することにより、窓部の左右の長さを変更することができる。
【0019】
また、本発明に係る壁パネルの製造施工方法の構成上の特徴は、前述した壁パネルを製造施工するための壁パネルの製造施工方法であって、建築現場に組み立てられる複数の構造材で形成される空間に合わせて壁パネルを工場で製造するパネル製造工程と、壁パネルを、建築現場に組み立てられた複数の構造材で形成される空間に配置する配置工程と、壁パネルの枠材を、固着具(19,59)で、複数の構造材に固定する固定工程とを備えたことにある。
【0020】
このように、壁パネルを工場で製造することにより、寸法精度のよい壁パネルを得ることができる。また、作業しやすい環境で、面材の枠材への取付作業を行えるため面材の取付作業に失敗が生じにくくなる。そして、建築現場においては、作業工程が減少するとともに、その作業が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1実施形態に係る壁パネルにおいて面材の一部を切り欠いた状態を示した斜視図である。
【図2】枠材と間柱とに粘弾性テープを貼り付けた状態を示した正面図である。
【図3】一対の柱、土台および梁の間に設置した壁パネルにおいて面材の一部を切り欠いた状態を示した斜視図である。
【図4】柱に枠材を固定した状態を示した断面図である。
【図5】土台と梁に枠材を固定した状態を示した断面図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る壁パネルを示した横断面図である。
【図7】本発明の第3実施形態に係る壁パネルを示した正面図である。
【図8】本発明の第4実施形態に係る壁パネルを示した正面図である。
【図9】本発明の他の施工方法によって壁パネルを設置した状態を示した断面図である。
【図10】本発明の第5実施形態に係る壁パネルを構造材に取り付けた状態を示した正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態を図面を用いて説明する。図1は、同実施形態に係る壁パネル10を示している。この壁パネル10は、家屋等の建物における外部と内部との間に設置される壁面を構成するものである。この壁パネル10は、枠材11と間柱12とからなる骨格部に、粘弾性テープ13を介して面材14を接合して構成されている。枠材11は、上下に延びる細長い一対の線材11aを左右に間隔を持たせて配置し、その両上端部と両下端部とにそれぞれ線材11aよりも短い一対の線材11bを掛け渡して四角枠状に形成されている。この枠材11の上下の長さは、例えば、270cmに設定され、左右の長さは、例えば、80cmに設定されている。
【0023】
また、枠材11を構成する線材11a,11bの厚み(図1において、線材11aでは前面の左右の長さ、線材11bでは前面の上下の長さ)は、例えば、3.0〜3.3cmに設定され、幅(枠材11の厚み方向の長さ)は、例えば、9.6cmに設定されている。枠材11は、線材11a,11bの幅方向が枠材11の厚み方向になるように組み付けられている。間柱12は、厚みが、例えば、3.0〜3.6cmに設定され、幅が、例えば、9.6cmに設定されている。そして、間柱12は、上下の線材11bのそれぞれの左右の中間に各端部を位置させるとともに、線材11aと幅方向と厚み方向との向きを同じにして枠材11に固定されている。
【0024】
枠材11は、上部の線材11bの上面両端および下部の線材11bの下面両端からそれぞれ釘やビス等を打ちこんでその先端を線材11aの内部まで刺し込むことにより四角枠状に形成されており、間柱12は、上部の線材11bの上面および下部の線材11bの下面から釘やビス等を打ちこんでその先端を間柱12の内部まで刺し込むことにより枠材11に固定されている。枠材11および間柱12を構成する材料としては、集成材やLVL(単板積層材)などの線材が用いられている。
【0025】
このように形成された枠材11と間柱12との表面には、図2に示したようにして粘弾性テープ13が貼り付けられる。粘弾性テープ13は、粘性と弾性の性質を両方合わせ持つオレフィン系、ポリエステル系、スチレン系、アクリル系のプラスチックや、ブチルゴム系のゴムなどからなるテープで構成されており、その厚みは、例えば、0.5〜2.0mmに設定されている。また、粘弾性テープ13としては、枠材11を構成する線材11a,11bと間柱12との表面の幅(厚み)と同じ幅かやや狭い3cm程度のテープを用いて線材11a,11b等の長さに切断してもよいし、シート状のものを線材11a,11bと間柱12との幅および長さと同じか、またはそれよりも僅かに短い長さに切断して用いてもよい。
【0026】
そして、図2に示した粘弾性テープ13の表面に、面材14を載せ、粘弾性テープ13を介して面材14を枠材11と間柱12に接合することにより壁パネル10が形成される。この面材14の上下左右の長さは、枠材11の外周縁部の上下左右の長さと同じになっており、その厚みは、例えば、0.9cmに設定されている。そして、面材14の周縁部には、面材14の表面から粘弾性テープ13を貫通して枠材11内に延びる複数の釘15が一定間隔を保って打たれている。また、面材14としては、合板、MDF(中密度繊維板)、OSB(配向性ストランドボード)、石膏ボードなどを用いることができる。このように構成された壁パネル10は、工場において製造される。
【0027】
この場合、前述したサイズの壁パネル10を標準品として製造してもよいし、建築される建物の柱16a,16b、土台17、梁18(図3参照)で形成される空間に合わせて、その都度、形状やサイズを設定して製造してもよい。その際の、枠材11と間柱12への粘弾性テープ13の貼り付け作業や、粘弾性テープ13が貼り付けられた枠材11と間柱12への面材14の接合作業は、作業をし易い場所で行うことができるため、枠材11と面材14との間に位置ずれが発生するなどのミスが生じにくくなる。その結果、製造される壁パネル10の寸法精度がよくなり、不良品の発生率は極めて小さなものになる。
【0028】
図3は、壁パネル10を、本発明に係る構造材としての一対の柱16a,16b、土台17および梁18で形成される空間に設置した状態を示している。この場合、図4に示したように、枠材11の左右の線材11aは、釘15よりも大きな複数の釘19で柱16a,16bの所定部分に上下に間隔を保って固定されている。また、枠材11の下部の線材11bは、複数の釘19で土台17の所定部分に左右に間隔を保って固定され、枠材11の上部の線材11bは、複数の釘19で梁18の所定部分に左右に間隔を保って固定されている。この場合の作業は、壁パネル10を、室内側から柱16a,16b、土台17および梁18で形成される空間に入れて、枠材11の各部分を釘19で柱16a,16b、土台17および梁18に固定するだけで済む。このため、作業場が、例えば、2階や3階などの高所であっても支障なく容易に作業を行うことができる。
【0029】
このように、本実施形態に係る壁パネル10は、枠材11と間柱12とからなる骨格部に、粘弾性テープ13を介して面材14を接合して構成されているため、建築現場における施工が容易になる。また、壁パネル10の製造を工場で行うため、寸法精度のよい壁パネル10を得ることができる。さらに、枠材11の中に間柱12を組み込んだため、枠材11の幅を広くしてもその強度を確保できる。
【0030】
(第2実施形態)
図6は、本発明の第2実施形態に係る壁パネル20を柱26a,26b間に設置した状態を示している。この壁パネル20では、面材24の裏面(図6では上面)に、2個の断熱材25が張り付けられている。また、枠材21の内周面における面材24側部分に深さ3mm程度の浅い段部21aが形成され、間柱22の左右両面における面材24側部分にそれぞれ深さ3mm程度の浅い段部22aが形成されている。そして、2個の断熱材25は、周縁部をそれぞれ段部21a,22a内に位置させて、枠材21の左側部分と間柱22との間および右枠材21の右側部分と間柱22との間にそれぞれ取り付けられている。
【0031】
断熱材25を構成する材料としては、板状に形成されたポリスチレン、フェノールフォーム、ウレタンフォーム等を用いることができ、その厚みは、例えば、4cmに設定される。また、断熱材として、グラスウール、ロックウール等の成形されていない材料を用いることもでき、この場合には、枠材21と間柱22とに段部21a,22aは形成せず、面材24の裏面に広げた断熱材の周縁部を、タッカーなどの工具を用いて複数の針で枠材21と間柱22とに固定する。
【0032】
この断熱材25の枠材21と間柱22とへの取り付けも工場において行われ、板状の断熱材25を用いる場合には、段部21a,21bを上方に向けた枠材21と間柱22との左右の段部21a,22a内に、それぞれ断熱材25を設置したのちに、粘弾性テープ23によって、枠材21と間柱22とに面材24を接合する。この壁パネル20のそれ以外の構成については、前述した壁パネル10と同一である。また、この壁パネル20を柱26a,26b等に固定する方法も前述した第1実施形態と同じである。
【0033】
本実施形態に係る壁パネル20によると、建築される建物に、断熱性を有する壁面を形成することができる。この場合も、断熱材25を枠材21と間柱22に取り付ける作業を工場などで行えるため、断熱材25を精度よく枠材21と間柱22に張り付けることができる。また、枠材21と間柱22とに段部21a,21bを形成し、この段部21a,21bに、断熱材25の周縁部を位置させているため、長期に亘り安定した気密性を維持できるとともに、結露の発生も防止できる。また、接着剤などを用いずに、断熱材25を安定した状態で枠材21と間柱22とに固定できる。この壁パネル20のそれ以外の作用効果については、前述した壁パネル10と同様である。
【0034】
(第3実施形態)
図7は、本発明の第3実施形態に係る壁パネル30を示している。この壁パネル30は、上下方向の中央側に開口部35を形成する場合に用いるもので、下部パネル30aと上部パネル30bとで構成される。下部パネル30aでは、水平に配置された線材31bの上面両端に上方に延びる一対の線材31aを設けるとともに、一対の線材31aの上端に窓台31cを掛け渡して下部枠材が形成されている。そして、その下部枠材の線材31bと窓台31cとの左右方向の中央に間柱32を掛け渡して下部パネル30aの骨格部が構成されている。また、下部枠材と間柱32との表面に、粘弾性テープ(図示せず)を介して面材34が接合されている。
【0035】
上部パネル30bでは、水平に配置された線材36bの下面両端に下方に延びる一対の線材36aを設けるとともに、一対の線材36aの下端に窓マグサ36cを掛け渡して上部枠材が形成されている。そして、その枠材の線材36bと窓マグサ36cとの左右方向の中間に間柱37を掛け渡して上部パネル30bの骨格部が構成されている。また、上部枠材と間柱37との表面に、粘弾性テープ(図示せず)を介して面材38が接合されている。この下部パネル30aと上部パネル30bとは、幅はそれぞれ前述した壁パネル10の幅と同じに設定されており、下部パネル30aの高さは、例えば、110cmに設定され、上部パネル30bの高さは、例えば、40cmに設定されている。そして、下部パネル30aと上部パネル30bとを用いて壁面を形成したときに、開口部35の高さは、例えば、90cmになる。この壁パネル30におけるそれ以外の部分の構成については、前述した壁パネル10と同一である。
【0036】
本実施形態に係る壁パネル30は、下部側に配置される下部パネル30aと、下部パネル30aと間隔を保って上部側に配置される上部パネル30bとで構成されているため、壁パネル30を、一対の柱と、土台と、梁とで形成される空間に設置したときに、下部パネル30aと上部パネル30bとの間に開口部35で構成される窓部を形成することができる。この壁パネル30のそれ以外の作用効果については、前述した壁パネル10と同様である。
【0037】
(第4実施形態)
図8は、本発明の第4実施形態に係る壁パネル40を示している。この壁パネル40では、枠材41を構成する左右一対の線材41aの中央側部分に上下に間隔をおいて窓台46と窓マグサ47とを掛け渡し、窓台46と窓マグサ47との左右両側部分に、それぞれ上下に延びる方立48a,48bを掛け渡している。そして、枠材41の下部の線材41bと窓台46との左右の中央部に間柱42aを掛け渡し、枠材41の上部の線材41bと窓マグサ47との左右の中央部に間柱42bを掛け渡して骨格部が構成されている。
【0038】
そして、枠材41、窓台46、窓マグサ47、方立48a,48bおよび間柱42a,42bの表面に、粘弾性テープ(図示せず)が貼り付けられ、その粘弾性テープを介して、窓台46、窓マグサ47および方立48a,48bで囲まれる部分以外の部分に4つの部分からなる面材44a,44b,44c,44dが接合されている。このため、壁パネル40の中央部分には、開口部45が形成されている。この壁パネル40の上下方向の長さと幅はそれぞれ壁パネル10と同じに設定されており、開口部45の高さは、前述した開口部35の高さと同じに設定される。そして、枠材41の左側の線材41aと方立48aとの隙間の幅および枠材41の右側の線材41aと方立48bとの隙間の幅は、それぞれ、例えば、10cmに設定されている。
【0039】
この壁パネル40におけるそれ以外の部分の構成については、前述した壁パネル30と同一である。また、壁パネル40では、壁パネル40を、一対の柱からなる垂直構造材と、土台と梁とからなる水平構造材とで形成される空間に設置したときに、壁パネル40の中央部分に開口部45で構成される窓部を形成することができる。この壁パネル40のそれ以外の作用効果については、前述した壁パネル30と同様である。
【0040】
また、図9は、前述した第1実施形態の壁パネル10と同じ構成の壁パネル10aを他の方法によって施工した状態を示している。この壁パネル10aは、土台57の上面に設けられた床面材58の上面に設置されている。そして、枠材の下部の線材11cの上面から、釘59を打ち込んで、床面材58を貫通させ、土台57の内部まで刺し込むことにより、壁パネル10aは、床面材58の上面に固定されている。なお、この壁パネル10aが、建物の2階に取り付けられる場合には、土台57は梁になる。この壁パネル10aの取付構造の他の部分の構成は、前述した第1実施形態と同じである。したがって、同一部分に同一符号を記して説明は省略する。
【0041】
(第5実施形態)
図10は、本発明の第5実施形態に係る壁パネル60を、本発明に係る構造材としての梁66、束67および垂木68で形成される空間に取り付けた状態を示している。この壁パネル60は、正面視が三角形になったいわゆる矢切パネルで構成されている。壁パネル60は、枠材61、間柱62、粘弾性テープおよび面材64で構成されている。そして、枠材61は、水平に配置された下部の線材61a、線材61aの一端から上方に延びる線材61aよりも短い線材61bおよび線材61aの他端と線材61bの上端とを連結して斜め方向に延びる線材61cとで構成されている。
【0042】
また、間柱62は、線材61aと線材61cとのそれぞれ左右中央部分に掛け渡されている。面材64は、外周縁部を、枠材61の外周縁部に合わせて、粘弾性テープによって枠材61に接合されている。この壁パネル60におけるそれ以外の部分の構成については、前述した壁パネル10と同一である。また、壁パネル60によると、梁66、束67および垂木68で形成される空間に合った三角形の壁面を形成することができる。この壁パネル60のそれ以外の作用効果については、前述した壁パネル10と同様である。
【0043】
また、本発明に係る壁パネルは、前述した各実施形態に限定するものでなく、適宜変更して実施することができる。例えば、前述した第1,3,4,5実施形態では、壁パネル10,30,40,60に断熱材は設けられていないが、この壁パネル10,30,40,60にも、断熱材を設けることができる。この場合、断熱材として、板状の成形体を用いるときには、壁パネル10,30,40,60における断熱材が取り付けられる部分に段部を形成しておく。また、前述した段部21a,21bに代えて溝状の凹部を形成してもよいし、これらの段部や凹部は、断熱材の左右の縁部に対向する部分だけに形成してもよい。
【0044】
さらに、壁パネル10〜60の幅が狭い場合には、間柱12,22等を省略してもよい。また、前述した各実施形態では、面材14等が壁パネル10等の一方の面だけに取り付けられているが、この面材14等は、壁パネル10等の両面に取り付けてもよい。さらに、前述した実施形態では、固着具として、釘15,19を用いているが、これに代えて、ビスやコーチボルトを用いてもよい。また、前述した4実施形態では、一対の方立48a,48bを用いているが、方立は一つだけ設けてもよい。この場合の方立を設ける位置は一対の線材41a間の左右方向の任意の位置にすることができる。
【0045】
さらに、壁パネルの大きさや形状、開口部の大きさや位置等も適宜変更して実施することができる。また、前述した各実施形態では、壁パネル10等を建物の外部と内部とを仕切る壁面としているが、壁パネル10等は、部屋と部屋とを仕切る間仕切り用の壁面として用いることもできる。さらに、本発明に係る壁パネルのそれ以外の部分の構成や施工方法についても本発明の技術的範囲内で適宜変更して実施することが可能である。
【符号の説明】
【0046】
10,10a,20,30,40,60…壁パネル、11,21,41,61…枠材、11a,11b,31a,31b,36a,36b,41a,41b,61a,61b,61c…線材、12,22,62…間柱、13,23…粘弾性テープ、14,24,34,38,44a,44b,44c,44d,64…面材、15,19,59…釘、16a,16b,26a,26b…柱、17,57…土台、18,66…梁、25…断熱材、30a…下部パネル、30b…上部パネル、46…窓台、35,45…開口部、47…窓マグサ、48a,48b…方立、67…束、68…垂木。
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物における複数の構造材で形成される空間に設置される壁パネルおよびその製造施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、建物を建築する際に、壁パネルを、左右に配置された一対の柱と、上下に配置された土台と梁とで形成される空間に設置することが行われている。また、このような建物で用いられる壁パネルとして、制震機能を備えたものがある。(例えば、特許文献1参照)。この壁パネルは、矩形の面材の周囲の4辺に、一方の面に剥離紙が貼り付けられた状態の両面粘弾性テープの他方の面を貼り付け、面材の中央部に間柱を上下方向に取り付けるとともに、面材の下部に下横材を取り付けた構成をしている。そして、壁パネルを施工する際には、建築現場で、面材に貼り付けられた両面粘弾性テープから剥離紙を剥がして、壁パネルを2本の柱の間に嵌装して貼着したのちに、釘で固定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−277854号公報
【発明の概要】
【0004】
しかしながら、前述した壁パネルでは、建築現場で両面粘弾性テープから剥離紙を剥がして、壁パネルを柱や梁等に合わせ、その両面粘弾性テープを柱や梁等に貼り付けるため作業がし難いという問題がある。この両面粘弾性テープを柱や梁等に貼り付けるときには、やり直しがきかないため、正確な作業を一度で行う必要があるが、建築現場では足場がよくない場合も多く、壁パネルの正確な取り付けを行うことが難しい。特に、建物の2階や3階部分でこのような作業を行う場合には、壁パネルの正確な取り付けを行うことが難しくなる。また、剥離紙を剥がした状態にしておくと、両面粘弾性テープに埃が付着したり水に濡れたりすることがあるため、剥離紙を剥がしたのちには、壁パネルを素早く柱や梁等に固定しなければならないという作業上の制約もある。
【0005】
本発明は、前述した問題に対処するためになされたもので、その目的は、寸法精度がよく、施工が容易でかつ制震性に優れた壁パネルおよびその製造施工方法を提供することである。なお、下記本発明の各構成要件の記載においては、本発明の理解を容易にするために、実施形態の対応箇所の符号を括弧内に記載しているが、本発明の構成要件は、実施形態の符号によって示された対応箇所の構成に限定解釈されるべきものではない。
【0006】
前述した目的を達成するため、本発明に係る壁パネルの構成上の特徴は、建物における複数の構造材(16a,16b,17,18,26a,26b,58,66,67,68)で形成される空間に設置するための壁パネル(10,10a,20,30,40,60)であって、線材(11a,11b,31a,31b,36a,36b,41a,41b,61a,61b,61c)を組み付けて枠状に形成された枠材(11,21,41,61)と、枠材の一方の面を塞ぐ面材(14,24,34,38,44a,44b,44c,44d,64)と、枠材の一方の面と面材との間に設けられて枠材と面材とを接合する制震性を有する粘弾性テープ(13,23)とを備えたことにある。
【0007】
本発明に係る壁パネルは、制震性を有し両面が粘着面に形成された粘弾性テープで枠材と面材とを接合することによって構成されている。このため、従来の壁パネルのように、建築現場において、一方の面だけが面材に貼り付けられた粘弾性テープの他方の面に付着している剥離紙を剥がして、粘弾性テープの剥離紙を剥がした面を柱や梁等からなる構造材の所定部分に貼り付けるといった作業を行う必要がなくなる。この結果、建築現場においては、釘やボルト等の固着具を用いて、壁パネルを、構造材に固定する作業だけで済むため施工が容易になる。また、壁パネルの製造は、工場など作業を行い易い場所で行えるため、寸法精度のよい壁パネルを得ることができる。これによって、精度よく製造された壁パネルを建築現場で容易に施工できるという効果が生じる。
【0008】
さらに、壁パネルに制震性を有する粘弾性テープを含ませることにより、制震性に優れた建物の建築が可能になる。この場合の粘弾性テープとしては、例えば、粘性および弾性を備えた制震テープ(商品名)を用いることができる。また、壁パネルは、建物の外部と内部とを仕切るものであっても、室内の部屋と部屋との間を仕切るものであってもよいが、壁パネルが建物の外部と内部とを仕切るものであって、従来のように、面材を、直接、構造材に固定する場合には、建物の外側から面材を取り付けることになる。このため、高所で壁パネルの施工を行う場合には建物の外部に堅牢な足場を組み立てるなど整備された作業場所を確保する必要があるが、本発明では、壁パネルを室内側から複数の構造材の間に入れて、枠材を構造材に固定できるため特に作業場所を整備する等の必要は生じない。
【0009】
なお、本発明における構造材は、壁パネルの周囲に位置して、壁パネルを支持するものであり、柱、土台、梁、床面材、束、垂木などで構成される。また、壁パネルの形状としては、正面視で長方形、正方形、三角形などにすることができる。壁パネルを三角形にする場合には、枠材を、水平方向に延びる線材と、その線材の一方の端部から上方に延びる線材と、水平方向に延びる線材の他方の端部と上方に延びる線材の上端部を結ぶ傾斜した線材とで構成し、面材の外周形状を枠材の外周形状に合わせる。
【0010】
本発明に係る壁パネルの他の構成上の特徴は、面材(24)の裏面における枠材(21)の内部側部分に断熱材(25)が取り付けられていることにある。
【0011】
本発明によると、建築される建物に、断熱性を有する壁面を形成することができる。この場合も、壁パネルに断熱材が含まれていることにより、建築現場で断熱材を枠材に取り付ける作業を行う必要がなくなる。また、断熱材を枠材に取り付ける作業を工場などで行えるため、断熱材を精度よく枠材に取り付けることができる。この場合の断熱材としては、板状に成形されたものであってもよいし、変形可能な層状に形成されたものであってもよい。
【0012】
本発明に係る壁パネルのさらに他の構成上の特徴は、面材の表面から粘弾性テープを貫通して枠材に到達した固着具(15)が取り付けられていることにある。本発明によると、面材と枠材とをより強固に固定することができる。この場合の固着具としては、釘、ビス、コーチボルト等を用いることができる。
【0013】
本発明に係る壁パネルのさらに他の構成上の特徴は、枠材の上下に配置される線材の左右の中間部分に上下に延びる間柱(12,22,32,37,42a,42b,62)が掛け渡されており、間柱と面材とが粘弾性テープによって接合されていることにある。
【0014】
本発明によると、壁パネルの幅が広い場合に、間柱を設けることによって、枠材の強度を補強することができる。この場合、枠材が矩形に形成されている場合には、間柱は、平行して上下に配置された線材間に設けられ、枠材が三角形に形成されている場合には、間柱は、水平方向に延びる線材と傾斜した線材との間に設けられる。
【0015】
本発明に係る壁パネルのさらに他の構成上の特徴は、複数の構造材が、左右に配置された一対の垂直構造材と、上下に配置された一対の水平構造材とで構成され、壁パネル(30)が、枠材と面材(34)と粘弾性テープとからなり下側の水平構造材に設置される矩形の下部パネル(30a)と、枠材と面材(38)と粘弾性テープとからなり上側の水平構造材に設置される矩形の上部パネル(30b)とで構成され、一対の垂直構造材と下部パネルと上部パネルとの間に開口部(35)を形成できるようにしたことにある。
【0016】
本発明によると、壁パネルを、一対の垂直構造材と、一対の水平構造材とで形成される空間に設置したときに、下部パネルと上部パネルとの間に窓部を形成することができる。この場合、垂直構造材は、柱で構成され、水平構造材は、土台、梁、床面材などで構成される。
【0017】
本発明に係る壁パネルのさらに他の構成上の特徴は、複数の構造材が、左右に配置された一対の垂直構造材と、上下に配置された一対の水平構造材とで構成されるとともに、壁パネル(40)が、矩形に形成されており、枠材(41)の左右の線材(41a)に上下に間隔をおいて窓台(46)と窓マグサ(47)とが掛け渡され、窓台と窓マグサとに一つの方立または左右に間隔をおいた一対の方立(48a,48b)が掛け渡され、窓台、窓マグサおよび一つの方立または一対の方立と、面材とが粘弾性テープによって接合され、さらに、面材(44a,44b,44c,44d)における左右の線材の一方、窓台、窓マグサおよび一つの方立の内周縁部の内部に対応する部分、または、窓台、窓マグサおよび一対の方立の内周縁部の内部に対応する部分に開口部(45)が形成されていることにある。
【0018】
本発明によると、壁パネルを、複数の構造材で形成される空間に設置したときに、壁パネルの所定部分に窓部を形成することができる。この場合、方立は一つ設けても二つ設けてもよく、二つ設ける場合には、壁パネルの内部側部分に窓部を形成することができ、各方立と、それに対向する枠材の左右の線材との間隔を同じにすると、壁パネルの中央側部分に窓部を形成することができる。また、方立を一つ設ける場合には、壁パネルの上下方向の中央側部分の左右どちらか一方に窓部を形成することができ、方立の位置を変更することにより、窓部の左右の長さを変更することができる。
【0019】
また、本発明に係る壁パネルの製造施工方法の構成上の特徴は、前述した壁パネルを製造施工するための壁パネルの製造施工方法であって、建築現場に組み立てられる複数の構造材で形成される空間に合わせて壁パネルを工場で製造するパネル製造工程と、壁パネルを、建築現場に組み立てられた複数の構造材で形成される空間に配置する配置工程と、壁パネルの枠材を、固着具(19,59)で、複数の構造材に固定する固定工程とを備えたことにある。
【0020】
このように、壁パネルを工場で製造することにより、寸法精度のよい壁パネルを得ることができる。また、作業しやすい環境で、面材の枠材への取付作業を行えるため面材の取付作業に失敗が生じにくくなる。そして、建築現場においては、作業工程が減少するとともに、その作業が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1実施形態に係る壁パネルにおいて面材の一部を切り欠いた状態を示した斜視図である。
【図2】枠材と間柱とに粘弾性テープを貼り付けた状態を示した正面図である。
【図3】一対の柱、土台および梁の間に設置した壁パネルにおいて面材の一部を切り欠いた状態を示した斜視図である。
【図4】柱に枠材を固定した状態を示した断面図である。
【図5】土台と梁に枠材を固定した状態を示した断面図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る壁パネルを示した横断面図である。
【図7】本発明の第3実施形態に係る壁パネルを示した正面図である。
【図8】本発明の第4実施形態に係る壁パネルを示した正面図である。
【図9】本発明の他の施工方法によって壁パネルを設置した状態を示した断面図である。
【図10】本発明の第5実施形態に係る壁パネルを構造材に取り付けた状態を示した正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態を図面を用いて説明する。図1は、同実施形態に係る壁パネル10を示している。この壁パネル10は、家屋等の建物における外部と内部との間に設置される壁面を構成するものである。この壁パネル10は、枠材11と間柱12とからなる骨格部に、粘弾性テープ13を介して面材14を接合して構成されている。枠材11は、上下に延びる細長い一対の線材11aを左右に間隔を持たせて配置し、その両上端部と両下端部とにそれぞれ線材11aよりも短い一対の線材11bを掛け渡して四角枠状に形成されている。この枠材11の上下の長さは、例えば、270cmに設定され、左右の長さは、例えば、80cmに設定されている。
【0023】
また、枠材11を構成する線材11a,11bの厚み(図1において、線材11aでは前面の左右の長さ、線材11bでは前面の上下の長さ)は、例えば、3.0〜3.3cmに設定され、幅(枠材11の厚み方向の長さ)は、例えば、9.6cmに設定されている。枠材11は、線材11a,11bの幅方向が枠材11の厚み方向になるように組み付けられている。間柱12は、厚みが、例えば、3.0〜3.6cmに設定され、幅が、例えば、9.6cmに設定されている。そして、間柱12は、上下の線材11bのそれぞれの左右の中間に各端部を位置させるとともに、線材11aと幅方向と厚み方向との向きを同じにして枠材11に固定されている。
【0024】
枠材11は、上部の線材11bの上面両端および下部の線材11bの下面両端からそれぞれ釘やビス等を打ちこんでその先端を線材11aの内部まで刺し込むことにより四角枠状に形成されており、間柱12は、上部の線材11bの上面および下部の線材11bの下面から釘やビス等を打ちこんでその先端を間柱12の内部まで刺し込むことにより枠材11に固定されている。枠材11および間柱12を構成する材料としては、集成材やLVL(単板積層材)などの線材が用いられている。
【0025】
このように形成された枠材11と間柱12との表面には、図2に示したようにして粘弾性テープ13が貼り付けられる。粘弾性テープ13は、粘性と弾性の性質を両方合わせ持つオレフィン系、ポリエステル系、スチレン系、アクリル系のプラスチックや、ブチルゴム系のゴムなどからなるテープで構成されており、その厚みは、例えば、0.5〜2.0mmに設定されている。また、粘弾性テープ13としては、枠材11を構成する線材11a,11bと間柱12との表面の幅(厚み)と同じ幅かやや狭い3cm程度のテープを用いて線材11a,11b等の長さに切断してもよいし、シート状のものを線材11a,11bと間柱12との幅および長さと同じか、またはそれよりも僅かに短い長さに切断して用いてもよい。
【0026】
そして、図2に示した粘弾性テープ13の表面に、面材14を載せ、粘弾性テープ13を介して面材14を枠材11と間柱12に接合することにより壁パネル10が形成される。この面材14の上下左右の長さは、枠材11の外周縁部の上下左右の長さと同じになっており、その厚みは、例えば、0.9cmに設定されている。そして、面材14の周縁部には、面材14の表面から粘弾性テープ13を貫通して枠材11内に延びる複数の釘15が一定間隔を保って打たれている。また、面材14としては、合板、MDF(中密度繊維板)、OSB(配向性ストランドボード)、石膏ボードなどを用いることができる。このように構成された壁パネル10は、工場において製造される。
【0027】
この場合、前述したサイズの壁パネル10を標準品として製造してもよいし、建築される建物の柱16a,16b、土台17、梁18(図3参照)で形成される空間に合わせて、その都度、形状やサイズを設定して製造してもよい。その際の、枠材11と間柱12への粘弾性テープ13の貼り付け作業や、粘弾性テープ13が貼り付けられた枠材11と間柱12への面材14の接合作業は、作業をし易い場所で行うことができるため、枠材11と面材14との間に位置ずれが発生するなどのミスが生じにくくなる。その結果、製造される壁パネル10の寸法精度がよくなり、不良品の発生率は極めて小さなものになる。
【0028】
図3は、壁パネル10を、本発明に係る構造材としての一対の柱16a,16b、土台17および梁18で形成される空間に設置した状態を示している。この場合、図4に示したように、枠材11の左右の線材11aは、釘15よりも大きな複数の釘19で柱16a,16bの所定部分に上下に間隔を保って固定されている。また、枠材11の下部の線材11bは、複数の釘19で土台17の所定部分に左右に間隔を保って固定され、枠材11の上部の線材11bは、複数の釘19で梁18の所定部分に左右に間隔を保って固定されている。この場合の作業は、壁パネル10を、室内側から柱16a,16b、土台17および梁18で形成される空間に入れて、枠材11の各部分を釘19で柱16a,16b、土台17および梁18に固定するだけで済む。このため、作業場が、例えば、2階や3階などの高所であっても支障なく容易に作業を行うことができる。
【0029】
このように、本実施形態に係る壁パネル10は、枠材11と間柱12とからなる骨格部に、粘弾性テープ13を介して面材14を接合して構成されているため、建築現場における施工が容易になる。また、壁パネル10の製造を工場で行うため、寸法精度のよい壁パネル10を得ることができる。さらに、枠材11の中に間柱12を組み込んだため、枠材11の幅を広くしてもその強度を確保できる。
【0030】
(第2実施形態)
図6は、本発明の第2実施形態に係る壁パネル20を柱26a,26b間に設置した状態を示している。この壁パネル20では、面材24の裏面(図6では上面)に、2個の断熱材25が張り付けられている。また、枠材21の内周面における面材24側部分に深さ3mm程度の浅い段部21aが形成され、間柱22の左右両面における面材24側部分にそれぞれ深さ3mm程度の浅い段部22aが形成されている。そして、2個の断熱材25は、周縁部をそれぞれ段部21a,22a内に位置させて、枠材21の左側部分と間柱22との間および右枠材21の右側部分と間柱22との間にそれぞれ取り付けられている。
【0031】
断熱材25を構成する材料としては、板状に形成されたポリスチレン、フェノールフォーム、ウレタンフォーム等を用いることができ、その厚みは、例えば、4cmに設定される。また、断熱材として、グラスウール、ロックウール等の成形されていない材料を用いることもでき、この場合には、枠材21と間柱22とに段部21a,22aは形成せず、面材24の裏面に広げた断熱材の周縁部を、タッカーなどの工具を用いて複数の針で枠材21と間柱22とに固定する。
【0032】
この断熱材25の枠材21と間柱22とへの取り付けも工場において行われ、板状の断熱材25を用いる場合には、段部21a,21bを上方に向けた枠材21と間柱22との左右の段部21a,22a内に、それぞれ断熱材25を設置したのちに、粘弾性テープ23によって、枠材21と間柱22とに面材24を接合する。この壁パネル20のそれ以外の構成については、前述した壁パネル10と同一である。また、この壁パネル20を柱26a,26b等に固定する方法も前述した第1実施形態と同じである。
【0033】
本実施形態に係る壁パネル20によると、建築される建物に、断熱性を有する壁面を形成することができる。この場合も、断熱材25を枠材21と間柱22に取り付ける作業を工場などで行えるため、断熱材25を精度よく枠材21と間柱22に張り付けることができる。また、枠材21と間柱22とに段部21a,21bを形成し、この段部21a,21bに、断熱材25の周縁部を位置させているため、長期に亘り安定した気密性を維持できるとともに、結露の発生も防止できる。また、接着剤などを用いずに、断熱材25を安定した状態で枠材21と間柱22とに固定できる。この壁パネル20のそれ以外の作用効果については、前述した壁パネル10と同様である。
【0034】
(第3実施形態)
図7は、本発明の第3実施形態に係る壁パネル30を示している。この壁パネル30は、上下方向の中央側に開口部35を形成する場合に用いるもので、下部パネル30aと上部パネル30bとで構成される。下部パネル30aでは、水平に配置された線材31bの上面両端に上方に延びる一対の線材31aを設けるとともに、一対の線材31aの上端に窓台31cを掛け渡して下部枠材が形成されている。そして、その下部枠材の線材31bと窓台31cとの左右方向の中央に間柱32を掛け渡して下部パネル30aの骨格部が構成されている。また、下部枠材と間柱32との表面に、粘弾性テープ(図示せず)を介して面材34が接合されている。
【0035】
上部パネル30bでは、水平に配置された線材36bの下面両端に下方に延びる一対の線材36aを設けるとともに、一対の線材36aの下端に窓マグサ36cを掛け渡して上部枠材が形成されている。そして、その枠材の線材36bと窓マグサ36cとの左右方向の中間に間柱37を掛け渡して上部パネル30bの骨格部が構成されている。また、上部枠材と間柱37との表面に、粘弾性テープ(図示せず)を介して面材38が接合されている。この下部パネル30aと上部パネル30bとは、幅はそれぞれ前述した壁パネル10の幅と同じに設定されており、下部パネル30aの高さは、例えば、110cmに設定され、上部パネル30bの高さは、例えば、40cmに設定されている。そして、下部パネル30aと上部パネル30bとを用いて壁面を形成したときに、開口部35の高さは、例えば、90cmになる。この壁パネル30におけるそれ以外の部分の構成については、前述した壁パネル10と同一である。
【0036】
本実施形態に係る壁パネル30は、下部側に配置される下部パネル30aと、下部パネル30aと間隔を保って上部側に配置される上部パネル30bとで構成されているため、壁パネル30を、一対の柱と、土台と、梁とで形成される空間に設置したときに、下部パネル30aと上部パネル30bとの間に開口部35で構成される窓部を形成することができる。この壁パネル30のそれ以外の作用効果については、前述した壁パネル10と同様である。
【0037】
(第4実施形態)
図8は、本発明の第4実施形態に係る壁パネル40を示している。この壁パネル40では、枠材41を構成する左右一対の線材41aの中央側部分に上下に間隔をおいて窓台46と窓マグサ47とを掛け渡し、窓台46と窓マグサ47との左右両側部分に、それぞれ上下に延びる方立48a,48bを掛け渡している。そして、枠材41の下部の線材41bと窓台46との左右の中央部に間柱42aを掛け渡し、枠材41の上部の線材41bと窓マグサ47との左右の中央部に間柱42bを掛け渡して骨格部が構成されている。
【0038】
そして、枠材41、窓台46、窓マグサ47、方立48a,48bおよび間柱42a,42bの表面に、粘弾性テープ(図示せず)が貼り付けられ、その粘弾性テープを介して、窓台46、窓マグサ47および方立48a,48bで囲まれる部分以外の部分に4つの部分からなる面材44a,44b,44c,44dが接合されている。このため、壁パネル40の中央部分には、開口部45が形成されている。この壁パネル40の上下方向の長さと幅はそれぞれ壁パネル10と同じに設定されており、開口部45の高さは、前述した開口部35の高さと同じに設定される。そして、枠材41の左側の線材41aと方立48aとの隙間の幅および枠材41の右側の線材41aと方立48bとの隙間の幅は、それぞれ、例えば、10cmに設定されている。
【0039】
この壁パネル40におけるそれ以外の部分の構成については、前述した壁パネル30と同一である。また、壁パネル40では、壁パネル40を、一対の柱からなる垂直構造材と、土台と梁とからなる水平構造材とで形成される空間に設置したときに、壁パネル40の中央部分に開口部45で構成される窓部を形成することができる。この壁パネル40のそれ以外の作用効果については、前述した壁パネル30と同様である。
【0040】
また、図9は、前述した第1実施形態の壁パネル10と同じ構成の壁パネル10aを他の方法によって施工した状態を示している。この壁パネル10aは、土台57の上面に設けられた床面材58の上面に設置されている。そして、枠材の下部の線材11cの上面から、釘59を打ち込んで、床面材58を貫通させ、土台57の内部まで刺し込むことにより、壁パネル10aは、床面材58の上面に固定されている。なお、この壁パネル10aが、建物の2階に取り付けられる場合には、土台57は梁になる。この壁パネル10aの取付構造の他の部分の構成は、前述した第1実施形態と同じである。したがって、同一部分に同一符号を記して説明は省略する。
【0041】
(第5実施形態)
図10は、本発明の第5実施形態に係る壁パネル60を、本発明に係る構造材としての梁66、束67および垂木68で形成される空間に取り付けた状態を示している。この壁パネル60は、正面視が三角形になったいわゆる矢切パネルで構成されている。壁パネル60は、枠材61、間柱62、粘弾性テープおよび面材64で構成されている。そして、枠材61は、水平に配置された下部の線材61a、線材61aの一端から上方に延びる線材61aよりも短い線材61bおよび線材61aの他端と線材61bの上端とを連結して斜め方向に延びる線材61cとで構成されている。
【0042】
また、間柱62は、線材61aと線材61cとのそれぞれ左右中央部分に掛け渡されている。面材64は、外周縁部を、枠材61の外周縁部に合わせて、粘弾性テープによって枠材61に接合されている。この壁パネル60におけるそれ以外の部分の構成については、前述した壁パネル10と同一である。また、壁パネル60によると、梁66、束67および垂木68で形成される空間に合った三角形の壁面を形成することができる。この壁パネル60のそれ以外の作用効果については、前述した壁パネル10と同様である。
【0043】
また、本発明に係る壁パネルは、前述した各実施形態に限定するものでなく、適宜変更して実施することができる。例えば、前述した第1,3,4,5実施形態では、壁パネル10,30,40,60に断熱材は設けられていないが、この壁パネル10,30,40,60にも、断熱材を設けることができる。この場合、断熱材として、板状の成形体を用いるときには、壁パネル10,30,40,60における断熱材が取り付けられる部分に段部を形成しておく。また、前述した段部21a,21bに代えて溝状の凹部を形成してもよいし、これらの段部や凹部は、断熱材の左右の縁部に対向する部分だけに形成してもよい。
【0044】
さらに、壁パネル10〜60の幅が狭い場合には、間柱12,22等を省略してもよい。また、前述した各実施形態では、面材14等が壁パネル10等の一方の面だけに取り付けられているが、この面材14等は、壁パネル10等の両面に取り付けてもよい。さらに、前述した実施形態では、固着具として、釘15,19を用いているが、これに代えて、ビスやコーチボルトを用いてもよい。また、前述した4実施形態では、一対の方立48a,48bを用いているが、方立は一つだけ設けてもよい。この場合の方立を設ける位置は一対の線材41a間の左右方向の任意の位置にすることができる。
【0045】
さらに、壁パネルの大きさや形状、開口部の大きさや位置等も適宜変更して実施することができる。また、前述した各実施形態では、壁パネル10等を建物の外部と内部とを仕切る壁面としているが、壁パネル10等は、部屋と部屋とを仕切る間仕切り用の壁面として用いることもできる。さらに、本発明に係る壁パネルのそれ以外の部分の構成や施工方法についても本発明の技術的範囲内で適宜変更して実施することが可能である。
【符号の説明】
【0046】
10,10a,20,30,40,60…壁パネル、11,21,41,61…枠材、11a,11b,31a,31b,36a,36b,41a,41b,61a,61b,61c…線材、12,22,62…間柱、13,23…粘弾性テープ、14,24,34,38,44a,44b,44c,44d,64…面材、15,19,59…釘、16a,16b,26a,26b…柱、17,57…土台、18,66…梁、25…断熱材、30a…下部パネル、30b…上部パネル、46…窓台、35,45…開口部、47…窓マグサ、48a,48b…方立、67…束、68…垂木。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物における複数の構造材で形成される空間に設置するための壁パネルであって、
線材を組み付けて枠状に形成された枠材と、
前記枠材の一方の面を塞ぐ面材と、
前記枠材の一方の面と前記面材との間に設けられて前記枠材と前記面材とを接合する制震性を有する粘弾性テープとを備えたことを特徴とする壁パネル。
【請求項2】
前記面材の裏面における前記枠材の内部側部分に断熱材が取り付けられている請求項1に記載の壁パネル。
【請求項3】
前記面材の表面から前記粘弾性テープを貫通して前記枠材に到達した固着具が取り付けられている請求項1または2に記載の壁パネル。
【請求項4】
前記枠材の上下に配置される線材の左右の中間部分に上下に延びる間柱が掛け渡されており、前記間柱と前記面材とが前記粘弾性テープによって接合されている請求項1ないし3のうちのいずれか一つに記載の壁パネル。
【請求項5】
前記複数の構造材が、左右に配置された一対の垂直構造材と、上下に配置された一対の水平構造材とで構成され、
前記壁パネルが、前記枠材と前記面材と粘弾性テープとからなり下側の水平構造材に設置される矩形の下部パネルと、前記枠材と前記面材と粘弾性テープとからなり上側の水平構造材に設置される矩形の上部パネルとで構成され、
前記一対の垂直構造材と前記下部パネルと前記上部パネルとの間に開口部を形成できるようにした請求項1ないし4のうちのいずれか一つに記載の壁パネル。
【請求項6】
前記複数の構造材が、左右に配置された一対の垂直構造材と、上下に配置された一対の水平構造材とで構成されるとともに、前記壁パネルが、矩形に形成されており、
前記枠材の左右の線材に上下に間隔をおいて窓台と窓マグサとが掛け渡され、前記窓台と前記窓マグサとに一つの方立または左右に間隔をおいた一対の方立が掛け渡され、
前記窓台、前記窓マグサおよび前記一つの方立または前記一対の方立と、前記面材とが前記粘弾性テープによって接合され、
さらに、前記面材における前記左右の線材の一方、前記窓台、前記窓マグサおよび前記一つの方立の内周縁部の内部に対応する部分、または、前記窓台、前記窓マグサおよび前記一対の方立の内周縁部の内部に対応する部分に開口部が形成されている請求項1ないし4のうちのいずれか一つに記載の壁パネル。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれか一つに記載の壁パネルを製造および施工するための壁パネルの製造施工方法であって、
建築現場に組み立てられる複数の構造材で形成される空間に合わせて壁パネルを工場で製造するパネル製造工程と、
前記壁パネルを、建築現場に組み立てられた前記複数の構造材で形成される空間に配置する配置工程と、
前記壁パネルの枠材を、固着具で、前記複数の構造材に固定する固定工程と
を備えたことを特徴とする壁パネルの製造施工方法。
【請求項1】
建物における複数の構造材で形成される空間に設置するための壁パネルであって、
線材を組み付けて枠状に形成された枠材と、
前記枠材の一方の面を塞ぐ面材と、
前記枠材の一方の面と前記面材との間に設けられて前記枠材と前記面材とを接合する制震性を有する粘弾性テープとを備えたことを特徴とする壁パネル。
【請求項2】
前記面材の裏面における前記枠材の内部側部分に断熱材が取り付けられている請求項1に記載の壁パネル。
【請求項3】
前記面材の表面から前記粘弾性テープを貫通して前記枠材に到達した固着具が取り付けられている請求項1または2に記載の壁パネル。
【請求項4】
前記枠材の上下に配置される線材の左右の中間部分に上下に延びる間柱が掛け渡されており、前記間柱と前記面材とが前記粘弾性テープによって接合されている請求項1ないし3のうちのいずれか一つに記載の壁パネル。
【請求項5】
前記複数の構造材が、左右に配置された一対の垂直構造材と、上下に配置された一対の水平構造材とで構成され、
前記壁パネルが、前記枠材と前記面材と粘弾性テープとからなり下側の水平構造材に設置される矩形の下部パネルと、前記枠材と前記面材と粘弾性テープとからなり上側の水平構造材に設置される矩形の上部パネルとで構成され、
前記一対の垂直構造材と前記下部パネルと前記上部パネルとの間に開口部を形成できるようにした請求項1ないし4のうちのいずれか一つに記載の壁パネル。
【請求項6】
前記複数の構造材が、左右に配置された一対の垂直構造材と、上下に配置された一対の水平構造材とで構成されるとともに、前記壁パネルが、矩形に形成されており、
前記枠材の左右の線材に上下に間隔をおいて窓台と窓マグサとが掛け渡され、前記窓台と前記窓マグサとに一つの方立または左右に間隔をおいた一対の方立が掛け渡され、
前記窓台、前記窓マグサおよび前記一つの方立または前記一対の方立と、前記面材とが前記粘弾性テープによって接合され、
さらに、前記面材における前記左右の線材の一方、前記窓台、前記窓マグサおよび前記一つの方立の内周縁部の内部に対応する部分、または、前記窓台、前記窓マグサおよび前記一対の方立の内周縁部の内部に対応する部分に開口部が形成されている請求項1ないし4のうちのいずれか一つに記載の壁パネル。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれか一つに記載の壁パネルを製造および施工するための壁パネルの製造施工方法であって、
建築現場に組み立てられる複数の構造材で形成される空間に合わせて壁パネルを工場で製造するパネル製造工程と、
前記壁パネルを、建築現場に組み立てられた前記複数の構造材で形成される空間に配置する配置工程と、
前記壁パネルの枠材を、固着具で、前記複数の構造材に固定する固定工程と
を備えたことを特徴とする壁パネルの製造施工方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2013−14912(P2013−14912A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−147555(P2011−147555)
【出願日】平成23年7月1日(2011.7.1)
【出願人】(511161487)コーチ株式会社 (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月1日(2011.7.1)
【出願人】(511161487)コーチ株式会社 (1)
【Fターム(参考)】
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