説明

壁冷暖房パネル壁材、及び建築物の壁冷暖房構造

【課題】室内空間の広さを確保でき、かつ施工や補修が容易である壁冷暖房パネル壁材、及び建築物の壁冷暖房構造を提供する。
【解決手段】溝が形成された発泡合成樹脂製又は木製の基材マット、及び溝に配設された熱媒体流通管を備える冷暖房パネルと、一方の面側に凹部を有する壁材と、を備え、冷暖房パネルが壁材の凹部に配設され、冷暖房パネルの厚さが壁材の凹部の深さ以下である壁冷暖房パネル壁材、及び該壁冷暖房パネル壁材を備えた建築物の壁冷暖房構造とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷暖房可能な冷暖房パネルを備えた壁冷暖房パネル壁材、及び該冷暖房パネル壁材を備えた建築物の壁冷暖房構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、一般住宅や公共施設などの建築物において、居住空間の居住性を向上させる目的で、多様な冷暖房技術が提案され、実用化されている。その冷暖房技術の一つとして、居住空間の壁面に冷暖房機能を有した部材を設置する技術が知られている。
【0003】
例えば特許文献1には、一方の面に刻設された溝に熱媒体を流通させるための配管が埋設された基材マットの該溝が刻設された面に、少なくとも金属薄板を有する表装材層が設けられた壁暖房パネルに関する技術が開示されている。また、特許文献2には、壁材の室内側に取り付けられる壁暖房パネルに関する技術が開示されている。また、特許文献3には、壁材の室外側面全体に暖房パネルを設置した壁暖房構造に関する技術が開示されている。さらに、特許文献4には、ALC(autoclaved lightweight aerated concrete)板表面に穿設した凹陥部に発熱体を配し、その上にALC板より熱伝導性が高い充填物を充填して凹陥部は閉塞されているALCヒートパネルが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−234341号公報
【特許文献2】特開2010−78211号公報
【特許文献3】特開2004−163051号公報
【特許文献4】実公昭62−30306号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1及び特許文献2に開示された壁暖房パネルは、既存の壁の室内側の面に設置されるものである。このような壁暖房パネルでは、壁暖房パネルの厚さ分だけ壁が室内側に出っ張る形状となる。そのため、室内空間が狭くなるという問題があった。また、このような壁暖房パネルでは、壁の室内側の面が壁暖房パネルで占有されるため、壁面を他の用途に使用できなくなる等の問題もあった。
【0006】
また、特許文献3に開示された壁暖房構造は、壁面全体に壁暖房パネルを設置するものである。そのため、壁の厚みが壁暖房パネルの厚さ分だけ厚くなり、室内空間が狭くなるという問題があった。また、このような構造では、壁暖房パネルに故障等の問題が生じた場合に壁面全体を補修しなければならなくなるという問題もあった。
【0007】
さらに、特許文献4に開示されているALCヒートパネルはALC板を用いることを必須としており、薄く形成することが困難であった。よって、上記の従来技術と同様に、室内空間が狭くなるという問題があった。また、特許文献4に開示されているALCヒートパネルはモルタルなどの充填物を用いて施工するものであり、施工や補修が容易ではなかった。またALC材は、一般的な壁材であるせっこうボードと同じ壁面に取り付け設置することはできないという問題があった。
【0008】
そこで本発明は、室内空間の広さを確保でき、かつ一般的な壁材として利用されるせっこうボードと、同じ仕上げ、同じ厚み、同等以上の強度にすることで、一般的な壁材と同じ壁面に取り付けすることを可能とし、多彩な内装材を使用することができ、施工や補修が容易である壁冷暖房パネル壁材、及び建築物の壁冷暖房構造を提供することを課題とする。なお、「壁冷暖房パネル壁材」とは、冷房機能及び/又は暖房機能を備えた壁材を意味する。また、「建築物の壁冷暖房構造」とは、冷房機能及び/又は暖房機能を有した建物の壁の構造を意味する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以下、本発明について説明する。
【0010】
第1の本発明は、溝が形成された発泡合成樹脂製又は木製の基材マット、及び該溝に配設された熱媒体流通管を備える冷暖房パネルと、一方の面側に凹部を有する壁材と、を備え、冷暖房パネルが壁材の凹部に配設され、冷暖房パネルの厚さが壁材の凹部の深さ以下であることを特徴とする壁冷暖房パネル壁材である。
【0011】
第1の本発明及び以下の本発明(以下、単に「本発明」という。)において、「熱媒体流通管」とは、熱媒体(例えば、温水や冷水。)を流通させられる配管であれば特に限定されない。熱媒体流通管の具体例としては、可撓性のポリエチレンなどの合成樹脂チューブや銅管を挙げることができる。
【0012】
第1の本発明の壁冷暖房パネル壁材は、JIS A6901に従って行われた耐衝撃試験に合格する性能を有していることが好ましい。
【0013】
第1の本発明の壁冷暖房パネル壁材がJIS A6901に従って行われた耐衝撃試験に合格する性能を有しているとすることによって、第1の本発明の壁冷暖房パネル壁材が冷暖房パネルを備えていない従来の壁材(例えば、せっこうボード。以下、単に「従来の壁材」ということがある。)と同等の強度を有することになるため、第1の本発明の壁冷暖房パネル壁材を、冷暖房パネルを備えていない従来の壁材と同様に取り扱うことができる。
【0014】
また、第1の本発明の壁冷暖房パネル壁材において、基材マットの室内側となる側に均熱シートを備えていることが好ましい。
【0015】
本発明において「室内側となる側」とは、壁冷暖房パネル壁材の使用時(施工後)において、壁冷暖房パネル壁材に備えられた冷暖房パネルが暖房又は冷房の対象とする室内側となる側を意味する。また、「均熱シート」とは、熱伝導性が高く、シート面において熱を均一化し易いシート状の部材を意味する。均熱シートの具体例としては、アルミニウムや銅などからなる金属箔を含むシートを挙げることができる。基材マットの室内側となる側に均熱シートを備えた形態とすることによって、第1の本発明の壁冷暖房パネル壁材を暖房設備として使用する場合は熱媒体流通管を流通する熱媒体が有する熱を室内に伝えやすくなり、第1の本発明の壁冷暖房パネル壁材を冷房設備として使用する場合は室内の熱を熱媒体流通管を流通する熱媒体に伝えやすくなる。
【0016】
また、第1の本発明の壁冷暖房パネル壁材において、基材マットに形成された溝が基材マットの厚さ方向に貫通して形成されていることが好ましい。
【0017】
基材マットに形成された溝を厚さ方向に貫通させることによって、基材マットの厚さを溝に配設される熱媒体流通管の外径と同等にすることができるため、冷暖房パネルを薄くすることが容易になる。
【0018】
また、第1の本発明の壁冷暖房パネル壁材において、基材マットに形成された溝が基材マットの厚さ方向に貫通して形成されている場合、基材マットの室外側となる側において、溝の少なくとも一部を覆うようにシート状の部材が備えられていることが好ましい。
【0019】
本発明において「室外側となる側」とは、壁冷暖房パネル壁材の使用時(施工後)において、壁冷暖房パネル壁材に備えられた冷暖房パネルが暖房又は冷房の対象とする室内側とは反対側となる側を意味する。基材マットに形成された溝が基材マットの厚さ方向に貫通して形成されている場合に、基材マットの室外側となる側において溝の少なくとも一部を覆うようにシート状の部材を備えることによって、熱媒体流通管が溝から外れることを防止し易くなる。
【0020】
また、第1の本発明の壁冷暖房パネル壁材において、壁材に凹部が複数形成されており、隣り合う凹部同士の間の凸部が151.5×n±22.5mm(nは自然数。以下同じ。)の間隔となっていることが好ましい。
【0021】
第1の本発明の壁冷暖房パネル壁材を建築物の躯体又は間柱に固定する際、冷暖房パネルが備えられている箇所を避けてビス等で固定する。このとき、隣り合う凹部同士の間の凸部の間隔、すなわち、ビス等を打ち込むことが許容される場所の間隔を151.5×n±22.5mmとしておくことによって、尺貫法に基づいて製造されている建築物の躯体又は間柱に第1の本発明の壁冷暖房パネル壁材を固定し易くなる。
【0022】
また、第1の本発明の壁冷暖房パネル壁材は、厚さが16mm以下であることが好ましい。
【0023】
第1の本発明の壁冷暖房パネル壁材の厚さを16mm以下とすることによって、室内空間を広くすることができる。
【0024】
また、第1の本発明の壁冷暖房パネル壁材は、周囲に壁材を配して設置され、設置した際に隣接する該壁材の厚さと略同一の厚さを有することが好ましい。
【0025】
本発明において「略同一の厚さ」とは、実使用上同一といえる厚さを意味する。例えば、「壁冷暖房パネル壁材は、周囲に壁材を配して設置され、設置した際に隣接する該壁材の厚さと略同一の厚さを有する」とは、壁暖房パネル壁材と壁材とを、両者が隣接するとともに、両者の室外側の面が一平面を構成するように設置し、両者の室内側の面に1枚の壁紙を貼り付けた際、室内側から該壁紙を目視したときに、壁暖房パネル壁材と壁材との境界に明らかな段差が生じない程度に、壁冷暖房パネル壁材の厚さと壁材の厚さとに差がないことを意味する。第1の本発明の壁冷暖房パネル壁材を、冷暖房パネルを備えていない従来の壁材と隣接するように配置し、第1の本発明の壁冷暖房パネル壁材を隣接する従来の壁材と同等の厚さとすることによって、第1の本発明の壁冷暖房パネル壁材の施工が容易になる。
【0026】
第2の本発明は、建築物の躯体又は間柱と、該建築物の躯体又は間柱の室内側に配置された上記第1の本発明の壁冷暖房パネル壁材と、該壁冷暖房パネル壁材に隣接して配置された壁材とを備え、壁冷暖房パネル壁材に隣接する壁材は、壁冷暖房パネル壁材と略同じ厚さであり、壁冷暖房パネル壁材及び壁材が建築物の躯体又は間柱に固定部材により固定されている、建築物の壁冷暖房構造である。
【0027】
第2の本発明の建築物の壁冷暖房構造において、壁冷暖房パネル壁材及び該壁冷暖房パネル壁材に隣接して配置された壁材の室内側にJIS A6921に規定された壁紙が貼り付けられていることが好ましい。
【0028】
JIS A6921に規定された壁紙が備えられた形態とすることによって、第2の本発明の壁冷暖房構造をシックハウス対策の建築基準法に適合したものとすることができる。
【0029】
また、第2の本発明の建築物の壁冷暖房構造において、壁冷暖房パネル壁材及び該壁冷暖房パネル壁材に隣接して配置された壁材の室内側にJIS A6922に規定された壁紙施工用でん粉系接着剤を用いて壁紙が貼り付けられていることが好ましい。
【0030】
JIS A6922に規定された壁紙施工用でん粉系接着剤を用いた形態とすることによって、第2の本発明の壁冷暖房構造をシックハウス対策の建築基準法に適合したものとすることができる。
【発明の効果】
【0031】
第1の本発明の壁冷暖房パネル壁材は、凹部が形成された壁材と、該凹部に配設され、該凹部の深さより薄い冷暖房パネルとを備えている。そのため、第1の本発明の壁冷暖房パネル壁材は、冷暖房パネルを備えていない隣接する従来の壁材と同じ仕上がり厚さで冷暖房の機能を備えた壁材とすることができる。よって、第1の本発明の壁冷暖房パネル壁材によれば、室内空間の広さを確保できる。また、壁の部分的な箇所に冷暖房パネルを設置する場合も、壁材の厚みを調整する必要がなく、壁の室内側の面に段差を生じさせることもなく施工できる。さらに、壁材の室内側の面に段差を生じさせないようにすることができるので、壁紙による仕上げを行う場合、きれいに仕上げることができる。また、第1の本発明の壁冷暖房パネル壁材は、従来の壁材と同様の方法で設置することができるため、上述したような従来の壁暖房パネルに比べて施工費用、施工期間を大幅に削減して容易に施工でき、補修も容易である。
【0032】
第2の本発明の建築物の壁冷暖房構造は、第1の本発明の壁冷暖房パネル壁材を備えており、室内空間の広さを確保でき、かつ施工や補修が容易である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】図1(a)は壁冷暖房パネル壁材100を室外側となる側から見た図、図1(b)は図1(a)に示したIb−Ib線に沿った壁冷暖房パネル壁材100の断面図である。
【図2】図2(a)は冷暖房パネル10を室外側となる側から見た図、図2(b)は図2(a)に示したIIb−IIb線に沿った暖房パネル10の断面図である。
【図3】図3(a)は壁材20を室外側となる側から見た図、図3(b)は図3(a)に示したIIIb−IIIb線に沿った壁材20の断面図である。
【図4】図4(a)は壁冷暖房構造1を室内側から見た図、図4(b)は図4(a)に示したIVb−IVb線に沿った壁冷暖房構造1の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明の上記した作用及び利得は、次に説明する発明を実施するための形態から明らかにされる。以下、本発明を図面に示す実施形態に基づき説明する。ただし、本発明はこれら実施形態に限定されるものではない。なお、各図面は、図示と理解のしやすさの便宜上、簡略化している。また、各図面において、同様の構成のものには同じ符号を付しており、繰り返しとなる符号は一部省略している場合がある。
【0035】
図1は、一つの実施形態にかかる本発明の壁冷暖房パネル壁材100を概略的に示した図である。図1(a)は壁冷暖房パネル壁材100を室外側となる側から見た図、図1(b)は図1(a)に示したIb−Ib線に沿った壁冷暖房パネル壁材100の断面図である。図1(a)において、紙面手前側が壁冷暖房パネル壁材100を設置した際に室外側となる側であり、紙面奥側が壁冷暖房パネル壁材100を設置した際に室内側となる側である。図1(b)においては、紙面左側が壁冷暖房パネル壁材100を設置した際に室外側となる側であり、紙面右側が壁冷暖房パネル壁材100を設置した際に室内側となる側である。なお、図1(a)及び図1(b)では、後に説明する均熱シート14、裏面シート15及びU字型部材16は省略している。
【0036】
図1(a)及び図1(b)に示したように、壁冷暖房パネル壁材100は、冷暖房パネル10、及び壁材20を備えている。これらについて、以下に詳述する。
【0037】
<冷暖房パネル10>
図2は、壁冷暖房パネル壁材100に備えられた冷暖房パネル10を概略的に示した図である。図2(a)は冷暖房パネル10を室外側となる側から見た図、図2(b)は図2(a)に示したIIb−IIb線に沿った暖房パネル10の断面図である。図2(a)において、紙面手前側が壁冷暖房パネル壁材100を設置した際に室外側となる側であり、紙面奥側が壁冷暖房パネル壁材100を設置した際に室内側となる側である。図2(b)においては、紙面下側が壁冷暖房パネル壁材100を設置した際に室外側となる側であり、紙面上側が壁冷暖房パネル壁材100を設置した際に室内側となる側である。なお、図2(a)では、後に説明する裏面シート15及びU字部材16は省略している。
【0038】
冷暖房パネル10は、後に説明する壁材20に形成された凹部21に配設されるものであり、冷暖房パネル10の大きさは凹部21の大きさ以下であれば良い。すなわち、平面視において、冷暖房パネル10の短辺幅w1(図2(a)参照)は凹部21の短辺幅w2(図3(a)参照)以下であり、冷暖房パネル10の長辺幅w3(図2(a)参照)は凹部21の長辺幅w4(図3(a)参照)以下である。また、冷暖房パネル10の厚さt1(図2(b)参照)は、壁材20の凹部21の深さd1(図3(b)参照)以下である。
【0039】
冷暖房パネル10の短辺幅w1及び長辺幅w3は特に限定されないが、例えば、w1=258mm、w3=813mmとすることができる。冷暖房パネル10が大き過ぎれば、凹部21が大きくなることによって壁材20の強度を確保し難くなり、壁冷暖房パネル壁材100の強度を確保し難くなる虞がある。また冷暖房パネル10が大き過ぎると、後に説明するようにして壁冷暖房パネル壁材100を建築物の躯体に取り付ける際に用いる固定部材を打ち込める箇所を確保し難くなる。
【0040】
冷暖房パネル10の厚さt1は特に限定されないが、5mm以上12mm以下が好ましく、5mm以上11mm以下がさらに好ましく、5mm以上9mm以下がより好ましい。冷暖房パネル10の厚さt1は、例えば5.5mmとすることができる。冷暖房パネル10が薄過ぎれば、後に説明する熱媒体流通管13を配設するための溝12の深さを確保することが困難になる。また、冷暖房パネル10が厚過ぎれば、後に説明する壁材20の凹部21を深くしなければならなくなるため、壁材20を厚くしなければならないといった問題や、凹部21を深くしたことによって壁材20の強度を確保し難くなるなどの問題を生じる虞がある。
【0041】
また、暖房パネル10は、図2(a)及び図2(b)に示したように、溝12が形成された基材マット11、及び溝12に配設された熱媒体流通管13を備えている。また、基材マット11の室内側となる側には均熱シート14が備えられ、反対側の面には裏面シート15が備えられている。さらに、溝12の少なくとも一部には、断面が略U字状のU字型部材16が配設されている。これらの構成について以下に説明する。
【0042】
基材マット11は、熱伝導性が低い材料で構成されていることが好ましく、発泡性樹脂や木材によって構成されている。熱伝導性が低い材料で基材マット11を構成することによって、基材マット11の断熱性を高めることができる。また、発泡性樹脂や木材によって基材マット11を構成することにより、基材マット11の軽量化を図ることができる。本発明に用いることができる発泡性樹脂の具体例としては、発泡ポリプロピレン、発泡ポリスチレン、発泡ポリエチレン、発泡ポリウレタンなどを挙げることができる。発泡性樹脂を用いる場合、その発泡倍率は特に限定されないが、5倍以上50倍以下が好ましく、10倍以上30倍以下がさらに好ましく、15倍以上20倍以下がより好ましい。発泡倍率が高いと断熱性がよくなるが、発泡倍率が高すぎると強度が低くなる。
【0043】
溝12は、熱媒体流通管13を配設するための溝であって、熱媒体流通管13を配設可能であれば、形状等は特に限定されない。溝12の深さ(図2(b)に紙面上下方向の長さ)はそこに配設される熱媒体流通管13の外径に応じて適宜変更可能である。図2(b)に例示した溝12は、基材マット11の厚さ方向に貫通して形成されている。このように溝12を基材マット11の厚さ方向に貫通した溝とすることによって、基材マット11の厚さと溝12の深さとが同一となる。また、このように溝12を基材マット11の厚さ方向に貫通して形成することによって、太い熱媒体流通管13を溝12に配設しつつ基材マット11を薄くし易くなる。そのため、冷暖房パネル10に冷暖房設備としての機能を十分に発揮させつつ、冷暖房パネル10を薄くすることが容易になる。
【0044】
また溝12は、図2(a)に示したように、平面視において略直線状に形成されている直線部12aと、平面視において曲線状に形成されている曲線部12bとを備えている。溝12のうち直線部12aの少なくとも一部においては、図2(b)に示したように、断面が略U字状のU字型部材16が配設されている。U字型部材16はU字状に形成されたU字部16aと、該U字部16aの開口部側端部から互いに離れるように形成された固定片16b、16bとを備えている。U字部16aは溝12に嵌めこまれて、固定片16b、16bは基材マット11に固定される。このようなU字型部材16を用いることによって、U字型部材16を介して熱媒体流通管13を溝12に固定し易くなる。U字型部材16のU字部16aは熱媒体流通管13の一部に接するように形成されており、U字型部材16を介して熱媒体流通管13を流通する熱媒体の熱を均熱シート14等に伝えることができる。U字型部材16を介して熱媒体流通管13を流通する熱媒体の熱を均熱シート14等に伝え易くする等の観点からは、U字型部材16は熱伝導率が高い材料によって構成されていることが好ましい。U字型部材16を構成する材料の具体例としては、アルミニウムを挙げることができる。
【0045】
熱媒体流通管13は熱媒体(温水又は冷水など。)を流通させるための配管であって、熱媒体を流通させることが可能で、基材マット11に形成されている溝12に配設でき、冷暖房パネル10の使用時の環境に耐え得るものであれば特に限定されない。熱媒体流通管13の具体例としては、架橋ポリエチレンやポリブテン等の樹脂製の配管を挙げることができる。また、熱媒体流通管13として樹脂製の配管のように柔軟性を有する配管を用いる場合、溝12の深さより外径が若干太い配管を用いることもできる。熱媒体流通管13の外径は特に限定されないが、溝12の深さに対して80%以上110%以下が好ましく、90%以上105%以下がより好ましく、95%以上100%以下がさらに好ましい。この範囲であれば、柔軟性を有する熱媒体流通管13が基材マット11に形成されている溝12に適度に収まり、熱媒体流通管13を固定することができる。
【0046】
壁冷暖房パネル壁材100に複数の冷暖房パネル10が備えられる場合は、図1(a)に示したように、それぞれの冷暖房パネル10に備えられる熱媒体流通管13を直列に接続することが好ましい。このように直列に接続されて一繋がりの管となった熱媒体流通管13は、一方の端13aからは熱媒体が供給されるとともに、他方の端13bからは該熱媒体が排出されるように、熱源機等に接続する。ただし、本発明において、冷暖房パネルは複数系統の熱媒体流通管を有していてもよい。
【0047】
均熱シート14は、基材マット11の室内側となる側に配設されている。均熱シート14は、基材マット11の室内側となる側の面の全面に配設されていることが好ましい。かかる形態とすることで、熱媒体流通管13を流通する熱媒体の熱を壁材20へと効率良く伝え(又は、壁材20の熱を熱媒体流通管13を流通する熱媒体へと効率良く伝え)、室内温度を適切に調整し易くなる。本発明に用いることができる均熱シート14は、熱伝導性が高いシート状の部材であれば特に限定されない。均熱シート14の具体例としては、アルミニウムや銅などからなる金属箔を挙げることができる。均熱シート14を基材マット11の室内側に配設する方法は特に限定されないが、例えば、公知の接着剤を用いて基材マット11に貼合することが考えられる。均熱シート14は単層で構成されていても複層で構成されていてもよいが、熱伝導を良好にするという観点からは、均熱シート14は単層で構成されていることが好ましい。また、均熱シート14の厚さは特に限定されないが、例えば均熱シート14として単層のアルミニウム箔を用いる場合は10μm以上200μm以下が好ましく、20μm以上150μm以下がより好ましく、30μm以上100μm以下がさらに好ましい。この範囲であれば、均熱シート14は良好な熱伝導性を確保でき、また適度な強度を有することになり基材マット11への貼付け作業が容易となる。
【0048】
裏面シート15は、基材マット11の室外側となる側において、溝12の少なくとも一部を覆うようにして配設されたシート状の部材である。上述したように溝12が基材マット11の厚さ方向に貫通している場合、裏面シート15を備えた形態とすることによって、厚さ方向に貫通した溝12から熱媒体流通管13が外れることを防止し易くなる。裏面シート15は熱伝導率の低いものが好ましい。裏面シート15としては、例えば、不織布や、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の樹脂製のフィルムなどを用いることができる。
【0049】
<壁材20>
次に、壁材20について説明する。図3は、壁冷暖房パネル壁材100に備えられた壁材20を概略的に示した図である。図3(a)は壁材20を室外側となる側から見た図、図3(b)は図3(a)に示したIIIb−IIIb線に沿った壁材20の断面図である。図3(a)において、紙面手前側が壁冷暖房パネル壁材100を設置した際に室外側となる側であり、紙面奥側が壁冷暖房パネル壁材100を設置した際に室内側となる側である。図3(b)においては、紙面左側が壁冷暖房パネル壁材100を設置した際に室外側となる側であり、紙面右側が壁冷暖房パネル壁材100を設置した際に室内側となる側である。
【0050】
壁材20の大きさ、すなわち、壁冷暖房パネル壁材100の大きさは特に限定されない。ただし、横幅x及び縦幅y(図3(a)参照)は151.5×m±22.5mm(mは自然数。以下同じ。)であることが好ましい。かかる形態とすることによって、尺貫法に基づいて作製された建築物の躯体に壁冷暖房パネル壁材100を固定し易くなる。とりわけ横幅x及び縦幅yは606±22.5mm又は909±22.5mmであることが好ましい。
【0051】
また、壁材20の厚さ、すなわち、壁冷暖房パネル壁材100の厚さt2(図3(a)参照)は特に限定されないが、部屋の居住空間を確保するためにはt2は厚くないことが好ましい。このことよりt2は16mm以下であることが好ましい。
【0052】
また、壁材20の強度を保持するため、凹部21における壁材20の厚さ(t2−d1)は4mm以上であることが好ましい。このようにして壁材20に所定の強度を持たせることによって、壁冷暖房パネル壁材100を従来の壁材と同程度の厚さとした場合であっても、壁冷暖房パネル壁材100を従来の壁材と同程度の強度とし易くなる。後述するように、壁冷暖房パネル壁材100は従来の壁材を周囲に配置するようにして、従来の壁材と同一面に配置することができる。このとき、壁冷暖房パネル壁材100が従来の壁材と略同じ厚さで従来の壁材と略同じ強度を有することによって、壁冷暖房パネル壁材100を従来の壁材と同様に取り扱うことができ、壁冷暖房パネル壁材100の施工が容易になる。
【0053】
図3(a)及び図3(b)に示したように、壁材20は、一方の面側に凹部21を有している。凹部21は、暖房パネル10を配設可能な大きさであれば特に限定されないが、後述するように凹部21と凹部21との間の凸部22には壁冷暖房パネル壁材100を建築物の躯体又は間柱に固定するためのビス等を打ち込むため、該ビス等を打ち込みやすい程度の凸部22を確保できるように凹部21を形成することが好ましい。凹部21の短辺幅w2及び長辺幅w4は、例えば、w2=262mm、w4=819mmとすることができる。凹部21が大き過ぎると、壁材20の強度を確保し難くなる虞がある。
【0054】
凹部21の深さd1は、暖房パネル10の厚さt1以上であればよい。すなわち、t1≦d1であればよい。かかる形態とすることによって、壁材20の凹部21に冷暖房パネル10を配設したとき、壁材20の室外側となる側の面から冷暖房パネル10が突出することを防止できる。凹部21の深さd1は特に限定さればいが、凹部21が深すぎれば、壁材20の強度を確保し難くなる虞がある。よって、凹部21の深さd1は壁材20の厚さt2等にもよるが、5.5mm以上12.5mm以下が好ましく、5.5mm以上11.5mm以下がより好ましく、5.5mm以上9.5mm以下がさらに好ましい。例えば、凹部21の深さd1は6mmとすることができる。これにより、壁材20の強度は保ちつつ暖房パネル10を凹部21内に収めることができる。
【0055】
壁材20には、そこに配設される冷暖房パネル10の数に応じて複数の凹部21が形成されている。そして、隣り合う凹部21同士の間には凸部22が形成されている。凸部22は、壁材20の強度確保の目的に加えて、後に説明するように壁冷暖房パネル壁材100を建築物の躯体又は間柱に固定するための固定部材を打ち込むために形成されている。壁冷暖房パネル壁材100を建築物の躯体又は間柱に固定する際、冷暖房パネル10が備えられている箇所を避けてビス等で固定する必要があるからである。そして、隣り合う凸部22の間隔p1は、151.5×n±22.5mmであることが好ましい。凸部22の間隔p1を151.5×n±22.5mmとすることによって、尺貫法に基づいて製造されている建築物の躯体又は間柱に壁冷暖房パネル壁材100を固定し易くなる。例えば、凸部22の間隔p1は、303mmとすることができる。
【0056】
壁材20の材質は特に限定されないが、凹部21に冷暖房パネル10を配設した状態で、通常に使用される従来の壁材と同等の強度を有することが好ましい。かかる形態とすることによって壁冷暖房パネル壁材100が従来の壁材と同等の強度を有することになるため、壁冷暖房パネル壁材100を従来の壁材と同様に取り扱うことができる。上記の観点から、壁材20は、JIS A6901(せっこうボード製品)に従って行われた耐衝撃試験(おもりの落下高さを500mm)に合格できるものであることが好ましい。このような壁材20としては、例えば、住友林業クレスト社製のガイナーパネル(厚さ12.5mm)や強化せっこうボード(JIS A6901:GB−F、厚さ15mm)等を挙げることができる。
【0057】
これまでに説明したように、本発明の壁冷暖房パネル壁材は、凹部が形成された壁材と、該凹部に配設され、該凹部の深さより薄い冷暖房パネルとを備えている。そのため、本発明の壁冷暖房パネル壁材は、暖房パネルを設置していない従来の壁材と同じ仕上がり厚さで壁冷暖房の機能を有することができる。よって、本発明の壁冷暖房パネル壁材によれば、室内空間の広さを確保できる。また、壁の部分的な箇所に暖房パネルを設置する場合も、壁材の厚みを調整する必要がなく、壁の室内側の面に段差を生じさせることもなく施工できる。さらに、本発明の壁冷暖房パネル壁材は壁材の室内側の面に段差を生じさせないようにすることができるので、壁紙による仕上げを行う場合、きれいに仕上げることができる。また、本発明の壁冷暖房パネル壁材は、従来の壁材の同様の方法で設置することができるため、従来の壁冷暖房パネルに比べて施工費用、施工期間を大幅に削減して容易に施工でき、補修も容易である。
【0058】
次に、本発明の建築物の壁冷暖房構造について説明する。図4は、一つの実施形態にかかる本発明の壁冷暖房構造1を概略的に示した図である。図4(a)は壁冷暖房構造1を室内側から見た図、図4(b)は図4(a)に示したIVb−IVb線に沿った壁冷暖房構造1の断面図である。図4(a)において、紙面手前側が壁冷暖房構造1の室内側であり、紙面奥側が壁冷暖房構造1の室外側である。図4(b)においては、紙面下側が壁冷暖房構造1の室内側であり、紙面上側が壁冷暖房構造1の室外側である。なお、図4(a)では、後に説明する接着剤5、壁紙6、及び固定部材7は省略し、壁冷暖房パネル壁材100及び壁材2を示している。
【0059】
図4(a)に示したように、壁冷暖房構造1は壁冷暖房パネル壁材100及び壁材2を備えており、壁冷暖房パネル壁材100の周囲に壁材2が配置されている。壁材2としては、従来の壁材と同様のものを特に限定することなく用いることができる。壁冷暖房パネル壁材100は、このような壁材2と略同一の厚さとなるように形成されている。上述したように、「略同一の厚さ」とは、実使用上同一といえる厚さを意味する。すなわち、図4(b)に示したように壁暖房パネル壁材100及び壁材2が隣接するとともに両者の室外側の面が一平面を構成するように設置され、両者の室内側に1枚の壁紙6を貼り付けた際、室内側から壁紙6を目視したときに、壁暖房パネル壁材100と壁材2との境界に明らかな段差が生じない程度に、壁冷暖房パネル壁材100の厚さと壁材2の厚さとには差がない。このように壁冷暖房パネル壁材100の厚さと壁材2の厚さとを略同一とすることによって、壁冷暖房構造1を施工し易くなる。また、壁冷暖房構造1は、壁冷暖房パネル壁材100を備えているため、上述したように室内空間の広さを確保でき、かつ施工や補修が容易である。
【0060】
また、図4(b)に示したように、壁冷暖房構造1は、建築物に備えられた躯体又は間柱4を備えており、壁冷暖房パネル壁材100及び壁材2は該躯体又は間柱4の室内側に配置されている。さらに、壁冷暖房パネル壁材100及び壁材2は、固定部材7により建築物の躯体又は間柱4に固定されている。固定部材7は特に限定されず、例えばビスや釘などを用いることができる。上述したように、壁冷暖房パネル壁材100の横幅xは606±22.5mm、又は909±22.5mmであることが好ましい。例えば、壁冷暖房パネル壁材100の横幅xが606mmの場合は、壁冷暖房パネル壁材100の横方向(図4の紙面左右方向)において、間柱4の間隔を303mmピッチとし、壁冷暖房パネル壁材100を固定部材7によって303mmピッチで間柱4に固定することが好ましい。壁冷暖房パネル壁材100の横幅xが909mmの場合は、壁冷暖房パネル壁材100の横方向において、間柱4の間隔を303mm又は454.5mmピッチとし、壁冷暖房パネル壁材100を固定部材7によって303mm又は454.5mmピッチで間柱4に固定することが好ましい。また、壁冷暖房パネル壁材100を躯体又は間柱4に固定する際、誤って冷暖房パネル10が埋め込まれている位置で固定部材7を用いると、冷暖房パネル10に備えられた熱媒体流通管13等が破損する虞がある。そのため、ビス止めや釘打ちが許容される箇所の表面に、ビス止めや釘打ちが可能であることを明記することがより好ましい。
【0061】
壁冷暖房構造1を施工するには、上述したように壁冷暖房パネル壁材100及び壁材2を固定部材7により建築物の躯体又は間柱4に固定した後、固定部材7が打ち込まれた部分の表面、並びに、壁材2同士の境界3a及び壁材2と壁冷暖房パネル壁材100との境界3b等にパテを塗り込み、パテが乾燥したらヤスリ等で段差を除去する。その後、壁冷暖房パネル壁材100及び壁材2の室内側に、接着剤5を用いて壁紙6が貼り付ける。
【0062】
接着剤5は、JIS A6922に規定された壁紙施工用でん粉系接着剤であることが好ましい。また、壁紙6は、JIS A6921に規定された壁紙であることが好ましい。このような接着剤、壁紙を使用することによって、壁冷暖房構造1をシックハウス対策の建築基準法に適合したものとすることができる。
【符号の説明】
【0063】
1 壁冷暖房構造
2 壁材
3a、3b 境界
4 間柱
5 接着剤
6 壁紙
7 固定部材
10 冷暖房パネル
11 基材マット
12 溝
12a 直線部
12b 曲線部
13 熱媒体流通管
14 均熱シート
15 裏面シート
16 U字型部材
16a U字部
16b 固定片
20 壁材
21 凹部
22 凸部
100 壁冷暖房パネル壁材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
溝が形成された発泡合成樹脂製又は木製の基材マット、及び前記溝に配設された熱媒体流通管を備える冷暖房パネルと、一方の面側に凹部を有する壁材と、を備え、
前記冷暖房パネルが前記壁材の前記凹部に配設され、
前記冷暖房パネルの厚さが前記壁材の前記凹部の深さ以下であることを特徴とする壁冷暖房パネル壁材。
【請求項2】
JIS A6901に従って行われた耐衝撃試験に合格する性能を有している、請求項1に記載の壁冷暖房パネル壁材。
【請求項3】
前記基材マットの室内側となる側に均熱シートを備えている、請求項1又は2に記載の壁冷暖房パネル壁材。
【請求項4】
前記基材マットに形成された前記溝が前記基材マットの厚さ方向に貫通して形成されている、請求項1乃至3のいずれかに記載の壁冷暖房パネル壁材。
【請求項5】
前記基材マットの室外側となる側において、前記溝の少なくとも一部を覆うようにシート状の部材が備えられている、請求項4に記載の壁冷暖房パネル壁材。
【請求項6】
前記壁材に前記凹部が複数形成されており、隣り合う前記凹部同士の間の凸部が151.5×n±22.5mm(nは自然数)の間隔となっている、請求項1乃至5のいずれかに記載の壁冷暖房パネル壁材。
【請求項7】
厚さが16mm以下である、請求項1乃至6のいずれかに記載の壁冷暖房パネル壁材。
【請求項8】
周囲に壁材を配して設置され、設置した際に隣接する前記壁材の厚さと略同一の厚さを有する、請求項1乃至7のいずれかに記載の壁冷暖房パネル壁材。
【請求項9】
建築物の躯体又は間柱と、該建築物の躯体又は間柱の室内側に配置された請求項1乃至8のいずれかに記載の壁冷暖房パネル壁材と、該壁冷暖房パネル壁材に隣接して配置された壁材とを備え、
前記壁冷暖房パネル壁材に隣接する前記壁材は、前記壁冷暖房パネル壁材と略同じ厚さであり、
前記壁冷暖房パネル壁材及び前記壁材が前記建築物の躯体又は間柱に固定部材により固定されている、建築物の壁冷暖房構造。
【請求項10】
前記壁冷暖房パネル壁材及び該壁冷暖房パネル壁材に隣接して配置された前記壁材の室内側にJIS A6921に規定された壁紙が貼り付けられている、請求項9に記載の壁冷暖房構造。
【請求項11】
前記壁冷暖房パネル壁材及び該壁冷暖房パネル壁材に隣接して配置された前記壁材の室内側にJIS A6922に規定された壁紙施工用でん粉系接着剤を用いて壁紙が貼り付けられている、請求項9又は10に記載の壁冷暖房構造。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2013−36167(P2013−36167A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−170434(P2011−170434)
【出願日】平成23年8月3日(2011.8.3)
【出願人】(000006172)三菱樹脂株式会社 (1,977)
【Fターム(参考)】