説明

壁構造体

【課題】簡単に動かすことができ、しかも室内に安らぎの空間を与えることのできる壁構造体を提供する。
【解決手段】壁構造体は、室内の床面上に置かれて、直交する第1および第2の壁面を形成するものであって、第1の壁面を形成する平板状の第1の壁部材10と、第2の壁面を形成し、この第2の壁面の奥に物品を収納する空間を有する第2の壁部材20とを備える。第1の壁面には、自然物を表わす絵または写真11が貼られている。第2の壁部材20は、自然の環境を演出するものを作り出すユニット21〜26を収納している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、室内に安らぎの空間を与えることのできる壁構造体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
家屋の室内の雰囲気を変える手法として、部屋の壁面の色や模様を変えたり、室内に設置する家具等を変えたりすることがある。しかしながら、このような手法は、大掛かりであり、しかも特定の部屋だけに限定されてしまう。
【0003】
室内の雰囲気として好ましいのは、人に安らぎを与えることのできる空間を提供できるようにすることである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明の目的は、簡単に動かすことができ、しかも室内に安らぎの空間を与えることのできる壁構造体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明に従った壁構造体は、室内の床面上に置かれて、直交する第1および第2の壁面を形成するものであって、第1の壁部材と、第2の壁部材とを備える。第1の壁部材は、第1の壁面を形成する平板状の部材である。第2の壁部材は、第2の壁面を形成し、この第2の壁面の奥に物品を収納する空間を有する。
【0006】
上記の壁構造体は、室内の床面上に置かれるものであるので、簡単に移動させることができる。従って、安らぎの空間を必要とする部屋に持運んで使用することができる。第1の壁面に、例えば心を穏やかにする自然物を表わす写真や絵を貼れば、第1および第2の壁面によって形成されるコーナー空間は、人に安らぎを与える空間となる。
【0007】
好ましくは、壁構造体は、第1の壁面と第2の壁面とを滑らかな湾曲面で連結するコーナー壁面を形成する湾曲平板状のコーナー壁部材をさらに備える。自然物を表わす写真や絵を第1壁面およびコーナー壁面を含む広い範囲で貼れば、より立体的な自然環境空間が形成されるようになる。一つの好ましい実施形態では、第1の壁部材とコーナー壁部材とは、一体的な平板状部材で形成されている。
【0008】
好ましい実施形態では、第2の壁部材は、自然の環境を演出するものを作り出すユニットを収納している。そのようなユニットの例として、そよ風を送り出すユニット、香りを出すユニット、水の流れる音を出すユニット、星空を投光するユニット等を挙げることができる。このような自然環境演出ユニットと、自然物を表わす写真または絵とによって、第1および第2壁面によって形成されるコーナー空間は、より効果的に、人に安らぎを与える環境を作り出す。
【0009】
好ましい実施形態では、壁構造体は、第1および第2の壁面によって形成されるコーナー空間の上部を覆う覆い部材をさらに備える。覆い部材は、好ましくは、第1の壁部材または第2の壁部材に、高さ調節可能に支持されている。覆い部材を備えることにより、コーナー空間の明るさを適度に調節することができる。また、第2の壁部材が星空投光ユニットを備えるものであるならば、覆い部材に星空を投影することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1〜図6は、この発明の一実施形態に係る壁構造体を示し、図7は、この発明の他の実施形態に係る壁構造体を示している。
【0011】
図1、図2および図6を参照して、この発明の一実施形態の構成を説明する。
【0012】
壁構造体は、室内の床面上に置かれて、直交する第1および第2の壁面を形成するものであり、第1の壁面を形成する平板状の第1の壁部材10と、第2の壁面を形成し、この第2の壁面の奥に物品を収納する空間を有する第2の壁部材20とを備える。図示した好ましい壁構造体は、第1の壁面と第2の壁面とを滑らかな湾曲面で連結するコーナー壁面を形成する湾曲平板状のコーナー壁部材30とを備える。
【0013】
好ましくは、第1の壁部材10とコーナー壁部材30とは、一体的な平板状部材で形成されるが、他の実施形態として、それらを別部材で構成することもあり得る。また、コーナー壁部材30を備えずに、第1の壁部材10と第2の壁部材20とを直角に連結するような実施形態もあり得る。
【0014】
第1の壁部材10およびコーナー壁部材30を平板状部材で形成したのは、それらの壁面に、自然物を表わす絵または写真11を貼ることを意図したためである。自然物を表わす絵や写真11を第1壁面およびコーナー壁面の両方を含む広い範囲で貼れば、立体的な自然環境イメージが形成され、人に安らぎを与え易くなる。絵または写真11は、好ましくは取外し可能であり、必要に応じて、または定期的に別の絵や写真と交換される。
【0015】
自然物の例として、林、森、山、海、木、川、野原、雲、陽射し、月、星空等を挙げることができる。
【0016】
乳幼児の遊び空間の形成を意図する場合には、第1の壁面やコーナー壁面に、写真や絵を貼る代わりに、落書きのための紙を貼り付けるようにしてもよい。
【0017】
好ましくは、第2の壁部材20は、自然の環境を演出するものを作り出すユニットを収納している。図示した実施形態における第2の壁部材20は、星空を投光する星空投光ユニット21、水の流れる音を出す水の音発生ユニット22、そよ風を発生するそよ風発生ユニット23、マイナスイオンを発生するマイナスイオン発生ユニット24、香りを発生する香り発生ユニット25、心地良い音楽を発生するスピーカーユニット26を備えている。各ユニットをそれぞれ第2の壁部材20から取り出し可能に設けても良い。また、星空投光ユニット21に関しては、第2の壁部材20に回動可能に取付けるようにしてもよい。
【0018】
図示した実施形態の壁構造体は、さらに、第1および第2の壁面によって形成されるコーナー空間の上部を覆う覆い部材40と、この覆い部材40を支持する支え部材41とを備える。覆い部材40に固定された支え部材41は、好ましくは、第1の壁部材10または第2の壁部材20に高さ調節可能に支持される。図示した実施形態では、支え部材41は、第2の壁部材20に高さ調節可能に支持されている。
【0019】
この覆い部材40を設けることにより、第1および第2壁面によって形成されるコーナー空間の明るさを適度に調節することが可能になる。好ましくは、覆い部材40は、取外し可能に設けられている。
【0020】
上記のような構成の壁構造体によれば、自然物を表わす絵や写真11と、自然の環境を演出する各種ユニット21〜26とによって、第1および第2壁面によって形成される空間が、効果的に人に安らぎを与える環境を作り出す。星空投光ユニット21は、覆い部材40の下面に星空を投影する。
【0021】
壁構造体は、簡単に動かすことができるので、安らぎの空間を必要とする部屋に持運んで使用することができる。図3〜図5は、種々の使用状態を示している。
【0022】
図3は、お腹に胎児を抱えた母親が、壁構造体によって作り出された安らぎの空間でくつろいでいる状態を示している。母親は、椅子50上に座り、足をオットマン51の上に載せている。
【0023】
図4は、ベビーベッド60上に寝かされた乳児が、壁構造体によって作り出された安らぎの空間内にいる状態を示している。
【0024】
図5は、室内用の育児椅子70上に寝かされた乳児が、壁構造体によって作り出された安らぎの空間内にいる状態を示している。
【0025】
図1〜図6に示した実施形態では、第2の壁部材20が、自然の環境を演出するものを作り出すユニットを収納している。一方、図7に示す他の実施形態に係る壁構造体では、椅子部材80および机部材81が第2の壁部材に収納されている。図7に示す状態では、椅子部材80および机部材81を使用形態となるように取り出している。椅子部材80および机部材81を使用しないときには、これらの部材は、折畳まれて第2の壁面の奥に収納される。
【0026】
なお、第1の壁部材10およびコーナー壁部材30の壁面に貼られた写真や絵11をライトアップするために、第1の壁部材10またはコーナー壁部材30に照明装置を取付けるようにしてもよい。照明装置の一つの例は、第1の壁部材10またはコーナー壁部材30の側縁近傍に沿って並べた多数の発光ダイオードである。
【0027】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示した実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0028】
この発明は、人に安らぎの空間を与えることのできる壁構造体として有利に利用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の一実施形態に係る壁構造体を示す斜視図である。
【図2】各種ユニットおよび覆い部材を分離した状態を示す斜視図である。
【図3】胎児をお腹に抱えた母親がくつろいでいる状態を示す図である。
【図4】ベビーベッド上に寝かされた乳児が、安らぎの空間内に置かれている状態を示す図である。
【図5】室内用育児椅子上に寝かされた乳児が、安らぎの空間内に置かれている状態を示す図である。
【図6】壁構造体の図解的平面図である。
【図7】この発明の他の実施形態に係る壁構造体を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0030】
10 第1の壁部材、11 写真、20 第2の壁部材、21 星空投光ユニット、22 水の音発生ユニット、23 そよ風発生ユニット、24 マイナスイオン発生ユニット、25 香り発生ユニット、26 スピーカーユニット、30 コーナー壁部材、40 覆い部材、41 支え部材、50 椅子、51 オットマン、60 ベビーベッド、70 育児椅子、80 椅子部材、81 机部材。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内の床面上に置かれて、直交する第1および第2の壁面を形成する壁構造体であって、
前記第1の壁面を形成する平板状の第1の壁部材と、
前記第2の壁面を形成し、この第2の壁面の奥に物品を収納する空間を有する第2の壁部材とを備える、壁構造体。
【請求項2】
前記第1の壁面と前記第2の壁面とを滑らかな湾曲面で連結するコーナー壁面を形成する湾曲平板状のコーナー壁部材をさらに備える、請求項1に記載の壁構造体。
【請求項3】
前記第1の壁部材と前記コーナー壁部材とは、一体的な平板状部材で形成されている、請求項2に記載の壁構造体。
【請求項4】
前記第1の壁面および前記コーナー壁面には、自然物を表わす絵または写真が貼られている、請求項2または3に記載の壁構造体。
【請求項5】
前記第2の壁部材は、自然の環境を演出するものを作り出すユニットを収納している、請求項1〜4のいずれかに記載の壁構造体。
【請求項6】
前記第1および第2の壁面によって形成されるコーナー空間の上部を覆う覆い部材をさらに備える、請求項1〜5のいずれかに記載の壁構造体。
【請求項7】
前記覆い部材は、前記第1または第2の壁部材に、高さ調節可能に支持されている、請求項6に記載の壁構造体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−101422(P2008−101422A)
【公開日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−285919(P2006−285919)
【出願日】平成18年10月20日(2006.10.20)
【出願人】(390006231)アップリカ育児研究会アップリカ▲葛▼西株式会社 (97)