壁用型枠ブロックと壁構造並び地中構造物の施工方法
【課題】施工条件の制約を受けにくく、現場で簡便に構築することができる壁用型枠ブロックと壁構造並び地中構造物の施工方法を提供する。
【解決手段】鋼矢板壁103に沿って、壁用型枠ブロックを上下方向に積み上げられると共に左右方向に並べる。そのブロックと鋼矢板壁103との間にコンクリート108を充填して壁体12を形成する。前記ブロックは、幅方向両側に設けられ壁体12の外面を形成する外面部たる外板部2,2と、これら両側の外板部2,2とを連結する連結腕部6とを備える。ブロックを鋼矢板壁103の一側面に沿って上下方向に積み上げると共に左右方向に並べ、ブロックの外板部2と鋼矢板壁103との間に現場打ちコンクリート108を充填することにより、ブロックの外板部2と鋼矢板壁103とにより構成された壁体12を現場で構築することができる。
【解決手段】鋼矢板壁103に沿って、壁用型枠ブロックを上下方向に積み上げられると共に左右方向に並べる。そのブロックと鋼矢板壁103との間にコンクリート108を充填して壁体12を形成する。前記ブロックは、幅方向両側に設けられ壁体12の外面を形成する外面部たる外板部2,2と、これら両側の外板部2,2とを連結する連結腕部6とを備える。ブロックを鋼矢板壁103の一側面に沿って上下方向に積み上げると共に左右方向に並べ、ブロックの外板部2と鋼矢板壁103との間に現場打ちコンクリート108を充填することにより、ブロックの外板部2と鋼矢板壁103とにより構成された壁体12を現場で構築することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現場でコンクリートを充填する壁用型枠ブロックと壁構造並び地中構造物の施工方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のものとして、T型プレキャストブロックを順次積み重ねるとともに、T型プレキャストブロックの控壁中空部より突出してなるポスト鉄筋を延長して、T型プレキャストブロックの控壁部内に配筋し、胴込コンクリートの打設により側壁を形成するものがある(例えば特許文献1)。しかし、この壁構造では、隣り合う控壁中空部の間に隙間ができるため、壁体を控壁中空部の幅に形成するには、壁体の外側に別個に型枠材を設けなければならない。
【0003】
ところで、壁体を有する地中構造物の施工において、地中構造物を敷設する箇所の両側に、連続地中壁を設けた後、それら連続地中壁の間を掘削する(例えば特許文献2)場合がある。そして、前記連続地中壁には矢板などが用いられ、この土留め壁となる矢板には背面土圧が加わるため、現場によっては、連続地中壁の倒れを防止するために、両側の連続地中壁の間に切り梁が複数段に設けられる。
【0004】
そして、現場打ちコンクリートにより、上記のような掘削孔に地中構造物の壁体を構築するには、型枠組み作業において、前記切り梁が邪魔になり、作業性が低下する問題がある。
【特許文献1】実用新案登録第3051350号公報(0004段)
【特許文献2】特開平11−11582号公報(図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明は、施工条件による制約を受けにくく、現場で簡便に構築することができる壁用型枠ブロックと壁構造並び地中構造物の施工方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
また、請求項1の発明は、上下方向に積み上げられると共に壁左右方向に並べて設けられ、内部にコンクリートを充填して壁体を形成する壁用型枠ブロックであって、幅方向両側に設けられ前記壁体の外面を形成する外面部と、これら両側の外面部とを連結する連結腕部とを備え、前記連結腕部は、前記外面部の両側に設けられ、前記ブロック相互が上下に積み上げ可能であるものである。
【0007】
また、請求項2の発明は、前記連結腕部は、前記外面部の両側及び中央に設けられているものである。
【0008】
また、請求項3の発明は、上下方向に間隔を置いて複数設けられているものである。
【0009】
また、請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の壁用型枠ブロックを上下方向に積み上げられると共に左右方向に並べ、前記両側の外面部の間にコンクリートを充填してなるものである。
【0010】
また、請求項5の発明は、請求項4記載の壁構造を備えた地中構造物の施工方法において、開削孔の側面に沿って前記壁構造を設ける際、前記開削孔の側面に沿って、前記壁用型枠ブロックを左右方向に並べると共に壁構造の途中の高さまで積み上げた後、コンクリートを充填し、前記壁用型枠ブロックの積み上げと前記コンクリートの充填を複数回分けて所定高さ毎に行う方法である。
【0011】
また、請求項6の発明は、前記型枠構成体により前記開削孔の側面の土留めを施し、両側の前記型枠構成体の間に切り梁を上下多段に設ける方法である。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の壁用型枠ブロックによれば、ブロックを上下方向に積み上げると共に左右方向に並べ、ブロックの両側の外面部の間に現場打ちコンクリートを充填することにより、両側がブロックの外面部により構成された壁構造を現場で構築することができる。
【0013】
また、請求項2の壁用型枠ブロックによれば、連結腕部は、外面部の両側及び中央に設けられている。
【0014】
また、請求項3の壁用型枠ブロックによれば、連結腕部は、上下方向に間隔を置いて複数設けられている。
【0015】
また、請求項4の壁構造によれば、ブロックの両面を型枠に利用して、壁構造を現場で簡便に構築することができる。
【0016】
また、請求項5の施工方法によれば、開削孔の側面間に切り梁などを設けるなどして施工に制約がある現場でも、ブロックを途中まで積み上げて壁構造の一部を構築した後、切り梁を取外し、その途中の壁構造の上にブロックを積み重ね、高さ方向に複数回に分けてコンクリートを打設することにより、壁構造を構築できる。
【0017】
また、請求項6の施工方法によれば、型枠構成体により前記開削孔の側面の土留めを施し、両側の前記型枠構成体の間に切り梁を上下多段に設ける。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明における好適な実施の形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成の全てが、本発明の必須要件であるとは限らない。各実施例では、従来とは異なる新規な構成を採用することにより、従来にない機能を付加した壁用型枠ブロックと壁構造並び地中構造物の施工方法が得られ、そのブロックと施工方法を夫々記述する。
【0019】
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して説明する。図1〜図6は本発明の参考例1を示す。図4〜図5などに示すように、開削孔101の側面には、鋼矢板102が連続する鋼矢板壁103が形成されている。そして、実際の施工においては、開削孔101の側面位置に矢板たる鋼矢板102を打設して連続した鋼矢板壁103を形成した後、両側の鋼矢板壁103,103の間を掘削して開削孔101を形成する。
【0020】
このような現場で壁構造を形成する際、壁用型枠ブロック1を用いる。図1に示すように、その壁用型枠ブロック1は、縦方向より幅方向の大きな外面部たる外板部2と、この外板部2の両端側に設けられ内面側に突出された腕部3,3とを一体に備え、前記外板部2は正面長方形形状で平板状をなし、さらに、前記外板部2の内面には複数の鉄筋4を突設し、この鉄筋4は幅方向に並んで上下複数段に配置されている。尚、この鉄筋4はコ字状のジベルである。そして、前記外板部2と腕部3,3の上,下面5,5が水平で平坦に形成されて、ブロック1,1相互が上下に積み上げ可能となっており、積み上げ状態で自立する。また、前記外板部2と腕部3とは同一厚さであり、前記鉄筋4の先端と外板部2との間隔である鉄筋突出寸法は、前記腕部3の突出寸法より大である。
【0021】
図2は、調整用の壁用型枠ブロック1Aを示し、このブロック1Aは高さ寸法が前記ブロック1の略2分の1で、鉄筋4が一段に設けられている以外は前記ブロック1と同一構成である。尚、ブロック1,1Aはプレキャストコンクリート製である。また、その型枠用ブロック1Aのみを用いて壁構造を構築するようにしてもよい。
【0022】
通路や水路などを構成する地中構造物11は、その壁体12に前記ブロック1,1Aを用いる。また、構造物11の底版部13と壁体12との間に位置するコーナー部14には、プレキャストコンクリート製の基礎ブロック21を用いる。
【0023】
この基礎ブロック21は、断面略L型で、前記ブロック1,1Aを重ねる上面部22と、地中構造物11の中央側に向いた縦方向の底版形成面23とを備え、前記上面部22の内端と底版形成面23の上端とを凹状彎曲面24により連結している。前記基礎ブロック21の上面部22及び底版形成面23には複数の連結鉄筋25が突設されている。これら連結鉄筋25が現場打ちコンクリートに埋設されることにより、壁体12のコンクリートと底版部13のコンクリートと前記基礎ブロック21が一体化される。また、前記ブロック1,1Aは基礎ブロック21より構造物長さ方向に長く形成されている。
【0024】
次に、前記構成につき、施工方法を合わせて説明すると、開削孔101には、両側の鋼矢板壁103,103の間に切り梁104,104Aを上下多段に設ける(図中は上下2段を図示)。この例では、鋼矢板壁103が型枠構成体である。鋼矢板壁103により開削孔101の側面の土留めを施した後、開削孔101の底部を均し、地中構造物11の基礎として、前記開削孔101の底部に基礎砕石層105を設け、この基礎砕石層105の上に現場打ちコンクリートにより基礎コンクリート層106を形成し、この基礎コンクリート層106の上面を平坦に形成する。
【0025】
このようにして基礎が完成したら、底版形成面23を中央側に向けて、開削孔101の幅方向両側に基礎ブロック21を該開削孔101の長さ方向に複数並べる。この後、両側の基礎ブロック21の間で基礎上に現場打ちコンクリートを打設し、この現場打ちコンクリート部107と両側の基礎ブロック21とが一体となって前記底版部13が形成される。また、前記基礎ブロック21の上にブロック1を積み上げ、腕部3の先端と鋼矢板壁103との間に所定の間隔を置く。また、左右方向に隣り合うブロック1,1同士は腕部3,3の端面を突き合わせる。この例では、ブロック1を上下4段に積み重ねるが、まず、下段の切り梁104Aの下までブロック1を重ねる。この場合、切り梁104Aは下から2段目のブロック1の位置にあるから、その下の1段目のブロック1を並べる。並べたブロック1は、コンクリートを充填するまで、必要に応じて適宜手段により仮固定するようにしても良い。このようにして切り梁104Aの下までブロック1を並べたら、図5に示すように、ブロック1の内面と鋼矢板壁103との間に、ブロック1の上部高さ位置まで現場打ちコンクリート108を充填する。尚、この場合、この壁構造における1回目のコンクリートの打設と、前記現場打ちコンクリート部107のコンクリートの打設を同時に行ってもよい。現場打ちコンクリート108が所定の強度まで硬化したら、鋼矢板壁103と該コンクリート108とブロック1とが一体となった壁構造の下部が形成され、この壁構造の下部により鋼矢板壁103を押える力が得られる。したがって、ブロック1の上の切り梁104Aを外すことができ、この切り梁104Aを外した後、上段の切り梁104の下までブロック1を重ね合わせ、すなわち、この例では、ブロック1を基礎ブロック21の上に三段に重ね合わせた後、ブロック1と鋼矢板壁103との間に現場打ちコンクリート108を充填し、このコンクリート108が所定の強度まで硬化したら、上段の切り梁104を取外し、この外した部分にブロック1を重ね合わせ、ブロック1と鋼矢板壁103の上部に現場打ちコンクリート108を充填し、このようにして開削孔101の下部から上部に至る壁構造たる壁体12を形成する。
【0026】
尚、図中109は壁体12の上部に設けた天端ブロックであり、プレキャストコンクリート製である。また、地中構造物11の上部は開口していてもよいし、蓋体(図示せず)などにより閉塞していてもよい。また、図6の斜視図では、鋼矢板102及び鋼矢板壁103を図示省略している。
【0027】
このように参考例では、縦方向の型枠構成体である鋼矢板壁103の一側面に沿って上下方向に積み上げられると共に左右方向に並べて設けられ、鋼矢板壁103との間にコンクリート108を充填して壁体12を形成する壁用型枠ブロック1であって、壁体12の一側面を形成する外面部たる外板部2と、この外板部2の内面に突設された腕部3,3とを備えるから、ブロック1を鋼矢板壁103の一側面に沿って上下方向に積み上げると共に左右方向に並べ、ブロック1の外板部2と鋼矢板壁103との間に現場打ちコンクリート108を充填することにより、一側面がブロック1の外板部2により構成され、他側面が鋼矢板壁により構成された壁体12を現場で構築することができる。
【0028】
また、このように参考例では、上記壁用型枠ブロックを型枠構成体たる鋼矢板壁103の一側面に沿って上下方向に積み上げられると共に左右方向に並べ、外面部たる外板部2と鋼矢板壁103との間にコンクリート108を充填してなるから、ブロックの一側面を型枠に利用して、壁体12を現場で簡便に構築することができる。
【0029】
また、このように参考例では、上記壁構造を備えた地中構造物11の施工方法において、開削孔101の側面に沿って壁構造たる壁体12を設ける際、開削孔101の側面を構成する鋼矢板壁103を型枠構成体として用い、鋼矢板壁103の一側面に沿って、壁用型枠ブロック1を左右方向に並べると共に壁体12の途中の高さまで積み上げた後、コンクリート108を充填し、壁用型枠ブロック1の積み上げとコンクリート108を複数回に分けて所定高さ毎に行うから、開削孔101間に切り梁104,104Aなどを設けるなどして施工に制約がある現場でも、ブロック1を途中まで積み上げて壁体12の一部を構築した後、切り梁104,104Aを取外し、その途中の壁体12の上にブロック1を積み重ね、高さ方向に複数回に分けてコンクリート108を打設することにより、壁体12を構築できる。
【0030】
また、参考例上の効果として、左右両側にプレキャストコンクリート製の基礎ブロック21を並べてコーナー部14を形成し、このコーナー部14の上のブロック1,1…を積み重ねて型枠とし、このブロック1,1…と型枠構成体である鋼矢板壁103との間にコンクリート108を充填して壁体12を形成し、両側のコーナー部14,14の間に現場打ちコンクリート107を打設して底版部13を形成するから、プレキャストコンクリート製のブロック1を型枠に用いると共に、コーナー部14をプレキャストコンクリートのブロック21を用い、これらと現場打ちコンクリート107,108を組み合わせて地中構造物11の構築を簡便に行うことができる。また、型枠の代りとなる外板部2は比較的薄い平板状をなすから、運搬施工性に優れたものとなる。
【0031】
図7〜図8は本発明の参考例2を示し、上記参考例1と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、この例では、図7に示すように、ブロック1は、外板部2の両側上下に腕部3A,3Aが突出し、鉄筋4Aは個々の先端が略鉤型に屈曲したものを用いている。尚、図8の斜視図では、鋼矢板102及び鋼矢板壁103を図示省略している。
【0032】
このように本参考例においても、ブロック1は壁体12の一側面を形成する外面部たる外板部2と、この外板部2の内面に突設された腕部3A,3Aとを備えるから、請求項1,3及び5に対応して、上記参考例1と同様な作用・効果を奏する。
【実施例1】
【0033】
図9〜図13は本発明の第1実施例を示し、上記各参考例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、この例では、図9に示すように、ブロック1Bは、縦方向より幅方向の大きな外面部たる前記外板部2を幅方向両側に備え、これら外板部2,2の両側に設けられこれら外板部2,2を連結する複数の連結腕部6を備える。この連結腕部6は上下方向に間隔を置いて複数設けられ、この例では4段に並んで設けられている。そして、前記外板部2,2の上,下面5,5が水平で平坦に形成されて、ブロック1,1相互が上下に積み上げ可能となっている。
【0034】
図10は、調整用の壁用型枠ブロック1Cを示し、このブロック1Cは前記ブロック1Bを上下に2分割した形状をなし、幅方向両側に設けられ壁体の外面を形成する外板部,2と、これら両側の外板部,2とを連結する連結腕部6,6とを備え、この連結腕部6は一箇所に複数設けられている。また、前記外板部2と連結腕部6とは同一厚さである。
【0035】
通路や水路などを構成する地中構造物11は、その壁体12に前記ブロック1B,1Cを用いる。また、構造物11の底版部13と壁体12とのコーナー部には、プレキャストコンクリート製の前記基礎ブロック21を用いる。
【0036】
次に、前記構成につき、施工方法を合わせて説明すると、開削孔101には、両側の鋼矢板壁103,103の間に切り梁104,104Aを上下多段に設けている(図中は上下2段を図示)。この例では、鋼矢板壁103を型枠して用いる必要はない。上記第1実施例と同様に、開削孔101の底部に基礎を形成したら、底版形成面23を中央側に向けて、開削孔101の幅方向両側に基礎ブロック21を該開削孔101の長さ方向に複数並べる。この後、両側の基礎ブロック21の間に現場打ちコンクリート107を打設し、この現場打ちコンクリート部107と両側の基礎ブロック21とが一体となって前記底版部13が形成される。また、前記基礎ブロック21の上にブロック1Bを積み上げる。この例では、ブロック1Bを上下4段に積み重ねるが、切り梁104Aの下までブロック1Bを重ねる。この場合、切り梁104Aは下から2段目のブロック1Bの位置にあるから、その下の1段目のブロック1Bを並べる。並べたブロック1Bは、コンクリートを充填するまで、必要に応じて適宜手段により仮固定するようにしても良い。このようにして切り梁104Aの下までブロック1Bを並べたら、ブロック1Bの厚さ方向両側の外板部2,2の間に、ブロック1Bの上部高さ位置まで現場打ちコンクリート108を充填する。尚、この場合、この壁構造における1回目のコンクリートの打設と、前記現場打ちコンクリート部107のコンクリートの打設を同時に行ってもよい。さらに、ブロック1Bと鋼矢板壁103との間に、土砂などの埋め戻し材111を充填して埋め戻す。現場打ちコンクリート108が所定の強度まで硬化したら、幅方向両側の外板部2,2が型枠代わりとなって、並べたブロック1Bとコンクリート108とブロック1とが一体となった壁体12の下部が形成され、この壁体12の下部により鋼矢板壁103を押える力が得られる。したがって、ブロック1Bの上の切り梁104Aを外すことができ、この切り梁104Aを外した後、上段の切り梁104の下までブロック1Bを重ね合わせ、すなわち、この例では、ブロック1Bを基礎ブロック21の上に三段に重ね合わせた後、ブロック1Bの外板部2,2の間に現場打ちコンクリート108を充填し、さらに、ブロック1Bと鋼矢板壁103との間に、土砂などの埋め戻し材111を充填して埋め戻し、コンクリート108が所定の強度まで硬化したら、上段の切り梁104を取外し、この外した部分にブロック1Bを重ね合わせ、ブロック1Bと鋼矢板壁103の上部に現場打ちコンクリート108を充填し、さらに、ブロック1Bと鋼矢板壁103との間に、土砂などの埋め戻し材111を充填して埋め戻し、このようにして開削孔101の下部から上部に至る壁構造たる壁体12を形成する。
【0037】
したがって、壁体12が完成した後は、必要に応じて鋼矢板102を引き抜くようにしてもよい。一方、埋め戻し材に現場打ちコンクリートを用いれば、壁体12と鋼矢板壁103とが一体化されて強度的に優れた壁構造が得られ、この場合は鋼矢板102は引き抜かない。
【0038】
尚、地中構造物11の上部は開口していてもよいし、蓋体(図示せず)などにより閉塞していてもよい。尚、図13の斜視図では、鋼矢板102及び鋼矢板壁103を図示省略している。
【0039】
このように本実施例では、請求項1に対応して、上下方向に積み上げられると共に壁左右方向に並べて設けられ、内部にコンクリート108を充填して壁体12を形成する壁用型枠ブロック1Bであって、幅方向両側に設けられ壁体12の外面を形成する外面部たる外板部2,2と、これら両側の外板部2,2とを連結する連結腕部6とを備え、連結腕部6は、外面部2の両側に設けられ、ブロック1B,1B相互が上下に積み上げ可能であるから、ブロック1Bを上下方向に積み上げると共に左右方向に並べ、ブロック1Bの両側の外板部2,2の間に現場打ちコンクリート108を充填することにより、両側がブロック1Bの外板部2,2により構成された壁体12を現場で構築することができる。
【0040】
また、このように本実施例では、請求項3に対応して、連結腕部6は、上下方向に間隔を置いて複数設けられている。
【0041】
また、このように本実施例では、請求項4に対応して、前記壁用型枠ブロック1Bを上下方向に積み上げられると共に左右方向に並べ、両側の外面部たる外板部2,2の間にコンクリート108を充填してなるから、ブロック1Bの両面を型枠に利用して、壁体12を現場で簡便に構築することができる。
【0042】
また、このように本実施例では、請求項5に対応して、請求項4記載の壁構造を備えた地中構造物の施工方法において、開削孔101の側面に沿って壁構造たる壁体12を設ける際、開削孔101の側面に沿って、壁用型枠ブロック1Bを左右方向に並べると共に壁体12の途中の高さまで積み上げた後、コンクリート108を充填し、壁用型枠ブロック1Bの積み上げとコンクリート108の充填を複数回分けて所定高さ毎に行うから、開削孔101の側面間に切り梁104,104Aなどを設けるなどして施工に制約がある現場でも、ブロック1Bを途中まで積み上げて壁体12の一部を構築した後、切り梁104,104Aを取外し、その途中の壁体12の上にブロック1Bを積み重ね、高さ方向に複数回に分けてコンクリート108を打設することにより、壁体12を構築できる。
【0043】
また、このように本実施例では、請求項6に対応して、型枠構成体たる鋼矢板壁103により開削孔101の側面の土留めを施し、両側の鋼矢板壁103,103の間に切り梁104,104Aを上下多段に設ける。
また、両側の外板部2が型枠代わりとなるから、他に型枠構成体の無い現場でも、壁構造を簡便に構築することができる。
【実施例2】
【0044】
図14〜図15は本発明の第2実施例を示し、上記各参考例及び実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、この例では、図14に示すように、ブロック1Bは、縦方向より幅方向の大きな外面部たる前記外板部2を幅方向両側に備え、これら外板部2,2の両側及び中央に設けられこれら外板部2,2を連結する複数の連結腕部6を備える。この連結腕部6は上下方向に間隔を置いて複数設けられ、この例では2段に並んで設けられている。そして、前記外板部2,2の上,下面5,5が水平で平坦に形成されて、ブロック1,1相互が上下に積み上げ可能となっている。
【0045】
このように本実施例においても、ブロック1Bは幅方向両側に設けられ壁体12の外面を形成する外面部2,2と、これら両側の外面部2,2とを連結する連結腕部6とを備え、連結腕部6は、外面部2,2の両側及び中央に設けられ、また、連結腕部6は、上下方向に間隔を置いて複数設けられているから、請求項1〜6に対応して、上記第1実施例と同様な作用・効果を奏する。
【実施例3】
【0046】
図16〜図17は本発明の第3実施例を示し、上記各参考例及び実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、この例では、図16に示すように、ブロック1Cは、縦方向より幅方向の大きな外面部たる前記外板部2を幅方向両側に備え、これら外板部2,2の両側及び中央に設けられこれら外板部2,2を連結する連結腕部6を備える。この連結腕部6は両側及び中央にそれぞれ1本ずつ設けられている。そして、前記外板部2,2の上,下面5,5が水平で平坦に形成されて、ブロック1,1相互が上下に積み上げ可能となっている。また、このブロック1Cの外板部2は前記ブロック1Bの外板部2を上下に2分割した形状をなすから、壁体12の途中でコンクリート108を充填する場合、高さ寸法の調整を細かく行うことができる。
【0047】
このように本実施例においても、ブロック1Bは幅方向両側に設けられ壁体12の外面を形成する外面部2,2と、これら両側の外面部2,2とを連結する連結腕部6とを備え、請求項1,2,4,5及び6に対応して、上記第2実施例と同様な作用・効果を奏する。
【実施例4】
【0048】
図18は本発明の第4実施例を示し、上記各実施と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、この例では、第3実施例の地中構造物11において、コーナー部14に基礎ブロックを用いることなく、コーナー部14を含む底版部13を現場打ちコンクリート107により形成しており、このように地中構造物11の底版部13全体を現場打ちコンクリートにより施工したり、図示しないが底版部13全体をプレキャストコンクリート製にすることができる。
【0049】
なお、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。例えば、ブロックの大きさや形状などは適宜選定可能である。また、壁構造に用いるブロックは少なくとも複数段(2段)以上に積み重ねて使用すればよい。さらに、請求項1〜2においては、地中構造物以外の壁構造に適用することができる。また、地中構造物には、完全に地中に埋めたもの以外に、上部が開口したものも含まれる。また、ブロックに設ける腕部及び連結腕部の数及び配置は適宜選定可能である。
【産業上の利用可能性】
【0050】
以上のように、本発明に係わる壁用型枠ブロックと壁構造並び地中構造物の施工方法は、施工条件の制約を受けにくく、現場で簡便に構築することができる壁用型枠ブロックと壁構造並び地中構造物の施工方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の参考例1を示すブロックの斜視図である。
【図2】同上、図1のブロックの2分の1の高さを有するブロックの斜視図である。
【図3】同上、基礎ブロックの斜視図である。
【図4】同上、地中構造物の断面図である。
【図5】同上、施工中の地中構造物の断面図である。
【図6】同上、施工中の地中構造物の斜視図である。
【図7】本発明の参考例2を示すブロックの斜視図である。
【図8】同上、施工中の地中構造物の斜視図である。
【図9】本発明の第1実施例を示すブロックの斜視図である。
【図10】同上、図9のブロックの2分の1の高さを有するブロックの斜視図である。
【図11】同上、地中構造物の断面図である。
【図12】同上、施工中の地中構造物の断面図である。
【図13】同上、施工中の地中構造物の斜視図である。
【図14】本発明の第2実施例を示すブロックの斜視図である。
【図15】同上、施工中の地中構造物の斜視図である。
【図16】本発明の第3実施例を示すブロックの斜視図である。
【図17】同上、施工中の地中構造物の斜視図である。
【図18】本発明の第4実施例を示す施工中の地中構造物の斜視図である。
【符号の説明】
【0052】
1,1A 壁用型枠ブロック
1B,1C 壁用型枠ブロック
2 外板部(外面部)
3 腕部
6 連結腕部
11 地中構造物
12 壁体(壁構造)
101 開削孔
103 鋼矢板壁(型枠構成体)
108 現場打ちコンクリート
【技術分野】
【0001】
本発明は、現場でコンクリートを充填する壁用型枠ブロックと壁構造並び地中構造物の施工方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のものとして、T型プレキャストブロックを順次積み重ねるとともに、T型プレキャストブロックの控壁中空部より突出してなるポスト鉄筋を延長して、T型プレキャストブロックの控壁部内に配筋し、胴込コンクリートの打設により側壁を形成するものがある(例えば特許文献1)。しかし、この壁構造では、隣り合う控壁中空部の間に隙間ができるため、壁体を控壁中空部の幅に形成するには、壁体の外側に別個に型枠材を設けなければならない。
【0003】
ところで、壁体を有する地中構造物の施工において、地中構造物を敷設する箇所の両側に、連続地中壁を設けた後、それら連続地中壁の間を掘削する(例えば特許文献2)場合がある。そして、前記連続地中壁には矢板などが用いられ、この土留め壁となる矢板には背面土圧が加わるため、現場によっては、連続地中壁の倒れを防止するために、両側の連続地中壁の間に切り梁が複数段に設けられる。
【0004】
そして、現場打ちコンクリートにより、上記のような掘削孔に地中構造物の壁体を構築するには、型枠組み作業において、前記切り梁が邪魔になり、作業性が低下する問題がある。
【特許文献1】実用新案登録第3051350号公報(0004段)
【特許文献2】特開平11−11582号公報(図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明は、施工条件による制約を受けにくく、現場で簡便に構築することができる壁用型枠ブロックと壁構造並び地中構造物の施工方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
また、請求項1の発明は、上下方向に積み上げられると共に壁左右方向に並べて設けられ、内部にコンクリートを充填して壁体を形成する壁用型枠ブロックであって、幅方向両側に設けられ前記壁体の外面を形成する外面部と、これら両側の外面部とを連結する連結腕部とを備え、前記連結腕部は、前記外面部の両側に設けられ、前記ブロック相互が上下に積み上げ可能であるものである。
【0007】
また、請求項2の発明は、前記連結腕部は、前記外面部の両側及び中央に設けられているものである。
【0008】
また、請求項3の発明は、上下方向に間隔を置いて複数設けられているものである。
【0009】
また、請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の壁用型枠ブロックを上下方向に積み上げられると共に左右方向に並べ、前記両側の外面部の間にコンクリートを充填してなるものである。
【0010】
また、請求項5の発明は、請求項4記載の壁構造を備えた地中構造物の施工方法において、開削孔の側面に沿って前記壁構造を設ける際、前記開削孔の側面に沿って、前記壁用型枠ブロックを左右方向に並べると共に壁構造の途中の高さまで積み上げた後、コンクリートを充填し、前記壁用型枠ブロックの積み上げと前記コンクリートの充填を複数回分けて所定高さ毎に行う方法である。
【0011】
また、請求項6の発明は、前記型枠構成体により前記開削孔の側面の土留めを施し、両側の前記型枠構成体の間に切り梁を上下多段に設ける方法である。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の壁用型枠ブロックによれば、ブロックを上下方向に積み上げると共に左右方向に並べ、ブロックの両側の外面部の間に現場打ちコンクリートを充填することにより、両側がブロックの外面部により構成された壁構造を現場で構築することができる。
【0013】
また、請求項2の壁用型枠ブロックによれば、連結腕部は、外面部の両側及び中央に設けられている。
【0014】
また、請求項3の壁用型枠ブロックによれば、連結腕部は、上下方向に間隔を置いて複数設けられている。
【0015】
また、請求項4の壁構造によれば、ブロックの両面を型枠に利用して、壁構造を現場で簡便に構築することができる。
【0016】
また、請求項5の施工方法によれば、開削孔の側面間に切り梁などを設けるなどして施工に制約がある現場でも、ブロックを途中まで積み上げて壁構造の一部を構築した後、切り梁を取外し、その途中の壁構造の上にブロックを積み重ね、高さ方向に複数回に分けてコンクリートを打設することにより、壁構造を構築できる。
【0017】
また、請求項6の施工方法によれば、型枠構成体により前記開削孔の側面の土留めを施し、両側の前記型枠構成体の間に切り梁を上下多段に設ける。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明における好適な実施の形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成の全てが、本発明の必須要件であるとは限らない。各実施例では、従来とは異なる新規な構成を採用することにより、従来にない機能を付加した壁用型枠ブロックと壁構造並び地中構造物の施工方法が得られ、そのブロックと施工方法を夫々記述する。
【0019】
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して説明する。図1〜図6は本発明の参考例1を示す。図4〜図5などに示すように、開削孔101の側面には、鋼矢板102が連続する鋼矢板壁103が形成されている。そして、実際の施工においては、開削孔101の側面位置に矢板たる鋼矢板102を打設して連続した鋼矢板壁103を形成した後、両側の鋼矢板壁103,103の間を掘削して開削孔101を形成する。
【0020】
このような現場で壁構造を形成する際、壁用型枠ブロック1を用いる。図1に示すように、その壁用型枠ブロック1は、縦方向より幅方向の大きな外面部たる外板部2と、この外板部2の両端側に設けられ内面側に突出された腕部3,3とを一体に備え、前記外板部2は正面長方形形状で平板状をなし、さらに、前記外板部2の内面には複数の鉄筋4を突設し、この鉄筋4は幅方向に並んで上下複数段に配置されている。尚、この鉄筋4はコ字状のジベルである。そして、前記外板部2と腕部3,3の上,下面5,5が水平で平坦に形成されて、ブロック1,1相互が上下に積み上げ可能となっており、積み上げ状態で自立する。また、前記外板部2と腕部3とは同一厚さであり、前記鉄筋4の先端と外板部2との間隔である鉄筋突出寸法は、前記腕部3の突出寸法より大である。
【0021】
図2は、調整用の壁用型枠ブロック1Aを示し、このブロック1Aは高さ寸法が前記ブロック1の略2分の1で、鉄筋4が一段に設けられている以外は前記ブロック1と同一構成である。尚、ブロック1,1Aはプレキャストコンクリート製である。また、その型枠用ブロック1Aのみを用いて壁構造を構築するようにしてもよい。
【0022】
通路や水路などを構成する地中構造物11は、その壁体12に前記ブロック1,1Aを用いる。また、構造物11の底版部13と壁体12との間に位置するコーナー部14には、プレキャストコンクリート製の基礎ブロック21を用いる。
【0023】
この基礎ブロック21は、断面略L型で、前記ブロック1,1Aを重ねる上面部22と、地中構造物11の中央側に向いた縦方向の底版形成面23とを備え、前記上面部22の内端と底版形成面23の上端とを凹状彎曲面24により連結している。前記基礎ブロック21の上面部22及び底版形成面23には複数の連結鉄筋25が突設されている。これら連結鉄筋25が現場打ちコンクリートに埋設されることにより、壁体12のコンクリートと底版部13のコンクリートと前記基礎ブロック21が一体化される。また、前記ブロック1,1Aは基礎ブロック21より構造物長さ方向に長く形成されている。
【0024】
次に、前記構成につき、施工方法を合わせて説明すると、開削孔101には、両側の鋼矢板壁103,103の間に切り梁104,104Aを上下多段に設ける(図中は上下2段を図示)。この例では、鋼矢板壁103が型枠構成体である。鋼矢板壁103により開削孔101の側面の土留めを施した後、開削孔101の底部を均し、地中構造物11の基礎として、前記開削孔101の底部に基礎砕石層105を設け、この基礎砕石層105の上に現場打ちコンクリートにより基礎コンクリート層106を形成し、この基礎コンクリート層106の上面を平坦に形成する。
【0025】
このようにして基礎が完成したら、底版形成面23を中央側に向けて、開削孔101の幅方向両側に基礎ブロック21を該開削孔101の長さ方向に複数並べる。この後、両側の基礎ブロック21の間で基礎上に現場打ちコンクリートを打設し、この現場打ちコンクリート部107と両側の基礎ブロック21とが一体となって前記底版部13が形成される。また、前記基礎ブロック21の上にブロック1を積み上げ、腕部3の先端と鋼矢板壁103との間に所定の間隔を置く。また、左右方向に隣り合うブロック1,1同士は腕部3,3の端面を突き合わせる。この例では、ブロック1を上下4段に積み重ねるが、まず、下段の切り梁104Aの下までブロック1を重ねる。この場合、切り梁104Aは下から2段目のブロック1の位置にあるから、その下の1段目のブロック1を並べる。並べたブロック1は、コンクリートを充填するまで、必要に応じて適宜手段により仮固定するようにしても良い。このようにして切り梁104Aの下までブロック1を並べたら、図5に示すように、ブロック1の内面と鋼矢板壁103との間に、ブロック1の上部高さ位置まで現場打ちコンクリート108を充填する。尚、この場合、この壁構造における1回目のコンクリートの打設と、前記現場打ちコンクリート部107のコンクリートの打設を同時に行ってもよい。現場打ちコンクリート108が所定の強度まで硬化したら、鋼矢板壁103と該コンクリート108とブロック1とが一体となった壁構造の下部が形成され、この壁構造の下部により鋼矢板壁103を押える力が得られる。したがって、ブロック1の上の切り梁104Aを外すことができ、この切り梁104Aを外した後、上段の切り梁104の下までブロック1を重ね合わせ、すなわち、この例では、ブロック1を基礎ブロック21の上に三段に重ね合わせた後、ブロック1と鋼矢板壁103との間に現場打ちコンクリート108を充填し、このコンクリート108が所定の強度まで硬化したら、上段の切り梁104を取外し、この外した部分にブロック1を重ね合わせ、ブロック1と鋼矢板壁103の上部に現場打ちコンクリート108を充填し、このようにして開削孔101の下部から上部に至る壁構造たる壁体12を形成する。
【0026】
尚、図中109は壁体12の上部に設けた天端ブロックであり、プレキャストコンクリート製である。また、地中構造物11の上部は開口していてもよいし、蓋体(図示せず)などにより閉塞していてもよい。また、図6の斜視図では、鋼矢板102及び鋼矢板壁103を図示省略している。
【0027】
このように参考例では、縦方向の型枠構成体である鋼矢板壁103の一側面に沿って上下方向に積み上げられると共に左右方向に並べて設けられ、鋼矢板壁103との間にコンクリート108を充填して壁体12を形成する壁用型枠ブロック1であって、壁体12の一側面を形成する外面部たる外板部2と、この外板部2の内面に突設された腕部3,3とを備えるから、ブロック1を鋼矢板壁103の一側面に沿って上下方向に積み上げると共に左右方向に並べ、ブロック1の外板部2と鋼矢板壁103との間に現場打ちコンクリート108を充填することにより、一側面がブロック1の外板部2により構成され、他側面が鋼矢板壁により構成された壁体12を現場で構築することができる。
【0028】
また、このように参考例では、上記壁用型枠ブロックを型枠構成体たる鋼矢板壁103の一側面に沿って上下方向に積み上げられると共に左右方向に並べ、外面部たる外板部2と鋼矢板壁103との間にコンクリート108を充填してなるから、ブロックの一側面を型枠に利用して、壁体12を現場で簡便に構築することができる。
【0029】
また、このように参考例では、上記壁構造を備えた地中構造物11の施工方法において、開削孔101の側面に沿って壁構造たる壁体12を設ける際、開削孔101の側面を構成する鋼矢板壁103を型枠構成体として用い、鋼矢板壁103の一側面に沿って、壁用型枠ブロック1を左右方向に並べると共に壁体12の途中の高さまで積み上げた後、コンクリート108を充填し、壁用型枠ブロック1の積み上げとコンクリート108を複数回に分けて所定高さ毎に行うから、開削孔101間に切り梁104,104Aなどを設けるなどして施工に制約がある現場でも、ブロック1を途中まで積み上げて壁体12の一部を構築した後、切り梁104,104Aを取外し、その途中の壁体12の上にブロック1を積み重ね、高さ方向に複数回に分けてコンクリート108を打設することにより、壁体12を構築できる。
【0030】
また、参考例上の効果として、左右両側にプレキャストコンクリート製の基礎ブロック21を並べてコーナー部14を形成し、このコーナー部14の上のブロック1,1…を積み重ねて型枠とし、このブロック1,1…と型枠構成体である鋼矢板壁103との間にコンクリート108を充填して壁体12を形成し、両側のコーナー部14,14の間に現場打ちコンクリート107を打設して底版部13を形成するから、プレキャストコンクリート製のブロック1を型枠に用いると共に、コーナー部14をプレキャストコンクリートのブロック21を用い、これらと現場打ちコンクリート107,108を組み合わせて地中構造物11の構築を簡便に行うことができる。また、型枠の代りとなる外板部2は比較的薄い平板状をなすから、運搬施工性に優れたものとなる。
【0031】
図7〜図8は本発明の参考例2を示し、上記参考例1と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、この例では、図7に示すように、ブロック1は、外板部2の両側上下に腕部3A,3Aが突出し、鉄筋4Aは個々の先端が略鉤型に屈曲したものを用いている。尚、図8の斜視図では、鋼矢板102及び鋼矢板壁103を図示省略している。
【0032】
このように本参考例においても、ブロック1は壁体12の一側面を形成する外面部たる外板部2と、この外板部2の内面に突設された腕部3A,3Aとを備えるから、請求項1,3及び5に対応して、上記参考例1と同様な作用・効果を奏する。
【実施例1】
【0033】
図9〜図13は本発明の第1実施例を示し、上記各参考例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、この例では、図9に示すように、ブロック1Bは、縦方向より幅方向の大きな外面部たる前記外板部2を幅方向両側に備え、これら外板部2,2の両側に設けられこれら外板部2,2を連結する複数の連結腕部6を備える。この連結腕部6は上下方向に間隔を置いて複数設けられ、この例では4段に並んで設けられている。そして、前記外板部2,2の上,下面5,5が水平で平坦に形成されて、ブロック1,1相互が上下に積み上げ可能となっている。
【0034】
図10は、調整用の壁用型枠ブロック1Cを示し、このブロック1Cは前記ブロック1Bを上下に2分割した形状をなし、幅方向両側に設けられ壁体の外面を形成する外板部,2と、これら両側の外板部,2とを連結する連結腕部6,6とを備え、この連結腕部6は一箇所に複数設けられている。また、前記外板部2と連結腕部6とは同一厚さである。
【0035】
通路や水路などを構成する地中構造物11は、その壁体12に前記ブロック1B,1Cを用いる。また、構造物11の底版部13と壁体12とのコーナー部には、プレキャストコンクリート製の前記基礎ブロック21を用いる。
【0036】
次に、前記構成につき、施工方法を合わせて説明すると、開削孔101には、両側の鋼矢板壁103,103の間に切り梁104,104Aを上下多段に設けている(図中は上下2段を図示)。この例では、鋼矢板壁103を型枠して用いる必要はない。上記第1実施例と同様に、開削孔101の底部に基礎を形成したら、底版形成面23を中央側に向けて、開削孔101の幅方向両側に基礎ブロック21を該開削孔101の長さ方向に複数並べる。この後、両側の基礎ブロック21の間に現場打ちコンクリート107を打設し、この現場打ちコンクリート部107と両側の基礎ブロック21とが一体となって前記底版部13が形成される。また、前記基礎ブロック21の上にブロック1Bを積み上げる。この例では、ブロック1Bを上下4段に積み重ねるが、切り梁104Aの下までブロック1Bを重ねる。この場合、切り梁104Aは下から2段目のブロック1Bの位置にあるから、その下の1段目のブロック1Bを並べる。並べたブロック1Bは、コンクリートを充填するまで、必要に応じて適宜手段により仮固定するようにしても良い。このようにして切り梁104Aの下までブロック1Bを並べたら、ブロック1Bの厚さ方向両側の外板部2,2の間に、ブロック1Bの上部高さ位置まで現場打ちコンクリート108を充填する。尚、この場合、この壁構造における1回目のコンクリートの打設と、前記現場打ちコンクリート部107のコンクリートの打設を同時に行ってもよい。さらに、ブロック1Bと鋼矢板壁103との間に、土砂などの埋め戻し材111を充填して埋め戻す。現場打ちコンクリート108が所定の強度まで硬化したら、幅方向両側の外板部2,2が型枠代わりとなって、並べたブロック1Bとコンクリート108とブロック1とが一体となった壁体12の下部が形成され、この壁体12の下部により鋼矢板壁103を押える力が得られる。したがって、ブロック1Bの上の切り梁104Aを外すことができ、この切り梁104Aを外した後、上段の切り梁104の下までブロック1Bを重ね合わせ、すなわち、この例では、ブロック1Bを基礎ブロック21の上に三段に重ね合わせた後、ブロック1Bの外板部2,2の間に現場打ちコンクリート108を充填し、さらに、ブロック1Bと鋼矢板壁103との間に、土砂などの埋め戻し材111を充填して埋め戻し、コンクリート108が所定の強度まで硬化したら、上段の切り梁104を取外し、この外した部分にブロック1Bを重ね合わせ、ブロック1Bと鋼矢板壁103の上部に現場打ちコンクリート108を充填し、さらに、ブロック1Bと鋼矢板壁103との間に、土砂などの埋め戻し材111を充填して埋め戻し、このようにして開削孔101の下部から上部に至る壁構造たる壁体12を形成する。
【0037】
したがって、壁体12が完成した後は、必要に応じて鋼矢板102を引き抜くようにしてもよい。一方、埋め戻し材に現場打ちコンクリートを用いれば、壁体12と鋼矢板壁103とが一体化されて強度的に優れた壁構造が得られ、この場合は鋼矢板102は引き抜かない。
【0038】
尚、地中構造物11の上部は開口していてもよいし、蓋体(図示せず)などにより閉塞していてもよい。尚、図13の斜視図では、鋼矢板102及び鋼矢板壁103を図示省略している。
【0039】
このように本実施例では、請求項1に対応して、上下方向に積み上げられると共に壁左右方向に並べて設けられ、内部にコンクリート108を充填して壁体12を形成する壁用型枠ブロック1Bであって、幅方向両側に設けられ壁体12の外面を形成する外面部たる外板部2,2と、これら両側の外板部2,2とを連結する連結腕部6とを備え、連結腕部6は、外面部2の両側に設けられ、ブロック1B,1B相互が上下に積み上げ可能であるから、ブロック1Bを上下方向に積み上げると共に左右方向に並べ、ブロック1Bの両側の外板部2,2の間に現場打ちコンクリート108を充填することにより、両側がブロック1Bの外板部2,2により構成された壁体12を現場で構築することができる。
【0040】
また、このように本実施例では、請求項3に対応して、連結腕部6は、上下方向に間隔を置いて複数設けられている。
【0041】
また、このように本実施例では、請求項4に対応して、前記壁用型枠ブロック1Bを上下方向に積み上げられると共に左右方向に並べ、両側の外面部たる外板部2,2の間にコンクリート108を充填してなるから、ブロック1Bの両面を型枠に利用して、壁体12を現場で簡便に構築することができる。
【0042】
また、このように本実施例では、請求項5に対応して、請求項4記載の壁構造を備えた地中構造物の施工方法において、開削孔101の側面に沿って壁構造たる壁体12を設ける際、開削孔101の側面に沿って、壁用型枠ブロック1Bを左右方向に並べると共に壁体12の途中の高さまで積み上げた後、コンクリート108を充填し、壁用型枠ブロック1Bの積み上げとコンクリート108の充填を複数回分けて所定高さ毎に行うから、開削孔101の側面間に切り梁104,104Aなどを設けるなどして施工に制約がある現場でも、ブロック1Bを途中まで積み上げて壁体12の一部を構築した後、切り梁104,104Aを取外し、その途中の壁体12の上にブロック1Bを積み重ね、高さ方向に複数回に分けてコンクリート108を打設することにより、壁体12を構築できる。
【0043】
また、このように本実施例では、請求項6に対応して、型枠構成体たる鋼矢板壁103により開削孔101の側面の土留めを施し、両側の鋼矢板壁103,103の間に切り梁104,104Aを上下多段に設ける。
また、両側の外板部2が型枠代わりとなるから、他に型枠構成体の無い現場でも、壁構造を簡便に構築することができる。
【実施例2】
【0044】
図14〜図15は本発明の第2実施例を示し、上記各参考例及び実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、この例では、図14に示すように、ブロック1Bは、縦方向より幅方向の大きな外面部たる前記外板部2を幅方向両側に備え、これら外板部2,2の両側及び中央に設けられこれら外板部2,2を連結する複数の連結腕部6を備える。この連結腕部6は上下方向に間隔を置いて複数設けられ、この例では2段に並んで設けられている。そして、前記外板部2,2の上,下面5,5が水平で平坦に形成されて、ブロック1,1相互が上下に積み上げ可能となっている。
【0045】
このように本実施例においても、ブロック1Bは幅方向両側に設けられ壁体12の外面を形成する外面部2,2と、これら両側の外面部2,2とを連結する連結腕部6とを備え、連結腕部6は、外面部2,2の両側及び中央に設けられ、また、連結腕部6は、上下方向に間隔を置いて複数設けられているから、請求項1〜6に対応して、上記第1実施例と同様な作用・効果を奏する。
【実施例3】
【0046】
図16〜図17は本発明の第3実施例を示し、上記各参考例及び実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、この例では、図16に示すように、ブロック1Cは、縦方向より幅方向の大きな外面部たる前記外板部2を幅方向両側に備え、これら外板部2,2の両側及び中央に設けられこれら外板部2,2を連結する連結腕部6を備える。この連結腕部6は両側及び中央にそれぞれ1本ずつ設けられている。そして、前記外板部2,2の上,下面5,5が水平で平坦に形成されて、ブロック1,1相互が上下に積み上げ可能となっている。また、このブロック1Cの外板部2は前記ブロック1Bの外板部2を上下に2分割した形状をなすから、壁体12の途中でコンクリート108を充填する場合、高さ寸法の調整を細かく行うことができる。
【0047】
このように本実施例においても、ブロック1Bは幅方向両側に設けられ壁体12の外面を形成する外面部2,2と、これら両側の外面部2,2とを連結する連結腕部6とを備え、請求項1,2,4,5及び6に対応して、上記第2実施例と同様な作用・効果を奏する。
【実施例4】
【0048】
図18は本発明の第4実施例を示し、上記各実施と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、この例では、第3実施例の地中構造物11において、コーナー部14に基礎ブロックを用いることなく、コーナー部14を含む底版部13を現場打ちコンクリート107により形成しており、このように地中構造物11の底版部13全体を現場打ちコンクリートにより施工したり、図示しないが底版部13全体をプレキャストコンクリート製にすることができる。
【0049】
なお、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。例えば、ブロックの大きさや形状などは適宜選定可能である。また、壁構造に用いるブロックは少なくとも複数段(2段)以上に積み重ねて使用すればよい。さらに、請求項1〜2においては、地中構造物以外の壁構造に適用することができる。また、地中構造物には、完全に地中に埋めたもの以外に、上部が開口したものも含まれる。また、ブロックに設ける腕部及び連結腕部の数及び配置は適宜選定可能である。
【産業上の利用可能性】
【0050】
以上のように、本発明に係わる壁用型枠ブロックと壁構造並び地中構造物の施工方法は、施工条件の制約を受けにくく、現場で簡便に構築することができる壁用型枠ブロックと壁構造並び地中構造物の施工方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の参考例1を示すブロックの斜視図である。
【図2】同上、図1のブロックの2分の1の高さを有するブロックの斜視図である。
【図3】同上、基礎ブロックの斜視図である。
【図4】同上、地中構造物の断面図である。
【図5】同上、施工中の地中構造物の断面図である。
【図6】同上、施工中の地中構造物の斜視図である。
【図7】本発明の参考例2を示すブロックの斜視図である。
【図8】同上、施工中の地中構造物の斜視図である。
【図9】本発明の第1実施例を示すブロックの斜視図である。
【図10】同上、図9のブロックの2分の1の高さを有するブロックの斜視図である。
【図11】同上、地中構造物の断面図である。
【図12】同上、施工中の地中構造物の断面図である。
【図13】同上、施工中の地中構造物の斜視図である。
【図14】本発明の第2実施例を示すブロックの斜視図である。
【図15】同上、施工中の地中構造物の斜視図である。
【図16】本発明の第3実施例を示すブロックの斜視図である。
【図17】同上、施工中の地中構造物の斜視図である。
【図18】本発明の第4実施例を示す施工中の地中構造物の斜視図である。
【符号の説明】
【0052】
1,1A 壁用型枠ブロック
1B,1C 壁用型枠ブロック
2 外板部(外面部)
3 腕部
6 連結腕部
11 地中構造物
12 壁体(壁構造)
101 開削孔
103 鋼矢板壁(型枠構成体)
108 現場打ちコンクリート
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向に積み上げられると共に壁左右方向に並べて設けられ、内部にコンクリートを充填して壁体を形成する壁用型枠ブロックであって、幅方向両側に設けられ前記壁体の外面を形成する外面部と、これら両側の外面部とを連結する連結腕部とを備え、前記連結腕部は、前記外面部の両側に設けられ、前記ブロック相互が上下に積み上げ可能であることを特徴とする壁用型枠ブロック。
【請求項2】
前記連結腕部は、前記外面部の両側及び中央に設けられていることを特徴とする請求項1記載の壁用型枠ブロック。
【請求項3】
前記連結腕部は、上下方向に間隔を置いて複数設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の壁用型枠ブロック。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の壁用型枠ブロックを上下方向に積み上げられると共に左右方向に並べ、前記両側の外面部の間にコンクリートを充填してなることを特徴とする壁構造。
【請求項5】
請求項4記載の壁構造を備えた地中構造物の施工方法において、開削孔の側面に沿って前記壁構造を設ける際、前記開削孔の側面に沿って、前記壁用型枠ブロックを左右方向に並べると共に壁構造の途中の高さまで積み上げた後、コンクリートを充填し、前記壁用型枠ブロックの積み上げと前記コンクリートの充填を複数回分けて所定高さ毎に行うことを特徴とする地中構造物の施工方法。
【請求項6】
前記型枠構成体により前記開削孔の側面の土留めを施し、両側の前記型枠構成体の間に切り梁を上下多段に設けることを特徴とする請求項5記載の地中構造物の製造方法。
【請求項1】
上下方向に積み上げられると共に壁左右方向に並べて設けられ、内部にコンクリートを充填して壁体を形成する壁用型枠ブロックであって、幅方向両側に設けられ前記壁体の外面を形成する外面部と、これら両側の外面部とを連結する連結腕部とを備え、前記連結腕部は、前記外面部の両側に設けられ、前記ブロック相互が上下に積み上げ可能であることを特徴とする壁用型枠ブロック。
【請求項2】
前記連結腕部は、前記外面部の両側及び中央に設けられていることを特徴とする請求項1記載の壁用型枠ブロック。
【請求項3】
前記連結腕部は、上下方向に間隔を置いて複数設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の壁用型枠ブロック。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の壁用型枠ブロックを上下方向に積み上げられると共に左右方向に並べ、前記両側の外面部の間にコンクリートを充填してなることを特徴とする壁構造。
【請求項5】
請求項4記載の壁構造を備えた地中構造物の施工方法において、開削孔の側面に沿って前記壁構造を設ける際、前記開削孔の側面に沿って、前記壁用型枠ブロックを左右方向に並べると共に壁構造の途中の高さまで積み上げた後、コンクリートを充填し、前記壁用型枠ブロックの積み上げと前記コンクリートの充填を複数回分けて所定高さ毎に行うことを特徴とする地中構造物の施工方法。
【請求項6】
前記型枠構成体により前記開削孔の側面の土留めを施し、両側の前記型枠構成体の間に切り梁を上下多段に設けることを特徴とする請求項5記載の地中構造物の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2007−291849(P2007−291849A)
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−113568(P2007−113568)
【出願日】平成19年4月23日(2007.4.23)
【分割の表示】特願2003−297321(P2003−297321)の分割
【原出願日】平成15年8月21日(2003.8.21)
【出願人】(390004938)羽田コンクリート工業株式会社 (14)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年4月23日(2007.4.23)
【分割の表示】特願2003−297321(P2003−297321)の分割
【原出願日】平成15年8月21日(2003.8.21)
【出願人】(390004938)羽田コンクリート工業株式会社 (14)
【Fターム(参考)】
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