Notice: Undefined variable: fterm_desc_sub in /mnt/www/biblio_conv.php on line 353
壁面構造体
説明

壁面構造体

【課題】 ビニールハウス等の栽培施設において、屋根部材を支持しつつ壁面を構成する壁面構造体を提供する。
【解決手段】 密閉空間内にエアを供給し、内部圧力を外部よりも高くすることにより形成されるエアドーム型の屋根構造を有する栽培施設Aにおいて、栽培施設を平面視で多角形とし、その各辺に沿って設置され、ドーム屋根Cを構成する多層構造の屋根部材を支持する壁面構造体である。矩形の枠体で構成された壁面基部1と、壁面基部の栽培施設内側に当接されつつ該壁面基部に支持されて壁面を構成する壁面部材2と、屋根部材の最内層部材の端縁部を巻回する角パイプ4と、壁面基部の栽培施設内側に設けられ、角パイプを挟持するパイプ固定部3とを備える。屋根部材の最内層部材以外の外層部材の端縁部を壁面基部の一部に固定させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、栽培施設の壁面構造体に関し、特に、エアドーム型の屋根構造を有する栽培施設における屋根部材を支持する壁面構造体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
栽培施設としては、一般的にビニールハウスが代表的である。このビニールハウスは、多数の支柱および骨組を組み立てることによってアーチ状の屋根構造を構築する場合(特許文献1参照)、または三角屋根構造を構築する場合(特許文献2参照)がある。これらのビニールハウスは、専ら、支柱および骨組によって基本構造が形成されるとともに、屋根および壁面部分にビニールシートを張設することによって、内外を遮断するものであることは周知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−195413号公報(図1)
【特許文献2】特開2008−211969号公報(図1)
【特許文献3】特開平5−33522号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
最近では、閉鎖空間内にエアを供給することにより内外の圧力に差を設け、内部の圧力によって屋根形状を維持するエアドーム型の屋根構造が開発されつつある(特許文献3参照)。ビニールハウス等の栽培施設においても、この種のエアドーム型の屋根構造を使用することは可能であると考えられるが、そのためには、屋根部材を支持する壁面構造体が必要となるものであった。
【0005】
ところが、特許文献3において開示される技術は、金属製の胴部によって屋根部材が支持される構造であるため、ビニールハウス等の栽培施設に転用することはできず、栽培施設に適する壁面構造体が切望されていた。
【0006】
本発明は、上記諸点にかんがみてなされたものであって、その目的とするところは、ビニールハウス等の栽培施設において、屋根部材を支持しつつ壁面を構成する壁面構造体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで、本発明は、密閉空間内にエアを供給し、内部圧力を外部よりも高くすることにより形成されるエアドーム型の屋根構造を有する栽培施設において、上記栽培施設を平面視で多角形とし、その各辺に沿って設置され、ドーム屋根を構成する多層構造の屋根部材を支持する壁面構造体であって、矩形の枠体で構成された壁面基部と、この壁面基部の栽培施設内側に当接されつつ該壁面基部に支持されて壁面を構成する壁面部材と、上記屋根部材の最内層部材の端縁部を巻回する角パイプと、上記壁面基部の栽培施設内側に設けられ、上記角パイプを挟持するパイプ固定部とを備え、屋根部材の上記最内層部材以外の外層部材の端縁部を上記壁面基部の一部に固定させることを特徴とするものである。
【0008】
上記構成によれば、壁面基部は矩形の枠体で構成されることから、その枠体の内側は貫通している状態となるが、当該部分に壁面部材を設けることにより、一枚の一体的な壁面を構成することができる。そして、栽培施設内側に設置される角パイプには、屋根部材の最内層部材の先端が巻回されることから、栽培施設内部に作用する高い圧力が最も顕著に作用する最内層部材を、壁面の内側で固定することができる。屋根部材の最内層部材以外の部材は、栽培施設内の圧力が直接作用するものではなく、最内層部材が膨張しようとする力を介する状態で影響を受けることとなるから、枠体の適宜個所において固定することで、上記圧力に対し十分に対抗させることができるものである。
【0009】
上記発明において、前記壁面基部が、前記栽培施設の平面視多角形の辺に沿って地上に載置される下枠部と、この下枠部の両端から立設される二本の側枠部と、この二本の側枠部の上端に懸架される上枠部とで構成されたものとすることができる。
【0010】
上記構成によれば、壁面基部の下枠部が、栽培施設を平面視多角形に形成するための基準となり、この基準に沿って壁面基部を構成し、さらに平面部を設けることによって多角形の筒状体を形成することができる。この多角形筒状体の上縁にエアドーム型の屋根構造を設けることにより、ドーム型の栽培施設を構築することができることとなる。
【0011】
また、上記発明において、前記壁面基部には、さらに、前記上枠部に対し平行に設けられた長尺な棒状部材を備えることができる。
【0012】
上記構成によれば、壁面基部を構成する上枠部とは別に棒状部材が設けられることから、この棒状部材に屋根部材の外層部材の端縁部を固定することが可能となる。この外層部材としては、種々の形態が想定されるが、例えば、網目を有するネット部材を使用する場合には、ネット部材の端縁付近の網目に紐状部材を挿通させ、これを棒状部材に連結するような使用態様が考えられる。
【0013】
さらに、上記発明において、前記側枠部が、平滑な側面部を有するとともに、この側面部が、前記栽培施設の平面視多角形の中心から頂点までの直線に平行な角度で設置された側枠部である構成とすることができる。
【0014】
ここで、多角形の中心とは、多角形の内接円または外接円の中心を意味し、原則的には正多角形の外接円の中心を意味するものである。そして、多角形の中心から頂点までの直線とは、上記外接円の半径方向の直線であり、多角形の一辺とは直交せず、当該辺に対して斜状に交差する直線である。
【0015】
上記構成によれば、側枠部の側面部が、多角形の中心から頂点までの直線に平行な面であることから、隣接する壁面構造体の対向する側面部が全面において当接することができることとなる。
【0016】
また、上記発明において、前記壁面基部には、さらに、前記下枠部の両端から前記栽培施設外方に向かって延出する定着用部材を備えることができる。
【0017】
上記構成によれば、壁面基部を立設状態で支持することができるとともに、定着部材を利用して、屋根部材の外層部材を固定することも可能となる。このとき、外層部材には種々の形態が想定され得るが、例えば、長尺なロープ状部材である場合には、当該ロープ状部材の先端を連結するように使用することができる。
【0018】
また、上記発明において、前記定着用部材が、前記栽培施設の平面視多角形の中心から頂点までの直線に平行な角度で該栽培施設の外方に向かって延出する定着部材である構成とすることができる。
【0019】
上記構成によれば、壁面基部の下枠部の両端から延出する二つの定着用部材が、ともに多角形の中心から頂点までの直線に平行となることから、隣接する壁面構造体のうち、相互に対向する定着用部材が平行に隣接することとなり、この隣接する両定着用部材を連結して一体化することにより、壁面基部が連続して設置されることとなる。
【0020】
また、上記発明において、前記定着用部材には、さらに、屋根部材の外層部材を固定するための掛止部を備えることができる。
【0021】
上記構成によれば、この掛止部によって、屋根部材の外層部材を固定することができるとともに、上述のように、隣接する二つの定着用部材を一体化した状態において、これら二つの定着用部材の両掛止部に単一の外層部材を固定することができる。このような固定方法により、二つの定着用部材の一体化を補強することもできる。
【0022】
さらに、上記各発明において、前記壁面基部が、該壁面基部を構成する部材間に連結された複数の補強部材を備えた壁面部材である構成とすることができる。
【0023】
上記構成によれば、壁面基部を構成する各部材の状態を維持させることができる。特に、側枠部の立設状態を維持させるとともに、この側枠部の上端に懸架される上枠部の位置を安定させ、さらに、定着用部材を設ける場合には、定着用部材が側枠部から延出する角度を維持させることができる。そして、定着用部材の状態が支持されることによって、地上に設置したときの壁面基部全体の姿勢を安定させることができるのである。
【発明の効果】
【0024】
本発明の壁面構造体によれば、エアドーム型の屋根構造を有するビニールハウス等の栽培施設において、当該エアドーム型の屋根構造を構成する屋根部材を固定しつつ、当該栽培施設の壁面を構成することができる。特に、平面視多角形のエアドーム型施設を構築する場合には、上記多角形の各辺に対応する部分に壁面を構成することができるため、上記平面視多角形の栽培施設を構築することが容易となる。
【0025】
また、エアドーム型の屋根構造を構築する場合、屋根部材は単層によって構成されることは少なく、空気を遮断するシート状部材を内層部材とし、そのほかに、当該シート状部材の破断を回避するための外層部材が設けられる。そこで、本発明の壁面構造体によれば、シート状部材は、角パイプに巻回されつつ施設内側に支持され、外層部材が、壁面基部によって固定されることとなり、多層構造の屋根部材を使用するエアドーム型屋根構造の構築に好適である。
【0026】
さらに、壁面基部を構成している側枠部の側面部、および定着用部材の延出方向が、前記多角形の中心から頂点に向かう直線に平行とする場合、隣接する壁面基部の隣接面が相互に当接することとなり、隣接する両壁面基部の接合が容易となる。そして、隣接する定着用部材を接合することにより、隣接する両定着用部材を一体化させることができ、壁面基部を連続する状態で設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】(a)はエアドーム型の屋根構造を有する栽培施設の正面図であり、(b)は平面図である。
【図2】本発明の第一の実施形態を示す説明図である。
【図3】屋根部材の固定状態を示す説明図である。
【図4】定着用部材の状態を示す説明図である。
【図5】壁面基部を連続させた状態を示す説明図である。
【図6】第二の実施形態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本発明の壁面構造体は、エアドーム型の屋根構造を有するビニールハウス等の栽培施設を構築する際に使用される。そこで、エアドーム型の屋根構造を有する栽培施設の概略を説明する。
【0029】
図1は、栽培施設の概略を示す正面図および平面図である。図1(a)に示すように、栽培施設Aは、下位部分が壁面部Bであり、その壁面部Bから上方にエアドーム型の屋根構造Cが構築されている。壁面部Bは、栽培施設Aの全周に設けられ、短尺な筒状を形成し、この筒状部分の上端縁に屋根構造Cが連続するように構築されるのである。
【0030】
また、図1(b)に示すように、この栽培施設Aは、平面視において多角形状とするものであり、また、この多角形は、原則的に正多角形としており、その頂点の数を多くすることにより円形に近似した形状の栽培施設を構築することができることとなるのである。ここで、正多角形の辺ごとに壁面が構築され、それが全周に連結されることによって多角形筒状の壁面部Bが構成されているのである。
【0031】
そこで、個々の辺ごとに構築される壁面を構成するための壁面構造体の実施形態について説明する。図2は、壁面構造体の概略を示す説明図である。この図に示すように、本実施形態の壁面構造体は、矩形の枠体で構成された壁面基部1と、この壁面基部1に支持される板状の壁面部材2と、壁面基部1に設けられているパイプ固定部3と、このパイプ固定部3によって固定される角パイプ4とを備えたものである。本実施形態では、さらに、壁面基部1の上方に取り付けられる棒状部材5と、壁面基部1の下位に設けられる定着用部材6,7とを有するものである。
【0032】
壁面基部1は、地上に設置される下枠部11と、この下枠部11の両端から鉛直方向に立設された側枠部12,13と、側枠部12,13の上端に懸架された上枠部14とで構成されている。この四つの枠部11〜14によって矩形の枠体が形成されているのである。すなわち、側枠部12,13は、双方ともに長手方向が鉛直方向に向けられ、相互が平行に維持されており、しかも、ともに同じ長さに調整されている。そして、その上端の間に上枠部14が懸架されることによって、結果的に上枠部14は下枠部11に平行に設けられることとなり、全体として長方形となっているのである。
【0033】
なお、これらの枠部11〜14には、図示のように、C型チャンネル鋼またはアングル鋼が使用されるが、これに限定する趣旨ではない。また、下枠部11と側枠部12,13との接合部分は溶接によって強固に接合されるものであり、上枠部14は、側枠部12,13に溶接された継ぎ手用板部材15,16を介してボルト・ナット等の定着手段によって固着されている。このように各枠部11〜14を強固に接合することによって、前記枠体の矩形が維持されることとなる。これらの接合方法および固着方法については、全てを溶接によって接合してもよく、壁面としての強度を得ることができれば、いかなる手法を使用することも可能である。
【0034】
上記壁面基部1を構成する下枠部11の両側近傍には、さらに、定着用部材6,7が溶接されている。壁面基部1が自立可能である場合、または、下枠部11を地中(または基礎構造体等)に埋設される場合には、定着用部材6,7を省略することが可能な場合もあり得る。しかし、壁面基部1が自立できない場合には定着用部材6,7が設けられるのである。
【0035】
この定着用部材6,7は、構築されるべき栽培施設A(図1参照)の外側に設けられる。これは、栽培施設Aがエアドーム型の屋根構造を有することから、壁面(壁面基部1)が外向きに傾倒しないように定着させるためである。すなわち、エアドーム型の屋根構造である施設Aは、その内部の空気圧が施設外の気圧よりも高く維持されることから、壁面(壁面基部1)に対して、外向きに圧力が作用することとなり、その圧力によって外向きに傾倒しないようにしているのである。なお、定着用部材6,7には、定着板61,62が設けられ、例えば、スパイラル杭を打ち込んで、当該定着用部材6,7の浮き上がりを防止することができるようになっている。
【0036】
この定着用部材6,7とは反対側、すなわち、壁面基部1のうち、栽培施設(図1参照)の内側(内壁となるべき側)には、壁面部2が設置される。壁面部2は、プラスチック段ボールなどの軽量な板材を使用することができる。この壁面部2は、壁面基部1に対して適宜個所でビス止めしてもよいが、鋼材とプラスチック材とを接着できる接着剤を使用することも可能である。
【0037】
なお、壁面部2を壁面基部1の内側に設置することは、施設Aの内側からの圧力が壁面部2に最も強く作用することから、上記圧力によって壁面部2が離脱しないようにしているのである。
【0038】
また、この壁面部2と同じ側(施設Aの内側)には、角パイプ4が設置される。この角パイプ4は、屋根部材の一部を保持するためのものであり、当該屋根部材の一部を保持した状態で、パイプ固定部3によって固定される。
【0039】
一般的に、エアドーム型の屋根構造を構築する際の屋根部材は、機密性を有するためのシート材が使用されるが、このシート材に作用する圧力を緩和するために、補強材が積層されるものである。また、ビニールハウスのように農作物を栽培するための施設においては、前記シート材としては透明なシート材(透明なビニールシート)が使用される。
【0040】
そこで、このようなシート材の端縁部分を角パイプ4に巻回することによって、屋根部材の一部を保持するのである。詳細は後述するが、角パイプ4を使用したのは、巻回したシート材が解けることを防止するとともに、回転させずに固定することができるためである。
【0041】
本実施形態は、壁面基部1の上枠部14のさらに上方に棒状部材5が設けられるものである。この棒状部材5は、その軸線方向を上枠部14の長手方向に対して平行となるように設けられている。上枠部14は下枠部11に平行に設けられることから、結果的に棒状部材5は、下枠部11に平行に設けられることとなる。そして、下枠部11は、平面視多角形の個々の辺に沿って設置されることから、これに平行な棒状部材5もやはり、平面視多角形の個々の辺に沿って設けられるものである。
【0042】
この棒状部材5は、栽培施設Aの屋根部材の外層部材を固定するために使用されるものである。具体的には、上述のように内層部材がシート材である場合、その外層として網目を有するネット材を使用することがあり、そのネット材の端縁部分を固定するのである。固定方法は、ネット材の端縁付近にある網目に紐状部材を挿通し、この紐状部材を棒状部材5に結びつけるのである。
【0043】
このように、シート材(内層部材)とネット材(外層部材)とを個別に固定することによって、それぞれの部材に対する引っ張り強度を調整することが可能となる。従って、ネット材(外層部材)に対して強い張力を付与することにより、シート材(内層部材)に対しては、弱い張力で足りることができる。つまり、ネット材が頑丈であれば、そのネット材がエアドーム型屋根の外形を形成することとなり、個々の網目部分に着目しなければ、全体としてシート材はネット材の内側に押し付けられるように積層させることとなるからである。なお、外層をネット材とすることは、栽培施設Aの内部に採光可能にするためであるが、シート材に作用する圧力を適宜分散させつつ外形を形成させるためには、網目を有するネット材は好適である。
【0044】
ここで、シート材の固定状態について説明する。図3は、パイプ固定部3の周辺を示す図である。この図に示すように、シート材8を固定するための部材としては、パイプ固定部3および角パイプ4とが備えられている。そして、シート材8の端縁付近は角パイプ4に巻回されており、角パイプ4を回転させなければ、シート材8は角パイプ4から解けることがないものと想定することができる。
【0045】
パイプ固定部3は、アングル鋼で構成され、その片方の平面部31が、壁面部2の表面に対して約45°の傾斜角を有しつつ突設されている。そして、この片方の平面部31の表面には、プラスチックプレート32が積層されており、さらに、その表面に当接可能な平面を有するアングル部材33が設けられている。このアングル部材33は、ボルト・ナットによって定着されることによって、その位置を固定させることができる。
【0046】
このようなパイプ固定部3の片方平面部31にシート材8が巻回された角パイプ4を、相互に平面部分が当接するようにして載置することにより、角パイプ4の一つの角が壁面部2に当接する状態となる。この状態で、アングル部材33をパイプ固定部3に設置することにより、角パイプ4は、その回転を制限されることとなり、また、壁面部2とアングル部材33の間隙を通過することもできず、結果的に、壁面部2とアングル部材33によって挟持される状態となるのである。なお、パイプ固定部3の片方平面部31の表面に積層するプラスチックプレート32は、シート材8の材質に応じて摩擦抵抗の大きいものが選択的に使用されるものであり、その摩擦抵抗により、シート材8が角パイプ4から解けることを抑制する効果を得ることができる。
【0047】
上記のように、平面視多角形の個々の辺について、壁面構造体が設置されるのである。ところで、本実施形態では、図4に示すように、側枠部12,13の側面部12a,13aの方向、および、定着用部材6,7の長手方向は、壁面基部1の下枠部11または上枠部14から傾斜して設けられている。
【0048】
この傾斜角は、栽培施設Aを平面視多角形とするときの、多角形の頂点の数によって異なるものである。すなわち、この多角形の中心から頂点までの直線と平行となるように、側面部12a,13aの表面が設けられており、同様の直線に平行となるように、定着用部材6,7の長手方向が一致されている。
【0049】
なお、多角形とは、原則的に正多角形であることから、この正多角形の中心とは、外接円の中心を意味し、この中心から多角形の頂点までの直線とは、外接円に接する頂点までの半径を意味する。
【0050】
従って、例えば、平面視において正36角形の栽培施設を構築する場合は、下枠部11または上枠部14の長手方向に直交する方向と、側面部12a,13aの表面および定着用部材6,7の長手方向との間の角度α,βは、ともに5°となるのである。
【0051】
このように、側面部12a,13aの表面および定着用部材6,7の長手方向の向きを傾斜させることにより、隣接する壁面基部1の対向面を密着させることができるのである。すなわち、同種の壁面基部1を連続して所定の数だけ(例えば36個)並べることにより、平面視において正多角形が構成されることとなるが、その両端の平面が予め所定角度(例えば5°)だけ傾斜している場合には、その表面同士を当接させることができるのである。
【0052】
図5に隣接する壁面基部1の状態を示している。この図に示すように、基準となる壁面基部1の両側に隣接する壁面基部1A,1Bは、所定の多角形を形成するように、所定の角度を有して配置しているが、この状態において、側枠部12,13の側面部が、隣接する側面部13A,12Bの側面部に密着させることができる。また、定着用部材6,7は、隣接する定着用部材7A,6Bと平行に配置されることとなる。ここで、定着用部材6,7と、これに隣接する定着用部材7A,6Bとをボルト・ナットにより、定着することによって、一体化させることができるものである。なお、ボルト・ナットは、図1に示されている貫通孔71,72,73を使用することができる。
【0053】
次に、第二の実施形態について説明する。図6は、第二の実施形態を示す図である。この図に示すように、本実施形態は、壁面基部1の下枠部11に対し、両側の側枠部12,13から補強部材91,92,93,94が掛け渡されている。さらに、上枠部14からも補強部材95が掛け渡されているものである。このような補強部材91〜95により、壁面基部1による矩形の枠体が強固に維持されることとなる。また、側枠部12,13と、定着用部材6,7との間にも、補強部材96,97が掛け渡され、枠体と定着用部材6,7との接合状態を強固にするものである。
【0054】
また、定着用部材6,7の上面部には、掛止用リング(掛止部)65,75が設けられており、屋根部材の最外層にロープを張設する場合に、そのロープの先端部を固定することができる。この掛止用リング65,75は、定着用部材6,7の長手方向に同じ位置に設けられており、前述の隣接する定着用部材6,7と一体化させる際には、ともの近接した位置に存在することとなり、上記ロープを、近接する二つの掛止用リング65,75を同時に使用して掛止させることができる。このような掛止により、隣接する定着用部材6,7は、さらに一体的な状態となるものである。
【0055】
本発明の実施の形態は上記のとおりであるが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。さらに、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態とすることは可能である。例えば、各種材質については、強度および重量等により選定しているが、例示した材料以外のものを使用することは可能である。
【符号の説明】
【0056】
1 壁面基部
2 壁面部材
3 パイプ固定部
4 角パイプ
5 棒状部材
6,7 定着用部材
8 シート材
11 下枠部
12,13 側枠部
12a,13a 側面部
14 上枠部
15,16 継ぎ手用板材
31 平面部
32 プラスチックプレート
33 アングル部材
65,75 掛止用リング(掛止部)
91,92,93,94,95,96,97 補強部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
密閉空間内にエアを供給し、内部圧力を外部よりも高くすることにより形成されるエアドーム型の屋根構造を有する栽培施設において、上記栽培施設を平面視で多角形とし、その各辺に沿って設置され、ドーム屋根を構成する多層構造の屋根部材を支持する壁面構造体であって、矩形の枠体で構成された壁面基部と、この壁面基部の栽培施設内側に当接されつつ該壁面基部に支持されて壁面を構成する壁面部材と、上記屋根部材の最内層部材の端縁部を巻回する角パイプと、上記壁面基部の栽培施設内側に設けられ、上記角パイプを挟持するパイプ固定部とを備え、屋根部材の上記最内層部材以外の外層部材の端縁部を上記壁面基部の一部に固定させることを特徴とする壁面構造体。
【請求項2】
前記壁面基部は、前記栽培施設の平面視多角形の辺に沿って地上に載置される下枠部と、この下枠部の両端から立設される二本の側枠部と、この二本の側枠部の上端に懸架される上枠部とで構成された壁面基部であることを特徴とする請求項1に記載の壁面構造体。
【請求項3】
前記壁面基部は、さらに、前記上枠部に対し平行に設けられた長尺な棒状部材を備えた壁面基部であることを特徴とする請求項2に記載の壁面構造体。
【請求項4】
前記側枠部は、平滑な側面部を有するとともに、この側面部が、前記栽培施設の平面視多角形の中心から頂点までの直線に平行な角度で設置されている側枠部であることを特徴とする請求項2または3に記載の壁面構造体。
【請求項5】
前記壁面基部は、さらに、前記下枠部の両端から前記栽培施設外方に向かって延出する定着用部材を備えた壁面基部であることを特徴とする請求項2ないし4のいずれかに記載の壁面構造体。
【請求項6】
前記定着用部材は、前記栽培施設の平面視多角形の中心から頂点までの直線に平行な角度で該栽培施設の外方に向かって延出する定着用部材であることを特徴とする請求項5に記載の壁面構造体。
【請求項7】
前記定着用部材は、さらに、屋根部材の外層部材を固定するための掛止部を備えた定着部材であることを特徴とする請求項5または6に記載の壁面構造体。
【請求項8】
前記壁面基部は、該壁面基部を構成する部材間に連結された複数の補強部材を備えた壁面部材であることを特徴とする請求項2ないし7のいずれかに記載の壁面構造体。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2012−100600(P2012−100600A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−253106(P2010−253106)
【出願日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【出願人】(510174174)
【出願人】(510298285)
【出願人】(399122147)AGCグリーンテック株式会社 (3)
【出願人】(508163544)
【出願人】(510299536)有限会社久保田鉄骨工業所 (1)
【Fターム(参考)】