説明

変位センサの半導体レーザ駆動回路

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レーザビームの強度を外部入力により制御する変位センサの半導体レーザ駆動回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】検知物体の位置、移動、又は種類を検出するために各種の変位センサが用いられている。変位センサは一般にレーザビームを出射する投光部と、検知物体から反射光を受光する受光部とを含んで構成される。そして投光部には半導体レーザが用いられ、これを駆動するために半導体レーザ駆動回路が設けられている。
【0003】半導体レーザ駆動回路も連続光(CW光)を出力するものと、パルス光を出力するものがある。いずれもレーザダイオードLDの温度上昇による光出力変化を防止するために、レーザダイオードLDを保持するステムにフォトダイオードPDを取付け、フォトダイオードPDの出力電流をモニタすることにより、レーザダイオードLDの光出力の安定化を図る補償回路が設けられている。
【0004】図6はこのような機能を有する従来の半導体レーザ駆動回路の一例である。この半導体レーザ駆動回路は大きく分けて、スイッチング回路1、基準電圧発生回路2、誤差増幅回路3、充放電回路4、レーザ駆動部5、発光部6を含んで構成される。
【0005】発光部6からスイッチング回路1にかけてその構成を説明する。発光部6は同一ステムに取付けられたレーザダイオードLDとフォトダイオードPD(受光素子)を有し、レーザダイオードLDのカソード側に保護抵抗R1が接続され、フォトダイオードPDのアノード側にモニタ用抵抗R2が接続されている。これらの抵抗R1,R2の片端は共にGNDラインに接続され、レーザダイオードLDのアノード側とフォトダイオードPDのカソード側は共通接続されている。
【0006】レーザ駆動部5は発光部6に駆動電流を供給する回路であり、NPN型のトランジスタTr1で構成される。トランジスタTr1のエミッタは発光部6に、コレクタはスイッチング回路1の出力端に、ベースは誤差増幅回路3の出力端に夫々接続される。充放電回路4は抵抗R3とコンデンサC1の並列接続体で構成され、コンデンサC1の充電及び放電によりレーザダイオードLDのパルス電流の立ち上がり及び立ち下がり時定数を規定する回路である。
【0007】誤差増幅回路3は、抵抗R2の両端から得られるモニタ信号Vmと、基準電圧発生回路2で発生した基準信号Vrとが入力され、それらの差分値を増幅して補正信号を生成する回路である。誤差増幅回路3内の演算増幅器OPは、その非反転入力端にモニタ信号Vmが入力され、反転入力端に基準信号Vrが入力されるとそれらの差分値を増幅し、誤差信号VeをトランジスタTr2のベースに供給する。NPN型のトランジスタTr2のコレクタとスイッチング回路1の出力端の間には、抵抗R4とダイオードD2とが直列に接続されている。またトランジスタTr2のエミッタは抵抗R5を介してGNDラインに接続されている。そしてダイオードD2のカソード側とGNDライン間に充放電回路4が接続される。尚、演算増幅器OPの出力端と反転入力端にノイズ防止用のコンデンサC2が接続されている。
【0008】基準電圧発生回路2は誤差増幅回路3に対して基準信号(パルス)Vrを発生する回路である。スイッチング回路1の出力端とGNDライン間に抵抗R8と定電圧ダイオードD3が直列に接続され、定電圧ダイオードD3の基準電圧と等しい波高値を持つ電圧パルスが定電圧ダイオードD3の両端に発生する。このパルスは抵抗R6、R7で電圧が分圧され、演算増幅器OPの反転入力端に基準信号Vrとして与えられる。
【0009】スイッチング回路1は電源(電圧+Vc)を入力パルスSPに基づいて開閉する回路であり、スイッチングのトランジスタTr3と抵抗R9により構成される。ここでは例えばトランジスタTr3をPNP型とすると、入力パルスSPがLレベル時にオン状態になり、エミッタに接続された抵抗R9を介してコレクタ側にパルス電圧が供給される。
【0010】このように構成された従来の半導体レーザ駆動回路の動作について説明する。先ず電源電圧VcをトランジスタTr3でスイッチングすることにより、電圧Vcを有するパルス電圧を基準電圧発生回路2、誤差増幅回路3、レーザ駆動部5に供給する。入力パルスSPがLレベルのとき、トランジスタTr3が導通し、抵抗R4とダイオードD2とを介して充放電回路4のコンデンサC1が充電される。このときの充電電流はトランジスタTr2の導通状態によって変化するが、今仮に演算増幅器OPの出力する誤差信号Veが0Vとすると、トランジスタTr2はオフか、又はバイアス電流程度で動作するものとする。この場合は充電完了後のトランジスタTr1のベース電圧Vb1は次の(1)式の値となる。
Vb1=(R3+r2)/(R3+R4+r2)・Vc・・・(1)
但しr2はダイオードD2のオン時の順方向抵抗とする。
【0011】この場合の電圧Vb1の値は、エミッタ負荷を持つトランジタTr1を導通させる値であり、レーザダイオードLDに駆動電流が供給される。レーザダイオードLDが発光すると、フォトダイオードPDにレーザ発光強度に比例したモニタ電流Imが流れる。この電流Imは抵抗R2により電圧に変換され、次の(2)式のモニタ信号Vmが演算増幅器OPの非反転入力端に入力される。
Vm=Im・R2・・・(2)
【0012】一方、入力パルスSPのLレベル時に、次の(3)式で示すよな基準信号Vrが演算増幅器OPの反転入力端に与えられている。
Vr=R6/(R6+R7)・Vz・・・(3)
但しVzはダイオードD3の基準電圧とする。
【0013】一般に、演算増幅器OPがリニア領域で外部回路を通して負帰還のかかった状態で動作しているときは、非反転入力端と反転入力端の電圧が相等しくなるようその出力値が制御される。一方、トランジスタTr2は演算増幅器OPの出力する誤差信号Veで動作するので、誤差信号Veの値が正であればトランジスタTr2のエミッタ電流は増加する。誤差信号Veの値が負であればトランジスタTr2のエミッタ電流は減少する。このためトランジスタTr1のベース電圧Vb1は、誤差信号Veの値が正であれば下降し、負であれば上昇する。誤差信号Veの値が正とは、レーダダイオードLDの発光強度が基準値より高いことを意味し、誤差信号Veの値が負とは発光強度が基準値より低いことを意味する。従って基準信号Vrとモニタ信号Vmの値とのバランスが取れているときは、レーザダイオードLDの発光強度は、基準信号発生回路2で生成される基準信号Vrに比例した値に制御されることなる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】以上のようにフォトダイオードPDから出力されるモニタ電流Imの値を一定に保つことにより、レーザダイオードLDの発光強度を一定値に制御している。ここでにレーザダイオードLDの発光強度を変化させる場合を考える。変位センタの検知物体の表面状態はその種類によって多様に変化する。特に検知物体の種類が変わり、反射率が大幅に変化すると、その都度発光部6の発光強度を調節しなければならない。ところが図6に示すような構成であれば、レーザダイオードLDの発光強度を変化させるには、誤差増幅回路3に入力する基準信号Vrの値を変化させるか、またはフォトダイオードPDによるモニタ信号Vmの値を変化させなければならない。
【0015】ここで基準信号Vrの値を変化させる方法について簡単に説明する。発光部6の発光強度を大きくするには基準信号Vrの値を大きくし、発光強度を小さくするには基準信号Vrの値を小さくすればよい。しかし基準信号Vrの電圧は通常1V前後であり、1Vより大きくすると制御が困難になる。又基準信号Vrの電圧を小さくすると、演算増幅器OPのオフセット電圧の影響を受け易くなる。このため基準信号Vrの値を変化させて発光強度を制御する場合、制御範囲が限定されるという欠点があった。
【0016】次にモニタ信号Vmの値を変化させる方法であるが、基本的には抵抗R2を固定抵抗から可変抵抗に代えればよい。しかしこの場合、抵抗R2の抵抗値を変えるためには、調整ねじを直接手で操作しなければならず、小型の変位センサに取り付けられる半導体レーザ駆動装置においては調整の作業性に問題がある。又電源の電圧Vcを制御することも考えられるが、変位センサに用いる電源電圧は規定の値になっており、この部分での調整は実際上不可能であった。
【0017】本発明はこのような従来の問題点に鑑みてなされたものであって、電気信号によってレーザダイオードLDの発光強度を設定でき、且つ温度補償や発光強度の安定化のための補償回路のついた半導体レーザ駆動回路を実現することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本願請求項1記載の発明は、レーザ光を発光するレーザ発光素子と、レーザ発光素子の発光強度をモニタする受光素子と、レーザ発光素子を駆動するレーザ駆動部と、基準信号を生成する基準電圧発生部と、基準電圧発生部の基準信号と受光素子のモニタ信号とが入力され、これらの信号を差動増幅し、その差分信号を制御信号としてレーザ駆動部に出力する誤差増幅部と、レーザ発光素子の発光強度を調整する発光強度制御信号が入力され、誤差増幅部に入力されるモニタ信号に、発光強度制御信号を重畳させる発光強度制御部と、を具備する変位センサの半導体レーザ駆動回路において、発光強度制御部は、レーザ駆動部の電源ラインにドレイン電極が接続され、受光素子のモニタ端子にソース電極が接続された電界効果型トランジスタを含み、電界効果型トランジスタのゲート電極にレーザ発光素子の発光強度を調整する発光強度制御信号が入力され、誤差増幅部に入力するモニタ信号に発光強度制御信号を加算することを特徴とするものである。また本願請求項2記載の発明は、レーザ光を発光するレーザ発光素子と、レーザ発光素子の発光強度をモニタする受光素子と、レーザ発光素子を駆動するレーザ駆動部と、基準信号を生成する基準電圧発生部と、基準電圧発生部の基準信号と受光素子のモニタ信号とが入力され、これらの信号を差動増幅し、その差分信号を制御信号としてレーザ駆動部に出力する誤差増幅部と、レーザ発光素子の発光強度を調整する発光強度制御信号が入力され、誤差増幅部に入力されるモニタ信号に、発光強度制御信号を重畳させる発光強度制御部と、を具備する変位センサの半導体レーザ駆動回路において、発光強度制御部は、受光素子のモニタ出力端にドレイン電極が接続され、レーザ駆動部のグランドラインにソース電極が接続された電界効果型トランジスタを含み、電界効果型トランジスタのゲート電極にレーザ発光素子の発光強度を調整する発光強度制御信号が入力され、モニタ信号から発光強度制御信号を減算することを特徴とするものである。
【0019】
【作用】このような特徴を有する本発明によれば、レーザ発光素子がレーザ駆動部によりレーザ光を出力すると、受光素子はレーザ発光素子の発光強度に比例したモニタ信号を発生する。誤差増幅部は基準電圧発生部の基準信号と受光素子のモニタ信号とが入力されると、これらの信号を差動増幅してその差分信号を制御信号としてレーザ駆動部に出力する。このとき発光強度制御部によりレーザ発光素子の発光強度を調整する発光強度制御信号が入力されると、誤差増幅部に入力されるモニタ信号に発光強度制御信号を重畳させる。こうすると外部入力により、レーザ発光素子の発光強度を制御することができる。
【0020】
【実施例】本発明の第1実施例における半導体レーザ駆動回路について図1〜図3を参照しつつ説明する。尚、従来例と同一ブロック及び同一信号名は同一の符号をつけ、それらの詳細な説明は省略する。図1は第1実施例の半導体レーザ駆動回路を基本構成を示すブロック図である。本図に示すように半導体レーザ駆動回路は、スイッチング回路1、基準電圧発生回路2、レーザ駆動部5、発光部6を有することは従来例と同様である。従来例と異なる部分は、発光強度制御部7Aが設けられ、その出力である第1の制御電流IdがフォトダイオードPDのモニタ電流Imに加算され、その加算電流が第2の制御電流Ipとして誤差増幅回路3に与えられることである。
【0021】発光強度制御部7Aは電界効果型トランジスタ(以下、FETという)で構成される。FETのドレイン電極はスイッチング回路1の出力端に接続され、ソース電極は加算回路に接続されている。そしてゲート電極に発光強度を調整するための発光強度制御信号Vgが入力される。
【0022】図2はFETの入出力特性を示したグラフである。本図に示すように、FETのゲート・ソース間電圧である制御信号Vgを変化させることにより、ドレイン電流である制御電流Idを制御することができる。
【0023】FETがオフ状態であると、ドレイン電流である制御電流Idは流れず、次の(4)式が成り立つ。
Ip=Im・・・(4)
FETがオン状態になって制御電流Idが流れ、モニタ電流がIm’に変化したとすると、次の(5)式が成り立つ。
Ip=Im’+Id・・・(5)
【0024】基準電圧発生回路2の出力(基準信号Vr)が変化しない限り、誤差増幅回路3の動作原理により制御電流Ipの値は変化しない。このためモニタ電流Im’は次の(6)式に示すようにImに比べて制御電流Idの値分だけ減少する。
Im’=Ip−Id・・・(6)
このためレーザダイオードLDの発光強度は制御電流Idの相当分だけ小さくなる。こうして制御信号Vgの変化により、レーザダイオードLDの発光強度を制御することができる。
【0025】以上のような動作原理を有する半導体レーザ駆動回路の具体例を図3に示す。本図において、従来例の図6と異なる部分は、スイッチング回路1の出力端とフォトダイオードPDのアノード側との間に、前述したFETを設けたことである。図1の場合と同様にFETのゲート電極に制御信号Vgを与えると、スイッチング回路1が導通しているときドレイン電流が流れる。この電流を制御電流Idとすると、フォトダイオードPDのモニタ電流Imと加算され、抵抗R2を介してGND側に流れる。従って抵抗R2の端子電圧をモニタ電圧Vmとすると、この電圧が演算増幅器OPの非反転入力端に入力される。
【0026】外部から入力される制御信号Vgを大きくすると、FETのドレイン電流が大きくなるので、演算増幅器OPに入力されるモニタ信号Vmの値は次の(7)式のようになる。
Vm=R2・(Im+Id)・・・(7)
前述したように演算増幅器OPの正及び負の入力が同じになるように帰還回路が動作するので、モニタ信号Vmの値が増加すれば、演算増幅器OPの出力する誤差信号Veの値は大きくなる。従ってトランジスタTr1のベース電圧が低下し、レーザダイオードLDの発光強度は低下する。このように制御信号Vgの値を変化させることにより、発光部6の発光強度を制御することができる。本実施例の場合、制御信号Vgが大きくなれば発光部6の発光強度は小さくなる。
【0027】このように第1実施例によれば、遠隔から制御信号Vgを操作して発光強度を制御することができ、近接センサそのものを調整しなくて済む。また付加する回路もFETだけであり、使用実績の高い従来の回路をそのまま活かすことができる。
【0028】次に本発明の第2実施例における半導体レーザ駆動回路について図4、図5を参照しつつ説明する。尚、第1実施例と同一ブロック及び同一信号名は同一の符号をつけ、それらの詳細な説明は省略する。図4は第2実施例の半導体レーザ駆動回路を基本構成を示すブロック図ある。本図に示すように半導体レーザ駆動回路は、スイッチング回路1、基準電圧発生回路2、誤差増幅回路3、レーザ駆動部5、発光部6、発光強度制御部7Bを有することは第1実施例と同様である。
【0029】発光強度制御部7BはFETで構成され、そのソース電極はGNDに接続され、ドレイン電極は誤差増幅回路3の非反転入力端に接続されている。又ゲート電極に発光強度を制御する制御信号Vh(発光強度制御信号)が入力される。フォトダイオードPDから得られるモニタ電流Imから、FETのドレイン電流である第1の制御電流Idが減算され、その減算結果である第2の制御電流Ipが誤差増幅回路3に供給されることが、本実施例の特徴である。
【0030】さてFETがオフ状態であると、制御電流Idは流れず、次の(8)式が成り立つ。
Ip=Im・・・(8)
FETがオン状態になって制御電流Idが流れ、モニタ電流がIm’に変化したとすると、次の(9)式が成り立つ。
Ip=Im’−Id・・・(9)
【0031】基準電圧発生回路2の出力(基準信号Vr)が変化しない限り、誤差増幅回路3の動作原理により制御電流Ipの値は変化しない。このためモニタ電流Im’は次の(10)式に示すように、Imに比べて制御電流Idの値分だけ増加する。
Im’=Ip+Id・・・(10)
このためレーザダイオードLDの発光強度は制御電流Idの相当分だけ大きくなる。
【0032】以上のような動作原理を有する半導体レーザ駆動回路の具体例を図5に示す。本図において図3と異なる部分は、フォトダイオードPDのアノード側とGNDとの間にFETと抵抗R10を直列に設けたことである。図3と同様にFETのゲート電極に制御信号Vhを与えると、スイッチング回路1が導通している限り、トランジスタTr1も導通する。フォトダイオードPDのモニタ電流をImとすると、その電流の一部はFETの方へ流れる。このため抵抗R2に流れる制御電流Ipが減少し、その端子電圧(モニタ電圧Vm)は減少する。
【0033】外部から入力される制御信号Vhを大きくすると、FETのソース電流が大きくなるので、演算増幅器OPに入力されるモニタ信号Vmの値は次の(11)式のようになる。
Vm=R2・(Im−Id)・・・(11)
前述したようには演算増幅器OPの正及び負の入力が同じになるように帰還回路が動作するので、モニタ信号Vmの値が減少すれば、演算増幅器OPの出力する誤差信号Veの値は小さくなる。従ってトランジスタTr1のベース電圧が上昇し、レーザダイオードLDの発光強度は増加する。よって制御信号Vhの値を変化させることにより、発光部6の発光強度を制御することができる。本実施例の場合、制御信号Vhの値と発光部6の発光強度の関係はほぼ正比例する。
【0034】以上の第1及び第2実施例では、スイッチング回路1の動作により、レーザダイオードLDをパルス駆動する場合を述べたが、直流変調方式の半導体レーザ駆動回路についても同様の効果が得られ。この場合、スイッチング回路1の入力パルスSPがLレベルになった場合の動作と同等と考えればよく、レーザダイオードLDの直流発光強度は、制御信号Vg、Vhによって同様の制御が可能である。従ってスイッチング回路1は本発明の必須構成要素ではない。
【0035】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、従来の半導体レーザ駆動回路に一部に発光強度制御部を付加するだけで、レーザ発光素子の発光強度を外部の入力信号により制御することができる。この場合誤差増幅部のオフセット電圧の影響を受けることなく、レーザ発光素子の発光強度を増加方向及び減少方向に調整できる。従ってこの半導体レーザ駆動回路を変位センサに用いた場合、検知物体の反射面の性質に併せてレーザ発光素子の強度を遠隔から調整できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例における半導体レーザ駆動回路の基本構成図である。
【図2】本発明の各実施例に用いられるFETの入出力特性図である。
【図3】第1実施例の半導体レーザ駆動回路の具体例を示す回路図である。
【図4】本発明の第2実施例における半導体レーザ駆動回路の基本構成図である。
【図5】第2実施例の半導体レーザ駆動回路の具体例を示す回路図である。
【図6】従来例の半導体レーザ駆動回路の構成を示す回路図である。
【符号の説明】
1 スイッチング回路
2 基準電圧発生回路
3 誤差増幅回路
4 充放電回路
5 レーザ駆動部
6 発光部
7A,7B 発光強度制御部
R1〜R10 抵抗
C1,C2 コンデンサ
Tr1〜Tr3 トランジスタ
LD レーザダイオード
PD フォトダイオード
D3 定電圧ダイオード
Vm モニタ信号
Vr 基準信号
Ve 誤差信号
Vg,Vh 制御信号
Id 第1の制御電流
Ip 第2の制御電流
Im モニタ電流

【特許請求の範囲】
【請求項1】 レーザ光を発光するレーザ発光素子と、前記レーザ発光素子の発光強度をモニタする受光素子と、前記レーザ発光素子を駆動するレーザ駆動部と、基準信号を生成する基準電圧発生部と、前記基準電圧発生部の基準信号と前記受光素子のモニタ信号とが入力され、これらの信号を差動増幅し、その差分信号を制御信号として前記レーザ駆動部に出力する誤差増幅部と、前記レーザ発光素子の発光強度を調整する発光強度制御信号が入力され、前記誤差増幅部に入力されるモニタ信号に、前記発光強度制御信号を重畳させる発光強度制御部と、を具備する変位センサの半導体レーザ駆動回路において、前記発光強度制御部は、前記レーザ駆動部の電源ラインにドレイン電極が接続され、前記受光素子のモニタ端子にソース電極が接続された電界効果型トランジスタを含み、前記電界効果型トランジスタのゲート電極に前記レーザ発光素子の発光強度を調整する発光強度制御信号が入力され、前記誤差増幅部に入力するモニタ信号に前記発光強度制御信号を加算するものであることを特徴とする変位センサの半導体レーザ駆動回路。
【請求項2】 レーザ光を発光するレーザ発光素子と、前記レーザ発光素子の発光強度をモニタする受光素子と、前記レーザ発光素子を駆動するレーザ駆動部と、基準信号を生成する基準電圧発生部と、前記基準電圧発生部の基準信号と前記受光素子のモニタ信号とが入力され、これらの信号を差動増幅し、その差分信号を制御信号として前記レーザ駆動部に出力する誤差増幅部と、前記レーザ発光素子の発光強度を調整する発光強度制御信号が入力され、前記誤差増幅部に入力されるモニタ信号に、前記発光強度制御信号を重畳させる発光強度制御部と、を具備する変位センサの半導体レーザ駆動回路において、前記発光強度制御部は、前記受光素子のモニタ出力端にドレイン電極が接続され、前記レーザ駆動部のグランドラインにソース電極が接続された電界効果型トランジスタを含み、前記電界効果型トランジスタのゲート電極に前記レーザ発光素子の発光強度を調整する発光強度制御信号が入力され、前記モニタ信号から前記発光強度制御信号を減算するものであることを特徴とする変位センサの半導体レーザ駆動回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【特許番号】特許第3428220号(P3428220)
【登録日】平成15年5月16日(2003.5.16)
【発行日】平成15年7月22日(2003.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平7−70572
【出願日】平成7年3月3日(1995.3.3)
【公開番号】特開平8−242031
【公開日】平成8年9月17日(1996.9.17)
【審査請求日】平成12年4月5日(2000.4.5)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【参考文献】
【文献】特開 平5−175545(JP,A)
【文献】特開 平7−49226(JP,A)
【文献】特開 平3−165085(JP,A)
【文献】実開 平3−90143(JP,U)