説明

変形コンテナ

【課題】用途や目的に応じて収納形態を遂次変形切替えできる非常に実用性に優れた変形コンテナを提供すること。
【解決手段】上部開口形の収納体Aを、左右半体1の底部3の内側対向縁部を枢着し変形自在に構成して、上部開口形の箱形状態から、前記各半体1が夫々左右外方に回動すると共に底部枢着部2が底部3の左右端部に比して上昇し、前記底部枢着部2を境に左右の底部3及び左右の側壁部4が傾斜状態となった左右セパレート形の傾斜箱形状態に変形切替え自在に構成し、前記上部開口形の箱形状態と前記左右セパレート形の傾斜箱形状態との二種類の収納形態に変形切替え自在にして且つ前記各形態を保持して載置し得る構成とした変形コンテナ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、変形切替え自在な変形コンテナに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、単に閉塞状態から開放状態に変形するボックスやストッカーなどのコンテナはあるが、変形させることで収納形態が変化したり、また、この変形切替えが簡単な操作で容易に切り替えできるものはない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、左右の半体を底部枢着部を支点に左右に回動させて変形させることで収納形態を切替えることができ、用途や目的に応じて収納形態を遂次切替えて使用できる非常に実用性に優れた変形コンテナを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0005】
上部開口形の収納体Aを、左右半体1の底部3の内側対向縁部を枢着し変形自在に構成して、上部開口形の箱形状態から、前記各半体1が夫々左右外方に回動すると共に底部枢着部2が底部3の左右端部に比して上昇し、前記底部枢着部2を境に左右の底部3及び左右の側壁部4が傾斜状態となった左右セパレート形の傾斜箱形状態に変形切替え自在に構成し、前記上部開口形の箱形状態と前記左右セパレート形の傾斜箱形状態との二種類の収納形態に変形切替え自在にして且つ前記各形態を保持して載置し得る構成としたことを特徴とする変形コンテナに係るものである。
【0006】
また、前記収納体Aの底部3に、前記収納体Aの上部に設けた載置受け部に載置する載置部7を設けてスタッキング自在に設けると共に、前記左右セパレート形の傾斜箱形状態とした際の上部に設けた変形時載置受け部に載置する変形時載置部8を設けて、変形切替え後もスタッキング自在に構成したことを特徴とする請求項1記載の変形コンテナに係るものである。
【0007】
また、前記左右セパレート形の傾斜箱形状態とした前記収納体Aの上部の前記変形時載置受け部に、スタッキングする別の前記収納体Aの底部3の前記変形時載置部8を載置してスタッキングした際に、収納物を投入可能な傾斜開口部14が左右に露出形成される構成としたことを特徴とする請求項2記載の変形コンテナに係るものである。
【0008】
また、前記各左右の半体1に夫々連結される連結部5の上部に持ち上げ用取手6を設け、手動若しくは自動的に前記底部枢着部2を前記底部3の左右端部に対して上昇させると共に、この底部枢着部2を支点に前記左右の半体1を夫々外方へ回動させる切替え回動許容機構9と、前記上部開口形の箱形状態を保持する箱形保持機構12と、前記左右セパレート形の傾斜箱形状態を保持する傾斜箱形保持機構13とから成る変形切替え機構Bを備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の変形コンテナに係るものである。
【0009】
また、前記左右の半体1に夫々連結する引き上げ部5となる連結部5の上部に前記引き上げ操作部6となる前記持ち上げ用取手6を設けて前記収納体Aの左右にこの収納体Aを持ち上げ搬送する前記持ち上げ用取手6を対向状態に設け、前記引き上げ部5を引き上げる引き上げ操作部6となる前記持ち上げ用取手6を持ち上げて、手動若しくは自動的に前記底部枢着部2を前記底部3の左右端部に対して上昇させると共に、この底部枢着部2を支点に前記左右の半体1を夫々外方へ回動させる引き上げ時回動機構9となるように前記切替え回動許容機構9を構成したことを特徴とする請求項4記載の変形コンテナに係るものである。
【0010】
また、前記引き上げ操作部6となる前記持ち上げ用取手6を持ち上げた際に、前記各引き上げ部5が逆ハ字状に夫々傾斜状態となると共に、前記底部枢着部2が前記底部3の左右端部の載置部に比して上昇して前記左右の半体1が夫々外方に回動自在とするように前記引き上げ時回動機構9を構成して、前記引き上げ操作部6を持って前記収納体Aを持ち上げて、前記箱形状態から前記左右セパレート形の傾斜箱形状態に変形切替えするように前記変形切替え機構Bを構成したことを特徴とする請求項5記載の変形コンテナに係るものである。
【0011】
また、前記収納体Aを構成する前記各左右の半体1に夫々前記連結部5を回動自在に設け、この連結部5に架設状態に前記持ち上げ用取手6を枢着して、前記収納体Aの左右にこの収納体Aを持ち上げ搬送する前記持ち上げ用取手6を対向状態に設け、前記各左右の半体1の変形切替え時の回動に伴って前記連結部5が夫々回動支点21を支点に回動し前記持ち上げ用取手6の位置が変化するように構成して前記切替え回動許容機構9を構成し、前記連結部5の回動を所定位置で阻止するストッパ部19を設けて、前記上部開口形の箱形状態を保持する箱形保持機構12と、前記左右セパレート形の傾斜箱形状態を保持する傾斜箱形保持機構13とを構成したことを特徴とする請求項4記載の変形コンテナに係るものである。
【0012】
また、前記各連結部5の前記ストッパ部19により回動阻止された回動位置を保持させる回動ロック機構20を備えて、前記上部開口形の箱形状態を保持する箱形保持機構12と、前記左右セパレート形の傾斜箱形状態を保持する傾斜箱形保持機構13とを構成したことを特徴とする請求項7記載の変形コンテナに係るものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明は上述のように構成したから、左右の半体を底部枢着部を支点に左右に回動させて変形させることで収納形態を切替えることができ、用途や目的に応じて収納形態を遂次切替えて使用できる非常に実用性に優れた変形コンテナとなる。
【0014】
即ち、本発明は、上部開口形の箱形状態と、底部中央の底部枢着部を境に左右の底部及び左右の側壁部が互いに逆側に傾斜状態となった左右セパレート形の傾斜箱形状態に変形切替え自在となり、この二つの収納形態に容易に変形切替えでき載置できる非常に実用性に優れた変形コンテナとなる。
【0015】
更に言い換えると、上部開口形の箱形状態として、通常の箱若しくは蓋付箱として使用できると共に、前記底部枢着部を支点に前記半体を夫々左右外方へ回動することで、底部枢着部を境に左右の底部及び左右の側壁部が傾斜状態となった左右セパレート形の傾斜箱形状態に変形切替えし、例えば傾斜形ストッカーとして使用することができる。
【0016】
また、請求項2記載の発明においては、いずれの収納形態においても上下スタッキングできることになり、更に請求項3記載の発明においては、左右セパレート形の傾斜箱形状態としたときの収納形態でスタッキングすると、スタッキングしていながら、上部開口部は完全に閉塞されず、左右に投入可能な傾斜開口部が形成されることになる。
【0017】
例えば通常の箱形状態で積み重ね収納でき、変形させても積み重ねでき、この場合には、例えば左右に傾斜状態で出し入れ可能なボトルストッカーなどの傾斜形ストッカーがスタッキングされることで、左右に収納物を出し入れできる傾斜開口部が上下に形成されたシェルフとして使用できることになる。
【0018】
言い換えれば、例えばキャンプ時に効率良く車載できるスタッキング可能な箱形のコンテナとして使用できたり、半体を左右に開放回動して底部枢着部を境に左右の底部及び左右の側壁部が傾斜状態となった左右セパレート形の傾斜箱形状態に変形切替えしてスタッキングすることで、左右に傾斜開口部が上下に複数段形成したシェルフとしても使用可能となる優れた変形コンテナとなる。
【0019】
また、請求項4記載の発明においては、変形切替えしたいずれの収納形態においても載置できると共に、各形態が確実に保形されることとなり、このまま持ち運びすることもできる極めて優れた変形コンテナとなる。
【0020】
また、請求項5,6記載の発明においては、引き上げ操作部となる持ち上げ用取手を引き上げ、左右の半体を外方へ回動して、底部枢着部を境に左右の底部及び左右の側壁部が傾斜状態となった左右セパレート形の傾斜箱形状態に切替えることができる極めて実用性に優れた変形コンテナとなる。
【0021】
また、請求項7,8記載の発明においては、一層簡単な操作で容易に変形切替えでき、また各収納形態を簡易な構成で切替え保持できる極めて実用性に優れた変形コンテナとなる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】第一実施例の上部開口形の箱形状態での斜視図である。
【図2】第一実施例の左右セパレート形の傾斜箱形状態での斜視図である。
【図3】第一実施例の上部開口形の箱形状態でスタッキングした状態を示す説明斜視図である。
【図4】第一実施例の左右セパレート形の傾斜箱形状態でスタッキングした状態を示す説明斜視図である。
【図5】第一実施例の変形切替え機構を示す上部開口形の箱形状態の作動説明斜視図である。
【図6】第一実施例の変形切替え機構を示す左右セパレート形の傾斜箱形状態の作動説明斜視図である。
【図7】第一実施例の変形切替え機構を示す上部開口形の箱形状態の作動説明正面図である。
【図8】第一実施例の変形切替え機構を示す左右セパレート形の傾斜箱形状態の作動説明正面図である。
【図9】第一実施例の載置部及び変形時載置部を構成するスタッキング用脚部材の説明斜視図である。
【図10】第一実施例のスタッキング用脚部材を示す上部開口形の箱形状態でのスタッキング時の説明正面図である。
【図11】第一実施例のスタッキング用脚部材を示す左右セパレート形の傾斜箱形状態でのスタッキング時の説明正面図である。
【図12】第一実施例の上部開口形の箱形状態でのスタッキング時のスタッキング用脚部材の説明裏面図である。
【図13】第一実施例の左右セパレート形の傾斜箱形状態でのスタッキング時のスタッキング用脚部材の説明側面図である。
【図14】第一実施例の左右セパレート形の傾斜箱形状態でのスタッキング時のスタッキング用脚部材の説明正面図である。
【図15】第二実施例の上部開口形の箱形状態での斜視図である。
【図16】第二実施例の上部開口形の箱形状態での説明斜視図である。
【図17】第二実施例の左右セパレート形の傾斜箱形状態での斜視図である。
【図18】第二実施例の上部開口形の箱形状態でスタッキングした状態を示す説明斜視図である。
【図19】第二実施例の左右セパレート形の傾斜箱形状態でスタッキングした状態を示す説明斜視図である。
【図20】第二実施例の変形切換え機構を示す上部開口形の箱形状態の作動説明正面図である。
【図21】第二実施例の変形切換え機構を示す上部開口形の箱形状態でロックバー解除状態での作動説明拡大正面図である。
【図22】第二実施例の変形切換え機構を示す変形回動途中の作動説明正面図である。
【図23】第二実施例の変形切換え機構を示す変形回動途中の作動説明正面図である。
【図24】第二実施例の変形切換え機構を示す左右セパレート形の傾斜箱形状態でロックバー解除状態での作動説明拡大正面図である。
【図25】第二実施例の変形切換え機構を示す左右セパレート形の傾斜箱形状態の作動説明正面図である。
【図26】第二実施例のスタッキング用脚部材を示す上部開口形の箱形状態でのスタッキング時の説明正面図である。
【図27】第二実施例のスタッキング用脚部材を示す左右セパレート形の傾斜箱形状態でのスタッキング時の説明正面図である。
【図28】第二実施例の載置部及び変形時載置部を構成するスタッキング用脚部材の説明斜視図である。
【図29】第二実施例の上部開口形の箱形状態でのスタッキング時のスタッキング用脚部材の説明裏面図である。
【図30】第二実施例の左右セパレート形の傾斜箱形状態でのスタッキング時のスタッキング用脚部材の説明側面図である。
【図31】第二実施例の左右セパレート形の傾斜箱形状態でのスタッキング時のスタッキング用脚部材の説明正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0024】
上部開口形の収納体Aに収納物を収納し、例えばこれをスタッキングして収納スペースに載置し保管する。
【0025】
この上部開口形の箱形状態から、変形切替え機構Bにより、前記底部枢着部2を支点に前記半体1を夫々外方へ回動し、底部枢着部2を境に左右の底部3及び左右の側壁部4が傾斜状態となった左右セパレート形の傾斜箱形状態に変形して収納状態を切替えることができる。
【0026】
これにより左右が中央の底部枢着部2を境に夫々左右逆側へ傾斜した収納形態に切替ることになり、例えば傾斜形ストッカーとして使用でき、またこれを例えばスタッキングすることで、左右に収納物を出し入れできる傾斜開口部14が上下複数段形成されたシェルフとして使用することもできる。
【実施例1】
【0027】
本発明の具体的な第一実施例について図面に基づいて説明する。
【0028】
本実施例では、左右半体1の底部3の内側対向縁部を枢着し変形自在に構成して、上部開口形の箱形状態から、前記各半体1が夫々左右外方に回動すると共に底部枢着部2が底部3の左右端部の載置部に比して上昇し、底部枢着部2を境に左右の底部3及び左右の側壁部4が傾斜状態となった左右セパレート形の傾斜箱形状態に変形切替え自在に構成している。
【0029】
具体的には、上部開口形の方形箱の底板の中央を縦断するように分割した断面L状の半体1を突き合わせて、前記上部開口形の方形箱(収納体A)が形成される構成とし、この左右の半体1の底部3(底板)の内側対向縁部を突き合わせて丁番などを用いたヒンジ部を介して連結して枢着し、この底部中央の底部枢着部2を支点に底部3をヘ字状に折曲自在に設けて、この底部枢着部2(突き合わせ中央縁)を境に左右の底面が夫々逆方向に傾斜するように折曲自在に構成している。
【0030】
即ち、言い換えると、この底部3を縦断する中央の突き合わせ中央縁を折曲縁とした底部枢着部2を支点に、この底部枢着部2が左右端部に比して上方に持ち上がりこの左右端部の角部が載置部となるように、夫々の左右の半体1が外方へ回動する構成として、前記上部開口形の箱形状態と前記左右セパレート形の傾斜箱形状態との二種類の収納形態に変形切替え自在にして且つ前記各形態が保持され載置できる構成としている。
【0031】
また、本実施例では、この収納体Aの下部の左右端部(四隅角部)に、この収納体Aの上部に設けた載置受け部に位置決め状態に載置係止される載置部7を付設してスタッキング自在に設けると共に、前記変形切替え機構Bにより変形させて前記左右セパレート形の傾斜箱形状態とした際の上縁を変形時載置受け部とし、この上縁に係止する変形時載置部8を設けて、変形切替え後もスタッキング自在に構成している。
【0032】
具体的には、本実施例では、前述のようにいずれの収納形態においても係止状態で安定性良くスタッキングできる形状としたスタッキング用脚部材15を収納体Aの底部3の四隅に設け、この脚部材15を前記載置部7及び変形時載置部8とした構成としている。
【0033】
この脚部材15は、前記箱形状態でのスタッキング時に位置決め作用を果たす膨出部を裏面の周辺部に突出形成した形状とし、且つ前記傾斜箱形状態でのスタッキング時に下側の収納体Aの上縁が係止する溝部を設けた形状としている。
【0034】
即ち、本実施例では、変形切替え機構Bにより変形させて前記左右セパレート形の傾斜箱形状態とした収納体Aの上部の前記変形時載置受け部となる上縁に、スタッキングする別の収納体Aの底部3の前記変形時載置部8の溝部を係止させて載置しスタッキングした際に、収納物を投入可能な傾斜開口部14が左右に露出形成される構成としている。
【0035】
従って、例えばキャンプ時に効率良く車載できるスタッキング可能な箱形のコンテナとして使用できたり、左右の各半体1を夫々左右に開放回動して底部枢着部2を境に左右の底部3及び左右の側壁部4が傾斜状態となった左右セパレート形の傾斜箱形状態に変形切替えしてスタッキングすることで、左右に傾斜開口部14が上下に複数段形成したシェルフとしても使用可能となる。
【0036】
更に説明すると、図1〜図14に示す第一実施例では、前記各左右の半体1を引き上げる引き上げ部5(連結部5)と、この引き上げ部5を引き上げる引き上げ操作部6(持ち上げ用取手6)と、この引き上げ操作部6を持ち上げて、前記底部枢着部2が前記底部3の左右端部に対して上昇させると共に、この底部枢着部2を支点に前記左右の半体1を夫々外方へ回動させる引き上げ時回動機構9(切替え回動許容機構9)とから成る変形切替え機構Bを備えている。
【0037】
具体的には、引き上げ部5は、前記左右の半体1に夫々下端を回動自在に連結する連結板を採用し、この引き上げ部5の上部を前記引き上げ操作部6の両端部に夫々回動自在に連結し、この持ち上げ用取手6となる引き上げ操作部6を持ち上げた際に、前記各引き上げ部5が逆ハ字状に夫々傾斜状態あるいは撓み変形して下部の各半体1との下部連結部11間の距離が近づくことが許容されるように構成し、前記底部枢着部2が前記底部3の左右端部の載置部7に比して上昇して左右の半体1が夫々外方に回動できるように前記引き上げ時回動機構9を構成している。
【0038】
即ち、前記引き上げ操作部6を持って前記収納体Aを持ち上げることで、自動的にあるいは手で押すなどして各引き上げ部5をその下端部の下部連結部11の距離を狭めて夫々逆ハ字状に傾動させると共にその中央の底部枢着部2を上昇させることで、前記箱形状態から前記左右セパレート形の傾斜箱形状態に切替えできるように前記変形切替え機構Bを構成している。
【0039】
更に説明すると、本実施例では、持ち上げ用取手6となる引き上げ操作部6の両端部に各連結部5として板状の各引き上げ部5を垂設し、この各引き上げ部5の下端部を、各半体1の下部の夫々底部枢着部2と近い位置でこの底部枢着部2がその中間となる位置に枢着している。
【0040】
この引き上げ操作部6を持ち上げて収納体Aを持ち上げると、左右の半体1は夫々自重により底部枢着部2を支点に外方へ自動的に回動するように設定している。
【0041】
この際、各半体1が自動的に回動するようにするには、各引き上げ部5が外方へ傾動して逆ハ字状となって、底部枢着部2が左右端部に比して上昇しつつ引き上げ部5と半体1との下部連結部11が接近することを許容する構成とする必要がある。
【0042】
従って、この引き上げ部5をワイヤとしても良いが、変形させた各収納形態をロック保持し、またこの変形時の引き上げ操作部6をそのまま持ち運び取手とするために、本実施例では引き上げ部5を板状連結部5とし、夫々が逆ハ字状に傾動し得る構成としている。
【0043】
この引き上げ部5が十分に撓むことで前記下部連結部11の位置が互いに接近することを許容する構成としても良いが、本実施例では、前記引き上げ操作部6にこの引き上げ操作部6を回動操作することで、この引き上げ操作部6に連結した前記各引き上げ部5を前記逆ハ字状に夫々傾動させる回動操作傾動機構10を設け、この引き上げ操作部6を持ち上げ回動操作することで、前記回動操作傾動機構10を作動させて前記左右セパレート形の傾斜箱形状態に変形切替えするように前記変形切替え機構Bを構成している。
【0044】
即ち、本実施例では、引き上げ部5の上端部を引き上げ操作部6の両端面に沿設重合止めして枢着する構成とし、この引き上げ操作部6の両端面の形状を設定して引き上げ操作部6を回動することでこの両端面の斜設向きが変化することによって引き上げ部5夫々を逆ハ字状が傾動することが許容されるように構成して、引き上げ操作部6を持ち上げつつ回動操作することで各半体1の自重により自動的に箱形状態から前記傾斜箱形状態に変形切替えするように構成し、再び箱形状態とする場合には逆方向に引き上げ操作部6を回動しつつ接地して自動的にあるいはや手で更に押圧することで戻り動するように構成している。
【0045】
また、前記上部開口形の箱形状態を保持する箱形保持機構12と、前記左右セパレート形の傾斜箱形状態を保持する傾斜箱形保持機構13とを前記変形切替え機構Bに設けて、前記変形切替え機構Bの前記引き上げ操作部6を、上部開口形の箱形状態で前記収納体Aを持ち運びする際の取手及び前記左右セパレート形の傾斜箱形状態で前記収納体Aを持ち運びする際の取手とした構成としている。
【0046】
具体的には、この第一実施例では、引き上げ部5に保持用係止部16が挿入係止される保持用係止孔17を設け、変形完了時にこの保持用係止部16を挿入する位置に設けた前記保持用係止孔17に引き上げ部5を操作して挿入し、この引き上げ部5を少し可動させた位置を圧入保持させることで、保持用係止孔17に設けた係止突部18が保持用係止部16の孔縁に抜け止め係止されるように構成し、変形させるときには再び引き上げ部5を可動して更に手前に傾動することで、保持用係止孔17から保持用係止部16を抜き外して、前述のように変形切替えするように構成している。
【実施例2】
【0047】
次に本発明の具体的な第二実施例について図15〜図31に基づいて説明する。
【0048】
本実施例では、第一実施例と同様に、各左右の半体1に夫々連結される連結部5の上部に持ち上げ用取手6を設け、手動若しくは自動的に前記底部枢着部2を前記底部3の左右端部に対して上昇させると共に、この底部枢着部2を支点に前記左右の半体1を夫々外方へ回動させる切替え回動許容機構9と、前記持ち上げ用取手6を持って持ち上げた際若しくは単に載置した際に前記上部開口形の箱形状態を保持する箱形保持機構12と、前記左右セパレート形の傾斜箱形状態を保持する傾斜箱形保持機構13とから成る変形切替え機構Bを備えた構成としている。
【0049】
具体的には、この第二実施例では、前記収納体Aを構成する前記各左右の半体1に夫々前記連結部5を回動自在に設け、この連結部5に架設状態に前記持ち上げ用取手6を枢着して、前記収納体Aの左右にこの収納体Aを持ち上げ搬送する前記持ち上げ用取手6を対向状態に設けている。即ち各左右の半体1の変形切替え時の回動(変形回動)に伴って前記連結部5が夫々回動支点21を支点に回動しこれに連結した前記持ち上げ用取手6の位置が変化するように構成して前記切替え回動許容機構9を構成している。
【0050】
更に説明すれば、収納体Aの両側において同じ構造となるものであるが、その片側の持ち上げ用取手6、連結部5等から成る切替え回動許容機構9について説明すれば、左右半体1の外面に板状の連結部5を上下方向を回動面として個の外面に沿って回動自在に枢着し、この左右半体1の夫々に設けた各連結部5の外側端部に前記持ち上げ用取手6の各端部を垂下部を介して枢着連結し、各連結部5の反対側端部が後述するストッパ部19の上側に突き当たり係止して上部開口形の箱形状態が保持されるように構成している。
【0051】
また、このように前記連結部5の回動を所定位置で阻止するストッパ部19を設けて、前記上部開口形の箱形状態を保持する箱形保持機構12と、前記左右セパレート形の傾斜箱形状態を保持する傾斜箱形保持機構13とを構成している。
【0052】
更に説明すると、前述のように各左右の半体1の両側の外面に夫々板状の連結部5を外面に沿って回動自在に設け、この連結部5は、取付枢着部を回動支点21として各左右半体1の外面に沿って上下方向を回動面に回動自在に設けられ、この各左右半体1の外面に設けられた連結部5間に架設するように持ち上げ用取手6と枢着連結された構成としている。
【0053】
言い換えると、この第二実施例では持ち上げ用取手6の両端垂下部を左右の各連結部5の外側端部に連結し、この持ち上げ用取手6を持ち上げることであるいは各左右半体1を外方へ変形回動することに伴って各連結部5が回動支点21を支点に回動するように構成している。
【0054】
収納体Aの両側で同様に構成された持ち上げ用取手6を持ち上げるかあるいは手動で左右の半体1を押圧して変形回動することで両側の左右の半体1に夫々設けた連結部5が回動し持ち上げ用取手6の位置が変化するように切替え回動許容機構9を構成している。
【0055】
そして、この連結部5の回動を所定位置で阻止する前記ストッパ部19を各連結部5毎に夫々突設することで、前記箱形保持機構12と前記傾斜箱形保持機構13とを構成している。
【0056】
本実施例では、この箱形保持機構12のストッパ部19と傾斜箱形保持機構13のストッパ部19とが共有するように、各連結部5に対して一つずつストッパ部19を設け、連結部5が正逆回動した際に一つのストッパ部19に夫々反対側から突き当たりストッパ作用を果たすよう構成している。
【0057】
従って、本実施例では各収納形態において変形回動する際回動する連結部5の回動が阻止されるため、持ち上げ用取手6を持って持ち上げても各収納形態が保持されるようにして、この一つのストッパ部19により箱形保持機構12及び傾斜箱形保持機構13が構成されている。
【0058】
また、この第二実施例では、前記各連結部5の前記ストッパ部19により回動阻止された回動位置を保持させる回動ロック機構20を更に備えている。
【0059】
具体的には各収納形態の状態で左右半体1が夫々回動することで回動する各連結部5の回動が阻止され、持ち上げ用取手6によりこの左右半体1から成る収納体Aを持ち上げることが可能であるが、持ち上げ用取手6を下方へ押すなどして収納体Aに対して持ち上げ用取手6を押し下げる力が働くと連結部5が戻り回動してしまうため、この連結部5の回動がストッパ部19により阻止されている各収納形態の保持状態を操作ロックするために、前記回動ロック機構20も備えている。
【0060】
具体的には、持ち上げ用取手6左右の垂下部間にロックバー22を回動自在に架設し、このロックバー22を解除位置からロック位置へ回動し、垂下部間に配置することで連結部5が回動不能となり各収納形態ロック保持状態がロックされることになる。即ち、上部開口形の箱形状態でこのロックバー22を上方に起こし回動して上方に配置すると、このロックバー22(その水平長杆部)が各連結部5の上縁に位置して持ち上げ用取手6が押し下げられ連結部5が戻り回動しようとすることを阻止する。つまり、このロックバー22が連結部5に係止して連結部5の戻り動が阻止され各この収納形態がロックされるように構成している。
【0061】
また、このロックバー22を下方へ退避回動させてこのロックを解除し、連結部5を回動させて各左右半体1を外方へ回動し変形回動させることができ、この変形後の傾斜箱形状態にした際、再びロックバー22を上方へ起こし回動すると、このロックバー22(その水平長杆部)が連結部5間に配置されこれが連結部5間に突っ張り係止することで連結部5の戻り回動が阻止されこの収納形態がロックされるように構成している。
【0062】
尚、本発明は、前記第一実施例,第二実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【符号の説明】
【0063】
A 収納体
B 変形切替え機構
1 半体
2 底部枢着部
3 底部
4 側壁部
5 連結部,引き上げ部
6 持ち上げ用取手,引き上げ操作部
7 載置部
8 変形時載置部
9 切替え回動許容機構,持ち上げ時回動機構
12 箱形保持機構
13 傾斜箱形保持機構
14 傾斜開口部
19 ストッパ部
20 回動ロック機構
21 回動支点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部開口形の収納体を、左右半体の底部の内側対向縁部を枢着し変形自在に構成して、上部開口形の箱形状態から、前記各半体が夫々左右外方に回動すると共に底部枢着部が底部の左右端部に比して上昇し、前記底部枢着部を境に左右の底部及び左右の側壁部が傾斜状態となった左右セパレート形の傾斜箱形状態に変形切替え自在に構成し、前記上部開口形の箱形状態と前記左右セパレート形の傾斜箱形状態との二種類の収納形態に変形切替え自在にして且つ前記各形態を保持して載置し得る構成としたことを特徴とする変形コンテナ。
【請求項2】
前記収納体の底部に、前記収納体の上部に設けた載置受け部に載置する載置部を設けてスタッキング自在に設けると共に、前記左右セパレート形の傾斜箱形状態とした際の上部に設けた変形時載置受け部に載置する変形時載置部を設けて、変形切替え後もスタッキング自在に構成したことを特徴とする請求項1記載の変形コンテナ。
【請求項3】
前記左右セパレート形の傾斜箱形状態とした前記収納体の上部の前記変形時載置受け部に、スタッキングする別の前記収納体の底部の前記変形時載置部を載置してスタッキングした際に、収納物を投入可能な傾斜開口部が左右に露出形成される構成としたことを特徴とする請求項2記載の変形コンテナ。
【請求項4】
前記各左右の半体に夫々連結される連結部の上部に持ち上げ用取手を設け、手動若しくは自動的に前記底部枢着部を前記底部の左右端部に対して上昇させると共に、この底部枢着部を支点に前記左右の半体を夫々外方へ回動させる切替え回動許容機構と、前記上部開口形の箱形状態を保持する箱形保持機構と、前記左右セパレート形の傾斜箱形状態を保持する傾斜箱形保持機構とから成る変形切替え機構を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の変形コンテナ。
【請求項5】
前記左右の半体に夫々連結する引き上げ部となる連結部の上部に前記引き上げ操作部となる前記持ち上げ用取手を設けて前記収納体の左右にこの収納体を持ち上げ搬送する前記持ち上げ用取手を対向状態に設け、前記引き上げ部を引き上げる引き上げ操作部となる前記持ち上げ用取手を持ち上げて、手動若しくは自動的に前記底部枢着部を前記底部の左右端部に対して上昇させると共に、この底部枢着部を支点に前記左右の半体を夫々外方へ回動させる引き上げ時回動機構となるように前記切替え回動許容機構を構成したことを特徴とする請求項4記載の変形コンテナ。
【請求項6】
前記引き上げ操作部となる前記持ち上げ用取手を持ち上げた際に、前記各引き上げ部が逆ハ字状に夫々傾斜状態となると共に、前記底部枢着部が前記底部の左右端部の載置部に比して上昇して前記左右の半体が夫々外方に回動自在とするように前記引き上げ時回動機構を構成して、前記引き上げ操作部を持って前記収納体を持ち上げて、前記箱形状態から前記左右セパレート形の傾斜箱形状態に変形切替えするように前記変形切替え機構を構成したことを特徴とする請求項5記載の変形コンテナ。
【請求項7】
前記収納体を構成する前記各左右の半体に夫々前記連結部を回動自在に設け、この連結部に架設状態に前記持ち上げ用取手を枢着して、前記収納体の左右にこの収納体を持ち上げ搬送する前記持ち上げ用取手を対向状態に設け、前記各左右の半体の変形切替え時の回動に伴って前記連結部が夫々回動支点を支点に回動し前記持ち上げ用取手の位置が変化するように構成して前記切替え回動許容機構を構成し、前記連結部の回動を所定位置で阻止するストッパ部を設けて、前記上部開口形の箱形状態を保持する箱形保持機構と、前記左右セパレート形の傾斜箱形状態を保持する傾斜箱形保持機構とを構成したことを特徴とする請求項4記載の変形コンテナ。
【請求項8】
前記各連結部の前記ストッパ部により回動阻止された回動位置を保持させる回動ロック機構を備えて、前記上部開口形の箱形状態を保持する箱形保持機構と、前記左右セパレート形の傾斜箱形状態を保持する傾斜箱形保持機構とを構成したことを特徴とする請求項7記載の変形コンテナ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【公開番号】特開2013−32182(P2013−32182A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−81829(P2012−81829)
【出願日】平成24年3月30日(2012.3.30)
【出願人】(000138336)株式会社スノーピーク (19)
【Fターム(参考)】