説明

変形可能なインプラントシステムおよび方法

本発明は、変形可能なインプラント、および変形装置を提供する。インプラントは、細長い形状を有し、また骨折した骨の骨髄内管中に挿入することができる。インプラントは、支持構造と、第1の状態で変形可能であり、第2の状態で硬化し、支持構造の周囲を囲む熱化学的に活性化されるマトリックス材料とを有することができる。変形装置は、インプラント中に同軸的に挿入される形状をしており、またバルーンの内側に同軸的に配置された管と、管およびバルーンに接続された1組のホースとを含む。熱源、カートリッジ、およびポンプを装置に接続することができ、熱を供給し、液体または気体の熱および圧力を調節し、かつそれをバルーンを通して循環させる。液体または気体は、ホースを介してバルーン中に導かれて、バルーンを膨張させ、周囲のインプラントを半径方向に拡大させ、骨折した骨に対する支持を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、骨折の外科治療のための整形外科装置に関し、より詳細には、変形可能で、かつ骨髄内管の形状に適合する骨髄内装置を用いて、骨折部位を固定化および安定化することに関する。
【背景技術】
【0002】
整形外科学は、骨折を修復するために、骨に取り付けることのできる多様なインプラントを提供する。外部固定は、皮膚の外に突き出る装置の取付けを含み、したがって、著しい感染の危険がある。長骨における多くの骨折は、直接、骨の表面に植え込まれ、かつ骨の表面上にあるように取り付けられた骨板(bone plate)を使用することにより修復することができる。次いで、骨板は、骨折した骨が適正に治癒できるように十分長く体中に残る。残念ながら、このような骨板は、しばしば、板を取り付けるべき骨の長さほぼ全体を外科的に露出することが必要になる。このような露出は、通常、長く、苦痛の多い治癒プロセスとなり、板の除去を可能にするために植込み部位を再度露出する際に、そのプロセスを、しばしば、再度繰り返す必要がある。骨が治癒するとき皮膚を通して突き出る必要のあるエレメントを回避することによって感染の可能性を回避しながら、骨折した骨をこのように広く露出することを必要としないインプラントおよび関連する器具が当技術分野で求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第7,048,753号
【特許文献2】米国特許第7,192,437号
【特許文献3】米国特許第6,342,065号
【特許文献4】欧州特許第1,057,844号
【特許文献5】米国特許第6,413,539号
【特許文献6】欧州特許第0,737,703号
【特許文献7】欧州特許第0,952,171号
【発明の概要】
【0004】
次に、本発明の様々な実施形態について、添付の図面を参照して論ずる。これらの図面は、本発明の典型的な実施形態を示しているにすぎず、したがって、その範囲を限定するものと見なすべきではないことを理解されたい。図面は、原寸に比例していない可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】ケージおよび複数のロッドを含む支持構造、および熱化学的に活性化される熱可塑性マトリックスを備える、本発明の一実施形態による髄内骨固定装置の斜視図である。
【図2】図1のケージの斜視図である。
【図3A】図2の支持構造中に組み込むのに適したステント部の様々な実施形態の図である。
【図3B】図2の支持構造中に組み込むのに適したステント部の様々な実施形態の図である。
【図3C】図2の支持構造中に組み込むのに適したステント部の様々な実施形態の図である。
【図3D】図2の支持構造中に組み込むのに適したステント部の様々な実施形態の図である。
【図3E】図2の支持構造中に組み込むのに適したステント部の様々な実施形態の図である。
【図3F】図2の支持構造中に組み込むのに適したステント部の様々な実施形態の図である。
【図3G】図2の支持構造中に組み込むのに適したステント部の様々な実施形態の図である。
【図3H】図2の支持構造中に組み込むのに適したステント部の様々な実施形態の図である。
【図3I】図2の支持構造中に組み込むのに適したステント部の様々な実施形態の図である。
【図4】図2のケージの第1の端部の拡大した斜視図である。
【図5】図1のロッドの斜視図である。
【図6】図1の熱可塑性マトリックスの斜視図である。
【図7】髄内骨固定装置の代替の実施形態が骨髄内管中に部分的に挿入された状態の骨の長手方向横断面図である。
【図8】第2の髄内骨固定装置の内側に植え込まれた図7の髄内骨固定装置を用いた骨の長手方向横断面図である。
【図9A】骨および図8の髄内骨固定装置の一断面の拡大された横断面図である。
【図9B】骨および図8の髄内骨固定装置の他の断面の拡大された横断面図である。
【図9C】骨および図8の髄内骨固定装置の他の断面の拡大された横断面図である。
【図10】ケージ、ロッド、縫合糸、および熱可塑性マトリックスを備える髄内骨固定装置の代替の実施形態の斜視切断図である。
【図11A】図11Aの収縮した状態から図11Eの完全に拡大した状態まで、装置の半径方向の拡大を示している図10の髄内骨固定装置の横断面図である。
【図11B】図11Aの収縮した状態から図11Eの完全に拡大した状態まで、装置の半径方向の拡大を示している図10の髄内骨固定装置の横断面図である。
【図11C】図11Aの収縮した状態から図11Eの完全に拡大した状態まで、装置の半径方向の拡大を示している図10の髄内骨固定装置の横断面図である。
【図11D】図11Aの収縮した状態から図11Eの完全に拡大した状態まで、装置の半径方向の拡大を示している図10の髄内骨固定装置の横断面図である。
【図11E】図11Aの収縮した状態から図11Eの完全に拡大した状態まで、装置の半径方向の拡大を示している図10の髄内骨固定装置の横断面図である。
【図12A】図12Aの収縮した状態から図12Eの完全に拡大した状態まで、装置の半径方向の拡大を示している髄内骨固定装置の代替の実施形態の横断面図である。
【図12B】図12Aの収縮した状態から図12Eの完全に拡大した状態まで、装置の半径方向の拡大を示している髄内骨固定装置の代替の実施形態の横断面図である。
【図12C】図12Aの収縮した状態から図12Eの完全に拡大した状態まで、装置の半径方向の拡大を示している髄内骨固定装置の代替の実施形態の横断面図である。
【図12D】図12Aの収縮した状態から図12Eの完全に拡大した状態まで、装置の半径方向の拡大を示している髄内骨固定装置の代替の実施形態の横断面図である。
【図12E】図12Aの収縮した状態から図12Eの完全に拡大した状態まで、装置の半径方向の拡大を示している髄内骨固定装置の代替の実施形態の横断面図である。
【図13A】本発明の代替の一実施形態による収縮した状態の支持構造の斜視図である。
【図13B】拡大した状態の図13Aの支持構造の斜視図である。
【図14A】収縮した状態のケージの斜視図である。
【図14B】収縮した状態の14Aのケージの端面図である。
【図14C】拡大した状態のケージの斜視図である。
【図14D】拡大した状態の14Cのケージの端面図である。
【図15】スロットを付けた支持構造の斜視図である。
【図16A】図1の装置と共に使用するのに適した機械的拡大装置のシャフト部の斜視図である。
【図16B】図16Aの完全な機械的拡大装置の斜視図である。
【図17】収縮した状態の髄内骨固定装置を有する骨と、骨の骨髄内管中のバルーン拡大装置との長手方向横断面図、およびレギュレータ装置の図である。
【図18】図17の収縮した状態の髄内骨固定装置およびバルーン拡大装置を有する、図17の骨の一部の長手方向横断面図である。
【図19】バルーンが膨張した状態にあり、かつ髄内骨固定装置が拡大した状態にある、図17の骨、髄内骨固定装置、およびバルーン拡大装置の長手方向横断面図である。
【図20A】図19の骨および髄内骨固定装置の一断面の拡大横断面図である。
【図20B】図19の骨および髄内骨固定装置の他の断面の拡大横断面図である。
【図20C】図19の骨および髄内骨固定装置の他の断面の拡大横断面図である。
【図21】バルーンが収縮した状態にあり、また髄内骨固定装置が拡大状態にあり、バルーン拡大装置が髄内骨固定装置から部分的に除かれている状態の、図17の骨、髄内骨固定装置、およびバルーン拡大装置の長手方向横断面図である。
【図22A】本発明の代替の一実施形態による、延長された状態にある伸縮式の骨固定装置の斜視図である。
【図22B】図22Aの伸縮式の骨固定装置の2つの入れ子コンポーネント間の接続の長手方向横断面図である。
【図23】延長された状態にある、本発明の他の代替の実施形態によるメッシュ状コンポーネントおよび熱可塑性マトリックスを有する伸縮式骨固定装置の斜視図である。
【図24】部分的に延長された状態にある、本発明のさらに他の代替の実施形態による螺旋状にねじが切られた伸縮式骨固定装置の斜視図である。
【図25A】図24の螺旋状にねじが切られた伸縮式骨固定装置の1つの入れ子コンポーネントの斜視図である。
【図25B】図24の螺旋状にねじが切られた伸縮式骨固定装置の他の入れ子コンポーネントの斜視図である。
【図26】複合髄内骨固定装置の斜視図である。
【図27】図26の複合髄内骨固定装置の近位端の横断面図である。
【図28A】ハンドルの側面図である。
【図28B】図28Aのハンドルの近位端の図である。
【図29】骨折した骨の横方向の部分的横断面図である。
【図30】図29の骨折した骨の骨髄内管中に挿入されているガイドワイヤの側面図である。
【図31】図29の複合髄内骨固定装置を、図30のガイドワイヤを介して骨折した骨の中にガイドする図28Aのハンドルの側面図である。
【図32】骨折した骨の骨髄内管から除去される図30のガイドワイヤの側面図である。
【図33】図28Aのハンドルおよびバルーン拡大装置の側方斜視図である。
【図34】図33のバルーン拡大装置の一部を備える管の側方斜視図である。
【図35】図33のバルーン拡大装置の側方斜視図である。
【図36】図33のバルーン拡大装置の接続アセンブリの拡大横断面図である。
【図37】1組のホースに接続された複合髄内骨固定装置、およびハンドルの側面図である。
【図38】カートリッジおよびポンプに接続された図37の複合髄内骨固定装置、ハンドル、およびホースの側面図であり、かつ骨固定装置の一部の拡大を示す図である。
【図39】骨折した骨の骨髄内管中にある拡大された複合髄内骨固定装置の側面図である。
【図40】熱源、拡大装置、およびポンプに接続された、植え込まれた複合髄内骨固定装置の斜視図である。
【図41】加熱機構がバルーン中に一体化されたバルーン拡大装置の斜視図である。
【図42】加熱機構がバルーンを覆うスリーブ中に一体化されたバルーン拡大装置の斜視図である。
【図43】植え込まれた複合髄内骨固定装置と、空気の加熱および圧力制御システムに接続された拡大装置との斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
図1を参照すると、斜視図が、髄内骨固定複合装置10の実施形態を示しており、ここで、複合とは、少なくとも2つの異なる材料を故意に組み合わせて、所望の、または意図した特性を有する異種構造を形成するものとして定義される。複合装置10は、支持構造11および熱化学的に活性化される熱可塑性マトリックス16を備える。支持構造11は、ケージ12、少なくとも1つの補強ロッド14を備える。複合装置10は、概して管状の形態をしており、長手方向軸24および横方向軸26を有する。中空の中心コア18は、熱可塑性マトリックス16中に埋め込まれたケージ12およびロッド14により囲まれて、装置10の長さに延びている。外周部22は、複合装置10の外側表面の境界を示す。複合装置10は、骨髄内管中に導入するための、収縮した可撓性の状態から、植え込まれ髄内管の周囲部に拡大することが可能になった後で周囲の骨を固定するような剛性の支持と位置合わせとをもたらす、拡大され硬化した状態に遷移することができるインプラントである。マトリックス16の熱可塑性により、複合装置10は、第1の状態で、周囲の骨髄内管の形状に適合するように、かつ第2の状態で、その適合した形状で硬化することができ、骨の治癒中に、骨片のねじり、軸方向、および曲げの補強を提供する。挿入(または除去)のために収縮した場合、装置の横方向軸26に沿った直径20は低減され、また装置の長手方向軸24に沿った長さは、一定または増加することができる。骨髄内管で拡大したとき、直径20は増加し、長さは、一定または減少するはずである。
【0007】
図2で分かるように、ケージ12は、その長さの少なくとも一部、好ましくは全長にわたって半径方向に拡大し、かつ収縮することができ、かつ曲げ荷重が加えられたとき、曲げに対して可撓性を有するように細長く、概してウェブ状の管である。ケージ12は、第1の端部30、第2の端部32、およびその両端の間で延びるスリーブ34を有する。スリーブ34は、取付け部36、およびウェブ状のステント部38を有する。ケージは中空であり、横断面形状は概して円形であるが、ウェブ状の構成により、その横断面形状は、周囲の骨髄内管の輪郭に適合するように変化することが可能になる。骨髄内管の形状は、その長さに沿って変化し、またその横断面形状は、実質的に円形、概して三角形、または他の形状でありうる。ケージ12は、特に、ニチノール、ステンレス鋼、Co−Cr、チタン合金、タンタル、プラスチック、ポリマー、セラミックス、または他の生体適合性の材料などの材料から作成された、管状に織られた、または編まれたケージ、レーザカット管ケージ、機械加工されたケージ、または化学的にエッチングされた管ケージを含むことができる。図示された実施形態では、ステント部38は、スリーブ34の大部分を含む。しかし他の実施形態では、ステント部は、スリーブのより小さな部分とすることができ、またはスリーブ全体を含むこともできる。取付け部36は、スリーブの端部の一方、両方に位置する、またはいずれにも位置しない、あるいはスリーブの長さに沿って断続的に位置することもできる。
【0008】
図3を参照すると、市販されているステント形状の諸例を含むステント部38のウェブ状構造の可能な構成が示されている。これらの図は、ウェブ状構造の近似的なパターンを示す。これらのパターンは、様々な長さ、直径、繰返し可能なパターン密度、ワイヤの太さ、ウェブ面積、および他の構造的な特性に対して適用可能であり、したがって、全体的なステント形状は、特定の骨の形態およびサイズに合わせて構成することができる。図3Aは、Johnson and JohnsonのPalmaz−Schatz(商標)バージョン2ステントを表す。図3BはMedtronicWiktor(商標)ステントを示す。図3Cは、Schneider「Magic」Wallstent(商標)ステントの概略の形状を表す。図3Dは、Scimed NIR(商標)ステントを表す。図3Eは、Arterial Vascular Engineering(AVE(商標))Microstentを表す。図3Fは、Biotronik Stent(商標)を表す。図3Gは、Johnson and JohnsonのPalmaz−Schatz(商標)ステントの概略の形状と構成を表すことを意味している。図3Hは、Global Therapeutics Freedom(商標)ステントを表す。図3Iは、Scimed Radius(商標)ステントの適用可能な構造を表すように描かれており、それは、前に示された代表的な諸図のすべてと同様に、特定の骨の骨髄内形状に適合するために必要な長さ、直径、およびサイズに合わせて構成することができる。ステント部はまた、所望の幾何形状に対してよく適合することが必要な場合、その長さ、または直径に沿って、複数のパターンを用いて構成することもできる。ステント部は、市販されているステントである必要はない。それはまた、ワイヤで、織られた、機械加工された、レーザカットされた、または化学的にエッチングされたものから構成される特有の構成を有することもできる。
【0009】
図4は、ケージ12の第1の端部30と、取付け部36と、ステント部38の一部との拡大図である。取付け部36は、ステント部38から延びてループ42で終わるストラット40を備えており、そのループ42は、装置の配置、調整、および除去のための器具の取付けを可能にする。特に、穴またはフックなどの他の留め具も、ループの代わりに使用することができる。第1の端部30におけるストラット40間で、リンク機構44が、各ストラットを隣のストラットに接続する。リンク機構により、装置が、植込みおよび取外し中に収縮し、拡大されるとき、ストラット40の、したがって、第1の端部30の半径方向および長手方向の収縮および拡大が可能になる。ステント部38のウェブ状構成により、ケージ12の残りの半径方向および長手方向の収縮および拡大が可能になる。
【0010】
図5を参照すると、少なくとも1つの、また任意選択で、複数の補強ロッド14が、ケージ12の長手方向軸に平行に方向付けられており、ケージが収縮し、また拡大するにつれて、補強ロッド(複数可)がケージと共に半径方向に移動可能になるような方法でケージに含まれる。各ロッド14は、第1の端部50、第2の端部52、およびシャフト56を有する。各ロッド14は、ケージ12の第2の端部32に接続するために、第2の端部52において、ループ、穴、フック、または他の取付け構造を有することができる。ロッド14は、ねじが粗く切られており、または他の形で、ケージ12のステント部38中に結合することができる。穴(図示せず)は、ロッドを貫通して横方向に延びることができ、またステント部の個々のウェブは、ロッドを保持するために、その穴を通すことができる。ロッド14は、ケージ12の全長にわたり延びることができるが、あるいはケージの第2の端部32からステント部38の上端部まで延びることが好ましい。補強ロッド14は、ステンレス鋼、コバルトクロム合金、タンタル、ジルコニウム合金、チタンまたはチタン合金、特にベータチタン合金などの任意の生体適合性の材料から作成することができる。補強ロッド14はまた、PEEK、アセタール、生体吸収性材料、セラミックス、およびバイオ複合材料など、非金属の生体適合性材料から作成することもできる。各補強ロッド14は、(収縮した状態の)装置が、骨髄内管に導入されるとき、一時的に曲がるように十分に可撓性がある。さらに、ロッドは、ローレットを付ける、ねじを切る、またはその他の形で処理して、マトリックスおよびケージへの付着および組合せを提供することができる。装置10が挿入され、半径方向に拡大された後、ロッド14は、装置のケージおよびマトリックスの内部で、骨の長手方向軸に平行に位置合わせされ、髄内管の内部表面に沿って並ぶ。
【0011】
複合装置10の半径方向の拡大に対する長手方向収縮の比は、ケージのステント部の構成、リンク機構の長さ、およびロッドの長さと配置に応じて変化する。いくつかの実施形態は、低い比を有しており、その場合、ケージの長さのわずかな減少は、半径方向の拡大における大きな増加となる(コア直径20の変化で測定した場合)。他の実施形態は、1:1の比(ケージ長さの収縮が、半径方向の拡大と等しい測定値になる)、または高い比を有しており、その場合、長手方向収縮における大きな減少は、半径方向の拡大のわずかな増加を生むことになる。実施形態の選択は、特に、固定される特定の骨の長さと直径、骨へのアクセス可能性、および骨折の重篤度などの要因に依存することになる。
【0012】
図6を参照すると、熱可塑性マトリックス16は、熱機械的に、または熱化学的に活性化することができ、また図2の支持構造11、または以下で述べる諸実施形態の任意のものの支持構造の周囲を囲むことができる。マトリックス16は、第1の状態と第2の状態の間で変化する物理特性を有する熱化学的に活性化される材料を含む。例えば、材料は、第1の状態で可撓性があって変形可能であり、第2の状態で、より硬くさらに剛性を高くすることができる。これは、1つの状態から他の状態に、マトリックス16の化学成分の分子構造などの要因を変化させることによって達成することができる。この開示のために、熱化学的に活性化される材料は、第1の状態と第2の状態の間で、化学的、熱的、または他のプロセスにより変化することのできる物理特性を有する材料であり、そのプロセスは、材料の分子構造を変化させ、したがって、材料の物理特性を変化させる。これらのプロセスは、これだけに限らないが、材料の温度を変化させること、ガンマ放射線に材料を曝して、材料中の分子鎖間の架橋結合を変えること、材料を紫外線に曝して材料を重合し、硬化させること、材料を第2の材料に曝して架橋および分子結合を可能にすること、分子構造内の結晶化度を増加させることにより時間をかけて材料を硬化させること、および材料中の分子間の結合を変化させ、それに応じてその材料特性を変える他の方法を含むことができる。この開示の範囲においては、熱化学的に活性化されるという用語はまた、熱可塑性と呼ぶこともできる。
【0013】
マトリックス16は、ポリ乳酸(PLA)、ポリε−カプロラクトン(PCL)、トリメチルカルボネート(TMC)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリL−乳酸(PLLA)、ポリD−L−乳酸(PDLLA)、ポリD、L−乳酸−ポリエチレングリコール(PLA−PEG)、または他の生体適合性のポリマーなどのポリマーを含む熱可塑性の生体適合性のポリマーまたはポリマーブレンドを含むことができる。これらのポリマーのそれぞれは、ガラス転移温度Tを有しており、したがって、温度をそのTを超えて上昇させた場合、ポリマーはゴム状になり、可撓性を有し、実質的に変形可能になる。温度をそのT未満に下げた場合、ポリマーは結晶化し、実質的に硬化する。これらの各ポリマーまたはブレンドのそれぞれは、そのガラス転移温度Tを超える温度である第1の熱化学状態にエネルギーを加えることにより変換することができる。エネルギーの放散を介して、温度をT未満まで下げたとき、ポリマーまたはブレンドは、第2の熱化学状態になる。ポリマーのこれらの熱可塑性の特性により、ポリマーを、繰り返して、Tを超えるまで加熱し、続いてT未満まで冷却して、第1と第2の熱化学状態の間を繰返し移動することを可能にする。
【0014】
ポリマーは、体温を超えるガラス転移温度Tを有することが好ましいが、その温度未満では、組織の熱的壊死を生ずることが知られている。好ましいブレンドは、ヒトの体温で結晶化され、実質的に剛性を有するが、体温より約10℃上から体温より約35℃上までの範囲のTを有する。この許容可能なTの範囲は、約50℃と約80℃の間の範囲であり、好ましくは約55℃と約65℃の間である。好ましくは、熱可塑性マトリックス16は、PCLとPLA、またはPCLとPGAなど、ポリマーのブレンドを含む。表1は、選択された合成吸収性ポリマーの融点(T)、ガラス転移温度(T)、および熱分解温度(Tdec)を示している。
【0015】
【表1】

【0016】
マトリックス16に含むことのできるさらなる生体適合性のポリマーは、個々に、またはブレンド中に、ポリグリコリド、ポリ(DL−ラクチド)、ポリ(L−ラクチド)、ポリ(δ−バレロラクトン)、ポリヒドロキシ酪酸を含む脂肪酸ポリエステルと、ポリ[ビス(p−カルボキシフェノキシ)プロパン酸無水物]、ポリ(カルボキシフェノキシ酢酸)、ポリ(カルボキシフェノキシバレリアン酸)を含むポリ酸無水物と、アリールオキシフォスファゼンポリマー、およびアミノ酸エステルを含むポリフォスファゼンと、ポリ(オルトエステル)と、ポリ(p−ジオキサン)と、ポリ(グルタミン酸−CO−グルタミン酸エステル)を含むポリ(アミノ酸)と、浸食性ヒドロゲルと、コラーゲン(タンパク質)およびキトサン(多糖類)を含む天然のポリマーとを含む。
【0017】
熱可塑性マトリックス16はさらに、骨材料の成長を促進し、かつ骨折の治癒を加速させるための少なくとも1つの生体活性材料を含むことができる。これらの生体活性材料は、これだけに限らないが、水酸リン灰石、リン酸テトラカルシウム、β−リン酸三カルシウム、フッ素リン灰石、マグネシウムホワイトロッカイト、β−ホワイトロッカイト、アパタイト/ウォラストナイトガラスセラミック、リン酸カルシウム粒子強化ポリエチレン、生体活性ガラス、生体活性ガラスセラミックス、多結晶ガラスセラミックス、およびポリエチレン水酸リン灰石を含む。
【0018】
支持構造11は、Tを超える温度にある間に、支持構造を熱可塑性マトリックス材料16中に浸漬することにより、インサート成形、引抜き成形を介して、または他のコーティング法により熱可塑性マトリックス16中に埋め込むことができる。様々な異なる方法を、代替として、熱可塑性マトリックス16と支持構造11を組み立てるために使用することができる。
【0019】
図7を参照すると骨の長手方向横断面は、髄内骨固定複合装置710の植込みを示している。図7で示す方法はまた、複合装置10および代替の実施形態による他の装置を植え込むために使用することもできる。複合装置710は、支持構造711および熱化学的に活性化される熱可塑性マトリックス716を備える。支持構造711は、ステント状のケージ712(図示せず)、および複数のロッド714(図示せず)を備える。
【0020】
経皮ポータル60が、骨髄内管2中に、好ましくは、骨の近位もしくは遠位の骨幹端部位中に作成される。開口部は、骨の長手方向軸に平行でなくてもよい。それは、骨の長手方向軸に対して、横方向とすることも、あるいは鋭角にすることもできる。髄内管の空間を空けてインプラント用に前処理することが必要な場合、髄内管は、一連のパルス洗浄、ブラッシング、および吸引を用いて瀉出する(evacuate)される。送達管62を、経皮ポータル60中に進めることができる。長く延びた、収縮状態にある複合装置710は、熱可塑性マトリックス716が、そのガラス転移温度を超え、したがって、経皮ポータルを介し、骨髄内管中に導入されるとき、十分撓むように実質的に変形可能であり、かつゴム状であるように、植込みの直前に第1の熱化学状態に加熱される。この開示の範囲では、「実質的に硬化された場合」よりも構造を変形させるために必要な力が大幅に少ない場合には、構造は「実質的に変形可能」である。好ましい実施形態では、実質的に硬化した状態で必要となるはずの力よりも、それを変形させるのに必要な力が半分未満である場合、構造は、実質的に変形可能である。
【0021】
第1の熱化学状態に達するように複合装置710を加熱することは、特に、インプラントを高温の塩類溶液浴に浸漬すること、超音波振動エネルギーを印加すること、放射熱エネルギーを加えること、局所的な放射線放出体(紫外線、可視光、および/またはマイクロ波エネルギーを含む)を使用すること、レーザエネルギー放出体を使用すること、誘導熱エネルギーを使用すること、ケージもしくは送達器具の電気抵抗性加熱、または拡大装置の加熱を含む手段によって達成することができる。
【0022】
複合装置710は、送達管62中に挿入され、押されて管を通り、複合装置710が髄内管の領域内に含まれるまで、骨髄内管2中を進む。任意選択で、複合装置710は、送達管62を通過することなく、経皮ポータル60を直接通って挿入することができる。複合装置710の一部を、保護シース749によって囲むことができ、それは、骨折した場所で、装置710を覆うように配置される。装置710は、次いで、半径方向に拡大される。支持構造711が拡大するにつれて、補強ロッド714、ケージ712、および熱可塑性マトリックス716は、半径方向外側に動き、最終的に、骨の長手方向軸に平行に、骨髄内管の壁に沿って並ぶ。複合装置710は、低いガラス転移温度T未満になるまで冷却することが可能であり、したがって、第2の熱化学状態に達し、マトリックス716が結晶化する。マトリックスが結晶化すると、それは、実質的に硬化し、周囲の骨髄内管の形状に適合し、またケージ712および補強ロッド714は、髄内管の壁に沿って熱可塑性マトリックス716中に固定される。骨髄内管の形状は、骨の長さに沿って変化する可能性があり、髄内管は、骨の中点近くの骨幹部位で、概して円形であり、また骨の端部近くの骨幹端部位で不規則である。熱可塑性マトリックス716は、複合装置710が挿入されたとき、概して管状の形をしているが、マトリックスの熱可塑性の性質により、それを囲む骨髄内管の形状に適合することを可能にし、またその形状で結晶化し、したがって、ねじり強度を提供し、かつ周囲の骨に対する支持を提供する。骨髄内管中の不規則部に適合するための熱可塑性マトリックス716の能力は、装置710および安定化される骨が、髄内管に適合していなかった一定の円形形状を有する装置よりも大きいねじり力に耐えることを可能にする。この開示の範囲では、「実質的に硬化された」は、熱可塑性マトリックスが、結晶化され、手動の圧力もしくは機械的な圧力を受けたとき、形状が変化することのない十分な硬さであることを意味する。
【0023】
骨髄内管に適合させるための複合装置710の変形および/または半径方向の拡大は、いくつかの方法で達成することができる。変形装置(図16および図17で示されるものなど)を、骨髄内管中に挿入される前または後に、複合装置710の中心のコアに導入することができる。変形装置は、拡大され、髄内管の領域を満たすまで、複合装置710を半径方向に拡大させる。変形装置は、熱可塑性マトリックス716の温度を上げるための熱源を備えることができる。代替として、ケージ712は、骨髄内管中に導入され拡大することのできる、外側方向のばね偏倚力を持たせて構成することができる。以下で詳細に述べる他の実施形態では、バルーン装置(図17で示すものなど)が、複合装置710の中心コアに導入される。バルーンが、加熱された気体または液体で膨張されると、バルーンは拡大し、したがって、複合装置710の拡大を引き起こす。装置が拡大された後、バルーンを収縮させ、取り除くことができる。これらの変形/拡大技法および装置はまた、複合装置10と共に、また本明細書で開示の髄内骨固定装置の他の実施形態と共に使用できることを理解されたい。
【0024】
図8を参照すると、長手方向の横断面は、骨に植え込まれた2つの複合装置710、750を示している。このような方法で、入れ子にされた2つの骨固定装置を配置することは、1つの骨固定装置から利用可能なはずのものよりも、ねじりに対するさらなる強度、剛性、および耐性を提供することができる。さらなる安定化を提供するために、2倍の熱可塑性マトリックス材料、および2倍の支持構造が示されている。
【0025】
複合装置750は、ケージ752および複数のロッド754を含む支持構造を囲む熱可塑性マトリックス756を備える。マトリックス756、ケージ752、およびロッド754の構成は、複合装置710のものと同一にすることができる。植え込む前に、複合装置750は、部分的に半径方向に拡大される。複合装置710は収縮されており、複合装置750の中空の中心コア758中に滑らせて挿入される。2つの装置710、750は共に、熱可塑性マトリックス716、756が第1の熱化学状態に達するまで加熱される。2つの装置710、750は、ユニットとして、骨髄内管中に導入される。内側に配置された複合装置710は、前に述べた技法の1つを用いて拡大される。内側の複合装置710が拡大すると、それは、外側に配置された複合装置750を半径方向に押しつけ、周囲の骨髄内管の壁に接触しかつ適合するまで、半径方向に拡大させる。
【0026】
代替として、複合装置710、750は、骨髄内管中に、個々に導入することができる。複合装置750を最初に導入し、加熱し、かつ拡大することができる。複合装置750が、骨髄内管中に入った後に、その中空の中心コア758中に、複合装置710が次いで導入される。装置710、750が共に髄内管中に入った後、複合装置710は加熱され、拡大して、外側の複合装置750を半径方向に押す。
【0027】
複合装置710を囲む熱可塑性マトリックス716は、複合装置750の熱可塑性マトリックス758に接触し、かつ適合することができる。2つの装置710、750により、第2の熱化学状態に冷却し、かつ硬化させることが可能になる。
【0028】
図9A〜図9Cを参照すると、装置710、750が骨髄内管中に植え込まれた状態で、図8で示された骨の異なる部分に沿った3つの横断面図が示されている。図9Aでは、骨髄内管2は、比較的、幅が広く、円形の形状をしており、その結果、幅の広い、円形をした中心の中空コア718が得られる。さらに、熱可塑性マトリックス716、756は比較的薄く、また装置710、750が、その点における骨髄内管の壁に接触するために、半径方向により大きく拡大する必要があったので、ロッド714、754は、比較的遠く離間されている。図9Bで分かるように、骨に沿ったこの点では、骨髄内管は、直径でより小さく、かつより不規則な形状をしている。マトリックス716、756の熱可塑性により、装置710、750は、髄内管のサイズおよび形状に合致することが可能になる。図9Cで分かるように、骨に沿ったこの点では、骨髄内管は、横断面で狭く、また実質的に三角形の形状をしている。したがって、装置710、750が、比較的少なく拡大されるので、熱可塑性マトリックス716、756は、より厚くなり、またロッド714、754は、より接近する。
【0029】
図10を参照すると、髄内骨固定複合装置の代替の実施形態が切断図で示されている。複合装置810は、支持構造811、および熱化学的に活性化される熱可塑性マトリックス816を備える。支持構造811は、ケージ812、複数のロッド814、およびケージをロッドに接続する複数の縫合糸815を備える。熱化学的に活性化されるマトリックス816は、マトリックス中に埋め込まれるように、ケージ812、ロッド814、および縫合糸815を囲む。縫合糸815は、ケージ812とロッド814の周囲およびその間に編み込まれ、互いに対して、ケージ812とロッド814の規制された動きが可能となるように、ケージ812をロッド814に接続する。
【0030】
代替として、縫合糸は、ロッドの配列を保持しかつケージを囲むスリーブ中に編み込むことができる。編込みは、ケージ812が長く延び、かつロッド814がしっかりと共に詰め込まれた収縮状態から、ケージ812が短縮され、半径方向に拡大され、かつロッド814が各ロッド間で比較的にさらに空間を有する状態でケージの周囲に配置される拡大状態まで、ケージ812およびロッド814の半径方向の拡大を可能にするような方法で構成することができる。ケージ812は、図3A〜図3Iで示されたステントと同様のウェブ状のステント材料を含むことができ、または他の織られた、もしくはレーザカットされたステント状材料を含むことができる。ロッド814は、図5で示すロッド14と同様のものとすることができる。熱化学的に活性化される熱可塑性マトリックス816は、前述し、かつ図6に示された熱化学的に活性化される熱可塑性マトリックス16と同様のものとすることができる。縫合糸は、特に、Dyneema Purity(登録商標)の超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、またはPANACRL(商標)などの生体吸収性マルチフィラメントのポリ乳酸(PLA)縫合糸を含む、いくつかの市販されている縫合糸の任意のものを含むことができる。
【0031】
複合装置810は、複合装置710に対して前述したものと同様の方法で、骨髄内管中に導入することができる。複合装置810にエネルギーが加えられて、熱化学的に活性化されるマトリックス816が、第1の熱化学的状態に達し、可撓性があり、ゴム状になるまで加熱される。複合装置810は、骨髄内管に対して平行ではないこともありうる、骨中の開口部を介して骨髄内管中に挿入するのに十分可撓性があるように収縮される。複合装置810は髄内管中に挿入され、また前述の拡大方法の1つにより拡大される。装置が骨髄内管中で拡大されたとき、熱化学的に活性化されるマトリックス816は、骨髄内管の壁に接触し、かつ適合される。装置810を冷却することができ、また熱化学的に活性化されるマトリックス816は、第2の熱化学状態を達成し、支持構造811を骨髄内管内でその拡大された状態に固定するのに十分な硬さになる。
【0032】
図11A〜図11Eを参照すると、一連の5つの横断面図が、複合装置810の拡大を、収縮した状態から完全に拡大した状態まで示している。まず図11Aを見ると、複合装置810の中空の中心コア818は、実質的に円形である。複合装置810が拡大するにつれて、ケージ812および中空の中心コア818が直径を増加し、熱可塑性マトリックス816は延びてケージ812の周囲に適合する。図11Eで示された最も拡大された状態では、熱可塑性マトリックス816は、最も収縮した状態よりも、実質的に薄くなっている。図11Aでは、ロッド814の配列は、互いの近くに比較的近接して詰め込まれているが、図11Eでは、それらは離間され、中空の中心コア818に周りに実質的に等間隔に配列されている。
【0033】
図12A〜図12Eは、5つの横断面図で、複合装置の代替の実施形態を示す。複合装置810と同様に、複合装置910は、ケージ912を有する支持構造911、複数のロッド914、およびケージをロッドに接続する複数の縫合糸915を備える。熱化学的に活性化される熱可塑性マトリックス916は、ケージ912、ロッド914、および縫合糸915を、マトリックス中に埋め込むように囲む。図12Cで最も明確に分かるように、この実施形態では、熱可塑性マトリックス916は、図11Cの熱可塑性マトリックス816に対して見られる円形の構成と比較して、一連の折り折曲げ部917で構成される。熱可塑性マトリックス916の折り曲げられた構成により、星形の中空の中心コア918が得られる。星形の中空の中心コア918は、熱可塑性マトリックス916の折曲げ部によって空間の多くが占められているので、横断面の開口空間の点でより小さい。したがって、この実施形態では、熱可塑性マトリックス916は、装置810などの他の実施形態におけるものよりも厚くなっている。したがって、図12Eで分かるように、完全に拡大した複合装置910は、厚い熱可塑性マトリックスを有しており、それは、治癒過程中に、周囲の骨に対してさらなる支持を与えることになりうる。
【0034】
複合装置910は、複合装置710および810に関して前述したものと同様の方法で、骨髄内管中に導入することができる。複合装置910にエネルギーが加えられ、熱化学的に活性化されるマトリックス916が第1の熱化学状態に達し、かつ実質的に変形可能で、可撓性があり、ゴム状化するまで加熱される。複合装置910は、図12Aで分かるように、深く折り曲げられた状態に収縮されており、したがって、骨中の開口部を介して骨髄内管中に挿入するのに十分可撓性がある。複合装置910は、髄内管中に挿入され、前述した拡大方法の1つにより半径方向に拡大される。装置910を拡大するために、星形のバルーン拡大装置(図示せず)などの特に構成されたインプラント拡大装置を使用することができる。装置が、骨髄内管内で半径方向に拡大されたとき、熱化学的に活性化されるマトリックス916は、骨髄内管の壁に接触しかつ適合される。装置910を冷却することができ、熱化学的に活性化されるマトリックス916は、第2の熱化学状態を達成し、かつ実質的に硬化されて、ケージ912およびロッド914を、骨髄内管内でその拡大された状態に固定する。より大きな骨の場合、2つの複合装置910を、一方を他方の内部に入れて配置することができ、骨に対してさらなる支持を提供する。
【0035】
図13Aおよび図13Bを参照すると、髄内骨固定装置で使用するのに適した支持構造71の代替の一実施形態は、砂時計形状を有する。本発明のコンテキストでは、砂時計形状とは、柱の2つの端部が、柱の中央部よりも広い直径を有する、長手方向に、概して柱形状をしていることである。支持構造71は、ケージ72およびロッド14を含む。この実施形態では、ケージの両端74、76の直径は、ケージスリーブ78の直径よりも大きい。ケージおよびロッドの構成を明確に見るために、熱可塑性マトリックスは図示されていない。図1の熱可塑性マトリックス16のものと同様のマトリックスを、支持構造71と共に使用することができるが、あるいは異なる構成を有することもできる。砂時計形状は、管状の支持構造71を、骨の両端における骨幹端部位は不規則であり、かつ骨の中央近く骨幹部位よりも大きな直径でありうる長骨の骨髄内管の輪郭に適合させることができる。図示された実施形態では、砂時計形状は、ケージのステント部内のロッドに特定のねじを切ることにより達成される。第1の端部74、および第2の端部76で、ロッド14は、ケージ72の領域内に含まれており、スリーブ78の中心方向に向けて、ケージは、ロッド14の円内に含まれる。図13Aでは、支持構造71が、収縮した状態(挿入または取外しのために)で示され、図13Bでは、拡大された状態で示されている。支持構造71は、支持構造11に関して前述したものと同様の方法で挿入することができ、また前に述べた同様の拡大方法を、支持構造71を拡大するために使用することができる。
【0036】
髄内骨固定装置の代替の一実施形態(図示せず)は、外方向のばね偏倚力を有して構成されたレーザカットケージを含む。この実施形態では、ロッドを固定状態に保持し、かつケージ上を長手方向に引っ張ることにより、装置を植込み前に圧縮する。ケージのウェブ状の構成により、ケージを長く延ばすことを可能にするが、同時にそのコア直径は収縮し、装置を、挿入するのに十分に狭くし、かつ可撓性を有するようにすることができる。装置が骨髄内管中に導入され、ケージが解放される。解放されると、ケージの外方向のばね偏倚力により、ケージを半径方向に拡大させ、同時に短くする。半径方向の拡大は、装置の外周部が骨髄内管の内壁に接触するまで継続される。ケージのウェブ状の構成はまた、ケージが骨髄内管の幾何形状における変動に適合できるようにする。この実施形態はまた、熱可塑性マトリックスを含むこともでき、その場合、上記で述べた圧縮ステップの前に、熱可塑性マトリックスが、実質的に変形可能な第1の熱化学状態にまで加熱され、したがって、装置が圧縮され、挿入され、かつ拡大されるときに可撓性を有する。挿入および半径方向への拡大の後、エネルギーを放散することができ、熱可塑性マトリックスは、実質的に硬化された第2の熱化学状態を達成する。
【0037】
図14Aから図14Dを参照すると、本発明の他の代替の実施形態は、外方向のばね偏倚力を有するケージを備え、それは、図1および図6で示されたものなど、熱可塑性のマトリックスと共に使用することができる。図14Aは、ケージが半径方向に拡大すると開く複数のアコーディオンタイプの折曲げ部114で切断されたケージ112の斜視図である。折曲げ部114と交互に長手方向リブ116が生じており、中空の中心コア115が、ケージ112の長さに延びている。各リブ116は、補強ロッドを保持することのできる長手方向チャネル118を有する。ケージは、金属からレーザカットまたは機械加工することができ、あるいは上記で述べたように、プラスチック材料もしくは熱化学的に活性化される熱可塑性マトリックス材料を含むことができる。ケージ112は、一定の直径を有する真っ直ぐな形状を有することができるが、あるいは2端が中心セクションよりも幅の広い砂時計形状を有することができる。異なる骨形態に対して、代替として、他の形状を使用することもできる。
【0038】
図14Bは、圧縮された状態のケージ112の端面図であり、折曲げ部114およびリブ116が密に詰め込まれた様子を示している。図14Cは、半径方向に拡大された後のケージ112の斜視図であり、図14Dは、拡大されたケージ112の端面図である。この実施形態では、支持構造は、圧縮されたケージの周囲に巻き付くまたは拘束する結合材料により、植込みのために圧縮することができる。骨髄内管中に挿入した後、ケージは、結合材料を切断するか、取り除くことにより解放される。解放されると、ケージ112の外方向ばね偏倚力が、ケージ112を、前の実施形態に関して述べたものと同様の方法で、半径方向に拡大させる。
【0039】
他の実施形態では、支持構造を一体構造、すなわち、単一のユニットとして形成にすることができる。ケージおよびロッドは、機械加工工程によるなど、共に形成され、一緒に接続されたままになる。図15を参照すると、一体構造の支持構造111の実施形態が、拡大された状態で示されている。この実施形態は、ロッドのためのチャネルを有していないが、結果的に剛性があり材料を多く含む、アコーディオン式折曲げ部114間にリブ117を有しており、したがって、他の諸実施形態のロッドと同様に剛性を提供する。リブ117間に、アコーディオン式折曲げ部114は、複数のスロット119を有する。スロット119により、材料をより少なくすることができ、したがって、圧縮されたとき支持構造をさらに撓みやすくすることができる。さらに、圧縮されたとき、アコーディオン式折曲げ部114間のリブ117の密なパッキングにより、支持構造111を、骨髄内管中に挿入するために十分撓ませることを可能にする。一体構造の支持構造111は、熱可塑性マトリックスと共に使用することができる。一体構造の支持構造111の収縮、挿入、および拡大は、ケージ112に関して前に述べたものと同様の方法で行うことができる。
【0040】
本発明の他の実施形態では、図14および図15で示されたものなど、少なくとも2つの支持構造および/またはケージは、一方を他方の中に入れ子にすることができる。熱可塑性マトリックス16中に埋め込まれた第1の支持構造111またはケージ112は、第1の熱化学状態に加熱され、圧縮され、骨髄内管中に挿入され、拡大される。熱可塑性マトリックス16中に埋め込まれた第2の支持構造111またはケージ112は、第1の支持構造の中心コア115の中に、同様に圧縮され、かつ挿入される。第2の構造111またはケージ112が拡大したとき、それは、第1の構造111またはケージ112を半径方向に押す。他の実施形態に関して前に述べたように、第1の支持構造を囲む熱可塑性マトリックス16は、骨髄内管の輪郭に適合する。第1の支持構造の内部で、第2の支持構造を囲む熱可塑性マトリックス16は、周囲を囲む第1の支持構造に適合する。第1および第2の構造を共に囲むマトリックス材料は、第2の熱化学状態に冷却され、結晶化する。マトリックス材料と支持構造の2重の層は、周囲の骨に対して高められた支持および剛性を提供する。
【0041】
図14および図15に示されたケージ112および支持構造111の実施形態は、代替として、外方向のばね偏倚力を使用せずに構成することも可能である。圧縮されたケージ112または支持構造111を、熱可塑性マトリックス16が囲むことができる。前述したように、装置が加熱され、したがって、熱可塑性マトリックス16が第1の熱化学状態に達し、装置を撓ませて骨髄内管中に挿入される。この場合、前述の拡大装置もしくはバルーン機構、または他の拡大機構が、中心コア115中に挿入され、装置が植え込まれた後、装置を拡大するために使用される。装置が拡大されると、エネルギーは周囲組織中に放散され、マトリックスは、第2の熱化学状態を達成し、またケージ112もしくは支持構造111は、冷却され結晶化されたマトリックス16内に固定される。拡大装置、バルーン機構、または他の拡大機構は、次いで、中心コア115から取り除かれる。
【0042】
髄内骨固定複合装置の代替の一実施形態(図示せず)は、対応するケージまたは支持構造の全体長さに沿って連続していない熱可塑性マトリックスを含む。この実施形態では、マトリックスは、少なくとも2つの別々の管状部分を備え、そのそれぞれが、ケージまたは支持構造の一端を囲み、スリーブに沿って途中まで延びている。マトリックスのこの不連続な構成は、砂時計形状に寄与し、また使用されるマトリックス材料をより少なくすることができる。このマトリックス構成は、外方向のばね偏倚力を有するケージで、または外方向のばね偏倚力を有しないケージのいずれでも使用することができる。
【0043】
髄内骨固定複合装置の他の代替の実施形態(図示せず)は、少なくとも1つのロッドを備えるがケージのない支持構造を備える。植え込む前に、マトリックスは、第1の熱化学状態に加熱され、かつロッド周りの管形状に形成され、ロッドはその後、マトリックスに埋め込まれる。装置は、撓ませて患者に挿入される。マトリックスが、まだ第1の熱化学状態にある間に、拡大装置もしくはバルーンが管状の装置の中心に挿入され、骨髄内管の内部で装置を拡大するために使用される。装置が拡大すると、ロッドおよびマトリックス材料が、骨髄内管の内壁に対して半径方向に押される。拡大された後、装置は、第2の熱化学状態に冷却することができ、またマトリックスは硬化して、ロッドを髄内管の内壁周りのその位置で固定する。
【0044】
髄内骨固定装置の他の代替の実施形態(図示せず)は、熱可塑性マトリックス材料から製作されたケージと、ロッドとを備える支持構造を備える。製作中に、マトリックス材料はそのTを超えて加熱され、ケージ状の形態に押し出される。押出し中またはその後に、ロッドは、前述のように、編み込まれ、より合わされ、またはその他の形で取り付けられる。装置を植え込むために、装置は、マトリックスのT超えて加熱されて、第1の熱化学状態を達成し、前述のように、収縮され、曲げられ、挿入され、かつ拡大される。
【0045】
図16Aおよび図16Bは、複合装置10、複合装置710、750、および810、支持構造71を組み込む装置、または外方向のばね偏倚力を使用しないケージもしくは支持構造を組み込む他の装置など、前に述べたいくつかの髄内骨固定装置を変形し、拡大するために使用できるインプラント拡大装置を示している。機械的な拡大装置500は、髄内骨固定装置の中心コアに長手方向に挿入可能である。図16Aで分かるように、機械的な拡大装置500は、第1の端部510から第2の端部512に延びるシャフト514を有する。調整ナット516が、第1の端部510に隣接するシャフト514のねじが切られた部分515上にねじ込まれている。円錐形状の第1の拡大器ガイド518はまた、第1の端部510に対して調整ナット516の反対側で、シャフト514のねじが切られた部分515上にねじ込まれている。シャフト514の第2の端部512は、円錐形状の第2の拡大器ガイド519で終わる。シャフト514は、金属材料を含み、装置が患者の骨の骨髄内管中にある間に、髄内骨固定装置の中心コア中に挿入されるように十分に細くかつ可撓性がある。
【0046】
図16Bを参照すると、中心シャフト514上に一列に並べられ、かつ第1の拡大器ガイド518から第2の拡大器ガイド519まで、その生ずる順序でリストすると、第1の拡大器セグメント520、複数のコアセグメント522、中心セグメント524、他の複数のセグメント522、および第2の拡大器セグメント526である。コアセグメント522および中心セグメント524は、比較的剛性の材料を含むが、拡大器セグメント520、526は、比較的、ゴム状の可撓性の材料を含む。第1の拡大器セグメント520は、第1の拡大器ガイド518の一部をスリーブ状に囲み、第2の拡大器セグメント526は、第2の拡大器ガイド519の一部を同様にスリーブ状に囲む。コアセグメント522、中心セグメント524、および拡大器セグメント520、526は、最初は、各セグメントの間に空間を持たせて、シャフト514上に緩く配置されており、したがって、装置は、髄内骨固定装置の中心コアに挿入される間、撓むことができる。
【0047】
熱可塑性マトリックスを有する髄内骨固定装置(図示せず)が、骨髄内管中に配置された後、機械的な拡大装置500を、送達管62(図示せず)を介して、髄内骨固定装置の中心コアに挿入することができる。次いで、調整ナット516を回転させて、第1の拡大器ガイド518を第2の端部512における第2の拡大器ガイド519の方向へシャフト514に沿って進める。第1の拡大器セグメント520、コアセグメント522、中心セグメント524、および第2の拡大器セグメント526は、それらが、第1と第2の拡大器ガイド518、519の間で保持されるように、一緒に圧縮される。ゴム状の可撓性の拡大器セグメント520、526は、それらが、円錐形状の拡大器ガイド518、519にさらに強制されると、半径方向に拡大する。拡大器セグメント520、526が半径方向に拡大すると、それらは、周囲を囲む髄内骨固定装置の両端部を半径方向外側に押すことになり、したがって、骨髄内管の概して砂時計形状に合致させる。拡大は、髄内骨固定装置の外周部が、骨髄内管の内壁に接触したときに停止する。拡大装置500は、熱可塑性マトリックスが冷えて第2の熱化学状態になるまで、髄内骨固定装置の中心コア中に保持することができる。拡大装置500は、調整ナット516を反対方向に回すことにより収縮し、次いで、装置500が中心コアから取り外される。
【0048】
拡大装置500は、任意選択で、加熱エレメントを含むことができる。この構成では、加熱エレメントは、骨髄内管内におけるマトリックスの適合性を調整するように、患者内にある間に、髄内骨固定装置の熱可塑性マトリックスを加熱することができる。
【0049】
図17〜図21を参照すると、髄内骨固定装置を変形させ、かつ拡大するための代替の方法は、バルーン拡大装置であるインプラント変形装置を含む。図17で分かるように、骨の骨髄内管中の複合装置10の内部に合うように構成されたバルーン拡大装置600は、開口部604を有する弾性的なブラッダ602を含む。入力ホース606および出力ホース608を含む1組の可撓性のホースが、レギュレータ装置610から、開口部604を介して、弾性的なブラッダ602に延びるように構成される。レギュレータ装置610は、患者に対して外部にあり、また弾性的なブラッダ602に流入し、かつそこから流出することのできる液体の流れを調節するためのポンプと、液体の温度を調節するための温度レギュレータとを備える。図17は、互いに隣接し、かつ平行なホースを示しているが、それらは、一方のホースが他方を囲む同心の配置を含む、代替の配置で構成することもできる。ホース606、608は、ブラッダ602内の異なる位置で終了する。
【0050】
図18を参照すると、バルーン拡大装置600がすでに中心コア718に挿入された状態の複合装置710が、骨の骨髄内管中に導入されている。骨への導入は、前述の方法によることができ、その場合、複合装置(中心コア中にバルーン装置を有する)が加熱され、したがって、マトリックスは、第1の熱化学状態を達成する。複合装置710とバルーン装置600は、曲げられ、経皮ポータル60を介して、骨髄内管中に導入される。送達管62(図示せず)を、導入および拡大手技中に、任意選択で使用することもできる。入力ホース606および出力ホース608は、バルーン開口部604を介して、理想的には、複合装置710とバルーン装置600が骨髄内管中に導入される前に挿入されるが、任意選択で、骨髄内管中に導入された後にバルーン開口部604中に挿入することもできる。保護シース49は、骨折位置で複合装置710の周囲を囲むことができる。
【0051】
図19を参照すると、複合装置10とバルーン装置600は、骨髄内管内に入った後、ブラッダ602の膨張を開始することができる。外部のレギュレータ装置610(図示せず)は、入力ホース606を介して、特に、水または食塩水などの加熱された液体を、弾性のブラッダ602中にポンプで送る。液体の熱は、複合装置710の熱可塑性マトリックス716を変形可能な第1の熱化学状態に維持する。加熱された液体がブラッダ602を満たすと、ブラッダは拡大する。複合装置710内に含まれているので、その結果、ブラッダ602は、外方向に押して複合装置710の半径方向の拡大を生ずることになる。前に述べたように、支持構造711のケージおよびロッドコンポーネントは、それらを半径方向に拡大することを可能にするウェブ状構成で接続される。支持構造711を囲む熱可塑性マトリックス716は、加熱された第1の熱化学状態にあり、拡大する支持構造により半径方向に押されて、周囲の骨髄内管壁に適合する。マトリックスの可撓性のゴム状の性質により、マトリックスを骨髄内管の壁の自然な形態的変動に適合させることが可能になる。複合装置710の第2の端部732上のメッシュ状の端部キャップ746は、弾性的ブラッダ602が、第2の端部732の外に逃げること、または外に膨らむことを阻止する。入力ホース606の位置とは異なる位置で終了する出力ホース608は、液体が、バルーン装置600の外に流出することを可能にする。レギュレータ装置610は、液体の流れ、温度、および圧力を維持する。
【0052】
図20A〜図20Cは、図19で示す骨の長さに沿った3つの異なる位置において、骨および複合装置710の横断面を表示する。図20Aの横断面A−Aでは、骨髄内管の横断面形状は、比較的円形である。装置710は、髄内管の壁まで拡大されており、マトリックス716は比較的薄く、またロッド714は、比較的遠くに離間されている。図20Bの横断面B−Bでは、髄内管は、横断面A−Aにおけるものよりも小さく、かつ形状がより長方形になっている。しかし、マトリックス716の変形可能な性質により、マトリックスおよび全体の複合装置710を、異なった形に拡大し、かつ骨髄内管の形状におけるこの変動に適合することを可能にする。図20Cの横断面C−Cでは、骨髄内管の横断面形状は、比較的小さく、三角形状の形を有する。再度、マトリックス716および複合装置710は、この不規則な形状に適合することができる。ロッド714は、共に比較的接近しており、マトリックス716は、比較的厚い。骨髄内管の領域によく適合する複合装置710の能力は、装置が、髄内管に適合しなかった一定の円形形状を有する装置よりも、より大きなねじり力に耐えることを可能にする。
【0053】
図21を参照すると、バルーン拡大装置600が、複合装置710から引き抜かれる状態を示している。弾性的なブラッダ602の拡大が前述のように達成された後、弾性的なブラッダ602中の液体は、絶えず冷たい液がブラッダ602中に存在するまで、入力ホース606を介して冷たい液がポンプで送り込まれ、また出力ホース608を介して暖かい液を引き抜くことによって冷却されうる。ブラッダ中の冷たい液は、マトリックス716から熱エネルギーを吸収し、マトリックス716を冷却して可撓性の第1の熱化学状態から、硬化した第2の熱化学状態に変換することができる。複合装置710がこのように冷却され、硬化した後、残りの液体を、弾性的なブラッダ602からポンプで送り出すことができ、またバルーン拡大装置600は、経皮ポータル60を通って複合装置710の外に引き抜かれる。
【0054】
保護的な、管状の挿入シース(図示せず)が、植込み手技中に、上記で述べた髄内骨固定装置の任意のもののすべて、または一部の周囲を囲むことができ、また任意選択で、植込みの後に取り除くことができる。挿入シースは、非常に薄くすることができ、支持構造もしくはマトリックスの部分が、骨髄内管、もしくは骨折した骨の部分に引っかかるまたはひっかき傷を付けることを阻止することができる。装置が挿入された後、シースは、装置を後に残したまま、送達管を通して、シースを引き抜くことによって取り外すことができる。
【0055】
装置の任意の実施形態を用いて、装置の挿入後であるが、植込み手技の終了の前に、X線、蛍光透視法、または他の放射線写真法を、骨に対する装置の位置合わせを評価するために実施することができる。位置合わせが不満足である場合、加熱エレメント(図示せず)、またはバルーン装置600などの加熱可能な拡大装置、または前述の機械的な拡大装置500を、中心コアに導入することができる。装置は、熱可塑性マトリックスが、再度第1の熱化学状態に達するように加熱され、次いで、装置は、取り外されて再挿入され、または満足できる位置合わせが達せられるまでその他の形で調整されうる。装置は、冷却することが可能であり、したがって、熱可塑性マトリックスは、周囲の組織中へのエネルギーの自然の放散により、第2の熱化学状態に戻る。
【0056】
所望の場合、植込み後に、装置を取り外すことができる。取り外す方法は、生体適合性の熱可塑性マトリックスの分解の状態に応じて変わることになる。熱可塑性マトリックスがまだ損なわれていない場合、経皮ポータルを開き、管を挿入することができる。管は、前に述べた送達管62と同じ、または同様のものとすることができる。加熱エレメント、または機械的な拡大装置500もしくはバルーン拡大装置600などの加熱可能な拡大装置が、中心コアに導入され、装置は、マトリックスが、ガラス転移温度を超える第1の熱化学状態に達するまで加熱される。熱源は取り除かれる。装置は、ロッドを固定状態に保持し、かつケージを長手方向に引っ張ることにより収縮することができる。装置は、送達管を介して、または経皮ポータルを介して直接取り除くことができる。熱可塑性マトリックスが十分に吸収されており、したがって、もはや元のままではない場合、加熱は必要ではなく、装置は収縮され、取り外される。
【0057】
本発明の他の実施形態(図示せず)は、支持構造と、合成の生分解性ポリマー、ポリD、L−乳酸−ポリエチレングリコール(PLA−PEG)の注入可能な形態を含む、熱可塑性マトリックスの代替の形態とを含む。この生分解性複合体は、温度依存型のものであり、したがって、加熱されると液状の半固体の形態を取り、注入後、冷えて半固体になる。支持構造11、711、811または71などの構造が、骨髄内管中に導入される。その構造は、骨折位置に隣接することになる構造の一部を囲む保護シースを有することができる。骨髄内管中に支持構造を挿入した後、また支持構造を半径方向に拡大させた後、加熱されたPLA−PEGが、送達管62を介して中心コアに挿入される、可撓性の管またはカテーテルを介して注入される。液体のPLA−PEGは、ウェブ状の支持構造を通って流れて、髄内管および囲んでいる支持構造を満たす。保護シースは、PLA−PEGが、骨の骨折部位に接触することを阻止する。PLA−PEGは、冷却され、硬化することができ、構造周りに剛性の支持を提供する。
【0058】
図22Aを参照すると、斜視図は、伸縮式の髄内固定装置210を備える、本発明の他の実施形態を示している。この装置は、一連の5個の管状の入れ子コンポーネント213〜217により囲まれた中心ワイヤ212を備える。各管状の入れ子コンポーネントは、すべてのコンポーネントが共に入れ子にされたとき、実質的に、装置210の全体の長さであり、各連続する入れ子コンポーネントは、それが囲むコンポーネントよりも、直径がわずかに広い。伸縮式の髄内固定装置210の他の実施形態は、5個の入れ子コンポーネントよりも少ない、または多いコンポーネントを有することができる。中心ワイヤ212は、中実のコアを有することができ、管状でなくてもよいが、細く、したがって、骨髄内管中に挿入するのに十分な可撓性がある。入れ子コンポーネント213〜217は、金属、生体適合性のポリマー材料、またはメッシュ状のステント材(図3に示すものなど)を含むことができ、また熱可塑性マトリックス材料中に埋め込むことができる。図22Aは、完全に延長された、または伸縮された位置にある伸縮式装置210を表示する。しかし、患者に完全に植え込まれた場合、装置210は、入れ子コンポーネントが同心的に共に入れ子にされた縮小位置にある。
【0059】
中心ワイヤ212を囲む第1の入れ子コンポーネント213は、中心ワイヤ212よりも直径でわずかに広い。各連続する入れ子コンポーネント214〜217は、その前のものよりもわずかに広く、入れ子コンポーネントが直径で増加するにつれて、各入れ子コンポーネントが、髄内管中に挿入されるべくまだ十分に可撓性があるように、コンポーネントの壁の幅を減少させることができる。入れ子コンポーネント213〜217のそれぞれの壁厚は、有利には、入れ子コンポーネント213〜217がすべてほぼ等しい可撓性を有するように選択することができる。代替の一実施形態によれば、(図示せず)、入れ子コンポーネントは、中実の壁を有するのではなく、可撓性を高めるために、壁中にスロットを有する。
【0060】
患者においては、骨髄内管の中に中心ワイヤ212を最初に挿入することができる。次いで、増加する直径を有する連続する入れ子コンポーネント213〜217が、骨髄内管中に導入される。最小の直径を有する入れ子コンポーネント213を、中心ワイヤ212の周囲に滑り込ませる。次に大きい直径を有する入れ子コンポーネント214を、第1の入れ子コンポーネント213の周囲に滑り込ませて、残りの入れ子コンポーネント215〜217が同様に挿入される。最大の入れ子コンポーネント217は、髄内管の壁のすぐ内側に適合する。コンポーネントが挿入され、共に縮小された後、骨セメント、またはPLA−PEGなどの生体適合性のポリマーなど、注入可能で、硬化可能なポリマーを、髄内管中に導入して、最大の入れ子コンポーネント217と、髄内管の壁との間の任意の空間を満たすことができる。最大の入れ子コンポーネント217は、前に述べたように、ポリマーが、骨の破損部位に接近するのを阻止するシース219を有することができる。入れ子コンポーネント213〜217の入れ子にされた組は、個々の入れ子コンポーネントのどれも超える組合せ強度および合成を有しており、装置210は、骨の治癒中に強度と支持を提供する。
【0061】
図22Bは、入れ子コンポーネント216と217の間の接続の、拡大され様式化された横断面図である。しかし、図は、入れ子コンポーネント213〜217のそれぞれの間の接続を表している。入れ子コンポーネント217は、内方向に突き出している第1のリップ234を有する第1の端部230を有する。次に小さい入れ子コンポーネント216は、外方向に突き出している第2のリップ236を有する第2の端部232を有する。突き出しているリップ234、236は、装置の取外しを容易にすることができる。取外し中、始めに、最大の入れ子コンポーネント217を、骨セメントから壊して離すために、スラップハンマが使用される。入れ子コンポーネント217が最初に引き出され、その内方向に突き出しているリップ234が、次に大きい入れ子コンポーネント216の外方向に突き出しているリップ236を引っかけており、それにより、次に引き出され、その後に、次に大きい入れ子コンポーネント215が続き、すべての入れ子コンポーネント213〜217が引き出されるまで行われる。中心ワイヤ212は、すべての入れ子コンポーネントが取り除かれた後、別個に除かれる。
【0062】
図23を参照すると、伸縮式固定装置の他の実施形態が、延ばされた状態で示されている。この実施形態では、伸縮式固定装置310は、一連の入れ子コンポーネント313〜317を備え、そのそれぞれが、図1および図6の熱可塑性マトリックス16のものと同様の、熱可塑性マトリックス材料318中に埋め込まれたメッシュ状のステント部を備える。各入れ子コンポーネント313〜317は、すべてのコンポーネントが共に入れ子にされたとき、実質的に、装置310の全体の長さである。植え込む前に、装置310は、前に述べたように加熱され、したがって、熱可塑性マトリックス材料318は、第1の熱化学状態に達し、ゴム状になり、可撓性を有するようになる。装置310は、延長された構成に延ばされて、骨の長手方向軸に対して横方向の開口部を介して骨髄内管中に導入される。中心ワイヤ312が最初に導入され、その隣の最も小さい入れ子コンポーネント313が、その中心ワイヤの周囲で入れ子になるように挿入される。次に小さい入れ子コンポーネント314が、最も小さい入れ子コンポーネント313の周囲で入れ子にされて、以下同様に、すべての残りの入れ子コンポーネント315〜317が、骨髄内管中に導入され、共に入れ子にされるまで行われる。装置310を冷却することができ、したがって、エネルギーが周囲の組織に放散され、各入れ子コンポーネント313〜317の熱可塑性マトリックス材料318が、第2の熱化学状態に達し、硬化する。
【0063】
図24を参照すると、伸縮式固定装置の他の代替の実施形態が、部分的に延ばされた状態で示されている。この実施形態では、伸縮式の固定装置410は、一連の入れ子コンポーネント413〜417を備え、それには、螺旋状にねじが切られており、したがって、植込み中、各入れ子コンポーネントは、先行するより小さいコンポーネントの上にねじ込まれる。各入れ子コンポーネント上のねじの方向は、交互にすることができ、したがって、各入れ子コンポーネントは、前のものとは反対の方向で、次の入れ子コンポーネント上にねじ込まれる。各入れ子コンポーネント413〜417は、すべてのコンポーネントが共に入れ子にされたとき、実質的に、装置410全体の長さである。装置210および310と同様に、5個の入れ子コンポーネントが述べられているが、代替の実施形態では、入れ子コンポーネントの数およびサイズは変わる可能性がある。
【0064】
伸縮式固定装置210および310と同様に、装置410は、送達管62または同様のインターフェースを介して最初に骨髄内管中に挿入される、中心ワイヤ412を有する。第1の入れ子コンポーネント413は、中心ワイヤの周りに滑り込ませる。第1の入れ子コンポーネント413は、管状の形をしており、管の外側面に突き出している時計方向の螺旋突起部420を有し、それは入れ子コンポーネント413の長さに沿って、時計方向に巻き付いている。
【0065】
図25A〜図25Bを参照すると、2つの隣接する螺旋状にねじが切られた入れ子コンポーネントは、反対方向に巻き付くねじ構成を有する。図25Aで分かるように、第2の入れ子コンポーネント414は、その長さに沿って時計方向に巻いている時計方向の螺旋スロット422と、その長さに沿って反時計方向に巻いている反時計方向の螺旋突起部421とを有する。入れ子コンポーネント414は、骨髄内管中に挿入されると、その時計方向螺旋スロット422が、第1の入れ子コンポーネント413上の時計方向螺旋突起部420の上に嵌合するように、時計方向にねじられる。図25Bで分かるように、第3の入れ子コンポーネント415は、反時計方向の螺旋スロット423、および時計方向の螺旋突起部420を有する。それは、反時計方向に、第2の入れ子コンポーネント414上に挿入され、かつねじ込まれ、したがって、その反時計方向の螺旋スロット423は、第2の入れ子コンポーネント414上の反時計方向螺旋突起部421と係合する。残りの入れ子コンポーネントはそれぞれ、その内側に入れ子にされた、より小さいコンポーネントと係合するように、時計方向または反時計方向にねじ込まれる。最も外側の入れ子コンポーネント417は、螺旋突起部を有しても、有しなくてもよい。
【0066】
螺旋ねじシステムは方向が変化しており、したがって、装置全体は、最も外側のコンポーネント417が一方向に回されたとき、緩むことがない。さらに、この双方向ねじシステムは、一方向のねじり力が、入れ子コンポーネント上のすべてのねじの係合を解除することがないため、伸縮式の固定装置410に対して、全体的なねじり強度を追加する。
【0067】
伸縮式固定装置410は、特に、骨セメント、またはPLA−PEGなどの生体適合性のポリマーなど、注入可能で硬化可能なポリマーと共に使用することができる。固定装置410は、前述のように植え込むことができ、また注入可能なポリマーは、次いで、装置を定位置に固定するために、装置の周辺周りの骨髄内管中に注入することができる。最も外側の入れ子コンポーネント417は、前述のように、ポリマーが、骨の骨折部位に接近することを阻止する保護シース419を有することができる。装置410の除去は、前述のように、装置をポリマーから壊して外すことにより達成され、次いで、最も外側のコンポーネント417から開始して、内側に進み、各コンポーネント413〜417を時計方向または反時計方向にねじを外しかつ取り除く。
【0068】
骨髄内骨固定装置の他の代替の実施形態が、図26に示されている。髄内釘としても述べられる固定装置1010は、細長い形状を有しており、また遠位に位置するノーズ部1012、中央位置を占める中心部1014、および近位に位置する取付け部1016を備える。穴1017は、装置の長さに延びている。固定装置1010は、骨髄内管に平行ではない経路に沿って、骨折した骨の骨髄内管中に挿入されるように設計されており、挿入されると、半径方向に拡大して骨髄内管を満たし、治癒中に、骨に対して剛性の支持を提供する。ガイドワイヤを介して装置を挿入できるようにするために、また拡大装置のための空間を作るために、固定装置1010は、その全体長さに沿ってカニューレ挿入することができる。
【0069】
中心部1014は複合体とすることができ、その場合、複合体とは、所望の、または意図された特性を有する異種構造を形成するように故意に組み合わせた少なくとも2つの異なる材料として定義される。例えば、複合体中心部は、熱化学的に活性化されるマトリックス材料中に埋め込まれた金属の支持構造を含むことができる。本実施形態では、2つの異なる材料は、支持構造を構成する金属と、マトリックス材料とである。ノーズ部1012および取付け部1016は、それぞれ非複合体とすることができ、その場合、それぞれが、特に、マトリックス材料、金属もしくは金属合金、セラミックス、またはポリマーなど、1つの材料を含むことができる。
【0070】
固定装置1010のノーズ部1012は、遠位の先端1018と、ノーズ部1012が中心部1014と結合する近位の遷移端1020とを有する。ノーズ部1012は、遷移端1020から先端1018まで実質的にテーパを付けることができる。このテーパにより、ノーズ部1012の骨髄内管中への導入を容易にすることができ、また、骨髄内管の遠位端の形態に合致することができる。ノーズ部1012は、熱機械的に、または熱化学的に活性化される熱可塑性マトリックス材料から作ることができ、また半径方向に拡大可能にすることができる。熱化学的に活性化される熱可塑性マトリックス材料は、第1の熱化学状態で実質的に変形可能であり、かつ第2の熱化学状態で実質的に硬化するように構成される。
【0071】
熱可塑性マトリックス材料は、PCLM−12、SMC−7、およびA−6の組合せを含むことができる。PCLM−12は、約98/2(モル)のε−カプロラクトン/グリコリドから作成した多軸性(polyaxial)コポリマーである。ポリマーは、触媒およびイニシエータとして、それぞれ、2−エチルヘキサン酸第一錫、およびトリエタノールアミンを用いて作られる。PCLM−12の組成は、米国特許第7,048,753号により部分的に保護され、それを参照により本明細書に組み込む。SMC−7は、イニシエータおよび触媒として、それぞれ、1,3−プロパンジオール、および2−エチルヘキサン酸第一錫を用いて、約88/12(モル)L−ラクチド/トリメチルカルボネートから作られるセグメント化コポリマーである。SMC−7の組成は、米国特許第7,192,437号、および第6,342,065号、およびヨーロッパ特許第1,057,844号により保護されており、それを参照により本明細書に組み込む。A−6は、微粒子の核剤であり、米国特許第6,413,539号、およびヨーロッパ特許第0,737,703号および第0,952,171号を含むいくつかの特許により部分的に保護されており、それを、参照により本明細書に組み込む。
【0072】
具体的には、ノーズ部1012は、95から99.9重量%のPCLM−12とSMC−7のブレンド、および0.1から5%のA−6を含むマトリックス材料から形成することができる。より具体的には、ノーズ部は、PCLM−12、SMC−7、およびA−6のブレンドを含むマトリックス材料を含むことができ、その場合、PCLM−12は、30から70重量%の範囲であり、SMC−7は、30から70重量%の範囲であり、またA−6は、0.1から5重量%の範囲とすることができる。さらに、より具体的には、ノーズ部1012は、45重量%のPCLM−12と55重量%のSMC−7との、98重量%のブレンドと、2重量%のA−6とを含むマトリックス材料から作ることができる。
【0073】
図27を参照すると、固定装置1010の近位部分の長手方向横断面図が、取付け部1016および中心部1014の細部と共に示されている。取付け部1016は、中心部1014の近位端から近位方向に延びる実質的に剛性があり、わずかに湾曲した管である。取付け部1016は、実質的に真っ直ぐな骨髄内管から、骨髄内管の長手方向軸に対して横方向でありうる、骨に作成された開口部まで達することができるように、湾曲させることができる。取付け部1016は、遠位の遷移端1030で中心部1014と結合する。近位端1032には、開口部1034がある。開口部1034は、装置の挿入プロセスで使用されるハンドルと係合する形状とすることができる。
【0074】
開口部1034からわずかに奥に、取付け接続機構1036があり、それは、ねじ、スロット、突起、溝、または装置1010をホース、拡大装置、もしくは他の装置に接続するために使用できる他のエレメントを備えることができる。取付け部1016は、装置1010の挿入または取外しなどの操作中に、剛性の支持を提供するために、金属または金属合金などの剛性材料から作ることができる。より具体的には、取付け部1016は、コバルト−クロム−モリブデン(CCM)から作ることができる。
【0075】
ノーズ部1012と取付け部1016の間には、中心部1014が延びる。中心部1014は、概して真っ直ぐで、管状とすることができ、また半径方向の拡大が可能であり、したがって、骨髄内管内における拡大された状態で、それは周囲の骨折した骨に対する支持を提供することができる。前に述べたように、中心部1014は、支持構造と、熱化学的に活性化される熱可塑性マトリックスとを含む複合体とすることができる。図27で示す実施形態では、支持構造1040は、CCMから切削されたレーザカットステントである。中心部1014の近位端において、支持構造のCCMは、取付け部1016のCCMと連続することができる。代替の実施形態では、支持構造のCCMは、取付け部のCCMに対して、圧入嵌め、またはその他の形で結合させることができる。
【0076】
支持構造1040は、ウェブ状ストラット1044により相互接続された、あるパターンのリブ1042にレーザカットされる。レーザカットされたパターンにより、中心部1014は、装置1010の挿入および取外し中など、必要な場合に、撓むことが可能になる。それはまた、中心部1014の半径方向の拡大を可能にする。外方向の圧力が中心部の中から加えられたとき、ストラットの方向がシフトして、拡大を可能にする。ストラット1044の波状の部分は、壊れることなく、曲がり、かつ撓むことができる。レーザカットパターンの一態様は、拡大された後、支持構造1040が、その元の形状にドリフトして戻るのを最小にすることができるように、弾性的な復元を最小にできることである。本発明の他の実施形態では、他のレーザカットパターン、または他の製造方法を含む支持構造を含むことができる。
【0077】
製作中、支持構造1040は、射出成形プロセスにより、熱機械的に、または熱化学的に活性化される熱可塑性マトリックス1048中に埋め込まれる。図27では、半透明のマトリックス1048の境界だけが示されており、したがって、支持構造1040を見ることができる。しかし、マトリックス1048は、支持構造1040の周囲を囲むように射出成形され、支持構造は、その内部に埋め込まれる。前に述べたように、固定装置1010は、カニューレ挿入され、したがって、マトリックス1048は、装置の横方向横断面にわたり中実ではなく、マトリックス1048は、支持構造がその中に埋め込まれる中空の管である。管の内部表面は、内側の穴壁1050であり、一方、外側表面は、外壁1052である。マトリックス1048は、中心部1014の近位端をすぎて近位方向に延びることができ、取付け部1016の何らかの小部分の周囲を囲むことができる。中心部の遠位端では、マトリックス1048は、ノーズ部1012を含むマトリックス材料と連続することができ、それと当接し、またはノーズ部の何らかの部分と重複することもありうる。
【0078】
マトリックス1048は、ノーズ部1012が作られる熱化学的に活性化される熱可塑性マトリックス材料と同じものから作ることができる。マトリックス1048は、PCLM−12、SMC−7、およびA−6の組合せを含むことができる。具体的には、マトリックス1048は、95から99.9重量%のPCLM−12とSMC−7とのブレンド、および0.1から5%のA−6を含むマトリックス材料から作ることができる。より具体的には、マトリックス1048は、PCLM−12、SMC−7、およびA−6のブレンドを含むマトリックス材料を含むことができ、その場合、PCLM−12は、30から70重量%の範囲であり、SMC−7は、30から70重量%の範囲であり、またA−6は、0.1から5重量%の範囲とすることができる。さらに、より具体的には、マトリックス1048は、45重量%のPCLM−12と55重量%のSMC−7との、98重量%のブレンドと、2重量%のA−6とを含むマトリックス材料から作ることができる。
【0079】
図28Aは、固定装置1010の近位端に解放可能に接続されうるハンドル1100を示している。ハンドル1100は、近位端1102および遠位端1104を備えるハンドル本体1110を有する。人間工学的な把持部1112は、その近位端1102の近くに本体1110を包含する。近位の接続機構1106は、本体の近位端1102に位置し、また遠位の接続機構1108は、本体の遠位端1104に位置する。遠位の接続機構1108は、固定装置1010上で、取付け接続機構1036と接続されるように構成される。本発明のこの実施形態では、遠位の接続機構1108はねじを備えるが、他の実施形態では、スロット、溝、突起部、または取付け接続機構1036と係合するように構成された他のエレメントを備えることができる。さらに、遠位端1104は、固定装置1010の取付け部1016の開口部1034と係合するように構成された係合機構1116を有することができる。
【0080】
図28Bは、ハンドル1100の本体近位端1102の端面図である。近位の接続機構1106は、一連のねじであることが分かる。しかし、それは、本発明の他の実施形態において、ねじ、スロット、溝、突起部、または他のエレメントを含むこともできる。ハンドルを通り、長さ方向に延びているのは穴1114である。ハンドル1100が、固定装置1010に接続されたとき、ハンドル1100の穴1114は、固定装置1010の穴1017と当接し、したがって、ハンドル1100と固定装置1010を通る、連続した途切れない通路ができる。ハンドルは、固定装置1010に接続され、骨の骨髄内管中に固定装置1010を挿入するために使用することができる。ハンドルはまた、拡大装置と、拡大装置に流体を供給するポンプシステムとの間の中間接続部分として使用することもできる。
【0081】
図29〜図32は、固定装置1010を、どのようにして骨の骨髄内管中に挿入することできるかを示している。図29は、骨折した脛骨2の斜視的な部分切断図である。骨髄内装置を挿入するための前処理を行うために、小児科患者では特に重要なことでありうる骨成長が妨げられないように成長板の遠位にて、脛骨に、開口部4が穴開けされる。骨髄内管6は、実質的に、骨の長さに延びており、壁8により囲まれている。
【0082】
図30を参照すると、取外し可能なガイドワイヤ1150が、方向矢印1152により示された方向に、開口部4を介して、骨髄内管6中に挿入されうる。ガイドワイヤは、ニチノール、または開口部4を通過するとき曲がるように可撓性が十分にある他の材料を含むことができる。
【0083】
図31で分かるように、固定装置1010は、取付け部1016の近位端で、ハンドル1100に接続される。ハンドル1100は、方向1152に沿って、固定装置1010を、ガイドワイヤ1150を介して骨髄内管6中にガイドするために使用される。前に述べたように、固定装置1010は、その全体の長さに沿って、カニューレ挿入され、またハンドル1100は、その全体の長さに延びる穴を有しており、したがって、固定装置とハンドルは、ガイドワイヤを介してガイドされうる。固定装置の中心部1014は、中心部1014を、開口部4を通って骨髄内管に入るために十分曲がるようにする可撓性の支持構造1040および熱可塑性マトリックス1048を備える。固定装置1010を挿入する前に、固定装置は、熱化学的に活性化される熱可塑性マトリックス1048が、第1の熱化学状態を達成し、かつそれが開口部4に入ったとき曲がり、またそれがガイドワイヤ1150に沿って進むとき、真っ直ぐになって実質的に変形可能であるように、水浴または他の手段で加熱することができる。
【0084】
図32を参照すると、固定装置1010は、取付け部1016が、開口部4のすぐ内側になるように、骨髄内管6中に挿入される。ハンドル1100は、取り外すことができ、または装置の拡大手技に備えて、装置1010に取り付けた状態のままとすることもできる。ガイドワイヤ1150は、骨髄内管、装置1010、およびハンドル1100から、方向1154に沿って近位方向にそれを引っ張ることによって取り外すことができる。
【0085】
代替として、装置1010は、ガイドワイヤを使用することなく骨髄内管中に挿入することができる。装置1010は、第1の熱化学状態まで、熱可塑性マトリックス1048を上昇させるように加熱され、ハンドル1100に取り付けられ、また髄内管中に挿入される。以下で述べるものなどの拡大装置は、挿入前に装置1010中に存在することができるが、あるいは装置1010が、骨髄内管中に入った後、中心の穴1114に挿入することもできる。
【0086】
図33を参照すると、バルーン拡大装置の実施形態が示されている。拡大装置1200は、カテーテル状の内部管1210(図33では見ることができない)、バルーン1230、ハンドル1110、および接続アセンブリ1250を備える。内部管1210およびバルーン1230は、共に同軸で、すなわち、内部管1210がバルーン1230内に同心で嵌合して、組み立てられるように構成される。
【0087】
図34を参照すると、内部管1210が示されている。内部管1210は、ストロー状の形をしており、管本体1212は、近位端1214および遠位端1216を有する。管本体1212は、管の長さが固定されるように、剛性の材料で構成することができる。それは、その長手方向軸に沿って長くしたり、短くしたりすることはできない。なお、管本体1212は、同時に、その横方向軸に沿って撓みかつ曲げられるように、曲げ可能である。具体的には、管本体1212は、ニチノールなどのように、直線的に剛性を有するが、曲げることが可能な材料から構成することができる。可撓性により、管1210は、骨髄内管中に挿入するために十分な応従性を有する(compliant)ことができる。直線的な剛性は、管1210が長手方向に拡大することを阻止する。
【0088】
弾丸の形状をしたキャップ1218が、管本体1212の遠位端にある。キャップ1218のすぐ近くに、一連のポート1220が、管本体1212に穴を開けている。ポート1220は、管本体1212の内側から外側への開口部であり、流体または気体を、内部管中に流入させ、またはその外に流出させることができる。
【0089】
図35を参照すると、バルーン1230および接続アセンブリ1250が示されている。バルーン1230は、内部管1210(見えていない)の上に装着され、かつそれを取り囲むように構成され、したがって、キャップ1218だけが、バルーン1230の遠位端から突き出ている。リング状の遠位のフィッティング1232は、内部管1210をバルーン1230にその遠位端で結合する。遠位のフィッティング1232は、管およびバルーンをしっかりと結合し、したがって、それらを、挿入および取外し手技中に1つのものとして操作することができる。さらに、より応従性のバルーン1230が、遠位のフィッティング1232で直線的に剛性の内部管1210に結合されるので、バルーン1230は、圧縮された流体または気体が、管およびバルーン中に導入されたとき、直線的に拡大することが阻止される。バルーン1230は、ポリウレタン、ラテックス、シリコーンなどの弾性ポリマー、または他の弾性ポリマーを含むことができる。代替として、バルーン1230は、PET、UHWPEなどの非弾性ポリマー、または他の非弾性ポリマーを含むことができる。
【0090】
図36を参照すると、管1210の近位端、バルーン1230、および接続アセンブリ1250の横断面図が示されている。ねじが切られたリング1270は、接続アセンブリ1250をハンドル1100の近位の接続機構1106に接続する。接続ハウジング1256は、その接続を取り囲み、接続の簡便な組立てを可能にすることができる。その近位端で、内部管1210は、バルーン1230の外へ短い距離だけ突き出している。内部管1210の近位端は、第1のコネクタ凹部1258中に開口しており、それは、接続ハウジング1256中に刻まれている。内部管1210に対して直角に、流入コネクタ1252がまた、第1の凹部1258の中に開口している。第1の流れ指示矢印1260は、流体または気体が、流入コネクタ1252から内部管1210中にどのように流れることができるかを示している。バルーン1230の近位端は、接続ハウジング1256中に刻まれている第2のコネクタ凹部1262に開口している。バルーン1230に対して直角に、流出コネクタ1254もまた、第2の凹部1262に開口している。第2の流れ指示矢印1264は、流体または気体が、バルーン1230から流出コネクタ1254にどのように流れることができるかを示している。
【0091】
図37を参照すると、拡大装置1200が、骨髄内管中で固定装置1010中に挿入された状態で示されている。バルーン1230および内部管1210は、固定装置1010により囲まれているため見ることはできない。
【0092】
拡大装置の挿入は、様々な方法で行うことができる。第1の方法では、固定装置1010が骨髄内管中に挿入された後、ハンドル1100は固定装置1010に取り付けられたままであり、またバルーン1230および内部管1210(接続アセンブリ1250によってその近位端で接続されている)は、ハンドルおよび固定装置を通って挿入される。それらが完全に挿入された後、接続アセンブリ1250が、ねじが切られたリング1270を介してハンドル1100に接続される。代替として、第2の方法では、ハンドルは、固定装置から外される。バルーン1230および内部管1210は、ハンドルを通して挿入され、またねじが切られたリングを介して、接続アセンブリ1250およびハンドル1100に取り付けられる。次いで、制御し、ガイドするためにハンドルを使用して、バルーン1230および内部管1210を、開口部4を通して固定装置1010中に挿入する。
【0093】
拡大装置を実装するための他の方法は、固定装置1010を骨髄内管中に挿入する前に、装置1200を固定装置1010中に挿入することを含む。拡大装置1200が固定装置1010中に挿入され、接続アセンブリ1250が接続される。バルーンアセンブリ1200が、固定装置1010に挿入された後、ホースが、接続アセンブリ1250に接続される。入力ホース1302は、入力コネクタ1252に接続され、また出力ホース1304は、出力コネクタ1254に接続される。流体または気体が拡大装置中に導入され、加熱されて、熱可塑性マトリックス材料1048が第1の熱化学状態を達成するまで、次に固定装置1010を加熱する。装置1010が骨髄内管中に挿入されると、挿入するために実質的に変形可能で、可撓性を十分有する加温状態に留まるように温度調節が継続される。装置1010が骨髄内管中に入った後、圧力を装置内で増加させて、装置を半径方向に拡大することができる。
【0094】
図38を参照すると、固定装置1010およびバルーンアセンブリ1200(図では見えない、固定装置内にある)が、ホース1302、1304を介してカートリッジ1350に接続され、それが、次いで、ポンプ1400に接続された状態で示されている。無菌の食塩水、または他の無菌の、生体適合性の流体が、ポンプ1400に接続されたバッグまたは他の容器(図示せず)を介してポンプに提供される。ポンプ1400は、流体をカートリッジ1350にポンプで送り、カートリッジ1350は、流体がバルーンアセンブリ1200との間で流れるとき、流体の温度および圧力を調節することができる。カートリッジ1350は、流体がバルーンアセンブリ1200に入る前に、流体を加熱および/または冷却することのできる熱源および冷却源を備えることができる。代替の実施形態では、ホース1302、1304は、カートリッジ1350を使用せずに、ポンプに直接接続することもできる。
【0095】
カートリッジ1350をポンプ1400およびバルーンアセンブリ1200に接続した後に続いて、バルーンアセンブリが拡大されて固定装置1010が骨髄内管内で半径方向に拡大されうる。流体は、連続流れで、バルーンアセンブリを通して流れることができ、入力ホース1302を介して内部管1210中に流入し、ポート1220から出てバルーン1230に入り、出力ホース1304を介してバルーンから流出する。
【0096】
流体は、ポンプ1400によりカートリッジ1350に供給され、入力ホース1302を介して内部管1210中にポンプ送りされる。内部管1210の遠位端で、流体は、ポート1220を通り、管1210から外に出て、バルーン1230中に移動することができる。さらに多くの流体が加えられると、バルーン1230の長さは満たされ、バルーンは半径方向に拡大し、固定装置1010のマトリックス1048の内側の穴壁1050に接触する。バルーン1230内の加熱された流体は、マトリックス1048を加熱し、マトリックス1048を、実質的に硬化した第2の熱化学状態から、実質的に変形可能な第1の熱化学状態に変換する。バルーン1230中の流体に対して圧力は維持されており、また変形可能な加熱されたマトリックス1048は、バルーン1230の拡大に応じて、半径方向に拡大する。マトリックスの外壁1052は、骨髄内管の壁8に接触する。変形可能な加熱されたマトリックス1048は、壁8の特有の形態に適合し、どんな壁の不規則部も満たすことができる。加熱されたマトリックス1048が拡大すると、埋め込まれた支持構造1040もまた半径方向に拡大するが、それは、ロッド1042および可撓性のストラット1044の構成により可能となる。固定装置1010のノーズ部1012もまた、半径方向に拡大することができる。非複合体のノーズ部1012および複合体の中心部1014の拡大された直径は、同じにすることができるが、あるいは代替として、中心部1014を、ノーズ部1012よりもより大きい拡大された直径に拡大することもできる。
【0097】
装置1010が、骨折した骨に対する支持を提供するように十分に半径方向に拡大された後、圧力が維持され、冷却された流体が、バルーンアセンブリを通してポンプで送られる。流体は、カートリッジ1350により冷却され、また入力ホース1302を通してポンプで吸入される。冷却された流体が、バルーン1230中を通過するとき、周囲のマトリックス1048が冷却され、実質的に硬化される第2の熱化学状態を達成する。硬化したマトリックス1048は、今や拡大された形にある埋め込まれた支持構造1040を保持し、共に、周囲の骨折した骨に対する支持を提供する。マトリックス1048が、十分に冷却され、硬化した後、圧力が下げられ、流体を、バルーンおよび内部管からポンプで送り出すことができ、バルーンアセンブリが固定装置1010から引き抜かれる。ハンドル1100は、固定装置の取付け端部1016から取り外され、図39で示すように、今や拡大した固定装置1010を骨髄内管中に残す。骨中の開口部4は、取外し可能なプラグで覆われ、組織を閉じることができる。本発明の代替の実施形態では、流体に代えて、空気などの気体とすることができ、周囲の熱可塑性マトリックスを加熱し、または冷却するために、拡大装置を介して循環させることができる。
【0098】
固定装置1010の位置は、必要に応じて変えることができる。変更または取り外すために、開口部4を再度開くことができ、バルーン拡大装置1200がハンドル1100に取り付けられ、固定装置1010の穴1114中に導入され、取付け接続機能1036に接続される。カートリッジ1350およびポンプ1400は接続アセンブリ1250を介して、拡大装置1200に接続され、また加熱された流体が、バルーン1230中に導入される。バルーン1230を膨張させるために圧力が高められ、また加熱された流体が、曲げやすい第1の熱化学状態になるまで、熱可塑性マトリックス材料1048を加温する。固定装置1010の位置は、ハンドル1100を握り、装置1010を移動させることにより変えることができる。所望の位置が見出された後、冷えた流体が、装置を介してポンプで送られて、熱可塑性マトリックス1048を、硬化する第2の熱化学状態にまで冷却する。流体の圧力が下げられ、拡大装置が取り外される。
【0099】
代替として、装置1010を再配置するのではなく、取り外すことも、装置を第1の熱化学状態に加温した後に行うことができる。流体圧力が、拡大装置1200を収縮させるまで下げられ、装置は、開口部4を通して引き出される。加温された熱可塑性マトリックス材料1048は、装置1010が開口部4を通り外に出るときに十分収縮するように、十分変形可能になる。
【0100】
図40から図43は、熱可塑性マトリックス材料1048の温度を実質的に変形可能な第1の熱力学的状態に高めるために、固定装置1010を加熱する代替の方法を示している。図40は、リード1362により、取付け部1016および支持構造1040に接続された外部の熱源1360を有する固定装置1010を示す。エネルギーは、熱源1360から支持構造1040に伝導され、支持構造1040は温度が上昇し、周囲の熱可塑性マトリックス材料1048を加温する。拡大装置1200などの拡大装置は、固定装置1010中に挿入され、ポンプ1400などのポンプに接続され、また加熱された装置を拡大するために流体または気体に圧力を加えるために使用することができる。
【0101】
図41は、バルーン拡大装置1200と構造が同様のものであるバルーン拡大装置2200と共に使用される、可撓性の拡大可能な加熱システム2250を示している。図41では、バルーン2230が、加熱システムの細部が分かるように、部分的に拡大されて示されている。拡大可能な加熱システム2250は、熱源2252と、バルーン2230の外部表面上に配置された可撓性の伝導性のエレメント2254とを備えることができる。代替として、可撓性の伝導性のエレメントは、バルーンの組成中に一体化されてもよい。伝導性のエレメント2254は、銅または他の適切に伝導性の材料を含むことができる。バルーンが、流体または気体で満たされると、熱が、熱源2252から伝導性エレメント2254を介して導かれ、バルーン内の流体または気体を加熱する。伝導性エレメント2254は、バルーンが拡大すると、壊れることなく撓み、分離するように構成される。バルーンが、固定装置1010内で拡大すると、流体または気体からの熱は、周囲の熱可塑性マトリックス材料1048に伝達される。熱はまた、拡大可能な加熱システム2250から、周囲のマトリックス材料に直接伝達することもできる。固定装置が十分に拡大されると、加熱システム2250に対する熱は遮断される。圧力は、熱可塑性マトリックスが冷却されて硬化した第2の熱化学状態になるまで、バルーン中で維持される。次いで、気体または流体は除かれ、バルーン拡大装置を取り除くことができる。
【0102】
図42は、熱源2352と、バルーンとは別個の拡大可能なスリーブ2356上に配置された可撓性の加熱エレメント2354とを備えることを除き、加熱システム2250と同様の動作をする加熱システム2350を示す。代替として、可撓性の伝導性エレメントは、スリーブの組成中に一体化することもできる。拡大可能なスリーブ2356は、バルーン拡大装置1200のバルーン1230などのバルーン、または同様のバルーン上に装着されるサイズである。拡大可能なスリーブ2356は、バルーン1230上に配置することができ、またスリーブおよびバルーンは、装置1010などの髄内固定装置中に共に挿入される。バルーンが流体または気体で満たされると、熱が、可撓性の加熱エレメント2354を介して熱源2352から導かれ、バルーン内の流体または気体を加温する。加熱エレメント2354は、バルーンが拡大すると、壊れることなく、撓み、かつ分離するように構成される。バルーンが、固定装置1010内で拡大すると、流体または気体からの熱は、周囲の熱可塑性マトリックス材料1048に伝達される。熱はまた、拡大可能な加熱システム2350から、周囲のマトリックス材料に直接伝わることができる。固定装置が十分に拡大した後、加熱システム2350への熱は遮断される。圧力は、熱可塑性マトリックスが冷却されて硬化した第2の熱化学状態に冷却されるまで、バルーン中で維持される。次いで、気体または流体は除かれ、バルーン拡大装置を取り除くことができる。
【0103】
代替として、一体化された加熱エレメント(図示せず)を有する、剛性の、非可撓性のスリーブを拡大可能なスリーブ2356と同様に使用することも可能である。非可撓性のスリーブは、バルーン拡大装置上に配置され、かつ前に述べたものなど、髄内固定装置中に挿入することができる。熱は、熱エレメントを介して導かれ、周囲の熱可塑性マトリックス材料を加温する。材料が、第1の熱化学状態を達成するのに十分に加温され、かつ柔軟になった後、非可撓性のスリーブが取り除かれ、バルーン拡大装置を固定装置中に残すようにする。バルーン拡大装置は、次いで、周囲の髄内固定装置を拡大するために、加圧された流体または気体を用いて拡大することができる。
【0104】
図43を参照すると、バルーン拡大装置1200(見えない、固定装置1010の内部にある)および固定装置1010に接続された、気体の加熱および圧力制御システム2400が示されている。気体の加熱および圧力制御システム2400は、システムに対して圧力を供給し、かつ調節するポンプ2402、システムに熱を供給する熱源2404、拡大装置に空気または他の気体を運ぶ入力ホース2406、および拡大装置の外に気体を運び出す出力ホース2408を備える。気体の加熱および圧力制御システム2400は、このシステムでは流体に代えて、気体が加熱されかつバルーン拡大装置を通して循環することを除き、前述のカートリッジ1350およびポンプ1400と同様に動作することができる。
【0105】
本発明は、その趣旨、または本質的な特性から逸脱することなく、他の特有の形態で実施することができる。上記の例の様々な特徴は、様々な他の代替形態を形成するように混合し、また組み合わせることも可能であることを理解されたい。例えば、支持構造およびマトリックス材料、ならびに構成の特徴は、装置を拡大するために使用される方法と同様に変わる可能性がある。したがって、前述の諸実施形態は、すべての点で、例示的なものにすぎず、限定するものではないと見なすべきである。本発明の範囲は、したがって、前述の説明によるのではなく、添付の特許請求の範囲によって示される。請求項の均等性の意味および範囲に含まれるすべての変更は、請求項の範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0106】
2 骨髄内管、脛骨
4 開口部
6 骨髄内管
8 壁
10 髄内骨固定複合装置
11 支持構造
12 ケージ
14 補強ロッド
16 熱可塑性マトリックス
18 中心コア
20 直径
22 外周部
24 長手方向軸
26 横方向軸
30 第1の端部
32 第2の端部
34 スリーブ
36 取付け部
38 ステント部
40 ストラット
42 ループ
44 リンク機構
49 保護シース
50 第1の端部
52 第2の端部
56 シャフト
60 経皮ポータル
62 送達管
71 支持構造
72 ケージ
74 第1の端部
76 第2の端部
78 ケージスリーブ
111 支持構造
112 ケージ
114 折曲げ部
115 中心コア
116 リブ
117 リブ
118 長手方向チャネル
119 スロット
210 伸縮式の髄内固定装置
212 中心ワイヤ
213 入れ子コンポーネント
214 入れ子コンポーネント
215 入れ子コンポーネント
216 入れ子コンポーネント
217 入れ子コンポーネント
219 シース
230 第1の端部
232 第2の端部
234 第1のリップ
236 第2のリップ
310 伸縮式固定装置
312 中心ワイヤ
313 入れ子コンポーネント
314 入れ子コンポーネント
315 入れ子コンポーネント
316 入れ子コンポーネント
317 入れ子コンポーネント
318 熱可塑性マトリックス
410 伸縮式の固定装置
412 中心ワイヤ
413 入れ子コンポーネント
414 入れ子コンポーネント
415 入れ子コンポーネント
416 入れ子コンポーネント
417 入れ子コンポーネント
419 保護シース
420 時計方向の螺旋突起部
421 反時計方向の螺旋突起部
422 時計方向の螺旋スロット
423 反時計方向の螺旋スロット
500 機械的な拡大装置
510 第1の端部
512 第2の端部
514 シャフト
515 ねじが切られた部分
516 調整ナット
518 第1の拡大器ガイド
519 第2の拡大器ガイド
520 第1の拡大器セグメント
522 コアセグメント
524 中心セグメント
526 第2の拡大器セグメント
600 バルーン拡大装置
602 ブラッダ
604 開口部
606 入力ホース
608 出力ホース
610 レギュレータ装置
710 複合装置
711 支持構造
712 ケージ
714 補強ロッド
716 熱可塑性マトリックス
718 中心コア
732 第2の端部
746 メッシュ状の端部キャップ
749 保護シース
750 複合装置
752 ケージ
754 ロッド
756 熱可塑性マトリックス
758 中心コア
810 複合装置
811 支持構造
812 ケージ
814 ロッド
815 縫合糸
816 熱可塑性マトリックス
818 中心コア
910 複合装置
911 支持構造
912 ケージ
914 ロッド
915 縫合糸
916 熱可塑性マトリックス
917 折曲げ部
918 中心コア
1100 ハンドル
1010 固定装置
1012 ノーズ部
1014 中心部
1016 取付け部
1017 穴
1018 遠位の先端
1020 近位の遷移端
1030 遠位の遷移端
1032 近位端
1034 開口部
1036 取付け接続機構
1040 支持構造
1042 リブ
1044 ストラット
1048 熱可塑性マトリックス
1050 内側の穴壁
1052 外壁
1100 ハンドル
1102 近位端
1104 本体の遠位端
1106 近位の接続機構
1108 遠位の接続機構
1110 ハンドル本体
1112 把持部
1114 穴
1116 係合機構
1150 ガイドワイヤ
1152 方向矢印
1154 方向
1200 拡大装置
1210 内部管
1212 管本体
1214 近位端
1216 遠位端
1218 キャップ
1220 ポート
1230 バルーン
1232 遠位のフィッティング
1250 接続アセンブリ
1252 流入コネクタ
1254 流出コネクタ
1256 接続ハウジング
1258 第1のコネクタ凹部
1260 第1の流れ指示矢印
1262 第2のコネクタ凹部
1264 第2の流れ指示矢印
1270 ねじが切られたリング
1302 入力ホース
1304 出力ホース
1350 カートリッジ
1360 熱源
1362 リード
1400 ポンプ
2200 バルーン拡大装置
2230 バルーン
2250 拡大可能な加熱システム
2252 熱源
2254 伝導性のエレメント
2350 拡大可能な加熱システム
2352 熱源
2354 加熱エレメント
2356 拡大可能なスリーブ
2400 加熱および圧力制御システム
2402 ポンプ
2404 熱源
2406 入力ホース
2408 出力ホース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨を安定化させるために熱化学的に活性化される複合装置であって、
第1の熱化学状態で、骨に適合するように十分変形可能であり、かつ第2の熱化学状態で、前記骨を安定化させるように十分硬化する熱化学的に活性化される熱可塑性マトリックスと、
前記熱化学的に熱可塑性のマトリックスを支持するために、前記熱化学的に活性化される熱可塑性マトリックスに接続された支持構造と、
を備える複合装置。
【請求項2】
前記支持構造が、前記熱化学的に活性化される熱可塑性マトリックスを貫通する、請求項1に記載の複合装置。
【請求項3】
前記熱化学的に活性化される熱可塑性マトリックスが、前記第1の熱化学状態から前記第2の熱化学状態に、また前記第2の熱化学状態から前記第1の熱化学状態に繰り返して変換することができる、請求項1に記載の複合装置。
【請求項4】
前記熱化学的に活性化される熱可塑性マトリックスが、前記熱化学的に活性化される熱可塑性マトリックスに、外部供給源からエネルギーを加えることにより、前記第2の熱化学状態から前記第1の熱化学状態に変換することができ、また前記熱化学的に活性化される熱可塑性マトリックスからエネルギーを周囲の物質に放散することにより、前記第1の熱化学状態から前記第2の熱化学状態に変換することができる、請求項1に記載の複合装置。
【請求項5】
前記熱化学的に活性化される熱可塑性マトリックスが、前記第1の熱化学状態にある間に、前記複合装置を患者に植え込むことができ、前記複合装置が前記患者内にある間に、前記熱化学的に活性化される熱可塑性マトリックスが前記第2の熱化学状態に変換可能であり、また前記熱化学的に活性化される熱可塑性マトリックスが前記第1の熱化学状態に戻るまで、前記複合装置は前記患者内に留まるように構成される、請求項1に記載の複合装置。
【請求項6】
前記熱化学的に活性化される熱可塑性マトリックスが、生体適合性を有しており、かつポリ乳酸(PLA)、ポリε−カプロラクトン(PCL)、トリメチルカルボネート(TMC)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリL−乳酸(PLLA)、ポリD−L−乳酸(PDLLA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、脂肪酸ポリエステル、ポリ酸無水物、ポリフォスファゼン、ポリオルトエステル、ポリ(p−ジオキサン)、ポリアミノ酸、擬ポリアミノ酸、浸食性ヒドロゲル、および天然のポリマーからなる群から選択されたポリマーを含む、請求項1に記載の複合装置。
【請求項7】
前記熱化学的に活性化される熱可塑性マトリックスが、ポリ乳酸(PLA)、ポリε−カプロラクトン(PCL)、トリメチルカルボネート(TMC)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリL−乳酸(PLLA)、ポリD−L−乳酸(PDLLA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、脂肪酸ポリエステル、ポリ酸無水物、ポリフォスファゼン、ポリオルトエステル、ポリ(p−ジオキサン)、ポリアミノ酸、擬ポリアミノ酸、浸食性ヒドロゲル、および天然のポリマーからなる群から選択されたポリマーのブレンドをさらに含み、ポリマーの前記ブレンドが、患者の体温に近くなるように選択されたガラス転移温度を有する、請求項6に記載の複合装置。
【請求項8】
前記熱化学的に活性化される熱可塑性マトリックスが生体活性材料をさらに含み、前記生体活性材料が前記骨の治癒を高めるように選択され、さらに前記生体活性材料が、水酸リン灰石、リン酸テトラカルシウム、β−リン酸三カルシウム、フッ素リン灰石、マグネシウムホワイトロッカイト、β−ホワイトロッカイト、アパタイト/ウォラストナイトガラスセラミック、リン酸カルシウム粒子強化ポリエチレン、生体活性ガラス、生体活性ガラスセラミックス、多結晶ガラスセラミックス、およびポリエチレン水酸リン灰石からなる群から選択される、請求項6に記載の複合装置。
【請求項9】
前記支持構造が、長手方向軸を有する細長い形状を含み、前記複合装置が、収縮した状態から拡大した状態に半径方向に拡大することができ、前記支持構造がさらに、前記収縮した状態にある間は、拡大した状態にある間よりも長手方向軸周りでより大きく撓むことができる、請求項1に記載の複合装置。
【請求項10】
前記複合装置が、前記骨の骨髄内管中に植え込まれる形状をしている、請求項1に記載の複合装置。
【請求項11】
前記複合装置が、前記骨髄内管に平行ではない経路に沿って前記骨髄内管中に植込み可能である、請求項10に記載の複合装置。
【請求項12】
前記複合装置が、前記骨の治癒後に前記骨の前記骨髄内管から取り除かれる、請求項10に記載の複合装置。
【請求項13】
前記熱化学的に活性化される熱可塑性マトリックスが、前記骨髄内管の形状に適合するように構成される、請求項10に記載の複合装置。
【請求項14】
前記支持構造が、少なくとも1つのロッドを備える、請求項1に記載の複合装置。
【請求項15】
前記支持構造が、収縮した状態から拡大した状態に半径方向に拡大することができるように相互接続されたロッドの配列を含む、請求項14に記載の複合装置。
【請求項16】
前記支持構造がケージを含む、請求項1に記載の複合装置。
【請求項17】
前記ケージが、半径方向に拡大し、かつ収縮することができる、請求項16に記載の複合装置。
【請求項18】
前記ケージが、前記骨の前記骨髄内管に適合するように選択された砂時計状の形状を有する、請求項17に記載の複合装置。
【請求項19】
前記支持構造が、少なくとも1つのロッドをさらに備え、前記ロッドが、前記ケージにより保持される、請求項17に記載の複合装置。
【請求項20】
前記ケージおよび前記ロッドが、実質的に、金属材料から形成される、請求項19に記載の複合装置。
【請求項21】
前記支持構造が、伸縮式に延ばすことの可能な複数の入れ子コンポーネントを備える、請求項1に記載の複合装置。
【請求項22】
第1の複合装置および第2の複合装置をさらに備え、前記第1の複合装置が、前記骨の前記骨髄内管内で、前記第2の複合装置の内側に入れ子にすることが可能であるように構成される、請求項1に記載の複合装置。
【請求項23】
内部の骨を安定化させるために熱化学的に活性化される装置であって、
第1の熱化学状態で、骨に適合するように十分に変形可能であり、かつ第2の熱化学状態で、前記骨を安定化させるために十分硬化する熱化学的に活性化される熱可塑性マトリックスを備え、
前記熱化学的に活性化される熱可塑性マトリックスが、前記骨の骨髄内管中に、前記熱化学的に活性化される熱可塑性マトリックスを挿入できるように選択された細長い形状を備える装置。
【請求項24】
前記熱化学的に活性化される熱可塑性マトリックスが、前記骨髄内管の形状に適合するように構成される、請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記装置が、前記骨髄内管に平行ではない経路に沿って、前記骨髄内管中に植え込むことが可能である、請求項23に記載の装置。
【請求項26】
前記熱化学的に活性化される熱可塑性マトリックスが、前記第1の熱化学状態から前記第2の熱化学状態に、また前記第2の熱化学状態から前記第1の熱化学状態に繰り返して変換することができる、請求項23に記載の装置。
【請求項27】
前記熱化学的に活性化される熱可塑性マトリックスが、前記熱化学的に活性化される熱可塑性マトリックスに、外部供給源からエネルギーを加えることにより、前記第2の熱化学状態から前記第1の熱化学状態に変換することができ、また前記熱化学的に活性化される熱可塑性マトリックスから周囲の物質にエネルギーを放散することにより、前記第1の熱化学状態から前記第2の熱化学状態に変換することができる、請求項23に記載の装置。
【請求項28】
前記熱化学的に活性化される熱可塑性マトリックスが、前記第1の熱化学状態にある間に、前記装置を患者に植え込むことができ、前記装置が前記患者内にある間に、前記熱化学的に活性化される熱可塑性マトリックスが前記第2の熱化学状態に変換可能であり、また前記熱化学的に活性化される熱可塑性マトリックスが前記第1の熱化学状態に戻るまで、前記装置は前記患者内に留まるように構成される、請求項23に記載の装置。
【請求項29】
長手方向軸をさらに備え、前記装置が、拡大した状態に半径方向に拡大し、かつ収縮した状態に半径方向に収縮することができ、前記装置がさらに、前記収縮した状態にある間に、前記長手方向軸周りでより大きく撓むことができる、請求項23に記載の装置。
【請求項30】
前記熱化学的に活性化される熱可塑性マトリックスが、生体適合性を有しており、かつポリ乳酸(PLA)、ポリε−カプロラクトン(PCL)、トリメチルカルボネート(TMC)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリL−乳酸(PLLA)、ポリD−L−乳酸(PDLLA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、脂肪酸ポリエステル、ポリ酸無水物、ポリフォスファゼン、ポリオルトエステル、ポリ(p−ジオキサン)、ポリアミノ酸、擬ポリアミノ酸、浸食性ヒドロゲル、および天然のポリマーからなるポリマーの群から選択されたポリマーを含む、請求項23に記載の装置。
【請求項31】
前記熱化学的に活性化される熱可塑性マトリックスが、ポリ乳酸(PLA)、ポリε−カプロラクトン(PCL)、トリメチルカルボネート(TMC)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリL−乳酸(PLLA)、ポリD−L−乳酸(PDLLA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、脂肪酸ポリエステル、ポリ酸無水物、ポリフォスファゼン、ポリオルトエステル、ポリ(p−ジオキサン)、ポリアミノ酸、擬ポリアミノ酸、浸食性ヒドロゲル、および天然のポリマーからなる群から選択されたポリマーのブレンドをさらに含み、ポリマーの前記ブレンドが、患者の体温に近くなるように選択されたガラス転移温度を有する、請求項30に記載の装置。
【請求項32】
前記熱化学的に活性化される熱可塑性マトリックスが、前記骨の治癒を高めるように選択された生体活性材料をさらに含み、前記生体活性材料が、水酸リン灰石、リン酸テトラカルシウム、β−リン酸三カルシウム、フッ素リン灰石、マグネシウムホワイトロッカイト、β−ホワイトロッカイト、アパタイト/ウォラストナイトガラスセラミック、リン酸カルシウム粒子強化ポリエチレン、生体活性ガラス、生体活性ガラスセラミックス、多結晶ガラスセラミックス、およびポリエチレン水酸リン灰石からなる群から選択される、請求項30に記載の装置。
【請求項33】
骨折した骨を安定化させるための方法であって、
前記骨に複合装置を適合させるステップであり、前記複合装置が、第1の熱化学状態で変形可能であり、第2の熱化学状態では硬化する、熱化学的に活性化される熱可塑性マトリックスに接続された支持構造を備えているステップと、
前記熱化学的に活性化される熱可塑性マトリックスを硬化させるために、前記熱化学的に活性化される熱可塑性マトリックスを前記第1の熱化学状態から前記第2の熱化学状態に変換するステップと
を含む方法。
【請求項34】
前記骨に前記複合装置を適合させる前記ステップが、前記複合装置を半径方向に拡大するステップをさらに含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記熱化学的に活性化されるマトリックスを、前記第1の熱化学状態から前記第2の熱化学状態に変換する前記ステップが、エネルギーを、前記熱化学的に活性化されるマトリックスから放散することを可能にするステップをさらに含む、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
前記複合装置を、前記骨の骨髄内管中に挿入するステップをさらに含み、前記骨に前記複合装置を適合させる前記ステップが、前記複合装置を前記骨髄内管に適合させるステップを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項37】
前記複合装置を、前記骨の前記骨髄内管中に挿入する前記ステップが、前記複合装置を、前記骨の前記骨髄内管に平行ではない経路に沿って挿入するステップを含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記支持構造が、一連の伸縮式の入れ子可能なコンポーネントをさらに備え、前記複合装置を、前記骨髄内管中に挿入する前記ステップが、前記伸縮式の入れ子可能なコンポーネントを、前記骨の前記骨髄内管内に入れ子にするステップをさらに含む、請求項36に記載の方法。
【請求項39】
前記骨の治癒後に、前記複合装置を、前記骨の前記骨髄内管から取り外すステップをさらに含む、請求項33に記載の方法。
【請求項40】
骨折した骨を安定化させるための方法であって、
熱化学的に活性化される装置を、前記骨折した骨の骨髄内管中に挿入するステップと、
前記骨髄内管内で、前記熱化学的に活性化される装置の剛性を高めるために、第1の熱化学状態から第2の熱化学状態に前記熱化学的に活性化される装置を変換することをトリガするように、前記熱化学的に活性化される装置との間でエネルギーを伝達するステップと、
を含む方法。
【請求項41】
前記熱化学的に活性化される装置を、前記骨髄内管に平行ではない経路に沿って前記骨髄内管中に挿入するステップをさらに含む、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記熱化学的に活性化される装置が長手方向軸を備え、前記熱化学的に活性化される装置を、前記骨髄内管中に挿入する前記ステップが、前記熱化学的に活性化される装置を、前記長手方向軸周りで撓ませるステップをさらに含む、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記第1の熱化学状態から前記第2の熱化学状態に、前記熱化学的に活性化される装置を変換する前に、前記熱化学的に活性化される装置を、前記骨髄内管の形状に適合するように半径方向に拡大するステップをさらに含む、請求項40に記載の方法。
【請求項44】
前記骨の治癒後に、前記熱化学的に活性化される装置を、前記骨髄内管から取り外すステップをさらに含む、請求項40に記載の方法。
【請求項45】
骨折した骨を安定化させるための装置であって、
前記骨髄内管に対して非平行の経路に沿って、前記骨の骨髄内管中に導入するために十分可撓性があるように構成された第1のコンポーネントと、
前記経路に沿って前記骨の前記骨髄内管中に導入するために十分可撓性があるように構成された第2のコンポーネントと、を備え、
前記第1および第2のコンポーネントが共に結合されて、前記骨髄内管内で縮小可能なアセンブリを提供するように構成され、したがって、前記アセンブリは、前記縮小状態で、前記骨折した骨を安定化させるのに十分な剛性を有する装置。
【請求項46】
前記第1および第2のコンポーネントが、それぞれ、前記縮小状態の前記アセンブリの長さと実質的に等しい、請求項45に記載の装置。
【請求項47】
前記第1のコンポーネントが、前記アセンブリが前記縮小状態にあるとき、前記第2のコンポーネントの内側に入れ子になるように構成され、前記アセンブリが、前記アセンブリが撓むのを容易にするように、前記第2のコンポーネントが前記第1のコンポーネントから伸縮式に延長される延ばされた状態を有しており、したがって、前記骨髄内管中への前記アセンブリの挿入が容易になる、請求項45に記載の装置。
【請求項48】
前記第1および第2のコンポーネントが、実質的に金属材料から形成される、請求項45に記載の装置。
【請求項49】
前記第1および第2のコンポーネントがそれぞれ、熱化学的に活性化される熱可塑性材料中に埋め込まれた金属材料を含む、請求項45に記載の装置。
【請求項50】
前記第1および第2のコンポーネントが、ねじ込み可能に共に係合される、請求項45に記載の装置。
【請求項51】
前記経路に沿って、前記骨の前記骨髄内管中に導入されるために十分可撓性があるように構成された第3のコンポーネントをさらに備え、前記第2および第3のコンポーネントが、共に結合されるように構成される、請求項45に記載の装置。
【請求項52】
前記経路が、前記骨髄内管に対して10から90度の角度である、請求項45に記載の装置。
【請求項53】
骨折した骨を安定化させるための装置であって、
第1のコンポーネントと、
第2のコンポーネントと、
第3のコンポーネントと、を備え、
前記第1、第2、および第3のコンポーネントが、前記骨折した骨を安定化させるために、前記骨の骨髄内管内に縮小させることが可能なアセンブリを形成するように、伸縮式に組み立てられるように構成される装置。
【請求項54】
前記第1、第2、および第3のコンポーネントがそれぞれ、前記縮小状態では、実質的に、前記アセンブリに等しい長さである、請求項53に記載の装置。
【請求項55】
前記第1、第2、および第3のコンポーネントが、実質的に金属材料から形成される、請求項53に記載の装置。
【請求項56】
前記第1、第2、および第3のコンポーネントがそれぞれ、熱化学的に活性化される熱可塑性材料中に埋め込まれた金属材料を含む、請求項53に記載の装置。
【請求項57】
前記第1、第2、および第3のコンポーネントがそれぞれ、前記骨髄内管に対して10から90度の角度である経路に沿って、前記骨の前記骨髄内管中に導入されるように十分可撓性がある、請求項53に記載の装置。
【請求項58】
前記第2のコンポーネントが、前記第1のコンポーネントにねじ込み可能に係合され、また前記第3のコンポーネントが、前記第2のコンポーネントにねじ込み可能に係合される、請求項53に記載の装置。
【請求項59】
前記第1、第2、および第3のコンポーネントがそれぞれ、実質的に、管状の形をしている、請求項53に記載の装置。
【請求項60】
骨折した骨を安定化させるための方法であって、
第1のコンポーネントを撓ませることにより、骨髄内管に非平行の経路に沿って、前記骨の前記骨髄内管中に前記第1のコンポーネントを挿入するステップと、
第2のコンポーネントを撓ませることにより、前記経路に沿って、前記骨髄内管中に前記第2のコンポーネントを挿入するステップであり、前記第2のコンポーネントが、アセンブリを形成するために前記第1のコンポーネントに結合されるように構成されるステップと、
縮小状態で、前記アセンブリが、前記骨折した骨を安定化させるのに十分な剛性を有するように、前記骨髄内管内で前記アセンブリを縮小させるステップと、
を含む方法。
【請求項61】
前記第1および第2のコンポーネントがそれぞれ、前記縮小状態では、実質的に、前記アセンブリに等しい長さである、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記アセンブリを縮小させる前記ステップが、前記第1のコンポーネントを前記第2のコンポーネントの内側に入れ子にするステップを含む、請求項60に記載の方法。
【請求項63】
前記第2のコンポーネントが、前記第1のコンポーネントにねじ込み可能に係合され、前記アセンブリを縮小させる前記ステップが、前記第1のコンポーネントに対して、前記第2のコンポーネントを回転させるステップを含む、請求項60に記載の方法。
【請求項64】
第3のコンポーネントを撓ませることにより、前記経路に沿って、前記第3のコンポーネントを前記骨髄内管中に挿入するステップをさらに含み、前記第3のコンポーネントが、前記第2のコンポーネントに結合されるように構成される、請求項60に記載の方法。
【請求項65】
前記縮小されたアセンブリの周囲を囲むように、硬化可能な骨セメントを、前記骨の前記骨髄内管中に導入するステップをさらに含む、請求項60に記載の方法。
【請求項66】
前記経路が、前記骨髄内管に対して、10から90度の角度である、請求項60に記載の方法。
【請求項67】
骨折した骨を安定化させるための方法であって、
第1のコンポーネントを前記骨の骨髄内管中に挿入するステップと、
第2のコンポーネントを前記骨髄内管中に挿入するステップと、
第3のコンポーネントを前記骨髄内管中に挿入するステップであり、前記第1、第2、および第3のコンポーネントが、アセンブリを形成するように伸縮式に組み立てられるステップと、
前記アセンブリが前記骨を安定化できるように、前記骨髄内管内で前記アセンブリを縮小させるステップと、
を含む方法。
【請求項68】
前記第1、第2、および第3のコンポーネントがそれぞれ、実質的に、前記縮小されたアセンブリと等しい長さである、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
前記第1、第2、および第3のコンポーネントがそれぞれ、実質的に、管状の形をしている、請求項67に記載の方法。
【請求項70】
前記第1、第2、および第3のコンポーネントを、前記骨髄内管に対して10から90度の角度である経路に沿って、前記骨髄内管中に挿入するステップをさらに含む、請求項67に記載の方法。
【請求項71】
前記アセンブリを縮小させる前記ステップが、前記第1のコンポーネントを、前記第2のコンポーネントの内側に入れ子にし、かつ前記第2のコンポーネントを、前記第3のコンポーネントの内側に入れ子にするステップを含む、請求項67に記載の方法。
【請求項72】
前記アセンブリを縮小させる前記ステップが、前記第2のコンポーネントを、前記第1のコンポーネントに対して回転させ、かつ前記第3のコンポーネントを、前記第2のコンポーネントに対して回転させるステップを含む、請求項67に記載の方法。
【請求項73】
前記縮小されたアセンブリの周囲を囲むように、硬化可能な骨セメントを、前記骨の前記骨髄内管中に導入するステップをさらに含む、請求項67に記載の方法。
【請求項74】
骨折した骨を安定化させるためのシステムであって、
前記骨の骨髄内管中に挿入されるように形成されたインプラントと、
前記インプラント中に取外し可能に挿入でき、また前記骨髄内管の内部で、インプラントを、第1の形状から第2の形状に変換するように構成されたインプラント変形装置とを備え、
前記インプラントが、前記骨髄内管から前記インプラント変形装置の取外し後、前記第2の形状のままでいるように構成されるシステム。
【請求項75】
前記インプラントが、支持構造および熱化学的に活性化される熱可塑性マトリックスを備える、請求項74に記載のシステム。
【請求項76】
前記支持構造が、長手方向軸を有する細長い形状を含み、前記インプラントが、収縮した状態から拡大した状態に半径方向に拡大することができ、前記支持構造がさらに、前記収縮した状態にある間は、拡大した状態にある間よりも長手方向軸周りでより大きく撓むことができる、請求項75に記載のシステム。
【請求項77】
前記インプラント変形装置が、細長い形状を有しており、前記インプラントの拡大を生ずるように、前記インプラント内で、半径方向に拡大することができる、請求項74に記載のシステム。
【請求項78】
前記インプラント変形装置が、前記インプラント内で拡大するように形成されたバルーンを備える、請求項74に記載のシステム。
【請求項79】
前記インプラント変形装置が、
前記バルーンとの間で液体を搬送するために前記バルーンに接続可能な複数のホースと、
前記ホースを通して、前記液体の流れを調節するために、前記ホースに接続可能なポンプと、
前記液体の温度を制御するように構成された温度レギュレータと、
をさらに備える、請求項78に記載のシステム。
【請求項80】
前記インプラント変形装置が、第1の端部、第2の端部、および前記第1の端部と前記第2の端部の間に位置する複数の拡大可能なセグメントを備え、前記拡大可能なセグメントが、前記第1の端部と前記第2の端部の間の軸方向圧縮により拡大される、請求項74に記載のシステム。
【請求項81】
骨折した骨を安定化させるためのシステムであって、
前記骨の骨髄内管中に挿入されるように形成された熱化学的に活性化されるインプラントと、
前記熱化学的に活性化されるインプラント中に取外し可能に挿入でき、かつ前記骨髄内管内で、前記熱化学的に活性化されるインプラントの拡大を生ずるように構成されたインプラント変形装置と、を備え、
前記インプラント変形装置が、前記熱化学的に活性化されるインプラントの活性化を制御するのを助けるために、前記熱化学的に活性化されるインプラントに熱エネルギーを伝達し、またはそこから熱エネルギーを受け取るように構成されるシステム。
【請求項82】
前記熱化学的に活性化されるインプラントが、第1の熱化学状態で、前記骨の前記骨髄内管に適合するように十分に変形可能であり、かつ第2の熱化学状態で、前記骨を安定化させるために十分硬化する、請求項81に記載のシステム。
【請求項83】
前記インプラント変形装置が、細長い形状を有しており、また前記熱化学的に活性化されるインプラントの拡大を生ずるように前記熱化学的に活性化されるインプラント内で半径方向に拡大することができる、請求項81に記載のシステム。
【請求項84】
前記インプラント変形装置が、前記熱化学的に活性化されるインプラント内で拡大するように形成されたバルーンを備える、請求項81に記載のシステム。
【請求項85】
前記インプラント変形装置が、
前記バルーンとの間で液体を搬送するために前記バルーンに接続可能な複数のホースと、
前記ホースを通して、前記液体の流れを調節するために、前記ホースに接続可能なポンプと、
前記液体の温度を制御するように構成された温度レギュレータと、
をさらに備える、請求項84に記載のシステム。
【請求項86】
前記インプラント変形装置が、第1の端部、第2の端部、および前記第1の端部と前記第2の端部の間に位置する複数の拡大可能なセグメントを備え、前記拡大可能なセグメントが、前記第1の端部と前記第2の端部の間の軸方向圧縮により拡大される、請求項81に記載のシステム。
【請求項87】
骨折した骨を安定化させるための方法であって、
前記骨の骨髄内管中にインプラントを挿入するステップと、
前記インプラント中にインプラント変形装置を取外し可能に挿入するステップと、
前記インプラントを、第1の形状から第2の形状に変換するために、前記インプラント変形装置を拡大するステップと、
前記骨髄内管から、前記インプラント変形装置を取り外すステップと、を含み、
前記骨髄内管から前記インプラント変形装置を取り外した後、前記インプラントが前記第2の形状のままである方法。
【請求項88】
前記インプラントを、第2の形状に変換する前記ステップが、前記インプラントを、前記骨髄内管の形状に適合するように変形するステップをさらに含む、請求項87に記載の方法。
【請求項89】
前記インプラント変形装置を拡大する前記ステップが、前記インプラント内でバルーンを膨張させるステップをさらに含む、請求項87に記載の方法。
【請求項90】
前記インプラント内で前記バルーンを膨張させる前記ステップが、ホースを介して前記バルーンにポンプを接続し、かつ液体を、前記ホースを介して前記バルーン中に送り、かつ前記バルーンから送り出す流れを調節するために、ポンプを動作させるステップを含む、請求項89に記載の方法。
【請求項91】
前記インプラント変形装置が、第1の端部、第2の端部、および前記第1の端部と前記第2の端部の間に位置する複数の拡大可能なセグメントを備え、前記インプラント変形装置を拡大する前記ステップが、前記拡大可能なセグメントの拡大を生ずるように、前記第1の端部を、前記第2の端部の方向に軸方向圧縮するステップをさらに含む、請求項87に記載の方法。
【請求項92】
骨折した骨を安定化させるための方法であって、
熱化学的に活性化されるインプラントを、前記骨の骨髄内管中に挿入するステップと、
前記骨髄内管内で、前記熱化学的に活性化されるインプラントの拡大を生ずるために、インプラント変形装置を拡大するステップと、
前記骨髄内管内で、前記熱化学的に活性化されるインプラントの剛性を高めるために、前記熱化学的に活性化されるインプラントを、第1の熱化学状態から第2の熱化学状態に変換するように、前記インプラント変形装置と前記熱化学的に活性化されるインプラントとの間で熱エネルギーを伝達するステップと、
を含む方法。
【請求項93】
前記骨髄内管中に前記熱化学的に活性化されるインプラントを挿入した後に、前記インプラント変形装置を前記熱化学的に活性化されるインプラント中に挿入するステップをさらに含む、請求項92に記載の方法。
【請求項94】
前記骨髄内管の形状に適合するように、前記第1の熱化学状態で前記熱化学的に活性化されるインプラントを変形するステップをさらに含む、請求項92に記載の方法。
【請求項95】
前記インプラント変形装置と前記熱化学的に活性化されるインプラントとの間で熱エネルギーを伝達する前記ステップが、前記インプラント変形装置を用いて、前記熱化学的に活性化されるインプラントから、熱エネルギーを吸収するステップを含む、請求項92に記載の方法。
【請求項96】
前記熱化学的に活性化されるインプラントを、前記骨の前記骨髄内管中に挿入する前に前記第2の熱化学状態から前記第1の熱化学状態に変換するために、前記熱化学的に活性化されるインプラントに熱を送るステップをさらに含む、請求項92に記載の方法。
【請求項97】
前記インプラント変形装置を拡大する前記ステップが、前記熱化学的に活性化されるインプラント内で、バルーンを膨張させるステップをさらに含む、請求項92に記載の方法。
【請求項98】
前記インプラント変形装置と前記熱化学的に活性化されるインプラントとの間で熱エネルギーを伝達する前記ステップが、ポンプおよび温度レギュレータをホースを介して前記バルーンに接続し、液体を冷却し、かつ前記ホースを介して前記バルーンに送り、かつ前記バルーンから送り出す前記冷却された液体の流れを調節するように前記ポンプを動作させるステップを含み、前記バルーンが、前記熱化学的に活性化されるインプラントからの前記熱エネルギーを吸収する、請求項97に記載の方法。
【請求項99】
前記インプラント変形装置が、第1の端部、第2の端部、および前記第1の端部と前記第2の端部の間に位置する複数の拡大可能なセグメントを備え、前記インプラント変形装置を拡大する前記ステップが、前記拡大可能なセグメントの拡大を生ずるように、前記第1の端部を、前記第2の端部の方向に軸方向圧縮するステップをさらに含む、請求項92に記載の方法。
【請求項100】
哺乳動物中に植え込まれるように構成された装置であって、
第1の熱化学状態で実質的に変形可能であり、かつ第2の熱化学状態で実質的に硬化するように構成された熱化学的に活性化される熱可塑性マトリックス材料を含む第1の複合部分と、
第2の熱化学状態と、
前記第1の複合部分と組み合わせて、細長い形状を形成するように、前記前記第1の複合に恒久的に結合された第2の非複合部分と、
を備える装置。
【請求項101】
前記植込み可能な装置が、髄内骨固定を提供するために、骨の前記骨髄内管中に植え込まれるように構成される、請求項100に記載の植込み可能な装置。
【請求項102】
前記第2の非複合部分が、金属、金属合金、セラミックス、およびポリマーからなる群から選択された生体適合性の材料を含む、請求項100に記載の植込み可能な装置。
【請求項103】
前記第1の複合部分が、細長い形状を有し、かつ半径方向に拡大可能であるように構成される、請求項100に記載の植込み可能な装置。
【請求項104】
前記第1の複合部分が、支持構造をさらに備える、請求項100に記載の植込み可能な装置。
【請求項105】
前記第1の複合部分に恒久的に結合された第3の非複合部分をさらに備える、請求項100に記載の植込み可能な装置。
【請求項106】
前記第3の非複合部分が、第1の熱化学状態で実質的に変形可能であり、かつ第2の熱化学状態で実質的に硬化するように構成された前記熱化学的に活性化される熱可塑性マトリックスを含む、請求項105に記載の植込み可能な装置。
【請求項107】
前記第1の複合部分、前記第2の非複合部分、および前記第3の非複合部分が、前記植込み可能な装置の長さに沿って、実質的に、直線的に連続して配置され、前記第1の複合部分が、前記第2の非複合部分および前記第3の非複合部分に隣接して配置される、請求項105に記載の植込み可能な装置。
【請求項108】
哺乳動物における骨に近接して植込み可能であるように構成された装置であって、
第1の部分と、
前記第1の部分と組み合わせて細長い形状を形成するように、前記第1の部分に恒久的に結合された第2の部分とを備え、
前記第1の部分が、第1の直径に半径方向に拡大可能であり、また前記第2の部分が、第2の直径に半径方向に拡大可能であり、前記第1の直径が、前記第2の直径を超える装置。
【請求項109】
前記第1の部分が、少なくとも2つの異なる生体適合性の材料から形成された複合体を含み、また前記第2の部分が、単一の生体適合性の材料を含み、前記生体適合性の材料が、金属、金属合金、ポリマー、およびセラミックスからなる群から選択される、請求項108に記載の植込み可能な装置。
【請求項110】
前記第1の部分が、熱化学的に活性化される熱可塑性マトリックス材料、および前記熱化学的に活性化される熱可塑性マトリックス材料とは異なる生体適合性の材料から形成された複合体である、請求項108に記載の植込み可能な装置。
【請求項111】
前記植込み可能な装置が、骨の骨髄内管中に植え込まれるように構成された骨固定装置である、請求項108に記載の植込み可能な装置。
【請求項112】
骨固定装置であって、
第1の端部および第2の端部を有する第1の複合部分と、
第1の端部および第2の端部を有する第2の非複合部分であり、前記第2の非複合部分の前記第2の端部が、骨の骨髄内管中に植え込まれるように構成された細長い形状を形成するように、前記第1の複合部分の前記第1の端部に恒久的に結合される骨固定装置。
【請求項113】
前記第1の複合部分が、少なくとも2つの異なる生体適合性の材料から形成された複合体を含み、また前記第2の非複合部分が、単一の生体適合性の材料を含み、前記生体適合性の材料が、金属、金属合金、ポリマー、およびセラミックスからなる群から選択される、請求項112に記載の骨固定装置。
【請求項114】
前記第1の複合部分が、細長い形状を有しており、また半径方向に拡大可能であるように構成される、請求項112に記載の骨固定装置。
【請求項115】
第1の端部および第2の端部を有する第3の非複合部分をさらに備え、前記第3の非複合部分の前記第1の端部が、前記第1の複合部分の前記第2の端部に恒久的に結合される、請求項112に記載の骨固定装置。
【請求項116】
植込み可能な装置を哺乳動物に植え込むための方法であって、前記植込み可能な装置が、細長い形状を有し、かつ第1の熱化学状態で変形可能で、第2の熱化学状態で硬化する第1の熱化学的に活性化される複合部分、および前記第1の熱化学的に活性化される複合部分に恒久的に結合される第2の非複合部分を備えており、
前記第1の熱化学的に活性化される複合部分を、前記第2の熱化学状態から前記第1の熱化学状態に変換するステップと、
前記植込み可能な装置を前記哺乳動物中に挿入するステップと、
前記第1の熱化学的に活性化される複合部分を硬化させるために、前記第1の熱化学状態から、前記第2の熱化学状態に前記第1の熱化学的に活性化される複合部分を変換するステップと、
を含む方法。
【請求項117】
前記第1の熱化学的に活性化される複合部分を、前記第2の熱化学状態から前記第1の熱化学状態に変換するために、前記第1の熱化学的に活性化される複合部分の温度を増加させるステップと、
前記植込み可能な装置を、前記哺乳動物中の骨の骨髄内管中に挿入するステップと、
前記骨髄内管内で、前記第1の熱化学的に活性化される複合部分を変形させるステップと、
をさらに含む、請求項116に記載の方法。
【請求項118】
前記第1の熱化学的に活性化される複合部分の温度を増加させる前記ステップが、前記温度を、最高で約65℃に増加させるステップを含む、請求項117に記載の方法。
【請求項119】
前記骨髄内管内で、前記第1の熱化学的に活性化される複合部分を変形させる前記ステップが、前記第1の熱化学的に活性化される複合部分を半径方向に拡大するステップを含む、請求項117に記載の方法。
【請求項120】
前記第1の熱化学的に活性化される複合部分を、前記第1の熱化学状態から前記第2の熱化学状態に変換する前記ステップが、前記第1の熱化学的に活性化される複合部分の温度を減少させるステップをさらに含む、請求項116に記載の方法。
【請求項121】
前記第1の熱化学的に活性化される複合部分の温度を減少させる前記ステップが、前記温度を、最小で約15℃に減少させるステップを含む、請求項120に記載の方法。
【請求項122】
前記植込み可能な装置が、前記第1の複合部分に恒久的に結合される第3の非複合部分をさらに備え、したがって、前記第1の複合部分、前記第2の非複合部分、および前記第3の非複合部分が、前記植込み可能な装置の長さに沿って、実質的に、直線的に連続して配置され、さらに、前記第1の複合部分が前記第2の非複合部分に隣接して配置され、また前記第1の複合部分が前記第3の非複合部分に隣接して配置される、請求項116に記載の方法。
【請求項123】
前記第3の非複合部分が、最初に前記骨髄内管に入り、その後に、前記第1の複合部分が続き、その後に、前記第2の非複合部分が続くように、前記植込み可能な装置を、前記哺乳動物中の骨の前記骨髄内管中に挿入するステップをさらに含む、請求項122に記載の方法。
【請求項124】
骨折した骨を安定化させるための方法であって、
前記骨に近接して植込み可能な装置を挿入するステップであり、前記植込み可能な装置が、第1の部分、および細長い形状を形成するために前記第1の部分に恒久的に結合された第2の部分を備えるステップと、
前記第1の部分を第1の直径に半径方向に拡大するステップと、
前記第2の部分を第2の直径に半径方向に拡大するステップと、を含み、
前記第1の直径が前記第2の直径を超える大きさである方法。
【請求項125】
前記第1の部分が、熱化学的に活性化されるマトリックス材料、および前記熱化学的に活性化されるマトリックス材料とは異なる生体適合性の材料から形成される複合体を含む、請求項124に記載の方法。
【請求項126】
前記第1の部分を半径方向に拡大する前記ステップが、
前記熱化学的に活性化されるマトリックス材料の温度を増加するステップと、
前記第1の部分を変形するステップと、
をさらに含む、請求項125に記載の方法。
【請求項127】
前記第2の部分が、熱化学的に活性化されるマトリックス材料を含む、請求項124に記載の方法。
【請求項128】
前記第2の部分を半径方向に拡大する前記ステップが、
前記熱化学的に活性化されるマトリックス材料の温度を増加させるステップと、
前記第2の部分を変形するステップと、
をさらに含む、請求項127に記載の方法。
【請求項129】
前記植込み可能な装置を、前記骨の前記骨髄内管中に挿入するステップをさらに含む、請求項124に記載の方法。
【請求項130】
骨折した骨を安定化させるための方法であって、
細長い形状を形成するように、第2の非複合部分に結合された第1の複合部分を備える骨固定装置を提供するステップと、
前記骨折した骨を安定化させるために、前記骨折した骨の骨髄内管中に、前記骨固定装置を挿入するステップと、
を含む方法。
【請求項131】
前記第1の複合部分が、少なくとも2つの異なる生体適合性の材料を含み、また前記第2の非複合部分が、単一の生体適合性の材料を含み、前記生体適合性の材料が、金属、金属合金、ポリマー、およびセラミックスからなる群から選択される、請求項130に記載の方法。
【請求項132】
前記骨の前記骨髄内管内で、前記第1の複合部分を半径方向に拡大するステップをさらに含む、請求項130に記載の方法。
【請求項133】
前記骨固定装置が、前記細長い形状を形成するように、前記第1の複合部分に結合された第3の非複合部分をさらに備える、請求項130に記載の方法。
【請求項134】
哺乳動物中に植込み可能であるように構成された装置であって、
約30%から約70%の重量パーセント範囲のPCLM−12と、約30%から約70%の重量パーセント範囲のSMC−7とを含む、約95%から約99.9%の重量パーセント範囲のブレンドと、
約0.1%から約5%の重量パーセント範囲のA−6と、
を含む材料から少なくともその一部が形成される本体を含む装置。
【請求項135】
前記装置が髄内骨固定装置を含み、前記本体が細長い形状を含む、請求項134に記載の装置。
【請求項136】
前記本体が、熱化学的に活性化される、請求項134に記載の装置。
【請求項137】
前記本体が、第1の熱化学状態で変形可能であり、第2の熱化学状態で硬化するように構成される、請求項134に記載の装置。
【請求項138】
前記本体が、前記材料および支持構造を備える複合部分を備える、請求項134に記載の装置。
【請求項139】
前記材料が、
45重量%のPCLM−12、および55重量%のSMC−7を含む、98重量%の前記ブレンドと、
2重量%のA−6と、
を含む、請求項134に記載の装置。
【請求項140】
哺乳動物中に植込み可能であるように構成された複合装置であって、
PCLM−12、SMC−7、およびA−6のブレンドを含む熱化学的に活性化される熱可塑性マトリックス材料と、
前記熱化学的に活性化される熱可塑性マトリックス材料を構造的に支持するために、前記熱化学的に活性化される熱可塑性マトリックス材料に結合された第2の材料を含む支持構造と、
を備える複合装置。
【請求項141】
前記熱化学的に活性化される熱可塑性マトリックス材料が、
30から70重量%のPCLM−12と、
30から70重量%のSMC−7と、
を含む、請求項140に記載の複合装置。
【請求項142】
前記熱化学的に活性化される熱可塑性マトリックス材料が、
45重量%のPCLM−12と55重量%のSMC−7との98重量%のブレンドと、
2重量%のA−6と、
を含む、請求項140に記載の複合装置。
【請求項143】
前記第2の材料が、前記熱化学的に活性化される熱可塑性マトリックス材料と同一のものではなく、前記第2の材料が、金属、金属合金、セラミックス、およびポリマーからなる群から選択された生体適合性の材料を含む、請求項140に記載の複合装置。
【請求項144】
前記熱化学的に活性化される熱可塑性マトリックス材料が、第1の熱化学状態で変形可能であり、第2の熱化学状態で硬化するように構成される、請求項140に記載の複合装置。
【請求項145】
前記支持構造が、前記熱化学的に活性化される熱可塑性マトリックス材料中に埋め込まれる、請求項140に記載の複合装置。
【請求項146】
複合骨固定装置であって、
PCLM−12、SMC−7、およびA−6のブレンドを含む熱化学的に活性化される熱可塑性マトリックス材料から、少なくとも部分的に形成される本体を備え、
前記本体が、骨の骨髄内管中に前記装置を植え込むことを可能にするように選択された細長い形状を備える複合骨固定装置。
【請求項147】
前記熱化学的に活性化される熱可塑性マトリックス材料が、
30から70重量%のPCLM−12と、
30から70重量%のSMC−7と、
を含む、請求項146に記載の複合骨固定装置。
【請求項148】
前記熱化学的に活性化される熱可塑性マトリックス材料が、
45重量%のPCLM−12と55重量%のSMC−7との98重量%のブレンドと、
2重量%のA−6と、
を含む、請求項146に記載の複合骨固定装置。
【請求項149】
細長い形状を有する支持構造をさらに備え、前記支持構造が、前記熱化学的に活性化されるマトリックス材料を構造的に支持するために、前記熱化学的に活性化されるマトリックス材料中に埋め込まれるように構成される、請求項146に記載の複合骨固定装置。
【請求項150】
哺乳動物中に植込み可能であるように構成された装置であって、
PCLM−12、SMC−7、およびA−6のブレンドを含む熱化学的に活性化される熱可塑性マトリックス材料、および支持構造を備える第1の熱化学的に活性化される複合部分と、
第2の非複合部分と、
を備える装置。
【請求項151】
前記第1の熱化学的に活性化される複合部分が、第1の熱化学状態で変形可能であり、かつ第2の熱化学状態で硬化するように構成される、請求項150に記載の複合装置。
【請求項152】
前記第2の非複合部分が、金属、金属合金、セラミックス、およびポリマーからなる群から選択された金属を含む、請求項150に記載の植込み可能な装置。
【請求項153】
前記熱化学的に活性化される熱可塑性マトリックス材料を含む第3の非複合部分をさらに備える、請求項150に記載の植込み可能な装置。
【請求項154】
前記熱化学的に活性化される熱可塑性マトリックス材料が、
30から70重量%のPCLM−12と、
30から70重量%のSMC−7と、
を含む、請求項150に記載の複合骨固定装置。
【請求項155】
前記熱化学的に活性化される熱可塑性マトリックス材料が、
45重量%のPCLM−12と55重量%のSMC−7との98重量%のブレンドと、
2重量%のA−6と、
を含む、請求項150に記載の複合骨固定装置。
【請求項156】
骨折した骨を安定化させる方法であって、
約30%から約70%の重量パーセント範囲のPCLM−12と、約30%から約70%の重量パーセント範囲のSMC−7とを含む、約95%から約99.9%の重量パーセント範囲のブレンドと、
約0.1%から約5%の重量パーセント範囲のA−6と、
を含む材料からその少なくとも一部が形成される本体を含む装置を、前記骨折した骨の前記骨髄内管中に植え込むステップを含む方法。
【請求項157】
前記材料が、熱化学的に活性化され、前記本体が、第1の熱化学状態で変形可能であり、かつ第2の熱化学状態で硬化するように構成される、請求項156に記載の方法。
【請求項158】
前記本体を、前記第2の熱化学状態から前記第1の熱化学状態に変換するために、前記材料の温度を増加させるステップと、
前記本体を変形するステップと、
前記本体を、前記第1の熱化学状態から前記第2の熱化学状態に変換するために、前記材料の温度を減少させるステップと、
をさらに含む、請求項157に記載の方法。
【請求項159】
前記本体が、前記材料と、第2の材料を含む支持構造とを含む複合部分をさらに備える、請求項156に記載の方法。
【請求項160】
前記材料が、
45重量%のPCLM−12、および55重量%のSMC−7を含む、98重量%の前記ブレンドと、
2重量%のA−6と、
を含む、請求項156に記載の方法。
【請求項161】
第1の熱化学状態で変形可能であり、かつ第2の熱化学状態で硬化するように構成された熱化学的に活性化される植込み可能な装置と、
前記熱化学的に活性化される植込み可能な装置に取外し可能に結合されるように構成されたガイドワイヤであり、植込み手技中に、前記熱化学的に活性化される植込み可能な装置の配置をガイドすべく、前記熱化学的に活性化される植込み可能な装置と協動するように構成されたガイドワイヤと、
を備えるシステム。
【請求項162】
前記熱化学的に活性化される植込み可能な装置が髄内骨固定装置を含み、前記ガイドワイヤが、骨の骨髄内管に対して少なくともその一部が平行ではない経路に沿って、前記骨の前記骨髄内管中に取外し可能に挿入できるように構成される、請求項161に記載のシステム。
【請求項163】
前記熱化学的に活性化される植込み可能な装置がカニューレを含み、前記カニューレが、前記熱化学的に活性化されるインプラントを前記ガイドワイヤが通過できるように、前記ガイドワイヤの周囲に嵌合するように形成される、請求項161に記載のシステム。
【請求項164】
前記熱化学的に活性化される植込み可能な装置が、骨の骨髄内管の形状に合わせて変形可能であるように構成された髄内骨固定装置を含む、請求項161に記載のシステム。
【請求項165】
骨折した骨を安定化させるためのシステムであって、
複合髄内骨固定装置と、
前記複合髄内骨固定装置に取外し可能に結合されるように構成されたガイドワイヤであり、骨の骨髄内管中に前記複合髄内骨固定装置をガイドすべく、前記複合髄内骨固定装置と協動するように構成されたガイドワイヤと、
を備えるシステム。
【請求項166】
前記複合髄内骨固定装置が、
熱化学的に活性化されるマトリックス材料と、
支持構造とを備える、請求項165に記載のシステム。
【請求項167】
前記ガイドワイヤが、前記骨の前記骨髄内管に少なくともその一部が平行ではない経路に沿って、前記骨の前記骨髄内管中に取外し可能に挿入できるように構成される、請求項165に記載のシステム。
【請求項168】
前記複合髄内骨固定装置がカニューレを含み、前記カニューレが、前記熱化学的に活性化されるインプラントを前記ガイドワイヤが通過できるように、前記ガイドワイヤの周囲に装着されるように形成される、請求項165に記載のシステム。
【請求項169】
前記複合髄内骨固定装置が、骨の骨髄内管の形状に合わせて変形可能であるように構成される、請求項165に記載のシステム。
【請求項170】
細長い形状を有する変形可能な髄内骨固定装置と、
前記変形可能な髄内骨固定装置に取外し可能に結合されるように構成されたガイドワイヤであり、骨の前記骨髄内管中に、前記変形可能な髄内骨固定装置の配置をガイドすべく、前記変形可能な髄内骨固定装置と協動するように構成されたガイドワイヤと、
を備えるシステム。
【請求項171】
前記変形可能な髄内骨固定装置が、前記骨の前記骨髄内管の形状に合わせて変形するために、前記細長い形状の長さに沿って半径方向に変形可能である、請求項170に記載のシステム。
【請求項172】
前記変形可能な髄内骨固定装置が、前記骨の前記骨髄内管の前記形状に適合するように拡大するために、前記細長い形状の長さに沿って半径方向に拡大可能である、請求項170に記載のシステム。
【請求項173】
前記変形可能な髄内骨固定装置が、第1の熱化学状態で変形可能であり、第2の熱化学状態で硬化するように構成された熱化学的に活性化されるマトリックス材料を含む、請求項170に記載のシステム。
【請求項174】
骨折した骨を安定化させるための方法であって、
骨の骨髄内管中にガイドワイヤを挿入するステップと、
熱化学的に活性化されるインプラントを、前記ガイドワイヤに沿って前記骨の前記骨髄内管中にガイドするステップと、
前記熱化学的に活性化されるインプラントが前記骨髄内管中に残るように前記ガイドワイヤを取り外すステップと、
を含む方法。
【請求項175】
前記ガイドワイヤを挿入する前記ステップが、前記骨の前記骨髄内管に少なくともその一部が平行ではない経路に沿って前記ガイドワイヤを挿入するステップをさらに含む、請求項174に記載の方法。
【請求項176】
前記熱化学的に活性化されるインプラントをガイドする前記ステップが、前記骨の前記骨髄内管に少なくともその一部が平行ではない経路に沿って前記熱化学的に活性化されるインプラントをガイドするステップをさらに含む、請求項174に記載の方法。
【請求項177】
前記骨を安定化させるために、前記骨の前記骨髄内管の形状に合わせて変形するように、前記熱化学的に活性化されるインプラントを変形するステップをさらに含む、請求項174に記載の方法。
【請求項178】
前記熱化学的に活性化されるインプラントを硬化させるために、第1の熱化学状態から第2の熱化学状態に前記熱化学的に活性化されるインプラントを変換するステップをさらに含む、請求項174に記載の方法。
【請求項179】
骨折した骨を安定化させるための方法であって、
骨の骨髄内管中にガイドワイヤを挿入するステップと、
前記骨の前記骨髄内管中に前記ガイドワイヤに沿って、複合髄内骨固定装置をガイドするステップと、
前記複合髄内骨固定装置が、前記骨の前記骨髄内管中に残るように、前記ガイドワイヤを取り外すステップと、
を含む方法。
【請求項180】
前記複合髄内骨固定装置が、熱化学的に活性化されるマトリックス材料および支持構造を備える、請求項179に記載の方法。
【請求項181】
前記ガイドワイヤを挿入する前記ステップが、前記骨の前記骨髄内管に対して、少なくともその一部が平行ではない経路に沿って前記ガイドワイヤを挿入するステップをさらに含む、請求項179に記載の方法。
【請求項182】
前記複合髄内釘をガイドする前記ステップが、前記骨の前記骨髄内管に対して、少なくともその一部が平行ではない経路に沿って、前記複合髄内釘をガイドするステップをさらに含む、請求項179に記載の方法。
【請求項183】
前記骨を安定化させるために、前記骨の前記骨髄内管の形状を変形させるように前記複合髄内骨固定装置を変形させるステップをさらに含む、請求項179に記載の方法。
【請求項184】
前記複合髄内骨固定装置を変形させる前記ステップが、ある長さの前記複合髄内骨固定装置を半径方向に拡大するステップをさらに含む、請求項183に記載の方法。
【請求項185】
骨折した骨を安定化させるための方法であって、
前記骨の骨髄内管中にガイドワイヤを挿入するステップと、
細長い形状を有する変形可能な髄内骨固定装置を、前記ガイドワイヤに沿って、前記骨の前記髄内管中にガイドするステップと、
前記髄内骨固定装置が、前記骨の前記骨髄内管中に残るように、前記ガイドワイヤを取り外すステップと、
前記骨の前記骨髄内管中で、前記変形可能な髄内骨固定装置を変形するステップと、
を含む方法。
【請求項186】
前記変形可能な髄内骨固定装置を変形する前記ステップが、前記変形可能な髄内骨固定装置の長さに沿って前記変形可能な髄内骨固定装置を半径方向に変形するステップをさらに含む、請求項185に記載の方法。
【請求項187】
前記変形可能な髄内骨固定装置を変形する前記ステップが、前記変形可能な髄内骨固定装置の長さに沿って前記変形可能な髄内骨固定装置を半径方向に拡大するステップをさらに含む、請求項185に記載の方法。
【請求項188】
前記変形可能な骨髄内骨固定装置が熱化学的に活性化されるマトリックス材料を含み、前記変形可能な髄内骨固定装置を変形する前記ステップが、前記熱化学的に活性化されるマトリックス材料を、第2の熱化学状態から第1の熱化学状態に変換するステップをさらに含む、請求項185に記載の方法。
【請求項189】
前記熱化学的に活性化されるマトリックス材料を、前記第1の熱化学状態から前記第2の熱化学状態に変換することにより、前記骨の前記骨髄内管中で、前記変形可能な髄内骨固定装置を硬化させるステップをさらに含む、請求項188に記載の方法。
【請求項190】
骨折した骨を安定化させるためのシステムであって、
近位端および遠位端を有する細長い形状を有する変形可能なインプラントと、
前記変形可能なインプラントの前記近位端に取外し可能に結合されるように構成されたインプラント変形装置と、を備え、
前記インプラント変形装置が、前記変形可能なインプラントの内側に装着され、かつ前記変形可能なインプラントを、第1の形態から第2の形態に変形するように構成されるシステム。
【請求項191】
前記変形可能なインプラントが、前記骨折した骨の前記骨髄内管中に挿入されるように形成される、請求項190に記載のシステム。
【請求項192】
前記インプラント変形装置が、前記変形可能なインプラントが、前記インプラント変形装置からの外方向圧力に応じて変形するように、外方向圧力を生成するように構成される、請求項190に記載のシステム。
【請求項193】
前記インプラント変形装置が、バルーンを含む、請求項190に記載のシステム。
【請求項194】
物質の温度および圧力を調節し、かつ前記物質を前記インプラント変形装置を介して循環させるように、前記インプラント変形装置に接続可能なポンプをさらに備え、
前記インプラント変形装置が、前記インプラント変形装置を介して、前記物質を循環させるのに応じて、外方向圧力を生成するように構成されており、また、
前記変形可能なインプラントが、前記インプラント変形装置からの外方向圧力に応じて変形する、請求項190に記載のシステム。
【請求項195】
前記物質が液体である、請求項194に記載のシステム。
【請求項196】
前記物質が気体である、請求項194に記載のシステム。
【請求項197】
骨折した骨を安定化させるためのシステムであって、
変形可能なインプラントと、
前記変形可能なインプラントの内側に装着されるように構成されたバルーンと、
前記バルーン中に液体を搬送するために、前記バルーンと同軸に、少なくとも部分的に前記バルーンの内側に装着されるように構成された第1の管と、
を備えるシステム。
【請求項198】
前記変形可能なインプラントが、前記骨折した骨の前記骨髄内管中に挿入可能であるように構成される、請求項197に記載のシステム。
【請求項199】
前記バルーンが、前記バルーン内の前記液体の蓄積に応じて膨張するように構成され、また前記変形可能なインプラントが、前記膨張したバルーンからの外方向の圧力に応じて変形するように構成される、請求項197に記載のシステム。
【請求項200】
前記変形可能なインプラントが、第1の熱化学状態で変形可能であり、かつ第2の熱化学状態で硬化するように構成された熱化学的に活性化される熱可塑性マトリックスを含む、請求項197に記載のシステム。
【請求項201】
前記バルーンから液体を送るために、前記バルーンに接続可能な第2の管と、
前記第1の管および前記第2の管に接続可能なポンプであって、前記ポンプから前記第1の管を通して前記バルーン中へ、また前記バルーンから前記第2の管を通して前記ポンプ中に送る前記液体の流れの温度および圧力を調節するためのポンプと、
をさらに備える、請求項197に記載のシステム。
【請求項202】
骨折した骨を安定化させるためのシステムであって、
変形可能なインプラントと、
前記変形可能なインプラントの内側に装着されるように構成されたバルーンと、
前記バルーンの内側に、少なくともその一部が装着されるように構成された第1の管と、を備え、前記第1の管の遠位端が、前記バルーンの長手方向の拡大を制限するために、前記バルーンの遠位端に接続されるシステム。
【請求項203】
前記変形可能なインプラントが、骨の骨髄内管の内側に挿入可能であるように構成される、請求項202に記載のシステム。
【請求項204】
前記バルーンが半径方向に拡大可能であり、前記変形可能なインプラントが、前記バルーンの半径方向に拡大することによる外方向圧力に応じて、半径方向に拡大する、請求項202に記載のシステム。
【請求項205】
前記バルーンから液体を送るように構成された、前記バルーンに接続可能な第2の管と、
前記第1の管および前記第2の管に接続可能なポンプであって、前記ポンプから前記第1の管を通して前記バルーン中へ、またバルーンから前記第2の管を通して前記ポンプ中に送る前記液体の流れの温度および圧力を調節するためのポンプと、
をさらに備える、請求項202に記載のシステム。
【請求項206】
骨折した骨を安定化させるための方法であって、
前記骨の前記骨髄内管中に、変形可能なインプラントを植え込むステップと、
インプラント変形装置を、前記変形可能なインプラント中に挿入するステップと、
前記インプラント変形装置を、前記変形可能なインプラントの近位端に取外し可能に、結合するステップと、
前記インプラント変形装置の内部から外方向圧力を生成するステップと、
前記インプラント変形装置からの前記外方向圧力に応じて、前記変形可能なインプラントを変形するステップと、
を含む方法。
【請求項207】
前記インプラント変形装置がバルーンを含む、請求項206に記載の方法。
【請求項208】
前記インプラント変形装置の内部から外方向圧力を生成する前記ステップが、物質を前記インプラント変形装置中に送るステップを含む、請求項206に記載の方法。
【請求項209】
前記物質が液体である、請求項208に記載の方法。
【請求項210】
前記物質が気体である、請求項208に記載の方法。
【請求項211】
前記物質を前記インプラント変形装置中に送る前記ステップが、ポンプを前記インプラント変形装置に接続し、前記物質を前記インプラント変形装置にポンプ送りするステップをさらに含む、請求項208に記載の方法。
【請求項212】
骨折した骨を安定化させるための方法であって、
前記骨の骨髄内管中に変形可能なインプラントを植え込むステップと、
バルーンを膨張させるために、前記変形可能なインプラント内の前記バルーン内に、少なくとも部分的に同軸で含まれる第1の管の中に液体を送るステップと、
前記バルーンの膨張により生ずる外方向圧力に応じて、前記インプラントを変形するステップと、
を含む方法。
【請求項213】
前記変形可能なインプラントが、熱化学的に活性化されるマトリックスおよび支持構造を備え、前記熱化学的に活性化されるマトリックスが、第1の熱化学状態で変形可能であり、かつ第2の熱化学状態で硬化する、請求項212に記載の方法。
【請求項214】
前記第1の管の中に前記液体を送る前に、前記熱化学的に活性化されるマトリックスの温度を高めるために、前記液体を加熱するステップと、
前記熱化学的に活性化されるマトリックスを、前記第2の熱化学状態から前記第1の熱化学状態に変換するステップと、
をさらに含む、請求項213に記載の方法。
【請求項215】
第2の管を前記バルーンに接続するステップと、
ポンプを、前記第1の管および前記2の管に接続するステップと、
前記ポンプから前記第1の管を通して前記バルーン中へ、また前記バルーンから前記第2の管を通して前記ポンプ中に送る前記液体の温度および流れを調節するためにポンプを動作させるステップと、
をさらに備える、請求項212に記載の方法。
【請求項216】
骨折した骨を安定化させるための方法であって、
前記骨の骨髄内管中に変形可能なインプラントを植え込むステップと、
バルーンを前記変形可能なインプラント中に挿入するステップと、
第1の管の少なくとも一部が、前記変形可能なインプラント内の前記バルーン内で同軸的に含まれるように、前記第1の管を前記バルーン中に挿入するステップと、
前記第1の管の遠位端を、前記バルーンの遠位端に接続するステップと、
前記バルーンを膨張させるために、液体を前記第1の管の中に送るステップと、
前記バルーンの前記膨張により生じた外方向圧力に応じて、前記インプラントを変形するステップと、
を含む方法。
【請求項217】
前記変形可能なインプラントが、熱化学的に活性化されるマトリックスおよび支持構造を備え、前記熱化学的に活性化されるマトリックスが、第1の熱化学状態で変形可能であり、かつ第2の熱化学状態で硬化する、請求項216に記載の方法。
【請求項218】
前記第1の管の中に前記液体を送る前に、前記熱化学的に活性化されるマトリックスの温度を高めるために、前記液体を加熱するステップと、
前記熱化学的に活性化されるマトリックスを、前記第2の熱化学状態から前記第1の熱化学状態に変換するステップと、
をさらに含む、請求項217に記載の方法。
【請求項219】
第2の管を前記バルーンに接続するステップと、
ポンプを、前記第1の管および前記第2の管に接続するステップと、
前記ポンプから前記第1の管を通して前記バルーン中へ、また前記バルーンから前記第2の管を通して前記ポンプ中に送る前記液体の温度および流れを調節するためにポンプを動作させるステップと、
をさらに含む、請求項216に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図3E】
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【図3F】
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【図3G】
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【図3H】
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【図3I】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図11D】
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【図11E】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図12D】
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【図12E】
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【図13A】
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【図13B】
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【図14A】
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【図14B】
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【図14C】
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【図14D】
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【図15】
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【図16A】
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【図16B】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20A】
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【図20B】
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【図20C】
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【図21】
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【図22A】
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【図22B】
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【図23】
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【図24】
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【図25A】
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【図25B】
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【図26】
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【図27】
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【図28A】
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【図28B】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【公表番号】特表2010−524642(P2010−524642A)
【公表日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−506420(P2010−506420)
【出願日】平成20年4月21日(2008.4.21)
【国際出願番号】PCT/US2008/061047
【国際公開番号】WO2008/134287
【国際公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【出願人】(509261393)ノヴァリン・オルソペディクス・インコーポレーテッド (3)
【Fターム(参考)】