説明

変性クロロスルホン化ポリオレフィン水性組成物及びその製造方法

【課題】 貯蔵安定性に優れた変性クロロスルホン化ポリオレフィン水性組成物を提供する。
【解決手段】 クロロスルホン化ポリオレフィンの加水分解物と塩基性化合物との塩を含む変性クロロスルホン化ポリオレフィンを含有する変性クロロスルホン化ポリオレフィン水性組成物、及びその製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、変性クロロスルホン化ポリオレフィン水性組成物及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
クロロスルホン化ポリオレフィンは優れた耐熱性、耐侯性、耐オゾン性、耐薬品性及び明色性を有することから、各種ホースのカバー材、電線被覆材、パッキン、ガスケット、ロール及びエスカレーターの手摺等の各種用途に使用されている。
【0003】
また、クロロスルホン化ポリオレフィンは、その特徴を活かして、有機溶剤に溶解又は水に分散して接着剤、コーティング剤、塗料、プライマー等への用途に使用されている。
【0004】
ところが、水分散体は、粒子が水中に分散したものであるため、貯蔵安定性が問題となることが多い。クロロスルホン化ポリオレフィン水分散体についても、同様であり貯蔵安定性の改良が検討されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
しかし、効果が不十分であり更なる貯蔵安定性の向上が求められていた。
【0006】
【特許文献1】特許第3154723号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は貯蔵安定性に優れた変性クロロスルホン化ポリオレフィン水性組成物を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、特定のクロロスルホン化ポリオレフィン水性組成物により上記課題が解決し得ることを見出し、本発明に至ったものである。すなわち、本発明は、クロロスルホン化ポリオレフィンの加水分解物と塩基性化合物との塩を含む変性クロロスルホン化ポリオレフィンを含有することを特徴とする変性クロロスルホン化ポリオレフィン水性組成物、及びその製造方法である。
【0009】
以下に本発明を詳細に説明する。
【0010】
本発明の変性クロロスルホン化ポリオレフィン水性組成物は、クロロスルホン化ポリオレフィンの加水分解物と塩基性化合物との塩を含む変性クロロスルホン化ポリオレフィンを含有するものである。
【0011】
本発明におけるクロロスルホン化ポリオレフィンの加水分解物と塩基性化合物との塩とは、クロロスルホン化ポリオレフィンの加水分解物と塩基性化合物との反応により得られたものであり、クロロスルホン化ポリオレフィンの加水分解物とは、クロロスルホン化ポリオレフィンを水と反応させて加水分解して得られたものである。
【0012】
本発明の変性クロロスルホン化ポリオレフィン水性組成物は、良好な貯蔵安定性を有するために、含有しているクロロスルホン化ポリオレフィンの加水分解物と塩基性化合物との塩を含む変性クロロスルホン化ポリオレフィンの平均粒径は0.2μm以下が好ましく、0.1μm以下がさらに好ましい。
【0013】
ここに、塩基性化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、エタノールアミン、プロパノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、2−ジメチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、モルホリン等を例示することができる。これらの塩基性化合物は、単独又は2種類以上であっても良い。
【0014】
本発明の変性クロロスルホン化ポリオレフィン水性組成物は、クロロスルホン化ポリオレフィンから発生した塩酸の補足のため、必要に応じ安定剤としてエポキシ化合物を含有しても良い。エポキシ化合物は特に限定されないが、例えば、天然の不飽和基を有する植物油をエポキシ化したエポキシ化大豆油やエポキシ化アマニ油、オレイン酸、トール油脂肪酸、大豆油脂肪酸等の不飽和脂肪酸をエポキシ化したエポキシ化脂肪酸エステル類、シクロヘキセンオキサイド、α−ピネンオキサイド、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート等の脂環式エポキシ化合物、ビスフェノールAや多価アルコールとエピクロルヒドリンを縮合した、ビスフェノールAグリシジルエーテル、エチレングリコールグリシジルエーテル、プロピレングリコールグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル等のグリシジルエーテル型エポキシ化合物、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、デシルグリシジルエーテル、ステアリルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、s−ブチルフェニルグリシジルエーテル、t−ブチルフェニルグリシジルエーテル、フェノールポリエチレンオキサイドグリシジルエーテル等のモノエポキシ化合物類等が例示される。これらエポキシ化合物は、単独、又は2種類以上をブレンドして使用が可能である。
【0015】
本発明の変性クロロスルホン化ポリオレフィン水性組成物におけるクロロスルホン化ポリオレフィンは、ポリオレフィンを塩素化及びクロロスルホン化して得られるクロロスルホン化ポリオレフィンであれば特に限定するものではなく、例えば、クロロスルホン化ポリエチレン、クロロスルホン化エチレン−α−オレフィン共重合体、クロロスルホン化α−オレフィン重合体、クロロスルホン化α−オレフィン共重合体、クロロスルホン化エチレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられ、α−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン等が挙げられる。クロロスルホン化エチレン−α−オレフィン共重合体、クロロスルホン化α−オレフィン重合体、クロロスルホン化α−オレフィン共重合体の場合には、得られた変性クロロスルホン化ポリオレフィン水性組成物のポリプロピレンに対する密着性を考慮すると、ポリオレフィン中のプロピレン成分が50モル%以上であることが好ましい。
【0016】
原料であるポリオレフィンは上記の成分の他に、他の重合可能な成分が共重合されていてもよい。他の重合可能な成分としては、例えば、1,4−ヘキサジエン、1,6−オクタジエン、2−メチル−1,5−ヘキサジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエンのような鎖状非共役ジエン;シクロヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、メチルテトラヒドロインデン、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、6−クロロメチル−5−イソプロペニル−2−ノルボルネンのような環状非共役ジエン等の非共役ジエン等が挙げられる。また、これらのクロロスルホン化ポリオレフィンは単独、又は2種類以上のブレンド体であっても何等の問題なく使用可能である。
【0017】
クロロスルホン化ポリオレフィンの分子量は特に制限はないが、水性組成物作製時の作業性向上のために、重量平均分子量として2千以上100万以下が好ましく、5千以上30万以下がさらに好ましい。
【0018】
クロロスルホン化ポリオレフィン中に含まれる塩素含有量は特に制限するものではないが、塩素を含有させる製造上の容易性等のため、1〜75重量%が好ましい。クロロスルホン化ポリオレフィンの溶媒への溶解性及び生産性を考えた場合、3〜60重量%がさらに好ましく、5〜50重量が特に好ましい。一方、ポリプロピレン樹脂との接着性を考慮した場合、5〜40重量%がさらに好ましく、5〜35重量%が特に好ましい。
【0019】
クロロスルホン化ポリオレフィン中に含まれる硫黄含有量は特に制限するものではないが、本発明の変性クロロスルホン化ポリオレフィン水性組成物を架橋して用いるためには、0.1重量%以上が好ましく、0.4重量%以上がさらに好ましい。
【0020】
クロロスルホン化ポリオレフィンを得る方法は、ポリオレフィンを塩素化及びクロロスルホン化するものであり、例えば、ポリオレフィンをクロロホルム、四塩化炭素、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、テトラクロロエタン、モノクロロベンゼン、クロロフルオロベンゼン等のハロゲン化反応に不活性な反応溶媒に溶解させて均一系で行う溶液法、ポリオレフィンを反応溶媒に懸濁させて反応させる懸濁法、ポリオレフィンを無溶剤下で溶融させ反応させる溶融法、ポリオレフィンを気相に浮遊させて反応を行なう気相法等が挙げられる。このなかでもポリオレフィンに均一に塩素化及びクロロスルホン化が可能な溶液法が好ましい。用いられる塩素化剤及びクロロスルホン化剤としては、塩素と亜硫酸ガスの併用、塩素と塩化スルフリルとの併用、塩化スルフリル単独等が挙げられる。
【0021】
溶液法によるクロロスルホン化ポリオレフィンの一般的な製造方法を以下に示す。
【0022】
ポリオレフィンを反応溶媒に溶解し均一溶液とした後、ラジカル発生剤と塩化スルフリルを反応溶液へ添加し反応を行う。反応温度は特に制限するものではないが、30℃〜180℃であり、反応の圧力は特に制限するものではないが、常圧〜1.0メガパスカルが適当である。反応中は発生する塩化水素及び亜硫酸ガスを連続的に反応系外へパージする。ラジカル発生剤としては、α、α’−アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、2、2’−アゾビス(2、4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系ラジカル発生剤や過酸化ベンゾイル、過酸化t−ブチル、過酸化アセチル等の有機過酸化物系ラジカル発生剤がある。また、ラジカル発生剤を用いる代わりに紫外線を照射してもよい。塩化スルフリルを用いて反応を行う場合には、クロロスルホン基を付加させるために、必要に応じてピリジン、キノリン、ジメチルアニリン、ニコチン、ピペリジン等のアミン化合物を助触媒として用いる。
【0023】
反応の終了後、溶液中に溶存している塩化水素及び亜硫酸ガスを、窒素等の不活性ガスを吹き込むことによって反応系外に除く。得られたクロロスホン化ポリオレフィンの溶液は、必要に応じ水蒸気蒸留、ドラム乾燥、押し出し乾燥、スプレードライヤー乾燥、ロータリーエバポレーター等によってポリマーと反応溶媒が分離される。
【0024】
ポリオレフィンは、市販のポリオレフィンをそのまま使用してもよいし、低分子量のポリオレフィンを得るために、空気、酸素、オゾン、ラジカル発生剤の1種以上の存在下で加熱処理したポリオレフィンを使用することもできる。
【0025】
本発明の変性クロロスルホン化ポリオレフィン水性組成物に含まれるクロロスルホン化ポリオレフィンの加水分解物を得る方法は、例えば、クロロスルホン化ポリオレフィンを溶融又は加水分解溶媒に溶解させた溶液に水を添加する方法等が挙げられる。加水分解溶媒としてはクロロスルホン化ポリオレフィンを溶解可能な有機溶剤であれば特に制限はなく、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、1,1,2−トリクロロエタン、トルエン等が挙げられる。必要に応じ親水性の化合物の添加および加熱して加水分解してもよい。
【0026】
本発明におけるクロロスルホン化ポリオレフィンの加水分解物と塩基性化合物との塩を含む変性クロロスルホン化ポリオレフィンを得る方法は、クロロスルホン化ポリオレフィンの加水分解物と塩基性化合物を反応させたものであり、溶融状態又は上記加水分解溶媒に溶解したクロロスルホン化ポリオレフィンの加水分解物に塩基性化合物を添加する方法が挙げられる。必要に応じ加熱することもできる。
【0027】
また、クロロスルホン化ポリオレフィンに水と塩基性化合物を同時に添加することにより、クロロスルホン化ポリオレフィンの加水分解と塩基性化合物による反応を同時に行っても良い。
【0028】
加水分解物との反応に使用される塩基性化合物は、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、エタノールアミン、プロパノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、2−ジメチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、モルホリン等を例示することができる。これら塩基性化合物は、単独、又は2種類以上を併用して使用することができる。
【0029】
本発明の変性クロロスルホン化ポリオレフィン水性組成物は、上記の方法で得られたクロロスルホン化ポリオレフィンの加水分解物と塩基性化合物との塩を含む変性クロロスルホン化ポリオレフィンを溶融させ水中に分散させ乳化する方法、クロロスルホン化ポリオレフィンの加水分解物と塩基性化合物との塩を含む変性クロロスルホン化ポリオレフィンを乳化溶媒に溶解させ水中に分散させて乳化し、その後乳化溶媒を除去する方法等で製造することができる。乳化溶媒としては、クロロスルホン化ポリオレフィンの加水分解物と塩基性化合物との塩を含む変性クロロスルホン化ポリオレフィンが溶解可能であれば特に制限はなく、上記した加水分解溶媒及び反応溶剤が使用可能である。好ましくはテトラヒドロフラン、メチルエチルケトンである。
【0030】
水中に分散乳化させる方法は公知の方法が用いることができ、例えば、有機溶剤に溶解したクロロスルホン化ポリオレフィンの加水分解物と塩基性化合物との塩を含む変性クロロスルホン化ポリオレフィンに水を加えて油中水滴(W/O型)エマルションを形成させ、引き続き水を加えながら水中油滴(O/W型)エマルションに転相させる転相乳化法、有機溶剤に溶解したクロロスルホン化ポリオレフィンの加水分解物と塩基性化合物との塩を含む変性クロロスルホン化ポリオレフィンを乳化装置を用い界面活性剤の存在下で水中に分散させる機械強制乳化法等が例示される。これらのうち、粒径の小さいラテックスが得やすい転相乳化法が好ましい。
【0031】
分散させる際に必要に応じ界面活性剤及び上記の塩基性化合物を添加することができる。界面活性剤を用いると、より安定な水性分散液が得られる効果がある。
【0032】
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシルエチレン誘導体、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ソルビタンアルキルエステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、プロピレングリコールエステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアルカノールアミド等のノニオン界面活性剤が挙げられる。アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤を前記ノニオン界面活性剤と併用し、水性分散液の分散性向上等を行うことができる。界面活性剤は1種のものを単独で使用してもよいし、2種以上のものを混合で使用してもよい。
【0033】
界面活性剤の添加量は特に制限するものではないが、クロロスルホン化ポリオレフィン100重量部に対して、0.1〜30重量部が好ましく、0.5〜20重量部がさらに好ましく、0.5〜10重量部が特に好ましい。
【0034】
乳化装置としては、例えば、円筒型反応機にアンカー型攪拌羽根やマックスブレンド型攪拌羽根を供えたもの、又は、更にホモジナイザー、ディスパー等の高速撹拌機を備えたものを使用できる。また、攪拌装置を備えたオートクレーブ等の装置を用いて加圧下、100℃以上の温度で乳化することもできる。
【0035】
上記の方法で得られた乳化液から溶媒を除去するには、溶媒の場合は減圧下で加熱して除去すればよい。この時必要に応じて同時に水を除去して水性組成物の濃度を調整することができる。水を除去する場合は、水性組成物が希望する濃度になるように減圧、加熱、遠心分離、濾過などの操作により除去すればよい。
【0036】
本発明のクロロスルホン化ポリオレフィン水性組成物は、そのまま使用することもできるし、また、加硫剤・加硫促進剤、受酸剤、補強剤、充填剤、加工助剤、軟化剤、可塑剤、老化防止剤、樹脂、成膜助剤、基材に対する濡れ性を改善する濡れ性改善剤、防錆顔料、着色顔料、体質顔料等の顔料類、染料、チキソ剤、粘度調整剤、流動助剤、表面調整剤、一次防錆剤、消泡剤、防腐剤、防かび剤、有機金属配位化合物、架橋促進剤、水性樹脂等が必要に応じて加えられる。
【0037】
成膜助剤としては、例えば、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル等が挙げられる。
【0038】
顔料としては、例えば、カーボンブラック、酸化チタンなどの無機顔料およびカップリングアゾ系、縮合アゾ系、アンスラキノン系、ペリレン系、キナクリドン系、チオインジゴ系、ジオキサジン系、フタロシアニン系等の有機顔料が例示される。
【0039】
濡れ性改善剤としては、例えば、アセチレングリコール系、シリコン系、アクリル系等が例示される。
【0040】
水性樹脂としては、例えば、水性ウレタン樹脂、水性ブロックイソシアネート、水性エポキシ樹脂、水性アクリル樹脂、水性フェノール樹脂、水性アミノ樹脂、水性アルキド樹脂、水性塩化ゴム、水性ポリブタジエン樹脂、水性シリコン樹脂等をさらに添加して用いても差し支えない。
【0041】
これらの添加剤は本発明の変性クロロスホン化ポリオレフィン水性組成物の製造前、製造途中、製造後いずれの場合にも同時又は各別に添加してもよい。
【0042】
本発明の変性クロロスホン化ポリオレフィン水性組成物は、そのまま又は上記添加剤を添加することにより、コーティング剤、塗料、インク、シーリング剤、ポリオレフィンの接着剤、RFL接着剤又はプライマーとすることができる。
【発明の効果】
【0043】
本発明の変性クロロスルホン化ポリオレフィン水性組成物は貯蔵安定性に優れており、コーティング材、塗料、インク、シーリング剤、接着剤又はプライマーとして、広範囲な用途での使用が期待される。
【実施例】
【0044】
以下に実施例にもとづき本発明をさらに詳しく説明するが、これら実施例は本発明の理解を助けるための例であって、本発明はこれらにより何等制限を受けるものではない。
【0045】
なお、これらの実施例で用いた値は以下の測定法に準拠したものである。
【0046】
<密度の測定>
ポリオレフィンの密度は、JIS−K−7112に準拠し、23℃の条件で測定した。
【0047】
<メルトインデックスの測定>
ポリオレフィンのメルトインデックスは、JIS−K−7210に準拠し、
ポリエチレンについては190℃、ポリプロピレンについては230℃の条件で測定した。
【0048】
<塩素量、硫黄量の測定>
クロロスルホン化ポリオレフィンの塩素及び硫黄量は、燃焼フラスコ法にて測定した。塩素量の測定は、クロロスルホン化ポリオレフィン30mgを1.7重量%硫酸ヒドラジニウム水溶液15mlを吸収液として用い、酸素フラスコ燃焼法に従い燃焼させた後30分静置した。この操作後の吸収液を、純水100mlで洗い出した後、濃度0.05Nの硝酸銀水溶液で電位差滴定法により塩素イオンを定量し、塩素量を測定した。
【0049】
クロロスルホン化ポリオレフィンの硫黄量の測定は、1.7重量%硫酸ヒドラジニウム水溶液15mlの代わりに、3重量%の過酸化水素水10mlを吸収液として用い、純水40mlで洗い出した後、酢酸1ml、2ープロパノール100ml、アルセナゾIII0.47mlを加えた。これを濃度0.01Nの酢酸バリウム溶液で光度滴定法により硫酸イオンを測定した。
【0050】
<重量平均分子量の測定>
東ソー製HLC−8220GPCにカラム(TSK guard column HXL−H、TSK gel G7000HXL、TSK gel GMHXL、TSK gel GMHXLの計4本)を付け、試料をTHF(テトラヒドロフラン)に溶解し、40℃で測定し、ポリスチレン標準物質で作成した検量線から分子量を求めた。
【0051】
<平均粒径の測定>
ラテックスを蒸留水で希釈し、MICROTRAC 9320HRAを用いて、粒子径測定を行った。粒子径としてD50%粒子径(メジアン径)を用いた。
【0052】
<ポリプロピレン接着性試験>
イソプロパノールで表面を洗浄乾燥後、超高剛性ポリプロピレン板にドクタブレードを使用して約0.25mmの厚みとなるように固形分40重量%のクロロスルホン化ポリオレフィン水性組成物を塗布する。室温で約2時間放置後、ギヤオーブンで100℃30分の条件で加熱乾燥する。室温で半日放置後、塗面上にカッターナイフを用い2mm間隔で素地に達する100個の碁盤目を作り、その上にセロハン粘着テープを密着させて引き剥がし、塗膜の残存するマス数で判定した。
【0053】
<貯蔵安定性試験>
容量200mlのガラス容器にクロロスルホン化ポリオレフィン水性組成物(固形分30重量%)を入れ、室温で1月静置後の水性組成物相からの上部への水相の分離度合い、凝集物の生成を確認した。
【0054】
実施例1
40リッターのグラスライニング製オートクレーブに1,1,2−トリクロロエタンを17.3kgと、クロロスルホン化ポリオレフィンとしてメルトインデックス87g/10分、密度0.90g/ccのプロピレン−エチレン共重合体(プロピレン成分95モル%、エチレン5モル%)1.0kg仕込んだ。
【0055】
空気で0.15MPaに加圧後、反応器のジャケットに蒸気を通し、120℃でクロロスルホン化ポリオレフィンを溶解後、更に120℃で3時間保持した。
【0056】
クロロスルホン化反応の助触媒としてピリジンを0.3g添加した後、ラジカル開始剤として2.0gのα,α’−アゾビスイソブチロニトリルを1,1,2−トリクロロエタン1.0kgに溶解した溶液を連続的に反応器へと添加しつつ、1.5kgの塩化スルフリルを別の投入口より反応器へ添加することから反応を行なった。この間1時間30分を要したが、反応器の圧力を0.2メガパスカルに保った。
【0057】
反応の終了後、圧力を常圧に戻し反応器の温度を70℃まで低下させて、70℃に保ちながら窒素を導入して反応液に残存する亜硫酸ガスと塩化水素ガスを除く脱酸を行った。
【0058】
脱酸工程が終了した反応溶液にビスフェノールAグリシジルエーテル(三井化学社製エポミックR−140)14.2gを添加した後、165℃に加熱したドラムドライヤーにフィードして、生成物としてのクロロスルホン化ポリオレフィン(クロロスルホン化プロピレン・エチレン共重合体)を溶剤から分離した。
【0059】
生成物は淡茶色の色相を有しており、分析の結果このクロロスルホン化ポリオレフィンは25.2重量%の塩素と1.9重量%の硫黄を含み、重量平均分子量が4.2万であることが判った。
【0060】
次に、撹拌機、冷却管、温度計および滴下ロートを取り付けた1L4つ口フラスコに、このクロロスルホン化ポリオレフィン30gとテトラヒドロフラン70gに加え、65℃に加熱し溶解した。この溶液に水を0.64g、2−ジメチルアミノエタノールを0.62g添加し、65℃に保持し2時間撹拌し、クロロスルホン化ポリオレフィンを加水分解及び中和反応を行った。
【0061】
次に乳化剤としてポリオキシエチレンラウリルエーテル(第一工業製薬株式会社製 商品名 DKS NL−180)を3.68g添加した後、内温を60℃に保ちながら滴下ロートより水200gを徐々に滴下し、転相乳化を行った。このようにして得られた乳化液をエバポレータで減圧しながら、テトラヒドロフランなどを除去し、クロロスルホン化ポリオレフィンの加水分解物と塩基性化合物との塩を含む変性クロロスルホン化ポリオレフィン(平均粒径65nm)を含有する、固形分濃度30重量%の変性クロロスルホン化ポリオレフィン水性組成物を得た。
【0062】
貯蔵安定性を評価したところ、凝集物が見られず良好な結果であった。ポリプロピレンへの接着性評価を行ったところ、テープ剥離5回後で残存マス100であり良好な結果であった。
【0063】
実施例2
40リッターのグラスライニング製オートクレーブに1,1,2−トリクロロエタンを17.3kgと、ポリオレフィンとしてメルトインデックス87g/10分、密度0.90g/ccのプロピレン−エチレン共重合体(プロピレン成分95モル%、エチレン5モル%)1.0kg仕込んだ。
【0064】
空気で0.15MPaに加圧後、反応器のジャケットに蒸気を通し、120℃でクロロスルホン化ポリオレフィンを溶解後、更に120℃で3時間保持した。
【0065】
クロロスルホン化反応の助触媒としてピリジンを0.3g添加した後、ラジカル開始剤として2.0gのα,α’−アゾビスイソブチロニトリルを1,1,2−トリクロロエタン1.0kgに溶解した溶液を連続的に反応器へと添加しつつ、1kgの塩化スルフリルを別の投入口より反応器へ添加することから反応を行なった。この間1時間を要したが、反応器の圧力を0.2メガパスカルに保った。
【0066】
反応の終了後、圧力を常圧に戻し反応器の温度を70℃まで低下させて、70℃に保ちながら窒素を導入して反応液に残存する亜硫酸ガスと塩化水素ガスを除く脱酸を行った。
【0067】
脱酸工程が終了した反応溶液にビスフェノールAグリシジルエーテル(三井化学社製エポミックR−140)13.1gを添加した後、165℃に加熱したドラムドライヤーにフィードして、生成物としてのクロロスルホン化ポリオレフィン(クロロスルホン化プロピレン・エチレン共重合体)を溶剤から分離した。
【0068】
生成物は淡茶色の色相を有しており、分析の結果このクロロスルホン化ポリオレフィンは18.5重量%の塩素と1.7重量%の硫黄を含み、重量平均分子量が4.1万であるクロロスルホン化ポリオレフィンを得た。
【0069】
次に、このクロロスルホン化ポリオレフィンを実施例1と同じ方法でクロロスルホン化ポリオレフィン水性組成物を製造したところ、クロロスルホン化ポリオレフィンの加水分解物と塩基性化合物との塩を含む変性クロロスルホン化ポリオレフィン(平均粒径58nm)を含有する、固形分濃度30重量%の変性クロロスルホン化ポリオレフィン水性組成物を得た。
【0070】
貯蔵安定性を評価したところ、凝集物が見られず良好な結果であった。ポリプロピレンへの接着性評価を行ったところ、テープ剥離5回後で残存マス100であり良好な結果であった。
【0071】
実施例3
ビスフェノールAグリシジルエーテル(三井化学社製エポミックR−140)の代わりにp−tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル(日本油脂株式会社製エピオールTB)に替えた以外は実施例2と同様にクロロスルホン化ポリオレフィンを製造した。生成物は淡茶色の色相を有しており、分析の結果このクロロスルホン化ポリオレフィンは18.2重量%の塩素と1.6重量%の硫黄を含み、重量平均分子量が4.1万であるクロロスルホン化ポリオレフィンを得た。
【0072】
実施例1と同様な方法でクロロスルホン化ポリオレフィン水性組成物を製造した。その結果、クロロスルホン化ポリオレフィンの加水分解物と塩基性化合物との塩を含む変性クロロスルホン化ポリオレフィン(平均粒径65nm)を含有する、固形分濃度30重量%の変性クロロスルホン化ポリオレフィン水性組成物を得た。
【0073】
貯蔵安定性を評価したところ、凝集物が見られず良好な結果であった。ポリプロピレンへの接着性評価を行ったところ、テープ剥離5回後で残存マス100であり良好な結果であった。
【0074】
実施例4
空気で0.15MPaに加圧後、反応器のジャケットに蒸気を通し、120℃でクロロスルホン化ポリオレフィンを溶解後、更に120℃での保持時間を1時間に変更した以外は実施例1と同じ操作でクロロスルホン化ポリオレフィン(クロロスルホン化プロピレン・エチレン共重合体)を製造した。
【0075】
製造したクロロスルホン化ポリオレフィンは淡茶色の色相を有しており、分析の結果、24.8重量%の塩素と1.7重量%の硫黄を含み、重量平均分子量が10.2万であることが判った。
【0076】
次に、実施例1と同じ方法でクロロスルホン化ポリオレフィン水性組成物を製造したところ、クロロスルホン化ポリオレフィンの加水分解物と塩基性化合物との塩を含む変性クロロスルホン化ポリオレフィン(平均粒径80nm)を含有する、固形分濃度30重量%の変性クロロスルホン化ポリオレフィン水性組成物を得た。
【0077】
貯蔵安定性を評価したところ、凝集物が見られず良好な結果であった。ポリプロピレンへの接着性評価を行ったところ、テープ剥離5回後で残存マス100であり良好な結果であった。
【0078】
実施例5
クロロスルホン化ポリオレフィンとして東ソー株式会社製TOSO−CSMCN−1500(塩素含有量30重量%、硫黄含有量1.4重量%、重量平均分子量24万)を用いた。このクロロスルホン化ポリオレフィン20gとテトラヒドロフラン80gを撹拌機、冷却管、温度計および滴下ロートを取り付けた1L4つ口フラスコに加え、65℃に加熱し溶解した。この溶液に水を0.31g、2−ジメチルアミノエタノールを1.56g添加し、65℃に保持し2時間撹拌し、クロロスルホン化ポリオレフィンを加水分解及び中和反応を行った。
【0079】
次に乳化剤としてポリオキシエチレンラウリルエーテル(第一工業製薬株式会社製 商品名 DKS NL−180)を6.54g添加した後、内温を60℃に保ちながら滴下ロートより水200gを徐々に滴下し、転相乳化を行った。このようにして得られた乳化液をエバポレータで減圧しながら、テトラヒドロフランなどを除去し、クロロスルホン化ポリオレフィンの加水分解物と塩基性化合物との塩を含む変性クロロスルホン化ポリオレフィン(平均粒径120nm)を含有する、固形分濃度30重量%の変性クロロスルホン化ポリオレフィン水性組成物を得た。
【0080】
貯蔵安定性を評価したところ、凝集物が見られず良好な結果であった。
【0081】
実施例6
次に、撹拌機、冷却管、温度計および滴下ロートを取り付けた1L4つ口フラスコに、実施例2で合成したクロロスルホン化ポリオレフィン30gとテトラヒドロフラン70gに加え、65℃に加熱し溶解した。この溶液に水を0.64g、2−ジメチルアミノエタノールを2.84g添加し、65℃に保持し2時間撹拌し、クロロスルホン化ポリオレフィンを加水分解及び中和反応を行った。
【0082】
次に乳化剤としてポリオキシエチレンラウリルエーテル(第一工業製薬株式会社製 商品名 DKS NL−180)を3.68g添加した後、内温を60℃に保ちながら滴下ロートより水200gを徐々に滴下し、転相乳化を行った。このようにして得られた乳化液をエバポレータで減圧しながら、テトラヒドロフランなどを除去し、クロロスルホン化ポリオレフィンの加水分解物と塩基性化合物との塩を含む変性クロロスルホン化ポリオレフィン(平均粒径55nm)を含有する、固形分濃度30重量%の変性クロロスルホン化ポリオレフィン水性組成物を得た。
【0083】
貯蔵安定性を評価したところ、凝集物が見られず良好な結果であった。ポリプロピレンへの接着性評価を行ったところ、テープ剥離5回後で残存マス100であり良好な結果であった。
【0084】
比較例1
実施例1で製造したクロロスルホン化ポリオレフィン30gとテトラヒドロフラン70gを、撹拌機、冷却管、温度計および滴下ロートを取り付けた1L4つ口フラスコに加え、65℃に加熱し溶解した。
【0085】
この溶液に水とジメチルアミノエタノールの添加をせず、クロロスルホン化ポリオレフィンの加水分解及び中和反応をしないで、乳化剤としてポリオキシエチレンラウリルエーテル(第一工業製薬株式会社製 商品名 DKS NL−180)を3.68g添加した後、内温を60℃に保ちながら滴下ロートより水200gを徐々に滴下した。その結果、水の滴下中に固形分が析出し転相乳化できず、クロロスルホン化ポリオレフィン水性組成物を得ることができなかった。
【0086】
比較例2
実施例1で得られたクロロスルホン化ポリオレフィン15gをトルエン138gに溶解した。一方、水84gにラウリル硫酸トリエタノールアミン(花王株式会社製 商品名 エマールTD 純分40重量%)3g、トリエチルアミン0.3gを溶解した。2つの溶液を乳化機(プライミクス株式会社T.K.ロボミックス)10000rpmで120分間乳化した。このようにして得られた乳化液をエバポレータで減圧しながらトルエンなどを除去し、固形分濃度30重量%、平均粒径0.34μmのクロロスルホン化ポリオレフィン水性組成物を得た。
【0087】
貯蔵安定性を評価したところ、凝集物が見られ劣った結果であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クロロスルホン化ポリオレフィンの加水分解物と塩基性化合物との塩を含む変性クロロスルホン化ポリオレフィンを含有することを特徴とする変性クロロスルホン化ポリオレフィン水性組成物。
【請求項2】
クロロスルホン化ポリオレフィンの加水分解物と塩基性化合物との塩を含む変性クロロスルホン化ポリオレフィンの平均粒径が0.2μm以下であることを特徴とする請求項1記載の変性クロロスルホン化ポリオレフィン水性組成物。
【請求項3】
クロロスルホン化ポリオレフィンの加水分解物と塩基性化合物との塩を含む変性クロロスルホン化ポリオレフィンが、クロロスルホン化ポリオレフィンを加水分解後、塩基性化合物で反応したものであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の変性クロロスルホン化ポリオレフィン水性組成物。
【請求項4】
クロロスルホン化ポリオレフィンの加水分解物と塩基性化合物との塩を含む変性クロロスルホン化ポリオレフィンが、塩基性化合物の存在下でクロロスルホン化ポリオレフィンの加水分解と反応を同時に行うことで得られるものであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の変性クロロスルホン化ポリオレフィン水性組成物。
【請求項5】
クロロスルホン化ポリオレフィンの加水分解物と塩基性化合物との塩を含む変性クロロスルホン化ポリオレフィンの他に、エポキシ化合物を含有することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかの項に記載の変性クロロスルホン化ポリオレフィン水性組成物。
【請求項6】
エポキシ化合物が、1分子中に1個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物であることを特徴とする請求項5記載の変性クロロスルホン化ポリオレフィン水性組成物。
【請求項7】
クロロスルホン化ポリオレフィンを製造した後、水及び塩基性化合物を添加して、クロロスルホン化ポリオレフィンの加水分解物と塩基性化合物との塩を含む変性クロロスルホン化ポリオレフィンを得て、その後、得られたクロロスルホン化ポリオレフィンの加水分解物と塩基性化合物との塩を含む変性クロロスルホン化ポリオレフィンを水中へ分散することを特徴とする請求項1〜請求項4に記載の変性クロロスルホン化ポリオレフィン水性組成物の製造方法。
【請求項8】
クロロスルホン化ポリオレフィンを製造した後、水及び塩基性化合物を添加して、クロロスルホン化ポリオレフィンの加水分解物と塩基性化合物との塩を含む変性クロロスルホン化ポリオレフィンを得て、その後、得られたクロロスルホン化ポリオレフィンの加水分解物と塩基性化合物との塩を含む変性クロロスルホン化ポリオレフィン、及びエポキシ化合物を水中へ分散することを特徴とする請求項5〜請求項7のいずれかの項に記載の変性クロロスルホン化ポリオレフィン水性組成物の製造方法。
【請求項9】
クロロスルホン化ポリオレフィンの加水分解物と塩基性化合物との塩を含む変性クロロスルホン化ポリオレフィンを水中へ分散する方法が転相乳化法であることを特徴とする請求項7記載の変性クロロスルホン化ポリオレフィン水性組成物の製造方法。
【請求項10】
クロロスルホン化ポリオレフィンの加水分解物と塩基性化合物との塩を含む変性クロロスルホン化ポリオレフィン、及びエポキシ化合物を水中へ分散する方法が転相乳化法であることを特徴とする請求項8記載の変性クロロスルホン化ポリオレフィン水性組成物の製造方法。
【請求項11】
請求項1〜請求項6のいずれかの項に記載の変性クロロスルホン化ポリオレフィン水性組成物を含有することを特徴とするコーティング剤、塗料、インク、シーリング剤、接着剤又はプライマー。

【公開番号】特開2009−114413(P2009−114413A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−292189(P2007−292189)
【出願日】平成19年11月9日(2007.11.9)
【出願人】(000003300)東ソー株式会社 (1,901)
【Fターム(参考)】