説明

変性金属酸化物を含む組成物

本発明は、少なくとも1つのモノマー並びに、金属酸化物及び少なくとも1つのカップリング剤の反応生成物を含む少なくとも1つの変性金属酸化物を含む重合性組成物に関する。さらに、ポリマー及び変性金属酸化物を含むポリマー組成物も開示される。最後に、ポリマー組成物を含む光学デバイスと、重合性組成物及びポリマー組成物の製造方法が開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つのモノマー及び少なくとも1つの変性金属酸化物を含む重合性組成物、並びにこれらの重合性組成物から調製されたポリマー組成物及びそれらの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリマー組成物は、レンズのような光学デバイスを含む様々な異なる用途でガラス組成物の代わりに使用されている。その用途の具体的要求によって、選択されるポリマーの種類が決まる。例えば、幾つかの用途では、機械的強度、耐熱性、又は強靭性のような改良された物理的性質を有するポリマー組成物を提供することが好ましいであろう。さらに、加工性、成形性、及びコストも考慮されるべきであろう。
【0003】
光学デバイスに関しては、屈折率、透明性又は明澄性、及び光学的均一性のような改良された光学的性質も重要であり、これらの改良された性質を有するポリマー組成物が調製されている。例えば、米国特許第4,990,653号明細書には、重合させることで優れた透明性及び光学的均一性と1.60以上の屈折率を有する硬化生成物を形成できる硫黄含有オリゴマー組成物の調製が記載されている。さらに、米国特許第5,683,628号明細書には、優れた耐熱性、機械的強度、 接着性、成形性、及び耐光性を有するとされている特定の種類のジ(メタ)アクリル酸エステル化合物を含む光発色性樹脂組成物が記載されている。これらは、例えばレンズ上の反射防止フィルムとして使用できる。この組成物の屈折率は、特定のジ(メタ)アクリル酸エステル化合物の量を変えることにより制御して、1.54以上にすることができる。しかし、改良された物理的性質、加工性及びコストの削減の必要性とともに、改良された光学性能の需要が高まり続けるために、これらの種類の特別なポリマーの使用も制限される。
【0004】
数種類の金属酸化物が高屈折率を有することで知られている。例えば、一般に、二酸化チタン(チタニア)、酸化ジルコニウム(ジルコニア)、酸化セリウム(セリア)、酸化亜鉛、及びチタン酸バリウムは、約1.7以上の屈折率を有する。しかし、金属酸化物はポリマー系に良分散することが困難な場合があり、また通常は貧分散体の光学的性質は悪い。溶媒及びポリマー系を含む様々な母材中での改良された分散性を提供するために、変性金属酸化物が調製され、使用される変性の種類は個別の系によって決まる。例えば、シリカと及びゴム系母材と反応できる官能基を有するシランカップリング剤が、タイヤ用途に用いる変性シリカ粒子の調製に使用された。他の金属酸化物の変性(これらに高屈折率を与える)も知られている。しかし、その金属酸化物に施された変性は、一般に材料の屈折率を減少させ、それ故に光学用途についての変性金属酸化物の有効性を減少させることが予想される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって産業界では、改良された光学的性質、特に高屈折率と機械的性質及び加工性を含む全体的性能の良い光学デバイスに用いるポリマー組成物を提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、少なくとも1つのモノマー並びに、金属酸化物及び少なくとも1つのカップリング剤の反応生成物を含む少なくとも1つの変性金属酸化物を含む重合性組成物に関する。一つの実施形態では、少なくとも1つのカップリング剤は1.48以上の屈折率を有する。好ましくは、カップリング剤の屈折率は1.5以上、より好ましくは1.55以上、最も好ましくは1.6以上である。別の実施形態では、重合されたときに、重合性組成物は、好ましくは1.5以上の屈折率を有する透明なポリマー組成物を形成する。好ましくは、ポリマー組成物の屈折率は1.6以上、より好ましくは1.7以上、最も好ましくは1.8以上である。
【0007】
さらに本発明は、ポリマー並びに、金属酸化物及び少なくとも1つのカップリング剤の反応生成物を含む少なくとも1つの変性金属酸化物を含むポリマー組成物に関する。一つの実施形態では、少なくとも1つのカップリング剤は1.48以上、好ましくは1.5以上、より好ましくは1.55以上、最も好ましくは1.6以上の屈折率を有する。別の実施形態では、ポリマー組成物は、好ましくは透明であり、1.5以上の、好ましくは1.6以上の、より好ましくは1.7以上の、最も好ましくは1.8以上の屈折率を有する。本発明は、このポリマー組成物を含む光学デバイスにも関する。
【0008】
さらに本発明は、ここに記載されたポリマー組成物の製造方法に関する。この方法は、金属酸化物及び少なくとも1つのカップリング剤を混合して変性金属酸化物を形成する工程を含む。一つの実施形態では、さらにこの方法は、少なくとも1つの変性金属酸化物を少なくとも1つのモノマーと混合して重合性組成物を形成し、その重合性組成物を重合させてポリマー組成物を形成する工程を含む。別の実施形態では、さらにこの方法は、少なくとも1つの変性金属酸化物を少なくとも1つのポリマーと混合する工程を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
当然のことながら、前述の一般的な説明及び後述の詳細な説明の双方は、単に例示的及び説明的なだけであり、特許請求の範囲に記載されている本発明のさらなる説明を提供することを目的とする。
【0010】
本発明は、変性金属酸化物を含む重合性組成物及びポリマー組成物、並びにこれらの組成物の製造方法及びそれらを含む光学デバイスに関する。
【0011】
本発明の重合性組成物は、少なくとも1つのモノマー及び少なくとも1つの変性金属酸化物を含む。それぞれの成分の量は、目的の用途だけでなく、モノマー、金属酸化物、又はカップリング剤の種類などの様々な要素によって変化し得る。例えば、下記でより詳細に説明するが、本発明の重合性組成物は、光学デバイスに有用な及び高屈折率のような改良された光学的性質を有するポリマー組成物を調製するのに使用することができる。重合すると、変性金属酸化物の又は変性金属酸化物に含まれる金属酸化物若しくはカップリング剤の屈折率より低い屈折率を有するポリマーを製造するモノマーを選ぶならば、そのときのモノマー量は高屈折率のポリマー組成物を製造するために最小にするべきである。一般に、モノマーの屈折率が高くなるほど使用される量も多くなる。さらに、変性金属酸化物の又は変性金属酸化物に含まれる金属酸化物及び/若しくはカップリング剤の屈折率が高くなるほど、例えば改良された物理的性質及びコストの削減を提供するために使用されるモノマーの量も多くなる(つまり、今までのところ高屈折率を有するポリマー組成物を製造するのに、高屈折率の変性金属酸化物はそれほど必要とされていない)。
【0012】
本発明の重合性組成物については、モノマーは、その組成物の好ましい性質及び/又はそれから調製されたポリマー組成物の好ましい性質などの様々な要素によって決まる任意の量で存在することができる。例えば、モノマー量は、重合性組成物の全質量を基準として約5〜60質量%でよい。好ましくは、モノマーは重合性組成物の全質量を基準として約5〜40%、より好ましくは約5〜20%、最も好ましくは約5〜10質量%の量で存在する。変性金属酸化物は、重合性組成物の全質量を基準として約40質量%以上、好ましくは60%以上、より好ましくは80%以上、最も好ましくは90質量%以上の量で存在できる。
【0013】
本発明の重合性組成物に使用されるモノマーは、当技術分野で知られている条件下でポリマーを形成できる有機化合物である。例えば、モノマーは、置換若しくは非置換アルキルアクリレート若しくはメタクレートモノマー、又は置換若しくは非置換スチレンモノマーのようなエチレン性不飽和モノマーなどのような任意のラジカル重合性モノマーでよい。他の化合物も当業者に知られているであろう。
【0014】
モノマーは、1.5以上のような高屈折率を有するホモポリマー又はコポリマーを形成できるものでよい。例としては、式CH2=C(R1)−COOR2(式中、R1は水素又はメチル基であり、R2は置換又は非置換のフェニル、ベンジル又は2‐フェノキシエチル基である)を有するモノ(メタ)アクリル酸エステル化合物が挙げられる。モノ(メタ)アクリル酸エステル化合物の具体例としては、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸2‐フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸1,3,5‐トリブロモフェニル及び(メタ)アクリル酸2‐(1’,3’,5’‐トリブロモフェニル)‐オキシエチルが挙げられる。モノマーは、例えば、2,2’‐ビス[4‐(メチル‐アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]プロパン、及び2,2’‐ビス[(3,5‐ジブロモ‐4‐メタクリロイルオキシエトキシ)フェニル]‐プロパンなどのジ(メタ)アクリル酸エステルでもよい。追加的な例としては、例えば式(CH2=C(R1)‐COOR3‐S‐R42‐Ar(式中、R1は水素又はメチル基であり、R3及びR4は別々にC1‐C12アルキレン基であり、Arは置換又は非置換のフェニレン基のような置換又は非置換のアリーレン又はヘテロアリーレン基である。)を有するもののような様々な硫黄含有ジアクリル酸エステル又はジメタクリル酸エステル化合物が挙げられる。例としては、米国特許第4,990,653号明細書及び米国特許第5,683,628号明細書に記載されているものが挙げられる。
【0015】
モノマーは重合性化合物の混合物でもよい。例えば、モノマーは、重合後に生成したポリマー組成物に付加的な光学的又は物理的性質を与える少なくとも1つのモノマーと、任意の上記の具体的なモノマーを含む混合物でよい。例えば、そのモノマーは、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n‐プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n‐ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル及び(メタ)アクリル酸t‐ブチル、(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸メチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸トリメチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ノルボルニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル並びに(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルのような少なくとも1つのモノ(メタ)アクリル酸エステル化合物を含んでよい。さらに、ジ(メタ)アクリル酸エステル化合物並びに他の架橋性モノマーも含んでよい。また、さらに重合できる重合性オリゴマー化合物及び/又は低分子量ポリマーを使用してもよい。
【0016】
本発明の重合性組成物に使用される変性金属酸化物は、金属酸化物及びカップリング剤の反応生成物を含む。混合されると変性金属酸化物を形成する金属酸化物及びカップリング剤の量は、例えば金属酸化物の種類(例えば粒度、 表面積、並びに反応性基の数及び種類)及び変性金属酸化物の所望の性質などの様々な要素によって変化し得る。例えば、金属酸化物及びカップリング剤は、カップリング剤に対する金属酸化物の質量比が約0.25〜9で使用してよい。好ましくは、カップリング剤に対する金属酸化物の質量比は約1〜7、より好ましくは約1〜5、最も好ましくは約1〜3である。
【0017】
変性金属酸化物を調製するのに使用される金属酸化物は、本技術分野で知られている任意の無機酸化物でよい。例えば、金属酸化物は、二酸化チタン(チタニア)、酸化ジルコニウム(ジルコニア)、酸化セリウム(セリア)、酸化亜鉛、又はチタン酸バリウムでよい。好ましくは、金属酸化物はチタニアであり、ルチル型又はアナターゼ型のいずれかでよいが、好ましくはルチル型(結晶質)チタニアである。特に好ましい金属酸化物は、水に分散させたときに非常に小さな粒度を有するものである。例えば、金属酸化物の1質量%水分散液は、好ましくは約2〜15nm、より好ましくは約5〜10nmの粒度を有する。粒度は、例えば動的光散乱などの本技術分野で知られている任意の技術を用いて決定してよい。さらに、光学的性質が重要な本発明の重合性組成物から調製されたポリマー組成物の用途については、下記でより詳細に説明されるが、金属酸化物は約1.8以上、例えば約1.9〜2.9の屈折率を有することが好ましい。ここでの屈折率は、特に示さない限り、室温及びナトリウムD線(589nm)の値である。
【0018】
変性金属酸化物を調製するのに使用されるカップリング剤は、金属酸化物及び、重合性モノマー、重合性モノマーから形成されたポリマー又はこれらの両方のいずれか、の双方と反応又は相互作用できる任意の材料でよい。このような方法では、カップリング剤は、金属酸化物及びモノマー又は生成したポリマーを「カップリング(couple)」させる。好ましくは、カップリング剤は、例えば金属酸化物表面との共有結合又はイオン結合を形成することにより、金属酸化物と反応できる少なくとも1つの基を含む。例としては、Si、Ti、Sn、又はSe含有基のような金属含有基、アリール又はアルキルカルボン酸のようなカルボン酸基、及びホスホン酸基又はホスホン酸塩の基のようなリン含有基が挙げられる。より好ましくは、さらにカップリング剤は、モノマーとともに重合することができる少なくとも1つの基を含む。モノマーと反応又は重合することができる基は、使用するモノマーの種類によって変わるであろう。例えば、モノマーがラジカル重合性モノマーであるならば、カップリング剤は、アクリル酸エステル基又はメタクリル酸エステル基のような少なくとも1つのラジカル重合性基を含むこともできる。好ましくは、カップリング剤は、少なくとも1つのカルボン酸基又は少なくとも1つのホスホン酸基及び少なくとも1つのアクリル酸エステル基又はメタクリル酸エステル基を含む。
【0019】
本発明の一つの実施形態では、少なくとも1つのカップリング剤は1.48以上の屈折率を有する。好ましくは、カップリング剤は1.5以上、より好ましくは1.55以上、最も好ましくは1.6以上の屈折率を有する。従来のカップリング剤と違って、これらの屈折率を有するカップリング剤は、金属酸化物と併用することで、少なくとも1つのモノマーを含む重合性組成物並びにそれから製造されたポリマー組成物中で、改良された全体的性能、特に光学的性能を有する変性金属酸化物を提供する。これらの屈折率を有するカップリング剤の例としては、少なくとも1つのアリーレン又はヘテロアリーレン及び、チオエーテル基若しくはスルホン基のような少なくとも1つの硫黄含有基、又は少なくとも1つのハロゲンのいずれかを含むものが挙げられる。具体例としては、図1に示した化合物が挙げられる。比較するために、従来のカップリング剤及びそれらに対応する屈折率(R.I.)を下記の表1に示す。
【0020】
【表1】

【0021】
第二の実施形態では、本発明の重合性組成物は、重合すると、1.5以上の屈折率を有するポリマー組成物を形成する。好ましくは、ポリマー組成物の屈折率は1.6以上、より好ましくは1.7以上、最も好ましくは1.8以上である。変性金属酸化物を調製するのに使用されるカップリング剤は、高屈折率を有してもよく、上記でより詳細に説明した任意のものを含むことができる。典型的には、 高屈折率のポリマー組成物は、ポリマーの組成を制御することにより、とりわけ特定構造を有するモノマーを使用することにより調製される。高屈折率を有するポリマー組成物は、金属酸化物及びカップリング剤の反応生成物を含む少なくとも1つの変性金属酸化物を含む組成物からも製造できることが、驚くべきことに明らかになった。
【0022】
したがって、さらに本発明は、ポリマー及び少なくとも1つの変性金属酸化物を含むポリマー組成物に関する。本発明のポリマー組成物は、本技術分野で知られている任意の方法を用いて調製してよい。例えば、本発明の重合性組成物の重合により、このポリマー組成物は調製される。本技術分野で知られている任意の重合法も使用できるが、その選択は、存在しているモノマーの種類によって決まるであろう。好ましくは、ポリマー組成物は、上記モノマーのいずれかを含む本発明の重合性組成物の重合により調製される。ポリマー組成物は、予備重合したポリマー及び変性金属酸化物を混合することにより調製してもよい。予備重合したポリマーの例としては、ポリシロキサンホモポリマー又はコポリマー(例えば、ポリフェニルメチルシロキサンなど)のようなシリコーンポリマー、エポキシ、ポリカーボネート、ポリエステル、及びポリウレタンが挙げられる。変性金属酸化物は、金属酸化物及び少なくとも1つのカップリング剤の反応生成物を含み、上記のもののいずれでもよい。本発明のポリマー組成物の一つの実施形態では、カップリング剤は1.48以上、好ましくは1.5以上、より好ましくは1.55以上、最も好ましくは1.6以上の屈折率を有する。別の実施形態では、ポリマー組成物は1.5以上、 好ましくは1.6以上、より好ましくは1.7以上、最も好ましくは1.8以上の屈折率を有する。この実施形態では、カップリング剤も上記の高屈折率を有することが好ましい。
【0023】
本発明の重合性組成物も、本発明のポリマー組成物と同様に、不透明な、濁っている、又は半透明なものよりもむしろ、透明であることが好ましい。ここでは、透明な材料は、可視域400〜800nmでの高水準の光透過率(すなわち低吸光度)を可能にするものである。サンプルの厚さL(cm単位で測定される路長)及び変性金属酸化物の濃度c(変性金属酸化物の質量/組成物の質量)を有する材料の吸光度Aは、特定波長での透過率(%T)を測定する及び式(I)を使用することにより決定できる。
【0024】
【数1】

【0025】
好ましくは、本発明の透明な組成物は、i)400nmでの吸光度Aが8、好ましくは7、より好ましくは6、最も好ましくは5、ii)450nmでの吸光度Aが2、好ましくは1.5、より好ましくは1、及びiii)650nmでの吸光度Aが1、好ましくは0.1、より好ましくは0.04である。高屈折率を有するポリマー組成物は、少なくとも1つの変性金属酸化物を含む組成物から製造でき、そのような組成物は透明であり、様々な波長で、特に青色波長で低吸光度(高透過率)を有することが、驚くべきことに明らかになった。
【0026】
さらに本発明は、上記の重合性組成物及びポリマー組成物の製造方法に関する。したがって、本発明の重合性組成物は、少なくとも1つの金属酸化物及び少なくとも1つのカップリング剤を混合して変性金属酸化物を形成する工程を含む方法により調製してよい。次に、生成した変性金属酸化物を少なくとも1つのモノマーと混合して重合性組成物を形成できる。また、変性金属酸化物は、任意の順序で、金属酸化物並びに、カップリング剤及びモノマーの組み合わせを混合することにより調製してよい。他の組み合わせも可能である。次に、重合性組成物を重合して本発明のポリマー組成物を形成することができる。また、ポリマー組成物は、生成した変性金属酸化物及び少なくとも1つのポリマーを混合することにより、好ましくは分散液、懸濁液、又は溶液として調製することができる。本発明の重合性組成物の製造方法及びポリマー組成物の製造方法の両方については、金属酸化物、カップリング剤、及びモノマー又はポリマーは上記のいずれでもよい。
【0027】
重合性組成物が、金属酸化物及びカップリング剤を混合して変性金属酸化物を形成することにより調製されるとき、これらの成分のそれぞれは、様々な異なる形状でよい。例えば、金属酸化物は、液体ビヒクルの分散液の形状でよい。好ましくは、金属酸化物は水分散液である。すなわち、金属酸化物は、50質量%を超える水を含むビヒクルに分散している。好ましくは、金属酸化物は水分散液中で非常に小さな粒度を有する。例えば、金属酸化物は水分散液の状態で、約2〜15nmの粒度、特に約5〜10nmの粒度を有することができる。
【0028】
カップリング剤は、ビヒクル中の分散液又は溶液の形状でもよい。好ましくは、カップリング剤は、例えば、炭化水素溶媒、エステル溶媒(酢酸エチルを含む)、及び芳香族溶媒(トルエン、キシレン、ベンゼンなどを含む)のような様々な水と混ざらない溶媒を含む非水性ビヒクルの溶液である。カップリング剤の溶解度特性及び反応性によって、他の水と混ざらない溶媒を選択することもできる。非水性溶媒はカップリング剤と反応するべきではない。また、水と混ざらない溶媒は、重合性組成物を形成するのに使用されるモノマーでよく、又はそのモノマーを含んでよい。
【0029】
生成した変性金属酸化物は、固形又は上記の水性若しくは非水性ビヒクルのいずれかの分散液などの様々な形状でもよい。典型的にはその形状は、それをどのように調製したかによって決まるであろう。例えば、変性金属酸化物が、水と混ざらない溶媒中で金属酸化物の水分散液及びカップリング剤の溶液を混合することにより調製される場合には、生成した変性金属酸化物は水と混ざらない溶媒の分散液であることが明らかになった。カップリング剤がモノマー溶液(すなわち、水と混ざらない溶媒がモノマー)の場合には、これにより重合性組成物の直接形成又はその場形成が行われる。
【0030】
好ましくは、非水分散液中の変性金属酸化物の粒度は、それを調製するのに使用した水分散液中の金属酸化物の粒度と実質的に類似する。好ましい金属酸化物粒度は上記の通りである。したがって、変性金属酸化物は分散液中で50nm以下の、より好ましくは25nm以下、さらに好ましくは10nm以下、最も好ましくは5nm以下の粒度を有することが好ましい。変性金属酸化物が、0.5nm以上、より好ましくは1nm以上の粒度を有することも好ましい。
【0031】
本発明のポリマー組成物は様々な異なる用途に利用できるが、高屈折率が望まれる用途に特に有用であると分かった。例えば、本ポリマー組成物は、例えばレンズ、プリズム、発光ダイオード、ホログラフィックデータストレージデバイス、フォトニック結晶デバイス、導波管、反射体、浸漬材料などを含む様々な種類の光学デバイスに使用してよい。したがって、さらに本発明は、上記ポリマー組成物のいずれかを含む光学デバイスに関する。
【0032】
さらに本発明は、実際には例となることだけを目的とする下記の実施例により明確になるであろう。
【実施例】
【0033】
実施例1A及び1B
これらの実施例では、本発明の重合性組成物及びポリマー組成物の調製を説明する。重合性組成物は、モノマー及び変性金属酸化物を含み、重合されたときに重合性組成物は1.5以上の屈折率を有し、透明になる。
【0034】
小さな粒度を有する変性TiO2が、次の方法の1つを用いて調製された。
【0035】
方法A
TiOCl2の酸性水溶液(10g、約42質量%、HClを15質量%含む)を90℃に加熱した。次に、これを4℃に冷却された240gの脱イオン水と急速に混合した。直ぐに、酸塩化物の加水分解が起きて、約1質量%分散液としてルチル型TiO2の微小な粒子が形成された。 これらの粒子は凝集する傾向が強いので、約48時間は(動的光散乱による測定時の)数10回のナノメートル(nm)寸法の測定によって、より大きな凝集体を形成するか観察した。しかし、調製から約18時間後では、生成した粒子は約8nmの平均粒度を有し、辛うじて分散している(名目上±5nm)ことが観察された。
【0036】
したがって、上記TiOCl2の加水分解から約18時間後に観察されたTiO2粒子の1質量%水分散液は、同量の水と混ざらない、1質量%のEthfac 161(Ethox Chemicalsから入手できる6‐エトキシ化デカノールのリン酸エステル)を含むトルエンの有機相で抽出した。TiO2及び有機リン酸エステルの反応生成物を含む変性金属酸化物が製造され、水と混ざらない溶媒層の中に抽出された。最終乳濁液を静置して2層に分離させた。次に約0.3〜1質量%の変性TiO2を含む透明な有機層を分離し、有機相を蒸発させることにより、おおよそ変性TiO245部及びトルエン55部に濃縮した。変性金属から得た粒度は、最初の金属酸化物とほぼ変わらなかった(分散液中で約8nm)。
【0037】
方法B
50gの酸性TiOCl2水溶液(42質量%TiOCl2、15質量%HCl)を85℃に加熱し、この温度で90分間保ち、次に約4℃に冷却された撹拌中の1NのNaOH溶液200gに静かに加えた。溶液は(含水チタニアの沈殿のために)濁ったものの、酸性TiOCl2溶液を加え終えてから約2時間で透明になった。この時点で、約20%のTi4+がチタニアに変わった。次に、1質量%のEthfac 16を含む同量のトルエンで透明な水スラリーを抽出し、方法Aで形成したものと濃度及び外観の点で本質的に一致した分散液を得た。
【0038】
実施例1Aでは、次に変性金属酸化物のトルエン分散液(100部)は、(米国特許第4,990,653号明細書及び米国特許第5,683,628号明細書において、より詳細に説明されている)1.6の屈折率を有するホモポリマーを形成するメタクリル酸エステルモノマーと混合した。溶媒を蒸発により除去し、変性金属酸化物45部及びモノマー55部の分散液を形成した。生成組成物は驚くべきことに透明であった。
【0039】
最終濃縮物の屈折率は、個別の成分ごとの屈折率に依存すると予想された。それ故に、メタクリル酸エステルモノマー(1.6を超える屈折率を有するホモポリマーを形成するので約1.6の屈折率)が、TiO2(既に調製していたTiO2微粒子17%を含むトルエン分散液に基づいて測定した約2.6の屈折率)約15質量%及び有機リン酸エステル(1.46の屈折率)約30質量%を含む変性金属酸化物とともに使用されたから、最終の複合屈折率は1.59であった。予想されたことだが、重合すると、生成したポリマー組成物の屈折率は同様に高く、それ故に生成したポリマー組成物は、光学デバイスのような透明性を要する高屈折率の用途に使用できた。さらに、上記のように、重合性組成物は透明であるから、生成したポリマー組成物も透明であることが予想される。最終的に、変性金属酸化物の含有量が増える(モノマーの量が減る)か、より高い屈折率を有するモノマーを使用すれば、屈折率は高くなる。
【0040】
実施例1Bでは、変性金属酸化物のトルエン分散液(100部)をフェニルメチルシロキサンホモポリマー(100〜200cSt、Gelest社から市販されている、1.52の屈折率を有する)と混合した。蒸発により溶媒を除去し、変性金属酸化物70部及びシリコーンホモポリマー30部を含むポリマー組成物を形成した。生成した組成物は、ポリマーの屈折率及び変性金属酸化物の量に基づいて、1.5を超える(>1.5)屈折率を有すると予想され、透明でもあったが、それは変性金属酸化物及びシリコーンホモポリマーの相溶性が良いことを示唆する。ポリマー組成物中の変性金属酸化物の重量を増やすことによって、より高い屈折率を得ることもできた。
【0041】
生成した透明なポリマー組成物の400〜800nmの波長域の吸光度(透過率%は、Ocean Optics社から入手できるUSB-ISS 紫外‐可視分光計を用いて1cmサンプルに基づいて測定した)を下記表2に示す。このデータは図2及び図3のグラフでも示されているが、より高波長での低吸光度をさらに明確に示す対数プロットである。データが示すように、本発明のポリマー組成物は、400〜800nm域で低吸光度(高透過率)を有し、それ故に透明とみなされた。
【0042】
実施例2〜7
これらの実施例では、変性金属酸化物(変性金属酸化物は、金属酸化物及び1.55以上の屈折率を有するカップリング剤の反応生成物を含む)を含む本発明の重合性組成物及びポリマー組成物の調製が説明されている。
【0043】
【表2】

【0044】
実施例2では、有機リン酸エステルの代わりに、(トルエンを使用することもできたが)酢酸エチルの溶液として図1に示したカップリング剤IVを使用したこと以外は、実施例1Aで説明された手順を用いて、変性チタニア分散液を調製した。カップリング剤の屈折率が1.61であるから、金属酸化物及びカップリング剤の反応生成物を含む生成した変性金属酸化物は、非常に高い屈折率を有すると予想される。変性金属酸化物の分散液及びホモポリマーを混合することにより、実施例1Bで説明した手順を用いてポリマー組成物を調製した。
【0045】
実施例3〜7では、有機リン酸エステルの代わりに図1に示したカップリング剤I〜III及びV〜VIをそれぞれ使用すること以外は実施例2で説明した手順に従った。カップリング剤の屈折率が非常に高い(1.60以上)と予想されたから、金属酸化物及びカップリング剤の反応生成物を含む生成した変性金属酸化物も、非常に高い屈折率を有すると予想された。本発明の生成した重合性組成物は、重合するとより高い屈折率を有するポリマー組成物を形成すると予想され、また透明になった。したがって、これらのポリマー組成物は、好ましい高屈折率及び高透明性の光学デバイスを調製するのに使用できた。
【0046】
本発明の好ましい実施形態の前述の説明は、図解及び説明の目的で示された。それは包括的であること又は本発明を開示された厳密な構造に限定することを意味しない。改質及び変性は上記の教示を考慮して実行でき、また本発明の実施から得ることができる。実施形態は本発明の本質を説明するために選択及び説明され、またその実用化によって当業者は、所望の特定の用途に適するような様々な実施形態で及び様々な変性によって本発明を利用できる。ここへ添付された特許請求の範囲、及びそれらの均等物(均等方法)により本発明の範囲が定義されることを意味する。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の組成物及び方法に使用できる代表的なカップリング剤である。
【図2】様々な波長域での本発明のポリマー組成物の吸光度である。
【図3】様々な波長域での本発明のポリマー組成物の吸光度である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)少なくとも1つのモノマー並びに
b)金属酸化物及び少なくとも1つのカップリング剤の反応生成物を含む少なくとも1つの変性金属酸化物
を含む重合性組成物であって、少なくとも1つのカップリング剤が1.48以上の屈折率を有することを特徴とする重合性組成物。
【請求項2】
モノマーが重合性組成物の全質量を基準として約5〜60質量%の量で存在する請求項1に記載の重合性組成物。
【請求項3】
モノマーが重合性組成物の全質量を基準として約5〜40質量%の量で存在する請求項1に記載の重合性組成物。
【請求項4】
モノマーが重合性組成物の全質量を基準として約5〜20質量%の量で存在する請求項1に記載の重合性組成物。
【請求項5】
モノマーが重合性組成物の全質量を基準として約5〜10質量%の量で存在する請求項1に記載の重合性組成物。
【請求項6】
金属酸化物及びカップリング剤が、カップリング剤に対する金属酸化物の質量比が約0.25〜9で反応する請求項1に記載の重合性組成物。
【請求項7】
金属酸化物及びカップリング剤が、カップリング剤に対する金属酸化物の質量比が約1〜7で反応する請求項1に記載の重合性組成物。
【請求項8】
金属酸化物及びカップリング剤が、カップリング剤に対する金属酸化物の質量比が約1〜5で反応する請求項1に記載の重合性組成物。
【請求項9】
金属酸化物及びカップリング剤が、カップリング剤に対する金属酸化物の質量比が約1〜3で反応する請求項1に記載の重合性組成物。
【請求項10】
モノマーがアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルモノマーである請求項1に記載の重合性組成物。
【請求項11】
金属酸化物が1.8以上の屈折率を有する請求項1に記載の重合性組成物。
【請求項12】
金属酸化物が約1.8〜2.9の屈折率を有する請求項1に記載の重合性組成物。
【請求項13】
金属酸化物がチタニアである請求項1に記載の重合性組成物。
【請求項14】
金属酸化物がルチル型チタニアである請求項1に記載の重合性組成物。
【請求項15】
金属酸化物の1質量%水分散液が約2〜15nmの粒度を有する請求項1に記載の重合性組成物。
【請求項16】
金属酸化物の1質量%水分散液が約5〜10nmの粒度を有する請求項1に記載の重合性組成物。
【請求項17】
カップリング剤が1.5以上の屈折率を有する請求項1に記載の重合性組成物。
【請求項18】
カップリング剤が1.55以上の屈折率を有する請求項1に記載の重合性組成物。
【請求項19】
カップリング剤が1.6以上の屈折率を有する請求項1に記載の重合性組成物。
【請求項20】
カップリング剤が、金属酸化物と反応できる少なくとも1つの基及びモノマーと重合できる少なくとも1つの基を含む請求項1に記載の重合性組成物。
【請求項21】
カップリング剤が、a)少なくとも1つのアリーレン基又はヘテロアリーレン基及びb)少なくとも1つの硫黄含有基又は少なくとも1つのハロゲンを含む請求項1に記載の重合性組成物。
【請求項22】
金属酸化物と反応できる基が、少なくとも1つの金属含有基、少なくとも1つのカルボン酸基、又は少なくとも1つのリン含有基を含む請求項20に記載の重合性組成物。
【請求項23】
金属含有基がSi、Ti、Sn、又はSeを含む請求項22に記載の重合性組成物。
【請求項24】
金属酸化物と反応できる基が、少なくとも1つのホスホン酸基を含む請求項20に記載の重合性組成物。
【請求項25】
モノマーと重合できる基が、少なくとも1つのアクリル酸基又はメタクリル酸基を含む請求項20に記載の重合性組成物。
【請求項26】
a)少なくとも1つのモノマー並びに
b)金属酸化物及び少なくとも1つのカップリング剤の反応生成物を含む少なくとも1つの変性金属酸化物
を含む重合性組成物であって、重合されたときに、重合性組成物が、1.5以上の屈折率を有する透明なポリマー組成物を形成することを特徴とする重合性組成物。
【請求項27】
ポリマー組成物が1.6以上の屈折率を有する請求項26に記載の重合性組成物。
【請求項28】
ポリマー組成物が1.7以上の屈折率を有する請求項26に記載の重合性組成物。
【請求項29】
ポリマー組成物が1.8以上の屈折率を有する請求項26に記載の重合性組成物。
【請求項30】
カップリング剤が1.48以上の屈折率を有する請求項26に記載の重合性組成物。
【請求項31】
カップリング剤が1.5以上の屈折率を有する請求項26に記載の重合性組成物。
【請求項32】
カップリング剤が1.55以上の屈折率を有する請求項26に記載の重合性組成物。
【請求項33】
カップリング剤が1.6以上の屈折率を有する請求項26に記載の重合性組成物。
【請求項34】
a)ポリマー並びに
b)金属酸化物及び少なくとも1つのカップリング剤の反応生成物を含む少なくとも1つの変性金属酸化物
を含むポリマー組成物であって、少なくとも1つのカップリング剤が1.48以上の屈折率を有するポリマー組成物。
【請求項35】
カップリング剤が1.5以上の屈折率を有する請求項34に記載のポリマー組成物。
【請求項36】
カップリング剤が1.55以上の屈折率を有する請求項34に記載のポリマー組成物。
【請求項37】
カップリング剤が1.6以上の屈折率を有する請求項34に記載のポリマー組成物。
【請求項38】
a)ポリマー並びに
b)金属酸化物及び少なくとも1つのカップリング剤の反応生成物を含む少なくとも1つの変性金属酸化物
を含み、1.5以上の屈折率を有する透明なポリマー組成物。
【請求項39】
ポリマー組成物が1.6以上の屈折率を有する請求項38に記載のポリマー組成物。
【請求項40】
ポリマー組成物が1.7以上の屈折率を有する請求項38に記載のポリマー組成物。
【請求項41】
ポリマー組成物が1.8以上の屈折率を有する請求項38に記載のポリマー組成物。
【請求項42】
カップリング剤が1.48以上の屈折率を有する請求項38に記載のポリマー組成物。
【請求項43】
カップリング剤が1.5以上の屈折率を有する請求項38に記載のポリマー組成物。
【請求項44】
カップリング剤が1.55以上の屈折率を有する請求項38に記載のポリマー組成物。
【請求項45】
カップリング剤が1.6以上の屈折率を有する請求項38に記載のポリマー組成物。
【請求項46】
a)ポリマー並びに
b)金属酸化物と、1.48以上の屈折率を有する少なくとも1つのカップリング剤との反応生成物を含む少なくとも1つの変性金属酸化物
を含むポリマー組成物を含む光学デバイス。
【請求項47】
1.5以上の屈折率を有し、透明であり、
a)ポリマー並びに
b)金属酸化物及び少なくとも1つのカップリング剤の反応生成物を含む少なくとも1つの変性金属酸化物
を含むポリマー組成物を含む光学デバイス。
【請求項48】
i)金属酸化物と、1.5以上の屈折率を有する少なくとも1つのカップリング剤とを混合して変性金属酸化物を形成する工程、
ii)少なくとも1つの変性金属酸化物を少なくとも1つのモノマーと混合して重合性組成物を形成する工程、並びに
iii)重合性組成物を重合させてポリマー組成物を形成する工程
を含むポリマー組成物の製造方法。
【請求項49】
金属酸化物が水分散液の状態である請求項48に記載の方法。
【請求項50】
金属酸化物が水分散液中で約2〜15nmの粒度を有する請求項49に記載の方法。
【請求項51】
金属酸化物が水分散液中で約5〜10nmの粒度を有する請求項49に記載の方法。
【請求項52】
カップリング剤が、水と混ざらない溶媒の溶液の状態である請求項48に記載の方法。
【請求項53】
変性金属酸化物が、水と混ざらない溶媒の分散液である請求項52に記載の方法。
【請求項54】
変性金属酸化物が、分散液中で50nm以下の粒度を有する請求項53に記載の方法。
【請求項55】
変性金属酸化物が、分散液中で25nm以下の粒度を有する請求項53に記載の方法。
【請求項56】
変性金属酸化物が、分散液中で10nm以下の粒度を有する請求項53に記載の方法。
【請求項57】
変性金属酸化物が、分散液中で5nm以下の粒度を有する請求項53に記載の方法。
【請求項58】
i)金属酸化物及び少なくとも1つのカップリング剤を混合して変性金属酸化物を形成する工程、
ii)少なくとも1つの変性金属酸化物を少なくとも1つのモノマーと混合して重合性組成物を形成する工程、並びに
iii)重合性組成物を重合させて、1.5以上の屈折率を有する透明なポリマー組成物を形成する工程、
を含むポリマー組成物の製造方法。
【請求項59】
ポリマー組成物が1.6以上の屈折率を有する請求項58に記載の方法。
【請求項60】
ポリマー組成物が1.7以上の屈折率を有する請求項58に記載の方法。
【請求項61】
ポリマー組成物が1.8以上の屈折率を有する請求項58に記載の方法。
【請求項62】
i)金属酸化物と、1.5以上の屈折率を有する少なくとも1つのカップリング剤とを混合して変性金属酸化物を形成する工程、並びに
ii)少なくとも1つの変性金属酸化物を少なくとも1つのポリマーと混合して重合性組成物を形成する工程、
を含むポリマー組成物の製造方法。
【請求項63】
i)金属酸化物及び少なくとも1つのカップリング剤を混合して変性金属酸化物を形成する工程、並びに
ii)少なくとも1つの変性金属酸化物を少なくとも1つのポリマーと混合して、1.5以上の屈折率を有する透明な重合性組成物を形成する工程、
を含むポリマー組成物の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2009−520075(P2009−520075A)
【公表日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−545820(P2008−545820)
【出願日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際出願番号】PCT/US2006/047770
【国際公開番号】WO2007/070647
【国際公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【出願人】(391010758)キャボット コーポレイション (164)
【氏名又は名称原語表記】CABOT CORPORATION
【Fターム(参考)】