変換装置及びプログラム
【課題】マルチタッチ機能に非対応の入力装置を使って情報処理装置をマルチタッチ装置として機能させることができる変換装置及びプログラムを提供する。
【解決手段】マルチタッチ変換装置3は、マルチタッチ機能に非対応の入力装置から複数のデータを入力するモード切替/モード固定インタフェース38と、複数のデータをマルチタッチ装置用のデータに変換するメインマイコン33と、変換されたマルチタッチ装置用のデータをホストコンピュータ1に出力するモード切替/モード固定インタフェース31とを備える。
【解決手段】マルチタッチ変換装置3は、マルチタッチ機能に非対応の入力装置から複数のデータを入力するモード切替/モード固定インタフェース38と、複数のデータをマルチタッチ装置用のデータに変換するメインマイコン33と、変換されたマルチタッチ装置用のデータをホストコンピュータ1に出力するモード切替/モード固定インタフェース31とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、変換装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ユーザが2本の指を使用することによりタッチパネル上の複数点を押下し、所定の操作を実行することができるマルチタッチ機能を備えるシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
マルチタッチ機能では、ジェスチャーと呼ばれる入力方式が採用されている。ジェスチャーとは、2本の指の動き(即ち、位置、方向及び速度を含む動き)を特定することができるユーザ入力である。例えば、従来のマウスのジェスチャーは、ユーザがマウスボタンを押下し、任意の経路に従ってマウスを動かすことによって、実行される。マルチタッチ機能では、より複雑なジェスチャーを使用できる。例えば、ユーザは、タッチパネル上で2又はそれ以上の指を同時に動かすことにより、ジェスチャーを実行することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−356939号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、マルチタッチ機能を使用するためには、マルチタッチ機能に対応するタッチパネル又はジェスチャー入力をシミュレートするソフトウェアが必要となる。
【0006】
本発明の目的は、マルチタッチ機能に非対応の入力装置を使って情報処理装置をマルチタッチ装置として機能させることができる変換装置及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、請求項1の変換装置は、マルチタッチ機能に非対応の入力装置から複数のデータを入力する入力手段と、前記複数のデータをマルチタッチ装置用のデータに変換する変換手段と、前記変換されたマルチタッチ装置用のデータを情報処理装置に出力する出力手段とを備えることを特徴とする。かかる構成によれば、マルチタッチ機能に非対応の入力装置を使って情報処理装置をマルチタッチ装置として機能させることができる。
【0008】
請求項2の変換装置は、請求項1に記載の変換装置において、前記マルチタッチ機能に非対応の入力装置は複数のポインティングデバイス、複数のキーボード、又はポインティングデバイス及びキーボードの組み合わせのいずれか1つであり、前記複数のデータは前記複数のポインティングデバイス、前記複数のキーボード又は前記ポインティングデバイス及び前記キーボードの組み合わせのいずれか1つからそれぞれ出力されることを特徴とする。かかる構成によれば、マルチタッチ機能に非対応の複数の入力装置を使って情報処理装置をマルチタッチ装置として機能させることができる。
【0009】
請求項3の変換装置は、請求項1乃至3のいずれかに記載の変換装置において、前記マルチタッチ機能に非対応の入力装置を通常の入力装置として動作させる第1のモードと、前記マルチタッチ機能に非対応の入力装置をマルチタッチ装置用の入力装置として動作させる第2のモードと、前記変換装置に設定されるモードを前記第1のモード又は前記第2のモードに切り替える切替手段とを備えていることを特徴とする。かかる構成によれば、マルチタッチ機能に非対応の入力装置を通常の入力装置又はマルチタッチ装置用の入力装置に切り替えることができる。
【0010】
請求項4の変換装置は、請求項3に記載の変換装置において、前記切替手段は、OSD(オンスクリーンディスプレイ)機能によって表示される選択画面上のモード選択の結果、切替スイッチの設定、前記情報処理装置からの切替コマンド、又は前記入力装置からの特定の入力のいずれかに基づいて、前記変換装置に設定されているモードを前記第1のモード又は前記第2のモードに切り替えることを特徴とする。かかる構成によれば、複数のモード切替方法の1つに基づいて、変換装置に設定されているモードを切り替えることができる。
【0011】
請求項5の変換装置は、請求項4に記載の変換装置において、前記変換装置に設定されているモードをユーザに通知する通知手段を備えることを特徴とする。かかる構成によれば、変換装置に設定されているモードをユーザに通知することができる。
【0012】
請求項6の変換装置は、請求項5に記載の変換装置において、前記通知手段は、発光手段による前記変換装置に設定されているモードに対応する発光、表示手段による前記変換装置に設定されているモードの表示、前記情報処理装置に含まれるアプリケーションによる前記変換装置に設定されているモードの表示、OSD(オンスクリーンディスプレイ)機能によって表示される選択画面に含まれる前記変換装置に設定されているモードの表示の少なくとも1つによって、前記変換装置に設定されているモードを前記ユーザに通知することを特徴とする。かかる構成によれば、少なくとも1つの方法によって、変換装置に設定されているモードをユーザに通知することができる。
【0013】
請求項7の変換装置は、請求項3に記載の変換装置において、前記入力手段及び前記出力手段は、前記切替手段によりモードの切替を許容する第1のインタフェースと、前記変換装置に設定されるモードを前記第1のモード又は前記第2のモードのいずれかに固定する第2のインタフェースとを備えることを特徴とする。かかる構成によれば、モードの切替又は固定を入力手段及び出力手段によって決めることができる。
【0014】
請求項8の変換装置は、請求項1に記載の変換装置において、前記変換手段は、前記マルチタッチ機能に非対応の入力装置が複数のポインティングデバイスである場合に、各ポインティングデバイスのデータに含まれる前記ポインティングデバイスのボタンの押下データをマルチタッチ装置のタッチパネルの各押下データに割り当て、各ポインティングデバイスのデータに含まれる相対座標データを絶対座標データに変換し、当該絶対座標データをマルチタッチ装置のタッチパネル上の各押下点の座標データに割り当てることを特徴とする。かかる構成によれば、マルチタッチ機能に非対応の複数のポインティングデバイスから入力する複数のデータをマルチタッチ装置用のデータに正確に変換することができる。
【0015】
請求項9の変換装置は、請求項1に記載の変換装置において、前記変換手段は、前記マルチタッチ機能に非対応の入力装置が複数のキーボードである場合に、各キーボードのデータに含まれる予め決められたキーの押下データをマルチタッチ装置のタッチパネルの各押下データに割り当て、各キーボードのデータに含まれる予め決められた他のキーの押下時間からカーソルの移動量を算出し、当該カーソルの移動量を絶対座標データに変換し、当該絶対座標データをマルチタッチ装置のタッチパネル上の各押下点の座標データに割り当てることを特徴とする。かかる構成によれば、マルチタッチ機能に非対応の複数のキーボードから入力する複数のデータをマルチタッチ装置用のデータに正確に変換することができる。
【0016】
請求項10の変換装置は、請求項1に記載の変換装置において、前記変換手段は、前記マルチタッチ機能に非対応の入力装置がポインティングデバイス及びキーボードである場合に、前記ポインティングデバイスのデータに含まれる前記ポインティングデバイスのボタンの押下データをマルチタッチ装置のタッチパネルの1つの押下データに割り当て、前記ポインティングデバイスのデータに含まれる相対座標データを絶対座標データに変換し、当該絶対座標データをマルチタッチ装置のタッチパネル上の1つの押下点の座標データに割り当て、前記キーボードのデータに含まれる予め決められたキーの押下データをマルチタッチ装置のタッチパネルの他の押下データに割り当て、前記キーボードのデータに含まれる予め決められた他のキーの押下時間からカーソルの移動量を算出し、当該カーソルの移動量を絶対座標データに変換し、当該絶対座標データをマルチタッチ装置のタッチパネル上のたの押下点の座標データに割り当てることを特徴とする。かかる構成によれば、マルチタッチ機能に非対応のポインティングデバイス及びキーボードから入力する複数のデータをマルチタッチ装置用のデータに正確に変換することができる。
【0017】
請求項11の変換装置は、請求項1に記載の変換装置において、前記マルチタッチ機能に非対応の入力装置はポインティングデバイス又はキーボードのいずれか1つであり、前記複数のデータは前記ポインティングデバイスのボタンが押下されているとき及び押下されていないときのデータであるか、又は前記キーボードの予め設定されている複数のキー群のそれぞれから出力されるデータであることを特徴とする。かかる構成によれば、マルチタッチ機能に非対応のポインティングデバイス又はキーボードを使って情報処理装置をマルチタッチ装置として機能させることができる。
【0018】
請求項12のプログラムは、コンピュータを、マルチタッチ機能に非対応の入力装置から複数のデータを入力する入力手段、前記複数のデータをマルチタッチ装置用のデータに変換する変換手段、及び前記変換されたマルチタッチ装置用のデータを情報処理装置に出力する出力手段として機能させることを特徴とする。かかる構成によれば、マルチタッチ機能に非対応の入力装置を使って情報処理装置をマルチタッチ装置として機能させることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、マルチタッチ機能に非対応の入力装置を使って情報処理装置をマルチタッチ装置として機能させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本実施の形態に係る変換装置を含むシステムの構成図である。
【図2】従来のマルチタッチ装置の構成を示す図である。
【図3】選択画面データの一例を示す図である。
【図4】マルチタッチ装置のタッチパネルから出力されるデータの構成を示す図である。
【図5】複数のマウスから出力されるデータがメインマイコンにより変換される状態を示す図である。
【図6】複数のキーボードから出力されるデータがメインマイコンにより変換される状態を示す図である。
【図7】キーボード及びマウスから出力されるデータがメインマイコンにより変換される状態を示す図である。
【図8】1つのマウスから出力される複数のデータがメインマイコンにより変換される状態を示す図である。
【図9】1つのキーボードから出力される複数のデータがメインマイコンにより変換される状態を示す図である。
【図10】モニタの画面の表示例を示す図である。
【図11】マルチタッチ変換装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。
【0022】
図1は、本実施の形態に係る変換装置を含むシステムの構成図である。
【0023】
図1のシステムは、ホストコンピュータ1、モニタ2、マルチタッチ変換装置3(変換装置)、及び複数のコンソール4(入力装置)を備えている。マルチタッチ変換装置3は、ホストコンピュータ1、モニタ2、及び複数のコンソール4に接続されている。各コンソール4は、マウスやタッチパネルのようなポインティングデバイス又はキーボードで構成されている。また、各コンソール4は、インタフェース41を備えている。
【0024】
ホストコンピュータ1は、ホストコンピュータ1の全体の動作を制御するCPU11、CPU11の制御プログラムを格納するメモリ12、各種のデータや情報を格納するハードディスク(HDD)13、マルチタッチ変換装置3とデータの入出力を行う入出力インタフェース16、及びマルチタッチ変換装置3へビデオデータを出力するビデオインタフェース17を備えている。HDD13は、レジストリ14及びアプリケーション15を備えている。レジストリ14は、各コンソールの動作を通常のキーボード及びポインティングデバイスとしての動作又はマルチタッチ装置としての動作に切替えるための設定情報を備えている。ホストコンピュータ1が各コンソールの動作を切り替える場合、CPU11がレジストリ14に格納された設定情報に基づく切替コマンドをマルチタッチ変換装置3に送信する。アプリケーション15は、マルチタッチに対応するソフトウエアであり、CPU11によって実行される。また、アプリケーション15は、マルチタッチ変換装置3に設定されているモードをモニタ2に表示する。入出力インタフェース16は、USB(Universal Serial Bus)インタフェース、シリアルインタフェース、又はPS2インタフェース等で構成されている。
【0025】
図2に示す従来のマルチタッチ装置100は、例えば、ユーザが2本以上の指でタッチパネル101上の複数点を押下しつつ、2本以上の指を動かすことにより、所定の操作を実行することができるマルチタッチ機能を有する。マルチタッチ装置100は、同時に複数の地点のタッチイベントを感知する装置である。
【0026】
図1に戻り、マルチタッチ変換装置3は、マルチタッチ機能に対応していない複数のコンソール4からの複数の入力を、マルチタッチ装置100におけるユーザ入力に変換する。マルチタッチ変換装置3は、モード切替/モード固定インタフェース31(出力手段)、ビデオインタフェース32、メインマイコン33(変換手段、切替手段)、発光部34(通知手段、発光手段)、表示部35(通知手段、表示手段)、切替スイッチ36(切替手段)、記憶媒体37、及びモード切替/モード固定インタフェース38(入力手段)を備えている。メインマイコン33は、モード切替/モード固定インタフェース31、ビデオインタフェース32、発光部34、表示部35、切替スイッチ36、記憶媒体37、及びモード切替/モード固定インタフェース38に接続されている。
【0027】
モード切替/モード固定インタフェース31,38の各々は、モード切替インタフェース(第1のインタフェース)及びモード固定インタフェース(第2のインタフェース)を備え、メインマイコン33からの指示によって使用すべきインタフェースをモード切替インタフェース及びモード固定インタフェースのいずれかに切り替える。また、モード切替/モード固定インタフェース31は、後述するようにメインマイコン3で変換されたデータをホストコンピュータ1に出力する。モード切替/モード固定インタフェース38は、コンソール4から出力されるデータを入力する。
【0028】
尚、マルチタッチ変換装置3に設定されるモードは、通常モード(第1のモード)又はマルチタッチモード(第2のモード)である。通常モードは、マルチタッチ変換装置3がコンソール4の動作を通常のポインティングデバイス又はキーボードの動作として認識するモードである。換言すれば、通常モードは、マルチタッチ変換装置3がポインティングデバイス及び/又はキーボードからの複数の入力データを通常の複数の入力データとして処理するモードである。マルチタッチモードは、マルチタッチ変換装置3がコンソール4の動作をマルチタッチ装置の動作として認識するモードである。換言すれば、マルチタッチモードは、マルチタッチ変換装置3がポインティングデバイス及び/又はキーボードからの複数の入力データをマルチタッチ装置の入力データに変換するモードである。
【0029】
モード切替インタフェースは、通常モードとマルチタッチモードとの切替が可能なインタフェースであり、モード固定インタフェースは、通常モードとマルチタッチモードとのいずれかに固定されるインタフェースである。
【0030】
ユーザがモードの切替を使用しない場合(即ち、設定されるモードを通常モード又はマルチタッチモードに固定する場合)は、ユーザがホストコンピュータ1の入出力インタフェース15及びコンソール4のインタフェース41を通常モード又はマルチタッチモードのモード固定インタフェースに接続する。
【0031】
ビデオインタフェース32は、ホストコンピュータ1からの画像データをモニタ2に出力する、又はホストコンピュータ1からの画像データに、通常モード又はマルチタッチモードのいずれかを選択するための選択画面データを重ね合わせて、選択画面データが重ね合わされた画像データをモニタ2に出力する。このように、情報(ここでは、選択画面データ)を画像データに重ねてモニタ上に表示し、情報の設定を行う機能をOSD(On-screen display)機能という。上記選択画面データは、図3に示すように、現在のモード設定の情報及びモード選択用の情報を含み、記憶媒体17に格納されている。選択画面データは、コンソール4からの特定のキー入力に応じて、メインマイコン33により記憶媒体17から読み出され、ビデオインタフェース32に送信される。
【0032】
図1に戻り、メインマイコン33は、マルチタッチ変換装置3の全体動作を制御する。また、メインマイコン33は、マルチタッチモードにおいて、ポインティングデバイス及び/又はキーボードからの複数の入力データをマルチタッチ装置の入力データに変換し、変換された入力データをホストコンピュータ1に出力する。メインマイコン33は、通常モードにおいて、ポインティングデバイス及び/又はキーボードからの複数の入力データを通常の複数の入力データとしてホストコンピュータ1に出力する。
【0033】
また、メインマイコン33は、選択画面データのモード選択の結果、切替スイッチ36の設定、ホストコンピュータ1からのコマンド、又はコンソール4からの特定の入力(例えば、通常モード又はマルチタッチモードのいずれかを選択するキー入力)に基づいて、現在設定されているモードを通常モード又はマルチタッチモードのいずれかに切り替える、即ち、コンソール4の動作を通常の入力装置としての動作又はマルチタッチ装置としての動作のいずれかに切り替える。
【0034】
発光部34は、ランプ又はLED(Light Emitting Diode)等で構成されており、現在のマルチタッチ変換装置3に設定されているモード(通常モード又はマルチタッチモードのいずれか一方)を点灯によりユーザに通知する。例えば、通常モードが設定されている場合には、通常モードに対応するランプ又はLEDが発光し、マルチタッチモードが設定されている場合には、マルチタッチモードに対応するランプ又はLEDが発光する。発光の指示は、メインマイコン33から発光部34に送信される。または、通常モード又はマルチタッチモードのいずれか一方が設定されている場合に、ランプ又はLEDが点灯し、通常モード又はマルチタッチモードの他方が設定されている場合に、そのランプ又はそのLEDが点滅してもよい。
【0035】
表示部35は、LCD(Liquid Crystal Display)で構成されており、現在マルチタッチ変換装置3に設定されるモード(通常モード又はマルチタッチモードのいずれか一方)をユーザに通知する。例えば、表示部35には、「通常モード」又は「マルチタッチモード」の文字が表示される。各文字のデータは、メインマイコン33から表示部35に送信される。
【0036】
切替スイッチ36は、物理的なスイッチである。ユーザは、切替スイッチ36によって、通常モード又はマルチタッチモードのいずれかを選択することができる。メインマイコン33は、切替スイッチ36の状態を確認し、選択されているモード設定を記憶媒体37に保存する。記憶媒体37は、上記選択画面データ、現在のモード設定、及びモード変更用のプログラムなどを記憶している。
【0037】
ユーザは、現在のモード設定を発光部34の発光、表示部35の表示、ホストコンピュータ1のアプリケーション15によるモニタ表示、又はOSD機能による選択画面データの表示の少なくともいずれか1つによって確認することができる。
【0038】
図4は、マルチタッチ装置100のタッチパネルから出力されるデータの構成を示す図である。
【0039】
図4において、「識別番号」は、ユーザがマルチタッチ装置100のタッチパネル上のタッチしている点を識別するための番号である。「SW」は、マルチタッチ装置100のタッチパネルの押下状態を示す。ユーザがタッチパネルを押下している場合は、「SW」はONになり、ユーザがタッチパネルを押下していない場合は、「SW」はOFFになる。「X座標」及び「Y座標」は、ユーザがマルチタッチ装置100のタッチパネル101上のタッチしている点の絶対座標(X、Y)を示す。
【0040】
マルチタッチ変換装置3は、コンソール4(ポインティングデバイス又はキーボード)からのデータをマルチタッチ装置100のタッチパネル101から出力されるデータに変換する。
【0041】
以下、ポインティングデバイス又はキーボードからのデータをマルチタッチ装置のタッチパネルから出力されるデータに変換するパターンを説明する。各変換パターンの設定は、マルチタッチ変換装置3のメインマイコン33で変更することができる。ここでは、ポインティングデバイスとしてマウスを使用する。
【0042】
(パターン1)
図5は、複数のマウスから出力されるデータがメインマイコンにより変換される状態を示す図である。パターン1では、マルチタッチ変換装置3に複数のマウス42,43が接続され、マウス42から出力されるデータの識別番号を「1」とし、マウス43から出力されるデータの識別番号を「2」とする。
【0043】
このとき、図5に示すように、マウス42は、「SW1」、「X相対座標1」、「Y相対座標1」を出力し、マウス43は、「SW2」、「X相対座標2」、「Y相対座標2」を出力する。「SW1」及び「SW2」は、それぞれマウス42及び43の左ボタンが押下されながら、操作されたときに、「ON」になる。マウス42及び43の左ボタンが押下されていない場合は、「SW1」及び「SW2」は「OFF」になる。
【0044】
「X相対座標1」及び「Y相対座標1」は、メインマイコン33によって、絶対座標である「X座標1」、「Y座標1」に変換される。例えば、メインマイコン33は基準点の絶対座標に相対座標を順次加算することによって、マウス移動後の絶対座標の値を算出する。同様に、「X相対座標2」及び「Y相対座標2」は、メインマイコン33によって、絶対座標である「X座標2」、「Y座標2」に変換される。尚、相対座標は、各マウスの移動量を示し、絶対座標は、モニタ2上での位置を示す。例えば、絶対座標は、モニタ2の画面上の左下端を基準点(0,0)とする。
【0045】
図5の変換後のデータは、2セットの「識別番号」、「SW」、「X座標」及び「Y座標」のデータになるため、図4に示すマルチタッチ装置100のタッチパネル101から出力されるデータのフォーマットと同様になる。
【0046】
また、変換後のデータは、メインマイコン33からホストコンピュータ1のアプリケーション15に送信される。ホントコンピュータ1のアプリケーション15は、前回の変換後のデータ(単位時間(例えば、0.1秒)経過前の変換後のデータ)と今回の変換後のデータとを比較する。アプリケーション15は、例えば、両マウス42,43の距離が拡大している場合には、両マウス42,43で囲まれる領域(例えば、両マウス42,43のマウスカーソルを通過する円領域又は矩形領域)の表示を拡大する。アプリケーション15は、両マウス42,43の距離が縮小している場合には、両マウス42,43で囲まれる領域(例えば、両マウス42,43のマウスカーソルを通過する円領域又は矩形領域)の表示を縮小する。また、マウス42のY座標がマウス43のY座標より大きく、マウス42のX座標が減少し、マウス43のX座標が増加する場合、アプリケーション15は、両マウス42,43で囲まれる領域(例えば、両マウス42,43のマウスカーソルを通過する円領域又は矩形領域)の表示を半時計回りに回転する。マウス42のY座標がマウス43のY座標より大きく、マウス42のX座標が増加し、マウス43のX座標が減少する場合、アプリケーション15は、両マウス42,43で囲まれる領域(例えば、両マウス42,43のマウスカーソルを通過する円領域又は矩形領域)の表示を時計回りに回転する。
【0047】
このように、ホントコンピュータ1のアプリケーション15は、メインマイコン33から出力される変換後のデータに応じて、拡大、縮小、回転などのアプリケーションの機能を実行する。尚、ホントコンピュータ1は、メインマイコン33から出力される変換後のデータと割り当てられるアプリケーションの機能との関係を変更できる。また、拡大、縮小、回転などのアプリケーションの機能は一例である。また、後述するパターンでも、ホントコンピュータ1のアプリケーション15は、メインマイコン33から出力される変換後のデータに応じて、拡大、縮小、回転などのアプリケーションの機能を実行する。
【0048】
(パターン2)
図6は、複数のキーボードから出力されるデータがメインマイコンにより変換される状態を示す図である。パターン2では、マルチタッチ変換装置3に複数のキーボード44,45が接続され、キーボード44から出力されるデータの識別番号を「1」とし、キーボード45から出力されるデータの識別番号を「2」とする。
【0049】
メインマイコン33は、キーボード44,45の複数のキーに「SW」、「X座標」及び「Y座標」を割り当てる。例えば、メインマイコン33は、10キーの「5」キーに「SW」を割り当て、「5」キーが押下されたときに、「SW」はONになる。「5」キーが押下されていないときは、「SW」はOFFになる。また、メインマイコン33は、10キーの「4」キーにマウスカーソルの左方向の移動(「X座標」)を割り当て、10キーの「6」キーにマウスカーソルの右方向の移動(「X座標」)を割り当てる。同様に、メインマイコン33は、10キーの「8」キーにマウスカーソルの上方向の移動(「Y座標」)を割り当て、10キーの「2」キーにマウスカーソルの下方向の移動(「Y座標」)を割り当てる。
【0050】
メインマイコン33は、各キー(「5」キーと「4」キー、「6」キー、「8」キー、又は「2」キー)の押下状態の継続時間からマウスカーソルの移動量を算出し、算出された移動量を絶対座標である「X座標1」、「Y座標1」、「X座標2」又は「Y座標2」に変換する。尚、予め設定されている単位時間(例えば、0.1秒)あたりのマウスカーソルの移動量の情報は、予め記憶媒体37に設定されており、メインマイコン33は、キーの押下状態の継続時間及び予め設定されている単位時間あたりのマウスカーソルの移動量の情報を使ってマウスカーソルの移動量を算出する。メインマイコン33は基準点の絶対座標にマウスカーソルの移動量を順次加算することによって、マウスカーソル移動後の絶対座標の値を算出する。絶対座標の基準点(0,0)は、例えばモニタ2の画面上の左下端である。
【0051】
上述したキー以外のキー入力は、通常のデータとしてマルチタッチ変換装置3に出力される。図6の変換後のデータも、2セットの「識別番号」、「SW」、「X座標」及び「Y座標」のデータになるため、図4に示すマルチタッチ装置100のタッチパネル101から出力されるデータのフォーマットと同様になる。
【0052】
(パターン3)
図7は、キーボード及びマウスから出力されるデータがメインマイコンにより変換される状態を示す図である。パターン3は、パターン1とパターン2の組み合わせである。マルチタッチ変換装置3にマウス42及びキーボード45が接続され、マウス42から出力されるデータの識別番号を「1」とし、キーボード45から出力されるデータの識別番号を「2」とする。
【0053】
マウス42から出力される「X相対座標1」及び「Y相対座標1」は、メインマイコン33によって、絶対座標である「X座標1」、「Y座標1」に変換される。また、メインマイコン33は、上述したように、キーボード45の複数のキーに「SW」、「X座標」及び「Y座標」を割り当て、各キーの押下状態の継続時間からマウスカーソルの移動量を算出し、算出された移動量を絶対座標である「X座標2」又は「Y座標2」に変換する。図7の変換後のデータも、2セットの「識別番号」、「SW」、「X座標」及び「Y座標」のデータになるため、図4に示すマルチタッチ装置100のタッチパネル101から出力されるデータのフォーマットと同様になる。
【0054】
(パターン4)
図8は、1つのマウスから出力される複数のデータがメインマイコンにより変換される状態を示す図である。パターン4では、マルチタッチ変換装置3にマウス42が接続され、マウス42の中ボタン(即ちセンターボタン)が押下されていないときにマウス42から出力されるデータの識別番号を「1」とし、マウス42の中ボタンが押下されているときにマウス42から出力されるデータの識別番号を「2」とする。尚、マウス42は、右ボタン、左ボタン、中ボタンを有する。
【0055】
このとき、図8に示すように、中ボタンが押下されていないマウス42は、「SW1」、「X相対座標1」、「Y相対座標1」を出力し、中ボタンが押下されているマウス42は、「SW2」、「X相対座標2」、「Y相対座標2」を出力する。「SW1」及び「SW2」は、マウス42の左ボタンが押下されながら、操作されたときに、「ON」になる。マウス42左ボタンが押下されていない場合は、「SW1」及び「SW2」は「OFF」になる。
【0056】
中ボタンが押下されていないマウス42の「X相対座標1」及び「Y相対座標1」は、メインマイコン33によって、絶対座標である「X座標1」、「Y座標1」に変換される。例えば、メインマイコン33は基準点の絶対座標に相対座標を順次加算することによって、マウス移動後の絶対座標の値を算出する。同様に、中ボタンが押下されているマウス42の「X相対座標2」及び「Y相対座標2」は、メインマイコン33によって、絶対座標である「X座標2」、「Y座標2」に変換される。
【0057】
図8の変換後のデータも、2セットの「識別番号」、「SW」、「X座標」及び「Y座標」のデータになるため、図4に示すマルチタッチ装置100のタッチパネル101から出力されるデータのフォーマットと同様になる。
【0058】
(パターン5)
図9は、1つのキーボードから出力される複数のデータがメインマイコンにより変換される状態を示す図である。パターン5では、マルチタッチ変換装置3にキーボード44が接続され、キーボード44の第1のキー群から出力されるデータの識別番号を「1」とし、キーボード44の第2のキー群から出力されるデータの識別番号を「2」とする。例えば、第1のキー群は、10キーの「5」キー、「4」キー、「6」キー、「8」キー及び「2」キーとし、第2のキー群は、「Ctrl」キー、「←」キー、「→」キー、「↑」キー、及び「↓」キーとする。
【0059】
尚、第1及び第2のキー群は一例であり、例えば、「SW」、「X座標」及び「Y座標」の各々に割り当てられるキーは、1つに限定されるわけではなく、複数のキーの組み合わせでもよい。例えば、メインマイコン33は、「Ctrl」キー及び「5」キーの組み合わせに「SW」を割り当ててもよい。
【0060】
メインマイコン33は、キーボード44の第1のキー群に含まれる複数のキーに「SW」、「X座標」及び「Y座標」を割り当てる。例えば、メインマイコン33は、10キーの「5」キーに「SW」を割り当て、「5」キーが押下されたときに、「SW」はONになる。「5」キーが押下されていないときは、「SW」はOFFになる。また、メインマイコン33は、10キーの「4」キーにマウスカーソルの左方向の移動(「X座標」)を割り当て、10キーの「6」キーにマウスカーソルの右方向の移動(「X座標」)を割り当てる。さらに、メインマイコン33は、10キーの「8」キーにマウスカーソルの上方向の移動(「Y座標」)を割り当て、10キーの「2」キーにマウスカーソルの下方向の移動(「Y座標」)を割り当てる。
【0061】
同様に、メインマイコン33は、キーボード44の第2のキー群に含まれる複数のキーに「SW」、「X座標」及び「Y座標」を割り当てる。例えば、メインマイコン33は、「Ctrl」キーに「SW」を割り当て、「Ctrl」キーが押下されたときに、「SW」はONになる。「Ctrl」キーが押下されていないときは、「SW」はOFFになる。また、メインマイコン33は、「←」キーにマウスカーソルの左方向の移動(「X座標」)を割り当て、「→」キーにマウスカーソルの右方向の移動(「X座標」)を割り当てる。さらに、メインマイコン33は、「↑」キーにマウスカーソルの上方向の移動(「Y座標」)を割り当て、10キーの「↓」キーにマウスカーソルの下方向の移動(「Y座標」)を割り当てる。
【0062】
メインマイコン33は、各キーの押下状態の継続時間からマウスカーソルの移動量を算出し、算出された移動量を絶対座標である「X座標1」、「Y座標1」、「X座標2」又は「Y座標2」に変換する。尚、予め設定されている単位時間(例えば、0.1秒)あたりのマウスカーソルの移動量の情報は、予め記憶媒体37に設定されており、メインマイコン33は、キーの押下状態の継続時間及び予め設定されている単位時間あたりのマウスカーソルの移動量の情報を使ってマウスカーソルの移動量を算出する。メインマイコン33は、基準点の絶対座標にマウスカーソルの移動量を順次加算することによって、マウスカーソル移動後の絶対座標の値を算出する。絶対座標の基準点(0,0)は、例えばモニタ2の画面上の左下端である。
【0063】
上述したキー以外のキー入力は、通常のデータとしてマルチタッチ変換装置3に出力される。図9の変換後のデータも、2セットの「識別番号」、「SW」、「X座標」及び「Y座標」のデータになるため、図4に示すマルチタッチ装置100のタッチパネル101から出力されるデータのフォーマットと同様になる。
【0064】
図10は、モニタの画面の表示例を示す図である。図10は、アプリケーション15により2つのマウスカーソル61,62がモニタ2の画面に表示されている状態を示す。また、図10では、現在のモードがマルチタッチモードであることを示している。
【0065】
マルチタッチ変換装置3にマウス42,43を接続した場合、通常モード時は、マウス42,43のどちらの動作もマウスカーソル61の動作に反映される。通常モードがマルチタッチモードに変更されると、マルチタッチ変換装置3は、1台のマルチタッチ装置としてホストコンピュータ1にマウス42,43のデータ(即ち2セットの「識別番号」、「SW」、「X座標」及び「Y座標」のデータ)を送信する。マウス42の操作は、マウスカーソル61の動作に反映され、マウス43の操作は、マウスカーソル62の動作に反映される。少なくとも1つのマウスがキーボードに変更された場合も、マルチタッチモードの場合は、マウスボタンのON/OFF及びマウスカーソルの動作を割り当てられたキー群の操作は、各マウスカーソルの動作に反映される。
【0066】
図11は、マルチタッチ変換装置の動作を示すフローチャートである。
【0067】
マルチタッチ変換装置3の電源が投入されると(ステップS1)、メインマイコン33は、記憶媒体37又は切替スイッチ36の状態から現在のモードが通常モードであるか否かを判別する(ステップS2)。
【0068】
現在のモードが通常モードである場合には(ステップS2でYES)、メインマイコン33は、通常モードの設定を記憶媒体37に保存し、発光部34、表示部35、ホストコンピュータ1のアプリケーション15、又はOSD機能による選択画面データの少なくともいずれか1つに現在のモードを表示させる(ステップS3)。現在のモードがマルチタッチモードである場合には(ステップS2でNO)、メインマイコン33は、通常モードの設定を記憶媒体37に保存し、発光部34、表示部35、ホストコンピュータ1のアプリケーション15、又はOSD機能による選択画面データの少なくともいずれか1つに現在のモードを表示させる(ステップS4)。
【0069】
その後、メインマイコン33は、選択画面データのモード選択の結果、切替スイッチ36の設定、ホストコンピュータ1からの切替コマンド、又はコンソール4からの特定の入力によりモードの切替が行われたか否かを判別する(ステップS5)。
【0070】
モードの切替が行われた場合には(ステップS5でYES)、ステップS2に戻る。モードの切替が行われていない場合には(ステップS5でNO)、メインマイコン33は、コンソール4からのデータ入力があるか否かを判別する(ステップS6)。
【0071】
コンソール4からのデータ入力がない場合には(ステップS6でNO)、ステップS5に戻る。コンソール4からのデータ入力がある場合には(ステップS6でYES)、メインマイコン33は、記憶媒体37又は切替スイッチ36の状態から現在のモードが通常モードであるか否かを判別する(ステップS7)。
【0072】
現在のモードが通常モードである場合には(ステップS7でYES)、メインマイコン33は、コンソール4からのデータをホストコンピュータ1へ送信し(ステップS8)、ステップS5に戻る。現在のモードがマルチタッチモードである場合には(ステップS7でNO)、メインマイコン33は、コンソール4からのデータをマルチタッチ装置のデータ(上述した2セットの「識別番号」、「SW」、「X座標」及び「Y座標」のデータ)に変換し、変換したデータをホストコンピュータ1へ送信して(ステップS8)、ステップS5に戻る。マルチタッチ変換装置3の電源がOFFになるまで、ステップS5〜ステップS8,S9のループ処理は実行される。
【0073】
尚、モード切替/モード固定インタフェース31又は38が、モード固定インターフェースの場合は、ステップS5の判定は実行されず、ステップS2,S7で、メインマイコン33がモード固定インターフェースが通常モードであるか否かを判別する。その他の処理は、上記処理と同様である。
【0074】
本実施の形態によれば、マルチタッチ変換装置3は、マルチタッチに非対応の入力装置(即ちコンソール4)を接続した場合でも、マルチタッチ対応の入力装置としての動作を実行することができる。つまり、マルチタッチ変換装置3は、マルチタッチ機能に非対応の入力装置を使ってホストコンピュータ1をマルチタッチ装置として機能させることができる。特に、キーボード又はマウスのような、従来から使用される入力装置がマルチタッチ変換装置3に接続される場合でも、マルチタッチ機能を実現することができる。
【0075】
マルチタッチ変換装置3の機能を実現するためのソフトウェアのプログラムが記録されている記録媒体を、マルチタッチ変換装置3に供給し、メインマイコン33が記憶媒体に格納されたプログラムを読み出し実行することによっても、上記実施の形態と同様の効果を奏する。プログラムを供給するための記憶媒体としては、例えば、CD−ROM、DVD、又はSDカードなどがある。
【0076】
また、コンピュータが、マルチタッチ変換装置3の機能を実現するためのソフトウェアのプログラムを実行することによっても、上記実施の形態と同様の効果を奏する。
【0077】
尚、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々変形して実施することが可能である。
【符号の説明】
【0078】
1 ホストコンピュータ
2 モニタ
3 マルチタッチ変換装置
4 コンソール
31,38 モード切替/モード固定インタフェース
32 ビデオインタフェース
33 メインマイコン
34 発光部
35 表示部
36 切替スイッチ
37 記憶媒体
【技術分野】
【0001】
本発明は、変換装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ユーザが2本の指を使用することによりタッチパネル上の複数点を押下し、所定の操作を実行することができるマルチタッチ機能を備えるシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
マルチタッチ機能では、ジェスチャーと呼ばれる入力方式が採用されている。ジェスチャーとは、2本の指の動き(即ち、位置、方向及び速度を含む動き)を特定することができるユーザ入力である。例えば、従来のマウスのジェスチャーは、ユーザがマウスボタンを押下し、任意の経路に従ってマウスを動かすことによって、実行される。マルチタッチ機能では、より複雑なジェスチャーを使用できる。例えば、ユーザは、タッチパネル上で2又はそれ以上の指を同時に動かすことにより、ジェスチャーを実行することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−356939号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、マルチタッチ機能を使用するためには、マルチタッチ機能に対応するタッチパネル又はジェスチャー入力をシミュレートするソフトウェアが必要となる。
【0006】
本発明の目的は、マルチタッチ機能に非対応の入力装置を使って情報処理装置をマルチタッチ装置として機能させることができる変換装置及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、請求項1の変換装置は、マルチタッチ機能に非対応の入力装置から複数のデータを入力する入力手段と、前記複数のデータをマルチタッチ装置用のデータに変換する変換手段と、前記変換されたマルチタッチ装置用のデータを情報処理装置に出力する出力手段とを備えることを特徴とする。かかる構成によれば、マルチタッチ機能に非対応の入力装置を使って情報処理装置をマルチタッチ装置として機能させることができる。
【0008】
請求項2の変換装置は、請求項1に記載の変換装置において、前記マルチタッチ機能に非対応の入力装置は複数のポインティングデバイス、複数のキーボード、又はポインティングデバイス及びキーボードの組み合わせのいずれか1つであり、前記複数のデータは前記複数のポインティングデバイス、前記複数のキーボード又は前記ポインティングデバイス及び前記キーボードの組み合わせのいずれか1つからそれぞれ出力されることを特徴とする。かかる構成によれば、マルチタッチ機能に非対応の複数の入力装置を使って情報処理装置をマルチタッチ装置として機能させることができる。
【0009】
請求項3の変換装置は、請求項1乃至3のいずれかに記載の変換装置において、前記マルチタッチ機能に非対応の入力装置を通常の入力装置として動作させる第1のモードと、前記マルチタッチ機能に非対応の入力装置をマルチタッチ装置用の入力装置として動作させる第2のモードと、前記変換装置に設定されるモードを前記第1のモード又は前記第2のモードに切り替える切替手段とを備えていることを特徴とする。かかる構成によれば、マルチタッチ機能に非対応の入力装置を通常の入力装置又はマルチタッチ装置用の入力装置に切り替えることができる。
【0010】
請求項4の変換装置は、請求項3に記載の変換装置において、前記切替手段は、OSD(オンスクリーンディスプレイ)機能によって表示される選択画面上のモード選択の結果、切替スイッチの設定、前記情報処理装置からの切替コマンド、又は前記入力装置からの特定の入力のいずれかに基づいて、前記変換装置に設定されているモードを前記第1のモード又は前記第2のモードに切り替えることを特徴とする。かかる構成によれば、複数のモード切替方法の1つに基づいて、変換装置に設定されているモードを切り替えることができる。
【0011】
請求項5の変換装置は、請求項4に記載の変換装置において、前記変換装置に設定されているモードをユーザに通知する通知手段を備えることを特徴とする。かかる構成によれば、変換装置に設定されているモードをユーザに通知することができる。
【0012】
請求項6の変換装置は、請求項5に記載の変換装置において、前記通知手段は、発光手段による前記変換装置に設定されているモードに対応する発光、表示手段による前記変換装置に設定されているモードの表示、前記情報処理装置に含まれるアプリケーションによる前記変換装置に設定されているモードの表示、OSD(オンスクリーンディスプレイ)機能によって表示される選択画面に含まれる前記変換装置に設定されているモードの表示の少なくとも1つによって、前記変換装置に設定されているモードを前記ユーザに通知することを特徴とする。かかる構成によれば、少なくとも1つの方法によって、変換装置に設定されているモードをユーザに通知することができる。
【0013】
請求項7の変換装置は、請求項3に記載の変換装置において、前記入力手段及び前記出力手段は、前記切替手段によりモードの切替を許容する第1のインタフェースと、前記変換装置に設定されるモードを前記第1のモード又は前記第2のモードのいずれかに固定する第2のインタフェースとを備えることを特徴とする。かかる構成によれば、モードの切替又は固定を入力手段及び出力手段によって決めることができる。
【0014】
請求項8の変換装置は、請求項1に記載の変換装置において、前記変換手段は、前記マルチタッチ機能に非対応の入力装置が複数のポインティングデバイスである場合に、各ポインティングデバイスのデータに含まれる前記ポインティングデバイスのボタンの押下データをマルチタッチ装置のタッチパネルの各押下データに割り当て、各ポインティングデバイスのデータに含まれる相対座標データを絶対座標データに変換し、当該絶対座標データをマルチタッチ装置のタッチパネル上の各押下点の座標データに割り当てることを特徴とする。かかる構成によれば、マルチタッチ機能に非対応の複数のポインティングデバイスから入力する複数のデータをマルチタッチ装置用のデータに正確に変換することができる。
【0015】
請求項9の変換装置は、請求項1に記載の変換装置において、前記変換手段は、前記マルチタッチ機能に非対応の入力装置が複数のキーボードである場合に、各キーボードのデータに含まれる予め決められたキーの押下データをマルチタッチ装置のタッチパネルの各押下データに割り当て、各キーボードのデータに含まれる予め決められた他のキーの押下時間からカーソルの移動量を算出し、当該カーソルの移動量を絶対座標データに変換し、当該絶対座標データをマルチタッチ装置のタッチパネル上の各押下点の座標データに割り当てることを特徴とする。かかる構成によれば、マルチタッチ機能に非対応の複数のキーボードから入力する複数のデータをマルチタッチ装置用のデータに正確に変換することができる。
【0016】
請求項10の変換装置は、請求項1に記載の変換装置において、前記変換手段は、前記マルチタッチ機能に非対応の入力装置がポインティングデバイス及びキーボードである場合に、前記ポインティングデバイスのデータに含まれる前記ポインティングデバイスのボタンの押下データをマルチタッチ装置のタッチパネルの1つの押下データに割り当て、前記ポインティングデバイスのデータに含まれる相対座標データを絶対座標データに変換し、当該絶対座標データをマルチタッチ装置のタッチパネル上の1つの押下点の座標データに割り当て、前記キーボードのデータに含まれる予め決められたキーの押下データをマルチタッチ装置のタッチパネルの他の押下データに割り当て、前記キーボードのデータに含まれる予め決められた他のキーの押下時間からカーソルの移動量を算出し、当該カーソルの移動量を絶対座標データに変換し、当該絶対座標データをマルチタッチ装置のタッチパネル上のたの押下点の座標データに割り当てることを特徴とする。かかる構成によれば、マルチタッチ機能に非対応のポインティングデバイス及びキーボードから入力する複数のデータをマルチタッチ装置用のデータに正確に変換することができる。
【0017】
請求項11の変換装置は、請求項1に記載の変換装置において、前記マルチタッチ機能に非対応の入力装置はポインティングデバイス又はキーボードのいずれか1つであり、前記複数のデータは前記ポインティングデバイスのボタンが押下されているとき及び押下されていないときのデータであるか、又は前記キーボードの予め設定されている複数のキー群のそれぞれから出力されるデータであることを特徴とする。かかる構成によれば、マルチタッチ機能に非対応のポインティングデバイス又はキーボードを使って情報処理装置をマルチタッチ装置として機能させることができる。
【0018】
請求項12のプログラムは、コンピュータを、マルチタッチ機能に非対応の入力装置から複数のデータを入力する入力手段、前記複数のデータをマルチタッチ装置用のデータに変換する変換手段、及び前記変換されたマルチタッチ装置用のデータを情報処理装置に出力する出力手段として機能させることを特徴とする。かかる構成によれば、マルチタッチ機能に非対応の入力装置を使って情報処理装置をマルチタッチ装置として機能させることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、マルチタッチ機能に非対応の入力装置を使って情報処理装置をマルチタッチ装置として機能させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本実施の形態に係る変換装置を含むシステムの構成図である。
【図2】従来のマルチタッチ装置の構成を示す図である。
【図3】選択画面データの一例を示す図である。
【図4】マルチタッチ装置のタッチパネルから出力されるデータの構成を示す図である。
【図5】複数のマウスから出力されるデータがメインマイコンにより変換される状態を示す図である。
【図6】複数のキーボードから出力されるデータがメインマイコンにより変換される状態を示す図である。
【図7】キーボード及びマウスから出力されるデータがメインマイコンにより変換される状態を示す図である。
【図8】1つのマウスから出力される複数のデータがメインマイコンにより変換される状態を示す図である。
【図9】1つのキーボードから出力される複数のデータがメインマイコンにより変換される状態を示す図である。
【図10】モニタの画面の表示例を示す図である。
【図11】マルチタッチ変換装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。
【0022】
図1は、本実施の形態に係る変換装置を含むシステムの構成図である。
【0023】
図1のシステムは、ホストコンピュータ1、モニタ2、マルチタッチ変換装置3(変換装置)、及び複数のコンソール4(入力装置)を備えている。マルチタッチ変換装置3は、ホストコンピュータ1、モニタ2、及び複数のコンソール4に接続されている。各コンソール4は、マウスやタッチパネルのようなポインティングデバイス又はキーボードで構成されている。また、各コンソール4は、インタフェース41を備えている。
【0024】
ホストコンピュータ1は、ホストコンピュータ1の全体の動作を制御するCPU11、CPU11の制御プログラムを格納するメモリ12、各種のデータや情報を格納するハードディスク(HDD)13、マルチタッチ変換装置3とデータの入出力を行う入出力インタフェース16、及びマルチタッチ変換装置3へビデオデータを出力するビデオインタフェース17を備えている。HDD13は、レジストリ14及びアプリケーション15を備えている。レジストリ14は、各コンソールの動作を通常のキーボード及びポインティングデバイスとしての動作又はマルチタッチ装置としての動作に切替えるための設定情報を備えている。ホストコンピュータ1が各コンソールの動作を切り替える場合、CPU11がレジストリ14に格納された設定情報に基づく切替コマンドをマルチタッチ変換装置3に送信する。アプリケーション15は、マルチタッチに対応するソフトウエアであり、CPU11によって実行される。また、アプリケーション15は、マルチタッチ変換装置3に設定されているモードをモニタ2に表示する。入出力インタフェース16は、USB(Universal Serial Bus)インタフェース、シリアルインタフェース、又はPS2インタフェース等で構成されている。
【0025】
図2に示す従来のマルチタッチ装置100は、例えば、ユーザが2本以上の指でタッチパネル101上の複数点を押下しつつ、2本以上の指を動かすことにより、所定の操作を実行することができるマルチタッチ機能を有する。マルチタッチ装置100は、同時に複数の地点のタッチイベントを感知する装置である。
【0026】
図1に戻り、マルチタッチ変換装置3は、マルチタッチ機能に対応していない複数のコンソール4からの複数の入力を、マルチタッチ装置100におけるユーザ入力に変換する。マルチタッチ変換装置3は、モード切替/モード固定インタフェース31(出力手段)、ビデオインタフェース32、メインマイコン33(変換手段、切替手段)、発光部34(通知手段、発光手段)、表示部35(通知手段、表示手段)、切替スイッチ36(切替手段)、記憶媒体37、及びモード切替/モード固定インタフェース38(入力手段)を備えている。メインマイコン33は、モード切替/モード固定インタフェース31、ビデオインタフェース32、発光部34、表示部35、切替スイッチ36、記憶媒体37、及びモード切替/モード固定インタフェース38に接続されている。
【0027】
モード切替/モード固定インタフェース31,38の各々は、モード切替インタフェース(第1のインタフェース)及びモード固定インタフェース(第2のインタフェース)を備え、メインマイコン33からの指示によって使用すべきインタフェースをモード切替インタフェース及びモード固定インタフェースのいずれかに切り替える。また、モード切替/モード固定インタフェース31は、後述するようにメインマイコン3で変換されたデータをホストコンピュータ1に出力する。モード切替/モード固定インタフェース38は、コンソール4から出力されるデータを入力する。
【0028】
尚、マルチタッチ変換装置3に設定されるモードは、通常モード(第1のモード)又はマルチタッチモード(第2のモード)である。通常モードは、マルチタッチ変換装置3がコンソール4の動作を通常のポインティングデバイス又はキーボードの動作として認識するモードである。換言すれば、通常モードは、マルチタッチ変換装置3がポインティングデバイス及び/又はキーボードからの複数の入力データを通常の複数の入力データとして処理するモードである。マルチタッチモードは、マルチタッチ変換装置3がコンソール4の動作をマルチタッチ装置の動作として認識するモードである。換言すれば、マルチタッチモードは、マルチタッチ変換装置3がポインティングデバイス及び/又はキーボードからの複数の入力データをマルチタッチ装置の入力データに変換するモードである。
【0029】
モード切替インタフェースは、通常モードとマルチタッチモードとの切替が可能なインタフェースであり、モード固定インタフェースは、通常モードとマルチタッチモードとのいずれかに固定されるインタフェースである。
【0030】
ユーザがモードの切替を使用しない場合(即ち、設定されるモードを通常モード又はマルチタッチモードに固定する場合)は、ユーザがホストコンピュータ1の入出力インタフェース15及びコンソール4のインタフェース41を通常モード又はマルチタッチモードのモード固定インタフェースに接続する。
【0031】
ビデオインタフェース32は、ホストコンピュータ1からの画像データをモニタ2に出力する、又はホストコンピュータ1からの画像データに、通常モード又はマルチタッチモードのいずれかを選択するための選択画面データを重ね合わせて、選択画面データが重ね合わされた画像データをモニタ2に出力する。このように、情報(ここでは、選択画面データ)を画像データに重ねてモニタ上に表示し、情報の設定を行う機能をOSD(On-screen display)機能という。上記選択画面データは、図3に示すように、現在のモード設定の情報及びモード選択用の情報を含み、記憶媒体17に格納されている。選択画面データは、コンソール4からの特定のキー入力に応じて、メインマイコン33により記憶媒体17から読み出され、ビデオインタフェース32に送信される。
【0032】
図1に戻り、メインマイコン33は、マルチタッチ変換装置3の全体動作を制御する。また、メインマイコン33は、マルチタッチモードにおいて、ポインティングデバイス及び/又はキーボードからの複数の入力データをマルチタッチ装置の入力データに変換し、変換された入力データをホストコンピュータ1に出力する。メインマイコン33は、通常モードにおいて、ポインティングデバイス及び/又はキーボードからの複数の入力データを通常の複数の入力データとしてホストコンピュータ1に出力する。
【0033】
また、メインマイコン33は、選択画面データのモード選択の結果、切替スイッチ36の設定、ホストコンピュータ1からのコマンド、又はコンソール4からの特定の入力(例えば、通常モード又はマルチタッチモードのいずれかを選択するキー入力)に基づいて、現在設定されているモードを通常モード又はマルチタッチモードのいずれかに切り替える、即ち、コンソール4の動作を通常の入力装置としての動作又はマルチタッチ装置としての動作のいずれかに切り替える。
【0034】
発光部34は、ランプ又はLED(Light Emitting Diode)等で構成されており、現在のマルチタッチ変換装置3に設定されているモード(通常モード又はマルチタッチモードのいずれか一方)を点灯によりユーザに通知する。例えば、通常モードが設定されている場合には、通常モードに対応するランプ又はLEDが発光し、マルチタッチモードが設定されている場合には、マルチタッチモードに対応するランプ又はLEDが発光する。発光の指示は、メインマイコン33から発光部34に送信される。または、通常モード又はマルチタッチモードのいずれか一方が設定されている場合に、ランプ又はLEDが点灯し、通常モード又はマルチタッチモードの他方が設定されている場合に、そのランプ又はそのLEDが点滅してもよい。
【0035】
表示部35は、LCD(Liquid Crystal Display)で構成されており、現在マルチタッチ変換装置3に設定されるモード(通常モード又はマルチタッチモードのいずれか一方)をユーザに通知する。例えば、表示部35には、「通常モード」又は「マルチタッチモード」の文字が表示される。各文字のデータは、メインマイコン33から表示部35に送信される。
【0036】
切替スイッチ36は、物理的なスイッチである。ユーザは、切替スイッチ36によって、通常モード又はマルチタッチモードのいずれかを選択することができる。メインマイコン33は、切替スイッチ36の状態を確認し、選択されているモード設定を記憶媒体37に保存する。記憶媒体37は、上記選択画面データ、現在のモード設定、及びモード変更用のプログラムなどを記憶している。
【0037】
ユーザは、現在のモード設定を発光部34の発光、表示部35の表示、ホストコンピュータ1のアプリケーション15によるモニタ表示、又はOSD機能による選択画面データの表示の少なくともいずれか1つによって確認することができる。
【0038】
図4は、マルチタッチ装置100のタッチパネルから出力されるデータの構成を示す図である。
【0039】
図4において、「識別番号」は、ユーザがマルチタッチ装置100のタッチパネル上のタッチしている点を識別するための番号である。「SW」は、マルチタッチ装置100のタッチパネルの押下状態を示す。ユーザがタッチパネルを押下している場合は、「SW」はONになり、ユーザがタッチパネルを押下していない場合は、「SW」はOFFになる。「X座標」及び「Y座標」は、ユーザがマルチタッチ装置100のタッチパネル101上のタッチしている点の絶対座標(X、Y)を示す。
【0040】
マルチタッチ変換装置3は、コンソール4(ポインティングデバイス又はキーボード)からのデータをマルチタッチ装置100のタッチパネル101から出力されるデータに変換する。
【0041】
以下、ポインティングデバイス又はキーボードからのデータをマルチタッチ装置のタッチパネルから出力されるデータに変換するパターンを説明する。各変換パターンの設定は、マルチタッチ変換装置3のメインマイコン33で変更することができる。ここでは、ポインティングデバイスとしてマウスを使用する。
【0042】
(パターン1)
図5は、複数のマウスから出力されるデータがメインマイコンにより変換される状態を示す図である。パターン1では、マルチタッチ変換装置3に複数のマウス42,43が接続され、マウス42から出力されるデータの識別番号を「1」とし、マウス43から出力されるデータの識別番号を「2」とする。
【0043】
このとき、図5に示すように、マウス42は、「SW1」、「X相対座標1」、「Y相対座標1」を出力し、マウス43は、「SW2」、「X相対座標2」、「Y相対座標2」を出力する。「SW1」及び「SW2」は、それぞれマウス42及び43の左ボタンが押下されながら、操作されたときに、「ON」になる。マウス42及び43の左ボタンが押下されていない場合は、「SW1」及び「SW2」は「OFF」になる。
【0044】
「X相対座標1」及び「Y相対座標1」は、メインマイコン33によって、絶対座標である「X座標1」、「Y座標1」に変換される。例えば、メインマイコン33は基準点の絶対座標に相対座標を順次加算することによって、マウス移動後の絶対座標の値を算出する。同様に、「X相対座標2」及び「Y相対座標2」は、メインマイコン33によって、絶対座標である「X座標2」、「Y座標2」に変換される。尚、相対座標は、各マウスの移動量を示し、絶対座標は、モニタ2上での位置を示す。例えば、絶対座標は、モニタ2の画面上の左下端を基準点(0,0)とする。
【0045】
図5の変換後のデータは、2セットの「識別番号」、「SW」、「X座標」及び「Y座標」のデータになるため、図4に示すマルチタッチ装置100のタッチパネル101から出力されるデータのフォーマットと同様になる。
【0046】
また、変換後のデータは、メインマイコン33からホストコンピュータ1のアプリケーション15に送信される。ホントコンピュータ1のアプリケーション15は、前回の変換後のデータ(単位時間(例えば、0.1秒)経過前の変換後のデータ)と今回の変換後のデータとを比較する。アプリケーション15は、例えば、両マウス42,43の距離が拡大している場合には、両マウス42,43で囲まれる領域(例えば、両マウス42,43のマウスカーソルを通過する円領域又は矩形領域)の表示を拡大する。アプリケーション15は、両マウス42,43の距離が縮小している場合には、両マウス42,43で囲まれる領域(例えば、両マウス42,43のマウスカーソルを通過する円領域又は矩形領域)の表示を縮小する。また、マウス42のY座標がマウス43のY座標より大きく、マウス42のX座標が減少し、マウス43のX座標が増加する場合、アプリケーション15は、両マウス42,43で囲まれる領域(例えば、両マウス42,43のマウスカーソルを通過する円領域又は矩形領域)の表示を半時計回りに回転する。マウス42のY座標がマウス43のY座標より大きく、マウス42のX座標が増加し、マウス43のX座標が減少する場合、アプリケーション15は、両マウス42,43で囲まれる領域(例えば、両マウス42,43のマウスカーソルを通過する円領域又は矩形領域)の表示を時計回りに回転する。
【0047】
このように、ホントコンピュータ1のアプリケーション15は、メインマイコン33から出力される変換後のデータに応じて、拡大、縮小、回転などのアプリケーションの機能を実行する。尚、ホントコンピュータ1は、メインマイコン33から出力される変換後のデータと割り当てられるアプリケーションの機能との関係を変更できる。また、拡大、縮小、回転などのアプリケーションの機能は一例である。また、後述するパターンでも、ホントコンピュータ1のアプリケーション15は、メインマイコン33から出力される変換後のデータに応じて、拡大、縮小、回転などのアプリケーションの機能を実行する。
【0048】
(パターン2)
図6は、複数のキーボードから出力されるデータがメインマイコンにより変換される状態を示す図である。パターン2では、マルチタッチ変換装置3に複数のキーボード44,45が接続され、キーボード44から出力されるデータの識別番号を「1」とし、キーボード45から出力されるデータの識別番号を「2」とする。
【0049】
メインマイコン33は、キーボード44,45の複数のキーに「SW」、「X座標」及び「Y座標」を割り当てる。例えば、メインマイコン33は、10キーの「5」キーに「SW」を割り当て、「5」キーが押下されたときに、「SW」はONになる。「5」キーが押下されていないときは、「SW」はOFFになる。また、メインマイコン33は、10キーの「4」キーにマウスカーソルの左方向の移動(「X座標」)を割り当て、10キーの「6」キーにマウスカーソルの右方向の移動(「X座標」)を割り当てる。同様に、メインマイコン33は、10キーの「8」キーにマウスカーソルの上方向の移動(「Y座標」)を割り当て、10キーの「2」キーにマウスカーソルの下方向の移動(「Y座標」)を割り当てる。
【0050】
メインマイコン33は、各キー(「5」キーと「4」キー、「6」キー、「8」キー、又は「2」キー)の押下状態の継続時間からマウスカーソルの移動量を算出し、算出された移動量を絶対座標である「X座標1」、「Y座標1」、「X座標2」又は「Y座標2」に変換する。尚、予め設定されている単位時間(例えば、0.1秒)あたりのマウスカーソルの移動量の情報は、予め記憶媒体37に設定されており、メインマイコン33は、キーの押下状態の継続時間及び予め設定されている単位時間あたりのマウスカーソルの移動量の情報を使ってマウスカーソルの移動量を算出する。メインマイコン33は基準点の絶対座標にマウスカーソルの移動量を順次加算することによって、マウスカーソル移動後の絶対座標の値を算出する。絶対座標の基準点(0,0)は、例えばモニタ2の画面上の左下端である。
【0051】
上述したキー以外のキー入力は、通常のデータとしてマルチタッチ変換装置3に出力される。図6の変換後のデータも、2セットの「識別番号」、「SW」、「X座標」及び「Y座標」のデータになるため、図4に示すマルチタッチ装置100のタッチパネル101から出力されるデータのフォーマットと同様になる。
【0052】
(パターン3)
図7は、キーボード及びマウスから出力されるデータがメインマイコンにより変換される状態を示す図である。パターン3は、パターン1とパターン2の組み合わせである。マルチタッチ変換装置3にマウス42及びキーボード45が接続され、マウス42から出力されるデータの識別番号を「1」とし、キーボード45から出力されるデータの識別番号を「2」とする。
【0053】
マウス42から出力される「X相対座標1」及び「Y相対座標1」は、メインマイコン33によって、絶対座標である「X座標1」、「Y座標1」に変換される。また、メインマイコン33は、上述したように、キーボード45の複数のキーに「SW」、「X座標」及び「Y座標」を割り当て、各キーの押下状態の継続時間からマウスカーソルの移動量を算出し、算出された移動量を絶対座標である「X座標2」又は「Y座標2」に変換する。図7の変換後のデータも、2セットの「識別番号」、「SW」、「X座標」及び「Y座標」のデータになるため、図4に示すマルチタッチ装置100のタッチパネル101から出力されるデータのフォーマットと同様になる。
【0054】
(パターン4)
図8は、1つのマウスから出力される複数のデータがメインマイコンにより変換される状態を示す図である。パターン4では、マルチタッチ変換装置3にマウス42が接続され、マウス42の中ボタン(即ちセンターボタン)が押下されていないときにマウス42から出力されるデータの識別番号を「1」とし、マウス42の中ボタンが押下されているときにマウス42から出力されるデータの識別番号を「2」とする。尚、マウス42は、右ボタン、左ボタン、中ボタンを有する。
【0055】
このとき、図8に示すように、中ボタンが押下されていないマウス42は、「SW1」、「X相対座標1」、「Y相対座標1」を出力し、中ボタンが押下されているマウス42は、「SW2」、「X相対座標2」、「Y相対座標2」を出力する。「SW1」及び「SW2」は、マウス42の左ボタンが押下されながら、操作されたときに、「ON」になる。マウス42左ボタンが押下されていない場合は、「SW1」及び「SW2」は「OFF」になる。
【0056】
中ボタンが押下されていないマウス42の「X相対座標1」及び「Y相対座標1」は、メインマイコン33によって、絶対座標である「X座標1」、「Y座標1」に変換される。例えば、メインマイコン33は基準点の絶対座標に相対座標を順次加算することによって、マウス移動後の絶対座標の値を算出する。同様に、中ボタンが押下されているマウス42の「X相対座標2」及び「Y相対座標2」は、メインマイコン33によって、絶対座標である「X座標2」、「Y座標2」に変換される。
【0057】
図8の変換後のデータも、2セットの「識別番号」、「SW」、「X座標」及び「Y座標」のデータになるため、図4に示すマルチタッチ装置100のタッチパネル101から出力されるデータのフォーマットと同様になる。
【0058】
(パターン5)
図9は、1つのキーボードから出力される複数のデータがメインマイコンにより変換される状態を示す図である。パターン5では、マルチタッチ変換装置3にキーボード44が接続され、キーボード44の第1のキー群から出力されるデータの識別番号を「1」とし、キーボード44の第2のキー群から出力されるデータの識別番号を「2」とする。例えば、第1のキー群は、10キーの「5」キー、「4」キー、「6」キー、「8」キー及び「2」キーとし、第2のキー群は、「Ctrl」キー、「←」キー、「→」キー、「↑」キー、及び「↓」キーとする。
【0059】
尚、第1及び第2のキー群は一例であり、例えば、「SW」、「X座標」及び「Y座標」の各々に割り当てられるキーは、1つに限定されるわけではなく、複数のキーの組み合わせでもよい。例えば、メインマイコン33は、「Ctrl」キー及び「5」キーの組み合わせに「SW」を割り当ててもよい。
【0060】
メインマイコン33は、キーボード44の第1のキー群に含まれる複数のキーに「SW」、「X座標」及び「Y座標」を割り当てる。例えば、メインマイコン33は、10キーの「5」キーに「SW」を割り当て、「5」キーが押下されたときに、「SW」はONになる。「5」キーが押下されていないときは、「SW」はOFFになる。また、メインマイコン33は、10キーの「4」キーにマウスカーソルの左方向の移動(「X座標」)を割り当て、10キーの「6」キーにマウスカーソルの右方向の移動(「X座標」)を割り当てる。さらに、メインマイコン33は、10キーの「8」キーにマウスカーソルの上方向の移動(「Y座標」)を割り当て、10キーの「2」キーにマウスカーソルの下方向の移動(「Y座標」)を割り当てる。
【0061】
同様に、メインマイコン33は、キーボード44の第2のキー群に含まれる複数のキーに「SW」、「X座標」及び「Y座標」を割り当てる。例えば、メインマイコン33は、「Ctrl」キーに「SW」を割り当て、「Ctrl」キーが押下されたときに、「SW」はONになる。「Ctrl」キーが押下されていないときは、「SW」はOFFになる。また、メインマイコン33は、「←」キーにマウスカーソルの左方向の移動(「X座標」)を割り当て、「→」キーにマウスカーソルの右方向の移動(「X座標」)を割り当てる。さらに、メインマイコン33は、「↑」キーにマウスカーソルの上方向の移動(「Y座標」)を割り当て、10キーの「↓」キーにマウスカーソルの下方向の移動(「Y座標」)を割り当てる。
【0062】
メインマイコン33は、各キーの押下状態の継続時間からマウスカーソルの移動量を算出し、算出された移動量を絶対座標である「X座標1」、「Y座標1」、「X座標2」又は「Y座標2」に変換する。尚、予め設定されている単位時間(例えば、0.1秒)あたりのマウスカーソルの移動量の情報は、予め記憶媒体37に設定されており、メインマイコン33は、キーの押下状態の継続時間及び予め設定されている単位時間あたりのマウスカーソルの移動量の情報を使ってマウスカーソルの移動量を算出する。メインマイコン33は、基準点の絶対座標にマウスカーソルの移動量を順次加算することによって、マウスカーソル移動後の絶対座標の値を算出する。絶対座標の基準点(0,0)は、例えばモニタ2の画面上の左下端である。
【0063】
上述したキー以外のキー入力は、通常のデータとしてマルチタッチ変換装置3に出力される。図9の変換後のデータも、2セットの「識別番号」、「SW」、「X座標」及び「Y座標」のデータになるため、図4に示すマルチタッチ装置100のタッチパネル101から出力されるデータのフォーマットと同様になる。
【0064】
図10は、モニタの画面の表示例を示す図である。図10は、アプリケーション15により2つのマウスカーソル61,62がモニタ2の画面に表示されている状態を示す。また、図10では、現在のモードがマルチタッチモードであることを示している。
【0065】
マルチタッチ変換装置3にマウス42,43を接続した場合、通常モード時は、マウス42,43のどちらの動作もマウスカーソル61の動作に反映される。通常モードがマルチタッチモードに変更されると、マルチタッチ変換装置3は、1台のマルチタッチ装置としてホストコンピュータ1にマウス42,43のデータ(即ち2セットの「識別番号」、「SW」、「X座標」及び「Y座標」のデータ)を送信する。マウス42の操作は、マウスカーソル61の動作に反映され、マウス43の操作は、マウスカーソル62の動作に反映される。少なくとも1つのマウスがキーボードに変更された場合も、マルチタッチモードの場合は、マウスボタンのON/OFF及びマウスカーソルの動作を割り当てられたキー群の操作は、各マウスカーソルの動作に反映される。
【0066】
図11は、マルチタッチ変換装置の動作を示すフローチャートである。
【0067】
マルチタッチ変換装置3の電源が投入されると(ステップS1)、メインマイコン33は、記憶媒体37又は切替スイッチ36の状態から現在のモードが通常モードであるか否かを判別する(ステップS2)。
【0068】
現在のモードが通常モードである場合には(ステップS2でYES)、メインマイコン33は、通常モードの設定を記憶媒体37に保存し、発光部34、表示部35、ホストコンピュータ1のアプリケーション15、又はOSD機能による選択画面データの少なくともいずれか1つに現在のモードを表示させる(ステップS3)。現在のモードがマルチタッチモードである場合には(ステップS2でNO)、メインマイコン33は、通常モードの設定を記憶媒体37に保存し、発光部34、表示部35、ホストコンピュータ1のアプリケーション15、又はOSD機能による選択画面データの少なくともいずれか1つに現在のモードを表示させる(ステップS4)。
【0069】
その後、メインマイコン33は、選択画面データのモード選択の結果、切替スイッチ36の設定、ホストコンピュータ1からの切替コマンド、又はコンソール4からの特定の入力によりモードの切替が行われたか否かを判別する(ステップS5)。
【0070】
モードの切替が行われた場合には(ステップS5でYES)、ステップS2に戻る。モードの切替が行われていない場合には(ステップS5でNO)、メインマイコン33は、コンソール4からのデータ入力があるか否かを判別する(ステップS6)。
【0071】
コンソール4からのデータ入力がない場合には(ステップS6でNO)、ステップS5に戻る。コンソール4からのデータ入力がある場合には(ステップS6でYES)、メインマイコン33は、記憶媒体37又は切替スイッチ36の状態から現在のモードが通常モードであるか否かを判別する(ステップS7)。
【0072】
現在のモードが通常モードである場合には(ステップS7でYES)、メインマイコン33は、コンソール4からのデータをホストコンピュータ1へ送信し(ステップS8)、ステップS5に戻る。現在のモードがマルチタッチモードである場合には(ステップS7でNO)、メインマイコン33は、コンソール4からのデータをマルチタッチ装置のデータ(上述した2セットの「識別番号」、「SW」、「X座標」及び「Y座標」のデータ)に変換し、変換したデータをホストコンピュータ1へ送信して(ステップS8)、ステップS5に戻る。マルチタッチ変換装置3の電源がOFFになるまで、ステップS5〜ステップS8,S9のループ処理は実行される。
【0073】
尚、モード切替/モード固定インタフェース31又は38が、モード固定インターフェースの場合は、ステップS5の判定は実行されず、ステップS2,S7で、メインマイコン33がモード固定インターフェースが通常モードであるか否かを判別する。その他の処理は、上記処理と同様である。
【0074】
本実施の形態によれば、マルチタッチ変換装置3は、マルチタッチに非対応の入力装置(即ちコンソール4)を接続した場合でも、マルチタッチ対応の入力装置としての動作を実行することができる。つまり、マルチタッチ変換装置3は、マルチタッチ機能に非対応の入力装置を使ってホストコンピュータ1をマルチタッチ装置として機能させることができる。特に、キーボード又はマウスのような、従来から使用される入力装置がマルチタッチ変換装置3に接続される場合でも、マルチタッチ機能を実現することができる。
【0075】
マルチタッチ変換装置3の機能を実現するためのソフトウェアのプログラムが記録されている記録媒体を、マルチタッチ変換装置3に供給し、メインマイコン33が記憶媒体に格納されたプログラムを読み出し実行することによっても、上記実施の形態と同様の効果を奏する。プログラムを供給するための記憶媒体としては、例えば、CD−ROM、DVD、又はSDカードなどがある。
【0076】
また、コンピュータが、マルチタッチ変換装置3の機能を実現するためのソフトウェアのプログラムを実行することによっても、上記実施の形態と同様の効果を奏する。
【0077】
尚、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々変形して実施することが可能である。
【符号の説明】
【0078】
1 ホストコンピュータ
2 モニタ
3 マルチタッチ変換装置
4 コンソール
31,38 モード切替/モード固定インタフェース
32 ビデオインタフェース
33 メインマイコン
34 発光部
35 表示部
36 切替スイッチ
37 記憶媒体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチタッチ機能に非対応の入力装置から複数のデータを入力する入力手段と、
前記複数のデータをマルチタッチ装置用のデータに変換する変換手段と、
前記変換されたマルチタッチ装置用のデータを情報処理装置に出力する出力手段と
を備えることを特徴とする変換装置。
【請求項2】
前記マルチタッチ機能に非対応の入力装置は複数のポインティングデバイス、複数のキーボード、又はポインティングデバイス及びキーボードの組み合わせのいずれか1つであり、前記複数のデータは前記複数のポインティングデバイス、前記複数のキーボード又は前記ポインティングデバイス及び前記キーボードの組み合わせのいずれか1つからそれぞれ出力されることを特徴とする請求項1に記載の変換装置。
【請求項3】
前記マルチタッチ機能に非対応の入力装置を通常の入力装置として動作させる第1のモードと、
前記マルチタッチ機能に非対応の入力装置をマルチタッチ装置用の入力装置として動作させる第2のモードと、
前記変換装置に設定されるモードを前記第1のモード又は前記第2のモードに切り替える切替手段と
を備えていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の変換装置。
【請求項4】
前記切替手段は、OSD(オンスクリーンディスプレイ)機能によって表示される選択画面上のモード選択の結果、切替スイッチの設定、前記情報処理装置からの切替コマンド、又は前記入力装置からの特定の入力のいずれかに基づいて、前記変換装置に設定されているモードを前記第1のモード又は前記第2のモードに切り替えることを特徴とする請求項3に記載の変換装置。
【請求項5】
前記変換装置に設定されているモードをユーザに通知する通知手段を備えることを特徴とする請求項4に記載の変換装置。
【請求項6】
前記通知手段は、発光手段による前記変換装置に設定されているモードに対応する発光、表示手段による前記変換装置に設定されているモードの表示、前記情報処理装置に含まれるアプリケーションによる前記変換装置に設定されているモードの表示、OSD(オンスクリーンディスプレイ)機能によって表示される選択画面に含まれる前記変換装置に設定されているモードの表示の少なくとも1つによって、前記変換装置に設定されているモードを前記ユーザに通知することを特徴とする請求項5に記載の変換装置。
【請求項7】
前記入力手段及び前記出力手段は、前記切替手段によりモードの切替を許容する第1のインタフェースと、前記変換装置に設定されるモードを前記第1のモード又は前記第2のモードのいずれかに固定する第2のインタフェースとを備えることを特徴とする請求項3に記載の変換装置。
【請求項8】
前記変換手段は、前記マルチタッチ機能に非対応の入力装置が複数のポインティングデバイスである場合に、各ポインティングデバイスのデータに含まれる前記ポインティングデバイスのボタンの押下データをマルチタッチ装置のタッチパネルの各押下データに割り当て、各ポインティングデバイスのデータに含まれる相対座標データを絶対座標データに変換し、当該絶対座標データをマルチタッチ装置のタッチパネル上の各押下点の座標データに割り当てることを特徴とする請求項1に記載の変換装置。
【請求項9】
前記変換手段は、前記マルチタッチ機能に非対応の入力装置が複数のキーボードである場合に、各キーボードのデータに含まれる予め決められたキーの押下データをマルチタッチ装置のタッチパネルの各押下データに割り当て、各キーボードのデータに含まれる予め決められた他のキーの押下時間からカーソルの移動量を算出し、当該カーソルの移動量を絶対座標データに変換し、当該絶対座標データをマルチタッチ装置のタッチパネル上の各押下点の座標データに割り当てることを特徴とする請求項1に記載の変換装置。
【請求項10】
前記変換手段は、前記マルチタッチ機能に非対応の入力装置がポインティングデバイス及びキーボードである場合に、前記ポインティングデバイスのデータに含まれる前記ポインティングデバイスのボタンの押下データをマルチタッチ装置のタッチパネルの1つの押下データに割り当て、前記ポインティングデバイスのデータに含まれる相対座標データを絶対座標データに変換し、当該絶対座標データをマルチタッチ装置のタッチパネル上の1つの押下点の座標データに割り当て、
前記キーボードのデータに含まれる予め決められたキーの押下データをマルチタッチ装置のタッチパネルの他の押下データに割り当て、前記キーボードのデータに含まれる予め決められた他のキーの押下時間からカーソルの移動量を算出し、当該カーソルの移動量を絶対座標データに変換し、当該絶対座標データをマルチタッチ装置のタッチパネル上のたの押下点の座標データに割り当てることを特徴とする請求項1に記載の変換装置。
【請求項11】
前記マルチタッチ機能に非対応の入力装置はポインティングデバイス又はキーボードのいずれか1つであり、前記複数のデータは前記ポインティングデバイスのボタンが押下されているとき及び押下されていないときのデータであるか、又は前記キーボードの予め設定されている複数のキー群のそれぞれから出力されるデータであることを特徴とする請求項1に記載の変換装置。
【請求項12】
コンピュータを、
マルチタッチ機能に非対応の入力装置から複数のデータを入力する入力手段、
前記複数のデータをマルチタッチ装置用のデータに変換する変換手段、及び
前記変換されたマルチタッチ装置用のデータを情報処理装置に出力する出力手段
として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項1】
マルチタッチ機能に非対応の入力装置から複数のデータを入力する入力手段と、
前記複数のデータをマルチタッチ装置用のデータに変換する変換手段と、
前記変換されたマルチタッチ装置用のデータを情報処理装置に出力する出力手段と
を備えることを特徴とする変換装置。
【請求項2】
前記マルチタッチ機能に非対応の入力装置は複数のポインティングデバイス、複数のキーボード、又はポインティングデバイス及びキーボードの組み合わせのいずれか1つであり、前記複数のデータは前記複数のポインティングデバイス、前記複数のキーボード又は前記ポインティングデバイス及び前記キーボードの組み合わせのいずれか1つからそれぞれ出力されることを特徴とする請求項1に記載の変換装置。
【請求項3】
前記マルチタッチ機能に非対応の入力装置を通常の入力装置として動作させる第1のモードと、
前記マルチタッチ機能に非対応の入力装置をマルチタッチ装置用の入力装置として動作させる第2のモードと、
前記変換装置に設定されるモードを前記第1のモード又は前記第2のモードに切り替える切替手段と
を備えていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の変換装置。
【請求項4】
前記切替手段は、OSD(オンスクリーンディスプレイ)機能によって表示される選択画面上のモード選択の結果、切替スイッチの設定、前記情報処理装置からの切替コマンド、又は前記入力装置からの特定の入力のいずれかに基づいて、前記変換装置に設定されているモードを前記第1のモード又は前記第2のモードに切り替えることを特徴とする請求項3に記載の変換装置。
【請求項5】
前記変換装置に設定されているモードをユーザに通知する通知手段を備えることを特徴とする請求項4に記載の変換装置。
【請求項6】
前記通知手段は、発光手段による前記変換装置に設定されているモードに対応する発光、表示手段による前記変換装置に設定されているモードの表示、前記情報処理装置に含まれるアプリケーションによる前記変換装置に設定されているモードの表示、OSD(オンスクリーンディスプレイ)機能によって表示される選択画面に含まれる前記変換装置に設定されているモードの表示の少なくとも1つによって、前記変換装置に設定されているモードを前記ユーザに通知することを特徴とする請求項5に記載の変換装置。
【請求項7】
前記入力手段及び前記出力手段は、前記切替手段によりモードの切替を許容する第1のインタフェースと、前記変換装置に設定されるモードを前記第1のモード又は前記第2のモードのいずれかに固定する第2のインタフェースとを備えることを特徴とする請求項3に記載の変換装置。
【請求項8】
前記変換手段は、前記マルチタッチ機能に非対応の入力装置が複数のポインティングデバイスである場合に、各ポインティングデバイスのデータに含まれる前記ポインティングデバイスのボタンの押下データをマルチタッチ装置のタッチパネルの各押下データに割り当て、各ポインティングデバイスのデータに含まれる相対座標データを絶対座標データに変換し、当該絶対座標データをマルチタッチ装置のタッチパネル上の各押下点の座標データに割り当てることを特徴とする請求項1に記載の変換装置。
【請求項9】
前記変換手段は、前記マルチタッチ機能に非対応の入力装置が複数のキーボードである場合に、各キーボードのデータに含まれる予め決められたキーの押下データをマルチタッチ装置のタッチパネルの各押下データに割り当て、各キーボードのデータに含まれる予め決められた他のキーの押下時間からカーソルの移動量を算出し、当該カーソルの移動量を絶対座標データに変換し、当該絶対座標データをマルチタッチ装置のタッチパネル上の各押下点の座標データに割り当てることを特徴とする請求項1に記載の変換装置。
【請求項10】
前記変換手段は、前記マルチタッチ機能に非対応の入力装置がポインティングデバイス及びキーボードである場合に、前記ポインティングデバイスのデータに含まれる前記ポインティングデバイスのボタンの押下データをマルチタッチ装置のタッチパネルの1つの押下データに割り当て、前記ポインティングデバイスのデータに含まれる相対座標データを絶対座標データに変換し、当該絶対座標データをマルチタッチ装置のタッチパネル上の1つの押下点の座標データに割り当て、
前記キーボードのデータに含まれる予め決められたキーの押下データをマルチタッチ装置のタッチパネルの他の押下データに割り当て、前記キーボードのデータに含まれる予め決められた他のキーの押下時間からカーソルの移動量を算出し、当該カーソルの移動量を絶対座標データに変換し、当該絶対座標データをマルチタッチ装置のタッチパネル上のたの押下点の座標データに割り当てることを特徴とする請求項1に記載の変換装置。
【請求項11】
前記マルチタッチ機能に非対応の入力装置はポインティングデバイス又はキーボードのいずれか1つであり、前記複数のデータは前記ポインティングデバイスのボタンが押下されているとき及び押下されていないときのデータであるか、又は前記キーボードの予め設定されている複数のキー群のそれぞれから出力されるデータであることを特徴とする請求項1に記載の変換装置。
【請求項12】
コンピュータを、
マルチタッチ機能に非対応の入力装置から複数のデータを入力する入力手段、
前記複数のデータをマルチタッチ装置用のデータに変換する変換手段、及び
前記変換されたマルチタッチ装置用のデータを情報処理装置に出力する出力手段
として機能させることを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−257992(P2011−257992A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−132023(P2010−132023)
【出願日】平成22年6月9日(2010.6.9)
【出願人】(501398606)富士通コンポーネント株式会社 (848)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月9日(2010.6.9)
【出願人】(501398606)富士通コンポーネント株式会社 (848)
【Fターム(参考)】
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