説明

変流器を備えた電気機器及びこの電気機器に用いる変流器保護用短絡子

【課題】変流器が使用されないときに、その保護を図るために変流器の二次側を短絡する短絡子を備えた電気機器を提供する。
【解決手段】電気機器本体を変流器と共に収容したケース3に、変流器の二次コイルに接続されたコンタクトを有するレセプタクル4が取り付けられている。レセプタクル4の複数のコンタクトに接続される複数の短絡用接触子11a〜11gを備えた短絡子本体11を絶縁キャップ12内に収容した構造を有する短絡子10が設けられる。短絡子10の絶縁キャップ12は、レセプタクルのコンタクトを保持している絶縁支持物403に被さる形状を有し、レセプタクルボディ401にメタルキャップ20をネジ結合した際に、短絡子10の絶縁キャップ12がメタルキャップ20内に受け入れられて、短絡子本体11とメタルキャップ20との間を絶縁する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケース内に収容された電気機器本体を流れる交流電流を検出する変流器を備えた電気機器及び該電気機器の変流器を保護するために用いる変流器保護用短絡子に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ケース内に電気機器本体が収容された電気機器において、ケース内の電気機器本体を通して流れる交流電流を計測する必要がある場合には、電気機器に変流器を設けて、該変流器の出力を計装用ケーブルを通して、継電器箱等の外部機器に供給するようにしている。
【0003】
例えば、配電系統に設置される遮断器においては、遮断部を収容したケース内に少なくとも2相の線路電流を検出する変流器が収容されていて、これらの変流器の二次側がケースに取り付けたレセプタクルに接続されている。変流器の出力を外部の機器に供給する計装用ケーブルの一端及び他端にはそれぞれプラグ及びレセプタクルが取り付けられていて、該計装用ケーブルの一端のプラグが電気機器のケースに取り付けられたレセプタクルに接続され、計装用ケーブルの他端に取り付けられたレセプタクルが、例えば継電器箱に取り付けられたプラグに接続される。
【0004】
変流器は、測定しようとする電流を流す一次導体と、該一次導体を流れる電流により生じる磁束を流すコアと、該コアに巻回された二次コイルとを備えている。変流器としては、コアを貫通した状態で配置される貫通導体を一次導体として用いる貫通形のものと、コアに巻回されたコイルを一次導体として用いる巻線型のものとがある。
【0005】
貫通形の変流器には、コアを貫通させる導体として専用の貫通導体を設けたものと、測定の対象とする電流が流れる導体そのものを貫通導体として用いるものとがある。電力回路において、大電流を計測する場合には、殆どの場合、貫通形の変流器が用いられるが、本発明が対象とする電気機器に設けられる変流器はいずれの形式のものでも良い。
【0006】
いずれの形式の変流器においても、大電流を計測する場合には、一次導体に通電した状態でその二次側がオープン状態にされると、二次コイルに過電圧が発生して、変流器が焼損したり、感電事故を招いたりするおそれがあるため、変流器の二次側をオープン状態にすることは避けなければならない。そのため、変流器により交流電流を計測する際には、その二次側に負担抵抗を接続して、該負担抵抗の両端の電圧から一次側を流れる電流を検出するようにしている。一般には、継電器箱等の外部機器側に負担抵抗を備えた測定回路を設けて、該測定回路を計装用ケーブルを通して変流器に接続することにより、変流器の二次側がオープン状態にされるのを防いでいる。
【0007】
上記のように、電気機器内に設けられた変流器が計装用ケーブルを通して外部機器内の負担抵抗に接続されている状態では、通常変流器がオープン状態にされることはない。しかしながら、電気機器が外部機器から切り離されて単独で使用されることが想定される場合、例えば、電気機器が外部機器の設置に先行して配電系統に設置されて運転されることが想定される場合には、変流器の二次側がオープン状態にされた場合に備えて、何らかの保護手段を設けておく必要がある。
【0008】
そこで、特許文献1に示されているように、変流器の二次側にダイオードブリッジ全波整流回路と、該整流回路の出力端子間に接続されたトランジスタと、該整流回路の出力電圧が設定値を超えたときに導通してトランジスタにベース電流を流すツェナーダイオードとを備えた保護回路を接続して、変流器の二次側に過電圧が発生したときにツェナーダイオードを導通させてトランジスタをオン状態にすることにより、変流器の二次側を短絡するようにした保護装置が提案されている。しかしながら、このような構成では、多数設けられたダイオードの内の一つでも破損すると、保護動作が行われなくなるため、信頼性に不安がある。
【0009】
また、特許文献2に示されているように、変流器の二次コイルの両端に、電流検出器と避雷器との直列回路と、電流検出器が電流を検出したときに閉じる短絡用接点とを並列に接続して、変流器の二次側に過電圧が発生したときに避雷器を動作させて電流検出器に電流を流すことにより短絡用接点を閉成させて、変流器の二次側を短絡するようにした保護装置も提案されている。しかしながら、このような保護装置によった場合には、電気機器のケース内に配置された各変流器毎に避雷器と電流検出器及び短絡用接点とを設ける必要があるため、電気機器のケース内の構造が複雑になるだけでなく、電気機器のコストが高くなるのを避けられない。
【0010】
そこで、本出願人は、特許文献3に示されているように、変流器の出力を取り出すために電気器のケースに取り付けられたレセプタクルから、計装用ケーブルに取り付けられたプラグが外された状態にあるときに、レセプタクルのコンタクト相互間を短絡する短絡子(短絡プラグ)をレセプタクルに接続して、この短絡子により変流器の二次コイルを短絡するようにした電気機器を提案した。
【0011】
特許文献3に示された電気機器で用いられている短絡子は、レセプタクルの複数のコンタクトにそれぞれ接触する複数の短絡用接触子を有する短絡子本体と、該短絡子本体の端面を覆う絶縁部材と、短絡子本体に接続された絶縁性のつまみとからなっていて、レセプタクルにメタルキャップが取り付けられた状態にあるときに、メタルキャップとレセプタクルとの間に形成された空間に収まる大きさを有するように形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開平10−274663号公報
【特許文献2】特開2007−35808号公報
【特許文献3】特開2010−10322号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
特許文献3に示されたように、計装用ケーブルに取り付けられたプラグがレセプタクルから外された状態にあるときに、レセプタクルに短絡子を接続して、この短絡子により変流器の二次側を短絡するようにしておくと、保護回路や避雷器などを用いることなく、簡単な構造で、かつ故障を心配することなく、変流器の保護を確実に図ることができる。
【0014】
しかしながら、特許文献3に示された電気機器で用いられている短絡子は、その導電部分がむき出しにされたものであったため、変流器の二次側からサージが侵入して短絡子とその近傍のアース電位部(メタルキャップやレセプタクルの金属部分)との間に高電圧が印加されたときに、短絡子とアース電位部との間で絶縁破壊が生じるおそれがあり、信頼性に問題があった。
【0015】
短絡子とアース電位部との間の絶縁強度を高めるために、短絡子とアース電位部との間に十分な絶縁距離を確保するようにレセプタクル及びメタルキャップを構成することも考えられるが、このように構成した場合には、レセプタクル及びメタルキャップが大型化するため好ましくない。
【0016】
本発明の目的は、レセプタクルやメタルキャップの大型化を招くことなく、レセプタクルのコンタクトを短絡する短絡子とその近傍のアース電位部との間の絶縁を強化して信頼性を向上させることができるようにした変流器内蔵型電気機器を提供することにある。
【0017】
本発明の他の目的は、信頼性を損なうことなく、且つレセプタクルやメタルキャップの大型化を招くことなく、変流器内蔵型電気機器のケースに取り付けられたレセプタクルのコンタクト間を短絡して、ケース内の変流器の保護を図ることができる変流器保護用短絡子を提供することにある
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、ケース内に収容された電気機器本体と、電気機器本体を流れる交流電流を計測する変流器と、変流器の二次コイルの出力を取り出すためのコンタクトを含む複数のコンタクトをそれぞれの軸線を平行させた状態で横断面の輪郭が円形を呈する絶縁支持物内に支持した構造を有するコンタクト組立体の絶縁支持物を導電材料からなるレセプタクルボディに支持してなるレセプタクルと、レセプタクルボディにネジ結合されてレセプタクルのコンタクト組立体を覆うメタルキャップとを備え、メタルキャップが外された状態でレセプタクルのコンタクトにプラグのコンタクトが接続されて、該プラグとレセプタクルとを通して変流器の出力が外部の機器に供給される電気機器を対象とする。
【0019】
なお本発明においては、雌型のコンタクトと、該雌型のコンタクトに抜き差し自在に接続される雄型のコンタクトとを用いて電気的な接続を図るコネクタを構成する一対の要素の内の一方をレセプタクルと呼び、他方をプラグと呼ぶ。レセプタクルに設けるコンタクトが雌型で、プラグに設けるコンタクトが雄型であっても良く、レセプタクルに設けるコンタクトが雄型で、プラグ側に設けるコンタクトが雌型であってもよい。但し、レセプタクルに設けられるコンタクトは、絶縁支持物内に収容された状態で設けられるものとする。
【0020】
本発明においては、プラグが外された状態にあるレセプタクルの相互に短絡する必要がある複数のコンタクトにそれぞれ先端側が接触する複数の短絡用接触子を備えて、該複数の短絡用接触子が相互に電気的に接続された構造を有する導電性の短絡子本体と、コンタクト組立体の絶縁支持物に被さる有底円筒状の形状を有して短絡子本体を内側に収容した状態で保持した絶縁キャップとを備えた短絡子が設けられる。そして、短絡子の各短絡用接触子をプラグが外されたレセプタクルの対応するコンタクトに接触させ、絶縁キャップをコンタクト組立体の絶縁支持物に被せた状態で、メタルキャップをレセプタクルボディにネジ結合した際に、短絡子の絶縁キャップがメタルキャップ内に受入れられて短絡子本体とメタルキャップを含むアース電位部との間を絶縁するように構成されている。
【0021】
上記のように構成すると、短絡子の各短絡用接触子をプラグが外されたレセプタクルの対応するコンタクトに接触させ、絶縁キャップをコンタクト組立体の絶縁支持物に被せた状態で、メタルキャップをレセプタクルボディにネジ結合した際に、絶縁キャップにより短絡子本体とアース電位部との間を絶縁することができるため、短絡子本体とアース電位部との間をエアギャップにより絶縁する場合のように、レセプタクル及びメタルキャップの大型化を招くことなく、短絡子とその周囲のアース電位部との間の絶縁を強化して、信頼性を向上させることができる。
【0022】
本発明の好ましい態様では、短絡子本体の複数の短絡用接触子のそれぞれの後端部が導電材料からなるフランジ板に電気的及び機械的に接続されることにより複数の短絡用接触子が一体化される。また短絡子の絶縁キャップは弾力性を有する絶縁材料からなっていて、該絶縁キャップの円筒部の底部寄りに位置させて該円筒部の内周に短絡子係止用溝部が周設される。この場合、短絡子本体は、絶縁キャップ内に収容されて、そのフランジ板の外周寄りの部分が短絡子係止用溝部内に嵌合されることにより絶縁キャップに保持される。本態様においてはまた、絶縁キャップの円筒部の外周に、該円筒部の軸線方向の全長に亘って延びる少なくとも1つの空気抜き溝が形成されていて、短絡子が接続されたレセプタクルのレセプタクルボディにメタルキャップをネジ結合する際に、メタルキャップの内側に受入れられた短絡子の絶縁キャップの円筒部の底部とメタルキャップとの間に形成される空間の空気を空気抜き溝を通して外部に排出し得るように構成されている。
【0023】
上記のように、絶縁キャップを弾力性を有する絶縁材料により構成して、該絶縁キャップの円筒部の内周に形成した短絡子係止用溝部内に短絡子本体のフランジ板の外周寄りの部分を嵌合することにより短絡子本体を絶縁キャップに保持する構造にすると、短絡子の組立を容易にすることができる。またこのように構成すると、絶縁キャップの円筒部の底部寄りの部分をつかんで保持することにより、絶縁キャップから短絡子本体を離脱させることなく、短絡子全体を保持することができるため、短絡子に絶縁性のつまみを設けなくても、短絡子の着脱を行なわせることができ、短絡子の構造を簡単にすることができる。
【0024】
また上記のように、絶縁キャップの円筒部の外周に、該円筒部の軸線方向の全長に亘って延びる少なくとも1つの空気抜き溝を形成しておくと、短絡子が接続されたレセプタクルのレセプタクルボディにメタルキャップをネジ結合する際に、メタルキャップの内側に受入れられた短絡子の絶縁キャップの円筒部の底部とメタルキャップとの間に形成される空間の空気を空気抜き溝を通して外部に排出することができるため、メタルキャップの取り付けを容易に行なわせることができる。従って、メタルキャップの取り付けに支障を来すことなく、絶縁キャップを備えた短絡子をレセプタクルに接続することができる。
【0025】
本発明の他の好ましい態様では、レセプタクルに短絡子を接続した状態で、短絡子の絶縁キャップの円筒部の底部寄りの部分がレセプタクルボディの端面よりも外方に突出した状態で配置されるように、レセプタクルのコンタクト組立体の寸法と短絡子の寸法とが設定されている。
【0026】
上記のようにレセプタクルのコンタクト組立体の寸法と短絡子の寸法とを設定しておくと、レセプタクルに短絡子を接続した状態で、短絡子の絶縁キャップの円筒部の少なくとも底部寄りの部分をレセプタクルボディの端面よりも外方に突出させた状態で配置することができるため、短絡子の絶縁キャップの底部寄りの部分を、その内側の短絡子本体とともに、手や工具によりつかんで、短絡子の着脱を容易に行なわせることができる。従って短絡子に絶縁材料からなるつまみを設けなくても、短絡子の着脱を容易に行なわせることができ、短絡子の構造を簡単にすることができる。
【0027】
上記短絡子を接続するレセプタクルは、変流器の二次コイルに一端が電気的に接続された計装用ケーブルの他端に取り付けられていてもよく、変流器が設けられた電気機器のケースに取付けられていても良い。
【0028】
本発明はまた、ケース内に収容された電気機器本体と、電気機器本体を流れる交流電流を計測する変流器と、前記変流器の二次コイルの出力を取り出すためのコンタクトを含む複数のコンタクトをそれぞれの軸線を平行させた状態で横断面の輪郭が円形を呈する絶縁支持物内に支持した構造を有するコンタクト組立体の前記絶縁支持物を導電材料からなるレセプタクルボディに支持してなるレセプタクルと、前記レセプタクルボディにネジ結合されて前記レセプタクルのコンタクト組立体を覆うメタルキャップとを備え、前記メタルキャップが外された状態で前記レセプタクルのコンタクトにプラグのコンタクトが接続されて、該プラグと前記レセプタクルとを通して前記変流器の出力が外部の機器に供給される電気機器の、前記レセプタクルからプラグが外されているときに前記変流器を保護するために前記プラグに代えて前記レセプタクルに接続される変流器保護用短絡子を対象とする。
【0029】
本発明に係わる短絡子は、プラグが外された状態にあるレセプタクルの相互に短絡する必要がある複数のコンタクトにそれぞれ接触する複数の短絡用接触子を備えて該複数の短絡用接触子が相互に電気的に接続された構造を有する金属製の短絡子本体と、レセプタクルのコンタクト組立体の絶縁支持物に被さる有底円筒状の形状を有して短絡子本体を内側に収容した状態で保持した絶縁キャップとを備えていて、短絡子本体の各短絡用接触子をプラグが外されたレセプタクルの対応するコンタクトに接触させ、絶縁キャップをコンタクト組立体の露呈された部分に被せた状態で、メタルキャップをレセプタクルボディにネジ結合した際に、絶縁キャップがメタルキャップ内に受入れられて短絡子本体とメタルキャップとの間を絶縁するように構成されている。
【0030】
本発明の好ましい態様では、短絡子本体の複数の短絡用接触子が、それぞれの後端部を導電材料からなるフランジ板に電気的及び機械的に接続して一体化した構造を有する。また、絶縁キャップは弾力性を有する絶縁材料からなっていて、該絶縁キャップの円筒部の底部寄りに位置させて該円筒部の内周に短絡子係止用溝部が周設されている。この場合、短絡子本体は、絶縁キャップ内に収容されて、フランジ板の外周寄りの部分が短絡子係止用溝部内に嵌合されることにより絶縁キャップに保持される。また本態様では、絶縁キャップの円筒部の外周に、該円筒部の軸線方向の全長に亘って延びる少なくとも1つの空気抜き溝が形成され、短絡子が接続されたレセプタクルのレセプタクルボディにメタルキャップをネジ結合する際に、メタルキャップの内側に受入れられた短絡子の絶縁キャップの円筒部の底部とメタルキャップとの間に形成される空間の空気を空気抜き溝を通して外部に排出し得るように構成されている。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、短絡子の各短絡用接触子をプラグが外されたレセプタクルの対応するコンタクトに接触させ、絶縁キャップをコンタクト組立体の絶縁支持物に被せた状態で、メタルキャップをレセプタクルボディにネジ結合した際に、絶縁キャップにより短絡子本体とアース電位部との間を絶縁することができるため、短絡子本体とアース電位部との間をエアギャップにより絶縁する場合のように、レセプタクル及びメタルキャップの大型化を招くことなく、短絡子とその周囲のアース電位部との間の絶縁を強化して、信頼性を向上させることができる。
【0032】
本発明において、絶縁キャップを弾力性を有する絶縁材料により構成して、該絶縁キャップの円筒部の内周に形成した短絡子係止用溝部内に短絡子本体のフランジ板の外周寄りの部分を嵌合することにより短絡子本体を絶縁キャップに保持する構造にした場合には、短絡子の組立を容易にすることができる。またこのように構成した場合には、絶縁キャップの円筒部の底部寄りの部分をつかんで保持することにより、絶縁キャップから短絡子本体を離脱させることなく、短絡子全体を保持することができるため、短絡子に絶縁性のつまみを設けなくても、短絡子の着脱を行なわせることができ、短絡子の構造を簡単にすることができる。
【0033】
また本発明において、絶縁キャップの円筒部の外周に、該円筒部の軸線方向の全長に亘って延びる少なくとも1つの空気抜き溝を形成した場合には、短絡子が接続されたレセプタクルのレセプタクルボディにメタルキャップをネジ結合する際に、メタルキャップの内側に受入れられた短絡子の絶縁キャップの円筒部の底部とメタルキャップとの間に形成される空間の空気を空気抜き溝を通して外部に排出することができるため、メタルキャップの取り付けに支障を来すことなく、絶縁キャップを備えた短絡子をレセプタクルに接続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の実施形態で用いるメタルキャップ、短絡子及びレセプタクルを別々に示した断面図である。
【図2】本実施形態で用いる短絡子をレセプタクルに接続した状態を、レセプタクルに取り付ける前のメタルキャップとともに示した断面図である。
【図3】本実施形態で用いるレセプタクルに短絡子を接続し、更にレセプタクルにメタルキャップを取り付けた状態を示した断面図である。
【図4】本実施形態で用いるレセプタクルの上面図である。
【図5】(A)は本実施形態で用いる短絡子本体の上面図、(B)は(A)のB−B線に沿った断面図である。
【図6】(A)及び(B)はそれぞれ本実施形態で用いる短絡子の絶縁キャップの上面図及び縦断面図である。
【図7】本実施形態の電気機器の電気的構成を示した結線図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
本実施形態に係わる電気機器は、配電系統において高圧配電線の末端付近に配置されて配電線に直列に挿入される遮断器である。この遮断器は、図7に示されているように、U,V,W三相の遮断部1uないし1wを有する遮断器本体1と、遮断器本体1の三相の遮断部1uないし1wにそれぞれ直列に接続された導体2uないし2wと、導体2u及び2wをそれぞれ一次導体とするように設けられて導体2u及び2wを通して流れるU相及びW相の線路電流をそれぞれ測定する貫通型の変流器CTu及びCTwとを備えている。遮断器本体1、導体2u〜2w及び変流器CTu及びCTw等の機器(電気機器本体)は、金属製のケース3内に収容されている。ケース3の側壁には、メタルコネクタを構成するレセプタクル4′が、計装用ケーブルに取り付けられたプラグ(図示せず。)を外部から接続し得るようにして取り付けられている。
【0036】
ケース3に取付けられたレセプタクル4′は、導電性の材料により形成されたレセプタクルボディ(図示せず。)に固定された絶縁支持物403′と、絶縁支持物403′内に保持されたコンタクト4a′ないし4g′とからなる公知のものであり、コンタクト4a′ないし4g′は、リード線を通して、ケース3内の機器に接続されている。
【0037】
図7に示した例では、コンタクト4b′及び4g′が変流器CTuの二次コイルの両端に接続され、中央のコンタクト4a′が変流器CTuの二次コイルのセンタタップに接続されている。またコンタクト4e′及び4g′が変流器CTwの二次コイルの両端に接続され、コンタクト4f′が変流器CTwの二次コイルのセンタタップに接続されている。更に図示の例では、コンタクト4c′及び4d′が遮断部1uないし1wを開く際に励磁されるトリップコイル5の両端に接続されている。トリップコイル5の両端には、ダイオード6が接続されている。
【0038】
遮断器のケース3に取付けられたレセプタクルには、図示しない計装用ケーブルの一端に取付けられたプラグが接続される。計装用ケーブルの他端には、図1の最下部及び図4に示されたレセプタクル4が取り付けられ、このレセプタクル4が、図示しない継電器箱に取付けられたプラグに接続されることにより、変流器CTu及びCTwの二次コイルの出力が継電器箱内の回路に供給される。
【0039】
計装用ケーブルの他端に取り付けられたレセプタクル4は、導電性材料からなるレセプタクルボディ401と、レセプタクルボディ401に支持されたコンタクト組立体402とからなっている。レセプタクルボディ401は、横断面の輪郭形状が円形を呈するように形成されていて、その一方の軸線方向端面401aには環状の溝部401bが形成され、この溝部401bの外周部を画定する周壁部401cの内周面に、後記するメタルキャップをネジ結合するために用いる雌ネジ部401dが形成されている。
【0040】
コンタクト組立体402は、絶縁支持物403と、絶縁支持物403内に保持されたコンタクト4aないし4gとからなっている。絶縁支持物403は、横断面の輪郭形状が円形を呈するように形成されていて、その中心軸線をレセプタクルボディ401の中心軸線に一致させた状態で、その後端部寄りの部分がレセプタクルボディ401の内周に固定されている。図示の例では、絶縁支持物403の後端部寄りの部分に外径が縮小された首下部403aが形成され、この首下部403aがレセプタクルボディ401の内周部に嵌合された状態で、適宜の手段によりレセプタクルボディ401に固定されている。
【0041】
絶縁支持物403の首下部403aよりも先端側に形成された絶縁支持物の頭部403bは、レセプタクルボディ401の一方の軸線方向端面401aより外方に突出した状態で配置されていて、絶縁支持物403の頭部403bの先端側の端面403b1が、レセプタクルボディ401の端面401aを越えた位置に配置されている。
【0042】
絶縁支持物403には、その中心部を軸線方向に貫通した1つの貫通孔404aと、この貫通孔404aの周囲に等角度間隔で並ぶ6つの軸線方向の貫通孔404bないし404gとが形成されている。絶縁支持物403の中央の貫通孔404aには、1つの雌型コンタクト4aが保持され、貫通孔404aの周囲に形成された6つの貫通孔404bないし404gにはそれぞれ6つの雌型コンタクト4bないし4gが保持されている。雌型コンタクト4aないし4gは、それぞれの先端を絶縁支持物403の先端面403b1側に向けた状態で配置されていて、絶縁支持物403の先端面側から雌型コンタクト4aないし4gのそれぞれに、図示しないプラグの対応する雄型コンタクトを差し込んで接触させることができるようになっている。雌型コンタクト4aないし4gは、計装用ケーブル内の電線7を通して、ケース3に取付けられたレセプタクル4′のコンタクト4a′ないし4g′にそれぞれ接続されたプラグのコンタクトに接続されている。
【0043】
計装用ケーブルの他端に取付けられたレセプタクル4のコンタクト4aないし4gには、図示しない継電器箱に取付けられたプラグの雄型コンタクトが接続され、変流器の出力が、レセプタクル4と該レセプタクルに接続されたプラグ(図示せず。)とを通して継電器箱内の回路に供給される。
【0044】
本実施形態においては、計装用ケーブルの他端に取付けられたレセプタクル4が端子箱に取付けられたプラグから外された状態にあるときに、プラグの代りにレセプタクル4に接続されて、レセプタクル4に設けられたコンタクトのうち、相互に短絡する必要があるコンタクトを短絡する短絡子10が設けられている。
【0045】
本実施形態で用いる短絡子10は、短絡子本体11と、コンタクト組立体の絶縁支持物に被さる有底円筒状の形状を有して短絡子本体11を内側に収容した状態で保持した絶縁キャップ12とにより構成される。
【0046】
短絡子本体11は、図5(A),(B)に示されているように、レセプタクル4の雌型コンタクト4aないし4gにそれぞれ対応させて設けられて、先端側が対応する雌型コンタクト4aないし4gに差し込まれて接続される雄型の短絡用接触子11aないし11gを備えて、これらの短絡用接触子を相互に電気的及び機械的に接続して一体化した構造を有する。
【0047】
図示の例では、短絡用接触子11aないし11gの後端部が、導電材料からなる円板状のフランジ板13に電気的及び機械的に接続されることにより、短絡用接触子11aないし11gが一体化されている。
【0048】
絶縁キャップ12は、ゴム等の弾力性を有する絶縁材料からなっていて、図6(A),(B)に示されているように、円筒状の側壁部12aと該側壁部12aの軸線方向の一端を閉じる底部12bとを一体に備えた有底円筒状の形状を有するように形成されている。絶縁キャップ12の側壁部12aの内周には、底部12b寄りに位置させて短絡子係止用溝部12cが周設され、この短絡子係止用溝部12c内に短絡子本体11のフランジ板13の外周寄りの部分が嵌合されることにより、短絡子本体11が絶縁キャップ12に保持されている。
【0049】
絶縁キャップ12の側壁部12aの外周には、該側壁部の軸線方向の全長に亘って延びる空気抜き溝12dが少なくとも1つ形成される。図示の例では、側壁部12aの軸線方向の全長に亘って延びる3つの空気抜き溝12dが、側壁部12aの外周に120度間隔で形成されている。
【0050】
レセプタクル4からプラグが外され、短絡子10が接続されたレセプタクル4のレセプタクルボディ401には、図1ないし図3に示されたメタルキャップ20がネジ結合されて取り付けられる。図示のメタルキャップ20は、円筒状の周壁部21と、周壁部21の軸線方向の一端側の端部に形成された端部壁22とを一体に有するカップ状の形状を呈するように形成されていて、その周壁部21の軸線方向の他端(開口端)の外周には、レセプタクルボディ401の雌ネジ部401dに螺合される雄ネジ部23が形成されている。
【0051】
メタルキャップ20の端部壁22の外側には、このメタルキャップを紛失しないように電気機器のケースやレセプタクルボディ等につないでおくためのチェーンを取り付ける金具24が固定されている。またメタルキャップ20の周壁部21の開口端の内周には、図3に示すように、メタルキャップ20をレセプタクルボディ401にネジ結合した際に、メタルキャップ20の開口端の内周と、レセプタクルボディ401の溝部401cの内周部を画定する周壁部との間に介在して、メタルキャップ20とレセプタクルボディ401との接続部をシールするOリング25が保持されている。
【0052】
本実施形態においては、短絡子10の絶縁キャップ12が、メタルキャップ20の内周に嵌合し得る大きさを有していて、図2に示すように短絡子10の各短絡用接触子をプラグが外されたレセプタクル4の対応するコンタクトに接触させ、短絡子の絶縁キャップ12をコンタクト組立体402の絶縁支持物403に被せた状態で、図3に示すように、メタルキャップ20をレセプタクルボディ401にネジ結合した際に、短絡子10の絶縁キャップ12がメタルキャップ20内に受入れられて短絡子本体11とメタルキャップ20を含むアース電位部との間を絶縁するように構成されている。
【0053】
短絡子10の各短絡用接触子をプラグが外されたレセプタクル4の対応するコンタクトに接触させ、短絡子10の絶縁キャップ12をコンタクト組立体402の絶縁支持物403に被せた状態で、メタルキャップ20をレセプタクルボディ401にネジ結合する際には、絶縁キャップ12の底部12bとメタルキャップ20の端部壁22との間の空間の空気が圧縮されて、その圧力がメタルキャップ20とレセプタクルボディ401とのネジ結合を妨げようとするが、本実施形態では、短絡子の絶縁キャップ12の外周に空気抜き溝12dを形成して、メタルキャップ20を取り付ける際に、短絡子の絶縁キャップ12の底部とメタルキャップとの間に形成される空間の空気を空気抜き溝12dを通して外部に排出するようにしたので、メタルキャップ20の取り付けを支障なく行なわせることができる。
【0054】
本実施形態のよう、絶縁キャップ12を弾力性を有する絶縁材料により構成して、該絶縁キャップの円筒部12aの内周に形成した短絡子係止用溝部12c内に短絡子本体11のフランジ板の外周寄りの部分を嵌合することにより短絡子本体11を絶縁キャップ12に保持する構造にすると、短絡子10の組立を容易にすることができる。またこのように構成した場合には、絶縁キャップ12の側壁部12aの底部12b寄りの部分をつかんで保持することにより、絶縁キャップ12から短絡子本体11を離脱させることなく、短絡子10全体を保持することができるため、短絡子10に絶縁性のつまみを設けなくても、短絡子の着脱を行なわせることができ、短絡子の構造を簡単にすることができる。
【0055】
上記の実施形態では、レセプタクルボディ401が、コンタクト組立体402の絶縁支持物403の頭部を取り囲む部分を有していないが、コンタクト組立体402の絶縁支持物403の頭部の一部を取り囲む周壁部をレセプタクルボディ401に設ける場合にも本発明を適用することができる。この場合も、レセプタクル4に短絡子10を接続した状態で、短絡子10の絶縁キャップ12の底部12b寄りの部分がレセプタクルボディ401の端面よりも外方に突出した状態で配置されるように、レセプタクル4のコンタクト組立体402の寸法と短絡子10の寸法とを設定しておくことにより、レセプタクル4に短絡子10を接続した状態で、短絡子10の絶縁キャップ12の少なくとも底部12b寄りの部分をレセプタクルボディ401の端面よりも外方に突出させた状態で配置することができるため、短絡子10の絶縁キャップ12の底部寄りの部分を、その内側の短絡子本体11とともに、手や工具によりつかんで、短絡子10の着脱を容易に行なわせることができる。レセプタクルボディをこのように構成する場合には、レセプタクルボディのコンタクト組立体402の一部を取り囲む部分とメタルキャップ20とが、短絡子本体を取り囲む接地電位部となり、この接地電位部と短絡子本体11との間が絶縁キャップ12により絶縁される。
【0056】
上記の実施形態では、配電系統に設けられる遮断器に本発明を適用したが、本発明は、変流器が設けられていて、該変流器の二次コイルがレセプタクルを通して外部の機器に接続される電気機器に広く適用することができる。
【0057】
上記の実施形態では、電気機器に設けられた変流器に一端が接続された計装用ケーブルの他端に取り付けられたレセプタクルに短絡子を接続するとしたが、図7に示されているように電気機器のケースに計装用ケーブルを接続するレセプタクル4′が取り付けられている場合には、電気機器のケースに取付けられたレセプタクル4′に短絡子を接続するようにすることもできる。
【0058】
上記の実施形態では、短絡子を接続するレセプタクルのコンタクトを雌型とし、短絡子の接触子を雄型としたが、レセプタクルの絶縁支持物内に支持されるコンタクトを雄型とし、短絡子の接触子を雌型としてもよい。
【符号の説明】
【0059】
3 電気機器のケース
4 レセプタクル
4a〜4g 雌型コンタクト
401 レセプタクルボディ
401d 雌ネジ部
402 コンタクト組立体
403 絶縁支持物
404aないし404g 貫通孔
10 短絡子
11 短絡子本体
11aないし11g 短絡用接触子
12 絶縁キャップ
12a 周壁部
12b 底部
12c 短絡子係止用溝部
13 フランジ板
20 メタルキャップ
21 周壁部
22 端部壁
23 雄ネジ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケース内に収容された電気機器本体と、前記電気機器本体を流れる交流電流を計測する変流器と、前記変流器の二次コイルの出力を取り出すためのコンタクトを含む複数のコンタクトをそれぞれの軸線を平行させた状態で横断面の輪郭が円形を呈する絶縁支持物内に支持した構造を有するコンタクト組立体の前記絶縁支持物を導電材料からなるレセプタクルボディに支持してなるレセプタクルと、前記レセプタクルボディにネジ結合されて前記レセプタクルのコンタクト組立体を覆うメタルキャップとを備え、前記メタルキャップが外された状態で前記レセプタクルのコンタクトにプラグのコンタクトが接続されて、該プラグと前記レセプタクルとを通して前記変流器の出力が外部の機器に供給される電気機器において、
前記プラグが外された状態にあるレセプタクルの相互に短絡する必要がある複数のコンタクトにそれぞれ先端側が接触する複数の短絡用接触子を備えて、該複数の短絡用接触子が相互に電気的に接続された構造を有する導電性の短絡子本体と、前記コンタクト組立体の絶縁支持物に被さる有底円筒状の形状を有して前記短絡子本体を内側に収容した状態で保持した絶縁キャップとを備えた短絡子が設けられ、
前記短絡子の各短絡用接触子を前記プラグが外されたレセプタクルの対応するコンタクトに接触させ、前記絶縁キャップを前記コンタクト組立体の絶縁支持物に被せた状態で、前記メタルキャップを前記レセプタクルボディにネジ結合した際に、前記短絡子の絶縁キャップが前記メタルキャップ内に受入れられて前記短絡子本体とメタルキャップを含むアース電位部との間を絶縁するように構成されていること、
を特徴とする変流器を備えた電気機器。
【請求項2】
前記短絡子本体の複数の短絡用接触子は、それぞれの後端部が導電材料からなるフランジ板に電気的及び機械的に接続されて一体化され、
前記絶縁キャップは弾力性を有する絶縁材料からなっていて、該絶縁キャップの円筒部の底部寄りに位置させて該円筒部の内周に短絡子係止用溝部が周設され、
前記短絡子本体は、前記絶縁キャップ内に収容されて、前記フランジ板の外周寄りの部分が前記短絡子係止用溝部内に嵌合されることにより前記絶縁キャップに保持され、
前記絶縁キャップの円筒部の外周に、該円筒部の軸線方向の全長に亘って延びる少なくとも1つの空気抜き溝が形成され、
前記短絡子が接続されたレセプタクルのレセプタクルボディに前記メタルキャップをネジ結合する際に、前記メタルキャップの内側に受入れられた短絡子の絶縁キャップの円筒部の底部と前記メタルキャップとの間に形成される空間の空気を前記空気抜き溝を通して外部に排出し得るように構成されていること、
を特徴とする請求項1に記載の変流器を備えた電気機器。
【請求項3】
前記レセプタクルに短絡子を接続した状態で、短絡子の絶縁キャップの円筒部の底部寄りの部分が前記レセプタクルボディの端面よりも外方に突出した状態で配置されるように、レセプタクルのコンタクト組立体の寸法と短絡子の寸法とが設定されていることを特徴とする請求項2に記載の変流器を備えた電気機器。
【請求項4】
前記短絡子が接続されるレセプタクルは前記変流器の二次コイルに一端が電気的に接続された計装用ケーブルの他端に取り付けられている請求項1,2または3に記載の変流器を備えた電気機器。
【請求項5】
前記短絡子が接続されるレセプタクルは、前記ケースに取り付けられている請求項1,2または3に記載の変流器を備えた電気機器。
【請求項6】
ケース内に収容された電気機器本体と、前記電気機器本体を流れる交流電流を計測する変流器と、前記変流器の二次コイルの出力を取り出すためのコンタクトを含む複数のコンタクトをそれぞれの軸線を平行させた状態で横断面の輪郭が円形を呈する絶縁支持物内に支持した構造を有するコンタクト組立体の前記絶縁支持物を導電材料からなるレセプタクルボディに支持してなるレセプタクルと、前記レセプタクルボディにネジ結合されて前記レセプタクルのコンタクト組立体を覆うメタルキャップとを備え、前記メタルキャップが外された状態で前記レセプタクルのコンタクトにプラグのコンタクトが接続されて、該プラグと前記レセプタクルとを通して前記変流器の出力が外部の機器に供給される電気機器の、前記レセプタクルからプラグが外されているときに変流器を保護するためにプラグに代えてレセプタクルに接続される変流器保護用短絡子であって、
前記プラグが外された状態にあるレセプタクルの相互に短絡する必要がある複数のコンタクトにそれぞれ接触する複数の短絡用接触子を備えて、該複数の短絡用接触子が相互に電気的に接続された構造を有する金属製の短絡子本体と、
前記レセプタクルのコンタクト組立体の絶縁支持物に被さる有底円筒状の形状を有して前記短絡子本体を内側に収容した状態で保持した絶縁キャップとを備え、
前記短絡子本体の各短絡用接触子を前記プラグが外されたレセプタクルの対応するコンタクトに接触させ、前記絶縁キャップを前記コンタクト組立体の露呈された部分に被せた状態で、前記メタルキャップを前記レセプタクルボディにネジ結合した際に、前記絶縁キャップが前記メタルキャップ内に受入れられて前記短絡子本体と前記メタルキャップとの間を絶縁するように構成されていること、
を特徴とする変流器保護用短絡子。
【請求項7】
前記短絡子本体の複数の短絡用接触子は、それぞれの後端部が導電材料からなるフランジ板に電気的及び機械的に接続されて一体化され、
前記絶縁キャップは弾力性を有する絶縁材料からなっていて、該絶縁キャップの円筒部の底部寄りに位置させて該円筒部の内周に短絡子係止用溝部が周設され、
前記短絡子本体は、前記絶縁キャップ内に収容されて、前記フランジ板の外周寄りの部分が前記短絡子係止用溝部内に嵌合されることにより前記絶縁キャップに保持され、
前記絶縁キャップの円筒部の外周に、該円筒部の軸線方向の全長に亘って延びる少なくとも1つの空気抜き溝が形成され、
前記短絡子が接続されたレセプタクルのレセプタクルボディに前記メタルキャップをネジ結合する際に、前記メタルキャップの内側に受入れられた短絡子の絶縁キャップの円筒部の底部と前記メタルキャップとの間に形成される空間の空気を前記空気抜き溝を通して外部に排出し得るように構成されていること、
を特徴とする請求項6に記載の変流器保護用短絡子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−5671(P2013−5671A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−137094(P2011−137094)
【出願日】平成23年6月21日(2011.6.21)
【出願人】(000000262)株式会社ダイヘン (990)