説明

変異体スブチリシン酵素(サブチラーゼ)

新規サブチラーゼは、卵のしみに対して改良された洗浄性能を有する。それらのサブチラーゼは、例えば清浄又は洗剤組成物、例えば洗濯洗剤組成物及び皿洗い用組成物、例えば自動皿洗い用組成物に使用される場合、卵のしみに対して卓越した又は改良された洗浄性能を示すのに有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、土壌、特に卵のしみに対して改良された洗浄性能を有する新規サブチラーゼに関する。それらのサブチラーゼは、例えば清浄又は洗剤組成物、例えば洗濯洗剤組成物及び皿洗い用組成物、例えば自動皿洗い用組成物に使用される場合、卵のしみに対して卓越した又は改良された洗浄性能を示すのに有用である。
本発明はまた、サブチラーゼをコードする単離されたポリヌクレオチド、核酸構造体、組換え発現ベクター、前記核酸構造体を含んで成る宿主細胞、及び本発明のサブチラーゼの生成及び使用方法にも関する。さらに、本発明は、本発明のサブチラーゼ酵素を含んで成る洗浄及び洗剤組成物、及び卵のしみの除去のための洗剤組成物へのそのような酵素の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
洗剤産業においては、酵素は、洗浄配合物に30年以上の間、使用されて来た。そのような配合物に使用される酵素は、プロテアーゼ、リパーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ、マンノシダーゼ及び他の酵素、又はそれらの混合物を包含する。商業的に最も重要な酵素は、プロテアーゼである。
多数の商業的に使用されるプロテアーゼは、天然に存在する野生型プロテアーゼのタンパク質構築された変異体、例えばDURAZYM(商標)(Novo Nordisk A/S), RELASE(商標)(Novo Nordisk A/S), MAXAPEM(商標)(Gist-Brocades N.V.), PURAFECT(商標)(Genencor International. INC.) である。
【0003】
さらに、多くのプロテアーゼ変異体が、例えばヨーロッパ特許第130756号(GENENTECH)(再発行アメリカ特許第34,606号(GENENCOR)に対応する);ヨーロッパ特許第214435号(HENKEL);WO87/04461号(AMGEN);WO87/05050号(GENEX);ヨーロッパ特許第260105号(GENENCOR);Thomas, Russell, and Fersht (1985) Nature 318: 375-376; Thomas, Russell, and Fersht (1987) J. Mol. Biol. 193: 803-812; Russel and Fersht, Nature 328: 496-500 (1987); WO88/08028号(Genex); WO88/08033号(Amgen); WO95/27049号(SOLVAY S.A.); WO95/30011号(PROCTER&GAMBLE COMPANY);WO95/30010号(PROCTER&GAMBLE COMPANY); WO95/29979号(PROCTER&GAMBLE COMPANY);アメリカ特許第5,543,302号(SOLVAY S.A.);ヨーロッパ特許第251446号(GENENCOR);WO89/06279号(NOVO NORDISK A/S);WO91/00345号(NOVO NORDISK A/S);ヨーロッパ第525610A1号(SOLVAY);及びWO94/02618号(GIST−BROCADES N.V.)に記載されている。
【0004】
スクリーニングのために使用される試験方法(AMSA)は、WO 02/42740号 (NOVOZYMES A/S)に記載される。
WO 01/75087号 (MAXYGEN,INC./NOVOZYMES A/S)は、種々の特定の性質、例えば熱安定性、低温での活性及びアルカリ安定性について改良されたスブチリシン相同体を記載する。
WO 01/68821号 (NOVOZYMES A/S)は、例えば洗濯物及び/又は硬質表面から卵のしみの除去のために適切であるサブチラーゼ酵素を記載する。
【0005】
しかしながら、多くの有用なプロテアーゼ及びプロテアーゼ変異体が記載されて来たが、多くの産業使用のために新規の改良されたプロテアーゼ又はプロテアーゼ変異体の必要性がまだ存在する。
特に、例えば洗濯物又は硬質表面からの卵のしみの除去の問題が、卵黄に存在する物質が多くのセリンプロテアーゼを阻害する事実のために言明されている。
従って、本発明の目的は、例えば洗濯物及び/又は硬質表面からの卵のしみの除去のために適切である改良されたサブチラーゼ酵素を提供することである。
【発明の開示】
【0006】
発明の要約
従って、第1の観点においては、本発明は、卵のしみにして改良された洗浄性能を有するサブチラーゼ酵素に関し、ここで前記サブチラーゼは、
(a)配列番号2のアミノ酸1〜269として示されるアミノ酸配列に対して99.26%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有するサブチラーゼ;又は
(b)E. コリMT173DSM15575に存在するプラスミドフラグメント中にクローン化されたポリヌクレオチドの一部をコードするサブチラーゼによりコードされるサブチラーゼ、又は前記サブチラーゼに対して99.26%以上の同一性を有するその変異体;又は
(c)配列番号4のアミノ酸1〜269として示されるアミノ酸配列に対して97.40%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有するサブチラーゼ;又は
(d)E. コリMT173DSM15574に存在するプラスミドフラグメント中にクローン化されたポリヌクレオチドの一部をコードするサブチラーゼによりコードされるサブチラーゼ、又は前記サブチラーゼに対して97.40%以上の同一性を有するその変異体から成る群から選択される。
【0007】
第2の観点においては、本発明は、本発明のサブチラーゼをコードする核酸配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチドに関する。
【0008】
第3の観点においては、本発明は、
(a)配列番号1のヌクレオチド1〜807として示されるポリヌクレオチドに対して少なくとも88%の同一性を有するポリヌクレオチド;又は
(b)E. コリMT173DSM15575に存在するプラスミド中にクローン化されたポリヌクレオチドの一部をコードするサブチラーゼ、又は前記核酸配列に対して少なくとも88%の同一性を有するその変異体;又は
(c)配列番号3のヌクレオチド1〜807として示されるポリヌクレオチドに対して少なくとも88%の同一性を有するポリヌクレオチド;又は
(d)E. コリMT173DSM15574に存在するプラスミド中にクローン化されたポリヌクレオチドの一部をコードするサブチラーゼ、又は前記核酸配列に対して少なくとも88%の同一性を有するその変異体から成る群から選択された、サブチラーゼをコードする単離されたポリヌクレオチドに関する。
【0009】
第4の観点においては、本発明は、適切な宿主においてサブチラーゼの発現を指図することができる1又は複数の制御配列に作用可能に連結される本発明の核酸配列を含んで成る核酸構造体に関する。
第5の間点においては、本発明は、本発明の核酸構造体、プロモーター、及び転写及び翻訳停止シグナルを含んで成る組換え発現ベクターに関する。
第6の観点においては、本発明は、本発明の核酸構造体を含んで成る組換え宿主細胞に関する。
【0010】
第7の観点においては、本発明は、
(a)サブチラーゼの生成の助けとなる条件下で本発明の組換え宿主細胞を培養し;そして
(b)前記サブチラーゼを回収することを含んで成る、本発明のサブチラーゼの生成方法に関する。
第8の観点においては、本発明は本発明のサブチラーゼを含んで成る、清浄又は洗剤組成物、好ましくは洗濯又は皿洗い組成物に関する。
【0011】
本発明のさらなる観点は、本発明の清浄又は洗剤組成物への本発明のサブチラーゼの使用;卵のしみの除去のためへの本発明のサブチラーゼ又は組成物の使用;清浄又は洗浄方法、例えば硬質表面又は洗濯物と本発明の組成物とを接触せしめることを含んで成る、硬質表面又は洗濯物からの卵のしみの除去方法に関する。
一列整列及び番号付けに関しては、サブチリシンBPN’(a)(BASBPN)と本発明の新規サブチラーゼ(b)及び(c)との間の一列整列を示す図1を参照のこと。
それらの一列整列は、残基を番号付けるための参照として、本特許出願に使用される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
定義
本発明をさらに詳細に論じる前、次の用語及び慣例が最初に定義されるであろう。
アミノ酸の命名方法
A = Ala = アラニン
V = Val = バリン
L = Leu = ロイシン
I = Ile = イソロイシン
P = Pro = プロリン
F = Phe = フェニルアラニン
W = Trp = トリプトファン
M = Met = メチオニン
G = Gly = グリシン
S = Ser = セリン
T = Thr = トレオニン
C = Cys = システイン
Y = Tyr = チロシン
N = Asn = アスパラギン
Q = Gln = グルタミン
D = Asp = アスパラギン酸
E = Glu = グルタミン酸
K = Lys = リシン
R = Arg = アルギニン
H = His = ヒスチジン
X = Xaa = いずれかのアミノ酸
【0013】
核酸の命名法
A = アデニン
G = グアニン
C = シトシン
T = チミン(DNAにおいてのみ)
U = ウラシル(RNAにおいてのみ)
【0014】
変異体の企画のための命名方法及び慣例
本発明に従って生成され又は企画される種々のサブチラーゼ酵素変異体を記載する場合、次の命名法及び慣例が参照の容易さのために適合されて来た:
参照の枠は、サブチリシンBPN’(BASBPN)と単離された又は親酵素とを整列することによって、最初に定義される。
【0015】
“相同性”又は“〜に対して相同である”とは、本発明においては、その従来の手段において理解されるべきであり、そして2種のアミノ酸配列間の“相同性”は、アラインメントパラメーターについてのデフォールト設定、比較マトリックス、ギャップ及びギャップ拡張ペナルティーを用いて、the University of Wisconsin Genetics Computer Group (GCG) パッケージからのGAPプログラムにより定義される“類似性”の使用により決定されるべきである。デフォールトは、GAPペナルティー、すなわち3.0のGAP創造ペナルティー及び0.1のGAP拡張ペナルティーについて評価する(Program Manual for the Wisconsin Package, Version 8, August 1994, Genetics Computer Group, 575 Science Drive, Madison, Wisconsin, USA 53711)。
【0016】
前記方法はまた、S. B.Needleman and C. D. Wunsch, Journal of Molecular Biology, 48,443-445 (1970)においても記載されている。同一性は同じ計算から導き出され得る。2種のアミノ酸配列間の相同性はまた、GCGパッケージバージョン9.1のGAPルーチンを用いて、“同一性”又は“類似性”により決定され、ここでアラインメントパラメーターのデフォールト設定、比較マトリックス、ギャップ及び拡張ペナルティーがまた、次のパラメーターを用いて適用される:キャップ創造ペナルティー=8及びそれらのデフォールト値で維持されるすべての他のパラメーター。ルーティンからの出力は、アミノ酸アラインメントの他に、2種の配列間の“%同一性”及び“類似性”の計算である。GCGパッケージバージョン9.1を用いて計算された数は、バージョン8とはわずかに異なる。
【0017】
もう1つの方法は、サブチラーゼ間の既知の認識される一列整列、例えばWO91/00345号に示される一列整列を使用することである。ほとんどの場合、差異は重要なものではないであろう。
サブチリシンBPN’(BASBPN)と本発明の新規サブチラーゼとの間のそのような一列整列は、図1に示される。
【0018】
それにより、多くの欠失及び挿入は、BASBPNに関して定義されるであろう。図1においては、本発明の新規サブチラーゼは、BASBPNに比較して、位置36, 58, 158, 162, 163及び164で6個の欠失を有する。それらの欠失は、図1において、星印()により示される。
親酵素において行なわれる種々の修飾は、次の通りに3種の要素を用いて、一般的に示される:
【0019】
オリジナルアミノ酸位置置換されるアミノ酸
従って、表示G195Eは、グルタミン酸による、位置195でのグリシンの置換を意味する。
位置置換されるアミノ酸
オリジナルアミノ酸残基がいずれかのアミノ酸残基である場合、位置及び置換されるアミノ酸のみを示す短い表示が時々、使用され得る:170Ser又は170S.
そのような表示は、相同サブチラーゼにおける修飾に関して、特に適切である(下記を参照のこと)。
【0020】
オリジナルアミノ酸位置
そのような表示は、置換するアミノ酸残基の本体が重要でない場合、特に適切である。位置195での、いずれかのアミノ酸残基によるグリシンの置換は、Gly195又はG195として記載される。
位置
オリジナルアミノ酸及び置換されるアミノ酸の両者がいずれかのアミノ酸を包含する場合、その位置のみ、例えば170が示される。
【0021】
オリジナルアミノ酸位置{置換されるアミノ酸1、----、置換されるアミノ酸n
オリジナルアミノ酸及び/又は置換されるアミノ酸が1つよりも多いが、しかしすべてではないアミノ酸を包含する場合、選択されるアミノ酸は括弧内{}に示される:
特定の変異体に関しては、いずれかのアミノ酸残基を示すためにコードXaa及びXを包含する特定の3又は1文字コードが使用される。
【0022】
置換:
位置195におけるグルタミン酸によるグリシンの置換は、下記の通りに示される:
Gly195Glu もしくは G195E、
又は位置195におけるいずれかのアミノ酸残基によるグリシンの置換は次の通りに示される:
Gly195Xaa もしくは G195X、又は
Gly195 もしくは G195。
【0023】
従って、位置170におけるセリンによるいずれかのアミノ酸残基の置換は次の通りに示される:
Xaa170Ser もしくは X170S、又は
170Ser もしくは 170S
そのような表示は、相同サブチラーゼにおける修飾に関して特に適切である(下記を参照のこと)。従って、170Serは、例えばBASBPNにおけるLys170Ser修飾及び本発明のサブチラーゼにおけるArg170Ser修飾の両者を包含することを意味する(図1を参照のこと)。
【0024】
オリジナルアミノ酸及び/又は置換されたアミノ酸が1個よりも多いが、しかしすべてではないアミノ酸を含んで成る修飾に関しては、位置170におけるグリシン、アラニン、セリン又はトレオニンによるアルギニンの置換は、下記変異体:
R170G、R170A、R170S及びR170Tを示すために、
Arg170{Gly, Ala, Ser, Thr}、又はR170{G, A, S, T}により示される。
【0025】
欠失:
位置195におけるグリシンの欠失は、下記のように示されるであろう:
Gly195 又は G195
従って、1個よりも多くのアミノ酸残基の欠失、例えば位置195及び196におけるグリシン及びロイシンの欠失は、次のように示されるであろう:
Gly195+Leu196 又は G195+L196
【0026】
挿入:
G195の後への追加のアミノ酸残基、例えばリシンの挿入は、次のように示され:
Gly195GlyLys もしくは G195GK;又は
1個よりも多くのアミノ酸残基、例えばLys及びAlaがG195の後に挿入される場合、これは次のように示されるであろう:
Gly195GlyLysAla もしくは G195GKA。
【0027】
そのような場合、挿入されるアミノ酸残基は、挿入されるアミノ酸残基の前のアミノ酸残基の位置番号への小文字の付加により番号付けされる。上記例においては、従って、配列194〜196は、下記の通りである。
194 195 196
BLSAVI A − G − L
194 195 195a 195b 196
変異体 A − G − K − A − L 。
【0028】
存在するアミノ酸残基と同一のアミノ酸残基が挿入される場合、命名法における縮重が生じることは明白である。例えば、グリシンが上記例におけるグリシンの後に挿入される場合、これはG195GGにより示される。同じ実際的な変化は、同様に、
194 195 196
BLSAVI A − G − L から,
194 195 195a 196
変異体 A − G − G − L
194 194a 195 196
への変化について、A194AGとして示される。
そのような物質は当業者に明らかであり、そして従って、表示G195GG及びこのタイプの挿入いついての対応する表示は、そのような同様の縮重表示を包含することを意味する。
【0029】
ギャップの充填:
酵素における欠失が、番号付けのために使用されるサブチリシンBPN’配列との参照比較において存在する場合、そのような位置における挿入は、位置36におけるアスパラギン酸の挿入に関して下記のように示される:
36Asp 又は 36D。
【0030】
複数の修飾:
複数の修飾を含んで成る変異体は、例えば下記のようにプラスにより分離され:
Arg170Tyr+Gly195Glu 又は R170Y+G195E、ここで、それぞれチロシン及びグルタミン酸によりアルギニン及びグリシンを置換する、位置170及び195における修飾を表す。
従って、Tyr167{Gly, Ala, Ser, Thr}+Arg170{Gly, Ala, Ser, Thr}は次の変異体を示す:
Tyr167Gly+Arg170Gly, Tyr167Gly+Arg170Ala,
Tyr167Gly+Arg170Ser, Tyr167Gly+Arg170Thr,
Tyr167Ala+Arg170Gly, Tyr167Ala+Arg170Ala,
Tyr167Ala+Arg170Ser, Tyr167Ala+Arg170Thr,
Tyr167Ser+Arg170Gly, Tyr167Ser+Arg170Ala,
Tyr167Ser+Arg170Ser, Tyr167Ser+Arg170Thr,
Tyr167Thr+Arg170Gly, Tyr167Thr+Arg170Ala,
Tyr167Thr+Arg170Ser, 及び Tyr167Thr+Arg170Thr。
【0031】
この命名法は、特定の共通する性質を有するアミノ酸残基、例えば正の電荷(K, R, H)、負の電荷(D, E)の置換、挿入又は欠失を意図する修飾、又は小さなアミノ酸によるもう1つの小さなアミノ酸の置換を表す、Tyr167{Gly, Ala, Ser, Thr}+Arg170{Gly, Ala, Ser, Thr}の保存性アミノ酸修飾に関して、特に適切である。さらなる詳細については、セクション“発明の特定の記載”を参照のこと。
【0032】
プロテアーゼ
タンパク質基質におけるアミド結合を切断する酵素は、プロテアーゼ、又は(交換可能的には)ペプチダーゼとして分類される(Walsh, 1979, Enzymatic Reaction Mechanisms, W.H. Freeman and Campany, San francisco, Chapter 3を参照のこと)。
【0033】
アミノ酸位置/残基の番号付け
他に何も言及されていなければ、本明細書において使用されるアミノ酸番号付けは、サブチラーゼBPN’ (BASBPN) 配列のそのアミノ酸番号付けに対応する。BPN’配列のさらなる記載については、図1、又はSiezenなど., Protein Engng. 4 (1991) 719-737を参照のこと。
【0034】
セリンプロテアーゼ
セリンプロテアーゼは、ペプチド結合の加水分解を触媒し、そして活性部位で必須セリン残基が存在する酵素である(White, Handler and Smith, 1973 “Principles of Biochmistry”, Fifth Edition, McGraw-Hill Book Company, NY, pp. 271-272)。
細菌セリンプロテアーゼは、20,000〜45,000ドルトン範囲の分子量を有する。それらはジイソプロピルフルオロホスフェートにより阻害される。それらは単純な末端エステルを加水分解し、そして活性的に、真核キモトリプシン、すなわちまたセリンプロテアーゼに類似する。サブグループを包含するより狭い用語アルカリプロテアーゼは、いくつかのセリンプロテアーゼの高い最適度(pH9.0〜11.0)に影響を及ぼす(再考のためには、Priest(1977)Bacteriological Rev. 41: 711-753を参照のこと)。
【0035】
サブチラーゼ
Siezenなどは、セリンプロテアーゼにより試験的に企画されたサブチラーゼのサブグループを提案している(Protein Engng, 4(1991) 719-737及びSiezenなど。Protein Science 6(1997) 501-523)。それらは、サブチリシン−様プロテアーゼとして、これまで言及されているセリンプロテアーゼの170個よりも多くのアミノ酸配列の相同性分析により定義される。サブチリシンは、グラム−陽性細菌又は菌類により生成されるセリンプロテアーゼとしてこれまでしばしば定義されており、そしてSiezenなどによれば、現在、サブチラーゼのサブグループである。広範囲の種類のサブチラーゼが同定されており、そして多くのサブチラーゼのアミノ酸配列が決定されている。そのようなサブチラーゼ及びそれらのアミノ酸配列のさらなる詳細な記載に関しては、Siezenなど.(1997)を参照のこと。
【0036】
サブチラーゼの1つのサブグループ、I−S1又は“真の”サブチリシンは、“標準的な”サブチリシン、例えばサブチリシン168(BSS168)、サブチリシンBPN’ (BASBPN)、サブチリシンCarlsberg (BLSCAR)(ALCALASE(商標), NOVO NORDISK A/S)、及びサブチリシンDY(BSSDY)を包含する。
【0037】
サブチラーゼのさらなるサブグループ、I−S2又は高アルカリサブチリシンは、Siezenなど. (前記)により認識されている。サブグループI−S2プロテアーゼは、高アルカリサブチリシンとして記載され、そして酵素、例えばサブチリシンPB92(BAALKP)(MAXACAL(商標), Gist−Brocades NV)、サブチリシン309(BLSAVI)(SAVINASE(商標), NOVO NORDISK A/S)、サブチリシン147(BLS147)(ESPERASE(商標), NOVO NORDISK A/S)及びアルカリエラスターゼYaB(BSEYAB)を包含する。
【0038】
親サブチラーゼ
用語“親サブチラーゼ”とは、Siezenなど. (1991及び1997)に従って定義されるサブチラーゼを記載する。さらなる詳細については、上記“サブチラーゼ”の記載を参照のこと。親サブチラーゼはまた、天然源から単離されたサブチラーゼでもあり得、ここで続く修飾は、サブチラーゼの特徴を保持しながら、行なわれている。さらに、親サブチラーゼは、J.E. Nessなど., Nature Biotechnology, 17, 893-896 (1999) により記載されるDNAシャフリング技法により調製されたサブチラーゼでもあり得る。
他方では、用語“親サブチラーゼ”とは、“野生型サブチラーゼ”と呼ばれ得る。
【0039】
サブチラーゼの修飾
本明細書において使用される用語“修飾”とは、サブチラーゼの化学的修飾、及びサブチラーゼをコードするDNAの遺伝子操作を包含するよう定義される。修飾は、アミノ酸側鎖の置換、興味あるアミノ酸における、又はそのアミノ酸での置換、欠失及び/又は挿入であり得る。
【0040】
サブチラーゼ変異体
本発明においては、用語サブチラーゼ変異体又は突然変異誘発されたサブチラーゼは、原又は親遺伝子を有し、そして対応する親酵素を生成する親微生物に由来する変異体遺伝子を発言する生物により生成されたサブチラーゼを意味し、ここで前記親遺伝子は、突然変異誘発されたサブチラーゼプロテアーゼが、適切な宿主において発現される場合、生成される、変異体遺伝子を生成するために突然変異誘発されている。同様に、変異体遺伝子はまた、DNAシャフリング技法により生成される親遺伝子から誘導され得る。
【0041】
相同サブチラーゼ配列
本発明においては、2種のアミノ酸配列間の相同性は、パラメーター“同一性”により記載される。
2種のサブチラーゼ間の同一性の程度を決定するためには、GCGパッケージバージョン9.1のGAPルーチンが、同じ設定を用いて適用され得る(下記参照のこと)。前記ルーチンからの出力は、アミノ酸一列整列の他に、2種の配列間の“%同一性”の計算である。
この記載に基づけば、本発明に従って修飾され得る、適切な相同サブチラーゼ及び対応する相同活性部位ループ領域を同定することは、当業者にとって通常のことである。
【0042】
単離されたポリヌクレオチド
用語“単離されたポリヌクレオチド”とは、本明細書において使用される場合、単離され、そして精製されており、そして従って、遺伝的に構築されたタンパク質生成システム内での使用のために適切な形で存在するポリヌクレオチドを言及する。そのような単離された分子は、それらの天然の環境から分離され、そしてcDNA及びゲノムクローンを含むそれらの分子、及びDNAシャフリング実験又は特定部位オートジェネシス由来のポリヌクレオチドであり得る。本発明の単離されたポリヌクレオチドは、それらが通常関連する他の遺伝子を有さないが、しかし5’及び3’未翻訳領域、例えばプロモーター及びターミネーターを含むことができる。関連する領域の識別は、当業者に明らかであろう(例えば、Dynan and Tijan, Nature 316: 774-78, 1985 を参照のこと)。用語“単離された核酸配列”とは、二者択一的に“単離されたDNA配列”、“クローン化された核酸配列”又は“クローン化されたDNA配列”と呼ばれる。
【0043】
単離されたタンパク質
タンパク質に適用される場合、用語“単離された”とは、タンパク質がその天然の環境から分離されていることを示す。
好ましい形においては、単離されたタンパク質は、他のタンパク質、特に他の相同タンパク質(すなわち、“相同不純物”(下記参照のこと)を実質的に有さない。
単離されたタンパク質は、SDS−PAGEにより決定される場合、10%以上の純度好ましくは20%以上の純度、より好ましくは30%以上の純度である。さらに、SDS−PAGEにより決定される場合、高く精製された形、すなわち40%以上の純度、60%以上の純度、80%以上の純度、より好ましくは95%以上の純度、及び最も好ましくは99%以上の純度で、タンパク質を供給することが好ましい。
用語“単離されたタンパク質”は、二者択一的に、“精製されたタンパク質”と称する。
【0044】
相同不純物
用語“相同不純物”とは、本発明のサブチラーゼが本来得られる相同細胞に起因するいずれかの不純物(例えば、本発明のサブチラーゼ以外のポリペプチド)を意味する。
【0045】
〜から得られる
用語“〜から得られる”とは、特定の微生物源に関して本明細書において使用される場合、ポリヌクレオチド及び/又はサブチラーゼが、特定の源、又は前記源からの遺伝子が挿入されている細胞により生成されることを意味する。
【0046】
基質
プロテアーゼのための基質に関して使用される用語“基質”とは、サブチリシンプロテアーゼによる加水分解に対して敏感な少なくとも1つのペプチド結合を含む化合物を含んで成るようなその広い形で解釈されるべきである。
【0047】
生成物
プロテアーゼ酵素反応から誘導された生成物に関して使用される用語“生成物”は、サブチラーゼプロテアーゼを包含する加水分解反応の生成物を包含するものとして、本明細書において解釈されるべきである。生成物は、続く加水分解反応における基質であるべきである。
【0048】
洗浄性能
本発明においては、用語“洗浄性能”とは、例えば洗浄又は硬質表面清浄の間、清浄される目的物上に存在する卵のしみを除去する酵素の能力として使用される。また、本明細書における例2の“モデル洗剤洗浄性能試験”を参照のこと。
【0049】
%除去されるタンパク質フィルム
本発明においては、用語“%除去されたタンパク質フィルム”とは、土壌、特に自動皿洗い洗浄の間、洗浄される目的物上に存在する卵のしみを除去する酵素の能力として使用される。性能データは、汚れていない(clean)、汚れた(Soiled)及び洗浄された(washed)として鋼プレートの重量測定値に起因する。性能は、下記のようにして計算される:
【0050】
【数1】

データは、下記のような4−パラメーター計算モデルに適合される:
F(Z)=Yo+Vmax*Cλ/Ksλ+Cλ
【0051】
ここでF(Z)は切片としてYoから計算される応答であり、Yo+Vmaxは最大応答であり、Cは酵素用量であり、そしてKsは半−飽和値である。λは、ミカエル−メンテンモデルにおいて、1に等しいが、しかしS−形状曲線に適合される場合、それは1に等しいか又は異なる急勾配パラメーターである。個々の曲線の適合が、対照酵素の性能に比較される。
さらなる詳細に関しては、例4における“Mini scale Autamatic Dish Washing (ADW mini wash)”を参照のこと。
【0052】
発明の特定の記載
本発明の第1の興味ある観点においては、卵のしみに対して改良された洗浄性能を有するサブチラーゼ酵素は、配列番号2のアミノ酸1〜269として示されるアミノ酸配列に対して99.26%以上の同一性を有する単離されたサブチラーゼ(すなわち、成熟サブチラーゼ)である。本発明の興味ある態様においては、サブチラーゼは、配列番号2のアミノ酸1〜269として示されるアミノ酸配列に対して、99.26%以上、又は99.63%以上の同一性を有する(この後、“相同サブチラーゼ”と称する)。本発明のもう1つの興味ある態様においては、単離されたサブチラーゼは、配列番号2のアミノ酸1〜269として示されるアミノ酸配列から成る。
【0053】
本発明のさらなる興味ある観点においては、卵のしみに対して改良された洗浄性能を有するサブチラーゼ酵素は、配列番号4のアミノ酸1〜269として示されるアミノ酸配列に対して97.40%以上の同一性を有する単離されたサブチラーゼ(すなわち、成熟サブチラーゼ)である。本発明の興味ある態様においては、サブチラーゼは、配列番号4のアミノ酸1〜269として示されるアミノ酸配列に対して、97.40%以上、又は97.77%以上、又は98.14%以上、又は98.51%以上、又は98.89%以上、又は99.26%以上、又は99.63%以上の同一性を有する(この後、“相同サブチラーゼ”と称する)。本発明のもう1つの興味ある態様においては、単離されたサブチラーゼは、配列番号4のアミノ酸1〜269として示されるアミノ酸配列から成る。
【0054】
配列の一列整列及び同一性評点の計算は、タンパク質及びDNAの両一列整列のために有用な十分なSmith−Waterman一列整列を用いて行われ得る。デフォールト評点マトリックスBLOSUM50及び同一性マトリックスが、それぞれタンパク質及びDNA一列整列のために使用される。ギャップにおける第1の残基についてのペナルティーは、タンパク質に関して−12及びDNAに関して−16であり、そしてギャップにおける追加の残基についてのペナルティーは、タンパク質に関して−2及びDNAに関して−4である。一列整列は、Fastaパッケージバージョンv3.1t11からである(W.R. Pearson and D.J. Lipman (1988), “Improved Tools for Biological Sequence Analysis”, PNAS86: 2444-2448, 及びW.R. Pearson (1990),” Rapid and Sensitive Sequence Comparison with FASTP and FASTA” Methods in Enzymology 183: 63-98)。
【0055】
そのような一列整列を行うことによって、配列番号2及び4のアミノ酸配列を有するサブチラーゼのアミノ酸配列と種々の既知のサブチラーゼとの間の次の同一性(%)が見出された:
【0056】
【表1】

【0057】
類似するアミノ酸残基への1つのアミノ酸残基のいわゆる保存性置換が、酵素の特徴においてマイナーな変化のみを生成することが予測されることは、当業界において良く知られている。
【0058】
下記表2は、保存性アミノ酸置換のグループを列挙する。
【表2】

【0059】
従って、本発明のさらなる興味ある態様においては、配列番号2及び4のアミノ酸配列を有するサブチラーゼは、1又は複数のアミノ酸残基の置換、欠失及び/又は挿入と組合される。
特に、酵素に改良された性質を付与するために当業界において知られている他の修飾との組み合わせが考えられる。異なった改良された性質を有する多くのサブチラーゼ変異体が存在し、そしてそれらの多くは、本明細書における“発明の背景”セクションに言及されている。
【0060】
そのような組合せは、位置222(酸化安定性を改良する)、218(熱安定性を改良する)、酵素を安定化するCa2+−結合部位、例えば位置76での置換、及び従来の技術から明らかな多くの他の手段を包含する。
さらなる態様においては、本明細書に記載されるサブチラーゼ変異体は、好都合には、次に位置のいずれかにおける1又は複数の修飾と組み合わされ得る:27, 36, 56, 76, 87, 95, 96, 97, 98, 99, 100, 101, 102, 103, 104, 120, 123, 159, 167, 170, 206, 218, 222, 224, 232, 235, 236, 245, 248, 252 及び 274(BPN’番号付け)。
【0061】
特に、次のBLSAVI, BLSUBL,BSKSMK,及びBAALKP修飾は、次の組合せのために適切であると思われる:
K27R, *36D, S56P, N76D, S87N, G97N,S101 G, S103A, V104A, V104I, V104N, V104Y,H120D, N123S, G159D, Y167, R170, Q206E, N218S, M222S, M222A, T224S, A232V, K235L, Q236H, Q245R, N248D, N252K 及び T274A。
【0062】
さらに、修飾S101G+V104N, S87N+S101G+V104N, K27R+V104Y+N123S+T274A, N76D+S103A+V104I 又はN76D+V104A、又は上記に言及される1又は複数の修飾のいずれかと組合しての修飾K27R, N76D,S101G, S103A, V104N, V104Y, V104I, V104A, N123S, G159D, A232V, Q236H, Q245R, N248D, N252K, T274Aの他の組合せのいずれかを含んで成る変異体が、改良された性質を示す。
特に興味ある変異体は、本発明の修飾の他に、次no置換を含む変異体である:
S101G+S103A+V104I+G159D+A232V+Q236H+Q245R+N248D+N252K.
【0063】
さらに、本発明の主要観点のサブチラーゼ変異体は好ましくは、位置129, 131及び194のいずれかにおける1又は複数の修飾、好ましくは129K, 131H及び194P修飾、及び最も好ましくはP129K, P131H及びA194P修飾と組み合わされる。それらの修飾のいずれかが、より高い発現レベルのサブチラーゼ変異体を、その生成において提供することが予測される。
さらに、位置95〜103(BASBPN番号付け)への少なくとも1つの追加のアミノ酸残基の挿入に対応する、活性部位(b)ループ領域への少なくとも1つの追加のアミノ酸残基の挿入が、本発明のサブチラーゼに追加の洗浄性能を付与するであろうことが企画される。特に、次の位置、すなわち位置98と99との間、及び位置99と100との間に、少なくとも1つの追加のアミノ酸残基、例えば1つの追加のアミノ酸残基を挿入することが好ましい。
【0064】
さらに、配列番号2又は4のアミノ酸配列を有するサブチラーゼに対して免疫化学的同一性又は部分的免疫化学的同一性を有する、精製された形での単離されたサブチラーゼもまた、本発明の範囲内にあるものとして考慮される。免疫化学性質は、良く知られているOuchterlong 二重免疫拡散方法による免疫学的交差反応同一性試験により決定される。特に、免疫反応性であるか、又は配列番号2又は4のアミノ酸配列を有するサブチラーゼのエピトープに結合する抗血清含有ポリクローナル抗体は、Harboe and Ingild, In N.H. Axelsen, J. Kroll, and B. Weeks, editors, A Manual of Quantitative Immunoelectrophoresis, Blackwell Scientific Publications, 1973, Chapter23, 又はJohnstone and Thorpe Immunochemistry in Practice, Blackwell Scientific Publications, 1982 (より特定には、27〜31ページ)により記載される方法に従って、ウサギ(又は他の囓歯動物)を免疫化することによって調製される。
【0065】
免疫化学的同一性を有するサブチラーゼは、同一の態様、例えば沈殿物の全体の融合、同一の沈殿物形態学、及び/又は特定の免疫化学技法を用いての同一の電気泳動移動度で、抗血清と反応するサブチラーゼである。Alelsen, Bock 及びKrollは、N.H. Axelsen, J. Kroll and B. Weeks, editors, A Manual of Quantitative Immunoelectrophoresis, Blackwell Scientific Publications, 1973, Chapter 10 において、免疫化学的同一性のさらなる説明を記載する。部分的免疫化学的同一性を有するサブチラーゼは、部分的に同一の態様、例えば沈殿物の部分的融合、部分的に同一の沈殿物形態学、及び/又は特定の免疫化学技法を用いての部分的に同一の電気泳動移動度で、抗血清と反応するサブチラーゼである。Bock及びAxelsenは、N.H. Axelsen, J. Kroll and B. Weeks, editors, A Manual of Quantitative Immunoelectrophoresis, Blackwell Scientific Publications, 1973, Chapter 11 において、部分的免疫化学同一性を記載する。
【0066】
抗体はまた、モノクローナル抗体でもあり得る。モノクローナル抗体は、例えばE. Harlow and D. Lane, editors, 1989, Antibodies, A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Press, Cold Spring Harbor, New Yorkの方法に従って、調製され、そして使用され得る。
本発明者は、配列番号2で示されるアミノ酸配列を有するサブチラーゼをコードする遺伝子を単離し、そしてE. コリ MT173中に挿入した。前記遺伝子を有するE.コリMT173株は、Deutsche Sammlung von Mikro organismen und Zellkulturen GmbH, mascheroder Weg 1B, D-38124 B raunschweig, Germanyで、2000年2月8日、特許手続きの目的のための微生物寄託の国際認識に基づくブダペスト条約に従って寄託され、そして受託番号DSM15575を付与された。
【0067】
本発明者は、配列番号4で示されるアミノ酸配列を有するサブチラーゼをコードする遺伝子を単離し、そしてE. コリ MT173中に挿入した。前記遺伝子を有するE.コリMT173株は、Deutsche Sammlung von Mikro organismen und Zellkulturen GmbH, mascheroder Weg 1B, D-38124 B raunschweig, Germanyで、2000年2月8日、特許手続きの目的のための微生物寄託の国際認識に基づくブダペスト条約に従って寄託され、そして受託番号DSM15574を付与された。
【0068】
本発明の興味ある態様においては、サブチラーゼは、寄託番号DSM 15575として寄託されたE.コリMT173に存在するプラスミドフラグメント中にクローン化されたポリヌクレオチドの一部をコードするサブチラーゼによりコードされるサブチラーゼに対して、99.26%以上、又は99.63%以上の同一性を有する。
本発明の興味ある態様においては、サブチラーゼは、寄託番号DSM15574として寄託されたE.コリMT173に存在するプラスミドフラグメント中にクローン化されたポリヌクレオチドの一部をコードするサブチラーゼによりコードされるサブチラーゼに対して、97.40%以上、又は97.77%以上、又は98.14%以上、又は98.51%以上、又は98.89%以上、又は99.26%以上、又は99.63%以上の同一性を有する。
【0069】
上記で言及されるように、本発明のサブチラーゼは、卵のしみに対して卓越した洗浄性能を示す。従って、当業者の開発研究の初期段階で、この目的のための効果的且つ好ましいサブチラーゼの選択を可能にするために、本発明者は、問題のサブチラーゼの性能をまず評価するために当業者により容易に行なわれ得る適切な予備試験を提供した。
【0070】
従って、本明細書の例2に開示される“モデル洗剤洗浄性能試験”は、選択されたサブチラーゼの効能を評価するために使用され得る。換言すれば、“モデル洗剤洗浄性能試験”は、対照システム、この場合、Savinase(商標)(同じモデル洗剤システムにおいて導入され、そして同一の条件下で試験される)に比較して、標準の洗剤組成物に導入される場合、標準の布から卵のしみを除去するサブチラーゼの能力を評価するために使用され得る。この試験下で、卵のしみを除去する選択されたサブチラーゼの適性がまず調査され、その原理は、選択されたサブチラーゼが対照酵素に比較して、試験において有意な改良性を示さない場合、さらなる試験実験を通常行う必要がないことである。
【0071】
従って、本明細書に記載される洗濯洗浄目的のために特に興味あるサブチラーゼは、本明細書における“モデル洗剤洗浄性能試験”に記載のようにして、
6.2%のLAS(Nansa 80S);
2%のC16−C18脂肪酸のナトリウム塩;
4%の非イオン性界面活性剤(Plurafax LF404);
22%のゼオライトP;
10.5%のNa2CO3
4%のNa2Si2O5
2%のカルボキシメチルセルロース(CMC);
6.8%のアクリレート液体CP5 40%;
20%の過硼酸ナトリウム(実験式NaBO2・H2O);
0.2%のEDTA;
21%のNa2SO4及び
水(残余)
を含んで成るモデル洗剤組成物により試験される場合、同一の条件下で試験される参照酵素に比較して、卵のしみに対して改良された洗浄性能を示すを示すそのようなサブチラーゼである。
【0072】
洗浄性能の改良性は、本明細書における例2に定義される、いわゆる“性能因子”を用いることによって定量化され得る。
本発明の非常に興味ある態様においては、本発明のサブチラーゼは、“洗浄性能試験”において試験される場合、少なくとも1、例えば少なくとも1.5、例えば少なくとも2、好ましくは少なくとも2.5、例えば少なくとも3、例えば少なくとも3.5、特に少なくとも4、例えば少なくとも4.5、例えば少なくとも5の性能因子を有する。
明らかに、本発明のサブチラーゼは、少なくとも言及された最低のレベルで、より好ましくは言及された中位のレベルで及び最も好ましくは言及された最高のレベルで、上記基準を満たすことが好ましい。
【0073】
例3に開示される“完全な規模の自動皿洗い洗浄(ADW)試験”、又は例4に開示される“小規模自動皿洗い洗浄(ADWミニ洗浄)”、又は例5に開示される“自動機械的応力アッセイ(AMSA)”(すべて本明細書における)が、自動皿洗い洗浄における選択されたサブチラーゼの効能を評価するために使用され得る。換言すれば、洗剤組成物(市販又は標準)に組込まれる場合、対照システム(同じ洗剤システムに組込まれ、そして同一の条件下で試験される)に比較して、硬質表面から卵のしみを除去するサブチラーゼの能力を評価するための試験を行うことができる。この試験を使用して、卵のしみを除去する、選択されたサブチラーゼの適合性が最初に研究され、その基本的原理は、選択されたサブチラーゼが対照酵素に比較して、試験において有意な改良性を示さない場合、通常、さらなる試験実験を行う必要がないことである。
【0074】
従って、自動皿洗い目的のために特に興味あるサブチラーゼは、本明細書における例3,4又は5における試験に記載されるように、下記成分を含んで成るモデル洗剤組成物において試験される場合、同一の条件下で試験される対照に比較して、卵のしみに対して改良された性能を示すそのようなサブチラーゼである:
トリポリリン酸ナトリウム 23.0%
クエン酸ナトリウム・二水和物 22.3%
過硼酸ナトリウム・一水和物 6.0%
テトラアセチルエチレンジアミン 2.0%
二珪酸ナトリウム(非晶性) 5.0%
線状脂肪アルコールエトキシレート 2.0%
(非イオン性界面活性剤、低発泡性)
マレイン酸/アクリル酸コポリマー 4.0%
(ナトリウム塩、炭酸ナトリウムに対して50%の活性)
無水炭酸ナトリウム 100%までの添加
【0075】
本発明のサブチラーゼは、多様性の人工的創造のための標準技法、例えば種々のサブチラーゼ遺伝子のDNAシャフリングにより構成され得る(WO95/22625号、及びJ.E. Nessなど., Nature Biotechnology, 17, 893-896 (1999) を参照のこと)。
【0076】
明らかに、本発明のサブチラーゼはまた、天然源からも単離され得、すなわち本発明のサブチラーゼは、例えば細菌サブチラーゼ、例えばグラム陽性細菌サブチラーゼ、例えばバチルス(bacillus)サブチラーゼ、例えばバチルス・アルカロフィラス(Bacillus alkalophilus)、バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、バチルス・ブレビス(Bacillus brevis)、バチルス・サーキュランス(Bacillus circulans)、バチルス・コアギュランス(Bacillus coagulans)、バチルス・ラウタス(Bacillus lautus)、バチルス・レンタス(Bacillus lentus)、バチルス・リケニホルミス(Bacillus licheniformis)、バチルス・メガテリウス(Bacillus megaterium)、バチルス・ステアロサーモフィラス(Bacillus stearothermophilus)、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)又はバチルス・スリンジエンシス(Bacillus thuringiensis)サブチラーゼ;又はストレプトミセス(Streptomyces)サブチラーゼ、例えばストレプトミセス・リビダンス(Streptomyces lividans)又はストレプトミセス・ムリナス(Streptomyces murinus)サブチラーゼ;又はグラム陰性細菌サブチラーゼ、例えばE.コリ(E. coli)又はプソイドモナスsp. (Pseudomonas sp.) サブチラーゼであり得る。
【0077】
本発明のサブチラーゼは、菌類ポリペプチド、及びより好ましくは、酵母サブチラーゼ、例えばカンジダ(Candida)、クルイベロミセス(Kluyveromyces)、ピチア(Pichia)、サッカロミセス(Saccharomyces)、シゾサッカロミセス(Schizos accharomyces)、又はヤロウイア(Yarrowia)サブチラーゼ;又はより好ましくは、糸状菌サブチラーゼ、例えばアクレモニウム(Acremonium)、アスペルギラス(Aspergillus)、アウレオバシジウム(Aureobasidium)、クリプトコーカス(Cryptococcus)、フィリバシジウム(Filibasidium)、フサリウム(Fusarium)、ヒューミコラ(Humicola)、マグナポリス(Magnaporthe)、ムコル(Mucor)、ミセリオプソラ(Myceliophthora)、ネオカノマスチックス(Neocallimastix)、ネウロスポラ(Neurospora)、パエシロミセス(Paecilomyces)、ペニシリウム(Penicillium)、ピロミセス(Piromyces)、シゾフィラム(Schizophyllum)、タラロミセス(Talaromyces)、サーモアスカス(Thermoascus)、チエラビア(Thielavia)、トリポクラジウム(Tolypocladium)又はトリコダーマ(Trichoderma)サブチラーゼであり得る。
【0078】
興味ある態様においては、サブチラーゼは、サッカロミセス・カルスベルゲンシス(Saccharomyces carlsbergensis)、サッカロミセス・セレビシアエ(Saccharomyces cerevisiae)、サッカロミセス・ジアスタチカス(Saccharomyces diastaticus)、サッカロミセス・ドウグラシ(Saccharomyces douglasii)、サッカロミセス・クルイベリ(Saccharomyces kluyveri)、サッカロミセス・ノルベンシス(Saccharomyces norbensis)又はサッカロミセス・オビホルミス(Saccharomyces oviformis)サブチラーゼである。
【0079】
もう1つの興味ある態様においては、サブチラーゼは、アスペルギラス・アキュレアタス(Aspergillus aculeatus)、アスペルギラス・アワモリ(Aspergillus awamori)、アスペルギラス・ホエチダス(Aspergillus foetidus)、アスペルギラス・ジャポニカス(Aspergillus japonicus)、アスペルギラス・ニジュランス(Aspergillus nidulans)、アスペルギラス・ニガー(Aspergillus niger)、アスペルギラス・オリザエ(Aspergillus oryzae)、フサリウム・バクトリジオイデス(Fusarium bactridioides)、フサリウム・セレアリス(Fusarium cerealis)、フサリウム・クロックウェレンズ(Fusarium crookwellense)、フサリウム・クルモラム(Fusarium culmorum)、フサリウム・グラミネアラム(Fusarium graminearium)、
【0080】
フサリウム・グラミナム(Fusarium graminum)、フサリウム・ヘテロスポラム(Fusarium heterosporum)、フサリウム・ネグンジ(Fusarium negundi)、フサリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)、フサリウム・レチキュラタム(Fusarium reticulatum)、フサリウム・ロゼウム(Fusariumu roseum)、フサリウム・サムブシウム(Fusarium sambucinum)、フサリウム・サルコクロウム(Fusarium sarcochroum)、フサリウム・スポロトリキオイデス(Fusarium sporotrichioides)、フサリウム・スルフレウム(Fusarium sulphureum)、フサリウム・トルロサム(Fusarium torulosaum)、フサリウム・トリコセシオイデス(Fusarium trichothecioides)、フサリウム・ベネナタム(Fusarium venenatum)、
【0081】
ヒュミコラ・インソレンス(Humicola insolens)、ヒュミコラ・ラヌギノサ(Humicola lanuginosa)、ムコル・ミエヘイ(Mucor miehei)、ミセリオプラソ・サーモフィラ(Myceliophthora thermophila)、ネウロスポラ・クラサ(Neurospora crassa)、ペニシリウム・プルプロゲナム(Penicillium purpurogenum)、トリコダーマ・ハルジアナル(Trichoderma harzianum)、トリコダーマ・コニンギ(Trichoderma koningii)、トリコダーマ・ロンジブラキアタム(Trichoderma longibrachiatum)、トリコダーマ・レセイ(Trichoderma reesei)又はトリコダーマ・ビリデ(Trichoderma viride)サブチラーゼである。
【0082】
前述の種に関しては、本発明は完全及び不完全状態の両者、及び他の分類学的同等物、例えばアナモルフを、それらが知られている種の名称にかかわらず、包含することが理解されるであろう。当業者は適切な同等物の正体を容易に理解するであろう。
それらの種の株は、次の多くの培養物寄託所から容易に入手できる:American Type Culture Collection (ATCC), Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH (DSM), Centraalbureau Voor Schimmelcaltures (CBS), 及びAgricultural Research Service Patent Culture Collection, Northern Regional Research Center (NRRL)。
【0083】
さらに、そのようなポリペプチドは、他の源、例えば天然源(例えば、土壌、培養土、水、等)から単離された微生物から、上記プローブを用いて同定され、そして得られる。天然の生息地から微生物を単離する技法は当業界において良く知られている。次に、もう1つの微生物のゲノム又はcDNAライブラリーの同様なスクリーニングは、ポリヌクレオチドを誘導する。サブチラーゼをコードするポリヌクレオチドがプローブにより検出されると、配列は当業者に知られている技法を用いることによって同定され、又はクローン化され得る(例えば、J. Sambrook, E. F. Fritsch, and T. Maniatus, 1989, Molecular Cloning, A Laboratory Manual, Zd Edition, Cold Spring Harbor, New York を参照のこと)。
【0084】
本発明のサブチラーゼをクローニングし、そして遺伝子(例えば、サブチラーゼ遺伝子)中に挿入物を導入するための多くの方法は、当業界においてよく知られている。“発明の背景”のセクションに引用される引例を参照のこと。
一般的に、遺伝子のクローニング及び前記遺伝子中への挿入物の導入(ランダム及び/又は特定部位)のための標準方法が、本発明のサブチラーゼ酵素を得るために使用され得る。適切な技法のさらなる記載は、本明細書における例(下記参照のこと)、及び(Sambrookなど. (1989) Molecular Cloning: A Laboratory manual, Cold Spring Harbor Lab., Cold Spring Harbor, NY; Ausubel, F.M. など. (eds.) “Current Protocols in Molecular Biology”, John Wiley and Sons, 1995; Harwood, C.R., and Cutting, S.M. (eds.) “Molecular Biological Methods for Bacillus”, John Wiley and Sons, 1990); 及びWO96/34946号に言及される。
【0085】
さらに、本発明のサブチラーゼ酵素は、多様性の人工的創造のための標準技法、例えば異なったサブチラーゼ遺伝子のDNAシャフリングにより構成され得る(WO95/22625号;Stemmer WPC, Nature 370: 389-91 (1994))。例えば天然において同定される1又は複数の部分サブチラーゼ配列による、Savinase(商標)をコードする遺伝子のDNAシャフリングは、改良された洗浄性能についての続くスクリーニングの後、本発明のサブチラーゼを提供するであろう。
【0086】
ポリヌクレオチド
本発明のはまた、本発明のサブチラーゼをコードする単離されたポリヌクレオチドにも関する。
1つの興味ある態様においては、ポリヌクレオチドは、配列番号1のヌクレオチド1〜807として示されるポリヌクレオチドと少なくとも88%の同一性を有する。好ましくは、ポリヌクレオチドは、配列番号1のヌクレオチド1〜807として示されるポリヌクレオチドに対して、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%又は少なくとも99%の同一性;又は配列番号3のヌクレオチド1〜807として示されるポリヌクレオチドに対して、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%又は少なくとも99%の同一性を有する。
【0087】
本発明のもう1つの興味ある態様においては、ポリヌクレオチドは、配列番号1又は3のヌクレオチド1〜807として示されるポリヌクレオチド、その対立遺伝子変異体、又は本発明のサブチラーゼをコードできるそのフラグメントを含んで成る。明らかに、ポリヌクレオチドは、配列番号1又は3のヌクレオチド1〜807として示されるポリヌクレオチドから成ることができる。
【0088】
本発明は、遺伝子コードの縮重により配列番号2とは異なる、配列番号2のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを包含し;本発明は、遺伝子コードの縮重により配列番号4とは異なる、配列番号4のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを包含する。本発明はまた、タンパク質加水分解活性を有する配列番号2のフラグメントをコードする配列番号1の副配列、及びタンパク質加水分解活性を有する配列番号4のフラグメントをコードする配列番号3の副配列にも関する。
【0089】
配列番号1の副配列は、配列番号1のヌクレオチド1〜807により包含されるポリヌクレオチドであるが、但し、5’及び/又は3’末端からの1又は複数のヌクレオチドが欠失されており;配列番号3の副配列は、配列番号3のヌクレオチド1〜807により包含されるポリヌクレオチドであるが、但し、5’及び/又は3’末端からの1又は複数のヌクレオチドが欠失されている。
【0090】
ポリペプチドをコードする核酸配列を単離し、又はクローン化するために使用される技法は、当業界において知られており、そしてゲノムDNAからの単離、cDNAからの調製、又はそれらの組み合わせを包含する。そのようなゲノムDNAからの本発明のポリヌクレオチドのクローニングは、例えば良く知られているポリメラーゼ鎖反応(PCR)、又は共有する構造特徴を有するクローン化されたDNAフラグメントを検出するために発現ライブラリーの抗体スクリーニングを用いることによってもたらされ得る。例えば、Innisなど., 1990, PCR: A Guide to Methods and Application; Academic Press, New York を参照のこと。他の核酸増幅方法、例えばリガーゼ鎖反応(LCR)、連結された活性化転写(LAT)及び核酸配列に基づく増幅(NASBA)が使用され得る。
【0091】
単離されたポリヌクレオチドは、それが再生されるであろう異なった部位にその天然の位置からポリヌクレオチドを再配置するために遺伝子工学に使用される標準のクローニング方法により得られる。クローニング方法は、サブチラーゼをコードするポリヌクレオチドを含んで成る所望する核酸フラグメントの切除及び単離、ベクター分子中へのフラグメントの挿入、及びポリヌクレオチドの複数コピー又はクローンが複製されるであろう宿主細胞中への組換えベクターの組み込みを包含する。ポリヌクレオチドは、ゲノム、cDNA, RNA, 半合成、合成起源、又はそれらのいずれかの組み合わせのものであり得る。
本発明の目的のためには、2種のポリヌクレオチド間の同一性の程度は、上記に従って決定される。
【0092】
本発明のサブチラーゼをコードするポリヌクレオチドの修飾は、そのサブチラーゼに実質的に類似するサブチラーゼの合成のために必要である。用語、サブチラーゼに“実質的に類似する”とは、サブチラーゼの天然に存在しない形を言及する。それらのサブチラーゼは、その天然源から単離されたサブチラーゼから、いくつかの構築された態様で異なり、たとえば非活性、熱安定性、pH最適性又は同様のものにおいて異なる変異体であり得る。
【0093】
変異体配列は、配列番号1のポリペプチドコード部分として提供されるポリヌクレオチド、又は配列番号3のポリペプチドコード部分として提供されるポリヌクレオチド、例えばその副配列に基づいて、及び/又は核酸配列によりコードされるサブチラーゼのもう1つのアミノ酸配列を生ぜしめないが、しかし酵素の生成のために意図された宿主生物のコドン使用法に対応するヌクレオチド置換の導入により、又は異なったアミノ酸配列を生ぜしめることができるヌクレオチド置換の導入により構成され得る。ヌクレオチド置換の一般的記載のためには、Fordなど., 1991, Protein Expression and Purification 2:95-107を参照のこと。
【0094】
そのような置換は、分子の機能に対して決定的である領域外で行われ、そしてさらに活性サブチラーゼをもたらすことは、当業者に明らかであろう。本発明の単離されたポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチドの活性に必須であり、そして従って、好ましくは置換を受けやすくないアミノ酸残基は、当業界において知られている方法、たとえば特定部位の突然変異誘発又はアラニン−走査突然変異誘発に従って同定され得る(たとえば、Cunningham and Wells, 1989, Science 244: 1081-1085を参照のこと)。
【0095】
後者の技法においては、突然変異は分子における正に荷電された残基ごとに導入され、そしてその得られる変異体分子は、分子の活性に対して決定的であるアミノ酸残基を同定するためにタンパク質加水分解活性について試験される。基質−酵素相互作用の部位はまた、核磁気共鳴分析、クリスタログラフィー又は光親和性ラベリングのような技法により決定されるように、立体構造体の分析により決定され得る(たとえば、de Vos など., 1992, Science 255: 306-312; Smith など., 1992, Journal of Molecular Biology 224: 899-904; Wlodaver など., 1992, FEBS Letters 309: 59-64を参照のこと)。
【0096】
核酸構造体
本発明はまた、適切な宿主細胞においてポリペプチドの発現を方向づける1又は複数の制御配列に作用可能に連結される本発明のポリヌクレオチドを、制御配列と適合できる条件下で含んで成る核酸構造体にも関する。
本発明のサブチラーゼをコードする単離されたポリヌクレオチドは、サブチラーゼの発現を提供するために種々の手段で操作され得る。ベクター中へのその挿入の前、ポリヌクレオチドの操作は、発現ベクターに依存して、所望されるか又は必要とされる。組換えDNA方法を用いてポリヌクレオチドを修飾するための技法は、当業界において良く知られている。
【0097】
制御配列は、本発明のサブチラーゼの発現のために必要であるか、又はそのために好都合であるすべての成分を包含する。個々の制御配列は、サブチラーゼをコードするポリヌクレオチドに対して生来であっても又は外来性であっても良い。そのような制御配列は、リーダー、ポリアデニル化配列、プロペプチド配列、プロモーター、シグナルペプチド配列、及び転写ターミネーターを包含するが、但しそれらだけには限定されない。最少で、制御配列は、プロモーター、及び転写及び翻訳停止シグナルを包含する。制御配列は、サブチラーゼをコードするポリヌクレオチドのコード領域と制御配列との連結を促進する特定の制限部位を導入するためにリンカーを提供され得る。
【0098】
制御配列は、適切なプロモーター配列、すなわち核酸配列の発現のために宿主細胞により認識されるポリヌクレオチドであり得る。プロモーター配列は、サブチラーゼの発現を仲介する転写制御配列を含む。プロモーターは、宿主細胞において転写活性を示すいずれかのポリヌクレオチド、たとえば変異体の、切断された、及びハイブリッドのプロモーターであり得、そして宿主細胞に対して相同であるか又は異種である細胞外又は細胞内サブチラーゼをコードする遺伝子から得られる。
【0099】
特に細胞宿主細胞において本発明の核酸構造体の転写を方向づけるための適切なプロモーターの例は、E.コリlacオペロン、ストレプトミセス・コエリカラー(Streptomyces coelicolor)アガラーゼ遺伝子(dagA)、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)Lバンスクラーゼ遺伝子(sacB)、バチルス・リケニホルミス(Bacillus licheniformis)α−アミラーゼ遺伝子(amyL)、Bチルス・ステアロサーモフィラス(Bacillus stearothermophilus)マルトゲン性アミラーゼ遺伝子(amyM)、バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliguefaciens) α−アミラーゼ遺伝子(amyQ)、バチルス・リケニホルミスペニシリナーゼ遺伝子(penP)、バチルス・サブチリスxylA及びzylB遺伝子及び原生動物のβ−ラクタマーゼ遺伝子から得られるプロモーター(Villa−Kamaroffなど., 1978, Proceedings of the National Academy of Sciences USA 75: 3727-3731)、及びtac プロモーター(De Boer など., 1983, Proceedings of the National Academy of Science USA 80: 21-25)である。さらなるプロモーターは、“Useful proteins from recombinant bacteria” in Scientific American, 1980, 242: 74-94; 及びSambrookなど., 1989, 前記に記載される。
【0100】
糸状菌宿主細胞における本発明の核酸構造体の転写を方向づけるための適切なプロモーターの例は、アスペルギラス・オリザエTAKAアミラーゼ、リゾムコル・ミエヘイ アスパラギン酸プロテイナーゼ、アスペルギラス・ニガー中性α−アミラーゼ、アスペルギラス・ニガー酸安定性α−アミラーゼ、アスペルギラス・ニガー又はアスペルギラス・アワモリグルコアミラーゼ(glaA)、リゾムコル・ミエヘイリパーゼ、アスペルギラス・オリザエ アルカリプロテアーゼ、アスペルギラス・オリザエトリオースリン酸イソメラーゼ、アスペルギラス・ニジュランスアセトアミダーゼ、及びフサリウム・オキシスポラムトリプシン−様プロテアーゼ(WA96/00787号)をコードする遺伝子から得られるプロモーター、並びにアスペルギラス・ニガー中性α−アミラーゼ及びアスペルギラス・オリザエトリオースリン酸イソメラーゼをコードする遺伝子からのプロモーターのハイブリッド、及びそれらの変異体の切断され、及びハイブリッドのプロモーターである。
【0101】
酵母宿主においては、有用なプロモーターは、サッカロミセス・セレビシアエ(Saccharomyces cerevisiae)エノラーゼ(ENO−1)、サッカロミセス・セレビシアエガラクトキナーゼ(GAL1)、サッカロミセス・セレビシアエアルコールデヒドロゲナーゼ/グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ(ADH2/GAP)、及びサッカロミセス・セレビシアエ3−ホスホグリセレートキナーゼから得られる。酵母宿主細胞のための他の有用なプロモーターは、Romunosなど., 1992, Yeast8:423−488により記載される。
【0102】
制御配列はまた、適切な転写ターミネーター配列、すなわち転写を終結するために宿主細胞により認識される配列でもあり得る。ターミネーター配列は、サブチラーゼをコードするポリヌクレオチドの3’側末端に作用可能に連結される。選択の宿主細胞において機能的であるいずれかのターミネーターが本発明において使用され得る。
糸状菌宿主細胞のための好ましいターミネーターは、アスペルギラス・オリザエTAKAアミラーゼ、アスペルギラス・ニガーグルコアミラーゼ、アスペルギラス・ニジュランスアントラニル酸シンターゼ、アスペルギラス・ニガーα−グルコシダーゼ及びフサリウム・オキシスポラムトリプシン−様プロテアーゼについての遺伝子から得られる。
【0103】
酵母宿主細胞のための好ましいターミネーターは、サッカロミセス・セレビシアエエノラーゼ、サッカロミセス・セレビシアエチトクロムC(CYC1)、及びサッカロミセス・セレビシアエグリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼについての遺伝子から得られる。酵母宿主細胞のための他の有用なターミネーターは、Romanosなど., 1992, 前記により記載される。
制御配列はまた、適切なリーダー配列、すなわち宿主細胞による翻訳のために重要であるmRNAの非翻訳領域でもあり得る。リーダー配列は、サブチラーゼをコードするポリヌクレオチドの5’末端に作用可能に連結される。選択の宿主細胞において機能的であるいずれかのリーダー配列が、本発明において使用され得る。
【0104】
糸状菌宿主細胞のための好ましいリーダーは、アスペルギラス・オリザエTAKAアミラーゼ、アスペルギラス・ニジュランストリオースリン酸イソメラーゼについての遺伝子から得られる。
酵母宿主細胞のための適切なリーダーは、サッカロミセス・セレビシアエエノラーゼ(ENO−1)、サッカロミセル・セレビシアエ3−ホスホグリセレートキナーゼ、サッカロミセス・セレビシアエα−因子及びサッカロミセス・セレビシアエアルコールデヒドロゲナーゼ/グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ(ADH2/GAP)についての遺伝子から得られる。
【0105】
制御配列はまた、ポリアデニル化配列、すなわちポリヌクレオチドの3’末端に作用可能に連結され、そして転写される場合、転写されたmRNAにポリアデノシン残基を付加するためにシグナルとして宿主細胞により認識される配列でもあり得る。選択の宿主細胞において機能的であるいずれかのポリアデニル化配列が,本発明において使用される。
【0106】
糸状菌宿主細胞のための好ましいポリアデニル化配列は、アスペルギラス・オリザエTAKAアミラーゼ、アスペルギラス・ニガーグルコアミラーゼ、アスペルギキラス・ニジュランスアントラニル酸シンターゼ、フサリウム・オキシスポラムトリプシン−様プロテアーゼ及びアスペルギラス・ニガーα−グルコシダーゼについての遺伝子から得られる。
酵母宿主細胞のための有用なポリアデニル化配列は、Guo and Sherman, 1995, Molecular Cellular Biology 15: 5983-5990により記載されている。
【0107】
制御配列はまた、サブチラーゼのアミノ末端に連結されるアミノ酸配列をコードし、そしてそのコードされたサブチラーゼを細胞の分泌路中に方向づけるシグナルペプチドコード領域でもあり得る。ポリヌクレオチドのコード配列の5’側末端は、本来、分泌されたサブチラーゼをコードするコード領域のセグメントと翻訳読み取り枠を整合して、天然において連結されるシグナルペプチドコード領域を含むことができる。他方では、コード配列の5’側末端は、そのコード配列に対して外来性であるシグナルペプチドコード領域を含むことができる。そのコード配列が天然において、シグナルペプチドコード領域を含まない外来性シグナルペプチドコード領域が必要とされる。他方では、外来性シグナルペプチドコード領域は、サブチラーゼの増強された分泌を得るために、天然のシグナルペプチドコード領域を単純に置換することができる。しかしながら、分泌路中に発現されたサブチラーゼを方向づけるいずれかのシグナルペプチドコード領域が、本発明に使用され得る。
【0108】
細菌宿主細胞のための効果的なシグナルペプチドコード領域は、バチルスNCIB11837マルトゲン性アミラーゼ、バチルス・ステアロサーモフィラスα−アミラーゼ、バチルス・リケニホルミススブチリシン、バチルス・リケニホルミスβ−ラクタマーゼ、バチルス・アステロサーモフィラス中性プロテアーゼ(nprT, nprS, nprM)、及びバチルス・スブチリスprsAについての遺伝子から得られるシグナルペプチド領域である。追加のシグナルペプチドは、Sinomen and Palva, 1993, Microbiological Reviews 57: 109-137 により記載される。
【0109】
糸状菌宿主細胞のための効果的なシグナルペプチドコード領域は、アスペルギラス・オリザエTAKAアミラーゼ、アスペルギラス・ニガー中性アミラーゼ、アスペルギラス・ニガーグルコアミラーゼ、リゾムコル・ミエヘイアスペラギン酸プロテイナーゼ、ヒューミコラ・インソレンスセルラーゼ及びヒューミコラ・ラヌギノサリパーゼについての遺伝子から得られたシグナルペプチドコート領域である。
酵母宿主細胞のための有用なシグナルペプチドは、サッカロミセス・セレビシアエα−因子及びサッカロミセル・セレビシアエインバーターゼについての遺伝子から得られる。他の有用なシグナルペプチドコード領域は、Romanos など., 1992, 前記により記載される。
【0110】
制御配列はまた、サブチラーゼのアミノ末端で位置するアミノ酸配列をコードするプロペプチドコード領域であり得る。得られるポリペプチドは、プロ酵素又はプロポリペプチド(又は多くの場合、チモーゲン)として知られている。プロポリペプチドは一般的に不活性であり、そしてプロポリペプチドからプロペプチドの触媒又は自己触媒分解により成熟した活性ポリペプチドに転換され得る。プロペプチドコード領域は、バチルス・サブチリスアルカリプロテアーゼ(aprE)、バチルス・サブチリス中性プロテアーゼ(nprT)、サッカロミセス・セレビシアエα−因子、リゾムコル・ミエヘイ アスパラギン酸プロテイナーゼ遺伝子、及びミセリオプソラ・サーモフィリア ラッカーゼについての遺伝子から得られる(WO95/33836号)。
【0111】
シグナルペプチド及びプロペプチド領域の両者がサブチラーゼのアミノ末端に存在する場合、そのプロペプチド領域は、サブチラーゼのアミノ末端の次に位置し、そしてシグナルペプチド領域は、プロペプチド領域のアミノ末端の次に位置する。
【0112】
宿主細胞の増殖に関して、ポリペプチドの発現の調節を可能にする調節配列を付加することがまた所望される。調節システムの例は、調節化合物の存在を包含する、化学的又は物理的刺激に応答して、遺伝子の発現の開始又は停止を引き起こすそれらのシステムである。原核生物系における調節システムは、lac, tac及びtrpオペレーターシステムお包含する。酵母においては、ADH2システム又はGAL1システムが使用され得る。糸状菌においては、TAKAα−アミラーゼプロモーター、アスペルギラス・ニガーグルコアミラーゼプロモーター及びアスペルギラス・オリザエグルコアミラーゼプロモーターが、調節配列として使用さえ得る。調節配列の他の列は、遺伝子増幅を可能にするそれらの配列である。真核システムにおいては、それらはメトトレキセートの存在下で増幅されるジヒドロ葉酸レダクターゼ遺伝子、及び重金属と共に増幅されるメタロチオネイン遺伝子を包含する。それらの場合、サブチラーゼをコードするポリヌクレオチドが、調節配列により作用可能に連結される。
【0113】
発現ベクター
本発明はまた、本発明の核酸構造体、プロモーター、及び転写及び翻訳停止シグナルを含んで成る組換え発現ベクターにも関する。
本発明の酵素をコードする核酸構造体を含んで成る組換え発現ベクターは、便利には、組換えDNA方法にゆだねられ得るいずれかのベクターであり得る。
【0114】
ベクターの選択は、それが導入される宿主細胞にしばしば依存する。従って、ベクターは自律的に複製するベクター、すなわち染色体存在物として存在するベクター(この複製は染色体複製に無関係である)、例えばベクターであり得る。他方では、ベクターは、宿主細胞中に導入される場合、その宿主細胞ゲノム中に一部又は完全に組み込まれ、そしてそれが組み込まれている染色体と一緒に複製されるベクターであり得る。
【0115】
ベクターは好ましくは、本発明の酵素をコードするDNA配列がそのDNAの転写のために必要とされる追加のセグメントに操作可能に連結されている発現ベクターである。一般的に、発現ベクターは、プラスミド又はウィルスDNAに由来し、又は両要素を含むことができる。用語“作用可能に連結される”とは、セグメントが、それらの意図された目的のために協調して機能し、例えば転写がプロモーターにより開始し、そして酵素をコードするDNA配列を通して進行するよう配置されることを示す。
【0116】
プロモーターは、選択の宿主細胞において転写活性を示すいずれかのDNA配列であり、そして宿主細胞に対して相同であるか又は異種のタンパク質をコードする遺伝子に由来することができる。
細菌宿主細胞に使用するための適切なプロモーターの例は、バチルス・ステアロサーモフィラス マルトゲン性アミラーゼ遺伝子、バチルス・リケニホルミスα−アミラーゼ遺伝子、バチルス・アミロリケファシエンスα−アミラーゼ遺伝子、バチルス・サブチリスアルカリプロテアーゼ遺伝子又はバチルス・プミラスキシロシダーゼ遺伝子のプロモーター、又はファージλPR又はPLプロモーター又はE.コリlac, trp又はtacプロモーターを包含する。
【0117】
本発明の酵素をコードするDNA配列はまた、必要なら、適切なターミネーターに操作可能に連結され得る。
本発明の組換えベクターはさらに、問題の宿主細胞におけるベクターの複製を可能にするDNA配列を含んで成る。
ベクターはまた、選択マーカー、例えば宿主細胞における欠損を補足する生成物をコードする遺伝子、又は抗生物質、例えばカナマイシン、クロラムフェニコール、エリトロマイシン、テトラサイクリン、スペクチノマイシン又は同様のものに対する耐性、又は重金属又は除草剤に対する耐性をコードする遺伝子を含んで成ることができる。
【0118】
宿主細胞の分泌経路中に本発明の酵素を方向づけるためには、分泌シグナル配列(リーダー配列、プレプロ配列又はプレ配列としても知られている)が、組換えベクターに供給され得る。分泌シグナル配列は、正しい読み取り枠で酵素をコードするDNA配列に連結される。分泌シグナル配列は、酵素をコードするDNA配列の5’側に通常、位置する。分泌シグナル配列は、酵素と通常関連するその配列であり得るか、又はもう1つの分泌されるタンパク質をコードする遺伝子からであり得る。
【0119】
それぞれ、本発明の酵素をコードするDNA配列、プロモーター及び任意には、ターミネーター及び/又は分泌シグナル配列を連結するために、又は適切なPCR増幅によりそれらの配列をアセンブリーするために、及び複製又は組み込みのために必要な情報を含む適切なベクター中にそれらを挿入するために使用される方法は、当業者に良く知られている(例えば、Sanbrookなど., 前記)。
【0120】
宿主細胞
本発明はまた、本発明の核酸構造体を含んで成る組換え宿主細胞にも関する。
宿主細胞中に導入される、本発明の酵素をコードするDNA配列は、問題の宿主に対して相同であっても、又は異種であっても良い。宿主細胞に対して相同である場合、すなわち天然において宿主細胞により生成される場合、それは、典型的には、もう1つのプロモーター配列、又は適用できるなら、その天然の環境においてよりももう1つの分泌シグナル配列及び/又はターミネーター配列に作用可能に連結されるであろう。用語“相同”とは、問題の宿主生物に対して生来の酵素をコードするDNA配列を包含することが意図される。用語“異種”とは天然において宿主細胞により発現されないDNA配列を包含することが意図される。従って、DNA配列は、もう1つの生物からであり得るか、又はそれは合成配列でもあり得る。
【0121】
本発明のDNA構造体又は組換えベクターが導入される宿主細胞は、本発明の酵素を生成できるいずれかの細胞であり得、そして細胞、酵母、菌類及び高等真核細胞、例えば植物を包含する。
【0122】
培養に基づいて、本発明の酵素を生成することができる菌類宿主細胞の例は、グラム陽性細菌、例えばバチルス株、例えばバチルス・サブチリス、バチルス・リケニホルミス、バチルス・レンタス、バチルス・ブレビス、バチルス・ステアロサーモフィラス、バチルス・アルカロフィラス、バチルス・アミロリケファシエンス、バチルス・コアギュランス、バチルス・サーキュランス、バチルス・ラウタス、バチルス・メガテリウス、又はバチルス・スリンジエンシス、特にバチルス・レンタスの株;又はストレプトミセス、例えばストレプトミセス・リビダンス又はストレプトミセス・ムリナスの株;又はグラム陰性細菌、例えばE.コリの株である。
【0123】
細菌の形質転換は、プロトプラスト形質転換、エレクトロポレーション、接合により、又はそれ自体知られている態様でのコンピテント細胞を用いることによりもたらされ得る(Sambrookなど., 前記を参照のこと)。
細胞、例えばE.コリにおいて酵素を発現する場合、酵素は、典型的には不溶性粒質物(封入体として知られている)として細胞質に保持され得るか、又は細菌分泌配列により細胞周辺腔に向けられ得る。前者の場合、細胞は溶解され、そして粒質物が回収され、そして変性され、この後、酵素は変性剤を希釈することによって再生される。後者の場合、酵素は、細胞周辺腔の内容物を放すために、例えば音波処理又は浸透ショックにより細胞を破壊することにより、細胞周辺腔から回収され得る。
【0124】
グラム−陽性細胞、例えばバチルス又はストレプトミセス株において酵素を発現する場合、酵素は細胞質に保持され得るか、又は細菌分泌配列により細胞外培地に向けられ得る。後者の場合、酵素は、下記のように培地から回収され得る。
【0125】
本発明のもう1つの態様においては、菌類宿主細胞は酵母細胞である“酵母”とは、本明細書において使用される場合、子嚢胞子酵母(Endomycetals)、担子胞子酵母、及び不完全菌類(Blastomycetes)に属する酵母を包含する。酵母の分類は未来において変化し得るので、本発明のためには、酵母は、Biology and Activities of Yeast (Skinner, F.A., Passmore, S.M., and Davenport, R.R., eds. Soc. App. Bacteriol. Symposium Series No. 9, 1980) に記載のようにして定義されるであろう。
【0126】
好ましい態様においては、酵母宿主細胞は、カンジダ(Candida)、ハンセヌラ(Hunsenula)、クレベロミセス(Kluyveromyces)、ピチア(Pichia)、サッカロミセス(Saccharomyces)、シゾサッカロミセス(Schizosaccharomyces)又はヤロウィア(Yarrowia)である。
【0127】
最も好ましい態様においては、酵母宿主細胞は、サッカロミセス・カルスベルゲンシス(Saccharomyces carlsbergensis)、サッカロミセス・セレビシアエ(Saccharomyses cerevisiae)、サッカロミセス・ジアスタチカス(Saccharomyces diastaticus)、サッカロミセス・ドウグラシ(Saccharomyces douglasii)、サッカロミセス・クルイビリ(Saccharomyces kluyveri)、サッカロミセス・ノルベンシス(Saccharomyces norbensisi)、又はサッカロミセス・オビホルミス(Saccharomyces oviformis)細胞である。もう1つの最も好ましい態様においては、酵母宿主細胞は、来るべろミセス・ラクチス(Kluyveromyces lactis)である。もう1つの最も好ましい態様においては、酵母宿主細胞は、ヤロウィア・リポリチカ(Yarrowia lipolytica)細胞である。
【0128】
もう1つのより好ましい態様においては、菌類宿主細胞は糸状菌細胞である。“糸状菌”とは、ユーミコタ(Eumycota)及びオーミコタ(Oomycota)のすべての糸状形を包含する(Hawksworthなど., 1995, 前記により定義されるような)。糸状菌は一般的に、キチン、セルロース、グルカン、キトサン、マンナン及び他の複合多糖類から構成される菌子体壁により特徴づけられる。成長増殖は、菌子拡張によってであり、そして炭素代謝は絶対好気性である。対照的に、酵母、たとえばサッカロミセス・セレビシアエによる成長増殖は、単細胞葉状体の発芽によってであり、そして炭素代謝は発酵性である。
【0129】
さらにより好ましい態様においては、糸状菌宿主細胞は、アクレモニウム(Acremonium)、アスペルギラス(Aspergillus)、フサリウム(Fusarium)、ヒューミコラ(Humicola)、ムコル(Mucor)、ミセリオプソラ(Myceliophthora)、ネウロスポラ(Neurospora)、ペニシリウム(Penicilium)、チエラビア(Thielavia)、トリポクラジウム(Tolypocladium)又はトリコダーマ(Trichoderma)の種の細胞であるが、但しそれらだけには限定されない。
【0130】
最も好ましい態様においては、糸状菌宿主細胞は、アスペルギラス・アワモリ、アスペルギラス・ホエチダス、アスペルギラス・ジャポニカ、アスペルギラス・ニジュランス、アスペルギラス・ニガー又はアスペルギラス・オリザエ細胞である。もう1つの最も好ましい態様においては、糸状菌宿主細胞は、フサリウム・バクトリジオイデス、フサリウム・クロックウェレンズ 、フサリウム・セレアリス、フサリウム・クルモラム、フサリウム・グラミネアラム、フサリウム・グラミナム、フサリウム・ヘテロスポラム、フサリウム・ネグンジ、フサリウム・オキシスポラム、フサリウム・レチキュラタム、フサリウム・ロゼウム、フサリウム・サムブシウム、フサリウム・サルコクロウム、フサリウム・ソラニ、フサリウム・スポロトリキオイデス、フサリウム・スルフレウム、フサリウム・トルロサム、フサリウム・トリコセシオイデス又はフサリウム・ベネナタム細胞である。さらに最も好ましい態様においては、糸状菌親細胞は、フサリウム・ベネナタム(Nirenberg sp. nov.)細胞である。さらに最も好ましい態様においては、糸状菌宿主細胞は、ヒューミコラ・インソレンス、ヒューミコラ・ラヌギノサ、ムコル・ミエヘイ、ミセリオプソラ・サーモフィリア、ネウロスポラ・クラサ、ペニシリウム・プルプロゲナム、チエラビア・テレストリス、トリコダーマ・ハルジアナム、トリコダーマ・コニンギ、トリコダーマ・ロンジブラキアタム、トリコダーマ・レセイ又はトリコダーマ・ビリデ細胞である。
【0131】
菌類細胞は、プロトプラスト形質転換、プロトプラストの形質転換、及びそれ自体知られている態様での細胞壁の再生を包含する工程により形質転換され得る。アスペルギラス宿主細胞の形質転換のための適切な方法は、ヨーロッパ特許第238023号及びYeltonなど., 1984, Proceedings of the National Academy of Sciences USA 81; 1474-1874に記載される。フラリウム種を形質転換するための適切な方法は、Malardierなど., 1989, Gene78: 147-156, 及びWO96/00787号により記載される。酵母は、Becker and Guarente. In Abelson, J.N. and Simon, M.I., editors, Guide to Yeast Genetics and Molecular Biology, Methods in Enzymology, Volume 194, pp 182-187, Academic Press, Inc., New York; Ito など, 1983, Journal of Bacteriology 153: 163; 及びHinnen など, 1978, Proceedings of the National Academy of Sciences USA 75; 1920により記載される方法を用いて形質転換され得る。
【0132】
本発明のサブチラーゼの生成方法
本発明はさらに、本発明のサブチラーゼの生成方法に関し、ここで前記方法は、
(a)サブチラーゼの生成の助けとなる条件下で本発明の組換え宿主細胞を培養し;そして
(b)前記サブチラーゼを回収することを含んで成る方法。
前記酵素をコードするDNA配列を含んで成る発現ベクターが異種細胞中に形質転換される場合、本発明の酵素の異種組換え生成を可能にすることができる。
それにより、相同不純物を有さないことにおいて特徴づけられる高く精製されたサブチラーゼ組成物を製造することが可能である。
【0133】
この場合、相同不純物とは、本発明の酵素が本来得られる相同細胞に起因するいずれかの不純物(例えば、本発明の酵素以外のポリペプチド)を意味する。
形質転換された宿主細胞を培養するために使用される培地は、問題の宿主細胞を増殖するために適切ないずれかの従来の培地であり得る。発現されたサブチラーゼは、便利には、培養培地中に分泌され、そして良く知られている方法、例えば培地から細胞を、遠心分離又は濾過により分離し、培地のタンパク質性成分を、塩、例えば硫酸アンモニウムにより沈殿せしめ、続いて、クロマトグラフィー方法、例えばイオン交換クロマトグラフィー、親和性クロマトグラフィー又は同様の方法により、それらから回収され得る。
【0134】
本発明のサブチラーゼの使用
本発明のサブチラーゼ酵素は、多くの産業用途、特に洗剤産業において使用され得る。従って、本発明はまた、本発明のサブチラーゼ酵素を含んで成る、洗浄又は洗剤組成物、好ましくは洗濯又は皿洗用組成物にも関する。
【0135】
本発明のサブチラーゼ酵素を含んで成る洗剤組成物
一般的に、清浄及び洗剤組成物は、当業界において良く知られており、そして適切な清浄及び洗剤組成物のさらなる記載については、WO96/34946号;WO97/07202号;WO95/30011号を参照のこと。
さらに、本明細書における例は、卵のしみに対する洗浄性能における本発明のサブチラーゼについての改良性を示す。
【0136】
洗剤組成物
本発明の酵素は洗剤組成物に添加され得、そして従って、洗剤組成物の成分になることができる。
本発明の洗剤組成物は、手動又は機械洗濯用洗剤組成物、例えば染色された布の前処理のために適切な洗濯用添加剤組成物及びすすぎ用布ソフトナー組成物として配合され得、又は一般的な家庭用硬質表面洗浄操作における使用のための洗剤組成物として配合され得、又は手動又は機械皿洗い操作のために配合され得る。
【0137】
特定の観点においては、本発明は、本発明のサブチラーゼ酵素を含んで成る洗剤添加剤を提供する。前記洗剤添加剤及び洗剤組成物は、1又は複数の他の酵素、例えばプロテアーゼ、リパーゼ、クチナーゼ、アミラーゼ、カーボヒドラーゼ、セルラーゼ、ペクチナーゼ、マンナナーゼ、アラビナーゼ、ガラクタナーゼ、キシラナーゼ、オキシダーゼ、例えばラッカーゼ及び/又はポロキシダーゼを含んで成ることができる。
一般的に、選択された酵素の性質は、選択された洗剤と適合できるべきであり(すなわち、他の酵素及び非酵素の成分、等とのpH−最適適合性)、そして酵素は効果的な量で存在すべきである。
【0138】
プロテアーゼ:適切なプロテアーゼは、動物、植物又は微生物起源のものを包含する。微生物起源が好ましい。化学的に修飾された、又はタンパク質構築された変異体が含まれる。プロテアーゼは、セリンプロテアーゼ又は金属プロテアーゼ、好ましくはアルカリ微生物プロテアーゼ又はトリプシン−様プロテアーゼであり得る。アルカリプロテアーゼの例は、スブチリシン、特にバチルスに由来するそれらのもの、例えばスブチリシンNovo、スブチリシンCarlsberg、スブチリシン309、スブチリシン147及びスブチリシン168(WO89/06279号に記載される)である。トリプシン−様プロテアーゼの例は、トリプシン(例えば、ブタ又はウシ起源のもの)、及びWO89/06270号及びWO94/25583号に記載されるフサリウムプロテアーゼである。
【0139】
有用なプロテアーゼの例は、WO92/19729号、WO98/20115号、WO98/20116号及びWO98/34946号に記載される変異体、特に1又は複数の次の位置での置換を有する変異体である:27,36, 56,76, 87,95, 96,97, 98,99, 100,101, 102,103, 104,120, 123, 159,167, 170,206, 218,222, 224,232, 235,236, 245,248, 252 及び 274。
好ましい市販のプロテアーゼ酵素は、AlcalaseTM, SavinaseTM, PrimaseTM, DuralaseTM, EsperaseTM及びKannaseTM (Novo Nordisk A/S), MaxataseTM, MaxacalTM, MaxapemTM, ProperaseTM, PurafectTM, Purafect OxPTM, FN2TM及びFN3TM (Genencor International Inc.) を包含する。
【0140】
リパーゼ:適切なリパーゼは、細菌又は菌類起源のそれらのものを包含する。化学的に修飾された又はタンパク質構築された変異体が包含される。有用なリパーゼの例は、ヒューミコラ(別名、サーモミセス)、例えばヨーロッパ特許第258068号及び第305216号に記載のようなヒューミコラ・ラウギノサ(T.ラウギノサ)、又はWO96/13580号に記載のようなヒューミコラ・インソレンス、P.アルカリゲネス又はP.プソイドアルカリゲネス(ヨーロッパ特許第218272号)、P.セパシア(ヨーロッパ特許第331376号)、P.スツゼリ(P.stutzeri)(イギリス特許第1,372,034号)、P.フルオレセンス、プソイドモナスsp. SD705株(WO95/06720号及びWO96/27002号)、P.ウイスコンシネンシス(WO96/12012号)からのリパーゼ、バチルスリーパーゼ、例えばB.スブチリス(Dartoisなど. (1993), Biochemica et Biophysica Acta, 1131, 253-360)、B. ステアロサーモフィラス(日本特許64/744992)又はB.プミラス(WO91/16422号)からのリーパーゼを包含する。
【0141】
他の例は、リパーゼ変異体、例えばWO92/05249号、WO94/01541号、ヨーロッパ特許第407225号、ヨーロッパ特許第260105号、WO95/35381号、WO96/00292号、WO95/30744号、WO94/25578号、WO95/14783号、WO95/22615号、WO97/04079号及びWO97/07202号に記載されるものを包含する。
好ましい市販のリパーゼ酵素は、LipolaseTM 及びLipolase UltraTM (Novo Nordisk A/S) を包含する。
【0142】
アミラーゼ:適切なアミラーゼ(α−及び/又はβ)は、細菌又は菌類起源のそれらのものを包含する。化学的に修飾された又はタンパク質構築された変異体が包含される。アミラーゼは、バチルス、例えばイギリス特許第1,296,839号により詳細に記載される、B.リケニルホルミスの特許株から得られるα−アミラーゼを包含する。
有用なアミラーゼの例は、WO94/02597号、WO94/18314号、WO96/23873号及びWO97/43424号に記載される変異体、特に1又は複数の次の位置での置換を有する変異体である:15, 23, 105, 106, 124, 128, 133, 154, 156, 181, 188, 190, 197, 202, 208, 209, 243, 264, 304, 305, 391, 408, 及び 444。
市販のアミラーゼは、DuramylTM, TermamaylTM, FungamylTM 及びBAMTM (Novo Nordisk A/S), RapidaseTM 及びPurastarTM (Genencor International Inc.)である。
【0143】
セルラーゼ:適切なセルラーゼは、細菌又は菌類起源のそれらのものを包含する。化学的に修飾された又はタンパク質構築された変異体が包含される。適切なセルラーゼは、バチルス、ヒューミコラ、フサリウム、チエラビア、アクレモニウム属からのセルラーゼ、例えばアメリカ特許第4,435,307号、アメリカ特許第5,648,263号、アメリカ特許第5,691,178号、アメリカ特許第5,776,757号及びWO89/09259号に開示されるヒューミコラ・インソレンス、マイセリオプソラ・サーモフィラ/オキシスポラムから生成される菌類セルラーゼを包含する。
【0144】
特に適切なセルラーゼは、色彩保護有益性を有するアルカリ又は中性セルラーゼである。そのようなセルラーゼの例は、ヨーロッパ特許第0495257号、ヨーロッパ特許第0531372号、WO96/11262号、WO96/29397号、WO98/08940号に記載されるセルラーゼである。例の例は、WO94/07998号、ヨーロッパ特許第0531315号、アメリカ特許第5,457,046号、アメリカ特許第5,686,593号、アメリカ特許第5,763,254号、WO95/24471号、WO98/12307号及びPCT/DK98/0299号に記載されるそれらのものである。
市販のセルラーゼは、CelluzymeTM 及びCarezymeTM (Novo Nordisk A/S), ClazinaseTM 及びPuradex HATM (Genencor International Inc.) 及びKAC−500 (B)TM (Kao Corporation) を包含する。
【0145】
ペルオキシダーゼ/オキシダーゼ:適切なペルオキシダーゼ/オキシダーゼは、植物、細菌又は菌類起源のそれらのものを包含する。化学的に修飾された又はタンパク質構築された変異体が包含される。有用なペルオキシダーゼの例は、コプリナス、例えばコプリナス・シネレウス、及びWO93/24618 号、WO95/10602号及びWO98/15257号に記載されるそれらのようなそれらの変異体からのペルオキシダーゼを包含する。
【0146】
洗剤酵素は、1又は複数の酵素を含む別々の添加剤を添加することにより、又はそれらの酵素のすべてを含んで成る組合された添加剤を添加することにより洗剤組成物に包含され得る。本発明の洗剤添加剤、すなわち別々の添加剤又は組合された添加剤が、例えば粒質物、液体、スラリー、等として配合され得る。好ましくは洗剤添加剤配合物は、粒質物、特に非−ダスチング粒質物、液体、特に安定された液体又はスラリーである。
【0147】
非−ダスチング粒質物は、アメリカ特許第4,106,991号及び第4,661,452号に開示のようにして生成され得、そして任意には、当業界において知られている方法により被覆され得る。蝋被覆材料の例は、1000〜20,000の平均モル重量を有するポリ(酸化エチレン)生成物(ポリエチレングリコール、PEG);16〜50の酸化エチレン単位を有する、エトキシル化されたノニルフェノール;12〜20個の炭素原子を有するアルコールを有し、そして15〜80の酸化エチレン単位を有する、エトキシ化された脂肪アルコール;脂肪アルコール、脂肪酸;及び脂肪酸のモノ−、ジ−及びトリグリセリドである。流動層技法による適用のために適切なフィルム形成被覆材料の例は、イギリス特許第1483591号に与えられている。例えば、液体酵素調製物は、確立された方法に従って、ポリオール、例えばプロピレングリコール、糖又は糖アルコール、硫酸又は硼酸を添加することによって、安定化される。保護された酵素は、ヨーロッパ特許第238,216号に開示される方法に従って調製され得る。
【0148】
本発明の洗剤組成物は、いずれかの便利な形、例えば棒状、錠剤、粉末、顆粒、ペースト又は液体の形で存在することができる。液体洗剤は、水性であり、典型的には、70%までの水及び0〜30%の有機溶媒を含み、又は非水性であり得る。
洗剤組成物は、非イオン性、例えば半−極性及び/又はアニオン性及び/又はカチオン性及び/又は両性イオンであり得る1又は複数の界面活性剤を含んで成る。界面活性剤は典型的には、0.1〜60重量%のレベルで存在する。
【0149】
そこに含まれる場合、洗剤は通常、約1%〜約40%のアニオン性界面活性剤、例えば線状アルキルベンゼンスルホネート、α−オレフィンスルホネート、アルキルスルフェート(脂肪酸スルフェート)、アルコールエトキシスルフェート、第二アルカンスルホネート、α−スルホ脂肪酸メチルエステル、アルキル−又はアルケニル琥珀酸又は石鹸を含むであろう。
【0150】
そこに含まれる場合、界面活性剤は通常、約0.2%〜約40%の非イオン性界面活性剤、例えばアルコールエトキシレート、ノニルフェノールエトキシレート、アルキルポリグリコシド、アルキルジメチルアミンオキシド、エトキシル化された脂肪酸モノエタノールアミド、脂肪酸モノエタノールアミド、ポリヒドロキシアルキル脂肪酸アミド、又はグルコサミンのN−アシルN−アルキル誘導体(“グルコサミド”)を含むであろう。
洗剤は、0〜65%の洗剤ビルダー又は錯生成剤、例えばゼオライト、ジホスフェート、三リン酸、ホスホネート、カーボネート、シトレート、ニトリロ三酢酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン六酢酸、アルキル−又はアルキニル琥珀酸、可溶性シリケート又は層化されたシリケート(例えばHoechstからのSKS−6)を含むことができる。
【0151】
洗剤は、1又は複数のポリマーを含んで成る。例としては、カルボキシメチルセルロース、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルピリジン−N−オキシド)、ポリ(ビニルイミダゾール)、ポリカルボキシレート(例えばポリアクリレート、マレイン酸/アクリル酸コポリマー及びラウリルメタクリレート/アクリル酸コポリマーを含んで成る。
【0152】
洗剤は、H2O2源を含んで成る漂白システム、例えば過酸形成漂白活性化剤、例えばテトラアセチルエチレンジアミン又はノナノイルオキシベンゼンスルホネートと共に組合され得る過硼酸塩又は過炭酸塩を含むことができる。他方では、漂白システムは、例えばアミド、イミド又はスルホン型のペルオキシ酸を含むことができる。
本発明の洗剤組成物の酵素は、従来の安定剤、例えばポリオール、例えばプロピレングリコール又はグリセロール、糖又は糖アルコール、乳酸、硼酸又は硼酸誘導体、例えば芳香族硼酸エステル又はフェニル硼素酸誘導体、例えば4−ホルミルフェニル硼素酸を用いて安定化され得、そして前記組成物は、例えばWO92/19709号及びWO92/19708号に記載のようにして配合され得る。
【0153】
洗剤はまた、他の従来の洗剤組成物、例えば布コンディショナー、例えばクレー、泡増強剤、石鹸泡抑制剤、抗腐蝕剤、土壌懸濁剤、抗−土壌再沈着剤、染料、殺菌剤、蛍光増白剤、ヒドロトロープ、曇りインヒビター、又は香料を含むことができる。
洗剤組成物においては、いずれかの酵素、特に本発明の酵素は、洗浄液体1L当たり0.01−100mgの酵素タンパク質、好ましくは洗浄液体1L当たり0.05−5mgの酵素タンパク質、特に洗浄液体1L当たり0.1−1mgの酵素タンパク質に対応する量で添加され得ることが、現在企画される。
【0154】
本発明の酵素はさらに、WO97/07202号(引例として本明細書組み込まれる)に開示される洗剤配合物に導入され得る。
本発明は、次の例によりさらに詳細に記載されるが、それらは本発明を制限するものではない。
【0155】
洗剤組成物においては、簡略された成分同定は次の意味を有する:
LAS:ナトリウム線状C12アルキルベンゼンスルホネート;
TAS:ナトリウム牛脂アルキルスルフェート;
XYAS:ナトリウムC1X−C1Yアルキルスルフェート;
SS:2−ブチルオクタン酸の第二石鹸界面活性剤;
25EY:平均Yモルの酸化エチレンにより縮合されたC12−C15主要線状第1アルコール;
45EY:平均Yモルの酸化エチレンにより縮合されたC14−C15主要線状第1アルコール:
XYEZS:モル当たり平均Zモルの酸化エチレンにより縮合されたC1X−C1Yナトリウムアルカリスルフェ−ト;
【0156】
非イオン性:平均3.8の程度のエトキシル化及び平均4.5の程度のプロポキシル化を有する、商標Plurafax LF404としてBASF GmbHから市販されている、C13−C15の混合されたエトキシル化/プロポキシル化脂肪アルコール;
CFAA:C12−C14のアルキルN−メチルグルカミド;
TFAA:C16−C18のアルキルN−メチルグルカミド;
珪酸塩:非晶性珪酸ナトリウム(SiO2:Na2Oの比=2.0);
NaSKS−6:δ−Na2Si2O5の結晶性積層珪酸塩;
炭酸塩:非晶性炭酸ナトリウム;
リン酸塩:トリポリリン酸ナトリウム;
【0157】
MA/AA:約80,000の分子量を有する1:4のマレイン酸:アクリル酸のコポリマー;
ポリアクリレート:BASF GmbHにより商品名PA30として市販されている、平均8,000の分子量を有するポリアクリレートホモポリマー;
ゼオライトA:1〜10μmの主粒子サイズを有する、Na12(AlO2SiO2)12・27H2Oの水和化されたアルミノ珪酸ナトリウム;
クエン酸塩:クエン酸三ナトリウム・2水和物;
クエン酸:クエン酸;
過硼酸塩:実験式NaBO2・H2O2を有する非晶性過硼酸ナトリウム・1水和物漂白剤;
PB4:非晶性過硼酸ナトリウム・4水和物;
過炭酸塩:実験式2Na2CO3・3H2O2を有する非晶性過炭酸ナトリウム漂白剤;
TAED:テトラ−アセチルエチレンジアミン;
CMC:ナトリウムカルボキシルメチルセルロース;
【0158】
DETPMP:Monsantoにより商品名Dequest2060として市販されているジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸);
PVP:ポリビニルピロリドンポリマー;
EDDS:アトリウム塩の形でのエチレンジアミン−N, N’−二琥珀酸[S, S]異性体;
石鹸水:25%パラフィンワックス、融点50℃、17%疎水性シリカ;
サプレッサー:58%パラフィン油;
粒質石鹸水:12%シリコーン/シリカ、18%ステアリルアルコール、70%;
サプレッサー:粒質形でのスターチ;
硫酸塩:非晶性硫酸ナトリウム;
HMWPEO:高分子量ポリ酸化エチレン;
TAE25:牛脂アルコールエトキシレート(25)。
【0159】
洗剤例I
本発明の粒状布清浄組成物を次の通りに調製することができる:
ナトリウム線状C12アルキルベンゼンスルホネート 6.5
硫酸ナトリウム 15.0
ゼオライトA 26.0
ナトリウムニトリロトリアセテート 5.0
酵素 0.1
PVP 0.5
TAED 3.0
硼酸 4.0
過硼酸塩 18.0
フェノールスルホネート 0.1
少量物 100%まで
【0160】
洗剤例II
本発明の圧縮粒状布清浄組成物(密度800g/l)を次の通りに調製することができる:
45AS 8.0
25E3S 2.0
25E5 3.0
25E3 3.0
TFAA 2.5
ゼオライトA 17.0
NaSKS−6 12.0
クエン酸 3.0
炭酸塩 7.0
MA/AA 5.0
CMC 0.4
酵素 0.1
TAED 6.0
過炭酸塩 22.0
EDDS 0.3
粒状石鹸水サプレッサー 3.5
水/少量物 100まで
【0161】
洗剤例III
着色された布の洗濯において特に有用である本発明の粒状布清浄組成物を次の通りに調製した:
LAS 10.7 −
TAS 2.4 −
TFAA − 4.0
45AS 3.1 10.0
45E7 4.0 −
25E3S − 3.0
68E11 1.8 −
25E5 − 8.0
クエン酸塩 15.0 7.0
炭酸塩 − 10.0
クエン酸 2.5 3.0
ゼオライトA 32.1 25.0
Na−SKS−6 − 9.0
MA/AA 5.0 5.0
DETPMP 0.2 0.8
酵素 0.10 0.05
珪酸塩 2.5 −
硫酸塩 5.2 3.0
PVP 0.5 −
ポリ(4−ビニルピリジン)−N− − 0.2
オキシド/ビニルイミダゾール及び
ビニルピロリドンのコポリマー
過硼酸塩 1.0 −
フェノールスルフェート 0.2 −
水/少量物 100%まで
【0162】
洗剤例IV
“洗浄を通しての軟化”能力を提供する本発明の粒状布清浄組成物を次の通りに調製した:

45AS - 10.0
LAS 7.6 -
68AS 1.3 -
45E7 4.0 -
25E3 - 5.0
ココ−アルキルジメチルヒドロキシ 1.4 1.0
エチルアンモニウム塩化物
クエン酸塩 5.0 3.0
Na-SKS-6 - 11.0
ゼオライトA 15.0 15.0
MA/AA 4.0 4.0
DETPMP 0.4 0.4
過硼酸塩 15.0 −
過炭酸塩 - 15.0
TAED 5.0 5.0
スメクタイト粘土 10.0 10.0
HMWPEO - 0.1
酵素 0.10 0.05
珪酸塩 3.0 5.0
炭酸塩 10.0 10.0
粒状石鹸水サプレッサー 1.0 4.0
CMC 0.2 0.1
水/少量物 100%まで

【0163】
洗剤例V
本発明の重質液体布清浄組成物を次の通りにして調製することができる
LAS酸形 − 25.0
クエン酸 5.0 2.0
25AS酸形 8.0 −
25AE2S酸形 3.0 −
25AE7 8.0 −
CFAA 5.0 −
DETPMP 1.0 1.0
脂肪酸 8.0 −
オレイン酸 − 1.0
エタノール 4.0 6.0
プロパンジオール 2.0 6.0
酵素 0.10 0.05
ココ−アルキルジメチル − 3.0
スメクタイト粘土 − 5.0
PVP 2.0 −
水/少量物 100%まで
【0164】
【表3】

【0165】
【表4】

【0166】
【表5】

【0167】
【表6】

【0168】
【表7】

【0169】
【表8】

【0170】
【表9】

【0171】
【表10】

【0172】
【表11】

【0173】
【表12】

【0174】
【表13】

【0175】
XII)I, II, III, IV, VI 及びX に記載されるような自動皿洗い組成物、ここで過硼酸塩は過炭酸塩により置換されている。
XIII)マンガン触媒をさらに含む、I−VIに記載されるような自動皿洗い組成物。前記マンガン触媒は、例えば“Efficient manganese catalysts for low-temporature bleaching”、Nature 369, 1994, pp.637-639に記載される化合物の1つであり得る。
【0176】
材料及び方法:
タンパク質加水分解活性
発明においては、タンパク質加水分解活性を、キロNOVOプロテアーゼ単位(KNPU)で表す。活性は酵素標準(SAVINASE(商標))に比較して決定され、そしてその決定は、標準条件、すなわち50℃、pH8.3、9分の反応時間、3分の測定時間での、タンパク質加水分解酵素によるジエチルカゼイン(DMC)溶液の消化に基づかれる。フォルダーAF220/1は、Novo Nordisk A/S, Denmarkへの要求に基づいて入手できる(これは、引用により本明細書に包含される)。
【0177】
標準の条件下で、基質としてN−アセチルカゼインを用いての40℃、15分間のインキュベーションの間、グリシン1mモルに等しい量のNH2−基を生成するタンパク質加水分解酵素活性として定義されるグリシン単位である。
酵素活性はまた、Journal of American Oil Chemists Society, Rothgeb, T.M., Goodlander, B.D., Garrison, P.H., 及びSmith,L.A., (1988) に記載される、可溶性基質スクシニル−アラニン−アラニン−プロリン−フェニル−アラニン−パラ−ニトロ−フェノールとの反応に従って、PNAアッセイを用いても測定され得る。
【実施例】
【0178】
例1本発明のサブチラーゼの構成及び発現
例1は、配列番号2及び4の両者を包含する。用語配列番号2とは、いずれの時点でも用語配列番号4により置換され得ることが理解されるべきである。
配列番号2で示されるアミノ酸配列を有するカブチリシンを、プラスミドpKH400(WO98/41623号に記載される)に非常に類似するベクターpJRoC112に配置した。このプラスミドは、成熟サブチリシンをコードする領域を除いて同一であり、すなわち複製の起点、クロラムフェニコールに対して耐性を付与するcat遺伝子、サブチリシンの転写の開始を指令するプロモーター、及びSavinase(商標)からのプレ/プロ領域はそれらのプラスミドにおいて同一である。差異は、成熟サブチリシンをコードする遺伝子の部分内に見出される。
【0179】
このプラスミドは、E.コリ及びバチルス・サブチリスの両者において複製する。バチルス・サブチリスにおいては、本発明のサブチリシンは、このプラスミドから発現される。プロテアーゼの発酵及び精製は、下記に記載される。
PKH400を、pJS3(J.Schiodtなど. Protein and Peptide Letters, 3: 39-44 (1996) により記載されるように、サブチラーゼ309(Savinase(商標))をコードする合成遺伝子を含むE.コリ−B.サブチリスシャトルベクター)から、位置1841及び3730での2つのBanHI部位の導入により構成した。
【0180】
成熟遺伝子は、プラスミドpZero-2 (Invitrogen, Groningen, The Netherlands) 中にサブクローン化されている。配列番号2で示されるアミノ酸配列を有するサブチラーゼの完全な成熟領域を含む、約1240bpのPmeI−BamHIフラグメントを、ベクターpZero-2により連結し、そして制限エンドヌクレアーゼBamHI-EcoRVにより消化した。連結混合物を用いて、コンピテントE.コリ細胞を形質転換した。形質転換体を、挿入したフラグメントの存在を確かめるためにPCRにより分析し、そして成熟サブチリシンをコードするこのフラグメントの一部を配列決定した。pTVB364と称する得られるプラスミドを、DSMZに2000年2月10日に寄託し、そして受託番号DSM13306号を得た。
【0181】
発酵
サブチラーゼ酵素の生成のための発酵を、100mlのBPX培地を含む500mlのそらせ板付き三角フラスコにおいて、30℃で5日間、回転振盪テーブル(300 r.p.m.) 上で行った。
従って、2Lのブイヨンを製造するためには、20個の三角フラスコを、同時に発酵せしめた。
【0182】
培地
BPX培地組成物(1L当たり):
ジャガイモ澱粉 100g
粉砕された大麦 50g
大豆粉末 20g
Na2HPO4×12H2O 9g
プルロニック 0.1g
カゼイン酸ナトリウム 10g
培地における澱粉を、α−アミラーゼにより液化し、そして培地を、120℃で45分間、加熱することによって殺菌した。殺菌の後、培地のpHを、NaHCO3の添加により0.1Mにすることにより9に調節した。
【0183】
精製
この方法は、バチルス宿主細胞における本発明のサブチラーゼの生成のためへの2L規模の発酵の精製に関する。
約1.6Lの発酵ブイヨンを、1Lのビーカーにおいて、5000rpmで35分間、遠心分離した。上清液を、10%酢酸を用いて、pH6.5に調節し、そしてSeitz Supra S100フィルタープレート上で濾過した。
【0184】
Amicon SIY10 UFカートリッジを備えたAmicon CH2A UFユニットを用いて、前記濾液を約400mlに濃縮した。そのUF濃縮物を遠心分離し、そして吸収の前、Bacitracin親和性カラム上で、室温でpH7で濾過した。サブチラーゼを、0.01Mのジメチルグルタル酸、0.1Mの硼酸及び0.002Mの塩化カルシウムを含む、pH7に調節された緩衝溶液中、25%の2−プロパノール及び1Mの塩化ナトリウムを用いて、室温でBacitracinカラムから溶出した。
Bacitracin精製段階からのプロテアーゼ活性を有する画分を組合し、そして0.01Mのジメチルグルタル酸、0.2Mの硼酸及び0.002Mの塩化カルシウムを含む、pH6.5に調節された緩衝液により平衡化された750mlのSephadex G25カラム(5cmの直径)に適用した。
【0185】
Sephadex G25カラムからのタンパク質加水分解活性を有する画分を組合し、そして0.01Mのジメチルグルタル酸、0.2Mの硼酸及び0.002Mの塩化カルシウムを含む、pH6.5に調節された緩衝液により平衡化された150mlのCM Sepharose CL 6Bカチオン交換カラム(5cmの直径)に適用した。
プロテアーゼを、同じ緩衝液2L中、0〜0.1Mの塩化ナトリウムの線状グラジエントを用いて溶出した。
【0186】
最終精製段階においては、CM Sepharoseカラムからのプロテアーゼ含有画分を組合し、そしてGR81PP膜(Danish Sugar Factories, Inc. からの)を備えたAmicon超濾過セルにおいて濃縮した。
構成及び発酵について上記で言及された技法及び上記単離方法を用いることによって、配列番号2で示されるアミノ酸配列を有する新規サブチラーゼを生成し、そして単離した。
【0187】
例2“モデル洗剤洗浄性能試験”
標準の洗剤組成物におけるサブチラーゼの洗浄性能を評価するために、標準の洗浄実験を、下記実験条件を用いて行うことができる:
洗剤: モデル洗剤
洗剤用量: 4.0g/l
pH: 10.1
洗浄時間: 20分
温度: 30℃
水の硬度: 15°dH
酵素濃度: 10nm(洗剤溶液における)
試験システム: 撹拌棒を有する10mlのビーカー
布/体積 5個の布片(φ2.5cm)/50mlの洗剤溶液
試験材料: WFK10N(卵のしみ)
【0188】
モデル洗剤の組成は次の通りである:
6.2% LAS(Nansa 80S);
2% C16−C18脂肪酸のナトリウム塩;
4% 非イオン性界面活性剤(Plurafax LF404);
22% ゼオライトP;
10.5% Na2CO3
4% Na2Si2O5
2% カルボキシメチルセルロース(CMC);
6.8% アクリレート液体CP5 40%;
20% 過硼酸ナトリウム(実験式NaBO2・H2O2);
0.2% EDTA;
21% Na2SO4及び
水(残余)。
【0189】
洗剤溶液のpHを、HCl又はNaOHの添加により10.1に調節する。水の硬度を、試験システムへのCaCl2及びMgCl2(Ca2+:Mg2+=4:1)の添加により15°dHに調節する。洗浄の後、布片を水道水によりフラッシュし、そして空気乾燥した。
試験材料に対する反射率(Rsubtilase)の測定を、Macbeth ColorEye 7000分光計(Macbeth, Division of Kollmorgen Instruments Corporation, Germany)を用いて、460nmで行う。測定は、製造業者のプロトコールに従って行なわれる。
【0190】
ブランク値を決定するために、類似する洗浄実験を、酵素の添加を伴なわないで行う。反射率(Rblank)の続く測定を、上記に記載のようにして行う。
次に、対照実験を上記のようにして行い、ここでSavinase(商標)の洗浄性能が試験される。反射率(Rsavinase)の続く測定を、上記のようにして行う。
洗浄性能を、下記式に従って定義される性能因子(P)により評価する:
P=(Rsubtilase-Rblank)−(Rsavinase-Rblank
=Rsubtilase-Rsavinase
【0191】
例3完全な規模の自動皿洗い洗浄(ADW)試験
完全な規模のADWにおける本発明のサブチラーゼの性能を、標準条件を用いて、家庭用皿洗い組成物において試験した。使用される土壌は、鋼プレート上に被覆される卵/牛乳混合物であった。さらに、種々の食物を含む砂利土壌を添加した。
例:
洗剤: 市販又はモデル洗剤
洗剤用量: 5.0g/l
pH: そのまま
水の硬度: そのまま
温度: 50℃又は55℃
酵素の濃度: 機械における洗浄水の合計体積に基づいて、10nM〜230nM
試験方法: 下記のような鋼プレート上での卵/牛乳又は卵黄のよごれ
機械: Bosch又は他の市販のもの
洗浄プログラム:
水道水を使用する;次の段階が適用される:
【0192】
【表14】

【0193】
完全な規模のADW試験のための卵/牛乳の汚れ
材料:
220mlの全乳ミルク
15個の中間サイズの卵
鋼プレート、直径18cm。
皿洗い組成物を、その組成物における酵素活性を不活性化するために、マイクロ波オーブンにおいて85℃で5分間、加熱する。
【0194】
鋼プレートのよごれ
220mlの全乳ミルクを、Braum UK20台所用機械において、15個の生の卵と共に混合した。篩分けの後、ステンレス鋼プレートを、混合物を含浸することによりよごした。
プレートを、垂直な位置で室温で一晩、乾燥した。次に乾燥されたプレートを、その表面上のタンパク質を変性するために、120℃で45分間、加熱した。
【0195】
完全な規模のADW試験のための卵黄汚れ
材料:
3dLの低温殺菌された卵黄
鋼プレート、直径18cm。
皿洗い組成物を、その組成物における酵素活性を不活性化するために、マイクロ波オーブンにおいて85℃で5分間、加熱する。
【0196】
鋼プレートの汚れ:
鋼プレートを、秤り上で小数点以下3まで計量する。約3dLの低温殺菌された卵黄を十分に混合し、そして調理用スクリーンを通して篩分けする。卵黄ブイヨンを、例えばペイントローラーを用いて、プレート上に薄層として圧延する。これを2度、行う(1回目と2回目との間では乾燥を行わないで、及び2回目では、卵黄にローラー含浸する)。得られる卵黄層は、約1gであるべきである。プレートを、室温で4分間、乾燥する。次に、汚されたプレート及びラックを、正確に30秒間、煮沸脱イオン水中に低める。プレートを、室温で30分間、乾燥する。室温での乾燥の後、プレートをオーブンにおいて、80℃で30分間、乾燥する。プレートを、室温で30〜60分間、冷却するために放置し、この後、それらを再び計量する。室温での洗浄及び乾燥の後、プレートをオーブンにおいて80℃で30分間、乾燥する。室温で30〜60分間、冷却した後、プレートを計量する。
【0197】
ADW実験
個々の実験に関しては、10枚のよごれたプレートを、上記に列挙される条件に従って洗浄しる。よごれたプレートの他に、機械を、10枚の磁器プレート、4個のガラス、4個のカップ及び16片の刃物により満たした。
さらに、50gの砂利スラリーを、機械に添加した。スラリーの組成は次の通りであった:
3000gを製造し、そして次の成分を計量する:
【0198】
【表15】

【0199】
1.マーガリン、ラード及びディープフライ油を低温で溶離する。その後、篩分けされたグレービー粉末を、良好な攪拌下で添加し、そして40℃に冷却する。
2.菜種油及び卵を混合する。
3.ケチャップ及びマスタードを、油/卵塊状物中に添加し、続いて5分間、混合する。
4.1)下で生成された脂肪/グレービー(冷却された)を、3)において生成された混合物にゆっくり添加し、そしてさらに5分間、混合する。
5.ダブルクリーム及び全乳を、前記混合物に添加し、そして5分間、混合する。
6.最後の粉及び粉末(表における段階5)を添加する。バラストスラリーを混合し、滑らかな塊状物にする。
7.そのバラスとスラリーを、50gの部分で計量する。
【0200】
卵/牛乳についての測定及び計算
光反射値(R−値)を、Minolta Chroma Meter (タイプ:CR−300)を用いて、プレート上の6個の異なった位置で測定した。測定を、きれいなプレート(Rclean)、加熱後のよごれたプレート(Rsoiled)及び洗浄の後のプレート(Rafter wash)に対して行った。
除去されるタンパク質フィルム(%RPF)を、下記式に従って計算した:
【数2】

【0201】
卵黄についての測定及び計算
性能データは、汚れていない(clean)、汚れた(Soiled)及び洗浄された(washed)として鋼プレートの重量測定値に起因する。性能は、下記のようにして計算される:
【数3】

【0202】
データ分析
%RPFを、添加されるmg酵素タンパク質の関数として適合せしめる。
データは、下記のような4−パラメーター計算モデルに適合される:
F(Z)=Yo+Vmax*Cλ/Ksλ+Cλ
ここでF(Z)は切片としてYoから計算される応答であり、Yo+Vmaxは最大応答であり、Cは酵素用量であり、そしてKsは半−飽和値である。λは、ミカエル−メンテンモデルにおいて、1に等しいが、しかしS−形状曲線に適合される場合、それは1に等しいか又は異なる急勾配パラメーターである。
個々の曲線の適合が、対照酵素の性能に比較される。
【0203】
例4小規模自動皿洗い(ADWミニ洗浄)
ADWミニ洗浄の記載:
ミニ洗浄を、コンピューター処理さらロボットとして開発する。個々のロボットは、8個のラックを有するフレームを担持する。個々のラックは、汚され、そして洗浄されるべき6片の35×45mmの鋼プレートを含む。必要な場合、6つの位置が、下記に示されるように、用量範囲において、例えば0−20−40−75−100−160nMの酵素の6つの点を表わすことができる。1洗浄単位は、それぞれ卵黄及び卵/牛乳により汚された2つのプレート、及び150mlの洗浄フロートを有する温度調節される容器から成る。ロボットは、同時に24の容器に対して作用する。
【0204】
言及されたように、2つのラックが、試験される個々の酵素のために必要とされ、1つは卵黄により汚され、他は卵/牛乳により汚される。対照酵素は、個々の実験で包含され、そして個々の酵素用量は2度、反復される。
構成は、図2に図解される。
【0205】
卵/牛乳の汚れは、次の通りにして調製される
10個の卵+167mlの牛乳を、フードプロセッサーにおいて低速度で2分間ブレンドする。その混合物を、使用の前、使い捨て布を通して篩い分けする。ラックを、ミニプレートにより積層し、そして篩い分けされた汚れ中に含浸する。プレートを、吸収性テーブルカバー上に直立して配置する。それらを、4時間、又はそれらが120℃で35分間、熱風オーブンにおける熱処理により変性される次の日まで、放置し、乾燥する。
【0206】
卵黄の汚れを次の通りにして調製する
20個の卵黄−400mlの低温殺菌された調理用卵黄(約420g)+167mlの脱イオン水を、フードプロセッサーにより最低速度で2分間ブレンドし、次に使用の前、使い捨て布を通して篩い分けする。プレートを、吸収性テーブルカバー上に直立して配置する。それらを、4時間、又はそれらが煮沸水においてで30秒間、変性される次の日まで、放置し、乾燥する。変性の後、プレートを、熱風オーブンにおいて80℃で30分間、熱処理する。
【0207】
洗剤
本発明にシャフリングされたプロテアーゼの洗浄性能試験のための洗剤を、市販の完全に配合された洗剤を購入し、そして続いて、熱処理(水溶液において85℃で5分間)により、酵素成分を不活性化することにより得る。さらに、酵素を含まない市販の洗剤を、その製造業者から直接購入する。さらに、適切なモデル洗剤を購入し、そして洗浄性能試験に使用する。
プロテアーゼを、下記成分を含んで成るモデル洗剤組成物において試験する:
トリポリリン酸ナトリウム 23.0%
クエン酸ナトリウム・二水和物 22.3%
過硼酸ナトリウム・一水和物 6.0%
テトラアセチルエチレンジアミン 2.0%
二珪酸ナトリウム(非晶性) 5.0%
線状脂肪アルコールエトキシレート 2.0%
(非イオン性界面活性剤、低発泡性)
マレイン酸/アクリル酸コポリマー 4.0%
(ナトリウム塩、炭酸ナトリウムに対して50%の活性)
無水炭酸ナトリウム 100%までの添加
【0208】
洗浄プロートを、種々の水硬度値を製造するために、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸水素ナトリウム及び脱イオン水を混合することにより調製する。洗剤を添加する:18−25g/4L。
【0209】
評価
性能データは、汚れていない(clean)、汚れた(Soiled)及び洗浄された(washed)として鋼プレートの重量測定値に起因する。性能は、下記のようにして計算される:
【数4】

【0210】
データ分析
%RPFを、添加されるmg酵素タンパク質の関数として適合せしめる。
データは、下記のような4−パラメーター計算モデルに適合される:
F(Z)=Yo+Vmax*Cλ/Ksλ+Cλ
ここでF(Z)は切片としてYoから計算される応答であり、Yo+Vmaxは最大応答であり、Cは酵素用量であり、そしてKsは半−飽和値である。λは、ミカエル−メンテンモデルにおいて、1に等しいが、しかしS−形状曲線に適合される場合、それは1に等しいか又は異なる急勾配パラメーターである。個々の曲線の適合が、対照酵素の性能に比較される。
卵黄汚れに対する上記試験方法を用いて、図3に示される効果を得た(mg酵素タンパク質の関数としての%RPF)。明らかなように、本発明のサブチラーゼは、配列番号6(pH004)に比較して、卵のしみに対して改良された洗浄性能を示す。
【0211】
例5自動機械応力アッセイ(AMSA)
AMSA−試験方法の記載:
洗浄実験を、洗剤組成物における選択されたシャフリングされたプロテアーゼ変異体の洗浄性能を評価するために行う。本出願のプロテアーゼを、自動機械応力アッセイ(AMSA)を用いて試験した。AMSAにより、多量の少体積の酵素−洗剤溶液の洗浄機能を試験することができる。AMSAプレートは、試験溶液のための多くのスロット、及びすべてのスロット開口に対して、洗浄されるべき織物見本を強く圧縮する蓋を有する。洗浄時間の間の、プレート、試験溶液、織物及び蓋を激しく振盪し、試験溶液を織物とを接触せしめ、そして機械的対応を、規則的で定期的振盪の態様で適用する。さらなる記載に関しては、WO02/42740号、特に23−24ページの“Special method embodimments”を参照のこと。
実験を、下記に特定される実験条件化で行った:
【0212】
【表16】

【0213】
水の硬度を、試験システムへのCaCl2、MgCl2及びNaHCO3(Ca2+:Mg2+=4:1)の添加により、25°dHに調節した。洗浄の後、織物片を、水道水によりフラッシングし、そして乾燥した。
酵素変異体の性能を、特定のプロテアーゼにより洗浄された織物サンプルの色の明るさとして測定する。明るさはまた、白色光により照射される場合、織物サンプルから反射される光の強度として表され得る。織物が染色される場合、反射される光の強度は、きれいな織物のその強度よりも低い。従って、反射される光の強度は、シャフリングされたプロテアーゼの洗浄性能を測定するために使用され得る。
【0214】
色の測定を、洗浄された織物サンプルの映像を得るために使用される専門的な平層スキャナー(PFU DL2400pro: J. M. Thomsen, Dorfgade 2, Dorf,Dronninglund, DK-9330から得られる)により行った。スキャンを、200dpiの解像度及び24ビットの出力色彩部により行う。正確な結果を得るために、スキャナーは、時折り、Kadak reflective IT8 targetにより検量する。
【0215】
スキャンされた像から光の強度についての値を得るために、特別に企画されたソフトウェア適用が使用される(Novozymes Color Vector Analyzer)。このプログラムは、像から24ビット画素値を検索し、そしてそれらを赤、緑及び青(RGB)についての値に転換する。強度値(1nt)は、RGB値をベクターとして一緒に加算し、そして次に、得られるベクターの長さの平方根を取ることにより計算される:
【0216】
【数5】

【0217】
洗剤
本発明のプロテアーゼの洗浄性能試験のための洗剤を、市販の十分に配合された洗剤を購入することにより入手し、そして続いて、熱処理(水溶液について95℃で5分間)により酵素成分を不活性化する。さらに、酵素を有さない市販の洗剤基剤を、その製造業者から直接的に購入する。さらに、適切なモデル洗剤を購入し、そして洗剤性能試験のために使用することができる。
【0218】
プロテアーゼをまた、下記成分を含んで成るモデル洗剤組成物において試験する:
トリポリリン酸ナトリウム 23.0%
クエン酸ナトリウム・二水和物 22.3%
過硼酸ナトリウム・一水和物 6.0%
テトラアセチルエチレンジアミン 2.0%
二珪酸ナトリウム(非結晶) 5.0%
線状脂肪アルコールエトキシレート 2.0%
(非イオン性界面活性剤、低発泡性)
マレイン酸/アクリル酸コポリマー 4.0%
(ナトリウム塩、炭酸ナトリウムに対して50%活性)
無水炭酸ナトリウム 100%まで
【0219】

標準布片を、wfk-Cleaning Technology Research Institute,Christenfeld 10, D-41379BrUggen-Bracht,-Germanyから入手する。特に、タイプwfk10N(卵/色素によりしみを付けられた綿布)、wfk10eggEG(卵黄によりしみを付けられた綿布)を得る。Wfk10Nの変性は、オートクレーブにおいて行われる。
市販の洗剤と組み合わして上記試験方法を用いて、図4に示される効果を得た。明らかなように、本発明のサブチラーゼは、配列番号6(pH004)に比較して、卵のしみに対して改良された洗浄性能を示す。
【0220】
生物学的材料の寄託
次の生物学的材料を、Deutsche Sammlung von Microorganismen und Zellkulturen GmbH, Mascheroder Weg lb, D-38124 Braunschweig, Germanyに、ブダペスト条件に基づいて寄託し、そして次に受託番号が付与された:
寄託物 受託番号 寄託日
E.コリMT173 DSM15574 2003年4月16日
E.コリMT173 DSM15575 2003年4月16日
【図面の簡単な説明】
【0221】
【図1】図1は、上記で言及されたGAPルーチンを用いての、サブチリシンBPN’(a)と本発明の新規サブチラーゼのアミノ酸配列(b)及び(c)との間の一列整列を示す。
【図2】図2は、例4に記載されるようなADWミニ洗浄の構成を図示する。
【図3】図3は、卵黄汚れに対するADWミニ洗浄試験の結果を示す。
【図4】図4は、市販の洗剤と組合してのAMSA試験方法(例5)の結果を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)配列番号2のアミノ酸1〜269として示されるアミノ酸配列に対して99.26%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有するサブチラーゼ;又は
b)E. コリMT173DSM15575に存在するプラスミドフラグメント中にクローン化されたポリヌクレオチドの一部をコードするサブチラーゼによりコードされるサブチラーゼ、又は前記サブチラーゼに対して99.26%以上の同一性を有するその変異体;又は
c)配列番号4のアミノ酸1〜269として示されるアミノ酸配列に対して97.40%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有するサブチラーゼ;又は
d)E. コリMT173DSM15574に存在するプラスミドフラグメント中にクローン化されたポリヌクレオチドの一部をコードするサブチラーゼによりコードされるサブチラーゼ、又は前記サブチラーゼに対して97.40%以上の同一性を有するその変異体から成る群から選択されたサブチラーゼ酵素。
【請求項2】
i) 前記1a)又は1b)に記載されるアミノ酸に対して99.26%以上又は99.63%以上の同一性を有するアミノ酸配列;又は
ii) 前記1c)又は1d)に記載されるアミノ酸に対して、97.40%以上、又は97.77%以上、又は98.14%以上、又は98.51%以上、又は98.89%以上、又は99.26%以上、又は99.63%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有する請求項1記載のサブチラーゼ。
【請求項3】
配列番号2のアミノ酸1〜269として示されるアミノ酸配列、又は配列番号4のアミノ酸1〜269として示されるアミノ酸配列のいずれかから成る請求項2記載のサブチラーゼ。
【請求項4】
i)E. コリMT173DSM15575に存在するプラスミドフラグメント中にクローン化されたポリヌクレオチドの一部をコードするサブチラーゼによりコードされるサブチラーゼに対して、99.26%以上、又は99.63%以上の同一性を有するアミノ酸配列;又は
ii) E. コリMT173DSM15574に存在するプラスミドフラグメント中にクローン化されたポリヌクレオチドの一部をコードするサブチラーゼによりコードされるサブチラーゼに対して、97.40%以上、又は97.77%以上、又は98.14%以上、又は98.51%以上、又は98.89%以上、又は99.26%以上、又は99.63%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有する請求項1記載のサブチラーゼ。
【請求項5】
i)E. コリMT173DSM15575に存在するプラスミドフラグメント中にクローン化されたポリヌクレオチドの一部をコードするサブチラーゼによりコードされるサブチラーゼ;又は
ii) E. コリMT173DSM15574に存在するプラスミドフラグメント中にクローン化されたポリヌクレオチドの一部をコードするサブチラーゼによりコードされるサブチラーゼから成る請求項4記載のサブチラーゼ。
【請求項6】
前記サブチラーゼが、
i)1又は複数のアミノ酸残基の置換、欠失、及び/又は挿入を含んで成る配列番号2のアミノ酸1〜269として示されるアミノ酸配列;又は
ii) 1又は複数のアミノ酸残基の置換、欠失、及び/又は挿入を含んで成る配列番号4のアミノ酸1〜269として示されるアミノ酸配列を有する請求項1〜5のいずれか1項記載のサブチラーゼ。
【請求項7】
位置27, 36, 56, 76, 87, 95, 96, 97, 98, 99, 100, 101, 102, 103, 104, 120, 123, 159, 167, 170, 206, 218, 222, 224, 232, 235, 236, 245, 248, 252及び274(BASBPN番号付け)の1つで少なくとも1つの修飾を含んで成る請求項6記載のサブチラーゼ。
【請求項8】
前記修飾が、K27R, *36D, S56P, N76D, S87N, G97N, S101G, S103A, V104A, V104I, V104N, V104Y, H120D, N123S, G159D, Y167, R170, Q206E, N218S, M222S, M222A, T224S,A232V, K235L, Q236H, Q245R, N248D, N252K 及び T274A(BASBPN番号付け)から成る群から選択される請求項記載7の記載のサブチラーゼ。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項記載のサブチラーゼをコードするポリペプチドを含んで成る単離されたポリヌクレオチド。
【請求項10】
(a)配列番号1のヌクレオチド1〜807として示されるポリヌクレオチドに対して少なくとも88%の同一性を有するポリヌクレオチド;又は
(b)E. コリMT173DSM15575に存在するプラスミド中にクローン化されたポリヌクレオチドの一部をコードするサブチラーゼ、又は前記核酸配列に対して少なくとも88%の同一性を有するその変異体;又は
(c)配列番号3のヌクレオチド1〜807として示されるポリヌクレオチドに対して少なくとも88%の同一性を有するポリヌクレオチド;又は
(d)E. コリMT173DSM15574に存在するプラスミド中にクローン化されたポリヌクレオチドの一部をコードするサブチラーゼ、又は前記核酸配列に対して少なくとも88%の同一性を有するその変異体から成る群から選択された、サブチラーゼをコードする単離されたポリヌクレオチド。
【請求項11】
i)配列番号1のヌクレオチド1〜807として示されるポリヌクレオチドに対して、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の同一性を有する核酸配列;又は
ii) 配列番号3のヌクレオチド1〜807として示されるポリヌクレオチドに対して、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の同一性を有する核酸配列を有する請求項10記載のポリヌクレオチト。
【請求項12】
i)E. コリMT173DSM15575に存在するプラスミド中にクローン化されたポリヌクレオチドの一部をコードするサブチラーゼに対して、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の同一性を有する核酸配列;又は
ii) E. コリMT173DSM15574に存在するプラスミド中にクローン化されたポリヌクレオチドの一部をコードするサブチラーゼに対して、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の同一性を有する核酸配列を有する請求項10記載のポリヌクレオチド。
【請求項13】
適切な宿主においてサブチラーゼの発現を方向づけることができる1又は複数の制御配列に作用可能に連結される請求項9〜12のいずれか1項記載の核酸配列を含んで成る核酸構造体。
【請求項14】
請求項13記載の核酸構造体、プロモーター、及び転写及び翻訳停止シグナルを含んで成る組換え発現ベクター。
【請求項15】
請求項13記載の核酸構造体を含んで成る組換え宿主細胞。
【請求項16】
細菌、好ましくはバチルス(Bacillus)、特にバチルス・レンタス(Bacillus lentus)である請求項15記載の宿主細胞。
【請求項17】
菌類又は酵母、好ましくは糸状菌、特にアスペルギラス(Aspergillus)である請求項15記載の宿主細胞。
【請求項18】
請求項1〜8のいずれか1項記載のサブチラーゼの生成方法であって、
(a)サブチラーゼの生成の助けとなる条件下で請求項15〜17のいずれか1項記載の組換え宿主細胞を培養し;そして
(b)前記サブチラーゼを回収することを含んで成る方法。
【請求項19】
請求項1〜8のいずれか1項記載のサブチラーゼを含んで成る、清浄又は洗剤組成物、好ましくは洗濯又は皿洗い組成物。
【請求項20】
セルラーゼ、リパーゼ、クチナーゼ、オキシドレダクターゼ、もう1つのプロテアーゼ、アミラーゼ又はそれらの混合物をさらに含んで成る請求項19記載の組成物。
【請求項21】
清浄又は洗剤組成物への請求項1〜8のいずれか1項記載のサブチラーゼの使用。
【請求項22】
卵のしみの除去のためへの請求項1〜8のいずれか1項記載のサブチラーゼの使用。
【請求項23】
卵のしみの除去のためへの請求項19又は20記載の清浄又は洗剤組成物の使用。
【請求項24】
硬質表面又は洗濯物の清浄又は洗濯方法であって、前記硬質表面又は洗濯物と請求項19又は20記載の組成物とを接触せしめることを含んで成る方法。
【請求項25】
硬質表面又は洗濯物からの卵のしみの除去方法であって、卵のしみを含む硬質表面又は卵のしみを含む洗濯物と請求項19又は20記載の組成物とを接触せしめることを含んで成る方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2006−524998(P2006−524998A)
【公表日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−504372(P2006−504372)
【出願日】平成16年5月6日(2004.5.6)
【国際出願番号】PCT/DK2004/000312
【国際公開番号】WO2004/099401
【国際公開日】平成16年11月18日(2004.11.18)
【出願人】(500586299)ノボザイムス アクティーゼルスカブ (164)
【出願人】(500382048)マキシジェン, インコーポレイテッド (17)
【Fターム(参考)】