説明

変異型重鎖を有する抗体の同定および工学的改変ならびにその使用方法

本発明は、変異型重鎖を含む分子、特にポリペプチド、より具体的には免疫グロブリン(例えば、抗体)に関し、この変異型重鎖は、複数のIgGアイソタイプ由来の定常ドメインを含む。本発明の変異型重鎖はさらに、前記変異型重鎖のFc領域が、野生型重鎖を含む比較可能な分子と比べて改変された親和性でFcγRに結合するように、親重鎖と比べて少なくとも1つのアミノ酸改変を含むことができる。本発明の分子は、疾患、障害または感染に伴う1種または複数の症状を予防、治療または改善するのに特に有用である。本発明の分子は、特に、FcγRによって媒介されるエフェクター細胞機能(例えば、ADCC)の効率が向上することが望ましい疾患または障害、例えば、癌、感染症を治療または予防するのに、またその効果がADCCによって媒介される治療用抗体の治療効率を向上させる上で有用である。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒトIgG1のCH1ドメイン、ヒトIgG1のヒンジドメインおよびヒトIgG2、IgG3またはIgG4の変異型Fc領域を含む抗体であって、前記抗体が、野生型Fc領域を含む抗体と比べて改変された親和性でFcγRに結合するように、前記変異型Fc領域は、ヒトIgG2、IgG3またはIgG4の対応する野生型Fc領域と比べて少なくとも1つのアミノ酸改変を含み、前記変異型Fc領域がIgG2の変異型Fc領域である場合、前記少なくとも1つのアミノ酸改変は、233位でのグルタミン酸による置換、234位でのロイシンによる置換、235位でのロイシンによる置換、および237位でのグリシンによる挿入;または234位でのロイシンによる置換、235位でのロイシンによる置換、および237位でのグリシンによる挿入を単に含まない、前記抗体。
【請求項2】
前記変異型Fc領域が、野生型Fc領域を含む比較可能な抗体がFcγRIIIAに結合するよりも高い親和性でFcγRIIIAと結合する、請求項1に記載の抗体。
【請求項3】
前記変異型Fc領域が、野生型Fc領域を含む比較可能な抗体がFcγRIIAに結合するよりも高い親和性でFcγRIIAと結合する、請求項1に記載の抗体。
【請求項4】
前記変異型Fc領域が、対応する野生型Fc領域を含む比較可能な抗体がFcγRIIBに結合するよりも低い親和性でFcγRIIBと結合する、請求項1に記載の抗体。
【請求項5】
前記ヒトFc領域がヒトIgG2 Fc領域である、請求項1、2、3または4に記載の抗体。
【請求項6】
前記ヒトFc領域がヒトIgG3 Fc領域である、請求項1、2、3または4に記載の抗体。
【請求項7】
前記ヒトFc領域がヒトIgG4 Fc領域である、請求項1、2、3または4に記載の抗体。
【請求項8】
キメラ抗体、ヒト化抗体、またはヒト抗体である、請求項1に記載の抗体。
【請求項9】
ヒト化抗体である、請求項8に記載の抗体。
【請求項10】
CD16AまたはCD32Bに結合する可変ドメインを含む、請求項1、2、3または4に記載の抗体。
【請求項11】
CD16AまたはCD32Bに結合する可変ドメインを含む、請求項8に記載の抗体。
【請求項12】
請求項1に記載の抗体の重鎖をコードするヌクレオチド配列を含む核酸。
【請求項13】
請求項12に記載の核酸を含むベクター。
【請求項14】
発現ベクターである、請求項13に記載のベクター。
【請求項15】
請求項14に記載の核酸を含む宿主細胞。
【請求項16】
請求項1に記載の抗体を組換えによって産生するための方法であって、(i)培地中で、前記抗体の重鎖をコードする核酸と、前記抗体の軽鎖をコードする核酸とを含む宿主細胞を前記抗体の発現に適した条件下で培養すること、および(ii)前記抗体を前記培地から回収することを含む、前記方法。
【請求項17】
癌抗原に特異的に結合する、ヒトIgG1のCH1ドメイン、ヒトIgG1のヒンジドメインおよびヒトIgG2、IgG3またはIgG4の変異型Fc領域を含む治療用抗体であって、前記抗体が、野生型Fc領域を含む抗体と比べて改変された親和性でFcγRに結合するように、前記変異型Fc領域は、ヒトIgG2、IgG3またはIgG4の対応する野生型Fc領域と比べて少なくとも1つのアミノ酸改変を含み、前記変異型Fc領域がIgG2の変異型Fc領域である場合、前記少なくとも1つのアミノ酸改変は、233位でのグルタミン酸による置換、234位でのロイシンによる置換、235位でのロイシンによる置換、および237位でのグリシンによる挿入;または234位でのロイシンによる置換、235位でのロイシンによる置換、および237位でのグリシンによる挿入を含まない、前記治療用抗体。
【請求項18】
前記変異型Fc領域が、野生型Fc領域を含む比較可能な抗体がFcγRIIIAに結合するよりも高い親和性でFcγRIIIAと結合する、請求項17に記載の抗体。
【請求項19】
前記変異型Fc領域が、野生型Fc領域を含む比較可能な抗体がFcγRIIAに結合するよりも高い親和性でFcγRIIAと結合する、請求項17に記載の抗体。
【請求項20】
前記変異型Fc領域が、野生型Fc領域を含む比較可能な抗体がFcγRIIBに結合するよりも低い親和性でFcγRIIBと結合する、請求項17に記載の抗体。
【請求項21】
野生型Fc領域を含む比較可能な治療用抗体と比べて増強された抗体依存性細胞媒介性細胞傷害を媒介する、請求項17に記載の治療用抗体。
【請求項22】
Herceptin(登録商標)、Rituxan(登録商標)、IC14、PANOREX(商標)、IMC-225、VITAXIN(商標)、Campath 1H/LDP-03、LYMPHOCIDE(商標)、またはZEVLIN(商標)である、請求項17に記載の治療用抗体。
【請求項23】
前記癌抗原が、MAGE-1、MAGE-3、BAGE、GAGE-1、GAGE-2、N-アセチルグルコサミン転移酵素、p15、β-カテニン、MUM-1、CDK4、HER-2/neu、ヒトパピローマウイルス-E6、ヒトパピローマウイルス-E7、MUC-1、CD20、またはCD32Bである、請求項17に記載の治療用抗体。
【請求項24】
4D5である、請求項23に記載の治療用抗体。
【請求項25】
ヒト化4D5である、請求項23に記載の治療用抗体。
【請求項26】
癌抗原によって特徴付けられる癌を有する患者の癌を治療または管理する方法であって、前記患者に、前記癌抗原に結合する治療上有効量の請求項17に記載の治療用抗体を投与することを含む、前記方法。
【請求項27】
前記癌抗原が、MAGE-1、MAGE-3、BAGE、GAGE-1、GAGE-2、N-アセチルグルコサミン転移酵素、p15、β-カテニン、MUM-1、CDK4、HER-2/neu、ヒトパピローマウイルス-E6、ヒトパピローマウイルス-E7、MUC-1、CD20、またはCD32Bである、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記癌抗原が、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、子宮頸癌、または膵癌の抗原である、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
1つまたは複数の追加の癌治療を施すことをさらに含む、請求項26に記載の方法。
【請求項30】
前記追加の癌治療が、化学療法、免疫療法、放射線療法、ホルモン療法、および外科手術からなる群から選択される、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記患者がヒトである、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
治療上有効量の請求項1に記載の抗体および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項33】
治療上有効量の請求項8に記載の抗体および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項34】
治療上有効量の請求項17に記載の治療用抗体および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項35】
1つまたは複数の追加の抗癌剤をさらに含む、請求項34に記載の医薬組成物。
【請求項36】
前記1つまたは複数の抗癌剤が、化学療法剤、放射線治療剤、ホルモン療法剤、または免疫療法剤である、請求項35に記載の医薬組成物。
【請求項37】
癌抗原によって特徴付けられる癌を有する患者の癌を治療または管理する方法であって、前記患者に、前記癌抗原に結合する治療上有効量の請求項1に記載の抗体を投与することを含む、前記方法。

【図1−1】
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【図1−2】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18−1】
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【図18−2】
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【図18−3】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【公表番号】特表2009−529331(P2009−529331A)
【公表日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−558528(P2008−558528)
【出願日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際出願番号】PCT/US2007/063548
【国際公開番号】WO2007/106707
【国際公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【出願人】(504438727)マクロジェニクス,インコーポレーテッド (23)
【Fターム(参考)】