変異型Fc領域を有する抗体の同定および工学的改変およびその使用方法
本発明は、変異型Fc領域を含む分子、特にポリペプチド、より詳細には免疫グロブリン(例えば、抗体)に関し、前記変異型Fc領域は、野生型Fc領域と比べて少なくとも1つのアミノ酸改変を含み、この変異型Fc領域は、野生型Fc領域を含む比較可能な分子と比べてより高い親和性でFcγRIIIAおよび/またはFcγRIIAに結合する。本発明の分子は、疾患、障害または感染に伴う1種または複数の症状を予防、治療または回復するのに特に有用である。本発明の分子は、特に、FcγRによって媒介されるエフェクター細胞機能(例えば、ADCC)の効力が向上することが望ましい疾患または障害、例えば、癌、感染症を治療または予防するのに、またその効果がADCCによって媒介される治療用抗体の治療効力を向上させる上で有用である。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
変異型Fc領域を含むポリペプチドであって、前記ポリペプチドが、野生型Fc領域を含むポリペプチドと比べて改変された親和性でFcγRに結合するように、前記変異型Fc領域は、野生型Fc領域と比べて少なくとも1つのアミノ酸改変を含み、前記少なくとも1つのアミノ酸改変は、243位でのロイシンによる置換、292位でのプロリンによる置換、300位でのロイシンによる置換、305位でのイソロイシンによる置換、および396位でのロイシンによる置換;243位でのロイシンによる置換、292位でのプロリンによる置換、300位でのロイシンによる置換、および396位でのロイシンによる置換;243位でのロイシンによる置換、292位でのプロリンによる置換、および300位でのロイシンによる置換;243位でのロイシンによる置換、292位でのプロリンによる置換、および396位でのロイシンによる置換;243位でのロイシンによる置換、292位でのプロリンによる置換、および305位でのイソロイシンによる置換;243位でのロイシンによる置換および292位でのプロリンによる置換;243位でのロイシンによる置換;ならびに273位でのフェニルアラニンによる置換からなる群から選択される一組の置換を含む、前記ポリペプチド。
【請求項2】
変異型Fc領域を含むポリペプチドであって、前記ポリペプチドが、野生型Fc領域を含む比較可能なポリペプチドがFcγRIIIAに結合するよりも高い親和性でFcγRIIIAに特異的に結合するように、前記変異型Fc領域は、野生型Fc領域と比べて少なくとも1つのアミノ酸改変を含み、前記少なくとも1つのアミノ酸改変は、243位でのロイシンによる置換、292位でのプロリンによる置換、300位でのロイシンによる置換、305位でのイソロイシンによる置換、および396位でのロイシンによる置換;243位でのロイシンによる置換、292位でのプロリンによる置換、300位でのロイシンによる置換、および396位でのロイシンによる置換;243位でのロイシンによる置換、292位でのプロリンによる置換、および300位でのロイシンによる置換;243位でのロイシンによる置換、292位でのプロリンによる置換、および396位でのロイシンによる置換;243位でのロイシンによる置換、292位でのプロリンによる置換、および305位でのイソロイシンによる置換;243位でのロイシンによる置換および292位でのプロリンによる置換;243位でのロイシンによる置換;ならびに273位でのフェニルアラニンによる置換からなる群から選択される一組の置換を含む、前記ポリペプチド。
【請求項3】
変異型Fc領域を含むポリペプチドであって、前記ポリペプチドが、野生型Fc領域を含む比較可能なポリペプチドがFcγRIIIAに結合するよりも高い親和性でFcγRIIIAに特異的に結合し、前記ポリペプチドがさらに、野生型Fc領域を含む比較可能なポリペプチドがFcγRIIBに結合するよりも低い親和性でFcγRIIBに特異的に結合するように、前記変異型Fc領域は、野生型Fc領域と比べて少なくとも1つのアミノ酸改変を含み、前記少なくとも1つのアミノ酸改変は、243位でのロイシンによる置換、292位でのプロリンによる置換、および300位でのロイシンによる置換;243位でのロイシンによる置換、292位でのプロリンによる置換、および396位でのロイシンによる置換;243位でのロイシンによる置換、292位でのプロリンによる置換、および305位でのイソロイシンによる置換;243位でのロイシンによる置換および292位でのプロリンによる置換;243位でのロイシンによる置換;ならびに273位でのフェニルアラニンによる置換からなる群から選択される一組の置換を含む、前記ポリペプチド。
【請求項4】
Fc領域がヒトIgG Fc領域である、請求項1、2または3に記載のポリペプチド。
【請求項5】
ヒトIgG Fc領域がヒトIgG1、IgG2、IgG3またはIgG4 Fc領域である、請求項4に記載のポリペプチド。
【請求項6】
抗体である、請求項1、2または3に記載のポリペプチド。
【請求項7】
モノクローナル抗体、ヒト化抗体、またはヒト抗体である、請求項6に記載の抗体。
【請求項8】
ヒト化抗体である、請求項6に記載の抗体。
【請求項9】
CD16AまたはCD32Bに結合する可変ドメインを含む、請求項6に記載の抗体。
【請求項10】
2B6である、請求項6に記載の抗体。
【請求項11】
2B6のヒト化型である、請求項6に記載の抗体。
【請求項12】
2B6抗体のCD32Bとの結合を競合的に阻害する、請求項6に記載の抗体。
【請求項13】
請求項1、2または3に記載のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む核酸。
【請求項14】
請求項13に記載の核酸を含むベクター。
【請求項15】
発現ベクターである、請求項14に記載のベクター。
【請求項16】
請求項15に記載の核酸を含む宿主細胞。
【請求項17】
請求項1、2または3に記載のポリペプチドを組換えによって産生するための方法であって、(i)培地中で、前記ポリペプチドをコードする核酸を含む宿主細胞を前記ポリペプチドの発現に適した条件下で培養すること、および(ii)前記ポリペプチドを前記培地から回収することを含む、前記方法。
【請求項18】
癌抗原に特異的に結合する、変異型Fc領域を含む治療用抗体であって、前記治療用抗体が、野生型Fc領域を含む治療用抗体がFcγRIIIAに結合するよりも高い親和性でFcγRIIIAに特異的に結合するように、前記変異型Fc領域は、野生型Fc領域と比べて少なくとも1つのアミノ酸改変を含み、前記少なくとも1つのアミノ酸改変は、243位でのロイシンによる置換、292位でのプロリンによる置換、300位でのロイシンによる置換、305位でのイソロイシンによる置換、および396位でのロイシンによる置換;243位でのロイシンによる置換、292位でのプロリンによる置換、300位でのロイシンによる置換、および396位でのロイシンによる置換;243位でのロイシンによる置換、292位でのプロリンによる置換、および300位でのロイシンによる置換;243位でのロイシンによる置換、292位でのプロリンによる置換、および396位でのロイシンによる置換;243位でのロイシンによる置換、292位でのプロリンによる置換、および305位でのイソロイシンによる置換;243位でのロイシンによる置換および292位でのプロリンによる置換;243位でのロイシンによる置換;ならびに273位でのフェニルアラニンによる置換からなる群から選択される一組の置換を含む、前記治療用抗体。
【請求項19】
癌抗原に特異的に結合する、変異型Fc領域を含む治療用抗体であって、前記治療用抗体が、野生型Fc領域を含む治療用抗体がFcγRIIIAに結合するよりも高い親和性でFcγRIIIAに特異的に結合し、前記治療用抗体がさらに、野生型Fc領域を含む治療用抗体がFcγRIIBに結合するよりも低い親和性でFcγRIIBに特異的に結合するように、前記変異型Fc領域は、野生型Fc領域と比べて少なくとも1つのアミノ酸改変を含み、前記少なくとも1つのアミノ酸改変は、243位でのロイシンによる置換、292位でのプロリンによる置換、および300位でのロイシンによる置換;243位でのロイシンによる置換、292位でのプロリンによる置換、および396位でのロイシンによる置換;243位でのロイシンによる置換、292位でのプロリンによる置換、および305位でのイソロイシンによる置換;243位でのロイシンによる置換および292位でのプロリンによる置換;243位でのロイシンによる置換;ならびに273位でのフェニルアラニンによる置換からなる群から選択される一組の置換を含む、前記治療用抗体。
【請求項20】
野生型Fc領域を含む比較可能な治療用抗体と比べて増強された抗体依存性細胞媒介性細胞傷害を媒介する、請求項18または19に記載の治療用抗体。
【請求項21】
Herceptin(登録商標)、Rituxan(登録商標)、IC14、PANOREX(商標)、IMC-225、VITAXIN(商標)、Campath 1H/LDP-03、LYMPHOCIDE(商標)、またはZEVLIN(商標)である、請求項18または19に記載の治療用抗体。
【請求項22】
前記癌抗原が、MAGE-1、MAGE-3、BAGE、GAGE-1、GAGE-2、N-アセチルグルコサミン転移酵素、p15、β-カテニン、MUM-1、CDK4、HER-2/neu、ヒトパピローマウイルス-E6、ヒトパピローマウイルス-E7、またはMUC-1である、請求項18または19に記載の治療用抗体。
【請求項23】
癌抗原によって特徴付けられる癌を有する患者の癌を治療する方法であって、前記患者に、前記癌抗原に結合する治療上有効量の請求項18または19に記載の治療用抗体を投与することを含む、前記方法。
【請求項24】
前記癌抗原が、MAGE-1、MAGE-3、BAGE、GAGE-1、GAGE-2、N-アセチルグルコサミン転移酵素、p15、β-カテニン、MUM-1、CDK4、HER-2/neu、ヒトパピローマウイルス-E6、ヒトパピローマウイルス-E7、またはMUC-1である、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記癌抗原が、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、子宮頸癌、または膵癌の抗原である、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
1つまたは複数の追加の癌治療を施すことをさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記追加の癌治療が、化学療法、免疫療法、放射線療法、ホルモン療法、および外科手術からなる群から選択される、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記患者がヒトである、請求項23に記載の方法。
【請求項29】
治療上有効量の請求項1、2または3に記載のポリペプチドおよび薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項30】
治療上有効量の請求項6に記載の抗体および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項31】
治療上有効量の請求項7に記載の抗体および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項32】
治療上有効量の請求項18または19に記載の治療用抗体および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項33】
1つまたは複数の追加の抗癌剤をさらに含む、請求項32に記載の医薬組成物。
【請求項34】
前記1つまたは複数の抗癌剤が、化学療法剤、放射線治療剤、ホルモン療法剤、または免疫療法剤である、請求項33に記載の医薬組成物。
【請求項35】
請求項6に記載の抗体の重鎖をコードするヌクレオチド配列を含む核酸。
【請求項36】
請求項35に記載の核酸を含むベクター。
【請求項37】
発現ベクターである、請求項36に記載のベクター。
【請求項38】
請求項37に記載の核酸を含む宿主細胞。
【請求項39】
請求項6に記載の抗体を組換えによって産生するための方法であって、
(i)培地中で、
(a)前記抗体の軽鎖をコードするヌクレオチド配列を含む核酸と、
(b)前記抗体の重鎖をコードするヌクレオチド配列を含む核酸と、
を含む宿主細胞を前記抗体の発現に適した条件下で培養すること、および、
(ii)前記抗体を前記培地から回収すること、
を含む、前記方法。
【請求項40】
癌抗原によって特徴付けられる癌を有する患者の癌を治療または管理する方法であって、前記患者に、前記癌抗原に結合する治療上有効量の請求項6に記載の抗体を投与することを含む、前記方法。
【請求項41】
癌抗原によって特徴付けられる癌を有する患者の癌を治療または管理する方法であって、前記患者に、治療上有効量の請求項18または19に記載の抗体を投与することを含む、前記方法。
【請求項42】
野生型Fc領域を含む比較可能な抗体と比べて増強されたADCC活性を有する、請求項6に記載の抗体。
【請求項43】
前記変異型Fc領域が、表5、6、7または8に挙げられたアミノ酸改変のうちの1つまたは複数をさらに含む、請求項1、2または3に記載のポリペプチド。
【請求項1】
変異型Fc領域を含むポリペプチドであって、前記ポリペプチドが、野生型Fc領域を含むポリペプチドと比べて改変された親和性でFcγRに結合するように、前記変異型Fc領域は、野生型Fc領域と比べて少なくとも1つのアミノ酸改変を含み、前記少なくとも1つのアミノ酸改変は、243位でのロイシンによる置換、292位でのプロリンによる置換、300位でのロイシンによる置換、305位でのイソロイシンによる置換、および396位でのロイシンによる置換;243位でのロイシンによる置換、292位でのプロリンによる置換、300位でのロイシンによる置換、および396位でのロイシンによる置換;243位でのロイシンによる置換、292位でのプロリンによる置換、および300位でのロイシンによる置換;243位でのロイシンによる置換、292位でのプロリンによる置換、および396位でのロイシンによる置換;243位でのロイシンによる置換、292位でのプロリンによる置換、および305位でのイソロイシンによる置換;243位でのロイシンによる置換および292位でのプロリンによる置換;243位でのロイシンによる置換;ならびに273位でのフェニルアラニンによる置換からなる群から選択される一組の置換を含む、前記ポリペプチド。
【請求項2】
変異型Fc領域を含むポリペプチドであって、前記ポリペプチドが、野生型Fc領域を含む比較可能なポリペプチドがFcγRIIIAに結合するよりも高い親和性でFcγRIIIAに特異的に結合するように、前記変異型Fc領域は、野生型Fc領域と比べて少なくとも1つのアミノ酸改変を含み、前記少なくとも1つのアミノ酸改変は、243位でのロイシンによる置換、292位でのプロリンによる置換、300位でのロイシンによる置換、305位でのイソロイシンによる置換、および396位でのロイシンによる置換;243位でのロイシンによる置換、292位でのプロリンによる置換、300位でのロイシンによる置換、および396位でのロイシンによる置換;243位でのロイシンによる置換、292位でのプロリンによる置換、および300位でのロイシンによる置換;243位でのロイシンによる置換、292位でのプロリンによる置換、および396位でのロイシンによる置換;243位でのロイシンによる置換、292位でのプロリンによる置換、および305位でのイソロイシンによる置換;243位でのロイシンによる置換および292位でのプロリンによる置換;243位でのロイシンによる置換;ならびに273位でのフェニルアラニンによる置換からなる群から選択される一組の置換を含む、前記ポリペプチド。
【請求項3】
変異型Fc領域を含むポリペプチドであって、前記ポリペプチドが、野生型Fc領域を含む比較可能なポリペプチドがFcγRIIIAに結合するよりも高い親和性でFcγRIIIAに特異的に結合し、前記ポリペプチドがさらに、野生型Fc領域を含む比較可能なポリペプチドがFcγRIIBに結合するよりも低い親和性でFcγRIIBに特異的に結合するように、前記変異型Fc領域は、野生型Fc領域と比べて少なくとも1つのアミノ酸改変を含み、前記少なくとも1つのアミノ酸改変は、243位でのロイシンによる置換、292位でのプロリンによる置換、および300位でのロイシンによる置換;243位でのロイシンによる置換、292位でのプロリンによる置換、および396位でのロイシンによる置換;243位でのロイシンによる置換、292位でのプロリンによる置換、および305位でのイソロイシンによる置換;243位でのロイシンによる置換および292位でのプロリンによる置換;243位でのロイシンによる置換;ならびに273位でのフェニルアラニンによる置換からなる群から選択される一組の置換を含む、前記ポリペプチド。
【請求項4】
Fc領域がヒトIgG Fc領域である、請求項1、2または3に記載のポリペプチド。
【請求項5】
ヒトIgG Fc領域がヒトIgG1、IgG2、IgG3またはIgG4 Fc領域である、請求項4に記載のポリペプチド。
【請求項6】
抗体である、請求項1、2または3に記載のポリペプチド。
【請求項7】
モノクローナル抗体、ヒト化抗体、またはヒト抗体である、請求項6に記載の抗体。
【請求項8】
ヒト化抗体である、請求項6に記載の抗体。
【請求項9】
CD16AまたはCD32Bに結合する可変ドメインを含む、請求項6に記載の抗体。
【請求項10】
2B6である、請求項6に記載の抗体。
【請求項11】
2B6のヒト化型である、請求項6に記載の抗体。
【請求項12】
2B6抗体のCD32Bとの結合を競合的に阻害する、請求項6に記載の抗体。
【請求項13】
請求項1、2または3に記載のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む核酸。
【請求項14】
請求項13に記載の核酸を含むベクター。
【請求項15】
発現ベクターである、請求項14に記載のベクター。
【請求項16】
請求項15に記載の核酸を含む宿主細胞。
【請求項17】
請求項1、2または3に記載のポリペプチドを組換えによって産生するための方法であって、(i)培地中で、前記ポリペプチドをコードする核酸を含む宿主細胞を前記ポリペプチドの発現に適した条件下で培養すること、および(ii)前記ポリペプチドを前記培地から回収することを含む、前記方法。
【請求項18】
癌抗原に特異的に結合する、変異型Fc領域を含む治療用抗体であって、前記治療用抗体が、野生型Fc領域を含む治療用抗体がFcγRIIIAに結合するよりも高い親和性でFcγRIIIAに特異的に結合するように、前記変異型Fc領域は、野生型Fc領域と比べて少なくとも1つのアミノ酸改変を含み、前記少なくとも1つのアミノ酸改変は、243位でのロイシンによる置換、292位でのプロリンによる置換、300位でのロイシンによる置換、305位でのイソロイシンによる置換、および396位でのロイシンによる置換;243位でのロイシンによる置換、292位でのプロリンによる置換、300位でのロイシンによる置換、および396位でのロイシンによる置換;243位でのロイシンによる置換、292位でのプロリンによる置換、および300位でのロイシンによる置換;243位でのロイシンによる置換、292位でのプロリンによる置換、および396位でのロイシンによる置換;243位でのロイシンによる置換、292位でのプロリンによる置換、および305位でのイソロイシンによる置換;243位でのロイシンによる置換および292位でのプロリンによる置換;243位でのロイシンによる置換;ならびに273位でのフェニルアラニンによる置換からなる群から選択される一組の置換を含む、前記治療用抗体。
【請求項19】
癌抗原に特異的に結合する、変異型Fc領域を含む治療用抗体であって、前記治療用抗体が、野生型Fc領域を含む治療用抗体がFcγRIIIAに結合するよりも高い親和性でFcγRIIIAに特異的に結合し、前記治療用抗体がさらに、野生型Fc領域を含む治療用抗体がFcγRIIBに結合するよりも低い親和性でFcγRIIBに特異的に結合するように、前記変異型Fc領域は、野生型Fc領域と比べて少なくとも1つのアミノ酸改変を含み、前記少なくとも1つのアミノ酸改変は、243位でのロイシンによる置換、292位でのプロリンによる置換、および300位でのロイシンによる置換;243位でのロイシンによる置換、292位でのプロリンによる置換、および396位でのロイシンによる置換;243位でのロイシンによる置換、292位でのプロリンによる置換、および305位でのイソロイシンによる置換;243位でのロイシンによる置換および292位でのプロリンによる置換;243位でのロイシンによる置換;ならびに273位でのフェニルアラニンによる置換からなる群から選択される一組の置換を含む、前記治療用抗体。
【請求項20】
野生型Fc領域を含む比較可能な治療用抗体と比べて増強された抗体依存性細胞媒介性細胞傷害を媒介する、請求項18または19に記載の治療用抗体。
【請求項21】
Herceptin(登録商標)、Rituxan(登録商標)、IC14、PANOREX(商標)、IMC-225、VITAXIN(商標)、Campath 1H/LDP-03、LYMPHOCIDE(商標)、またはZEVLIN(商標)である、請求項18または19に記載の治療用抗体。
【請求項22】
前記癌抗原が、MAGE-1、MAGE-3、BAGE、GAGE-1、GAGE-2、N-アセチルグルコサミン転移酵素、p15、β-カテニン、MUM-1、CDK4、HER-2/neu、ヒトパピローマウイルス-E6、ヒトパピローマウイルス-E7、またはMUC-1である、請求項18または19に記載の治療用抗体。
【請求項23】
癌抗原によって特徴付けられる癌を有する患者の癌を治療する方法であって、前記患者に、前記癌抗原に結合する治療上有効量の請求項18または19に記載の治療用抗体を投与することを含む、前記方法。
【請求項24】
前記癌抗原が、MAGE-1、MAGE-3、BAGE、GAGE-1、GAGE-2、N-アセチルグルコサミン転移酵素、p15、β-カテニン、MUM-1、CDK4、HER-2/neu、ヒトパピローマウイルス-E6、ヒトパピローマウイルス-E7、またはMUC-1である、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記癌抗原が、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、子宮頸癌、または膵癌の抗原である、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
1つまたは複数の追加の癌治療を施すことをさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記追加の癌治療が、化学療法、免疫療法、放射線療法、ホルモン療法、および外科手術からなる群から選択される、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記患者がヒトである、請求項23に記載の方法。
【請求項29】
治療上有効量の請求項1、2または3に記載のポリペプチドおよび薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項30】
治療上有効量の請求項6に記載の抗体および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項31】
治療上有効量の請求項7に記載の抗体および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項32】
治療上有効量の請求項18または19に記載の治療用抗体および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項33】
1つまたは複数の追加の抗癌剤をさらに含む、請求項32に記載の医薬組成物。
【請求項34】
前記1つまたは複数の抗癌剤が、化学療法剤、放射線治療剤、ホルモン療法剤、または免疫療法剤である、請求項33に記載の医薬組成物。
【請求項35】
請求項6に記載の抗体の重鎖をコードするヌクレオチド配列を含む核酸。
【請求項36】
請求項35に記載の核酸を含むベクター。
【請求項37】
発現ベクターである、請求項36に記載のベクター。
【請求項38】
請求項37に記載の核酸を含む宿主細胞。
【請求項39】
請求項6に記載の抗体を組換えによって産生するための方法であって、
(i)培地中で、
(a)前記抗体の軽鎖をコードするヌクレオチド配列を含む核酸と、
(b)前記抗体の重鎖をコードするヌクレオチド配列を含む核酸と、
を含む宿主細胞を前記抗体の発現に適した条件下で培養すること、および、
(ii)前記抗体を前記培地から回収すること、
を含む、前記方法。
【請求項40】
癌抗原によって特徴付けられる癌を有する患者の癌を治療または管理する方法であって、前記患者に、前記癌抗原に結合する治療上有効量の請求項6に記載の抗体を投与することを含む、前記方法。
【請求項41】
癌抗原によって特徴付けられる癌を有する患者の癌を治療または管理する方法であって、前記患者に、治療上有効量の請求項18または19に記載の抗体を投与することを含む、前記方法。
【請求項42】
野生型Fc領域を含む比較可能な抗体と比べて増強されたADCC活性を有する、請求項6に記載の抗体。
【請求項43】
前記変異型Fc領域が、表5、6、7または8に挙げられたアミノ酸改変のうちの1つまたは複数をさらに含む、請求項1、2または3に記載のポリペプチド。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6−1】
【図6−2】
【図6−3】
【図7】
【図8−1】
【図8−2】
【図8−3】
【図8−4】
【図9−1】
【図9−2】
【図10】
【図11】
【図12−1】
【図12−2】
【図12−3】
【図12−4】
【図12−5】
【図12−6】
【図12−7】
【図13】
【図14】
【図15−1】
【図15−2】
【図16】
【図17】
【図18−1】
【図18−2】
【図18−3】
【図18−4】
【図18−5】
【図18−6】
【図18−7】
【図18−8】
【図19】
【図20−1】
【図20−2】
【図20−3】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24−1】
【図24−2】
【図24−3】
【図24−4】
【図24−5】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6−1】
【図6−2】
【図6−3】
【図7】
【図8−1】
【図8−2】
【図8−3】
【図8−4】
【図9−1】
【図9−2】
【図10】
【図11】
【図12−1】
【図12−2】
【図12−3】
【図12−4】
【図12−5】
【図12−6】
【図12−7】
【図13】
【図14】
【図15−1】
【図15−2】
【図16】
【図17】
【図18−1】
【図18−2】
【図18−3】
【図18−4】
【図18−5】
【図18−6】
【図18−7】
【図18−8】
【図19】
【図20−1】
【図20−2】
【図20−3】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24−1】
【図24−2】
【図24−3】
【図24−4】
【図24−5】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【公表番号】特表2009−507470(P2009−507470A)
【公表日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−526195(P2008−526195)
【出願日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際出願番号】PCT/US2006/031201
【国際公開番号】WO2007/021841
【国際公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【出願人】(504438727)マクロジェニクス,インコーポレーテッド (23)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際出願番号】PCT/US2006/031201
【国際公開番号】WO2007/021841
【国際公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【出願人】(504438727)マクロジェニクス,インコーポレーテッド (23)
【Fターム(参考)】
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