説明

変異型RNAポリメラーゼ

【課題】バクテリオファージT7RNAポリメラーゼの比活性を増大させ、高温度域での反応性を向上させた改良型のT7RNAポリメラーゼを提供する。
【解決手段】バクテリオファージT7由来の野生型T7RNAポリメラーゼの、アミノ酸配列の344位に相当するトリプトファン残基をバリン残基に置換した、変異型T7RNAポリメラーゼ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、変異型T7RNAポリメラーゼに関する。本発明はまた、変異型T7RNAポリメラーゼをコードする遺伝子、当該遺伝子を有し、かつ、それを発現して変異型T7RNAポリメラーゼを生産することができる細胞、当該細胞を使用する変異型T7RNAポリメラーゼの製造方法、そして、変異型T7RNAポリメラーゼを用いるRNAの合成方法に関する。
【0002】
本発明の変異型T7RNAは、バクテリオファージT7由来の野生型T7RNAポリメラーゼと比較して比活性(ここで「比活性」とは、例えば、0℃から100℃の温度下で酵素活性(RNA合成活性)を測定した場合におけるRNAポリメラーゼの単位蛋白質重量あたりの酵素活性を意味する)が増大しており、例えば臨床診断で応用されている、NASBA法(特許文献1及び2、非特許文献1及び2)、3SR法(特許文献3、非特許文献3)、TRC法(特許文献4)等の、種々の核酸増幅法において利用し得るものである。
【背景技術】
【0003】
DNA依存性のRNAポリメラーゼは、2本鎖のDNAを鋳型にしてRNAを合成する酵素であり、その性質や機能について多くの研究がなされている。なかでもバクテリオファージT7由来のT7RNAポリメラーゼは、単一サブユニットからなるため扱いやすく、また鋳型となる2本鎖のDNAに存在する転写反応の開始プロモーター配列(T7プロモーター配列)を厳密に認識することから、遺伝子工学の分野で多用されている。
【0004】
例えば、T7プロモーター配列の下流に発現させたい蛋白質遺伝子配列を配置した2本鎖DNAを、T7RNAポリメラーゼ遺伝子を発現する細胞に導入して蛋白質を生産させる方法や、細胞を用いずにT7RNAポリメラーゼを加えた試験管内で蛋白質を生産させる方法が広く利用されている。そのほかにもDNAポリメラーゼを用いてPCR反応で得られた生成物(DNA断片)をシーケンス用の鋳型に用いて、RNAポリメラーゼの転写に基づいた反応でシークエンスする方法なども開発されている。
【0005】
また、RNAポリメラーゼは、その鋳型DNAからRNAを複数コピーすることを利用して、例えばNASBA法、3SR法、TRC等の転写反応に基づく核酸増幅法や、当該方法を応用した臨床診断方法にも利用されている。
【0006】
RNAポリメラーゼは、上述のように種々の分野で利用される過程で、その用途に応じた改良が行われている。例えば野生型T7RNAポリメラーゼと比較して、比活性を増大する改良、野生型T7RNAと比較して、高温度域での反応性を向上する耐熱性の改良等である。天然に見出される野生型のT7RNAポリメラーゼは、配列番号1に示したアミノ酸配列を有するが、例えばその430位のセリン残基をプロリン残基に置換したもの、その849位のフェニルアラニン残基をイソロイシン残基に置換したもの、及び/又は880位のフェニルアラニン残基をチロシン残基に置換したものが特許文献5で報告されている。また633位のセリン残基をプロリン残基に置換したものが特許文献6で報告されている。また430位のセリン残基をプロリン残基に置換したもの、633位のセリン残基をプロリン残基に置換したもの、849位のフェニルアラニン残基をイソロイシン残基に置換したもの、及び、880位のフェニルアラニン残基をチロシン残基に置換したものが特許文献7で報告されている。このような変異型T7RNAポリメラーゼは、野生型のものに比較して、高温度域での反応性が向上されており、また中でも430位、633位、849位、880位のアミノ酸残基を所定のアミノ酸残基に置換したものでは、野生型T7RNAポリメラーゼと比較して、比活性が増大されている。
【0007】
【特許文献1】特許第3241717号公報
【特許文献2】特許第2650159号公報
【特許文献3】特許第3152927号公報
【特許文献4】特開2000−14400号公報
【特許文献5】特開2001−54387号公報
【特許文献6】特表2002−532095号公報
【特許文献7】特表2003−525627号公報
【特許文献8】特許第3172710号公報
【非特許文献1】Compton J.ら、1991、Nature、350(6313)、(91−92頁)
【非特許文献2】Romano J.W.ら、1996、Clinics Laboratory Medicine、16(1)、(89−103頁)
【非特許文献3】Guatelli J.C.ら、1990、Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America、87(5)、(1874−1878頁)
【非特許文献4】Moffatt B.A.ら、1984、Journal of Molecular Biology、173、(265−269頁)
【非特許文献5】Grachev M.A.ら、1984、Bioorganicheskaia Khimiia、10、(824−843頁)
【非特許文献6】Das M.ら、1998、Preparative Biochemistry and Biotechnology、28、(339−348頁)
【非特許文献7】Biao,H.ら、1997、Protein Expression and Purification、9、(142−151頁)
【非特許文献8】Bradford M.M.、1976、Analytical Biochemistry、 72、(248−254頁)
【非特許文献9】Jones L.J.ら、1998、Analytical Biochemistry、 265、(368−374頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
RNAポリメラーゼは、上述のように種々の分野で利用される過程で、その用途に応じた改良が行われている。かかる改良は一定の成果を上げつつあるが、未だ野生型T7RNAポリメラーゼを用途に応じてフレキシブルに改良し得るだけの知見が得られたとは言い難く、より一層の改良の可能性が追求されている。
【0009】
またT7RNAポリメラーゼのアミノ酸残基の変異による比活性の増大等の改良は、相同性が高いバクテリオファージ由来RNAポリメラーゼの改良の指針としても期待されている。例えばT3RNAポリメラーゼ(GenBank accession No.X02981)やK11RNAポリメラーゼ(GenBank accession No.X53238)等のバクテリオファージ由来のRNAポリメラーゼはT7RNAポリメラーゼとアミノ酸配列の相同性が非常に高く、配列番号1に示したように、T7RNAポリメラーゼのアミノ酸残基328位から377位に相当する配列は、配列番号2に示したT3RNAポリメラーゼではアミノ酸残基329位から378位であり、配列番号3に示したK11RNAポリメラーゼではアミノ酸残基351位から400位であることがわかる。したがってT7RNAポリメラーゼのアミノ酸残基344位のトリプトファン残基がT3RNAポリメラーゼのアミノ酸残基345位、K11RNAポリメラーゼのアミノ酸残基367位のトリプトファン残基に相当することは容易に推定できる。
【0010】
上記課題に鑑みてなされた本発明は、野生型T7RNAポリメラーゼの比活性を増大させ、また、高温度域での反応性を向上させる、これまでに報告されていないT7RNAポリメラーゼの改良を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題に鑑みてなされた本願請求項1の発明は、バクテリオファージT7由来の野生型T7RNAポリメラーゼアミノ酸配列(配列番号1)の344位に相当するトリプトファン残基がバリン残基に置換された、変異型T7RNAポリメラーゼである。そして本願請求項2の発明は、バクテリオファージT7由来の野生型T7RNAポリメラーゼアミノ酸配列(配列番号1)の344位に相当するトリプトファン残基がバリン残基に置換され、更に、344位以外の1以上のアミノ酸残基が置換若しくは欠失され及び/又は344位以外の部位へアミノ酸残基が挿入若しくは付加された、変異型T7RNAポリメラーゼである。
【0012】
本願請求項3の発明は、上記各変異型T7RNAポリメラーゼをコードする遺伝子であり、本願請求項4の発明は、かかる遺伝子を有し、かつ、それを発現して変異型RNAポリメラーゼを生産することができる細胞であり、本願請求項5の発明は、当該細胞を使用する、変異型RNAポリメラーゼの製造方法である。
【0013】
そして本願請求項6の発明は、上記各変異型RNAポリメラーゼを用いる、RNAの合成方法である。
【0014】
本発明は、種々の野生型T7RNAポリメラーゼや野生型T7RNAポリメラーゼに基づいて人工的に製造された変異型T7RNAポリメラーゼにおいて、それらのアミノ酸配列中の「野生型T7RNAポリメラーゼアミノ酸配列の344位に相当するトリプトファン残基」を、人工的にバリン残基に置換したものである。野生型T7RNAポリメラーゼのアミノ酸配列は、非特許文献4に従えば配列番号1の通りであり、非特許文献5に従えば、623位のチロシン残基と665位のプロリン残基以外は配列番号1の通りである(GenBank accession No.NP_041960及びNo.M38308)。非特許文献4及び5のT7RNAポリメラーゼは、いずれもそのアミノ酸配列の344位に「野生型T7RNAポリメラーゼアミノ酸配列の344位に相当するトリプトファン残基」を有するものであり、本発明における変異導入の対象となるものである。一方、野生型T7RNAポリメラーゼに基づいて人工的に製造された変異型T7RNAポリメラーゼのアミノ酸配列は、特許文献5から7等に開示された通りであるが、これらの変異型T7RNAポリメラーゼもまた、そのアミノ酸配列中に「野生型T7RNAポリメラーゼアミノ酸配列の344位に相当するトリプトファン残基」を有するものであり、本発明における変異導入の対象となるものである。このように、本発明でいう「344位に相当するトリプトファン残基」は、必ずしもそのアミノ酸配列の344位に存在するトリプトファン残基を意味するものではなく、あくまでも野生型T7RNAポリメラーゼアミノ酸配列の344位に「相当する」トリプトファン残基を意味するものである。
【0015】
本発明の変異型T7RNAポリメラーゼは、上記のような「野生型T7RNAポリメラーゼアミノ酸配列の344位に相当するトリプトファン残基」を有するものを対象として、当該344位に相当するトリプトファン残基をバリン残基に置換したもので、実施例において詳細に示したように、野生型T7RNAポリメラーゼと比較して比活性が増大している。本発明の変異型T7RNAポリメラーゼを得るためには、後述する、野生型等の変異導入の対象となるT7RNAポリメラーゼをコードする遺伝子をまず調製し、当該遺伝子に対して「344位に相当するトリプトファン残基をバリン残基に置換する」変異を遺伝子レベルで導入し、それを適当な細胞中で発現させれば良く、かかる遺伝子レベルでの変異の導入や発現については、通常の遺伝子工学的手法を利用すれば良い。
【0016】
本発明の他の変異型T7RNAポリメラーゼは、バクテリオファージT7由来の野生型T7RNAポリメラーゼアミノ酸配列(配列番号1)の344位に相当するトリプトファン残基がバリン残基に置換され、更に、344位以外の1以上のアミノ酸残基が置換若しくは欠失され及び/又は344位以外の部位へアミノ酸残基が挿入若しくは付加された、変異型T7RNAポリメラーゼである。344位に相当するトリプトファン残基のバリン残基への置換以外の置換等の変異は、次のように行うことが例示できる。
【0017】
変異については、例えば、野生型T7RNAポリメラーゼの430位に相当するセリン残基のプロリン残基への置換、849位に相当するフェニルアラニン残基のイソロイシン残基への置換、880位に相当するフェニルアラニン残基のチロシン残基への置換、633位に相当するセリン残基のプロリン残基への置換、430位に相当するセリン残基のプロリン残基への置換、633位に相当するセリン残基のプロリン残基への置換、849位に相当するフェニルアラニン残基のイソロイシン残基への置換、880位に相当するフェニルアラニン残基のチロシン残基への置換等が例示できる。これらは前述した特許文献5から7で既に報告されたものであるが、これらを344位に相当するトリプトファン残基のバリン残基への置換に加えて行うことにより、比活性の増大や耐熱性を更に向上することが可能となる。欠失や挿入については、例えば、酵素活性の発現等に影響しない範囲でアミノ酸配列中の1以上のアミノ酸残基を欠失させ、又は、1以上のアミノ酸残基を挿入することが例示できる。付加については、T7RNAポリメラーゼのアミノ酸配列のアミノ末端(N末端)側やカルボキシル末端(C末端)側に、例えば、他の酵素等のアミノ酸配列や、細胞での発現後の精製工程を容易に行うためのタグとなるアミノ酸配列を付加することが例示できる。
【0018】
本発明の野生型T7RNAポリメラーゼをコードする遺伝子は、例えば特許文献8を参考にしてバクテリオファージT7のDNAを調製して、それを鋳型に用いて、適当なオリゴヌクレオチドからなるフォワードプライマーとリバースプライマーでPolymerase chain reaction(PCR)を行って得ることができる。ここで、フォワードプライマーとリバースプライマーは、例えばGenBankにaccession No.NP_041960に登録されているT7RNAポリメラーゼの塩基配列を参考にして、例えばT7RNAポリメラーゼの塩基配列の全長をPCRで増幅できるように作製することが例示できる。またT7RNAポリメラーゼの塩基配列の一部をPCRにより増幅して、得られたDNAをプライマーとして利用して、もうひとつ別のプライマーと組み合わせて次のPCRを行い、そのようなPCRを順次繰り返してT7RNAポリメラーゼの塩基配列の全長をPCRで増幅することもできる。また適切な制限酵素の認識配列をふくんだDNAを形成するように設計したプライマーをいくつか使って、T7RNAポリメラーゼの塩基配列をいくつかの断片に分けてPCRで増幅して、増幅したDNAを適切な制限酵素で消化したのち、順次連結してT7RNAポリメラーゼの塩基配列の全長を作製してもよい。
【0019】
このようにして得られた野生型T7RNAポリメラーゼ遺伝子を使用するに際しては、例えば、適当なプラスミドに組み込んでそのプラスミドで大腸菌(Escherichia coli)を形質転換して、その大腸菌から、野生型T7RNAポリメラーゼ遺伝子を有するプラスミドを調製して使用すると良い。野生型T7RNAポリメラーゼ遺伝子を組み込むためのプラスミドとして、例えばpTrc99a(商品名、ファルマシアバイオテク社製)、pSTV28(商品名、(株)タカラバイオ社製)、pCDF−1b(商品名、メルク(株)社製)、pRSF−1b(商品名、メルク(株)社製)等の発現用プラスミドを例示できる。ここで、T7RNAポリメラーゼのアミノ末端(N末端)側又はカルボキシル末端(C末端)側、好ましくはアミノ末端に、ヒスチジンヘキサマー配列を含んだタグ配列が付加されるように遺伝子を作製することもできる(非特許文献6)。形質転換に用いる大腸菌(Escherichia coli)としては、JM109、JM110、HB101等の各種の株が例示できる。
【0020】
野生型T7RNAポリメラーゼ等をコードする遺伝子への変異の導入は、例えばサイトディレクテッドミュータジェネシス法等の通常の手法により実施することができる。詳しくは、野生型T7RNAポリメラーゼをコードする遺伝子等を鋳型に用いて、その344位に相当するトリプトファン残基をコードする塩基を、バリン残基をコードするコドンに置換したプライマーを用いてPCRを行うことが例示できる。さらに詳しくは、例えば野生型T7RNAポリメラーゼをコードする遺伝子のアミノ末端領域を含むDNAの増幅が可能なフォワードプライマーと、344位に相当するトリプトファン残基をコードするコドン(TGG)を、バリンをコードするコドン(例えばGTG、GTA、GTC、GTT)に置換した配列を有するリバースプライマーを用い、本発明の変異型T7RNAポリメラーゼのアミノ末端側をコードするDNAを増幅する第1のPCRを行う。このためには第1のPCRで用いるリバースプライマーを、相応の相補性を有する塩基配列にすればよく、344位に相当するアミノ酸残基をコードする塩基配列を例えばGTGと相補的なCACにしたリバースプライマーを用いれば良い。第1のPCRに引き続き、第1のPCRで得られたDNAと、野生型T7RNAポリメラーゼ等のカルボキシル末端領域をコードするDNAの増幅が可能なリバースプライマーを用いて、野生型T7RNAポリメラーゼ等をコードする遺伝子を鋳型として第2のPCRを行い、本発明の変異型T7RNAポリメラーゼの全長をコードする領域を含んだDNAを増幅する。第2のPCRで得られるDNAは、上気したような適当な発現用プラスミドに組み込むと良い。
【0021】
上述した手順における、DNAへの変異の導入の確認は、DNAシーケンサーを用いる等の、一般的な手法により実施することができる。また、第1のPCRにより生成されるDNAに、新たな制限酵素サイトが生じるように選択した塩基配列のプライマーを使用すれば、生成した遺伝子が当該サイトにて所定の制限酵素で消化されることを目安にして、目的の変異が導入できたか否かを簡易的に確認することもできる。
【0022】
本発明において、野生型T7RNAポリメラーゼアミノ酸配列の344位に相当するトリプトファン残基をバリン残基に置換する変異に加え、更に、変異を導入等する場合には、344位に相当するトリプトファン残基の置換と同時に、又はその前後に、所定の変異を導入することができる。
【0023】
上述した本発明の遺伝子は、通常の遺伝子工学の分野で使用される種々の宿主で発現することが可能である。宿主としては細菌、酵母、カビ、昆虫細胞、動物細胞又は植物細胞等を例示できるが、取扱い易さ、培養の容易性、高密度培養の可否、更には遺伝子操作における宿主/ベクター系が整備されている細菌、中でもエシェリヒア(Escherichia)属細菌が好ましい。例えば本発明の変異型T7RNAポリメラーゼをコードする遺伝子を組み込んだ発現用プラスミドで形質転換した大腸菌(Escherichia coli)を培養・増殖させ、適当な誘導剤を培地に加えて遺伝子発現を誘導しながら更に培養した後、その菌を集菌して適当な緩衝液中でリゾチーム処理又は超音波処理により破砕すれば、本発明の変異型T7RNAポリメラーゼを可溶性画分中に回収することができる。この場合、可溶性画分に含まれる本発明の変異型T7RNAポリメラーゼは、ポリエチレンイミンを用いた除核酸処理、硫安塩析による分画、疎水クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー等を利用して精製し、又は、Cibacron Blue F3G−Aのようなトリアジン系色素をリガンドに用いた担体への結合を利用したアフィニティークロマトグラフィーによって精製することができる(非特許文献7)。そして、製造された変異型T7RNAポリメラーゼは、例えば非特許文献8に開示された比色定量を行うことで、その濃度を求めることができる。
【0024】
本発明の変異型T7RNAポリメラーゼは、RNA合成反応に用いることができる。RNA合成のための方法自体は従来知れている方法に従えば良く、例えばT7プロモーターを有するDNA、4種類のNTP、マグネシウムイオン、ジチオトレイトール及びRNase阻害剤を含んだpH8付近の緩衝液中で変異型T7RNAポリメラーゼを反応させれば良い。当該反応における変異型T7RNAポリメラーゼの酵素活性は、単位時間当たりに生成したRNA量を用いて表すことができ、またRNA量は、例えば波長260nmの吸光度から、吸光度1あたりRNA濃度40μg/mlという一般的な換算値から求め、又は、蛍光色素結合法により既知濃度のRNAで作製した標準から定量することができる(非特許文献9)が、当該方法には市販の試薬キット(商品名Quant−iT RNA Assay Kit、インビトロジェン(株)社製)を利用すると良い。
また本発明の変異型T7RNAポリメラーゼは、RNAを増幅する増幅方法である、例えばNASBA法(特許文献1及び2、非特許文献1及び2)、3SR法(特許文献3、非特許文献3)、TRCR法(特許文献4)等の、種々の核酸増幅法において利用し得る。
【発明の効果】
【0025】
本発明の変異型T7RNAポリメラーゼは、野生型T7RNAポリメラーゼの344位に相当するトリプトファン残基をバリン残基に置換することにより、当該置換を導入していない、例えば野生型T7RNAポリメラーゼに比べ、比活性が高く、より効率よく転写反応を行うことができる。この344位に相当するトリプトファン残基のバリン残基への置換については従来何ら報告がなく、従って本発明は、T7RNAポリメラーゼの改良に関する知見を提供するものである。これにより、種々の分野で利用されるT7RNAポリメラーゼを、その用途に応じて改良する際に、改良の選択肢の一つとして有用である。
【0026】
また前述した通り、T7RNAポリメラーゼのアミノ酸残基の変異による比活性の増大等の改良は、相同性が高いバクテリオファージ由来RNAポリメラーゼの改良の指針としても期待されていることから、本発明は、バクテリオファージ由来RNAポリメラーゼの改良に対しても、有用な指針の一つを示すものである。
【実施例】
【0027】
以下に本発明を更に詳細に説明するために実施例を示すが、これら実施例は本発明の一例を示すものであり、本発明は実施例に限定されるものではない。
【0028】
実施例1
特許文献8を参考にしてバクテリオファージT7(ATCC No.BAA−1025−B2)を感染させた大腸菌C600よりバクテリオファージT7ゲノムDNAを調製した。それを鋳型にして、配列番号4で示したプライマーと配列番号5で示したプライマーを用い、Pyrobest DNA polymerase(商品名、(株)タカラバイオ社製)を使ってPCRを行って、サイズが1.8kbpのDNA(DNA1)を増幅した。また配列番号6で示したプライマーと配列番号7で示したプライマーを用いてPCRを行い、サイズが0.8kbpのDNA(DNA2)を増幅した。DNA1とDNA2のそれぞれをアガロースゲル電気泳動した後、UltraClean15キット(商品名、MO BIO Laboratories社製)を用いてゲルから抽出し精製した。
【0029】
精製したDNA1を制限酵素HindIIIと制限酵素BspHIで消化したのち、GenBank accession No.U13872に登録されているプラスミドpTrc99a(商品名、ファルマシアバイオテク社製)を制限酵素NcoIと制限酵素HindIIIで消化して得た4.1kbpのDNAと、ライゲーションして環化させ、ついでそれを用いて大腸菌JM109をトランスフォームした。ライゲーションにはDNA Ligation Kit ver2.1(商品名、(株)タカラバイオ社製)を用いた。
【0030】
形質転換した大腸菌は50μg/mlカルベニシリンナトリウムと1%グルコースを含んだLB(LB/Carb/glc)寒天培地で一晩培養して、そのコロニーを得た。得られたコロニーから大腸菌を釣菌してLB/Carb/glc培地で培養したのち、集菌して、Plasmid Miniprep KitI(商品名、Omega BIO−TEK社製)を用いてサイズが6kbpのプラスミドを得た。そのプラスミドを制限酵素HindIIIで消化したのち、仔牛小腸由来アルカリホスファターゼで脱リン酸処理した。それを、DNA2を制限酵素HindIIIで消化して得たDNAと、ライゲーションして環化させ、それを用いて大腸菌JM109をトランスフォームした。形質転換した大腸菌はLB/Carb/glc寒天培地で一晩培養して、そのコロニーを得た。得られたコロニーから大腸菌を釣菌してLB/Carb/glc培地で培養したのち、集菌して、Plasmid Miniprep KitIを用いてサイズが6773bpのプラスミドpTrc−T7RP(図1)を得た。プラスミドpTrc−T7RPにコードされたT7RNAポリメラーゼ遺伝子は、T7RNAポリメラーゼの610位のリジンと611位のロイシンをコードする塩基配列AAGCTGが制限酵素HindIIIで消化される塩基配列AAGCTTに変異しているが、翻訳されたときのアミノ酸残基は変異しないサイレント変異である。
【0031】
実施例2
プラスミドpTrc-T7RPを鋳型にして、以下に示すように4段階のPCRを順次実施して得たDNAを用いてプラスミドpCDF2-T7RP調製した。
【0032】
第一のPCRは、配列番号8で示したプライマーと配列番号9で示したプライマーを用いてtrcプロモーター/オペレーター領域とT7RNAポリメラーゼのN末端メチオニン付近をコードする領域を含んだサイズが0.1kbpのDNAを増幅し、アガロースゲル電気泳動した後、MERmaidキット(商品名、Qbiogene社製)を用いゲルから抽出し精製した。
【0033】
第二のPCRには、配列番号10で示したプライマーと、精製した0.1kbpのDNAをプライマーとして用いて、サイズが1.2kbpのDNAを増幅し、アガロースゲル電気泳動した後、UltraClean15キットを用いてゲルから抽出し精製した。
【0034】
第三のPCRは、第二のPCRで得た1.2kbpのDNAと配列番号11で示したプライマーを用いて、サイズが2.0kbpのDNAを増幅し、アガロースゲル電気泳動した後、UltraClean15キットを用いてゲルから抽出し精製した。
【0035】
第四のPCRは、第三のPCRで得た2.0kbpのDNAと配列番号12で示したプライマーを用いてPCRで増幅したDNAを、アガロースゲル電気泳動した後、UltraClean15キットを用いてゲルから抽出し精製して、trcプロモーター/オペレーター領域とT7RNAポリメラーゼ遺伝子を含んだサイズが2.8kbpのDNA(DNA3)を得た。
【0036】
その一方で配列番号13に示したプライマーと配列番号14に示したプライマーを用い、pTrc99aを鋳型にしてPCRを行い、β−ラクタマーゼ遺伝子(0.9kbpのDNA)を得て、それを制限酵素NheIとBlnIで消化し、プラスミドpCDF−1bを制限酵素NheIとBlnIで消化して得た2.5kbpのDNAとライゲーションしたのち、それを用いて大腸菌JM109を形質転換し、β―ラクタマーゼ遺伝子をもつ大腸菌JM109/pCDF(+)を得た。大腸菌JM109/pCDF(+)から得られたプラスミドpCDF(+)は、制限酵素SacIとEcoNIで消化して、プラスミドpCDF−1bに由来するT7プロモーターおよびオペレーターの配列を除去したのち、DNA Blunting Kit(商品名、(株)タカラバイオ社製)を用いてBlunting処理した。次いでBlunting処理したDNAをライゲーションして環化させ、それを用いて大腸菌JM109を形質転換して大腸菌JM109/pCDF2を得て、プラスミドpCDF2(図2)を調製した。
【0037】
先述のDNA3を制限酵素EcoT22IとBlnIで二重消化した後、プラスミドpCDF2を制限酵素PstIとBlnIで二重消化して得た3.2kbpのDNAをライゲーションして環化させた。その環化させたDNAを用いて大腸菌HB101を形質転換し、LB/Carb/glc寒天培地で一晩培養してコロニーを得た。得られたコロニーから大腸菌を釣菌して、LB/Carb/glc培地で培養したのち、集菌して、Plasmid Miniprep KitIを用いてプラスミドpCDF2−T7RP(図3)を得た。
【0038】
実施例3
プラスミドpCDF2−T7RPを鋳型に用いて、配列番号8で示したプライマーと配列番号15で示したプライマーを用いてPCRを行い、trcプロモーターと野生型T7RNAポリメラーゼの一部を含んだDNA(1.1kbp)を増幅した。なお配列番号15で示したプライマーは、344位に相当するトリプトファン残基をコードするコドンを、バリン残基をコードするコドンに置換するための変異と、その変異導入により制限酵素AleIサイトが形成されるようにデザインしたものである。
【0039】
増幅したDNA(1.1kbp)は、アガロースゲル電気泳動した後、UltraClean15キットを用いてゲルから抽出し精製した。次に、制限酵素PmaCIでシングルカットしてリニアライズしたプラスミドpCDF2−T7RPを鋳型として、前記精製したDNA(1.1kbp)と配列番号12で示したプライマーを用いてPCRを行なった後、その反応液をアガロース電気泳動して、2.8kbpのDNA(DNA4)を得た。
【0040】
精製したDNA4を制限酵素EcoT22IとBlnIで二重消化した後、プラスミドpCDF2(図3)を制限酵素PstIとBlnIで二重消化して得たサイズが3.2kbpのDNAとライゲーションして環化させた。その環化させたDNAを用いて大腸菌HB101を形質転換し、LB/Carb/glc寒天培地で一晩培養してコロニーを得た。
【0041】
得られたコロニーから大腸菌を釣菌してLB/Carb/glc培地で培養したのち、集菌して、Plasmid Miniprep KitIを用いてプラスミドpCDF2−T7RP131を得た。得られたプラスミドpCDF2−T7RP131及びpCDF2−T7RPを制限酵素AleI(New England BioLabs Inc.社製)で酵素消化した後、アガロースゲル電気泳動して消化パターンを分析したところ、pCDF2−T7RPは制限酵素AleIでは消化されなかったのに対して、プラスミドpCDF2−T7RP131は制限酵素AleIでシングルカットされ、生じたDNAのサイズは5.9kbpであった。また制限酵素で消化せずにアガロースゲル電気泳動してした場合のpCDF2−T7RP131とpCDF2−T7RPの電気泳動の移動度は一致した。
【0042】
得られたプラスミドpCDF2−T7RP131をもつ大腸菌をHB101/pCDF2−T7RP131とした。
【0043】
実施例4
変異型T7RNAポリメラーゼは大腸菌HB101/pCDF2−T7RP131から調製した。大腸菌HB101/pCDF2−T7RP131を50μg/mlカルベニシリンナトリウムを含んだ2×YT培地と20%グルコースを19対1の割合で混合した培地を用いて28℃で一晩培養した。その培養液を、新たに用意した培地に加えて菌密度OD600が0.3になるようにした後、37℃で菌密度OD600が1になるまで培養した。その後、培養液に10mM IPTGを1/100容量加え、さらに2時間培養した。培養後の菌密度OD600は約2.8であった。
【0044】
培養液(250ml)を氷上で冷却した後、遠心分離(6,000rpm、10分間)して集菌した。菌は、20mM NaCl/2mM EDTA/20mM Tris−HCl緩衝液(pH8.0)で再懸濁した後、再び遠心分離した。得られた菌を菌密度OD600が18になるように、5mM ジチオトレイトール(DTT)、1mM 4−(2−アミノエチル)ベンゼンスルホニルフルオリド塩酸塩、1mMフェニルメタンスルホニルフルオリド、10mM NaCl、1mM EDTAを含んだ50mM Tris−HCl緩衝液(pH8.0)に再懸濁し、超音波破砕機で菌を破砕した。
【0045】
菌破砕液を4℃冷却下で遠心分離(15,000rpm、10分間)して上清を得たのち、1/9容量の2M硫酸アンモニウム/1mM EDTA/50mMトリス塩酸緩衝液(pH8.0)を加え、さらに終濃度0.1%w/vになるように5%w/vポリエチレンイミン水溶液を加えて、氷冷下で20分間放置した後遠心分離した。得られた上清はポアサイズ0.2μmのフィルターでろ過した後、そのろ液に45%飽和濃度になるように硫酸アンモニウムを加え、4℃で一晩放置して硫安塩析をおこなった。
【0046】
遠心分離して沈殿を得たのち0.2M硫酸アンモニウム/5mM DTT/5mM EDTA/50mMトリス塩酸緩衝液(pH8.0)に再溶解して、2.7mlの溶液を得た。そのうちの2.2mlを、予め0.2M硫酸アンモニウム/5mM DTT/5mM EDTA/50mMトリス塩酸緩衝液(pH8.0)で平衡化したAF−Blue TOYOPEARL HC650M(商品名、東ソー(株)社製)を充填したカラム(ベッド体積1.5ml)にロードした。
【0047】
そのカラムに、まず15mlの0.2M硫酸アンモニウム/5mM DTT/5mM EDTA/50mMトリス塩酸緩衝液(pH8.0)を供し、次に7.5mlの0.2M NaCl/5mM DTT/5mM EDTA/2M尿素/50mMトリス塩酸緩衝液(pH8.0)、そして7.5mlの0.4M NaCl/5mM DTT/5mM EDTA/2M尿素/50mMトリス塩酸緩衝液(pH8.0)を順次供してカラム洗浄した。次に、2M NaCl/5mM DTT/5mM EDTA/2M尿素/50mMトリス塩酸緩衝液(pH8.0)を用いて変異型T7RNAポリメラーゼを溶出させ、分取した。分取のサイズは0.75mlとした。
【0048】
分取したフラクションの一部についてSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)を行って、変異型T7RNAポリメラーゼ(分子量約9.8万)を含んでいるフラクションを調べた。その結果、変異型T7RNAポリメラーゼはNaCl濃度が0.4Mの緩衝液と2Mの緩衝液のフラクションに検出された。
【0049】
変異型T7RNAポリメラーゼを含んでいるフラクションには等容量の100%飽和硫安溶液を加え、4℃で塩析した後、遠心分離して沈殿を回収して、0.2M NaCl/2mM DTT/0.2mM EDTA/40mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.7)に溶解した。次いで再度遠心分離して上清を得た後、等容量の80%v/vグリセリン溶液を加え、それを変異型T7RNAポリメラーゼ(W344V)のストック溶液とした。
【0050】
ストック溶液中の変異型T7RNAポリメラーゼの蛋白量は、ウシ血清アルブミンを標準蛋白質に用いてBradfordの方法(非特許文献8)で定量した結果、6.1mgであった。
【0051】
実施例5
実施例4で得た本発明の変異型T7RNAポリメラーゼ(以下、「W344V」とする)と同様にして調製した野生型T7RNAポリメラーゼの転写活性を測定した。転写活性の測定には、T7プロモーターとT7ターミネーターの間にマルチクローニングサイトを有するプラスミドpRSF−1b(メルク(株)社製)を制限酵素NcoIとBlnIで消化後、T7プロモーターとT7ターミネーターを含んでいないDNA(サイズは1.6kbp)を挿入し、T7プロモーターとT7ターミネーターの間に当該DNAを有するサイズが5.1kbpのプラスミドを作製し、これを転写反応の鋳型DNAとして用いた。この鋳型DNAをT7RNAポリメラーゼの転写反応に用いるとT7プロモーターからT7ターミネーターまでのDNAが転写されてサイズが約1.8kbのRNAを生じる。
【0052】
反応は0℃に保冷したマイクロチューブに、0.023μg/ml 鋳型DNA、1.5mM NTP(各1.5mMのATP、GTP、UTP、CTPの混合溶液)、0.6U/μl RNasin Plus Ribonuclease Inhibitor(プロメガ社製)、75mM NaCl、12mM MgCl、7.5mM DTT、60mMトリス塩酸緩衝液(pH8.0)からなる溶液10μlを分注し、W344V又は野生型T7RNAポリメラーゼの溶液(酵素濃度は1〜4μg/ml)を5μl混合し、42℃で1時間転写反応させ、80℃で2分間加熱して反応を停止した。
【0053】
転写反応の生成物は、アガロースゲル電気泳動によりサイズが約1.8kbであることを確認した。
【0054】
生成したRNAは、Quant−iT RNA Assay Kit(商品名、インビトロジェン(株)社製)を用いて、室温で蛍光染色した後、励起波長644nm、蛍光波長674nmで蛍光測定を行い、濃度既知のRNA標準品で作製した検量線を用いて定量した。
【0055】
反応温度42℃、反応時間1時間の転写反応を行なった結果、図4したように、生成するRNAの濃度は酵素濃度に依存して増加した。グラフの傾きは酵素の比活性を反映しており、図4よりW344Vのグラフの傾き、すなわち比活性は、野生型の比活性の約3倍であることが分かる。
【0056】
実施例6
酵素濃度は1.3μg/mlとし、転写反応の反応温度を36℃から48℃に変化させてW344Vと野生型T7RNAポリメラーゼの転写活性を実施例4と同様の方法で測定した。
【0057】
図5に示したように温度36℃から48℃において、野生型とW344Vで生成したRNAの濃度を、対応する温度ごとに比較するといずれの場合でもW344Vが野生型を上回っており、W344Vの比活性が野生型より高いことがわかる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】図1は、pTrc−T7RP(実施例1)の制限酵素地図である。
【図2】図2は、pCDF2(実施例2)の制限酵素地図である。
【図3】図3は、pCDF2−T7RP(実施例2)の制限酵素地図である。
【図4】図4は、42℃における野生型とW344Vの活性の比較(実施例5)である。
【図5】図5は、野生型とW344Vの活性の比較(実施例6)である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バクテリオファージT7由来の野生型T7RNAポリメラーゼアミノ酸配列(配列番号1)の344位に相当するトリプトファン残基がバリン残基に置換された、変異型T7RNAポリメラーゼ。
【請求項2】
バクテリオファージT7由来の野生型T7RNAポリメラーゼアミノ酸配列(配列番号1)の344位に相当するトリプトファン残基がバリン残基に置換され、更に、344位以外の1以上のアミノ酸残基が置換若しくは欠失され及び/又は344位以外の部位へアミノ酸残基が挿入若しくは付加された、変異型T7RNAポリメラーゼ。
【請求項3】
請求項1又は2の変異型RNAポリメラーゼをコードする遺伝子。
【請求項4】
請求項3の遺伝子を有し、かつ、それを発現して変異型RNAポリメラーゼを生産することができる細胞。
【請求項5】
請求項4の細胞を使用する、変異型RNAポリメラーゼの製造方法。
【請求項6】
請求項1又は2の変異型RNAポリメラーゼを用いる、RNAの合成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−136153(P2009−136153A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−312462(P2007−312462)
【出願日】平成19年12月3日(2007.12.3)
【出願人】(000003300)東ソー株式会社 (1,901)
【出願人】(000173762)財団法人相模中央化学研究所 (151)
【Fターム(参考)】