説明

変色指示薬を含む多孔質バリア媒体

本発明は、変色指示薬を含む多孔質バリア組成物およびその製造・使用方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は多孔質バリア媒体、特に変色指示薬を含む多孔質バリア媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
[先行関連出願データ]
本出願はここに2007年2月12日に出願の米国仮特許出願60/900,817号に対する優先権を主張する。
【0003】
[発明の背景]
多孔質バリア媒体は、ピペットなどの液体サンプリングおよび移送装置を含む多くの領域に応用される。バリア媒体は、人的または機械的過誤により液体が過剰にくみ上げられる様な状況において、装置の汚染を防止するために液体サンプリング・移送装置にしばしば取り入れられる。
【0004】
装置の汚染に対処するため、液体に暴露した場合に、該媒体の細孔を塞ぐ働きをする吸収材料を多孔質バリア媒体に取り入れた。吸収性材料を含むバリア媒体の自己密閉性により、液体が媒体を通って移動し、下流の装置を汚染することが阻止または防止される。密閉状態では、吸収材料を含むバリア媒体はさらに気体の流れを阻止または防止し、その結果、さらなる液体移送またはサンプリングのために媒体の交換が必要となる。
【0005】
吸収材料に加えて、塩化コバルトなどの変色性金属塩でバリア媒体はコーティングされている。変色性金属塩のバリア媒体へのコーティングは、媒体がいつ流体に接触したかの判断を容易にする。
【0006】
しかし、変色性金属塩にはいくつかの問題がある。例えば、塩化コバルトは水分にとても敏感であり、使用前の変色を防止するためには非常に乾燥した条件で保管しなければならない。さらに、塩化コバルトの変色指示は遅く、バリア媒体が液体に接触する際の反応の遅れにつながる。塩化コバルトを含む多くの金属塩は有毒で、そのため生物学的用途には使用できない。さらに、多孔質バリア媒体にコーティングされた金属塩は、多孔質媒体から離脱し、液体サンプルを汚染する可能性がある。
【発明の概要】
【0007】
前述の問題を考慮すると、液体サンプルとの接触に素早く反応する変色指示薬を含む多孔質バリア組成物を提供することが望ましい。さらに、室温または保管条件下で変色しない変色指示薬を含む多孔質バリア組成物を提供することが望ましい。さらに、有毒または生物学的に有害な成分と液体サンプルとの汚染に耐える変色指示薬を含む多孔質バリア組成物を提供することが望ましい。
【0008】
本発明は、変色指示薬を含む多孔質バリア組成物およびその製造・使用方法を提供する。また、本発明は該多孔質バリア組成物を含む装置を提供する。
【0009】
本発明の一つの実施例では、焼結多孔質基質を含む自己密閉バリア組成物を提供し、該焼結多孔質基質は少なくとも一つのプラスチック、少なくとも一つの吸収材料および少なくとも一つの変色指示薬を含む。一部の実施例では、少なくとも一つの吸収材料および一つの変色指示薬が焼結多孔質基質全体に均一に分散されている。
【0010】
一部の実施例では、少なくとも一つの吸収材料はカルボキシメチルセルロース(CMC)
、セルロースガム、加水分解アクリロニトリルグラフト化共重合体、中和澱粉アクリル酸グラフト化共重合体、アクリルアミド共重合体、修飾架橋ポリビニルアルコール、中和自己架橋ポリアクリル酸、架橋ポリアクリル酸塩、または中和架橋イソブチレン無水マレイン酸共重合体、またはその塩、または混合物を含む。
【0011】
一部の実施例では、少なくとも一つの変色指示薬は、食用色素、アゾ化合物またはアゾ色素などの無機または有機色素を含むが、これに限定されない。一部の実施例では、変色指示薬は遷移金属塩などの無機塩を含まない。さらに、一部の実施例では、変色指示薬は検体と結合して変色する共役体または錯体を含まない。一部の実施例では、本発明の組成物はタンパク質または他の生体分子を含まない。
【0012】
本発明の実施例によると、変色指示薬は、水溶液および/または有機溶媒と接触した時、焼結多孔質基質の色を少なくとも部分的に変色させるために使用できる。一部の実施例では、変色指示薬は、水溶液および/または有機溶媒と接触する時、焼結多孔質基質を第一の色から第二の色に変える。別の実施例では、変色指示薬は、焼結多孔質基質を無色または白色から有色に変える。本発明の実施例によると、焼結多孔質基質の変色は、選択した変色指示薬の固有性に依存する。自己密閉性バリア組成物が液体と接触すると、色の変化によって指標を使用者に提供する。
【0013】
別の実施例では、本発明は焼結多孔質基質を含む自己密閉性バリア組成物を提供し、該焼結多孔質基質は、吸収性材料を含む少なくとも一つの自己密閉性層および少なくとも一つの変色指示薬を含む少なくとも一つの指示薬層を含む。一部の実施例では、指示薬層は自己密閉層に隣接する。別の実施例では、指示薬層は自己密閉層から間隔を有している。一つの実施例では、自己密閉層はさらに第一のプラスチックを含む。別の実施例では、指示薬層はさらに第二のプラスチックを含む。一部の実施例では、第一および第二のプラスチックは同一である。別の実施例では、第一および第二のプラスチックは異なる。一部の実施例では、指示薬層はさらに少なくとも一つの界面活性剤を含む。
【0014】
一部の実施例では、自己密閉層は変色指示薬を含む。一部の実施例では、自己密閉層の変色指示薬は指示薬層の変色指示薬と同一である。別の実施例では、自己密閉層の変色指示薬は指示薬層の変色指示薬とは異なる。
【0015】
一部の実施例では、自己密閉バリア組成物は複数の自己密閉層および複数の指示薬層を含む。
【0016】
本明細書において「自己密閉」とは、液体および/または気体の通過が阻害または防止されるように、多孔質基質または多孔質基質の層の細孔を実質的に閉鎖または密閉する吸収材料の能力をさす。組成物が自己密閉であるためには、多孔質基質または多孔質基質の層の孔すべてが実質的に閉鎖または密閉されている必要はない。
【0017】
別の実施例では、本発明は焼結多孔質基質を含む自己密閉バリア組成物を提供し、該焼結多孔質基質は自己密閉表面および自己密閉表面とは反対に向いている指示薬表面を含み、自己密閉表面は吸収材料を含み、指示薬表面は変色指示薬を含む。一つの実施例では、自己密閉表面はさらに第一のプラスチックを含む。別の実施例では、指示薬層はさらに第二のプラスチックを含む。一つの実施例では、第一および第二のプラスチックは同一のプラスチックを含む。別の実施例では、第一のプラスチックと第二のプラスチックは異なる。一部の実施例では、指示薬表面はさらに少なくとも一つの界面活性剤を含む。
【0018】
一部の実施例では、自己密閉表面はさらに変色指示薬を含む。一部の実施例では、自己密閉表面の変色指示薬は指示薬表面の変色指示薬と同一である。別の実施例では、自己密閉
表面の変色指示薬は指示薬表面の変色指示薬とは異なる。
【0019】
自己密閉バリア組成物に加えて、本発明は疎水性バリア組成物を提供する。一つの実施例では、疎水性バリア組成物は焼結多孔質基質を含み、該焼結多孔質基質は少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つの変色指示薬を含み、ここで該バリア組成物は吸収または自己密閉材料を実質的に含まない。疎水性バリア組成物の一部の実施例では、焼結多孔質基質は吸収または自己密閉材料を含まない。結果として、本発明の実施例によると、疎水性バリア組成物は自己密閉性ではない。一つの実施例では、少なくとも一つの変色指示薬は、限定はされないが、食用色素などの有機色素を含む色素を含む。本発明の実施例によると、変色指示薬は、水性および/または非水性液体に接触した時、焼結高分子材料の色を少なくとも部分的に変色させるために使用できる。色の変化は、バリア材料が液体と接触したことの指標を使用者に提供する。一部の実施例では、少なくとも一つの変色指示薬が焼結多孔質基質全体に均一に分散している。
【0020】
一部の実施例では、疎水性バリア組成物は約0.5psiより大きな水侵入圧を含む。
【0021】
別の実施例では本発明は、少なくとも第一のプラスチックを含む少なくとも一つのプラスチック層および少なくとも一つの変色指示薬を含む指示薬層を含む疎水性バリア組成物を提供する。一部の実施例では、少なくとも一つの指示薬層は少なくとも一つのプラスチック層と隣接している。別の実施例では、少なくとも一つの指示薬層は少なくとも一つのプラスチック層と相間隔を有している。一つの実施例では、少なくとも一つの指示薬層はさらに第二のプラスチックを含む。一部の実施例では、第二のプラスチックは第一のプラスチックと同一である。別の実施例では、第二のプラスチックは第一のプラスチックと異なる。一部の実施例では、指示薬層はさらに少なくとも一つの界面活性剤を含む。
【0022】
一部の実施例では、プラスチック層はさらに変色指示薬を含む。一部の実施例では、プラスチック層の変色指示薬は指示薬層の変色指示薬と同一である。別の実施例では、プラスチック層の変色指示薬は指示薬層の変色指示薬とは異なる。
【0023】
また別の実施例では、本発明は焼結多孔質基質を含む疎水性バリア組成物を提供し、該焼結多孔質基質は第一の表面および第一の表面と反対に向いている第二の表面を含み、第一の表面は少なくとも一つのプラスチックを含み、第二の表面は少なくとも一つの変色指示薬を含む。一部の実施例では、第二の表面は少なくとも一つの界面活性剤を含む。別の実施例では、第一の表面はさらに変色指示薬を含む。一部の実施例では、第一の表面の変色指示薬は第二の表面の変色指示薬と同一である。一部の実施例では、第一の表面の変色指示薬は第二の表面の変色指示薬とは異なる。
【0024】
別の実施例では、本発明は焼結多孔質基質を含む親水性組成物を提供し、該焼結多孔質基質は少なくとも一つのプラスチック、少なくとも一つの変色指示薬および少なくとも一つの界面活性剤を含む。
【0025】
本発明のバリア組成物の焼結多孔質基質の一部の実施例では、変色指示薬は焼結多孔基質内に閉じ込められている。焼結多孔質基質内に閉じ込められているため、一部の実施例では変色指示薬はコーティングではない。さらに、一部の実施例では、変色指示薬は少なくとも部分的に焼結多孔質基質の細孔の中に存在する。また別の実施例では、変色指示薬は焼結多孔質基質の中に閉じ込められており、さらに焼結多孔質基質の細孔中に存在する。
【0026】
別の実施例では、本発明はバリア組成物の製造方法を提供する。一つの実施例において、自己密閉バリア組成物の製造方法は、少なくとも一つのプラスチック粒子を準備し、少なくとも一つの吸収材料粒子を準備し、少なくとも一つの変色指示薬の粒子を準備し、少な
くとも一つの該プラスチック、少なくとも一つの該吸収材料および少なくとも一つの該変色指示薬の粒子を焼結することを含む。
【0027】
別の実施例では、自己密閉バリア組成物の製造方法は、少なくとも一つの吸収材料粒子を型の第一の部分に配し、少なくとも一つの変色指示薬の粒子を型の第一の部分に隣接する型の第二の部分に配し、少なくとも一つの吸収材料および変色指示薬の粒子を焼結することを含む。一部の実施例では、第一のプラスチック粒子は、焼結前に少なくとも一つの吸収材料粒子と混合される。一部の実施例では、第二のプラスチック粒子は、焼結前に少なくとも一つの変色指示薬の粒子と混合される。一つの実施例では、第一および第二のプラスチックは同一である。別の実施例では、第一のプラスチックと第二のプラスチックは異なる。
【0028】
一部の実施例では、少なくとも一つの界面活性剤粒子は、焼結前に少なくとも一つの変色指示薬の粒子と混合される。別の実施例では、焼結前に、第二のプラスチック粒子は少なくとも部分的に少なくとも一つの界面活性剤でコーティングされる。かかる実施例では、該界面活性剤は第二のプラスチック粒子に液体として塗布できる。一部の実施例では、第二のプラスチック粒子は、焼結前に少なくとも一つの吸収材料粒子と混合される。一部の実施例では、少なくとも一つの変色指示薬の粒子と第二の変色指示薬の粒子は同一である。別の実施例では、少なくとも一つの変色指示薬の粒子と第二の変色指示薬の粒子は異なる。
【0029】
別の実施例において、疎水性バリア組成物の製造方法は、少なくとも一つのプラスチック粒子を準備し、少なくとも一つの変色指示薬の粒子を準備し、少なくとも一つの該プラスチックおよび少なくとも一つの該変色指示薬の粒子を焼結することを含む。
【0030】
また別の実施例では、疎水性バリア組成物の製造方法は、第一のプラスチック粒子を型の第一の部分に配し、少なくとも一つの変色指示薬の粒子を型の第一の部分に隣接する型の第二の部分に配し、第一のプラスチックおよび少なくとも一つの該変色指示薬の粒子を焼結することを含む。一部の実施例では、第二のプラスチック粒子は、焼結前に少なくとも一つの該変色指示薬の粒子と混合される。一部の実施例では、第一および第二のプラスチックは同一のプラスチックを含む。別の実施例では、第一のプラスチックと第二のプラスチックは異なる。
【0031】
一部の実施例では、少なくとも一つの界面活性剤は、少なくとも一つの該変色指示薬と焼結前に混合される。別の実施例では、焼結前に、第二のプラスチック粒子は、少なくとも部分的に少なくとも一つの界面活性剤でコーティングされる。かかる実施例では、該界面活性剤は第二のプラスチック粒子に液体として塗布できる。
【0032】
別の実施例では、本発明は親水性組成物の製造方法を提供する。一つの実施例において、親水性組成物の製造方法は、少なくとも一つのプラスチック粒子を準備し、少なくとも一つの変色指示薬の粒子を準備し、少なくとも一つの界面活性剤粒子を準備し、少なくとも一つの該プラスチック、少なくとも一つの該変色指示薬および少なくとも一つの該界面活性剤粒子を焼結することを含む。別の実施例において、親水性組成物の製造方法は、少なくとも一つのプラスチック粒子を準備し、少なくとも一つの該プラスチック粒子を少なくとも部分的に少なくとも一つの界面活性剤でコーティングし、少なくとも一つの変色指示薬の粒子を準備し、少なくとも一つの該プラスチックおよび少なくとも一つの該変色指示薬の粒子を焼結することを含む。一部の実施例では、焼結前に、変色指示薬の粒子は少なくとも部分的に少なくとも一つの界面活性剤でコーティングされる。
【0033】
別の実施例では、本発明は本発明のバリア組成物を含む装置を提供する。一つの実施例に
おいて、装置はピペットチップを含み、該ピペットチップは第一および第二の開放末端を持つ中空の管、第一および第二の末端の間に配された中央部材を含み、該中央部材は本明細書で提供される任意の実施例によるバリア組成物を含む。ピペットチップは任意の所望試料採取容量を持ちうる。一部の実施例では、ピペットチップの試料採取容量は約10μlまたは約20μlである。別の実施例では、ピペットチップの試料採取容量は約50μlまたは約100μlである。別の実施例では、ピペットチップの試料採取容量は約200μl、約250μl、約500μlまたは約1mlである。また別の実施例では、ピペットチップの試料採取容量は約10μl未満または約1mlより大きいかまたは約5mlである。一部の実施例では、ピペットチップの試料採取容量は約1μlまたは約5μlである。
【0034】
別の実施例では、本発明のバリア組成物は、吸引装置などのさまざまな装置における流量制御装置として応用される。一つの実施例において、吸引装置は容器、蓋および容器に配された本発明のバリア組成物を含む。蓋はさらに注入口と排出口を含み、排出口は吸引または真空ラインと接続するために使用できる。一部の実施例では、例えば自己密閉バリア組成物は、十分な液体が容器に回収された時、液体のバリア組成物への接触により該バリア組成物が自己密閉されるように排出口を被覆する。バリア組成物の密閉によって、さらなる吸引を防止する。
【0035】
別の実施例では、本発明のバリア組成物は、米国特許出願番号11/065,579に記載される留置針などの針装置、米国特許出願番号11/141,588に記載されるフラッシュバックニードル、米国特許出願番号11/141,446に記載される採血セットおよび点滴(IV)セットに関するルアーキャップなどに応用される。これらの応用において、本発明のバリア組成物は通気孔として組み込まれ、血液などの液体の通過を阻止する一方で、空気および他の気体を通過させる。
【0036】
また別の実施例では、本発明のバリア組成物は、十分な液体試料が採取されたことを示すための分析装置に応用される。一部の実施例では、分析装置は、試料注入口を含む試料採取チャンバーおよび試料採取チャンバー内に配されたバリア組成物を含む。一部の実施例では、バリア組成物は、望ましい採取試料量によって、該採取チャンバーのさまざまなレベルに配置することができる。十分な試料が採取された時、液体はバリア組成物と接触して媒体を変色させる。バリア組成物の変色により、分析装置の使用者に十分な試料が採取されたことを示すことができる。一部の実施例では、液体試料チャンバーはさらに排出口を含む。
【0037】
これらおよび本発明の他の実施例は、以下にさらに詳細に説明される。これらおよび本発明の他の機能および利点は、以下の開示実施例の詳細説明の検討後に明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】図1は、本発明の一つの実施例による自己密閉バリア組成物を図解する。
【図2】図2は、本発明の一つの実施例による自己密閉バリア組成物を図解する。
【図3】図3は、本発明の一つの実施例による疎水性バリア組成物を図解する。
【図4】図4は、本発明の一つの実施例によるバリア組成物を含むピペットチップを図解する。
【発明を実施するための形態】
【0039】
[詳細な説明]
本発明は、変色指示薬を含む多孔質バリア組成物およびその製造・使用方法を提供する。また、本発明はかかる多孔質バリア組成物を含む装置を提供する。
【0040】
変色指示薬を含む自己密閉バリア組成物
一つの実施例では、本発明は焼結多孔質基質自己密閉バリア組成物を提供し、該焼結多孔質基質は少なくとも一つのプラスチック、少なくとも一つの吸収材料および少なくとも一つの変色指示薬を含む。
【0041】
本発明の自己密閉バリア組成物に含まれうる成分を見ると、本発明の自己密閉バリア組成物は少なくとも一つのプラスチックを含む。一部の実施例では、本発明の自己密閉バリア組成物の焼結多孔質基質は複数のプラスチックを含む。本明細書に記載されるプラスチックは、軟質プラスチックおよび硬質プラスチックを含む。一部の実施例では、軟質プラスチックは、ポリマーを含み、その弾性係数約15,000N/cm2から約350,000N/cm2および/または引っ張り強さ約1500N/cm2から約7000N/cm2の範囲である。一部の実施例によると、硬質プラスチックは、ポリマーを含み、その弾性係数約70,000N/cm2から約350,000N/cm2および引っ張り強さ約3000N/cm2から約8500N/cm2の範囲である。
【0042】
一部の実施例では、自己密閉バリア組成物の焼結基質への使用に適するプラスチックは、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアクリルニトリル、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリメチルメタクリレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテルスルホン、ポリスチレン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホン、またはそれらの組み合わせまたは共重合体を含む。
【0043】
一部の実施例では、ポリオレフィンは、ポリエチレン、ポリプロピレンまたはその共重合体を含む。一つの実施例では、ポリエチレンは高密度ポリエチレン(HDPE)を含む。本明細書に記載されるHDPEは、約0.92g/cm3から約0.97g/cm3の範囲の密度を持つポリエチレンを指す。一部の実施例では、HDPEは、約50から約90の範囲の結晶化度(密度からの%)を持つ。別の実施例では、ポリエチレンは超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)を含む。本明細書に記載されるUHMWPEは、1,000,000より大きな分子量を持つポリエチレンを指す。
【0044】
自己密閉バリア組成物は、少なくとも一つのプラスチックに加えて、少なくとも一つの吸収材料を含む。一部の実施例では、吸収材料はカルボキシメチルセルロース(CMC)、セルロースガム、加水分解アクリロニトリルグラフト化共重合体、中和澱粉アクリル酸グラフト化共重合体、アクリルアミド共重合体、修飾架橋ポリビニルアルコール、中和自己架橋ポリアクリル酸、架橋ポリアクリル酸塩または中和架橋イソブチレン−無水マレイン酸共重合体またはその塩または混合物を含む。別の実施例では、吸収材料はアクリル酸ナトリウムおよびポリ(2−プロペンアミド−co−2−プロペン酸)塩を含む。
【0045】
一部の実施例では、吸収材料は米国特許番号5,998,032、5,939,086、5,836,929、5,824,328、5,797,347、5,750,585、5,175,046、4,820,577、4,724,114、および4,443,515に記載されたものを含む。市販されている吸収材料の例には、AP80HS(アラバマタスカルーサのStockhousen製)、HYSORB(登録商標)P7200(ニュージャージー州フローハムパークのBASF製)およびCMC(ミズーリ州セントルイスのSigma−Aldrichの製品記号表示ではC5013およびC5678)を含む。
【0046】
一部の実施例では、吸収材料は構造的完全性を保ちながら、その重量の約1、50、100、200、500または1000パーセントを超える水を吸収できる。
【0047】
本発明の自己密閉バリア組成物はさらに、少なくとも一つの変色指示薬を含む。本発明の実施例によると、変色指示薬は、水溶液および/または有機溶媒に接触した時、焼結多孔質基質の色を少なくとも部分的に変色させることができる。一部の実施例では、変色指示薬は、水溶液および/または有機溶媒と接触する時、焼結多孔質基質を第一の色から第二の色に変える。別の実施例では、変色指示薬は、焼結多孔質基質を無色または白色から有色に変える。また別の実施例では、変色指示薬は焼結多孔質基質を第一の色調から同色の異なる色調に変える。本発明の実施例によると、焼結多孔質基質の変色は、選択した変色指示薬の固有性に依存する。
【0048】
一部の実施例では、変色指示薬は、食品用色素、アゾ化合物またはアゾ色素を含む無機または有機色素を含む。一部の実施例では、変色指示薬は遷移金属塩などの無機塩を含まない。さらに、一部の実施例では、変色指示薬は検体と結合して変色する共役体または錯体を含まない。一部の実施例では、本発明の自己密閉バリア組成物はタンパク質または他の生体分子を含まない。
【0049】
食品用色素を含む変色指示薬は、本発明の実施例によると、食品色素の無毒性のために生体試料と共に使用してよい。
【0050】
一部の実施例では、変色指示薬は連邦食品医薬品化粧品青色1号、連邦食品医薬品化粧品青色2号、連邦食品医薬品化粧品緑色3号、連邦食品医薬品化粧品赤色40号、連邦食品医薬品化粧品赤色3号、連邦食品医薬品化粧品黄色5号、連邦食品医薬品化粧品黄色6号、溶媒赤色24号、溶媒赤色26号、溶媒赤色164号、溶媒黄色124号、溶媒青色35号またはその組み合わせを含む。
【0051】
一部の実施例によると、変色指示薬は生成される色に対するpH依存を示す。結果として一部の実施例では、変色指示薬は、バリア組成物との液体接触だけでなく、接触液体の相対的pHも示す。一部の実施例では、pH依存性を示す変色指示薬は、メチルバイオレット、エオシンイエロー、マラカイトグリーン、チモールブルー、メチルイエロー、ブロモフェノールブルー、コンゴレッド、メチルオレンジ、ブロモクレゾールグリーン、メチルレッド、リトマス、ブロモクレゾールパープル、ブロモフェノールレッド、ブロモチモールブルー、フェノールレッド、ニュートラルレッド、ナフトールフタレイン、クレゾールレッド、フェノールフタレイン、チモールフタレイン、アルカリブルー、アリザリンイエローR、インディゴカルミン、イプシロンブルーまたはその組み合わせを含む。
【0052】
自己密閉バリア組成物の焼結多孔質基質は、一部の実施例によると、基質の約40重量パーセントから約95重量パーセントの範囲の量の少なくとも一つのプラスチックを含む。別の実施例では、焼結多孔質基質は、約50重量パーセントから約90重量パーセントの範囲の量の少なくとも一つのプラスチックを含む。また別の実施例では、焼結多孔質基質は、基質の約60重量パーセントから約80重量パーセントの範囲の量の少なくとも一つのプラスチックを含む。
【0053】
一部の実施例では、自己密閉バリア組成物の焼結多孔質基質は、基質の約1重量パーセントから約40重量パーセントの範囲の量の少なくとも一つの吸収材料を含む。別の実施例では、焼結多孔質基質は、基質の約5重量パーセントから約30重量パーセントの範囲の量の吸収材料を含む。また別の実施例では、焼結多孔質基質は、基質の約10重量パーセントから約20重量パーセントの範囲の量の吸収材料を含む。
【0054】
一部の実施例では、少なくとも一つの該プラスチックおよび少なくとも一つの該吸収材料に加えて、自己密閉バリア組成物の焼結多孔質基質は、基質の約0.001重量パーセントから約2重量パーセントの範囲の量の少なくとも一つの変色指示薬を含む。別の実施例では、焼結多孔質基質は、基質の約0.01重量パーセントから約1重量パーセントの範囲の量の少なくとも一つの変色指示薬を含む。また別の実施例では、焼結多孔質基質は、基質の約0.05重量パーセントから約0.5重量パーセントの範囲の量の少なくとも一つの変色指示薬を含む。
【0055】
少なくとも一つのプラスチック、少なくとも一つの吸収材料および少なくとも一つの変色指示薬を含む自己密閉バリア組成物の焼結多孔質基質の気孔率は、約10%から約90%の範囲である。別の実施例では、焼結多孔質基質の気孔率は、約20%から約80%または約30%から約70%の範囲である。また別の実施例では、焼結多孔質基質は約40%から約60%の範囲の気孔率を持つ。
【0056】
少なくとも一つのプラスチック、少なくとも一つの吸収材料および少なくとも一つの変色指示薬を含む自己密閉バリア組成物の焼結多孔質基質の平均細孔径は、約1μmから約200μmの範囲である。別の実施例では、焼結多孔質基質の平均細孔径は、約2μmから約150μm、約5μmから約100μmまたは約10μmから約50μmの範囲である。別の実施例では、焼結多孔質基質の平均細孔径は約1um未満の平均細孔径を持つ。一つの実施例では、焼結多孔質基質の平均細孔径は、約0.1μmから約1μmの範囲である。また別の実施例では、焼結多孔質基質の平均細孔径は約200μmより大きな平均細孔径を持つ。一つの実施例では、焼結多孔質基質の平均細孔径は、約200μmから約500μmまたは約500μmから約1mmの範囲である。
【0057】
別の実施例では、本発明は焼結多孔質基質を含む自己密閉バリア組成物を提供し、該焼結多孔質基質は吸収材料を含む少なくとも一つの自己密閉層、および少なくとも一つの変色指示薬を含む少なくとも一つの指示薬層を含む。本発明の自己密閉層への使用に適した吸収材料には、本明細書に記載される任意の吸収材料を含む。さらに、指示薬層への使用に適した変色指示薬には、本明細書に記載される任意の変色指示薬を含む。
【0058】
一部の実施例では、自己密閉層はさらに第一のプラスチックを含む。一部の実施例では、指示薬層はさらに第二のプラスチックを含む。一つの実施例では、第一および第二のプラスチックは同一のプラスチックを含む。別の実施例では、第一のプラスチックと第二のプラスチックは異なる。少なくとも一つの自己密閉層および少なくとも一つの指示薬層を含むバリア組成物の実施例での使用に適したプラスチックには、本明細書に記載される任意のプラスチックを含む。
【0059】
一部の実施例では、指示薬層は自己密閉層に隣接する。別の実施例では、指示薬層は自己密閉層から間隔を有している。一部の実施例では、自己密閉層から離れた指示薬層は、水溶液および/または有機溶媒と接触した時、自己密閉層が完全に密閉されたかどうかを判断するために使用できる。自己密閉層が十分に密閉されていない場合、隣接するまたは離れている指示薬層は、自己密閉層から漏れ出た液体の存在を検出する可能性があり、ピペットの吸引装置などの下流の装置を汚染する可能性がある。指示薬層が自己密閉層から離れている一部の実施例では、該自己密閉層はさらに、液体が自己密閉層に接触したことを検出する働きをする変色指示薬からなりうる。
【0060】
一部の実施例では、自己密閉層は変色指示薬も含む。一部の実施例では、自己密閉層の変色指示薬は指示薬層の変色指示薬と同一である。別の実施例では、自己密閉層の変色指示薬は指示薬層の変色指示薬とは異なる。変色指示薬を含む自己密閉層は、該自己密閉層が水溶液および/または有機溶媒と接触したかどうかを検出することができる。
【0061】
別の実施例では、指示薬層はさらに少なくとも一つの界面活性剤を含む。一部の実施例では、界面活性剤はアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤またはその混合物を含む。一部の実施例では、アニオン性界面活性剤はアルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、エーテル硫酸塩、α−オレフィン硫酸塩、エステル硫酸塩、リン酸エステル、アシルタウリン酸塩、石鹸、エーテルカルボン酸塩またはその混合物を含む。一部の実施例では、カチオン性界面活性剤はアルキル第4級アンモニウム塩、ベンジルアルキルジメチルアンモニウム塩、アミドアミン第4級塩、第4級イミダゾリウム化合物、エステル第4級化合物またはその混合物を含む。一部の実施例では、非イオン性界面活性剤は、エトキシ化アルコール、エトキシ化アルキルフェノール、ポリエチレングリコールエステル、脂肪酸アルカノールアミド、エトキシ化アルカノールアミド、エトキシ化アミン、ポリヒドロキシ化合物のエステル、エトキシ化エステル、エチレンオキシド/プロピレンオキシド共重合体、アミンオキシドまたはその混合物を含む。一部の実施例では、両性界面活性剤は、アルキルアミノ酸、アルキルベタイン、アルキルアミノベタイン、イミダゾリン誘導界面活性剤、硫黄含有両性物、レシチンまたはその混合物を含む。一部の実施例では、本発明の実施例での使用に適切な界面活性剤には、パリフランスのRhodiaが市販するGeropon(登録商標)、Rhodacal(登録商標)およびRhodafac(登録商標)、ニュージャージー州フローラムパークのBASFが市販するPluronic(登録商標)およびデラウエア州ウイルミントンのDuPontが市販するZonyl(登録商標)を含む。
【0062】
一部の実施例では、少なくとも一つの界面活性剤を含む指示薬層は有利なウィッキング特性を示し、指示薬層に接触する水溶液および/または有機溶媒への素早い反応を可能にする。
【0063】
一部の実施例では、自己密閉層は、自己密閉バリア組成物の焼結多孔質基質に対して本明細書に記載される任意の構造を示すことができる。一部の実施例によると、例えば自己密閉層は、本明細書に記載される任意の焼結多孔質基質と一致する細孔径および/または気孔率を示すことができる。
【0064】
一部の実施例では、指示薬層は、自己密閉バリア組成物の焼結多孔質基質に対して本明細書に記載される任意の構造を示すことができる。一部の実施例によると、例えば指示薬層は、本明細書に記載される任意の焼結多孔質基質と一致する細孔径および/または気孔率を示すことができる。
【0065】
一部の実施例では、自己密閉層は指示薬層から独立して構築される。該実施例では、自己密閉層および指示薬層は、類似の細孔径および/または気孔率または異なる細孔径および/または気孔率を示すことができる。
【0066】
一部の実施例では、少なくとも一つの自己密閉層は複数の自己密閉層を含む。一部の実施例では、少なくとも一つの指示薬層は複数の指示薬層を含む。
【0067】
図1は、少なくとも一つの自己密閉層および少なくとも一つの指示薬層を含む焼結多孔質基質を含む自己密閉バリア組成物を図解する。図1に示す自己密閉バリア組成物(100)は、自己密閉層(104)に隣接する指示薬層(102)を含む。自己密閉層から漏れ出た液体は指示薬層に接触でき、その結果、バリア組成物の自己密閉層の密閉が不十分であることまたは別の問題があって液体を通過させていることを使用者に警告する。
【0068】
別の実施例では、本発明は焼結多孔質基質を含む自己密閉バリア組成物を提供し、該焼結多孔質基質は自己密閉表面および自己密閉表面とは反対に向いている指示薬表面を含む。
バリア組成物の自己密閉表面は少なくとも一つの吸収材料を含み、該自己密閉表面は少なくとも一つの変色指示薬を含む。自己密閉表面および自己密閉表面と反対に向いている指示薬表面を含むバリア組成物への使用に適した吸収材料および変色指示薬には、本明細書に記載される任意の同等物を含む。
【0069】
一部の実施例では、自己密閉表面とは反対に配された指示薬表面は、水溶液および/または有機溶媒と接触した時、自己密閉表面が完全に密閉されたかどうかを判断するために使用できる。自己密閉表面が十分に密閉されない場合、反対側の指示薬表面は、自己密閉表面から漏れ出て下流の装置を汚染する可能性のある液体の存在を検出することができる。
【0070】
一部の実施例では、自己密閉表面は変色指示薬も含む。一部の実施例では、自己密閉表面の変色指示薬は指示薬表面の変色指示薬と同一である。別の実施例では、自己密閉表面の変色指示薬は指示薬表面の変色指示薬とは異なる。変色指示薬を含む自己密閉表面は、該自己密閉表面が水溶液および/または有機溶媒と接触したかどうかを検出することができる。
【0071】
別の実施例では、指示薬表面はさらに少なくとも一つの界面活性剤を含む。本発明の実施例によると、指示薬表面に適した界面活性剤には本明細書に記載される任意の界面活性剤を含む。一部の実施例では、少なくとも一つの界面活性剤を含む指示薬表面は有利なウィッキング特性を示し、指示薬表面に接触する水溶液および/または有機溶媒への素早い反応を可能にする。
【0072】
図2は、焼結多孔質基質を含む自己密閉バリア組成物を示し、該焼結多孔質基質は少なくとも一つのプラスチック、自己密閉表面および自己密閉表面とは反対に向いている指示薬表面を含む。図2のバリア組成物(200)は、自己密閉表面(202)および自己密閉表面(202)とは反対に向いている指示薬表面(204)を含む。焼結多孔質プラスチック(206)は、自己密閉表面(202)と指示薬表面(204)の間に配される。
【0073】
一部の実施例では、本発明の自己密閉組成物は、素早い反応時間、実質的に液体試料の汚染がないこと、生体適合性、および高い背圧に耐える能力を含む多くの望ましい特性を示す。一部の実施例では、自己密閉バリア組成物は、約1、2または5ポンド/平方インチ(psi)より大きな背圧に耐えることができる。一部の実施例では、自己密閉バリア組成物は最大約20psiの背圧に耐えることができる。さらに、一部の実施例では、本発明の自己密閉バリア組成物を通る空気流量は約16、18または20ml/分より大きい。一部の実施例では、本発明の自己密閉バリア組成物は周囲条件にさらされた時にも安定である。一部の実施例では、自己密閉バリア組成物は実質的に大気水分に反応しない。一部の実施例では、本発明の自己密閉バリア組成物は大気水分に反応して変色しない。結果として、本発明の自己密閉バリア組成物は長期の保管期間を持つことができ、特別な包装または保管条件を必要としない。
【0074】
さらに、一部の実施例では、吸収材料を含む焼結多孔質基質の提供において、本発明の自己密閉バリア組成物は基質の細孔に配された吸収粒子を実質的に持たない。該吸収材料は焼結基質の一部を形成する。一部の実施例では、自己密閉バリア組成物は基質の細孔に配された粒子を含まない。
【0075】
変色指示薬を含む疎水性バリア組成物
自己密閉バリア組成物に加えて、本発明は疎水性バリア組成物を提供する。一つの実施例では、疎水性バリア組成物は焼結多孔質基質を含み、該焼結多孔質基質は少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つの変色指示薬を含み、ここで該バリア材料は吸収または自己密閉材料を実質的に含まない。一部の実施例では、バリア組成物の焼結多孔質基
質は吸収または自己密閉材料を含まない。結果として、本発明の疎水性バリア組成物は自己密閉性ではない。
【0076】
本発明の疎水性バリア組成物に含まれる可能性のある成分を見ると、本発明の自己密閉バリア組成物は少なくとも一つのプラスチックを含む。一部の実施例では、本発明の疎水性バリア組成物の焼結多孔質基質は複数のプラスチックを含む。
【0077】
一部の実施例では、疎水性バリア組成物の焼結多孔質基質への使用に適するプラスチックは、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、硬質ポリウレタン、ポリアクリルニトリル、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリメチルメタクリレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテルスルホン、ポリスチレン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホンまたはその組み合わせまたは共重合体を含む。
【0078】
一部の実施例では、ポリオレフィンは、ポリエチレン、ポリプロピレンおよび/またはその共重合体を含む。一つの実施例では、ポリエチレンはHDPEを含む。本明細書に記載されるHDPEは、約0.92g/cm3から約0.97g/cm3の範囲の密度を持つポリエチレンを指す。一部の実施例では、HDPEは、約50から約90の範囲の結晶化度(密度からの%)を持つ。別の実施例では、ポリエチレンはUHMWPEを含む。本明細書に記載されるUHMWPEは、1,000,000より大きな分子量を持つポリエチレンを指す。
【0079】
少なくとも一つのプラスチックに加えて、本発明の疎水性バリア組成物は、少なくとも一つの変色指示薬を含む。本発明の実施例によると、変色指示薬は、水溶液および/または有機溶媒に接触した時、焼結多孔質基質の色を少なくとも部分的に変色させるために使用できる。一部の実施例では、変色指示薬は、水溶液および/または有機溶媒と接触する時、焼結多孔質基質を第一の色から第二の色に変える。
別の実施例では、変色指示薬は、焼結多孔質基質を無色または白色から有色に変える。また別の実施例では、変色指示薬は焼結多孔質基質を第一の色調から同色の異なる色調に変える。本発明の実施例によると、焼結多孔質基質の変色は、選択した変色指示薬の固有性に依存する。
【0080】
一部の実施例では、変色指示薬は、食用色素、アゾ化合物またはアゾ色素を含む無機または有機色素を含む。一部の実施例では、変色指示薬は遷移金属塩などの無機塩を含まない。さらに、一部の実施例では、変色指示薬は検体と結合して変色する共役体または錯体を含まない。一部の実施例では、本発明の疎水性バリア組成物はタンパク質または他の生体分子を含まない。
【0081】
食品用色素を含む変色指示薬は、本発明の実施例によると、食品色素の無毒性のために生体試料と共に使用してよい。
【0082】
一部の実施例では、変色指示薬は連邦食品医薬品化粧品青色1号、連邦食品医薬品化粧品青色2号、連邦食品医薬品化粧品緑色3号、連邦食品医薬品化粧品赤色40号、連邦食品医薬品化粧品赤色3号、連邦食品医薬品化粧品黄色5号、連邦食品医薬品化粧品黄色6号、溶媒赤色24号、溶媒赤色26号、溶媒赤色164号、溶媒黄色124号、溶媒青色35号またはその組み合わせを含む。
【0083】
一部の実施例によると、変色指示薬は生成される色に対するpH依存を示す。結果として一部の実施例では、変色指示薬は、バリア組成物との液体接触だけでなく、接触液体の相対的pHも示す。一部の実施例では、pH依存性を示す変色指示薬は、メチルバイオレッ
ト、エオシンイエロー、マラカイトグリーン、チモールブルー、メチルイエロー、ブロモフェノールブルー、コンゴレッド、メチルオレンジ、キシレンシアノール溶液中メチルオレンジ、ブロモクレゾールグリーン、メチルレッド、リトマス、ブロモクレゾールパープル、ブロモフェノールレッド、ブロモチモールブルー、フェノールレッド、ニュートラルレッド、ナフトールフタレイン、クレゾールレッド、フェノールフタレイン、チモールフタレイン、アルカリブルー、アリザリンイエローR、インディゴカルミン、イプシロンブルー、またはそれらの組み合わせを含む。
【0084】
疎水性バリア組成物の焼結多孔質基質は、一部の実施例によると、基質の約95重量パーセントから約99.99重量パーセントの範囲の量の少なくとも一つのプラスチックを含む。別の実施例では、焼結多孔質基質は、約98重量パーセントから約99.9重量パーセントの範囲の量の少なくとも一つのプラスチックを含む。
【0085】
少なくとも一つのプラスチックに加えて、疎水性バリア組成物の焼結多孔質基質は、基質の約0.001重量パーセントから約2重量パーセントの範囲の量の少なくとも一つの変色指示薬を含む。別の実施例では、焼結多孔質基質は、基質の約0.01重量パーセントから約1重量パーセントの範囲の量の少なくとも一つの変色指示薬を含む。また別の実施例では、焼結多孔質基質は、基質の約0.05重量パーセントから約0.5重量パーセントの範囲の量の少なくとも一つの変色指示薬を含む。
【0086】
一部の実施例では、少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つの変色指示薬を含む疎水性バリア組成物の焼結多孔質基質は、約10%から約90%の範囲の気孔率を持つ。別の実施例では、焼結多孔質基質の気孔率は、約20%から約80%または約30%から約70%の範囲である。また別の実施例では、焼結多孔質基質は約40%から約60%の範囲の気孔率を持つ。
【0087】
少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つの変色指示薬を含む疎水性バリア組成物の焼結多孔質基質の平均細孔径は、約35μmから約200μmの範囲である。別の実施例では、焼結多孔質基質の平均細孔径は、約40μmから約150μm、約60μmから約100μmまたは約70μmから約90μmの範囲である。別の実施例では、多孔質焼結基質の平均細孔径は、約1μm未満である。一つの実施例では、多孔質焼結基質の平均細孔径は、約0.1μmから約1μmの範囲である。
【0088】
一部の実施例では、疎水性バリア組成物は約0.5psiより大きな水侵入圧を持つ。
【0089】
別の実施例では本発明は、少なくとも第一のプラスチックを含む少なくとも一つのプラスチック層および少なくとも一つの変色指示薬を含む指示薬層を含む疎水性バリア組成物を提供する。一つの実施例では、指示薬層はさらに第二のプラスチックを含む。一部の実施例では、第一および第二のプラスチックは同一のプラスチックを含む。別の実施例では、第一および第二のプラスチックは異なるプラスチックを含む。本発明の実施例によると、プラスチック層および指示薬層への使用に適したプラスチックには本明細書に記載される任意のプラスチックを含む。さらに、指示薬層への使用に適した変色指示薬には、本明細書に記載される任意の変色指示薬を含む。
【0090】
一部の実施例では、プラスチック層はさらに変色指示薬を含む。一部の実施例では、プラスチック層の変色指示薬は指示薬層の変色指示薬と同一である。別の実施例では、プラスチック層の変色指示薬は指示薬層の変色指示薬とは異なる。
【0091】
一部の実施例では、少なくとも一つの指示薬層は少なくとも一つのプラスチック層と隣接している。別の実施例では、少なくとも一つの指示薬層は少なくとも一つのプラスチック
層と相間隔を有している。一部の実施例では、プラスチック層に隣接するまたは離れている指示薬層は、下流の器具および装置を汚染する可能性のある疎水性バリア組成物への液体の侵入を検出するために使用できる。
【0092】
別の実施例では、指示薬層はさらに少なくとも一つの界面活性剤を含む。一部の実施例では、界面活性剤はアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤またはその混合物を含む。一部の実施例では、アニオン性界面活性剤にはアルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、エーテル硫酸塩、α−オレフィン硫酸塩、エステル硫酸塩、リン酸エステル、アシルタウリン酸塩、石鹸、エーテルカルボン酸塩またはその混合物を含む。一部の実施例では、カチオン性界面活性剤にはアルキル第4級アンモニウム塩、ベンジルアルキルジメチルアンモニウム塩、アミドアミン第4級塩、第4級イミダゾリウム化合物、エステル第4級化合物またはその混合物を含む。一部の実施例では、非イオン性界面活性剤には、エトキシ化アルコール、エトキシ化アルキルフェノール、ポリエチレングリコールエステル、脂肪酸アルカノールアミド、エトキシ化アルカノールアミド、エトキシ化アミン、ポリヒドロキシ化合物のエステル、エトキシ化エステル、エチレンオキシド/プロピレンオキシド共重合体、アミンオキシドまたはその混合物を含む。一部の実施例では、両性界面活性剤には、アルキルアミノ酸、アルキルベタイン、アルキルアミノベタイン、イミダゾリン誘導界面活性剤、硫黄含有両性物、レシチンまたはその混合物を含む。一部の実施例では、本発明の実施例での使用に適切な界面活性剤には、パリフランスのRhodiaが市販するGeropon(登録商標)、Rhodacal(登録商標)およびRhodafac(登録商標)、ニュージャージー州フローラムパークのBASFが市販するPluronic(登録商標)、およびデラウエア州ウイルミントンのDuPontが市販するZonyl(登録商標)を含む。
【0093】
一部の実施例では、少なくとも一つの界面活性剤を含む疎水性バリア組成物の指示薬層は有利なウィッキング特性を示し、指示薬層に接触する水溶液および/または有機溶媒への素早い反応を可能にする。
【0094】
一部の実施例では、プラスチック層は、疎水性バリア組成物の焼結多孔質基質に対して本明細書に記載される任意の構造を示すことができる。一部の実施例によると、例えばプラスチック層は、本明細書に記載される任意の焼結多孔質基質と一致する細孔径および/または気孔率を示すことができる。
【0095】
一部の実施例では、指示薬層は、疎水性バリア組成物の焼結多孔質基質に対して本明細書に記載される任意の構造を示すことができる。一部の実施例によると、例えば指示薬層は、本明細書に記載される任意の焼結多孔質基質と一致する細孔径および/または気孔率を示すことができる。
【0096】
一部の実施例では、プラスチック層は指示薬層から独立して構築される。該実施例では、プラスチック層および指示薬層は、類似の細孔径および/または気孔率または異なる細孔径および/または気孔率を示すことができる。
【0097】
図3は、少なくとも一つのプラスチック層および少なくとも一つの指示薬層を含む焼結多孔質基質を含む疎水性バリア組成物を図示する。図3のバリア組成物(300)は、プラスチック層(304)に隣接する指示薬層(302)を含む。プラスチック層へ侵入した液体は指示薬層と接触することが可能で、その結果、疎水性バリア組成物に障害が起きたことを使用者に警告する。
【0098】
また別の実施例では、本発明は焼結多孔質基質を含む疎水性バリア組成物を提供し、該焼結多孔質基質は第一の表面および第一の表面と反対に向いている第二の表面を含み、第一
の表面は少なくとも一つのプラスチックを含み、第二の表面は少なくとも一つの変色指示薬を含む。プラスチック表面と反対に向いている指示薬表面を含む疎水性バリア組成物への使用に適したプラスチックおよび変色指示薬には、本明細書に記載される任意の同等物を含む。
【0099】
一部の実施例では、疎水性バリア組成物の第二の表面はさらに少なくとも一つの界面活性剤を含む。
【0100】
別の実施例では、第一の表面はさらに変色指示薬を含む。一部の実施例では、第一の表面の変色指示薬は第二の表面の変色指示薬と同一である。一部の実施例では、第一の表面の変色指示薬は第二の表面の変色指示薬とは異なる。
【0101】
一部の実施例では、本発明の疎水性バリア組成物は、素早い反応時間、実質的に液体試料の汚染がないこと、生体適合性、および高い背圧に耐える能力を含む多くの望ましい特性を示す。一部の実施例では、疎水性バリア組成物は、約1、2または5ポンド/平方インチ(psi)より大きな背圧に耐えることができる。さらに、一部の実施例では、本発明の疎水性バリア組成物を通る空気流量は約16、18または20ml/分より大きい。一部の実施例では、本発明の疎水性バリア組成物は周囲条件にさらされた時にも安定である。一部の実施例では、疎水性バリア組成物は実質的に大気水分に反応しない。一部の実施例では、本発明の疎水性バリア組成物は大気水分に反応して変色しない。結果として、本発明の疎水性バリア組成物は長期の保管期間を持つことができ、特別な包装または保管条件を必要としない。
【0102】
変色指示薬を含む親水性組成物
別の実施例では、本発明は焼結多孔質基質を含む親水性組成物を提供し、該焼結多孔質基質は少なくとも一つのプラスチック、少なくとも一つの変色指示薬および少なくとも一つの界面活性剤を含む。
【0103】
本発明の親水性バリア組成物に含まれうる成分を見ると、本発明の親水性組成物は少なくとも一つのプラスチックを含む。一部の実施例では、親水性組成物は複数のプラスチックを含む。
【0104】
一部の実施例では、親水性組成物の焼結多孔質基質への使用に適するプラスチックは、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、硬質ポリウレタン、ポリアクリルニトリル、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリメチルメタクリレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテルスルホン、ポリスチレン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホンおよびその組み合わせと共重合体を含む。
【0105】
一部の実施例では、ポリオレフィンは、ポリエチレン、ポリプロピレンおよび/またはその共重合体を含む。一つの実施例では、ポリエチレンはHDPEを含む。本明細書に記載されるHDPEは、約0.92g/cm3から約0.97g/cm3の範囲の密度を持つポリエチレンを指す。一部の実施例では、HDPEは、約50から約90の範囲の結晶化度(密度からの%)を持つ。別の実施例では、ポリエチレンはUHMWPEを含む。本書に記載されるUHMWPEは、1,000,000より大きな分子量を持つポリエチレンを指す。
【0106】
少なくとも一つのプラスチックに加えて、本発明の親水性バリア組成物は、少なくとも一つの変色指示薬を含む。本発明の実施例によると、変色指示薬は、水溶液および/または有機溶媒に接触した時、焼結多孔質基質の色を少なくとも部分的に変色させるために使用
できる。一部の実施例では、変色指示薬は、水溶液および/または有機溶媒と接触する時、焼結多孔質基質を第一の色から第二の色に変える。別の実施例では、変色指示薬は、焼結多孔質基質を無色または白色から有色に変える。また別の実施例では、変色指示薬は焼結多孔質基質を第一の色調から同色の異なる色調に変える。本発明の実施例によると、焼結多孔質基質の変色は、選択した変色指示薬の固有性に依存する。
【0107】
一部の実施例では、変色指示薬は、食品用色素、アゾ化合物またはアゾ色素を含む無機または有機色素を含む。一部の実施例では、変色指示薬は遷移金属塩などの無機塩を含まない。さらに、一部の実施例では、変色指示薬は検体と結合して変色する共役体または錯体を含まない。一部の実施例では、本発明の親水性組成物はタンパク質または他の生体分子を含まない。
【0108】
本発明の実施例によると、食品用色素を含む変色指示薬は、食品色素の無毒性のために生体試料と共に使用してよい。
【0109】
一部の実施例では、変色指示薬は、連邦食品医薬品化粧品青色1号、連邦食品医薬品化粧品青色2号、連邦食品医薬品化粧品緑色3号、連邦食品医薬品化粧品赤色40号、連邦食品医薬品化粧品赤色3号、連邦食品医薬品化粧品黄色5号、連邦食品医薬品化粧品黄色6号、溶媒赤色24号、溶媒赤色26号、溶媒赤色164号、溶媒黄色124号、溶媒青色35号またはその組み合わせを含む。
【0110】
一部の実施例によると、変色指示薬は生成される色に対するpH依存を示す。結果として一部の実施例では、変色指示薬は、バリア組成物との液体接触だけでなく、接触液体の相対的pHも示す。一部の実施例では、pH依存性を示す変色指示薬は、メチルバイオレット、エオシンイエロー、マラカイトグリーン、チモールブルー、メチルイエロー、ブロモフェノールブルー、コンゴレッド、メチルオレンジ、キシレンシアノール溶液中メチルオレンジ、ブロモクレゾールグリーン、メチルレッド、リトマス、ブロモクレゾールパープル、ブロモフェノールレッド、ブロモチモールブルー、フェノールレッド、ニュートラルレッド、ナフトールフタレイン、クレゾールレッド、フェノールフタレイン、チモールフタレイン、アルカリブルー、アリザリンイエローR、インディゴカルミン、イプシロンブルー、またはそれらの組み合わせを含む。
【0111】
本発明の親水性組成物はさらに少なくとも一つの界面活性剤を含む。親水性組成物の一部の実施例では、界面活性剤はアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤またはその混合物を含む。一部の実施例では、アニオン性界面活性剤にはアルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、エーテル硫酸塩、α−オレフィン硫酸塩、エステル硫酸塩、リン酸エステル、アシルタウリン酸塩、石鹸、エーテルカルボン酸塩またはその混合物を含む。一部の実施例では、カチオン性界面活性剤は、アルキル第4級アンモニウム塩、ベンジルアルキルジメチルアンモニウム塩、アミドアミン第4級塩、第4級イミダゾリウム化合物、エステル第4級化合物またはその混合物を含む。一部の実施例では、非イオン性界面活性剤は、エトキシ化アルコール、エトキシ化アルキルフェノール、ポリエチレングリコールエステル、脂肪酸アルカノールアミド、エトキシ化アルカノールアミド、エトキシ化アミン、ポリヒドロキシ化合物のエステル、エトキシ化エステル、エチレンオキシド/プロピレンオキシド共重合体、アミンオキシドまたはその混合物を含む。一部の実施例では、両性界面活性剤は、アルキルアミノ酸、アルキルベタイン、アルキルアミノベタイン、イミダゾリン誘導界面活性剤、硫黄含有両性物、レシチンまたはその混合物を含む。一部の実施例では、本発明の実施例での使用に適切な界面活性剤は、パリフランスのRhodiaが市販するGeropon(登録商標)、Rhodacal(登録商標)およびRhodafac(登録商標)、ニュージャージー州フローラムパークのBASFが市販するPluronic(登録商標)およびデラウエア
州ウイルミントンのDuPontが市販するZonyl(登録商標)を含む。
【0112】
一部の実施例では、親水性組成物の焼結多孔質基質は、基質の少なくとも90重量パーセントの量の少なくとも一つのプラスチックを含む。親水性組成物の焼結多孔質基質は、一部の実施例によると、基質の約95重量パーセントから約99.99重量パーセントの範囲の量の少なくとも一つのプラスチックを含む。別の実施例では、焼結多孔質基質は、約97重量パーセントから約99.9重量パーセントの範囲の量の少なくとも一つのプラスチックを含む。
【0113】
一部の実施例では、本発明の親水性組成物の焼結多孔質基質は、基質の約0.001重量パーセントから約3重量パーセントの範囲の量の少なくとも一つの界面活性剤を含む。別の実施例では、焼結多孔質基質は、基質の約0.01重量パーセントから約2重量パーセントの範囲の量の少なくとも一つの界面活性剤を含む。また別の実施例では、焼結多孔質基質は、基質の約0.1重量パーセントから約1重量パーセントの範囲の量の少なくとも一つの界面活性剤を含む。
【0114】
一部の実施例では、少なくとも一つのプラスチック、少なくとも一つの変色指示薬、および少なくとも一つの界面活性剤を含む親水性組成物の焼結多孔質基質は、約10%から約90%の範囲の気孔率を持つ。別の実施例では、焼結多孔質基質の気孔率は、約20%から約80%または約30%から約70%の範囲である。また別の実施例では、焼結多孔質基質は、約40%から約60%の範囲の気孔率を持つ。
【0115】
少なくとも一つのプラスチック、少なくとも一つの変色指示薬および少なくとも一つの界面活性剤を含む親水性組成物の焼結多孔質基質であり、平均細孔径は、約35μmから約200μmの範囲である。別の実施例では、焼結多孔質基質の平均細孔径は、約40μmから約150μm、約60μmから約100μmまたは約70μmから約90μmの範囲である。別の実施例では、多孔質焼結基質の平均細孔径は、約1um未満である。一つの実施例では、多孔質焼結基質の平均細孔径は、約0.1μmから約1μmの範囲である。
【0116】
自己密閉バリア組成物の製造方法
別の実施例では、本発明は自己密閉バリア組成物の製造方法を提供する。一つの実施例において、自己密閉バリア組成物の製造方法は、少なくとも一つのプラスチック粒子と、少なくとも一つの吸収材料粒子と、少なくとも一つの変色指示薬の粒子とを準備し、少なくとも一つの該プラスチック、少なくとも一つの該吸収材料および少なくとも一つの該変色指示薬の粒子を共焼結することを含む。
【0117】
一部の実施例では、少なくとも一つのプラスチック粒子、少なくとも一つの吸収材料粒子および少なくとも一つの変色指示薬の粒子を所望の比率(重量パーセント)で混合し、実質的に均一な混合物を製造する。プラスチック、吸収材料および変色指示薬の粒子の実質的に均一な該混合物を型に配して焼結する。型の形は任意の所望の形であって良い。
【0118】
一部の実施例では、プラスチック粒子の平均粒径は、約1μmから約1mmの範囲である。別の実施例では、プラスチック粒子の平均粒径は、約10μmから約900μm、約50μmから約500μmまたは約100μmから約400μmの範囲である。また別の実施例では、プラスチック粒子の平均粒径は、約200μmから約300μmの範囲である。一部の実施例では、プラスチック粒子の平均粒径は、約1μm未満または約1mmより大きい。
【0119】
一部の実施例によると、吸収材料粒子の平均粒径は、約1μmから約500μmまたは約10μmから約400μmの範囲である。別の実施例では、吸収材料粒子の平均粒径は、
約50μmから約300μmの範囲である。また別の実施例では、吸収材料粒子の平均粒径は、約100μmから約200μmの範囲である。一部の実施例では、吸収材料粒子の平均粒径は、約1μm未満または約500μmより大きい。
【0120】
一部の実施例によると、変色指示薬の平均粒径は、約1μmから約500μmまたは約10μmから約400μmの範囲である。別の実施例によると、変色指示薬の平均粒径は、約50μmから約300μmの範囲である。また別の実施例では、変色指示薬の平均粒径は、約100μmから約200μmの範囲である。一部の実施例では、変色指示薬の平均粒径は、約1μm未満または約500μmより大きい。
【0121】
一部の実施例では、少なくとも一つのプラスチック、少なくとも一つの吸収材料、および少なくとも一つの変色指示薬の粒子は、約200oFから約700oFの範囲の温度で焼結される。一部の実施例では、プラスチック、吸収材料および変色指示薬の粒子は、約300oFから約500oFの範囲の温度で焼結される。本発明の実施例によると、焼結温度は、プラスチック、吸収材料および変色指示薬の粒子の固有性に依存し、それにより選択される。
【0122】
一部の実施例では、少なくとも一つのプラスチック、少なくとも一つの吸収材料および少なくとも一つの変色指示薬の粒子は、約30秒から約30分の範囲の時間枠で焼結される。別の実施例では、少なくとも一つのプラスチック、少なくとも一つの吸収材料および少なくとも一つの変色指示薬の粒子は、約30秒から約15分または約1分から約10分の範囲の時間枠で焼結される。一部の実施例では、焼結工程は、過熱、浸漬および/または焙焼サイクルを含む。
さらに、一部の実施例では、少なくとも一つのプラスチック、少なくとも一つの吸収材料および少なくとも一つの変色指示薬の粒子は、環境気圧(1atm)下で焼結される。別の実施例では、少なくとも一つのプラスチック、少なくとも一つの吸収材料および少なくとも一つの変色指示薬の粒子は、環境気圧よりも大きな圧力下で焼結される。
【0123】
別の実施例では、自己密閉バリア組成物の製造方法は、少なくとも一つの吸収材料粒子を型の第一の部分に配し、少なくとも一つの変色指示薬の粒子を型の第一の部分に隣接する型の第二の部分に配し、少なくとも一つの該吸収材料および少なくとも一つの該変色指示薬の粒子を焼結することを含む。一部の実施例では、第一のプラスチック粒子は、焼結前に少なくとも一つの吸収材料粒子と混合される。一部の実施例では、第二のプラスチック粒子は、焼結前に少なくとも一つの変色指示薬の粒子と混合される。一部の実施例では、第一のプラスチックおよび第二のプラスチックは同一のプラスチックを含む。別の実施例では、第一のプラスチックと第二のプラスチックは異なる。
【0124】
例えば、一つの実施例では、吸収材料粒子を第一のプラスチック粒子と所望の割合(重量パーセント)で混合し、実質的に均一な混合物を製造する。混合物は型の下半分に配される。変色指示薬の粒子と第二のプラスチック粒子を所望の割合(重量パーセント)で混合し、実質的に均一な混合物を製造する。変色指示薬と第二のプラスチック粒子の混合物を、吸収材料粒子と第一のプラスチック粒子の混合物に隣接する型の上半分に配する。吸収粒子、第一のプラスチック粒子、変色指示薬の粒子および第二のプラスチック粒子をその後焼結し、本発明の自己密閉バリア組成物を製造する。一部の実施例では、製造されたバリア組成物は、本明細書に記載されるように自己密閉層および指示薬を含む焼結多孔質基質を含む。別の実施例では、製造されたバリア組成物は、本明細書に記載されるように自己密閉表面および指示薬表面を含む焼結多孔質基質を含む。
【0125】
一部の実施例によると、吸収材料粒子の平均粒径は、約1μmから約500μmまたは約10μmから約400μmの範囲である。別の実施例では、吸収材料粒子の平均粒径は、
約50μmから約300μmの範囲である。また別の実施例では、吸収材料粒子の平均粒径は、約100μmから約200μmの範囲である。一部の実施例では、吸収材料粒子の平均粒径は、約1μm未満または約500μmより大きい。
【0126】
一部の実施例によると、変色指示薬の平均粒径は、約1μmから約500μmまたは約10μmから約400μmの範囲である。別の実施例によると、変色指示薬の平均粒径は、約50μmから約300μmの範囲である。また別の実施例では、変色指示薬の平均粒径は、約100μmから約200μmの範囲である。一部の実施例では、変色指示薬の平均粒径は、約1μm未満または約500μmより大きい。
【0127】
一部の実施例では、第一および第二のプラスチック粒子の平均粒径は、それぞれ、約1μmから約1mmの範囲である。別の実施例では、プラスチック粒子の平均粒径は、約10μmから約900μm、約50μmから約500μmまたは約100μmから約400μmの範囲である。また別の実施例では、プラスチック粒子の平均粒径は、約200μmから約300μmの範囲である。一部の実施例では、プラスチック粒子の平均粒径は、約1μm未満または約1mmより大きい。
【0128】
一部の実施例では、吸収材料粒子、変色指示薬の粒子、第一のプラスチック粒子および第二のプラスチック粒子は約200oFから約700oFの範囲の温度で焼結される。一部の実施例では、吸収材料粒子、変色指示薬の粒子、第一のプラスチック粒子および第二のプラスチック粒子は約300oFから約500oFの範囲の温度で焼結される。本発明の実施例によると、焼結温度は、プラスチック、吸収材料および変色指示薬の粒子の固有性に依存し、それにより選択される。
【0129】
一部の実施例では、吸収材料粒子、変色指示薬の粒子、第一のプラスチック粒子および第二のプラスチック粒子は約30秒から約30分の範囲の時間枠で焼結される。別の実施例では、吸収材料粒子、変色指示薬の粒子、第一のプラスチック粒子および第二のプラスチック粒子は約30秒から約15分または約1分から約10分の範囲の時間枠で焼結される。一部の実施例では、焼結工程は過熱、浸漬および/または焙焼サイクルを含む。さらに、一部の実施例では、吸収材料粒子、変色指示薬の粒子、第一のプラスチック粒子および第二のプラスチック粒子の焼結は、環境気圧(1atm)下で行なわれる。別の実施例では、焼結は環境気圧より高い気圧下で行なわれる。
【0130】
一部の実施例では、少なくとも一つの界面活性剤粒子は、焼結前に少なくとも一つの変色指示薬の粒子と混合される。別の実施例では、焼結前に、第二のプラスチック粒子は少なくとも一つの界面活性剤で少なくとも部分的にコーティングされる。該実施例では、該界面活性剤は第二のプラスチック粒子に液体として塗布できる。
【0131】
一部の実施例によると、界面活性剤粒子の平均粒径は、約0.1μmから約200μmまたは約1μmから約150μmの範囲である。別の実施例では、界面活性剤粒子の平均粒径は、約25μmから約100μmの範囲である。また別の実施例では、界面活性剤粒子の平均粒径は、約30μmから約50μmの範囲である。一部の実施例では、界面活性剤粒子の平均粒径は、約200μmより大きいまたは約0.1μm未満である。界面活性剤粒子を含む組成物は、本明細書に記載される任意の実施例に従って焼結される。
【0132】
別の実施例では、第二の変色指示薬の粒子は、焼結前に少なくとも一つの吸収材料粒子と混合される。一部の実施例では、少なくとも一つの変色指示薬の粒子と第二の変色指示薬の粒子は同一である。別の実施例では、少なくとも一つの変色指示薬の粒子と第二の変色指示薬の粒子は異なる。
【0133】
疎水性バリア組成物の製造方法
別の実施例では、本発明は高疎水性バリア組成物の製造方法を提供する。一つの実施例において、疎水性バリア組成物の製造方法は、少なくとも一つのプラスチック粒子を準備し、少なくとも一つの変色指示薬の粒子を準備し、少なくとも一つの該プラスチックおよび少なくとも一つの該変色指示薬の粒子を共焼結することを含む。
【0134】
一部の実施例では、少なくとも一つのプラスチック粒子および少なくとも一つの変色指示薬の粒子を所望の比率(重量パーセント)で混合し、実質的に均一な混合物を製造する。プラスチックおよび変色指示薬の粒子の実質的に均一な混合物を型に配して焼結する。型の形は任意の所望の形であって良い。
【0135】
一部の実施例では、プラスチック粒子の平均粒径は、約1μmから約1mmの範囲である。別の実施例では、プラスチック粒子の平均粒径は、約10μmから約900μm、約50μmから約500μmまたは約100μmから約400μmの範囲である。また別の実施例では、プラスチック粒子の平均粒径は、約200μmから約300μmの範囲である。一部の実施例では、プラスチック粒子の平均粒径は、約1μm未満または約1mmより大きい。
【0136】
一部の実施例では、変色指示薬の平均粒径は、約1μmから約500μmまたは約10μmから約400μmの範囲である。別の実施例によると、変色指示薬の平均粒径は、約50μmから約300μmの範囲である。また別の実施例では、変色指示薬の平均粒径は、約100μmから約200μmの範囲である。一部の実施例では、変色指示薬の平均粒径は、約1μm未満または約500μmより大きい。
【0137】
一部の実施例では、少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つの変色指示薬の粒子は、約200oFから約700oFの範囲の温度で焼結される。一部の実施例では、プラスチックおよび変色指示薬の粒子は、約300oFから約500oFの範囲の温度で焼結される。本発明の実施例によると、焼結温度は、プラスチックおよび変色指示薬の粒子の固有性に依存し、それにより選択される。
【0138】
一部の実施例では、少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つの変色指示薬の粒子は、約30秒から約30分の範囲の時間枠で焼結される。別の実施例では、少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つの変色指示薬の粒子は、約30秒から約15分または約1分から約10分の範囲の時間枠で焼結される。一部の実施例では、焼結工程は過熱、浸漬および/または焙焼サイクルを含む。さらに、一部の実施例では、少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つの変色指示薬の粒子の焼結は、環境気圧(1atm)下で行なわれる。別の実施例では、少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つの変色指示薬の粒子の焼結は、環境気圧よりも大きな圧力下で行なわれる。
【0139】
また別の実施例では、疎水性バリア材料の製造方法は、第一のプラスチック粒子を型の第一の部分に配し、少なくとも一つの変色指示薬の粒子を型の第一の部分に隣接する型の第二の部分に配し、第一のプラスチックおよび少なくとも一つの該変色指示薬の粒子を焼結することを含む。一部の実施例では、第二のプラスチック粒子は、焼結前に少なくとも一つの変色指示薬の粒子と混合される。一部の実施例では、第一および第二のプラスチックは同一のプラスチックを含む。別の実施例では、第一および第二のプラスチックは異なるプラスチックを含む。
【0140】
一つの実施例では、例えば第一のプラスチック粒子は型の下半分に配される。変色指示薬の粒子と第二のプラスチック粒子を所望の割合(重量パーセント)で混合し、実質的に均一な混合物を製造する。変色指示薬および第二のプラスチック粒子の混合物を、第一のプ
ラスチック粒子に隣接する型の上半分に配する。第一のプラスチック粒子、変色指示薬の粒子および第二のプラスチック粒子をその後焼結し、本発明の疎水性バリア組成物を製造する。一部の実施例では、製造された疎水性バリア組成物は、本明細書に記載されるようにプラスチック層および変色指示薬を含む指示薬層を含む焼結多孔質基質を含む。別の実施例では、製造された疎水性バリア組成物は、第一の表面および第二の表面を含む焼結多孔質基質を含み、本明細書に記載されるように第一の表面は少なくとも一つのプラスチックを含み、第二の表面は少なくとも一つの変色指示薬を含む。
【0141】
一部の実施例によると、変色指示薬の平均粒径は、約1μmから約500μmまたは約10μmから約400μmの範囲である。別の実施例によると、変色指示薬の平均粒径は、約50μmから約300μmの範囲である。また別の実施例では、変色指示薬の平均粒径は、約100μmから約200μmの範囲である。一部の実施例では、変色指示薬の平均粒径は、約1μm未満または約500μmより大きい。
【0142】
一部の実施例では、第一および第二のプラスチック粒子の平均粒径は、それぞれ、約1μmから約1mmの範囲である。別の実施例では、プラスチック粒子の平均粒径は、約10μmから約900μm、約50μmから約500μmまたは約100μmから約400μmの範囲である。また別の実施例では、プラスチック粒子の平均粒径は、約200μmから約300μmの範囲である。一部の実施例では、プラスチック粒子の平均粒径は、約1μm未満または約1mmより大きい。
【0143】
一部の実施例では、変色指示薬の粒子、第一のプラスチック粒子および第二のプラスチック粒子は約200oFから約700oFの範囲の温度で焼結される。一部の実施例では、変色指示薬の粒子、第一のプラスチック粒子、および第二のプラスチック粒子は約300oFから約500oFの範囲の温度で焼結される。本発明の実施例によると、焼結温度は、プラスチック吸収材料および変色指示薬の粒子の固有性に依存し、それにより選択される。
【0144】
一部の実施例では、変色指示薬の粒子、第一のプラスチック粒子および第二のプラスチック粒子は約30秒から30分の範囲の時間枠で、焼結される。別の実施例では、変色指示薬の粒子、第一のプラスチック粒子および第二のプラスチック粒子は約30秒から約15分または約1分から約10分の範囲の時間枠で焼結される。一部の実施例では、焼結工程は過熱、浸漬および/または焙焼サイクルを含む。さらに、一部の実施例では、変色指示薬の粒子、第一のプラスチック粒子、および第二のプラスチック粒子の焼結は環境気圧(1atm)下で行なわれる。別の実施例では、焼結は環境気圧より高い気圧下で行なわれる。
【0145】
一部の実施例では、少なくとも一つの界面活性剤粒子は、焼結前に少なくとも一つの変色指示薬の粒子と混合される。別の実施例では、焼結前に、第二のプラスチック粒子は少なくとも一つの界面活性剤で少なくとも部分的にコーティングされる。該実施例では、該界面活性剤は第二のプラスチック粒子に液体として塗布できる。
【0146】
一部の実施例によると、界面活性剤粒子の平均粒径は、約0.1μmから約200μmまたは約1μmから約150μmの範囲である。別の実施例によると、界面活性剤粒子の平均粒径は、約25μmから約100μmの範囲である。別の実施例によると、界面活性剤粒子の平均粒径は、約30μmから約50μmの範囲である。一部の実施例では、界面活性剤粒子の平均粒径は、約200μmより大きいまたは約0.1μm未満である。界面活性剤粒子を含む組成物は、本明細書に記載される任意の実施例に従って焼結される。
【0147】
親水性組成物の製造方法
別の実施例では、本発明は親水性組成物の製造方法を提供する。一つの実施例において、親水性組成物の製造方法は、少なくとも一つのプラスチック粒子を準備し、少なくとも一つの変色指示薬の粒子を準備し、少なくとも一つの界面活性剤粒子を準備し、少なくとも一つの該プラスチック、少なくとも一つの該変色指示薬および少なくとも一つの該界面活性剤粒子を共焼結することを含む。
【0148】
一部の実施例では、少なくとも一つのプラスチック粒子、少なくとも一つの変色指示薬の粒子および少なくとも一つの界面活性剤粒子を所望の比率(重量パーセント)で混合し、実質的に均一な混合物を製造する。プラスチック、変色指示薬、および界面活性剤粒子の実質的に均一な該混合物を型に配して焼結する。型の形は任意の所望の形であって良い。
【0149】
一部の実施例では、プラスチック粒子の平均粒径は、約1μmから約1mmの範囲である。別の実施例では、プラスチック粒子の平均粒径は、約10μmから約900μm、約50μmから約500μmまたは約100μmから約400μmの範囲である。また別の実施例では、プラスチック粒子の平均粒径は、約200μmから約300μmの範囲である。一部の実施例では、プラスチック粒子の平均粒径は、約1μm未満または約1mmより大きい。
【0150】
一部の実施例によると、変色指示薬の平均粒径は、約1μmから約500μmまたは約10μmから約400μmの範囲である。別の実施例によると、変色指示薬の平均粒径は、約50μmから約300μmの範囲である。また別の実施例では、変色指示薬の平均粒径は、約100μmから約200μmの範囲である。一部の実施例では、変色指示薬の平均粒径は、約1μm未満または約500μmより大きい。
【0151】
一部の実施例によると、界面活性剤粒子の平均粒径は、約0.1μmから約200μmまたは約1μmから約150μmの範囲である。別の実施例によると、界面活性剤粒子の平均粒径は、約25μmから約100μmの範囲である。また別の実施例によると、界面活性剤粒子の平均粒径は、約30μmから約50μmの範囲である。一部の実施例では、界面活性剤粒子の平均粒径は、約200μmより大きいまたは約0.1μm未満である。
【0152】
一部の実施例では、少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つの界面活性剤粒子は、約200oFから約700oFの範囲の温度で焼結される。一部の実施例では、プラスチック、変色指示薬、および界面活性剤粒子は、約300oFから約500oFの範囲の温度で焼結される。本発明の実施例によると、焼結温度は、プラスチック、変色指示薬および界面活性剤粒子の固有性に依存し、それにより選択される。
【0153】
一部の実施例では、少なくとも一つのプラスチック、少なくとも一つの変色指示薬および少なくとも一つの界面活性剤粒子は、約30秒から約30分の範囲の時間で焼結される。別の実施例では、少なくとも一つのプラスチック、少なくとも一つの変色指示薬および少なくとも一つの界面活性剤粒子は、約30秒から約15分または1分から10分の範囲の時間枠で焼結される。一部の実施例では、焼結工程は過熱、浸漬および/または焙焼サイクルを含む。さらに、一部の実施例では、少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つの変色指示薬の粒子の焼結は、環境気圧(1atm)下で行なわれる。別の実施例では、少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つの変色指示薬の粒子の焼結は、環境気圧よりも大きな圧力下で行なわれる。
【0154】
別の実施例において、親水性組成物の製造方法は、少なくとも一種のプラスチック粒子を準備し、少なくとも一つの該プラスチック粒子を少なくとも部分的に少なくとも一つの界面活性剤でコーティングし、少なくとも一つの変色指示薬の粒子を準備し、少なくとも一つの該プラスチック、および少なくとも一つの該変色指示薬の粒子を焼結することを含む
。一部の実施例では、少なくとも一つの界面活性剤でコーティングされたプラスチック粒子および少なくとも一つの変色指示薬の粒子は、本明細書に提供される任意の方法に従って焼結される。一部の実施例では、焼結前に、変色指示薬の粒子は少なくとも部分的に少なくとも一つの界面活性剤でコーティングされる。
【0155】
バリア組成物を含む装置
別の実施例では、本発明は本発明のバリア組成物を含む装置を提供する。一つの実施例において、装置はピペットチップを含み、該ピペットチップは第一および第二の開放末端を持つ中空の管、第一および第二の末端の間に配された中央部材を含み、該中央部材は本書で提供される任意の実施例によるバリア組成物を含む。一部の実施例では、ピペットチップの容量は約10μlまたは約20μlである。別の実施例では、ピペットチップの試料容量は約50μlまたは約100μlである。別の実施例では、ピペットチップの試料容量は約200μl、約250μl、約500μlまたは約1mlである。また別の実施例では、ピペットチップの試料容量は約10μl未満または約1mlより大きいまたは約5mlである。一部の実施例では、ピペットチップの試料容量は約1μlまたは約5μlである。
【0156】
図4は、本発明のバリア組成物を含むピペットチップを図解する。一部の実施例では、ピペットチップ(400)は先細りの中空管状部材(402)を含み、該中空管状部材はガラス、ポリエチレンまたは他の高分子材料などの非反応性材料を含む。中空管状部材(402)は、第一の末端(404)および第二の末端(406)で開いており、第一(404)および第二(406)の末端は反対を向いている。本発明のバリア組成物(408)は中空の管状部材(402)の中に配され、バリア組成物(408)と第一の末端(404)との間の液体試料チャンバー(410)を定義する。バリア組成物は、さらに第二の末端(406)から間隔を有し、バリア組成物(408)と第二の末端(406)の間のチャンバー(412)を定義する。第二の末端(406)は、当業者に既知の任意の方法で、開放可能なように適切な吸引装置(414)に固定される。
【0157】
別の実施例では、本発明のバリア組成物には、吸引装置などのさまざまな装置における流量制御装置に応用される。一つの実施例では、吸引装置は容器、蓋、および本明細書に記載される任意の実施例によるバリア組成物を含む。該バリア組成物は容器に配される。また、該蓋はさらに注入口と排出口を含み、該排出口は吸引または真空ラインと接続するために使用できる。一部の実施例では、自己密閉バリア組成物は、十分な液体が容器に回収されると、液体のバリア組成物への接触により該バリア組成物が自己密閉されるように排出口を被覆する。バリア組成物の密閉によって、さらなる吸引を防止または阻止する。
【0158】
別の実施例では、本発明のバリア組成物には、米国特許出願番号11/065,579に記載される留置針などの針装置、米国特許出願番号11/141,588に記載されるフラッシュバックニードル、米国特許出願番号11/141,446に記載される採血セットおよびIVセットに関するルアーキャップなどに応用される。これらの応用において、本発明のバリア組成物は通気孔として組み込まれ、血液などの液体の通過を阻止する一方で、空気および他の気体を通過させる。
【0159】
また別の実施例では、本発明のバリア組成物は、十分な液体試料が採取されたことを示すための分析装置に応用される。一部の実施例では、分析装置は、試料注入口を含む試料採取チャンバーおよび試料採取チャンバー内に配されたバリア組成物を含む。一部の実施例では、バリア組成物は、望ましい採取試料量によって、該採取チャンバーのさまざまなレベルに配することができる。十分な試料が採取された時、液体はバリア組成物と接触して媒体を変色させる。バリア組成物の変色により、分析装置の使用者に十分な試料が採取されたことを示すことができる。一部の実施例では、液体試料チャンバーはさらに排出口を
含む。
【実施例】
【0160】
本発明の実施例をさらに以下に図解するが、これらにらに限定されるものではない。
【0161】
実施例1
変色指示薬を含む自己密閉バリア組成物
平均粒径約150μmの粉末HDPEとカルボキシメチルセルロース(CMC)および食用色素エリオグラウシンとを混合し、ポリエチレン84.95重量パーセント、CMC 15重量パーセントおよび食用色素エリオグラウシン0.05重量パーセントの実質的に均一な混合物を製造した。入手した混合物を金属型に配して350oFまで約3分間加熱し、その後約5分間で室温まで冷却した。入手した自己密閉バリア組成物の平均細孔径は約40μmで、色は白色であった。水性液体と接触した時、該バリア組成物は青色に変化した。
【0162】
実施例2
変色指示薬を含む疎水性バリア組成物
平均粒径約30μmの粉末HDPEを食用色素エリオグラウシンと混合し、ポリエチレン99.95重量パーセントおよび食用色素エリオグラウシン0.05重量パーセントの実質的に均一な混合物を製造した。入手した混合物を金属型に配して350oFまで約3分間加熱し、その後約5分間で室温まで冷却した。入手した自己密閉バリア組成物の平均細孔径は約10μmで、色は白色であった。水性液体と接触した時、該バリア組成物は青色に変化し、90°より大きな水接触角を示した。
【0163】
実施例3
変色指示薬を含む層状自己密閉バリア組成物
平均粒径約30μmの粉末HDPEを食用色素エリオグラウシンと混合し、ポリエチレン99.95重量パーセントおよび食用色素エリオグラウシン0.05重量パーセントの実質的に均一な混合物を製造する。ポリエチレン/食用色素混合物を金属型の下部に配する。
【0164】
平均粒径約150μmの粉末HDPEをカルボキシメチルセルロース(CMC)および食用色素エリオグラウシンと混合し、ポリエチレン84.95重量パーセント、CMC 15重量パーセントおよび食用色素エリオグラウシン0.05重量パーセントの実質的に均一な混合物を製造する。入手した混合物を金属型の下半分に隣接する上半分に配する。型を350oFまで約3分間加熱し、その後約5分間で室温まで冷却する。入手したバリア組成物は、疎水性変色特性を示す第一の層および自己密閉変色特性を示す第二の層を持つ。
【0165】
実施例4
変色指示薬を含む層状自己密閉バリア組成物
平均粒径約150μmの粉末HDPEをドデシル硫酸ナトリウム(Sigma−Aldrich)および食用色素エリオグラウシンと混合し、ポリエチレン99.5重量パーセント、ドデシル硫酸ナトリウム0.45重量パーセントおよび食用色素エリオグラウシン0.05重量パーセントの実質的に均一な混合物を製造する。ポリエチレン/界面活性剤/食用色素混合物を金属型の下半分に配する。
【0166】
約150μmの平均粒径を持つ粉末HDPEをカルボキシメチルセルロース(CMC)および食用色素エリオグラウシンと混合し、ポリエチレン84.95重量パーセント、CMC15重量パーセント、および食用色素エリオグラウシン0.05重量パーセントの実質
的に均一な混合物を製造する。入手した混合物を金属型の下半分に隣接する上半分に配する。型を350oFまで約3分間加熱し、その後約5分間で室温まで冷却する。入手したバリア組成物は、親水性変色特性を示す第一の層および自己密閉変色特性を示す第二の層を持つ。
【0167】
実施例5
親水性組成物
約150μmの平均粒径を持つ粉末HDPEをドデシル硫酸ナトリウム(Sigma−Aldrich)および食用色素エリオグラウシンと混合し、ポリエチレン99.5重量パーセント、ドデシル硫酸ナトリウム0.45重量パーセント、および食用色素エリオグラウシン0.05重量パーセントの実質的に均一な混合物を製造した。入手した混合物を金属型に配して350oFまで約3分間加熱し、その後約5分間で室温まで冷却した。入手した親水性組成物の平均細孔径は約40μmで、色は白色であった。水溶液は親水性組成物に接触すると吸い上げられる。さらに、親水性組成物は水溶液と接触すると青色になる。
【0168】
実施例6
自己密閉バリア組成物を含むピペットチップ
ピペッターを支える働きをするピペットチップの末端を通して自己密閉バリア組成物を挿入することにより、例1の自己密閉バリア組成物をピペットチップに配した。挿入の間、十分な圧力をバリア組成物に加え、バリア組成物がピペットチップの内部表面と密閉性を形成するのを確実にした。バリア媒体のピペットチップへの挿入後、ピペットチップをピペッターに取り付けた。ピペットチップを水溶液の中に入れ、水溶液がピペットチップの試料採取チャンバーに引き込まれた。水溶液が試料採取チャンバーに引き込まれたら、吸引をもたらす水溶液からピペットチップを取り出し、それにより、水溶液を自己密閉バリア組成物と接触させた。水溶液と接触すると、バリア組成物のCMCは膨張しバリア組成物を密閉して、水溶液がピペッターに到達するのを防止した。バリア媒体はさらに、変色してバリア媒体が水溶液と接触したことを示した。さらに、水溶液はまったくバリア媒体を迂回しなかった。
【0169】
上記に引用されるすべての特許、特許出願、出版物および抄録は、その全体を参照することにより本明細書に組み込まれる。本発明のさまざまな実施例は、本発明のさまざまな目的を達成するために記載されている。これらの実施例は、本発明の原理の実例にすぎないことを認識するべきである。当業者には、その多くの変更および適応が、本発明の精神と範囲から逸脱することなく容易に自明である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
焼結多孔質基質を含有する自己密閉バリア組成物であって、
該焼結多孔質基質が少なくとも一つのプラスチック、少なくとも一つの吸収材料、および少なくとも一つの変色指示薬を含む、自己密閉バリア組成物。
【請求項2】
前記少なくとも一つの変色指示薬が有機色素、食用色素またはその混合物を含む、請求項1に記載の自己密閉バリア組成物。
【請求項3】
前記変色指示薬が、連邦食品医薬品化粧品青色1号、連邦食品医薬品化粧品青色2号、連邦食品医薬品化粧品緑色3号、連邦食品医薬品化粧品赤色40号、連邦食品医薬品化粧品赤色3号、連邦食品医薬品化粧品黄色5号、連邦食品医薬品化粧品黄色6号、溶媒赤色24号、溶媒赤色26号、溶媒赤色164号、溶媒黄色124号、溶媒青色35号またはその混合物を含む、請求項2に記載の自己密閉バリア組成物。
【請求項4】
前記変色指示薬がpHに反応性である、請求項1に記載の自己密閉バリア組成物。
【請求項5】
前記変色指示薬が、メチルバイオレット、エオシンイエロー、マラカイトグリーン、チモールブルー、メチルイエロー、ブロモフェノールブルー、コンゴレッド、メチルオレンジ、ブロモクレゾールグリーン、メチルレッド、リトマス、ブロモクレゾールパープル、ブロモフェノールレッド、ブロモチモールブルー、フェノールレッド、ニュートラルレッド、ナフトールフタレイン、クレゾールレッド、フェノールフタレイン、チモールフタレイン、アルカリブルー、アリザリンイエローR、インディゴカルミン、イプシロンブルー、またはそれらの混合物を含む、請求項4に記載の自己密閉バリア組成物。
【請求項6】
前記少なくとも一つの吸収材料が、カルボキシメチルセルロース、セルロースガム、加水分解アクリロニトリルグラフト化共重合体、中和澱粉アクリル酸グラフト化共重合体、アクリルアミド共重合体、修飾架橋ポリビニルアルコール、中和自己架橋ポリアクリル酸、架橋ポリアクリル酸塩または中和架橋イソブチレン−無水マレイン酸共重合体、またはその塩、または混合物を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の自己密閉バリア組成物。
【請求項7】
前記少なくとも一つのプラスチックが、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアクリロニトリル、ポリカーボネート、塩化ポリビニル、ポリメチルメタクリレート、フッ化ポリビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテルスルホン、ポリスチレン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホンまたはその組み合わせ、または共重合体を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の自己密閉バリア組成物。
【請求項8】
前記ポリオレフィンがポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、またはそれらの組み合わせ、または共重合体を含む、請求項7に記載の自己密閉バリア組成物。
【請求項9】
前記少なくとも一つの変色指示薬が、前記焼結多孔質基質の約0.001重量パーセントから約2重量パーセントの範囲の量で存在する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の自己密閉バリア組成物。
【請求項10】
前記少なくとも一つの変色指示薬が、前記焼結多孔質基質の約0.05重量パーセントから約0.5重量パーセントの範囲の量で存在する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の自己密閉バリア組成物。
【請求項11】
前記少なくとも一つのプラスチックが、前記焼結多孔質基質の約40重量パーセントから約95重量パーセントの範囲の量で存在する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の自己密閉バリア組成物。
【請求項12】
前記焼結多孔質基質が約1μmから約200μmの平均細孔径を持つ、請求項1〜11のいずれか一項に記載の自己密閉バリア組成物。
【請求項13】
前記焼結多孔質基質が最大約90%の気孔率を持つ、請求項1〜12のいずれか一項に記載の自己密閉バリア組成物。
【請求項14】
前記自己密閉組成物が大気中の水分に反応しない、請求項1〜13のいずれか一項に記載の自己密閉バリア組成物。
【請求項15】
焼結多孔質基質を含む自己密閉バリア組成物であって
該焼結多孔質基質が、少なくとも一つの自己密閉層および少なくとも一つの指示薬層を含み、該自己密閉層は少なくとも一つの吸収材料を含み、該指示薬層は少なくとも一つの変色指示薬を含む、自己密閉バリア組成物。
【請求項16】
前記少なくとも一つの変色指示薬が有機色素、食用色素またはそれらの混合物を含む、請求項15に記載の自己密閉バリア組成物。
【請求項17】
前記変色指示薬が連邦食品医薬品化粧品青色1号、連邦食品医薬品化粧品青色2号、連邦食品医薬品化粧品緑色3号、連邦食品医薬品化粧品赤色40号、連邦食品医薬品化粧品赤色3号、連邦食品医薬品化粧品黄色5号、連邦食品医薬品化粧品黄色6号、溶媒赤色24号、溶媒赤色26号、溶媒赤色164号、溶媒黄色124号、溶媒青色35号、またはその混合物を含む請求項16に記載の自己密閉バリア組成物。
【請求項18】
前記自己密閉層が前記指示薬層に隣接する、請求項15〜17のいずれか一項に記載の自己密閉バリア組成物。
【請求項19】
前記自己密閉層が前記指示薬層から間隔を空けて位置する、請求項15〜17のいずれか一項に記載の自己密閉バリア組成物。
【請求項20】
前記自己密閉層がさらに第二の指示薬を含む、請求項15〜19のいずれか一項に記載の自己密閉バリア組成物。
【請求項21】
前記第二の変色指示薬が前記指示薬層の変色指示薬とは異なる、請求項20のいずれか一項に記載の自己密閉バリア組成物。
【請求項22】
前記自己密閉層がさらに少なくとも一つのプラスチックを含む、請求項15〜21のいずれか一項に記載の自己密閉バリア組成物。
【請求項23】
焼結多孔質基質を含む自己密閉バリア組成物であって、
該焼結多孔質基質が、自己密閉表面および自己密閉表面とは反対に向いている指示薬表面を含み、該自己密閉表面は少なくとも一つの吸収材料を含み、該指示薬表面は少なくとも一つの変色指示薬を含む自己密閉バリア組成物。
【請求項24】
焼結多孔質基質を含む疎水性バリア組成物であって
該焼結多孔質基質が少なくとも一つのプラスチックおよび少なくとも一つの変色指示薬を含み、該疎水性バリア組成物は吸収材料を実質的に含まない、疎水性バリア組成物。
【請求項25】
前記少なくとも一つの変色指示薬が、有機色素、食用色素またはそれらの混合物を含む、請求項24に記載の疎水性バリア組成物。
【請求項26】
前記変色指示薬が連邦食品医薬品化粧品青色1号、連邦食品医薬品化粧品青色2号、連邦食品医薬品化粧品緑色3号、連邦食品医薬品化粧品赤色40号、連邦食品医薬品化粧品赤色3号、連邦食品医薬品化粧品黄色5号、連邦食品医薬品化粧品黄色6号、溶媒赤色24号、溶媒赤色26号、溶媒赤色164号、溶媒黄色124号、溶媒青色35号、またはそれらの混合物を含む、請求項25に記載の疎水性バリア組成物。
【請求項27】
前記変色指示薬がpHに反応性である、請求項24に記載の疎水性バリア組成物。
【請求項28】
前記変色指示薬が、メチルバイオレット、エオシンイエロー、マラカイトグリーン、チモールブルー、メチルイエロー、ブロモフェノールブルー、コンゴレッド、メチルオレンジ、ブロモクレゾールグリーン、メチルレッド、リトマス、ブロモクレゾールパープル、ブロモフェノールレッド、ブロモチモールブルー、フェノールレッド、ニュートラルレッド、ナフトールフタレイン、クレゾールレッド、フェノールフタレイン、チモールフタレイン、アルカリブルー、アリザリンイエローR、インディゴカルミン、イプシロンブルーまたはそれらの混合物を含む、請求項27に記載の疎水性バリア組成物。
【請求項29】
前記少なくとも一つの変色指示薬が、焼結多孔質基質の約0.001重量パーセントから約2重量パーセントの範囲の量で存在する、請求項24〜28のいずれか一項に記載の疎水性バリア組成物。
【請求項30】
前記少なくとも一つの変色指示薬が、焼結多孔質基質の約0.05重量パーセントから約0.5重量パーセントの範囲の量で存在する、請求項24〜28のいずれか一項に記載の疎水性バリア組成物。
【請求項31】
前記焼結多孔質基質が約1μmから約200μmの平均細孔径を持つ、請求項24〜30のいずれか一項に記載の疎水性バリア組成物。
【請求項32】
焼結多孔質基質を含む親水性組成物であって、
該親水性組成物が、少なくとも一つのプラスチック、少なくとも一つの変色指示薬、および少なくとも一つの界面活性剤を含む、親水性組成物。
【請求項33】
前記少なくとも一つの界面活性剤が、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、またはそれらの混合物を含む、請求項32に記載の親水性組成物。
【請求項34】
前記少なくとも一つの界面活性剤が、焼結多孔質基質の約0.001重量パーセントから約3重量パーセントの範囲の量で存在する、請求項32または33に記載の親水性組成物。
【請求項35】
ピペットチップおよび請求項1に記載の自己密閉バリア組成物を含む装置であって、
前記請求項1に記載の自己密閉バリア組成物が、ピペットチップの中に少なくとも部分的に配されている、装置。
【請求項36】
吸引装置を含む装置であって、
該吸引装置が容器、容器への注入口、および容器からの排出口を含み、
請求項1の自己密閉バリア組成物が前記容器からの排出口を少なくとも部分的にカバーす
る、装置。
【請求項37】
少なくとも一つのプラスチック粒子を準備し、
少なくとも一つの吸収材料粒子を準備し、
少なくとも一つの変色指示薬の粒子を準備し、
前記少なくとも一つのプラスチック、前記少なくとも一つの吸収材料、および前記少なくとも一つの変色指示薬の粒子を共焼結する過程を含む、
自己密閉バリア組成物の製造方法。
【請求項38】
さらに、前記少なくとも一つのプラスチック、前記少なくとも一つの吸収材料、および前記少なくとも一つの変色指示薬の粒子を混合し、実質的に均一な混合物を形成する、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記少なくとも一つのプラスチック粒子の平均粒径が、約1μmから約500μmの範囲である、請求項37または38に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2010−518404(P2010−518404A)
【公表日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−549607(P2009−549607)
【出願日】平成20年2月12日(2008.2.12)
【国際出願番号】PCT/US2008/001838
【国際公開番号】WO2008/100500
【国際公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【出願人】(505440686)ポーレックス コーポレイション (9)
【Fターム(参考)】