説明

外国語声域自己発見システム

【課題】英語の聞き流しや外国人との会話だけでは、自然と母国語の音を使って理解してしまうので、外国語特有の音を言語として理解し使う様に練習することが十分になされない。その為、これらの音を、言語として意識できる教具を提供する。
【解決手段】(1) 目的の言語と母国語によく使われる周波数を読み込む。(2) 母国語に多い周波数の音量を抑制的に、外国語に多い周波数の音量を上げて、オーディオ機器として再生するようにする。(3)この状態で様々な音を聞き流し音に慣れる。 (4)自分の声を録音、再生することで、自分自身で、その言語圏の音を効率的に発声しているか確認できる。(5)電話などの利用により、実際に、母国語に無い音でのコミュニケーションをする経験を得ることが出来る。(6)周波数を選ぶことで、あらゆる言語に対応できる。(7)周波数を限定することで、同一言語内の似た発音をも区別する練習にもつながる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外国語学習システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
普段の生活に必要でない音は意識されにくく、その為、やみくもに英語を聞き流しているだけでは、日本語にはない英語特有の音が聞こえるようにならない。例え音として認識できたとしても、その音を言語として理解し使う様にトレーニングされなければ学習効果は期待できない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000-315042
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
外国語をマスターする障壁にの1つは、外国語には母国語に無い音が数多く存在するためであるが、その音を、言語として認識するための方法論は、ただ聞き流すだけや闇雲に経験数を重ねることに頼るしかなかった。その中の母国語にある音に集中する方が楽であるため、母国語にない音は、結局は無視するトレーニングを積んでしまう結果となる。また英語特有の周波数を聴かせる教材はあるものの、その音を言語として理解するトレーニングをするのではなく、英語に活用する方法はやはり個人の体験に任せるしか無かった。このように、従来方式では、その音が言語の中で有用である事に気がつく方法が偶然に支えられており、効果的な学習法法が今まで提示されていなかった。これらの音を、言語として意識的にトレーニング・フィードバックをかけることが出来る教具を提供する
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1) 目的の言語と母国語によく使われる周波数を読み込む(初期設定あり)。(2) 母国語に多い周波数のものの音量を抑制的に、外国語に多い周波数の音量を上げて、オーディオ機器として再生するようにする。(3)外国語の音のみが強調された状態で聞き流すことにより、その言語圏の音を認識しやすくする。対象言語で行えば、どのような音に気をつけなければならないかが明瞭となる。さらに、これはその言語で無くても良い点が本製品の特徴ともなる。母国語や音楽などを通して、必要な周波数の音を理解することが可能となる。(4)マイクを通して自分の声を録音し、イヤホンで聴くことにより、その言語圏に多い音をより効率的に発声しているかどうかを、自身で確かめることが可能になる。うまく発音できていなければ、音は小さくなり、うまく発音できていれば、音は強調されて聞こえるようになるからである。(5)電話のようなリアルタイムの状態で本システムを使うことにより、実際に、母国語に無い音でのコミュニケーションのやりとりをする経験を得ることが出来る。これにより効率的に外国語の音から理解する経験を積むことが可能となる。これにより、いままで母国語にある音のみで理解しようとする癖を矯正することが出来る。(6)周波数を選ぶことで、あらゆる言語に対応できる。また、英語とフランス語など別の言語に使用することにより、第2外国語を学ぶときの外国語間の違いをも意識できるようになる。(7)音をもっと限定的に、例えば「L」と「R」の違いなどに限定することにより、さらに幅広い学習形態も可能となる。
【発明の効果】
【0006】
周りから入る音や自分の音声が、母国語にしかないものは減弱され、目的の外国語にあるものが強調される環境下に置かれることにより、普段では理解のために利用しなかった周波数の音を積極的に使用する環境となる。これを通して、母国語に無い音を言語として理解することによりリスニング力が向上する。また、ヘッドホンを通じて自分の声を聴けば、自分の音声が正しい周波数で無ければよく聞こえない環境となるため、必要な周波数の音が自然に理解出来るようになり、発音の改善も期待できる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本製品は、パソコンとして自分用の独学用にもしようし、携帯アプリとして電話などの機能の中で使用することも可能である。
【実施例】
【0008】
単元としては、大きくは次の三つとなる。(1)音を変換したオーディオ媒体のデータを聴き、音の違いを理解する受動的なもの。(2)自ら声を吹き込み、自身で音を確かめ練習する能動的なもの。(3)電話音域変換を通して音声の変換を通して日常生活で目的の音域を言語領域として理解するもの。 また、抑制の度合いに対しても、互いの言語に共通部分をどの程度抑制するかにより、抑制なしであればより自然な会話の中で発見する方法を探す、完全抑制であれば、意味というよりその音を自分で聞けて、自分で発せられるかの練習となり得る。この練習は、例えば「L」と「R」の違いなどの、単元別としても活用できる。
【産業上の利用可能性】
【0009】
同様の流れは、英語ー日本語に限らず、ドイツ語ー日本語など多言語や、イギリス英語ーアメリカ英語の差を強調するにも有用であり、幅広い多言語学習に応用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
あらゆる言語にあわせた周波数を強調、抑制する音声再生を特徴とする語学学習システム。
【請求項2】
母国語にない音を、母国語のなかで理解することで、外国語の音域理解が自然に増していくという学習システム。
【請求項3】
自身の声を変換し、英語の音のみが強調された状態で、自分自身で日本語にない音を発声するためにフィードバックとなりうる学習システム。

【公開番号】特開2013−97076(P2013−97076A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−238071(P2011−238071)
【出願日】平成23年10月29日(2011.10.29)
【出願人】(711011191)
【Fターム(参考)】