説明

外壁パネル吊り上げ具及び外壁パネル

【課題】狭小なスペースにおける外壁パネルの吊り上げ作業において、外壁パネルに対する着脱が簡単で手間や時間がかからず、安価な外壁パネル吊り上げ具を提供する。
壊を防止する。
【解決手段】外壁パネル吊り上げ具1は、外壁パネル20の幅方向Aの一の側面20aから当該幅方向Aに向かって形成された挿入孔21に挿入されて外壁パネル20を支持する支持片10と、支持片10に平行に設けられ、揚重機のフックが引掛けられる引掛け部30を有する引掛け片11と、支持片10と引掛け片11を連結する連結片12と、を有している。外壁パネル吊り上げ具1は、支持片10の先端が外壁パネル20の挿入孔21の終端21aに当接したときの引掛け片11の引掛け部30の位置が、外壁パネルの幅方向Aの重心位置Gに一致するように構成されている。外壁パネル吊り上げ具1は、吊り上げた外壁パネル20が支持片10から脱落するのを防止するストッパー片50を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、揚重機により外壁パネルを吊り上げるための外壁パネル吊り上げ具及び外壁パネルに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば鉄骨造などの建物においては、軽量気泡コンクリート(ALC)等からなる多数の外壁パネルで外壁を構成することが一般的に行われている。かかる建物の施工時には、外壁パネルを揚重機により建物より高い位置まで吊り上げて搬送し、所定位置で外壁パネルを降下させて躯体に取り付ける。
【0003】
外壁パネルの吊り上げは、例えば図10に示すように、外壁パネル100にスリングベルト101を外壁パネル上端付近に巻き付け、当該スリングベルト101を揚重機のフックに引っ掛けて持ち上げることによって行われている。
【0004】
上述のスリングベルトを用いた方法では、吊り上げた際に外壁パネル100がパネルの厚み方向に傾いてしまう(外壁パネル100の厚み方向の重心と吊り下げ位置とのズレによって上端が建物外部側に倒れる)。このため、例えば商業地域に建物を建てるような場合等、隣地建物との間に十分なスペースが確保されない場合に、外壁パネルの取り付け作業が困難になる。
【0005】
また、スリングベルトを用いた場合、スリングベルトにより外壁パネルの表面が傷つく恐れがある。特に、隣地建物が近接して、外壁パネル取り付け後の目地部のシール材充填工事や外壁塗装工事が困難な場合には、予め外壁パネルに塗装やシール材の装着が施されていることがあり、その場合に、外壁パネルがスリングベルトで吊り上げられると、塗膜や損傷したりシール材が剥がれ落ちたりする恐れがある。
【0006】
ところで、特許文献1には、上述のスリングベルトを用いない、コンクリートパネルの吊上げ・取付兼用アンカー装置について記載されている。この吊上げ・取付兼用アンカー装置は、コンクリートパネルの上小口面に形成された縦穴に挿入される棒状部材、縦穴に連通するように形成された横穴に挿入される筒状部材、棒状部材の上端ねじ部に螺合される吊上げ部材等で構成されている(特許文献1の第4図参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平05−051996号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、上述の吊上げ・取付兼用アンカー装置の場合、装置の部品が多く構造が複雑である。このため、装置のコンクリートパネルへの着脱作業が煩雑になり手間や時間がかかる。また、装置コストも高くなる。さらに、コンクリートパネルを点で支えることになるため、その支点付近に荷重が集中し、強度が比較的低いパネルの場合にはパネルが破損する恐れがある。
【0009】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、狭小なスペースにおける外壁パネルの取り付け作業において、外壁パネルへの着脱が簡単で手間や時間がかからず、強度が低い外壁パネルにも対応でき、なおかつ構成が単純でコスト的にも有利な外壁パネル吊り上げ具を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するための本発明は、揚重機により外壁パネルを吊り上げるための外壁パネル吊り上げ具であって、前記外壁パネルの幅方向の一方の側面から当該幅方向に向かって形成された挿入孔に挿入されて前記外壁パネルを支持する支持片と、前記支持片に略平行に設けられ、前記揚重機のフックが引掛けられる引掛け部を有する引掛け片と、前記支持片と前記引掛け片を連結する連結片と、を有する、外壁パネル吊り上げ具である。
【0011】
本発明によれば、外壁パネルを鉛直姿勢に保った状態で外壁パネルを吊り上げることができるので、狭小なスペースにおける外壁パネルの吊り上げ作業を適正に行うことができる。また、支持片を外壁パネルの挿入孔に出し入れすることによって、外壁パネルへの着脱を行うことができるので、着脱が簡単で手間や時間がかからない。また、装置構成が単純で安価である。さらに、支持片全体で外壁パネルを支持できるので、荷重が分散し、強度が低い外壁パネルでも破損の恐れがなく適切に吊り上げることができる。
【0012】
前記外壁パネル吊り上げ具は、前記支持片の先端が前記外壁パネルの挿入孔の終端に当接したときの前記引掛け片の引掛け部の位置が、前記外壁パネルの幅方向の重心位置に一致するように構成されていてもよい。かかる場合、支持片を外壁パネルの挿入孔の終端まで挿入することで、支持片を外壁パネルの幅方向についてバランスの取れた適切な位置に容易に装着することができ、外壁パネルへの装着の手間や時間をさらに低減できる。
【0013】
前記引掛け部が、吊り上げられる外壁パネルの幅寸法のバリエーションに応じて複数設けられていてもよい。かかる場合、建築現場において幅寸法の異なる複数種類の外壁パネルが用いられる場合であっても同じ外壁パネル吊り上げ具を用いて施工することができるので、作業効率を向上できる。
【0014】
以上の外壁パネル吊り上げ具は、吊り上げた前記外壁パネルが前記支持片から脱落するのを防止するストッパー片をさらに有していてもよい。かかる場合、外壁パネルが万が一落下することを防止できる。
【0015】
また、前記支持片は、円柱状に形成され、前記外壁パネルの挿入孔内で前記外壁パネルに対し回転自在であってもよい。かかる場合、外壁パネルを吊り上げた際に、その外壁パネルの自重により姿勢が鉛直方向に修正されるので、より狭いスペースでの外壁パネルの吊り上げを実現できる。また、支持片を軸に外壁パネル吊り上げ具全体を外壁パネルに対して回動できるので、外壁パネル吊り上げ具を扱いやすい角度に動かして、外壁パネルへの着脱をより簡単に行うことができる。
【0016】
別の観点による本発明は、建物の外壁に用いられ、軽量気泡コンクリートを材質とする外壁パネルであって、外壁パネルを揚重機により吊り上げるための外壁パネル吊り上げ具の支持片が挿入される挿入孔を有し、前記挿入孔は、外壁パネルの高さ方向の上端部付近であって、外壁パネルの幅方向の一の側面から当該幅方向に向かって形成されている、外壁パネルである。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、外壁パネルを揚重機等で吊り上げて行う外壁パネルの取り付け作業を、構成が単純でコスト的に有利な外壁パネル吊り上げ具を用いて、簡単かつ適正に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】外壁パネル吊り上げ具の構成を示す説明図である。
【図2】(a)は、外壁パネルの側面図であり、(b)は、外壁パネルの正面図である 。
【図3】外壁パネルを吊り上げた状態の外壁パネル吊り上げ具を示す説明図である。
【図4】外壁パネルを吊り上げた状態の外壁パネル吊り上げ具の側面図である。
【図5】ストッパー片を有する外壁パネル吊り上げ具の構成を示す説明図である。
【図6】ストッパー部の進退機構の一例を示す説明図である。
【図7】ストッパー部の進退機構の一例を示す説明図である。
【図8】引掛け部が二つある外壁パネル吊り上げ具が、幅広の外壁パネルを支持した状態を示す説明図である。
【図9】引掛け部が二つある外壁パネル吊り上げ具が、幅狭の外壁パネルを支持した状態を示す説明図である。
【図10】スリングベルトにより外壁パネルを吊り上げている状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して、本発明の好ましい実施の形態について説明する。図1は、本実施の形態に係る外壁パネル吊り上げ具1の構成の概略を示す説明図である。
【0020】
外壁パネル吊り上げ具1は、例えば1本の長い丸棒鋼を曲げ加工することにより形成されており、外壁パネル20を支持する支持片10と、揚重機のフックが引掛けられる引掛け片11と、支持片10と引掛け片11の端部同士を連結する連結片12とを有し、全体が略コの字状となっている。
【0021】
図2に示すように例えば外壁パネル20には、外壁パネル20の幅方向Aの一方の側面20aから当該幅方向Aに沿って延びる挿入孔21が形成されている。挿入孔21は、外壁パネル20の長手(高さ)方向Bの一方の端面に近い位置であって外壁パネル20の厚み方向Cの中央に形成されている。挿入孔21は、貫通しておらず、少なくとも外壁パネル20の幅方向Aの中央よりも他方の側面20bに近い位置まで形成されている。
【0022】
図1に示すように支持片10は、外壁パネル20の挿入孔21に挿入可能に形成されている。例えば支持片10は、挿入孔21内において回転可能な直径を有している。また、支持片10は、挿入孔21よりも長い寸法を有している。
【0023】
引掛け片11は、支持片10と平行となっており、中央付近に揚重機のフックが引掛けられる引掛け部30を有している。引掛け部30は、例えば引掛け片11の一部を上方に凸に湾曲させることによって形成されている。また、引掛け部30は、支持片10の先端が外壁パネル20の挿入孔21の終端21aに当接したときに、外壁パネル20の幅方向Aの重心位置Gに一致する位置に形成されている。
【0024】
連結片12は、支持片10と引掛け片11に対し直角方向に延び、支持片10と引掛け片11の同じ側の端部同士を連結している。
【0025】
次に、以上のように構成された外壁パネル吊り上げ具1を用いた外壁パネル20の取り付け方法について説明する。
【0026】
吊り上げられる外壁パネル20は、例えば所定の平面モジュールを有する鉄骨造の工業化住宅の外壁を構成する軽量気泡コンクリート(ALC)からなる外壁パネルである。また、外壁パネル20は、例えば近隣建物と近接した足場の仮設が困難なほどに狭隘な敷地に建築され、外壁パネルの取り付け後に建物外部側からのシーリング打設作業や吹付け塗装作業が困難な建物に適用されるものである。このため、外壁パネル20の表面及び側面、上下端面には、予め塗料が塗布されて塗膜が形成され、側面には目地部の防水用の乾式目地材が装着されている。
【0027】
先ず、図3及び図4に示すように外壁パネル20の挿入孔21に外壁パネル吊り上げ具1の支持片10が挿入される。支持片10は、先端が挿入孔21の終端21aに当接するまで挿入される。これにより、外壁パネル20の幅方向Aの重心位置Gと引掛け部30の位置が一致する。なお、挿入孔21は、外壁パネル20の厚み方向Cの中心に形成されているので、外壁パネル20の厚み方向Cの重心位置と引掛け部30の位置も一致する。なお、図では外壁パネル20が起立した状態で描かれているが、実際には、建築現場内あるいは搬送用トラックの荷台に積層(横積み)され、水平に寝かされた状態で支持片10の挿通作業がなされるのが一般的である。
【0028】
次に、引掛け部30に揚重機のフックFが引っ掛けられる。その後、揚重機によりフックFが引っ張り上げられ、外壁パネル吊り上げ具1を介して外壁パネル20が上空に吊り上げられる。このとき、例えば支持片10が挿入孔21内で軸周りに回転し、外壁パネル20の鉛直方向の姿勢が維持される。その後、外壁パネル20は、揚重機により建物外周部の所定の位置に搬送され、降下される。所定高さまで降下された外壁パネル20は、建物内部で待機する作業者によってその下端が建物内部側に引き寄せられて、梁の上フランジ外側に取り付けられた外壁パネル受け金物に載置されて仮固定される。その後、外壁パネル20の上端が建物の外部側に倒れないように他の手段で仮に保持された状態で、外壁パネル20の挿入孔21から支持片10が引き抜かれる。そして、外壁パネル20が所定の金具やボルトを用いて建物の躯体に取り付けられる。
【0029】
本実施の形態によれば、外壁パネル20を鉛直姿勢を保った状態で吊り上げることができるので、隣地建物との間の空間が僅かな場合であっても外壁パネル20の取り付け作業を適正に行うことができる。また、支持片10を外壁パネル20の挿入孔21に出し入れすることによって、外壁パネル20への着脱を行うことができるので、着脱が簡単で手間や時間がかからない。また、外壁パネル吊下げ具1の装置構成が単純で安価である。さらに、支持片10全体で外壁パネル20を支持できるので、荷重が分散し、強度が低い外壁パネルでも破損の恐れがなく適切に吊り上げることができる。
【0030】
また、外壁パネル吊り上げ具1は、支持片10の先端が挿入孔21の終端21aに当接したときの引掛け部30の位置が、外壁パネル20の幅方向Aの重心位置Gに一致するように構成されている。このため、支持片10を挿入孔21の終端21aまで挿入すれば、吊り上げ時の外壁パネル20のバランスが取れるので、支持片10をバランスの取れた最適な位置に容易に装着することができ、外壁パネル吊り上げ具1の装着の手間や時間をより低減できる。
【0031】
また、支持片10は、丸棒状に形成され、外壁パネル20の挿入孔21内で外壁パネル20に対し回転自在であるので、外壁パネル20を吊り上げた際に、その外壁パネル20の自重により自動的に姿勢が鉛直方向に修正されるので、より狭いスペースでの外壁パネル20の吊り上げを実現できる。また、支持片10を軸にして外壁パネル吊り上げ具1全体を外壁パネル20に対して回動できるので、外壁パネル吊り上げ具1を扱いやすい角度に動かして、外壁パネル20への着脱をより簡単に行うことができる。
【0032】
上記実施の形態における外壁パネル吊り上げ具1は、図5に示すように吊り上げた外壁パネル20が支持片10から脱落するのを防止するストッパー片50を有していてもよい。かかる場合、例えば引掛け片11には、連結片12が連結されていない側の端部から下方に向けて延びる棒状のストッパー片50が接続されている。ストッパー片50は、支持片10、引掛け片11及び連結片12と同一平面上にあり、連結片12に対向し平行で、支持片10及び引掛け片11に対し垂直に向けられている。また、この場合、例えばストッパー片50と連結片12を接続する補強片51が設けられている。
【0033】
ストッパー片50は、例えば吊り上げられた外壁パネル20の他の側面20bに対向するストッパー部50aを有し、このストッパー部50aにおいて、支持片10に対し幅方向Aにずれた外壁パネル20を止めることができる。
【0034】
ストッパー部50aは、例えば外壁パネル20の他方の側面20bに対向する位置から退避可能に構成されていてもよい。例えばストッパー片50には、ストッパー部50aをストッパー片50の本体に対し進退させる進退機構が設けられている。進退機構は、例えば図6に示すようにストッパー部50aをストッパー片50本体に沿って移動させるスライド機構であってもよい。かかる場合、例えばストッパー部50aにスリットDを形成し、当該スリットD内にストッパー片50本体に固定された2つのネジ60を設け、ストッパー部50aをスリットD方向にスライドさせ、所望の位置でネジ60を締めて固定するようにしてもよい。このとき、ネジ60は、ストッパー部50aのスライドの範囲を制限するストッパーとしても機能する。
【0035】
また、ストッパー部50aの進退機構は、例えば図7に示すようにストッパー部50aをストッパー片50の本体に対し回動させる回動機構であってもよい。かかる場合、例えばストッパー片50の本体にストッパー部50aを軸止するネジ70を設けて、ストッパー部50aをネジ70周りに回動させ、所望の位置でネジ70を締めて固定するようにしてもよい。このとき、ストッパー部50aには、回動の範囲を制限するストッパー板71を設けてもよい。なお、ストッパー部50aの進退機構は、これらの構成に限られず他の構成を有するものであってもよい。
【0036】
以上のように外壁パネル吊下げ具1にストッパー片50を設けた場合、外壁パネル20が万一落下するのを防止できる。また、ストッパー片50にストッパー部50aの進退機構を設けることにより、ストッパー部50aが邪魔にならずスムーズに支持片10を挿入孔21に挿入することができる。
【0037】
以上の実施の形態において、外壁パネル吊り上げ具1の引掛け部30は、引掛け片11に一つ設けられていたが、吊り上げられる外壁パネル20の幅寸法のバリエーションに応じて複数設けられていてもよい。例えば外壁パネル20の幅寸法が二種類ある場合に、図8及び図9に示すように引掛け片11に二つの引掛け部30a、30bが設けられる。例えば引掛け部30aは、幅の広い外壁パネル20用であり、引掛け部30bは、幅の狭い外壁パネル20用である。また、引掛け部30aは、図8に示すように支持片10の先端が挿入孔21の終端21aに当接したときに、幅広の外壁パネル20の幅方向Aの重心位置Gに一致するような位置に形成され、引掛け部30bは、図9に示すように支持片10の先端が挿入孔21の終端21aに当接したときに、幅狭の外壁パネル20の幅方向Aの重心位置Gに一致するような位置に形成される。かかる場合、建築現場において、幅寸法の異なる複数種類の外壁パネル20を吊り上げる必要がある場合に同じ外壁パネル吊り上げ具1を用いて施工することができるので、作業効率を向上できる。なお、引掛け部30の数は、二つに限られず、吊り上げられる外壁パネル20の種類の数に応じて任意に選択できる。
【0038】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0039】
例えば以上の実施の形態において、外壁パネル20の挿入孔21が貫通しており、外壁パネル吊り上げ具1の支持片10が挿入孔21を貫通するものであってもよい。この場合、装着された外壁パネル吊り上げ具1と外壁パネル20との位置関係を適正にする為に、例えば外壁パネル20の一の側面20aが連結片12に接触した状態でバランスが取れるように引掛け部30の位置を定めてもよい。また、支持片10に外壁パネル20の一の側面20aと接触する突起等を設けてもよい。引掛け片11の引掛け部30の形状は、例えばリング状等の他の形状であってもよい。また、支持片10の形状も円柱状に限られず他の形状であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明は、狭小なスペースにおける外壁パネルの取り付け作業を簡単に行う際に有用である。
【符号の説明】
【0041】
1 外壁パネル吊り上げ具
10 支持片
11 引掛け片
12 連結片
20 外壁パネル
20a 一の側面
20b 他の側面
21 挿入孔
30 引掛け部
50 ストッパー片
A 外壁パネルの幅方向
B 外壁パネルの長手方向
C 外壁パネルの厚み方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
揚重機により外壁パネルを吊り上げるための外壁パネル吊り上げ具であって、
前記外壁パネルの幅方向の一方の側面から当該幅方向に向かって形成された挿入孔に挿入されて前記外壁パネルを支持する支持片と、
前記支持片に略平行に設けられ、前記揚重機のフックが引掛けられる引掛け部を有する引掛け片と、
前記支持片と前記引掛け片を連結する連結片と、を有する、外壁パネル吊り上げ具。
【請求項2】
前記支持片の先端が前記外壁パネルの挿入孔の終端に当接したときの前記引掛け片の引掛け部の位置が、前記外壁パネルの幅方向の重心位置に一致するように構成されている、請求項1に記載した外壁パネル吊り上げ具。
【請求項3】
前記引掛け部が、吊り上げられる外壁パネルの幅寸法のバリエーションに応じて複数設けられている、請求項1又は2に記載の外壁パネル吊り上げ具。
【請求項4】
吊り上げた前記外壁パネルが前記支持片から脱落するのを防止するストッパー片をさらに有する、請求項1〜3のいずれかに記載の外壁パネル吊り上げ具。
【請求項5】
前記支持片は、円柱状に形成され、前記外壁パネルの挿入孔内で前記外壁パネルに対し回転自在である、請求項1〜4のいずれかに記載の外壁パネル吊り上げ具。
【請求項6】
建物の外壁に用いられ、軽量気泡コンクリートを材質とする外壁パネルであって、
外壁パネルを揚重機により吊り上げるための外壁パネル吊り上げ具の支持片が挿入される挿入孔を有し、
前記挿入孔は、外壁パネルの高さ方向の上端部付近であって、外壁パネルの幅方向の一の側面から当該幅方向に向かって形成されている、外壁パネル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−87595(P2013−87595A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−232006(P2011−232006)
【出願日】平成23年10月21日(2011.10.21)
【出願人】(303046244)旭化成ホームズ株式会社 (703)
【Fターム(参考)】