説明

外用消炎鎮痛剤組成物

【課題】消炎鎮痛薬の結晶析出を防止し、かつ消炎鎮痛薬の経皮吸収を高め、さらに皮膚塗布時の感触が改善された外用消炎鎮痛剤を提供することを課題とした。
【解決手段】(A)消炎鎮痛薬、(B)炭素数14〜22の高級アルコール、炭素数12〜22の高級脂肪酸及びまたはステロール類から選ばれる1種または2種以上、(C)非イオン界面活性剤、(D)レシチン、(E)少なくとも1つ以上のエステル結合を含み、有機性値が50〜800かつ無機性値が50〜300である25℃で液状の油、(F)水を必須成分として含有する外用消炎鎮痛剤組成物は、液晶構造中に消炎鎮痛薬を含む油が取り込まれることで結晶析出を防止し、かつ消炎鎮痛薬の経皮吸収を高め、さらに皮膚塗布時の感触が改善し、上記課題を解決できることを見出し、課題を解決することが出来た。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消炎鎮痛薬が高濃度に配合された外用消炎鎮痛剤組成物に関し、より詳しくは、外用消炎鎮痛剤組成物を液晶構造をもつ水中油型乳化物とすることで、消炎鎮痛薬の結晶析出を防止し、かつ消炎鎮痛薬の経皮吸収を高め、さらに皮膚塗布時の感触が改善された外用消炎鎮痛剤に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、インドメタシン等の消炎鎮痛薬を患部に投与するための製剤形態としては、注射剤、経口剤、外用剤、坐薬および点眼剤などがある。ここで、外用剤は、特別な医療技術を必要としなくても、製剤を皮膚に塗布するだけで、皮膚を経由して消炎鎮痛薬を患部に投与することのできる簡便な方法であるため、一般向けの医薬品として広く使用されている。しかし、消炎鎮痛薬の多くは、結晶性が高く、しかも水にも油にも溶解しにくい、いわゆる"難溶性薬剤"であるので、外用製剤中で経時的に結晶化することで経皮吸収性が低下し、薬効が十分に発揮されないという問題があった。さらに、消炎鎮痛薬の結晶化により、外用剤の乳化安定性や塗布時の使用感触が著しく損なわれるという問題も存在した。
【0003】
このような問題を解決するために、エタノール、イソプロピルアルコールなどの低級アルコールやグリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオールなどの多価アルコールを高濃度に添加し、消炎鎮痛薬を溶解させる技術(特許文献1〜2)が開示されている。また、ニコチン酸、乳酸、アジピン酸、セバシン酸などの低級アルキルエステルや多価アルコールの中鎖脂肪酸エステルなどの高極性液状油に消炎鎮痛薬を溶解し、乳化物とする技術(特許文献2〜3)が開示されている。
【0004】
前述の低級アルコールや多価アルコールを高濃度に添加して溶解性を高める場合は、これらの添加剤による皮膚刺激性の問題が生じ、さらに、消炎鎮痛剤の溶解性は、一時的には向上するものの、経時的な結晶化防止を図るには不十分であり、消炎鎮痛薬の経皮吸収性も向上しない。また、これら製剤は、高濃度の水溶性溶剤を含むので、一般に使用されるカルボキシビニルポリマーやアクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体による増粘が難しく、皮膚への塗布性を向上させることが困難である。
【0005】
ニコチン酸、乳酸、アジピン酸、セバシン酸などの低級アルキルエステルや多価アルコールの中鎖脂肪酸エステルなどの高極性液状油に消炎鎮痛薬を溶解し、乳化物とする技術は、これらの高極性油が乳化しにくいため、製剤の乳化安定性確保が困難である。さらに、消炎鎮痛剤の溶解性は、一時的には向上するものの、経時的な結晶化防止を図るには不十分である。また、消炎鎮痛薬の経皮吸収性も改善されない。この乳化安定性を改善する方法として、非イオン界面活性剤とアクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体との組み合わせで、増粘ゲル製剤とする技術が開示されているが(特許文献4)、一般の水中油型乳化製剤と異なり、皮膚へ塗布した際の使用感触に劣るものである。
【0006】
さらに、消炎鎮痛薬の結晶析出を防止し、外用消炎鎮痛剤の安定性を高める技術としてリン脂質を利用する技術が開示されているが(特許文献5〜7)、これらの技術は消炎鎮痛薬の皮膚浸透性を向上させるためのものであって、これらの方法によっても結晶析出の防止効果は十分発揮されない。また、液晶構造を利用して結晶性薬剤の結晶化を防止する方法も開示されているが、(特許文献8)この方法では結晶性薬物が液晶構造の中に入らないため結晶性薬物を効果的に防ぐことができないという問題点がある。
【特許文献1】特開昭57−128623号公報
【特許文献2】特開昭62−39524号公報
【特許文献3】特開昭60−146823号公報
【特許文献4】特開2003−201231号公報
【特許文献5】特開昭58−150508号公報
【特許文献6】特開昭61−194015号公報
【特許文献7】特開平05−186330号公報
【特許文献8】特開昭63−150221号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、消炎鎮痛薬の結晶析出を防止し、かつ消炎鎮痛薬の経皮吸収を高め、さらに皮膚塗布時の感触が改善された外用消炎鎮痛剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本課題に対し、新規な外用消炎鎮痛剤組成物を見出すために鋭意研究を行った結果、次の(A)〜(F)を必須成分として含有する外用消炎鎮痛剤組成物は、消炎鎮痛薬の結晶析出を防止し、かつ消炎鎮痛薬の経皮吸収を高め、さらに皮膚塗布時の感触が改善し、上記課題を解決できることを見出した。
(A)消炎鎮痛薬
(B)炭素数14〜22の高級アルコール、炭素数12〜22の高級脂肪酸及びまたはステロール類から選ばれる1種または2種以上
(C)非イオン界面活性剤
(D)レシチン
(E)少なくとも1つ以上のエステル結合を含み、有機性値が50〜800かつ無機性値が50〜300である25℃で液状の油
(F)水
【発明の効果】
【0009】
本発明により、消炎鎮痛薬の結晶がほとんど析出せず、かつ消炎鎮痛薬の経皮吸収が高く、さらに皮膚塗布時の感触が優れている外用消炎鎮痛剤組成物提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の外用消炎鎮痛剤組成物は、液晶構造を持つ水中油型乳化物とすることで、より効果的に消炎鎮痛薬の結晶析出を防止し、かつ消炎鎮痛薬の経皮吸収を高めることができる。それは、液晶構造中に消炎鎮痛薬を含む油が取り込まれることで結晶化が抑制され、さらに、この組成物を皮膚に塗布した場合、液晶構造を介して、高濃度の消炎鎮痛薬を含む油相が皮膚表面に濃縮されることで、薬剤の経皮吸収性が向上されるためと考えられる。また、水中油型乳化物とすることで、好ましい塗布感触を付与することができる。
【0011】
本発明に使用される(A)成分の消炎鎮痛薬としては、特に限定されるものではないが、例えば、インドメタシン、ピロキシカム、ケトプロフェン、フェルビナク、サリチル酸メチル、サリチル酸グリコール、ジクロフェナック、フルフェナム酸、グリチルリチン酸、アラントイン、ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ベタメタゾン、デキサメタゾンなどが挙げられる。これらは、1種又は2種以上を組み合わせて使用しても良い。本発明においては、汎用性の観点からインドメタシンが好適に使用される。
【0012】
本発明に使用される(B)成分の炭素数14〜22の高級アルコールとしては、特に限定されるものではないが、例えば、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オレイルアルコール、セトステアリルアルコール、オクチルドデカノールなどが挙げられる。炭素数12〜22の高級脂肪酸としては、特に限定されるものではないが、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ベヘニン酸などが挙げられる。ステロール類としては、特に限定されるものではないが、例えば、コレステロール、コレスタノール、ラノステロール、デヒドロコレステロールなどの動物性ステロール、βシトステロール、スチグマステロール、カンペステロール、エルゴステロールなどの植物性ステロール、ミコステロール、チモステロールなどの微生物由来のステロール類などが挙げられる。これらは、そのままでも、安定化のために水素添加などの化学処理を施されていてもよい。これらの(B)成分は、1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。これらの(B)成分の中で特に好ましいのは、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オレイルアルコール、セトステアリルアルコール、コレステロール、コレスタノール、植物ステロール、植物スタノールである。
【0013】
本発明に使用される(C)成分の非イオン界面活性剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、化粧品、医薬品、医薬部外品など一般外用剤に使用される非イオン界面活性剤であれば特に制限はない。親油性非イオン界面活性剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、アルキルグリセリルエーテル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビットミツロウ、及び、蔗糖脂肪酸エステル等が挙げられる。親水性の非イオン界面活性剤としては、化粧品や医薬品、医薬部外品等、一般外用剤に使用される親水性非イオン界面活性剤であれば特に制限はないが、例えば、自己乳化型グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンラノリン、ポリオキシエチレンラノリンアルコール、ポリオキシエチレンフィトステロール、ポリオキシエチレンフィトスタノール、ポリオキシエチレンコレスタノールエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、及び、ショ糖脂肪酸エステル等が挙げられる。これらの(C)成分は、1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。これらの中でも、グリセリン脂肪酸エステル、アルキルグリセリルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステル、及び、ポリグリセリン脂肪酸エステル等の親油性の非イオン界面活性剤や、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステル、及び、ショ糖脂肪酸エステル等の親水性の非イオン界面活性剤等が好ましく、さらに好ましくは、炭素数16〜18の脂肪酸グリセリンエステル、炭素数16〜18のアルキルグリセリルエーテル等の親油性の非イオン界面活性剤が挙げられる。これらの炭素数16〜18の脂肪酸グリセリンエステル及び/又は炭素数16〜18のアルキルグリセリルエーテルを使用すると、液晶構造がさらに効率良く形成され、消炎鎮痛薬が高濃度であっても、より効果的に結晶化を防止することができる。
【0014】
本発明に使用される(D)成分のレシチンとしては、特に限定されるものではないが、例えば、大豆レシチン、卵黄レシチン、水素添加大豆レシチン、水素添加卵黄レシチンなどのレシチン類、これらのレシチン類を酵素処理によりモノアシル体としたリゾレシチンおよびまたは水素添加リゾレシチン、ヒドロキシル化したヒドロキシレシチンなどを挙げることができる。また、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジン酸、ホスファチジルセリンなどのレシチン中のリン脂質分画物もそれぞれ単品およびまたは混合して使用できる。これらの(D)成分は、1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0015】
本発明に使用される(E)成分の油としては、少なくとも1つ以上のエステル結合を含み、有機性値が50〜800かつ無機性値が50〜300である25℃で液状の油であれば、特に制限されるものではないが、有機性値としては、100〜700が好ましく、150〜500がさらに好ましい。同時に無機性値としては、55〜250が好ましく、さらに70〜200が好ましい。この有機性値と無機性値が、前記の数値範囲に満たないと、消炎鎮痛薬の結晶析出を防止できず、製剤の安定化と消炎鎮痛薬の経皮吸収性を向上させることができない。また、前期の数値範囲を超えた場合は、油の乳化安定性が低下し、製剤の経時的な外観不良が生じると同時に皮膚への塗布感触が損なわれる。(E)成分の油の具体例としては、ミルスチン酸ブチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、イソステアリン酸イソプロピル、オレイン酸エチル、リノール酸エチル等の脂肪酸と低級アルコールとのエステル、エチルヘキサンセトステアリル、エチルヘキサンステアリル、エチルヘキサンイソセチル、エチルヘキサンイソステアリル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸エチルヘキシル、パルミチン酸イソステアリル、オレイン酸オレイル、オレイン酸デシル、オレイン酸オクチルドデシル等の脂肪酸と高級アルコールとのエステル、モノカプリル酸プロピレングリコール、ジカプリル酸プロピレングリコール、ジ(カプリル・カプリン酸)プロピレングリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジノナン酸プロピレングリコール、ジイソステアリン酸プロピレングリコール、トリカプリル酸グリセリル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、トリエチルヘキサングリセリル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、モノカプリン酸グリセリル等の脂肪酸と多価アルコールとのエステル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジブチルオクチル、アジピン酸ジエチルヘキシル、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソブチル等の多塩基酸とアルコールとのエステル、サリチル酸メチル、乳酸オクチルドデシル、乳酸オレイル、乳酸ラウリル等のヒドロキシカルボン酸とアルコールとのエステル等が挙げられる。これらの(E)成分は、1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。これらの(E)成分の中でも、モノカプリル酸プロピレングリコール、ジカプリル酸プロピレングリコール、ジ(カプリル・カプリン酸)プロピレングリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジノナン酸プロピレングリコール、トリカプリル酸グリセリル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、トリエチルヘキサングリセリル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール等の脂肪酸と多価アルコールとのエステル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジエチルヘキシル、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソブチル等の多塩基酸とアルコールとのエステル、サリチル酸メチル、乳酸オクチルドデシル、乳酸オレイル、乳酸ラウリル等のヒドロキシカルボン酸とアルコールとのエステルが好ましく、さらに好ましくは、モノカプリル酸プロピレングリコール、ジカプリル酸プロピレングリコール、ジ(カプリル・カプリン酸)プロピレングリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジノナン酸プロピレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール等の脂肪酸と多価アルコールとのエステルが挙げられる。
【0016】
なお、本発明に使用される(E)成分の油としては、少なくとも1つ以上のエステル結合を含み、有機性値が50〜800かつ無機性値が50〜300である25℃で液状の油であるが、この範囲以外であっても、インドメタシンなどの消炎鎮痛薬を高濃度に溶解することができる25℃で液状の油を利用することで本発明の効果が期待できる。具体的には、ヘキサカプリル酸テトラグリセリン、ヘキサカプリン酸テトラグリセリン、モノカプリル酸テトラグリセリン、モノカプリル酸ソルビタン等の脂肪酸と多価アルコールとのエステル等が挙げられる。
【0017】
本発明の外用消炎鎮痛剤組成物において、(A)〜(F)成分の配合量及び配合比率(質量比)は、下記の範囲において、より効果的に消炎鎮痛薬の結晶析出を防止し、かつ消炎鎮痛薬の経皮吸収を高めることができる。さらに、好ましい塗布感触を付与することができる。
【0018】
本発明の外用型消炎鎮痛剤組成物における(A)成分の消炎鎮痛薬の配合量は、0.1〜3.0質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜2.5質量%、さらに好ましくは、0.75〜1.5質量%とすることが望ましい。(A)成分が、本発明の製剤を患部に適用した際に期待される消炎鎮痛薬の薬効を期待するには0.1質量%以上であることが好ましく、消炎鎮痛薬の結晶化防止、製剤の安定及び良好な塗布感触を確保するために3.0質量%以下であることが好ましい。
【0019】
(E)成分の油の、炭化水素、動植物油、シリコーン類、(E)に該当しないエステル類などの全油性成分における含有量としては、消炎鎮痛薬の結晶化防止及び消炎鎮痛薬の効果を十分発現させるため50質量%以上が好ましく、55〜95質量%がより好ましく、さらに好ましくは60〜90質量%とすることが望ましい。
【0020】
(F)成分である水は、本発明の外用消炎鎮痛剤組成物に優れた塗布感触を付与するのに特に重要である。本発明の外用消炎鎮痛剤組成物における(F)の配合量は、40.0〜90.0質量%が好ましく、より好ましくは50.0〜80.0質量%、さらに好ましくは、55.0〜70.0質量%である。この範囲であれば、優れた使用感触が得られる。
【0021】
(E)成分と(A)成分の比率(質量比)は、(E)/(A)=40/1〜5/1質量部が好ましく、より好ましくは、30/1〜7.5/1質量部、さらに好ましくは、20/1〜10/1質量部である。(A)成分を十分に溶解させて結晶化を防止するためには(E)/(A)は5/1質量部以上であることが望ましい。また、(E)/(A)を40/1質量部以上としても(A)成分の溶解性の向上に寄与しない可能性が高い上、油分の過剰な添加による乳化物の不安定化と塗布感触の低下を招く可能性があることから、(E)/(A)は40/1質量部以下とすることが望ましい。
【0022】
本発明の外用消炎鎮痛剤組成物の中の(B)+(C)+(D)成分の合計の配合量は、4.0〜20.0質量%が好ましく、より好ましくは6.0〜16.0質量%、さらに好ましくは8.0〜14.0質量%である。外用型消炎鎮痛剤組成物を、皮膚へ塗布するのに適した粘度を持つクリーム、あるいは乳液とするため、また、十分に液晶構造を形成させて、消炎鎮痛薬の結晶化を防止するために(B)+(C)+(D)成分の合計の配合量は4.0質量%以上であることが望ましく、外用消炎鎮痛剤組成物の固化、不安定化及び塗布感触の低下を防止するため、(B)+(C)+(D)成分の合計の配合量は20.0質量%以下であることが望ましい。
【0023】
(C)成分と(D)成分の合計と(B)成分の比率(質量比)は、(C)+(D)/(B)=1/25〜1/5質量部が好ましく、より好ましくは1/20〜1/8質量部、さらに好ましくは、1/15〜1/10質量部である。十分に液晶構造を形成させて、消炎鎮痛薬の結晶化を防止するため、また、外用消炎鎮痛剤組成物の固化、不安定化及び塗布感触の低下を防ぐため(C)+(D)/(B)は1/20質量部以上であることが望ましく、前述したように十分に液晶構造を形成させて、消炎鎮痛薬の結晶化を防止するため、加えて、過剰の非イオン界面活性剤によるべたつき等の感触上の悪影響を防止するため(C)+(D)/(B)は25.0質量部以下であることが望ましい。
【0024】
(C)成分と(D)成分の比率(質量比)は、(C)/(D)=20/1〜20/20質量部が好ましく、より好ましくは20/2〜20/15質量部、さらに好ましくは、20/4〜20/10質量部である。十分に液晶構造を形成させて、消炎鎮痛薬の結晶化を防止するためには(C)/(D)は0.1質量部以上が望ましい。また、(C)/(D)を1.0質量部以上としても、液晶構造の形成を期待以上に促進しない上、(D)成分が高価であるため経済的でないことから、本発明の外用消炎鎮痛剤組成物の実用価値を損なうことになるので、(E)/(A)は40/1質量部以下とすることが望ましい。
【0025】
本発明の外用消炎鎮痛剤組成物は、液晶構造をもつ水中油型乳化物であるが、その液晶構造は、偏光顕微鏡での観察で、ラメラ液晶に独特の形状であるマルターゼクロス像が確認できる。また、樹脂泡埋超薄切法や凍結切片法による透過型電子顕微鏡(TEM)でも液晶構造を確認することができる。
【0026】
本発明の外用消炎鎮痛剤組成物には、一般に皮膚外用剤に使用される界面活性剤、油性成分、高級アルコール、脂肪酸、活性成分、保湿成分、抗菌成分、粘度調整剤、色素、香料などを併用することができる。
【0027】
これらを例示すると、界面活性剤としては、上述の非イオン界面活性剤等以外に、ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウムなどの脂肪酸セッケン類、ラウリル硫酸ナトリウム、POEラウリル硫酸ナトリウムなどの硫酸エステル類、ラウロイルサルコシンナトリウム、ココイル−N−メチルタウリンナトリウム、ラウリルグルタミン酸ナトリウムなどのアシル化アミノ酸塩類、モノラウリルリン酸ナトリウムなどのリン酸エステル塩等のアニオン界面活性剤、第4級アンモニウム塩などのカチオン界面活性剤等を挙げることができる。
【0028】
油性成分としては、上述以外の油性成分として、スクワラン、流動パラフィンなどの炭化水素類、オリーブ油、マカデミアンナッツ油、ホホバ油などの植物油、牛脂などの動物油、パルミチン酸セチル、ミリスチン酸ミリスチル、ヒドロキシステアリン酸フィトステリル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/エイコサン二酸)ポリグリセリル等の重縮合物等のエステル類、ジメチルシリコーン、フェニルメチルシリコーン、シクロメチコンなどのシリコーン類等を挙げることができる。
【0029】
高級アルコールとしては、上述以外の高級アルコールとして、ラルリルアルコール、炭素数20〜40の直鎖アルコール、炭素数30〜50の直鎖アルコール等を挙げることができる。
【0030】
脂肪酸としては、上述以外の脂肪酸として、炭素数30〜50の直鎖脂肪酸等を挙げることができる。
【0031】
保湿成分としては、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ピロリドンカルボン酸ナトリウム等を挙げることができる。
【0032】
活性成分としては、l−メントール、dl−カンフル、ノニル酸ワニリルアミド、ハッカ油、乳酸メンチル、カンタリスチンキ等の局所刺激剤、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸ベンジルエステル、カプサイシン、トウガラシチンキ、塩化カルプロニウム、センブリエキス等の血行促進剤、ユーカリ油、オサンショウエキス等の生薬成分、グリチルレチン酸、グリチルリチン酸、グリチルリチン、グアイアズレン等の抗炎症剤、アミノ酸などのNMF成分、水溶性コラーゲン、エラスチン、グリチルリチン酸、サリチル酸、グリチルレチン酸、セラミドなどの肌荒れ防止剤、パントテン酸、トコフェロール、酢酸トコフェロール、ビタミンE、ビタミンE酢酸エステル、レチノール、ビタミンA酸などの抗老化剤や各種ビタミン類やその誘導体、アスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル、ステアリン酸アスコルビル、テトライソパルミチン酸アスコルビル、アスコルビン酸グルコシド、アルブチン、エラグ酸、ルシノール、グリシン亜鉛錯体、トラネキサム酸及びその誘導体などの美白剤などが挙げることができる。
【0033】
本発明の外用型消炎鎮痛剤組成物の調製法としては、特に制限されるものではないが、次の公知の方法で容易に行うことができる。例えば、パドルミキサー、ホモミキサーなどの通常の乳化装置が使用できる。調製法は、70〜80℃に加温した水性原料と(F)をホモミキサーなどで攪拌しながら、予め、70〜80℃に融解混合しておいた油性原料と(A)〜(E)成分を投入する方法などが挙げられる。
【0034】
本発明の外用型消炎鎮痛剤組成物の剤形は、軟膏の他、クリーム状、乳液状、ローション状等にすることができる。
【0035】
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
【実施例1】
【0036】
1.乳化組成物(O/W型エマルジョンの調製)
表1に示す組成の油相及び水相を各々70〜80℃に加温攪拌して均一に溶解させた。その後、70〜80℃の温度で、ホモミキサーを用いて4000〜5000rpmにて水相を攪拌し、ここに、油相をゆっくり添加していき、5〜10分間乳化し、乳化組成物(O/W型エマルジョン)を調製した。
【0037】
2.評価方法
各乳化組成物について、下記評価を行った。
【0038】
2−1 使用感の評価
得られた各乳化組成物について、10人のパネラーに対して使用テストを行い、使用感を評価した。
【0039】
(使用感の評価方法)
23℃/45%RHの恒温恒湿下で15分間安静にした後、前腕内側に所定量(0.5mL)の検体を塗布し、「塗布時ののびの良さ」、「肌へのなじみの良さ」、「塗布後のさっぱり感」、「べたつき感のなさ」、及び「総合評価」の5項目について下記評価基準により5段階で評点付けし、10人の合計点で評価した。下記評価基準において、5〜4が、使用感に関し、実用上問題のないレベルである。
【0040】
(評価基準)
5:85点以上
4:70点以上85点未満
3:60点以上70点未満
2:50点以上60点未満
1:50点未満
【0041】
2−2 消炎鎮痛薬の経皮吸収性の評価
(消炎鎮痛薬の経皮吸収性の評価方法)
【0042】
TEST SKIN LSE−high003(東洋紡績株式会社:以下、3D皮膚モデル)を内径8mmの穴の開いたシリコンラバーで上下から挟みフランツ型拡散セルにセットした。レセプター溶液としてリン酸緩衝液PBS(−)にポリエチレングリコール400を40質量%混合した溶液を、20mL用いた。セルを32℃で平衡化した後、3D皮膚モデルの表皮側から、消炎鎮痛薬としてインドメタシンを1.0質量%含有する本発明品と比較品を、それぞれ0.1gを塗付した。レセプター内を撹拌しながら同条件で6時間放置した後、レセプター溶液に透過したインドメタシンを、HPLC分析(カラム:TSK ODS 80Tm(東ソー株式会社製)、カラムサイズ:4.6mmφ×150mm、カラム温度:40℃、移動相:アセトニトリル/水/=60/40の容量比からなる溶液を、リン酸でpH2.2に調整したもの、検出:UV230nm)で定量した。レセプター溶液に透過したインドメタシン濃度(μ/mL)は、下記評価基準により4段階で評点付けした。
【0043】
(評価基準)
レセプター溶液に透過したインドメタシン濃度
30μ/mL以上 :◎
20μ/mL以上30μ/mL未満:○
10μ/mL以上20μ/mL未満:△
10μ/mL未満 :×
【0044】
2−3 保存安定性の評価
各乳化組成物を、スクリューキャップ付きサンプル管に入れ、45℃、−5℃の恒温槽、室温にそれぞれ1ヶ月間保存後、状態を目視により観察し、下記評価基準により評点付けした。
【0045】
(評価基準)
外観上変化なし :◎
外観上、相分離を起こしていた:×
【0046】
2−4 液晶安定性の評価
各乳化組成物について、調製直後及びスクリューキャップ付きサンプル管に入れ−5℃の恒温槽で1ヶ月間保存後の試料を偏光顕微鏡により観察し、下記評価基準により評点付けした。
【0047】
(評価基準)
結晶析出せず、液晶構造あり :◎
結晶析出せず、液晶構造なし :○
結晶析出 :×
【表1】

【0048】
3.結果
表1に示すように、本発明の消炎鎮痛薬としてインドメタシンを含む乳化組成物は、比較品に比べ、使用感、経皮吸収性、保存安定性に優れるだけでなく、インドメタシンの結晶化防止効果に優れることが示された。
【実施例2】
【0049】
(肩こり腰痛治療薬1)
A インドメタシン 1.0質量%
大豆ステロール 0.5
ポリオキシエチレン(20)アルキルエーテル 0.8
水素添加大豆レシチン 0.1
モノカプリル酸プロピレングリコール 8.0
(有機性値:220、無機性値:160)
ベヘニルアルコール 4.0
セチルアルコール 6.0
ジメチコン(350mm/s) 0.3
B カーボポール980(2%水溶液) 10.0
グリセリン 3.0
EDTA−2Na 0.05
防腐剤 適量
精製水 残部
C 水酸化カリウム 0.03
精製水 3.0
(調製方法)
A、Bをそれぞれ80℃まで加温し、均一にする。80℃でBをホモミキサーで撹拌しながらAを徐々に添加して乳化する。その後、Cを添加し、パドルで撹拌しながら冷却し、35℃で調製を終了する。
【実施例3】
【0050】
(肩こり腰痛治療薬2)
A インドメタシン 1.5質量%
コレステロール 0.5
ポリオキシエチレン(40)アルキルエステル 0.8
ポリオキシエチレン(20)硬化ヒマシ油 0.3
水素添加卵黄レシチン 0.35
ジカプリン酸プロピレングリコール 5.0
(有機性値:460、無機性値:120)
セバシン酸ジエチル 15.0
(有機性値:280、無機性値:120)
ステアリルアルコール 5.0
セチルアルコール 5.0
ジメチコン(350mm/s) 0.3
B カーボポール980(2%水溶液) 10.0
グリセリン 3.0
EDTA−2Na 0.05
防腐剤 適量
精製水 残部
C 水酸化カリウム 0.03
精製水 3.0
(調製方法)
A、Bをそれぞれ80℃まで加温し、均一にする。80℃でBをホモミキサーで撹拌しながらAを徐々に添加して乳化する。その後、Cを添加し、パドルで撹拌しながら冷却し、35℃で調製を終了する。
【実施例4】
【0051】
(肩こり腰痛治療薬3)
A インドメタシン 1.0質量%
サリチル酸メチル 0.1
L−メントール 3.0
植物スタロール 0.3
ポリオキシエチレン(40)アルキルエステル 0.5
ポリオキシエチレン(20)硬化ヒマシ油 0.3
ソルビタン脂肪酸エステル 0.1
モノステアリン酸グリセリル 0.1
水素添加大豆レシチン 0.4
モノカプリル酸プロピレングリコール 10.0
(有機性値:220、無機性値:160)
モノカプリン酸グリセリル 2.0
(有機性値:220、無機性値:260)
セバシン酸ジイソプロピル 12.0
(有機性値:300、無機性値:160)
ミリスチン酸イソプロピル 2.0
(有機性値:330、無機性値:60)
イソノナン酸イソトリデシル 2.0
(有機性値:400、無機性値:60)
オクチルドデカノール 2.0
ステアリルアルコール 6.0
ベヘニルアルコール 2.0
オレイルアルコール 1.0
キミルアルコール 1.0
ジメチコン(350mm/s) 0.3
B カーボポール980(2%水溶液) 5.0
グリセリン 3.0
EDTA−2Na 0.05
防腐剤 適量
精製水 残部
C 水酸化カリウム 0.015
精製水 3.0
(調製方法)
A、Bをそれぞれ80℃まで加温し、均一にする。80℃でBをホモミキサーで撹拌しながらAを徐々に添加して乳化する。その後、Cを添加し、パドルで撹拌しながら冷却し、35℃で調製を終了する。
【実施例5】
【0052】
(肩こり腰痛治療薬4)
A ケトプロフェン 3.0質量%
L−メントール 2.0
大豆ステロール 0.5
ポリオキシエチレン(40)アルキルエステル 1.0
水素添加大豆レシチン 0.3
ジカプリル酸プロピレングリコール 5.0
(有機性値:380、無機性値:120)
ジノナン酸プロピレングリコール 5.0
(有機性値:420、無機性値:120)
ジイソステアリン酸プロピレングリコール 1.0
(有機性値:760、無機性値:120)
アジピン酸ジイソブチル 5.0
(有機性値:260、無機性値:120)
乳酸オクチルドデシル 2.0
(有機性値:460、無機性値:160)
ヘキサカプリル酸テトラグリセリル 2.0
ステアリルアルコール 6.0
ベヘニルアルコール 3.0
ステアリン酸 1.0
流動パラフィン 3.0
ジメチコン(350mm/s) 0.3
B カーボポール981(2%水溶液) 10.0
D−ソルビトール液(70%液) 3.0
EDTA−2Na 0.05
クエン酸Na 0.01
防腐剤 適量
精製水 残部
C 水酸化カリウム 0.03
精製水 3.0
(調製方法)
A、Bをそれぞれ80℃まで加温し、均一にする。80℃でBをホモミキサーで撹拌しながらAを徐々に添加して乳化する。その後、Cを添加し、パドルで撹拌しながら冷却し、35℃で調製を終了する。
【実施例6】
【0053】
(肩こり腰痛治療薬(ローションタイプ)
A インドメタシン 1.0質量%
大豆ステロール 0.3
ポリオキシエチレン(20)アルキルエーテル 1.0
水素添加卵黄レシチン 0.3
モノカプリルプロピレングリコール 5.0
(有機性値:220、無機性値:160)
アジピン酸ジイソプロピル 15.0
(有機性値:220、無機性値:120)
ステアリルアルコール 4.0
ベヘニルアルコール 4.0
ジメチコン(100mm/s) 0.3
B D−ソルビトール液(70%液) 10.0
クエン酸Na 0.01
防腐剤 適量
精製水 残部
(調製方法)
A、Bをそれぞれ80℃まで加温し、均一にする。80℃でBをホモミキサーで撹拌しながらAを徐々に添加して乳化する。その後、パドルで撹拌しながら冷却し、35℃で調製を終了する。
【0054】
実施例2〜6の外用消炎鎮痛剤組成物肩こり腰痛治療薬は、いずれも消炎鎮痛剤の結晶は析出しなかった。また、実施例1で評価した液晶の確認方法を用いて測定したところ、いずれも液晶構造を形成していることを確認した。また、実施例1で経皮吸収評価方法を用いて同様に評価したところ、いずれも経皮吸収促効果が向上することが示された。塗布時の感触も化粧品のように、のび及び皮膚馴染みがよく、べたつかずさっぱりとした感触であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の(A)〜(F)を必須成分として含有する外用消炎鎮痛剤組成物。
(A)消炎鎮痛薬
(B)炭素数14〜22の高級アルコール、炭素数12〜22の高級脂肪酸及び/又はステロール類から選択される1種または2種以上
(C)非イオン界面活性剤
(D)レシチン
(E)少なくとも1つ以上のエステル結合を含み、有機性値が50〜800かつ無機性値が50〜300である25℃で液状の油
(F)水
【請求項2】
上記(E)成分が多価アルコールと炭素数6〜10の脂肪酸とのエステルであることを特徴とする請求項1に記載の外用消炎鎮痛剤組成物。
【請求項3】
上記(C)成分が、親油性非イオン界面活性剤として、炭素数16〜18の脂肪酸グリセリンエステル及び/又は炭素数16〜18のアルキルグリセリルエーテルから選択される1種又は2種以上を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の外用消炎鎮痛剤組成物。
【請求項4】
上記外用消炎鎮痛剤組成物が、液晶構造をもつ水中油型乳化物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の外用消炎鎮痛剤組成物。
【請求項5】
上記(A)成分がインドメタシンであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の外用消炎鎮痛剤組成物。

【公開番号】特開2010−64995(P2010−64995A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−234293(P2008−234293)
【出願日】平成20年9月12日(2008.9.12)
【出願人】(000226437)日光ケミカルズ株式会社 (60)
【出願人】(000228729)日本サーファクタント工業株式会社 (44)
【出願人】(301068114)株式会社コスモステクニカルセンター (57)
【Fターム(参考)】